(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6536402
(24)【登録日】2019年6月14日
(45)【発行日】2019年7月3日
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
B60C 5/00 20060101AFI20190625BHJP
B60C 11/03 20060101ALI20190625BHJP
【FI】
B60C5/00 F
B60C11/03 100B
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-528765(P2015-528765)
(86)(22)【出願日】2014年11月21日
(86)【国際出願番号】JP2014080948
(87)【国際公開番号】WO2015076382
(87)【国際公開日】20150528
【審査請求日】2017年11月17日
(31)【優先権主張番号】特願2013-241359(P2013-241359)
(32)【優先日】2013年11月21日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(74)【代理人】
【識別番号】100138287
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 功
(72)【発明者】
【氏名】丹野 篤
(72)【発明者】
【氏名】坂本 洋佑
【審査官】
市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−020479(JP,A)
【文献】
特開2008−080969(JP,A)
【文献】
特開2003−063208(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/044727(WO,A1)
【文献】
特開2007−112395(JP,A)
【文献】
特開2010−173573(JP,A)
【文献】
特開2004−352174(JP,A)
【文献】
特開2010−047134(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C1/00−19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、前記トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の周方向溝を設けると共に、タイヤ内面の前記トレッド部に対応する領域にタイヤ周方向に沿って接着層を介して帯状の吸音材を接着した空気入りタイヤにおいて、前記吸音材の幅がタイヤ接地幅の70%〜85%であり、前記吸音材のタイヤ幅方向の配置領域内に含まれる周方向溝の幅の合計が前記吸音材の幅の25%〜40%であり、前記吸音材のタイヤ幅方向の端部を前記周方向溝の直下域から外れた領域に配置したことを特徴とする空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記トレッド部に形成される全ての周方向溝が前記吸音材のタイヤ幅方向の配置領域内に含まれるように前記吸音材を設置したことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記接着層はその厚さが0.1mm〜1.2mmである両面接着テープであることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記タイヤ接地幅が110mm〜170mmであり、前記吸音材のタイヤ幅方向の配置領域内に配置される周方向溝が幅4mm以上である4本の主溝を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記タイヤ接地幅が150mm〜280mmであり、前記吸音材のタイヤ幅方向の配置領域内に配置される周方向溝が幅10mm以上である3本の主溝と幅10mm未満である1本又は2本の補助溝を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記吸音材のタイヤ幅方向の配置領域内に配置される周方向溝のうち、最も幅が広い周方向溝の幅が15mm以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項7】
前記吸音材はタイヤ周方向に延在する単一の吸音材であり、その長手方向に直交する断面において少なくとも前記接着面に対応する範囲では均一な厚さを有し、その断面形状が長手方向に沿って一定であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項8】
リム組み時にタイヤ内に形成される空洞部の体積に対する前記吸音材の体積の比率が20%よりも大きいことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項9】
前記吸音材の硬さが60N〜170Nであり、前記吸音材の引張り強度が60kPa〜180kPaであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項10】
前記接着層は両面接着テープからなり、その引き剥がし粘着力が8N/20mm〜40N/20mmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項11】
前記一対のビード部間にカーカス層を装架し、前記トレッド部における前記カーカス層の外周側にベルト層を配置し、前記カーカス層を各ビード部に配置されたビードコアの廻りにタイヤ内側から外側へ折り返し、該カーカス層の折り返し部を前記ベルト層と重なる位置まで延在させると共に、前記吸音材のタイヤ幅方向の端部を前記カーカス層の端末位置から5mm以上離れた位置に配置したことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項12】
前記吸音材が連続気泡を有する多孔質材料から構成されることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項13】
前記多孔質材料が発泡ポリウレタンであることを特徴とする請求項12に記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ内面のトレッド部に対応する領域に帯状の吸音材を接着した空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、良好なウエット性能を確保すると共に、周方向溝に起因する気柱共鳴音を低減することを可能にした空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤにおいて、騒音を発生させる原因の一つにタイヤ内部に充填された空気の振動による空洞共鳴音がある。この空洞共鳴音は、タイヤを転動させたときにトレッド部が路面の凹凸によって振動し、トレッド部の振動がタイヤ内部の空気を振動させることによって生じるものである。
【0003】
このような空洞共鳴現象による騒音を低減する手法として、タイヤとホイールのリムとの間に形成される空洞部内に吸音材を配設することが提案されている。より具体的には、タイヤ内面のトレッド部に対応する領域に帯状の吸音材を接着することが行われている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
一方、空気入りタイヤのトレッド部にはタイヤ周方向に延びる周方向溝が形成されているが、このような周方向溝は空洞共鳴音(約200Hz〜250Hz)よりも周波数が高い気柱共鳴音(約800Hz〜1.5kHz)を生じさせる要因となる。特に、ウエット性能を改善するために周方向溝を太くした場合、それによって生じる気柱共鳴音も大きくなる。また、気柱共鳴音を低減するために周方向溝を細くした場合、ウエット性能の低下を招くことになる。そのため、良好なウエット性能を確保しながら、周方向溝に起因する気柱共鳴音を低減することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本国特開2002−67608号公報
【特許文献2】日本国特開2005−138760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、良好なウエット性能を確保すると共に、周方向溝に起因する気柱共鳴音を低減することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を解決するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、前記トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の周方向溝を設けると共に、タイヤ内面の前記トレッド部に対応する領域にタイヤ周方向に沿って接着層を介して帯状の吸音材を接着した空気入りタイヤにおいて、前記吸音材の幅がタイヤ接地幅の70%〜
85%であり、前記吸音材のタイヤ幅方向の配置領域内に含まれる周方向溝の幅の合計が前記吸音材の幅の25%〜40%であ
り、前記吸音材のタイヤ幅方向の端部を前記周方向溝の直下域から外れた領域に配置したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明者は、空洞共鳴音を低減するためにタイヤ内面に設置される吸音材やその接着層がトレッド部に形成された周方向溝に起因する気柱共鳴音の低減にも寄与することを知見し、本発明に至ったのである。
【0009】
即ち、本発明では、タイヤ内面のトレッド部に対応する領域にタイヤ周方向に沿って接着層を介して帯状の吸音材を接着した空気入りタイヤにおいて、吸音材の幅をタイヤ接地幅の70%〜
85%とし、吸音材のタイヤ幅方向の配置領域内に含まれる周方向溝の幅の合計を吸音材の幅の25%〜40%とすることにより、良好なウエット性能を確保しながら、周方向溝に起因する気柱共鳴音が空気入りタイヤの空洞部内に伝達されて反響するのを抑制し、気柱共鳴音を低減することができる。
【0010】
本発明において、タイヤ接地幅は、タイヤを正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態で平面上に垂直に置いて正規荷重を加えたときに測定されるタイヤ軸方向の接地幅である。「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、或いはETRTOであれば“Measuring Rim”とする。但し、タイヤが新車装着タイヤの場合には、このタイヤが組まれる純正ホイールを用いる。「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”であるが、タイヤが新車装着タイヤの場合には、車両に表示された空気圧とする。「正規荷重」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”であるが、タイヤが乗用車である場合には前記荷重の88%に相当する荷重とする。タイヤが新車装着タイヤの場合には、車両の車検証記載の前後軸重をそれぞれ2で割って求めた輪荷重とする。
【0011】
周方向溝の幅は、タイヤを正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態で測定されるトレッド部の踏面での溝幅である。但し、幅1.8mm以下の周方向溝は気柱共鳴音に対する影響が小さいので、このような周方向溝の幅は吸音材のタイヤ幅方向の配置領域内に含まれる周方向溝の幅の合計からは除外されるものとする。
【0012】
トレッド部に形成される全ての周方向溝が吸音材のタイヤ幅方向の配置領域内に含まれるように吸音材を設置することが好ましい。これにより、周方向溝に起因する気柱共鳴音を効果的に低減することができる。
【0013】
接着層はその厚さが0.1mm〜1.2mmである両面接着テープであることが好ましい。これにより、周方向溝に起因する気柱共鳴音を効果的に低減することができる。
【0014】
本発明の空気入りタイヤは、タイヤ接地幅が110mm〜170mmであり、吸音材のタイヤ幅方向の配置領域内に配置される周方向溝が幅4mm以上である4本の主溝を含むことが好ましい。これにより、上記のようなタイヤ接地幅を有する空気入りタイヤにおいて、ウエット性能を良好に維持しながら、周方向溝に起因する気柱共鳴音を効果的に低減することができる。
【0015】
また、本発明の空気入りタイヤは、タイヤ接地幅が150mm〜280mmであり、吸音材のタイヤ幅方向の配置領域内に配置される周方向溝が幅10mm以上である3本の主溝と幅10mm未満である1本又は2本の補助溝を含むことが好ましい。これにより、上記のようなタイヤ接地幅を有する空気入りタイヤにおいて、ウエット性能を良好に維持しながら、周方向溝に起因する気柱共鳴音を効果的に低減することができる。
【0016】
吸音材のタイヤ幅方向の配置領域内に配置される周方向溝のうち、最も幅が広い周方向溝の幅は15mm以上であることが好ましい。このようにトレッド部に幅15mm以上の周方向溝を形成することにより、ウエット性能を高めることができる。
【0017】
本発明においては、吸音材の幅を比較的広くするため、トレッド部の変形に伴って吸音材の接着面にせん断歪みが生じ易い。そのため、タイヤ内面に対する吸音材の接着状態を良好に確保することが要求される。その一つの手法として、吸音材のタイヤ幅方向の端部を周方向溝の直下域から外れた領域に配置することが好ましい。つまり、タイヤチェンジャーを用いてホイールから空気入りタイヤを外す際に、トレッド部が周方向溝を屈曲部として大きく折れ曲がるため、周方向溝の直下域に吸音材のタイヤ幅方向の端部が存在していると、トレッド部の変形時に吸音材の端部がタイヤ内面から剥がれる恐れがある。これに対して、吸音材のタイヤ幅方向の端部を周方向溝の直下域から外れた領域に配置した場合、そのような吸音材の剥離が誘発されるのを回避することができる。
【0018】
吸音材はタイヤ周方向に延在する単一の吸音材であり、その長手方向に直交する断面において少なくとも接着面に対応する範囲では均一な厚さを有し、その断面形状が長手方向に沿って一定であることが好ましい。これにより、接着面積当たりの吸音材の容量を最大限に大きくし、優れた騒音低減効果を得ることができる。また、このような形状を有する吸音材は加工が容易であるため製造コストも安価である。
【0019】
リム組み時にタイヤ内に形成される空洞部の体積に対する吸音材の体積の比率は20%よりも大きいことが好ましい。このように吸音材の体積を大きくすることで優れた騒音低減効果を得ることができ、しかも大型の吸音材であっても良好な接着状態を長期間にわたって確保することができる。空洞部の体積は、タイヤを正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態でタイヤとリムとの間に形成される空洞部の体積である。
【0020】
吸音材の硬さは60N〜170Nであり、吸音材の引張り強度は60kPa〜180kPa以上であることが好ましい。このような物性を有する吸音材はタイヤのインフレートによる膨張や接地によるトレッド部の変形に起因して生じるせん断歪みに対する耐久性が優れている。吸音材の硬さは、JIS−K6400−2「軟質発泡材料−物理特性−第2部:硬さ及び圧縮応力−ひずみ特性の求め方」に準拠して測定されるものであって、そのD法(25%定圧縮して20秒後の力を求める方法)により測定されるものである。また、吸音材の引張り強度は、JIS−K6400−5「軟質発泡材料−物理特性−第5部:引張強さ、伸び及び引裂強さの求め方」に準拠して測定されるものである。
【0021】
接着層は両面接着テープからなり、その引き剥がし粘着力が8N/20mm〜40N/20mmの範囲にあることが好ましい。これにより、吸音材の固定強度を良好に保ちつつ、吸音材の貼り付け作業及びタイヤ廃棄時の解体作業を容易に行うことが可能になる。両面接着テープの引き剥がし粘着力は、JIS−Z0237に準拠して測定されるものである。即ち、両面粘着シートを、厚さ25μmのPETフィルムを貼り合わせて裏打ちする。この裏打ちされた粘着シートを20mm×200mmの方形状にカットして試験片を作製する。この試験片から剥離ライナーを剥がし、露出した粘着面を、被着体としてのステンレス鋼(SUS:B304、表面仕上げBA)板に、2kgのローラーを一往復させて貼り付ける。これを23℃、RH50%の環境下に30分間保持した後、引張試験機を用い、JIS Z 0237に準拠して、23℃、RH50%の環境下、剥離角度180°、引張速度300mm/分の条件にて、SUS板に対する180°引き剥がし粘着力を測定する。
【0022】
本発明において、一対のビード部間にカーカス層を装架し、トレッド部におけるカーカス層の外周側にベルト層を配置し、カーカス層を各ビード部に配置されたビードコアの廻りにタイヤ内側から外側へ折り返し、該カーカス層の折り返し部をベルト層と重なる位置まで延在させたタイヤ構造を採用する場合、吸音材のタイヤ幅方向の端部をカーカス層の端末位置から5mm以上離れた位置に配置することが好ましい。上記タイヤ構造においては、カーカス層の端末位置付近での発熱が大きくなるので、吸音材の端部をカーカス層の端末位置から離すことにより、空気入りタイヤの耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示す斜視断面図である。
【
図2】
図2は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示す子午線断面図である。
【
図3】
図3は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤのトレッドパターンを示す展開図である。
【
図4】
図4は本発明の空気入りタイヤの周方向溝を拡大して示す断面図である。
【
図5】
図5は本発明の空気入りタイヤのショルダー部を示す断面図である。
【
図6】
図6は本発明の他の実施形態からなる空気入りタイヤの要部を示す子午線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜
図5は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示すものである。
図1において、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、該トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。
【0025】
図2に示すように、一対のビード部3,3間にはカーカス層11が装架されている。このカーカス層11は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア12の廻りにタイヤ内側から外側へ折り返されている。ビードコア12の外周上には断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー13が配置されている。また、カーカス層11の内側にはタイヤ内面4に沿ってインナーライナー層14が積層されている。
【0026】
一方、トレッド部1におけるカーカス層11の外周側には複数層のベルト層15が埋設されている。これらベルト層15はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層15において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。ベルト層15の補強コードとしては、スチールコードが好ましく使用される。ベルト層15の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードをタイヤ周方向に対して例えば5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層のベルトカバー層16が配置されている。ベルトカバー層16の補強コードとしては、ナイロンやアラミド等の有機繊維コードが好ましく使用される。
【0027】
図3に示すように、トレッド部1には、タイヤ周方向に延びる4本の主溝21(21a,21b,21c,21d)が形成され、これら主溝21a〜21dにより5列の陸部22が区画されている。タイヤ赤道位置(タイヤ幅方向中央位置)には陸部22のうちの1つが配置されている。これら陸部22にはタイヤ幅方向に延びるラグ溝23や傾斜溝24や切り欠き溝25が形成されている。
【0028】
上記空気入りタイヤにおいて、タイヤ内面4のトレッド部1に対応する領域には、タイヤ周方向に沿って接着層5を介して帯状の吸音材6が接着されている。吸音材6は、連続気泡を有する多孔質材料から構成され、その多孔質構造に基づく所定の吸音特性を有している。吸音材6の多孔質材料としては発泡ポリウレタンを用いると良い。一方、接着層5としては、ペースト状接着剤や両面接着テープを用いることができる。
【0029】
このようにトレッド部1にタイヤ周方向に延びる周方向溝21a〜21dを設けると共に、タイヤ内面4のトレッド部1に対応する領域にタイヤ周方向に沿って接着層5を介して帯状の吸音材6を接着するにあたって、吸音材6の幅Wはタイヤ接地幅TCWの70%〜95%の範囲に設定され、吸音材6のタイヤ幅方向の配置領域内(即ち、幅Wの内側)に含まれる周方向溝21a〜21dの幅の合計が吸音材6の幅Wの25%〜40%の範囲に設定されている。
【0030】
上述した空気入りタイヤでは、吸音材6の幅Wをタイヤ接地幅TCWの70%〜95%とし、吸音材6のタイヤ幅方向の配置領域内に含まれる周方向溝21a〜21dの幅の合計を吸音材6の幅Wの25%〜40%とすることにより、低偏平タイヤであっても良好なウエット性能を確保することができ、しかも周方向溝21a〜21dに起因する気柱共鳴音が空気入りタイヤの空洞部7内に伝達されて反響するのを抑制し、気柱共鳴音を低減することができる。
【0031】
ここで、吸音材6の幅Wがタイヤ接地幅TCWの70%よりも小さいと吸音材6に基づく空洞共鳴音の低減効果が低下し、逆に95%よりも大きいとタイヤ内面4の曲率の影響により吸音材6のタイヤ幅方向の端部が剥がれ易くなる。吸音材6の幅Wは、好ましくはタイヤ接地幅TCWの75%〜90%とする。
【0032】
また、吸音材6のタイヤ幅方向の配置領域内に含まれる周方向溝21a〜21dの幅の合計が吸音材6の幅Wの25%よりも小さいとウエット性能が低下し、逆に40%よりも大きいと気柱共鳴音を十分に低減することができず、しかも操縦安定性等のタイヤ性能を悪化させる要因となる。吸音材6のタイヤ幅方向の配置領域内に含まれる周方向溝21a〜21dの幅の合計は、好ましくは吸音材6の幅Wの27%〜38%、更に好ましくは吸音材6の幅Wの29%〜37%、最も好ましくは吸音材6の幅Wの30%〜36%とする。
【0033】
なお、
図4に示すように、周方向溝21の幅Gwはトレッド部1の踏面における溝幅であるが、その周方向溝21が面取り部を有する場合にはタイヤ子午線断面において周方向溝21の溝壁の延長線と踏面の延長線とが交差する仮想点を基準として幅Gwを測定するものとする。また、周方向溝21の幅Gwがタイヤ周方向に沿って変化する場合、その平均値を用いるようにする。
【0034】
上記空気入りタイヤにおいて、吸音材6の配置領域からタイヤ幅方向外側に外れた位置に追加的な周方向溝を配置することは可能であるが、トレッド部1に形成される全ての周方向溝21が吸音材6のタイヤ幅方向の配置領域内に含まれるように吸音材6を設置するのが良い。これにより、周方向溝21に起因する気柱共鳴音を効果的に低減することができる。
【0035】
接着層5はその厚さが0.1mm〜1.2mmである両面接着テープであると良い。このような両面接着テープは周方向溝21に起因する気柱共鳴音の低減に寄与する。接着層5の厚さが0.1mmよりも小さいと気柱共鳴音の低減効果が不十分になり、逆に1.2mmをよりも大きいと接着層5に基づく接着耐久性が低下する。接着層5の厚さは、好ましくは0.12mm〜1.0mmとする。なお、接着層5は吸音材6の接着面の全域に配置されることが好ましいが、吸音材6の接着面の一部だけに配置されていても良い。
【0036】
上述した空気入りタイヤはタイヤ接地幅TCWが150mm〜280mmの範囲にあるものであるが、このようなタイヤ接地幅TCWを有する空気入りタイヤにおいては、吸音材6のタイヤ幅方向の配置領域内に配置される周方向溝21が幅10mm以上である3本の主溝(21a,21b,21c)と幅10mm未満である1本又は2本の補助溝(21d)を含むことが好ましい。これにより、ウエット性能を良好に維持しながら、周方向溝21に起因する気柱共鳴音を効果的に低減することができる。
【0037】
また、タイヤ接地幅TCWが110mm〜170mmの範囲にある空気入りタイヤ(
図6参照)においては、吸音材6のタイヤ幅方向の配置領域内に配置される周方向溝21が幅4mm以上である4本の主溝(21e)を含むことが好ましい。これにより、ウエット性能を良好に維持しながら、周方向溝21に起因する気柱共鳴音を効果的に低減することができる。
【0038】
吸音材6のタイヤ幅方向の配置領域内に配置される周方向溝21のうち、最も幅が広い周方向溝21の幅は15mm以上であることが好ましい。このようにトレッド部1に幅15mm以上の周方向溝21を形成することにより、ウエット性能を高めることができる。特に、最も幅が広い周方向溝21の幅は17mm以上であると良い。
【0039】
上記空気入りタイヤにおいては、吸音材6の幅Wを比較的広くするため、トレッド部1の変形に伴って吸音材6の接着面にせん断歪みが生じ易い。そのため、タイヤ内面4に対する吸音材6の接着状態を良好に確保することが要求される。そこで、
図2に示すように、吸音材6のタイヤ幅方向の端部を全ての周方向溝21の直下域Xから外れた領域に配置するのが良い。周方向溝21の直下域Xとは、タイヤ子午線断面において周方向溝21の溝幅基準点からトレッド部1の踏面に対して直交する一対の直線を引いたとき、これら一対の直線間に規定される領域である。
【0040】
このように吸音材6のタイヤ幅方向の端部を周方向溝21の直下域Xから外れた領域に配置した場合、タイヤチェンジャーを用いてホイールから空気入りタイヤを外す際に、トレッド部1が周方向溝21を屈曲部として大きく折れ曲がったとしても、吸音材6の端部がタイヤ内面4から剥がれるのを防止することができる。
【0041】
上記空気入りタイヤでは、タイヤ赤道位置に周方向溝21ではなく陸部22を配置しているが、この場合、以下のような効果が得られる。つまり、本発明ではウエット性能や静粛性の改善効果が得られるものの、これら特性に対して背反するドライ路面での操縦安定性はタイヤ赤道位置に陸部及び周方向溝のいずれが配置されるかで大きく影響される。具体的には、タイヤ赤道位置に陸部が存在する方がドライ路面での操縦安定性が良好である。そのため、これら背反性能のバランスを取るにはタイヤ赤道位置に陸部を配置することが好ましい。また、タイヤ赤道位置に周方向溝を配置した場合、タイヤ赤道位置でのタガ効果が低下するため、接地形状が丸みを帯びる傾向がある。接地形状が丸みを帯びると、周方向溝の接地長がトレッド部におけるタイヤ幅方向の位置によって大きく異なるため、それら周方向溝に起因して発生する気柱共鳴音の周波数が複数の帯域に分散し、吸音材や接着層に基づく吸音効果を得るための設計が困難になる。このような観点からも、タイヤ赤道位置に陸部22を配置するのが良い。
【0042】
上記空気入りタイヤにおいて、単一の吸音材6がタイヤ周方向に延在しており、吸音材6はその長手方向に直交する断面において少なくとも接着面に対応する範囲では均一な厚さを有し、その断面形状が長手方向に沿って一定であることが好ましい。特に、吸音材6の長手方向に直交する断面での断面形状は長方形(正方形を含む)であることが好ましいが、場合によっては、接着面側が狭くなるような逆台形にすることも可能である。これにより、接着面積当たりの吸音材6の容量を最大限に大きくし、優れた騒音低減効果を得ることができる。また、このような形状を有する吸音材6は加工が容易であるため製造コストも安価である。
【0043】
上記空気入りタイヤをリム組みしたときタイヤ内面4とリムとの間には空洞部7が形成されるが、その空洞部7の体積に対する吸音材6の体積の比率は20%よりも大きいことが好ましい。このように吸音材6の体積を大きくすることで優れた騒音低減効果を得ることができ、しかも大型の吸音材6であっても良好な接着状態を長期間にわたって確保することができる。また、吸音材6は非環状とすることが好ましい。
【0044】
吸音材6の硬さ(JIS−K6400−2)は60N〜170Nであり、吸音材6の引張り強度(JIS−K6400−5)は60kPa〜180kPaであることが好ましい。このような物性を有する吸音材6はせん断歪みに対する耐久性が優れている。吸音材6の硬さ又は引張り強度が小さ過ぎると吸音材6の耐久性が低下することになる。特に、吸音材6の硬さは、好ましくは70N〜160Nとし、より好ましくは80N〜140Nとするのが良い。また、吸音材6の引張り強度は、好ましくは75kPa〜165kPaとし、より好ましくは90kPa〜150kPaとするのが良い。
【0045】
接着層5はその引き剥がし粘着力(JIS−Z0237:2009)が8N/20mm〜40N/20mmの範囲にあることが好ましい。これにより、吸音材6の固定強度を良好に保ちつつ、吸音材6の貼り付け作業及びタイヤ廃棄時の解体作業を容易に行うことが可能になる。つまり、接着層5の剥離力が弱過ぎると吸音材6の固定状態が不安定になり、逆に接着層5の剥離力が強過ぎると吸音材6の貼り付け作業において貼り付け位置を変更することが困難になり、タイヤ廃棄時には吸音材6を引き剥がすことが困難になる。特に、接着層5の引き剥がし粘着力は、好ましくは9N/20mm〜30N/20mm、より好ましくは10N/20mm〜25N/20mmとするのが良い。
【0046】
上述した空気入りタイヤにおいては、
図2に示すように、一対のビード部3,3間にカーカス層11を装架し、トレッド部1におけるカーカス層11の外周側にベルト層15を配置し、カーカス層11を各ビード部3に配置されたビードコア12の廻りにタイヤ内側から外側へ折り返し、カーカス層11の折り返し部をベルト層15と重なる位置まで延在させたタイヤ構造が採用されている。このようなタイヤ構造を採用する場合、
図5に示すように、吸音材6のタイヤ幅方向の端部をカーカス層11の端末位置P11から5mm以上離れた位置に配置することが好ましい。
【0047】
操縦安定性を重視したハイパフォーマンスタイヤでは、軽量化とバネ特性の両立のためにカーカス層11の折り返し部をベルト層15と重なる位置まで延在させたタイヤ構造を用いることがあるが、このようなタイヤ構造ではカーカス層11のみならずベルト層15やベルトカバー層16等の複数のタイヤ構成部材の端部が密集する部位での発熱が多く、そのような部位が耐久試験においてセパレーション故障の起点となる場合が多い。そのため、吸音材6のタイヤ幅方向の端部をカーカス層11の端末位置P11から十分に離すことにより、空気入りタイヤの耐久性を向上することができる。
【実施例】
【0048】
タイヤサイズ275/35R20で、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の周方向溝を設けると共に、タイヤ内面のトレッド部に対応する領域にタイヤ周方向に沿って接着層を介して帯状の吸音材を接着した空気入りタイヤにおいて、タイヤ接地幅に対する吸音材の幅の比率(%)、吸音材の幅に対する該吸音材の配置領域内に含まれる周方向溝の幅の合計の比率(%)、及び、タイヤ接地幅に対する吸音材の配置領域内に含まれる周方向溝の幅の合計の比率(%)を表1のように設定した比較例1〜4及び実施例1〜5のタイヤを製作した。
なお、実施例3は参考例である。
【0049】
比較例1〜4及び実施例1〜5において、以下の事項を共通にした。タイヤ接地幅は205mmである。接着層としては、厚さが0.5mmである両面接着テープを用いた。吸音材のタイヤ幅方向の端部は周方向溝の直下域から外れた領域に配置した。吸音材の長手方向に直交する断面における断面形状は長方形とし、その断面形状をタイヤ周方向に沿って一定とした。リム組み時にタイヤ内に形成される空洞部の体積に対する吸音材の体積の比率は25%とした。吸音材の硬さは91Nとし、吸音材の引張り強度は132kPaとした。接着層の引き剥がし粘着力は16N/20mmとした。
【0050】
これら試験タイヤについて、下記の評価方法により、空洞共鳴音、ウエット性能、高周波ロードノイズ、吸音材の接着剥がれを評価し、その結果を表1に併せて示した。
【0051】
空洞共鳴音:
各試験タイヤをリムサイズ20×9.5Jのホイールに組み付け、空気圧を250kPaとして試験車両に装着し、ロードノイズ計測路(アスファルト平滑路)において速度80km/hで走行した際の車内騒音を、運転席窓側耳元に設置したマイクロフォンで採取して測定し、200Hz〜250Hzのパーシャルオーバーオール値〔dB(A)〕を求めた。評価結果は、比較例1との差にて示した。この値が小さいほど空洞共鳴音が少ないことを意味する。
【0052】
ウエット性能:
各試験タイヤをリムサイズ20×9.5Jのホイールに組み付け、空気圧を250kPaとして試験車両に装着し、ウエット路面からなるテストコースにおいてテストドライバーによる官能評価を行った(5人×2回ずつの平均)。評価結果は、比較例1を100とする指数値にて示した。この指数値が大きいほどウエット性能が優れていることを意味する。
【0053】
高周波ロードノイズ:
各試験タイヤをリムサイズ20×9.5Jのホイールに組み付け、空気圧を250kPaとして試験車両に装着し、ロードノイズ計測路(アスファルト平滑路)において速度80km/hで走行した際の車内騒音を、運転席窓側耳元に設置したマイクロフォンで採取して測定し、800Hz〜1.5kHzのパーシャルオーバーオール値〔dB(A)〕を求めた。評価結果は、比較例1との差にて示した。この値が小さいほど高周波ロードノイズが少ないことを意味する。
【0054】
吸音材の接着剥がれ:
各試験タイヤをリムサイズ20×9.5Jのホイールに組み付け、空気圧150kPa、荷重6kN、速度150km/hの条件でドラム試験機にて100時間の走行試験を実施した後、吸音材の接着剥がれの有無を目視により確認した。また、耐接着剥がれ性の指標として、上記と同様の走行条件でドラム試験機にて走行試験を実施し、10時間毎に吸音材の接着剥がれの有無を確認し、接着剥がれが生じるまでの走行距離を求めた。耐接着剥がれ性の評価結果は、比較例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど耐接着剥がれ性が優れていることを意味する。
【0055】
【表1】
【0056】
表1から判るように、実施例1〜5のタイヤは、比較例1との対比において、空洞共鳴音とウエット性能と高周波ロードノイズ(周方向溝に起因する気柱共鳴音)について良好な結果を得ることができた。しかも、実施例1〜5のタイヤでは100時間の走行試験後において吸音材の接着剥がれが全く認められなかった。
【0057】
より具体的には、実施例1〜3に示すように、タイヤ接地幅に対する吸音材の幅の比率を大きくすると比較例1に比べて空洞共鳴音の低減効果が増大する。また、実施例1〜3では、吸音材の幅の拡大に伴って周方向溝の幅の合計を大きくすることでウエット性能を増大させているが、そのように周方向溝の幅の合計を大きくした場合であっても高周波ロードノイズの増大を招いていない。一方、比較例2のタイヤは、タイヤ接地幅に対する吸音材の幅の比率が大き過ぎるため100時間の走行試験後において吸音材の接着剥がれが発生していた。
【0058】
比較例3,4及び実施例4,5においては、吸音材の幅を一定にしつつ周方向溝の幅の合計を変化させているが、実施例4,5では高周波ロードノイズの増大を抑えながらウエット性能を改善している。これに対して、比較例3のタイヤは、吸音材の幅に対する該吸音材の配置領域内に含まれる周方向溝の幅の合計が小さ過ぎるためウエット性能が不十分であった。比較例4のタイヤは、吸音材の幅に対する該吸音材の配置領域内に含まれる周方向溝の幅の合計が大き過ぎるため高周波ロードノイズの低減効果が不十分であった。
【0059】
次に、吸音材の硬さ、吸音材の引張り強度、接着層の引き剥がし粘着力、接着層の厚さを異ならせたこと以外は実施例1と同じ構造を有する実施例6〜11のタイヤを用意した。
【0060】
これら実施例6〜11のタイヤについて、上記と同様の方法により、空洞共鳴音、ウエット性能、高周波ロードノイズ、吸音材の接着剥がれを評価した。その結果を表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】
表2に示すように、吸音材の硬さ、吸音材の引張り強度、接着層の厚さを変化させた実施例6〜9のタイヤでは、実施例1と同様に、空洞共鳴音とウエット性能と高周波ロードノイズについて良好な結果を得ることができ、しかも、100時間の走行試験後において吸音材の接着剥がれが全く認められなかった。また、実施例1及び実施例10,11の対比からも明らかなように、接着層の厚さを適正化することで耐接着剥がれ性を良好に維持しながら高周波ロードノイズを低減可能であることが判る。
【符号の説明】
【0063】
1 トレッド部
2 ビード部
3 サイドウォール部
4 タイヤ内面
5 接着層
6 吸音材
7 空洞部
11 カーカス層
15 ベルト層
21 周方向溝