特許第6536496号(P6536496)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6536496
(24)【登録日】2019年6月14日
(45)【発行日】2019年7月3日
(54)【発明の名称】液体クロマトグラフ
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/86 20060101AFI20190625BHJP
   G01N 30/02 20060101ALI20190625BHJP
【FI】
   G01N30/86 R
   G01N30/02 Z
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-122522(P2016-122522)
(22)【出願日】2016年6月21日
(65)【公開番号】特開2017-227491(P2017-227491A)
(43)【公開日】2017年12月28日
【審査請求日】2018年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】特許業務法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】湊 浩之
【審査官】 高田 亜希
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−286663(JP,A)
【文献】 特開平09−133667(JP,A)
【文献】 特開2007−024560(JP,A)
【文献】 特開2006−208099(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0048846(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00−30/96
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)複数の動作ユニットと、
b)ユーザの指示を受け付け該指示の内容を表した第1の制御コマンドを生成する主制御手段と、
c)前記第1の制御コマンドに基づいて該第1の制御コマンドとは異なるコマンド体系から成る第2の制御コマンドを生成して前記複数の動作ユニットの少なくとも一つに送信する統括制御手段と、
を有し、
前記主制御手段が、ユーザから所定の指示を受け付けた場合に、前記第2の制御コマンドと同じコマンド体系から成るコマンド文字列を格納した領域と該コマンド文字列の送り先として前記複数の動作ユニットのいずれかを示した送り先情報とを含んで成るスルーコマンドを生成するよう構成されており、
前記統括制御手段が、前記主制御手段で前記スルーコマンドが生成された場合に、前記コマンド文字列を含む該スルーコマンドの一部又は全体を前記送り先情報で示された動作ユニットに送出するよう構成されていることを特徴とする液体クロマトグラフ。
【請求項2】
前記複数の動作ユニットの少なくとも一部が、前記コマンド文字列で指示された動作を実行している間、その旨を示すステータス情報を前記統括制御手段に送出するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体クロマトグラフ。
【請求項3】
前記主制御手段が、更に、前記コマンド文字列をユーザに入力させるための入力受付画面を表示装置に表示させるよう構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体クロマトグラフ。
【請求項4】
コンピュータを請求項1〜3のいずれかに記載の液体クロマトグラフにおける前記主制御手段として機能させるためのプログラム。
【請求項5】
コンピュータを請求項1〜3のいずれかに記載の液体クロマトグラフにおける前記統括制御手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体クロマトグラフに関し、特に、独立した複数の動作ユニットとそれらを統括的に制御する制御装置とから成る液体クロマトグラフに関する。
【背景技術】
【0002】
最近の液体クロマトグラフは、分離用のカラムに溶離液(移動相)を供給する送液ユニットや、カラムの手前で溶離液中に液体試料を注入するインジェクタを含むオートサンプラ、カラムを内装しその温度を制御するカラムオーブン、カラムから溶出した試料液中の各成分を検出する検出器など、複数の動作ユニットにより構成されている(例えば特許文献1を参照)。こうした液体クロマトグラフにおいて、各動作ユニットは、それぞれが所定の制御プログラムを搭載したマイクロコントローラ(マイコン)や通信機能を備えており、該制御プログラムに従って所定の機能・動作を達成する。このようにユニット化することの利点の一つは、分析目的等に応じて必要な動作ユニットのみを異なるタイプ(機種)のものに入れ替えるといった柔軟性があることである。
【0003】
上記のような液体クロマトグラフの構成の一例を図8に示す。この例において各動作ユニット、すなわち送液ユニット311、オートサンプラ312、カラムオーブン313、及び検出器314は、それぞれ通信ケーブルを介してシステムコントローラ320と接続され、システムコントローラ320を介して互いに連動動作するよう構成されている。また、システムコントローラ320は、ネットワークケーブル(NW)又は無線LANによってパーソナルコンピュータ(PC)330などの外部コンピュータに接続されている。
【0004】
なお、図中の主制御部331はPC330に搭載された所定のプログラムにより実現される機能手段であり、統括制御部321はシステムコントローラ320内のマイコンに搭載された所定のプログラムにより実現される機能手段である。統括制御部321は、検出器314で得られたデータをPC330に送信したり、主制御部331からの指示を受けて各動作ユニットを制御したりするといった役割を担っている。
【0005】
こうした液体クロマトグラフにおいて、ユーザがPC330に設けられたキーボード等の入力部332を用いて試料分析の開始を指示すると、主制御部331にて「試料分析の開始」を指示する制御コマンドが生成され、該制御コマンドが統括制御部321に送出される。このように、主制御部331で生成されて統括制御部321に送信されるコマンドを以下「システム制御コマンド」とよぶことがある。
【0006】
統括制御部321は、前記システム制御コマンドによる「試料分析の開始」という指示を個々の動作ユニットに対する指示に展開するなどして、各動作ユニットに送出するためのコマンドを生成する。例えば、前記システム制御コマンドを受け取った統括制御部321は、予めユーザが設定した分析条件をPC330内の記憶装置から読み出し、該分析条件に基づいて送液ユニット311、オートサンプラ312、カラムオーブン313、及び検出器314の動作条件を決定する。そして、各動作条件に対応した動作の実行を指示するコマンドを生成し、それぞれ対応する動作ユニットに送出する。このように、統括制御部321から個々の動作ユニットに送られるコマンドを以下「ユニット制御コマンド」とよぶことがある。なお、ユニット制御コマンドと上述のシステム制御コマンドはコマンド体系が異なっており、各動作に対して割り当てられるコマンドが両者で相違している。
【0007】
また、統括制御部321は各動作ユニットに対して一定の時間間隔で順番に動作状況の問い合わせを行っており、これに応じて各動作ユニットは動作状況等を表すステータス情報を送信する。また、例えば試料分析により検出器314で取得されたデータ(検出データ)なども該ステータス情報と共に統括制御部321に送信され、統括制御部321を介してPC330に送られる。
【0008】
このように、試料の分析を行う際には、まず、ユーザからの指示に応じて主制御部331が統括制御部321へ液体クロマトグラフのシステム全体に対する指示を送出し、当該指示を統括制御部321が各動作ユニットへの具体的な指示に展開して送出している(以下このような制御を「システムの全体制御」とよぶ)。しかし、個々の動作ユニットのメンテナンスを行う際などには、ユーザが主制御部331に特定の動作ユニットに対する具体的な指示を直接入力したい場合がある(以下このような場合の制御を「ユニットの個別制御」とよぶ)。
【0009】
例えば、検出器314が紫外可視分光光度計であって、前記メンテナンスとして検出器314の波長校正を行う場合、まず、ユーザがPC330の入力部332を用いて検出器314に波長校正用のプログラムの実行を指示する。すると、その旨を示すシステム制御コマンドが主制御部331で生成され、統括制御部321に送られる。統括制御部321は、主制御部331から受け取ったシステム制御コマンドのコマンド体系を変換することにより、同じ内容(すなわち「波長校正プログラムの実行」)を指示するユニット制御コマンドを生成し、これを検出器314に送出する。
【0010】
そして、前記ユニット制御コマンドを受け取った検出器314は、検出器314のマイコンに搭載された波長校正プログラムを実行することにより波長校正を行う。具体的には、予め定められた基準波長近傍での波長走査を所定回数行い、得られた検出データ(すなわち波長スペクトル)をその都度ステータス情報と共に統括制御部321に送信する。統括制御部321は、各検出データに基づいて波長走査が正常に行われたか否かをその都度判定する。そして、前記所定の回数の波長走査が全て正常に完了したと判定した時点で、統括制御部321がその旨及び各波長走査で得られた検出データを主制御部331に送出する。一方、前記所定回数の波長走査のいずれか1回でも正常に行われなかった場合は、その旨を示すエラー情報を主制御部331に送出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2015-155837([0021]-[0026]、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ユニット化された液体クロマトグラフでは、個々の動作ユニットの仕様が変更・追加されることがよくある。その場合、上記のようなユニットの個別制御を行う場合でも、動作ユニットのプログラムのみならず、主制御部331及び統括制御部321についてもプログラムの修正を行う必要があった。
【0013】
例えば検出器314のプログラム更新により、それまでとは異なる波長を基準とした波長校正を行う新たな波長校正プログラムが追加された場合、主制御部331のプログラムを修正することにより、前記新たな波長校正プログラムをユーザが選択できるようにすると共に、それに応じたシステム制御コマンドを主制御部331で生成できるようにする必要がある。また更に、統括制御部321のプログラムを修正することにより、統括制御部321が前記システム制御コマンドを認識してそのコマンド体系を変換し、同様の内容(すなわち「新たな波長校正プログラムの実行」)を指示するユニット制御コマンドを生成できるようにする必要がある。そのため、個々の動作ユニットのメンテナンス時の動作のような比較的軽微な仕様変更であっても、それに伴うプログラム修正の作業量はかなり大きなものとなっていた。
【0014】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記のようなユニットの個別制御に関して、動作ユニットの仕様の変更・追加がなされた場合でもプログラム修正の手間を低減することのできる液体クロマトグラフを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するためになされた本発明に係る液体クロマトグラフは、
a)複数の動作ユニットと、
b)ユーザの指示を受け付け該指示の内容を表した第1の制御コマンドを生成する主制御手段と、
c)前記第1の制御コマンドに基づいて該第1の制御コマンドとは異なるコマンド体系から成る第2の制御コマンドを生成して前記複数の動作ユニットの少なくとも一つに送信する統括制御手段と、
を有し、
前記主制御手段が、ユーザから所定の指示を受け付けた場合に、前記第2の制御コマンドと同じコマンド体系から成るコマンド文字列を格納した領域と該コマンド文字列の送り先として前記複数の動作ユニットのいずれかを示した送り先情報とを含んで成るスルーコマンドを生成するよう構成されており、
前記統括制御手段が、前記主制御手段で前記スルーコマンドが生成された場合に、前記コマンド文字列を含む該スルーコマンドの一部又は全体を前記送り先情報で示された動作ユニットに送出するよう構成されていることを特徴としている。
【0016】
なお、ここで「ユーザから所定の指示を受け付けた場合に」とは、ユーザからスルーコマンドを作成せよとの明示的な指示があった場合に限らず、例えば、上述の波長校正の実行指示のように特定の動作ユニット対する指示がユーザから与えられた場合や、予めスルーコマンドとすべきことが定められた指示がユーザから与えられた場合をも含むものとする。
【0017】
また、上記の「前記送り先情報で示された動作ユニットに送出する」なる文言は、前記スルーコマンドの一部又は全体を、少なくとも送り先情報で示された動作ユニットに送出することを意味し、その他の動作ユニットにも送出する場合を排除するものではない。その他の動作ユニットにもスルーコマンドの一部又は全部を送出する場合、例えば、前記コマンド文字列と共に少なくとも送り先情報も各動作ユニットに送出するようにし、各動作ユニットが該送り先情報に基づいて前記コマンド文字列が自分宛のものであるか否か(すなわち該コマンド文字列による指示を実行すべきか否か)を判断する構成とすることができる。あるいは、統括制御手段において前記「スルーコマンドの一部又は全体」に前記コマンド文字列を実行すべき動作ユニットを示すタグを付加しておき、各動作ユニットが該タグに基づいて前記コマンド文字列が自分宛であるか否かを判断するものとすることもできる。
【0018】
上記構成から成る本発明に係る液体クロマトグラフによれば、前記主制御手段にて生成されたスルーコマンドの第2の制御コマンドと同じコマンド体系から成るコマンド文字列を格納した領域は、統括制御手段におけるコマンド体系の変換を受けることなく所定の動作ユニットに送出される。そのため、上述のようなユニットの個別制御を行う場合において、動作ユニットの仕様に追加・変更があった場合でもそれに応じて統括制御手段のプログラムを変更する必要がなく、プログラム変更に係る手間を省力化することができる。
【0019】
また、本発明に係る液体クロマトグラフは、前記複数の動作ユニットの少なくとも一部が、前記コマンド文字列で指示された動作を実行している間、その旨を示すステータス情報を前記統括制御手段に送出するよう構成されているものとすることが望ましい。
【0020】
このような構成によれば、所定の動作ユニットにおいてスルーコマンドに係る指示が実行中であることを統括制御部において認識することが可能となる。そのため例えば、当該処理が完了するまでは統括制御部からその動作ユニットに他のコマンドを送出できないようにすることで、複数の指示の競合により誤動作が生じるのを効果的に防止することが可能となる。
【0021】
また、本発明に係る液体クロマトグラフは、前記主制御手段が、更に、前記コマンド文字列をユーザに入力させるための入力受付画面を表示装置に表示させるよう構成されているものとすることが望ましい。
【0022】
このような構成によれば、動作ユニットの仕様が追加・変更された場合でも、新たな仕様に対応したコマンド文字列をユーザが直接入力することで主制御部にスルーコマンドを生成させることが可能となる。具体的には、例えば上述の波長校正用プログラムに加えて、それとは異なる基準波長を用いた新たな波長校正用プログラムが検出器に追加された場合、従来であれば、これらのプログラムのいずれかをユーザに選択させ、且つ前記新たな波長校正用プログラムが選択された場合にはそれに応じたシステム制御コマンドを生成できるように主制御部のプログラムを修正する必要があった。しかし、上記入力受付手段を備えた構成によれば、前記新たな波長校正用プログラムの実行を指示するコマンド文字列をユーザに直接入力させることができる。このため、前記従来のような主制御部のプログラム修正が不要となり、プログラム修正に係る手間を更に省力化することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上の通り、本発明に係る液体クロマトグラフによれば、ユニットの個別制御に関して、動作ユニットの仕様の変更・追加がなされた場合においてプログラム修正の手間を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施例1に係る液体クロマトグラフの構成と、ユニットの個別制御を行う際のコマンドの流れを示す模式図。
図2】同実施例において検出器に波長校正を実行させる場合のコマンドやデータの流れを示す模式図。
図3】同実施例におけるスルーコマンドのデータフォーマットの一例を示す図。
図4】同実施例における返信スルーコマンドのデータフォーマットの一例を示す図。
図5】コマンド文字列をユーザに入力させるための入力画面の一例を示す図。
図6】本発明の実施例2において検出器に波長校正を行わせる場合のコマンドやデータの流れを示す模式図。
図7】本発明に係る液体クロマトグラフの別の構成例と、該構成例においてユニットの個別制御を行う際のコマンドの流れを示す模式図。
図8】従来の液体クロマトグラフの構成とコマンド及びデータの流れを示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための形態について実施例を挙げて説明する。
【実施例1】
【0026】
図1は本実施例に係る液体クロマトグラフの要部構成を示すブロック図である。この液体クロマトグラフは、液体クロマトグラフィーによる試料分析を実行する動作ユニットとして、溶離液(移動相)をカラムに送るポンプを含んだ送液ユニット111と、送液ユニット111からカラムに送られる溶離液中に試料液を注入するオートサンプラ112と、カラムを内装してその温度を制御するカラムオーブン113と、カラムから溶出した試料成分を順次検出する紫外可視分光光度計から成る検出器114と、を有している。これらの動作ユニットは、それぞれが所定の制御プログラムを搭載したマイクロコントローラ(マイコン)や通信機能を備えており、該制御プログラムに従って所定の機能・動作を達成する。
【0027】
更に、この液体クロマトグラフは、制御用の外部コンピュータ(例えばパーソナルコンピュータ130)と、該パーソナルコンピュータ(以下PC)130からの指示に従って前記各動作ユニットの動作を統括的に制御するためのシステムコントローラ120と、を備えている。
【0028】
PC130は、中央演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)に、メモリ(図示略)と、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置から成る表示部133と、キーボードやマウス等から成る入力部132と、ハードディスクやSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置から成る記憶部(図示略)とが互いに接続された構成から成る。前記記憶部には、OS(Operating System)に加えて液体クロマトグラフによる分析を各動作ユニットに実行させるための専用のプログラムがインストールされている。図中の主制御部131は、前記CPUが該専用プログラムを前記メモリに読み出して実行することによりソフトウエア的に実現される機能手段である。なお、該専用プログラムは必ずしも単体のプログラムである必要はなく、例えば前記分析で得られたデータを処理するためのプログラムの一部に組み込まれた機能であってもよく、その形態は特に問わない。更に、PC130は 外部装置との直接的な接続や外部装置とのLAN(Local Area Network)等のネットワークを介した接続を司るためのインターフェースを備えており、該インターフェースによりネットワークケーブル又は無線LANを介してシステムコントローラ120に接続されている。
【0029】
システムコントローラ120は、PC130と各動作ユニットとの間に介在してコマンドやデータの送受信を行うものであり、CPU、メモリ、及び外部周辺機器などと通信するための入出力回路を備えたマイクロコントローラ(マイコン)を備えている。前記マイコンには、主制御部131からの指示に応じて各動作ユニットの動作を制御するための制御プログラムがインストールされており、図中の統括制御部121は、この制御プログラムを該マイコンのCPUが実行することによって実現される機能手段である。また、システムコントローラは、前記PC130と接続するための接続部に加えて、前記各動作ユニットと接続するための複数の接続部(図中のch A〜ch D)を備えており、前記ch A〜ch Dに接続された通信線を介して各動作ユニットとそれぞれ相互に接続されている。
【0030】
以下、本実施例の液体クロマトグラフにおいてユニットの個別制御を行う際の動作について説明する。なお、システムの全体制御を行う際の動作については、上述の図8で説明したものと同様であるため省略する。
【0031】
図2は、本実施例の液体クロマトグラフにおける主制御部131、統括制御部121、及び検出器114の間でのコマンドやデータの流れを模式的に示した図である。
【0032】
統括制御部121は、一定時間毎に各動作ユニットとの間で状況確認処理を行っている。該状況確認処理では、統括制御部121から一つの動作ユニット、例えば検出器114に状況確認コマンド[1]が送出され、これを受けた検出器114はステータス情報[00]を統括制御部121に送信する。ここで、前記ステータス情報の一桁目は検出器114が正常に動作しているか否かを示すものであり、正常な場合は「0」、異常が発生した場合は「1」となる。一方、二桁目は検出器114が後述するスルーコマンドを実行中であるか否かを示すものであり、スルーコマンドの実行中でない場合は「0」、スルーコマンドを実行中である場合は「1」となる。これは検出器114に限らず、他の動作ユニット、例えば送液ユニット111でも同様である。なお、上記のような状況確認処理は、例えば、送液ユニット111(ch A)→オートサンプラ112(ch B)→カラムオーブン113(ch C)→検出器114(ch D)→送液ユニット111(ch A)、というようにチャンネルを順次切り替えながら行われるが、以下では検出器114(ch D)以外の状況確認動作については説明を省略する。
【0033】
ユーザが、検出器において波長aを基準とした波長校正を行うプログラム(以下チェックプログラム1とよぶ)を実行するよう入力部132から指示すると、該指示を表すスルーコマンドが主制御部131にて生成される。ここで、スルーコマンドとは検出器114で解することのできる形式(すなわち上述のユニット制御コマンドと同じコマンド体系)のコマンド文字列を含んだ電文である。このようなスルーコマンドの一例を図3に示す。スルーコマンドは、コマンド番号部と送り先情報部とコマンド情報部とを含んで成り、コマンド番号部には当該電文がスルーコマンドであることを示す番号(ここでは「8」)が記載される。送り先情報部は、当該電文をいずれの動作ユニットに送るか(すなわち上記ch A〜ch Dのいずれに送るか)を示す部分であり、ここでは検出器114に対応したチャンネルを表す文字「D」が記載される。また、コマンド情報部は、前記コマンド文字列が記述される部分であり、ここでは前記チェックプログラム1の実行を指示する文字列「50」が記載される。なお、前記チェックプログラム1は、予め検出器114に内蔵されたマイコンにインストールされている。
【0034】
統括制御部121は、主制御部131からスルーコマンド以外のコマンド(すなわちシステム制御コマンド)を受け取った場合には、上記従来の液体クロマトグラフと同様に該コマンドを解析し、コマンド体系を変換した上で必要な動作ユニットに送信する。しかし、上記のようなスルーコマンドを受け取った場合、統括制御部121はこうしたコマンドの解析やコマンド体系の変換処理を行わず、該スルーコマンドをそのまま前記送り先情報部に記載された動作ユニット、ここでは検出器114に送信する。
【0035】
前記スルーコマンド[8D{50}]を受け取った検出器114は、該スルーコマンドのコマンド情報部に記載されたコマンド文字列「50」に対応した処理、すなわちチェックプログラム1の実行を開始する。なお、該チェックプログラム1の実行中も上述の統括制御部121と検出器114の間での状況確認処理が所定の時間間隔で繰り返し実行される。但し、このとき検出器114はスルーコマンドによる指示を実行中であるため、該状況確認処理において検出器114から統括制御部121に送られるステータス情報は[01]となる。上述したように、このステータス情報[01]は、検出器114が正常に動作し且つスルーコマンドを実行中であることを示している。これを受けた統括制御部121は、検出器114が非待機状態にあると判断する。これにより、統括制御部121から検出器114にコマンド(但し状況確認コマンドを除く)を送信することができなくなるため、前記スルーコマンドと他のコマンドとの競合を防止することができる。
【0036】
上記のチェックプログラム1による波長校正は、波長aを含む所定の波長範囲における波長走査を所定の回数行うステップを含んでいる。従来の液体クロマトグラフでは、検出器114にて前記波長走査が1回行われる毎にその結果(すなわちスペクトルデータ)が統括制御部121に送られ、該波長走査が正常に行われたか否かが判定されていた。そして、前記所定回数の波長走査が全て正常に完了したと統括制御部121に判定された時点で、その旨及び全てのスペクトルデータが統括制御部121から主制御部131へと送信されていた。
【0037】
これに対し、本実施例の液体クロマトグラフでは、1回の波長走査が完了する毎に検出器114が該波長走査の結果を含む返信スルーコマンドを生成して統括制御部121に送信する。該返信スルーコマンドのフォーマットの一例を図4に示す。返信スルーコマンドは、コマンド番号部とデータ格納部を含む電文であり、前記コマンド番号部には該電文が返信スルーコマンドであることを示す番号(ここでは「9」)が記載される。前記データ格納部は、検出器114によって取得されたデータが格納される部分であり、ここでは、前記波長走査の結果であるスペクトルデータ(図中では「XXXXXXXXX」で示す)が格納される。この返信スルーコマンドを受けた統括制御部121は、波長走査が正常に行われたか否かの判定は行わず、該返信スルーコマンドをそのまま主制御部131に送信する。
【0038】
上記所定回数の波長走査が完了すると、検出器114はチェックプログラム1の実行を終了する。これにより、以降の状況確認処理において統括制御部121から検出器114に送られるステータス情報は[00]となる。これは、検出器114が正常な状態にあり且つスルーコマンドの実行中ではないことを示すものである。統括制御部121がこのステータス情報[00]を受け取った後は、統括制御部121から検出器114へ各種のコマンドを送信可能な状態となる。
【0039】
以上で説明したように、本実施例に係る液体クロマトグラフでは、スルーコマンド及び返信スルーコマンドを生成することにより、統括制御部121におけるコマンド体系の変換や波長走査結果の判定等の処理を受けることなく、主制御部131と検出器114の間でコマンドやデータの送受信を行うことが可能となる。その結果、例えば前記チェックプログラム1に加えて、波長aとは異なる波長bを基準とした波長校正を行うプログラム(以下チェックプログラム2とよぶ)が検出器114に追加された場合でも、該チェックプログラム2に対応するように主制御部131のプログラムを変更するだけでよく、統括制御部121のプログラムを変更する必要がない。そのため、プログラム変更に係る手間を省力化することが可能となる。
【実施例2】
【0040】
上記の実施例では説明を省略したが、検出器114における波長校正は分析流路に溶離液を流した状態で行う必要がある。そのため、波長校正を行う際には、まず主制御部131から送液ユニット111に送液開始を指示するコマンドを送り、その上で、実施例1で説明したように、主制御部131から検出器114に波長校正開始を指示するコマンドを送る、という二段階の操作を行う必要があった。
【0041】
そこで、本発明に係る液体クロマトグラフは、上記の実施例1のように主制御部131から動作ユニットに宛ててスルーコマンドを送るだけでなく、ある動作ユニットから別の動作ユニットに宛ててスルーコマンドを送信できる構成とすることが望ましい。図6にこのような場合の、主制御部131、統括制御部121、送液ユニット111、及び検出器114の間におけるコマンドとデータの流れの一例を示す。なお、液体クロマトグラフ自体の構成については図1と同様であるため図示を省略する。
【0042】
実施例1と同様に、統括制御部121は一定時間毎に各動作ユニットとの間で状況確認処理を行っている。例えば、まず統括制御部121から送液ユニット111に状況確認コマンド[1]が送出され、これを受けた送液ユニット111からステータス情報[00]が統括制御部121に送信される。続いて、統括制御部121から検出器114に状況確認コマンド[1]が送出され、これを受けた検出器114からステータス情報[00]が統括制御部に送信される。上記のステータス情報[00]はこれを送信した動作ユニットが正常に動作しており且つスルーコマンドの実行中でもないことを表している。なお、上述した通り、こうした状況確認処理は順次チャンネルを切り替えながら統括制御部121と全ての動作ユニットとの間で行われるが、ここでは送液ユニット111と検出器114以外についての状況確認処理については説明を省略する。
【0043】
ユーザがPC130に設けられた入力部132から上記チェックプログラム1の実行を指示すると、その旨を表すスルーコマンド[8D{50}]が主制御部131にて生成される。このスルーコマンドは実施例1と同様に、自身がスルーコマンドである旨を示すコマンド番号(ここでは「8」)と、送り先の動作ユニットを示す送り先情報(ここでは「D」)と、チェックプログラム1を実行すべき旨を動作ユニットに対応したコマンド体系で記載したコマンド文字列(ここでは「50」)を含んでいる。
【0044】
主制御部131で生成された前記スルーコマンド[8D{50}]は統括制御部121に送信され、コマンドの解析やコマンド体系の変換処理を受けることなく、該スルーコマンドの送り先情報部に記載された「D」に相当する動作ユニット、すなわち検出器114に送出される。
【0045】
なお、前記スルーコマンド[8D{50}]を受け取った後は、統括制御部121との間の状況確認処理において検出器114から送出されるステータス情報は[01]となる。これは、検出器114に異常がなく且つスルーコマンドの実行中であることを示すものである。これを受けた統括制御部121は、検出器114が非待機状態にあると判断する。これにより、統括制御部121は検出器114にスルーコマンドと状況確認コマンド以外のコマンド(例えばシステム制御コマンド)を送信することができなくなるため、コマンドの競合を防止することができる。一方、この時点において送液ユニット111から統括制御部121に送出されるステータス情報は[00]のままである。
【0046】
前記スルーコマンド[8D{50}]を受け取った検出器114は、該スルーコマンドのコマンド情報部に記載されたコマンド文字列「50」に対応した処理、すなわちチェックプログラム1を実行する前に、まず送液ユニット111宛のスルーコマンド[8A{51}]を生成して統括制御部121に送信する。このスルーコマンドは、自身がスルーコマンドである旨を示すコマンド番号(ここでは「8」)と、送り先の動作ユニットを示す送り先情報(ここでは「A」)と、所定の流量での送液の実行を指示するコマンド文字列(ここでは「51」)と、を含んでいる。
【0047】
検出器114で生成された前記スルーコマンド[8A{51}]は統括制御部121に送信され、コマンドの解析やコマンド体系の変換処理を受けることなく、該スルーコマンドの送り先情報部に記載された「A」に相当する動作ユニット、すなわち送液ユニット111に送信される。
【0048】
なお、前記スルーコマンド[8A{51}]を受け取った後は、統括制御部121との間の状況確認処理において送液ユニット111から送出されるステータス情報も[01]となる。これは、送液ユニット111に異常がなく且つスルーコマンドの実行中であることを示すものである。
【0049】
前記スルーコマンド[8A{51}]を受け取った送液ユニット111は、該スルーコマンドのコマンド情報部に記載されたコマンド文字列「51」に対応した処理、すなわち所定流量での送液を実行すべく、まずポンプを作動させる。そして、溶離液の流量が前記所定流量に達した時点でその旨を示すスルーコマンド[8D{52}]を生成し、統括制御部121に送信する。このスルーコマンドは、自身がスルーコマンドである旨を示すコマンド番号(ここでは「8」)と、送り先の動作ユニットを示す送り先情報(ここでは「D」)と、波長校正動作の開始を指示するコマンド文字列(ここでは52)と、を含んでいる。
【0050】
送液ユニット111で生成された前記スルーコマンド[8D{52}]は統括制御部121に送信され、コマンドの解析やコマンド体系の変換処理を受けることなく、該スルーコマンドの送り先情報部に記載された「D」に相当する動作ユニット、すなわち検出器114に送信される。
【0051】
前記スルーコマンド[8D{52}]を受け取った検出器114は、該スルーコマンドのコマンド情報部に記載されたコマンド文字列「52」に対応した処理、すなわち波長校正動作を開始する。上述の通り、チェックプログラム1による波長校正は、波長aを含む所定の波長範囲について波長走査を所定の回数行うステップを含んでおり、本実施例の液体クロマトグラフにおいても、実施例1と同じく1回の波長走査が完了する毎に検出器114にて該波長走査の結果を含む返信スルーコマンド[9{XXXXXXXXX}]が生成され、統括制御部121に送信される。この返信スルーコマンドは、該電文が返信スルーコマンドであることを示す番号(ここでは「9」)と、検出器114による波長走査の結果であるスペクトルデータ(ここでは「XXXXXXXXX」で示す)が含まれている。前記返信スルーコマンドを受けた統括制御部121は、波長走査が正常に行われたか否かの判定は行わず、該返信スルーコマンドをそのまま主制御部131に送信する。
【0052】
そして、上記所定回数の波長走査が完了すると、検出器114はチェックプログラム1の実行を終了すると共に、スルーコマンド[8A{53}]を生成して統括制御部121に送信する。このスルーコマンドは、自身がスルーコマンドである旨を示すコマンド番号(ここでは「8」)と、送り先の動作ユニットを示す送り先情報(ここでは「A」)と、送液の終了を指示するコマンド文字列(ここでは「53」)と、を含んでいる。前記スルーコマンド[8A{53}]を受けた統括制御部121は、コマンドの解析やコマンド体系の変換処理を行うことなく、該スルーコマンドをその送り先情報部に記載された「A」に相当する動作ユニット、すなわち送液ユニット111に送信する。該スルーコマンドを受けた送液ユニット111はポンプを停止させ、これにより溶離液の送液が完了する。
【0053】
このように、本実施例に係る液体クロマトグラフによれば、統括制御部121から検出器114宛てにチェックプログラム1の実行を指示するスルーコマンドを送信するだけで、送液ユニット111による所定流量での移動相の送液と、検出器114による波長校正動作の両方が自動的に実行される。そのため、ユーザが主制御部131を介して送液ユニット111と検出器114のそれぞれに個別に指示を送る必要がなくなり、波長校正におけるユーザの作業負担を軽減することができる。
【0054】
なお、上記の実施例1及び実施例2では、検出器114(及び送液ユニット111)の個別制御を行う場合を例に挙げて説明を行ったが、他の動作ユニットを個別制御する場合も同様である。
【0055】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明を行ったが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲で適宜変更が許容されるものである。
【0056】
例えば、上記の実施例1及び実施例2では、スルーコマンドを受け取った統括制御部121が、該スルーコマンドをそのまま所定の動作ユニットに送出するものとしたが、これに限らず、統括制御部121が、スルーコマンドの内の前記コマンド文字列を含んだ一部の領域(例えばコマンド文字列のみ又は送り先情報とコマンド文字列)を該送り先情報部に記載された動作ユニットに送出するようにしてもよい。同様に、統括制御部121が動作ユニットから返信スルーコマンドを受け取った際にも、該返信スルーコマンドのデータ格納部に格納されたデータのみを主制御部131に送出するようにしてもよい。
【0057】
また、上記実施例1及び実施例2では、統括制御部121が、スルーコマンドの送り先情報部に記載された動作ユニットのみに該スルーコマンドを送出するものとしたが、これに限らず、統括制御部121から全ての動作ユニットにスルーコマンド(又はその一部)を送出し、各動作ユニットの側で、該スルーコマンドに含まれる送り先情報から該スルーコマンドが自分宛のものであるか否か(すなわち該スルーコマンド中のコマンド文字列による指示を実行すべきか否か)を判断する構成とすることができる。あるいは、統括制御部121において各動作ユニットに送出するスルーコマンド(又はその一部)に前記コマンド文字列を実行すべき動作ユニットを示すタグを付加しておき、各動作ユニットが該タグに基づいて該スルーコマンドが自分宛であるか否かを判断するようにしてもよい。
【0058】
更に、本発明に係る液体クロマトグラフは、主制御部131から送出されるスルーコマンドのうち、少なくともコマンド情報部に格納されるコマンド文字列をユーザに手作業で入力させるものとしてもよい。この場合、主制御部131が、例えば図5のようなスルーコマンド作成画面をPC130に設けられた表示部133に表示させる。この画面ではユーザが、スルーコマンドの送り先として各動作ユニットに対応したチャンネルA〜Dのいずれかをプルダウンメニュー141から選択し、更に、入力部132のキーボード等を用いてコマンド入力欄142にコマンド文字列を手作業で入力する。そして、前記スルーコマンド作成画面に設けられた送信ボタン143を押下することにより、前記送り先の情報とコマンド文字列とを含んだスルーコマンドが主制御部131にて生成されて統括制御部121に送出される。なお、スルーコマンド作成画面としては前記コマンド文字列に加えて送り先情報もユーザに手入力させるものとしたり、更にはスルーコマンドの全文をユーザに手入力させるものとしたりすることもできる。このようにスルーコマンドのうち少なくともコマンド文字列をユーザに入力させる構成とすれば、主制御部131にてコマンド文字列を生成する必要がなくなる。そのため、動作ユニットの仕様に追加・変更があった場合でもそれに応じて主制御部131のプログラムを変更する必要がなくなり、プログラム変更に係る手間を更に省力化することが可能となる。
【0059】
また更に、本発明に係る液体クロマトグラフは、図7のようにシステムコントローラを有しない構成とすることもできる。なお、同図において図1と同一又は対応する構成要素については下二桁が共通する符号を付し、適宜説明を省略する。図7に示す液体クロマトグラフでは、システムコントローラ120に代えて、制御機能を有しない中継器220を介して各動作ユニットとPC230を接続しており、PC230にインストールされた専用のソフトウエアをPC230の記憶部からメモリに読み出してCPUで実行することにより統括制御部221の機能を実現する。この場合、統括制御部221は必ずしも単体のプログラムである必要はなく、例えばPC230を主制御部231として機能させるためのプログラムの一部に組み込まれた機能であってもよく、その形態は特に問わない。
【符号の説明】
【0060】
111、211、311…送液ユニット
112、212、312…オートサンプラ
113、213、313…カラムオーブン
114、214、314…検出器
120、320…システムコントローラ
220…中継器
121、221、321…統括制御部
130、230、330…PC
131、231、331…主制御部
132、232、332…入力部
133、233…表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8