特許第6536504号(P6536504)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6536504
(24)【登録日】2019年6月14日
(45)【発行日】2019年7月3日
(54)【発明の名称】エレベーターの利用者誘導システム
(51)【国際特許分類】
   B66B 3/00 20060101AFI20190625BHJP
   B66B 1/06 20060101ALI20190625BHJP
【FI】
   B66B3/00 M
   B66B3/00 L
   B66B1/06 G
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-138456(P2016-138456)
(22)【出願日】2016年7月13日
(65)【公開番号】特開2018-8788(P2018-8788A)
(43)【公開日】2018年1月18日
【審査請求日】2018年4月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】塩崎 秀樹
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−237530(JP,A)
【文献】 特開2015−224132(JP,A)
【文献】 特開2015−105189(JP,A)
【文献】 特開2005−272127(JP,A)
【文献】 特開2015−101442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 3/00−3/02
B66B 1/00−1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターの乗場に設けられ、識別体から属性の情報を示す情報を読み取る読取装置と、
前記エレベーターのかごに設けられ、前記かごまたは前記乗場において領域を提示する領域提示装置と、
前記読取装置に読み取られた属性の情報に基づいて当該属性の利用者が前記乗場から前記かごに乗り込むことを許可するか否かを判定し、当該利用者が前記乗場から前記かごに乗り込むことを許可した場合に当該属性の情報に応じて領域の提示の位置が変化するように前記領域提示装置を制御し、前記読取装置に読み取られた情報が介助を要する情報である場合に介助の可否を回答する方法を示す情報を前記かごに設けられたかご側報知装置に報知させ、介助が可能であるとの回答が得られた場合に前記かごに乗り込む際に介助を受けることができることを示す情報を前記乗場に設けられた乗場側報知装置に報知させる制御装置と、
を備えたエレベーターの利用者誘導システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記読取装置が複数の識別体から属性の情報を読み取った場合に、前記複数の識別体の属性の情報に応じて前記かごの内部における複数の領域が異なる色で提示されるように前記領域提示装置を制御する請求項に記載のエレベーターの利用者誘導システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記かごの内部の混雑状況に応じて前記かごの内部における領域の提示の位置が変化するように前記領域提示装置を制御する請求項または請求項に記載のエレベーターの利用者誘導システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記読取装置に読み取られた属性の情報と前記読取装置が設けられた乗場の呼びまたは前記かごの呼びの情報とを対応付けて記憶し、複数の呼びの情報が記憶されている場合に複数の呼びの各々に対応した属性に応じて前記複数の呼びに対して前記かごを応答させる際の順番を決定する請求項1から請求項のいずれか1項に記載のエレベーターの利用者誘導システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記読取装置に読み取られた情報が介助を要する情報である場合に前記乗場の利用者が前記かごに乗り込む際に介助を要することを示す情報を前記乗場に設けられた乗場側報知装置に報知させる請求項から請求項4のいずれか1項に記載のエレベーターの利用者誘導システム。
【請求項6】
エレベーターの乗場に設けられ、識別体から情報を読み取る読取装置と、
前記読取装置に読み取られた情報が介助を要する情報である場合に介助の可否を回答する方法を示す情報を前記エレベーターのかごに設けられたかご側報知装置に報知させ、介助が可能であるとの回答が得られた場合に前記かごに乗り込む際に介助を受けることができることを示す情報を前記乗場に設けられた乗場側報知装置に報知させる制御装置と、
を備えたエレベーターの利用者誘導システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベーターの利用者誘導システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エレベーターの利用者誘導システムを開示する。当該利用者誘導システムは、車椅子の利用者の乗降を誘導する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−10264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の利用者誘導システムは、画一的な方法で車椅子の利用者を誘導する。このため、車椅子の大きさ等によっては、適切に誘導できないこともある。
【0005】
この発明は、上述の課題を解決するためになされた。この発明の目的は、利用者の属性に応じて適切な誘導を行うことができるエレベーターの利用者誘導システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベーターの利用者誘導システムは、エレベーターの乗場に設けられ、識別体から属性の情報を示す情報を読み取る読取装置と、前記エレベーターのかごに設けられ、前記かごまたは前記乗場において領域を提示する領域提示装置と、前記読取装置に読み取られた属性の情報に基づいて当該属性の利用者が前記乗場から前記かごに乗り込むことを許可するか否かを判定し、当該利用者が前記乗場から前記かごに乗り込むことを許可した場合に当該属性の情報に応じて領域の提示の位置が変化するように前記領域提示装置を制御し、前記読取装置に読み取られた情報が介助を要する情報である場合に介助の可否を回答する方法を示す情報を前記かごに設けられたかご側報知装置に報知させ、介助が可能であるとの回答が得られた場合に前記かごに乗り込む際に介助を受けることができることを示す情報を前記乗場に設けられた乗場側報知装置に報知させる制御装置と、を備えた。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、領域の提示の位置は、識別体の属性の情報に応じて変化する。このため、利用者が誘導される位置は、識別体の属性に応じて変化する。その結果、利用者の属性に応じて適切な誘導を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態1におけるエレベーターの利用者誘導システムが適用されるエレベーターの構成図である。
図2】この発明の実施の形態1におけるエレベーターの利用者誘導システムの制御装置のブロック図である。
図3】この発明の実施の形態1におけるエレベーターの利用者誘導システムのかご側領域提示装置を説明するための斜視図である。
図4】この発明の実施の形態1におけるエレベーターの利用者誘導システムによる領域の提示の具体例を示す図である。
図5】この発明の実施の形態1におけるエレベーターの利用者誘導システムの制御装置の動作の一部を説明するためのフローチャートである。
図6】この発明の実施の形態1におけるエレベーターの利用者誘導システムの制御装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるエレベーターの利用者誘導システムが適用されるエレベーターの構成図である。
【0011】
図1に示されるように、建築物は、複数の階を備える。建築物は、エレベーターを備える。
【0012】
エレベーターの昇降路1は、建築物の各階を貫く。エレベーターの複数の乗場2の各々は、建築物の各階に設けられる。乗場2の各々は、昇降路1に対向する。エレベーターのかご3は、昇降路1の内部に設けられる。
【0013】
複数の乗場ドア4の各々は、エレベーターのドアとして各階の乗場2の出入口に設けられる。かごドア5は、エレベーターのドアとしてかご3の出入口に設けられる。
【0014】
複数の乗場呼び登録装置6の各々は、複数の乗場2の各々に設けられる。複数の乗場呼び登録装置6は、図示されない乗場呼びボタンを備える。複数の乗場側読取装置7の各々は、複数の乗場2の各々に設けられる。複数の乗場側領域提示装置8の各々は、複数の乗場2の各々に設けられる。複数の乗場側報知装置9の各々は、複数の乗場2の各々に設けられる。
【0015】
かご操作盤10は、かご3の内壁に設けられる。かご操作盤10は、図示されない行先ボタンと図示されない戸開ボタンと図示されない戸閉ボタンとを備える。例えば、かご側読取装置11は、かご3の内壁に設けられる。例えば、かご側領域提示装置12は、かご3の天井に設けられる。例えば、かご側報知装置13は、かご3の内壁に設けられる。
【0016】
例えば、制御装置14は、エレベーターの図示されない機械室に設けられる。例えば、制御装置14は、昇降路1の内部に設けられる。
【0017】
例えば、識別体15は、利用者に携帯される。例えば、識別体15は、利用者の図示されないペンダントに内蔵される。例えば、識別体15は、利用者の車椅子16aに搭載される。例えば、識別体15は、利用者の図示されないシルバーカーに搭載される。例えば、識別体15は、利用者の図示されない電動カートに搭載される。例えば、識別体15は、利用者の杖16bに内蔵される。例えば、識別体15は、利用者の図示されない松葉杖に内蔵される。
【0018】
例えば、識別体15は、居室の鍵である。例えば、識別体15は、FeliCa(登録商標)である。例えば、識別体15は、スマートフォンである。例えば、RFIDである。
【0019】
例えば、識別体15は、属性の情報と介助の要否を示す情報とを予め記憶する。属性の情報は、利用者の属性を示す情報である。例えば、属性の情報は、一般の利用者を示す情報である。例えば、属性の情報は、車椅子の利用者の属性を示す情報である。この際、属性の情報は、車椅子の大きさを示す情報も含む。介助の要否を示す情報は、対応した利用者が介助を要するか否かを示す情報である。
【0020】
エレベーターが運行される際、制御装置14は、エレベーター全体の動作を制御する。例えば、乗場呼び登録装置6の乗場呼びボタンが押された場合、制御装置14は、当該乗場呼び登録装置6が設けられた乗場2の呼びを登録する。例えば、かご操作盤10の行先ボタンが押された場合、制御装置14は、当該行先ボタンに対応した階の行先階とするかご3の呼びを登録する。制御装置14は、登録された乗場2の呼びとかご3の呼び戸に基づいてかご3の走行を制御する。
【0021】
例えば、乗場側読取装置7が識別体15から属性の情報を読み取った場合、制御装置14は、当該属性の情報に基づいて当該属性の利用者が当該乗場2からかご3に乗り込むことを許可するか否かを判定する。制御装置14は、当該属性の利用者が当該乗場2からかご3に乗り込むことを許可する場合に当該乗場2の呼びを登録する。
【0022】
この際、制御装置14は、当該属性の情報に応じてかご3の内部における領域の提示の位置が変化するようにかご側領域提示装置12を制御する。例えば、制御装置14は、当該属性の情報に応じて光の照射位置が変化するようにかご側領域提示装置12を制御する。
【0023】
例えば、乗場側読取装置7が複数の識別体15から属性の情報を読み取った場合、制御装置14は、当該複数の識別体15の属性の情報に基づいて当該複数の識別体15に対応した利用者が当該乗場2からかご3に乗り込むことを許可するか否かを判定する。制御装置14は、当該複数の識別体15に対応した利用者が当該乗場2からかご3に乗り込むことを許可する場合に当該乗場2の呼びを登録する。
【0024】
この際、制御装置14は、当該複数の属性の情報に応じてかご3の内部における複数の領域が異なる色で提示されるようにかご側領域提示装置12を制御する。例えば、制御装置14は、当該属性の情報に応じてかご3の内部における複数の領域が異なる色の光で照射されるに当該かご側領域提示装置12を制御する。
【0025】
この際、制御装置14は、当該複数の識別体15に対応した利用者の各々に対応した色を当該乗場2の乗場側報知装置9およびかご側報知装置13の少なくとも一方に報知させる。
【0026】
例えば、制御装置14は、かご側読取装置11が識別体15から読み取った属性の情報の数に基づいてかご3の内部の混雑状況を判定する。制御装置14は、かご3の内部の混雑状況に応じてかご3の内部における領域の提示位置が変化するようにかご側領域提示装置12を制御する。
【0027】
例えば、かご3の内部が空の場合、制御装置14は、かご3の床面の中央部が提示されるようにかご側領域提示装置12を制御する。例えば、かご3の内部が混雑している場合、制御装置14は、かご3の床面の一側部が提示されるようにかご側領域提示装置12を制御する。
【0028】
例えば、制御装置14は、複数の乗場側読取装置7の各々とかご側読取装置11とが識別体15から読みとった属性の情報に基づいて利用者の乗降順を判定する。制御装置14は、利用者の乗降順に応じてかご3の内部における領域の提示位置が変化するようにかご側領域提示装置12を制御する。
【0029】
例えば、車椅子16aの利用者が一般の利用者よりも先にかご3から降りる場合、制御装置14は、かご3の前部が提示されるようにかご側領域提示装置12を制御する。例えば、車椅子16aの利用者が一般の利用者よりも後にかご3から降りる場合、制御装置14は、かご3の後部が提示されるようにかご側領域提示装置12を制御する。
【0030】
例えば、制御装置14は、複数の乗場側読取装置7の各々が識別体15から読み取った属性の情報と当該乗場2の呼びの情報とを対応付けて記憶する。例えば、制御装置14は、かご側読取装置11が識別体15から読み取った属性の情報とかご3の呼びの情報とを対応付けて記憶する。制御装置14は、複数の呼びの情報が記憶されている場合に複数の呼びの各々に対応した属性に応じて複数の呼びに対してかご3を応答させる際の順番を決定する。
【0031】
例えば、車椅子16aの利用者がかご3の前部に乗っている場合、制御装置14は、一般の利用者に対応した乗場2の呼びにかご3を応答させない。例えば、車椅子16aの利用者がかご3の後部に乗っている場合、制御装置14は、一般の利用者に対応した乗場2の呼びにかご3を応答させる。
【0032】
例えば、乗場側読取装置7が識別体15から介助を要する情報を読み取った場合、制御装置14は、かご内利用者が介助の可否を回答する方法を示す情報をかご側報知装置13に報知させる。例えば、制御装置14は、介助が可能であることを回答するために戸開ボタンを押し続けることを促す情報をかご側報知装置13に報知させる。例えば、制御装置14は、介助が不可能であることを回答するために戸開ボタンを断続的に押すことを促す情報をかご側報知装置13に報知させる。
【0033】
介助が可能であるとの回答が得られた場合、制御装置14は、かご3に乗り込む際に介助を受けることができることを示す情報を当該乗場2に設けられた乗場側報知装置9に報知させる。
【0034】
例えば、乗場側読取装置7が識別体15から介助を要する情報を読み取った場合、制御装置14は、当該乗場2の利用者がかご3に乗り込む際に介助を要することを示す情報を乗場2に設けられた乗場側報知装置9に報知させる。
【0035】
次に、図2を用いて、制御装置14の各部を説明する。
図2はこの発明の実施の形態1におけるエレベーターの利用者誘導システムの制御装置のブロック図である。
【0036】
図2に示されるように、制御装置14は、記憶部14aと走行制御部14bと領域提示制御部14cとを備える。
【0037】
例えば、記憶部14aは、複数の乗場側読取装置7の各々が識別体15から読み取った属性の情報と当該乗場2の呼びの情報とを対応付けて記憶する。例えば、記憶部14aは、かご側読取装置11が識別体15から読み取った属性の情報とかご3の呼びの情報とを対応付けて記憶する。
【0038】
例えば、走行制御部14bは、記憶部14aに記憶された乗場2の呼びの情報とかご3の情報とに基づいてかご3の走行を制御する。例えば、走行制御部14bは、複数の呼びの情報が記憶部14aに記憶されている場合に複数の呼びの各々に対応した属性に応じて複数の呼びに対してかご3を応答させる際の順番を決定する。
【0039】
例えば、領域提示制御部14cは、乗場側読取装置7またはかご側読取装置11に読み取られた属性の情報に応じて領域の提示の位置が変化するように乗場側領域提示装置8またはかご側領域提示装置12を制御する。
【0040】
次に、図3を用いて、かご側領域提示装置12を説明する。
図3はこの発明の実施の形態1におけるエレベーターの利用者誘導システムのかご側領域提示装置を説明するための斜視図である。
【0041】
図3に示されるように、かご側領域提示装置12は、かご3の床面に向けて光を照射する。その結果、かご3の床面の一領域は、他の領域よりも明るく提示される。例えば、かご3の床面の前部は、他部よりも明るく提示される。
【0042】
利用者は、図3において図示されない乗場2からかご3に乗り込む際にかご3の床面において明るく提示された領域に誘導される。
【0043】
次に、図4を用いて、かご3の内部における領域の提示の具体例を説明する。
図4はこの発明の実施の形態1におけるエレベーターの利用者誘導システムによる領域の提示の具体例を示す図である。
【0044】
図4に示されるように、領域は、複数の種類の方法で提示され得る。例えば、図4の上段において、領域は、少なくとも一つの矢印を用いて提示される。例えば、図4の中段においては、領域は、少なくとも一つの矩形を用いて提示される。例えば、図4の下段においては、複数の円形または複数の楕円形を用いて提示される。
【0045】
次に、図5を用いて、制御装置14の動作の一部を説明する。
図5はこの発明の実施の形態1におけるエレベーターの利用者誘導システムの制御装置の動作の一部を説明するためのフローチャートである。
【0046】
ステップS1では、制御装置14は、乗場側読取装置7が識別体15から属性の情報を読み取ったか否かを判定する。ステップS1で乗場側読取装置7が識別体15から属性の情報を読み取っていない場合は、ステップS1が繰り返される。ステップS1で乗場側読取装置7が識別体15から属性の情報を読み取った場合は、制御装置14の動作は、ステップS2に進む。
【0047】
ステップS2では、制御装置14は、当該属性の情報に基づいて当該属性の利用者が当該乗場2からかご3に乗り込むことを許可するか否かを判定する。ステップS2で制御装置14が当該属性の情報に基づいて当該属性の利用者が当該乗場2からかご3に乗り込むことを許可しない場合は、制御装置14の動作は、ステップS1に戻る。ステップS2で制御装置14が当該属性の情報に基づいて当該属性の利用者が当該乗場2からかご3に乗り込むことを許可する場合は、制御装置14の動作は、ステップS3に進む。
【0048】
ステップS3では、制御装置14は、当該乗場2の呼びを登録する。その後、制御装置14は、動作を終了する。
【0049】
以上で説明した実施の形態1によれば、領域の提示の位置は、識別体15の属性の情報に応じて変化する。このため、利用者が誘導される位置は、識別体15の属性に応じて変化する。その結果、利用者の属性に応じて適切な誘導を行うことができる。例えば、車椅子の大きさに応じて適切な誘導を行うことができる。
【0050】
また、制御装置14は、乗場側読取装置7に読み取られた属性の情報に基づいて当該属性の利用者が当該乗場2からかご3に乗り込むことを許可するか否かを判定する。例えば、当該属性の利用者が乗り込む領域がかご3の内部に確保することができない場合、制御装置14は、当該乗場2からかご3に乗り込むことを許可しない。このため、エレベーターの運行効率を向上することができる。
【0051】
また、乗場側読取装置7が複数の識別体15から属性の情報を読み取った場合に、かご3の内部における複数の領域は、複数の識別体15の属性の情報に応じて異なる色で提示される。このため、複数の利用者に対して適切な誘導を行うことができる。
【0052】
また、かご3の内部における領域の提示の位置は、かご3の内部の混雑状況に応じて変化する。このため、状況に応じて適切な誘導を行うことができる。
【0053】
また、制御装置14は、複数の呼びの各々に対応した属性に応じて複数の呼びに対してかご3を応答させる際の順番を決定する。このため、状況に応じてエレベーターを適切に運行することができる。
【0054】
また、乗場側読取装置7が識別体15から介助を要する情報を読み取った場合、制御装置14は、介助の可否を回答する方法を示す情報をかご側報知装置13に報知させる。介助が可能であるとの回答が得られた場合、制御装置14は、かご3に乗り込む際に介助を受けることができることを示す情報を当該乗場2に設けられた乗場側報知装置9に報知させる。このため、介助を要する利用者は、当該乗場2に他の利用者がいない場合でもかご3が到着した際に介助を受けることができることを認識できる。その結果、介助を要する利用者に対して安心感を与えることができる。
【0055】
また、乗場側読取装置7が識別体15から介助を要する情報を読み取った場合、制御装置14は、当該乗場2の利用者がかご3に乗り込む際に介助を要することを示す情報を乗場2に設けられた乗場側報知装置9に報知させる。このため、介助を要する利用者が自ら介助を要請することなく、他の利用者に対して自然に介助を促すことができる。
【0056】
なお、乗場側領域提示装置8とかご側領域提示装置12とは、点光源でも面光源でもよい。
【0057】
また、かご側領域提示装置12でかご3の床面と乗場2の床面とにおいて領域を提示してもよい。また、かご側領域提示装置12で乗場2の床面のみにおいて領域を提示してもよい。
【0058】
また、乗場側領域提示装置8で乗場2の床面と乗場ドア4とにおいて領域を提示してもよい。また、かご側領域提示装置12でかご3の床面とかごドア5とにおいて領域を提示してもよい。この際、乗場側領域提示装置8とかご側領域提示装置12とのうちの一方のみを動作させてもよい。乗場側領域提示装置8とかご側領域提示装置12との双方を動作させてもよい。
【0059】
また、乗場側領域提示装置8として、液晶等の表示体を乗場2の床面に設けてもよい。また、かご側領域提示装置12として、液晶等の表示体をかご3の床面に設けてもよい。この際、乗場側領域提示装置8とかご側領域提示装置12とのうちの一方のみを動作させてもよい。乗場側領域提示装置8とかご側領域提示装置12との双方を動作させてもよい。
【0060】
また、乗場側領域提示装置8を乗場2の壁面に設けてもよい。当該乗場側領域提示装置8で乗場2の床面において領域を提示してもよい。また、かご側領域提示装置12をかご3の壁面に設けてもよい。当該かご側領域提示装置12でかご3の床面において領域を提示してもよい。この際、乗場側領域提示装置8とかご側領域提示装置12とのうちの一方のみを動作させてもよい。乗場側領域提示装置8とかご側領域提示装置12との双方を動作させてもよい。
【0061】
また、乗場側領域提示装置8を乗場2の壁面に設けてもよい。当該乗場側領域提示装置8で乗場ドア4において領域を提示してもよい。また、かご側領域提示装置12をかご3の壁面に設けてもよい。当該かご側領域提示装置12でかごドア5において領域を提示してもよい。この際、乗場側領域提示装置8とかご側領域提示装置12とのうちの一方のみを動作させてもよい。乗場側領域提示装置8とかご側領域提示装置12との双方を動作させてもよい。
【0062】
また、乗場側領域提示装置8を乗場2の壁面に設けてもよい。当該乗場側領域提示装置8で乗場2の床面と乗場ドア4とにおいて領域を提示してもよい。また、かご側領域提示装置12をかご3の壁面に設けてもよい。当該かご側領域提示装置12でかご3の床面とかごドア5とにおいて領域を提示してもよい。この際、乗場側領域提示装置8とかご側領域提示装置12とのうちの一方のみを動作させてもよい。乗場側領域提示装置8とかご側領域提示装置12との双方を動作させてもよい。
【0063】
また、乗場側領域提示装置8とかご側領域提示装置12とにより、静止画像を提示してもよい。例えば、乗場側領域提示装置8とかご側領域提示装置12とにより、同一色を提示してもよい。例えば、乗場側領域提示装置8とかご側領域提示装置12とにより、進行方向を示す矢印を提示してもよい。例えば、乗場側領域提示装置8とかご側領域提示装置12とにより、色を変えて進行方向を提示してもよい。例えば、乗場側領域提示装置8とかご側領域提示装置12とにより、明るさを変えて進行方向を提示してもよい。例えば、乗場側領域提示装置8とかご側領域提示装置12とにより、濃淡を変えて進行方向を示してもよい。
【0064】
また、乗場側領域提示装置8とかご側領域提示装置12とにより、動画像を提示してもよい。例えば、乗場側領域提示装置8とかご側領域提示装置12とにより、時分割で提示範囲を移動させてもよい。例えば、乗場側領域提示装置8とかご側領域提示装置12とにより、映像を放映してもよい。
【0065】
実施の形態1の利用者誘導システムを駅のエレベーターに適用してもよい。
【0066】
次に、図6を用いて、制御装置14の例を説明する。
図6はこの発明の実施の形態1におけるエレベーターの利用者誘導システムの制御装置のハードウェア構成図である。
【0067】
制御装置14の各機能は、処理回路により実現し得る。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ17aと少なくとも1つのメモリ17bとを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア18を備える。
【0068】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ17aと少なくとも1つのメモリ17bとを備える場合、制御装置14の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ17bに格納される。少なくとも1つのプロセッサ17aは、少なくとも1つのメモリ17bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置14の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ17aは、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。例えば、少なくとも1つのメモリ17bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
【0069】
処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア18を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらを組み合わせにより実現される。例えば、制御装置14の各機能は、それぞれ処理回路で実現される。例えば、制御装置14の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
【0070】
制御装置14の各機能について、一部を専用のハードウェア18で実現し、他部をソフトウェア又はファームウェアで実現してもよい。例えば、走行制御部14bの機能については専用のハードウェア18としての処理回路で実現し、走行制御部14bの機能以外の機能については少なくとも1つのプロセッサ17aが少なくとも1つのメモリ17bに格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現してもよい。
【0071】
このように、処理回路は、ハードウェア18、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、制御装置14の各機能を実現する。
【符号の説明】
【0072】
1 昇降路、 2 乗場、 3 かご、 4 乗場ドア、 5 かごドア、 6 乗場呼び登録装置、 7 乗場側読取装置、 8 乗場側領域提示装置、 9 乗場側報知装置、 10 かご操作盤、 11 かご側読取装置、 12 かご側領域提示装置、 13 かご側報知装置、 14 制御装置、 14a 記憶部、 14b 走行制御部、 14c 領域提示制御部、 15 識別体、 16a 車椅子、 16b 杖、 17a プロセッサ、 17b メモリ、 18 ハードウェア
図1
図2
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図5
図6