特許第6537039号(P6537039)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6537039
(24)【登録日】2019年6月14日
(45)【発行日】2019年7月3日
(54)【発明の名称】使い捨ておむつ
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/511 20060101AFI20190625BHJP
   A61F 13/537 20060101ALI20190625BHJP
   A61F 13/494 20060101ALI20190625BHJP
   A61F 13/475 20060101ALI20190625BHJP
【FI】
   A61F13/511 100
   A61F13/511 410
   A61F13/537 310
   A61F13/494 200
   A61F13/494 110
   A61F13/475 200
   A61F13/475 110
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-195455(P2015-195455)
(22)【出願日】2015年9月30日
(65)【公開番号】特開2017-64221(P2017-64221A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2018年6月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082647
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 義久
(72)【発明者】
【氏名】助川 裕人
【審査官】 北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−177224(JP,A)
【文献】 特開2013−074960(JP,A)
【文献】 特開平10−057409(JP,A)
【文献】 特開2005−058272(JP,A)
【文献】 特開2011−167412(JP,A)
【文献】 特開2009−125203(JP,A)
【文献】 特開2012−200296(JP,A)
【文献】 特開2004−337314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15 − 13/84
A61L 15/16 − 15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用面側に設けられたトップシートと、裏面側に設けられたバックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に設けられた吸収体を有する使い捨ておむつにおいて、
前記トップシートは、複数枚の単位シートから構成され、
前記単位シートは、前後方向に直列に、相互の隣接端部が重ならない位置に配置され、
前記単位シートと前記吸収体の間には、セカンドシートが設けられ、
前記単位シートの前後方向前側部分が前記セカンドシートと結合されず、前記単位シートの前後方向後側部分が前記セカンドシートと結合され、
前記使い捨ておむつの使用面側の両側部には、前後方向に延在する立体ギャザーが設けられ、
前記単位シートの前側部分における幅方向両端部が、前記立体ギャザーの幅方向内側と結合され、
使用状態で、立体ギャザーが立ち上がるとともに、単位シートの前側部分が立ち上がる構成とされ、
前記単位シートの前側部分の裏面側に位置するセカンドシートは、単位シートよりも排泄液の透過性が高く、
前記単位シートの前後方向前端縁が、幅方向外側から中央側、かつ前後方向前側から後側へ向かう直線または曲線からなることを特徴とする使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記単位シートの前側部分において、前端部のみが前記立体ギャザーと結合され、
前記前端部よりも後側は前記立体ギャザーと結合されない請求項1記載の使い捨ておむつ。
【請求項3】
前記単位シートが、幅方向に伸縮する伸縮シートからなる請求項1記載の使い捨ておむつ。
【請求項4】
排尿部位の直後に位置する単位シート前側部分の前後方向の長さが、排便部位の直後に位置する単位シート前側部分の前後方向の長さよりも長い請求項1記載の使い捨ておむつ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パンツタイプ若しくはテープタイプの使い捨ておむつ、またはインナーとして使い捨てパッドを用いるパッドタイプの使い捨ておむつに関するものである。
【背景技術】
【0002】
軟便や尿(以下、「排泄液」という)を吸収した使い捨ておむつを着用したままで、座ったり横たわったりすると、体に押された部分から排泄液が漏れ出す現象(以下、「逆戻り」という)が生じる。排泄時に排泄液を速やかに吸収するためには、使い捨ておむつの表面(肌当接面)を透液性にする必要があるが、透液性にすることで、使い捨ておむつの内部の吸収体に一旦吸収された排泄液が逆戻りしやすくなるという問題を抱えている。
【0003】
この逆戻りの解決方法として、特許文献3には、トップシートを前後方向に沿って複数枚並べた単位シートから構成し、前記単位シートを撥水性、疎水性または不透液性とした吸収性物品が開示されている。この吸収性物品は、排尿を吸収するときにトップシートの一部を立ち上げ、立ち上がったトップシートの裏面側にある吸収要素で吸収し、着座したときなど吸収性物品に圧力がかかった場合は、トップシートによって吸収要素に蓋をすることで逆戻りを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−203096号公報
【特許文献2】特開2010−115218号公報
【特許文献3】特開2013−074960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献3の吸収性物品は、単位シート相互の隣接端部が重なる状態で配置されるものであり、製造しにくいものであった。また、立ち上がった単位シートの前後方向端縁の形状が直線状であったため、体に沿いにくく、排泄液が体を伝って流れた場合に漏れる可能性があった。
【0006】
そこで、本発明の主たる課題は、逆戻り防止効果を有し、かつ製造しやすい使い捨ておむつを提供することにある。また、排泄液の漏れ防止効果をより高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
使用面側に設けられたトップシートと、裏面側に設けられたバックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に設けられた吸収体を有する使い捨ておむつにおいて、
前記トップシートは、複数枚の単位シートから構成され、
前記単位シートは、前後方向に直列に、相互の隣接端部が重ならない位置に配置され、
前記単位シートと前記吸収体の間には、セカンドシートが設けられ、
前記単位シートの前後方向前側部分が前記セカンドシートと結合されず、前記単位シートの前後方向後側部分が前記セカンドシートと結合され、
前記使い捨ておむつの使用面側の両側部には、前後方向に延在する立体ギャザーが設けられ、
前記単位シートの前側部分における幅方向両端部が、前記立体ギャザーの幅方向内側と結合され、
使用状態で、立体ギャザーが立ち上がるとともに、単位シートの前側部分が立ち上がる構成とされ、
前記単位シートの前側部分の裏面側に位置するセカンドシートは、単位シートよりも排泄液の透過性が高く、
前記単位シートの前後方向前端縁が、幅方向外側から中央側、かつ前後方向前側から後側へ向かう直線または曲線からなることを特徴とする使い捨ておむつ。
【0008】
(作用効果)
使い捨ておむつの着用者が尿などの排泄液を排泄すると、排泄液は単位シートの使用面上を流れ、立ち上がった単位シートの前側部分とセカンドシートの間の空間に流れ込み、そのセカンドシートに吸収されて、最終的に吸収体で保持される。
このとき、単位シートの前側部分が立ち上がることによって、単位シートが前側から後側へ向って傾斜するため、排泄液はその傾斜に沿って後側へ流れ、その単位シートの後側に位置する別の単位シートの立ち上がり部分の前記空間に流れ込む。このように、単位シートの立ち上がりには、排泄液が流れ込む前記空間を形成するのみならず、排泄液を前記空間に誘導する働きがある。
また、単位シートの前側部分の裏面側に位置するセカンドシートは、単位シートよりも排泄液の透過性が高くなっており、例えば、単位シートを撥水性、疎水性または不透液性とし、セカンドシートを親水性とすることができる。すなわち、単位シートから排泄液を吸収するのではなく、セカンドシートから吸収するようにすることが好ましい。なお、セカンドシートを単位シートと同じ撥水性、疎水性または不透液性とし、セカンドシートから排泄液が透過するように、セカンドシートに複数の透過孔を設けても良い。このとき、単位シートにはこのような透過孔を設けないことが好ましい。
このように、単位シートが排泄液を透過しないようにすることで、使い捨ておむつの着用者が排泄後に着座した場合などであっても、単位シート(および立体ギャザー)がセカンドシートに蓋をしている状態になるため、排泄液はセカンドシートまでしか逆戻りせず、単位シートの使用面を乾いた状態に保つことができる。
また、単位シートの前後方向前端縁を、幅方向外側から中央側、かつ前後方向前側から後側へ向かう直線または曲線にすることで、単位シート前端が身体に沿って密接するようになるため、肌当たりが良くなるとともに、排泄液が皮膚を伝って漏れやすい体勢(例えば、横たわっている状態)においても、排泄液の漏れを防ぐことができる。
さらに、前記特許文献3のように、単位シート相互の隣接端部を重ねていないため、製造が容易となり、製造効率を向上させることができる。例えば、一枚のトップシートを任意の箇所で切断して複数の単位シートとし、その単位シートを前後左右に動かすことなく、そのままセカンドシートに結合する。このようにして製造した使い捨ておむつは、平面視で(使い捨ておむつを前後方向に伸ばし、立体ギャザーの収縮力を効かせていない状態で)、隣接する単位シートの前後端が、重なることなく、かつ間が空くこともなく、互いに接した状態となっている。
【0009】
<請求項2記載の発明>
前記単位シートの前側部分において、前端部のみが前記立体ギャザーと結合され、
前記前端部よりも後側は前記立体ギャザーと結合されない請求項1記載の使い捨ておむつ。
【0010】
(作用効果)
単位シートの前側部分の側部全体を立体ギャザーと結合させると、その結合部分の立体ギャザーが立ち上がりにくく、横漏れの可能性がある。そこで、単位シート側部と立体ギャザーの結合部分を必要最小限の位置(単位シート側部の前端部のみ)にすることで、立体ギャザーの動きの自由度が増え、横漏れを防ぐことができる。
また、立ち上がったときの立体ギャザーの高さが高くなるため、単位シートの前側部分の立ち上がる高さも高くなる。その結果、単位シートの前側部分とその裏面側のセカンドシートで形成される領域、すなわち排泄液を受け入れる領域(以下、「吸収領域」という。)を大きくすることができる。
さらに、排泄液は単位シート側部と立体ギャザーの非結合部分(単位シート側部の前端部よりも後側の部分)を通って、隣接する単位シートに流れることができる。そのため、例えば排泄液の量が多くて、一つの吸収領域で受け止めきれないときに、隣接する吸収領域で受け止めることにより、排泄液の漏れを防ぐことができる。
【0011】
<請求項3記載の発明>
前記単位シートが、幅方向に伸縮する伸縮シートからなる請求項1記載の使い捨ておむつ。
【0012】
(作用効果)
単位シートの収縮作用により、単位シートの前側部分を立ち上げることができる。前記特許文献3では、単位シートの前後方向端部に伸縮部材を幅方向に沿って設けて横方向立体ギャザーとしているが、製造の際に、縦方向立体ギャザーと交差する横方向立体ギャザーを設けることは容易でなかった。しかし、本発明は単位シートに伸縮部材を配置せず、単位シート自体を収縮させる構成にしたことで、製造を容易にすることができた。
【0013】
<請求項4記載の発明>
排尿部位の直後に位置する単位シート前側部分の前後方向の長さが、排便部位の直後に位置する単位シート前側部分の前後方向の長さよりも長い請求項1記載の使い捨ておむつ。
【0014】
(作用効果)
男性の排尿位置と排便位置の間の距離は、女性のそれと比べて長いため、男性用使い捨ておむつでは、尿を受ける単位シートと、便を受ける単位シートを別々にすることができる。通常の場合、尿の液量が便の液量よりも多いため、排尿位置の直後に位置する単位シートの立ち上がる部分の面積を、排便位置の直後に位置する単位シートの立ち上がる部分の面積よりも広くして、排泄液を早期に吸収できるようにした。
【発明の効果】
【0015】
以上のとおり本発明によれば、逆戻り防止効果を有し、かつ製造しやすい使い捨ておむつを提供できる。また、排泄液の漏れ防止効果をより高めることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の吸収性物品の平面図である。
図2】本発明の吸収性物品の縦方向立体ギャザーを示した平面図である。
図3】本発明の吸収性物品の横方向立体ギャザーと単位シートを示した一部破断図である。
図4】本発明の吸収性物品の吸収要素を示した平面図である。
図5図1のX−X断面図である。
図6図1のY−Y断面図である。
図7図6の横方向立体ギャザーの立ち上がりを示した断面図である。
図8図1のT−T断面図である。
図9図8の横方向立体ギャザーの立ち上がりを示した断面図である。
図10】スリットを起点として窪みを形成した状態を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について、添付図面に示した使い捨てパッドを参照しながら説明する。なお、本発明の用語のうち「股間部」とは、使用した状態で、着用者の股間と当接する部分を意味する。製品によって、図示形態のように物品の前後方向中央若しくはその近傍から前側の所定部位までの範囲であったり、物品の前後方向中央の所定範囲であったりするものである。図示形態のように、物品の前後方向中間あるいは吸収体の前後方向中間より少し前側に幅の狭い括れ部分を有する場合は、「股間部」は括れ部分の最小幅部位を前後方向中央とする所定の前後方向範囲を意味する。また、使い捨ておむつの「前部(腹側部分)」は股間部よりも前側の部分を意味し、使い捨ておむつの「後部(背側部分)」は股間部よりも後側の部分を意味する。また吸収体における「スリット」とは、吸収体に形成した細長い切り込みをいう。また、本発明の吸収性物品を構成する各構成物品において、着用者に近い側の面を「使用面」といい、遠い側の面を「裏面」という。また、着用者の肌に近い側を「使用面側」といい、遠い側を「裏面側」という。
【0018】
図1図10は、本発明に係る使い捨てパッド1を示している。使い捨てパッド1は、股間部Mと、その前後に延在する前部Fおよび後部Bを有する。各部の寸法は適宜定めることができ、例えば、おむつ全長L(前後方向長さ)を350〜700mm程度、おむつ全幅Wを130〜400mm程度とすることができる。そして、前記の場合における股間部Cの前後方向の長さを10〜150mm程度、前部Fの前後方向の長さを50〜350mm程度、および後部Bの前後方向の長さを50〜350mm程度とすることができる。
【0019】
本実施例の使い捨てパッド1は、裏面側に外装シート32を有し、使用面側に向かって順に、バックシート21、吸収体23、中間シート25、セカンドシート22、トップシート11を積層した構造を有している。
【0020】
(バックシート21)
吸収体23の裏面側には、吸収体23の周縁から幅方向に若干食み出すように、バックシート21が設けられている。バックシート21は遮水性を有するものが好ましく、ムレ防止の観点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートを用いても良い。この遮水性と透湿性を備えたシートの例としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを挙げることができる。
【0021】
(外装シート32)
バックシート21の裏面は、不織布などからなる外装シート32によって覆われており、この外装シート32は、所定の食み出し幅をもってバックシート21の周縁より外側(幅方向外側および前後方向外側)に食み出している。外装シート32の不織布を構成する繊維素材としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系、ポリエステル系、アミド系などの合成繊維のほか、レーヨンやキュプラなどの再生繊維、綿などの天然繊維を用いることができる。
【0022】
(セカンドシート22)
セカンドシート22は、トップシート11と吸収体23の間に設けられている。本実施形態では、吸収体23の使用面は、セカンドシート22により覆われている。そして、セカンドシート22の側縁から幅方向に吸収体23の一部が食み出しているが、吸収体23が食み出さないようにセカンドシート22の幅を広げることもできる。セカンドシート22としては、例えば、有孔または無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどを用いることができる。不織布を構成する繊維素材としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系、ポリエステル系、アミド系などの合成繊維のほか、レーヨンやキュプラなどの再生繊維、綿などの天然繊維を用いることができる。なお、トップシート11と吸収体23の間に、吸収体23を包む包被シート(例えば、クレープ紙から構成される)しかない場合は、この包被シートのことをセカンドシート22という。また、トップシート11と吸収体23の間に、複数枚のシートがある場合は、トップシート11の裏面と接する位置にあり、トップシートと結合されるシートをセカンドシート22という。
【0023】
(中間シート22)
セカンドシート22と吸収体23との間に、中間シート25を介在させることが望ましい。この中間シート25は、吸収体23が吸収した排泄液の逆戻りを防止するために設けるものであり、保水性が低くかつ透液性の高い素材、例えばメッシュフィルムなどを用いることが望ましい。セカンドシート22の前端位置を0%、同シート22の後端位置を100%としたとき、中間シート25の前端は0〜11%の範囲に位置していることが好ましく、中間シート25の後端は92〜100%の範囲に位置していることが好ましい。また、中間シート25の幅W25は、吸収体23の幅W23の50〜90%程度の範囲にあることが好ましい。
【0024】
(エンドフラップ部EF、サイドフラップ部SF)
使い捨てパッド1の前後方向両端部では、吸収体23の前端よりも前側に、吸収体23の後端よりも後側に、外装シート32およびセカンドシート22が、それぞれ延在して貼り合わされ、吸収体23の存在しないエンドフラップ部EFが形成されている。また、使い捨てパッド1の幅方向両端部では、外装シート32が吸収体23の両側縁よりも外側にそれぞれ延在している。そして、外装シート32の両側端からセカンドシート22の両側端までの使用面には、立体ギャザーシート24sの幅方向外側部分24xが前後方向全体にわたって貼り付けられている。また、外装シート32の両側端部は立体ギャザーシート24sと貼り合わされ、吸収体23の存在しないサイドフラップ部SFを構成している。この貼り合わせは、例えば、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波シールにより行われる。これらエンドフラップ部EF及びサイドフラップ部SFは、使い捨てパッド1の周縁部をなし、これらのフラップ部EF、SFにより囲まれる部分が使い捨てパッド1の本体部をなす。外装シート32を設けない場合、外装シート32に代えてバックシート21をサイドフラップ部SFまで延在させ、サイドフラップ部SFの裏面側を形成することができる。
【0025】
(立体ギャザー24)
立体ギャザー24は、立体ギャザーシート24sや細長状弾性部材24Gを有し、使い捨ておむつ1を着用したときに、立体ギャザーシート24sの幅方向内側24cが着用者側に起立する。この立体ギャザーシート24sとしては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触が良いため、シリコンなどにより撥水処理をした不織布が好適に使用される。
【0026】
立体ギャザーシート24sの幅方向内側部分24cはセカンドシート22上にまで延在しており、立体ギャザーシート24sの幅方向内側端部には、細長状弾性部材24Gが前後方向に沿って伸張状態でホットメルト接着剤等により固定されている。この細長状弾性部材24Gとしては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。
【0027】
また、立体ギャザーシート24sの幅方向外側部分24xは、前後方向全体にわたって、セカンドシート22と外装シート32の使用面に貼り合わされて固定されるとともに、幅方向内側部分24cは、前後方向両端部でセカンドシート22の使用面に貼り合わされて固定され、前後方向中間部はセカンドシート22の使用面に固定されていない。この非固定部分は、セカンドシート22の使用面に対して起立可能なバリヤ部となる部分であり、その起立基端24bは立体ギャザーシート24sにおける幅方向外側固定部分24xと内側部分24cとの境に位置する。
【0028】
(吸収体23)
吸収体23としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて粒子状等の高吸収性ポリマーを混合し、固着してなるものを用いることができる。吸収体23における繊維目付け及び高吸収性ポリマーの目付けは適宜定めることができるが、繊維目付けは100〜600g/m2程度とするのが好ましく、吸収性ポリマーの目付けは0〜400g/m2程度とするのが好ましい。高吸収性ポリマー粒子を混合する場合などには、必要に応じて、吸収体23をクレープ紙等の包装シート(図示せず)で包むことができる。また、吸収体23の形状は、股間部Mが窪んだ砂時計状、帯状、長方形状または台形状など、適宜の形状とすることができる。
【0029】
本実施形態の吸収体23は、股間部C2を含む前後方向中間部分が幅の狭い括れ部23nを形成している。この括れ部23nの最小幅W23nは、括れ部23nの前後に位置する非括れ部の幅(吸収体23の全幅)W23の50〜65%程度であるのが好ましい。また、外装シート32の前端を0%とし、外装シート32の後端を100%としたとき、括れ部23nの前端(括れが始まる箇所)は10〜25%の範囲に位置していることが好ましく、括れ部23nの後端(括れが終わる箇所)は40〜65%の範囲に位置していることが好ましく、括れ部23nの最小幅W23nとなる部位(最小幅部位)は25〜30%の範囲に位置していることが好ましい。
【0030】
(トップシート11)
本発明においては、着用者の肌に最も近いシートをトップシート11という。使い捨てパッド1の厚さ方向において、セカンドシート22と立体ギャザーシート24sの間にトップシート11が設けられている。このトップシート11は、吸収体23で吸収した排泄液が着用者の肌へ漏れ出す現象(以下、「逆戻り」という)を防止する機能を有する。なお、トップシート11は、平面視で、一対の立体ギャザーシート24、24のそれぞれの起立基端24b、24bの間に配置されている。
【0031】
トップシート11は、前記逆戻りを防止するために、撥水性、疎水性または不透液性を有するものが望ましい。素材としては、プラスチックシート、メルトブローン不織布、シリコンなどにより撥水処理をした不織布を用いることができる。逆戻り防止効果が高いため、防水フィルムをラミネートした不織布を用いることが特に好ましい。
【0032】
また、トップシート11(すなわち、単位シート)として、幅方向に伸縮する伸縮シートを用いることもできる。この伸縮シートとしては、例えばフィルム状の弾性部材、ネット状の弾性部材、糸状の弾性部材等の片面に、肌触りを良くするための不織布を貼りつけたシートを挙げることができる。不織布は、弾性部材の両面に貼り付けても良い。また、前記弾性部材の素材としては、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステルを例示できる。この伸縮性単位シートが収縮すると、使い捨ておむつの幅方向両端部が幅方向中心側へ引き寄せられるため、単位シートの前側部分とセカンドシートの間の距離が長くなる。すなわち、単位シートが立ち上がる高さを高くすることができる。
【0033】
前記特許文献3では、単位シートの前後方向端部に細長状弾性部材を幅方向に沿って設け、横方向立体ギャザーとしている。
ここで、使い捨ておむつの製造について説明すると、一般的な製造工程では、使い捨ておむつを構成する各々の部品が、使い捨ておむつの前後方向に流れている。そして、立体ギャザーを製造する段階で、細長状弾性部材を包んだ立体ギャザーシートを任意の長さに切断する。切断した立体ギャザーシートを縦方向立体ギャザーにする場合は、部品の流れ方向に沿ってそのまま貼り付けるだけで良いが、横方向立体ギャザーにする場合は、立体ギャザーシートを90度回転させて、部品の流れ方向と直交する方向に貼り付ける必要があるため、製造しにくかった。
本発明では、一枚の伸縮性トップシートを任意の間隔で切断して単位シートとし、その単位シートの方向を回転させることなく、部品の流れ方向に沿ってそのまま貼り付けるだけで良いため、特許文献3の場合と比べて、使い捨ておむつの製造が容易になる。
【0034】
(単位シート11a)
トップシート11は単位シートから構成され、本実施形態では、前側から後側へ順に11a、11b、11cの3枚の単位シートを配置している。
単位シート11aは、単位シート11aの裏面全体をセカンドシート22の前部Fの使用面に貼り付けて、固定する。この貼り合わせは、例えば、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波シールにより行われる。
【0035】
(単位シート11b)
単位シート11bは、単位シート11bの前後方向前側部分11bFをセカンドシート22と貼り合わさず固定しない。他方、単位シート11bの前後方向後側部分11bBは、その裏面全体をセカンドシート22に貼り付けて固定する。この前側部分11bFと後側部分11bBの境界、すなわち固定部と非固定部の境界は、単位シート11bの起立基端11pとなる。
【0036】
すなわち、単位シート11bの前側部分11bF、後側部分11bBとは、単位シート11bを前後方向に均等に二分して、前側を前側部分、後側を後側部分としているものではなく、単位シート11bの前側の立ち上がる部分を前側部分11bF、単位シート11bの後側の立ち上がらない部分(セカンドシート22と結合している部分)を後側部分11bBとしている。
【0037】
単位シート11bの幅方向端部は、平面視で、立体ギャザーシート24sの中央側端部と重なり合っている。この重なり合っている部分のうち、単位シート11bの前後方向前側の使用面を、立体ギャザーシート24sに貼り付けて固定している。この貼り付けは、例えば、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波シールによって行われる。このように単位シート11bと立体ギャザーシート24sが繋がっているため、吸収パッド1の使用時に立体ギャザー24が立ち上がると、それに連れて単位シート11bの前後方向前側も立ち上がり、単位シート11bとセカンドシート22の間に空間が形成される。この空間は吸収領域7Lという。また、単位シート11bの端部のうち、立ち上がる部分を起立端部17という。
【0038】
なお、トップシート11に排泄された排泄液は、吸収領域7へ移動し、吸収領域7を構成するセカンドシート22によって吸収される。この吸収領域7は、排泄液の量が多くて吸収しきれない場合に、排泄液を一時的に保持する機能も有する。
【0039】
また、単位シートの前後方向前端縁33を、幅方向外側から中央側、かつ前後方向前側から後側へ向かう直線または曲線にすることが好ましい。例えば、図3に示したように、単位シート11bの前端縁33bを前側から後側へ向かう半円状にすることができる。図3では、単位シート11cの前端縁33cを前側から後側へ向かう三角形状にしているが、単位シート11bの前端縁33bを三角形状にしても良い。このように各単位シート11b、11c、11dの前端縁33b、33c、33dの形状は、任意に変更することができ、すべての単位シート11b、11c、11dの前端縁33b、33c、33dを同じ形状にしても良いし、前端縁33b、33c、33dごとに異なる形状にしても良い。単位シート11bの前端縁33bを前記の形状にした目的は、着用者の肌面と単位シート11の前端縁33を密接させて、肌当たりをよくするとともに、排泄液が皮膚を伝って漏れやすい体勢(例えば、横たわっている状態)においても、排泄液が皮膚を伝って漏れ出ないようにするためである。そのため、単位シート11bの前端縁33bの形状は、着用者の肌面と密接する形状が好ましく、直線よりも曲線にすることが好ましい。また、着用者の肌面により密接させるため、前端縁33b、33c、33dごとに直線や曲線の角度を変えることが好ましい。なお、使い捨ておむつ1の最も前側に配される単位シート11aの前端縁33aは立ち上がらないため、前記のような形状にする必要はなく、図3に示すような幅方向に沿う直線で良い。
【0040】
(単位シート11c、11r)
単位シート11c、11rも、単位シート11bと同様に構成される。前記の説明において、単位シート11bを単位シート11cまたは単位シート11rと、吸収領域7Lを7Mまたは7Nと読み替えれば良く、これ以上の説明は繰り返しになるため省略する。
【0041】
(結合部30)
単位シート11b、11c、11rの前側部分11bF、11cF、11rFの幅方向両端部は、立体ギャザー24の幅方向内側24cと結合する。このとき、単位シート11b、11c、11rの前側部分11bF、11cF、11rFのうち、前端部30のみを立体ギャザー24と結合し、前端部30よりも後側を立体ギャザー24と結合しないようにすることが好ましい。
【0042】
単位シート11b、11c、11rの前側部分11bF、11cF、11rFの側部全体30、31を立体ギャザー24と結合させると、結合した部分の立体ギャザー24が立ち上がりにくくなるため、横漏れが生じる可能性がある。そこで、単位シート11b、11c、11rと立体ギャザー24の結合部分を必要最小限の位置(単位シートの側部のうちの前端部30のみ)にすることで、立体ギャザー24がより自由に動けるようになり、立体ギャザー24が立ち上がりやすくなる結果、横漏れを防ぐことができる。
また、立ち上がったときの立体ギャザー24の高さが高くなるため、単位シート11b、11c、11rの前側部分11bF、11cF、11rFが立ち上がったときの高さも高くなる。その結果、吸収領域7L、7M、7Nを大きくすることができる。
さらに、例えば、単位シート11bに排泄された排泄液は、単位シート11bの側部と立体ギャザー24の非結合部分31(単位シート11b側部の前端部30よりも後側の部分31)を通って、隣接する単位シート11cに流れることができる。そのため、排泄液の量が多く、一つの吸収領域7Lで受け止めきれないときに、隣接する吸収領域7Mで受け止めることにより、排泄液の漏れを防ぐことができる。同様に、排泄液は単位シート11cから11rへも移動でき、吸収領域7Mで吸収しきれない排泄液を吸収領域7Nで吸収することができる。
なお、立体ギャザー24を立ち上げて横漏れを防ぐため、単位シート11bの両側部と立体ギャザー24を結合させないことが好ましい。
【0043】
(吸収領域7L、7M、7Nの長さ)
例えば、着用者の排尿位置が単位シート11a上にあり、排便位置が単位シート11b上にある場合、排尿部位の直後に位置する吸収領域7Lの前後方向の長さ(すなわち、単位シート11bの前側部分の前後方向の長さ)を、排便部位の直後に位置する吸収領域7Mの前後方向の長さ(すなわち、単位シート11cの前側部分の前後方向の長さ)よりも長くすることが好ましい。すなわち、吸収領域7Lの面積を吸収領域7Mよりも広くすることが好ましい。
【0044】
男性の排尿位置と排便位置の間の距離は、女性のそれと比べて長い。そのため、男性用の使い捨ておむつでは、尿を受ける単位シートと、便を受ける単位シートを別々のシート(例えば、11a、11b)にすることができる。下痢などでない通常の場合は、尿の液量が便の液量よりも多い。そのため、前記のように、排尿位置の直後に位置する単位シート11aの立ち上がる部分の面積を、排便位置の直後に位置する単位シート11bの立ち上がる部分の面積よりも広く設計することで、排泄液を早く吸収することができる。
具体的な距離を挙げると、例えば、使い捨ておむつ1の幅Wの中央線CLを基準に計測したとき、吸収領域7Lの前後方向の長さを80mm〜100mmとし、吸収領域7Mの前後方向の長さを50mm〜70mmとすることができる。
【0045】
(使用状態)
本実施形態に係る使い捨てパッド1は、使い捨ておむつのインナーとして用いられる。このパッド1をインナーに備えた使い捨ておむつを着用すると、細長状弾性部材24Gの収縮作用と着用者の足圧によって、セカンドシート22使用面と非固定の単位シート11b裏面の間、セカンドシート22使用面と非固定の単位シート11c裏面の間に、それぞれ空間(吸収領域7)が形成される。
【0046】
男性の着用者が尿を排出すると、排出された尿は単位シート11a上を前後方向後側へ向かって流れて、吸収領域7Lに到達する。そして、吸収領域7Lのセカンドシート22に吸収され、最終的に吸収体23に保持される。
【0047】
一方、女性の着用者が尿を排出すると、排出された尿は単位シート11b上を前後方向後側へ向かって流れて、吸収領域7Mに到達する。このとき、単位シート11bの起立端部17が立ち上がるため、単位シート11bの使用面は、前後方向後側へ向かって下がる斜面となる。そのため、単位シート11bを介して、排泄された尿を速やかに前後方向後側に移動させ、吸収領域7Mまで到達させることができる。吸収領域7Mに到達した尿は、吸収領域7Mのセカンドシート22に吸収され、最終的に吸収体23に保持される。また、着用者が軟便や下痢便をした場合の排泄液は、前記女性の尿と同様の流れを通じて、吸収体23に保持される。
【0048】
また、排泄後に着用者が着座したときは、着用者の体重がパッド1にかかるため、吸収体23に保持されていた排泄液が外側に滲み出やすい状態となる。しかし、セカンドシート22の使用面を単位シート11b、11cが覆う状態となる(すなわち、単位シート11b、11cが吸収領域11L、11Mに蓋をするような状態となる)ため、排泄液の逆戻りを防止することができる。その結果、着用者のスキントラブルを防ぐことができる。
【0049】
(スリット13)
吸収体23には、単位シート11bの前後方向前側部分(好ましくは、単位シート11bの起立基端11p)を始点として、単位シート11aの前後方向後側部分(好ましくは、単位シート11aの前後方向中央)まで延在するスリット13が、幅方向に平行に二本形成されている。スリット13を設けることで、排出された排泄液を迅速に吸収領域11Lに移動させることができる。
【0050】
また、着用者の足圧がかかると、スリット13を起点として、幅方向両側に位置する吸収体23A、23Cが押し上げられ、幅方向中央にある吸収体23Bが押し下げられ、断面視で略U字形の窪みが形成される。そのため、放尿量が多い場合であっても、前記窪み部分で一時的に排泄液を保持することができ、溢れもれを防ぐことができる。
【0051】
このスリット13の形状は、単位シート11aに排出された排泄液を吸収領域11Lへ誘導するものであれば、特に問わない。本実施形態の様に直線とするほか、曲線、波または斜線にしても良い。なお、これらの形状のうち最も好ましいものは、排泄液の移動距離が最も短い直線状である。
【0052】
本実施形態では、スリットの数を二本にしたが、一本にしても良いし、三本以上設けても良い。スリットの数を多くするほど、単位シート11aに排出された排泄液を吸収領域11Lへ速く移動させることができる。なお、スリットを複数本設ける場合は、スリットの間をある程度(例えば、吸収体23の股間部C2の幅の20〜30%程度)離間させると、前記窪みが形成されやすい。
【0053】
また、スリット13の前後方向の範囲は適宜定めることができ、単位シート11cの前後方向中間部(好ましくは、単位シート11cの起立基端11q)を始点として、単位シート11aの前後方向中間部(好ましくは、単位シート11aの前後方向中央)まで延在
させても良い。この場合、単位シート11b上に排出された排泄液を吸収領域11Mへ誘導する効果も生じる。なお、前記直線状のスリット13を途中で分断しても良い。
【0054】
本実施形態の前記スリット13は、吸収体23を厚さ方向に貫通するように設けているが、貫通させないようにしても良い。貫通させない場合は、尿の拡散通路を作るため、使用面側が窪む凹形状とするのが良い。また、スリット13に代えて、連続的なエンボス加工や凹溝加工を吸収体23の表面に形成することにより尿の拡散通路を構成しても良い。
【0055】
(吸収領域11L、11M)
本実施形態にかかる使い捨てパッド1を男性用と女性用に分け、男性用の場合は吸収領域11Lのみ設け、女性用の場合は吸収領域11Mのみ設けるようにしても良い。
【0056】
本実施形態では、吸収領域を計二つ設けたが、三つ以上設けても良い。吸収領域の数を増やすことで、排泄箇所から吸収領域までの距離が短くなるため、排泄液をより早く吸収することができる。
【0057】
(製造方法)
本発明に係る吸収性物品の製造方法を説明する。下記の説明においては、本発明の特徴的部分である単位シート11の貼り付け工程のみ説明する。
図14の左側を上流とし、右側を下流とする。上流には吸収性物品の原材料があり、下流には吸収性物品の完成品がある。
【0058】
単位シート11を貼り付ける作業スペースでは、上流から下流へ立体ギャザーシート24sが流れている。また、立体ギャザーシート24sの下方では、トップシート11が上流から下流へ流れ、その下方では、セカンドシート22が上流から下方へ流れている。
【0059】
(1)切断工程
この状況下で、まずはトップシート11に任意の間隔で切れ目を入れて、単位シート11a、11b、11cを形成する。このとき、トップシート11を完全に切断して、バラバラの単位シート11a、11b、11cを形成しても良いが、切断箇所をミシン目状にしたり、幅方向両端部などにカットされない部分を残したりすることで、一枚のシートとして扱うことができるため、次の工程(貼り合わせ工程)が楽になる。
【0060】
(2)貼り合わせ工程
次に、接着剤等を用いて、セカンドシート22の使用面に、トップシート11を貼り合わせる。この貼り合わせは、吸収領域7Lおよび7Mを形成する箇所でトップシート11とセカンドシート22の貼り合わせを行わず、それ以外の箇所では貼り合わせを行う。なお、前記切断工程で、トップシート11を完全に切断しなかった場合は、この貼り合わせ工程(望ましくは貼り合わせた後)で、完全に切断すると良い。
【0061】
前記特許文献3に掲載された吸収性物品は、それぞれの単位シートの一部分が互いに重なり合う構造となっているため、製造工程が複雑化していたが、本実施形態のように重なり合わない構造にすることで、製造工程が簡素化され、製造コストを下げることができる。
【0062】
その後、吸収領域7L、7Mを形成する単位シート11b、11cの幅方向端部を、立体ギャザーシート24の裏面に貼り付ける。
【符号の説明】
【0063】
1…使い捨てパッド、7L、7M、7N…吸収領域、11…トップシート、11a、11b、11c…単位シート、11bF、11cF、11dF…単位シート11b、11c、11dの前側部分、11bB、11cB、11dB…単位シート11b、11c、11dの後側部分、11S…単位シート幅方向端辺、13…スリット、17…起立端部、21…バックシート、22…セカンドシート、23…吸収体、23n…括れ部分、24…立体ギャザー、24G…細長状弾性部材、25…中間シート、30…(単位シートと立体ギャザーの)結合部、31…(単位シート前側部分と立体ギャザーの)非結合部、32…外装シート、33…(単位シートの)前端縁、C…股間部、F…前部、B…後部、L…おむつ全長、W…おむつ全幅、EF…エンドフラップ部、SF…サイドフラップ部
図1
図2
図3
図4
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図7
図8
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図10