特許第6537083号(P6537083)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6537083
(24)【登録日】2019年6月14日
(45)【発行日】2019年7月3日
(54)【発明の名称】自動合焦のための方法および撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/36 20060101AFI20190625BHJP
   G03B 13/36 20060101ALI20190625BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20190625BHJP
   H04N 5/238 20060101ALI20190625BHJP
【FI】
   G02B7/36
   G03B13/36
   H04N5/232 120
   H04N5/232 127
   H04N5/238
【請求項の数】11
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-510514(P2017-510514)
(86)(22)【出願日】2014年9月26日
(65)【公表番号】特表2017-532590(P2017-532590A)
(43)【公表日】2017年11月2日
(86)【国際出願番号】CN2014087546
(87)【国際公開番号】WO2016045086
(87)【国際公開日】20160331
【審査請求日】2017年3月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】513068816
【氏名又は名称】エスゼット ディージェイアイ テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SZ DJI TECHNOLOGY CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ユィ、リフ
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ、ズーション
【審査官】 渡邉 勇
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0316352(US,A1)
【文献】 特開2003−107332(JP,A)
【文献】 特開平02−158705(JP,A)
【文献】 特開平01−105221(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第104023175(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第103424953(CN,A)
【文献】 特開2013−088440(JP,A)
【文献】 特開2007−006033(JP,A)
【文献】 特開平02−178641(JP,A)
【文献】 特開2007−310004(JP,A)
【文献】 特開2003−107331(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0146079(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/28 − 7/40
G03B 13/36
H04N 5/222− 5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズを備えるカメラで自動合焦するための方法であって、
画像フレーム内の合焦窓に含まれる複数の画像合焦窓の中から一組の画像合焦窓を選択する段階と、
前記一組の画像合焦窓内のそれぞれの画像合焦窓に対するそれぞれの窓評価値、およびそれぞれの重み付けに基づいて、複数のレンズ位置の各レンズ位置に対して焦点測定値を計算する段階と、
前記複数のレンズ位置の複数の前記計算された焦点測定値を比較することで、最適なレンズ位置を選択する段階と、を備え、
前記一組の画像合焦窓を選択する段階は、
1または複数組の選択ルールに基づいて前記一組の画像合焦窓を選択する段階を備え、
前記1または複数組の選択ルールは、前記カメラに連結されることが可能な各レンズに固有の統計データから導出され、
前記統計データは、主撮像領域が前記画像フレームの各領域に含まれる確率、または特定の領域の全面積に対する前記主撮像領域の比率を含む、方法。
【請求項2】
前記合焦窓内の画像は、第1の被写体を含む前記主撮像領域と前記第1の被写体から一定の距離にある第2の被写体を含む背景撮像領域とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記それぞれの画像合焦窓に対する前記それぞれの重み付けは、前記統計データに基づいて計算される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記焦点測定値を計算する段階は、
前記一組の画像合焦窓内の前記それぞれの画像合焦窓に対して、重み付けされた窓評価値を計算する段階と、
前記重み付けされた窓評価値を合計する段階と、をさらに備える、請求項1からの何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記一組の画像合焦窓の全面積で前記重み付けされた窓評価値の合計値を除算する段階をさらに備える、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記レンズのモータを動作させることによって前記レンズ位置を変更する段階をさらに備える請求項1から請求項の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
モータ位置を、最大焦点測定値に対応する前記レンズ位置で決定する段階をさらに備える請求項1から請求項の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
レンズと、
前記レンズの複数の合焦動作を実行するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、前記レンズを制御することによって、請求項1から請求項の何れか1項に記載の方法を実行することが可能な撮像装置。
【請求項9】
自動合焦の可能な撮像装置であって、
前記撮像装置に連結されることが可能な各レンズに固有の統計データから導出される1または複数組の選択ルールに対するアクセスを有するコントローラを備え、
前記コントローラは、前記1または複数組の選択ルールで規定される各組の画像合焦窓に対応する1または複数組の重み付けに対するアクセスを有し、前記1または複数組の重み付けは前記統計データに基づいて計算され、
前記コントローラは画像フレーム内の合焦窓に含まれる複数の画像合焦窓の中から一組の画像合焦窓を選択するために前記1または複数組の選択ルールを用いることができ、
前記統計データは、第1の被写体を含む主撮像領域が前記画像フレームの各領域に含まれる確率、または特定の領域の全面積に対する前記主撮像領域の比率を含み、
前記コントローラは、写真を撮影するとき、複数のレンズ位置のそれぞれに対して焦点測定値を計算するために前記1または複数組の重み付けを用いることができる、撮像装置。
【請求項10】
前記複数のレンズ位置のそれぞれは、複数のレンズに関連付けられるモータの複数の異なる位置のうちの1つのモータ位置に対応する、請求項に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記コントローラは、特定の画像フレームに対して、最大焦点測定値に対応するモータ位置を選択する、請求項に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される複数の実施形態は、概して撮像の複数のシステムおよび複数の方法に関し、特には、限定はされないが、統計データに基づいて一組のレンズ合焦窓を選択し、かつ一組のレンズ合焦窓に対する重み付けされた窓評価値を計算することによる自動合焦のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの撮像装置には、自動合焦の複数の機能が備えられている。それらの機能においては、合焦処理は装置の操作者によるいかなる介入もなしに実行される。典型的な複数の画像装置は、カメラ、ビデオ記録装置、および、高機能携帯電話などの撮影機能または画像記録機能を備える他の装置を含む。
【0003】
カメラを例にとると、写真が撮られるとき、第1の段階は、撮影されている被写体に焦点を合わせることである。カメラの中には自動合焦機能が備えられているものがある。撮影または録画の際に被写体に対して自動的に合焦する場合、1つの画像フレームは、主撮像領域、副撮像領域、および背景撮像領域の3つの画像領域に分割され得る。合焦の主目的は、主撮像領域内の画像をできるだけ鮮明にすることである。
【0004】
合焦処理において、レンズは凸レンズとみなされ得る。ズームレンズのある焦点値に対して、または固定焦点レンズに対して、焦点距離は固定される。被写体距離と画像距離と焦点距離との関係は次式で表され得る。
【0005】
【数1】
式(1)
【0006】
ここで、uは被写体距離を指し、vは画像距離を指し、fは焦点距離を指す。焦点距離および被写体距離が固定される場合、合焦の主目的は、画像距離を、それが式(1)を満たすように変更することであることを、われわれは上記説明から理解し得る。
【0007】
特定の画像について、それの主撮像領域に対する空間的奥行き、それの副撮像領域に対する空間的奥行き、およびそれの背景領域に対する空間的奥行きは異なる。すなわちそれら3つに対する被写体距離は異なる。ゆえに、特定の時間において、およびある一定の焦点距離で、画像距離だけが、ただ1つの領域の画像距離に対して、式1を満たすべく調整がされ得る。
【0008】
鮮明な主撮像領域を有する写真を得るべく、主撮像領域は、正しく見つけられ、かつ適切な寸法にされた合焦窓内に正確に配置されるべきであり、そうするように正確に焦点を合わさせるようにする。
【0009】
既存の複数の技術において、複数の画像合焦窓を選択するための一般的な複数の方法は、中央選択手法および多領域選択手法を含む。それら2つのうちの中央選択手法は、合焦窓として画像フレームの中央においてM×N画素の小さい領域を取る。多領域選択手法は、複数の画像合焦窓として、複数の代表的な領域、例えば、水平軸または垂直軸に沿った4つの分割点を中心とするM×N画素を有する複数の領域、を取る。多領域選択手法はまた、複数の画像合焦窓として、2つの対角線に沿った4つの分割点を中心とするM×N画素を有する複数の領域も取り得る。
【0010】
撮像装置が画像に焦点を合わせるとき、そのような典型的な複数のシステムにはいくつかの課題が存在する。まず第1に、主撮像領域は常に上記複数の領域のうちの1つに入るわけではない。いくつかの状況において、主撮像領域は上記複数の領域に位置され、正確な合焦の目的はそれらの状況においては実現され得る。しかしながら、主撮像領域が上記複数の領域内に無い場合、合焦窓のための上記複数の手法は鮮明な主撮像領域を有する写真を保証し得ない。第2に、合焦窓の面積が主撮像領域よりも大きい場合、既存の複数の手法は計算量を増やすだけでなく、合焦の最終結果を劣化させることもある。質の劣化の理由は、それらが、遷移または接合場所において、十分鋭い合焦評価曲線をもたらさないためである。
【0011】
ゆえに、計算量を制御し、鋭い合焦評価曲線を保証し得る複数の画像合焦窓を自動的に選択するためのシステムおよび方法が必要である。
【0012】
【発明の概要】
【0013】
本明細書において開示される主題の第1の態様によると、レンズを備えるカメラによる自動合焦のための方法が提供される。当該方法は、複数のレンズ位置の各レンズ位置に対して焦点測定値を計算する段階と、最適なレンズ位置を選択すべく、複数のレンズ位置の複数の計算された焦点測定値を比較する段階とを備え、被写体が合焦されるかどうかを示すために用いられる複数の焦点測定値は、一組の画像合焦窓内の複数の画像合焦窓に対する複数の窓評価値のそれぞれおよびそれぞれの重み付けに基づいて計算される。
【0014】
いくつかの実施形態によると、当該方法は一組の画像合焦窓を選択する段階をさらに備える。
【0015】
当該方法のいくつかの実施形態によると、一組の画像合焦窓を選択する段階は、1または複数組の画像合焦窓選択ルールに基づいて一組の画像合焦窓を選択する段階を備え、当該1または複数組の画像合焦窓選択ルールは、カメラおよびレンズに固有の統計データから導出される内蔵ルールである。
【0016】
当該方法のいくつかの実施形態によると、複数の画像合焦窓のそれぞれに対するそれぞれの重み付けは当該統計データに基づいて計算される。
【0017】
いくつかの実施形態によると、焦点測定値を計算する段階は当該一組の画像合焦窓内の複数の画像合焦窓のそれぞれに対する重み付けされた窓評価値を計算する段階と、複数の窓評価値の合計値を提供すべく、複数の計算された重み付けされた窓評価値を合計する段階とをさらに備える。
【0018】
いくつかの他の実施形態によると、当該方法は、一組の画像合焦窓の全面積で複数の窓評価値の合計値を除算する段階をさらに備える。
【0019】
当該方法のいくつかの好適な実施形態によると、一組の画像合焦窓を選択する段階は、画像フレームの中央に配置される領域と、画像フレームの2本の水平方向の三等分線および2本の垂直方向の三等分線の交点を中心とする4つの周囲領域とから成る5つの画像合焦窓を選択する段階をさらに備える。
【0020】
いくつかの実施形態によると、中央領域の面積は複数の周囲領域のいずれの面積よりも大きい。
【0021】
いくつかの他の実施形態によると、中央領域の面積は複数の周囲領域のうちの任意の領域の面積の4倍である。
【0022】
いくつかの実施形態によると、焦点測定値を計算する段階は、5つの画像合焦窓のそれぞれに対する重み付けされた窓評価値を計算する段階と、複数の窓評価値の合計値を提供すべく計算された重み付けされた窓評価値を合計する段階と、5つの画像合焦窓の全面積で複数の窓評価値の合計値を除算する段階と、をさらに備える。
【0023】
いくつかの実施形態によると、画像フレームが16の行および16の列に分割されて、それぞれが一様な面積を有する256の副区域を形成するとき、中央領域は4つの副区域を取り、他の4つの領域のうちの任意の領域は、画像フレームの256の副区域のうちの1つの副区域を取る。
【0024】
いくつかの他の実施形態によると、当該方法は、レンズのモータを動作させることによってレンズ位置を変更する段階をさらに備える。
【0025】
いくつかの他の実施形態によると、当該方法は最大焦点測定値に対応するレンズ位置でモータ位置を決定する段階をさらに備える。
【0026】
本明細書において開示される本主題の第2の態様によると、撮像装置が提供される。撮像装置はレンズと、レンズの合焦動作を実行するために配置されるコントローラとを備える。コントローラは、レンズを制御することによって、複数の上記実施形態のうちの何れか1つに従って合焦動作を実行することができる。
【0027】
本明細書において開示される本主題の第3の態様によると、自動合焦の可能なカメラを製造するための方法が提供される。当該方法は、複数の画像合焦窓選択ルールと、複数の画像合焦窓選択ルールによって規定される複数の画像合焦窓に対するそれぞれの重み付けとをカメラにロードする段階と、カメラが、各レンズ位置において一組の画像合焦窓を選択する際に複数の画像合焦窓選択ルールを使用できるようにする段階と、カメラで写真を撮影するとき、カメラが、複数の焦点測定値を計算するためにそれぞれの重み付けを使用できるようにする段階と、を備える。
【0028】
いくつかの他の実施形態において、当該方法は、カメラと、カメラと連結され得る各レンズとについての統計データを収集する段階と、統計データに基づいて複数の画像合焦窓選択ルールを導出する段階とをさらに備える。
【0029】
いくつかの他の実施形態において、当該方法は、統計データに基づいて、複数の画像合焦窓選択ルールによって規定される複数の画像合焦窓に対してそれぞれの重み付けを計算する段階をさらに備える。
【0030】
いくつかの実施形態において、複数のレンズ位置のそれぞれは、レンズに関連付けられるモータの複数の異なる位置のうちの1つのモータ位置に対応する。
【0031】
いくつかの他の実施形態において、当該方法は、カメラが、写真に対する選択されたレンズ位置として最大焦点測定値に対応するモータ位置を選択できるようにする段階をさらに備える。
【0032】
本主題の第4の態様によると、自動合焦の可能な撮像装置が提供される。当該撮像装置は、撮像装置と複数のレンズのそれぞれとに固有の統計データから導出される1または複数組の画像合焦窓選択ルールに対するアクセスを有するコントローラを備え、当該コントローラは1または複数組の画像合焦窓選択ルールで規定される各組の画像合焦窓に対応する1または複数組の重み付けに対するアクセスを有し、1または複数組の重み付けは統計データに基づいて計算され、当該コントローラは複数の画像合焦窓を選択するため複数の画像合焦窓選択ルールを用いることができ、当該コントローラは、写真を撮影するとき、複数のレンズ位置のそれぞれに対して焦点測定値を計算するために1または複数組の重み付けを用いることができる。
【0033】
いくつかの実施形態において、複数のレンズ位置のそれぞれは、レンズに関連付けられるモータの複数の異なる位置のうちの1つのモータ位置に対応する。
【0034】
いくつかの他の実施形態において、当該コントローラは、特定の画像フレームに対して最大焦点測定値に対応するモータ位置を選択する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】光学レンズを通した主要被写体および背景の複数の撮像関係を示す図面である。
【0036】
図2】主撮像領域内の複数の画素の複数の平均焦点値、背景領域内の複数の画素の複数の平均焦点値、およびそれらと画像フレームの全画素の複数の平均焦点値との関係を示す図面である。
【0037】
図3】実際の被写体およびそれの背景を示す図面である。
【0038】
図4】本開示に含まれる手法と従来の多領域手法との間の結果的な差を示す図面である。
【0039】
図5】複数の画像合焦窓を選択し、複数の焦点測定値を計算することによる自動合焦機能を備えるカメラの実施形態を示す例示的なトップレベルのブロック図である。
【0040】
図6図5の自動合焦のための方法の実施形態を示す例示的なトップレレベルのフローチャートである。
【0041】
図7図6の方法の代替的実施形態を示す例示的なフローチャートである。各レンズ位置に対して焦点測定値を計算するための実施形態を示すべく、詳細が追加されている。
【0042】
図8図6の方法の代替的実施形態を示す例示的なフローチャートである。本開示の方法の複数の特有の特徴を示すべく詳細が追加される。
【0043】
図9】複数の画像合焦窓の特定の選択を有する、図6の方法の別の代替的実施形態を示す例示的なフローチャートである。
【0044】
図10図6図8、または図9において示される自動合焦機能を備える撮像装置を製造するための方法の実施形態を示す例示的なトップレレベルのフローチャートである。
【0045】
図面は縮尺通りには描かれておらず、図面を通して例示するために、同様な構造または機能の要素は、概して同様の参照番号によって表されることに留意されたい。また、図面は好適な実施形態の説明を容易にすることのみが意図されることにも留意されたい。図面は、説明される実施形態の全ての態様を示すものではなく、本開示の範囲を制限しない。
【0046】
【発明を実施するための形態】
【0047】
背景技術において述べられたような複数の課題に対処すべく、図1に示されるような以下の複数の関係から本開示は導き出される。
【0048】
【数2】
式(2)
【0049】
【数3】
式(3)
【0050】
ここで、Paは主要撮像被写体Aとレンズ112との間の被写体距離を表し、Pbは背景被写体Bとレンズ112との間の被写体距離を表し、Pa´は、レンズ112と、主要撮像被写体Aによって形成される画像A´との間の画像距離を表し、Pb´は、レンズ112と、背景の撮像被写体Bによってセンサ上に形成される画像B´との間の画像距離を表し、fはレンズ112の焦点距離を表す。
【0051】
M×N画素の画像フレームについて、われわれは次のように平均評価関数ME(I)を定義する。
【0052】
【数4】
式(4)
【0053】
ここで、E(I)は一般的な合焦評価関数であり、Iは処理されている画像を表し、MNは画像フレームのエリア内の合計画素数を指す。
【0054】
式(4)からわれわれは、ME(I)がE(I)と同一の複数の特性を有すると結論付け得る。それらの特性は以下を含む。
【0055】
a.当該関数は、単一の撮像被写体の一連の画像の曲線を計算するための単峰型関数であり、その最大値はそれの最も鮮明な画像に対応する。
【0056】
b.当該関数は曲線のピークの両側において、単調増加するか、または単調減少する。
【0057】
c.曲線のピークの両側における傾斜率の複数の絶対値はより大きいはずである。
【0058】
ここで、図1は合焦窓内の撮像シナリオを示すとさらに仮定する。
【0059】
a.合焦窓内の画像IはM×N画素を含み、当該画像は、主撮像領域A´および背景撮像領域B´から成る。
【0060】
b.Paは主要撮像被写体Aからレンズ112までの距離を表し、Pbは背景被写体Bからレンズ112までの距離を表す。
【0061】
c.撮像処理の間、主要撮像被写体Aの被写体距離および背景被写体Bの被写体距離は、妥当な距離に維持され、一定に保たれる。
【0062】
次に、式(4)は以下のようにさら導き出され得る。
【0063】
【数5】
【0064】
【数6】
【0065】
【数7】
式(5)
【0066】
ここで、S(A´)は、主撮像領域A´の面積、すなわち主撮像領域A´中の画素数を表し、S(B´)は、背景領域B´の面積、すなわち、背景撮像領域B´中の画素数を表し、pは合焦窓によって画定されるM×N画像の全面積に対する複数の主撮像領域A´の比を表わす。
【0067】
式(5)によって、われわれは、平均評価関数ME(I)が主撮像領域関数および背景撮像領域関数の両方に対する重み付けされた画素平均関数から成るということを理解し得る。それらの重み付け値は、それぞれの領域内の画素数に正比例する。加えて、主撮像領域に対する重み付けおよび背景に対する重み付けは互いに排他的であり得る。全ての画像画素に対する平均化関数と、主撮像領域に対する平均化評価関数と、背景撮像領域に対する平均化評価関数との間の複数の関係は、図2において示される。
【0068】
図2を参照すると、撮像センサがA´またはB´にあるとき、ME(A´)またはME(B´)はそれぞれ、それの最大値に達する。pが1に等しくない場合、撮像センサがA´とB´との間のC´にあるときだけ、ME(I)はそれの最大値に達し得る。この場合、撮像センサがC´平面内にあれば、主要撮像被写体も背景被写体も正確に合焦され得ない。ここで、正確に合焦され得る被写体は図1に示されるようにC平面内にある。
【0069】
図1において、Rはレンズ112の半径であると仮定すると、raおよびrb(図には示されない)は、撮像センサがC´にあるとき、主要撮像被写体Aと背景の撮像被写体Bとの間から得られる複数の焦点外画像の1つの点に対応するファジー半径を表す。そのとき、
【0070】
【数8】
式(6)
【0071】
【数9】
式(7)
【0072】
上記式(5)、(6)、および(7)から、われわれは、p値が大きければ大きいほど、すなわち、合焦窓内のM×N画像の全撮像面積に対する複数の主撮像領域A´の比が大きければ大きいほど、ME(I)に対するME(A´)の比率は大きくなるということが分かる。図2において示されるように、ME(I)のピーク点がA´に近づけば近づくほど、すなわち、
【数10】
の値が小さければ小さいほど、ファジー半径raは小さくなる。これは、主撮像領域内の画像がより鮮明になることを意味する。
【0073】
結論として、複数の画像合焦窓を選択する目的は、主撮像領域内の画素数と合焦窓内の合計画素数との間の比率をできるだけ大きくすることである。本明細書において開示されるいくつかの実施形態の下では、比率をできるだけ大きくする可能性を高めるべく、複数の画像合焦窓の複数の選択は統計データに基づいて成され得る。
【0074】
複数の画像合焦窓の選択の例として、複数の補助的な構図線が考えられる。カメラ100に関して行われる統計データに基づいて、われわれは、中央領域Aと、画像の2本の水平方向の三等分線および2本の垂直方向の三等分線の交点を中心とする4つの領域A、A、A、およびAと、を選択する。一方で、それら5つの領域における複数の主撮像領域の外観の統計的特徴を考慮し、われわれは中央領域に対する重み付けを
ω
および他の4つの領域に対する重み付けを、それぞれ
ω
ω
ω、および
ω、と仮定する。
【0075】
レンズ112の焦点位置がjのとき、合焦窓内の複数の画素に対する平均焦点測定値は次のように表され得る。
【0076】
【数11】
式(8)
【0077】
焦点評価関数の特性である、「c.ピークの両側の傾斜率の絶対値はより大きいはずである」に従って、以下の評価インデックスが得られ得る。
【0078】
【数12】
式(9)
【0079】
上記のように、目的は、式(9)において表されるインデックスの最大値を得ることである。
【0080】
統計的に、主撮像領域内の異なる複数の位置における様々な合焦画像に関する一連の焦点評価を通して、5つの重み付け値、
ω
=0.38、
ω
=0.18、
ω
=0.14、
ω
=0.17、および
ω
=0.13、が特定される。
【0081】
上記例示的な複数のインデックスに従って、本明細書において開示される手法および一般的な多領域選択手法が、図3に示される被写体に対してそれらの焦点評価関数に曲線を描かせるべくそれぞれ適用される。その結果が図4に示される。図4は、本開示に含まれる当該手法による結果的に得られる焦点曲線が、一般的な多領域選択手法によって得られる焦点曲線よりはるかに鋭いことを示す。
【0082】
上記自動合焦手法は、図5において示されるカメラ100において実装される。図5において、カメラ100はカメラ本体120と、ズームレンズまたは単焦点レンズの何れかであり得るレンズ110とを有するように示される。レンズ110は、一組の光学レンズ112と、一組の光学レンズ112とセンサ180との間で、レンズ位置を通して、画像距離を調整すべく一組の光学レンズ112の複数の位置を制御するよう構成されるモータ114と、を含む。光学レンズ112は、主要撮像被写体および背景を含み得る被写体190を表わす光150を受ける。光150は、一組の光学レンズ112を通って屈折し、光信号152によってセンサ180上に画像を形成する。センサ180はレンズ110からの光信号152をアナログデータフロー160に変換し、アナログデータフロー160は次にデジタル信号プロセッサ(DSP)130によってデジタルデータフロー162に変換される。データフロー162中のデジタルデータは、コントローラ140に渡され、コントローラ140は上述したように、焦点測定値の複数の計算および複数の比較を実行する。焦点測定値の複数の計算はまた、複数の窓評価値の複数の計算も含む。コントローラ140は、一組の光学レンズ112とセンサ180との間の画像距離を変更すべく、レンズ112の位置を変更するためにモータ114に制御信号170を送信する。画像はデータフロー160によってDSP130に送信され、DSP130はコントローラ140へのデータフロー162を生成する。コントローラ140は新しい画像データに従って、複数の焦点測定値を計算する。この処理は、画像に焦点を合わせるための閉ループ制御システムを形成する。
【0083】
コントローラ140はいくつかのレンズ位置に対して複数の焦点測定値を計算しかつ比較して、最適な焦点測定値に対応する1つのモータ114の位置、或いはレンズ位置を選択する。
【0084】
ここで、カメラ100(図5に示される)が画像を処理する一態様が図6に示される。それは、カメラ100が複数の画像合焦動作を自動的に実行できるようにするための方法500を示す。まず、合焦するとき、複数の焦点測定値を計算し、レンズ位置を決定すべく、510において、コントローラ140(図5に示される)は一組の画像合焦窓を選択し得る。背景技術において述べたような複数の既存の手法とは異なり、本明細書において開示される複数の実施形態は、統計データに基づいて複数の画像合焦窓を選択し得る。一組の画像合焦窓が画像フレームに焦点を合わせために選択されるとき、520において、コントローラ140は、カメラ100(図5に示される)に連結されたレンズ110(図5に示される)のモータ114(図5に示される)を動作させることによってレンズ位置を変更する。それぞれのそのようなレンズ位置について、530において、コントローラ140はそれのモータ114の位置を記憶し、複数の選択された画像合焦窓のそれぞれに対して複数の窓評価値を計算する。530においてまた、コントローラ140は、複数の画像合焦窓のそれぞれに対する複数の計算された窓評価値およびそれぞれの重み付けに基づいて複数のレンズ位置のそれぞれに対する複数の焦点測定値を計算する。複数の計算された焦点測定値は、被写体が合焦されるかどうかを示すために用いられ、より大きな焦点測定値はより鮮明な画像を表わす。複数の画像合焦窓のそれぞれに対する重み付けは、カメラ100、およびカメラ100に連結されたレンズ110に固有の統計データによって決定される。540において、レンズ110の最適なレンズ位置、およびそれの対応するモータ114の位置を決定すべく、複数の焦点測定値が比較される。
【0085】
図7は、連結式の機能ブロック530を備える方法500の代替的実施形態を示す。モータ114(図5に示される)を動作させることによってレンズ位置を変更した後、531において、コントローラ140(図5に示される)は1つの画像合焦窓に対して窓評価値を計算する。532において、当該画像合焦窓に対する重み付けされた窓評価値を提供すべく、当該画像合焦窓に対する計算された窓評価値には当該画像合焦窓に固有のそれぞれの重み付けが適用され得る。次に、533において、コントローラ140は、全ての選択された画像合焦窓に対して窓評価値が計算されるかどうか確認する。全ての画像合焦窓が計算されていない場合、コントローラ140は次の画像合焦窓に移動し、本段落において先に説明されたように、その画像合焦窓に対して窓評価値を計算する。全ての選択された画像合焦窓が計算されると、レンズ位置に対する複数の窓評価値の合計値を提供すべく、コントローラ140は複数の選択された画像合焦窓に対する複数の重み付けされた窓評価値を合計する。別の実施形態においては、機能ブロック532および534は新しい機能ブロック534に組み合わされ得る。その場合、単一の段階で複数の窓評価値の合計値を提供すべく、複数の選択された画像合焦窓に対する複数の窓評価値を合計するとき、それぞれの重み付けが適用される。
【0086】
方法500のいくつかの他の実施形態において、535において、コントローラ140はさらに、複数の窓評価値の平均合計値を得るべく、複数の計算された画像合焦窓の全面積で複数の窓評価値の合計値を除算する。これによりコントローラ140は、焦点測定値として複数の窓評価値の平均合計値を有利に見なし得る。方法500の代替的実施形態において、コントローラ140は焦点測定値として複数の窓評価値の合計値を使用し得る。換言すると、機能ブロック535は任意で用いられ、方法500から省略され得る。
【0087】
次にコントローラは、全ての選択されたレンズ位置が計算されたかどうかを確認する。全てが計算されていない場合、コントローラ140はモータ114(図5に示される)を動作させることによってレンズ位置を変更し、上記のように別の焦点測定値を計算する。全ての選択されたレンズ位置が計算されている場合、コントローラは、最適なモータ位置に対応する最適なレンズ位置を得るべく、複数の焦点測定値を比較する。
【0088】
図6または図7の方法500の代替的実施形態が図8に示される。図8に示されるように、510における複数の画像合焦窓の選択は、1または複数組の内蔵ルールに基づいて行われ得る。それらの内蔵ルールは、カメラ100(図5に示される)に固有の、および/または、カメラ100に連結されたレンズ110(図5に示される)に固有の統計データから導出され得る。加えて、530において、焦点測定値を計算するとき、適用される複数の重み付け(図7に示される)はまた、カメラ100、および/または、カメラ100に連結されたレンズ110に固有の統計データから計算され得る。
【0089】
さらに、図8において示される方法500は、複数の計算された焦点測定値の中から最大焦点測定値を選択することによって、レンズ位置とそれの対応するモータ位置とを決定すべく、機能ブロック550を含み得る。上述されたように、最大焦点測定値は最も鮮明な画像のレンズ位置を表わす。最大焦点測定値は複数の窓評価値の最大和を表し、それは、複数の画像合焦窓の全てに対する、最も良好に組み合わされた鮮明度を意味する。複数の窓評価値を合計するときに適用される複数の重み付けは、統計学的に主撮像領域に特別な注意を払い得る。
【0090】
図9は、図6図7、または図8の方法500の別の代替的実施形態を示す。図9において、複数の画像合焦窓を選択するとき、画像フレームの中央にある1つと、その中央領域を囲んで配置される他の4つとを含む一組の5つの内蔵領域が、一組の画像合焦窓として選択される。好ましくは、4つの周囲の画像合焦窓は、画像フレームの2本の水平方向の三等分線および2本の垂直方向の三等分線の交点を中心とする。統計学的に、主要撮像被写体はそれらの5つの領域のうちの1または複数において見つけられる可能性が高い。
【0091】
図9の方法500の実施形態において、コントローラ140(図5に示される)は、530において複数の焦点測定値を計算する。530において、図7を参照して上述された態様で複数の焦点測定値が計算され得る。図7に戻って参照すると、例えば、530において複数の計算を実行するとき、コントローラ140は、531および532において、5つの画像合焦窓のそれぞれに対して窓評価値を計算し、それぞれの重み付けを適用する。次に、複数の窓評価値の合計値を提供すべく、534において、コントローラ140は、5つの画像合焦窓に対する重み付けされた窓評価値を合計し得る。535において、レンズ位置に対する焦点測定値を提供すべく、複数の窓評価値の合計値は、5つの画像合焦窓の全面積で除算され得る。
【0092】
方法500の好適な実施形態において、画像フレームは16の行および16の列(16×16)に分割されて、それぞれが一様な面積を有する256の副区域を形成する。中央に配置された画像合焦窓は、それら256の副区域のうちの4つを取り、他の4つの画像合焦窓のうちのどれもが1つの副区域を取る。例えば、典型的な4096×2048(4096×2048)画素の画像フレームにおいて、中央の画像合焦窓は、好ましくは512×256(512×256)画素を有するように選択される。他の4つの画像合焦窓のどれもが、256×128(256×128)画素を有するように選択される。
【0093】
図4を参照して説明されたように、複数の好適な実施形態の手法による結果的に得られる焦点曲線は、一般的な多領域選択手法により得られる焦点曲線よりはるかに鋭い。加えて、本手法は複数の選択された画像合焦窓に対してだけ計算が行われるので、計算量が制御され、かつ限定され得て、そのことが、それらの実施形態を複数のビデオ用途に対して適用可能にする。
【0094】
本開示の別の態様は、図10に示されるように、カメラ100(図5に示される)を製造するための方法800である。方法800の第1の段階は、810において、複数のレンズ110(図5に示される)のそれぞれに対してカメラ100に固有の統計データを収集することである。当該統計データは、主撮像領域が画像フレームの各領域に含まれる確率、および/または、特定の領域の全面積に対する主撮像領域の比率を含む。次に、820において、複数の画像合焦窓を選択するための1または複数組のルールは、収集された統計データから集約され、かつ導出される。加えて、820において、各組の画像合焦窓内の複数の画像合焦窓のそれぞれに関連付けられる複数の重み付けはまた、同一の統計データに基づいて計算される。
【0095】
図10の830において、複数の導出された選択ルールおよび複数の計算された重み付けはカメラ100(図5に示される)にロードされる。次に、840において、合焦動作を実行するとき複数の画像合焦窓を選択すべく、コントローラ140によってカメラ100は複数のロードされた選択ルールを使用することができるようにされる。機能ブロック840は、コントローラ140(図5に示される)が複数のロードされた選択ルールを使用する機能を持たせるべく、必要なハードウェアおよび/またはソフトウェアを追加することを含む。最後に、850において、合焦動作を実行するとき複数の焦点測定値を計算すべく、コントローラ140によってカメラ100は複数のロードされた重み付けを使用することができるようにされる。機能ブロック850は、合焦動作を実行するときコントローラ140(図5に示される)に複数のロードされた重み付けを使用する機能を持たせるべく、必要なハードウェアおよび/またはソフトウェアを追加することを含む。
【0096】
本開示の最後の態様は、図5に示されるように、図6図7図8、または図9において示される複数の実施形態のうちのいずれか用いるカメラ100である。カメラ100はレンズ110と連結することが可能である。カメラ100のコントローラ140は、1または複数組の画像合焦窓選択ルールに対するアクセスを有する。それらのルールは、カメラ100、およびカメラ100と連結されることが可能な各レンズ110に固有の統計データから集約され、かつ/または導出される。コントローラ140は、写真の焦点を合わせるとき一組の画像合焦窓を選択する際、1または複数組の画像合焦窓選択ルールを使用し得る。好適な実施形態において、コントローラ140はまた、各レンズ位置に対して焦点測定値を計算する際、統計データに基づいて計算された一組または複数組の重み付けに対するアクセスを有する。各レンズ位置は、複数の異なるモータ位置から選択される1つのモータ位置に対応する。別の好適な実施形態においては、コントローラ140は、全ての計算された焦点測定値の最大焦点測定値に対応する1つのモータ位置を選択し得る。
【0097】
例示の目的だけのためにシステムおよび方法がカメラを参照して説明されてきたが、複数の上記実施形態は、レンズによって自動画像合焦可能ないかなる従来型の、または非従来型の撮像装置にも適用され得る。レンズは光学レンズまたは電子レンズの何れかであり得る。典型的な複数の撮像装置は、複数のレンズに連結され得る複数のカメラと、複数の自動合焦機能を備える複数のビデオ記録装置とを含む。しかしながら、本開示の複数の実施形態はそれら特定の用途に限定されない。
【0098】
説明された実施形態は様々な変更形態および代替形態を生じやすく、それらの具体例が図面において例示を目的として示され、本明細書において詳細に記載される。しかしながら、説明された実施形態は開示された特定の形態または方法に限定されるものではなく、反対に、本開示は全ての変更形態、均等物、代替形態を網羅することが理解されるべきである。
[項目1]
レンズを備えるカメラで自動合焦するための方法であって、
複数のレンズ位置の各レンズ位置に対して焦点測定値を計算する段階と、
最適なレンズ位置を選択すべく、上記複数のレンズ位置の複数の上記計算された焦点測定値を比較する段階と、を備え、
被写体が合焦されるかどうかを示すために用いられる複数の上記焦点測定値は、一組の画像合焦窓内の複数の画像合焦窓に対する複数の窓評価値のそれぞれ、およびそれぞれの重み付けに基づいて計算される
方法。
[項目2]
上記一組の画像合焦窓を選択する段階をさらに備える
項目1に記載の方法。
[項目3]
上記一組の画像合焦窓を選択する上記段階は、
1または複数組の画像合焦窓選択ルールに基づいて上記一組の画像合焦窓を選択する段階を備え、
上記1または複数組の画像合焦窓選択ルールは、上記カメラおよび上記レンズに固有の統計データから導出される複数の内蔵ルールである
項目2に記載の方法。
[項目4]
上記複数の画像合焦窓のそれぞれに対する上記それぞれの重み付けは、上記統計データに基づいて計算される
項目3に記載の方法。
[項目5]
焦点測定値を計算する上記段階は、
上記一組の画像合焦窓内の上記複数の画像合焦窓のそれぞれに対して、重み付けされた窓評価値を計算する段階と、
複数の窓評価値の合計値を提供すべく、複数の上記計算された重み付けされた窓評価値を合計する段階と、をさらに備える
項目1から4の何れか1項に記載の方法。
[項目6]
上記一組の画像合焦窓の全面積で上記複数の窓評価値の合計値を除算する段階をさらに備える
項目5に記載の方法。
[項目7]
上記一組の画像合焦窓を選択する上記段階は
画像フレームの中央に配置される領域と、上記画像フレームの2本の水平方向の三等分線および2本の垂直方向の三等分線の交点を中心とする4つの周囲領域とから成る5つの画像合焦窓を選択する段階をさらに備える
項目2に記載の方法。
[項目8]
上記中央の領域の面積は複数の上記周囲領域のいずれの面積よりも大きい
項目7に記載の方法。
[項目9]
上記中央の領域の上記面積は、複数の上記周囲領域の任意の領域の上記面積の4倍である
項目8に記載の方法。
[項目10]
焦点測定値を計算する上記段階は、
上記5つの画像合焦窓のそれぞれに対して重み付けされた窓評価値を計算する段階と、
複数の窓評価値の合計値を提供すべく、複数の上記計算された重み付けされた窓評価値を合計する段階と、
上記5つの画像合焦窓の全面積で上記複数の窓評価値の合計値を除算する段階と、をさらに備える
項目7から9の何れか1項に記載の方法。
[項目11]
上記画像フレームが16の行および16の列に分割されて、それぞれが一様な面積を有する256の副区域を形成するとき、上記中央の領域は4つの副区域を取り、
他の上記4つの周囲領域のうちの任意の領域は、上記画像フレームの上記256の副区域のうちの1つの副区域を取る
項目7から10の何れか1項に記載の方法。
[項目12]
上記レンズのモータを動作させることによって上記レンズ位置を変更する段階をさらに備える
項目1から11の何れか1項に記載の方法。
[項目13]
モータ位置を、最大焦点測定値に対応する上記レンズ位置で決定する段階をさらに備える
項目1から12の何れか1項に記載の方法。
[項目14]
レンズと、
上記レンズの複数の合焦動作を実行するために配置されるコントローラと、を備え、
上記コントローラは、上記レンズを制御することによって、項目1から13の何れか1項に記載の方法を実行することが可能な
撮像装置。
[項目15]
自動合焦の可能なカメラを製造するための方法であって、
複数の画像合焦窓選択ルールと、上記複数の画像合焦窓選択ルールによって規定される複数の画像合焦窓に対するそれぞれの重み付けとを上記カメラにロードする段階と、
各レンズ位置において一組の画像合焦窓を選択する際、上記カメラが上記複数の画像合焦窓選択ルールを使用できるようにする段階と、
上記カメラで写真を撮影するとき複数の焦点測定値を計算すべく、上記カメラが上記それぞれの重み付けを使用できるようにする段階と、を備える
方法。
[項目16]
上記カメラと、上記カメラと連結され得る各レンズとについての統計データを収集する段階と、上記統計データから上記複数の画像合焦窓選択ルールを導出する段階と、をさらに備える
項目15に記載の方法。
[項目17]
上記統計データに基づいて上記複数の画像合焦窓選択ルールによって規定される複数の画像合焦窓に対して上記それぞれの重み付けを計算する段階をさらに備える
項目16に記載の方法。
[項目18]
複数の上記レンズ位置のそれぞれは、上記レンズに関連付けられるモータの複数の異なる位置のうちの1つのモータ位置に対応する
項目15から17の何れか1項に記載の方法。
[項目19]
上記写真のための選択されたレンズ位置として、上記カメラが、最大焦点測定値に対応するモータ位置を選択できるようにする段階をさらに備える
項目18に記載の方法。
[項目20]
自動合焦の可能な撮像装置であって、
上記撮像装置と複数のレンズのそれぞれとに固有の統計データから導出される1または複数組の画像合焦窓選択ルールに対するアクセスを有するコントローラを備え、
上記コントローラは、上記1または複数組の画像合焦窓選択ルールで規定される各組の画像合焦窓に対応する1または複数組の重み付けに対するアクセスを有し、上記1または複数組の重み付けは上記統計データに基づいて計算され、
上記コントローラは複数の画像合焦窓を選択するために上記1または複数組の画像合焦窓選択ルールを用いることができ、
上記コントローラは、写真を撮影するとき、複数のレンズ位置のそれぞれに対して焦点測定値を計算するために上記1または複数組の重み付けを用いることができる
撮像装置。
[項目21]
上記複数のレンズ位置の上記それぞれは、上記複数のレンズに関連付けられるモータの複数の異なる位置のうちの1つのモータ位置に対応する
項目20に記載の撮像装置。
[項目22]
上記コントローラは、特定の画像フレームに対して、最大焦点測定値に対応するモータ位置を選択する
項目21に記載の撮像装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10