(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記仕切り箱には、物品が収容されており、前記物品は、印刷面を有しており、前記仕切り板には、前記物品の印刷面と対向する領域に開口部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の仕切り箱。
【背景技術】
【0002】
商品等を輸送するために、従来から段ボール等の包装箱が使用されている。そして、包装箱に複数の商品をまとめて梱包する場合には、商品同士の衝突による破損を防止するために、仕切り板を設けた仕切り箱を使用している。
【0003】
一般的に使用されている仕切り箱100を、
図20に示す。仕切り箱100は、包装箱200と、これに収納した仕切り板300からなり、さらに仕切り板300は、複数枚の仕切り板を格子形状に組み立てて形成されている。
図20に示した仕切り箱100の例では、仕切り板300は、二枚の縦仕切り板301と一枚の横仕切り板302からなり、格子形状に組み立てた後、包装箱200に収容されるものである。
【0004】
一般的に使用されている仕切り箱は、複数枚の仕切り板を組み立てる必要があるため、梱包の工程数が多くなり、作業性が悪いという課題があった。また、仕切り板の部品点数が多いため、仕切り板のコストが高くなるという課題や、仕切り板の在庫管理が煩雑になるという課題等もある。
【0005】
一方、このような一般的な仕切り箱の課題を解決するために、仕切り板を包装箱と一体的に設けた仕切り箱が知られている。
例えば、特許文献1には、包装箱の対向する各側面板に折り曲げ線を介して底部形成片及び第一仕切片が設けられ、また、もう一つの対抗する各側面板にも同様に底部形成片及び第二仕切片が設けられた仕切り箱において、第一仕切片及び底部形成片には、第一仕切片の中途部から側面板の折り曲げ線まで溝が形成された構成が記載されている。この仕切り箱は、底部形成片と第二仕切片を直角に折り曲げ、前記溝に第二仕切片を挿入することにより、第一仕切片と第二仕切片が仕切り板を構成するものである。
【0006】
この特許文献1に記載された仕切り箱は、包装箱と仕切り板を一体的に構成することができるが、複雑な構造となるため段ボールの加工が煩雑になるという課題がある。特に、第二仕切片を嵌合するための溝は、段ボール展開図において、穴を形成するため高度な加工が必要である。
また、第二仕切片を溝へ挿入する工程では、構造上、第二仕切片を多少湾曲させるように負荷をかける必要がある。そのため、第二仕切片の先端が折れ曲がりやすく、組み立てが困難であるという課題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、包材の部品点数を少なくしつつ、簡素な構造の仕切り箱を提供することである。さらには、組み立てる際に、容易に組み立てることができる仕切り箱を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、仕切り板と包装箱からなる仕切り箱において、仕切り板の上端に切り欠き溝を形成し、包装箱のフラップの形状を略L字状とし、フラップの先端に仕切り板の切り欠き溝に挿入する挿入部を設けることにより、部品点数が少なく簡素な構造となり、かつ、容易に組み立てることができることを見い出して本発明を完成した。
すなわち、本発明の課題を解決するための手段は、以下の仕切り箱を提供することである。
【0010】
本発明は、仕切り板と、4面の側板、底板、及び、蓋板からなる略直方体の包装箱、を備えた仕切り箱であって、前記仕切り板には、前記仕切り板の上端から下方に向けて少なくとも1つの切り欠き溝が形成され、前記側板の少なくとも1つの面の上端には、回動可能に固定された略L字状のフラップを備えており、前記フラップの先端には、前記仕切り板の上端に形成された前記切り欠き溝に挿入される挿入部を有することを特徴とする仕切り箱である。
【0011】
これによると、仕切り板の上端に設けられた切り欠き溝に、略L字状フラップの挿入部を挿入するだけで容易に仕切り箱を組み立てることができる。
【0012】
さらに本発明は、前記切り欠き溝は、前記仕切り板の上端との交点において広口構造を有するという特徴を付加してもよい。
これによると、フラップの挿入部を仕切り板の切り欠き溝に挿入する際に、スムーズに挿入できるため、より簡便に仕切り箱を組み立てることができる。
【0013】
さらに本発明は、前記切り欠き溝が、前記フラップを備えた側板の遠方方向に向けて傾斜しているという特徴を付加してもよい。
これによると、フラップの挿入部を仕切り板の切り欠き溝に挿入する際に、フラップの先端にかかる負荷が低減されるため、よりスムーズに挿入されるだけでなく、フラップの折れ曲がり等の破損が生じにくいという効果を奏する。
【0014】
さらに本発明は、前記仕切り箱に、上部が下部より細い形状を有する物品が収容されるという特徴を付加してもよい。
これによると、傾斜した切り欠き溝を有する仕切り板を使用し、フラップを傾斜した状態で収容しても、包装箱を大きくする必要がないため、物品に最適なサイズの仕切り箱を提供することができる。
【0015】
さらに本発明は、前記仕切り箱に、物品が収容されており、前記物品は、印刷面を有しており、前記仕切り板には、前記物品の印刷面と対向する領域に開口部が形成されているという特徴を付加してもよい。
これによると、輸送中の振動で印刷面と仕切り板が擦れないため、印刷面の擦れ汚れを防止することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、包材の部品点数を少なくしつつ、容易に作成できる簡素な構造の仕切り箱を提供することができる。さらには、組み立てる際に、容易に組み立てることができる仕切り箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1実施例の包装箱の展開図である。
【
図2】(A)本発明の第1実施例の仕切り板の構造を示す図である。(B)仕切り板の切り欠き溝の他の態様を示す図である。(C)仕切り板の切り欠き溝の傾斜角度を説明する図である。
【
図3】本発明の第1実施例の仕切り箱の斜視図である。本斜視図では、仕切り箱の蓋板が開放され、物品を収容した状態を示している。
【
図4】(A)本発明の第1実施例の仕切り箱の6面図のうち、正面図を示したものである。仕切り箱の6面図では、仕切り箱の蓋板が開放された状態を示している。(B)本発明の第1実施例の仕切り箱の正面図において、仕切り板及び物品を収容した状態を破線で示した図である。
【
図5】本発明の第1実施例の仕切り箱の6面図のうち、背面図を示したものである。
【
図6】本発明の第1実施例の仕切り箱の6面図のうち、左側面図を示したものである。
【
図7】本発明の第1実施例の仕切り箱の6面図のうち、右側面図を示したものである。
【
図8】本発明の第1実施例の仕切り箱の6面図のうち、平面図を示したものである。
【
図9】本発明の第1実施例の仕切り箱の6面図のうち、底面図を示したものである。
【
図10】本発明の実施例の物品の6面図のうち、正面図を示したものである。
【
図11】本発明の実施例の物品の6面図のうち、背面図を示したものである。
【
図12】本発明の実施例の物品の6面図のうち、左側面図を示したものである。
【
図13】本発明の実施例の物品の6面図のうち、右側面図を示したものである。
【
図14】本発明の実施例の物品の6面図のうち、平面図を示したものである。
【
図15】本発明の実施例の物品の6面図のうち、底面図を示したものである。
【
図16】本発明の第2実施例の包装箱の展開図である。
【
図17】本発明の第2実施例の仕切り板の構造を示す図である。
【
図18】本発明の第2実施例の仕切り箱の正面図において、仕切り板及び物品を収容した状態を破線で示した図である。本正面図では、仕切り箱の蓋板は閉じた状態を示している。
【
図19】本発明の第3実施例の仕切り箱の斜視図である。本斜視図では、仕切り箱の蓋板が開放され、物品を収容した状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る仕切り箱の実施形態を詳細に説明する。
【0019】
(第1実施例)
[仕切り箱]
図1〜9は、本発明の第1実施例の仕切り箱10を説明する図である。仕切り箱10は、包装箱20及び仕切り板30を組み立てることにより構成される。
包装箱20及び仕切り板30の材料は、用途に応じて適宜決定され特に限定されないが、紙質、プラスチック等の板材が使用される。板材の構造としては、一枚で構成しても、段ボールのように波状の中芯の表裏を二枚のライナーで挟んだ構造としてもよい。包装箱と仕切り板の材質は、同一のものでも、異なっていてもよい。加工の容易性や強度の観点から、好ましくは紙質、段ボールである。また、包装箱と仕切り板は同一の材料であることが好ましい。
【0020】
[包装箱]
図1には、本発明の第1実施例の包装箱20の展開図が図示されている。本発明の第1実施例の包装箱20は、段ボールを
図1に図示した展開図に沿って切り出され、
図4〜9に図示した6面図のように組み立てられる。展開図の破線は、折り曲げるための罫線である。なお、破線の構成は、折り曲げる手段であればどのような手段でもよく、段ボールの罫線でも、蝶番等の回動手段を用いてもよい。
【0021】
包装箱20は、側板21a、21b、21c及び21dからなる矩形状の筒体を、底板22a、22b、22c及び22dからなる底板、並びに、蓋板23により閉塞した略直方体の箱体である。
第1実施例の包装箱20の底板は、ワンタッチ式の構造であり、蓋板は、差し込み片26を備えた差し込み式の構造(段ボール底ワンタッチ式 JIS 0713)である。包装箱の構造としては、いずれかの側板の上端に、内部へ折り込むフラップを備えた構造であれば、特に限定されるものではない。例えば、段ボールA式(JIS 0201)、段ボールB式(JIS 0210)、段ボール底アメリカンロック式(JIS 0215)等が挙げられる。
【0022】
また、本発明の包装箱20には、側板21bの上端に回動可能に固定された略L字状のフラップ24a、側板21dの上端には同様に略L字状のフラップ24bを備えている。
回動を可能とする手段としては、通常、段ボールの罫線により構成されるが、蝶番等のような回動手段を設けてもよい。
略L字状のフラップは、罫線を設けた段ボールにより構成され、フラップ24a及び25bの罫線より先端の領域(
図1の斜線で示した領域。以下、「先端域Ta」及び「先端域Tb」という。)は回動することができる。そして、先端域Ta及びTbは、包装箱20の内部に向けて折り曲げられている。
【0023】
略L字状のフラップ24a及び24bの長さは、仕切る領域、仕切りの深さに応じて任意に設定される。
先端域Ta及びTbの長さを調整することにより、フラップ24a及び24bの先端の高さ方向の位置を設定することができる。フラップ24a及び24bの先端の高さ方向の位置は、特に限定するものではないが、仕切り板としての機能を勘案して、収容箱の高さの90%以下の位置が好ましく、10%以下の位置がさらに好ましい。10%以下の位置に設定すると、物品同士の接触による擦り傷の発生を抑制することができる。
【0024】
略L字状のフラップ24a及び24bの先端は、それぞれ後述する仕切り板30の切り欠き溝31a及び31bに挿入される挿入部25a及び25bを構成している。挿入部25a及び25bの形状は、仕切り板の切り込み溝に挿入できれば、どのような形状でもよい。第1実施例のように単なる板状部材からなる挿入部25a及び25bを切り欠き溝31a及び31bに挿入する構成のほか、例えば、挿入部側にもスリットを設けて、仕切り板の切り込み溝と係合する形状等がある。
フラップ24a及び24bは、仕切り板と略直角に交差し、仕切り板30と共に仕切り部材として機能する。
【0025】
略L字状のフラップの数は、仕切る領域の数に合わせて適宜設定されるものであり、第1実施例の包装箱20のように、対向する2つの側板21b及び21dの両方の上端に設けてもよいし、一方の側板の上端にのみ設けてもよい。
【0026】
また、対向する2つの側板の一方又は両方に設けたフラップを複数に分割してもよい。例えば、複数枚の仕切り板を設置する場合には、一方の側板に設けたフラップを仕切り板の枚数と同数に分割することにより、仕切り板と分割したフラップを一枚ずつ設置することができるため、組み立て作業が容易になる。
【0027】
[仕切り板]
図2(A)には、本発明の第1実施例の仕切り板30の構造が図示されている。仕切り板30は、上端に切り欠き溝31a、31bが形成され、下端に3つの開口部34が形成されている。
【0028】
切り欠き溝31a、31bは、仕切り板の上端から下方に向けて形成された溝であり、上述した略L字状のフラップ24a、24bの挿入部25a、25bを挿入するための構成である。
切り欠き溝の数は、1又は2であり、挿入部を有する略L字状のフラップの数に合わせて設ければよい。
【0029】
第1実施例の仕切り板30は、切り欠き溝31aと仕切り板30の上端との交点に形成された角部のうち、フラップ24aを備えた側板21bより遠方側の角部33aが円弧状に形成されており、切り欠き溝31aは、仕切り板の上端との交点に向かって溝幅が拡大した広口構造32aを有している。また、切り欠き溝31bも広口構造32aと同様に構成されている。
広口構造32aを設けることにより、フラップ24aの挿入部25aの挿入がスムーズとなり、仕切り箱10の組み立てが容易になる。
【0030】
図2(B)には、広口構造の他の態様が図示されている。広口構造とは、切り欠き溝31aの溝幅が、仕切り板の上端との交点において拡大した構造であればよく、例えば、
図2(B)の広口構造32bに図示されるように、角部の両側を切り落として拡大してもよいし、広口構造32cに図示されるように、側板21bより近辺側を切り落として拡大してもよい。
また、角部の形状も限定されず、広口構造32aのように円弧状としても、広口構造32b、32cのように直線状としてもよい。
組み立てやすさの観点から、側板21bより遠方側の角部を円弧状に形成することが特に好ましい。
【0031】
さらに、第1実施例の仕切り板30は、切り欠き溝31aが側板21bの遠方方向に向けて傾斜した構成を有している。傾斜した構成とすることにより、よりスムーズにフラップの挿入部25aを挿入することができる。また、組み立てる際、フラップの先端域Taにかかる湾曲方向への負荷が低減され、フラップの折れ曲がり等の破損を防止することができる。なお、切り欠き溝31bについても同様である。
ここで、傾斜した構成とは、
図2(C)に図示するように、切り欠き溝31aと仕切り板30の上端の交点を通る垂線に対する角度(θ)が、2〜80°である構成をいう。
【0032】
第1実施例の切り欠き溝31aは傾斜した構成であるが、
図2(B)の広口構造32bや32cのように垂線Pに沿って形成されてもよい。すなわち、本発明の切り欠き溝の角度(θ)は、収容する物品の形状等に応じて適宜設計されるものであり、0〜80°である。組み立ての容易性や仕切り板としての機能を発揮するという観点から、5〜45°が好ましく、10〜30°が特に好ましい。
【0033】
仕切り板30の高さは、包装箱20内に収容できる範囲であれば、特に限定するものではないが、仕切り板としての機能を勘案して、収容箱の高さの20〜99%が好ましく、50〜97%がさらに好ましい。
【0034】
仕切り板30に形成された開口部34は、仕切り箱10に物品を収容した際に、物品の印刷面と対向する領域に沿って切り落とした構成である。第1実施例の開口部34は、仕切り板30の下端からアーチ状に切り落とした構成であるが、印刷面と対向する領域に沿って切り抜いた穴構造でもよい。開口部の形状は特に限定されるものではなく、例えば、略円形、楕円形、半円形、略矩形等が挙げられる。容易に加工できるという観点から、下端からアーチ状又は略矩形状に切り落とした構成が好ましい。
開口部を設けることにより、物品の印刷面と仕切り板30との擦れがなくなるため、印刷面の擦れ汚れを防止することができる。
【0035】
包装箱に設置する仕切り板の枚数は、1又は2枚以上であり、仕切る領域の数に応じて適切な枚数を使用すればよい。
【0036】
[物品]
本発明の物品は、本発明の仕切り箱に収容される物であり、その形状や大きさは、仕切り板30及びフラップ24a,24bにより仕切られた各領域に収容できるように任意に設計される。
以下、物品の説明を実施例にて行うが、これに限定されるものではない。
【0037】
図10〜15には、本発明の実施例の物品40について6面図が図示されている。実施例の物品40は、本体41、キャップ42からなり、本体41の下部の表面及び裏面には印刷面43a及び43bを備え、キャップ42には開蓋用の爪部42aを備えている。
【0038】
物品の形状は、実施例の物品40のように、上部の幅が下部の幅より小さく構成され、上部が下部より細い形状を有していることが好ましい。本発明の傾斜した切り欠き溝31a、31bを有する仕切り板30を使用すると、仕切り板として機能するフラップ24a、24bの先端域Ta、Tbは、傾斜した状態で包装箱20内に設置される。そのため、フラップ24a、24bの先端域Ta、Tbが収まるための空間が必要となる。物品の形状を上部が下部より細い形状とすることにより、複数の物品40を近接して包装箱20に収容しても、包装箱20の上部において、物品40の間に空間が形成され、フラップ24a、24bの先端域Ta、Tbを収めることができる。
【0039】
また、フラップ24a、24bの各先端間の幅が、物品40の下部の幅より小さくなるように設計し、物品40が上部方向へ移動すると、物品40の周囲面がフラップの先端に当接するような構成とすることが好ましい。なお、フラップの各先端間の幅は、仕切り板の切り欠き溝の角度(θ)や、フラップの先端域の長さ等を調整することにより設計することができる。
上記の構成により、物品の梱包中に仕切り箱が倒れる等のトラブルが生じた場合に、仕切り箱の外への物品の飛び出しを抑制するため、物品の破損等を防止することができる。
【0040】
さらには、包装箱20に物品40を収容した際、物品40の周囲面がフラップ24a、24bの先端と近接した位置にあり、物品40が上部方向への移動を制限するような構成とすることが好ましい。
これによると、輸送中の物品の上下方向の揺れが低減され、物品の破損や、包装箱又は仕切り板との擦れを防止することができる。
【0041】
本発明の物品の材質は、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のプラスチック、陶器、ガラス、紙箱等が挙げられる。これらの材質のうち、PETを使用することが好ましい。
PETは、傷が付くと目立ち易く、また、段ボール等の包装箱や仕切り板と擦れるだけでも傷が付いてしまうという特徴がある。そのため、物品と仕切り板又は包装箱との擦れを防止するという本発明の効果がより顕著に発揮される。
【0042】
[組み立て方法]
図3には、本発明の仕切り箱10に物品40が収容された状態が図示されている。本発明の仕切り箱10の組み立て方法は、包装箱20の側板21及び底板22を形成する工程、仕切り板30及び物品40を収容する工程、フラップ24の挿入部25を仕切り板30の切り欠き溝31に挿入する工程、蓋板23で包装箱20に蓋をする工程を備えている。
【0043】
(第2実施例)
図16〜18は、本発明の第2実施例の仕切り箱110を説明する図である。仕切り箱110は、包装箱120及び仕切り板130を組み立てることにより構成される。
[包装箱]
図16には、第2の実施例の包装箱120の展開図が図示されている。第2実施例の包装箱120の底板は、段ボール底アメリカンロック式の構造であり、蓋板123は、差し込み片126を備えた差し込み式の構造である(JIS 0215)。
【0044】
フラップ124a及び124bには、仕切り板130の切り欠き溝131a及び131bと係合するためのスリット127a及び127bが設けられている。
仕切り板が傾斜した状態で物品を収容すると、物品で仕切り板を折り曲げてしまうという課題がある。しかし、仕切り板とフラップを係合することにより、仕切り板を垂直に固定することができるため、物品収容時の仕切り板の折れ曲がりを防止することができる。
【0045】
スリット127a及び127bは、フラップの先端において、スリット幅が拡大した広口構造128a及び128bを有している。これにより、フラップの挿入部125a及び125bを仕切り板130の切り欠き溝131a及び131bに挿入しやすくなり、組み立てが容易になる。
広口構造128a及び128bの構造は、スリット幅がフラップ先端において拡大すれば、特に限定されないが、溝幅がフラップの先端に向かって徐々に拡大する構成が好ましい。フラップの先端に向かって溝幅が拡大するための形状としては、上記の仕切り板30の切り欠き溝31と同様、フラップ先端とスリットにより形成された角部の形状を円弧状や直線状に切り落として傾斜部を設ければよい。さらに、この角部は、両側とも傾斜部を有することが好ましい。
【0046】
図18に図示するように、フラップ124a及び124bの先端領域Ta及びTbの長さは、フラップの先端の高さ位置が底板122付近に至るように設定されている。これにより、フラップが仕切り板として機能し、物品同士の接触による擦り傷の発生を抑制することができる。
【0047】
[仕切り板]
図17には、第2実施例の仕切り板130が図示されている。広口構造132aは、側板121bより近辺側の角部133aを直線状に切り落として溝幅を徐々に拡大した構造である。
また、仕切り板の底辺には、物品の印刷面に沿って略矩形状に切り落とした開口部134が形成されている。
【0048】
(第3実施例)
図19は、本発明の第3実施例の仕切り箱210を説明する図である。仕切り箱210は、包装箱220及び2枚の仕切り板230を組み立てることにより構成される。仕切り板を2枚使用することにより、包装箱220の内部空間を奥行き方向に3分割している。
【0049】
第3実施例の包装箱220では、片側の略L字状のフラップが2つに分割され、フラップ224b及び224cを形成している。そして、フラップ224b及び224cは、2枚の仕切り板230にそれぞれ挿入される挿入部225b及び225cを備えている。
フラップを2つに分割することにより、2枚の仕切り板230を別々に設置することができる。具体的には、例えば、仕切り板230の切り欠き溝231bにフラップ224bの挿入部225bを挿入して仕切り板230を設置した後に、2枚目の仕切り板230をフラップ224cにより設置し、最後にフラップ224aの挿入部225a1及び225a2を、2枚の仕切り板230の切り欠き溝231aに同時に挿入する。このように、フラップを複数に分割することにより、仕切り板を一枚ずつ設置することができるため、組み立て作業を簡便化することができる。