(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記サーボモータ制御手段は、前記スライドが前記停止位置に到達するタイミングで、前記補正値算出手段に補正値算出の指示信号を送信し、前記スライド位置検出手段が検出したスライド位置、前記設定されたスライド位置、前記補正値算出手段が算出した補正値に基づいて次のサイクルの加工処理におけるサーボモータの制御を実行することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサーボプレス。
上下動するスライドと、前記スライドを上下駆動するサーボモータと、前記サーボモータに設けられたエンコーダと、スライド位置検出手段と、前記スライドの位置条件を設定する設定手段と、前記スライドの停止位置をセンスするリニアエンコーダと、前記スライドの停止位置における前記リニアエンコーダのセンス値を検出するセンス値検出手段と、基準センス値格納手段と、加工センス値格納手段と、補正値算出手段と、サーボモータ制御手段と、温度センサと、を備えたサーボプレスにおける制御方法であって、
前記サーボモータ制御手段が、ワークに対する一連の加工処理前に、前記スライド位置検出手段が検出したスライド位置、前記設定されたスライド位置に基づいてサーボモータを制御して、前記スライドを前記停止位置まで移動させる第1のステップと、
前記センス値検出手段が、前記スライドの停止位置における前記リニアエンコーダのセンス値を検出し、前記基準センス値格納手段に該検出したセンス値を格納する第2のステップと、
前記センス値検出手段が、前記一連の加工処理において、前記スライドの停止位置における前記リニアエンコーダのセンス値を検出し、前記加工センス値格納手段に該検出したセンス値を格納する第3のステップと、
前記補正値算出手段が、前記基準センス値格納手段内の基準センス値と前記加工センス値格納手段内の加工センス値とから補正値を算出する第4のステップと、
前記サーボモータ制御手段が、次の加工処理において、前記スライド位置検出手段が検出したスライド位置、前記設定されたスライド位置、前記補正値算出手段が算出した補正値に基づいてサーボモータを制御する第5のステップと、
を備え、
前記第5のステップにおいて、前記サーボモータ制御手段は、前記温度センサの値から検出された温度データが予め設定された温度データよりも大きいときに、前記スライドが前記停止位置に到達するタイミングで、前記補正値算出手段に補正値算出の指示信号を送信し、前記スライド位置検出手段が検出したスライド位置、前記設定されたスライド位置、前記補正値算出手段が算出した補正値に基づいて次のサイクルの加工処理におけるサーボモータの制御を実行することを特徴とする制御方法。
上下動するスライドと、前記スライドを上下駆動するサーボモータと、前記サーボモータに設けられたエンコーダと、スライド位置検出手段と、前記スライドの位置条件を設定する設定手段と、前記スライドの停止位置をセンスするリニアエンコーダと、前記スライドの停止位置における前記リニアエンコーダのセンス値を検出するセンス値検出手段と、基準センス値格納手段と、加工センス値格納手段と、補正値算出手段と、サーボモータ制御手段と、温度センサと、を備えたサーボプレスにおける制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記サーボモータ制御手段が、ワークに対する一連の加工処理前に、前記スライド位置検出手段が検出したスライド位置、前記設定されたスライド位置に基づいてサーボモータを制御して、前記スライドを前記停止位置まで移動させる第1のステップと、
前記センス値検出手段が、前記スライドの停止位置における前記リニアエンコーダのセンス値を検出し、前記基準センス値格納手段に該検出したセンス値を格納する第2のステップと、
前記センス値検出手段が、前記一連の加工処理において、前記スライドの停止位置における前記リニアエンコーダのセンス値を検出し、前記加工センス値格納手段に該検出したセンス値を格納する第3のステップと、
前記補正値算出手段が、前記基準センス値格納手段内の基準センス値と前記加工センス値格納手段内の加工センス値とから補正値を算出する第4のステップと、
前記サーボモータ制御手段が、次の加工処理において、前記スライド位置検出手段が検出したスライド位置、前記設定されたスライド位置、前記補正値算出手段が算出した補正値に基づいてサーボモータを制御する第5のステップと、
を備え、
前記第5のステップにおいて、前記サーボモータ制御手段は、前記温度センサの値から検出された温度データが予め設定された温度データよりも大きいときに、前記スライドが前記停止位置に到達するタイミングで、前記補正値算出手段に補正値算出の指示信号を送信し、前記スライド位置検出手段が検出したスライド位置、前記設定されたスライド位置、前記補正値算出手段が算出した補正値に基づいて次のサイクルの加工処理におけるサーボモータの制御を実行させるためのプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、セミクローズ制御については、サーボモータのエンコーダを監視して制御を行うために、熱膨張などの機械的変化に対応できず、プレス加工の精度に重大な影響を及ぼすという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、熱膨張による機械的変化に対応しつつ、高精度のプレス加工を行うサーボプレス、制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。
【0008】
(1)本発明は、上下動するスライドと、前記スライドを上下駆動するサーボモータと、前記サーボモータに設けられたエンコーダと、前記エンコーダからの出力信号により、前記スライドの位置を検出するスライド位置検出手段と、前記スライドの位置条件を設定する設定手段と、前記スライドの停止位置をセンスするセンシング素子と、前記スライドの停止位置における前記センシング素子のセンス値を検出するセンス値検出手段と、ワークに対する一連の加工処理前に前記センス値検出手段が検出したセンス値を格納する基準センス値格納手段と、前記ワークに対する一連の加工処理において前記センス値検出手段が検出したセンス値を上書き保存する加工センス値格納手段と、前記基準センス値格納手段内の基準センス値と前記加工センス値格納手段内の加工センス値とから補正値を算出する補正値算出手段と、前記スライド位置検出手段が検出したスライド位置、前記設定されたスライド位置、前記補正値算出手段が算出した補正値に基づいてサーボモータを制御するサーボモータ制御手段と、を備えたことを特徴とするサーボプレスを提案している。
【0009】
この発明によれば、ワークに対する一連の加工処理前に、スライド位置検出手段が検出したスライド位置、設定されたスライド位置に基づいてサーボモータを制御して、スライドを停止位置まで移動させ、スライドの停止位置におけるセンシング素子のセンス値を検出し、基準センス値格納手段に該検出したセンス値を格納する。次に、一連の加工処理において、スライドの停止位置におけるセンシング素子のセンス値を検出し、加工センス値格納手段に検出したセンス値を格納する。さらに、基準センス値格納手段内の基準センス値と加工センス値格納手段内の加工センス値とから補正値を算出する。そして、次の加工処理において、スライド位置検出手段が検出したスライド位置、設定されたスライド位置、補正値算出手段が算出した補正値に基づいてサーボモータを制御する。つまり、サーボシステムから独立したセンシング素子を用い、熱膨張したスライド(ラム)の長さを計測し、動作距離の補正を行う。理想のワーク基準位置で、センシング素子の位置を登録し、基準データとする。また、1動作の駆動量はサーボモータのエンコーダで行い、その駆動量に対し毎回登録された基準位置からの差分を計算して、次の動作に補正値として反映させる。したがって、セミクローズ制御において問題となる熱膨張による機械的変化に対応しつつ、高精度のプレス加工を行うことができる。
【0010】
(2)本発明は、(1)のサーボプレスについて、前記センシング素子がリニアエンコーダであることを特徴とするサーボプレスを提案している。
【0011】
この発明によれば、センシング素子がリニアエンコーダである。つまり、スライド(ラム)の停止位置をリニアエンコーダで読み込むため、フルクローズ制御の場合に比べて計測する駆動範囲が狭い。したがって、計測範囲が狭いリニアエンコーダを使用することにより、安価なシステムを提供できる。
【0012】
(3)本発明は、(2)のサーボプレスについて、前記リニアエンコーダが、前記スライドの停止位置近傍に設けられていることを特徴とするサーボプレスを提案している。
【0013】
この発明によれば、リニアエンコーダが、スライドの停止位置近傍に設けられている。つまり、リニアエンコーダをスライド(ラム)の停止位置近傍に設けることによって、より高い精度で、ワークの位置決めを行うことができる。
【0014】
(4)本発明は、(2)または(3)のサーボプレスについて、前記サーボモータ制御手段は、前記スライドが前記停止位置に到達するタイミングで、前記補正値算出手段に補正値算出の指示信号を送信し、前記スライド位置検出手段が検出したスライド位置、前記設定されたスライド位置、前記補正値算出手段が算出した補正値に基づいて次のサイクルの加工処理におけるサーボモータの制御を実行することを特徴とするサーボプレスを提案している。
【0015】
この発明によれば、サーボモータ制御手段は、スライド(ラム)が停止位置に到達するタイミングで、補正値算出手段に補正値算出の指示信号を送信し、スライド位置検出手段が検出したスライド(ラム)位置、設定されたスライド(ラム)位置、補正値算出手段が算出した補正値に基づいて次のサイクルの加工処理におけるサーボモータの制御を実行する。つまり、リニアエンコーダは、独立したエンコーダであるため、常に、スライド(ラム)位置を読み取る必要はなく、少なくとも、スライド(ラム)停止位置で、スライド(ラム)が停止した時に読み取りを行えばよい。そのため、リニアエンコーダを設けることによる処理負荷等を最小限に留めることができる。
【0016】
(5)本発明は、(2)または(3)のサーボプレスについて、前記スライド周囲の温度を検出する温度センサを備え、前記サーボモータ制御手段は、前記温度センサの値から検出された温度データが予め設定された温度データよりも大きいときに、前記補正値算出手段に補正値算出の指示信号を送信し、前記スライド位置検出手段が検出したスライド位置、前記設定されたスライド位置、前記補正値算出手段が算出した補正値に基づいて次のサイクルの加工処理におけるサーボモータの制御を実行することを特徴とするサーボプレスを提案している。
【0017】
この発明によれば、スライド(ラム)周囲の温度を検出する温度センサを備え、サーボモータ制御手段は、温度センサの値から検出された温度データが予め設定された温度データよりも大きいときに、スライド(ラム)が停止位置に到達するタイミングで、補正値算出手段に補正値算出の指示信号を送信し、スライド位置検出手段が検出したスライド位置、設定されたスライド位置、補正値算出手段が算出した補正値に基づいて次のサイクルの加工処理におけるサーボモータの制御を実行する。つまり、リニアエンコーダは、独立したエンコーダであるため、常に、スライド(ラム)位置を読み取る必要はなく、少なくとも、温度センサの値から検出された温度データが予め設定された温度データよりも大きいときに、スライド(ラム)が停止位置に到達するタイミングで、スライド(ラム)が停止した時に読み取りを行えばよい。そのため、リニアエンコーダを設けることによる処理負荷等を最小限に留めることができる。
【0018】
(6)本発明は、(2)または(3)のサーボプレスについて、前記補正値の大きさに対する閾値を格納する閾値格納手段を備え、前記サーボモータ制御手段は、前記補正値算出手段が算出した補正値が前記閾値格納手段に格納された閾値よりも大きいときに、前記スライドが前記停止位置に到達するタイミングで、前記スライド位置検出手段が検出したスライド位置、前記設定されたスライド位置、前記補正値算出手段が算出した補正値に基づいて次のサイクルの加工処理におけるサーボモータの制御を実行することを特徴とするサーボプレスを提案している。
【0019】
この発明によれば、補正値の大きさに対する閾値を格納する閾値格納手段を備え、サーボモータ制御手段は、補正値算出手段が算出した補正値が閾値格納手段に格納された閾値よりも大きいときに、スライドが停止位置に到達するタイミングで、スライド位置検出手段が検出したスライド位置、設定されたスライド位置、補正値算出手段が算出した補正値に基づいて次のサイクルの加工処理におけるサーボモータの制御を実行する。つまり、リニアエンコーダは、独立したエンコーダであるため、常に、スライド(ラム)位置を読み取る必要はなく、少なくとも、スライド(ラム)が停止位置に到達するタイミングで、スライド(ラム)が停止した時に読み取りを行えばよい。また、スライド(ラム)位置を読み取って、補正値を算出しても、その補正値が予め設定された閾値よりも大きいときのみに、次のサイクルの加工処理において、その補正値を反映させる。そのため、リニアエンコーダを設けることによる処理負荷等を最小限に留めることができる。
【0020】
(7)本発明は、上下動するスライドと、前記スライドを上下駆動するサーボモータと、前記サーボモータに設けられたエンコーダと、スライド位置検出手段と、前記スライドの位置条件を設定する設定手段と、前記スライドの停止位置をセンスするセンシング素子と、前記スライドの停止位置における前記センシング素子のセンス値を検出するセンス値検出手段と、基準センス値格納手段と、加工センス値格納手段と、補正値算出手段と、サーボモータ制御手段と、を備えたサーボプレスにおける制御方法であって、前記サーボモータ制御手段が、ワークに対する一連の加工処理前に、前記スライド位置検出手段が検出したスライド位置、前記設定されたスライド位置に基づいてサーボモータを制御して、前記スライドを前記停止位置まで移動させる第1のステップと、前記センス値検出手段が、前記スライドの停止位置における前記センシング素子のセンス値を検出し、前記基準センス値格納手段に該検出したセンス値を格納する第2のステップと、前記センス値検出手段が、前記一連の加工処理において、前記スライドの停止位置における前記センシング素子のセンス値を検出し、前記加工センス値格納手段に該検出したセンス値を格納する第3のステップと、前記補正値算出手段が、前記基準センス値格納手段内の基準センス値と前記加工センス値格納手段内の加工センス値とから補正値を算出する第4のステップと、前記サーボモータ制御手段が、次の加工処理において、前記スライド位置検出手段が検出したスライド位置、前記設定されたスライド位置、前記補正値算出手段が算出した補正値に基づいてサーボモータを制御する第5のステップと、を備えたことを特徴とする制御方法を提案している。
【0021】
この発明によれば、ワークに対する一連の加工処理前に、スライド位置検出手段が検出したスライド位置、設定されたスライド位置に基づいてサーボモータを制御して、スライドを停止位置まで移動させ、スライドの停止位置におけるセンシング素子のセンス値を検出し、基準センス値格納手段に該検出したセンス値を格納する。次に、一連の加工処理において、スライドの停止位置におけるセンシング素子のセンス値を検出し、加工センス値格納手段に検出したセンス値を格納する。さらに、基準センス値格納手段内の基準センス値と加工センス値格納手段内の加工センス値とから補正値を算出する。そして、次の加工処理において、スライド位置検出手段が検出したスライド位置、設定されたスライド位置、補正値算出手段が算出した補正値に基づいてサーボモータを制御する。つまり、サーボシステムから独立したセンシング素子を用い、熱膨張したスライド(ラム)の長さを計測し、動作距離の補正を行う。理想のワーク基準位置で、センシング素子の位置を登録し、基準データとする。また、1動作の駆動量はサーボモータのエンコーダで行い、その駆動量に対し毎回登録された基準位置からの差分を計算して、次の動作に補正値として反映させる。したがって、セミクローズ制御において問題となる熱膨張による機械的変化に対応しつつ、高精度のプレス加工を行うことができる。
【0022】
(8)本発明は、上下動するスライドと、前記スライドを上下駆動するサーボモータと、前記サーボモータに設けられたエンコーダと、スライド位置検出手段と、前記スライドの位置条件を設定する設定手段と、前記スライドの停止位置をセンスするセンシング素子と、前記スライドの停止位置における前記センシング素子のセンス値を検出するセンス値検出手段と、基準センス値格納手段と、加工センス値格納手段と、補正値算出手段と、サーボモータ制御手段と、を備えたサーボプレスにおける制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記サーボモータ制御手段が、ワークに対する一連の加工処理前に、前記スライド位置検出手段が検出したスライド位置、前記設定されたスライド位置に基づいてサーボモータを制御して、前記スライドを前記停止位置まで移動させる第1のステップと、前記センス値検出手段が、前記スライドの停止位置における前記センシング素子のセンス値を検出し、前記基準センス値格納手段に該検出したセンス値を格納する第2のステップと、前記センス値検出手段が、前記一連の加工処理において、前記スライドの停止位置における前記センシング素子のセンス値を検出し、前記加工センス値格納手段に該検出したセンス値を格納する第3のステップと、前記補正値算出手段が、前記基準センス値格納手段内の基準センス値と前記加工センス値格納手段内の加工センス値とから補正値を算出する第4のステップと、前記サーボモータ制御手段が、次の加工処理において、前記スライド位置検出手段が検出したスライド位置、前記設定されたスライド位置、前記補正値算出手段が算出した補正値に基づいてサーボモータを制御する第5のステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【0023】
この発明によれば、ワークに対する一連の加工処理前に、スライド位置検出手段が検出したスライド位置、設定されたスライド位置に基づいてサーボモータを制御して、スライドを停止位置まで移動させ、スライドの停止位置におけるセンシング素子のセンス値を検出し、基準センス値格納手段に該検出したセンス値を格納する。次に、一連の加工処理において、スライドの停止位置におけるセンシング素子のセンス値を検出し、加工センス値格納手段に検出したセンス値を格納する。さらに、基準センス値格納手段内の基準センス値と加工センス値格納手段内の加工センス値とから補正値を算出する。そして、次の加工処理において、スライド位置検出手段が検出したスライド位置、設定されたスライド位置、補正値算出手段が算出した補正値に基づいてサーボモータを制御する。つまり、サーボシステムから独立したセンシング素子を用い、熱膨張したスライド(ラム)の長さを計測し、動作距離の補正を行う。理想のワーク基準位置で、センシング素子の位置を登録し、基準データとする。また、1動作の駆動量はサーボモータのエンコーダで行い、その駆動量に対し毎回登録された基準位置からの差分を計算して、次の動作に補正値として反映させる。したがって、セミクローズ制御において問題となる熱膨張による機械的変化に対応しつつ、高精度のプレス加工を行うことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、セミクローズ制御において問題となる熱膨張による機械的変化に対応しつつ、高精度のプレス加工を行うことができるという効果がある。
【0025】
本発明によれば、サーボシステムから独立したリニアエンコーダを設けることにより、低コストで高精度のプレス加工を行うことができるという効果がある。
【0026】
本発明によれば、リニアエンコーダをスライド(ラム)の停止位置近傍に設けることによって、より高い精度で、ワークの位置決めを行うことができるという効果がある。
【0027】
本発明によれば、リニアエンコーダは、独立したエンコーダであるため、常に、スライド(ラム)位置を読み取る必要はなく、少なくとも、スライド(ラム)停止位置で、スライド(ラム)が停止した時に読み取りを行えばよい。そのため、リニアエンコーダを設けることによる処理負荷等を最小限に留めることができるという効果がある。
【0028】
本発明によれば、リニアエンコーダは、独立したエンコーダであるため、常に、スライド(ラム)位置を読み取る必要はなく、少なくとも、温度センサの値から検出された温度データが予め設定された温度データよりも大きいときに、スライド(ラム)が停止位置に到達するタイミングで、スライド(ラム)が停止した時に読み取りを行えばよい。そのため、リニアエンコーダを設けることによる処理負荷等を最小限に留めることができるという効果がある。
【0029】
本発明によれば、リニアエンコーダは、独立したエンコーダであるため、常に、スライド(ラム)位置を読み取る必要はなく、少なくとも、スライド(ラム)が停止位置に到達するタイミングで、スライド(ラム)が停止した時に読み取りを行えばよい。また、スライド(ラム)位置を読み取って、補正値を算出しても、その補正値が予め設定された閾値よりも大きいときのみに、次のサイクルの加工処理において、その補正値を反映させる。そのため、リニアエンコーダを設けることによる処理負荷等を最小限に留めることができるという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて、詳細に説明する。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0032】
<第1の実施形態>
以下、
図1から
図4を用いて、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0033】
図1に示すように、本実施形態に係るサーボプレス1は、プレス本体20と、サーボモータ30と、プレス本体20を据え付けるための架台40と、プレス本体20に対して上下動するラム50と、シャンク60と、ワーク70と、リニアエンコーダ80と、ワークを取り付けるためのワーク取付台90とから構成されている。
【0034】
サーボプレス1には、図示しないフレームが装備され、フレームの下部には、架台40が設けられ、架台40の中には、ワーク取付台90が水平に配設され、ワーク取付台90の上面にはワーク70が取付られている。また、ラム50およびラム50の先端部に備えられたシャンク60がプレス本体20から架台40内に貫通して上下に移動する。
【0035】
ラム50は、図示しない動力変換部材、回転伝達部材を介してサーボモータ30と接続され、このサーボモータ30によって駆動される。また、サーボモータ30は、後述する制御装置に接続されている。サーボモータ30により駆動されるラム50は、制御装置に入力された制御パターン又は入力された加工条件に基づいて自動設定された制御パターンに基づいて制御される。この制御において、ラム50は、上昇端(始動位置)から下降端(停止位置)まで駆動されてプレス加工が行なわれるが、この上昇端(始動位置)と下降端(停止位置)との間に中間点を定め、この中間点より下降端(停止位置)までは別の速度を設定することによって、より精密な加工を行なうようにしてもよい。
【0036】
<構成および制御の概要>
図2および
図3を用いて、本実施形態に係るサーボプレスの構成および制御の概要について説明する。
【0037】
図2に示すように、本実施形態に係るサーボプレス1は、制御装置10と、制御装置10を構成するコントローラ11、ドライバー12、設定部13、プーリー21と、ベルト22と、ボールネジ23と、サーボモータ30と、エンコーダ31と、ラム50と、ワーク70と、リニアエンコーダ80と、ワーク取付台90とから構成されている。
【0038】
フレームの上部には、このサーボプレス1の動力源であるサーボモータ30、及びこのサーボモータ30の回転力を往復運動に変換する回転伝達部材としてのプーリー21が装着されている。このサーボモータ30には、回転速度を検出するためのエンコーダ31が設けられており、サーボモータ30の回転速度は、制御装置10により、サーボモータ30に供給される電流を制御することによって制御される。そして、このサーボモータ30の回転力は、回転伝達部材であるベルト22によってボールネジ23に伝達される。なお、サーボモータ30は、交流モータ、直流モータのいずれでもよい。
【0039】
また、回転伝達部材としてプーリー21を例示したが、これに限らず、チェーンや歯車でもよい。また、サーボモータ30の出力軸に直接結合してもよい。また、動力変換装置としてボールネジ23を例示したが、ねじ機構やウォームギヤとウォームホイールとの組合せ、あるいはピニオンギヤとラックとの組合せ等であってもよい。ボールネジ23の下端にはワーク取付台90に対向する位置で上下動するラム50が装着されており、このラム50が上限位置(始動位置)から下限位置(停止位置)まで下降することによってワーク(被加工物)70に対して、プレス加工を行う。そして、ラム50は、下限位置(停止位置)に到達してワーク(被加工物)70の加工を終えると上限位置(始動位置)まで上昇する。
【0040】
エンコーダ31は、サーボモータ30の所定の位置に取付けられている。リニアエンコーダ80は、ラム50の停止位置近傍に設けられることが好ましい。詳しくは、リニアエンコーダ80の取り付け位置は、ワーク70の理想加工位置(
図2のa)に基づいて定められ、この位置でのリニアエンコーダ80のデータを基準データとする。なお、
図2のbは、ワーク70に対するラム50の押し込み量を示す。
【0041】
ここで、リニアエンコーダ80は、直線軸の位置を検出し、位置情報として出力する素子であり、位置決めエンコーダ、リニアスケールとも呼ばれる。その構成は、物差しとなるスケール(目盛)と、位置情報を検出するヘッド(検出器)とからなり、例えば、検出に光の反射を用いる光学式では、リニアエンコーダ80と対向した位置に設けられた図示しないラム50に固着されている検出ヘッドとを用いて行なわれる。つまり、ラム50の上下動に伴って、検出ヘッドが、固定されているリニアエンコーダ80に対して上下動することによって、検出ヘッドの内部に組込まれたセンサから、ラム50の位置がラム50の停止基準位置に基づく高さとして検出される。なお、これ以外にも、磁気を用いる磁気式があり、それぞれ絶対位置測定を行うアブソリュート式と、相対位置測定のインクリメント式がある。
【0042】
プレス加工に当たっては、予め制御条件であるラム50の作動速度、この速度の切替位置、下限位置(停止位置)及び加圧時間などのデータを設定部13を介して設定する。設定されたデータは、図示しない表示部に表示される。表示部は、例えば、設定スイッチ、液晶表示画面やCRTなどの手段によって構成される。また、表示部には、運転や条件設定などの作動モードの選択や、自動運転あるいは手動運転などの操作指示を行なうスイッチなどが設けられている。
【0043】
そして、表示部から入力された制御データは、後述する記憶部に取込まれて記憶され、予め組込まれた処理手順に従ってラム50の制御を行なう。制御装置10は、データの記憶、演算処理、データの表示及びデータ入出力などの機能を有する一般的なコンピュータなどからなる構成となっている。
【0044】
<サーボプレスの機能ブロック>
図3に示すように、本実施形態に係るサーボプレス1は、制御装置10と、制御装置10を構成するセンス値検出部14、基準センス値格納部15、加工センス値格納部16、補正値算出部17、記憶部18、制御コントローラ19、サーボモータ30と、エンコーダ31と、位置検出部33と、ラム50と、リニアエンコーダ80とから構成されている。
【0045】
センス値検出部14は、ワーク70に対する一連の加工処理前に、ラム50が停止位置に到達するタイミングで制御コントローラ19から出力される信号をトリガに、ラム50の停止位置におけるリニアエンコーダ80のセンス値を検出するとともに、ワーク70に対する一連の加工処理において、ラム50が停止位置に到達するタイミングで制御コントローラ19から出力される信号をトリガに、ラム50の停止位置におけるリニアエンコーダ80のセンス値を検出する。
【0046】
基準センス値格納部15は、ワーク70に対する一連の加工処理前に、センス値検出部14が検出したラム50の停止位置におけるリニアエンコーダ80のセンス値を格納する。加工センス値格納部16は、ワーク70に対する一連の加工処理において、センス値検出部14が検出したラム50の停止位置におけるリニアエンコーダ80のセンス値を格納する。なお、格納されるセンス値は、新たなセンス値に上書きされ格納される。
【0047】
補正値算出部17は、基準センス値格納部15内の基準センス値と加工センス値格納部16内の加工センス値とから補正値を算出する。制御コントローラ19は、ワーク70に対する一連の加工処理において、ラム50が停止位置に到達するタイミングで補正値算出部17に補正値算出のための指示信号を出力するとともに、位置検出部33が検出したスライド位置、設定されたスライド位置、補正値算出部17が算出した補正値に基づいてサーボモータを制御する。記憶部18は、予め定められた運転条件を格納する。
【0048】
なお、ラム50の下降運動は、モーション制御されることが好ましい。つまり、予め設定された下降位置までは、高速なアプローチ制御がなされ、予め設定された下降位置からは、低速な探り制御が行なわれる。具体的には、サーボモータ30を制御しているサーボモータ指令の電流から出力トルクを検出し、ラム50のモーション変化をサーボモータ30のトルクの変化として検出する。そして、このときのトルク変化の検出信号から予め設定された下降位置を特定する。
【0049】
<サーボプレスの制御処理>
図4を用いて、本実施形態に係るサーボプレスの制御処理について説明する。
【0050】
制御コントローラ19は、ワーク70に対する一連の加工処理前に、位置検出部33が検出したスライド(ラム)50の位置、設定されたスライド(ラム)50の位置に基づいてサーボモータ30を制御して、スライド(ラム)50を停止位置まで移動させる(ステップS110)。
【0051】
センス値検出部14は、スライド(ラム)50の停止位置におけるセンシング素子(リニアエンコーダ)80のセンス値を検出し、基準センス値格納部15に検出したセンス値を格納する(ステップS120)。
【0052】
センス値検出部14は、一連の加工処理において、スライド(ラム)50の停止位置におけるセンシング素子(リニアエンコーダ)80のセンス値を検出し、加工センス値格納部16に検出したセンス値を格納する(ステップS130)。
【0053】
補正値算出部17は、基準センス値格納部15内の基準センス値と加工センス値格納部16内の加工センス値とから補正値を算出する(ステップS140)。
【0054】
制御コントローラ19は、次の加工処理において、位置検出部33が検出したスライド(ラム)50の位置、設定されたスライド(ラム)50の位置、補正値算出部17が算出した補正値に基づいてサーボモータを制御する(ステップS150)。そして、一連の加工処理が終了するまで、ステップS130からステップS150までの処理を続行し(ステップS160の「No」)、一連の加工処理が終了するとすべての処理を終了させる(ステップS160の「Yes」)。
【0055】
以上、説明したように、本実施形態によれば、セミクローズ制御において問題となる熱膨張による機械的変化に対応しつつ、高精度のプレス加工を行うことができる。また、サーボシステムから独立したリニアエンコーダを設けることにより、低コストで高精度のプレス加工を行うことができる。また、リニアエンコーダをスライド(ラム)の停止位置近傍に設けることによって、より高い精度で、ワークの位置決めを行うことができる。さらに、リニアエンコーダは、独立したエンコーダであるため、常に、スライド(ラム)位置を読み取る必要はなく、少なくとも、スライド(ラム)停止位置で、スライド(ラム)が停止した時に読み取りを行えばよい。そのため、リニアエンコーダを設けることによる処理負荷等を最小限に留めることができる。
【0056】
<第2の実施形態>
以下、
図5および
図6を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0057】
<サーボプレスの機能ブロック>
図5に示すように、本実施形態に係るサーボプレス1は、制御装置100と、制御装置100を構成するセンス値検出部14、基準センス値格納部15、加工センス値格納部16、補正値算出部17、記憶部18、制御コントローラ102、温度センス部101、サーボモータ30と、エンコーダ31と、位置検出部33と、ラム50と、リニアエンコーダ80とから構成されている。なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は省略する。
【0058】
温度センス部101は、ラム50の周囲の温度を検出する。制御コントローラ102は、温度センサの値から検出された温度データが予め設定された温度データよりも大きいときに、ラム50が停止位置に到達するタイミングで、補正値算出部17に補正値算出の指示信号を送信し、位置検出部33が検出したスライド(ラム)の位置、設定されたスライド(ラム)の位置、補正値算出部17が算出した補正値に基づいて次のサイクルの加工処理におけるサーボモータの制御を実行する。
【0059】
<サーボプレスの制御処理>
図6を用いて、本実施形態に係るサーボプレスの制御処理について説明する。
【0060】
制御コントローラ102は、ワーク70に対する一連の加工処理前に、位置検出部33が検出したスライド(ラム)50の位置、設定されたスライド(ラム)50の位置に基づいてサーボモータ30を制御して、スライド(ラム)50を停止位置まで移動させる(ステップS210)。
【0061】
センス値検出部14は、スライド(ラム)50の停止位置におけるセンシング素子(リニアエンコーダ)80のセンス値を検出し、基準センス値格納部15に検出したセンス値を格納する(ステップS220)。
【0062】
センス値検出部14は、一連の加工処理において、スライド(ラム)50の停止位置におけるセンシング素子(リニアエンコーダ)80のセンス値を検出し、加工センス値格納部16に検出したセンス値を格納する(ステップS230)。
【0063】
制御コントローラ102は、温度センス部101により検出されたラム50の周囲の温度が予め設定された温度よりも高いか否かを判断する(ステップS240)。このとき、制御コントローラ102が、温度センス部101により検出されたラム50の周囲の温度が予め設定された温度よりも低いと判断した場合(ステップS240の「No」)には、制御コントローラ102は、通常の制御動作を実行し(ステップS250)、ステップ280に移行する。
【0064】
一方、制御コントローラ102が、温度センス部101により検出されたラム50の周囲の温度が予め設定された温度よりも高いと判断した場合(ステップS240の「Yes」)には、補正値算出部17は、基準センス値格納部15内の基準センス値と加工センス値格納部16内の加工センス値とから補正値を算出する(ステップS260)。
【0065】
制御コントローラ102は、次の加工処理において、位置検出部33が検出したスライド(ラム)50の位置、設定されたスライド(ラム)50の位置、補正値算出部17が算出した補正値に基づいてサーボモータを制御する(ステップS270)。そして、一連の加工処理が終了するまで、ステップS240からステップS270までの処理を続行し(ステップS280の「No」)、一連の加工処理が終了するとすべての処理を終了させる(ステップS280の「Yes」)。
【0066】
以上、説明したように、本実施形態によれば、セミクローズ制御において問題となる熱膨張による機械的変化に対応しつつ、高精度のプレス加工を行うことができる。また、リニアエンコーダは、独立したエンコーダであるため、常に、スライド(ラム)位置を読み取る必要はなく、少なくとも、温度センサの値から検出された温度データが予め設定された温度データよりも大きいときに、スライド(ラム)が停止位置に到達するタイミングで、スライド(ラム)が停止した時に読み取りを行えばよい。そのため、リニアエンコーダを設けることによる処理負荷等を最小限に留めることができる。
【0067】
<第3の実施形態>
以下、
図7および
図8を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0068】
<サーボプレスの機能ブロック>
図7に示すように、本実施形態に係るサーボプレス1は、制御装置110と、制御装置110を構成するセンス値検出部14、基準センス値格納部15、加工センス値格納部16、補正値算出部17、記憶部18、制御コントローラ112、閾値格納部111、サーボモータ30と、エンコーダ31と、位置検出部33と、ラム50と、リニアエンコーダ80とから構成されている。なお、第1の実施形態および第2の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は省略する。
【0069】
閾値格納部111は、補正値の大きさに対して予め定めた閾値を格納する。制御コントローラ112は、補正値算出部17が算出した補正値が閾値格納部111に格納された閾値よりも大きいときに、スライド(ラム)50が停止位置に到達するタイミングで、位置検出部33が検出したスライド(ラム)の位置、設定されたスライド(ラム)の位置、補正値算出部17が算出した補正値に基づいて次のサイクルの加工処理におけるサーボモータの制御を実行する。
【0070】
<サーボプレスの制御処理>
図8を用いて、本実施形態に係るサーボプレスの制御処理について説明する。
【0071】
制御コントローラ112は、ワーク70に対する一連の加工処理前に、位置検出部33が検出したスライド(ラム)50の位置、設定されたスライド(ラム)50の位置に基づいてサーボモータ30を制御して、スライド(ラム)50を停止位置まで移動させる(ステップS310)。
【0072】
センス値検出部14は、スライド(ラム)50の停止位置におけるセンシング素子(リニアエンコーダ)80のセンス値を検出し、基準センス値格納部15に検出したセンス値を格納する(ステップS320)。
【0073】
センス値検出部14は、一連の加工処理において、スライド(ラム)50の停止位置におけるセンシング素子(リニアエンコーダ)80のセンス値を検出し、加工センス値格納部16に検出したセンス値を格納する(ステップS330)。補正値算出部17は、基準センス値格納部15内の基準センス値と加工センス値格納部16内の加工センス値とから補正値を算出する(ステップS340)。
【0074】
制御コントローラ112は、補正値算出部17が算出した補正値が閾値格納部111に格納された予め定められた閾値よりも大きいか否かを判断する(ステップS350)。このとき、制御コントローラ112は、補正値算出部17が算出した補正値が閾値格納部111に格納された予め定められた閾値よりも小さいと判断した場合(ステップS350の「No」)には、制御コントローラ112は、通常の制御動作を実行し(ステップS360)、ステップS380に移行する。
【0075】
一方、制御コントローラ112は、補正値算出部17が算出した補正値が閾値格納部111に格納された予め定められた閾値よりも大きいと判断した場合(ステップS350の「Yes」)には、次の加工処理において、位置検出部33が検出したスライド(ラム)50の位置、設定されたスライド(ラム)50の位置、補正値算出部17が算出した補正値に基づいてサーボモータを制御する(ステップS370)。そして、一連の加工処理が終了するまで、ステップS330からステップS370までの処理を続行し(ステップS380の「No」)、一連の加工処理が終了するとすべての処理を終了させる(ステップS380の「Yes」)。
【0076】
以上、説明したように、本実施形態によれば、セミクローズ制御において問題となる熱膨張による機械的変化に対応しつつ、高精度のプレス加工を行うことができる。また、リニアエンコーダは、独立したエンコーダであるため、常に、スライド(ラム)位置を読み取る必要はなく、少なくとも、スライド(ラム)が停止位置に到達するタイミングで、スライド(ラム)が停止した時に読み取りを行えばよい。また、スライド(ラム)位置を読み取って、補正値を算出しても、その補正値が予め設定された閾値よりも大きいときのみに、次のサイクルの加工処理において、その補正値を反映させる。そのため、リニアエンコーダを設けることによる処理負荷等を最小限に留めることができる。
【0077】
なお、サーボプレスの上記処理をコンピュータシステムが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをサーボプレスに読み込ませ、実行することによって本発明のサーボプレスを実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0078】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0079】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0080】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。