特許第6537444号(P6537444)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6537444
(24)【登録日】2019年6月14日
(45)【発行日】2019年7月3日
(54)【発明の名称】古紙再生処理装置
(51)【国際特許分類】
   D21B 1/32 20060101AFI20190625BHJP
   B65H 1/02 20060101ALI20190625BHJP
【FI】
   D21B1/32
   B65H1/02
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-230159(P2015-230159)
(22)【出願日】2015年11月26日
(65)【公開番号】特開2017-95829(P2017-95829A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2018年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺井 義
(72)【発明者】
【氏名】東本 佳久
【審査官】 春日 淳一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−275672(JP,A)
【文献】 特開2013−127127(JP,A)
【文献】 特開2014−080263(JP,A)
【文献】 特開平07−172597(JP,A)
【文献】 特開2005−281887(JP,A)
【文献】 米国特許第06032885(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D21B−D21J
B65H1/00−3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
古紙の枚葉紙を投下する枚葉紙投入部と、枚葉紙投入部の下方に位置し、投下された枚葉紙を離解用水中で離解処理するパルパー部を備え、
枚葉紙投入部は、枚葉紙を立った姿勢に保持する上下開放の姿勢保持部と、投入口をなす姿勢保持部の下部開口を覆って配置し、下部開口を開閉するスライド方向に移動可能なスライド底板を有することを特徴とする古紙再生処理装置。
【請求項2】
姿勢保持部は、パルパー部への枚葉紙の最大投入容量を有する枠体をなすことを特徴とする請求項1に記載の古紙再生処理装置。
【請求項3】
姿勢保持部は、枚葉紙積載空間をスライド底板のスライド方向において複数の分室に区分する少なくとも一枚の姿勢保持補助板を有することを特徴とする請求項1または2に記載の古紙再生処理装置。
【請求項4】
スライド底板は、各分室を単位として姿勢保持部の下部開口を開放することを特徴とする請求項3に記載の古紙再生処理装置。
【請求項5】
スライド底板は、スライド方向に沿った少なくとも一条の凹部を有し、姿勢保持部は、スライド底板に対向する部位に前記凹部に係合する凸部を有することを特徴とする請求項1に記載の古紙再生処理装置。
【請求項6】
スライド底板は、スライド方向に沿った少なくとも一条の凸部を有し、姿勢保持部は、スライド底板に対向する部位に前記凸部に係合する凹部を有することを特徴とする請求項1に記載の古紙再生処理装置。
【請求項7】
枚葉紙投入部は、スライド底板をスライド方向へ移動させる底板駆動手段を有し、底板駆動手段は、スライド底板の移動速度を任意速度に設定可能であることを特徴とする請求項1に記載の古紙再生処理装置。
【請求項8】
パルパー部は、枚葉紙投入部から投下された枚葉紙を貯溜する槽体と、槽体内の枚葉紙と離解用水を撹拌する撹拌装置を有し、撹拌装置は、投下された枚葉紙の相互離間を促す低速度運転モードと、枚葉紙を離解処理する定常速度運転モードを有することを特徴とする請求項1に記載の古紙再生処理装置。
【請求項9】
枚葉紙投入部は、積載された枚葉紙の重量を計測する重量計測部を有し、パルパー部は、槽内に供給する離解用水量を制御する給水制御部を有し、給水制御部により重量計測部で計測した重量の枚葉紙を所定濃度のパルプ懸濁液にするのに必要な量の離解用水を供給することを特徴とする請求項1に記載の古紙再生処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、古紙の発生場所であるオフィス等に設置して紙を再生することができる古紙再生処理装置に関し、詳しくはパルパーに古紙を投入する技術に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、古紙再生処理装置においてはパルパー部に古紙を投入するために、枚葉紙を本体に設置したシュレッダー装置で裁断処理した後に投入している。
また、特許文献1では、積み重ねた状態で長期間保管されたパルプシートが積層部分の一部に相互に密着したくせを残し、塊りのままパルパーに供給されることで、パルパーの回転部に急激な負荷変動を与えて回転部に損傷を発生させ、寿命を短くしてしまうことや、パルプ供給量が急激に変化するために、パルパーの分解作業時間が長くなる問題に対し、解決手段として、平積み状態のパルプシートを立てた姿勢でパルパーに繰り出すとともに、パルプの層間を広げて剥離状態とすることが記載されている。
【0003】
また、特許文献2では、再生原料を離解して再生パルプを調製する再生パルプ部に、シュレッダー等により細片化していない用紙、例えば定型サイズの古紙を供給する場合には、再生パルプ部のパルパーに投入した古紙がパルパー内部に貯留するパルプ溶液に到達する前に水に濡れたパルパー内壁に付着して十分に離解されない問題に対し、解決手段として、古紙を給紙搬送方向に沿って再生パルプ部へ搬送する搬送装置が古紙に折り目を形成する折り目形成手段を有することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−143421
【特許文献2】特開2011−149105
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、枚葉紙をシュレッダー装置で裁断処理する場合には、装置構成の複雑化および大型化の要因となる構成要件、すなわち枚葉紙の給紙装置、シュレッダー装置、裁断後の裁断紙片を移送する移送装置および裁断紙片の投入量を計量する計量部等を備える必要があった。また、裁断紙片を使用すると紙粉が発生するので、紙粉を処理する手段として別途に紙粉回収装置が必要であった。
【0006】
また、パルパー部に枚葉紙を直接投入する場合には、枚葉紙の投入量の調整が課題となる。ユーザーが自由に投入量を決める場合にはパルパー部の離解処理能力を超える量の枚葉紙がパルパー部に投入される事態が生じることがあり、この場合にはパルプ溶液の濃度を適正値に制御できない事態となる。また、投入量の調整のために枚葉紙の給紙装置を設けると先に述べたように、装置構成の複雑化、大型化の要因となり、コスト高の要因となる。
【0007】
さらに、特許文献1に記載する技術は、製紙工場において実施される技術であり、パルプ投入装置は、支持架台と姿勢変換手段と積み替え手段と繰出し手段と分割手段とを具備した大型のものであって、姿勢変換手段によって支持架台上のパルプシートを平積み状態から立てた状態に変換する必要があり、さらに繰出し手段によってパルプシートをパルパーに向けて平行移動させるとともに分割手段によってパルプシートを層間剥離させる必要があった。このため、古紙の発生場所であるオフィス等に設置して紙を再生する小型の古紙再生処理装置に搭載することができない。
【0008】
また、特許文献2に記載するものでは、古紙を一枚ずつ処理するために投入に要する時間が長くなる問題があった。
本発明は上記した課題を解決するものであり、古紙を裁断することなく枚葉紙のままに直接にパルパー部に投入することができ、古紙がパルパー内で塊状とならなず、パルプ溶液を適正濃度に調整可能で、しかも小型化を実現した古紙再生処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の古紙再生処理装置は、古紙の枚葉紙を投下する枚葉紙投入部と、枚葉紙投入部の下方に位置し、投下された枚葉紙を離解用水中で離解処理するパルパー部を備え、枚葉紙投入部は、枚葉紙を立った姿勢に保持する上下開放の姿勢保持部と、投入口をなす姿勢保持部の下部開口を覆って配置し、下部開口を開閉するスライド方向に移動可能なスライド底板を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の古紙再生処理装置において、姿勢保持部は、パルパー部で枚葉紙の最大投入容量を有する枠体をなすことを特徴とする。
本発明の古紙再生処理装置において、姿勢保持部は、枚葉紙積載空間をスライド底板のスライド方向において複数の分室に区分する少なくとも一枚の姿勢保持補助板を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の古紙再生処理装置において、スライド底板は、各分室を単位として姿勢保持部の下部開口を開放することを特徴とする。
本発明の古紙再生処理装置において、スライド底板は、スライド方向に沿った少なくとも一条の凹部を有し、姿勢保持部は、スライド底板に対向する部位に前記凹部に係合する凸部を有することを特徴とする。
【0012】
本発明の古紙再生処理装置において、スライド底板は、スライド方向に沿った少なくとも一条の凸部を有し、姿勢保持部は、スライド底板に対向する部位に前記凸部に係合する凹部を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の古紙再生処理装置において、枚葉紙投入部は、スライド底板をスライド方向へ移動させる底板駆動手段を有し、底板駆動手段は、スライド底板の移動速度を任意速度に設定可能であることを特徴とする。
【0014】
本発明の古紙再生処理装置において、パルパー部は、枚葉紙投入部から投下された枚葉紙を貯溜する槽体と、槽体内の枚葉紙と離解用水を撹拌する撹拌装置を有し、撹拌装置は、投下された枚葉紙の相互離間を促す低速度運転モードと、枚葉紙を離解処理する定常速度運転モードを有することを特徴とする。
【0015】
本発明の古紙再生処理装置において、枚葉紙投入部は、積載された枚葉紙の重量を計測する重量計測部を有し、パルパー部は、槽内に供給する離解用水量を制御する給水制御部を有し、給水制御部により重量計測部で計測した重量の枚葉紙を所定濃度のパルプ溶液にするのに必要な量の離解用水を供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上のように本発明によれば、枚葉紙投入部の姿勢保持部に所定量の枚葉紙を立てた姿勢で載置するだけでセット操作が行え、スライド底板の移動により下部開口を開放するにつれて姿勢保持部の投入口から枚葉紙が次々にパルパー部へ自然落下する。よって、小型の古紙再生処理装置に搭載可能な簡易な構成において枚葉紙が塊となって落下することを抑制しつつ、枚葉紙を直接に速やかに投入することを実現できる。
【0017】
また、姿勢保持部は、積載する枚葉紙の最大積載量を、パルパー部の処理容量、すなわち最大投入量に応じて規制する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態における古紙再生処理装置を示すブロック図
図2】同実施の形態における古紙再生処理装置の枚葉紙投入部の動作を示す模式図
図3】同実施の形態における古紙再生処理装置の枚葉紙投入部の斜視図
図4】同実施の形態における古紙再生処理装置のカバーを外した枚葉紙投入部の斜視図
図5】同実施の形態における枚葉紙投入部とパルパー部の斜視図
図6】同枚葉紙投入部の位置センサーを示す斜視図
図7】同枚葉紙投入部のスライド底板の開放状態を示す斜視図
図8】同枚葉紙投入部の位置ターゲットの閉鎖位置状態を示す斜視図
図9】同枚葉紙投入部の位置ターゲットの途中位置状態を示す斜視図
図10】同枚葉紙投入部の位置ターゲットの開放位置状態を示す斜視図
図11】同枚葉紙投入部のスライド底板の閉鎖位置を示す平面図
図12】同枚葉紙投入部のスライド底板の途中位置状態を示す平面図
図13】同枚葉紙投入部のスライド底板の開放位置状態を示す平面図
図14】同実施の形態における古紙再生処理装置の抄紙部を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、古紙再生処理装置は、古紙再生処理系を構成する複数の処理部を有しており、処理部には枚葉紙投入部1、パルパー部9、脱墨部11、抄紙部13、乾燥部14、仕上部15、白水タンク部100、排水処理タンク部101がある。また、古紙再生処理装置は各処理部の運転を制御する制御部700を備えている。
【0020】
本実施の形態において、枚葉紙投入部1は、古紙再生処理装置の小型化を実現するための特徴的な構造を備えている。枚葉紙投入部1の概略を図2に示す。枚葉紙投入部1は、再生原料の古紙を枚葉紙2のままで直接にパルパー部9に投入するものであり、枚葉紙2を立った姿勢に保持する姿勢保持部3が上部開口4と下部開口5を有する上下開放の四角形の枠体からなる構造をなす。姿勢保持部3の底部をなすスライド底板6は、姿勢保持部3の投入口をなす下部開口5を覆っており、スライド底板6は下部開口5を開閉するスライド方向に移動可能である。
【0021】
姿勢保持部3の枠体は、姿勢保持部3に積載可能な枚葉紙2の最大積載量を規制しており、最大積載量はパルパー部の処理容量に応じて定まる。すなわち、姿勢保持部3の枠体は、パルパー部9で適切なパルプ濃度に離解処理可能な枚葉紙2の最大投入容量、例えばA4用紙、約8kgに相当する枚葉紙2を保持可能な枚葉紙積載空間を有しており、パルパー部9はA4用紙、約8kgに対して離解用水92Lを投入してパルプ濃度8%に調製する。
【0022】
姿勢保持部3の枠体内には一枚の姿勢保持補助板3aが配置してあり、姿勢保持補助板3aが枚葉紙積載空間をスライド底板6のスライド方向において2つの分室3b、3cに区分している。
【0023】
本実施の形態では一枚の姿勢保持補助板3aを設けているが、その枚数に限定はなく、枚葉紙積載空間を3室以上の複数の分室に区分することも可能である。すなわち、姿勢保持部3の枠体の容量は、パルパー部9の処理容量に応じて定まるので、姿勢保持部3の枠体の容量が多い場合は姿勢保持補助板3aの枚数を増やして枚葉紙積載空間の分室数を増加させ、姿勢保持部3の枠体の容量が少ない場合は姿勢保持補助板3aを配置しない構成とすることも可能である。姿勢保持部3の詳細な構造は後に説明する。
【0024】
パルパー部9は、枚葉紙2を離解して再生パルプを調製するものであり、槽体91と、槽体91内に設けた撹拌装置92を有し、枚葉紙2を離解して再生パルプを含むパルプ溶液を製造する。脱墨部11は、パルプ溶液を脱墨して脱墨パルプを調製するものである。
【0025】
図14に示すように、抄紙部13は、脱墨されたパルプ溶液から湿紙12を抄紙するものであり、複数のローラ41に巻回されたメッシュ状のベルトからなる抄紙ワイヤー42と、脱墨されたパルプ溶液を抄紙ワイヤー42上に注ぐヘッドボックス43を有している。
【0026】
抄紙ワイヤー42の無端軌道は、ヘッドボックス43から後述する乾燥ローラ49に至るまでの往路部と、乾燥ローラ49の一部を覆う転移部と、乾燥ローラ49からヘッドボックス43に戻る復路部からなる。
【0027】
抄紙ワイヤー42の往路部には、抄紙ワイヤー42の下部側でヘッドボックス43の近くに、抄紙ワイヤー42の下面に摺接して抄紙ワイヤー42の下面上から水を払う水切り部44と、抄紙ワイヤー42を介して湿紙12から水分を吸引する吸引装置45を設けている。
【0028】
さらに吸引装置45の下流側には、複数の絞りローラ41a、41bが抄紙ワイヤー42を挟んで位置しており、絞りローラ41a、41bによって双方のローラ間を通過する抄紙ワイヤー42上の湿紙12を絞る。ヘッドボックス43から抄紙ワイヤー42に供給された直後の湿紙12の含水率を100%とすると、絞りローラ41a、41bを通過した湿紙は、含水率が60−65%である。
【0029】
乾燥部14は、脱水された湿紙12を乾燥するものであり、加熱装置を内蔵した乾燥ローラ49の一部を、複数のローラ50に巻回したカンバスベルト51が無端軌道の一部で乾燥部14を覆っており、乾燥部14においてカンバスベルト51と乾燥ローラ49の外周面との間に湿紙12を挟み、乾燥ローラ49で湿紙12を乾燥させる。抄紙ワイヤー42の転移部とカンバスベルト51の乾燥部14との間には、乾燥ローラ49に湿紙12を押圧するカレンダローラ50aを設けている。
【0030】
乾燥した乾紙61は、カンバスベルト51の往路終端位置でスクレーパ111によりカンバスベルト51から剥離させて仕上部15に案内する。
仕上部15は、湿紙12を乾燥して得られる乾紙61に対して仕上工程を行い、得られた再生紙62を紙受部63に排出するものであり、乾紙61を所定のサイズに切断する金属製のカッター装置60およびスリッター装置112が設けられている。
【0031】
図1に示すように、排水処理タンク部101は、脱墨排水系102を通して脱墨部11から流入する脱墨廃液を処理するもので、フィルターで繊維、インク、トナーを除去し、薬剤の添加により中性化して公共下水の下水配管103へ排水可能な水質にまで処理する。
【0032】
白水タンク部100は、抄紙排水系104を通して抄紙部13から流入する再生パルプを含む排水である白水を貯留するものであり、白水を白水返送系105、106を通して古紙再生処理系の各所へ返送する。パルパー部9に連通する白水返送系106は、パルパー部9の槽体91に離解用水量として白水を供給するものであり、槽内に供給する離解用水量を制御する給水制御部をなす給水ポンプ106aを有する。
【0033】
給水源、ここでは上水配管107から用水を供給する給水配管108が白水タンク部100に接続しており、給水配管108に電磁弁からなる緊急停止用の元弁装置109を設けている。
【0034】
制御部700は、パルパー部9と脱墨部11と抄紙部13と仕上部15と排水処理タンク部101と白水タンク部100を制御して上述した各処理部において古紙再生処理系の運転を行う。
【0035】
図4から図8に示すように、枚葉紙投入部1は、パルパー部9の槽体91の上方に位置し、姿勢保持部3の投入口をなす下部開口5が槽体91の上部開口に対向しており、ユーザーに対する安全性を確保するために、姿勢保持部3の上部開口4を覆ってカバー部31を設けている。カバー部31は透明の扉体32と、扉体32をロックする電気式のロック部33を備えている。
【0036】
枚葉紙投入部1は、パルパー部9を囲むケーシング90の上に左右一対のベースフレーム301、302を固定配置し、双方のベースフレーム301、302の上にそれぞれサブフレーム303、304を配置しており、一方のベースフレーム301が一方のサブフレーム303を支持し、他方のベースフレーム301がロードセルからなる重量計測部305を介して他方のサブフレーム304を支持しており、サブフレーム303、304は相互の端部間に配置した連結フレーム306、307で連結されている。
【0037】
姿勢保持部3の枠体は双方のサブフレーム303、304の間に位置し、サブフレーム303、304が保持フレーム308、309を介して姿勢保持部3の枠体を支持している。双方のサブフレーム303、304の間に配置するスライド底板6は、姿勢保持部3の下部開口5に対向して下部開口5を全閉する位置と、下部開口5を全開する位置とにわたってスライドするものである。
【0038】
スライド底板6をスライド方向へ移動させる底板駆動手段は、図6に示すように、スライド底板6のスライド方向においてサブフレーム303、304の相互の端部間に設けた従動回転軸310および駆動回転軸311と、従動回転軸310および駆動回転軸311に設けたタイミングプーリー312、313と、タイミングプーリー312、313の間に掛け渡したタイミングベルト314、315と、駆動回転軸311を回転駆動するモータ316と、タイミングベルト314、315に固定したスライド部317、318からなり、スライド部317、318をスライド底板6の両側に固定している。
【0039】
一方のサブフレーム303には一方のタイミングベルト314の軌道に沿った複数個所、すなわちスライド底板6の全閉状態を検知する位置と、スライド底板6が一方の分室3bを開放する中間状態を検知する位置(姿勢保持補助板3aに相当する位置)と、スライド底板6の全開状態を検知する位置とにフォトインタプラタ319を配置しており、一方のタイミングベルト314に固定したスライド部317にはフォトインタプラタ319を遮光する遮光板320を設けている。他方のタイミングベルト315に固定したスライド部318のレール係合部321が他方のサブフレーム304に設けたガイド穴322に係合している。
【0040】
スライド底板6は、一方のベースフレーム301を一側の走行レールとし、他方のサブフレーム304に設けたガイド穴322の開口縁を他側の走行レールとしてスライド方向に移動する。スライド底板6は直線的なスライドでなく、水平方向に旋回するパドル式とすることも可能であり、上下に回動するドア式であっても良い。
【0041】
スライド底板6は、スライド方向に沿った複数条の凹部6aを有しており、姿勢保持部3は、スライド底板6に対向する下端縁に凹部6aに係合する凸部3dを有している。凸部3dは剛性体であっても弾性体であっても良く、刷毛、ローラ等も採用できる。凸部3dは、姿勢保持部3の枠体のうちで、スライド底板6のスライド方向の一側に対応する部位もしくはスライド方向の両側に対応する部位に設けており、本実施の形態では3条の凹部6a設けているが一条であっても良い。
【0042】
また、スライド底板6にスライド方向に沿った少なくとも一条の凸部を設け、姿勢保持部3に、スライド底板6に対向する部位に凸部に係合する凹部を設けることも可能である。
【0043】
制御部700は、モータ316を制御してスライド底板6の開度を制御し、各分室3b、3cを単位として姿勢保持部3の下部開口5を開放する。モータ316はスライド底板6の移動速度を任意速度に設定可能である。また、撹拌装置92を制御して、投下された枚葉紙2の相互離間を促す低速度運転モードと、枚葉紙2を離解処理する定常速度運転モードとで運転する。さらに、枚葉紙投入部1の姿勢保持部3に積載された枚葉紙2の重量を重量計測部305で計測し、白水返送系106の給水ポンプ106aを制御してパルパー部9の槽体91に供給する離解用水量を制御し、重量計測部305で計測した重量の枚葉紙2を所定濃度のパルプ溶液にするのに必要な量の離解用水を供給する。
【0044】
以下、上記した構成の作用を説明する。制御部700は、枚葉紙投入部1とパルパー部9と脱墨部11と抄紙部13と仕上部15と排水処理タンク部101と白水タンク部100を制御し、各処理部において古紙再生処理系の運転を行う。
(投入操作)
図2(a)、図8および図11に示すように、枚葉紙投入部1のスライド底板6を全閉位置に配置し、この状態でカバー部31の扉体32を開放し、姿勢保持部3の枠体内に枚葉紙2の束を分室3b、3cに分けて搭載する。枚葉紙投入部1に搭載した枚葉紙2の重量を重量計測部305で計測する。
【0045】
図2(b)、図9および図12に示すように、底板駆動手段のモータ316を駆動して駆動回転軸311のタイミングプーリー312と従動回転軸310のタイミングプーリー313の間でタイミングベルト314、315を回転させ、スライド部317、318およびスライド底板6をスライド方向の開方向に移動させ、各分室3b、3cの単位で姿勢保持部3の下部開口5を開放する。
【0046】
このため、枚葉紙2を各分室3b、3cの単位で所定量ずつ段階的に投入でき、枚葉紙2はスライド底板6が開くに伴って立った姿勢のままに下部開口5からパルパー部9の槽体91に順次に投下される。また、スライド底板6の凹部6aに姿勢保持部3の凸部3dが係合することで、スライド底板6と姿勢保持部3の下端との隙間から枚葉紙2が抜け出ることを防止できる。
【0047】
さらに、姿勢補助板3aが枚葉紙積載空間を複数の分室3b、3cに区分することで分室3b、3cの枚葉紙積載空間が狭まり、各分室3b、3cにおける枚葉紙2の残量が少なくなる過程においても姿勢保持補助板3aが枚葉紙2が倒れることを抑制し、枚葉紙2は倒れた状態で一度に多量に投入されることなく、立った姿勢を維持して投下される。このため、パルパー部9の槽体91に枚葉紙2が束になって落下することが抑制され、槽体91において離解用水の飛散等を抑制できる。
【0048】
図2(c)、図10および図13に示すように、さらにスライド底板6をスライド方向の開方向に移動させ、下部開口5を全開させて残りの分室3cの枚葉紙2を立った姿勢のままに下部開口5からパルパー部9の槽体91に順次に投下する。
【0049】
パルパー部9では、撹拌装置92を制御して、運転初期では投下される枚葉紙2の相互離間を促すために撹拌羽根を低速度運転モード、例えば200rpmで回転させ、重量計測部305で計測した規定重量の枚葉紙2の全てを投入した後に、枚葉紙2を離解処理するために撹拌羽根を定常速度運転モード、例えば750rpmで回転させて運転する。このため、槽体91の内部で枚葉紙2が塊状にならず、均一に離解処理される。さらに、重量計測部305で計測した枚葉紙2の重量、すなわち枚葉紙2の投入量に基づいて、枚葉紙2を所定濃度のパルプ溶液にするのに必要な離解用水量を計算し、白水返送系106の給水ポンプ106aを制御してパルパー部9の槽体91に離解用水量を供給する。
【0050】
このように、本実施の形態の枚葉紙投入部1によれば、スライド板6の開閉動作によって枚葉紙2が立った姿勢で順次に自然落下し、パルパー部9に投入されるので、簡略な構成で枚葉紙2を束になることなく投入動作を行えるので、古紙再生処理装置の小型化に貢献できる。
【符号の説明】
【0051】
1 枚葉紙投入部
2 枚葉紙
3 姿勢保持部
3a 姿勢保持補助板
3b、3c 分室
3d 凸部
4 上部開口
5 下部開口
6 スライド底板
6a 凹部
9 パルパー部
11 脱墨部
12 湿紙
13 抄紙部
14 乾燥部
15 仕上部
31 カバー部
32 扉体
33 ロック部
41 ローラ
41a、41b 絞りローラ
42 抄紙ワイヤー
43 ヘッドボックス
44 水切り部
45 吸引装置
49 乾燥ローラ
50 ローラ
50a カレンダローラ
51 カンバスベルト
60 カッター装置
61 乾紙
62 再生紙
63 紙受部
90 ケーシング
91 槽体
92 撹拌装置
100 白水タンク部
101 排水処理タンク部
102 脱墨排水系
103 下水配管
104 抄紙排水系
105、106 白水返送系
106a 給水ポンプ
107 上水配管
108 給水配管
109 元弁装置
111 スクレーパ
112 スリッター装置
301、302 ベースフレーム
303、304 サブフレーム
305 重量計測部
306、307 連結フレーム
308、309 保持フレーム
310 従動回転軸
311 駆動回転軸
312、313 タイミングプーリー
314、315 タイミングベルト
316 モータ
317、318 スライド部
319 フォトインタプラタ
320 遮光板
321 レール係合部
322 ガイド穴
700 制御部
図1
図2
図3
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