特許第6537850号(P6537850)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6537850光電変換装置における光吸収層の形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6537850
(24)【登録日】2019年6月14日
(45)【発行日】2019年7月3日
(54)【発明の名称】光電変換装置における光吸収層の形成方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 51/46 20060101AFI20190625BHJP
   H01L 51/44 20060101ALI20190625BHJP
【FI】
   H01L31/04 154Z
   H01L31/04 112Z
   H01L31/04 154C
【請求項の数】17
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-45521(P2015-45521)
(22)【出願日】2015年3月9日
(65)【公開番号】特開2016-167482(P2016-167482A)
(43)【公開日】2016年9月15日
【審査請求日】2018年3月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】513099603
【氏名又は名称】公立大学法人兵庫県立大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西野 仁
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 省吾
【審査官】 吉岡 一也
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0332078(US,A1)
【文献】 特開2014−175472(JP,A)
【文献】 特表2015−535390(JP,A)
【文献】 MEI A. et al.,A hole-conductor-free, fully printable mesoscopic perovskite solar cell with high stability,SCIENCE,米国,American Association for the Advancement of Science,2014年 7月,Vol.345, Issue6194,pp.295-298
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/42−51/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換装置における光吸収層の形成方法であって、
電子輸送層上のAPbX(2+n)(但し、Aは1〜4置換若しくは無置換アンモニウム、又は第4周期以上のアルカリ金属原子を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは1又は2を示す)からなる層と、HOOCRNH(但し、Rは炭化水素基を示す)とを接触させる工程
を含む、方法。
【請求項2】
さらに、電子輸送層上のAPbX(2+n)からなる前記層を、電子輸送層上のPbXからなる層と、AXとを接触させることにより得る工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記Xが、ヨウ素原子、塩素原子、及び臭素原子よりなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記Aが1〜4置換若しくは無置換アンモニウムである、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記AがC1−6アルキルアンモニウムである、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記Rが2価の鎖式炭化水素基である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記RがC1−8アルキレン基である、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換装置であって、
請求項1〜7のいずれかに記載の方法で得られた光吸収層、及び該光吸収層の下に配置された電子輸送層を備え、且つ
前記光吸収層がAPbX(2+n)(但し、Aは1〜4置換若しくは無置換アンモニウム、又は第4周期以上のアルカリ金属原子を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは1又は2を示す)及びHOOCRNH(但し、Rは炭化水素基を示す)を含む、光電変換装置。
【請求項9】
前記電子輸送層が、前記光吸収層の下に備えられた多孔質電子輸送層、及び該多孔質電子輸送層の下に備えられた緻密電子輸送層からなる、請求項8に記載の光電変換装置。
【請求項10】
前記電子輸送層が、透光性の電子輸送材料として、TiO、WO、ZnO、Nb及びSrTiOよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項8又は9に記載の光電変換装置。
【請求項11】
前記電子輸送層の下に、さらに、第一電極層である透光性導電層を備える、請求項8〜10のいずれかに記載の光電変換装置。
【請求項12】
前記透光性導電層が、フッ素ドープ錫酸化物、インジウム錫酸化物、ガリウムドープ亜鉛酸化物、アルミドープ亜鉛酸化物、及びニオブドープチタン酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種からなる層である、請求項11に記載の光電変換装置。
【請求項13】
前記透光性導電層の下に、さらに、透光性基板を備える、請求項11又は12に記載の光電変換装置。
【請求項14】
前記光吸収層の上に、さらに、ホール輸送層を備える、請求項8〜13のいずれかに記載の光電変換装置。
【請求項15】
前記ホール輸送層が、有機ホール輸送材、CuSCN、セレン、沃化物、コバルト錯体、鉄錯体、MoO、及びNiOよりなる群から選ばれる少なくとも1種からなる層である、請求項14に記載の光電変換装置。
【請求項16】
前記ホール輸送層の上に、さらに、第二電極層を備える、請求項14又は15に記載の光電変換装置。
【請求項17】
前記第二電極層は、カーボン、金、タングステン、モリブデン及びチタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種からなる層である、請求項16に記載の光電変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換装置における光吸収層の形成方法、及び該方法によって得られた光吸収層を備える光電変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、安全で環境に対しよりクリーンであり、より安価なエネルギーが求められている。その一つとしてクリーンな発電技術である太陽光発電が注目を浴びており、新エネルギーとなりうる低価格太陽電池の開発は急務である。太陽光エネルギーは無尽蔵で、化石燃料のような枯渇の心配がなく、また、COを増やす事もない。しかし、現在市販されている太陽電池は真空プロセスであるCVD、スパッタリング等を使用するために設備費がかさみ、さらなる低価格化が困難となっている。そこで、真空プロセス製膜のみに依拠せず、簡便に製造可能な光電変換装置の開発が求められている。
【0003】
また、有機アンモニウム分子層と金属ハライド層とが交互に積層した超格子構造を有するハライド系層状ペロブスカイト化合物は、従来から発光素子として利用できることが報告されている(特許文献1)。近年、金属ハライドとしてヨウ化鉛を採用したヨウ化鉛系層状ペロブスカイト化合物(メチルアンモニウム鉛ハロゲン化物等)を、太陽電池の光吸収層の材料として利用して変換効率を向上させた例が報告されてはいるが、その報告例はいまだ少ない(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−299063号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Scientific Reports 2, Article number: 591, 2012.
【非特許文献2】Science, 345, 6194, 295-298, 2014.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在のところ、ハライド系層状ペロブスカイト化合物として、主にメチルアンモニウム鉛ハロゲン化物等の性能や構造については検討されているものの、元素置換、ドープ等、他のハロゲン化鉛系層状ペロブスカイト化合物については、ほとんど検討すらされていない。また、元素置換の例として、メチルアンモニウムの一部を吉草酸アンモニウムで置換した化合物の報告はあるが(非特許文献2)、このような他のハロゲン化鉛系層状ペロブスカイト化合物を用いた光吸収層の形成方法に関しては、いまだ検討すらされていないのが現状である。
【0007】
そこで、本発明は、上記メチルアンモニウム鉛ハロゲン化物等以外の化合物について、より高い光電変換効率を得ることができる光吸収層の形成方法を提供すること、及びこの方法により得られた光吸収層を備えた光電変換装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は、特に光吸収層について、真空プロセス製膜のみに依拠せず、簡便に製造可能な光電変換装置を提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的に鑑み鋭意検討した結果、本発明者等は、電子輸送層上のAPbX(2+n)(但し、Aは1〜4置換若しくは無置換アンモニウム、又は第4周期以上のアルカリ金属原子を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは1又は2を示す)からなる層と、HOOCRNH(但し、Rは炭化水素基を示す)とを接触させることにより、より高い光電変換効率が得られる光吸収層を、真空プロセス製膜のみに依拠せず、簡便に形成できることを見出した。すなわち、本発明は、下記の態様を包含する。
【0009】
項1. 光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換装置における光吸収層の形成方法であって、
電子輸送層上のAPbX(2+n)(但し、Aは1〜4置換若しくは無置換アンモニウム、又は第4周期以上のアルカリ金属原子を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは1又は2を示す)からなる層と、HOOCRNH(但し、Rは炭化水素基を示す)とを接触させる工程を含む、方法。
【0010】
項2. さらに、電子輸送層上のAPbX(2+n)からなる前記層を、電子輸送層上のPbXからなる層と、AXとを接触させることにより得る工程を含む、項1に記載の方法。
【0011】
項3. 前記Xが、ヨウ素原子、塩素原子、及び臭素原子よりなる群より選ばれる少なくとも1種である、項1又は2に記載の方法。
【0012】
項4. 前記Aが1〜4置換若しくは無置換アンモニウムである、項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0013】
項5. 前記AがC1−6アルキルアンモニウムである、項1〜4のいずれかに記載の方法。
【0014】
項6. 前記Rが2価の鎖式炭化水素基である、項1〜5のいずれかに記載の方法。
【0015】
項7. 前記RがC1−8アルキレン基である、項1〜6のいずれかに記載の方法。
【0016】
項8. 光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換装置であって、
項1〜7のいずれかに記載の方法で得られた光吸収層、及び該光吸収層の下に配置された電子輸送層を備える、光電変換装置。
【0017】
項9. 前記電子輸送層が、前記光吸収層の下に備えられた多孔質電子輸送層、及び該多孔質電子輸送層の下に備えられた緻密電子輸送層からなる、項8に記載の光電変換装置。
【0018】
項10. 前記電子輸送層が、透光性の電子輸送材料として、TiO、WO、ZnO、Nb及びSrTiOよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、項8又は9に記載の光電変換装置。
【0019】
項11. 前記電子輸送層の下に、さらに、第一電極層である透光性導電層を備える、項8〜10のいずれかに記載の光電変換装置。
【0020】
項12. 前記透光性導電層が、フッ素ドープ錫酸化物、インジウム錫酸化物、ガリウムドープ亜鉛酸化物、アルミドープ亜鉛酸化物、及びニオブドープチタン酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種からなる層である、項11に記載の光電変換装置。
【0021】
項13. 前記透光性導電層の下に、さらに、透光性基板を備える、項11又は12に記載の光電変換装置。
【0022】
項14. 前記光吸収層の上に、さらに、ホール輸送層を備える、項8〜13のいずれかに記載の光電変換装置。
【0023】
項15. 前記ホール輸送層が、有機ホール輸送材、CuSCN、セレン、沃化物、コバルト錯体、鉄錯体、MoO、及びNiOよりなる群から選ばれる少なくとも1種からなる層である、項14に記載の光電変換装置。
【0024】
項16. 前記ホール輸送層の上に、さらに、第二電極層を備える、項14又は15に記載の光電変換装置。
【0025】
項17. 前記第二電極層は、カーボン、金、タングステン、モリブデン及びチタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種からなる層である、項16に記載の光電変換装置。
【発明の効果】
【0026】
電子輸送層上のAPbX(2+n)からなる層と、HOOCRNHとを接触させることにより、より高い光電変換効率が得られる光吸収層を、真空プロセス製膜のみに依拠せず、簡便に形成できる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
1.光吸収層の形成方法
本発明の光吸収層の形成方法は、電子輸送層上のAPbX(2+n)(但し、Aは1〜4置換若しくは無置換アンモニウム、又は第4周期以上のアルカリ金属原子を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは1又は2を示す)からなる層と、HOOCRNH(但し、Rは炭化水素基を示す)とを接触させる工程を含む。
【0028】
電子輸送層については、後述の「2−2.電子輸送層」に記載のとおりである。
【0029】
Aは1〜4置換若しくは無置換アンモニウム、又は第4周期以上のアルカリ金属原子である。
【0030】
1〜4置換又は無置換アンモニウムとは、特に制限されないが、アンモニウム(無置換アンモニウム);メチルアンモニウム、プロピルアンモニウム、ブチルアンモニウム、ヘキシルアンモニウム、オクチルアンモニウム、セチルアンモニウム、フェニルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、フェネチルアンモニウム等の1置換アンモニウム(好ましくはC1−6アルキルアンモニウム、より好ましくはメチルアンモニウム);ジメチルアンモニウム、ジプロピルアンモニウム、ジブチルアンモニウム、ジヘキシルアンモニウム、ジオクチルアンモニウム、ジフェニルアンモニウム、ジベンジルアンモニウム、ジフェネチルアンモニウム等の2置換アンモニウム(好ましくはC1−6ジアルキルアンモニウム、より好ましくはジメチルアンモニウム);トリメチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、トリヘキシルアンモニウム、トリオクチルアンモニウム、トリフェニルアンモニウム、トリベンジルアンモニウム、トリフェネチルアンモニウム等の3置換アンモニウム(好ましくはC1−6トリアルキルアンモニウム、より好ましくはトリメチルアンモニウム);テトラメチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウム、テトラデシルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウム、テトラベンジルアンモニウム、テトラフェネチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウム、ベンジルセチルジメチルアンモニウム、セチルジメチルエチルアンモニウム、フェニルトリメチルアンモニウム等の4置換アンモニウム(好ましくはC1−6テトラアルキルアンモニウム、より好ましくはテトラメチルアンモニウム)等が挙げられる。これらの中でも、分子内の対称性、誘電率、双極子モーメント等の観点から、1置換アンモニウムが好ましく、メチルアンモニウム、プロピルアンモニウム、ブチルアンモニウム、ヘキシルアンモニウム、オクチルアンモニウム、セチルアンモニウム、フェニルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、フェネチルアンモニウム等がより好ましく、C1−6アルキルアンモニウムがさらに好ましく、メチルアンモニウムがよりさらに好ましい。
【0031】
第4周期以上のアルカリ金属原子としては、具体的にはカリウム原子、ルビジウム原子、セシウム原子、フランシウム原子等が挙げられる。これらの中でも、入手しやすさ等の観点から、カリウム原子、セシウム原子等が好ましい。また、セシウム原子は、イオン半径が比較的大きく、電化密度も比較的低いので、電荷又はイオンの移動をより容易にすると考えられるので、好ましい。
【0032】
Xはハロゲン原子である。ハロゲン原子は、特に制限されないが、電子雲の適切な広がり、電気陰性度、電荷密度、イオン性等の観点から、ヨウ素原子、塩素原子、臭素原子等が好ましく、ヨウ素原子がより好ましい。これらのハロゲン原子は、APbX(2+n)中に1種のみが含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。
【0033】
nは、A及びXの種類に従って、ペロブスカイト構造を形成できるような値をとることが好ましい。例えば、Aがメチルアンモニウム等の場合にはnは1が好ましく、Aがヘキシルアンモニウム、フェネチルアンモニウム等の場合にはnは2が好ましい。
【0034】
APbX(2+n)としては、具体的には、(CHNH)PbI(メチルアンモニウム鉛ヨウ化物)、(CNHPbI(フェネチルアンモニウム鉛ヨウ化物)、(C10CHNHPbI(ナフチルメチルアンモニウム鉛ヨウ化物)及び(C13NHPbI(ヘキシルアンモニウム鉛ヨウ化物)等が挙げられ、ペロブスカイト構造の形成の可否、分子内の対称性、誘電率、双極子モーメント等の観点から、(CHNH)PbI(メチルアンモニウム鉛ヨウ化物)等が好ましい。これらの他にも、例えば、(CHNH)PbBr(メチルアンモニウム鉛臭化物)、(CNH)PbBr(エチルアンモニウム鉛臭化物)、(CHNH)Pb(I1-zBr(0<z<1)、(CNH)Pb(I1-zBr(0<z<1)等も使用可能である。APbX(2+n)は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0035】
Rで示される炭化水素基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜8(特に1〜6)のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜8(特に2〜6)のアルケニル基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜20(特に6〜14)のアリール基等が挙げられ、低温(200℃以下)処理においても光電変換効率を向上させやすい観点から、アルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がさらに好ましい。
【0036】
その他にも、2価の炭化水素基として、例えばメチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8(特に1〜6)のアルキレン基;ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、ヘキセニレン基等の炭素数2〜8(特に2〜6)のアルケニレン基;フェニレン基、ナフチレン基等の炭素数6〜20(特に6〜14)のアリーレン基等が挙げられる。これらの中でも、2価の鎖式炭化水素基がより好ましく、炭素数1〜8アルキレン基がより好ましく、炭素数1〜6アルキレン基がさらに好ましい。アルキレン基は、直鎖状であることが好ましい。
【0037】
APbX(2+n)からなる層は、公知の方法に従って電子輸送層上に形成することができる。本発明の効果をより確実に発揮させるという観点からは、電子輸送層上のPbX層とAXとを接触させることにより、電子輸送層上にAPbX(2+n)からなる層を形成することが好ましい。
【0038】
PbX層は、公知の方法に従って電子輸送層上に形成することができる。例えば、PbXを含む溶液を、電子輸送層上に製膜し、乾燥させることによって形成することができる。この場合の製膜方法は特に制限されず、スピンコーティング、スクリーン印刷、ロールコーティング、ディップコーティング、スプレー、ナイフコーティング、バーコーティング、ダイコーティング、カーテンコーティング等が挙げられるが、膜厚、製膜性等の観点から、スピンコーティングが好ましい。なお、スピンコーティング法の条件は、所望の膜厚に応じて、適宜設定することができる。また、乾燥は、余分な溶媒を除去できる程度(例えば30〜200℃で5〜60分間)とすることが好ましい。
【0039】
電子輸送層上のAPbX(2+n)層とHOOCRNHとを接触させる態様は、該接触が可能である限り特に限定されない。例えば、電子輸送層上のAPbX(2+n)層を、HOOCRNHを含む溶液に浸漬する、或いはHOOCRNHを含む溶液を、電子輸送層上のAPbX(2+n)層に塗布することにより、簡便に接触させることができる。
【0040】
電子輸送層上のPbX層とAXとを接触させる態様は、該接触が可能である限り特に限定されない。例えば、電子輸送層上のPbX層を、Aを含む溶液に浸漬する、或いはAXを含む溶液を、電子輸送層上のPbX層に塗布することにより、簡便に接触させることができる。
【0041】
HOOCRNH、AX、又はPbXを含む溶液に使用される溶媒は、これらを溶解することができる限り特に制限はないが、極性溶媒が好ましく、具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、イソプロパノール、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、クロロベンゼン等が挙げられる。これらの中でも、PbXの溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミドが好ましく、HOOCRNH又はAXの溶媒としては、イソプロパノールが好ましい。
【0042】
電子輸送層上のAPbX(2+n)層とHOOCRNHとの接触条件は、特に制限はなく、例えば、温度は0〜80℃とすることができ、時間は0.01〜50秒とすることができる。
【0043】
電子輸送層上のPbX層とAXとの接触条件は、特に制限はなく、例えば、温度は0〜80℃とすることができ、時間は0.01〜50秒とすることができる。
【0044】
電子輸送層上のAPbX(2+n)層とHOOCRNHとの接触後は、APbX(2+n)層を上記の溶媒で洗浄することが好ましい。また、余分な溶媒が残っている場合は、これを除去できる程度(例えば30〜200℃で5〜60分間)に乾燥することが好ましい。
【0045】
電子輸送層上のPbX層とAXとの接触後は、PbX層を上記の溶媒で洗浄することが好ましい。また、余分な溶媒が残っている場合は、これを除去できる程度(例えば30〜200℃で5〜60分間)に乾燥することが好ましい。
【0046】
2.光電変換装置
本発明の光電変換装置は、上記「1.光吸収層の形成方法」で説明した方法により得られた光吸収層、及び該光吸収層の下に配置された電子輸送層を備える。これにより、簡便に高い光電変換効率を有する光電変換装置を実現することができる。
【0047】
<2−1.光吸収層>
光電変換装置における光吸収層は、上記「1.光吸収層の形成方法」で説明した方法により得られた光吸収層を含む層(好ましくは上記「1.光吸収層の形成方法」で説明した方法により得られた光吸収層をからなる層)であれば特に限定されないが、単層でも複層でもよい。
【0048】
上記「1.光吸収層の形成方法」で説明した方法により得られた光吸収層は、平均組成が(HOOCRNH1−xPbX(2+n)(但し、A、X、及びnは前記に同じであり、xは0<x≦1を満たす数を示す)である化合物からなることが好ましい。また、該化合物は、ペロブスカイト構造であることが好ましい。
【0049】
光吸収層の厚みは、過度に厚膜化すると欠陥や剥離による性能劣化が発生しやすいという観点から、0.5〜10000nmが好ましく、0.5〜10nmがより好ましい。光吸収層が複層の場合は、光吸収層の合計の厚みが上記範囲内であることが好ましい。
【0050】
<2−2.電子輸送層>
本発明の光電変換装置においては、上記光吸収層の下に、さらに透光性の電子輸送材料を含む電子輸送層が配置されている。
【0051】
電子輸送層は、上記光吸収層の下に備えられた多孔質電子輸送層、及び該多孔質電子輸送層の下に備えられた緻密電子輸送層からなることが好ましい。
【0052】
<2−2−1.多孔質電子輸送層>
多孔質電子輸送層は、多孔質構造を有している。多孔質構造とは、特に制限されるわけではないが、粒状体、線状体(線状体:針状、チューブ状、柱状等)等が集合して、全体として多孔質な性質を有していることが好ましい。また、細孔サイズはナノスケールであることが好ましい。多孔質構造を有することにより、ナノスケールであるため、光吸収層の活性表面積を著しく増加させ、光電変換効率を向上させるとともに、電子収集に優れる多孔質電子輸送層とすることができる。
【0053】
多孔質電子輸送層は、透光性の多孔質電子輸送材料を含む層(透光性の多孔質電子輸送材料からなる層)とすることが好ましい。透光性の多孔質電子輸送材料としては、特に制限されないが、具体的には、酸化チタン(TiO等)、酸化タングステン(WO、WO、W等)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb等)、酸化タンタル(Ta等)、酸化イットリウム(Y等)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO等)等の一種又は二種以上を採用できる。なお、半導体を使用する場合には、ドナーがドープされていてもよい。これにより、多孔質電子輸送層が、光吸収層に導入するための窓層となり、且つ、光吸収層から得られた電力をより効率よく取り出すことができる。透光性の多孔質電子輸送材料として酸化チタン(TiO等)を採用する場合には、結晶形態はアナターゼ型が好ましい。
【0054】
多孔質電子輸送層の厚みは、10〜2000nm程度が好ましく、20〜1500nm程度がより好ましい。電子輸送層の厚みを上記範囲内とすることにより、より確実に且つ、光吸収層からの電子を収集することができる。
【0055】
上記説明した多孔質電子輸送層を、例えばスクリーン印刷法等の非真空プロセスにより形成すれば、より簡便に本発明の光電変換装置を製造することが可能である。また、大面積化が容易で品質が安定するという利点も有する。
【0056】
<2−2−2.緻密電子輸送層>
緻密電子輸送層は、透光性の電子輸送材料を含む層(特に透光性の電子輸送材料をからなる層)とすることが好ましい。透光性の電子輸送材料としては、特に制限されないが、具体的には、酸化チタン(TiO等)、酸化タングステン(WO、WO、W等)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb等)、酸化タンタル(Ta等)、酸化イットリウム(Y等)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO等)等の一種又は二種以上を採用できる。なお、半導体を使用する場合には、ドナーがドープされていてもよい。これにより、多孔質電子輸送層からのリークをより抑制することができる。透光性の電子輸送材料として酸化チタン(TiO等)を採用する場合には、結晶形態はアナターゼ型が好ましい。
【0057】
緻密電子輸送層の厚みは、1〜100nm程度が好ましく、5〜50nm程度がより好ましい。電子輸送層の厚みを上記範囲内とすることにより、より確実にリーク電流を抑制することができる。
【0058】
上記説明した電子輸送層を、例えばスプレー法等の非真空プロセスにより形成すれば、より簡便に本発明の光電変換装置を製造することが可能である。また、大面積化が容易で品質が安定するという利点も有する。
【0059】
スプレー法で緻密電子輸送層を形成する場合には、噴霧表面が室温〜700℃程度、好ましくは300〜500℃程度に調整された基材(好ましくは後述の透光性導電層)に、所定の透光性の電子輸送材料を含む原料溶液を、空気中で噴霧することが好ましい。透光性の電子輸送材料として酸化チタン(TiO等)を使用する場合には、上記温度範囲内に調整することで、酸化チタン(TiO等)の結晶性を向上させ、絡電流密度Jsc及び開放電圧Vocを改善できるため、光電変換効率を向上させることができる。
【0060】
<2−3.第一電極層:透光性導電層>
本発明では、透光性導電層は、上記多孔質電子輸送層の下に形成されることが好ましい。なお、緻密電子輸送層を形成する場合には、透光性導電層は、緻密電子輸送層の下に形成されることが好ましい。
【0061】
透光性導電層は、例えば、透明導電性酸化物を含む層(特に透明導電性酸化物からなる層)とすることが好ましい。透明導電性酸化物としては、例えば、フッ素ドープ錫酸化物(FTO)、インジウム錫酸化物(ITO)、ガリウムドープ亜鉛酸化物(GZO)、アルミドープ亜鉛酸化物(AZO)、ニオブドープチタン酸化物(TNO)等の一種又は二種以上を採用できる。これにより、透光性導電層が、光吸収層に導入するための窓層となり、且つ、光吸収層から得られた電力を効率よく取り出すことができる。
【0062】
透光性導電層の厚みは、0.01〜10.0μm程度が好ましく、0.3〜1.0μm程度がより好ましい。透光性導電層の厚みを上記範囲内とすることにより、シート抵抗を低減し、結果として光電変換装置のシリーズ抵抗を低減できるため、フィルファクター特性を維持できる。
【0063】
<2−4.透光性基板>
本発明では、上記透光性基板は、上記透光性導電層の下に形成されることが好ましい。
【0064】
透光性基板としては、特に制限されないが、例えば、ガラス、プラスチック等から構成することが好ましい。これにより、光を光吸収層に導入するための窓層になり得る。
【0065】
透光性基板の厚みは、特に限定されないが、0.1〜5.0mm程度とすることが好ましい。
【0066】
例えば、インジウム錫酸化物(ITO)膜付きガラス、フッ素ドープ錫酸化物(FTO)膜付きガラス等の透明導電膜付き基板を、透光性基板及び透光性導電層とすることも可能である。
【0067】
<2−5.ホール輸送層>
本発明の光電変換装置において、光吸収層の上に、さらにホール輸送層を備えることが好ましい。
【0068】
ホール輸送層に使用される材料としては、例えば、有機ホール輸送材、CuSCN、セレン、ヨウ化銅(CuI)等の沃化物、層状コバルト酸化物等のコバルト錯体、酸化モリブデン(MoO等)、酸化ニッケル(NiO等)、4CuBr・3S(C)等が挙げられる。
【0069】
沃化物としては、例えば、ヨウ化銅(CuI)等が挙げられる。層状コバルト酸化物としては、例えば、ACoO(A=Li、Na、K、Ca、Sr,Ba;0≦X≦1)等が挙げられる。また、有機ホール輸送材としては、例えば、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体、2,2’,7,7’−テトラキス−(N,N−ジ−p−メトキシフェニルアミン)−9,9’−スピロビフルオレン(spiro−MeO−TAD)等のフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ジフェニルアミン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアニリン誘導体等が挙げられる。
【0070】
上記ホール輸送層の材料の中でも、より高い変換効率を発揮できるという観点から、有機ホール輸送材が好ましい。
【0071】
ホール輸送層においては、必要に応じて、上記材料と共に、適切な添加剤が加えられていてもよい。添加剤としては、例えば、テトラブチルピリジン、リチウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリス(2−(1H−ピラゾール−1−イル)−4−tert−ブチルピリジン)コバルト(III) ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド等が挙げられる。
【0072】
ホール輸送層の厚みは、特に制限されないが、0.01〜10μm程度が好ましい。
【0073】
上記したホール輸送層も、メッキ法、スプレー法、ディップ法(ホール輸送層を形成するための材料の溶液(溶媒はn−プロピルスルフィド等の有機溶媒)を滴下して表面を均す操作を繰り返す)等の非真空プロセスにより形成することが好ましい。
【0074】
<2−6.第二電極層>
本発明では、ホール輸送層の上に、第二電極層を備えることが好ましい。
【0075】
第二電極層を構成する材料としては、特に制限されないが、例えば、カーボン、金、白金、パラジウム、ロジウム、タングステン、モリブデン、タンタル、チタン、ニオビウム、インジウム錫酸化物、フッ素ドープ錫酸化物、アルミドープ亜鉛酸化物、及びガリウムドープ亜鉛酸化物等が好ましい。また、金、白金、パラジウム、ロジウム、タングステン、モリブデン、タンタル、チタン、ニオビウム等の金属の合金等も好ましく用いられる。
【0076】
第二電極層の厚みは、特に制限されないが、0.01〜2.0μm程度とすることが好ましい。
【0077】
3.光電変換装置の用途
本発明の光電変換装置を、発電手段として用い、発電手段の発電電力を負荷へ供給するように成した構成とすることで、様々な用途に適用可能である。具体的には、本発明の光電変換装置を、本発明の光電変換装置から出力された直流電流を交流電流に変換するインバータ装置、電気モーター、照明装置等の負荷等を有する構成の光電変換装置とすることができる。その用途としては、例えば、建築物の屋根、壁面等に設置される太陽電池等として使用することができる。
【実施例】
【0078】
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、本実施例において、スラッシュ(/)で区切られた構造は、その順に有することを意味しており、例えば、実施例1の< glass / F-doped SnO2 / bl-TiO2 / m-TiO2 / 光吸収層 / spiro-OMe-TAD / Au >構造は、glass、F-doped SnO2、bl-TiO2、m-TiO2、光吸収層、spiro-OMe-TAD、Auが下から順に層形成されていることを意味する。比較例1においても同様である。なお、bl-TiO2はTiO2の緻密層を示し、m-TiO2はmesoporous- TiO2(TiO2の多孔質層)を示す。
【0079】
実施例1
3次元太陽電池のセル構造として、< glass / F-doped SnO2 / bl-TiO2 / m-TiO2 / 光吸収層 / spiro-OMe-TAD / Au >構造の太陽電池を作製した。具体的には下記のとおりに行った。
【0080】
F-doped SnO2ガラス基板(FTO付きガラス基板)にbl-TiO2膜を大気中、500℃のホットプレート上でスプレー熱分解法(SPD法)により製膜し約30 mの膜を得た。さらに、室温で、この膜上に、スピンコート法によりm-TiO2膜を約50-200 m製
膜し、大気中500 ℃で30分間焼成することで、3次元チタニア電極を得た。
【0081】
室温にて、この電極のm-TiO2の上に、PbI2のDMF(N,N-dimethylformamide)溶液(1.2 M)をスピンコーティング(6500 rpm、30秒間)することにより製膜し、70℃で30分間加熱乾燥し、m-TiO2上にPbI2が製膜された3次元チタニア電極(m-TiO2 / PbI2 - 3次元チタニア電極)を得た。m-TiO2 / PbI2 - 3次元チタニア電極を、CH3NH3Iのイソプロパノール溶液(10 mg/mL)に、室温にて30秒間浸漬させた後、その後直ちにイソプロパノールで洗浄し、スピンコート(4000 rpm、8秒間)で余分な液を除去した。これを50℃で15分間加熱乾燥し、m-TiO2上にCH3NH3PbI3が製膜された3次元チタニア電極(m-TiO2 / (CH3NH3)PbI3 - 3次元チタニア電極)を得た。m-TiO2 / (CH3NH3)PbI3 - 3次元チタニア電極を、5-アミノ吉草酸(NH2(CH2)4COOH)のイソプロパノール溶液(0.5 mg/ml)に、室温にて5秒間浸漬させた後、その後直ちにイソプロパノールで洗浄し、スピンコート(4000 rpm、8秒間)で余分な溶媒を除去した。これを50℃で45分間加熱乾燥し、m-TiO2上に光吸収層が製膜された3次元チタニア電極(m-TiO2 /光吸収層 - 3次元チタニア電極)を得た。
【0082】
m-TiO2 /光吸収層 - 3次元チタニア電極の光吸収層の上に、spiro-OMe-TADのクロロベンゼン溶液(72.25 mg/mL)をスピンコーティング(4000 rpm、30秒間)することにより製膜し、ホール輸送層(spiro-OMe-TAD層)を製膜した。さらに、この上に、Au背面電極(第二電極層)を蒸着法により製膜し目的の太陽電池を得た。
【0083】
比較例1
3次元太陽電池のセル構造として、< glass / F-doped SnO2 / bl-TiO2 / m-TiO2 / 光吸収層 / spiro-OMe-TAD / Au >構造の太陽電池を、実施例1とは異なる方法により作製した。具体的には下記のとおりに行った。
【0084】
丸底フラスコ中、ヨウ化水素酸(HI)(ヨウ化水素の水溶液)と5-アミノ吉草酸(NH2(CH2)4COOH)とを1:1モル比で混合し、2時間氷冷した。ロータリーエバポレータで溶媒を溜去した後、沈殿をジエチルエーテルで3回洗浄した。この沈殿を一昼夜真空乾燥し、HOOC(CH 2)4NH3Iを得た。
【0085】
一方で、CH3NH3I(0.395g)とPbI2(1.146g)を2 ml DMFに溶かして、60℃で20分撹拌し、(CH3NH3)PbI3前駆体のDMF溶液を得た。ここに、予め調整したHOOC(CH 2)4NH3I(0.030g)を加え、60℃で20分撹拌することで、(HOOC(CH2)4NH3)y (CH3NH3) 1-y PbI 3前駆体(但し、yは0<y≦1を満たす数を示す)のDMF溶液を得た。
【0086】
F-doped SnO2ガラス基板(FTO付きガラス基板)にbl-TiO2膜を大気中、500℃のホットプレート上でスプレー熱分解法(SPD法)により製膜し約30 nmの膜を得た。さらに、室温で、この膜上に、スピンコート法によりm-TiO2膜を約50-200nm製
膜し、大気中500 ℃で30分間焼成することで、3次元チタニア電極を得た。
【0087】
室温にて、この電極のm-TiO2の上に、(HOOC(CH 2)4NH3) y (CH3NH3) 1-yPbI 3前駆体のDMF溶液をスピンコーティング(6500 rpm、30秒間)することにより製膜し、70℃で30分間加熱乾燥し、m-TiO2上に光吸収層が製膜された3次元チタニア電極(m-TiO2 /光吸収層 - 3次元チタニア電極)を得た。
【0088】
m-TiO2 /光吸収層 - 3次元チタニア電極の光吸収層の上に、spiro-OMe-TADのクロロベンゼン溶液(72.25 mg/mL)をスピンコーティング(4000 rpm、30秒間)することにより製膜し、ホール輸送層(spiro-OMe-TAD層)を製膜した。さらに、この上に、Au背面電極(第二電極層)を蒸着法により製膜し目的の太陽電池を得た。
【0089】
試験例
実施例1及び比較例1の太陽電池について、AM1.5のソーラーシミュレータの光(100mW/cm−2)を照射し、光電特性の測定を行った。結果を表1に示す。
【0090】
【表1】