特許第6538127号(P6538127)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6538127
(24)【登録日】2019年6月14日
(45)【発行日】2019年7月3日
(54)【発明の名称】有機エレクトロルミネッセンス素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 51/50 20060101AFI20190625BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20190625BHJP
   C08F 12/32 20060101ALI20190625BHJP
   C08G 61/02 20060101ALI20190625BHJP
【FI】
   H05B33/14 B
   C09K11/06 680
   C08F12/32
   C08G61/02
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】91
(21)【出願番号】特願2017-150820(P2017-150820)
(22)【出願日】2017年8月3日
(62)【分割の表示】特願2013-545076(P2013-545076)の分割
【原出願日】2011年11月24日
(65)【公開番号】特開2017-224836(P2017-224836A)
(43)【公開日】2017年12月21日
【審査請求日】2017年8月30日
(31)【優先権主張番号】102010055901.6
(32)【優先日】2010年12月23日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】597035528
【氏名又は名称】メルク パテント ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】ジュンヨウ・パン
(72)【発明者】
【氏名】ニルス・シュルテ
(72)【発明者】
【氏名】ヨアヒム・カイザー
(72)【発明者】
【氏名】ヘルビク・ブショルツ
(72)【発明者】
【氏名】スザンネ・ホイン
【審査官】 岩井 好子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−015508(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/065515(WO,A1)
【文献】 特表2012−510541(JP,A)
【文献】 特表2007−508696(JP,A)
【文献】 特開2005−105252(JP,A)
【文献】 特開2007−070619(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0283038(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0153021(US,A1)
【文献】 特表2014−506003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/50
C09K 11/06
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1種のリン光性エミッター単位を含有し、4000g/mol以下の分子量を有する小分子である化合物A、および
(b)少なくとも1種の放出単位を含有する非共役ポリマーもしくはデンドリマーである化合物Bであって、
下記の式(297)
【化1】
に一致し、式中、Eは放出単位であり、FGは、ホストもしくはマトリックス材料単位、電荷輸送単位および電子輸送単位から選択される官能基であり、xはゼロより大きく、かつx+yは1に等しく、式(297)の種々の繰り返し単位における基FGは、異なる意味を有し、FGは以下の式(18)〜(21)
【化2】
のビニル基含有モノマーから用いられるか、
あるいは、化合物BはポリマーP10、P11、P12、P14、P15、P16、P17、P18、P19またはP20であり、これらの各ポリマーは以下のモノマーの組成を有し、
【表1】
ここで、モノマーS1〜S9は以下の通りである
【表2】

混合物。
【請求項2】
化合物Bの放出単位の少なくとも1種は蛍光エミッター単位である、請求項1に記載の混合物。
【請求項3】
化合物Bの放出単位の少なくとも1種はリン光性エミッター単位である、請求項1に記載の混合物。
【請求項4】
前記リン光性エミッター単位は金属−リガンド配位化合物を含む単位である、請求項3に記載の混合物。
【請求項5】
主鎖骨格が、化合物Aのリン光性エミッター単位および化合物Bのエミッター単位の三重項準位よりも高いエネルギーを有する三重項準位を有する、請求項1に記載の混合物。
【請求項6】
化合物A及びBの一方の放出バンドの最大値が、他方の化合物の放出バンドの最大値よりも短い波長である、請求項1に記載の混合物。
【請求項7】
化合物Aの放出バンドが、化合物Bの吸収バンドの波長範囲と重複する波長範囲内である、請求項1に記載の混合物。
【請求項8】
化合物Aの放出バンドの最大値は緑色光の波長領域内であり、化合物Bの放出バンドの最大値は赤色光の波長領域内である、請求項1に記載の混合物。
【請求項9】
電子デバイスにおける請求項1に記載の混合物の使用。
【請求項10】
請求項1に記載の混合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項11】
有機発光素子(OLED)、有機発光電気化学電池(OLEC)、有機発光トランジスタ(OLET)、有機集積回路(O−lC)、有機電界効果トランジスタ(O−FET)、有機薄膜トランジスタ(O−TFT)、有機太陽電池(O−SC)、色素増感有機太陽電池(DSSC)、有機光学検波器、有機感光体、有機電場消光素子(O−FQD)、有機レーザーダイオード(O−レーザー)及び「有機プラズモン放出素子」からなる群から選択される請求項10に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項12】
有機発光素子または有機発光電気化学電池から選択される請求項10または11に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項13】
請求項1に記載の混合物、及び、少なくとも1種の溶剤を含有する配合物。
【請求項14】
溶液、分散液又はエマルジョンの形態の請求項13に記載の配合物。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、それぞれがエミッター単位を含有する2つの異なる化合物AおよびBを含み、化合物の少なくとも一方がポリマーである、混合物に関する。本発明は、ポリマービルディングブロックとして共有結合している2つの放出単位を含有する非共役ポリマーまたはデンドリマー、電子素子における混合物、ポリマーまたはデンドリマーの使用、混合物、ポリマーまたはデンドリマーを含む電子素子、および溶剤中に混合物、ポリマーまたはデンドリマーを含む配合物にさらに関する。
【0002】
有機、有機金属および/または高分子半導体を含む電子素子は、市販製品においてこれまで以上に頻繁に使用されてきている、または市場にまさに導入されようとしている。ここで言及されてもよい例は、写真複写機における有機ベースの電荷輸送材料(概してトリアリールアミンベースの正孔輸送体)および表示素子における有機もしくは高分子発光ダイオード(OLEDもしくはPLED)、または複写機における有機感光体である。有機太陽電池(O−SC)、有機電界効果トランジスタ(O−FET)、有機薄膜トランジスタ(O−TFT)、有機集積回路(O−IC)、有機光学増幅器または有機レーザーダイオード(O−レーザー)も開発の進行段階にあり、将来の主な重要性を実現する可能性がある。
【0003】
これらの電子および光電子素子の多くは、特定の用途にかかわりなく、下記の一般的な層構造を有し、これは、特定の用途に適合され得る:(1)基板、(2)電極、高頻度で金属または無機であるが、有機または高分子伝導性材料から作られることもある、(3)電極のムラの補正のための電荷注入層または中間層(「平坦化層」)、高頻度で伝導性ドープポリマーから作られる、(4)有機半導体、(5)場合によりさらなる電荷輸送または電荷注入または電荷ブロッキング層、(6)対電極、(2)で言及された材料、(7)封入。
【0004】
上記の配置は、光電子素子の一般的構造を表し、ここで、種々の層を組み合わせることができるため、最も簡単な事例においては、間に有機層が位置する2つの電極を含む配置が生じる。この事例における有機層は、光の放出を含むすべての機能を果たす。この種類のシステムは、たとえば、ポリ(p−フェニレン)に基づくWO90/13148A1において記述されている。
【0005】
しかしながら、この種類の「三層システム」において起こる問題は、それらの特性について異なる層において個々の構成要素を最適化できないことであり、たとえば、多層構造によるSMOLED(「小分子OLED」)の事例においては簡単に解決されるようなものである。「小分子OLED」は、たとえば、1つ以上の有機正孔注入層、正孔輸送層、放出層、電子輸送層および電子注入層、ならびにアノードおよびカソードからなり、ここで、システム全体は、通常、ガラス基板上に位置する。この種類の多層構造の利点は、電荷注入、電荷輸送および放出の種々の機能を種々の層に分割することができ、故にそれぞれの層の特性を別個に修正できることにある。
【0006】
SMOLED素子における層は、通常、真空チャンバーにおける気相蒸着によって適用される。しかしながら、このプロセスは複雑であり、故に高価であり、かつ、特に巨大分子、たとえばポリマーなどに不適切であるだけでなく、多くの小分子にも不適切であり、これらは気相蒸着条件下では高頻度で分解する。
【0007】
溶液からの層の適用はしたがって有利であり、この場合、小分子とオリゴマーまたはポリマーの両方を、溶液から加工することができる。
【0008】
Nature(London)(1998)、395、151頁におけるForrestによる最初の報告以来、この10年の間に、SMOLEDにおけるリン光について性能の大幅な増加が起こった。特に、いわゆる「二重ドーピング」アプローチは、赤色リン光性OLEDの総合的性能を改善する非常に有望な手法である。故に、たとえば、Stephen R.Forrestら、J.Appl.Phys.(02)、92、87頁は、ホスト化合物としてのポリ(9−ビニルカルバゾール)(PVK)が1つ以上のリン光性シクロメタル化Ir(III)錯体でドープされている、効率的なポリマー(PHOLED)について報告している。
【0009】
US2002125818は、2つの異なるリン光性化合物でドープされた電子または正孔輸送ホストを既に公開している。US20070247061A1は、2つのリン光性化合物でドープされたホストを開示しており、ここで、少なくとも10cd/m2の光束密度が第二の化合物を含むOLEDから少なくとも95パーセントの放出効率で生成される少なくとも1つの電圧がある。
【0010】
いわゆる「二重ドーピング」に関する開示のほとんどは、気相蒸着によって適用され得るSMOLEDまたは溶液から加工されるPVK(ポリビニルカルバゾール)のいずれかに基づくものであり、ここで、少なくとも3つのコンポーネントが放出層中に存在する(2つの相互作用するエミッター化合物およびマトリックス材料(ホスト))。ここで起こる問題は、一方では、PVKが使用される素子の比較的短い寿命であり、他方では、3つのコンポーネントの使用または所望の溶液ベースの大量生産用の混合物の使用において、コンポーネントの相分離が発生し、これが所望のエネルギー伝達を損なう(フェルスターまたはデクスター機構によって)という事実である。
【0011】
溶液ベースのSMOLEDの事例におけるさらなる主な問題は、膜形成である。使用される材料は、高頻度で溶剤に極めて容易に可溶であり、たとえばインクジェット印刷によって基板に適用され得る。しかしながら、多くの材料は、溶剤中の小分子の高移動度によって引き起こされる良好な膜形成特性を呈さない。
【0012】
したがって、本発明の目的は、2つのエミッター分子をいずれも含有し、エネルギー伝達を効率的に確保することができ、故に放出効率を増加させることができ、同時に、溶液から加工される生成プロセスのためのコンポーネントのより良好な溶解度およびより良好な膜形成特性を実現することもできる、新規混合物および新規ポリマーまたはデンドリマーの提供にあった。
【0013】
本発明における用語「エネルギー伝達」は、たとえば、フェルスター(T.Forster、「Zwischenmolekulare Energiewanderung und Fluoreszenz」[Intermolecular Energy Migration and Fluorescence]、Ann.Physic.(1948)、437、55を参照)またはデクスター(D.L.Dexter、J.Chem.Phys.、(1953)21、836を参照)によって記述されている通り、エネルギーが励起された色素(ドナー)から第二の色素(アクセプター)へ放射線なしに伝達される物理的プロセスを意味すると解される。
【0014】
前記目的は、下記:(a)少なくとも1種のリン光性エミッター単位を含有する、または少なくとも1種のリン光性単位からなる化合物A、および(b)少なくとも1種の放出単位を含有する、または放出単位からなる化合物Bを含み、2つの化合物AおよびBの少なくとも一方が、ポリマーまたはデンドリマーである、混合物の提供によって実現された。
【0015】
化合物AおよびBは、好ましくは、異なる放出バンドを有する。
【0016】
本発明における放出単位は、蛍光エミッター単位またはリン光性エミッター単位のいずれかを意味すると解される。
【0017】
本発明の意味での蛍光エミッター単位は、一般的な用語で、好ましくは可視領域において、励起一重項状態から光を放出する単位である。
【0018】
リン光性エミッターは、概して、比較的高いスピン多重度、すなわち1より大きいスピン状態を有する励起状態から、たとえば、励起三重項状態(三重項エミッター)から、MLCT混合状態または五重項状態(五重項エミッター)からルミネッセンスを呈する単位を意味すると解される。適切なリン光性エミッター単位は、特に、好ましくは可視領域において、適切な励起で光を放出し、加えて、38より大きく84より小さい原子番号、特に好ましくは56より大きく80より小さい原子番号を有する少なくとも1個の原子を含有する化合物である。好ましいリン光エミッターは、銅、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金、銀、金またはユーロピウムを含有する化合物、特に、イリジウム、白金または銅を含有する化合物である。上述したエミッターの例は、出願WO00/7065、WO01/41512、WO2002/02714、WO2002/15645、EP1191613、EP1191612、EP1191614、WO2005/033244によって明かされている。概して、リン光性OLEDのための先行技術に従って使用される、および有機エレクトロルミネッセンスの分野における当業者に知られているすべてのリン光性錯体が適切である。
【0019】
本出願において、用語ポリマーは、高分子化合物とオリゴマー化合物の両方を意味すると解される。本発明による高分子化合物は、好ましくは10〜10000個、特に好ましくは20〜5000個、特に50〜2000個の繰り返し単位を有する。本発明によるオリゴマー化合物は、好ましくは3〜9個の構造単位を有する。本明細書におけるポリマーの分枝因子は、0(線状ポリマー、分枝点なし)乃至1(完全分枝デンドリマー)である。
【0020】
本出願における用語「デンドリマー」は、多機能の中心(コア)から構築され、これに分枝モノマーが正規構造で結合されて樹状構造を得る、高度分枝化合物を意味すると解されるように意図されている。中心およびさらにモノマーの両方は、純粋に有機の単位と有機金属化合物または配位化合物の両方からなる本明細書における任意の所望の分枝構造を採用することができる。本明細書における「デンドリマー」は、概して、たとえば、M.FischerおよびF.Vogtle(Angew.Chem.,Int.編、1999、38、885)によって記述されている通りに理解されるように意図されている。
【0021】
本発明において、化合物Aのリン光性エミッター単位または化合物Bのエミッター単位のいずれかは、ドナーとしての役割を果たすことができ、それぞれの他の単位は、前記エネルギー伝達の意味でアクセプターとしての役割を果たすことができる。本発明に従って、より短い波長で放出するエミッター単位をドナーと称し、より長い波長で放出するエミッター単位をアクセプターと称する。
【0022】
本発明による混合物のポリマーまたはデンドリマーは、好ましくは、ホスト材料の群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含有する。
【0023】
本出願における繰り返し単位は、ポリマーを得るための重合に用いたモノマーを起源とするポリマー中の単位を意味すると解される。
【0024】
本発明におけるホスト材料は、電子素子の放出層においてドーパントのためのマトリックス材料としての役割を果たす材料を意味すると解され、これは好ましくは、前記ポリマーを表さない化合物AまたはBの1つである。
【0025】
電子素子において適切なマトリックス材料は、当業者に知られており、本発明の目的として使用され得る。本発明において、これらは繰り返し単位の形態である、すなわち、マトリックス材料として適切なすべての化合物が、各事例においてポリマーのさらなる繰り返し単位との2つの結合を有する二価化合物である。これらの化合物の2個の水素原子のいずれかが存在しておらず、かつさらなる繰り返し単位との結合はこの位置において出現する(マトリックス化合物はポリマー骨格の一部である)か、またはこれらの化合物の1個の水素原子が存在しておらず、かつビニル基を含有するラジカルが、重合に用いたモノマー中のこの位置に位置するため、ポリマーはポリビニルポリマー(ポリマーの側鎖中のマトリックス化合物)である。第一の事例において、重合は、好ましくは、鈴木カップリング、ブッフバルトカップリング、山本カップリングによって、第二の事例において、好ましくは、ビニル単位の酸またはフリーラジカル誘発性連鎖反応によって発生する。
【0026】
本発明による混合物中に存在するポリマーのための、電子素子において適切なマトリックス材料は、たとえば、CBP(N,N−ビスカルバゾリビフェニル)、カルバゾール誘導体(たとえば、WO2005/039246、US2005/0069729、JP2004/288381、EP1205527またはWO2008/086851に従って)、アザカルバゾール(たとえば、EP1617710、EP1617711、EP1731584、JP2005/347160に従って)、ケトン(たとえば、WO2004/093207に従って、またはDE102008033943に従って)、ホスフィンオキシド、スルホキシドおよびスルホン(たとえば、WO2005/003253に従って)、オリゴフェニレン、芳香族アミン(たとえば、US2005/0069729に従って)、双極性マトリックス材料(たとえば、WO2007/137725に従って)、シラン(たとえば、WO2005/111172に従って)、9,9−ジアリールフルオレン誘導体(たとえば、DE102008017591に従って)、アザボロールまたはボロン酸エステル(たとえば、WO2006/117052に従って)、トリアジン誘導体(たとえば、DE102008036982に従って)、インドロカルバゾール誘導体(たとえば、WO2007/063754またはWO2008/056746に従って)、インデノカルバゾール誘導体(たとえば、未公開出願DE102009023155.2およびDE102009031021.5に従って)、ジアザホスホール誘導体(たとえば、未公開出願DE102009022858.6に従って)、トリアゾール誘導体、オキサゾールおよびオキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、フェニレンジアミン誘導体、第三級芳香族アミン、スチリルアミン、アミノ置換カルコン誘導体、インドール、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族ジメチリデン化合物、カルボジイミド誘導体、8−ヒドロキシキノリン誘導体の金属錯体、たとえば、AlQ3であり、8−ヒドロキシキノリン錯体は、トリアリールアミノフェノールリガンド(US2007/0134514A1)、金属錯体ポリシラン化合物、ならびにチオフェン、ベンゾチオフェンおよびジベンゾチオフェン誘導体を含有していてもよい。
【0027】
本発明による混合物のポリマーが、繰り返し単位、特に後述する電子輸送材料および正孔輸送材料の繰り返し単位として、上記で言及したマトリックス材料の2つ以上を含有することがさらに好ましい。
【0028】
好ましいカルバゾール誘導体の例は、mCP(=1,3−N,N−ジカルバゾールベンゼン(=9,9’−(1,3−フェニレン)ビス−9H−カルバゾール)、式(116)、US2005/0249976)、CDBP(=9,9’−(2,2’−ジメチル[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイル)ビス−9H−カルバゾール)、1,3−ビス(N,N’−ジカルバゾール)ベンゼン(=1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン)、3,5−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル、および以下で示す式(1)〜(5)を有するさらなる化合物である(US2007/0128467、US2007/0128467も参照)。
【化1-1】
【化1-2】
【0029】
本発明の意味でさらに好ましいマトリックス材料は、たとえば、US004/209115、US2004/0209116、US2007/0087219、US2007/0087219、およびH.Gilman、E.A.Zuech、Chemistry&Industry(London、United Kingdom)、1960、120において開示されているSiテトラアリール化合物であり、本明細書においては、式(6)〜(13)の化合物が特に好ましい。
【化2】
【0030】
リン光性ドーパントに特に好ましいマトリックス材料は、EP652273、DE102009022858.6、DE102009023155.2、WO2007/063754およびWO2008/056746中の化合物であり、特に、式(14)〜(17)の化合物である。
【化3】
【0031】
上記で言及した通り、マトリックス材料は本発明による混合物のポリマー中に繰り返し単位として存在するため、前記化合物は、2つの水素原子が存在せず、ポリマーのさらなる繰り返し単位との結合がこれらの位置のそれぞれにおいて存在する、二価の単位である。
【0032】
さらに、本発明に従って、下記のビニル基含有モノマーが、本発明による混合物のポリマーを得るための重合に用いられることが好ましい。
【化4】
【0033】
さらに、本発明に従って、下記のモノマーが、本発明による混合物のポリマーを得るための鈴木重合に用いられることが好ましい。
【化5-1】
【化5-2】
【0034】
本発明の一態様において、本発明による混合物の化合物Bの少なくとも1種の放出単位は、蛍光エミッター単位である。蛍光エミッター単位は、下記の化合物:5〜60個の芳香族環原子を有する単もしくは多環式芳香族もしくはヘテロ芳香族環系、またはトラン、スチルベンもしくはビススチリルアリーレン誘導体も包含し、そのそれぞれは、1つ以上のラジカルRにより置換されていてもよい。本明細書においては、1,4−フェニレン、1,4−ナフチレン、1,4−もしくは9,10−アントリレン、1,6−、2,7−もしくは4,9−ピレニレン、3,9−もしくは3,10−ペリレニレン、4,4’−ビフェニリレン、4,4’’−テルフェニリレン、4,4’−ビ−1,1’−ナフチリレン、4,4’−トラニレン、4,4’−スチルベニレン、4,4’’−ビススチリルアリーレン、ベンゾチアジアゾールおよび対応する酸素誘導体、キノキサリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、ビス(チオフェニル)アリーレン、オリゴ(チオフェニレン)、フェナジン、ルブレン、ペンタセンもしくはペリレン誘導体(これは、好ましくは置換されているか、または好ましくは共役プッシュ−プル系(ドナーおよびアクセプター置換基により置換されている系)である)、または系、たとえばスクアリンもしくはキナクリドン(これは、好ましくは置換されている)の組み込みが特に好ましい。
【0035】
さらに、蛍光エミッター単位が、アリールアミン、インデノフルオレンアミン、インデノフルオレンジアミンおよびそれらの誘導体からなる群から選択されることが好ましい。
【0036】
原則として、有機発光ダイオードまたは有機発光電気化学電池の分野の当業者に知られている任意の有機蛍光エミッター化合物は、本発明に従って、化合物Bの放出単位として用いられ得る。
【0037】
蛍光エミッター単位は、好ましくは、下記:スチリルアミン誘導体、インデノフルオレン誘導体、多環芳香族化合物、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、キサンテン誘導体、ペリレン誘導体、フェニレン誘導体、フルオレン誘導体、アリールピレン誘導体、アリーレンビニレン誘導体、ルブレン誘導体、クマリン誘導体、ローダミン誘導体、キナクリドン誘導体、ジシアノメチレンピラン誘導体、チオピラン、ポリメチン誘導体、ピリリウムおよびチアピリリウム塩、ペリフランテン誘導体、インデノペリレン誘導体、ビス(アジニル)イミンホウ素化合物、ビス(アジニル)メチン化合物、カルボスチリル化合物、モノスチリルアミン、ジスチリルアミン、トリスチリルアミン、テトラスチリルアミン、スチリルホスフィン、スチリルエーテル、アリールアミン、インデノフルオレンアミンおよびインデノフルオレンジアミン、ベンゾインデノフルオレンアミン、ベンゾインデノフルオレンジアミン、ジベンゾインデノフルオレンアミン、ジベンゾインデノフルオレンジアミン、置換または無置換のトリスチルベンアミン、ジスチリルベンゼンおよびジスチリルビフェニル誘導体、トリアリールアミン、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、フルオレン誘導体、ペリフランテン誘導体、インデノペリレン誘導体、フェナントレン誘導体、ペリレン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、デカシクレン誘導体、コロネン誘導体、テトラフェニルシクロペンタジエン誘導体、ペンタフェニルシクロペンタジエン誘導体、フルオレン誘導体、スピロフルオレン誘導体、ピラン誘導体、オキサゾン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ピラジン誘導体、桂皮酸エステル、ジケトピロロピロール誘導体、ならびにアクリドン誘導体から選択される。
【0038】
青色蛍光エミッター単位は、好ましくは、多環芳香族化合物、たとえば、9,10−ジ(2−ナフチルアントラセン)および他のアントラセン誘導体、テトラセンの誘導体、キサンテン、ペリレン、たとえば、2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン、フェニレン、たとえば、4,4’−(ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)−1,1’−ビフェニル、フルオレン、アリールピレン(US2006/0222886)、アリーレンビニレン(US5121029、US5130603)、ルブレンの誘導体、クマリン、ローダミン、キナクリドン、たとえば、N,N’−ジメチルキナクリドン(DMQA)、ジシアノメチレンピラン、たとえば、4(ジシアノエチレン)−6−(4−ジメチルアミノスチリル−2−メチル)−4H−ピラン(DCM)、チオピラン、ポリメチン、ピリリウムおよびチアピリリウム塩、ペリフランテン、インデノペリレン、ビス(アジニル)イミンホウ素化合物(US2007/0092753A1)、ビス(アジニル)メテン化合物ならびにカルボスチリル化合物であってよい。
【0039】
さらに好ましい青色蛍光エミッター単位は、C.H.Chenら、「Recent developments in organic electroluminescent materials」Macromol.Symp.125、(1997)、1〜48、ならびに「Recent progress of molecular organic electroluminescent materials and devices」Mat.Sci.およびEng.R、39(2002)、143〜222において記述されているものであってよい。
【0040】
本明細書におけるモノスチリルアミンは、1個の置換または無置換のスチリル基、および少なくとも1種の、好ましくは芳香族のアミンを含有する化合物である。ジスチリルアミンは、好ましくは、2個の置換または無置換のスチリル基、および少なくとも1つの、好ましくは芳香族のアミンを含有する化合物である。トリスチリルアミンは、好ましくは、3個の置換または無置換のスチリル基、および少なくとも1つの、好ましくは芳香族のアミンを含有する化合物である。テトラスチリルアミンは、好ましくは、4個の置換または無置換のスチリル基、および少なくとも1つの、好ましくは芳香族のアミンを含有する化合物である。本発明に従って用いることができる、対応するホスフィンおよびエーテルは、アミンと類似して定義される。本発明の目的のために、アリールアミンまたは芳香族アミンは、窒素原子と直接結合した3つの置換または無置換の芳香族またはヘテロ芳香族環系を含有する化合物を表す。これらの芳香族またはヘテロ芳香族環系の少なくとも1つは、縮合環であってよい。それらの好ましい例は、芳香族アントラセンアミン、芳香族アントラセンジアミン、芳香族ピレンアミン、芳香族ピレンジアミン、芳香族クリセンアミンおよび芳香族クリセンジアミンである。芳香族アントラセンアミンは、1個のジアリールアミン基がアントラセン基と、好ましくは9位で直接結合している化合物であってよい。芳香族アントラセンジアミンは、2個のジアリールアミン基がアントラセン基と、好ましくは9および10位で直接結合している化合物であってよい。芳香族ピレンアミン、ピレンジアミン、クリセンアミンおよびクリセンジアミンは、それと類似して定義され、その中で、ピレン上のジアリールアミン基は、好ましくは1位で、または1および6位で結合している。
【0041】
さらに好ましい蛍光エミッター単位は、インデノフルオレンアミンおよびインデノフルオレンジアミン(たとえば、WO2006/122630に従って)、ベンゾインデノフルオレンアミンおよびベンゾインデノフルオレンジアミン(たとえば、WO2008/006449に従って)、ならびにジベンゾインデノフルオレンアミンおよびジベンゾインデノフルオレンジアミン(たとえば、WO2007/140847に従って)である。
【0042】
本発明に従って用いられ得るスチリルアミンのクラスのさらなる蛍光エミッター単位の例は、置換もしくは無置換のトリスチルベンアミン、またはWO2006/000388、WO2006/058737、WO2006/000389、WO2007/065549およびWO2007/115610において記述されているものである。ジスチリルベンゼンおよびジスチリルビフェニル誘導体は、US5121029において記述されている。さらなるスチリルアミンは、US2007/0122656A1において見ることができる。特に好ましいスチリルアミンおよびトリアリールアミンは、式53〜58の化合物、ならびにUS7250532B2、DE102005058557A1、CN1583691A、JP08053397A、US6251531B1およびUS2006/210830Aにおいて開示されているものである。
【化6】
【0043】
さらに好ましい蛍光エミッター単位は、EP1957606A1およびUS2008/0113101A1において開示されている通り、トリアリールアミンの群から選びとることができる。
【0044】
さらに好ましい蛍光エミッター単位は、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、フルオレン、ペリフランテン、インデノペリレン、フェナントレン、ペリレン(US2007/0252517A1)、ピレン、クリセン、デカシクレン、コロネン、テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、フルオレン、スピロフルオレン、ルブレン、クマリン(US4769292、US6020078、US2007/0252517A1)、ピラン、オキサゾン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、ピラジン、桂皮酸エステル、ジケトピロロピロール、アクリドンおよびキナクリドン(US2007/0252517A1)の誘導体から選択され得る。
【0045】
アントラセン化合物の中でも、9,10−置換アントラセン、たとえば、9,10−ジフェニルアントラセンおよび9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセンが好ましい。1,4−ビス(9’−エチニルアントラセニル)ベンゼンも蛍光エミッター化合物として好ましい場合がある。
【0046】
適切な蛍光エミッター単位は、さらに、下記の表において示されている構造、ならびにJP06/001973、WO2004/047499、WO2006/098080、WO2007/065678、US2005/0260442およびWO2004/092111において開示されている構造である。
【化7-1】
【化7-2】
【化7-3】
【化7-4】
【化7-5】
【0047】
化合物Bがポリマーまたはデンドリマーであれば、蛍光エミッター単位は、ポリマーの主骨格中または側鎖中に存在していてもよい。主骨格の構成要素として存在するのであれば、本出願において言及されている蛍光エミッター単位/化合物の2個の水素原子は存在せず、かつポリマーのさらなる繰り返し単位との結合はこれらの位置において出現する。側鎖中に存在するのであれば、単位/化合物の1個の水素原子は存在せず、かつ単位/化合物はこの位置を介してポリマーと結合している。
【0048】
化合物Bがポリマーでないならば、好ましくは、本出願において言及されている蛍光エミッター単位/化合物の1つからなる。
【0049】
本発明の代替的な態様において、本発明による混合物の化合物Bの少なくとも1種の放出単位は、リン光性エミッター単位である。化合物Bのリン光性エミッター単位は、好ましくは、金属−リガンド配位化合物を含むまたはそれからなる単位(金属−リガンド配位化合物単位)である。
【0050】
金属−リガンド配位化合物の金属は、好ましくは、遷移金属、主族金属、ランタノイドまたはアクチノイドである。金属が主族金属であるならば、好ましくは、第三、第四または第五主属の金属、特にスズである。金属が遷移金属であるならば、好ましくは、Ir、Ru、Os、Pt、Zn、Mo、W、RhおよびPdである。Euがランタノイドとして好ましい。
【0051】
金属が遷移金属、特に、四配位、五配位または六配位遷移金属である、特に好ましくは、クロム、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀および金、特に、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅および金からなる群から選択される、金属−リガンド配位化合物が好ましい。特に、イリジウムおよび白金が非常に好ましい。本明細書における金属は、種々の酸化状態であり得る。上記で言及した金属は、好ましくは、酸化状態Cr(0)、Cr(II)、Cr(III)、Cr(IV)、Cr(VI)、Mo(0)、Mo(II)、Mo(III)、Mo(IV)、Mo(VI)、W(0)、W(II)、W(III)、W(IV)、W(VI)、Re(I)、Re(II)、Re(III)、Re(IV)、Ru(II)、Ru(III)、Os(II)、Os(III)、Os(IV)、Rh(I)、Rh(III)、Ir(I)、Ir(III)、Ir(IV)、Ni(0)、Ni(II)、Ni(IV)、Pd(II)、Pt(II)、Pt(IV)、Cu(I)、Cu(II)、Cu(III)、Ag(I)、Ag(II)、Au(I)、Au(III)およびAu(V)であり;特に、Mo(0)、W(0)、Re(I)、Ru(II)、Os(II)、Rh(III)、Ir(III)、Pt(II)およびCu(I)、特にIr(III)およびPt(II)が非常に好ましい。
【0052】
本発明の好ましい態様において、金属は、1、2、3または4個のリガンドを有する四配位金属である。このように、リガンドは、単、二、三または四座リガンドであってよい。金属が1個のリガンドに配位されているのであれば、それは四座リガンドである。金属が2個のリガンドに配位されているのであれば、両方のリガンドが二座リガンドであるか、または1個が三座リガンドであり、かつ1個が単座リガンドであるかのいずれかである。金属が3個のリガンドに配位されているのであれば、1個のリガンドが二座リガンドであり、かつ2個が単座リガンドである。金属が4個のリガンドに配位されているのであれば、すべてのリガンドが単座である。
【0053】
本発明のさらに好ましい態様において、金属は、1、2、3、4、5または6個のリガンドを有する六配位金属である。このように、リガンドは、単、二、三、四、五または六座リガンドであってよい。金属が1個のリガンドに配位されているのであれば、それは六座リガンドである。金属が2個のリガンドに配位されているのであれば、両方が三座リガンドであるか、または1個が二座リガンドであり、かつ1個が四座リガンドであるか、または1個が単座リガンドであり、かつ1個が五座リガンドであるかのいずれかである。金属が3個のリガンドに配位されているのであれば、3個すべてのリガンドが二座リガンドであるか、または1個が三座リガンドであり、1個が二座リガンドであり、かつ1個が単座リガンドであるか、または1個が四座リガンドであり、かつ2個が単座リガンドであるかのいずれかである。金属が4個のリガンドに配位されているのであれば、1個のリガンドが三座リガンドであり、かつ3個が単座リガンドであるか、または2個が二座リガンドであり、かつ2個が単座リガンドである。金属が5個のリガンドに配位されているのであれば、1個が二座リガンドであり、かつ4個が単座リガンドである。金属が6個のリガンドに配位されているのであれば、すべてのリガンドが単座である。
【0054】
金属−リガンド配位化合物のリガンドは、好ましくは、中性、モノアニオン性、ジアニオン性またはトリアニオン性リガンド、特に好ましくは、中性またはモノアニオン性リガンドである。言及されている通り、それらは、単座、二座、三座、四座五座または六座であってよいが、好ましくは二座である、すなわち、好ましくは2つの配位部位を有する。さらに、本発明に従って、少なくとも1個のリガンドが、二座リガンドであることが好ましい。
【0055】
好ましい中性単座リガンドは、一酸化窒素、アルキルシアニド、たとえば、アセトニトリル、アリールシアニド、たとえば、ベンゾニトリル、アルキルイソシアニド、たとえば、メチルイソニトリル、アリールイソシアニド、たとえば、ベンゾイソニトリル、アミン、たとえば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、ホスフィン、特にハロホスフィン、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィンまたはアルキルアリールホスフィン、たとえば、トリフルオロホスフィン、トリメチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、亜リン酸塩、たとえば、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、アルシン、たとえば、トリフルオロアルシン、トリメチルアルシン、トリシクロヘキシルアルシン、トリ−tert−ブチルアルシン、トリフェニルアルシン、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルシン、スチビン、たとえば、トリフルオロスチビン、トリメチルスチビン、トリシクロヘキシルスチビン、トリ−tert−ブチルスチビン、トリフェニルスチビン、トリス(ペンタフルオロフェニル)スチビン、窒素含有ヘテロ環、たとえば、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジンおよびカルベン、特にアルジュンゴカルベンから選択される。
【0056】
好ましいモノアニオン性、単座リガンドは、水素化物、重水素化物、アルキルアセチリド、たとえば、メチル−C≡C-、tert−ブチル−C≡C-、アリールアセチリド、たとえば、フェニル−C≡C-、シアニド、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、脂肪族または芳香族アルコレート、たとえば、メタノレート、エタノレート、プロパノレート、イソプロパノレート、tert−ブチレート、フェノレート、脂肪族または芳香族チオアルコレート、たとえば、メタンチオレート、エタンチオレート、プロパンチオレート、イソプロパンチオレート、tert−チオブチレート、チオフェノレート、アミド、たとえば、ジメチルアミド、ジエチルアミド、ジイソプロピルアミド、モルホリド、カルボン酸塩、たとえば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、アリール基、たとえば、フェニル、ナフチル、およびアニオン性、窒素含有ヘテロ環、たとえば、ピロリド、イミダゾリド、ピラゾリドから選択される。本明細書におけるこれらの基中のアルキル基は、好ましくはC1〜C20−アルキル基、特に好ましくはC1〜C10−アルキル基、非常に特に好ましくはC1〜C4−アルキル基である。アリール基は、ヘテロアリール基を意味するとも解釈される。これらの基を以下で定義する。
【0057】
好ましいジまたはトリアニオン性リガンドは炭化物(これらは、形態R−C≡Mの配位をもたらす)、ナイトレン(これらは、形態R−N=Mの配位をもたらし、ここで、Rは概して置換基を表す)、およびN3-である。
【0058】
好ましい中性またはモノもしくはジアニオン性二座または多座リガンドL’は、ジアミン、たとえば、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、プロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、cis−またはtrans−ジアミノシクロヘキサン、cis−またはtrans−N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノシクロヘキサン、イミン、たとえば、2[1−(フェニルイミノ)エチル]ピリジン、2[1−(2−メチルフェニルイミノ)エチル]ピリジン、2[1−(2,6−ジ−イソ−プロピルフェニルイミノ)エチル]ピリジン、2[1−(メチルイミノ)エチル]ピリジン、2[1−(エチルイミノ)エチル]ピリジン、2[1−(イソ−プロピルイミノ)エチル]ピリジン、2[1−(tert−ブチルイミノ)エチル]ピリジン、ジイミン、たとえば、1,2−ビス(メチルイミノ)エタン、1,2−ビス(エチルイミノ)エタン、1,2−ビス(イソ−プロピルイミノ)エタン、1,2−ビス(tert−ブチルイミノ)エタン、2,3−ビス(メチルイミノ)ブタン、2,3−ビス(エチルイミノ)ブタン、2,3−ビス(イソ−プロピルイミノ)ブタン、2,3−ビス(tert−ブチルイミノ)ブタン、1,2−ビス(フェニルイミノ)エタン、1,2−ビス(2−メチルフェニルイミノ)エタン、1,2−ビス(2,6−ジ−イソ−プロピルフェニルイミノ)エタン、1,2−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニルイミノ)エタン、2,3−ビス(フェニルイミノ)ブタン、2,3−ビス(2−メチルフェニルイミノ)ブタン、2,3−ビス(2,6−ジ−イソ−プロピルフェニルイミノ)ブタン、2,3−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニルイミノ)ブタン、2個の窒素原子を含有するヘテロ環、たとえば、2,2’−ビピリジン、o−フェナントロリン、ジホスフィン、たとえば、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、ビス(ジメチルホスフィノ)メタン、ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、ビス(ジメチルホスフィノ)プロパン、ビス(ジエチルホスフィノ)メタン、ビス(ジエチルホスフィノ)エタン、ビス(ジエチルホスフィノ)プロパン、ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)メタン、ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)エタン、ビス(tert−ブチルホスフィノ)プロパン、1,3−ジケトンに由来する1,3−ジケトネート、たとえば、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、1,5−ジフェニルアセチルアセトン、ジベンゾイルメタン、ビス(1,1,1−トリフルオロアセチル)メタン、3−ケトエステルに由来する3−ケトネート、たとえば、アセト酢酸エチル、アミノカルボン酸に由来するカルボン酸塩、たとえば、ピリジン−2−カルボン酸、キノリン−2−カルボン酸、グリシン、N,N−ジメチルグリシン、アラニン、N,N−ジメチルアミノアラニン、サリチルイミンに由来するサリチルイミネート、たとえば、メチルサリチルイミン、エチルサリチルイミン、フェニルサリチルイミン、ジアルコールに由来するジアルコレート、たとえば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ならびにジチオールに由来するジチオレート、たとえば、1,2−エチレンジチオール、1,3−プロピレンジチオールから選択される。
【0059】
好ましい三座リガンドは、窒素含有ヘテロ環のホウ酸塩、たとえば、テトラキス(1−イミダゾリル)ホウ酸塩およびテトラキス(1−ピラゾリル)ホウ酸塩である。
【0060】
さらに、少なくとも1つの金属−炭素結合を有するシクロメタル化5員環または6員環、特にシクロメタル化5員環を金属とともに含有する二座モノアニオン性リガンドが好ましい。これらは、特に、有機エレクトロルミネッセンス素子のためのリン光性金属錯体の分野において一般に使用されるリガンド、すなわち、フェニルピリジン、ナフチルピリジン、フェニルキノリン、フェニルイソキノリン等の種類のリガンドであり、これらのそれぞれは、1個以上のラジカルRにより置換されていてもよい。この種類の多様なリガンドは、リン光性エレクトロルミネッセンス素子の分野の当業者に知られており、当業者ならば、この種類のさらなるリガンドを、金属−リガンド配位化合物のためのリガンドとして選択することができるであろう。概して、下記の式(83)〜(110)によって表される2個の基の組合せは、本発明の目的に特に適しており、ここで、一方の基は中性窒素原子またはカルベン原子を介して結合しており、他方の基は負に帯電した炭素原子または負に帯電した窒素原子を介して結合している。次いで、互いに結合しているこれらの基によって、式(83)〜(110)の基から、各事例において#によって表される位置に、リガンドが形成され得る。基が金属に配位する位置は、*によって表される。
【化8-1】
【化8-2】
【0061】
本明細書における記号Rは、出現する毎に、同一にまたは異なって、下記のラジカル:アルキル、シクロアルキル、アルキルシリル、アリールシリル、アルコキシアルキル、アリールアルコキシアルキル、アルキルチオアルキル、アルキレンスルホン、アルキレンスルホン酸化物の1つを表し、ここで、各事例におけるアルキレン基は、互いに独立に、1〜12個のC原子を有し、ここで、1個以上のH原子は、F、Cl、Br、I、アルキルまたはシクロアルキルにより置きかえられていてもよく、1個以上のCH2は、ヘテロ原子、たとえばNH、OもしくはS、または5〜40個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族炭化水素ラジカルにより置きかえられていてもよい。Xは、NまたはCHを表す。特に好ましくは、各基において最大3個の記号XがNを表し、特に好ましくは、各基において最大2個の記号XがNを表し、非常に特に好ましくは、各基において最大1個の記号XがNを表す。とりわけ好ましくは、すべての記号XはCHを表す。
【0062】
同じく好ましいリガンドは、η5−シクロペンタジエニル、η5−ペンタメチルシクロペンタジエニル、η6−ベンゼンおよびη7−シクロヘプタトリエニルであり、これらのそれぞれは、1個以上のラジカルRにより置換されていてもよく、これらは上記で言及した意味を有し得る。
【0063】
同じく好ましいリガンドは、1,3,5−cis−シクロヘキサン誘導体(特に式(111)のもの)、1,1,1−トリ(メチレン)メタン誘導体(特に式(112)のもの)、および1,1,1−三置換メタン(特に式(113)および(114)のもの)であり、
【化9】
【0064】
ここで、式中、各事例において、金属Mへの配位が示されており、Rは、上記で言及した意味を有し、Gは、出現する毎に同一にまたは異なって、O-、S-、COO-、P(R)2またはN(R)2を表し、ここで、Rは、上記で指示したのと同じ意味を有する。
【0065】
好ましいリン光性エミッター単位の例を、下記の表に示す。
【化10-1】
【化10-2】
【化10-3】
【化10-4】
【化10-5】
【化10-6】
【化10-7】
【化10-8】
【化10-9】
【化10-10】
【化10-11】
【化10-12】
【化10-13】
【0066】
化合物Bがポリマーまたはデンドリマーであれば、リン光性エミッター単位は、ポリマーの主骨格中、側鎖中または端部に存在していてもよい。主骨格の構成要素として存在するのであれば、本出願において言及されているリン光性エミッター単位/化合物の2個の水素原子は存在せず、ポリマーのさらなる繰り返し単位との結合はこれらの位置において出現する。側鎖中または末端に存在するのであれば、単位/化合物の1個の水素原子は存在せず、単位/化合物はこの位置を介してポリマーと結合している。
【0067】
化合物Bがポリマーでないならば、好ましくは、本出願において言及されているリン光性エミッター単位/化合物の1つからなる。
【0068】
本発明に従って、下記のリン光性エミッター化合物(258)および(259):
【化11】
【0069】
が特に好ましい。
【0070】
化合物(258)または(259)が、ポリマーと側鎖中、主鎖中でまたは末端に結合しているのであれば、これは、好ましくはビニル基の連鎖重合によってまたは鈴木カップリングによって発生する。第一の事例において、使用されるモノマーは、好ましくは、化合物(260)および(261)、第二の事例において、化合物(262)および(263):
【化12】
【0071】
である。
【0072】
化合物Bの放出単位のように、化合物Aのリン光性単位は、以下でさらに詳細に記述される通り、金属−リガンド配位化合物単位であってもよい。化合物Bの金属−リガンド配位化合物単位のすべての定義および好ましい態様は化合物Aの金属−リガンド配位化合物単位にも当てはまる。両方の放出単位、すなわち化合物Aおよび化合物Bのものが、金属−リガンド配位化合物単位であれば、これらは、同一のまたは異なる中心金属を有し得る。両方の中心金属が同じ元素であれば、ドナーおよびアクセプター特性はリガンドの影響によって決定的に決められ、これは極めて一般的には、両方の中心金属の事例において少なくとも総合的配位圏について、すなわち、同一リガンドの事例においては互変異性についても、同一とは限らない。
【0073】
本発明による混合物において、化合物AまたはBの一方は、ポリマーまたはデンドリマーであってよく、他方は、4000g/mol以下、より好ましくは3500g/mol以下、最も好ましくは3000g/mol以下の分子量を有する化合物であってよい。好ましい可能性において、化合物Aは前記低分子量を有する化合物であり、化合物Bはポリマーまたはデンドリマーである。さらに好ましい可能性において、化合物Bは前記低分子量を有する化合物であり、化合物Aはポリマーまたはデンドリマーである。
【0074】
化合物Bおよび/またはAがポリマーであれば、これは主鎖骨格を含有する。この主鎖骨格は、側鎖を有さない繰り返し単位で構成されていてもよい。しかしながら、ポリマーは同様に1つ以上の側鎖を含有していてもよく、これらは、互いに同一であっても異なっていてもよい。この事例において、ポリマーは、同じ側鎖を有する同一の繰り返し単位を含むホモポリマーであってよいが、2つ以上の異なる繰り返し単位を含むコポリマーであってもよく、ここで、主鎖骨格は同一であってもよいが、側鎖は異なる。しかしながら、繰り返し単位は、主鎖骨格について異なっていてもよく、側鎖は、同一であっても異なっていてもよい。コポリマーは、好ましくは、2または3つの異なる繰り返し単位を含むランダムコポリマーである。
【0075】
ポリマーは、共役または非共役ポリマーであってよい。共役ポリマーは、いくつかの隣接する繰り返し単位(部分的に共役しているポリマー)のすべての原子または主鎖(完全に共役しているポリマー)のすべての原子が互いに共役しているポリマーを意味すると解される。非共役ポリマーは、主鎖の共役が好ましくは繰り返し単位内で遮断されている、または個々の繰り返し単位が連結原子について互いに共役していないポリマーを意味すると解される。これは、好ましくは、いわゆる共役遮断単位によって実現される。共役遮断単位は、共役を妨げるまたは好ましくは遮断する、すなわち、ポリマーの主鎖骨格内の考えられる共役が妨げられるまたは好ましくは遮断される単位を意味すると解される。化学における共役は、π軌道(π=PI)とsp2混成(炭素)原子のp軌道またはさらなるπ軌道との重複を意味すると解される。対照的に、本出願の意味における共役遮断単位は、そのような重複を妨げるまたは好ましくは完全に防止する単位を意味すると解される。これは、たとえば、共役が少なくとも1つのsp3混成原子、好ましくは炭素によって妨げられる単位を経由して発生し得る。同じく、共役は、非sp3混成原子によって、たとえばN、PまたはSiによって破壊されていてもよい。本発明に従って、ポリマーが非共役ポリマーであることが特に好ましい。
【0076】
特に好ましい態様において、ポリマーは、官能基、ならびにホストまたはマトリックス材料単位および放出単位を主鎖中に含有し、かつ主鎖中で共役していないポリマーであり、ここで、ポリマーは、少なくとも1つの共役遮断単位を含有する。共役遮断には、ポリマーが高い三重項準位を有するという利点が付随する。
【0077】
非共役ポリマーをもたらす好ましい繰り返し単位は、たとえば、一般式(264)の単位であり、
【化13】
【0078】
式中、Aは、線状または分枝アルキレン、シクロアルキレン、アルキルシリレン、シリレン、アリールシリレン、アルキルアルコキシアルキレン、アリールアルコキシアルキレン、アルキルチオアルキレン、スルホン、アルキレンスルホン、スルホン酸化物、アルキレンスルホン酸化物からなる群から選択され、ここで、各事例におけるアルキレン基は、互いに独立に、1〜12個のC原子を有し、ここで、1個以上のH原子は、F、Cl、Br、I、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールにより置きかえられていてもよい。
【0079】
Aは、特に好ましくは、1〜12個のC原子を有する線状または分枝アルキレンまたはアルコキシアルキレンを表し、ここで、1個以上のH原子は、Fにより置きかえられていてもよい。
【0080】
非共役ポリマーをもたらす繰り返し単位は、さらに好ましくは、一般式(265)〜(279)
【化14-1】
【化14-2】
【0081】
に一致し、式中、Ar1、Ar2およびAr3は、それぞれ、互いに独立に、5〜60個の環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香族基を表し、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ、互いに独立に、アルキル(エン)、シクロアルキル(エン)、アルキルシリル(エン)、シリル(エン)、アリールシリル(エン)、アルキルアルコキシアルキル(エン)、アリールアルコキシアルキル(エン)、アルキルチオアルキル(エン)、ホスフィン、ホスフィンオキシド、スルホン、アルキレンスルホン、スルホン酸化物、アルキレンスルホン酸化物を表し、ここで、各事例におけるアルキル(エン)基は、互いに独立に、1〜12個のC原子を有し、ここで、1個以上のH原子は、F、Cl、Br、I、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基により置きかえられていてもよい。
【0082】
置換基R1〜R4は、Ar1、Ar2もしくはAr3のそれぞれの上で隣接しているか、または1個以上の環原子が間にあってもよい。置換基R1〜R4が結合している原子は、芳香族またはヘテロ芳香族基の環原子である。
【0083】
特に、下記の繰り返し単位:
【化15-1】
【化15-2】
【0084】
が好ましく、式中、記号および添え字は、構造(265)〜(279)の事例において指示されている意味を有する。
【0085】
特に、たとえば、DE102009023156において開示されている通り、下記の繰り返し単位が好ましい。
【化16】
【0086】
式(295)および(296)において、XおよびYは、互いに独立に、H、F、1〜40個の炭素原子を有するアルキル基、2〜40個の炭素原子を有するアルケニル基、2〜40個の炭素原子を有するアルキニル基、6〜40個の環原子を有する置換または無置換の芳香族炭化水素ラジカル、および5〜25個の環原子を有する置換または無置換のヘテロ芳香族炭化水素ラジカルからそれぞれ選択される。
【0087】
さらなる特に好ましい態様において、ポリマーは、放出単位、およびホストまたはマトリックス材料単位を含有し、後述する通り、放出単位、電荷輸送単位および電子輸送単位を側鎖中に任意にさらに含有していてもよいポリマー(以後、側鎖ポリマー)である。側鎖ポリマーには、ポリマーが高い三重項準位を有するという利点が付随し、これは、リン光性OLEDにとって特に有利である。
【0088】
好ましい態様において、側鎖ポリマーは、下記の式(297):
【化17】
【0089】
に一致し、式中、Eは放出単位であり、FGは、ホストまたはマトリックス材料単位、さらなる放出単位、電荷輸送単位および電子輸送単位から選択される官能基であり、xはゼロより大きく、かつx+yは1に等しい。ポリマー中の式(297)の種々の繰り返し単位における基FGは、異なる意味を有していてよい。上記で言及したすべての官能基がポリマー中に存在することが特に好ましい。
【0090】
既に言及した通り、この種類の側鎖ポリマーは、概して、ビニル化合物のフリーラジカル共重合によって実現され得る。ポリマーは、好ましくは、US7250226B2において開示されている通り、少なくとも1種のリン光性エミッター単位および少なくとも1種の電荷輸送単位を側鎖中に含有する。この種類のリン光性側鎖ポリマーのさらなる例は、たとえば、JP2007/211243A2、JP2007/197574A2、US7250226B2、JP2007/059939Aにおいて開示されている。
【0091】
さらなる態様において、ポリマーは、蛍光エミッター単位を含有する側鎖ポリマーであってもよい。蛍光エミッター単位は、特に好ましくは、JP2005/108556、JP2005/285661、JP2003/338375等において公開されている通り、アントラセン(antracenes)、ベンズアントラセンおよびそれらの誘導体から選択される。
【0092】
化合物Bは、好ましくは、放出単位が、主鎖骨格中の繰り返し単位内、または側鎖の1つ内のいずれかに存在する、ポリマーまたはデンドリマーである。放出単位がポリマーの側鎖中に存在すること、または放出単位自体が側鎖を表すことが特に好ましい。この事例において、放出単位が金属−リガンド配位化合物単位であることが特に好ましい。同じく、化合物Bの放出単位が、それが結合している主鎖骨格の繰り返し単位と共役していないこと、すなわち、共役遮断単位が、放出単位と主鎖骨格との間に位置していることが好ましい。
【0093】
化合物Bがポリマーまたはデンドリマーであってよいように、化合物Aもデンドリマーまたはポリマーであってよい。上記で言及したポリマーのすべての一般的定義ならびに化合物Bのポリマーおよびデンドリマーの定義は、化合物Aのポリマーおよびデンドリマーに同じく当てはまる。化合物Bのポリマーまたはデンドリマーの好ましい態様は、化合物Aのポリマーまたはデンドリマーに同じく当てはまり、但し、蛍光エミッター単位を含有する単位の例は除外される。
【0094】
故に、化合物Aのポリマーが、主鎖をその上の1つ以上の側鎖とともに含有することが好ましい。これは、好ましくは主鎖骨格と共役していない。
【0095】
化合物Aのポリマーが、後述する通り、電荷輸送単位を側鎖中に含有することが特に好ましい。これは、放出単位が側鎖中にまたはそれとして同じく存在するならば、さらなる側鎖であってもよい。しかしながら、放出単位は、ポリマーの主鎖骨格における繰り返し単位中にまたはそれとして存在していてもよいため、ポリマーは放出単位を側鎖中に含有せず、代わりに電荷輸送単位を側鎖中に含有する。電荷輸送単位は、好ましくは、正孔輸送単位または電子輸送単位である。しかしながら、それは正孔注入または電子注入単位であってもよい。化合物Aのポリマーが、少なくとも2つの(異なる)電荷輸送単位を側鎖中に含有することが特に好ましい。本明細書においては、一方の電荷輸送単位が正孔輸送単位であり、他方の電荷輸送単位が電子輸送単位であることが好ましい。本明細書における2つの電荷輸送単位は、異なる側鎖に付着していてもよいが、互いに一緒に連結して側鎖中に出現してもよいし、後者を形成してもよい。
【0096】
正孔注入および/または正孔輸送特性を有する繰り返し単位は、たとえば、トリアリールアミン、ベンジジン、テトラアリール−パラ−フェニレンジアミン、トリアリールホスフィン、フェノチアジン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、チアントレン、ジベンゾ−パラ−ジオキシン、フェノキサチイン、カルバゾール、アズレン、チオフェン、ピロールおよびフラン誘導体、ならびに、高いHOMO(HOMO=最高被占分子軌道)を有するさらなるO、SまたはN含有ヘテロ環であり、またはそれらを含有する。これらのアリールアミンおよびヘテロ環は、好ましくは、ホスト化合物において、−5.8eVより大きい(真空準位に対して)、特に好ましくは−5.5eVより大きいHOMOをもたらす。
【0097】
電子注入および/または電子輸送特性を有する繰り返し単位は、たとえば、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、オキサジアゾール、キノリン、キノキサリン、アントラセン、ベンズアントラセン、ピレン、ペリレン、ベンズイミダゾール、トリアジン、ケトン、ホスフィンオキシドおよびフェナジン誘導体であるが、トリアリールボラン、および低いLUMO(LUMO=最低空分子軌道)を有するさらなるO、SまたはN含有ヘテロ環でもある。これらの単位は、好ましくは、ホスト化合物において、−1.5eV未満(真空準位に対して)、特に好ましくは−2.0eV未満のLUMOをもたらす。
【0098】
化合物Bおよび/または化合物Aのポリマーは、好ましくは、電荷中性ポリマーである。故に、化合物AおよびBのエミッター単位が金属−リガンド配位化合物単位として存在するならば、これらが中性配位化合物であることも好ましい、すなわち、中心金属の価数およびリガンドの価数は、各配位化合物内の電荷が補正されるように選択される。
【0099】
本発明による混合物において、化合物AとBの両方は、それぞれポリマーまたはデンドリマーであってもよい。
【0100】
加えて、本発明に従って、化合物Aのポリマーの主鎖骨格が、化合物Aのリン光性エミッター単位および化合物Bのエミッター単位の三重項準位よりも高いエネルギーを有する三重項準位を有する、繰り返し単位を含有することが好ましい。
【0101】
化合物Bがポリマーであれば、同じく、化合物Bのポリマーの主鎖骨格が、化合物Aのリン光性エミッター単位および化合物Bのエミッター単位の三重項準位よりも高いエネルギーを有する三重項準位を有する、繰り返し単位を含有することが好ましい。
【0102】
加えて、本発明に従って、本発明による混合物における化合物Bの放出バンドの最大値が、化合物Aの放出バンドの最大値よりも短い波長であることが好ましい。これらは、好ましくは、化合物Bの放出単位および化合物Aのリン光性単位の放出バンドの最大値である。
【0103】
化合物Aの放出バンドの最大値が、化合物Bの放出バンドの最大値よりも短い波長であることがさらに好ましい。これらは、好ましくは、放出単位の、またはリン光性単位の最大値を意味すると解される。
【0104】
加えて、本発明に従って、本発明による混合物における化合物Aの放出バンドが、化合物Bの吸収バンドの波長範囲と重複する波長範囲内であることも好ましい。
【0105】
化合物Aの放出バンドの最大値は、青色光の波長領域内であってよく、化合物Bの放出バンドの最大値は、緑色または赤色光の波長領域内であってよい。代替として、化合物Aの放出バンドの最大値は、緑色光の波長領域内であってよく、化合物Bの放出バンドの最大値は、赤色光の波長領域内であってよい。
【0106】
化合物AおよびB以外に、本発明による混合物は、好ましくは、少なくとも1種のさらなる有機官能化合物を含んでいてもよい。これらは、正孔輸送材料(HTM)、正孔注入材料(HIM)、電子輸送材料(ETM)および電子注入材料(EIM)から選択される。
【0107】
たとえば、正孔輸送層に適切な正孔輸送材料および正孔注入材料は、下記:フェニレンジアミン誘導体(US3615404)、アリールアミン誘導体(US3567450)、アミノ置換カルコン誘導体(US3526501)、スチリルアントラセン誘導体(JP−A−56−46234)、多環式芳香族化合物(EP1009041)、ポリアリールアルカン誘導体(US3615402)、フルオレノン誘導体(JP−A−54−110837)、ヒドラゾン誘導体(US3717462)、アシルヒドラゾン、スチルベン誘導体(JP−A−61−210363)、シラザン誘導体(US4950950)、ポリシラン(JP−A−2−204996)、アニリンコポリマー(JP−A−2−282263)、チオフェンオリゴマー(日本特許平成元(1989)年第211399号)、ポリチオフェン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)、ポリピロール、ポリアニリンおよび他の導電性巨大分子、ならびにさらなるコポリマー(coplymers)、たとえば、PEDOT/PSS(ポリスチレン(PSS)を加えたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の水分散液)である。プラズマ蒸着フッ化炭素ポリマー(US6127004、US6208075、US6208077)、ポルフィリン化合物(JP−A−63−2956965、US4720432)、芳香族ジメチリデン系化合物、カルバゾール化合物、たとえば、CDBP、CBP、mCP、芳香族第三級アミンおよびスチリルアミン化合物(US4127412)、たとえば、ベンジジン系のトリフェニルアミン、スチリルアミン系のトリフェニルアミン、ジアミン系のトリフェニルアミン。アリールアミンデンドリマー(日本特許平成8(1996)年第193191号)、モノマートリアリールアミン(US3180730)、1個以上のビニルラジカルおよび/もしくは活性水素を含有する少なくとも1個の官能基を含有するトリアリールアミン(US3567450およびUS3658520)、またはテトラアリールジアミン(2つの第三級アミン単位がアリール基を介して接続されている)を使用することも可能である。より多くのトリアリールアミノ基が分子中に存在することも可能である。フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ブタジエン誘導体またはキノリン誘導体、たとえば、ジピラジノ[2,3−f:2’,3’−h]キノサリンヘキサカルボニトリルも適切である。
【0108】
使用されるHTMまたはHIMは、同じく、無機化合物、たとえばp型Siおよびp型SiC、または無機酸化物、たとえば、酸化バナジウム(VOx)、酸化モリブデン(MoOx)もしくは酸化ニッケル(NiOx)であってよい。
【0109】
HTMまたはHIMとしては、少なくとも2つの第三級アミン単位を含有する芳香族第三級アミン(US2008/0102311A1、US4720432およびUS5061569)、たとえば、NPD(α−NPD=4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル)(US5061569)、TPD232(=N,N’−ビス−(N,N’−ジフェニル−4−アミノフェニル)−N,N−ジフェニル−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニル)またはMTDATA(MTDATAまたはm−MTDATA=4,4’,4’’−トリス[3−メチルフェニル)フェニルアミノ]トリフェニルアミン)(JP−A−4−308688)、TBDB(=N,N,N’,N’−テトラ(4−ビフェニル)ジアミノビフェニレン)、TAPC(=1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン)、TAPPP(=1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−3−フェニルプロパン)、BDTAPVB(=1,4−ビス[2−[4−[N,N−ジ(p−トリル)アミノ]フェニル]ビニル]ベンゼン)、TTB(=N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノビフェニル)、TPD(=4,4’−ビス[N−3−メチルフェニル]−N−フェニルアミノ)ビフェニル)、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’’’−ジアミノ−1,1’,4’,1’’,4’’,1’’’−クアテルフェニル、同じく、カルバゾール単位を含有する第三級アミン、たとえば、TCTA(=4−(9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ベンゼンアミン)が好ましい。同じく、US2007/0092755A1に従って、ヘキサアザトリフェニレン化合物、およびフタロシアニン誘導体(たとえば、H2Pc、CuPc(=銅フタロシアニン)、CoPc、NiPc、ZnPc、PdPc、FePc、MnPc、ClAlPc、ClGaPc、ClInPc、ClSnPc、Cl2SiPc、(HO)AlPc、(HO)GaPc、VOPc、TiOPc、MoOPc、GaPc−O−GaPc)が好ましい。
【化18】
【0110】
下記のトリアリールアミン化合物が特に好ましく、これらは、置換されていてもよい(化合物が公開されている出典は、各事例において以下で指示する):
【化19-1】
【化19-2】
【化19-3】
【化19-4】
【0111】
さらなる正孔輸送材料は、正孔注入材料としてはEP0891121A1およびEP1029909A1において、注入層としては概してUS2004/0174116A1において記述されている。
【0112】
正孔輸送層は、純粋な材料の形態であるか、またはドープされていてよい。ドーピングは、伝導性を改善することができる。固有材料の例は、純粋なα−NPBおよびTPDである。ドープ層の例は、US2003−0230980に従って、F4−TCNQでドープされたm−MTDATAである。
【0113】
正孔輸送層は、架橋されていてもよく、たとえばN4,N4’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N4,N4’−ビス(4−ビニルフェニル)ビフェニル−4,4’−ジアミンは、架橋反応のために低温を有する。フラーレン誘導体、たとえばUS2008/0054783A1に従う{6}−1−(3−(メトキシカルボニル)プロピル)−{5}−1−フェニル−[6,6]−C61は、ドーパントとして用いることもできる。さらなるフラーレン誘導体は、Wangら、Applied Physics Lett.80(20)、(2002)、3847〜3849において記述されている。
【0114】
ETMまたはEIMとして、好ましくは電子輸送および電子注入層に適切な化合物は、8−ヒドロキシキノリンの金属キレート(たとえば、LiQ、AlQ3、GaQ3、MgQ2、ZnQ2、InQ3、ZrQ4)、BAlQ、Gaオキシノイド錯体、4−アザフェナントレン−5−オール/Be錯体(US5529853A)、
【化20】
【0115】
ブタジエン誘導体(US4356429)、ヘテロ環式光学的光沢剤(US4539507)、ベンズイミダゾール誘導体(US2007/0273272A1)、たとえば、TPBI(US5766779)、
【化21】
【0116】
式(311)−TPBI(2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−ファニル−1H−ベンズイミダゾール)1,3,5−トリアジン、たとえばスピロビフルオレントリアジン誘導体(たとえば、未公開出願DE102008064200.2に従って)ピレン、アントラセン、テトラセン、フルオレン、スピロフルオレン、デンドリマー、テトラセン(たとえばルブレン誘導体)、1,10−フェナントロリン誘導体(JP2003−115387、JP2004−311184、JP−2001−267080、WO2002−043449)、シラシクロペンタジエン誘導体(EP1480280、EP1478032、EP1469533)、ボラン誘導体、たとえば、Siを加えたトリアリールボラン誘導体、
【化22】
【0117】
ピリジン誘導体(JP2004−200162)、フェナントロリン、とりわけ1,10−フェナントロリン誘導体、たとえば、BCPおよびBphen、また、ビフェニルもしくは他の芳香族基を介して接続された複数のフェナントロリン(US2007/0252517A1)またはアントラセンに接続されたフェナントロリン(US2007/0122656A1)もである。
【化23】
【0118】
同じくETMまたはEIMとして適切なのは、ヘテロ環式有機化合物、たとえば、チオピランジオキシド、オキサゾール、トリアゾール、イミダゾールまたはオキサジアゾールである。Nを含有する5員環、たとえば、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾールの使用の例として、とりわけUS2008/0102311A1が用いられ得る。好ましい化合物は、下記(公開出典は以下に記す):トリアゾール、たとえば
【化24】
【0119】
式(315)−Y.A.Levin、M.S.Skorobogatova、Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii 1967(2)、339〜3411,3,4−オキサジアゾール、たとえば
【化25】
【0120】
である。
【0121】
有機化合物、たとえば、フルオレノン、フルオレニリデンメタン、ペリレンテトラカルボン酸、アントラキノンジメタン、ジフェノキノン、アントロンおよびアントラキノンジエチレンジアミンの誘導体を、ETMまたはEIMとして用いることも可能である。
【0122】
ETMまたはEIMとしては、2,9,10−置換アントラセン(1−または2−ナフチルおよび4−または3−ビフェニルを持つ)、または2つのアントラセン単位を含有する分子(US2008/0193796A1)が好ましい。ベンズイミダゾール誘導体を持つ9,10−置換アントラセン単位の化合物も極めて有利である。
【化26】
【0123】
本発明は、リン光性エミッター単位A1および放出単位B1を含有する非共役ポリマーまたはデンドリマーにさらに関する。
【0124】
放出単位B1は、リン光性または蛍光エミッター単位であり得るが、好ましくはリン光性エミッター単位である。
【0125】
適切なリン光性および蛍光エミッター単位については、本発明による混合物との関連で既に上述した。本発明による混合物におけるリン光性および蛍光エミッター単位についてすべての好ましい態様は、本発明による非共役ポリマーまたはデンドリマーの好ましい変異体にも当てはまる。比喩的な意味で、本明細書におけるエミッター単位A1は、化合物Aにおける上記で言及したエミッター単位に対応し、エミッター単位B1は、化合物Bにおける上記で言及した放出単位に対応する。
【0126】
本発明による混合物の化合物Bとの関連で上記で言及したポリマー、その調製のためのプロセスおよびその中に任意に存在していてもよい単位のすべての特色は、本発明による非共役ポリマーまたはデンドリマーにも当てはまり、但し、本発明による非共役ポリマーは常に非共役ポリマーであり、1つの放出単位B1以外に、リン光性単位A1も含有する。
【0127】
加えて、本発明による非共役ポリマーまたはデンドリマー中の単位A1およびB1は、互いに共役していないのが好ましい、すなわち、ポリマーはこれらの単位の間に少なくとも1種の共役遮断単位を含有する。共役遮断単位は、好ましくは、上述した通りの単位を意味すると解される。特に好ましい共役遮断単位は、上記で言及した通り、式(265)〜(279)のもの、およびそれらの好ましい形態である。
【0128】
本発明による非共役ポリマーまたはデンドリマーにおいて、単位A1およびB1は、ポリマーの主鎖中に繰り返し単位として存在してよく、または側鎖として連結されていてもよい。ポリマーまたはデンドリマーは、加えて、以下で言及する通り、さらなる官能基を繰り返し単位として主鎖中または側鎖中に含有していてもよい。
【0129】
言及したすべての態様において、本発明による非共役ポリマーまたはデンドリマーは、好ましくは、リン光性エミッター単位A1と放出単位B1の両方が金属−リガンド配位化合物単位であるものである。金属−リガンド配位化合物単位の定義ならびに好ましい態様および例は、上記で指示されている。
【0130】
好ましい態様において、非共役ポリマーは、下記の式(323):
【化27】
【0131】
のポリマーに対応する。
【0132】
式(323)において、使用された記号および添え字は、下記の意味を有する:C1は、好ましくは、正孔輸送材料、電子輸送材料およびマトリックス材料、特に好ましくは上述した通りのマトリックス材料からなる単位から選択されるラジカルであり、前記正孔輸送材料および電子輸送材料は、上述および後述の通りである;A1およびB1は、上記で定義した意味を有し、但し、上記で言及した放出単位/化合物は、水素原子を1位に担持せず、この位置でポリマー主鎖骨格と結合しており;x、y、zは、それぞれの単位のモル百分率(mol−%)であり、ここで、x+y+z=1であり、ここで、x>0、y>0かつz≧0、好ましくはz>0である。
【0133】
さらに好ましい態様において、非共役ポリマーは、下記の式(324):
【化28】
【0134】
のポリマーに対応する。
【0135】
式(324)において、使用された記号および添え字は、下記の意味を有する:BBは、出現する毎に同一にまたは異なって、ポリマーの共役遮断を確保するポリマーの主鎖骨格単位を表し;故にBBは、好ましくは、上述した通りの共役遮断単位であり;A1、B1、C1、x、yおよびzは、式(323)について定義したのと同じ意味を有し、但し、上記で言及した放出単位/化合物は水素原子を2位に担持せず、これらの位置でBBと結合している。
【0136】
さらに好ましい態様において、非共役ポリマーは、下記の式(325):
【化29】
【0137】
のポリマーに対応する。
【0138】
式(325)において使用された記号および添え字は、下記の意味を有する:Aは、線状または分枝アルキレン、シクロアルキレン、アルキルシリレン、シリレン、アリールシリレン、アルキルアルコキシアルキレン、アリールアルコキシアルキレン、アルキルチオアルキレン、スルホン、アルキレンスルホン、スルホン酸化物、アルキレンスルホン酸化物からなる群から選択される共役遮断単位であり、ここで、各事例におけるアルキレン基は、互いに独立に、1〜12個のC原子を有し、ここで、1個以上のH原子は、F、Cl、Br、I、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールにより置きかえられていてもよく;BBは、出現する毎に同一にまたは異なって、ポリマーの共役遮断を確保するポリマーの主鎖骨格単位を表し;A1、B1およびC1は、式(323)について定義したのと同じ意味を有し、但し、B1の事例における上記で言及した放出単位/化合物は、水素原子を1位に担持せず、この位置でAと結合しており、A1の事例における上記で言及した放出単位/化合物は、水素原子を3位に担持せず、これらの位置でBBおよびAと結合しており;x、zは、それぞれの単位のモル百分率(mol−%)であり、x+zは1であり、ここで、x>0かつz≧0、好ましくはz>0である。
【0139】
さらに好ましい態様において、非共役ポリマーは、下記の式(326):
【化30】
【0140】
のポリマーに対応する。
【0141】
式(326)において使用された記号および添え字は、下記の意味を有する:BBは、ポリマーの共役遮断を確保するポリマーの主鎖骨格単位を表し;A1、B1およびC1は、式(323)について定義したのと同じ意味を有し、但し、B1の事例における上記で言及した放出単位/化合物は、水素原子を1位に担持せず、この位置でBBと結合しており、A1の事例における上記で言及した放出単位/化合物は、水素原子を2位に担持せず、これらの位置でBBと結合しており;x、zは、それぞれの単位のモル百分率(mol−%)であり、x+zは1であり、ここで、x>0かつz≧0、好ましくはz>0である。
【0142】
式(325)にあるようなAによる、および式(326)にあるようなBBによる、ポリマー中の2つの放出単位の結合は、2つのエミッター単位が無作為に分配されておらず、故に、2つのエミッター分子の互い(ドナーおよびアクセプター)の必須の小さい距離間隔が最大限に保証されるという、エミッター化合物およびホストの混合物を上回る利点を有する。
【0143】
下記のコポリマーは、本発明に従って非常に特に好ましい:式(323)のブロックコポリマーは、好ましくは、一般式(327)の2つのブロック:
【化31】
【0144】
を含有する。
【0145】
使用された記号および添え字は、下記の意味を有する:nは、出現する毎に同一であるかまたは異なっており、好ましくは同一であり、好ましくは0、1、2または3に等しく;oおよびmは、3以上、好ましくは10以上、特に好ましくは20以上の単位の繰り返し数である。使用された他の添え字は、上記で定義したのと同じ意味を有する。
【0146】
式(324)のブロックコポリマーは、好ましくは、一般式(328)の2つのブロック:
【化32】
【0147】
を含有する。
【0148】
式(328)において使用された記号および添え字は、上記で定義したのと同じ意味を有する。
【0149】
単位BBについて、本発明による混合物のポリマーのためのマトリックス材料との関連で上記で指示した通りの単位の使用が好ましく、但し、それは、少なくとも1種の共役遮断単位、たとえば、sp3原子を含有する。
【0150】
式(325)のブロックコポリマーは、好ましくは、一般式(329)の2つのブロック:
【化33】
【0151】
を含有する。
【0152】
式(329)において使用された記号および添え字は、上記で定義したのと同じ意味を有する。単位BBについて、本発明による混合物のポリマーのためのマトリックス材料との関連で指示した通りの単位の使用が好ましく、但し、それらは、少なくとも1種の共役遮断単位、たとえば、sp3原子を含有する。
【0153】
式(326)のブロックコポリマーは、好ましくは、一般式(330)の2つのブロック:
【化34】
【0154】
を含有する。
【0155】
式(330)において使用された記号および添え字は、上記で定義したのと同じ意味を有する。単位BBについて、本発明による混合物のポリマーのためのマトリックス材料との関連で指示した通りの単位の使用が好ましく、但し、それらは、少なくとも1種の共役遮断単位、たとえば、sp3原子を含有する。
【0156】
本発明は、2つのブロック(ブロック1およびブロック2)を含有するブロックコポリマーにさらに関し、ここで、ブロック1は、官能基(これは、HTM、HIM、ETM、EIM、ホスト、リン光性エミッターまたは蛍光エミッターから選択され得る)を含有する少なくとも1種の繰り返し単位を含有し、ブロック2は、イオン輸送特性を有する。
【0157】
その中のブロック1は、好ましくは、一般式(331):
【化35】
【0158】
に従って構築され、式中、Dは、官能基(好ましくは、HTM、HIM、ETM、EIM、ホスト、リン光性エミッターまたは蛍光エミッターから選択される)であり;oは、単位の繰り返し数であり、3以上、好ましくは10以上、特に好ましくは20以上の自然数である。
【0159】
ブロック2は、好ましくは、Liイオン輸送特性を有する。ブロック2への好ましい導入形態において、一般式(332)のブロックは、
【化36】
【0160】
である。
【0161】
PEOブロック含有のそのようなポリマーは、Li塩含有OLECにおいて使用され得る。本発明によるPEOブロックコポリマーを含有するOLECは、従来のOLECを上回る下記の利点を有し、ここで、放出性化合物およびLi塩の他には、追加のLiイオン伝導体、たとえばポリエチレンオキシドも存在する。
【0162】
ポリエチレンオキシドは、極めて低いTgを有し、これは、プロセス中にかなりの制限をもたらし得る。これらの問題は、本発明によるPEOブロックコポリマーの使用によって解決され得る。従来のOLECにおいて使用される3つのコンポーネントの事例において、極めて多くの場合、印刷またはコーティング中に相分離がある。本発明によるPEOブロックコポリマーの使用は、これらの問題を最小化させることができる。
【0163】
本出願において示されているポリマーのためのすべての一般式中でアスタリスクにより表される結合は、さらなる繰り返し単位との、またはポリマーの末端基との結合を表す。
【0164】
本発明における「C1~40−アルキル基」または「C1~20−アルキル基」または「C1~10−アルキル基」または「C1~4−アルキル基」は、好ましくは、線状、分枝または環式アルキル基を意味すると解される。線状アルキル基は、好ましくは、1〜40個、m1〜20個、1〜10個または1〜4個の炭素原子をそれぞれ有する。分枝または環式アルキル基は、好ましくは、3〜40個、3〜20個、3〜10個または3〜40個の炭素原子をそれぞれ有する。1〜4個、または3もしくは6個の炭素原子をそれぞれ有するアルキル基が好ましい。これらのアルキル基上の1個以上の水素原子は、フッ素原子により置きかえられていてもよい。加えて、これらの単位におけるCH2基の1個以上は、NR、OまたはS(ここで、Rは、HおよびC1~6−アルキルからなる群から選択されるラジカルである)により置きかえられていてもよい。CH2基の1個以上がNR、OまたはSにより置きかえられているならば、これらの基の1つのみが、特に好ましくはO原子により、置きかえられているのが特に好ましい。そのような化合物の例は、下記:メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、2−メチルブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルを含む。
【0165】
「C2~40−アルケニル基」は、2〜40個の炭素原子を有する線状アルケニル基、または3〜40個の炭素原子を有する分枝もしくは環式アルケニル基を意味すると解される。より好ましくは2または3〜20個を有する基、さらに一層好ましくは2または3〜10個を有する基、最も好ましくは2または3〜6個の炭素原子を有する基である。1個以上の水素原子は、フッ素原子により置きかえられていてもよい。加えて、これらの単位中のCH2基の1個以上は、NR、OまたはS(ここで、Rは、HおよびC1~6−アルキルからなる群から選択されるラジカルである)により置きかえられていてもよい。CH2基の1個以上がNR、OまたはSにより置きかえられているならば、これらの基の1つのみが置きかえられているのが特に好ましい。言及されていてもよいその例は、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニルおよびシクロオクテニルである。
【0166】
「C2~40−アルキニル基」は、2〜40個の炭素原子を有する線状または分枝アルキニル基を意味すると解される。アルキニル基は、より好ましくは2〜20個、さらに一層好ましくは2〜10個、最も好ましくは2〜6個の炭素原子を有する。1個以上の水素原子は、フッ素原子により置きかえられていてもよい。加えて、これらの単位中のCH2基の1個以上は、NR、OまたはS(ここで、Rは、HおよびC1~6−アルキルからなる群から選択されるラジカルである)により置きかえられていてもよい。CH2基の1個以上がNR、OまたはSにより置きかえられているならば、これらの基の1つのみが置きかえられているのが特に好ましい。言及されていてもよいその例は、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルおよびオクチニルである。
【0167】
単または多環式芳香族またはヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、好ましくは5〜40個、より好ましくは5〜20個、最も好ましくは5または6個の芳香族環系を含有する。単位が芳香族単位であれば、好ましくは6〜40個、より好ましくは6〜20個、最も好ましくは6個の炭素原子を環原子として含有する。単位がヘテロ芳香族単位であれば、5〜40個、より好ましくは5〜10個、最も好ましくは5個の芳香族環原子を含有し、その少なくとも1つはヘテロ原子である。ヘテロ原子は、好ましくは、N、Oおよび/またはSから選択される。本明細書において、芳香族またはヘテロ芳香族単位は、単純な芳香族環、すなわちベンゼン、または単純なヘテロ芳香族環、たとえばピリジン、ピリミジン、チオフェン等、または縮合アリールもしくはヘテロアリール基、たとえばナフタレン、アントラセン、フェナントレン、キノリン、イソキノリン、ベンゾチオフェン、ベンゾフランおよびインドール等のいずれかを意味すると解される。
【0168】
芳香族またはヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの本発明による例は、したがって:ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ベンズアントラセン、ペリレン、ナフタセン、ペンタセン、ベンゾピレン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ−5,6−キノリン、ベンゾ−6,7−キノリン、ベンゾ−7,8−キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナントリミダゾール、ピリドイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、1,2−チアゾール、1,3−チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、1,5−ジアザアントラセン、2,7−ジアザピレン、2,3−ジアザピレン、1,6−ジアザピレン、1,8−ジアザピレン、4,5−ジアザピレン、4,5,9,10−テトラアザペリレン、ピラジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、フルオルビン、ナフチリジン、ベンゾカルボリン、フェナントロリン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、テトラゾール、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジンおよびベンゾチアジアゾールである。
【0169】
本発明の意味での単または多環式芳香族環系は、好ましくは、6〜60個の炭素原子、好ましくは6〜30個、特に好ましくは6〜10個の炭素原子を有する芳香族環系を意味すると解される。本発明の意味での芳香族環系は、芳香族基のみを必ずしも含有するとは限らず、加えて、複数の芳香族が、短い非芳香族単位(H以外の原子が10%未満、好ましくはH以外の原子が5%未満)、たとえば、sp3混成C、O、N等により遮断されていてもよい系を意味すると解されるように意図されている。これらの芳香族環系は、単環式であっても多環式であってもよい、すなわち、それらは1つの環(たとえばフェニル)または2つ以上の環を含有していてもよく、これらは、縮合されていても(たとえばナフチル)、または共有結合により連結していても(たとえばビフェニル)、または縮合および連結した環の組合せを含有していてもよい。
【0170】
好ましい芳香族環系は、たとえば、フェニル、ビフェニル、トリフェニル、ナフチル、アントラシル、ビナフチル、フェナントリル、ジヒドロフェナントリル、ピレン、ジヒドロピレン、クリセン、ペリレン、テトラセン、ペンタセン、ベンゾピレン、フルオレンおよびインデンである。
【0171】
本発明の意味での単または多環式ヘテロ芳香族環系は、好ましくは、5〜60個の環原子、好ましくは5〜30個、特に好ましくは5〜14個の環原子を有するヘテロ芳香族環系を意味すると解される。ヘテロ芳香族環系は、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する(残りの原子は炭素である)。ヘテロ芳香族環系は、加えて、芳香族またはヘテロ芳香族基のみを必ずしも含有するとは限らず、加えて、複数の芳香族またはヘテロ芳香族基が、短い非芳香族単位(H以外の原子が10%未満、好ましくはH以外の原子が5%未満)、たとえば、sp3混成C、O、N等により遮断されていてもよい系を意味すると解されるように意図されている。これらのヘテロ芳香族環系は、単環式であっても多環式であってもよい、すなわち、それらは1つの環(たとえばピリジル)または2つ以上の環を含有していてもよく、これらは、縮合されていても、または共有結合により連結していても、または縮合および連結した環の組合せを含有していてもよい。
【0172】
好ましいヘテロ芳香族環系は、たとえば、5員環、たとえばピロール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、フラン、チオフェン、セレノフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2−チアゾール、1,3−チアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、6員環、たとえばピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、もしくは縮合基、たとえばインドール、イソインドール、インドリジン、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、プリン、ナフトイミダゾール、フェナントリミダゾール、ピリドイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、キノリン、イソキノリン、プテリジン、ベンゾ−5,6−キノリン、ベンゾ−6,7−キノリン、ベンゾ−7,8−キノリン、ベンゾイソキノリン、アクリジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾピリダジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、フェナジン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントリジン、フェナントロリン、チエノ[2,3b]チオフェン、チエノ[3,2b]チオフェン、ジチエノチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ベンゾチアジアゾチオフェン、またはこれらの基の組合せである。イミダゾール、ベンズイミダゾールおよびピリジンが特に好ましい。
【0173】
用語「アリール」または「アリール基」は、上記で定義した通りの単または多環式芳香族またはヘテロ芳香族環系を意味すると解される。
【0174】
本発明における「シクロアルキル」は、好ましくは3〜8個、より好ましくは5〜8個、最も好ましくは5または6個の炭素原子を有する、上記で定義した通りの環式アルキル基を意味すると解される。
【0175】
用語「アルキルシリル」は、モノ(C1~12−アルキル)シリル基、ジ(C1~12−アルキル)シリル基およびトリ−(C1~12−アルキル)シリル基を意味すると解される。
【0176】
本発明における「モノ(C1~12−アルキル)シリル基」は、1または3〜12個の炭素原子をそれぞれ、より好ましくは1または3〜6個の炭素原子をそれぞれ有する線状または分枝アルキル基(上記で定義した通り)と連結している(SiH2)基を意味すると解される。本発明における「ジ(C1~12−アルキル)シリル基」は、1または3〜12個の炭素原子をそれぞれ、特に好ましくは1または3〜6個の炭素原子をそれぞれ有する、出現する毎に同一のまたは異なる2個の線状または分枝アルキル基(上記で定義した通り)と連結している(SiH)単位を意味すると解される。本発明における「トリ−(C1~12−アルキル)シリル基」は、1または3〜12個の炭素原子をそれぞれ、より好ましくは1または3〜6個の炭素原子をそれぞれ有する、出現する毎に同一のまたは異なる3個の線状または分枝アルキル基(上記で定義した通り)と連結している(Si)単位を意味すると解される。「C1~40−アルキル基」との関連で上記で指示した例は、対応する数の炭素原子を有する限り、本明細書において存在するアルキル基にも当てはまる。
【0177】
本化合物における「シリル」は、1または3〜5個のケイ素原子を有するシリル基を意味すると解され、これは、線状または分枝である。その例は、モノシリル、ジシリル、トリシリル、テトラシリルおよびペンタシリルである。
【0178】
本発明における「アリールシリル」は、5〜60個の芳香族環原子を有する1、2または3つの単または多環式の芳香族またはヘテロ芳香族環系により置換されているSi1−シリル基を意味すると解される。
【0179】
本発明における「アルコキシアルキル」は、酸素原子を介して結合している、1または3〜12個、より好ましくは1または3〜6個の炭素原子をそれぞれ有する2個の線状または分枝アルキル基を有する一価エーテル単位を意味すると解される。「C1~40−アルキル」の定義に関連して上記で指示した例は、対応する数の原子を有する限り、本明細書において存在するアルキル基にも当てはまる。
【0180】
本発明における「アリールアルコキシアルキル」は、「アルコキシアルキル」について上記で定義した通りの一価の単位を意味すると解され、ここで、1個のアルキル基は、5〜60個の上記で定義した通りの芳香族環原子を有する単または多環式の芳香族またはヘテロ芳香族環系を表すアリールにより置換されている。
【0181】
本発明における「アルキルチオアルキル」は、硫黄原子を介して結合されている、1または3〜12個、より好ましくは1または3〜6個の炭素原子をそれぞれ有する2個の線状または分枝アルキル基を有する一価チオエーテル単位を意味すると解される。「C1~40−アルキル」の定義に関連して上記で指示した例は、対応する数の原子を有する限り、本明細書において存在するアルキル基にも当てはまる。
【0182】
本発明における「アルキルスルホン」は、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基により置換されているS(=O)2−単位を意味すると解される。「C1~40−アルキル」の定義に関連して上記で指示した例は、対応する数の原子を有する限り、本明細書において存在するアルキル基にも当てはまる。
【0183】
本発明における「C1~12−アルキルスルホキシド」は、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基により置換されている−S(=O)−単位を意味すると解される。「C1~40−アルキル」の定義に関連して上記で指示した例は、対応する数の炭素原子を有する限り、本明細書において存在するアルキル基にも当てはまる。
【0184】
本発明において記述されているすべてのポリマーまたはデンドリマーは、本発明による繰り返し単位以外に、以下の群1〜8から選択されるさらなる構造単位を繰り返し単位として主鎖骨格中に、または側鎖として、含有していてもよい。これらは、とりわけ、WO02/077060A1およびWO2005/014689A2において開示され、広く収載されているものである。これらは参照により本発明に組み込まれる。さらなる構造単位は、たとえば、下記のクラスを起源とすることができる:群1:ポリマーの正孔注入および/または正孔輸送特性を強化する単位;群2:ポリマーの電子注入および/または電子輸送特性を強化する単位;群3:群1および群2の個々の単位の組合せを有する単位;群4:放出特徴を、電子リン光が電子蛍光の代わりに取得され得る程度に修正する単位;群5:いわゆる一重項状態から三重項状態への移動を改善する単位;群6:結果として生じるポリマーの放出色に影響を与える単位;群7:典型的には骨格として使用される単位;群8:結果として生じるポリマーの膜形態学的および/または流動学的特性に影響を与える単位。
【0185】
本発明による好ましいホスト化合物は、少なくとも1種の構造単位が正孔輸送特性を有する、すなわち、群1および/または2の単位を含有するものである。
【0186】
正孔注入および/または正孔輸送特性を有する群1の構造単位は、たとえば、トリアリールアミン、ベンジジン、テトラアリール−パラ−フェニレンジアミン、トリアリールホスフィン、フェノチアジン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、チアントレン、ジベンゾ−パラ−ジオキシン、フェノキサチイン、カルバゾール、アズレン、チオフェン、ピロールおよびラン単位、ならびに高いHOMO(HOMO=最高被占分子軌道)を有するさらなるO、SまたはN含有ヘテロ環である。これらのアリールアミンおよびヘテロ環は、好ましくは、ホスト化合物において、−5.8eVより大きい(真空準位に対して)、特に好ましくは−5.5eVより大きいHOMOをもたらす。
【0187】
電子注入および/または電子輸送特性を有する群2の構造単位は、たとえば、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、オキサジアゾール、キノリン、キノキサリン、アントラセン、ベンズアントラセン、ピレン、ペリレン、ベンズイミダゾール、トリアジン、ケトン、ホスフィンオキシドおよびフェナジン単位であるが、トリアリールボラン、および低いLUMO(LUMO=最低空分子軌道)を有するさらなるO、SまたはN含有ヘテロ環でもある。これらの単位は、ホスト化合物において、好ましくは、−1.5eV未満(真空準位に対して)、特に好ましくは−2.0eV未満のLUMOをもたらす。
【0188】
本発明によるホスト化合物が、正孔移動度を増加させる構造および互いに直接結合した電子移動度(すなわち、群1および2の単位)を増加させる構造、または正孔移動度と電子移動度の両方を増加させる構造を含有する群3の単位を含有することが好ましい場合がある。これらの単位のいくつかは、エミッターとしての役割を果たし、放出色を緑色、黄色または赤色にシフトさせることができる。故に、それらの使用は、たとえば、元は青色であった放出ポリマーからの他の放出色の発生に適切である。
【0189】
群4による構造単位は、室温であっても高効率で三重項状態から光を放出する、すなわち、電子蛍光の代わりに電子リン光を呈することができるものであり、これは、エネルギー効率の増加を高頻度で引き起こす。この目的に適切なのは、第一に、36より大きい原子番号を有する重原子を含有する化合物である。上記で言及した条件を満たすd−またはf−遷移金属を含有する化合物が好ましい。本明細書においては、群8〜10の元素(Ru、Os、Rh、Ir、Pd、Pt)を含有する、対応する構造単位が好ましい。本明細書における、本発明によるホスト化合物に適切な構造単位は、たとえば、WO02/068435A1、WO02/081488A1、EP1239526A2およびWO2004/026886A2において記述されている種々の錯体である。対応するモノマーは、WO02/068435A1およびWO2005/042548A1において記述されている。
【0190】
群5の構造単位は、一重項状態から三重項状態への移動を改善し、群3の構造単位の支持において用いられ、これらの構造要素のリン光特性を改善するものである。この目的に適切なのは、特に、たとえば、WO2004/070772A2およびWO2004/113468A1において記述されている、カルバゾールおよび架橋カルバゾールダイマー単位である。また、この目的に適切なのは、たとえば、WO2005/040302A1において記述されている、ケトン、ホスフィンオキシド、スルホキシド、スルホン、シラン誘導体および同様の化合物もである。
【0191】
群6の構造単位は、上記で言及したもの以外に、少なくとも1つのさらなる芳香族構造または上記で言及した群に該当しない別の共役構造を有する、すなわち、電荷−担体移動度に対してわずかしか影響を有さないものであり、これらは、有機金属錯体ではなく、または一重項−三重項移動に影響を与えない。この種類の構造要素は、放出色に影響を与える場合がある。したがって、単位に応じて、それらはエミッターとしても用いられ得る。本明細書においては、6〜40個のC原子を有する芳香族構造、またはトラン、スチルベンもしくはビススチリルアリーレン単位(これらのそれぞれは、1個以上のラジカルRにより置換されていてもよい)も好ましい。本明細書においては、1,4フェニレン、1,4−ナフチレン、1,4−または9,10−アントリレン、1,6−、2,7−または4,9−ピレニレン、3,9−または3,10−ペリレニレン、4,4’−ビフェニリレン、4,4’’テルフェニリレン、4,4’−ビ−1,1’−ナフチリレン、4,4’−トラニレン、4,4’−スチルベニレン、4,4’’ビススチリルアリーレン、ベンゾチアジアゾールおよび対応する酸素誘導体、キノサリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、ビス(チオフェニル)アリーレン、オリゴ(チオフェニレン)、フェナジン、ルブレン、ペンタセンまたはペリレン誘導体の組み込みが特に好ましく、これらは、好ましくは置換、もしくは好ましくは共役プッシュ−プル系(ドナーおよびアクセプター置換基により置換されている系)、または系、たとえばスクアリンもしくはキナクリドン(これらは、好ましくは置換されている)である。
【0192】
群7の構造単位は、6〜40個のC原子を有する芳香族構造を含有する単位であり、これらは、典型的にはポリマー骨格として使用される。これらは、たとえば、4,5−ジヒドロピレン誘導体、4,5,9,10−テトラヒドロピレン誘導体、フルオレン誘導体、9,9’スピロビフルオレン誘導体、フェナントレン誘導体、9,10−ジヒドロフェナントレン誘導体、5,7−ジヒドロジベンゾオキセピン誘導体、ならびにcis−およびtrans−インデノフルオレン誘導体である。
【0193】
群8の構造単位は、ホスト化合物、たとえば、シロキサン、長アルキル鎖またはフッ素化基だけでなく、特に剛性または柔軟単位、たとえば、液晶形成単位または架橋可能な基の膜形態学的および/または流動学的特性にも影響を与えるものである。
【0194】
式(I)の構造単位以外に、好ましい構造単位とは異なる群1〜8から選択される1つ以上の単位を同時に追加で含有する、本発明によるポリマーもしくはデンドリマー、または本発明による混合物のポリマーもしくはデンドリマーが好ましい。同じく、1つの群の複数の構造単位が、同時に存在することが好ましい場合がある。
【0195】
本明細書においては、少なくとも1種の式(I)の構造単位以外に、ポリマーまたはデンドリマーの構造単位の総数に基づいて、群7の単位、特に好ましくは少なくとも50mol%のこれらの単位も含有する、本発明によるポリマー、または本発明による混合物のポリマーもしくはデンドリマーが好ましい。
【0196】
同じく、本発明によるポリマー、または本発明による混合物のポリマーもしくはデンドリマーが、電荷輸送または電荷注入を改善する単位、すなわち、群1および/または2の単位を含有することが好ましく、0.5〜30mol%の割合のこれらの単位が特に好ましく、1〜10mol%の割合のこれらの単位が非常に特に好ましい。
【0197】
本発明によるポリマー、または本発明による混合物のポリマーもしくはデンドリマーが、群7の構造単位ならびに群1および/または2の単位、特に少なくとも50mol%の群7の単位ならびに0.5〜30mol%の群1および/または2の単位を含有することがさらに特に好ましい。
【0198】
上記で言及した構造単位を重合させることができるように、これらは、好ましくは、カップリング反応、好ましくは金属触媒クロスカップリング反応に利用しやすい脱離基を含有する。脱離基で官能化された化合物は、重合の基礎を表す。故に、臭素誘導体を、アリールボロン酸もしくはアリールボロン酸誘導体と鈴木カップリングによって、または有機スズ化合物とスティル法によって反応させて、対応するポリマーまたはデンドリマーを得ることができる。
【0199】
これらのプロセスは、先行技術から知られている。故に、鈴木カップリングは、たとえば、ジフェニル誘導体またはビニル芳香族化合物の形成のためのクロスカップリング反応であり、ここで、アリールボロン酸を、好ましくは、ハロゲン化芳香族化合物と、好ましくはパラジウム/ホスフィン錯体の触媒的使用により反応させる。芳香族化合物の反応性は、臭素からトリフルオロメタンスルホン酸エステル(esther)を介してヨウ素へと増加し、その間に、反応性の弱い塩素化芳香族化合物であってもパラジウム/ホスフィン触媒と反応することができる。スティルクロスカップリング反応は、有機ホウ素化合物の代わりに有機スズ化合物によって類似して進行するが、これらはその高毒性のため、あまり好ましくない。
【0200】
本発明の目的のために、反応性脱離基、たとえば、臭素、ヨウ素、ボロン酸、ボロン酸エステル、トシレートまたはトリフレートにより置換されている構造単位が特に好ましい。これらは、対応する共役、部分共役もしくは非共役ポリマー、オリゴマーの生成のためのコモノマーとして、またはデンドリマーのコアとして使用されていてもよい。本明細書において、重合は、好ましくは、ハロゲン官能基またはボロン酸官能基を介して発生する。
【0201】
ポリマー合成のさらなる可能性は、酸誘発性、塩基誘発性またはフリーラジカル連鎖重合によってビニル基含有またはアルケニル基含有モノマーを調製することにある。
【0202】
モノマーのためのさらなる考えられる重合プロセスは、たとえば、WO2010/136111、WO2010/136110、DE102010027320.1およびDE102010006377.0において開示されている。
【0203】
本発明は、本発明による混合物または本発明によるポリマーもしくはデンドリマーを含む層を含む、多層構造にさらに関する。
【0204】
本発明における多層構造は、2つ以上の層(これらは、好ましくは、ガラス支持体に連続的に適用される)を含む多層構造を意味すると解される。層は、本発明による個々の化合物を含んでいてもよい。層が、異なる特性を有するさらなる化合物またはポリマーまたはデンドリマーを含むことが好ましい。
【0205】
本発明は、本発明による混合物または本発明によるポリマーもしくはデンドリマーおよび少なくとも1つの溶剤を含む、配合物、特に溶液、分散液またはエマルションにさらに関する。用いられ得る溶剤は、本発明による化合物を溶解する、またはそれらと懸濁液を形成することができる、考え得る限りのあらゆるものである。本明細書においては、本発明に従って、下記の溶剤が好ましい:ジクロロメタン、トリクロロメタン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、アニソール、モルホリン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、1,4−ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、酢酸エチル、n−ブチルアセテート、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラリン、デカリン、インダンおよび/またはそれらの混合物。
【0206】
溶液中の本発明による混合物または本発明によるポリマーもしくはデンドリマーの濃度は、溶液の総重量に基づいて、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。溶液は、たとえば、WO2005/055248A1において記述されている通り、溶液の流動学的特性を相応に調整するために、1つ以上の結合剤を任意に含んでいてもよい。
【0207】
溶液の適正な混合および熟成後、これらは下記のカテゴリー:「完全」溶液、「境界」溶液または不溶物の1つに分類される。境界線は、溶解度パラメーターを参照して、これらのカテゴリーの間に引かれる。対応する値は、文献、たとえば、「Crowley,J.D.、Teague,G.S.Jr.およびLowe,J.W.Jr.、Journal of Paint Technology、38、496号、296(1966)」から取得することができる。
【0208】
溶剤混合物を使用してもよく、「Solvents、W.H.Ellis、Federation of Societies for Coatings Technology、9〜10頁、1986」において記述されている通りに同定される。この種類のプロセスは、組成物を溶解するいわゆる「非」溶剤の混合物をもたらし得るが、混合物中に少なくとも1つの真溶剤を有することが望ましい。
【0209】
配合物のさらに好ましい形態は、エマルション、より好ましくはミニエマルションであり、これらは特に異相系として調製され、ここで、第一相の安定なナノ液滴は、第二の連続相中に分散される。
【0210】
連続相が極性相であるミニエマルションおよびさらに連続相が無極性相である逆ミニエマルションの両方が本発明において使用され得る。好ましい形態はミニエマルションである。エマルションの動力学的安定性を増加させるために、界面活性剤を混和してもよい。安定なミニエマルションを得るための、二相系のための溶剤、界面活性剤および加工の選択は、専門知識に基づいて、または多数の刊行物、たとえば、Landfesterによる包括的な論文、Annu.Rev,Mater.Res.(06)、36、231頁によって、この分野における当業者に知られているはずである。
【0211】
電子または光電子素子におけるいわゆる薄層の使用について、本発明による混合物、本発明によるポリマーもしくはデンドリマー、またはその配合物は、相応に適切なプロセスによって蒸着され得る。素子、たとえばOLEDの液体コーティングは、真空蒸着技術よりも望ましい。溶液からの蒸着法が特に好ましい。好ましい蒸着技術は、本発明を相応に制限することなく、浸漬コーティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、活版印刷、スクリーン印刷、ドクターブレードコーティング、ローラー印刷、逆ローラー印刷、オフセットリソグラフィー、フレキソ印刷、ウェブ印刷、スプレーコーティング、ブラシコーティングまたはパッド印刷およびスロットダイコーティングを含む。インクジェット印刷が特に好ましく、高解像度ディスプレイの生成を可能にする。
【0212】
本発明による溶液は、インクジェット印刷の助力により、またはマイクロディスペンシングによって、既製の素子基板に適用され得る。この目標のためには、有機半導体層を基板に適用するための、工業用圧電印刷ヘッド、たとえば、Aprion、日立工機、Inkjet Technology、On Target Technology、Picojet、Spectra、Trident、Xaar製のものの使用が好ましい。加えて、準工業用印刷ヘッド(たとえば、ブラザー、エプソン、コニカ、セイコーインスツル、東芝テック製のもの)、または単一ノズルマイクロディスペンシング機器(たとえば、MikrodropおよびMikrofabによって製造されたもの)を使用してもよい。
【0213】
本発明による化合物をインクジェット印刷またはマイクロディスペンシングによって適用できるように、適切な溶剤中に最初に溶解すべきである。溶剤は、上記で言及した要件に合うものでなくてはならず、選択された印刷ヘッドに対して悪影響を有してはならない。加えて、溶剤は、印刷ヘッド内部の溶液の乾燥によって引き起こされるプロセス上の問題を回避するために、100℃超、好ましくは140℃超、より好ましくは150℃超の沸点を有するべきである。上記で言及した溶剤以外に、下記の溶剤も適切である:置換および無置換のキシレン誘導体、ジ−C1~2−アルキルホルムアミド、置換および無置換のアニソールおよび他のフェノールエーテル誘導体、置換ヘテロ環、たとえば、置換ピリジン、ピラプシン(pyrapsines)、ピリミジン、ピロリジノン、置換および無置換のN,N−ジ−C1~2−アルキルアニリンならびに他のフッ素化または塩素化芳香族化合物。
【0214】
インクジェット印刷による、本発明による混合物または本発明によるポリマーの蒸着のための好ましい溶剤は、1個以上の置換基により置換されているベンゼン環を含有するベンゼン誘導体を含み、ここで、1個以上の置換基の炭素原子の総数は、少なくとも3個である。故に、たとえば、ベンゼン誘導体は、プロピル基または3個のメチル基により置換されていてもよく、ここで、各事例において、炭素原子の総数は少なくとも3個でなくてはならない。この種類の溶剤は、溶剤を本発明による混合物または本発明によるポリマーもしくはデンドリマーとともに含むインクジェット液体の形成を可能にし、スプレー中のノズルの目詰まりおよびコンポーネントの分離を低減させるまたは防止する。溶剤(複数可)は、下記の例一覧:ドデシルベンゼン、1−メチル−4−tert−ブチルベンゼン、テルピンオールリモネン(terpineollimonene)、イソズロール(isodurol)、テルピノレン、シモールおよびジエチルベンゼン(dethylbenzene)から選択され得る。溶剤は、2つ以上の溶剤を含む溶剤混合物であってもよく、ここで、溶剤のそれぞれは、好ましくは、100℃より高い、より好ましくは140℃より高い沸点を有する。この種類の溶剤は、蒸着層の膜形成を促進し、層誤差を低減させる。
【0215】
インクジェット液体(すなわち、混合物、好ましくは、溶剤(複数可)、結合剤および本発明による化合物のもの)は、好ましくは、20℃で、1〜100mPa・s、より好ましくは1〜50mPa・s、最も好ましくは1〜30mPa・sの粘度を有する。
【0216】
本発明による混合物、ポリマーもしくはデンドリマーまたは配合物は、1つ以上のさらなるコンポーネント、たとえば、表面活性物質、滑沢剤、湿潤剤、分散剤、撥水剤、接着剤、流動性向上剤、消泡剤、空気蒸着剤(air deposition agent)、希釈剤を追加で含んでいてもよく、これらは、反応性または非反応性の物質、助剤、着色剤、色素もしくは顔料、増感剤、安定剤または阻害剤であってもよい。
【0217】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子における、本発明による上記で言及した混合物、ポリマーまたはデンドリマーの使用にさらに関する。本発明による混合物、ポリマーまたはデンドリマーは、本明細書において、好ましくはエレクトロルミネッセンス層として、またはその中に形成される。層は、好ましくは、本発明による配合物を支持体に適用し、その後、溶剤を除去することによって形成される。
【0218】
本発明は、本発明による混合物、ポリマー、デンドリマーまたは配合物を含有する電子素子にさらに関する。
【0219】
電子素子は、好ましくは、カソード、アノードおよび少なくとも1つの有機層を好ましくは含み、有機層が、本発明による混合物、ポリマー、デンドリマーまたは配合物を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0220】
先ほど述べた通り、本発明による混合物、ポリマー、デンドリマーまたは配合物を含む有機層は、好ましくは放出層である。加えて、有機エレクトロルミネッセンス素子は、各事例において、1つ以上の正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、電子注入層、電子ブロッキング層、電荷発生層、および/または有機もしくは無機P/N接合を発生させる層から選択されるさらなる層を含んでいてもよい。エレクトロルミネッセンス素子は、さらなる放出層を追加で含んでいてもよい。たとえば、励起子ブロッキング機能を有するいわゆる中間層は、好ましくは2つの放出層の間に導入される。しかしながら、これらの層のそれぞれは、必ずしも存在しなくてはならないとは限らないことを指摘すべきである。
【0221】
有機エレクトロルミネッセンス素子は、好ましくは、平面形状を有し、かつ/またはファイバーの形態である。
【0222】
本発明の意味でのファイバーは、長さ対直径の比が10:1以上、好ましくは100:1である任意の形状を意味すると解され、ここで、縦軸に沿った横断面の形状は重要ではない。縦軸に沿った横断面は、したがって、たとえば、円形、楕円形、三角形、長方形または多角形であってもよい。発光ファイバーは、それらの使用について好ましい特性を有する。故に、それらは、とりわけ、治療的および/または化粧的光線療法の分野における使用に適切である。この点におけるさらなる詳細は先行技術において(たとえば、US6538375、US2003/0099858、Brenndan O’Connorら、(Adv.Mater.2007、19、3897〜3900および未公開特許出願EP10002558.4において)記述されている。
【0223】
有機エレクトロルミネッセンス素子が複数の放出層を含み、ここで、少なくとも1つの放出層が、本発明による混合物、ポリマーまたはデンドリマーを含むならば、これらの複数の層は、好ましくは、全体で380nm乃至750nmの複数の放出最大値を有し、総合的に白色放出をもたらす、すなわち、蛍光を発するまたはリン光を発することができる種々の放出化合物が放出層において使用される。三層系が特に好ましく、ここで、3つの層は、青色、緑色および橙色または赤色放出を呈し、基本構造については、たとえばWO2005/011013を参照されたい。
【0224】
種々の層を本発明の目的に合わせて異なって適用することができる。たとえば、本発明によるエレクトロルミネッセンス素子中の1つ以上の層を溶液から適用することができ、1つ以上の層を昇華プロセスを介して適用することができ、ここで、材料は、10-5mbar未満、好ましくは10-6mbar未満、特に好ましくは10-7mbar未満の圧力での真空昇華ユニットにおける気相蒸着によって適用される。同じく、1つ以上の層を、OVPD(有機気相蒸着)プロセスを利用してまたはキャリアガス昇華の助力により適用することが可能であり、ここで、材料は、10-5mbar乃至1barの圧力で適用される。このプロセスの特殊な事例はOVJP(有機蒸気ジェット印刷)プロセスであり、ここで、材料は、ノズルを経由して直接適用され、述べたように構造化される(たとえば、M.S.Arnoldら、Appl.Phys.Lett.2008、92、053301)。
【0225】
しかしながら、有機エレクトロルミネッセンス素子中の1つ以上の層が、溶液から、たとえばスピンコーティングによって、または任意の所望の印刷プロセス、たとえば、スクリーン印刷、フレキソ印刷もしくはオフセット印刷を利用して適用されることが特に好ましい。しかし、特に好ましくは、LITI(光誘発性熱画像化、熱転写印刷)、またはインクジェット印刷である。これらのプロセスは、概して当業者に知られており、当業者によって問題なく有機エレクトロルミネッセンス素子に適用され得る。
【0226】
素子は、通常、カソードおよびアノード(電極)を含む。電極(カソード、アノード)は、本発明の目的に合わせて、考えられる最も効率的な電子または正孔注入を確保するために、それらの仕事関数が、隣接する有機層の電位に可能な限り対応するような手法で選択される。
【0227】
カソードは、好ましくは、金属錯体;低い仕事関数を有する金属;種々の金属、たとえば、アルカリ土類金属、アルカリ金属、主族金属またはランタノイド(たとえば、Ca、Ba、Mg、Al、In、Mg、Yb、Sm等)を含む金属合金または多層構造を含む。多層構造の事例において、比較的高い仕事関数を有するさらなる金属、たとえばAgを、前記金属に加えて使用してもよく、この事例においては、金属の組合せ、たとえば、Ca/AgまたはBa/Agが概して使用される。高誘電率を有する材料の薄い中間層を、金属カソードと有機半導体との間に導入することが好ましい場合もある。この目的に適切なのは、たとえば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属フッ化物であるが、対応する酸化物(たとえば、LiF、Li2O、BaF2、MgO、NaF等)もである。この層の層厚さは、好ましくは1乃至10nm、より好ましくは2〜8nmである。
【0228】
アノードは、好ましくは、高い仕事関数を有する材料を含む。アノードは、好ましくは、対真空で4.5eVより大きい電位を有する。この目的に適切なのは、一方では、高い酸化還元電位を有する金属、たとえば、Ag、PtまたはAuである。他方では、金属/金属酸化物電極(たとえば、Al/Ni/NiOx、Al/PtOx)も好ましい場合がある。いくつかの用途では、有機材料の照射(O−SC)または光のカップリングアウト(OLED/PLED、O−レーザー)のいずれかを可能にするために、電極の少なくとも1つが透明でなくてはならない。好ましい構造は、透明なアノードを使用する。本明細書において好ましいアノード材料は、伝導性混合金属酸化物である。インジウムスズ酸化物(ITO)またはインジウム亜鉛酸化物(IZO)が特に好ましい。伝導性ドープ有機材料、特に伝導性ドープポリマーがさらに好ましい。
【0229】
素子は、用途に応じて、それ自体が知られているように相応に構造化され、端子が設けられ、この種類の素子の寿命は水および/または空気の存在下では大幅に短縮されるため最終的には密封される。
【0230】
本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子は、好ましくは、有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED)、有機電界効果トランジスタ(O−FET)、有機薄膜トランジスタ(O−TFT)、有機発光トランジスタ(O−LET)、有機集積回路(O−lC)、有機太陽電池(O−SC)、有機電場消光素子(O−FQD)、有機発光電気化学電池(OLEC)、発光電気化学トランジスタ、有機感光体、「有機プラズモンダイオード」、「有機プラズモン放出素子」または有機レーザーダイオード(O−レーザー)からなる群から選択される。有機エレクトロルミネッセンス素子が特に好ましい。
【0231】
本発明において記述されている態様の変形形態は、本発明の範囲内にあることを指摘すべきである。本発明において開示されている各特色は、明示的に除外されているのでない限り、同じ、同等のまたは同様の目的を果たす代替的な特色により置きかえられ得る。故に、本発明において開示されている各特色は、別段の記載がない限り、包括的なシリーズの一例、または同等のもしくは同様の特色とみなされるべきである。
【0232】
本発明のすべての特色は、ある特定の特色および/またはステップが相互に排他的でない限り、任意の手法で互いに組み合わせることができる。これは、特に、本発明の好ましい特色に当てはまる。同等に、必須でない組合せの特色を別個に(かつ組み合わせずに)使用することができる。
【0233】
特色、特に本発明の好ましい態様のものの多くは、単に本発明の態様の一部としてだけでなく、それら自体が発明とみなされるべきであることを、さらに指摘すべきである。独立保護は、現在特許請求されている各発明に加えて、またはその代替として、これらの特色に認められていてもよい。
【0234】
本発明とともに開示されている技術的行為についての教示を抜粋し、他の例と組み合わせることができる。
【0235】
それによって制限されることを望まないが、下記の例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0236】
合成および実施例:
下記の材料を本発明において使用した:
【化37】
【0237】
E1は緑色三重項エミッターであり、J.Am.Chem.Soc.2001、123、4304〜4312に従って合成した。E2は赤色三重項エミッターであり、US20030072964A1に従って合成した。
【0238】
さらなる化合物の合成について以下で記述する:
例1
2,4−ビスビフェニル−3−イル−6−(3−ブロモフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
【化38】
【0239】
171g(954mmol)のビフェニル−3−カルボニトリル[24973−50−0]を、800mlのジクロロベンゼン中、60ml(454mmol)の3−ブロモベンゾイルクロリド[1711−09−7]、10ml(137mmol)の塩化チオニルおよび60.6g(454mmol)の塩化アルミニウムの懸濁液に、100℃でゆっくり添加する。温度がわずかに上昇し、反応溶液は橙色になる。反応物を、混濁が消失するまで115℃で撹拌する。反応物を100℃に冷却し、塩化アルミニウムを添加し、混合物を100℃で20時間撹拌する。溶液を室温に冷却し、3リットルのメタノールに注ぎ入れ、さらに1時間撹拌し、結果として生じる沈殿物を吸引で濾過除去する。このようにして取得された沈殿物を、熱エタノール中で洗浄し、吸引で濾過除去し、真空で乾燥させ、92g(170mmol)の白色固体を得る。
【0240】
例2
2,4−ビスビフェニル−3−イル−6−(4’−ビニルビフェニル−3−イル)−1,3,5−トリアジン(M1)の合成
【化39】
【0241】
50g(92.5mmol)の2,4−ビスビフェニル−3−イル−6−(3−ブロモフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび13.8g(93.2mmol)のスチレンボロン酸[2156−04−9]を、300mlのトルエンに溶解し、100mlの2M炭酸ナトリウム溶液を添加する。反応混合物を慎重に脱気し、200mgのテトラキストリフェニルホスフィンパラジウムを添加し、混合物を20時間加熱還流する。溶液を室温に冷却し、相を分離する。水相をトルエンで3回抽出し、合わせた有機相をその後水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶剤を真空で揮散除去する。残留物をイソプロパノールから再結晶させて、18.8g(33.3mmol)(36%)の白色固体を99.7%の純度で得る。
【0242】
例3
5’−p−ビニルフェニル−1,1’,3’,5’’−テルフェニル(M2)の合成
【化40】
【0243】
35g(113mmol)の5’−ブロモテルフェニル[103068−20−8]および16.7g(113mmol)のスチレンボロン酸[2156−04−9]を、300mlのトルエンに溶解し、100mlの2M炭酸ナトリウム溶液を添加する。反応混合物を慎重に脱気し、200mgのテトラキストリフェニルホスフィンパラジウムを添加し、混合物を20時間加熱還流する。溶液を室温に冷却し、相を分離する。水相をトルエンで3回抽出し、合わせた有機相をその後水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶剤を真空で揮散除去する。残留物をイソプロパノールから再結晶させて、99.5%の純度を有する14g(42mmol)(37%)の白色固体を得る。
【0244】
例4
[1,1’;3’,1’’]テルフェニル−5’−イル4’−ビニルビフェニル−3−イルケトン(M3)の合成
【化41】
【0245】
25g(60.5mmol)の(3−ブロモフェニル)−[1,1’;3’,1’’]テルフェニル−5’−イルメタノンおよび9g(60.5mmol)のスチレンボロン酸[2156−04−9]を、300mlのトルエンに溶解し、100mlの2M炭酸ナトリウム溶液を添加する。反応混合物を慎重に脱気し、200mgのテトラキストリフェニルホスフィンパラジウムを添加し、混合物を20時間加熱還流する。溶液を室温に冷却し、相を分離する。水相をトルエンで3回抽出し、合わせた有機相をその後水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶剤を真空で揮散除去する。残留物をヘプタン/アセトニトリル 1:1から再結晶させて、純度99.9%の12g(27mmol)(45%)の白色固体を得る。
【0246】
例5
ジフェニル(4−ビニルフェニル)アミン(M4)の合成
【化42】
【0247】
19g(53mmol)のメチルホスホニウムブロミドを、保護ガス下、乾燥THFに懸濁し、6g(53mmol)のカリウムtert−ブトキシドを0℃で小分けにして添加すると、橙色への即時の色変化が発生する。14g(51.2mmol)のN,N−ジフェニル−p−アミノベンズアルデヒドを反応溶液に0℃で添加する。混合物を室温に加温し、さらに20時間撹拌する。溶剤を真空で揮散除去し、残留物をジクロロメタンに溶かし、溶液を水で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶剤を真空で揮散除去する。取得された黄色油をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけて、純度99.5%の12g(44mmol)(86%)の白色固体を得る。
【0248】
スチリル基を利用する重合のためのさらなるモノマー
【化43】
【0249】
ヘテロレプティックイリジウム錯体M5/M6の合成
ステップ1:
10mmolのビスアセチルアセトナートジクロロイリデートナトリウム(III)[770720−50−8]および24mmolのフェニルピリジンまたはフェニルイソキノリンの混合物を、50mlのガラス製アンプル中に真空(10-3mbar)で融解させる。アンプルを指示された温度で指示された時間加熱し、融解した混合物を磁気撹拌器の助力により撹拌する。冷却した後(注:アンプルは通常、加圧下である)、アンプルを開け、焼結ケーキを100gのガラスビーズ(直径3mm)とともに100mlのジクロロメタン中で3時間撹拌し、プロセス中に機械的に消化する。微細懸濁液をガラスビーズからデカントで除き、固体を吸引で濾過除去し、真空で乾燥させる。
【0250】
ステップ2:
このようにして取得された式[Ir(L)2Cl]2の粗製クロロ架橋ダイマーを、300mlのアセトンに懸濁し、4.4g(20mmol)のトリフルオロ酢酸銀(I)[2966−50−9]を懸濁液に添加し、混合物を2時間加熱還流する。冷却した後、塩化銀沈殿物を濾過除去し(P4)、4.8g(22mmol)の6−(4−ビニルフェニル)−2,4−ヘキサンジオン[59990−76−0]および10mlのトリエチルアミンを濾液に添加し、混合物を室温で20時間撹拌する。真空でのアセトンの除去後、残留物を200mlのジクロロメタンに溶かし、約10cmの長さを持つ酸化アルミニウムカラム(酸化アルミニウム、塩基性、活性グレード1)に通して濾過する。濾液の蒸発後、残留物を、酸化アルミニウム(酸化アルミニウム、塩基性、活性グレード(1)上で、ジクロロメタンを用いて、99.5%より高い、好ましくは99.9%より高い純度(HPLC)に到達するまでクロマトグラフィーにかける。
【0251】
例6
重合可能な基としてのスチリル基のための一般的な重合手順
表1において指示されている組成物中のモノマーM1〜M4およびスチレン(M5およびM6)を、20mlのトルエンに、1mol/lの濃度にて、保護ガス下、80℃で溶解する。64mgのAlBNをその後添加し、混合物を80℃でさらに2時間撹拌する。反応溶液を室温に冷却し、ポリマーは、100mlのメタノール中への沈殿(パスツールピペットをゆっくり使用する)によって取得される。白色沈殿物を吸引で濾過除去し、その後トルエンに再溶解し、メタノール中で再沈殿させ、吸引で濾過除去する。ポリマーを、真空乾燥キャビネット(VDC)内で乾燥させる。
【0252】
ポリマーの分子量および収率が表2に収載されており、ここで、P2〜P4およびP6〜P8は本発明によるポリマーであり、P1およびP5は比較用ポリマーである。
【表1】
【表2】
【0253】
例7
4−[2−(2,5−ジブロモフェニル)エチル]フェニル}ジフェニルアミン(S1)
【化44】
【0254】
13.1g(48mmol)のジフェニル(4−ビニルフェニル)アミンおよび12g(25mmol)の9−BBNダイマーを、200mlのトルエンに、室温、保護ガス下で溶解し、20時間撹拌する。反応中に、9−BBNの懸濁液がゆっくり溶解する。17g(48mmol)の1,4−ジブロモ−2−ヨードベンゼン[89284−52−6]および50mlの1M NaOH溶液を、その後反応溶液に添加する。反応混合物を慎重に脱気し、200mgのテトラキストリフェニルホスフィンパラジウムを添加し、混合物を20時間加熱還流する。溶液を室温に冷却し、相を分離する。水相をトルエンで3回抽出し、合わせた有機相をその後水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶剤を真空で揮散除去する。残留物をエタノール/トルエン 3:1から再結晶させて、99.8%の純度を有する23.6g(46.6mmol)(97%)の白色固体を得る。
【0255】
下記のモノマーS2〜S4は、モノマーS1(4−[(2,5−ジブロモフェニル)エチル]フェニル}ジフェニルアミン)の合成と類似して、それらの対応するビニル化合物から調製される。
【0256】
例8
4’−[2−(2,5−ジブロモフェニル)エチル]ビフェニル−3−イル}−[1,1’;3’,1’’]テルフェニル−5’−イルメタノン(S2)
【化45】
【0257】
例9
4−[2−(2,5−ジブロモフェニル)エチル]−[5’−フェニル][1,1’;3’,1’’]テルフェニル(S3)
【化46】
【0258】
例10
2,4−ビスビフェニル−3−イル−6−{4’−[2−(2,5−ジブロモフェニル)エチル]ビフェニル−3−イル}−1,3,5−トリアジン(S4)
【化47】
【0259】
ビス−(4−ブロモフェニル)ジフェニルシラン
【化48】
【0260】
33.9g(144mmol)の1,4−ジブロモベンゼンを、内部温度計、撹拌棒、アルゴンブランケットおよび滴下漏斗付きの加熱乾燥した1000mlの四つ口フラスコ内、300mlの無水THFに溶解し、−75℃に冷却する。90ml(144mmol)のn−ブチルリチウム(ヘキサン画分中1.6M)を、30分間にわたって滴下添加し、混合物をその後この温度で1時間撹拌する。次いで、60mlのTHF中の15.3ml(18.3g、72mmol)のジフェニルジクロロシランを−75℃で滴下添加し、混合物を室温に終夜加温する。溶剤を除去し、残留物をジクロロメタンに懸濁し、濾過する。溶剤を濾液から除去し、生成物を、ブタノールから2回およびヘプタン/トルエンから2回再結晶させて、16.8g(理論の47%)をHPLCにより99.9%の純度で得る。
【0261】
ビス−(4−ボロランフェニル)ジフェニルシラン(S7)
【化49】
【0262】
25.2g(51mol)のビス−(4−ブロモフェニル)ジフェニルシランを、250mlのジオキサンに溶解し、25.9g(102mol)のビス(ピナコラト)ジボランおよび10.83g(2.9モル当量、0.11mol)の酢酸カリウムを添加する。1.11g(1.4mmol)の1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(ジクロロメタンとの錯体(1:1)、Pd13%)をその後添加し、バッチを110℃に加温する。TLC確認の後、バッチを室温に冷却し、200mlの水を添加し、相を分離する。有機相を水で洗浄し、水相を酢酸エチルで抽出し、次いで合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶剤を真空で揮散除去する。残留物をエタノールから再結晶させて、純度99.9%の12g(27mmol)(45%)の白色固体を得る。
【0263】
例11
鈴木重合のためのさらなるモノマー
【化50】
【0264】
S5およびS6は、DE102009023154に従って調製される。
【0265】
臭素化Ir(acac)錯体S8およびS9のための一般的合成
【化51】
【0266】
式[Ir(L)2Cl]2のクロロ架橋ダイマー(18mmol)を、300mlのアセトンに懸濁し、4.4g(45mmol)のアセチルアセトネートおよび200mgの炭酸ナトリウムを懸濁液に添加し、混合物を不活性ガス雰囲気下で12〜15時間加熱還流する。室温に冷却した後、沈殿物を濾過除去し、濾液を水、ヘプタンおよびアセトンで洗浄する。粗生成物を、酸化アルミニウム(酸化アルミニウム、塩基性、活性グレード(1)上で、ジクロロメタンを用いて、99.5%より高い、好ましくは99.9%より高い純度(HPLC)に到達するまでクロマトグラフィーにかける。
【0267】
例12
重合可能な基としてのモノマーS1〜S9の鈴木重合のための一般的な重合手順
本発明によるポリマーP10〜P12およびP14〜P20ならびに比較用ポリマーP9およびP13は、WO03/048225A2に従い、下記のモノマー(百分率=mol%)を使用する鈴木カップリングによって合成する。
【表3】
【0268】
例13
OLEDの生成
有機発光ダイオード(OLED)の生成については、文献において(たとえばWO2004/037887A2において)既に何度も記述されている。例として本発明を説明するために、表1〜3のポリマーP1〜P20を含むOLEDは、スピンコーティングによって生成される。
【0269】
この目標のために、Technoprint製の基板(ソーダ石灰ガラス)にITO構造(インジウムスズ酸化物、透明な伝導性アノード)を適用したものを使用する。
【0270】
基板を、クリーンルーム内、脱イオン(DI)水および洗浄剤(デコネックス15PF)で清浄化し、次いで、UV/オゾンプラズマ処理によって活性化する。次いで、PEDOTの80nmの層(PEDOTは、H.C.Starck、Goslar製のポリチオフェン誘導体(バイトロンP VAI 4083sp.)であり、これは、水分散液として供給される)を、クリーンルーム内と同じくスピンコーティングにより、緩衝層として適用する。必須のスピン速度は、希釈度および具体的なスピンコーターの形状によって決まる(典型的には、80nmで4500rpm)。残留水を層から除去するために、基板を180℃のホットプレート上で10分間加熱することにより、乾燥させる。次いで、不活性ガス雰囲気(窒素またはアルゴン)下、最初に20nmの中間層(典型的には正孔支配ポリマー、ここではMerck製HIL−012)、次いで80nmの放出層(EML)を、トルエン溶液(中間層の濃度5g/l)から適用する。OLED中のEML組成物を表に指示する。2つの層を180℃で少なくとも10分間加熱することにより、乾燥させる。次いで、Ba/Alカソードを、気相蒸着(Aldrich製高純度金属、特にバリウム99.99%(注文番号474711);Leskerまたは他社製気相蒸着ユニット、典型的な気相蒸着圧力5×106mbar)によって適用する。特にカソードを空気および大気中水分から保護するために、素子を最終的には封入し、次いで特徴づける。
【表4】
【0271】
この目標のために、基板サイズに合わせて特別に製造され、かつバネ端子が設けられたホルダーに、素子を固定する。外部光による影響を排除するために、アイレスポンスフィルター(eye response filter)付きのフォトダイオードを計測ホルダーに直接付着させてよい。
【0272】
電圧は、典型的には、0から最大値へ上昇する。0.2V刻みで20Vにし、再度低減させる。各計測点について、素子を経由する電流およびフォトダイオードから取得される光電流を計測する。このようにして、試験素子のIVLデータを取得する。重要な特徴量は、計測された最大効率(「eff.」、単位cd/A)および100cd/m2に必要とされる電圧U100である。
【0273】
加えて、試験素子の色および正確なエレクトロルミネッセンススペクトルを知るために、100cd/m2に必要とされる電圧を最初の計測の後で再度印加し、フォトダイオードをスペクトル計測ヘッドにより置きかえる。これを、光ファイバーにより分光計(Ocean Optics)に接続する。色座標(CIE:国際照明委員会、1931年標準観測者)は、計測したスペクトルから導くことができる。
【表5】
【0274】
結果から分かるように、OLED2およびOLED3は、効率についてOLED1を上回る有意な改善を表し、OLED4およびOLED6はOLED5を、OLED10およびOLED11はOLED9を、OLED14およびOLED15はOLED13を上回る改善を表す。OLED1、OLED5、OLED9およびOLED13は、先行技術に従う素子であり、ここで、2つの別個の三重項エミッターE1およびE2がマトリックス中に同時にドープされている。また、OLED2、OLED3、OLED4、OLED6、OLED10、OLED11、OLED14、OLED15およびOLED17〜20は、本発明による素子であり、ここで、エミッターの少なくとも1つがマトリックス(ポリマー)と共有結合している。
【0275】
OLED4、OLED8、OLED12およびOLED16は、同じく本発明による素子であり、ここで、2つのエミッターがマトリックス(ポリマー)と共有結合している。これらは、同じく、効率について、先行技術に従うOLEDを上回る有意な改善を呈する。
【0276】
本発明によるOLEDの効率的なエネルギー伝達の原因は、マトリックス中の放出単位の共有結合であると考えられる。本発明による本技術的教示に基づいて、異なる可能性を利用して発明性なしにさらなる最適化を実現することが可能であろう。故に、さらなる最適化は、たとえば、マトリックス中の別のETMおよびもしくはHTM、ならびに/またはエミッター単位の使用によって、実現することができる。
【0277】
例14
9−(4−ビニルフェニル)−10−(2’−ナフチル)アントラセン(M7)の合成
【化52】
【0278】
25g(65.2mmol)の(9−ブロモ−10−ナフチルフェニル)アントラセン[474688−73−8]および9.7g(60.5mmol)のスチレンボロン酸[2156−04−9]を、300mlのトルエンに溶解し、100mlの2M炭酸ナトリウム溶液を添加する。反応混合物を慎重に脱気し、200mgのテトラキストリフェニルホスフィンパラジウムを添加し、混合物を20時間加熱還流する。溶液を室温に冷却し、相を分離する。水相をトルエンで3回抽出し、合わせた有機相をその後水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶剤を真空で揮散除去する。残留物をヘプタン/アセトニトリル 1:1から再結晶させて、純度99.9%の11.1g(27.4mmol)(42%)の淡緑色固体を得る。
【0279】
例15
PS−PEOブロックコポリマーのための一般的な重合手順
下記の一般式
【化53】
【0280】
に従うPS−PEOブロックコポリマーは、下記の一般的手順に従って合成され、ここで、Dは異なる官能基であってよい。
【0281】
一般的な重合手順:
表6において指示されている組成物中のモノマーM1〜M4およびM7を、20mlのトルエンに、1mol/lの濃度にて、保護ガス下、室温で溶解する。5mol/%のsecブチルリチウム(ヘキサン中2M)をその後添加し、混合物を室温でさらに2時間撹拌する。表6において指示されている量のエチレンオキシドを、その後、末端基官能化のために反応溶液に添加する。重合は、カリウムtert−ブトキシドおよび用いられるトルエンに基づき0.5当量のDMSOの添加により、再開される。重合は、0.1Mメタノール性HCl溶液の添加により停止され、ポリマーは、100mlのメタノール中への沈殿(パスツールピペットをゆっくり使用する)によって取得される。白色沈殿物を吸引で濾過除去し、その後トルエンに再溶解し、メタノール中で再沈殿させ、吸引で濾過除去する。ポリマーをVDC内で乾燥させる。
【0282】
ポリマーの分子量および収率が表7に収載されている。
【表6】
【表7】
【0283】
例16
PS−PEOブロックコポリマーおよび他の官能化合物を含む配合物
表8にまとめられている溶液は、次のようにして調製され、ここで、LiTrfは、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiTf、99.995%金属主成分;Aldrich)を表し、下記の式中のE3は、一重項青色エミッターである。E3は、WO2008/006449に従って合成される。
【化54】
【0284】
第一に、表8において指示されている組成物に従うポリマーおよびエミッターを、シクロヘキサノンに10mg/mlの濃度で溶解し、溶液が透明になるまで撹拌する。溶液を、MilliporeマイレクスLS、疎水性PTFE5.0μmフィルターを使用して濾過する。溶液は、第一の原液である。
【0285】
第二の原液は、次のようにして調製される:LiTrfを、シクロヘキサノンに5mg/1mlの濃度で溶解し、溶液が透明になるまで撹拌する。溶液を、「MilliporeマイレクスHV、0.45μm、PVDF」フィルターを使用して濾過する。
【0286】
溶液OLEC1〜4は、第一の原液および第二の原液を1:0.066の体積比で混合することによって調製される。次いで、溶液を3時間撹拌する。
【0287】
溶液OLEC1〜4は、OLECの放出層をコーティングするために使用される。対応する固体組成物は、溶液の溶剤を蒸発させることによって取得され得る。これは、さらなる配合物の調製に使用され得る。
【表8】
【0288】
例17
OLECの生成
層構造:ITO/PEDOT/中間層/EML/カソードを有するOLEC1〜4は、次のようにして構築される。中間層を除けば、生成は、例13において上述した通りのOLEDのものと同一である。
【0289】
種々のOLECにおけるEML組成物が表8において指示されている。EML層は、スピンコーティングによって適用され、50℃で少なくとも30分間加熱することによって乾燥する。次いで、100nmのAlカソードを、気相蒸着(Aldrich製高純度金属、特にバリウム99.99%(注文番号474711);数ある中でもLesker製の気相蒸着機器、典型的な気相蒸着圧力5×10-6mbar)によって適用する。特にカソードを空気および大気中水分から保護するために、素子を最終的には封入し、次いで特徴づける。
【0290】
OLEC1〜4は、例13において記述されている方法を使用して特徴づけられる。
【表9】
以下に本願の出願当初の請求項を実施の態様として付記する。
[1] (c)少なくとも1種のリン光性エミッター単位を含有する化合物A、および
(d)少なくとも1種の放出単位を含有する化合物Bを含み、2つの化合物AおよびBの少なくとも一方が、ポリマーまたはデンドリマーである混合物。
[2] 前記ポリマーまたはデンドリマーは、ホスト材料の群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含有する、[1]に記載の混合物。
[3] 化合物Bの放出単位の少なくとも1種は蛍光エミッター単位である、[1]又は[2]に記載の混合物。
[4] 化合物Bの放出単位の少なくとも1種はリン光性エミッター単位である、[1]〜[3]の1項以上に記載の混合物。
[5] 前記リン光性エミッター単位は金属−リガンド配位化合物を含む単位である、[4]に記載の混合物。
[6] 化合物AおよびBの一方がポリマーまたはデンドリマーであり、他方が4000g/mol以下の分子量を有する化合物である、[1]〜[5]の1項以上に記載の混合物。
[7] 化合物Aおよび/または化合物Bが主鎖骨格を含有するポリマーである、[1]〜[5]の1項以上に記載の混合物。
[8] 前記ポリマーは側鎖を有する、[7]に記載の混合物。
[9] 前記ポリマーは共役または非共役ポリマーである、[7]又は[8]に記載の混合物。
[10] 前記放出単位は、主鎖骨格中に繰り返し単位として存在するか、側鎖中に繰り返し単位として存在する、[9]に記載の混合物。
[11] 電荷輸送単位が側鎖中に存在する、[8]〜[10]の1項以上に記載の混合物。
[12] 電荷輸送単位が正孔輸送単位または電子輸送単位である、[11]に記載の混合物。
[13] 電荷輸送単位が2つの側鎖中に存在し、一方の電荷輸送単位が正孔輸送単位であり、他方の電荷輸送単位が電子輸送単位である、[11]又は[12]に記載の混合物。
[14] 主鎖骨格が、化合物Aのリン光性エミッター単位および化合物Bのエミッター単位の三重項準位よりも高いエネルギーを有する三重項準位を有する、[7]〜[13]の1項以上に記載の混合物。
[15] 化合物A及びBが、各々、ポリマー又はデンドリマーである、[7]〜[14]の1項以上に記載の混合物。
[16] 化合物A及びBの一方の放出バンドの最大値が、他方の化合物の放出バンドの最大値よりも短い波長である、[1]〜[15]の1項以上に記載の混合物。
[17] 化合物Aの放出バンドが、化合物Bの吸収バンドの波長範囲と重複する波長範囲内である、[1]〜[16]の1項以上に記載の混合物。
[18] 化合物Aの放出バンドの最大値は青色光の波長領域内であり、化合物Bの放出バンドの最大値は緑色または赤色光の波長領域内である、[1]〜[17]の1項以上に記載の混合物。
[19] 化合物Aの放出バンドの最大値は緑色光の波長領域内であり、化合物Bの放出バンドの最大値は赤色光の波長領域内である、[1]〜[17]の1項以上に記載の混合物。
[20] リン光性エミッター単位A1および放出単位B1を含有するポリマーまたはデンドリマーであって、前記単位A1とB1が互いに共役していないポリマーまたはデンドリマー。
[21] 単位A1は該ポリマーの主鎖骨格中の繰り返し単位であり、単位B1は該主鎖骨格に側鎖として連結している、[20]に記載のポリマーまたはデンドリマー。
[22] 単位A1とB1は、該ポリマーの主鎖骨格中の繰り返し単位である、[20]に記載のポリマーまたはデンドリマー。
[23] リン光性エミッター単位A1、また放出単位B1の双方が、金属−リガンド配位化合物単位である、[20]〜[22]の1項以上に記載のポリマーまたはデンドリマー。
[24] 電子デバイスにおける[1]〜[19]の1項以上に記載の混合物、あるいは、[20]〜[23]の1項以上に記載のポリマーまたはデンドリマーの使用。
[25] [1]〜[19]の1項以上に記載の混合物、あるいは、[20]〜[23]の1項以上に記載のポリマーまたはデンドリマーを含有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、好ましくは、有機発光素子(OLED)、有機発光電気化学電池(OLEC)、有機発光トランジスタ(OLET)、有機集積回路(O−lC)、有機電界効果トランジスタ(O−FET)、有機薄膜トランジスタ(O−TFT)、有機太陽電池(O−SC)、色素増感有機太陽電池(DSSC)、有機光学検波器、有機感光体、有機電場消光素子(O−FQD)、有機レーザーダイオード(O−レーザー)及び「有機プラズモン放出素子」からなる群から選択される有機エレクトロルミネッセンス素子。
[26] [1]〜[19]の1項以上に記載の混合物、または、[20]〜[23]の1項以上に記載のポリマーもしくはデンドリマー、及び、少なくとも1種の溶剤を含有する配合物、特に、溶液、分散液又はエマルジョン。