(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、無線LAN(Wireless Local Area Network、WLAN)の構造を示す概念図である。
【0011】
図1の上段は、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11のインフラストラクチャBSS(Basic Service Set)の構造を示す。
【0012】
図1の上段を参照すると、無線LANシステムは、一つ又は複数のインフラストラクチャBSS100、105(以下、BSSという)を含むことができる。BSS100、105は、成功裏に同期化されて互いに通信できるAP(Access Point)125及びSTA1(STAtion)100−1などのAP及びSTAのセットであり、特定領域を示す概念ではない。BSS105は、一つのAP130に(一つ以上の)ジョインできる(結合可能な)一つ又は複数のSTA105−1、105−2(one or more STAs 105-1 and 105-2 which may be joined to one AP 130)を含むこともできる。
【0013】
BSSは、少なくとも一つのSTA、分散サービス(Distribution Service)を提供するAP125、130及び複数のAPを接続させる分散システム(Distribution System、DS)110を含むことができる。
【0014】
分散システム110は、複数のBSS100、105を接続して、拡張されたサービスセットであるESS(Extended Service Set)140を具現することができる。ESS140は、一つ又は複数のAP125、230が分散システム110を介して接続されて構成された一つのネットワーク(network)を指示する(示す)(indicating)用語として使われることができる。一つのESS140に含まれるAPは、同じSSID(Service Set Identification)を有することができる。
【0015】
ポータル(portal)120は、無線LANネットワーク(IEEE802.11)と他のネットワーク(例えば、802.X)との接続を実行するブリッジの役割を遂行することができる。
【0016】
図1の上段のようなBSSでは、AP125、130間のネットワーク及びAP125、130とSTA100−1、105−1、105−2との間のネットワークが具現されることができる。しかし、AP125、130無しでSTA間でもネットワークを設定して通信を実行することも可能である。AP125、130無しでSTA間でネットワークを設定して通信を実行するネットワークをアドホックネットワーク(Ad-Hoc network)又は独立BSS(Independent Basic Service Set)と定義する。
【0017】
図1の下段は、IBSSを示す概念図である。
【0018】
図1の下段を参照すると、IBSSは、アドホックモードで動作するBSSである。IBSSは、APを含まないため、中央で管理機能を遂行するエンティティ(centralized management entity)がない。即ち、IBSSにおいて、STA150−1、150−2、150−3、155−4、155−5は、分散された方式(distributed manner)で管理される。IBSSにおいて、全てのSTA150−1、150−2、150−3、155−4、155−5は、移動STAからなることができ、分散システムへの接続が許可(許容)され(permitted)ず自己完結型(完備的)ネットワーク(self-contained network)を構築する。
【0019】
STAは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11標準の規定に従う媒体接続制御(Medium Access Control、MAC)及び無線媒体(wireless medium)に対する物理層(Physical Layer)インターフェースを含む任意の機能媒体であり、広義では、AP及び非AP STA(Non-AP Station)を両方とも含む意味として使われることができる。
【0020】
STAは、移動端末(mobile terminal)、無線機器(wireless device)、無線送受信ユニット(Wireless Transmit/Receive Unit;WTRU)、ユーザ装置(装備)(User Equipment;UE)、移動局(Mobile Station;MS)、モバイル加入者ユニット(Mobile Subscriber Unit)又は単純にユーザ(user)などの多様な名称で呼ばれることもある。
【0021】
図2は、CTS−to−self Mechanismを示す概念図である。
【0022】
図2では、RTS(Request To Send)フレーム及びCTS(Clear To Send)フレームを交換する方法を使用して媒体をセンシングする場合と、CTS−to−selfフレームを利用して媒体をセンシングする場合と、が開示される。
【0023】
IEEE802.11g標準では、CTS−to−self保護メカニズム(protection mechanism)を定義した。CTS−to−self保護メカニズムは、RTSフレーム及びCTSフレームを使用する媒体センシング(medium sensing)メカニズムに代わって使用することができる。CTS−to−self保護メカニズムを使用する場合、RTS/CTSフレームを使用する媒体センシングメカニズムを使用するときより媒体のオーバーヘッドを減らすことができる。
【0024】
図2の左側を参照すると、送信端でデータフレームを送信する前に、RTSフレーム及びCTSフレームを交換する方法が下記のように実行されることができる。
【0025】
図2の左側では、STA A200がSTA C210にデータフレームを送る場合を仮定する。
【0026】
1)STA A200では、まず、RTSフレーム220を送信する。
【0027】
2)送信されたRTSフレーム220は、キャリアセンシング範囲(carrier sensing range)に存在するSTA B205及びSTA C210に送信される。
【0028】
3)STA B205及びSTA C210は、CTSフレーム225、230を送信する。
【0029】
4)送信されたCTSフレーム225、230がSTA A200、STA B205、STA C210、STA D215に送信される。
【0030】
STA D215の場合、STA A200のキャリアセンシング範囲(carrier sensing range)外にあるため、STA A200からRTSフレーム220を受信することができなかった(即ち、STA D215は、STA A200の隠れノード(hidden node))。しかし、STA C210からCTSフレーム230の送信を受けることで、STA A200がデータを送信するために媒体を占有したことを知ることができる。
【0031】
5)STA A200は、STA C210にデータフレームを送信する。
【0032】
図2の右側を参照すると、送信端でデータフレームを送信する前に実行されるCTS−to−self frameを利用した媒体センシング方法は、下記のように実行されることができる。
図2の右側では、STA A250がSTA C260にデータフレームを送る場合を仮定する。
【0033】
1)STA A250は、CTS−to−self frameをキャリアセンシング範囲(carrier sensing range)に存在するSTA B255及びSTA C260に送信する。
【0034】
2)CTS−to−selfフレームの送信を受けたSTA B255及びSTA C260は、STA A250から送信されるデータフレームを受信するために他のデータフレームの送信を延期する。
【0035】
WFA(WiFi Alliance)は、近接認識(neighbor awareness)技術に対する研究を進行中である。近接認識技術は、STAでバックグラウンドモードで動作し、少量のメッセージを送信することで、多様なアプリケーションのためのサービスを探索することができる。
【0036】
近接認識技術が使われる場合、STAは、サービス提供装置に接続する前に周辺サービスを探索することができる。STAは、NAN(Neighbor Awareness Networking)を利用してサービスを探索した後、アプリケーションを実行させてWiFi Direct又は既存無線LANネットワークに接続して該当サービスを利用することができる。
【0037】
NANは、混雑した環境及び室内でも円滑に作動し、電力消費を最小化するように設計されなければならない。STAは、NANを介して他のSTAと使用可能なサービスに関する情報をやり取りした後、探索されたSTAとの接続をオプトイン(opt-in)することができる。STAと探索されたSTAとは、機器間の直接接続を介して接続されることができる。
【0038】
以下、NANに基づいて通信するSTA又はAPは、NAN端末と表現されることができ、特に、NAN端末のうちNANクラスタを生成したNAN端末は、アンカーマスタという用語で表現されることができ、NANクラスタに含まれるNAN端末のうち少なくとも一つのNAN端末は、NANマスタである。
【0039】
以下、NAN(Neighbor Awareness Networking)トポロジが開示される。NANネットワークは、同じNANパラメータ(例えば、連続するディスカバリウィンドウ(discovery window)間の時間区間(time duration)、ディスカバリウィンドウ(discovery window)の区間、ビーコンインターバル又はNANチャネル等)の集合(セット)を使用するNAN端末からなることができる。NAN端末は、NANクラスタを構成することができる。NANクラスタは、同じNANパラメータの集合を使用し、同じディスカバリウィンドウスケジュールと同期化されて動作するNAN端末の集合である。
【0040】
図3及び
図4は、NANクラスタを示す概念図である。
【0041】
図3を参照すると、NANクラスタに属するNAN端末は、マルチキャスト/ユニキャストに基づいてNANサービスディスカバリフレームをディスカバリウィンドウの範囲内で他のNAN端末に直接送信することができる。
【0042】
図4を参照すると、前述したように、NANクラスタには一つ又は複数のNANマスタが存在することができ、NANクラスタ内のNANマスタは変更されることができる。また、NANマスタは、NAN同期ビーコンフレーム(NAN Sync Beacon frame)、NANディスカバリビーコンフレーム(NAN discovery Beacon frame)、NANサービスディスカバリフレーム(NAN service discovery frame)を全て送信することができる。
【0043】
NAN同期ビーコンフレームは、NANクラスタ内のNAN端末の同期化のために使われることができる。NANディスカバリビーコンフレームは、NANクラスタに加入していないNAN端末にクラスタを発見することができるように広告(advertisement)することを目的として使われることができる。NANサービスディスカバリフレームは、NANクラスタに含まれるNAN端末間で(同士)サービスを広告して(by advertising the service between the NAN terminals included in the NAN cluster)各NAN端末間のサービスに関する情報を交換することを目的として使われることができる。
【0044】
図5は、NAN端末の構造を示す概念図である。
【0045】
図5を参照すると、NAN端末は、802.11の物理層に基づいており、NANディスカバリエンジン(NAN Discovery Engine)、NAN MAC(Medium Access Control)、各アプリケーション(Application 1、Application 2、…、Application N)へのNAN API(Application Programming Interface)を主要コンポーネントとして有する。
【0046】
図6及び
図7は、NANコンポーネント間の関係を示す概念図である。
【0047】
図6及び
図7を参照すると、サービス要求(request、queries)及び応答(response)は、NANディスカバリエンジンを介して処理され、NAN MACは、NANビーコンフレーム及びNANサービスディスカバリフレームを処理する。NANディスカバリエンジンは、サブスクライブ(subscribe)、パブリッシュ(publish)及びフォローアップ(follow-up)の機能を提供することができる。
【0048】
パブリッシュ/サブスクライブ機能は、サービス/アプリケーションからのサービスインターフェースを介して実行される。パブリッシュ/サブスクライブ命令が実行されると、パブリッシュ/サブスクライブ機能のインスタンス(instance)が生成される。各インスタンスは、独立して駆動され、具現(implementation)によって、同時に複数のインスタンスが駆動される場合もある。フォローアップ機能は、サービス固有情報を送受信するサービス/アプリケーションのための手段である。
【0049】
図8は、NAN端末の役割及び状態を示す概念図である。
【0050】
図8を参照すると、NAN端末は、マスタの役割を遂行するNANマスタとして動作できる。また、NAN端末のNANマスタの役割は、他の役割に変更されることができる。即ち、NAN端末は、多様な役割及び状態(role and state)に遷移されることができる。
【0051】
NAN端末が有することができる役割及び状態は、マスタ(Master)(以下、マスタは、Master role and sync Stateである)、ノンマスタシンク(Non-Master Sync)、ノンマスタノンシンク(Non-Master Non-Sync)などである。NAN端末の役割及び状態によって、NANディスカバリビーコンフレーム及び/又はNAN同期ビーコンフレームの送信が可能か否かが決定されることができる。
【0052】
以下の表1は、NAN端末の役割及び状態によるNANディスカバリビーコンフレーム及び/又はNAN同期ビーコンフレームの送信が可能か否かを示す。
【0054】
NAN端末の状態は、マスタランク(Master Rank;MR)を介して決定されることができる。マスタランクは、NANマスタとして動作しようとするNAN端末の意図(intention)を示す。即ち、大きい値のマスタランクは、NAN端末のNANマスタに対する大きい選好度を示す。NAN MRは、マスタ選好度(Master Preference)、ランダム係数(要素)(Random Factor)、装置MACアドレス(Device MAC address)により、以下の数式1により決定されることができる。
【0056】
マスタ選好度(Master Preference)、ランダム係数(Random Factor)、装置MACアドレス(Device MAC address)は、NANビーコンフレームに含まれているマスタ指示属性(master indication attribute)に基づいて指示されることができる。マスタ指示属性は、以下の表2の通りである。
【0058】
マスタランクと関連して、NANサービスを活性化させてNANクラスタを開始するNAN端末は、マスタ選好度及びランダム係数を全て0に設定し、NANWarmUpをリセットする。NAN端末は、NANWarmUpが満了するときまで、マスタ指示属性内のマスタ選好度の値を0より大きい値に設定しなければならず、マスタ指示属性内のランダム係数の値を新しい値に設定しなければならない。
【0059】
NANマスタのマスタ選好度が0より大きい値に設定されたNANクラスタにジョイン(join)したNAN端末は、NANWarmUpが満了したか否かに関係なく、マスタ選好度を0より大きい値に設定し、ランダム係数を新しい値に設定することができる。
【0060】
NAN端末は、マスタランクの値によってNANクラスタのNANマスタとして動作できる。即ち、NANクラスタに含まれる全てのNAN端末は、NANマスタとして動作できる能力(capability)を有している。NANマスタは、NANクラスタで最も大きいマスタランクを有する。また、NANマスタは、HC(Hop Count to the anchor master)値として0を有し、NANクラスタに含まれるNAN端末のうちAMBTT(Anchor Master Beacon Transmit Time)値が最も小さい。
【0061】
NANクラスタには一時的に複数のNANマスタが存在することもできるが、原則的にはNANクラスタに一つのNANマスタが存在できる。既に存在しているNANクラスタでNANマスタになったNAN端末は、既に存在しているNANクラスタで使われたTSF(Time Synchronization Function)をそのまま使用することができる。
【0062】
下記のような場合、NAN端末は、新しいNANクラスタを開始するか、又はマスタランクの変更によって、NANマスタになることができる。或いは、現在NANマスタとして動作する他のNAN端末からビーコンフレームがそれ以上受信されない場合、NAN端末は、NANマスタになることができる。また、NANクラスタ内に属するNAN端末のうち他のNAN端末のRSSI(Received Signal Strength Indication)が一定水準以下に落ちた場合、NAN端末は、自動的にNANマスタになることができる。同じNANクラスタに参加するNAN端末は、共通のクロックで同期化されることができる。NANクラスタのTSFは、全てのNAN端末で実行されるべき分散アルゴリズムにより具現されることができる。NANクラスタに参加する各NAN端末は、分散アルゴリズムによって、NAN同期化ビーコンフレーム(NAN Sync Beacon frames)を送信することができる。
【0063】
NAN端末は、ディスカバリウィンドウ(discovery window)の間にクロックを同期化することができる。ディスカバリウィンドウの長さは、16TUs(Time Units)である。ディスカバリウィンドウの間に、一つ又は複数のNAN端末は、NANクラスタ内の全てのNAN端末がクロックを同期化することを容易にするために、同期化ビーコンフレーム(Synchronization Beacon frames)を送信することができる。
【0064】
NAN同期化ビーコンフレームの送信は、分散して行われる(分散的である)。NAN同期化ビーコンフレームは、512TU毎に存在するディスカバリウィンドウ区間で送信されることができる。全てのNAN端末は、装置の役割及び状態によって、NAN同期化ビーコンフレームの生成及び送信に参加できる。NAN端末の各々は、NANビーコン周期タイミングに使われる自体のみのTSFタイマを維持しなければならない。
【0065】
NAN同期化ビーコンフレームの送信区間は、NANクラスタを生成するNAN端末により設定されることができる。NAN同期化ビーコンフレームを送信することができるディスカバリウィンドウ区間は、正確に512TUほど離れるように一連のTBTT(Target Beacon Transmission Time)が定義される。時間0(ゼロ)(0である時間)(Time 0)は、最初のTBTTとして定義され、ディスカバリウィンドウは、各TBTTで開始される。
【0066】
NANマスタの役割を遂行する各NAN端末は、NANディスカバリビーコンフレームをNANディスカバリウィンドウ以外の(を除外した)区間(duration other than the NAN discovery window)で送信することができる。平均的には、NANマスタは、100TUs毎にNANディスカバリビーコンフレームを送信することができる。一つのNANマスタにより送信される連続するNANディスカバリビーコン間の時間は、200TUs以下である。
【0067】
NANディスカバリビーコンフレームの予定送信時間がNANクラスタのNANディスカバリウィンドウ区間とオーバーラップする場合、NANマスタは、NANディスカバリビーコンフレームの送信を省略することができる。NANディスカバリビーコンフレームの送信のための電力を最小化するために、NANマスタは、AC(Access Category)_VO(VOice)に対応するチャネルアクセスパラメータに基づき、コンテンションベースでNANディスカバリビーコンフレームを送信することができる。
【0068】
また、NAN端末は、ディスカバリウィンドウ区間内でNANサービスディスカバリフレームを送信することができる。NANサービスディスカバリフレームは、全てのNAN端末により送信されることができる。即ち、NAN端末は、ディスカバリウィンドウの開始(TStartDW)時点とディスカバリウィンドウの終了時点(TEndDW)との間でコンテンションベースでNANサービスディスカバリフレーム及び/又は同期ビーコンフレームを送信する。もし、NAN端末がマスタ状態又はノンマスタシンク状態にある場合、NANサービスディスカバリフレームとNAN同期ビーコンフレームとを同じディスカバリウィンドウ内で全て送信することができる。
【0069】
以下、本発明の実施例では、AP機能のNAN端末(NAN device in AP capability)がIEEE802.11ベースのWiFiモードで動作中、同じチャネルでしばらくWiFiモードのサービスを延期(又は、中断)し、前述したNANベースのNANモードに切り替えて動作する場合が開示される。AP機能のNAN端末は、WiFiモードで動作してBSSに基づいてIEEE802.11ベースのWiFiサービスを提供することもでき、NANモードで動作してNANクラスタに基づいてWFAのNANベースのNANサービスを提供することもできる。他の表現として、WiFiモードは、BSS(Basic Service Set)に基づく通信をサポートし、NANモードは、NANクラスタ(cluster)に基づく通信をサポートするということができる。
【0070】
AP機能のNAN端末がNANモードで動作する場合、AP機能のNAN端末と関連付けられ(結合され)た(associated with)WiFiモードSTAに対するWiFiモードベースのサービスは、中断され、AP機能のNAN端末をスキャンするWiFiモードSTAのスキャン動作は、正常に実行されない。
【0071】
本発明の実施例では、AP機能のNAN端末がWiFiモードからNANモードに切り替えられた(スイッチングされた)(switched)場合、AP機能のNAN端末がWiFiモードに基づいて通信しようとするSTAにNANモードと関連した動作に関する情報を送信する方法が開示される。
【0072】
以下、WiFiモードで動作するSTAは、IEEE802.11に基づいて動作するSTAであり、WiFiモードSTAという用語で表現されることができる。また、以下、本発明の実施例でNANモードで動作するSTAは、NAN端末(又は、NANモードSTA)という用語で表現されることができる。
【0073】
図9は、AP機能のNAN端末のNANモード動作を示す概念図である。
【0074】
図9では、AP機能のNAN端末がNANマスタとして動作する場合におけるAP機能のNAN端末の基本動作が開示される。
【0075】
図9を参照すると、前述したように、NAN端末は、互いに同期を合わせるために、NAN同期化ビーコンフレーム(NAN sync beacon frame)を周期的に送信することができる。また、NAN端末は、提供されるサービスに対する相互間探索のためのNANサービスディスカバリフレーム(NAN service discovery frame)を周期的に送信する(transmit)ことができる。NANマスタとして動作するAP機能のNAN端末は、NANディスカバリフレーム(NAN discovery frame)を周期的に送信することができる。NANマスタとして動作するAP機能のNAN端末は、NAN同期化ビーコンフレーム及びNANサービスディスカバリフレームも送信できる。
【0076】
具体的には、チャネル6でWiFiモードで動作中であるAP機能のNAN端末が、NAN同期化ビーコンフレーム、NANディスカバリビーコンフレーム及びNANサービスディスカバリフレームの送信のためにNANモードに切り替えることができる。このような場合、チャネル6で動作する既存AP機能のNAN端末と関連付けられたWiFiモードSTA又はチャネル6をスキャンしてAP機能のNAN端末と関連付けられようとするWiFiモードSTAは、APのNANモードへの切り替えにより異常(非正常)な(abnormal)動作を実行することができる。即ち、AP機能のNAN端末がNANモードに切り替えられた場合、WiFiモードSTAは、WiFiモードに基づく正常な動作を実行することができず、AP機能のNAN端末からWiFiベースのサービスを受けることができない。したがって、AP機能のNAN端末のNANモードへの切り替えに関してWiFiモードSTAに知らせる必要がある。
【0077】
以下、本発明の実施例では、AP機能のNAN端末がNAN同期化ビーコンフレーム、NANサービスディスカバリフレーム、NANディスカバリビーコンフレームの送信のためにWiFiモードからNANモードに切り替える場合、AP機能のNAN端末がWiFiモードSTAにAP機能のNAN端末のNANモード動作に関連した情報を知らせる方法が開示される。
【0078】
図10は、本発明の実施例に係るNANモードにおけるAP機能のNAN端末の動作を示す概念図である。
【0079】
図10では、AP機能のNAN端末がWiFiモードSTAにAP機能のNAN端末のNANモード動作に関する情報を知らせる方法が開示される。
【0080】
図10を参照すると、AP機能のNAN端末は、NANフレーム1020(例えば、NAN同期化ビーコンフレーム、NANサービスディスカバリフレーム又はNANディスカバリフレーム)を送信する前にCTS−to−selfフレーム1000を送信することができる。以下、本発明の実施例では、説明の便宜上、AP機能のNAN端末がWiFiモードSTAにAP機能のNAN端末のNANモード動作に関する情報を伝達するためにCTS−to−selfフレーム1000を使用することを仮定する。しかし、CTS−to−selfフレーム1000でない他のフレーム(既存のフレーム又は新しく定義されたフレーム(例えば、ネットワーク割当てベクタ(Network Allocation Vector;NAV)設定フレーム))を介してWiFiモードSTAにAP機能のNAN端末のNANモード動作に関する情報が伝達されることもでき、このような実施例も、本発明の権利範囲に含まれることができる。
【0081】
AP機能のNAN端末が送信するCTS−to−selfフレーム1000は、区間(デュレーション)(duration)情報を含むことができる。CTS−to−selfフレーム1000に含まれる区間情報は、WiFiモードSTAのNAV設定(setting)のために使われることができる。CTS−to−selfフレーム1000に含まれる区間情報は、場合によって、互いに異なる時間区間を指示することができる。NAVは、STAのCCA(Clear Channel Assessment)機能に基づく媒体のビジー又はアイドルに関するセンシング結果と関連なく、STAによるフレームの送信が不能な時間区間を指示する指示子である。NAVが設定(setting)される場合、指示された時間区間の間にSTAのフレームの送信は、不能である。
【0082】
例えば、AP機能のNAN端末は、NANモードに切り替えてNAN同期化ビーコンフレームを送信する前にCTS−to−selfフレーム1000を送信することができる。この場合、CTS−to−selfフレーム1000は、AP機能のNAN端末がNANモードに切り替わって(スイッチングして)(transitioning to)NAN同期化ビーコンフレームを送信した以後、再びWiFiモードに切り替られる時間区間を指示する区間情報を含むことができる。
【0083】
AP機能のNAN端末がNANモードに切り替えてNANサービスディスカバリフレームを送信する前にCTS−to−selfフレーム1000を送信することができる。この場合、CTS−to−selfフレーム1000は、AP機能のNAN端末がNANモードに切り替わってNANサービスディスカバリフレームの送信以後、再びWiFiモードに切り替えられる時間区間を指示する区間情報を含むことができる。
【0084】
AP機能のNAN端末がNANモードに切り替えてNANディスカバリビーコンフレームを送信する前にCTS−to−selfフレーム1000を送信することができる。この場合、CTS−to−selfフレーム1000は、AP機能のNAN端末がNANモードに切り替わってNANディスカバリビーコンフレームの送信以後、再びWiFiモードに切り替えられる時間区間を指示する区間情報を含むことができる。
【0085】
区間情報は、CTS−to−selfフレーム1000の送信からWiFiモードへの切り替えまでの時間区間を指示することもできる。
【0086】
NAN端末は、AP機能のNAN端末が送信するCTS−to−selfフレーム1000を受信すると、CTS−to−selfフレーム1000に含まれている区間情報に基づいて設定された区間の間にNAVを設定し、ドーズ状態(doze state)に遷移されることができる。又は、WiFiモードSTAは、設定された区間の間にアウェイク状態(awake state)を維持し、フレームの送信を実行せずに、設定された区間以後、フレームを送信することができる。
【0087】
AP機能のNAN端末がNANモードに切り替える場合、送信されるCTS−to−selfフレーム1000は、WiFiモードSTAだけでなく、NAN端末も受信することができる。CTS−to−selfフレーム1000は、AP機能のNAN端末のWiFiモードの一時的な中断及びNANモードベースのAP機能のNAN端末のNANモードの初期化(initiation)のためのものである。したがって、NAN端末がCTS−to−selfフレーム1000を受信した場合、NAN端末は、CTS−to−selfフレーム1000に基づいてNAV区間を設定してはならない。その理由は、NAN端末は、NANモードで動作するAP機能のNAN端末により送信されるNAN同期化ビーコンフレーム、NANディスカバリビーコンフレーム、NANサービスディスカバリフレームを受信しなければならないためである。したがって、本発明の実施例によると、AP機能のNAN端末により送信されるCTS−to−selfフレーム1000に含まれる区間フィールドは、NAN端末及びWiFiモードSTAの各々のNAV設定が可能か否かを個別に指示することもできる。
【0088】
図11は、本発明の実施例に係るCTS−to−selfフレームを示す概念図である。
【0089】
図11では、CTS−to−selfフレームに含まれる区間フィールドが開示される。
【0090】
図11を参照すると、CTS−to−selfフレームのMAC(Medium Access Control)ヘッダ1100は、区間フィールド1120を含むことができる。
【0091】
本発明の実施例によると、区間フィールド1120は、NAN端末及び/又はWiFiモードSTAのNAV設定が可能か否か(又は、NAV区間設定が可能か否か)を指示することができる。
【0092】
例えば、CTS−to−selfフレームの区間フィールド1120は、2オクテット(octet)である。区間フィールド1120を構成する複数のビットのうちLSB(Least Significant Bit)1ビット又はMSB(Most Significant Bit)1ビットの値によって、NAN端末及びWiFiモードSTAが全てNAV区間を設定するか、又はWiFiモードSTAのみがNAV区間を設定することができる。区間フィールド1120に含まれるビットのうち、NAN端末及び/又はWiFiモードSTAのNAV設定が可能か否か(又は、NAV区間設定が可能か否か)を指示するビットは、NAV設定対象指示ビット1140という用語で表現されることができる。
【0093】
例えば、NAV設定対象指示ビット1140の値が0の場合、NAN端末及びWiFiモードSTAが両方とも区間フィールドをデコーディングして区間フィールドに基づくNAV(又は、NAV区間)を設定することが指示されることができる。それに対して、NAV設定対象指示ビット1140の値が1の場合、NAN端末は、区間フィールドに基づくNAV設定を無視し、WiFiモードSTAのみが区間フィールドに基づくNAV設定を実行することを指示することができる。
【0094】
区間フィールド1120を構成するビット(例えば、16ビット)のうち、NAV設定対象指示ビット(例えば、1ビット)1140以外の(を除外した)(except for)残りのビット(例えば、15ビット)は、NAV設定のための区間情報ビット1160である。
【0095】
即ち、NAN端末は、AP機能のNAN端末からCTS−to−selfフレームを受信し、CTS−to−selfフレームに含まれているNAV設定対象指示ビット1140が1に設定されたかどうかを決定することができる。NAV設定対象指示ビット1140が1に設定された場合、NAN端末は、CTS−to−selfフレームの区間フィールドに含まれている情報を無視してアウェイク状態を維持することで、AP機能のNAN端末により送信されるNAN同期化ビーコンフレーム、NANディスカバリビーコンフレーム、NANサービスディスカバリフレームを受信することができる。
【0096】
図12は、本発明の実施例に係るCTS−to−selfフレームを示す概念図である。
【0097】
図12では、WiFiモードSTAにのみ有効なCTS−to−selfフレームが開示される。
【0098】
図12を参照すると、CTS−To−SelfフレームのMACヘッダに含まれるフレーム制御フィールドに含まれるサブタイプ(subtype)フィールド1200のリザーブ(予備)された(reserved)ビットの一部が、CTS−to−selfフレームがWiFiモードSTAにのみ有効なCTS−to−selfフレームかどうかを指示することができる。
【0099】
AP機能のNAN端末は、NANモードに切り替える前、CTS−to−selfフレームがWiFiモードSTAにのみ有効であることを指示するフレーム制御フィールドのサブタイプフィールド1200を含むCTS−to−selfフレームをブロードキャストで(に基づいて)(in a broadcast manner)送信することができる。即ち、特定値のサブタイプフィールド1200は、CTS−to−selfフレームがWiFiモードSTAであることを指示することができ、APは、CTS−to−selfフレームを介してWiFiモードSTAであることを指示するサブタイプフィールド1200をSTAに送信することができる。
【0100】
この場合、CTS−to−selfフレームを受信したWiFiモードSTAは、NAN区間を設定することができる。CTS−to−selfフレームを受信したNAN端末は、アクティブモードを維持し、AP機能のNAN端末により送信されるNAN同期化ビーコンフレーム、NANディスカバリビーコンフレーム、NANサービスディスカバリフレームをモニタリングして受信することができる。
【0101】
その他のMACヘッダ構造は、2013年10月に開示されたIEEE Standard for Information technology Telecommunications and information exchange between systems Local and metropolitan area networks Specific requirements Part 11:Wireless LAN Medium Access Control(MAC)and Physical Layer(PHY)Specificationsの8.2 MAC frame formatsに開示されている。
【0102】
図13は、本発明の実施例が適用されることができる無線装置を示すブロック図である。
【0103】
図13を参照すると、AP1300は、プロセッサ1310、メモリ1320及びRF部(Radio Frequency unit)1330を含む。
【0104】
RF部1330は、プロセッサ1310と接続して無線信号を送信/受信することができる。
【0105】
プロセッサ1310は、本発明で提案された機能、処理及び/又は方法を具現することができる。例えば、プロセッサ1310は、前述した本発明の実施例に係るAPの動作を実行するように具現されることができる。プロセッサは、
図1乃至
図12の実施例で開示したAP機能のNAN端末の動作を実行することができる。
【0106】
例えば、プロセッサ1310は、WiFi(Wireless Fidelity)モードからNANモードへの切り替えを決定し、NANモードへの切り替えを決定した場合、WiFiモードでCTS−to−selfフレームを送信し、WiFiモードからNANモードに切り替え、NANモードでNANビーコンフレームをNAN端末に送信するように具現されることができる。WiFiモードは、BSS(Basic Service Set)に基づく通信をサポートし、NANモードは、NANクラスタ(cluster)に基づく通信をサポートすることができる。
【0107】
CTS−to−selfフレームは、区間フィールドを含み、区間フィールドは、AP機能のNAN端末の切り替えモードへの再転換まで(AP機能のNAN端末が再びモード切り替えに移行するまで)(until the NAN terminal in AP capability transitions back to the switching mode)の区間に関する情報を含むことができる。CTS−to−selfフレームは、WiFiモードで動作するWiFiモードSTAにより受信され、WiFiモードSTAは、区間の間にNAVを設定することができる。
【0108】
区間フィールドは、NAV設定対象指示ビットをさらに含み、NAV設定対象指示ビットが第1の値を指示する場合、NAN端末及びWiFiモードSTAが区間の間にNAV(Network Allocation Vector)を設定し、NAV設定対象指示ビットが第2の値を指示する場合、WiFiモードSTAのみが区間の間にNAVを設定することができる。
【0109】
STA1350は、プロセッサ1360、メモリ1370及びRF部(Radio Frequency unit)1380を含む。
【0110】
RF部1380は、プロセッサ1360と接続して無線信号を送信/受信することができる。
【0111】
プロセッサ1360は、本発明で提案された機能、処理及び/又は方法を具現することができる。例えば、プロセッサ1320は、前述した本発明の実施例に係るSTAの動作を実行するように具現されることができる。プロセッサ1360は、
図1乃至
図12の実施例でNAN端末(又は、NANモードSTA)の動作を実行することができる。
【0112】
例えば、STAがNANモードSTAの場合、プロセッサ1360は、NANビーコンフレームをNANマスタとして動作するAP機能のNAN端末から受信することができる。また、プロセッサ1360は、CTS−to−selfフレームに含まれるNAV設定対象指示ビット及び区間情報に基づいてNAV設定が可能か否かを決定することができる。
【0113】
例えば、STAがWiFiモードSTAの場合、プロセッサ1360は、CTS−to−selfフレームに含まれるNAV設定対象指示ビット及び区間情報に基づいてNAV設定が可能か否かを決定することができる。
【0114】
プロセッサ1310、1360は、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、他のチップセット、論理回路、データ処理装置及び/又はベースバンド信号及び無線信号を相互変換する変換器を含むことができる。メモリ1320、1370は、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード、記憶媒体及び/又は他の記憶装置を含むことができる。RF部1330、1380は、無線信号を送信及び/又は受信する一つ又は複数のアンテナを含むことができる。
【0115】
実施例がソフトウェアで具現されるとき、前述した技法は、前述した機能を遂行するモジュール(処理、機能など)で具現されることができる。モジュールは、メモリ1320、1370に記憶され、プロセッサ1310、1360により実行されることができる。メモリ1320、1370は、プロセッサ1310、1360の内部又は外部にあり、よく知られた多様な手段でプロセッサ1310、1360と接続されることができる。