(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シミュレーション結果は、前記顧客の備えの状況の時系列変化、前記顧客の収支の時系列変化、前記決定された少なくとも1つの商品またはサービスの取引額の時系列変化、前記決定された少なくとも1つの商品またはサービスの取引状況の時系列変化のうちの少なくとも1つと、前記取引額の合計に対する各商品またはサービスの取引額の割合とを含む、請求項6に記載のコンピュータシステム。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
1.保険比較提案アプリケーション
図1A〜
図1Fは、保険販売員の端末装置(例えば、タブレット端末)が利用する保険比較提案アプリケーションの画面の一例を示す。ここでは、保険販売員が、保険比較提案アプリケーションを使用して、顧客に対して保険を提案する場合を例に説明する。保険販売員は、端末装置に表示される保険比較提案アプリケーションの画面を顧客に提示し、適宜情報を入力しながら、顧客に保険を提案する。保険比較提案アプリケーションには、顧客の年齢、性別、家族構成、既存保険契約内容等の個人情報があらかじめ入力されているものとする。
【0025】
図1Aは、保険販売員の端末装置が利用する保険比較提案アプリケーションの第1のQ&A画面10の一例を示す。
【0026】
第1のQ&A画面10には、第1の質問が表示される。第1の質問は、例えば、顧客の不安要素を問うための質問である。保険販売員は、第1のQ&A画面10を顧客に提示し、質問に対する回答を入力させる。入力は、例えば、タッチパネルへのタッチ入力であり得る。第1のQ&A画面10には、例えば、顧客の不安要素の選択肢11が表示される。
図1Aに示される例では、顧客の不安要素として、「万が一(死亡や高度障害)」、「働けなくなること」、「老後」、「病気・けが」、「介護」、「学資」、「相続」が挙げられている。
【0027】
顧客の不安要素の選択肢11は、顧客の個人情報に基づいて変動するようにしてもよい。例えば、未婚の顧客または子供のいない顧客に対しては学資の不安要素が含まれないようにしてもよい。例えば、70歳以上の顧客に対しては老後の不安要素が含まれないようにしてもよい。
【0028】
顧客が第1の質問の回答を入力すると、
図1Bの画面に遷移する。
【0029】
図1Bは、保険販売員の端末装置が利用する保険比較提案アプリケーションの第2のQ&A画面20の一例を示す。
【0030】
第2のQ&A画面20には、第2の質問が表示される。第2の質問は、例えば、顧客の計画性を問うための質問および顧客の不安感を問うための質問である。保険販売員は、第2のQ&A画面を顧客に提示し、質問に対する回答を入力させる。入力は、例えば、タッチパネルへのタッチ入力であり得る。第2のQ&A画面20には、例えば、顧客の計画性を問うための選択肢21および顧客の不安感を問うための選択肢22が表示される。
図1Bに示される例では、顧客の計画性を問うために、第1のQ&A画面10において選択された顧客の不安要素について「対策をしている」または「あまり対策をしていない」が選択肢21として表示され、顧客の不安感を問うために、顧客自身または家族の将来について「不安に感じる」または「あまり不安に感じない」が選択肢22として表示されている。
【0031】
顧客が第2の質問の回答を入力すると、保険比較提案アプリケーションによって顧客に提案すべき保険商品が決定される。顧客に提案すべき保険商品は、顧客が気にかけているリスク毎に提案される。例えば、第1の質問に対する回答および第2の質問に対する回答に基づいて、顧客が気にかけているリスクが「家族の生活」、「病気・けが」、「介護」、「老後」であると決定されたとき、「家族の生活」のリスクに備えるための生命保険、「病気・けが」のリスクに備えるための医療保険、「介護」のリスクに備えるための介護保険、「老後」のリスクに備えるための養老保険が提案される。顧客に提案すべき保険商品が決定されると、
図1Cの画面に遷移する。
【0032】
図1Cは、保険販売員の端末装置が利用する保険比較提案アプリケーションのライフプランシミュレーション画面30の一例を示す。
【0033】
ライフプランシミュレーション画面30は、顧客が提案された保険商品に加入した場合のシミュレーション結果を示す画面である。
図1Cに示される例では、顧客が提案された生命保険、医療保険、介護保険、養老保険に加入した場合のシミュレーション結果が示されている。
【0034】
ライフプランシミュレーション画面30は、例えば、顧客が提案された保険商品に加入した場合の顧客の備えの状況の時系列変化を示す棒グラフ31、収支の時系列変化を示す棒グラフ32、保険料の時系列変化を示す棒グラフ33、保険加入状況の時系列変化を示す棒グラフ34、保険料合計に対する各保険商品の保険料の割合を示す円グラフ35、現在の支払保険料表示部36、見積保険料表示部37、支払い可能額表示部38を含む。
【0035】
棒グラフにおいて、横軸は年齢を示し、警告マークは、注意を促すアラートを示す。例えば、備えの状況の時系列変化を示す棒グラフ31におけるアラートは、必要な備えが不足していることを示す。例えば、収支の時系列変化を示す棒グラフ32におけるアラートは、支出が収入を上回っていることを示す。例えば、保険料の時系列変化を示す棒グラフ33におけるアラートは、保険料合計が支払い可能保険料額を上回っていることを示す。例えば、保険加入状況の時系列変化を示す棒グラフ34におけるアラートは、保険加入状況が不適切であることを示す。
【0036】
現在の支払保険料表示部36には、現時点で顧客が加入している保険の保険料合計額が表示される。見積保険料表示部37には、顧客が提案された保険商品に加入した場合の保険料合計額が表示される。支払い可能額表示部38には、顧客が支払うことが可能な保険料額が表示される。顧客が支払うことが可能な保険料額は、例えば、顧客の個人情報に基づいて算出される。例えば、顧客の年収情報から収入額が決定され、顧客の年齢、性別、家族構成等の情報から支出額が統計的に決定され、収入額と支出額との差によって、顧客が支払うことが可能な保険料額が算出される。なお、統計的に決定された支出額は、顧客が自身の状況に合わせて変更可能であり、これにより、顧客により合った支払い可能保険料額を算出することができる。
【0037】
ライフプランシミュレーション画面30により、顧客に必要な備えや過剰な備えが可視化され、顧客の状況と保険商品との関係を明確にすることができる。顧客は、ライフプランシミュレーション画面30に表示される結果を参考にしながら、保険商品を取捨選択し、保険商品の保険条件を変更する。これにより、顧客一人一人に合った保険商品が提案され得る。
【0038】
「備え」タブ39を選択すると、
図1Dの画面に遷移する。
【0039】
図1Dは、保険販売員の端末装置が利用する保険比較提案アプリケーションのライフプランシミュレーション画面40の一例を示す。
【0040】
ライフプランシミュレーション画面40は、ライフプランシミュレーション画面30の円グラフ35の領域が保険選択領域41に変化した画面である。保険選択領域41は、提案された保険商品を選択解除する、または、別の保険商品を選択するための領域である。保険選択領域41において、実線で囲まれた保険商品が、顧客に提案されている保険商品であり、破線で囲まれた保険商品が、選択可能な保険商品であり、一点鎖線で囲まれた保険商品が、支払い可能保険料額を超えてしまうために選択不可能な保険商品である。チェックマークは、顧客が現在加入している保険商品を示す。保険選択領域41に表示される保険商品は、優先順位に従って並べ替えられてもよい。優先順位は、例えば、保険料額が安い順、最大保障額が高い順等の任意の順番であり得る。
【0041】
保険選択領域41において、提案された保険商品を選択解除し、別の保険商品を選択すると、これに応じて、各棒グラフ31、32、33、34、および、見積保険料表示部37が変動する。
【0042】
保険条件変更ボタン42を選択すると、
図1Eの画面がポップアップ表示される。
【0043】
図1Eは、保険販売員の端末装置が利用する保険比較提案アプリケーションの保険条件変更画面50の一例を示す。
【0044】
保険条件変更画面50は、提案された保険商品の保険条件を変更するための画面である。
図1Eに示される例では、保険条件変更画面50には、保険条件に関する質問51が表示されており、Q&A形式で顧客に希望する条件を入力させるようになっている。質問51に対する回答と、各保険商品の保険条件とが関連付けられているため、質問51に回答することによって保険条件を変更することができる。これにより、顧客は、保険条件をイメージしやすくなる。例えば、「入院給付が一日5,000円である」という保険条件にピンと来ない顧客であっても、「入院するなら安価な大部屋がいいか、それよりも費用は高いが快適な個室がいいか」という質問であれば、顧客は、保険条件をイメージしやすい。これにより、顧客は、自己のニーズに合うように適切に保険条件を変更することができる。
【0045】
保険条件変更画面50において、提案された保険商品の保険条件を変更すると、これに応じて、提案された保険商品の保険料額が変動し、併せて、ライフプランシミュレーション画面30、40の各棒グラフ31、32、33、34、および、見積保険料表示部37が変動する。ライフプランシミュレーション画面30の円グラフ35も変動する。
【0046】
項目設定タブ52を選択すると、
図1Fの画面に遷移する。
【0047】
図1Fは、保険販売員の端末装置が利用する保険比較提案アプリケーションの保険条件変更画面60の一例を示す。
【0048】
保険条件変更画面60は、提案された保険商品の保険条件を変更するための別の画面である。
図1Fに示される例では、保険条件変更画面60には、項目毎に保険条件を変更するためのスライドバー61が表示されている。スライドバー61のサム部分62を移動させることにより、保険条件が変更される。
【0049】
保険条件変更画面60において、提案された保険商品の保険条件を変更すると、これに応じて、提案された保険商品の保険料額が変動し、併せて、ライフプランシミュレーション画面30、40の各棒グラフ31、32、33、34、および、見積保険料表示部37が変動する。ライフプランシミュレーション画面40の円グラフ35も変動する。
【0050】
このように、保険比較提案アプリケーションでは、顧客に対する質問の回答に基づいて決定された、顧客に提案すべき保険商品の取捨選択および保険条件の変更を、顧客の状況と保険商品との関係を確認しながら行うことができる。保険販売員は、顧客のリアルな反応を踏まえて顧客の保険選択をサポートすることができる。結果的に、顧客一人一人に合った保険商品の提案を行うことができる。
【0051】
保険販売員の端末装置が利用する保険比較提案アプリケーションは、保険販売員の端末装置がウェブブラウザを介して利用するウェブアプリケーションであってもよいし、保険販売員の端末装置にインストールされたアプリケーションであってもよい。
【0052】
保険比較提案アプリケーションは、以下に説明する、保険商品を顧客に提案するためのコンピュータシステムによって実現される。
【0053】
2.保険商品を顧客に提案するためのコンピュータシステムの構成
図2は、保険商品を顧客に提案するためのコンピュータシステム100の構成の一例を示す。
【0054】
コンピュータシステム100は、少なくとも1つの端末装置200と、少なくとも1つの端末装置200にネットワーク500を介して接続されているサーバ装置300と、サーバ装置300に接続されているデータベース部400とを備える。
【0055】
端末装置200は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等の任意の端末装置であり得る。端末装置200は、ネットワーク500を介してサーバ装置300と通信することができる。ここで、ネットワーク500の種類は問わない。例えば、端末装置200は、インターネットを介してサーバ装置300と通信してもよいし、LANを介してサーバ装置300と通信してもよい。
図2には3つの端末装置200が描写されているが、端末装置200の数はこれに限定されない。端末装置200の数は、1以上の任意の数であり得る。
【0056】
サーバ装置300は、ネットワーク500を介して少なくとも1つの端末装置200と通信することができる。例えば、サーバ装置300は、サーバ装置300に接続されているデータベース部400から保険商品情報を取得し、取得した保険商品情報を少なくとも1つの端末装置200に送信することができる。例えば、サーバ装置300は、サーバ装置300に接続されているデータベース部400から顧客の個人情報を取得し、取得した顧客の個人情報を少なくとも1つの端末装置200に送信することができる。
【0057】
サーバ装置300に接続されているデータベース部400には、例えば、保険商品情報が格納される。保険商品情報は、例えば、各保険商品の名称、種類、保険料額、引受保険会社、保険期間、保険料払込期間、給付金額等を含むがこれらに限定されない。データベース部400には、例えば、顧客の個人情報が格納される。顧客の個人情報は、例えば、各顧客の氏名、年齢、職業、年収、家族構成(例えば、配偶者の年齢、配偶者の年収、子供の年齢等)、親族構成(例えば、両親の年齢、兄弟の年齢等)、住居形態(例えば、ローンの有無、ローンの返済額、家賃等)、趣味、既存保険契約内容等を含むがこれらに限定されない。データベース部400は、任意の記憶手段によって実装され得る。
【0058】
図3は、端末装置200の構成の一例を示す。
【0059】
端末装置200は、インターフェース部210と、入力部220と、表示部230と、メモリ部240と、プロセッサ部250とを備える。
【0060】
インターフェース部210は、ネットワーク500を介した通信を制御する。端末装置200のプロセッサ部250は、インターフェース部210を介して、端末装置200の外部から情報を受信することが可能であり、端末装置200の外部に情報を送信することが可能である。インターフェース部210は、任意の方法で通信を制御し得る。
【0061】
入力部220は、ユーザからの情報を端末装置200に入力することを可能にする。入力部220は、例えば、顧客の個人情報を端末装置200に入力することを可能にする。入力部220は、例えば、顧客からの第1の質問に対する回答または第2の質問に対する回答を端末装置200に入力することを可能にする。入力部220がユーザからの情報をどのような態様で端末装置200に入力することを可能にするかは問わない。例えば、入力部220がタッチパネルである場合には、ユーザがタッチパネルにタッチすることによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部220がマウスである場合には、ユーザがマウスを操作することによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部220がキーボードである場合には、ユーザがキーボードのキーを押下することによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部220がマイクである場合には、ユーザがマイクに音声を入力することによって情報を入力するようにしてもよい。
【0062】
表示部230は、情報を表示するための任意のディスプレイであり得る。
【0063】
メモリ部240には、端末装置200における処理を実行するためのプログラムやそのプログラムの実行に必要とされるデータ等が格納されている。メモリ部240には、例えば、保険商品を顧客に提案するためのプログラム(例えば、後述する
図5に示される処理を実現するプログラム)の一部または全部が格納されている。メモリ部240には、任意の機能を実装するアプリケーションが格納されていてもよい。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ部240に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ部240にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、ネットワーク500を経由してダウンロードされることによってメモリ部240にインストールされるようにしてもよい。メモリ部240は、任意の記憶手段によって実装され得る。
【0064】
プロセッサ部250は、端末装置200全体の動作を制御する。プロセッサ部250は、メモリ部240に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、端末装置200を所望のステップを実行する装置として機能させることが可能である。プロセッサ部250は、単一のプロセッサによって実装されてもよいし、複数のプロセッサによって実装されてもよい。
【0065】
図3に示される例では、端末装置200の各構成要素が端末装置200内に設けられているが、本発明はこれに限定されない。端末装置200の各構成要素のいずれかが端末装置200の外部に設けられることも可能である。例えば、入力部220、表示部230、メモリ部240、プロセッサ部250のそれぞれが別々のハードウェア部品で構成されている場合には、各ハードウェア部品が任意のネットワークを介して接続されてもよい。このとき、ネットワークの種類は問わない。各ハードウェア部品は、例えば、LANを介して接続されてもよいし、無線接続されてもよいし、有線接続されてもよい。
【0066】
図4は、サーバ装置300の構成の一例を示す。
【0067】
サーバ装置300は、インターフェース部310と、メモリ部320と、プロセッサ部330とを備える。
【0068】
インターフェース部310は、ネットワーク500を介した通信を制御する。また、インターフェース部310は、データベース部400との通信も制御する。サーバ装置300のプロセッサ部330は、インターフェース部310を介して、サーバ装置300の外部から情報を受信することが可能であり、サーバ装置の外部に情報を送信することが可能である。インターフェース部310は、任意の方法で通信を制御し得る。
【0069】
メモリ部320には、サーバ装置300の処理の実行に必要とされるプログラムやそのプログラムの実行に必要とされるデータ等が格納されている。例えば、保険商品を顧客に提案するためのプログラム(例えば、後述する
図5に示される処理を実現するプログラム)の一部または全部が格納されている。メモリ部320は、任意の記憶手段によって実装され得る。
【0070】
プロセッサ部330は、サーバ装置300全体の動作を制御する。プロセッサ部330は、メモリ部320に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、サーバ装置300を所望のステップを実行する装置として機能させることが可能である。プロセッサ部330は、単一のプロセッサによって実装されてもよいし、複数のプロセッサによって実装されてもよい。
【0071】
図4に示される例では、データベース部400は、サーバ装置300の外部に設けられているが、本発明はこれに限定されない。データベース部400をサーバ装置300の内部に設けることも可能である。このとき、データベース部400は、メモリ部320を実装する記憶手段と同一の記憶手段によって実装されてもよいし、メモリ部320を実装する記憶手段とは別の記憶手段によって実装されてもよい。いずれにせよ、データベース部400は、サーバ装置300のための格納部として構成される。データベース部400の構成は、特定のハードウェア構成に限定されない。例えば、データベース部400は、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。例えば、データベース部400は、サーバ装置300の外付けハードディスク装置として構成されてもよいし、ネットワーク500を介して接続されるクラウド上のストレージとして構成されてもよい。
【0072】
3.保険商品を顧客に提案するためのコンピュータシステムにおける処理
図5は、保険商品を顧客に提案するためのコンピュータシステム100における処理の一例として、保険商品を顧客に提案する処理の手順を示す。
図5に示される例では、保険商品を顧客に提案する処理の各ステップをサーバ装置300において実行する例、すなわち、保険比較提案アプリケーションがサーバ装置300上で実行されるウェブアプリケーションである場合を説明する。
【0073】
ステップS501では、サーバ装置300のプロセッサ部330が、インターフェース部310を介して、顧客の個人情報を受信する。顧客の個人情報は、端末装置200から送信されて、ネットワーク500を介してサーバ装置300によって受信されてもよいし、データベース部400から取得されてもよい。データベース部400から取得される場合は、まず、顧客を特定するための顧客情報(例えば、契約番号等)を端末装置200から受信し、受信された顧客情報に基づいてデータベース部400を検索するようにしてもよい。顧客の個人情報は、例えば、各顧客の氏名、年齢、職業、年収、家族構成、親族構成、住居形態、趣味、既存保険契約内容等を含むがこれらに限定されない。
【0074】
ステップS502では、サーバ装置300のプロセッサ部330が、端末装置200から送信された顧客に対する質問に対する回答をインターフェース部310を介して受信する。顧客に対する質問に対する回答は、ステップS503で顧客が気にかけているリスクを特定することができる限り、任意のものであり得る。顧客に対する質問は、例えば、端末装置200に表示されたQ&A画面を介して顧客に提示されてもよいし、端末装置200以外の手段、例えば、紙による質問、口頭による質問等によって顧客に提示されてもよい。顧客に対する質問は、ステップS501で受信された顧客の個人情報に基づいて変更されるようにしてもよい。例えば、質問に対する回答の選択肢が、ステップS501で受信された顧客の個人情報に基づいて変更されるようにすることができる。
【0075】
ステップS503では、サーバ装置300のプロセッサ部330が、ステップS501で受信された顧客の個人情報と、ステップS502で受信された顧客に対する質問に対する回答とに基づいて、顧客が気にかけているリスクを特定する。
【0076】
顧客が気にかけているリスクを特定できるように、顧客に対する質問に対する回答のうちの少なくとも1つは、例えば、複数のリスク候補のうちの少なくとも1つに関連付けられている。リスク候補は、例えば、「家族の生活」、「病気・けが」、「がん」、「介護」、「老後」、「学資」、「事故」、「火災」、「盗難」等を含むがこれらに限定されない。サーバ装置300のプロセッサ部330は、複数のリスク候補の中から、顧客に対する質問に対する回答に関連付けられている少なくとも1つのリスク候補に基づいて、顧客が気にかけているリスクを特定する。
【0077】
図6A〜
図6Cは、顧客に対する質問に対する回答と、複数のリスク候補との関連付けの一例を説明する表である。この例では、顧客に対して7つの質問が提示される場合を説明する。質問は、YesまたはNoで回答する質問とする。表では、各質問に対するYesとの回答に関連付けられたリスク候補を「1」で表している。例えば、第1の質問に対するYesとの回答は、「家族の生活」、「介護」、「老後」、「事故」、「火災」という5つのリスク候補に関連付けられており、第2の質問に対するYesとの回答は、「病気・けが」、「がん」、「介護」という3つのリスク候補に関連付けられており、・・・第7の質問に対するYesとの回答は、「家族の生活」、「病気・けが」、「がん」、「学資」という4つのリスク候補に関連付けられている。
【0078】
これにより、例えば、顧客が第1の質問に対してYesと回答すると、「家族の生活」、「介護」、「老後」、「事故」、「火災」に対して1のフラグが立ち、顧客が第2の質問に対してYesと回答すると、「病気・けが」、「がん」、「介護」に対して1のフラグが立ち、・・・顧客が第7の質問に対してYesと回答すると、「家族の生活」、「病気・けが」、「がん」、「学資」に対して1のフラグが立つ。これらのフラグを合計し、所定の閾値を超えるリスク候補を、顧客が気にかけているリスクとして特定することができる。
【0079】
例えば、顧客Aに対して7つの質問を提示した場合に、顧客が、表1に示されるように回答したとする。
【表1】
【0080】
この場合、
図6Bに示されるように各フラグが合計される。ここで閾値を1と設定すると、1を超えるリスク候補、すなわち、「家族の生活」、「病気・けが」、「がん」、「介護」、「老後」が、顧客Aが気にかけているリスクであると特定される。
【0081】
例えば、顧客Bに対して7つの質問を提示した場合に、顧客が、表2に示されるように回答したとする。
【表2】
【0082】
この場合、
図6Cに示されるように各フラグが合計される。ここで閾値を1と設定すると、1を超えるリスク候補、すなわち、「事故」、「火災」、「盗難」が、顧客Bが気にかけているリスクであると特定される。
【0083】
上述した質問の数は一例である。任意の数の質問を用いて、顧客が気にかけているリスクを特定することができる。また、上述した質問の回答方法は一例である。任意の回答方法(例えば、多肢選択式、記述式等)の質問を用いて、顧客が気にかけているリスクを特定することができる。例えば、多肢選択式の質問を用いる場合、各選択肢が複数のリスク候補のうちの少なくとも1つと関連付けられ得る。例えば、
図1Aに示される質問の場合、顧客の不安要素のうち、「万が一(死亡や高度障害)」の選択肢には、「家族の生活」、「病気・けが」、「介護」というリスク候補が関連付けられ、「働けなくなること」の選択肢には、「家族の生活」、「老後」、「学資」というリスク候補が関連付けられ得る。
【0084】
上述した顧客に対する質問に対する回答と、複数のリスク候補との関連付けは一例である。これらの関連付けは、顧客毎に固定であってもよいし、変動するようにしてもよい。変動する場合は、ステップS501で受信された顧客の個人情報に基づいて変動するようにしてもよい。
【0085】
保険商品を顧客に提案する処理は、上述したステップS503に代えて、ステップS503’を含むようにしてもよい。ステップS503’では、サーバ装置300のプロセッサ部330が、ステップS501で受信された顧客の個人情報と、ステップS502で受信された顧客に対する質問に対する回答とに基づいて、顧客が気にかけているリスクに加えて、顧客が希望している保障の程度も特定する。
【0086】
顧客が希望している保障の程度を特定できるように、顧客に対する質問に対する回答のうちの少なくとも1つは、例えば、顧客の計画性を示す軸と顧客の不安感を示す軸とによって定義される平面の4つの象限のうちの1つに関連付けられている。サーバ装置300のプロセッサ部330は、顧客に対する質問に対する回答に関連付けられている4つの象限のうちの1つの象限に基づいて、顧客が希望している保障の程度を特定する。
【0087】
図7Aは、顧客の計画性を示す軸と顧客の不安感を示す軸とによって定義される平面700を示す。
【0088】
図7Aにおいて、縦軸が、顧客の計画性を示す軸であり、横軸が、顧客の不安感を示す軸である。第1象限701は、計画性が高く、かつ、不安感が高いことを示す象限である。第2象限702は、計画性が高く、かつ、不安感が低いことを示す象限である。第3象限703は、計画性が低く、かつ、不安感が低いことを示す象限である。第4象限704は、計画性が低く、かつ、不安感が高いことを示す象限である。各象限は、複数の段階の保障の程度のうちの1つに関連付けられている。例えば、第1象限701が最も厚い保障の程度に関連付けられ、第4象限704が2番目に厚い保障の程度に関連付けられ、第2象限702が3番目に厚い保障の程度に関連付けられ、第3象限703が最も薄い保障の程度に関連付けられることが好ましい。これは、不安感が高い顧客が、手厚い保障を希望し、計画性が高い顧客も、手厚い保障を希望するという論理に基づくものである。
【0089】
顧客に対する質問に対する回答は、4つの象限のうちの1つに関連付けられる。例えば、顧客に対する質問が、
図1Bに示されているように、顧客の計画性および不安感を直接的に問う質問である場合には、質問に対する回答が4つの象限のうちの1つに直接的に関連付けられる。例えば、顧客Aが
図1Bの選択肢21から「対策をしている」を選択し、
図1Bの選択肢22から「不安に感じる」を選択した場合、顧客Aの計画性が高く、かつ、不安感が高いと判断されるため、顧客Aの回答は、第1象限701に関連付けられ、顧客Aが希望している保障の程度は、最も手厚いと特定される。例えば、顧客Bが
図1Bの選択肢21から「あまり対策をしていない」を選択し、
図1Bの選択肢22から「あまり不安に感じない」を選択した場合、顧客Bの計画性が低く、かつ、不安感が低いと判断されるため、顧客Bの回答は、第3象限703に関連付けられ、顧客Bが希望している保障の程度は、最も薄いと特定される。
【0090】
例えば、顧客に対する質問は、顧客の計画性および不安感を間接的に問う質問であってもよい。
【0091】
図7B〜
図7Cは、顧客に対する質問に対する回答と、顧客の計画性および不安感との関連付けの一例を説明する表である。この例では、顧客に対して5つの質問が提示される場合を説明する。質問は、YesまたはNoで回答する質問とする。表では、各質問に対するYesとの回答に関連付けられた計画性の高さおよび不安感の高さを「1」で表している。例えば、第1の質問に対するYesとの回答は、計画性が高いことおよび不安感が低いことに関連付けられており、第2の質問に対するYesとの回答は、計画性が低いことおよび不安感が高いことに関連付けられており、・・・、第5の質問に対するYesとの回答は、不安感が低いことに関連付けられている。
【0092】
これにより、例えば、顧客が第1の質問に対してYesと回答すると、計画性が高いことおよび不安感が低いことに対して1のフラグが立ち、顧客が第2の質問に対してYesと回答すると、計画性が低いことおよび不安感が高いことに対して1のフラグが立ち、・・・顧客が第7の質問に対してYesと回答すると、不安感が低いことに対して1のフラグが立つ。これらのフラグを合計し、所定の閾値を超えたものを、顧客の計画性および不安感として特定することができる。
【0093】
例えば、顧客Cに対して5つの質問を提示した場合に、顧客が、表3に示されるように回答したとする。
【表3】
【0094】
この場合、
図7Cに示されるように各フラグが合計される。ここで閾値を1と設定すると、1を超える計画性および不安感、すなわち、計画性が高くかつ、不安感が低いことが特定される。
【0095】
これにより、顧客Cの回答は、第2象限702に関連付けられ、顧客Cが希望している保障の程度は、3番目に手厚いと特定される。
【0096】
上述した質問の数は一例である。任意の数の質問を用いて、顧客の計画性および不安感を特定することができる。また、上述した質問の回答方法は一例である。任意の回答方法(例えば、多肢選択式、記述式等)の質問を用いて、顧客の計画性および不安感を特定することができる。例えば、多肢選択式の質問を用いる場合、各選択肢が、計画性が高いことまたは計画性が低いこと、および、不安感が高いことまたは不安感が低いことのうちの少なくとも1つと関連付けられ得る。
【0097】
上述した顧客に対する質問に対する回答と、顧客の計画性および不安感との関連付けは一例である。これらの関連付けは、顧客毎に固定であってもよいし、変動するようにしてもよい。変動する場合は、ステップS501で受信された顧客の個人情報に基づいて変動するようにしてもよい。
【0098】
ステップS501で受信された顧客の個人情報に基づいて、顧客が気にかけているリスクおよび/または顧客が希望している保障の程度が特定されるように、ステップS501で受信された顧客の個人情報と、顧客が気にかけているリスクおよび/または顧客が希望している保障の程度とを関連付けてもよい。例えば、顧客の年齢および性別という個人情報と、顧客が気にかけているリスクとを関連付けてもよい。この場合、顧客の年齢および性別という個人情報に基づいて、例えば、60歳以上の男性が気にかけているリスクが、「がん」、「介護」であり、30歳以上40歳未満の女性が気にかけているリスクが、「病気・けが」、「事故」であると特定することができる。例えば、顧客の家族構成という個人情報と、顧客が気にかけているリスクとを関連付けてもよい。この場合、顧客の家族構成という個人情報に基づいて、例えば、10歳未満の子供がいる顧客が気にかけているリスクが、「学資」であると特定することができる。例えば、顧客の既契保険契約数という個人情報と、顧客が希望している保障の程度とを関連付けてもよい。この場合、顧客の既契保険契約数という個人情報に基づいて、例えば、5以上の保険を契約している顧客が希望している保障の程度が、最も手厚いと特定することができる。
【0099】
ステップS501で受信された顧客の個人情報に基づいて顧客が気にかけているリスクおよび/または顧客が希望している保障の程度を特定し、これとは独立して、ステップS502で受信された顧客に対する質問に対する回答に基づいて顧客が気にかけているリスクおよび/または顧客が希望している保障の程度を特定し、それらの共通部分から、顧客が気にかけているリスクおよび/または顧客が希望している保障の程度を特定するようにしてもよい。あるいは、ステップS501で受信された顧客の個人情報およびステップS502で受信された顧客に対する質問に対する回答を組み合わせて使用して、顧客が気にかけているリスクおよび/または顧客が希望している保障の程度を特定するようにしてもよい。
【0100】
再び
図5を参照すると、ステップS504では、サーバ装置300のプロセッサ部330が、ステップS503で特定された顧客が気にかけているリスクに基づいて、顧客に提案すべき少なくとも1つの保険商品を決定する。
【0101】
顧客に提案すべき少なくとも1つの保険商品を決定できるように、複数のリスク候補のそれぞれは、少なくとも1つの保険商品に関連付けられている。例えば、「家族の生活」というリスク候補は、少なくとも1つの生命保険に関連付けられ得る。例えば、「病気・けが」というリスク候補は、少なくとも1つの医療保険に関連付けられ得る。例えば、「火災」というリスク候補は、少なくとも1つの火災保険に関連付けられ得る。例えば、「盗難」というリスク候補は、少なくとも1つの盗難保険に関連付けられ得る。なお、複数のリスク候補のそれぞれには、任意の保険商品が関連付けられ得る。例えば、1つのリスク候補に複数の種類の保険商品(例えば、生命保険および学資保険の2種類の保険商品)が関連付けられるようにしてもよい。
【0102】
これにより、ステップS503で複数のリスク候補の中から特定された顧客が気にかけているリスクには、少なくとも1つの保険商品が関連付けられていることになる。サーバ装置300のプロセッサ部330は、この関連付けられている少なくとも1つの保険商品を顧客に提案すべき少なくとも1つの保険商品として決定する。決定された少なくとも1つの保険商品の保険商品情報は、ネットワーク500を介して端末装置200に送信される。端末装置200は、少なくとも1つの保険商品の保険商品情報をネットワーク500を介して受信し、表示部230に表示することにより、少なくとも1つの保険商品が顧客に提案される。
【0103】
保険商品を顧客に提案する処理は、上述したステップS504に代えて、ステップS504’を含むようにしてもよい。ステップS504’では、サーバ装置300のプロセッサ部330が、ステップS503’で特定された顧客が気にかけているリスクと顧客が希望している保障の程度とに基づいて、顧客に提案すべき少なくとも1つの保険商品を決定する。
【0104】
顧客に提案すべき少なくとも1つの保険商品を決定できるように、顧客の計画性を示す軸と顧客の不安感を示す軸とによって定義される平面の4つの象限のそれぞれは、少なくとも1つの保険商品に関連付けられている。例えば、第1象限701は、最も手厚い保障を有する保険商品(例えば、最も手厚い保障を有する生命保険、最も手厚い保障を有する医療保険、最も手厚い保障を有するがん保険等)に関連付けられ得る。例えば、第4象限704は、2番目に手厚い保障を有する保険商品(例えば、2番目に手厚い保障を有する生命保険、2番目に手厚い保障を有する医療保険、2番目に手厚い保障を有するがん保険等)に関連付けられ得る。第2象限702は、3番目に手厚い保障を有する保険商品(例えば、3番目に手厚い保障を有する生命保険、3番目に手厚い保障を有する医療保険、3番目に手厚い保障を有するがん保険等)に関連付けられ得る。第3象限703は、最も薄い保障を有する保険商品(例えば、最も薄い保障を有する生命保険、最も薄い保障を有する医療保険、最も薄い保障を有するがん保険等)に関連付けられ得る。
【0105】
これにより、ステップS503’で平面の4つの象限の中から特定された顧客が希望している保障の程度には、少なくとも1つの保険商品が関連付けられていることになる。
【0106】
サーバ装置300のプロセッサ部330は、例えば、顧客が気にかけているリスクに関連付けられている少なくとも1つの保険商品と、顧客が希望している保障の程度に関連付けられている少なくとも1つの保険商品とに共通する少なくとも1つの保険商品を、顧客に提案すべき少なくとの1つの保険商品として決定する。例えば、顧客が気にかけているリスクに関連付けられている少なくとも1つの保険商品が、最も手厚い保障を有する生命保険、2番目に手厚い保障を有する生命保険、3番目に手厚い保障を有する生命保険、および、最も薄い保障を有する生命保険であり、顧客が希望している保障の程度に関連付けられている少なくとも1つの保険商品が、最も手厚い保障を有する生命保険、最も手厚い保障を有する医療保険、および、最も手厚い保障を有するがん保険である場合、複数の生命保険のうちの最も手厚い保障を有する生命保険が、顧客に提案すべき少なくとも1つの保険商品として決定される。決定された少なくとも1つの保険商品の保険商品情報は、ネットワーク500を介して端末装置200に送信される。端末装置200は、少なくとも1つの保険商品の保険商品情報をネットワーク500を介して受信し、表示部230に表示することにより、少なくとも1つの保険商品が顧客に提案される。
【0107】
ステップS505では、サーバ装置300のプロセッサ部330が、ステップS504またはステップS504’で決定された少なくとも1つの保険商品の保険条件を変更する。例えば、プロセッサ部330は、端末装置200の入力部220に入力された情報をインターフェース部310を介して受信し、受信された情報に基づいて、保険条件を変更する。端末装置200の入力部220に入力された情報は、例えば、
図1Eに示されるような保険条件に関する質問に対する回答であってもよいし、例えば、
図1Fに示されるような保険条件の直接的な変更であってもよい。入力された情報が保険条件に関する質問に対する回答である場合、質問に対する回答とそれに対応する保険条件とを関連付けておくことにより、回答に基づいて保険条件を変更することができる。例えば、
図1Eに表示される画面を顧客に提示して、顧客に保険条件を変更させることにより、顧客は、保険条件をイメージしやすく、自己のニーズに合うように適切に保険条件を変更することができる。例えば、保険条件を変更するために顧客に提示される画面に動画またはアニメーションを追加して、顧客が保険条件をさらにイメージしやすくすることも可能である。
【0108】
ステップS506では、サーバ装置300のプロセッサ部330が、ステップS505で保険条件を変更したことに応答して、保険商品の保険料額を変更する。
【0109】
上述した例では、保険商品を顧客に提案する処理の各ステップをサーバ装置300において実行する例を説明したが、本発明は、これに限定されない。保険商品を顧客に提案する処理の各ステップは、プロセッサ部を備える他の情報処理装置によって実行されることができる。例えば、保険商品を顧客に提案する処理の各ステップは、端末装置200のプロセッサ部250によって実行されることができる。これは、例えば、端末装置200にインストールされたアプリケーションで、保険商品を顧客に提案する処理を実装する場合である。
【0110】
この場合、ステップS501では、端末装置200のプロセッサ部250が、顧客から入力部220に入力された顧客の個人情報を受信する、または、インターフェース部310を介して、データベース部400に格納されている顧客の個人情報を受信する。
【0111】
ステップS502では、端末装置200のプロセッサ部250が、顧客から入力部220に入力された顧客に対する質問に対する回答を受信する。
【0112】
ステップS503では、端末装置200のプロセッサ部250が、ステップS501で受信された顧客の個人情報と、ステップS502で受信された顧客に対する質問に対する回答とに基づいて、顧客が気にかけているリスクを特定する。具体的な処理は、サーバ装置300のプロセッサ部330が行う処理と同様である。端末装置200のプロセッサ部250は、ステップS501で受信された顧客の個人情報と、ステップS502で受信された顧客に対する質問に対する回答とに基づいて、顧客が気にかけているリスクに加えて、顧客が希望している保障の程度も特定してもよい。
【0113】
ステップS504では、端末装置200のプロセッサ部250が、ステップS503で特定された顧客が気にかけているリスクに基づいて、顧客に提案すべき少なくとも1つの保険商品を決定する。具体的な処理は、サーバ装置300のプロセッサ部330が行う処理と同様である。このとき、端末装置200は、サーバ装置300に問い合わせを行い、データベース部400に格納されている保険商品情報を取得することができる。端末装置200のプロセッサ部250は、顧客が気にかけているリスクに加えて、顧客が希望している保障の程度にも基づいて、顧客に提案すべき少なくとも1つの保険商品を決定してもよい。
【0114】
ステップS505では、端末装置200のプロセッサ部250が、ステップS504で決定された少なくとも1つの保険商品の保険条件を変更する。例えば、プロセッサ部250は、入力部220に入力された情報を受信し、受信された情報に基づいて、保険条件を変更する。
【0115】
ステップS506では、端末装置200のプロセッサ部250が、ステップS505で保険条件を変更したことに応答して、保険商品の保険料額を変更する。
【0116】
保険商品を顧客に提案する処理の各ステップが端末装置200のプロセッサ部250によって実行される場合、端末装置200のメモリ部240が、保険商品を顧客に提案する処理を実現するプログラムを格納すれば足り、サーバ装置300のメモリ部320は、保険商品を顧客に提案する処理を実現するプログラムを格納する必要はない。
【0117】
上述した例では、コンピュータシステム100を用いて保険商品を顧客に提案することを例に説明したが、提案される対象は保険商品に限定されない。任意の商品またはサービスを顧客に提案することができるコンピュータシステムも本発明の範囲内である。任意の商品またはサービスは、顧客の個人情報および顧客に対する質問に対する回答に基づいて少なくとも1つを決定することが可能な任意の商品またはサービスであり得る。
【0118】
任意の商品またはサービスは、例えば、時間の経過につれて価格が変動するリスクを伴う商品またはサービスであってもよい。時間の経過につれて価格が変動するリスクを伴う商品またはサービスは、例えば、預金、投資信託、株式、国債、外国通貨、コモディティ等の金融商品を含む。例えば、これらの金融商品は、政治情勢、国際情勢、経済情勢、時期等の複数の要因で価格が変動する。例えば、政治情勢の変化に応じて価格が大きく変動する金融商品もあれば、国際情勢の変化に応じて価格が大きく変動する金融商品もあれば、経済情勢に応じて価格が大きく変動する金融商品もある。また、これらの金融商品は、それぞれ利益の大きさおよび損失の大きさが異なる。例えば、利益が大きいが損失も大きいハイリスクハイリターンの金融商品もあれば、利益が小さいが損失も小さいローリスクローリターンの金融商品もある。顧客の有するポートフォリオや顧客が気にかけているリスクおよび顧客が希望している利益の程度に依存して、各顧客で提案すべき商品またはサービスが異なり得る。本発明のコンピュータシステムによると、各顧客の潜在的または本来的なニーズに合った商品またはサービスを顧客に提案することができる。
【0119】
任意の商品またはサービスを顧客に提案するためのコンピュータシステムは、コンピュータシステム100と同様の構成を有することができ、コンピュータシステム100と同様の処理によって、商品またはサービスを顧客に提案することができる。
【0120】
ステップS501では、サーバ装置300のプロセッサ部330が、インターフェース部310を介して、顧客の個人情報を受信する。顧客の個人情報は、例えば、各顧客の氏名、年齢、職業、年収、家族構成、親族構成、住居形態、趣味、所有するポートフォリオ等を含むがこれらに限定されない。
【0121】
ステップS502では、サーバ装置300のプロセッサ部330が、端末装置200から送信された顧客に対する質問に対する回答をインターフェース部310を介して受信する。顧客に対する質問に対する回答は、ステップS503で顧客が気にかけているリスクを特定することができる限り、任意のものであり得る。
【0122】
ステップS503では、サーバ装置300のプロセッサ部330が、ステップS501で受信された顧客の個人情報と、ステップS502で受信された顧客に対する質問に対する回答とに基づいて、顧客が気にかけているリスクを特定する。顧客が気にかけているリスクのリスク候補は、例えば、商品またはサービスが金融商品である場合、政治情勢の変化に応じて価格が変動するリスク、国際情勢の変化に応じて価格が変動するリスク、経済情勢の変化に応じて価格が変動するリスク、時期に応じて価格が変動するリスク等を含むがこれらに限定されない。
【0123】
商品またはサービスを顧客に提案する処理は、上述したステップS503に代えて、ステップS503’を含むようにしてもよい。ステップS503’では、サーバ装置300のプロセッサ部330が、ステップS501で受信された顧客の個人情報と、ステップS502で受信された顧客に対する質問に対する回答とに基づいて、顧客が気にかけているリスクに加えて、顧客が希望している利益の程度も特定する。
【0124】
顧客が希望している利益の程度は、例えば、商品またはサービスが金融商品である場合、顧客が希望している損益の程度であり得る。顧客が希望している利益の程度は、例えば、商品またはサービスが上述した保険商品である場合、上述したように、顧客が希望している保障の程度であり得る。
【0125】
再び
図7Aを参照すると、商品またはサービスが金融商品である場合、例えば、第1象限701が、最も利益が小さいが損失も最も小さいという損益の程度に関連付けられ、第4象限704が、2番目に利益が小さく損失も2番目に小さいという損益の程度に関連付けられ、第2象限702が、3番目に利益が小さく損失も3番目に小さいという損益の程度に関連付けられ、第3象限703が、最も利益が大きいが損失も最も大きいという損益の程度に関連付けられることが好ましい。これは、不安感が高い顧客が、手堅く利益を希望し、計画性が高い顧客も、手堅く利益を希望するからである。
【0126】
ステップS503またはステップS503’では、ステップS501で受信された顧客の個人情報に基づいて、顧客が気にかけているリスクおよび/または顧客が希望している利益の程度が特定されるように、ステップS501で受信された顧客の個人情報と、顧客が気にかけているリスクおよび/または顧客が希望している利益の程度とを関連付けてもよい。例えば、顧客の年齢および性別という個人情報と、顧客が気にかけているリスクとを関連付けてもよい。例えば、顧客の有するポートフォリオという個人情報と、顧客が気にかけているリスクとを関連付けてもよい。例えば、顧客の有するポートフォリオという個人情報と、顧客が希望している利益の程度とを関連付けてもよい。
【0127】
ステップS501で受信された顧客の個人情報に基づいて顧客が気にかけているリスクおよび/または顧客が希望している利益の程度を特定し、これとは独立して、ステップS502で受信された顧客に対する質問に対する回答に基づいて顧客が気にかけているリスクおよび/または顧客が希望している利益の程度を特定し、それらの共通部分から、顧客が気にかけているリスクおよび/または顧客が希望している利益の程度を特定するようにしてもよい。あるいは、ステップS501で受信された顧客の個人情報およびステップS502で受信された顧客に対する質問に対する回答を組み合わせて使用して、顧客が気にかけているリスクおよび/または顧客が希望している利益の程度を特定するようにしてもよい。
【0128】
ステップS504では、サーバ装置300のプロセッサ部330が、ステップS503で特定された顧客が気にかけているリスクに基づいて、顧客に提案すべき少なくとも1つの商品またはサービスを決定する。例えば、複数のリスク候補のそれぞれは、少なくとも1つの商品またはサービスに関連付けられる。例えば、商品またはサービスが金融商品である場合、政治情勢の変化に応じて価格が変動するリスクは、例えば、国債に関連付けられ得、国際情勢の変化に応じて価格が変動するリスクは、例えば、外国通貨に関連付けられ得る。
【0129】
これにより、ステップS503で複数のリスク候補の中から特定された顧客が気にかけているリスクには、少なくとも1つの商品またはサービスが関連付けられていることになる。
【0130】
商品またはサービスを顧客に提案する処理は、上述したステップS504に代えて、ステップS504’を含むようにしてもよい。ステップS504’では、サーバ装置300のプロセッサ部330が、ステップS503’で特定された顧客が気にかけているリスクと顧客が希望している利益の程度とに基づいて、顧客に提案すべき少なくとも1つの商品またはサービスを決定する。例えば、顧客の計画性を示す軸と顧客の不安感を示す軸とによって定義される平面の4つの象限のそれぞれは、少なくとも1つの商品またはサービスに関連付けられる。例えば、商品またはサービスが金融商品である場合、
図7Aの第1象限701は、利益が小さいが損失も小さいローリスクローリターンの金融商品に関連付けられ得、
図7Aの第3象限703は、利益が大きいが損失も大きいハイリスクハイリターンの金融商品に関連付けられ得る。
【0131】
これにより、ステップS503’で平面の4つの象限の中から特定された顧客が希望している利益の程度には、少なくとも1つの商品またはサービスが関連付けられていることになる。
【0132】
サーバ装置300のプロセッサ部330は、例えば、顧客が気にかけているリスクに関連付けられている少なくとも1つの商品またはサービスと、顧客が希望している利益の程度に関連付けられている少なくとも1つの商品またはサービスとに共通する少なくとも1つの商品またはサービスを、顧客に提案すべき少なくとの1つの商品またはサービスとして決定する。
【0133】
ステップS505では、サーバ装置300のプロセッサ部330が、ステップS504またはステップS504’で決定された少なくとも1つの商品またはサービスの取引条件を変更する。取引条件は、例えば、商品またはサービスが金融商品である場合、購入量等の取引条件であり得る。取引条件は、例えば、商品またはサービスが上述した保険商品である場合、上述したように、保険条件であり得る。
【0134】
ステップS506では、サーバ装置300のプロセッサ部330が、ステップS505で取引条件を変更したことに応答して、商品またはサービスの取引額を変更する。取引額は、例えば、商品またはサービスが上述した保険商品である場合、上述したように、保険料額であり得る。
【0135】
上述した例では、商品またはサービスを顧客に提案する処理の各ステップをサーバ装置300において実行する例を説明したが、本発明は、これに限定されない。商品またはサービスを顧客に提案する処理の各ステップは、プロセッサ部を備える他の情報処理装置によって実行されることができる。例えば、商品またはサービスを顧客に提案する処理の各ステップは、端末装置200のプロセッサ部250によって実行されることができる。これは、例えば、端末装置200にインストールされたアプリケーションで、商品またはサービスを顧客に提案する処理を実装する場合である。
【0136】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。