(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御ユニットは、基板を収容するキャリヤを当該基板処理装置に対して搬送するキャリヤ搬送機構を制御するホスト装置と通信し、当該基板処理装置内にダミー基板が導入されていないときに、前記ホスト装置に対してダミー基板の搬入を要求する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
処理対象の基板を搬入すべき処理ユニットの基板ホルダにダミー基板が保持されているときに、そのダミー基板を前記搬送ユニットによって搬出し、他の処理ユニットの基板ホルダまたは前記搬送ユニットのハンドに当該ダミー基板を保持させて前記ダミー基板待機ステップを実行する、請求項6〜8のいずれか一項に記載の基板処理方法。
前記複数の処理ユニットおよび前記搬送ユニットを備える基板処理装置にダミー基板が導入されていないときに、前記基板処理装置の制御ユニットが、ホスト装置に対してダミー基板の搬入を要求するステップと、
前記ダミー基板の搬入を要求されたホスト装置が、ダミー基板を収容したキャリヤをキャリヤ搬送機構によって前記基板処理装置に搬入させるステップと
をさらに含む、請求項6〜9のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
基板処理装置は、未処理の製品基板および処理後の製品基板を格納するためのキャリヤを保持するキャリヤ保持部を有している。前述のカセットは、キャリヤの一例である。キャリヤ保持部は、有限個(たとえば3〜4個)のキャリヤを保持できるように構成されている。ダミー基板を専用のキャリヤに保持するとすれば、ダミー基板用のキャリヤによって一つのキャリヤ保持位置が占有されるから、製品基板を収容するキャリヤのためのスペースが少なくなる。したがって、基板処理装置が備える複数の処理ユニットを効率的に稼働させることができないおそれがあるので、生産性が損なわれる。特許文献1の構成には、この問題がある。
【0007】
特許文献2の構成では、この問題は生じない。しかし、基板処理装置内に専用の格納スペースが備えられるので、基板処理装置全体の占有面積(フットプリント)が大きくなるおそれがある。また、基板処理装置の占有面積を維持しようとすると、基板処理装置内への処理ユニットの配置が制限を受ける。さらに、専用の格納スペースを基板処理装置内に備えるには、相応のコストがかかる。
【0008】
そこで、この発明の一つの目的は、生産性を損なうことなく、かつ基板処理装置内に専用スペースを設けることなく装置内にダミー基板を保持することができる基板処理装置を提供することである。
また、この発明の他の目的は、生産性を損なうことなく、かつ基板処理装置内に専用スペースを設けることなく装置内にダミー基板を保持しつつ基板を処理できる基板処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、基板を保持する基板ホルダを有し、前記基板ホルダに保持した基板を処理する複数の処理ユニットと、基板を保持するハンドを有し、前記ハンドによって前記複数の処理ユニットに対して基板を搬入および搬出する搬送ユニットと、前記複数の処理ユニットおよび前記搬送ユニットを制御する制御ユニットとを含む基板処理装置を提供する。前記制御ユニットは、処理対象の基板を前記基板ホルダに保持させて前記処理ユニットに基板処理動作を実行させる基板処理制御と、ダミー基板を前記基板ホルダに保持させて前記処理ユニットにユニット洗浄動作を実行させるユニット洗浄制御と、ダミー基板の不使用時に
前記複数の処理ユニットのうち基板処理のために使用されない処理ユニットの前記基板ホルダまたは前記ハンドにダミー基板を保持させて待機させるダミー基板待機制御とを実行する。
【0010】
この構成によれば、ダミー基板の不使用時には、基板処理装置に備えられた処理ユニットの基板ホルダまたは搬送ユニットのハンドにダミー基板を保持させて待機させることができる。それにより、処理ユニットでの処理対象の基板を収納するキャリヤを保持するキャリヤ保持部を占有することなく、基板処理装置内でダミー基板を待機させ、そのダミー基板を必要に応じて処理ユニットの洗浄のために用いることができる。したがって、キャリヤ保持部には、処理対象の基板を収納するための多数のキャリヤを保持できるので、基板処理装置の生産性を損なうことなく、ダミー基板を用いたユニット洗浄機能を備える基板処理装置を提供できる。
【0011】
また、基板処理装置内に専用のダミー基板格納場所を設けるのではなく、基板の処理や搬送のために用いられる基板ホルダまたはハンドをダミー基板の待機のために兼用している。それにより、基板処理装置全体の占有面積(フットプリント)を大きくすることなくダミー基板を基板処理装置内に待機させることができる。また、基板処理装置の占有面積を維持するために処理ユニット等の配置が大きく制限されることもない。しかも、基板の処理または搬送のために基板を保持する構成を兼用しているので、コストの増加や構成の複雑化を招くことがない。
【0012】
処理ユニットは、基板に対して処理流体(液体または気体)を供給するノズルを有していてもよい。また、処理ユニットは、基板ホルダに保持した基板を回転させる基板回転ユニットを有していてもよい。また、処理ユニットは、基板ホルダに保持した基板に紫外線等の電磁波を照射する電磁波照射ユニットを備えていてもよい。さらに、処理ユニットは、基板ホルダに保持した基板に対して、ブラシ洗浄、スプレーノズル洗浄等の物理洗浄を施すように構成されていてもよい。さらにまた、処理ユニットは、基板ホルダに保持した基板の姿勢を変化(たとえば、表裏反転)させる姿勢転換ユニットを有していてもよい。処理流体による処理、基板の回転、電磁波の照射、物理洗浄、基板の姿勢転換等は、基板に対する処理の例である。
【0013】
この発明の一実施形態では、前記制御ユニットは、前記複数の処理ユニットのいずれかに対してユニット洗浄動作を実行すべきか否かを判断し、ユニット洗浄動作を実行すべきであると判断した処理ユニットに対してダミー基板を搬入するように前記搬送ユニットを制御する。
この構成によれば、ユニット洗浄が必要となった処理ユニットに対してダミー基板が搬入され、そのダミー基板を当該処理ユニットの基板ホルダに保持させて当該処理ユニットが洗浄される。こうして、必要に応じてダミー基板を移動させながら、複数の処理ユニットを必要に応じて洗浄できる。
【0014】
この発明の一実施形態では、前記制御ユニットは、
前記複数の処理ユニットのいずれかに対してユニット洗浄動作を実行すべきか否かを判断し、ユニット洗浄動作を実行すべきであると判断した処理ユニットの基板ホルダにダミー基板が保持されているときは、そのダミー基板をそのまま用いて前記ユニット洗浄制御を実行
し、ユニット洗浄動作を実行すべきであると判断した処理ユニットの基板ホルダにダミー基板が保持されていないときは、当該処理ユニットに対してダミー基板を搬入するように前記搬送ユニットを制御する。
この構成によれば、ダミー基板が保持されている処理ユニットの洗浄が必要になると、そのダミー基板をそのまま用いて当該処理ユニットの洗浄処理が行われる。したがって、ダミー基板の搬送動作を伴うことなく、処理ユニットを洗浄できる。すなわち、ダミー基板の搬送動作を最小限にしながら、基板処理およびユニット洗浄を行うことができる。
【0015】
たとえば、制御ユニットは、処理ユニットが一定時間以上使用されなかった場合に、当該処理ユニットのユニット洗浄が必要であると判断してもよい。ダミー基板は、基板処理のために使用されない処理ユニット内の基板ホルダまたは基板搬送のために使用されないハンドに保持される。したがって、或る処理ユニットが長時間にわたって使用されない場合には、当該処理ユニットの基板ホルダにダミー基板が保持されている状況が生じ得る。このような場合に、当該処理ユニットのユニット洗浄が必要であると判断されると、そのダミー基板をそのまま用いて当該処理ユニットのユニット洗浄を行うことができる。
【0016】
この発明の一実施形態では、前記制御ユニットは、処理対象の基板を搬入すべき処理ユニットの基板ホルダにダミー基板が保持されているときは、そのダミー基板を搬出して他の処理ユニットの基板ホルダまたは前記搬送ユニットのハンドに当該ダミー基板を保持させるように前記搬送ユニットを制御する。
この構成によれば、処理対象の基板の搬入先の処理ユニットにダミー基板が保持されていれば、そのダミー基板を搬出したうえで、当該処理ユニットに処理対象の基板が搬入される。したがって、ダミー基板を処理ユニットに保持している場合でも、当該処理ユニットを基板処理のために用いることができる。
【0017】
この発明の一実施形態では、前記制御ユニットは、基板を収容するキャリヤを当該基板処理装置に対して搬送するキャリヤ搬送機構を制御するホスト装置と通信し、当該基板処理装置内にダミー基板が導入されていないときに、前記ホスト装置に対してダミー基板の搬入を要求する。
この構成によれば、ホスト装置に対してダミー基板の搬入を要求することにより、基板処理装置内にダミー基板を導入できる。たとえば、ホスト装置は、キャリヤ搬送機構を制御して、ダミー基板を収容したダミーキャリヤを基板処理装置のキャリヤ保持部に搬入させるように動作してもよい。こうして、基板処理装置にダミー基板を導入できる。
【0018】
制御ユニットは、ダミー基板を用いたユニット洗浄の必要が生じたとき、またはその必要が近い将来に生じると予測したときに、ホスト装置に対して、ダミー基板の搬入を要求してもよい。
この発明は、複数の処理ユニットのいずれかの基板ホルダに処理対象の基板を保持し、当該基板を処理する基板処理ステップと、前記複数の処理ユニットのうちのいずれかの基板ホルダにダミー基板を保持させて、当該処理ユニットのユニット洗浄を実行するユニット洗浄ステップと、前記ダミー基板の不使用時に、前記複数の処理ユニットの
うち基板処理のために使用されない処理ユニットの前記基板ホルダ、または前記複数の処理ユニットに対して基板を搬入および搬出する搬送ユニットのハンドに前記ダミー基板を待機させるダミー基板待機ステップとを含む、基板処理方法を提供する。
【0019】
この基板処理方法の一実施形態は、前記複数の処理ユニットのいずれかに対してユニット洗浄を実行すべきか否かを判断するステップと、ユニット洗浄を実行すべきであると判断した処理ユニットに対して、前記ダミー基板を搬入するステップとをさらに含む。
前記基板処理方法の一実施形
態は、
前記複数の処理ユニットのいずれかに対してユニット洗浄を実行すべきか否かを判断するステップと、前記ユニット洗浄を実行すべきであると判断した処理ユニットの基板ホルダにダミー基板が保持されているときは、そのダミー基板をそのまま用いて当該処理ユニットのユニット洗浄を実行する
ステップと、ユニット洗浄動作を実行すべきであると判断した処理ユニットの基板ホルダにダミー基板が保持されていないときは、当該処理ユニットに対してダミー基板を搬入するステップとをさらに含む。
【0020】
前記基板処理方法の一実施形態では、処理対象の基板を搬入すべき処理ユニットの基板ホルダにダミー基板が保持されているときに、そのダミー基板を前記搬送ユニットによって搬出し、他の処理ユニットの基板ホルダまたは前記搬送ユニットのハンドに当該ダミー基板を保持させて前記ダミー基板待機ステップを実行する。
前記基板処理方法の一実施形態は、前記複数の処理ユニットおよび前記搬送ユニットを備える基板処理装置にダミー基板が導入されていないときに、前記基板処理装置の制御ユニットが、ホスト装置に対してダミー基板の搬入を要求するステップと、前記ダミー基板の搬入を要求されたホスト装置が、ダミー基板を収容したキャリヤをキャリヤ搬送機構によって前記基板処理装置に搬入させるステップとをさらに含む。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置100のレイアウトを示す図解的な平面図である。基板処理装置100は、インデクサセクション1と、処理セクション2と、制御ユニット3とを含む。処理セクション2は、インデクサセクション1との間で基板Wを受け渡しするための受け渡しユニットPASSを備えている。インデクサセクション1は、未処理の基板Wを受け渡しユニットPASSに渡し、受け渡しユニットPASSから処理済みの基板Wを受け取る。処理セクション2は、受け渡しユニットPASSから未処理の基板Wを受け取って、その基板Wに対して、処理剤(処理液または処理ガス)を用いた処理、紫外線等の電磁波を用いた処理、物理洗浄処理(ブラシ洗浄、スプレーノズル洗浄等)などの各種の処理を施す。そして、処理セクション2は、処理後の基板Wを受け渡しユニットPASSに渡す。制御ユニット3は、インデクサセクション1および処理セクション2の動作を制御する。
【0023】
インデクサセクション1は、複数のステージST1〜ST4と、インデクサロボットIRとを含む。
ステージST1〜ST4は、複数枚の基板W(たとえば半導体ウエハ)を積層状態で収容したキャリヤ(基板収容器)Cをそれぞれ保持することができるキャリヤ保持部である。キャリヤCは、基板Wを密閉した状態で収納するFOUP(Front Opening Unified Pod)であってもよいし、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッド、OC(Open Cassette)等であってもよい。たとえば、キャリヤCをステージST1〜ST4に載置したとき、キャリヤCでは、水平姿勢の複数枚の基板Wが互いに間隔を開けて鉛直方向に積層された状態となる。
【0024】
インデクサロボットIRは、たとえば、基台部6と、多関節アーム7と、一対のハンド8A,8Bとを含む。基台部6は、たとえば、当該基板処理装置100のフレームに固定されている。多関節アーム7は、水平面に沿って回動可能な複数本のアーム部を互いに回動可能に結合して構成されており、アーム部の結合箇所である関節部でアーム部間の角度を変更することによって、屈伸するように構成されている。多関節アーム7の基端部は、基台部6に対して、鉛直軸線回りの回動が可能であるように結合されている。さらに、多関節アーム7は、基台部6に対して昇降可能に結合されている。換言すれば、基台部6には、多関節アーム7を昇降させるための昇降駆動機構、多関節アーム7を鉛直軸線回りに回動させるための回動駆動機構が内蔵されている。また、多関節アーム7には、各アーム部を独立して回動させるための個別回動駆動機構が備えられている。多関節アーム7の先端部に、鉛直軸線回りの個別回動および水平方向への個別進退が可能であるように、ハンド8A,8Bが結合されている。多関節アーム7には、ハンド8A,8Bを鉛直軸線回りに個別に回動させるためのハンド回動駆動機構と、ハンド8A,8Bを水平方向に個別に進退させるためのハンド進退機構とが備えられている。ハンド8A,8Bは、たとえば、1枚の基板Wをそれぞれ保持できるように構成されている。なお、ハンド8A,8Bは上下に重なった状態で配置されていてもよいが、
図1では、明瞭化のために、ハンド8A,8Bを紙面に平行な方向(水平方向)にずらして描いてある。
【0025】
この構成により、インデクサロボットIRは、制御ユニット3による制御により、いずれかのステージST1〜ST4に保持されたキャリヤCから一枚の未処理基板Wをハンド8Aで搬出して受け渡しユニットPASSに渡すように動作する。さらに、インデクサロボットIRは、受け渡しユニットPASSから一枚の処理済み基板Wをハンド8Bで受け取って、いずれかのステージST1〜ST4に保持されたキャリヤCに収容するように動作する。受け渡しユニットPASSは、基板を保持するための一つまたは複数のハンド10を備えている。
【0026】
処理セクション2は、複数(この実施形態では4個)の処理ユニットU1〜U4と、主搬送ロボットCRと、前述の受け渡しユニットPASSとを含む。具体的には、平面視において処理セクション2の中央に主搬送ロボットCRが配置されており、この主搬送ロボットCRとインデクサロボットIRとの間に受け渡しユニットPASSが配置されている。受け渡しユニットPASSを挟んで対向するように、処理ユニットU1と、別の処理ユニットU2とが配置されている。そして、処理ユニットU1に対してインデクサロボットIRから遠い側に隣接するように、処理ユニットU3が配置されている。同様に、処理ユニットU2に対してインデクサロボットIRから遠い側に隣接するように、処理ユニットU4が配置されている。処理ユニットU1〜U4によって、主搬送ロボットCRが取り囲まれている。
【0027】
主搬送ロボットCRは、たとえば、基台部11と、多関節アーム12と、一対のハンド13A,13Bとを含む。基台部11は、たとえば、当該基板処理装置100のフレームに固定されている。多関節アーム12は、水平面に沿って延びた複数本のアーム部を互いに回動可能に結合して構成されており、アーム部の結合箇所である関節部でアーム部間の角度を変更することによって、屈伸するように構成されている。多関節アーム12の基端部は基台部11に対して、鉛直軸線回りの回動が可能であるように結合されている。さらに、多関節アーム12は、基台部11に対して昇降可能に結合されている。換言すれば、基台部11には、多関節アーム12を昇降させるための昇降駆動機構、多関節アーム12を鉛直軸線回りに回動させるための回動駆動機構が内蔵されている。また、多関節アーム12には、各アーム部を独立して回動させるための個別回動駆動機構が備えられている。多関節アーム12の先端部に、鉛直軸線回りの個別回動および水平方向への個別進退が可能であるように、ハンド13A,13Bが結合されている。多関節アーム12には、ハンド13A,13Bを鉛直軸線回りに個別に回動させるためのハンド回動駆動機構と、ハンド13A,13Bを水平方向に個別に進退させるためのハンド進退機構とが備えられている。ハンド13A,13Bは、たとえば、1枚の基板Wをそれぞれ保持できるように構成されている。なお、ハンド13A,13Bは上下に重なった状態で配置されていてもよいが、
図1では、明瞭化のために、ハンド13A,13Bを紙面に平行な方向(水平方向)にずらして描いてある。
【0028】
この構成により、主搬送ロボットCRは、受け渡しユニットPASSから未処理の一枚の基板Wをハンド13Aで受け取り、その未処理の基板Wをいずれかの処理ユニットU1〜U4に搬入する。また、主搬送ロボットCRは、処理ユニットU1〜U4で処理された処理済みの基板Wをハンド13Bで受け取り、その基板Wを受け渡しユニットPASSに渡す。
【0029】
処理ユニットU1〜U4は、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型の処理ユニットである。処理ユニットU1〜U4は、たとえば、1枚の基板Wを水平姿勢で保持して回転させるスピンチャック15と、スピンチャック15に対して処理液(薬液またはリンス液)を供給する処理液ノズル16とを処理室17(チャンバ)内に備えた、回転液処理ユニットであってもよい。スピンチャック15は、処理ユニットU1〜U4内で基板を保持する基板ホルダの一例である。
【0030】
制御ユニット3は、インデクサロボットIR、処理ユニットU1〜U4および主搬送ロボットCRの動作を制御する。制御ユニット3は、さらに、基板処理装置100外に備えられたホスト装置200との間で、通信回線150を介してデータ通信を行う。ホスト装置200は、キャリヤ搬送機構300を制御する。キャリヤ搬送機構300は、ホスト装置200によって制御され、基板処理装置100に対してキャリヤCを搬入したり、基板処理装置100からキャリヤCを搬出したりする。より具体的には、キャリヤ搬送機構300は、インデクサセクション1のステージST1〜ST4に対してキャリヤCの搬入/搬出を実行する。キャリヤ搬送機構300は、基板処理装置100と、基板処理装置100外のキャリヤ置き場350との間でキャリヤCを搬送する。
【0031】
ホスト装置200は、キャリヤ搬送機構300を制御して、未処理の基板Wを収容したキャリヤCを基板処理装置100に搬入させる。それとともに、ホスト装置200は、その搬入したキャリヤCに収容されている未処理基板Wに対して実行すべき処理を指定するジョブ情報を基板処理装置100の制御ユニット3に与える。制御ユニット3は、ホスト装置200から受信したジョブ情報に基づいて、基板Wに対する処理を計画して実行する。ジョブとは1枚以上の基板Wに対して実行する処理であり、ジョブ情報とはジョブの内容を指定する情報である。
【0032】
制御ユニット3は、基板処理制御と、ユニット洗浄制御と、ダミー基板待機制御とを実行するようにプログラムされている。
基板処理制御とは、ホスト装置200から与えられるジョブ情報に基づいて、処理ユニットU1〜U4のスピンチャック15に処理対象の基板Wを保持させて処理を行うための制御である。処理対象の基板とは、半導体デバイス等の製品を作製するために処理される製品基板である。具体的には、基板処理制御は、インデクサロボットIRおよび主搬送ロボットCRによって製品基板WをキャリヤCから取り出していずれかの処理ユニットU1〜U4のスピンチャック15に搬送する基板搬送制御を含む。基板処理制御は、さらに、スピンチャック15に保持された基板Wに対して処理液ノズル16から処理液を供給する制御、必要に応じて基板Wを回転させる制御などを含む。基板処理制御は、さらに、処理ユニットU1〜U4で処理された処理済みの基板Wを主搬送ロボットCRおよびインデクサロボットIRによってキャリヤCへと搬送する基板搬送制御を含む。
【0033】
ユニット洗浄制御は、処理ユニットU1〜U4のいずれか(たとえば処理ユニットU4)にダミー基板Pを搬入してスピンチャック15に保持させ、その状態で処理ユニットの内部を洗浄するための制御である。ダミー基板Pは、製品基板Wと同形同大の基板である。製品基板Wと同材料の基板であってもよいし、異種材料の基板であってもよい。製品基板Wは、製品の製造に用いられるのに対して、ダミー基板Pは専ら処理ユニットの内部洗浄のために用いられる。ユニット洗浄制御は、たとえば、スピンチャック15に保持したダミー基板Pを回転させる基板回転制御と、回転状態のダミー基板Pの表面に洗浄液を供給する洗浄液供給制御とを含む。ダミー基板Pをスピンチャック15に保持させた状態で洗浄液を供給することにより、処理ユニットの内部を効率的にかつ精密に洗浄できる。
【0034】
ダミー基板待機制御とは、基板処理のために用いられている処理ユニット以外の処理ユニットのスピンチャック15にダミー基板Pを保持させて待機させるための制御である。ダミー基板待機制御は、製品基板Wを処理するために用いる処理ユニットからダミー基板Pを搬出する制御、製品基板Wの処理に用いられない処理ユニットにダミー基板Pを搬入する制御などを含む。ダミー基板Pは、インデクサロボットIRまたは主搬送ロボットCRのハンド8A,8B,13A,13Bに待機させてもよいし、受け渡しユニットPASSのハンド10に待機させてもよい。インデクサロボットIR、主搬送ロボットCRおよび受け渡しユニットPASSは、キャリヤCと処理ユニットU1〜U4との間で基板W,Pを搬送する搬送ユニットの一例である。
【0035】
制御ユニット3は、さらに、処理ユニットU1〜U4のいずれかに対してユニット洗浄を実行すべきかどうかを判断する。具体的には、制御ユニット3は、個々の処理ユニットU1〜U4に関して、ライフが尽きたか(ライフアップしたか)どうか、またはライフが近い将来尽きるか(ライフアップが近いか)どうかを判断する。ライフとは、ユニット洗浄を行うことなく処理ユニットを使用できる寿命である。ライフの定め方は、たとえば、処理ユニットU1〜U4の設計者または使用者が決定する。具体的には、基板処理枚数によってライフを定めることができる。この場合、一定枚数の製品基板Wを処理すると、処理ユニットがライフアップする。また、製品基板の処理のために稼働した時間によってライフを定めることができる。この場合、一定の稼働時間に達すると処理ユニットがライフアップする。さらにまた、製品基板の処理のために用いられない不使用状態の継続時間をライフの要素としてもよい。この場合、制御ユニット3は、不使用継続時間が一定時間に達すると、当該処理ユニットがライフアップしたと判断してもよい。
【0036】
図2は、基板処理装置100の動作の一例を示すタイムチャートである。この動作例では、ステージST1〜ST4のいずれかに保持された一つのキャリヤC1に未処理の製品基板Wが収容されており、別のステージに保持された別のキャリヤC2に処理済みの製品基板Wが収納される。ホスト装置200が制御ユニット3に与えるジョブ情報は、処理ユニットU1〜U3を用いた並行処理によって、製品基板W1〜W6を処理することを指示する内容である。並行処理とは、指定された複数の処理ユニットを可能な限り並列的に用いて行う処理である。ダミー基板Pは、処理ユニットU4のスピンチャック15に保持されて待機させられている。
【0037】
時刻t0にキャリヤC1が基板処理装置のステージST1に搬入される。キャリヤC1には、未処理の基板W1〜W6が収容されている。ホスト装置200は、制御ユニット3に対して、基板W1〜W6の処理内容を指示するジョブ情報を与える。
ジョブ情報を受信した制御ユニット3は、基板W1〜W6の処理を順に計画して実行する。処理の実行開始は、たとえば、一つのジョブ情報により指示された基板W1〜W6の処理計画(スケジューリング)を完了した後であってもよい。
【0038】
より詳細に説明すると、制御ユニット3は、時刻t1からの期間に基板W1をキャリヤC1からインデクサロボットIRにより取り出して主搬送ロボットCRのハンドに渡す動作b1を計画する。さらに、制御ユニット3は、主搬送ロボットCRによって、ジョブ情報によって指定されている処理ユニットU1〜U3のうちのいずれかに基板W1を搬入する動作b2を、動作b1が完了した後の時刻t2に実行するように計画する。
図2の例では、時刻t2は、処理ユニットU1〜U3がいずれも基板処理のために動作していない期間に属するので、それらの何れの処理ユニットを選択してもよい。
図2の例では、処理ユニットU1が選択されている。
【0039】
そこで、制御ユニット3は、動作b2が完了した後の期間において処理ユニットU1により基板Wを処理する動作b3を計画する。動作b3は、ジョブ情報によって指定された処理を基板Wに対して実行するために処理ユニットU1によって行われる動作である。具体的には、制御ユニット3には、複数種類のレシピが予め登録されている。レシピとは、基板に対する処理手順を規定した情報である。レシピは、基板処理条件を時系列に従って指定する情報を含む。基板処理条件は、たとえば、スピンチャック15による基板Wの回転速度、ならびに処理液ノズル16から吐出する処理液の種類および吐出時間を含む。制御ユニット3は、ジョブ情報によって指定されたレシピに従って処理ユニットU1を制御する動作b3を計画する。
図2の例では、時刻t2〜t9の期間に、処理ユニットU1が基板W1を処理する動作b3が計画されている。
【0040】
一方、制御ユニット3は、基板W2をキャリヤC1からインデクサロボットIRにより取り出して主搬送ロボットCRに渡す動作b4を、主搬送ロボットCRが基板W1を処理ユニットU1に搬入した後の時刻t3に実行するように計画する。さらに、制御ユニット3は、主搬送ロボットCRによって、ジョブ情報によって指定されている処理ユニットU1〜U3のうちのいずれかに基板W2を搬入する動作b5を、動作b4が完了した後の時刻t4に実行するように計画する。
図2の例では、時刻t4において、処理ユニットU1が基板W1の処理のために使用中であり、処理ユニットU2,U3はいずれも基板処理のために使用されていないので、処理ユニットU2,U3のいずれかが選択される。
図2の例では、処理ユニットU2が選択されている。そこで、制御ユニット3は、動作b5が完了した後の期間において処理ユニットU2により基板W2を処理する動作b6を計画する。より具体的には、制御ユニット3は、ジョブ情報によって指定されたレシピに従って処理ユニットU2を制御する動作b6を計画する。
図2の例では、時刻t4〜t11の期間に、処理ユニットU2が基板W2を処理する動作b6が計画されている。基板W2に適用されるレシピは、基板W1に適用されるレシピと同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0041】
たとえば、一つのジョブ情報で指定されるレシピは一つであって、当該ジョブ情報によって処理が指定される1枚以上の基板Wに対して当該レシピが共通に適用されてもよい。
制御ユニット3は、さらに、基板W3をキャリヤC1からインデクサロボットIRにより取り出して主搬送ロボットCRに渡す動作b7を、主搬送ロボットCRが基板W2を処理ユニットU2に搬入した後の時刻t5に実行するように計画する。さらに、制御ユニット3は、主搬送ロボットCRによって、ジョブ情報によって指定されている処理ユニットU1〜U3のうちのいずれかに基板W3を搬入する動作b8を、動作b7が完了した後の時刻t6に実行するように計画する。
図2の例では、時刻t6において、処理ユニットU1,U2が基板W1,W2の処理のために使用中であり、処理ユニットU3は基板処理のために使用されていないので、処理ユニットU3が選択されている。そこで、制御ユニット3は、動作b8が完了した後の期間において処理ユニットU3により基板W3を処理する動作b9を計画する。より具体的には、制御ユニット3は、ジョブ情報によって指定されたレシピに従って処理ユニットU3を制御する動作b9を計画する。
図2の例では、時刻t6〜t13の期間に、処理ユニットU3が基板W3を処理する動作b9が計画されている。基板W3に適用されるレシピは、基板W1,W2に適用されるレシピと同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0042】
時刻t6からの期間には、ジョブ情報によって指定された処理ユニットU1〜U3の全てが基板処理のために使用されている。そこで、制御ユニット3は、次の基板W4をキャリヤC1から搬出するタイミングを調整する。具体的には、処理ユニットU1〜U3のいずれか(
図2の例では処理ユニットU1)における基板処理が終了する時刻t9に基板W4を当該処理ユニット(
図2の例では処理ユニットU1)に搬入するようにタイミングを調整した計画を作成する。
【0043】
このタイミング調整の結果、制御ユニット3は、基板W4をキャリヤC1からインデクサロボットIRにより取り出して主搬送ロボットCRに渡す動作b10を、主搬送ロボットCRが基板W3を処理ユニットU3に搬入した後の時刻t8に実行するように計画する。さらに、制御ユニット3は、動作b10が完了した後の時刻t9に実行する主搬送ロボットCRの基板交換動作b11を計画する。基板交換動作b11は、主搬送ロボットCRがハンド13A,13Bのいずれか一方で処理ユニットU1から処理済みの基板W1を搬出し、それらのハンドの他方で処理ユニットU1に未処理の基板W4を搬入する動作である。そこで、制御ユニット3は、基板交換動作b11が完了した後の期間において処理ユニットU1により基板W4を処理する動作b12を計画する。より具体的には、制御ユニット3は、ジョブ情報によって指定されたレシピに従って処理ユニットU1を制御する動作b12を計画する。
図2の例では、時刻t9〜t16の期間に処理ユニットU1が基板W4を処理する動作b12が計画されている。基板W4に適用されるレシピは、基板W1〜W3に適用されるレシピと同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0044】
一方、制御ユニット3は、主搬送ロボットCR1からインデクサロボットIRに処理済みの基板W1を渡し、さらにインデクサロボットIRがキャリヤC2に処理済みの基板W1を搬入する動作b13を、基板交換動作b11の後の時刻t10に実行するように計画する。
時刻t9からの期間には、ジョブ情報によって指定された処理ユニットU1〜U3の全てが基板処理のために使用されている。そこで、制御ユニット3は、次の基板W5をキャリヤC1から搬出するタイミングを調整する。具体的には、処理ユニットU1〜U3のいずれか(
図2の例では処理ユニットU2)における基板処理が終了する時刻t13に基板W5を当該処理ユニット(
図2の例では処理ユニットU2)に搬入するようにタイミングを調整した計画を作成する。
【0045】
このタイミング調整の結果、制御ユニット3は、基板W5をキャリヤC1からインデクサロボットIRにより取り出して主搬送ロボットCRに渡す動作b14を、主搬送ロボットCRが基板W4を処理ユニットU1に搬入した後の時刻t12に実行するように計画する。さらに制御ユニット3は、動作b14が完了した後の時刻t13に実行する主搬送ロボットCRの基板交換動作b15を計画する。基板交換動作b15は、主搬送ロボットCRがハンド13A,13Bのいずれか一方で処理ユニットU2から処理済みの基板W2を搬出し、それらのハンドの他方で処理ユニットU2に未処理の基板W5を搬入する動作である。そこで、制御ユニット3は、基板交換動作b15が完了した後の期間において処理ユニットU2により基板W5を処理する動作b16を計画する。より具体的には、制御ユニット3は、ジョブ情報によって指定されたレシピに従って処理ユニットU2を制御する動作b16を計画する。
図2の例では、時刻t13〜t20の期間に処理ユニットU2が基板W5を処理する動作が計画されている。基板W5に適用されるレシピは、基板W1〜W4に適用されるレシピと同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0046】
一方、制御ユニット3は、基板交換動作b15の後の時刻t14に主搬送ロボットCR1からインデクサロボットIRに処理済みの基板W2を渡し、さらにインデクサロボットIRがキャリヤC2に処理済みの基板W2を搬入する動作b17を計画する。
時刻t13には処理ユニットU3での基板W3に対する処理が完了する。しかし、主搬送ロボットCRが関与する動作b15,b17のために、次の基板W6に対する動作は、時刻t16まで待たなければならない。
【0047】
制御ユニット3は、時刻t16に基板W6をキャリヤC1からインデクサロボットIRにより取り出して主搬送ロボットCRに渡す動作b18を計画する。さらに、制御ユニット3は、動作b18が完了した後の時刻t17に実行する主搬送ロボットCRの基板交換動作b19を計画する。基板交換動作b19は、主搬送ロボットCRがハンド13A,13Bのいずれか一方で処理ユニットU3から処理済みの基板W3を搬出し、それらのハンドの他方で処理ユニットU3に未処理の基板W6を搬入する動作である。そこで、制御ユニット3は、基板交換動作b19が完了した後の期間において処理ユニットU3により基板W6を処理する動作b20を計画する。より具体的には、制御ユニット3は、ジョブ情報によって指定されたレシピに従って処理ユニットU3を制御する動作b20を計画する。
図2の例では、時刻t17〜t24の期間に処理ユニットU3が基板W6を処理する動作が計画されている。基板W6に適用されるレシピは、基板W1〜W5に適用されるレシピと同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0048】
一方、制御ユニット3は、基板交換動作b19の後の時刻t18に主搬送ロボットCR1からインデクサロボットIRに処理済みの基板W3を渡し、さらにインデクサロボットIRがキャリヤC2に処理済みの基板W3を搬入する動作b21を計画する。
基板交換動作b19までに処理ユニットU1における基板W4の処理が完了している。そこで、制御ユニット3は、基板W4の搬出を計画する。具体的には、主搬送ロボットCRが基板W3の搬送動作b21から解放される後の時刻t19に、主搬送ロボットCRが処理ユニットU1から基板W4を搬出する動作b22が計画される。もしも、基板W4の搬出を計画するまでに処理ユニットU1を指定する別のジョブ情報がホスト装置200から与えられており、その処理対象の基板Wを収容したキャリヤCがステージST1〜ST4に搬入されていれば、制御ユニット3は、その新たなジョブ情報の処理対象の基板Wに対する処理を計画してもよい。そして、処理ユニットU1から処理済みの基板W4を搬出し、当該新たなジョブ情報に対応する基板Wを処理ユニットU1に搬入する基板交換動作が、時刻t19に実行されるように計画されてもよい。
【0049】
制御ユニット3は、基板搬出動作b22の後の時刻t20に主搬送ロボットCR1からインデクサロボットIRに処理済みの基板W4を渡し、さらにインデクサロボットIRがキャリヤC2に処理済みの基板W4を搬入する動作b23を計画する。
処理ユニットU2において基板W5の処理が完了し、かつ主搬送ロボットCRが基板W4の搬送動作b23から解放される後の時刻t21に、主搬送ロボットCRが処理ユニットU2から基板W5を搬出する動作b24が計画される。もしも、基板W5の搬出を計画するまでに処理ユニットU2を指定する別のジョブ情報がホスト装置200から与えられており、その処理対象の基板Wを収容したキャリヤCがステージST1〜ST4に搬入されていれば、制御ユニット3は、その新たなジョブ情報の処理対象の基板Wに対する処理を計画してもよい。そして、時刻t21において、処理ユニットU2から処理済みの基板W5を搬出し、当該新たなジョブ情報に対応する基板Wを処理ユニットU2に搬入する基板交換動作が計画されてもよい。
【0050】
制御ユニット3は、基板搬出動作b24の後の時刻t22に主搬送ロボットCR1からインデクサロボットIRに処理済みの基板W5を渡し、さらにインデクサロボットIRがキャリヤC2に処理済みの基板W5を搬入する動作b25を計画する。
処理ユニットU3において基板W6の処理が完了し、かつ主搬送ロボットCRが基板W5の搬送動作b23から解放される後の時刻t24に実行されるように、主搬送ロボットCRが処理ユニットU3から基板W6を搬出する動作b26が計画される。もしも、基板W6の搬出を計画するまでに処理ユニットU3を指定する別のジョブ情報がホスト装置200から与えられており、その処理対象の基板Wを収容したキャリヤCがステージST1〜ST4に搬入されていれば、制御ユニット3は、その新たなジョブ情報の処理対象の基板Wに対する処理を計画してもよい。そして、時刻t24において、処理ユニットU3から処理済みの基板W6を搬出し、当該新たなジョブ情報に対応する基板Wを処理ユニットU3に搬入する基板交換動作が計画されてもよい。
【0051】
制御ユニット3は、基板搬出動作b26の後の時刻t25に実行されるように、主搬送ロボットCR1からインデクサロボットIRに処理済みの基板W6を渡し、さらにインデクサロボットIRがキャリヤC2に処理済みの基板W6を搬入する動作b27を計画する。
こうして、ホスト装置200から与えられたジョブ情報に対応する計画の作成が完了すると、当該ジョブ情報に対応する最初の基板W1に対する搬送および処理が開始される。
【0052】
図3は、計画したジョブの実行中にダミー基板を用いたユニット洗浄が必要となった場合の計画の一例を説明するためのタイムチャートである。
図3において、
図2の対応箇所には
図3と同一参照符号を付す。
処理ユニットU1において基板W4を処理している期間中の時刻t14において、制御ユニット3は、
図3に参照符号30で示すように、処理ユニットU1においてライフアップが生じたと判断する。それに応じて、制御ユニット3は、処理ユニットU1でのユニット洗浄を計画し、必要に応じて、作成済みの計画を変更する。より具体的には、制御ユニット3は、ライフアップ発生前に処理ユニットU1に対して計画済みの基板W4の処理を終えた後に当該処理ユニットU1に対するユニット洗浄を実行するように、計画を作成する。
【0053】
制御ユニット3は、処理済み基板W4の搬送動作b23から主搬送ロボットCRが解放された後の時刻t21に処理ユニットU4からのダミー基板Pの搬出動作b31を実行するように計画する。そして、制御ユニット3は、その後の時刻t22に実行するように、主搬送ロボットCRがダミー基板Pを処理ユニットU1に搬入する動作b32を計画する。その後、制御ユニット3は、処理ユニットU1に対して、ダミー基板Pを用いたユニット洗浄動作b33を時刻t22〜t29の期間に実行するように計画する。ユニット洗浄動作のためのレシピは、制御ユニット3に予め登録されており、制御ユニット3は、そのレシピに従って処理ユニットU1のユニット洗浄動作を制御する。
【0054】
図3の例では、時刻t14よりも後に、ホスト装置200から基板W7〜W9の処理を指定する新たなジョブ情報が制御ユニット3に入力されている。この新たなジョブ情報は、
図3の例では、処理ユニットU2〜U4での並行処理を指定している。キャリヤ搬送機構300は、未処理の基板W7〜W9を収容したキャリヤC3をたとえばステージST3に搬入し、処理後の基板W7〜W9を収容するためのキャリヤC4をステージST4に搬入する。制御ユニット3は、新たなジョブ情報に対応する処理計画を作成する前に、ダミー基板Pの搬送および処理ユニットU1のユニット洗浄を計画する。
【0055】
制御ユニット3は、時刻t22よりも後の時刻t23において未処理基板W7をキャリヤC3からインデクサロボットIRにより取り出して主搬送ロボットCRに渡す動作b34を計画する。さらに、制御ユニット3は、その未処理基板W7を処理ユニットU2〜U4のいずれか(
図3の例では処理ユニットU2)に搬入する動作b35を時刻t24に実行するように計画する。
図3の例では、動作b35は、主搬送ロボットCRがハンド13A,13Bのいずれか一方で処理ユニットU2から処理済みの基板W5を搬出し、それらのハンドの他方で処理ユニットU2に未処理の基板W7を搬入する基板交換動作である。そして、制御ユニット3は、基板交換動作b35が完了した後の期間において処理ユニットU2により基板W7を処理する動作b36を計画する。より具体的には、制御ユニット3は、ジョブ情報によって指定されたレシピに従って処理ユニットU2を制御する動作b36を計画する。
図3の例では、時刻t24〜t31の期間に処理ユニットU2が基板W5を処理する動作b36が計画されている。基板W7に適用されるレシピは、ジョブ情報によって指定されたレシピである。
【0056】
一方、制御ユニット3は、基板交換動作b35の後の時刻t25に実行するように、主搬送ロボットCR1からインデクサロボットIRに処理済みの基板W5を渡し、さらにインデクサロボットIRがキャリヤC2に処理済みの基板W5を搬入する動作b37を計画する。
制御ユニット3は、さらに、主搬送ロボットCRが基板W5を搬出した後の時刻t27に次の基板W8をキャリヤC3からインデクサロボットIRにより取り出して主搬送ロボットCRに渡す動作b38を計画する。さらに、制御ユニット3は、動作b38が完了した後の時刻t28に主搬送ロボットCRが基板交換動作b39を実行するように計画する。基板交換動作b39は、主搬送ロボットCRがハンド13A,13Bのいずれか一方で処理ユニットU3から処理済みの基板W6を搬出し、それらのハンドの他方で処理ユニットU3に未処理の基板W8を搬入する動作である。そこで、制御ユニット3は、基板交換動作b39が完了した後の期間において処理ユニットU3により基板W8を処理する動作b40を計画する。より具体的には、制御ユニット3は、ジョブ情報によって指定されたレシピに従って処理ユニットU3を制御する動作b40を計画する。
図3の例では、時刻t28〜t35の期間に実行するように、処理ユニットU3が基板W8を処理する動作b40が計画されている。基板W8に適用されるレシピは、基板W7に適用されるレシピと同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0057】
一方、制御ユニット3は、基板交換動作b39の後の時刻t29に実行するように、主搬送ロボットCR1からインデクサロボットIRに処理済みの基板W6を渡し、さらにインデクサロボットIRがキャリヤC2に処理済みの基板W6を搬入する動作b41を計画する。
制御ユニット3は、さらに、主搬送ロボットCRが基板W6を搬出した後の時刻t30に次の基板W9をキャリヤC3からインデクサロボットIRにより取り出して主搬送ロボットCRに渡す動作b42を実行するように計画する。さらに、制御ユニット3は、動作b42が完了した後の時刻t31に主搬送ロボットCRの基板搬入動作b43を実行するように計画する。基板搬入動作b43は、主搬送ロボットCRがハンド13A,13Bのいずれか一方で処理ユニットU4に未処理の基板W9を搬入する動作である。そこで、制御ユニット3は、基板搬入動作b43が完了した後の期間において処理ユニットU4により基板W9を処理する動作b44を計画する。より具体的には、制御ユニット3は、ジョブ情報によって指定されたレシピに従って処理ユニットU4を制御する動作b44を計画する。
図3の例では、時刻t31からの期間に処理ユニットU4が基板W9を処理する動作b44が計画されている。基板W9に適用されるレシピは、基板W7,W8に適用されるレシピと同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0058】
図3では図示を省略するが、制御ユニット3は、さらに、処理後の基板W7〜W9を処理ユニットU2,U3,U4から搬出してキャリヤC4に収納する動作を順次計画する。
処理ユニットU1では、ダミー基板Pを用いたユニット洗浄の後、そのダミー基板Pは、当該処理ユニットU1のスピンチャック15に保持される。
図4は、計画したジョブの実行中にダミー基板を用いたユニット洗浄が必要となった場合の計画の他の例を説明するためのタイムチャートである。
図4において、
図3の対応箇所には
図3と同一参照符号を付す。
【0059】
図3の例の場合と同様に、処理ユニットU1のライフアップ30が生じた時刻t14の後に、ホスト装置200から基板W7〜W9の処理を指定する新たなジョブ情報が制御ユニット3に入力されている。この新たなジョブ情報は、
図3の例の場合と同じく、処理ユニットU2〜U4での並行処理を指定している。キャリヤ搬送機構300は、未処理の基板W7〜W9を収容したキャリヤC3をたとえばステージST3に搬入し、処理後の基板W7〜W9を収容するためのキャリヤC4をステージST4に搬入する。
【0060】
図3の動作例では、ダミー基板Pの搬送およびユニット洗浄の計画を優先し、その後に、製品基板W7〜W9の搬送および処理が計画されている。これに対して、
図4の動作例では、製品基板W7〜W9に対する処理の計画が優先されている。その結果、基板W9を処理ユニットU4に搬入するときに、処理ユニットU4に保持されているダミー基板Pを搬出し、その後に、処理ユニットU1においてユニット洗浄動作を実行するように計画されている。
【0061】
具体的に説明すると、制御ユニット3は、処理ユニットU2〜U4のいずれか(
図4の例では処理ユニットU2)における基板処理が終了する時刻t20以降に基板W7を当該処理ユニット(
図4の例では処理ユニットU2)に搬入するようにタイミングを調整した計画を作成する。このタイミング調整の結果、制御ユニット3は、基板W7をキャリヤC3からインデクサロボットIRにより取り出して主搬送ロボットCRに渡し、かつ処理ユニットU1から搬出された基板W4をインデクサロボットIRに渡してキャリヤC2に収納する動作b51を時刻t20に実行するように計画する。インデクサロボットIRおよび主搬送ロボットCRは、受け渡しユニットPASSを介して、基板W4,W7を交換する基板交換動作を行うことができる。
【0062】
さらに、制御ユニット3は、動作b51が完了した後の時刻t21に主搬送ロボットCRが基板交換動作b52を実行するように計画する。基板交換動作b52は、主搬送ロボットCRがハンド13A,13Bのいずれか一方で処理ユニットU2から処理済みの基板W5を搬出し、それらのハンドの他方で処理ユニットU2に未処理の基板W7を搬入する動作である。そこで、制御ユニット3は、基板交換動作b52が完了した後の期間において処理ユニットU2により基板W7を処理する動作b53を計画する。より具体的には、制御ユニット3は、ジョブ情報によって指定されたレシピに従って処理ユニットU2を制御する動作b53を計画する。
図4の例では、時刻t21〜t28の期間に実行するように、処理ユニットU2が基板W7を処理する動作が計画されている。
【0063】
一方、制御ユニット3は、基板交換動作b52の後の時刻t22に主搬送ロボットCR1からインデクサロボットIRに処理済みの基板W5を渡してキャリヤC2に収納する動作b54を計画する。
制御ユニット3は、処理ユニットU2〜U4のいずれか(
図4の例では処理ユニットU3)における基板処理が終了する時刻t24以降に基板W8を当該処理ユニット(
図4の例では処理ユニットU3)に搬入するようにタイミングを調整した計画を作成する。このタイミング調整の結果、制御ユニット3は、基板W8をキャリヤC3からインデクサロボットIRにより取り出して主搬送ロボットCRに渡す動作b55を時刻t23に実行するように計画する。さらに、制御ユニット3は、動作b55が完了した後の時刻t24に主搬送ロボットCRが基板交換動作b56を実行するように計画する。基板交換動作b56は、主搬送ロボットCRがハンド13A,13Bのいずれか一方で処理ユニットU3から処理済みの基板W6を搬出し、それらのハンドの他方で処理ユニットU3に未処理の基板W8を搬入する動作である。そこで、制御ユニット3は、基板交換動作b56が完了した後の期間において処理ユニットU3により基板W8を処理する動作b57を計画する。より具体的には、制御ユニット3は、ジョブ情報によって指定されたレシピに従って処理ユニットU3を制御する動作b57を計画する。
図4の例では、時刻t24〜t31の期間に実行するように、処理ユニットU3が基板W8を処理する動作b57が計画されている。
【0064】
一方、制御ユニット3は、基板交換動作b56の後の時刻t25に主搬送ロボットCR1からインデクサロボットIRに処理済みの基板W6を渡してキャリヤC2に収納し、かつインデクサロボットIRがキャリヤC3から未処理の基板W9を取り出して主搬送ロボットCRに渡す動作b58を計画する。
制御ユニット3は、動作b58が完了した後の時刻t26に、主搬送ロボットCRが基板交換動作b59を実行するように計画する。基板交換動作b59は、主搬送ロボットCRがハンド13A,13Bのいずれか一方で処理ユニットU4からダミー基板Pを搬出し、それらのハンドの他方で処理ユニットU4に未処理の基板W9を搬入する動作である。そこで、制御ユニット3は、基板交換動作b59が完了した後の期間において処理ユニットU4により基板W9を処理する動作b60を計画する。より具体的には、制御ユニット3は、ジョブ情報によって指定されたレシピに従って処理ユニットU4を制御する動作b60を計画する。
図4の例では、時刻t26〜t33の期間に、処理ユニットU4が基板W9を処理する動作b60が計画されている。
【0065】
一方、制御ユニット3は、基板交換動作b59の後の時刻t27に主搬送ロボットCR1から処理ユニットU1のスピンチャック15にダミー基板Pを渡す動作b61を計画する。そして、制御ユニット3は、ダミー基板搬入動作b61の後に、処理ユニットU1におけるダミー基板Pを用いたユニット洗浄動作b62を計画する。ユニット洗浄動作b62の後には、ダミー基板Pは、基板W7〜W9に対する処理で用いられない処理ユニットU1にそのまま保持される。
【0066】
図4では図示を省略するが、制御ユニット3は、さらに、処理後の基板W7〜W9を処理ユニットU2,U3,U4から搬出してキャリヤC4に収納する動作を順次計画する。
なお、この動作例では、基板W9を処理ユニットU4に搬入するときに、処理ユニットU4からダミー基板Pを搬出している。しかし、ダミー基板Pをより早く処理ユニットU4から搬出するためには、基板W7またはW8を処理ユニットU4に搬入してダミー基板Pと交換し、その搬入した基板W7,W8を処理ユニットU4で処理するように計画するとよい。その後、ダミー基板Pを処理ユニットU1に搬入することによって、より早く処理ユニットU1に対するユニット洗浄を行うことができる。
【0067】
図5は、ダミー基板Pの搬送に関連して制御ユニット3が所定の制御周期で繰り返し実行する処理の一例を説明するためのフローチャートである。制御ユニット3は、ホスト装置200から受信するジョブ情報によって製品基板の処理開始を指示されると、そのジョブ情報がダミー基板を保持している処理ユニットのみでの処理を指定しているかどうかを判断する(ステップS1)。この判断が肯定のときには、制御ユニット3は、空いている別の処理ユニットへのダミー基板の移動を計画して実行する(ステップS2)。「空いている別の処理ユニット」とは、たとえば、ジョブ情報により使用が指定されておらず、使用が計画されておらず、かつ現に使用されていない別の処理ユニットである。空いている別の処理ユニットが存在しない場合には、空き状態の処理ユニットが生じるまで待機する。
【0068】
こうして、ダミー基板を空いている別の処理ユニットに移動した後に、制御ユニット3は、ジョブ情報により指示された基板処理を計画して実行する(ステップS3)。ジョブ情報がダミー基板を保持している処理ユニット以外での処理を許容しているときには(ステップS1:NO)、制御ユニット3は、ダミー基板の移動に関する処理(ステップS2)を省いて、ジョブ情報が指示する基板処理を計画および実行する(ステップS3)。
【0069】
このようにして、必要が生じたときにだけダミー基板を移動させることができるので、効率的な基板処理を維持しながら、ダミー基板を基板処理装置100内に保持することができる。
図6は、いずれかの処理ユニットでのライフアップに関連して制御ユニット3が所定の制御周期で繰り返し実行する処理の一例を説明するためのフローチャートである。制御ユニット3は、いずれかの処理ユニットでライフアップが生じたかどうかを監視する(ステップS11)。いずれの処理ユニットでもライフアップが生じなければ(ステップS11:NO)、以下の処理は省かれる。
【0070】
いずれかの処理ユニットでライフアップが生じると(ステップS11:YES)、制御ユニット3は、ライフアップが生じた処理ユニットにダミー基板が保持されているかどうかを判断する(ステップS12)。ダミー基板が保持されていなければ(ステップS12:NO)、制御ユニット3は、基板処理装置100内にダミー基板が導入済みかどうかを判断する(ステップS13)。基板処理装置100にダミー基板が導入済みであれば(ステップS13:YES)、制御ユニット3は、当該ライフアップが生じた処理ユニットへのダミー基板の移動を計画して実行する(ステップS14)。そして、制御ユニット3は、ダミー基板の移動の後にそのライフアップした処理ユニットのユニット洗浄を計画して実行する(ステップS15)。
【0071】
ライフアップした処理ユニットにダミー基板が保持されているときには(ステップS12:YES)、制御ユニット3は、ステップS13,S14の処理を省いて、そのダミー基板を当該処理ユニットにそのまま保持させたままで、当該処理ユニットのユニット洗浄を計画して実行する(ステップS15)。
基板処理装置100にダミー基板が未導入のときは(ステップS13:NO)、制御ユニット3は、ホスト装置200に対して、ダミー基板を要求済みかどうか判断し(ステップS16)、要求済みであれば、今制御周期の処理を終えて、ダミー基板の導入を待機する。ダミー基板を未だ要求していなければ(ステップS16:NO)、制御ユニット3は、ホスト装置200に対して、ダミー基板を要求する(ステップS16)。ダミー基板要求を受信したホスト装置200は、キャリヤ搬送機構300を制御して、キャリヤ置き場350から、ダミー基板を収容したキャリヤC(ダミーキャリヤ)を搬送させ、基板処理装置100のステージST1〜ST4のいずれかに搬入させる。その後、制御ユニット3は、ダミーキャリヤからダミー基板を取り出してライフアップした処理ユニットに搬送する動作を計画して実行する(ステップS14)。これにより、ダミー基板は、インデクサロボットIRおよび主搬送ロボットCRによって、ライフアップした処理ユニットに搬入される。
【0072】
ダミー基板が取り出された後、制御ユニット3は、ホスト装置200に対して、ダミーキャリヤの搬出を要求する。それに応じて、ホスト装置200は、キャリヤ搬送機構300を制御し、ダミーキャリヤをステージST1〜ST4から搬出させる。
こうして、ライフアップが生じたときに、ダミー基板の必要最小限の移動を計画して実行するので、効率的な基板処理を維持しながら、ダミー基板を用いたユニット洗浄処理を行うことができる。
【0073】
以上のように、この実施形態によれば、ダミー基板Pの不使用時には、基板処理のために使用されていない処理ユニットU1〜U4内のスピンチャック15、インデクサロボットIRもしくは主搬送ロボットCRのハンド8A,8B,13A,13B、または受け渡しユニットPASSのハンド10にダミー基板Pを保持させて待機させることができる。それにより、製品基板Wを収納するキャリヤCを保持するステージST1〜ST4を占有することなく、基板処理装置100内でダミー基板Pを待機させ、そのダミー基板Pを必要に応じて処理ユニットU1〜U4の洗浄のために用いることができる。したがって、ステージST1〜ST4には、製品基板Wを収納するためのキャリヤCをステージST1〜ST4の数だけ保持できるので、基板処理装置100の生産性を損なうことなく、ダミー基板Pを用いたユニット洗浄を行える。
【0074】
また、基板処理装置100内に専用のダミー基板格納場所を設けるのではなく、製品基板Wの処理や搬送のために用いられるスピンチャック15またはハンド8A,8B,10,13A,13Bをダミー基板Pの待機のために兼用している。それにより、基板処理装置100の占有面積(フットプリント)を大きくすることなくダミー基板Pを基板処理装置100内に待機させることができる。また、基板処理装置100の占有面積を維持するために処理ユニットU1〜U40等の配置が大きく制限されることもない。しかも、製品基板Wの処理または搬送のために基板を保持する構成を兼用しているので、コストの増加や構成の複雑化を招くことがない。
【0075】
また、この実施形態では、制御ユニット3は、処理ユニットU1〜U4のいずれかに対してユニット洗浄動作を実行すべきか否かを判断し、ユニット洗浄動作を実行すべきであると判断した処理ユニットに対してダミー基板Pを搬入するように主搬送ロボットCR等を制御する。これにより、ユニット洗浄が必要となった処理ユニットU1〜U4に対してダミー基板Pが搬入され、そのダミー基板Pを当該処理ユニットのスピンチャック15に保持させて当該処理ユニットが洗浄される。したがって、必要に応じてダミー基板Pを移動させながら、複数の処理ユニットU1〜U4を必要に応じて洗浄できる。
【0076】
また、この実施形態では、制御ユニット3は、ユニット洗浄動作を実行すべきであると判断した処理ユニットのスピンチャック15にダミー基板Pが保持されているときは、そのダミー基板Pをそのまま用いて当該処理ユニットのユニット洗浄が実行される。この場合、ダミー基板Pの搬送動作を伴うことなく、処理ユニットを洗浄できる。すなわち、ダミー基板Pの搬送動作を最小限にしながら、基板処理およびユニット洗浄を行うことができる。
【0077】
また、この実施形態では、制御ユニット3は、製品基板Wを搬入すべき処理ユニットU1〜U4のスピンチャック15にダミー基板Pが保持されているときは、そのダミー基板Pを搬出して他の処理ユニットのスピンチャック15(または、インデクサロボットIR、受け渡しユニットPASSおよび主搬送ロボットCRのうちのいずれかのハンド)に当該ダミー基板Pを保持させる。すなわち、製品基板Wの搬入先の処理ユニットにダミー基板Pが保持されていれば、そのダミー基板Pを搬出したうえで、当該処理ユニットに処理対象の製品基板Wが搬入される。したがって、ダミー基板Pを処理ユニットに保持している場合でも、当該処理ユニットを基板処理のために用いることができる。
【0078】
また、この実施形態では、制御ユニット3は、ホスト装置200と通信し、当該基板処理装置100内にダミー基板Pが導入されていないときに、ホスト装置200に対してダミー基板Pの搬入を要求する。これに応答して、ホスト装置200は、キャリヤ搬送機構300を制御して、ダミー基板Pを収容したダミーキャリヤを基板処理装置100の空いているステージST1〜ST4に搬入させる。こうして、基板処理装置100内にダミー基板Pを導入できる。
【0079】
基板処理装置100が備える全ての処理ユニットU1〜U4を使用する必要があるとき、たとえば、ホスト装置200から与えられるジョブ情報が処理ユニットU1〜U4の並行処理を指定しているときには、制御ユニット3は、ホスト装置200に対してダミーキャリヤ搬入要求を送信してもよい。この場合、ホスト装置200は、キャリヤ搬送機構300を制御して、ダミーキャリヤをステージST1〜ST4のいずれかに搬入させる。ダミーキャリヤが搬入された後、制御ユニット3は、インデクサロボットIR、受け渡しユニットPASSおよび主搬送ロボットCRを制御して、ダミー基板Pをダミーキャリヤに搬入させる。その後、制御ユニット3は、ホスト装置200に対してダミーキャリヤ搬出要求を送出する。それに応答して、ホスト装置200は、キャリヤ搬送機構300を制御して、ダミーキャリヤを搬出させる。
【0080】
ダミーキャリヤは、必要なときにだけステージST1〜ST4に搬入され、不要になると搬出される。したがって、ダミーキャリヤがステージST1〜ST4を占有し続けることがないので、製品基板Wを収容した多数のキャリヤCをステージST1〜ST4に搬入でき、それによって、生産性が高まる。
以上、この発明の一実施形態について説明してきたが、この発明は、以下に例示的に列挙するとおり、さらに他の形態で実施することもできる。
【0081】
(1)前述の実施形態では、制御ユニット3は、ダミー基板Pを用いたユニット洗浄の必要が生じたときにホスト装置200に対してダミー基板Pの搬入を要求している。しかし、制御ユニット3は、近い将来にダミー基板Pを用いたユニット洗浄の必要が生じると予測したときに、ホスト装置200に対して、ダミー基板Pの搬入を要求してもよい。
(2)基板処理装置100へのダミー基板Pの導入は、キャリヤ搬送機構300を用いることなく行われてもよい。たとえば、基板処理装置100の使用者が、ダミー基板Pを収容したダミーキャリヤを手作業によってステージST1〜ST4に搬入してもよい。製品基板Wを収容したキャリヤについても、キャリヤ搬送機構300によることなく、使用者が手作業でステージST1〜ST4に搬入してもよい。
【0082】
(3)前述の実施形態では、基板処理装置100の制御ユニット3がホスト装置200と通信する構成を示したが、ホスト装置200が必ずしも備えられている必要はなく、基板処理装置100がスタンドアローンで動作してもよい。
(4)前述の実施形態では、ダミー基板Pが1枚だけ用いられる例を示したが、2枚以上のダミー基板を基板処理装置100内に保持してもよい。たとえば、制御ユニット3は、多数の処理ユニットが使用される期間にはダミー基板の枚数を減らし、少数の処理ユニットが使用される期間にはダミー基板の枚数を増やす制御を実行してもよい。
【0083】
(5)受け渡しユニットPASSを設けずに、インデクサロボットIRのハンド8A,8Bと主搬送ロボットCRのハンド13A,13Bとの間で、基板W,Pを直接受け渡すようにしてもよい。また、1台の搬送ロボットによって、キャリヤCと処理ユニットU1〜U4との間の搬送を行う構成としてもよい。
(6)基板処理装置100は、基板の姿勢を変更(たとえば表裏反転)する基板姿勢転換ユニットを備えていてもよい。このような基板姿勢変換ユニットも処理ユニットの一例である。また、基板処理装置100は、専ら基板を回転させる処理ユニット(たとえば基板乾燥ユニット)を備えていてもよい。
【0084】
(7)処理ユニットの数は4個である必要はなく、2個以上の任意の複数個の処理ユニットが備えられる場合に、この発明を適用できる。たとえば、
図1のレイアウトにおいて、処理ユニットU1〜U4のそれぞれの上方および下方に1段以上の別の処理ユニットを階層的に配置してもよい。たとえば、処理ユニットを上下方向に2層に配置(2階建て配置)して8個の処理ユニットを備えてもよいし、処理ユニットを上下方向に3層に配置(3階建て配置)して12個の処理ユニットを備えてもよい。また、基板処理装置は、複数個(たとえば12個)の処理ユニット配置スペースを備え、そのうちの一部の複数個の処理ユニット配置スペースだけに処理ユニットが配置されてもよい。
【0085】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。