(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6538603
(24)【登録日】2019年6月14日
(45)【発行日】2019年7月3日
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20190625BHJP
【FI】
A47J27/00 103J
A47J27/00 103N
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-61526(P2016-61526)
(22)【出願日】2016年3月25日
(65)【公開番号】特開2017-169977(P2017-169977A)
(43)【公開日】2017年9月28日
【審査請求日】2018年1月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002473
【氏名又は名称】象印マホービン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】徳岡 卓真
【審査官】
岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−355170(JP,A)
【文献】
実開昭58−091324(JP,U)
【文献】
実開昭57−023221(JP,U)
【文献】
特表2002−522140(JP,A)
【文献】
特開2004−073472(JP,A)
【文献】
特開平08−191752(JP,A)
【文献】
特開2011−183016(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍋を収容する調理器本体と、
前記鍋の上部を覆って、前記調理器本体にヒンジにより回動可能に構成された蓋体とを備え、
前記調理器本体の上端外周部と前記蓋体の下端外周部との間の間隙には、可撓性のある間隙緩衝体が、閉鎖隙間を有しながら配設されている、加熱調理器。
【請求項2】
請求項1において、前記間隙緩衝体が、断面視で前記加熱調理器の内側に向かって開口したU字形状をしている、加熱調理器。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記間隙緩衝体が、前記調理器本体又は前記蓋体のいずれか一方に取り付けられ、いずれか他方の側面と部分的に重なるように延びるスカート部を有する、加熱調理器。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項において、前記間隙が、ヒンジのある後方側が前方側よりも幅広に寸法構成されている、加熱調理器。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項において、前記間隙緩衝体が、前記調理器本体又は前記蓋体に着脱自在に取り付けられている、加熱調理器。
【請求項6】
請求項5において、前記間隙緩衝体の着脱を検出するセンサが配設されている、加熱調理器。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項において、前記蓋体が、電動モータによって閉じられる、加熱調理器。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項において、前記間隙緩衝体が、平面視でヒンジのある後方側に向けて開口したU字形状をしている、加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鍋内にセットされた調理物を加熱して調理する加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1においては、鍋を収納する収納部が内側に設けられた調理器本体と、鍋の上面を覆う蓋体とを有する炊飯器が開示されている。蓋体は、調理器本体に対して開閉自在に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−39516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された炊飯器では、蓋体を軸支するヒンジ部に設けられたスプリングによって、蓋体が開放方向に付勢されている。調理器本体及び蓋体は、通常、樹脂成形によって作られており、剛体とみなすことができる。使用者が付勢力に抗して蓋体を押し下げることによって蓋体が閉じられる。蓋体を閉じる際に手指を調理器本体上端の外周付近である上端外周部及び蓋体下端の外周付近である下端外周部の隙間に誤って置いてしまうと、手指が剛体である調理器本体及び蓋体と干渉するおそれがある。従来の炊飯器には、手指の挟み込みによる、調理器本体及び蓋体に対する手指の意図しない干渉を生じさせないための特段の対策が施されていない。
【0005】
したがって、この発明の解決すべき技術的課題は、調理器本体及び蓋体に対する手指の意図しない干渉を防止できる加熱調理器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するために、この発明によれば、以下の加熱調理器が提供される。
【0007】
すなわち、この発明に係る加熱調理器は、
鍋を収容する調理器本体と、
前記鍋の上部を覆って、前記調理器本体にヒンジにより回動可能に構成された蓋体とを備え、
前記調理器本体の上端外周部と前記蓋体の下端外周部との間の間隙には、可撓性のある間隙緩衝体が配設されることを特徴とする。
【0008】
この発明では、調理器本体10の上端外周部と蓋体11の下端外周部との間の間隙に、可撓性のある間隙緩衝体50を配設することにより、調理器本体及び蓋体の間隙に手指が挟まれても、間隙緩衝体が柔軟に且つ弾性的に折れ曲がって、挟み込みを緩衝する部材として機能する。そのため、手指の挟み込みによる、調理器本体及び蓋体に対する手指の意図しない干渉を防止できるという効果を奏する。
【0009】
前記間隙緩衝体が、断面視で前記加熱調理器の内側に向かって開口したU字形状をしていることが好ましい。このようにすれば、間隙緩衝体が、保形性を有することに加えて、U字形状で囲まれた部分によって間隙空間が形成されるので、手指の挟み込みのダメージを軽減できるとともに、保温性が向上する。
【0010】
前記間隙緩衝体が、前記調理器本体又は前記蓋体のいずれか一方に取り付けられ、いずれか他方の側面と部分的に重なるように延びるスカート部を有することが好ましい。このようにすれば、スカート部によって、調理器本体又は蓋体のいずれか一方に取り付けた間隙緩衝体といずれか他方との間に隙間が生じても当該隙間を確実に隠すことができ、外観的にすっきりとしたデザインになり、審美性が向上する。
【0011】
蓋体が押し下げられたとき、ヒンジから離れている部位ほど挟み込み力が小さくなるので、前方側の部位での間隙を狭くしても手指の挟み込みのダメージが小さくて済む。逆に、ヒンジのある後方側の部位での間隙を幅広にしておかないと、手指を挟み込んだときのダメージが大きくなってしまう。したがって、前記間隙が、ヒンジのある後方側が前方側よりも幅広に寸法構成されていることが好ましい。このようにすれば、前方側の部位での間隙が狭くなることで、前方が絞られた印象を観者に与え、外観的にすっきりとしたデザインになり、審美性が向上する。
【0012】
前記間隙緩衝体が、前記調理器本体又は前記蓋体に着脱自在に取り付けられていることが好ましい。このようにすれば、間隙緩衝体を取り外して洗浄でき、間隙緩衝体を清潔な状態に保つことができる。
【0013】
前記間隙緩衝体の着脱を検出するセンサが配設されていることが好ましい。このようにすれば、間隙緩衝体を取り外した状態で加熱及び調理が実行されることを防止できる。
【0014】
前記蓋体が、電動モータによって閉じられることが好ましい。このようにすれば、蓋体の閉鎖動作を自動でスムーズに行わせることができる。
【0015】
前記間隙緩衝体が、平面視でヒンジのある後方側に向けて開口したU字形状をしていることが好ましい。このようにすれば、手指の挟み込みが起こりやすい前方側の部位と両側面の部位とが、間隙緩衝体で確実に保護される。
【発明の効果】
【0016】
この発明の加熱調理器では、間隙緩衝体が柔軟に且つ弾性的に折れ曲がるため、調理器本体及び蓋体に対する手指の意図しない干渉を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】この発明の一実施形態に係る加熱調理器を示し、蓋体を開放した状態を示す斜視図。
【
図3】
図2に示した加熱調理器において、間隙緩衝体を取り除いた状態を示す斜視図。
【
図6】
図5に示した間隙緩衝体のVI−VI矢視断面図。
【
図7】蓋体に取り付けられた間隙緩衝体及びその周辺部を示す要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、この発明の一実施形態に係る圧力炊飯器1について、
図1から
図8を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1は、一実施形態に係る圧力炊飯器(加熱調理器)1を示し、蓋体11を開放した状態を示す斜視図である。
図2は、蓋体11を閉鎖した状態を示す斜視図である。
【0020】
図1及び
図2に示した圧力炊飯器1は、例えば誘導加熱によって加熱される調理用の鍋3を着脱可能に収容する炊飯器本体(調理器本体)10と、該炊飯器本体10に対して回動可能に配設された蓋体11と、を備えている。
【0021】
炊飯器本体10は、筒形状をなす胴体12と、該胴体12の下端開口を閉塞する底体22と、胴体12の上端開口を覆うように取り付ける肩体32と、を有する外装体を備えている。肩体32の上部は、肩カバー34で部分的に覆われている。肩体32の外周上部は、胴飾り体36で覆われている。肩体32の下部には、鍋3の下部を加熱するヒータ(例えば、誘導加熱コイル)と、鍋3の温度を検出するための鍋温度センサとが配設されている。肩体32の後方側には、蓋体11を回動可能に装着するためのヒンジ接続部21が設けられている。肩体32の前方側には、蓋体11のロック爪(フック)23と係合する係合穴が設けられている。炊飯器本体10内には、制御基板(不図示)が配設されている。なお、胴体12の側面には、図示しないハンドルが取りつけられている。
【0022】
蓋体11は、炊飯器本体10のヒンジ接続部21に回動可能に取り付けられ、炊飯器本体10に対して閉じられたとき、炊飯器本体10の開口部を閉塞する。蓋体11は、閉塞状態で鍋3の側に位置する内側部材26と、内側部材26の上部外側を覆う外側部材25とを有する外装体を備える。内側部材26には、放熱板18と、蓋ヒータ(不図示)と、鍋3の上端開口を閉塞して着脱可能に取り付けられる内蓋(不図示)とが配設されている。なお、内蓋が蓋体11に対して着脱可能である構成に限られず、内蓋が蓋体11に対して離脱不可である構成であってもよい。
【0023】
蓋体11は、
図3に示すように、外側部材25の後方側に排気通路の出口である蒸気排出口17を有する。蓋体11の内部には、鍋3内の温度を検出する蓋体温度センサ(不図示)が配設されている。さらに、上パネル14の前方側には、複数の入力スイッチを備える操作部19と、動作状況や操作状況を表示する液晶表示パネル等の表示部15とが配設されている。
図8に示すように、この制御基板に実装されたマイコン5(制御部)によって、温度センサによる温度測定に基づいて、ヒータによる加熱(通電)が制御されている。また、操作部19や表示部15が、マイコン5(制御部)に接続されて、マイコン5(制御部)によってデータの入出力が制御されている。
【0024】
蓋体11の内側部材26は、炊飯器本体10の後方側に形成されたヒンジ接続部21に回転可能に装着されている。閉鎖状態で内側部材26の鍋3への対向位置には放熱板18が配設される。そして、放熱板18の上側面には、鍋3内を加熱する蓋ヒータ(不図示)が配設されている。
【0025】
蓋体11の外側部材25の前方側には、蓋体11を開放するための開放操作部材16が配設され、その内部に炊飯器本体10への閉鎖状態を維持するためのロック機構(不図示)が配設されている。外側部材25の前方側には、蓋体11を自動的に閉鎖するためのスイッチとして働く閉鎖操作部材13が配設されている。炊飯器本体10の後方側であって、ヒンジ接続部21の下部には電動モータ7(
図8に図示)が設けられている。閉鎖操作部材13が押下されると、電動モータ7によって蓋体11が閉鎖方向に駆動されて、蓋体11が自動的に閉鎖される。当該構成によれば、蓋体11の閉鎖動作を自動でスムーズに行うことができる。
【0026】
炊飯器本体10上端の外周付近である上端外周部39と蓋体11下端の外周付近である下端外周部38との間の間隙A,Bには、間隙緩衝体50が配設されている。
図1に示すように、間隙緩衝体50が蓋体11の下端外周部38に取り付けられている。なお、間隙緩衝体50は、炊飯器本体10の上端外周部39に取り付けられてもよく、炊飯器本体10及び蓋体11の両方に取り付けられてもよい。すなわち、間隙緩衝体50が、炊飯器本体10又は蓋体11の少なくとも一方に取り付けられる。
【0027】
図3に示すように、ヒンジのある後方側の間隙Bが、前方側の間隙Aよりも幅広であるように寸法構成されている。このようにすれば、前方側の間隙Aを狭く構成することで、前方が絞られた印象を観者に与え、外観的にすっきりとしたデザインになり、審美性が向上する。
【0028】
前方側の間隙Aは、左右の横方向においてほぼ一定の間隙サイズである。後方側の間隙Bは、前後方向において、前方側の間隙Aと同程度の間隙サイズからスタートして、徐々に間隙サイズが大きくなったあと、ほぼ一定の間隙サイズになっている。前方側の間隙A及び後方側の間隙Bは、当該間隙A,Bに手指が挟まれても痛くないようなサイズに構成されている。この発明を限定しない数値を例示すると、前方側の間隙Aのサイズは、5mmから10mmであり、好ましくは7mmから9mmであり、より好ましくは7.5mmから8.5mmである。また、後方側の間隙Bのサイズは、10mmから20mmであり、好ましくは12mmから18mmであり、より好ましくは14.5mmから15.5mmである。
【0029】
間隙緩衝体50は、炊飯器本体10の側面と蓋体11の側面との間に形成される間隙A,Bに装着されるように寸法構成されている。間隙緩衝体50は、
図5に示すように、平面視で、3辺を有するU字形状であって、ヒンジのある後方側に向けて開口した形状をしている。当該構成によれば、手指の挟み込みが起こりやすい前方側の部位と左右の両側面の部位とが、間隙緩衝体50で保護されている。なお、間隙緩衝体50は、ヒンジ接続部21の近傍において横方向に延びる1辺をさらに備えて、平面視で、4辺を有する矩形形状であってもよい。
【0030】
間隙緩衝体50は、可撓性を有し、例えば、シリコーン系ゴムやフッ素系ゴムやウレタン系ゴム等のゴム材料やエラストマー材料等の高分子弾性体から構成されている。可撓性を有する間隙緩衝体50は、手指が間隙A,Bに挟まれたときに、柔軟に且つ弾性的に折れ曲がって、手指の挟み込みを緩衝する部材として機能する。そのため、手指の挟み込みによる、炊飯器本体10及び蓋体11に対する手指の意図しない干渉を防止できるという効果を奏する。
【0031】
図6に示すように、間隙緩衝体50は、断面視でU字形状であって、圧力炊飯器1の内側に向けて開口した形状をしている。間隙緩衝体50は、U字形状を形成する、支持リブ部54とベース部52と補強リブ部58とを有する。ベース部52は上下の縦方向に延び、支持リブ部54及び補強リブ部58は、それぞれ、ベース部52の上部及び下部から左右の横方向に延びている。当該構成によれば、間隙緩衝体50が、保形性を有することに加えて、U字形状で囲まれた部分によって間隙空間51が形成されている。間隙空間51を備える間隙緩衝体50は、中実体から構成される場合よりも手指の挟み込みによるダメージを軽減できる。また、間隙空間51が断熱空間として働くので、保温性が向上する。
【0032】
上方に突出して平面視でU字形状に延在する係合部56が、支持リブ部54の上面中央部に形成されている。係合部56は、その側面に複数の係止突起57を有し、蓋体11の内側部材26において、平面視でU字形状で溝状に形成された係合凹部27に嵌挿される。係合部56及び係合凹部27の係合構造により、間隙緩衝体50が蓋体11に対して着脱自在に構成されている。当該構成によれば、間隙緩衝体50を蓋体11から取り外して洗浄でき、間隙緩衝体50を清潔な状態に保つことができる。
【0033】
炊飯器本体10に対する間隙緩衝体50の位置決めを容易にするため、係合部56の内周部には、複数の位置決め突部55が離間して配設されている。位置決め突部55は、内側部材26に形成された切欠(不図示)に係合する。したがって、間隙緩衝体50を炊飯器本体10の所定の位置に取り付けることができる。
【0034】
図6の断面視において、ベース部52と支持リブ部54とが交わる部分では、上方に延在するカバー部53が形成されている。
図7の断面視において、カバー部53は、蓋体11の側面下端と重なって、蓋体11の側面下端を覆い隠している。当該構成によれば、外観的にすっきりとしたデザインになり、審美性が向上する。
【0035】
図6の断面視において、ベース部52と補強リブ部58とが交わる部分では、下方に延在するスカート部59が形成されている。
図7の断面視において、スカート部59は、肩体32の外周上部に取りつけられた胴飾り体36の側面上端と重なって、胴飾り体36の側面上端を覆い隠している。蓋体11に取り付けられた間隙緩衝体50のスカート部59は、炊飯器本体10の側面上端と重なるように延びている。なお、間隙緩衝体50が炊飯器本体10に取り付けられている場合、間隙緩衝体50のスカート部59は、蓋体11の側面下端と重なるように延びている。
【0036】
部品公差や組立公差の存在により、蓋体11の閉鎖状態においても、実際的には、補強リブ部58の下面と肩カバー34の上面との間には、1mm前後の閉鎖隙間が形成される。スカート部59を設けることによって、当該閉鎖隙間が隠される。このように、スカート部29により、外観的にすっきりとしたデザインになり、審美性が向上する。また、スカート部29によって、閉鎖空間を流れた熱流がそのまま横方向(略水平方向)に流れることが妨げられるので、保温性が向上する。
【0037】
また、間隙緩衝体50の着脱を検出する緩衝体検出センサ60が、内側部材26に設けられている。緩衝体検出センサ60は、例えば、マイクロスイッチやリードスイッチ等の物理センサや、フォトインタラプタ等の光センサである。
図8に示すように、緩衝体検出センサ60が、マイコン5(制御部)に接続されて、マイコン5(制御部)によって各種ヒータの通電のON・OFFが制御されている。緩衝体検出センサ60を備えることにより、間隙緩衝体50を取り外した状態で不用意に加熱及び調理が実行されることを防止できる。
【0038】
なお、この発明の理解を容易にするために、具体的な構成や数字を用いて説明したが、この発明は、上述した各実施形態の具体的な構成や数字に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した内容を逸脱しない範囲で考えられる各種の変形例を含むことができる。
【0039】
例えば、前方側の間隙A及び後方側の間隙Bが、実質的に同じ間隙サイズであるように寸法構成してもよい。また、間隙緩衝体50が、スカート部59を有さないで、ベース部52が補強リブ部58で終端する態様であってもよい。また、間隙緩衝体50が、支持リブ部54及び補強リブ部58を有さないで、厚みが幅広であってスポンジ状である多孔質のベース部52から構成された態様であってもよい。また、補強リブ部58の下面と肩カバー34の上面との間には、閉鎖隙間が存在しなくて、補強リブ部58の下面と肩カバー34の上面とが当接する態様であってもよい。また、間隙緩衝体50を取り外し不可の固定式とする態様であってもよい。この発明は、電動モータによって蓋体11が自動的に閉鎖されるものや、蓋体11が手動で閉鎖されるものに適用することができる。
【0040】
上記実施形態では、加熱調理器としてお米を炊飯する圧力炊飯器を例に挙げて説明したが、他の調理物(例えば、ケーキ生地、パン、ヨーグルト、蒸し物)を加熱して調理する加熱調理器にも適用可能であり、同様の作用および効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 圧力炊飯器(加熱調理器)
3 鍋
5 マイコン(制御部)
7 電動モータ
10 炊飯器本体(調理器本体)
11 蓋体
12 胴体
13 閉鎖操作部材
14 上パネル
15 表示部
16 開放操作部材
17 蒸気排出口
18 放熱板
19 操作部
21 ヒンジ接続部
22 底体
23 ロック爪
25 外側部材
26 内側部材
27 係合凹部
32 肩体
34 肩カバー
36 胴飾り体
38 下端外周部
39 上端外周部
50 間隙緩衝体
51 間隙空間
52 ベース部
53 カバー部
54 支持リブ部
55 位置決め突部
56 係合部
57 係止突起
58 補強リブ部
59 スカート部
60 緩衝体検出センサ