特許第6538797号(P6538797)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6538797
(24)【登録日】2019年6月14日
(45)【発行日】2019年7月3日
(54)【発明の名称】低電力LCD駆動回路
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20190625BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20190625BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20190625BHJP
【FI】
   G09G3/36
   G09G3/20 612A
   G09G3/20 612B
   G09G3/20 612D
   G09G3/20 612E
   G09G3/20 612G
   G02F1/133 520
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-204994(P2017-204994)
(22)【出願日】2017年10月24日
(65)【公開番号】特開2018-77469(P2018-77469A)
(43)【公開日】2018年5月17日
【審査請求日】2017年10月24日
(31)【優先権主張番号】16197902.6
(32)【優先日】2016年11月9日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】アルベルト ラモン・ルイス ドナテ
【審査官】 西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−242210(JP,A)
【文献】 特開2008−310211(JP,A)
【文献】 特開2005−080395(JP,A)
【文献】 特開2013−156392(JP,A)
【文献】 特開2002−032131(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 − 3/38
G02F 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ディスプレイ用の駆動回路であって、
−電池(11)と、前記電池(11)に接続する基準電圧レギュレータ(13)とを備え、前記基準電圧レギュレータ(13)は、初期設定の基準電圧(Vref_1)または空乏基準電圧(Vref_2)を基準電圧として供給するように構成される電源システム(12)と、
−前記電池(11)の電圧レベルが規定の閾値を超えている初期設定の駆動モードでは、前記基準電圧レギュレータ(13)に前記初期設定の基準電圧(Vref_1)を前記基準電圧として供給させ、前記電池(11)の電圧レベルが規定の閾値以下である空乏モードでは、前記基準電圧レギュレータ(13)に前記空乏基準電圧(Vref_2)を前記基準電圧として供給させる、コントローラ(30)と、
−前記電源システム(12)の基準電圧レギュレータ(13)に接続して、前記初期設定の駆動モードでは前記初期設定の基準電圧(Vref_1)を、前記空乏モードでは前記空乏基準電圧(Vref_2)を受ける入力(16)と、第1の駆動電圧(VL1)を供給するように構成される第1の出力(17)と、第2の駆動電圧(VL2)を供給するように構成される第2の出力(18)とを有するDC−DCコンバータ(15)であって、前記第2の駆動電圧(VL2)は前記第1の駆動電圧(VL1)より高いDC−DCコンバータ(15)と
を備える駆動回路であって、
−前記DC−DCコンバータ(15)は、さらに、前記第1の出力(17)に接続する低電圧ポート(23)と、前記第2の出力(18)に接続する高電圧ポート(24)とを有する第1のチャージポンプ(20)を備え、
前記駆動回路が前記初期設定の駆動モードにあるときには前記初期設定の基準電圧を前記高電圧ポート(24)に接続するとともに前記第1のチャージポンプ(1)を分割モードで動作させて前記初期設定の基準電圧より低い電圧を前記低電圧ポート(23)に生じさせて、前記第2の出力(18)から前記初期設定の基準電圧を、前記第1の出力(17)から前記初期設定の基準電圧より低い電圧を出力し、
前記駆動回路が前記空乏モードにあるときには前記空乏基準電圧を前記低電圧ポート(23)に接続するとともに前記第1のチャージポンプ(1)を増倍モードで動作させて前記空乏基準電圧より高い電圧を前記高電圧ポート(24)に生じさせて、前記第1の出力(17)から前記空乏基準電圧を、前記第2の出力(18)から前記空乏基準電圧より高い電圧を出力する、駆動回路。
【請求項2】
請求項1に記載の駆動回路であって、前記DC−DCコンバータ(15)は、さらに、前記高電圧ポート(24)に接続する第2の低電圧ポート(25)と、第3の出力(19)に接続する第2の高電圧ポート(26)とを有するとともに増倍モードで動作する第2のチャージポンプ(22)を備え、前記高電圧ポート(24)の前記第2の駆動電圧(VL2)より高い第3の駆動電圧(VL3)を前記第3の出力(19)に出力する、駆動回路。
【請求項3】
請求項2に記載の駆動回路であって、前記第1のチャージポンプ(20)の前記高電圧ポート(24)は前記入力(16)に接続可能である、駆動回路。
【請求項4】
請求項2に記載の駆動回路であって、さらに、前記入力(16)に接続するスイッチまたはマルチプレクサ(21)を備え、前記入力(16)を前記第1のチャージポンプ(20)の前記低電圧ポート(23)、または前記第1のチャージポンプ(20)の前記高電圧ポート(24)に選択的に接続するように構成される、駆動回路。
【請求項5】
請求項4に記載の駆動回路であって、さらに、前記スイッチまたはマルチプレクサ(21)に接続される前記コントローラ(30)を備え、このコントローラ(30)は前記電源システム(12)の電池(11)の電圧レベルを監視するように構成される、駆動回路。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の駆動回路(10)を備える、液晶ディスプレイ。
【請求項7】
請求項6に記載の液晶ディスプレイを備え、または、請求項1から5のいずれかに記載の駆動回路(10)を備える、携帯用電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ディスプレイ用、特に液晶ディスプレイ(LCD)用の駆動回路の分野に関する。別の態様では、本発明は、腕時計、スマートウォッチまたはスマートフォンなどのLCDを備える液晶ディスプレイさらに携帯用電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイを駆動するためには、複数のDC電圧レベルを備えて、ディスプレイの画素の行列の行と列に適切な電力を供給しなければならない。様々な異なる電圧レベルを提供するために、少なくとも1つのチャージポンプを備える抵抗分割枠または駆動回路が既知である。特許文献1は、電池を有し、多数のレギュレータを有するディスプレイドライバを記載する。レギュレータの入力は電池の正極に接続され、VSSは電池の負極に接続する。様々なレギュレータから供給される出力電圧は1.5V、3.0Vおよび4.5Vに設定されてもよい。
【0003】
所定の電池電圧から複数の異なる電圧レベルを生成することは、一般に、たとえば1.5Vの低電圧レベルの生成を示唆し、低電圧レベルを所定の係数、たとえば係数2または3で乗じることによって、さらに高電圧レベルを得ることを示唆する。
【0004】
特に、携帯電子装置では、電子ディスプレイの電力消費を低減することが一般的な目的である。したがって、本発明の目的は、必要電力が少なく、電池の寿命を延ばすLCDなどの電子ディスプレイ用に改良された駆動回路を供給することである。別の目的は、低消費電力を示す改良された液晶ディスプレイを供給し、そのようなディスプレイを備える携帯用電子装置を供給することである。
【0005】
特許文献2は、駆動回路を備える画像ディスプレイ装置を記載する。駆動回路は電源を含む。電源は、電圧レギュレータに接続し、第1および第2のチャージポンプに電力を提供する。第1のチャージポンプは、出力で走査電圧Vghを生成するように提供され、第2のチャージポンプは非走査電圧Vglを生成するように提供される。低電圧で動作するために、電源の電圧レベルが規定の閾値より降下するとき、2つのチャージポンプに低基準電圧を供給することに関しては何も記載されておらず、これは欠点である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,975,314B2号
【特許文献2】欧州特許出願第1180762A2号
【発明の概要】
【0007】
第1の態様において、電子ディスプレイ用の駆動回路が供給される。本駆動回路は、基準電圧を供給するように構成される電源システムを備える。駆動回路はさらに、DC−DCコンバータを備える。DC−DCコンバータは、電源システムの基準電圧に接続する入力を有し、少なくとも第1の駆動電圧を供給するように構成される第1の出力を有する。DC−DCコンバータさらに、少なくとも第2の駆動電圧を供給するように構成される第2の出力を有する。第2の駆動電圧は第1の駆動電圧より高い。
【0008】
第2の態様では、DC−DCコンバータは第1の駆動電圧を供給する第1の出力と、第2の駆動電圧を供給する第2の出力と、少なくとも第3の駆動電圧を供給するように構成される第3の出力とを有する。第2の駆動電圧は第1の駆動電圧より高く、第3の駆動電圧は第2の駆動電圧より高い。
【0009】
DC−DCコンバータはさらに、少なくとも第1のチャージポンプを備える。DC−DCコンバータの入力は、基準電圧を第2の駆動電圧として供給するように、直接第2の出力に内部で接続可能である。このようにして、駆動回路は、電源システムから供給される基準電圧を第2の駆動電圧として、駆動回路のインタフェースに直接使用する方法を取る。駆動回路はデジタル入力信号を処理し、単一または複数の電子ディスプレイの選択された画素を起動するように動作可能である。
【0010】
少なくとも第1のチャージポンプによって、基準電圧は所定の係数によって割られるか、または乗じられ、第1および/または第3の駆動電圧を供給する。たとえば、1.5V、3Vおよび4.5Vなどの、第1、第2および第3の3つの異なるレベルの駆動電圧が必要な場合は、駆動回路の電源システムは3Vの基準電圧を供給するように構成され、DC−DCコンバータは1.5Vの第1の駆動電圧を供給し、4.5Vの第3の駆動電圧を供給するように構成される。
【0011】
DC−DCコンバータは、供給された基準電圧を所定の係数、たとえば係数2で割ることによって、第1の駆動電圧を得るように構成され、基準電圧を所定の係数、たとえば係数1.5で乗じることによって、第3の駆動電圧を供給するように構成される。
【0012】
このようにして、電源システムによって供給される基準電圧は、3つの異なる出力電圧の中間電圧として選択されるため、駆動回路の電力消費を低減することができ、電池の寿命を延長することができる。
【0013】
一実施形態によれば、DC−DCコンバータは、第1のチャージポンプおよび第2のチャージポンプを備え、それぞれが高電圧ポートおよび低電圧ポートを備える。一般に、第1のチャージポンプを用いて、電源システムによって供給される基準電圧を所定の係数で割り、第1の駆動電圧を第1の出力で供給することができる。第2のチャージポンプを用いて、電源システムによって供給される基準電圧を所定の係数で乗じ、第3の駆動電圧をDC−DCコンバータの第3の出力で供給することができる。本構成において、入力が第2の出力に直接接続することによって、第2の駆動電圧は、修正を何も必要としない。電圧フォロワを用いて、負荷に関して適切な出力を確保してもよい。第1の駆動電圧は分圧によって得られ、第3の駆動電圧は電圧増倍によって得られる。
【0014】
このように、第2の駆動電圧または中間駆動電圧を、利用可能な基準または入力電圧にしたがって選択する。次に、第1および第3の駆動電圧のうち一方を、基準電圧を増倍して得る。第1および第3の駆動電圧の他方を、基準電圧を割ることによって得る。
【0015】
一実施形態において、第1のチャージポンプの高電圧ポートは入力に接続可能である。第1のチャージポンプの高電圧ポートは選択的に入力に接続可能であることが考案される。必要に応じて、第1のチャージポンプの高電圧ポートは入力から分離されてもよい。第1のチャージポンプの高電圧ポートを入力に接続することによって、第1のチャージポンプは電圧分割モードで動作可能となる。このように、第1のチャージポンプの低電圧ポートで、第2の駆動電圧と等しいか、または、たとえば係数2または3の所定の係数で割った基準電圧と等しくなる第1の駆動電圧が得られる。
【0016】
別の実施形態では、第2のチャージポンプの低電圧ポートは入力に接続可能である。第2のチャージポンプの低電圧ポートは選択的に入力に接続可能であってもよい。必要に応じて、第2のチャージポンプの低電圧ポートは入力から分離されてもよい。第2のチャージポンプの低電圧ポートが入力に接続し、したがって基準電圧に接続する場合、第2のチャージポンプは電圧倍増器として機能し、動作する。ここで、第2のチャージポンプの低電圧ポートに供給される基準電圧は、所定の係数、たとえば係数2または3で倍増され、第3の駆動電圧を供給する。
【0017】
一般に、DC−DCコンバータの第2の出力は、ノードを備える。ノードは、第1のチャージポンプの高電圧ポートと第2のチャージポンプの低電圧ポートの両方に接続する。一般に、第1および第2のチャージポンプは、共通の入力に接続する。第1のチャージポンプの高電圧ポートは電気的に第2のチャージポンプの低電圧ポートに接続する。
【0018】
別の実施形態では、第1の出力は第1のチャージポンプの低電圧ポートに接続する。第1のチャージポンプの高電圧ポートが基準電圧、したがって第2の出力に接続する場合、第1のチャージポンプは分圧器として機能し、動作する。その結果として、第1のチャージポンプの低電圧ポート、したがってDC−DCコンバータの第1の出力で、所定の係数で割った基準電圧は第1の駆動電圧として供給される。
【0019】
別の実施形態では、第2の出力は第1のチャージポンプの高電圧ポート、および第2のチャージポンプの低電圧ポートに接続する。この動作モードでは、第1のチャージポンプは分圧器として動作し、第2のチャージポンプは電圧倍増器として動作する。たとえば、第1のチャージポンプは、電源システムによって供給される基準電圧を係数2で割るように構成されてもよく、第2のチャージポンプは、電源システムによって供給される基準電圧を係数1.5で乗じるように構成されてもよい。たとえば3Vの所定の基準電圧では、1.5Vおよび4.5Vの電圧レベルを、DC−DCコンバータの第1および第3の出力それぞれにおいて、第1および第3の駆動電圧として供給することができる。
【0020】
第1、第2および第3の出力で供給されるそれぞれの電流を考慮すると、最低駆動電圧を第1のチャージポンプによって増倍し、第1のチャージポンプの出力電圧をさらに第2のチャージポンプによって増倍する構成に比べて、駆動回路の総電力消費を低減することができる。このようにして、駆動回路の総電力消費を効率的に低減し、電池寿命を延長することができる。
【0021】
一実施形態において、第3の出力は第2のチャージポンプの高電圧ポートに接続する。この構成において、電源システムが直接第2の出力、したがって第2のチャージポンプの低電圧ポートに接続する場合、第2のチャージポンプは電圧倍増器として機能し、動作する。
【0022】
別の実施形態では、駆動回路はまた、入力に接続するスイッチまたはマルチプレクサも備える。スイッチまたはマルチプレクサは、電源システムの入力、したがって出力を、第1のチャージポンプの低電圧ポートまたは第1のチャージポンプの高電圧ポートに選択的に接続するように構成される。スイッチまたはマルチプレクサを用いて、駆動回路を2つの異なるモードで駆動することができる。駆動回路を2つの異なる駆動モード間で切り替えることによって、駆動回路は、たとえば電源システムから供給される変動する基準電圧レベルに動的に適応することができる。
【0023】
動作中に、電池の出力電圧が連続して減少する場合は、駆動回路を1つの駆動モードから別の駆動モードに切り替えることによって、電池の電圧レベルが減少しても、さらに駆動回路を動作するようにさせてもよい。
【0024】
別の実施形態では、駆動回路はコントローラを備える。コントローラは、スイッチまたはマルチプレクサに接続する。コントローラは、電源システムの電池の電圧レベルを決定するように構成される。コントローラは、したがって、電源システムの電池にも接続する。コントローラは、電池の電圧レベルを監視するように構成される。一般に、コントローラが電池の電圧レベルが大幅に減少したことを検知すると、コントローラは、駆動回路を1つの駆動モードから別の駆動モードに切り替えることを起動するように動作可能である。コントローラを用いて、駆動回路の駆動モードの自動切り替えが提供される。自動切り替えは、実際の電源システムの電池の電圧レベルによって、起動することができる。
【0025】
コントローラは、駆動回路と一体的に実装されなくてもよい。コントローラは、駆動回路に電気的に接続する別個の回路によって実装されてもよい。
【0026】
別の実施形態では、コントローラは、初期設定モードと空乏モードとの間で駆動回路を切り替えるように構成される。初期設定モードおよび空乏モードは駆動回路の2つの異なる駆動モードの2つの例である。初期設定モードにおいて、DC−DCコンバータの入力は、第1のチャージポンプの高電圧ポートに接続する。空乏モードにおいて、DC−DCコンバータの入力は、第1のチャージポンプの低電圧ポートに接続する。
【0027】
初期設定モードにおいて、駆動回路は前述のように動作する。次に、電源システムによって供給される基準電圧を、DC−DCコンバータの第2の出力に供給される第2の駆動電圧として直接用いる。第1の駆動電圧は、基準電圧から第1のチャージポンプを用いた分圧によって得られ、第3の駆動電圧は、基準電圧を第2のチャージポンプによって倍増することによって、基準電圧から得ることができる。
【0028】
空乏モードにおいて、DC−DCコンバータの入力はもはや第2の出力に直接接続しないが、入力は第1のチャージポンプの低電圧ポートに接続する。入力は、したがって、第1の出力に接続する。空乏モードにおいて、第1のチャージポンプおよび第2のチャージポンプは、電圧倍増器として機能し、動作する。ここで、第1のチャージポンプの低電圧ポートに供給される基準電圧を所定の係数で乗じ、第2の駆動電圧を第2の出力で供給する。次に、第2のチャージポンプは、第2の駆動電圧を倍増し、第3の駆動電圧を第3の出力で供給する。
【0029】
空乏モードにおいて、駆動回路は、所定の基準電圧を倍増することによって第2および第3の駆動電圧を供給する。空乏モードにおいて、駆動回路は、第2の駆動電圧より低い基準電圧で動作することができる。電池の寿命がある間に電池の電圧レベルが降下する場合には、駆動回路は空乏モードに自動的に切り替えてもよい。空乏モードでは、低基準電圧を用いて、第2および第3の駆動電圧を、両方とも電圧増倍モードで動作中の第1および第2のチャージポンプによって生成する。
【0030】
したがって、別の実施形態によれば、電池の電圧レベルが規定の閾値より降下した場合に、コントローラは駆動回路を初期設定モードから空乏モードに切り替えるように構成される。このようにして、駆動回路は、初期設定モードに比較して多くの電力を消費することもある。しかし、電池の電圧レベルが低くなっても、駆動回路は依然として動作可能である。このようにして、電池寿命は延長し、電池によって供給される電力をより広範囲に用いることができる。
【0031】
別の実施形態によれば、電源システムは電池と、電池に接続する基準電圧レギュレータとを備える。基準電圧レギュレータは、初期設定の基準電圧を供給するか、または空乏基準電圧を基準電圧として供給するように構成される。基準電圧レギュレータを用いて、少なくとも2つの異なる基準電圧レベル、つまり、初期設定の基準電圧および空乏基準電圧を供給することができる。一般に、初期設定の基準電圧は、空乏基準電圧より高い。基準電圧レギュレータを用いて、DC−DCコンバータの入力に供給される基準電圧は、駆動回路の駆動モードにしたがって、独立して適応することができる。
【0032】
別の実施形態では、コントローラは基準電圧レギュレータに接続し、電池の電圧レベルが規定の閾値より降下すると、空乏基準電圧を供給する。一般に、コントローラは、スイッチまたはマルチプレクサと基準電圧レギュレータの両方を同時に切り替えるように動作可能であってもよい。コントローラが駆動回路を初期設定モードから空乏モードに切り替える場合、コントローラはまた基準電圧レギュレータを切り替えて、初期設定の基準電圧から、基準電圧として空乏基準電圧に変える。次に空乏モードに切り替えられると、DC−DCコンバータは空乏基準電圧を供給される。次に、空乏基準電圧を第1の出力に供給される第1の駆動電圧として用いる。第2および第3の駆動電圧は、空乏基準電圧を第1のチャージポンプおよび第2のチャージポンプそれぞれによって倍増することによって、得られる。
【0033】
本発明の別の態様もまた、前述の駆動回路を備える液晶ディスプレイに関する。
【0034】
さらに別の態様によれば、本発明はまた、前述の液晶ディスプレイまたは少なくとも1つの駆動回路を備える携帯用電子装置に関する。携帯用電子装置は、腕時計、フィットネストラッカー、スマートウォッチ、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、または類似の携帯用電子装置として構成されてもよく、実装されてもよい。
【0035】
以下、電子ディスプレイ用の駆動回路の代表的な実施形態を、図を参照して詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】駆動回路の概略ブロック図を示す。
図2】DC−DCコンバータのブロック図を示す。
図3】空乏モードで駆動されるときのDC−DCコンバータのブロック図を示す。
図4】初期設定モードで駆動されるときのDC−DCコンバータのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1では、LCDなどの電子ディスプレイ用の駆動回路10を概略的に示す。駆動回路10は電源システム12を備える。電源システム12は、電池11と、電池の正極に接続する基準電圧レギュレータ13とを備える。駆動回路10はさらに、図2−4に詳細に示すDC−DCコンバータ15を備える。DC−DCコンバータ15は、電源システム12に接続する入力16を示す。本実施形態では、DC−DCコンバータ15の入力16は、基準電圧レギュレータ13の出力Vrefに接続する。DC−DCコンバータ15は、第1の出力17と、第2の出力18とを有していてもよい。DC−DCコンバータの第3の出力19は、図2−4に示す別の実施形態において提供されてもよい。第1、第2および第3の出力17、18、19のそれぞれは、一連の接触ポート42を有するインタフェース40に接続し、一連の接触ポート42によって、電子ディスプレイ60は駆動され、動作する。
【0038】
電子ディスプレイ60を駆動するために、駆動回路10はさらに、デジタル信号プロセッサ44を備える。デジタル信号プロセッサ44は、インタフェース40に接続する少なくとも1つの出力45を有する。デジタル信号プロセッサ44は、電子ディスプレイ60に表示されるデータを受信する入力46を有する。
【0039】
デジタル信号プロセッサ44はまた、電池11の正極に別個のデジタル電圧レギュレータ33を通じて接続する。また、インタフェース40は電池11の正極に直接接続する。レギュレータ13、33、DC−DCコンバータ15およびプロセッサ44もまた、図1に不図示の電池11の負極に接続する。
【0040】
ディスプレイ60を動作させるため、および駆動回路10を駆動するため、インタフェース40に、少なくとも2つ、またはさらに多くの異なる駆動電圧VL1、VL2、VL3を供給されなければならない。図1に示すように、第1の駆動電圧VL1は第1の出力17に供給され、第2の駆動電圧VL2は第2の出力18に供給され、最終的に第3の駆動電圧VL3は第3の出力19に供給される。
【0041】
レギュレータ13、33は、低ドロップアウトレギュレータ(LDO)として実装されていてもよい。デジタル信号プロセッサ44およびDC−DCコンバータ15は、一般に、図1の符号36で示されるようにクロック信号によって駆動されるが、必ずしもクロック信号によって駆動されるとは限らない。
【0042】
図1では、さらに、コントローラ30を図示する。コントローラ30は、電池11に接続し、さらに基準電圧レギュレータ13およびDC−DCコンバータ15に接続する。コントローラ30は代表的なものとしてのみ例示する。その機能は異なる方法で実装されてもよい。コントローラ30またはコントローラによって提供される機能もまた、図示しない駆動回路10の任意の他の論理回路によって提供されてもよい。
【0043】
図2では、DC−DCコンバータ15の概略ブロック図を示す。DC−DCコンバータ15は、第1のチャージポンプ20と、第2のチャージポンプ22とを備える。DC−DCコンバータ15はさらに、スイッチまたはマルチプレクサ21を備える。チャージポンプ20、22はまた、クロック信号36によって、起動され、動作されてもよい。スイッチまたはマルチプレクサ21は電源システム12に接続する。スイッチまたはマルチプレクサ21によって、基準電圧Vrefは、選択的に第1のチャージポンプ20の低電圧ポート23または高電圧ポート24に供給することができる。
【0044】
第1のチャージポンプ20および第2のチャージポンプ22は、共通の入力に接続する。第1のチャージポンプ20は、低電圧ポート23と、高電圧ポート24を備える。第1のチャージポンプ20の低電圧ポート23は、第1の出力17に接続し、高電圧ポート24は第2の出力18に接続する。第2のチャージポンプ22はまた、低電圧ポート25と、高電圧ポート26とを有する。低電圧ポート25は、第1のチャージポンプ20の高電圧ポート24に接続する。第2のチャージポンプ22の高電圧ポート26は第3の出力19に接続する。図2に示すように、スイッチまたはマルチプレクサ21は、コントローラ30によって切り替え可能および制御可能である。
【0045】
図3および4では、DC−DCコンバータ15の2つの異なる動作モードを例示する。図3に示す空乏モードでは、かなり低い基準電圧、または空乏基準電圧Vref_2を基準電圧として供給する。スイッチまたはマルチプレクサ21は、電源システム12を第2の出力18から切断済みである。むしろ、スイッチまたはマルチプレクサ21は、電源システム12、したがって空乏基準電圧Vref_2を第1のチャージポンプ20の第1の出力17、したがって低電圧ポート23に接続済みである。空乏モードでは、空乏基準電圧Vref_2は、たとえば1.5Vに等しくてもよい。次に、第1のチャージポンプ20は、空乏基準電圧を倍増して、第2の駆動電圧を得る。第1のチャージポンプ20が係数2による増倍を提供するように構成される場合は、次に、第2の駆動電圧VL2は3Vに等しくなる。
【0046】
第2のチャージポンプ22は、係数1.5による電圧増倍を供給するように構成されてもよい。次に、第3の駆動電圧VL3は、第3の出力19で4.5Vに等しくなる。
【0047】
より簡略化した実施形態では、単一のチャージポンプ20のみを供給し、より低い第1の駆動電圧VL1に基づいて、第2の駆動電圧VL2を得ることができる。第2の駆動電圧VL2は、第1の駆動電圧VL1より高い。たとえば、VL2は2.1Vであってもよく、VL1は、単一のチャージポンプ20において、第2の電圧VL2を係数2で割って得られる1.05Vであってもよい。しかし、第2の電圧VL2は、図3に示すように第1の駆動電圧VL1から生成されてもよい。
【0048】
初期設定の駆動モードでは、図4に示すように、より高い基準電圧、つまり、初期設定の基準電圧Vref_1で駆動回路10を動作させことができる。初期設定の基準電圧Vref_1は、3Vと等しくてもよい。初期設定モードでは、スイッチまたはマルチプレクサ21は、電源システム12を第1のチャージポンプ20と第2のチャージポンプ22との間に位置するノードに接続する。電源システム12は、直接第2の出力18に接続し、したがって第2の駆動電圧VL2は実質的に初期設定の基準電圧Vref_1に等しい。
【0049】
初期設定の駆動モードでは、第1のチャージポンプ20は、分割モードで動作し、第2のチャージポンプ22のみが増倍モードで動作する。たとえば3Vの初期設定の基準電圧Vref_1は、第2のチャージポンプ22によって係数1.5で乗じられ、4.5Vの第3の駆動電圧となる。第1のチャージポンプ20は初期設定の基準電圧Vref_1を係数2で割り、たとえば1.5Vの第1の駆動電圧VL1を供給するように動作する。
【0050】
本明細書で記載する係数2または1.5および様々な電圧レベルは、例示的なものにすぎない。本明細書に記載するDC−DCコンバータ15の概念は、第1および第2のチャージポンプ20、22の様々な異なる特定の構成に移されてもよい。さらに、本明細書に記載するものと完全に異なる電圧レベルも、基準電圧として、さらに第1、第2および第3の駆動電圧として用いることができる。本発明の概念もまた、3つの異なる駆動電圧レベルにのみ限定されない。DC−DCコンバータ15の出力それぞれの数で、4以上の異なる駆動電圧までにも拡大されてもよい。
【0051】
初期設定モードでは、駆動回路10の総電力消費は空乏モードに比べて減少する。新規の電池の場合、駆動回路10は一般に、初期設定モードで駆動される。電池11の電圧レベルは、動作後しばらくしてから降下してもよいため、コントローラ30は一般に、スイッチまたはマルチプレクサ21を基準電圧レギュレータ13と同時に起動するように構成される。図4による初期設定モードから図3に示す空乏モードへの切り替えは、一般に、第2の出力18を電源システム12から切断し、電源システム12を第1のチャージポンプ20の低電圧ポート23、つまり第1の出力17に接続することを伴う。
【0052】
この種類の切断および接続と同時に、コントローラ30はまた、基準電圧レギュレータ13の切り替えを誘導して、初期設定の基準電圧より低い空乏基準電圧Vref_2を供給する。このように、電池11の電圧レベルは、初期設定の基準電圧より降下することもある。電池11の電圧レベルが所定の規定の閾値より低くなること、または初期設定の基準電圧Vref_1より低くなることは、コントローラ30によって監視することができる。電池11の電圧レベルが規定の閾値より降下すること、または初期設定の基準電圧Vref_1より降下することに応答して、図3に示すように、コントローラ30は自動的に駆動回路10を空乏モードに切り替えてもよい。次に、空乏モードにおいて、電池11の電圧レベルが減少していても、駆動回路を少なくともある期間動作させることができる。
【符号の説明】
【0053】
1.5、2、3 :係数
10 :駆動回路
11 :電池
12 :電源システム
13 :レギュレータ
15 :DC−DCコンバータ
16 :入力
19 :出力
20 :チャージポンプ
21 :マルチプレクサ
23 :低電圧ポート
24 :高電圧ポート
30 :コントローラ
33 :レギュレータ
36 :クロック信号
40 :インタフェース
42 :接触ポート
44 :デジタル信号プロセッサ
44 :プロセッサ
45 :出力
46 :入力
60 :ディスプレイ
VL1 :駆動電圧
Vgh :走査電圧
Vgl :非走査電圧
Vref :基準電圧
図1
図2
図3
図4