【課題を解決するための手段】
【0011】
これらの課題は、各独立請求項に記載されている対象によって解決される。本発明の有利な構成は、各従属請求項に記載されている。
【0012】
1つの態様によれば、駐車場を稼働させるための装置が提供され、当該装置は、以下のものを含む。
−種々の車両タイプに関して1つ又は複数の車両特性が記憶されているデータバンク、
−車両の記録された画像に基づき、車両の車両タイプを特定するプロセッサ、
−上記プロセッサが、特定された車両タイプに対応する1つ又は複数の車両特性を、データバンクから読み出すように構成されていること、
−プロセッサは更に、読み出された車両特性に基づき、駐車場における車両のための駐車位置を特定するように構成されていること。
【0013】
更に1つの態様によれば、駐車場を稼働させるための方法が提供され、当該方法においては、
−車両の記録された画像に基づき、その車両の車両タイプが特定され、
−種々の車両タイプに関して1つ又は複数の車両特性が記憶されているデータバンクから、特定された車両タイプに対応する1つ又は複数の車両特性が読み出され、
−読み出された1つ又は複数の車両特性に基づき、駐車場における車両のための駐車位置が特定される。
【0014】
更に1つの態様によれば、車両のための駐車システムが提供され、この駐車システムは、1つ又は複数の駐車位置を備えている駐車場と、駐車場を稼働させるための本発明に係る装置と、を含む。
【0015】
1つの別の態様によれば、コンピュータプログラムがコンピュータにおいて実行されると、駐車場を稼働させるための本発明に係る方法を実施するプログラムコードを含むコンピュータプログラムが提供される。
【0016】
即ち、本発明は、特に、駐車場における車両のための駐車位置を、データバンクから読み出された車両特性に基づき特定するという着想を含んでいる。このデータバンクにおいては、種々の車両タイプに関して、複数の車両特性が記憶されている。具体的には、駐車場に駐車しようとしている車両の車両タイプを特定するために、本発明によれば、車両の記録された画像が使用される。即ち、刊行物、独国特許出願公開第102009029720号明細書(DE 10 2009 029 720 A1)とは異なり、有利には、複雑性が高く、且つ、コストの掛かる測定システムは必要とされない。通常の場合、車両の簡単な写真を撮影するか又は簡単な画像を記録することは、技術的により簡単であり、またより廉価である。この画像は、車両の車両タイプを特定するために使用される。即ち、有利には、車両の車両特性に基づき、その車両のための最適な駐車位置を特定することを実現する簡単且つ効率的なコンセプトが提供される。
【0017】
この関係において、前述の日本国の刊行物、特
開2007−025889号公報(JP 2007-025889)においては、写真に基づき車両のモデルを特定し、その特定されたモデルに基づき、車両のための駐車位置を特定することが開示されているに過ぎない。本発明による着想は、ここでは特に、本明細書において定義されているようなデータバンクが設けられている点において異なっている。本発明によれば、車両特性がデータバンクから読み出される。記録された画像は、車両の車両タイプを特定するためにだけ使用される。
【0018】
1つの実施の形態によれば、車両特性が、車両の寸法、車両バッテリに関する充電時間、車軸間隔、駐車場での実行可能な走行軌跡を含む、車両特性のグループから選択された要素である。
【0019】
車両の寸法には、特に、車高及び/又は車幅及び/又は全長及び/又は車両輪郭が含まれる。車両バッテリに関する充電時間は、特に電気モータの車両バッテリの充電時間に相当する。即ち、特に、車両特性は電気自動車に関する充電時間であってよい。即ち、例えば、車両輪郭を介して駐車位置が特定される。例えば、VW Bus
(登録商標)は、前方の領域が後方の領域よりも低い駐車位置には駐車できない。リムジンであればそのような駐車位置に駐車することは可能である。
【0020】
1つの別の実施の形態においては、光学的な検出装置が設けられており、この検出装置は、車両の画像を記録するために、車両を光学的に検出するように構成されている。これによって、特に、車両の画像を記録することができるという技術的な利点が得られる。光学的な検出装置は、特に1つ又は複数のカメラを含んでいる。
【0021】
1つの別の実施の形態によれば、記録された画像を種々の車両の参照画像と比較し、その比較に基づき車両タイプを特定するようにプロセッサが構成されている。これによって、特に、車両タイプを簡単に特定することができるという技術的な利点が得られる。この比較には、例えばパターン識別が含まれる。
【0022】
1つの実施の形態によれば、参照画像はデータバンクに記憶されている。
【0023】
1つの別の実施の形態においては、通信インタフェースが設けられている。
【0024】
1つの実施の形態によれば、通信インタフェースは、特定された駐車位置を通信ネットワークの加入者に、通信ネットワークを介して送信するように構成されている。加入者は例えば携帯電話又は車両である。
【0025】
1つの実施の形態によれば、通信インタフェースは、通信ネットワークの加入者から、車両の1つ又は複数の車両特性を含む、車両に関する駐車問合せを、通信ネットワークを介して受信するように構成されており、プロセッサは、受信した1つ又は複数の車両特性を、読み出された車両特性と比較するように構成されており、また、通信インタフェースは、差異がある場合に、この差異に関する情報を通知する応答を、通信ネットワークを介して加入者に送信するように構成されている。
【0026】
これによって、特に、通信ネットワークの加入者に、その加入者から伝送された車両特性と読み出された車両特性との間に差異が存在することが通知されるという技術的な利点が得られる。これに応じて加入者は、特に、自身の予約を適合させることができる。特に、プロセッサは、予約を相応に適合させるように構成されている。
【0027】
1つの別の実施の形態においては、プロセッサは、車両のための駐車位置までの、駐車場における走行ルートを、読み出された1つ又は複数の車両特性に基づき特定するように構成されている。これによって特に、車両は駐車位置までの特定された走行ルートに依存して走行することできる、特に自律的に走行することができる、という技術的な利点が得られる。走行ルートは、例えば、出発位置から目的位置まで延在しており、また、有利には、更に目的位置から出発位置まで延在している。出発位置は、例えば引き渡し場所(下記の実施の形態を参照されたい)であり、また、目的位置は、例えば駐車位置(下記の実施の形態を参照されたい)である。又は、その逆に、出発位置は駐車位置であり、また、目的位置は引き渡し場所である。
【0028】
ルートを算出すること又は走行ルートを特定することは、特に、例えば駐車場の占有に関して最適である、特定された駐車位置に、そもそも車両が到達できるか否かを検査することを基礎としている。即ち、ルートの算出時には、特に、車両は例えばその車両の車軸間隔及び/又は制御装置及び/又はセンサを用いて、駐車位置まで走行でき、且つ、その駐車位置に入庫できるか否かが検査される。
【0029】
1つの実施の形態によれば、特定された走行ルートが、通信ネットワークの加入者に通信ネットワークを介して送信されるように、通信インタフェースが構成されている。
【0030】
方法の機能は装置の機能からも明らかとなり、またその逆に、装置の機能は方法の機能からも明らかとなる。
【0031】
1つの実施の形態によれば、装置は、駐車場を稼働させるための本発明に係る方法を実行又は実施するように構成されている。
【0032】
即ち、特に、方法の特徴は、対応する装置の特徴から明らかとなり、またその逆に、装置の特徴は、対応する方法の特徴から明らかとなる。
【0033】
本発明の範囲における駐車場は、モータープールと称することもでき、車両を停車させる場所として使用される。従って、駐車場は、特に(私有地の駐車場における)複数の駐車マス又は(公有地の駐車場における)複数の駐車区画を有する、1つの連結したスペースを形成している。1つの実施の形態によれば、駐車場にパーキングビルを含ませることができる。特に、駐車場にはガレージが含まれる。
【0034】
本発明の範囲における引き渡し場所とは、自律的な駐車プロセスのために車両の運転者が自身の車両を停車することができ、且つ、そこにおいて自身の車両を後の時点に再び引き取ることができる場所であると解される。
【0035】
本発明の範囲における駐車位置とは、車両が自律的に駐車すべき位置である。
【0036】
1つの実施の形態においては、車両が自律的に、引き渡し場所から駐車位置まで移動する。
【0037】
1つの別の実施の形態においては、車両が自律的に駐車位置に入庫する。
【0038】
1つの別の実施の形態においては、車両が自律的に駐車位置から出庫する。
【0039】
1つの実施の形態においては、車両が自律的に、駐車位置から引き渡し場所まで移動する。
【0040】
1つの実施の形態によれば、通信ネットワークには、WLANネットワーク及び/又は移動無線網が含まれる。
【0041】
本発明の範囲において「自律的」とは、特に、車両が自動的に、即ち、運転者が介入することなく移動することを意味している。即ち、車両は自動的に駐車場を走行し、その際に、運転者はその走行に関して車両を制御する必要はない。即ち、特に、車両を自律的に走行させるナビゲーションのための誘導装置が設けられている。誘導には特に車両の横方向及び/又は縦方向の誘導が含まれる。自動的に入庫及び出庫することができるその種の自律的に走行する車両は、例えばAVP車両とも称される。AVPとは「automatic valet parking」の略記であり、「自動駐車プロセス」と翻訳することができる。このAVP機能を備えていない車両は、例えば、通常の車両と称される。
【0042】
駐車場管理システムは、特に、駐車位置の割り当てを調整し、例えば自律的な車両に必要な情報(例えばパーキングビルのディジタルマップ)を提供する。
【0043】
以下では、有利な実施例に基づき本発明を詳細に説明する。