特許第6538839号(P6538839)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6538839
(24)【登録日】2019年6月14日
(45)【発行日】2019年7月3日
(54)【発明の名称】駐車場を稼働させるための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20190625BHJP
   G08G 1/015 20060101ALI20190625BHJP
   G08G 1/04 20060101ALI20190625BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20190625BHJP
【FI】
   G08G1/14 A
   G08G1/015 A
   G08G1/04 D
   G06T7/00 650B
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-522873(P2017-522873)
(86)(22)【出願日】2015年9月29日
(65)【公表番号】特表2017-534118(P2017-534118A)
(43)【公表日】2017年11月16日
(86)【国際出願番号】EP2015072363
(87)【国際公開番号】WO2016066360
(87)【国際公開日】20160506
【審査請求日】2017年4月27日
(31)【優先権主張番号】102014221764.4
(32)【優先日】2014年10月27日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ノアトブルフ
【審査官】 落合 弘之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−178718(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/042673(WO,A2)
【文献】 特表2013−527960(JP,A)
【文献】 特開2007−25889(JP,A)
【文献】 特表2017−526569(JP,A)
【文献】 特開2015−75899(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0171478(US,A1)
【文献】 特開2005−215785(JP,A)
【文献】 特開平9−91591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場(303)を稼働させるための装置(101)において、
当該装置(101)は、
種々の車両タイプに関して1つ又は複数の車両特性および種々の車両の参照画像が記憶されているデータバンク(103)であって、前記1つ又は複数の車両特性は、少なくとも、種々の車両タイプの各々に対する車両寸法を含み、前記車両寸法の他に、前記車両のバッテリに関する充電時間、車軸間隔、駐車場での実行可能な走行軌跡を含む、車両特性のグループから選択された要素をさらに含む、データバンク(103)と、
車両の外観形状を光学的に検出し、当該車両の外観形状の画像を記録するように構成されている光学的な検出装置(109)と、
前記車両の記録された前記外観形状の画像に基づき、当該車両の車両タイプを特定し、特定された前記車両タイプに対応する前記1つ又は複数の車両特性を、前記データバンク(103)から読み出すように構成されているプロセッサ(105)と、
を備えており、
前記プロセッサ(105)は、前記車両の車両タイプを特定する際に、前記光学的な検出装置(109)により記録された前記外観形状の画像を、前記データバンク(103)に記憶されている種々の車両の参照画像と比較し、当該比較に基づき前記車両タイプを特定するように構成されており、
前記プロセッサ(105)は、更に、読み出された前記1つ又は複数の車両特性に基づき、前記駐車場(303)における前記車両のための駐車位置(305)を特定するように構成されている、
ことを特徴とする、装置(101)。
【請求項2】
通信インタフェース(107)が設けられており、当該通信インタフェース(107)は、通信ネットワークの加入者から、車両の1つ又は複数の車両特性を含む、当該車両に関する駐車問合せを、前記通信ネットワークを介して受信するように構成されており、
前記プロセッサ(105)は、受信した1つ又は複数の車両特性を、読み出された前記1つ又は複数の車両特性と比較するように構成されており、
前記通信インタフェース(107)は、前記受信した1つ又は複数の車両特性と、前記読み出された1つ又は複数の車両特性との間に差異がある場合に、当該差異に関する情報を通知する応答を、前記通信ネットワークを介して前記加入者に送信するように構成されている、請求項1に記載の装置(101)。
【請求項3】
前記プロセッサ(105)は、前記車両のための前記駐車位置(305)までの、前記駐車場(303)における走行ルートを、読み出された前記1つ又は複数の車両特性に基づき特定するように構成されている、請求項1又は2に記載の装置(101)。
【請求項4】
データバンク(103)とプロセッサ(105)と光学的な検出装置(109)とを少なくとも備えている装置(101)を用いて、駐車場(303)を稼働させるための方法において、
前記光学的な検出装置(109)が、前記駐車場(303)内の車両の外観形状を光学的に検出し、当該車両の外観形状の画像を記録するステップと、
前記プロセッサ(105)が、前記車両の記録された前記外観形状の画像に基づき、当該車両の車両タイプを特定するステップ(201)であって、前記プロセッサ(105)は、前記車両の記録された前記外観形状の画像と、前記データバンク(103)に記憶されている種々の車両の参照画像との比較に基づいて前記車両タイプを特定する、ステップと、
前記プロセッサ(105)が、種々の車両タイプに関して1つ又は複数の車両特性が記憶されている前記データバンク(103)から、特定された前記車両タイプに対応する1つ又は複数の車両特性を読み出す(203)ステップであって、前記1つ又は複数の車両特性は、少なくとも、種々の車両タイプの各々に対する車両寸法を含み、前記車両寸法の他に、前記車両のバッテリに関する充電時間、車軸間隔、駐車場での実行可能な走行軌跡を含む、車両特性のグループから選択された要素をさらに含む、ステップと、
前記プロセッサ(105)が、読み出された前記1つ又は複数の車両特性に基づき、前記駐車場(303)における前記車両のための駐車位置(305)を特定する(205)ステップと
を含む、ことを特徴とする、駐車場(303)を稼働させるための方法。
【請求項5】
車両のための駐車システム(301)において、
複数の駐車位置(305)を備えている駐車場(303)と、請求項1乃至のいずれか1項に記載の装置(101)と、を含むことを特徴とする、車両のための駐車システム(301)。
【請求項6】
コンピュータプログラムにおいて、
前記コンピュータプログラムが、コンピュータにおいて実行されると、請求項に記載の方法を実施するためのプログラムコードを含むことを特徴とする、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場を稼働させるための装置及び方法に関する。更に本発明は、車両のための駐車システム並びにコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術
全自動化された(自律的な)、いわゆるバレーパーキングでは、運転者が引き渡し場所において、例えばパーキングビルの前に車両を停車し、そこから車両は自動的に駐車位置/駐車スペースへと走行し、また、その駐車位置/駐車スペースから再び引き渡し場所まで走行する。
【0003】
刊行物、独国特許出願公開第102009029720号明細書(DE10 2009 029 720 A1)には、駐車プロセスの前に、カメラシステム又は光学的な走査システムを用いて、車両を完全に測定するシステムが開示されている。即ち、車両を駐車領域のうちの1つに、最適にスペースを節約して収容できるようにするためには、車両の寸法が検出されるべきである。
【0004】
この種の測定は、スペースを節約した最適な収容を実現できるようにするために高精度で行われなければならない。従って、その種のシステムは通常の場合、非常に複雑でコストの掛かるものである。
【0005】
刊行物、特2007−025889号公報(JP 2007-025889)には、駐車管理システムが開示されており、この駐車管理システムでは、駐車前に車両の写真が撮影される。その写真に基づき、車両のモデルが特定される。特定されたモデルに応じて、その車両のための駐車スペースが特定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第102009029720号明細書
【特許文献2】特開2007−025889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明の開示
本発明が基礎とする課題は、公知の欠点を克服し、駐車場における車両の最適な収容を実現する、駐車場を稼働させるための装置を提供することである。
【0008】
本発明が基礎とする課題は、駐車場を稼働させるための、対応する方法を提供することでもある。
【0009】
更に、本発明が基礎とする課題は、車両のための、対応する駐車システムを提供することである。
【0010】
また、本発明が基礎とする課題は、対応するコンピュータプログラムを提供することでもある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらの課題は、各独立請求項に記載されている対象によって解決される。本発明の有利な構成は、各従属請求項に記載されている。
【0012】
1つの態様によれば、駐車場を稼働させるための装置が提供され、当該装置は、以下のものを含む。
−種々の車両タイプに関して1つ又は複数の車両特性が記憶されているデータバンク、
−車両の記録された画像に基づき、車両の車両タイプを特定するプロセッサ、
−上記プロセッサが、特定された車両タイプに対応する1つ又は複数の車両特性を、データバンクから読み出すように構成されていること、
−プロセッサは更に、読み出された車両特性に基づき、駐車場における車両のための駐車位置を特定するように構成されていること。
【0013】
更に1つの態様によれば、駐車場を稼働させるための方法が提供され、当該方法においては、
−車両の記録された画像に基づき、その車両の車両タイプが特定され、
−種々の車両タイプに関して1つ又は複数の車両特性が記憶されているデータバンクから、特定された車両タイプに対応する1つ又は複数の車両特性が読み出され、
−読み出された1つ又は複数の車両特性に基づき、駐車場における車両のための駐車位置が特定される。
【0014】
更に1つの態様によれば、車両のための駐車システムが提供され、この駐車システムは、1つ又は複数の駐車位置を備えている駐車場と、駐車場を稼働させるための本発明に係る装置と、を含む。
【0015】
1つの別の態様によれば、コンピュータプログラムがコンピュータにおいて実行されると、駐車場を稼働させるための本発明に係る方法を実施するプログラムコードを含むコンピュータプログラムが提供される。
【0016】
即ち、本発明は、特に、駐車場における車両のための駐車位置を、データバンクから読み出された車両特性に基づき特定するという着想を含んでいる。このデータバンクにおいては、種々の車両タイプに関して、複数の車両特性が記憶されている。具体的には、駐車場に駐車しようとしている車両の車両タイプを特定するために、本発明によれば、車両の記録された画像が使用される。即ち、刊行物、独国特許出願公開第102009029720号明細書(DE 10 2009 029 720 A1)とは異なり、有利には、複雑性が高く、且つ、コストの掛かる測定システムは必要とされない。通常の場合、車両の簡単な写真を撮影するか又は簡単な画像を記録することは、技術的により簡単であり、またより廉価である。この画像は、車両の車両タイプを特定するために使用される。即ち、有利には、車両の車両特性に基づき、その車両のための最適な駐車位置を特定することを実現する簡単且つ効率的なコンセプトが提供される。
【0017】
この関係において、前述の日本国の刊行物、特2007−025889号公報(JP 2007-025889)においては、写真に基づき車両のモデルを特定し、その特定されたモデルに基づき、車両のための駐車位置を特定することが開示されているに過ぎない。本発明による着想は、ここでは特に、本明細書において定義されているようなデータバンクが設けられている点において異なっている。本発明によれば、車両特性がデータバンクから読み出される。記録された画像は、車両の車両タイプを特定するためにだけ使用される。
【0018】
1つの実施の形態によれば、車両特性が、車両の寸法、車両バッテリに関する充電時間、車軸間隔、駐車場での実行可能な走行軌跡を含む、車両特性のグループから選択された要素である。
【0019】
車両の寸法には、特に、車高及び/又は車幅及び/又は全長及び/又は車両輪郭が含まれる。車両バッテリに関する充電時間は、特に電気モータの車両バッテリの充電時間に相当する。即ち、特に、車両特性は電気自動車に関する充電時間であってよい。即ち、例えば、車両輪郭を介して駐車位置が特定される。例えば、VW Bus(登録商標)は、前方の領域が後方の領域よりも低い駐車位置には駐車できない。リムジンであればそのような駐車位置に駐車することは可能である。
【0020】
1つの別の実施の形態においては、光学的な検出装置が設けられており、この検出装置は、車両の画像を記録するために、車両を光学的に検出するように構成されている。これによって、特に、車両の画像を記録することができるという技術的な利点が得られる。光学的な検出装置は、特に1つ又は複数のカメラを含んでいる。
【0021】
1つの別の実施の形態によれば、記録された画像を種々の車両の参照画像と比較し、その比較に基づき車両タイプを特定するようにプロセッサが構成されている。これによって、特に、車両タイプを簡単に特定することができるという技術的な利点が得られる。この比較には、例えばパターン識別が含まれる。
【0022】
1つの実施の形態によれば、参照画像はデータバンクに記憶されている。
【0023】
1つの別の実施の形態においては、通信インタフェースが設けられている。
【0024】
1つの実施の形態によれば、通信インタフェースは、特定された駐車位置を通信ネットワークの加入者に、通信ネットワークを介して送信するように構成されている。加入者は例えば携帯電話又は車両である。
【0025】
1つの実施の形態によれば、通信インタフェースは、通信ネットワークの加入者から、車両の1つ又は複数の車両特性を含む、車両に関する駐車問合せを、通信ネットワークを介して受信するように構成されており、プロセッサは、受信した1つ又は複数の車両特性を、読み出された車両特性と比較するように構成されており、また、通信インタフェースは、差異がある場合に、この差異に関する情報を通知する応答を、通信ネットワークを介して加入者に送信するように構成されている。
【0026】
これによって、特に、通信ネットワークの加入者に、その加入者から伝送された車両特性と読み出された車両特性との間に差異が存在することが通知されるという技術的な利点が得られる。これに応じて加入者は、特に、自身の予約を適合させることができる。特に、プロセッサは、予約を相応に適合させるように構成されている。
【0027】
1つの別の実施の形態においては、プロセッサは、車両のための駐車位置までの、駐車場における走行ルートを、読み出された1つ又は複数の車両特性に基づき特定するように構成されている。これによって特に、車両は駐車位置までの特定された走行ルートに依存して走行することできる、特に自律的に走行することができる、という技術的な利点が得られる。走行ルートは、例えば、出発位置から目的位置まで延在しており、また、有利には、更に目的位置から出発位置まで延在している。出発位置は、例えば引き渡し場所(下記の実施の形態を参照されたい)であり、また、目的位置は、例えば駐車位置(下記の実施の形態を参照されたい)である。又は、その逆に、出発位置は駐車位置であり、また、目的位置は引き渡し場所である。
【0028】
ルートを算出すること又は走行ルートを特定することは、特に、例えば駐車場の占有に関して最適である、特定された駐車位置に、そもそも車両が到達できるか否かを検査することを基礎としている。即ち、ルートの算出時には、特に、車両は例えばその車両の車軸間隔及び/又は制御装置及び/又はセンサを用いて、駐車位置まで走行でき、且つ、その駐車位置に入庫できるか否かが検査される。
【0029】
1つの実施の形態によれば、特定された走行ルートが、通信ネットワークの加入者に通信ネットワークを介して送信されるように、通信インタフェースが構成されている。
【0030】
方法の機能は装置の機能からも明らかとなり、またその逆に、装置の機能は方法の機能からも明らかとなる。
【0031】
1つの実施の形態によれば、装置は、駐車場を稼働させるための本発明に係る方法を実行又は実施するように構成されている。
【0032】
即ち、特に、方法の特徴は、対応する装置の特徴から明らかとなり、またその逆に、装置の特徴は、対応する方法の特徴から明らかとなる。
【0033】
本発明の範囲における駐車場は、モータープールと称することもでき、車両を停車させる場所として使用される。従って、駐車場は、特に(私有地の駐車場における)複数の駐車マス又は(公有地の駐車場における)複数の駐車区画を有する、1つの連結したスペースを形成している。1つの実施の形態によれば、駐車場にパーキングビルを含ませることができる。特に、駐車場にはガレージが含まれる。
【0034】
本発明の範囲における引き渡し場所とは、自律的な駐車プロセスのために車両の運転者が自身の車両を停車することができ、且つ、そこにおいて自身の車両を後の時点に再び引き取ることができる場所であると解される。
【0035】
本発明の範囲における駐車位置とは、車両が自律的に駐車すべき位置である。
【0036】
1つの実施の形態においては、車両が自律的に、引き渡し場所から駐車位置まで移動する。
【0037】
1つの別の実施の形態においては、車両が自律的に駐車位置に入庫する。
【0038】
1つの別の実施の形態においては、車両が自律的に駐車位置から出庫する。
【0039】
1つの実施の形態においては、車両が自律的に、駐車位置から引き渡し場所まで移動する。
【0040】
1つの実施の形態によれば、通信ネットワークには、WLANネットワーク及び/又は移動無線網が含まれる。
【0041】
本発明の範囲において「自律的」とは、特に、車両が自動的に、即ち、運転者が介入することなく移動することを意味している。即ち、車両は自動的に駐車場を走行し、その際に、運転者はその走行に関して車両を制御する必要はない。即ち、特に、車両を自律的に走行させるナビゲーションのための誘導装置が設けられている。誘導には特に車両の横方向及び/又は縦方向の誘導が含まれる。自動的に入庫及び出庫することができるその種の自律的に走行する車両は、例えばAVP車両とも称される。AVPとは「automatic valet parking」の略記であり、「自動駐車プロセス」と翻訳することができる。このAVP機能を備えていない車両は、例えば、通常の車両と称される。
【0042】
駐車場管理システムは、特に、駐車位置の割り当てを調整し、例えば自律的な車両に必要な情報(例えばパーキングビルのディジタルマップ)を提供する。
【0043】
以下では、有利な実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】駐車場を稼働させるための装置を示す。
図2】駐車場を稼働させるための方法を示す。
図3】車両のための駐車システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1には、駐車場を稼働させるための装置101が示されている。
【0046】
装置101は、データバンク103を含んでおり、このデータバンク103には、種々のタイプの車両に関して、1つ又は複数の車両特性が記憶されている。例えば、データバンク103には、種々のタイプの車両に関する寸法が記憶されている。
【0047】
装置101は、更に、プロセッサ105を含んでおり、このプロセッサ105は、車両の記録された画像に基づき、その車両の車両タイプを特定するように構成されている。プロセッサ105は、更に、特定された車両タイプに対応する車両特性をデータバンク103から読み出すように構成されている。
【0048】
本発明の範囲における読み出しには、特に、プロセッサ105からのデータバンク103への問合せ、及び、その問合せに対する、データバンク103からプロセッサ105への応答が含まれる。プロセッサ105及びデータバンク103は、例えば通信ネットワークを介して相互に通信する。
【0049】
プロセッサ105は、更に、読み出された1つ又は複数の車両特性に基づき、駐車場における車両のための駐車位置を特定するように構成されている。
【0050】
装置101は、更に、特定された駐車位置を車両に送信するように構成されている通信インタフェース107を含んでいる。
【0051】
装置101は、更に、光学的な検出装置109を含んでおり、この検出装置109は、車両の画像を記録するために、車両を光学的に検出するように構成されている。即ち、光学的な検出装置109を用いて記録された車両の画像がプロセッサ105に伝送され、プロセッサ105が、記録された画像に基づき、その車両の車両タイプを特定する。
【0052】
特に、プロセッサは記録された画像を、種々の車両の参照画像と比較し、その比較に基づき車両タイプを特定する。この比較には、特にパターン識別が含まれる。
【0053】
図2には、駐車場を稼働させるための方法のフローチャートが示されている。
【0054】
この方法は、例えば、図1に示した装置101において実施される。
【0055】
ステップ201に従い、車両の記録された画像に基づき、その車両の車両タイプが特定される。ステップ203においては、特定された車両タイプに対応する1つ又は複数の車両特性がデータバンクから読み出される。このデータバンクには、種々のタイプの車両に関して、1つ又は複数の車両特性が記憶されている。ステップ205においては、読み出された1つ又は複数の車両特性に基づき、駐車場における車両のための駐車位置が特定される。特に、特定された駐車位置が車両に送信される。この送信は、特に通信ネットワークを介して行われる。
【0056】
図3には、車両のための駐車システム301が示されている。
【0057】
駐車システム301には、駐車場303が含まれる。駐車場303は、複数の駐車位置305を備えている。駐車システム301には、更に、図1に示した装置101が含まれる。
【0058】
要約すると、本発明は特に、駐車場の駐車位置の最適な占有を実現する効率的な構想を提供する。即ち、特に有利には、小型の車両、例えばSmart(登録商標)は、相応に小さい駐車位置/駐車スペースに駐車され、比較的大きい車両、例えばBMW7シリーズ(登録商標)又はメルセデスベンツSクラス(登録商標)は、相応に比較的大きい駐車位置/駐車スペースに駐車されることを達成できる。
【0059】
更に有利には、駐車位置までの走行時及び駐車位置/駐車スペースへの入庫時に、例えばその車両のための天井高さが十分でないことに起因する、車両の損傷を回避することができる。この場合、本発明によれば特に、車両の寸法がデータバンクから読み出され、その車両の寸法に基づき、その車両のための駐車位置が特定される。
【0060】
更に有利には、車両特性、特に車両の寸法が、駐車位置における駐車に関する価格設定に影響を及ぼし得る又は影響を及ぼすことが実現され、有利にはそのようなことが行われる。
【0061】
従って、本発明によれば、特定された車両タイプに対応する車両特性が読み出されるデータバンクが設けられていることによって、本来の駐車プロセスの開始に先立って事前に、車両特性を装置又は駐車システムに伝送する必要はない。従って、また、有利には、駐車場を突発的に訪れることも可能である。
【0062】
本発明の基礎は、特に、車両が測定されるのではなく、特に光学的に測定されるのではなく、車両又は車両タイプが写真又は画像に基づき識別され又は特定されるという着想を含んでいる。このことは、特に、参照画像又は参照写真との比較によって行われ、それらの参照画像又は参照写真は1つの実施の形態によれば、同様にデータバンクに記憶されており、それによって、車両特性、特に車両寸法をデータバンクから読み出すことができる。
【0063】
1つの実施の形態によれば、駐車プロセスを以下のように実施することができる。
車両が、降車場又は引き渡し場所に停車される。装置101は、光学的な検出装置109を用いて、その車両の1つ若しくは複数の写真を記録し又は1つ若しくは複数の画像を記録し、例えば車両の側面の写真を撮影し又は画像を記録する。特に、専ら、車両の写真が撮影される。
【0064】
この際、その種の撮影は、比較的簡単で廉価なカメラを用いて行われる。ここで有利には、技術的に煩雑なカメラシステムは必要とされない。
【0065】
装置101、特にプロセッサ105は、写真又は画像における車両を、データバンク103に含まれる写真又は画像と比較し、相応に、車両の車両タイプを特定する。プロセッサ105は、続いて、対応する車両特性をデータバンク103から読み出す。車両の寸法の他に、特に、付加的なデータ、例えば電気自動車に関する充電時間を、データバンク103に格納及び保存又は記憶することができる。プロセッサ105は、その車両特性を、必要に応じて事前に伝送された車両特性と、例えば予約問合せ又は駐車問合せの際に装置101に伝送された車両特性と比較する。差異がある場合には、車両の運転者/予約者に、場合によっては必要になる変更に関する情報が通知される。
【0066】
差異は例えば、識別された車両の特性を変化させる、例えば車高を変化させる追加パーツ又は拡張パーツ、例えばサイクルキャリア又はルーフボックスが車両に取り付けられていることによって生じる可能性がある。
【0067】
また、差異は例えば、運転者が最初に通知又は予約した車両とは異なる車両で駐車場を訪れた場合にも生じる可能性がある。例えば、運転者は、AudiA8(登録商標)を通知したが、BMW1シリーズ(登録商標)で到着した場合に差異が生じる可能性がある。
【0068】
即ち、その種の差異に基づき変更が行われる可能性がある。
【0069】
プロセッサ105は、特に、車両のための最適な駐車スペースを特定する。ここで最適とは、特に、選択された車両特性に関して、例えば車両の寸法及び/又は辿るべき経路に関して最適であるということである。装置101は、通信インタフェース107を用いて、駐車位置/駐車スペースを車両に伝送する。
【0070】
その後、自動的な駐車プロセス(英語:Automatic Valet Parking)を開始することができる。一般的に、本発明による着想は、「通常の」バレーパーキングにおいても使用することができる。通常のバレーパーキングとは、人間のスタッフによって行われる駐車である。
【0071】
公知のシステム及び方法に対する利点は、特に、本発明によれば1つの実施の形態に従い、カメラ又は光学的な走査システムのみが必要とされるという点にある。そのようなカメラ又は光学的な走査システムは、格段に簡単に構成することができるので、特に費用に関してより廉価なものである。更にこの種の「測定」(即ち、データバンクからの車両特性の読み出しを介する測定)は、より一層正確になる。何故ならば、ここでは、車両メーカのオリジナルデータを使用することができるからである。更に有利には、付加的なデータを、例えば電気自動車に関する充電時間を特定することができ、又は、データバンクから読み出すことができる。
図1
図2
図3