特許第6538861号(P6538861)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6538861
(24)【登録日】2019年6月14日
(45)【発行日】2019年7月3日
(54)【発明の名称】流体吐出デバイス
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/14 20060101AFI20190625BHJP
   B41J 2/18 20060101ALI20190625BHJP
【FI】
   B41J2/14 605
   B41J2/14 607
   B41J2/18
【請求項の数】12
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-540541(P2017-540541)
(86)(22)【出願日】2015年1月29日
(65)【公表番号】特表2017-534497(P2017-534497A)
(43)【公表日】2017年11月24日
(86)【国際出願番号】US2015013520
(87)【国際公開番号】WO2016122528
(87)【国際公開日】20160804
【審査請求日】2017年4月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】511076424
【氏名又は名称】ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100121061
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 清春
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】マクギネス,ニック
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト,ローレンス,エイチ
(72)【発明者】
【氏名】リチャーズ,ポール,エイ
【審査官】 馬渕 貴洋
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−529566(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0268071(US,A1)
【文献】 特表2014−514190(JP,A)
【文献】 特開2014−188755(JP,A)
【文献】 特開2007−176159(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01 〜 2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体吐出デバイスであって、
流体スロットと、
前記流体スロットと連絡された流体吐出チャンバと、
前記流体吐出チャンバ内の小滴吐出要素と、
第1の端部において前記流体スロットと連絡され、第2の端部において前記流体吐出チャンバと連絡され、第1の部分および第2の部分を含む流体循環チャネルと、
前記流体循環チャネルの前記第1の部分内の流体循環要素であって、前記流体循環チャネルの前記第1の部分が前記流体循環要素において第1の幅を有する、流体循環要素と
前記第2の端部において前記流体循環チャネルの前記第2の部分内の粒子耐性アーキテクチャとを含み、前記流体循環チャネルの前記第2の部分が、前記粒子耐性アーキテクチャにおいて前記第1の幅よりも大きい第2の幅を有する、流体吐出デバイス。
【請求項2】
前記粒子耐性アーキテクチャと前記流体循環チャネルの前記第2の部分の第1の側壁との間の最小距離、及び前記粒子耐性アーキテクチャと前記流体循環チャネルの前記第2の部分の第2の側壁との間の最小距離がそれぞれ、前記流体循環チャネルの前記第1の部分の前記第1の幅未満である、請求項に記載の流体吐出デバイス。
【請求項3】
前記流体循環チャネルが前記第1の部分と前記第2の部分との間に第3の部分を含み、前記第3の部分が、前記第1の部分の前記第1の幅から前記第2の部分の前記第2の幅まで広がっている、請求項又はに記載の流体吐出デバイス。
【請求項4】
前記粒子耐性アーキテクチャと前記流体循環チャネルの前記第3の部分の第1の側壁との間の最小距離、及び前記粒子耐性アーキテクチャと前記流体循環チャネルの前記第3の部分の第2の側壁との間の最小距離がそれぞれ、前記流体循環チャネルの前記第1の部分の前記第1の幅未満である、請求項に記載の流体吐出デバイス。
【請求項5】
前記粒子耐性アーキテクチャが、閉曲線形状からなる、請求項1〜の何れかに記載の流体吐出デバイス。
【請求項6】
前記粒子耐性アーキテクチャが、多角形の形状からなる、請求項1〜の何れかに記載の流体吐出デバイス。
【請求項7】
流体吐出デバイスであって、
流体スロットと、
前記流体スロットと連絡された流体吐出チャンバと、
前記流体吐出チャンバ内の小滴吐出要素と、
チャネルループを含み、前記流体スロット及び前記流体吐出チャンバと連絡され、第1の側壁および第2の側壁を有する流体循環チャネルと、
前記流体スロットと前記チャネルループとの間で、前記流体循環チャネル内の流体循環要素と、
前記チャネルループと前記流体吐出チャンバとの間で、前記流体循環チャネル内の粒子耐性アーキテクチャとを含
前記粒子耐性アーキテクチャと前記流体循環チャネルの前記第1の側壁との間の最小距離、及び前記粒子耐性アーキテクチャと前記流体循環チャネルの前記第2の側壁との間の最小距離がそれぞれ、前記流体循環要素における前記流体循環チャネルの幅未満である、流体吐出デバイス。
【請求項8】
前記流体循環チャネルの幅が、前記粒子耐性アーキテクチャにおいて増大している、請求項に記載の流体吐出デバイス。
【請求項9】
前記粒子耐性アーキテクチャにおける前記流体循環チャネルの前記増大した幅が、前記流体吐出チャンバの幅に実質的に等しいか、又はその幅未満である、請求項に記載の流体吐出デバイス。
【請求項10】
流体吐出デバイスを形成する方法であって、
流体吐出チャンバを流体スロットと連絡させ、
小滴吐出要素を前記流体吐出チャンバに設け、
流体循環チャネルを前記流体スロット及び前記流体吐出チャンバと連絡させ、チャネルループを有する前記流体循環チャネルを形成することを含み、
前記流体スロットと前記チャネルループとの間で、前記流体循環チャネルに流体循環要素を設け、
前記チャネルループと前記流体吐出チャンバとの間で、前記流体循環チャネルに粒子耐性アーキテクチャを設け、
前記流体スロットに通じる第1の幅を有する前記流体循環チャネルを画定し、前記第1の幅の範囲内に前記流体循環要素を設け、
記流体吐出チャンバにおいて前記第1の幅よりも大きい第2の幅を有する前記流体循環チャネルを画定し、前記第2の幅の範囲内に前記粒子耐性アーキテクチャを設けることを含む、方法。
【請求項11】
前記第2の幅の範囲内に前記粒子耐性アーキテクチャを設けることが、前記粒子耐性アーキテクチャと前記流体循環チャネルとの間の最小距離を、前記第1の幅未満として画定することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記流体循環チャネルに前記粒子耐性アーキテクチャを設けることが、閉曲線形状および多角形の形状の1つとして、前記粒子耐性アーキテクチャを画定することを含む、請求項10又は11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
インクジェット印刷システムのプリントヘッドのような、流体吐出デバイスは、ノズルから流体滴(例えば、インク)を吐出するために流体チャンバ内のアクチュエータとして熱抵抗器または圧電材料膜を使用することができ、プリントヘッド及び印刷媒体が互いに対して移動する際、ノズルからの適切に順序付けられたインク滴の吐出により、文字または他のイメージが印刷媒体上に印刷されるようになっている。
【0002】
気泡または他の粒子は、流体吐出デバイスの動作に悪影響を与える可能性がある。例えば、プリントヘッドの吐出チャンバ内の気泡または他の粒子は、吐出チャンバからの小滴の吐出を邪魔(途絶)する可能性があり、それによりプリントヘッドからの小滴の誤方向または小滴の欠落という結果になる。係る小滴の途絶は、印刷欠陥という結果になり、印刷品質を低下させる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】流体吐出デバイスの一例を含むインクジェット印刷システムの一例を示すブロック図である。
図2】粒子耐性アーキテクチャの一例を含む流体吐出デバイスの一部に関する一例を示す略平面図である。
図3図2の破線円内の領域の拡大図である。
図4】粒子耐性アーキテクチャの別の例を含む流体吐出デバイスの一部に関する別の例を示す拡大図である。
図5】粒子耐性アーキテクチャの別の例を含む流体吐出デバイスの一部に関する別の例を示す拡大図である。
図6】流体吐出デバイスを形成する方法に関する一例を示す流れ図である。
【0004】
詳細な説明
以下の詳細な説明において、その一部を形成する添付図面を参照し、当該添付図面には、本開示が実施され得る特定の例が例証として示される。理解されるべきは、他の例が利用されることができ、構造的または論理的変更が、本開示の範囲から逸脱せずになされることができる。
【0005】
図1は、本明細書に開示されるような、流体循環を備える流体吐出デバイスの一例としてインクジェット印刷システムの一例を示す。インクジェット印刷システム100は、プリントヘッドアセンブリ102、インク供給アセンブリ104、取り付けアセンブリ106、媒体搬送アセンブリ108、電子コントローラ110、及びインクジェット印刷システム100の様々な電気構成要素に電力を供給する少なくとも1つの電源112を含む。プリントヘッドアセンブリ102は、印刷媒体118上に印刷するように、複数のオリフィス又はノズル116を介してインク滴を印刷媒体118へ向けて吐出する少なくとも1つの流体吐出アセンブリ114(プリントヘッド114)を含む。
【0006】
印刷媒体118は、用紙、カードストック、透明媒体、及びマイラー(登録商標)等のような、任意のタイプの適切なシート状またはロール状材料とすることができる。ノズル116は一般に、ノズル116からの適切に順序付けられたインク吐出により、プリントヘッドアセンブリ102及び印刷媒体118が互いに対して移動する際に、文字、記号および/または他のグラフィックス又はイメージが、印刷媒体118上に印刷されるように、1つ又は複数の列またはアレイに配列される。
【0007】
インク供給アセンブリ104は、流体インクをプリントヘッドアセンブリ102に供給し、一例において、インクを貯蔵するためのリザーバ120を含み、インクがリザーバ120からプリントヘッドアセンブリ102へ流れるようになっている。インク供給アセンブリ104及びプリントヘッドアセンブリ102は、一方向インク供給システム又は再循環インク供給システムを形成することができる。一方向インク供給システムにおいて、プリントヘッドアセンブリ102に供給されるインクの実質的に全ては、印刷中に消費される。再循環インク供給システムにおいて、プリントヘッドアセンブリ102に供給されるインクの一部だけが、印刷中に消費される。印刷中に消費されなかったインクは、インク供給アセンブリ104へ戻される。
【0008】
一例において、プリントヘッドアセンブリ102及びインク供給アセンブリ104は、インクジェットカートリッジ又はペンの中に一緒に収容される。別の例において、インク供給アセンブリ104は、プリントヘッドアセンブリ102から分離し、供給管のようなインターフェース接続を介して、インクをプリントヘッドアセンブリ102に供給する。どちらの例でも、インク供給アセンブリ104のリザーバ120は、取り外され得る、交換され得る、及び/又は補充され得る。プリントヘッドアセンブリ102及びインク供給アセンブリ104がインクジェットカートリッジ内に一緒に収容されている場合、リザーバ120は、カートリッジ内に位置する局所的リザーバ、並びにカートリッジから独立して位置する、より大きなリザーバを含む。より大きな独立したリザーバは、局所的リザーバを補充する働きをする。従って、より大きな独立したリザーバ及び/又は局所的リザーバは、取り外され得る、交換され得る、及び/又は補充され得る。
【0009】
取り付けアセンブリ106は、媒体搬送アセンブリ108に対してプリントヘッドアセンブリ102を位置決めし、媒体搬送アセンブリ108は、印刷媒体118をプリントヘッドアセンブリ102に対して位置決めする。かくして、印刷区域122は、プリントヘッドアセンブリ102と印刷媒体118との間の領域において、ノズル116に隣接して画定される。一例において、プリントヘッドアセンブリ102は、走査型プリントヘッドアセンブリである。そういうものだから、取り付けアセンブリ106は、印刷媒体118を走査するために、媒体搬送アセンブリ108に対してプリントヘッドアセンブリ102を移動するためのキャリッジを含む。別の例において、プリントヘッドアセンブリ102は、非走査型プリントヘッドアセンブリである。そういうものだから、取り付けアセンブリ106は、媒体搬送アセンブリ108に対して所定位置にプリントヘッドアセンブリ102を固定する。かくして、媒体搬送アセンブリ108は、プリントヘッドアセンブリ102に対して印刷媒体118を位置決めする。
【0010】
電子コントローラ110は一般に、プロセッサ、ファームウェア、ソフトウェア、揮発性および不揮発性メモリ構成要素を含む1つ又は複数のメモリ構成要素、及びプリントヘッドアセンブリ102、取り付けアセンブリ106及び媒体搬送アセンブリ108と通信する及びそれらを制御するための他のプリンタ電子回路を含む。電子コントローラ110は、コンピュータのようなホストシステムからデータ124を受け取り、データ124をメモリに一時的に格納する。一般に、データ124は、電子、赤外線、光または他の情報伝達経路に沿ってインクジェット印刷システム100に送られる。データ124は例えば、印刷されるべきドキュメント及び/又はファイルに相当する。そういうものだから、データ124は、インクジェット印刷システム100の印刷ジョブを形成し、1つ又は複数の印刷ジョブコマンド及び/又はコマンドパラメータを含む。
【0011】
一例において、電子コントローラ110は、ノズル116からインク滴を吐出するためにプリントヘッドアセンブリ102を制御する。かくして、電子コントローラ110は、印刷媒体118上に文字、記号、及び/又は他のグラフィックス又はイメージを形成する吐出されたインク滴のパターンを画定する。吐出されたインク滴のパターンは、印刷ジョブコマンド及び/又はコマンドパラメータにより決定される。
【0012】
プリントヘッドアセンブリ102は、1つ又は複数のプリントヘッド114を含む。一例において、プリントヘッドアセンブリ102は、ワイドアレイ又はマルチヘッドのプリントヘッドアセンブリである。ワイドアレイアセンブリの一具現化形態において、プリントヘッドアセンブリ102は、複数のプリントヘッド114を保持し、プリントヘッド114と電子コントローラ110との間で電気通信を行い、プリントヘッド114とインク供給アセンブリ104との間で流体連通を行うキャリヤ(保持具)を含む。
【0013】
一例において、インクジェット印刷システム100は、ドロップオンデマンドのサーマルインクジェット印刷システムであり、この場合、プリントヘッド114は、サーマルインクジェット(TIJ)プリントヘッドである。サーマルインクジェットプリントヘッドは、インクを気化させて、インク又は他の流体滴をノズル116から押し出す気泡を形成するためにインクチャンバ内に熱抵抗吐出素子を実装する。別の例において、インクジェット印刷システム100は、ドロップオンデマンドの圧電インクジェット印刷システムであり、この場合、プリントヘッド114は、ノズル116からインク滴を押し出す圧力パルスを生成するための吐出素子として圧電材料アクチュエータを実装する圧電インクジェット(PIJ)プリントヘッドである。
【0014】
一例において、電子コントローラ110は、コントローラ110のメモリに格納された流動循環モジュール126を含む。流動循環モジュール126は、プリントヘッドアセンブリ102内の流体の循環を制御するために、プリントヘッドアセンブリ102内のポンプ要素として一体化された1つ又は複数の流体アクチュエータの動作を制御するために電子コントローラ(即ち、コントローラ110のプロセッサ)で実行される。
【0015】
図2は、流体吐出デバイス200の一部に関する一例を示す略平面図である。流体吐出デバイス200は、流体吐出チャンバ202、及び流体吐出チャンバ202に形成された、当該流体吐出チャンバ202内に設けられた、又は流体吐出チャンバ202と連絡された対応する小滴吐出要素204を含む。流体吐出チャンバ202及び小滴吐出要素204は、内部に形成された流体(又はインク)供給スロット208を有する基板206に形成され、流体供給スロット208は、流体吐出チャンバ202及び小滴吐出要素204に対して流体(又はインク)の供給を行うようになっている。基板206は例えば、シリコン、ガラス、又は安定ポリマから形成され得る。
【0016】
一例において、流体吐出チャンバ202は、基板206に設けられたバリヤ層(図示せず)に形成され、又は当該バリヤ層により画定され、流体吐出チャンバ202がバリヤ層に「ウエル」を提供するようになっている。バリヤ層は例えば、SU8のような、フォトイメージャブルのエポキシ樹脂から形成され得る。
【0017】
一例において、ノズル又はオリフィス層(図示せず)が、バリヤ層の上に形成され又はその上に拡張され、オリフィス層に形成されたノズル開口またはオリフィス212が個々の流体吐出チャンバ202と連絡するようになっている。ノズル開口またはオリフィス212は、円形、非円形、又は他の形状からなることができる。
【0018】
小滴吐出要素204は、対応するノズル開口またはオリフィス212を介して流体滴を吐出することができる任意のデバイスとすることができる。小滴吐出要素204の例は、熱抵抗器または圧電アクチュエータを含む。小滴吐出要素の一例としての熱抵抗器は一般に、基板(基板206)の表面に形成され、酸化物層、金属層、及びパッシベーション層を含む薄膜スタック(積重体)を含み、活性化された際に、熱抵抗器からの熱が流体吐出チャンバ202内の流体を気化させ、それによりノズル開口またはオリフィス212を介して流体の小滴を吐出する気泡を生じるようになっている。小滴吐出要素の一例としての圧電アクチュエータは一般に、流体吐出チャンバ202と連絡された可動膜上に設けられた圧電材料を含み、活性化された際に、圧電材料が流体吐出チャンバ202に対して膜のたわみを生じさせ、それによりノズル開口またはオリフィス212を介して流体の小滴を吐出する圧力パルスを生成するようになっている。
【0019】
図2の例に示されるように、流体吐出デバイス200は、流体循環チャネル220、及び流体循環チャネル220に形成された、当該流体循環チャネル220内に設けられた又は当該流体循環チャネル220と連絡された流体循環要素222を含む。流体循環チャネル220は、一方の端部224において流体供給スロット208に通じており当該流体供給スロット208と連絡し、他方の端部226において、流体吐出チャンバ202に通じており当該流体吐出チャンバ202と連絡する。一例において、流体循環チャネル220の端部226は、流体吐出チャンバ202の端部202aにおいて流体吐出チャンバ202と連絡する。
【0020】
流体循環要素222は、流体循環チャネル220を介して流体をポンピングする又は循環させる(再循環させる)ためのアクチュエータを形成する又はアクチュエータに相当する。そういうものだから、流体供給スロット208からの流体は、流体循環要素222により生じた流れに基づいて、流体循環チャネル220及び流体吐出チャンバ202を介して循環(再循環)する。流体吐出チャンバ202を介して流体を循環(再循環)させることは、流体吐出デバイス200におけるインクの閉塞および/または詰まりを低減することに役立つ。
【0021】
図2の例に示されるように、流体循環チャネル220は、1つ(即ち、単一)のノズル開口またはオリフィス212と連絡するように、1つ(即ち、単一)の流体吐出チャンバ202と連絡する。そういうものだから、流体吐出デバイス200は、1:1のノズル対ポンプの比率を有し、この場合、流体循環要素222は、流体循環チャネル220及び流体吐出チャンバ202を介した流体の流れを引き起こす「ポンプ」を意味する。1:1の比率の場合、循環は、各流体吐出チャンバ202毎に個別に行われる。他のノズル対ポンプの比率(例えば、2:1、3:1、4:1等)も可能であり、この場合、1つの流体循環要素が複数の流体吐出チャンバ(それ故に複数のノズル開口またはオリフィス)と連絡された流体循環チャネルを介して流体の流れを引き起こす。
【0022】
図2に示された例において、小滴吐出要素204及び流体循環要素222は双方とも、熱抵抗器である。熱抵抗器のそれぞれは、例えば、単一の抵抗器、分割抵抗器、くし形抵抗器、又は複数の抵抗器を含むことができる。しかしながら、小滴吐出要素204及び流体循環要素222を実施するために様々な他のデバイスも使用されることができ、係るデバイスには例えば、圧電アクチュエータ、静電(MEMS)膜、機械的/インパクト駆動膜、ボイスコイル、及び磁歪駆動などが含まれる。
【0023】
図2の例に示されるように、流体吐出デバイス200は、粒子耐性アーキテクチャ240を含む。一例において、粒子耐性アーキテクチャ240は、流体循環チャネル220の端部226の方へ又は当該端部226において、流体循環チャネル220内に形成される。粒子耐性アーキテクチャ240は例えば、流体循環チャネル220に形成された又は当該流体循環チャネル220内に設けられた柱状体、円柱、支柱または他の構造体(単数または複数)を含む。
【0024】
一例において、粒子耐性アーキテクチャ240は、流体循環チャネル220に「島状部(アイランド)」を形成し、それにより流体が、その周りに流れ及び流体吐出チャンバ202へ流入することを可能にする一方で、気泡または他の粒子(例えば、ほこり、繊維)のような粒子が流体循環チャネル220を介して流体吐出チャンバ220へ流入することを防止する。係る粒子は、流体吐出チャンバ202に入り込むことを許容される場合、流体吐出デバイス200の性能に影響を及ぼす可能性がある。更に、粒子耐性アーキテクチャ240は、粒子が流体循環チャネル220へ流入すること、それ故に流体吐出チャンバ202から流体循環要素222へ流れることも防止する。
【0025】
一例において、流体循環チャネル220は、U字形チャネルであり、流体供給スロット208と連絡されたチャネル部分230、流体吐出チャンバ202と連絡されたチャネル部分232、及びチャネル部分230とチャネル部分232との間に設けられたチャネルループ部分234を含む。そういうものだから、一例において、流体循環チャネル220内の流体は、流体供給スロット208と流体吐出チャンバ202との間で、チャネル部分230、チャネルループ部分234及びチャネル部分232を介して、循環(又は再循環)する。
【0026】
図2に示された例において、流体循環要素222は、チャネル部分230に形成され、当該チャネル部分230内に設けられ、又は当該チャネル部分230と連絡され、粒子耐性アーキテクチャ240は、チャネル部分232に形成され又は当該チャネル部分232内に設けられる。そういうものだから、一例において、流体循環要素222は、流体供給スロット208とチャネルループ部分234との間で、流体循環チャネル220内に設けられ、粒子耐性アーキテクチャ240は、チャネルループ部分234と流体吐出チャンバ202との間で、流体循環チャネル220内に設けられる。一例において、後述されるように、流体循環チャネル220内で粒子耐性アーキテクチャ240を適応させ、粒子耐性アーキテクチャ240において流体循環チャネル220を流れる流体の制限を最小限にする又は回避するために、流体循環チャネル220の幅は、粒子耐性アーキテクチャ240において増大している。
【0027】
図3は、図2の破線円内の領域の拡大図である。図3の例に示されたように、流体吐出チャンバ202は、チャンバ幅(CHW)を有し、流体循環チャネル220は、循環チャネル幅(CCW)を有する。更に、粒子耐性アーキテクチャ240は、幅(PTAW)及び長さ(PTAL)を有する。一例において、粒子耐性アーキテクチャ240を適応させるために、流体循環チャネル220の幅は、粒子耐性アーキテクチャ240において増大している。より具体的には、一例において、粒子耐性アーキテクチャ240の位置において、流体循環チャネル220は、増大した循環チャネル幅(CCWW)を有する。そういうものだから、流体循環チャネル220は、流体循環要素222(図2)において循環チャネル幅(CCW)を有し、粒子耐性アーキテクチャ240において増大した循環チャネル幅(CCWW)を有する。かくして、一例において、循環チャネル幅(CCW)は、流体供給スロット208に通じているような且つ当該流体供給スロット208と連絡された端部224を含むチャネル部分230から、チャネルループ部分234を通ってチャネル部分232まで延び、増大した循環チャネル幅(CCWW)はチャネル部分232から流体吐出チャンバ202まで延びる。
【0028】
一例において、流体循環チャネル220は、循環チャネル幅(CCW)と増大した循環チャネル幅(CCWW)との間に移行部分236を含み、一例において、移行部分236は、循環チャネル幅(CCW)から増大した循環チャネル幅(CCWW)まで広がるようになっている。そういうものだから、チャネルループ部分234と流体吐出チャンバ202との間において、流体循環チャネル220は、循環チャネル幅(CCW)から増大した循環チャネル幅(CCWW)まで大きくなる。
【0029】
一例において、粒子が流体循環チャネル220から流体吐出チャンバ202へ流入することを防止するために、粒子耐性アーキテクチャ240と流体循環チャネル220の移行部分236の側壁237との間の最小距離(D1)、及び粒子耐性アーキテクチャ240と流体循環チャネル220の移行部分236の側壁239との間の最小距離(D2)はそれぞれ、循環チャネル幅(CCW)未満である(即ち、D1<CCW、D2<CCW)。
【0030】
一例において、流体循環チャネル220を介した流体の体積流量を維持し且つ粒子耐性アーキテクチャ240において流体循環チャネル220を介した流体の流れの制限を最小限にする又は回避するために、循環チャネル幅(CCW)は、粒子耐性アーキテクチャ240の周りで及び/又は当該粒子耐性アーキテクチャ240に沿って維持される(又は概して維持される)。そういうものだから、一例において、粒子耐性アーキテクチャ240と粒子耐性アーキテクチャ240の第1の側における流体循環チャネル220の側壁227との間の最小距離と、粒子耐性アーキテクチャ240と粒子耐性アーキテクチャ240の第2の側における流体循環チャネル220の側壁229との間の最小距離との合計は、循環チャネル幅(CCW)に実質的に等しい。より具体的には、一例において、粒子耐性アーキテクチャ240の第1の側における幅(W1)と、粒子耐性アーキテクチャ240の第2の側における幅(W2)との合計は、循環チャネル幅(CCW)に実質的に等しい(即ち、W1+W2=CCW)。更に、一例において、粒子耐性アーキテクチャ240と流体循環チャネル220の移行部分236の側壁237との間の距離(D1)と、粒子耐性アーキテクチャ240と流体循環チャネル220の移行部分236の側壁239との間の距離(D2)との合計は、循環チャネル幅(CCW)に実質的に等しい(即ち、D1+D2=CCW)。
【0031】
別の例において、粒子耐性アーキテクチャ240の第1の側における幅(W1)と、粒子耐性アーキテクチャ240の第2の側における幅(W2)との合計は、循環チャネル幅(CCW)未満であり(即ち、W1+W2<CCW)、別の例において、粒子耐性アーキテクチャ240の第1の側における幅(W1)、及び粒子耐性アーキテクチャ240の第2の側における幅(W2)はそれぞれ、循環チャネル幅(CCW)未満であり、幅(W1)と幅(W2)との合計は、循環チャネル幅(CCW)より大きい(即ち、W1<CCW、W2<CCW、W1+W2>CCW)。
【0032】
一例において、増大した循環チャネル幅(CCWW)は、粒子耐性アーキテクチャ240の幅(PTAW)、粒子耐性アーキテクチャ240と粒子耐性アーキテクチャ240の第1の側における流体循環チャネル220の側壁227との間の幅(W1)、及び粒子耐性アーキテクチャ240と粒子耐性アーキテクチャ240の第2の側における流体循環チャネル220の側壁229との間の幅(W2)を含む(即ち、CCWW=PTAW+W1+W2)。更に、一例において、増大した循環チャネル幅(CCWW)は、チャネル幅(CHW)に実質的に等しい(即ち、CCWW=CHW)。別の例において、増大した循環チャネル幅(CCWW)は、チャンバ幅(CHW)未満である(即ち、CCWW<CHW)。
【0033】
一例において、粒子耐性アーキテクチャ240は、閉曲線形状からなる。例えば、図2及び図3に示されたように、粒子耐性アーキテクチャ240は楕円形状を有する。しかしながら、粒子耐性アーキテクチャ240は、例えば円形または長円形のような他の閉曲線形状とすることができる。
【0034】
粒子耐性アーキテクチャ240の閉曲線形状を用いて、幅(W1)は、粒子耐性アーキテクチャ240の一方の側における粒子耐性アーキテクチャ240の外周と流体循環チャネル220の側壁227との間の粒子耐性アーキテクチャ240の最大幅において画定され、幅(W2)は、粒子耐性アーキテクチャ240の反対側における粒子耐性アーキテクチャ240の外周と流体循環チャネル220の側壁229との間の粒子耐性アーキテクチャ240の最大幅において画定される。更に、距離(D1)は、粒子耐性アーキテクチャ240の外周と流体循環チャネル220の側壁237との間に画定され、距離(D2)は、粒子耐性アーキテクチャ240の外周と流体循環チャネル220の側壁239との間に画定される。
【0035】
図4は、粒子耐性アーキテクチャ440の別の例を含む流体吐出デバイス200の一部に関する別の例を示す拡大図である。図4に示された例において、粒子耐性アーキテクチャ440は、多角形の形状の例として、長方形の形状を有する。長方形の形状として、粒子耐性アーキテクチャ440は例えば、矩形または正方形とすることができる。しかしながら、粒子耐性アーキテクチャ440は、他の多角形の形状でもよい。
【0036】
粒子耐性アーキテクチャ440の長方形の形状の場合、幅(W1)は、粒子耐性アーキテクチャ440の一方の側と流体循環チャネル220の側壁227との間に画定され、幅(W2)は、粒子耐性アーキテクチャ440の反対側と流体循環チャネル220の側壁229との間に画定される。更に、距離(D1)は、粒子耐性アーキテクチャ440の1つのかどと流体循環チャネル220の側壁237との間に画定され、距離(D2)は、粒子耐性アーキテクチャ440の隣接するかどと流体循環チャネル220の側壁239との間に画定される。
【0037】
図5は、粒子耐性アーキテクチャ540の別の例を含む流体吐出デバイス200の一部に関する別の例を示す拡大図である。図5に示された例において、粒子耐性アーキテクチャ540は、多角形の形状の例として、三角形の形状を有する。
【0038】
粒子耐性アーキテクチャ540の三角形の形状の場合、幅(W1)は、粒子耐性アーキテクチャ540の1つの頂点と流体循環チャネル220の側壁227との間で粒子耐性アーキテクチャ540の底辺において画定され、幅(W2)は、粒子耐性アーキテクチャ540の隣接する頂点と流体循環チャネル220の側壁229との間で粒子耐性アーキテクチャ540の底辺において画定される。更に、距離(D1)は、粒子耐性アーキテクチャ540の1つの頂点(粒子耐性アーキテクチャ540の底辺の反対側)と流体循環チャネル220の側壁237との間で画定され、距離(D2)は、粒子耐性アーキテクチャ540の当該頂点(粒子耐性アーキテクチャ540の底辺の反対側)と流体循環チャネル220の側壁239との間で画定される。
【0039】
図6は、図2図3図4及び図5の例において示されたように、流体吐出デバイス200のような流体吐出デバイスを形成する方法600に関する一例を示す流れ図である。
【0040】
602において、方法600は、流体吐出チャンバ202のような流体吐出チャンバを、流体供給スロット208のような流体スロットと連絡させることを含む。
【0041】
604において、方法600は、小滴吐出要素204のような小滴吐出要素を、流体吐出チャンバ202のような流体吐出チャンバに設けることを含む。
【0042】
606において、方法600は、流体循環チャネル220のような流体循環チャネルを、流体供給スロット208及び流体吐出チャンバ202のような流体スロット及び流体吐出チャンバと連絡させることを含む。この場合、方法600の606は、チャネルループ部分234のようなチャネルループを有する、流体循環チャネル220のような流体循環チャネルを形成することを含む。
【0043】
608において、方法600は、流体供給スロット208とチャネルループ部分234のような流体スロットとチャネルループとの間で、流体循環要素222のような流体循環要素を、流体循環チャネル220のような流体循環チャネルに設けることを含む。
【0044】
610において、方法600は、チャネルループ部分234と流体吐出チャンバ202のようなチャネルループと流体吐出チャンバとの間で、粒子耐性アーキテクチャ240、440、540のような粒子耐性アーキテクチャを、流体循環チャネル220のような流体循環チャネルに設けることを含む。
【0045】
別個のステップ及び/又は逐次のステップとして図示および説明されたが、流体吐出デバイスを形成する方法は、異なる順序または逐次のステップを含むことができ、1つ又は複数のステップを組み合わせる、又は1つ又は複数のステップを同時に、部分的に又は全体的に行うことができる。
【0046】
本明細書で説明されたように、流体吐出デバイスが流体の循環(再循環)を含む場合、インクの閉塞および/または詰まりが低減される。そういうものだから、デキャップ時間(即ち、インクジェットノズルがキャッピングされずに周囲状況にさらされた状態のままである可能性がある時間量)、それ故にノズルの健全状態が改善される。更に、流体吐出デバイス内での顔料インクのビヒクル分離および粘性のあるインクの詰め物の形成が低減または取り除かれる。更に、インク効率は、サービス中のインク消費量を低減する(例えば、ノズルを健全状態に保つためにインクを吐き出すことを最小限にする)ことにより改善される。
【0047】
更に重要なことには、本明細書で説明されたような流体循環チャネルに粒子耐性アーキテクチャを含むことは、流体循環チャネル及び流体吐出チャンバを介した流体の循環(再循環)中に、気泡および/または他の粒子が流体循環チャネルから流体吐出チャンバに入り込むことを防止することに役立つ。そういうものだから、流体吐出チャンバからの小滴の吐出の途絶は、低減または取り除かれ得る、更に、粒子耐性アーキテクチャは、気泡および/または他の粒子が流体吐出チャンバから流体循環チャネルに入り込むことを防止することにも役立つ。
【0048】
一例において、粒子耐性アーキテクチャの周り及び/又は当該粒子耐性アーキテクチャに沿って流体循環チャネルの幅(例えば、粒子耐性アーキテクチャと流体循環チャネルの側壁との間の幅(W1)及び幅(W2)及び距離(D1)及び距離(D2))を維持することにより、粒子耐性アーキテクチャにおいて流体循環チャネルを流れる流体の制限が最小限にされ又は回避され、流体循環チャネルを介した流体の体積流量が(実質的に)維持される。
【0049】
更に、流体吐出チャンバと連絡された流体循環チャネルの端部の方へ又は当該流体循環チャネルの端部に粒子耐性アーキテクチャを設けることにより、粒子耐性アーキテクチャは、背圧を増大し、それ故に流体吐出チャンバ内に小滴吐出の駆動エネルギーを包含できるように援助することにより、流体吐出チャンバからの小滴吐出の噴射運動量を増大することに役立つ。
【0050】
特定の例が本明細書で図示および説明されたが、当業者には理解されるように、様々な代替の及び/又は等価の具現化形態が、本開示の範囲から逸脱せずに、図示および説明された特定の例の代わりになることができる。本出願は、本明細書で説明された特定の例に関する任意の改変または変形を網羅することが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6