特許第6538891号(P6538891)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6538891車両をスタート位置から目標位置まで移送するための構想
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6538891
(24)【登録日】2019年6月14日
(45)【発行日】2019年7月3日
(54)【発明の名称】車両をスタート位置から目標位置まで移送するための構想
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20190625BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20190625BHJP
   E04H 6/18 20060101ALI20190625BHJP
   B66B 17/20 20060101ALI20190625BHJP
   B66B 1/14 20060101ALI20190625BHJP
   B60W 30/06 20060101ALI20190625BHJP
【FI】
   G08G1/14 A
   G08G1/00 X
   E04H6/18 601Z
   B66B17/20 A
   B66B1/14 E
   B60W30/06
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-568108(P2017-568108)
(86)(22)【出願日】2016年5月12日
(65)【公表番号】特表2018-533095(P2018-533095A)
(43)【公表日】2018年11月8日
(86)【国際出願番号】EP2016060684
(87)【国際公開番号】WO2017001101
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2017年12月28日
(31)【優先権主張番号】102015212313.8
(32)【優先日】2015年7月1日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ノアトブルフ
(72)【発明者】
【氏名】ロルフ ニコデムス
(72)【発明者】
【氏名】ヴィリ シェーラー
【審査官】 武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−014617(JP,A)
【文献】 特開2000−322683(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/14
B60W 30/06
B66B 1/14
B66B 17/20
E04H 6/18
G08G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(107,301)を、スタート位置から目標位置まで移送するための方法であって、
前記2つの位置は、複数階建ての駐車場(101)に含まれ、
前記2つの位置は、前記駐車場(101)の異なる階(103)に局限され、
前記車両(107,301)は、移送の間に、前記スタート位置の階(103)から前記目標位置の階(103)に到達するために、前記駐車場(101)のエレベータ設備(109)を使用し、
前記移送は、前記車両(107,301)の遠隔制御及び/又は前記車両(107,301)の少なくとも部分自律型の走行を含み、
前記エレベータ設備(109)における前記車両(107,301)の待機時間を短縮するために、前記エレベータ設備(109)の動作は、前記移送の間の前記車両(107,301)の動作に依存して制御される、
方法。
【請求項2】
前記車両(107,301)は、前記移送の間に、前記エレベータ設備(109)を用いた運搬を自律的に要求する、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記車両(107,301)は、前記エレベータ設備(109)を用いて前記スタート位置の階(103)から前記目標位置の階(103)まで運搬されるために、自身で前記エレベータ設備を制御する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記エレベータ設備(109)は、前記車両(107,301)を、当該エレベータ設備(109)を用いて前記スタート位置の階(103)から前記目標位置の階(103)まで運搬するために、車両外部の制御装置(111)を用いて制御される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記2つの位置のうちの少なくとも1つは、マニュアル誘導される車両及び/又は人に対して、閉鎖された領域の内部に局限される、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記2つの位置のうちの少なくとも1つは、マニュアル誘導される車両及び/又は人に対して、許可された領域の内部に局限される、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
制御装置(303)を含む車両(107,301)であって、
前記制御装置(303)は、前記車両(107,301)を、スタート位置から目標位置まで少なくとも部分自律型で移送するように構成されており、
前記2つの位置は、複数階建ての駐車場(101)に含まれており、
前記2つの位置は、前記駐車場(101)の異なる階(103)に局限されており、
前記制御装置(303)は、
前記車両(107,301)を、移送の間に、前記駐車場(101)のエレベータ設備(109)に誘導するように、及び/又は、前記駐車場(101)の前記エレベータ設備(109)から誘導するように構成されており、それによって、前記車両(107,301)は、前記スタート位置の階(103)から前記目標位置の階(103)まで到達可能であり、
前記制御装置(303)は、前記移送の間に、前記エレベータ設備(109)を用いた運搬を自律的に要求するように構成されている、
車両(107,301)。
【請求項8】
エレベータ設備(109)を備えた複数階建ての駐車場(101)と、制御装置(111)とを含む車両(107,301)用のパーキングシステム(115)であって、
前記制御装置(111)は、前記車両(107,301)を、遠隔制御でスタート位置から目標位置まで移送するように、及び/又は、少なくとも部分的に自律して走行する前記車両(107,301)に、当該車両のスタート位置から目標位置までの少なくとも部分的に自律した走行の際に支援を行うように構成されており、
前記2つの位置は、前記駐車場(101)に含まれており、
前記2つの位置は、前記駐車場(101)の異なる階(103)に局限されており、
前記制御装置(111)は、
前記車両(107,301)を、移送の間に、前記駐車場(101)の前記エレベータ設備(109)に遠隔制御及び/又は支援を介して誘導するように、及び/又は、前記駐車場(101)の前記エレベータ設備(109)から遠隔制御及び/又は支援を介して誘導するように構成されており、それによって、前記車両(107,301)は、前記スタート位置の階(103)から前記目標位置の階(103)まで到達可能であり、
前記制御装置(111)は、前記エレベータ設備(109)における前記車両(107,301)の待機時間を短縮するために、前記エレベータ設備(109)の動作を、前記移送の間の前記車両(107,301)の動作に依存して制御するように構成されている、
パーキングシステム(115)。
【請求項9】
コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法を実施するためのプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両をスタート位置から目標位置まで移送するための方法に関する。本発明はさらに、車両、パーキングシステム、及び、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
独国特許出願公開第102012222562号明細書(DE102012222562A1)においては、車両をスタート位置から目標位置へ移送するための管理された駐車エリア用のシステムが開示されている。
【0003】
完全に自動化された(自律型の)いわゆるバレーパーキング(AVP)の場合、車両は、その運転者によって、例えばパーキングビルの前にある引き渡し場所に駐車され、そこからこの車両は自身で駐車位置/駐車ブースに走行し、再び当該引き渡し場所まで戻ってくる。
【0004】
AVPにおける大きな挑戦は、AVP車両と、マニュアル誘導される車両と、歩行者との混在した運営動作モード(以下では、単に混合モードとも称する)にある。それによって、走行過程及び入庫/出庫過程は、はるかに複雑になる可能性がある。このことは、特に、AVP駐車位置が、パーキングビルの入車口から遠く離れた場所、例えばパーキングビルの最上層階にあるために、非常に長い走行距離を進まなければならないような場合に起こる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102012222562号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の開示
本発明が基礎とする課題は、車両をスタート位置から目標位置へ移送するための効率的な構想を提供することにあり、この場合、これらの2つの位置は複数階建ての駐車場に含まれ、さらにこれらの2つの位置は駐車場の異なる階に局限される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、独立請求項の各態様を用いて解決される。本発明の好ましい構成は、各従属請求項の態様である。
【0008】
一態様によれば、車両をスタート位置から目標位置まで移送するための方法が提供され、前記2つの位置は、複数階建ての駐車場に含まれ、前記2つの位置は、駐車場の異なる階に局限され、前記車両は、移送の間に、スタート位置の階から目標位置の階に到達するために、駐車場のエレベータ設備を使用し、前記移送は、車両の遠隔制御及び/又は車両の少なくとも部分自律型の走行を含む。
【0009】
さらなる態様によれば、車両が提供され、該車両は、当該車両を、スタート位置から目標位置まで少なくとも部分自律型で移送するように構成された制御装置を含んでおり、前記2つの位置は、複数階建ての駐車場に含まれており、前記2つの位置は、駐車場の異なる階に局限されており、前記制御装置は、車両を、移送の間に、駐車場のエレベータ設備に誘導するように、及び/又は、駐車場のエレベータ設備から誘導するように構成されており、それによって、車両は、スタート位置の階から目標位置の階まで到達可能である。
【0010】
さらに1つの態様によれば、エレベータ設備を備えた複数階建ての駐車場と、制御装置とを含む車両用のパーキングシステムが提供され、該制御装置は、車両を、遠隔制御でスタート位置から目標位置まで移送するように、及び/又は、少なくとも部分的に自律して走行する車両に、当該車両のスタート位置から目標位置までの少なくとも部分的に自律した走行の際に支援を行うように構成されており、前記2つの位置は、駐車場に含まれており、前記2つの位置は、駐車場の異なる階に局限されており、前記制御装置は、車両を、移送の間に、駐車場のエレベータ設備に遠隔制御及び/又は支援を介して誘導するように、及び/又は、駐車場のエレベータ設備から遠隔制御及び/又は支援を介して誘導するように構成されており、それによって、車両は、スタート位置の階から目標位置の階まで到達可能である。
【0011】
さらなる態様によれば、コンピュータプログラムが提供され、このコンピュータプログラムは、当該コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、本発明に係る方法を実施するためのプログラムコードを含む。
【0012】
つまり、本発明は、特に及びとりわけ、次のような構想を含んでいる。即ち、AVP過程(AVPとは、自動バレーパーキングの略であり、自動化された又は完全に自動化されたパーキング過程を指す)の枠内で、車両がスタート位置から目標位置まで到達できるようにするために、駐車場のエレベータ設備を使用するという構想である。これにより、特に、これらの2つの位置が駐車場の異なる階に局限されている場合に、車両を、スタート位置から目標位置まで効率的に移送することができるようになるという技術的利点が得られる。
【0013】
駐車場の階には、特に、1階、地下1階、地下2階以下の階及び/又は地上2階以上の階、特に最下層階、特に最上層階が含まれる。
【0014】
スタート位置は、例えば引き渡し位置であり、目標位置は、例えば駐車位置である。
【0015】
引き渡し位置は、本発明の趣旨においては、車両の運転者が、自身の車両を、遠隔制御された駐車過程のために、及び/又は、少なくとも部分自律型の駐車過程のために、停車することのできる位置である。
【0016】
駐車位置は、本発明の趣旨においては、そこに車両を駐車すべき位置である。
【0017】
即ち、この車両は、例えば引き渡し位置から駐車位置まで移送される。
【0018】
スタート位置は、例えば駐車位置であり、目標位置は、例えば受け取り位置である。即ち、この車両は、駐車位置から受け取り位置まで移送される。
【0019】
受け取り位置は、本発明の趣旨においては、駐車過程の終了後にそこで車両を受け取るべき位置である。
【0020】
一実施形態によれば、引き渡し位置は、受け取り位置と同じか又は受け取り位置と異なる。
【0021】
一実施形態においては、車両は、引き渡し場所から駐車位置まで移送され、駐車過程の終了後に、受け取り位置まで、特に引き渡し位置まで戻されるように移送される。
【0022】
駐車場は、本発明の趣旨においては、駐車エリアとも称され、車両のために停車し得るエリアとして用いられる。それゆえ、駐車場は、特に、複数の駐車升(私有地の駐車場の場合)又は複数の駐車ブース(公有地の駐車場の場合)を含む関連エリアを形成する。この駐車場は、一実施形態によれば、パーキングビルとして構成されていてもよい。特にこの駐車場は、パーキングガレージとして構成される。
【0023】
自律型とは、本発明の趣旨においては、特に、車両が自力で、即ち、運転者の介入なしで、操縦/運転/移動することを意味する。即ち、この車両は、運転者にこれに係る車両の制御の必要性を生じさせることなく自力で駐車場を走行する。即ち、これは、特に、制御装置が、車両を自律的に走行させること(以下では、単に自律型走行とも称する)を意味する。誘導は、特に、車両の横方向誘導及び/又は長手方向誘導を含む。即ち、自律型走行の場合、運転者は必ずしも車両内にいる必要はない。従って、制御装置は、特に、車両の横方向誘導及び/又は長手方向誘導を制御するように構成されている。
【0024】
部分自律型とは、本発明の趣旨においては、特に、車両が、自身の自律型走行の際に支援又はアシストされることを意味する。このことは、特に、パーキングシステムの制御装置を用いて行われる。例えばアシストとは、パーキングシステムの制御装置が、当該駐車場のデジタルマップを、通信ネットワークを介して車両に送信することを意味する。それによって、この車両は、当該デジタルマップに基づいて、駐車場を自律的に走行可能になる。
【0025】
例えば、アシストとは、パーキングシステムの制御装置が、スタート位置及び/又は目標位置を、通信ネットワークを介して車両に送信することを意味する。
【0026】
例えば、アシストとは、パーキングシステムの制御装置が、当該駐車場に存在しているさらに別の車両の位置データ及び/又は速度データを、通信ネットワークを介して車両に送信することを意味する。それによって、車両の制御装置は、このさらなる車両を、当該駐車場での自身の自律型走行の際に考慮できるようになる。
【0027】
例えば、アシストとは、パーキングシステムの制御装置が、スタート位置から目標位置までの走行すべき区間の少なくとも一部の目標軌道を、特にスタート位置から目標位置までの走行すべき全区間の目標軌道を、通信ネットワークを介して車両に送信することを意味する。それによって、車両の制御装置は、車両の実際の軌道を、目標軌道に制御できるようになる。
【0028】
アシストとは、特に、駐車場での自身の走行の際の車両の外部からの支援を意味する。それゆえ、そのようなアシストされた走行は、部分自律型走行とも称する。
【0029】
それゆえ、「部分的に自律した」又は「部分自律型」との表現は、「自律型」(即ち、外部からの支援なし)を含む。
【0030】
一実施形態によれば、駐車位置は、駐車場の最上層階に局限される。
【0031】
別の実施形態においては、駐車位置は、駐車場の最下層階に局限される。
【0032】
一実施形態によれば、引き渡し位置は、駐車場の1階に局限される。
【0033】
別の実施形態においては、受け取り位置は、駐車場の1階に局限される。
【0034】
別の実施形態によれば、エレベータ設備における車両の待機時間を短縮するために、エレベータ設備の動作は、移送の間の車両の動作に依存して制御されることが想定される。
【0035】
それによって、特に、エレベータ設備における車両の待機時間が短縮可能になる技術的利点が得られる。特に、この短縮は、最小化を含む。
【0036】
さらに別の実施形態によれば、車両は、移送の間に、エレベータ設備を用いた運搬を自律的に要求することが想定される。ここでの要求とは、特に、車両が、エレベータ設備への自身の到着の際に、エレベータ設備のボックスか又は運搬台に直接乗り込むことができるようにするために、当該ボックス又は運搬台を、スタート位置の階まで移動することを意味する。例えば、車両の制御装置は、移送の間に、エレベータ設備の運搬を要求するように構成されている。
【0037】
それによって、特に、エレベータ設備における車両の待機時間が短縮できる、特に最小化できる技術的利点が得られる。
【0038】
一実施形態においては、車両は、エレベータ設備を用いてスタート位置の階から目標位置の階まで運搬されるために、自身でエレベータ設備を(例えば自身の制御装置を用いて)制御することが想定される。即ち、車両の制御装置は、例えば、車両がスタート位置の階から目標位置の階まで運搬されるように、エレベータ設備を制御するように構成されている。
【0039】
一実施形態においては、エレベータ設備は、車両を、当該エレベータ設備を用いてスタート位置の階から目標位置の階まで運搬するために、車両外部の制御装置を用いて、例えばパーキングシステムの制御装置を用いて制御されることが想定される。即ち、車両外部の制御装置は、好ましくは、車両を、当該エレベータ設備を用いてスタート位置の階から目標位置の階まで運搬するために、エレベータ設備を制御するように構成されている。
【0040】
一実施形態においては、車両は、移送の間に、エレベータ設備を用いた運搬を自律的に要求し、この場合、エレベータ設備は、車両を、当該エレベータ設備を用いてスタート位置の階から目標位置の階まで運搬するために、車両外部の制御装置を用いて、例えばパーキングシステムの制御装置を用いて制御されることが想定される。
【0041】
別の実施形態によれば、2つの位置のうちの少なくとも1つ(好ましくは2つの位置)は、マニュアル誘導される車両及び/又は人に対して、閉鎖された領域の内部に局限されることが想定される。
【0042】
それによって、特に、マニュアル誘導される車両及び/又は人と、AVP車両(即ち、遠隔制御された車両及び/又は少なくとも部分自律型で走行する車両)との混合モード又は混在モードが、所定の領域において、回避できる技術的利点が得られる。それによって、特に、人に対する安全性を高めることができる。特に、AVP車両と、マニュアル誘導される車両との間の衝突リスクが最小化できる。
【0043】
一実施形態においては、2つの位置のうちの少なくとも1つ(好ましくは2つの位置)は、マニュアル誘導される車両及び/又は人に対して、許可された領域の内部に局限されることが想定される。それによって、好ましい方法で混合モードが許可され、このことは、本発明による構想のより大きな受け皿をもたらすことができる。さらにそれによって、駐車場は、マニュアル誘導される車両もAVP車両も使用することができ、このことは、駐車場の効率的な使用をもたらすことができる。即ち、許可された領域とは、特に、人及び/又はマニュアル誘導される車両に対して開放された領域又は自由な領域である。
【0044】
一実施形態によれば、車両は、本発明に係る方法を実行又は実施するように形成又は構成されていることが想定される。
【0045】
別の実施形態においては、パーキングシステムは、本発明に係る方法を実行又は実施するように形成又は構成されていることが想定される。
【0046】
一実施形態によれば、パーキングシステムは、車両と、特に制御装置と通信するように構成された通信インターフェースを含む。このことは、特に通信ネットワークを介して行われる。
【0047】
別の実施形態においては、車両は、通信インターフェースを含む。この通信インターフェースは、特に、パーキングシステムと、特にパーキングシステムの制御装置と通信するように構成されている。このことは、特に通信ネットワークを介して行われる。
【0048】
通信ネットワークは、特にWLANネットワーク及び/又は移動無線ネットワークを含む。
【0049】
あるいは、一実施形態によれば、通信は、通信ネットワークを介して暗号化される。
【0050】
パーキングシステムは、一実施形態によれば、駐車場管理システムを含む。この駐車場管理システムは、特に駐車場マネージメントシステムとも称され得る。
【0051】
駐車場が、パーキングビルを含む場合、駐車場管理システムは、パーキングビル管理システム、特にパーキングビルマネージメントシステムとも称され得る。
【0052】
車両及びパーキングシステムの実施形態は、対応する方法の実施形態から類似的にもたらされ、その逆もまた類似的にもたらされる。従って、車両及びパーキングシステムの技術的機能は、対応する方法の技術的機能からも類似的にもたらされ、その逆もまた類似的にもたらされる。
【0053】
以下においては、本発明を、好ましい実施例に基づいて、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】パーキングシステムの斜視図。
図2図1のパーキングシステムの簡単な側面図。
図3】車両。
図4】車両をスタート位置から目標位置まで移送するための方法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下においては、同じ特徴部分に対しては同じ参照符号が使用され得る。
【0056】
図1は、斜め上方から複数階建ての駐車場101を見た斜視図である。この駐車場101は、パーキングビルとして構成されている。駐車場101は、複数の階103を含んでいる。この駐車場101の最上層階103には、複数の駐車位置105が象徴的かつ例示的に示されている。明示的には示されていないが、さらなる階103も、対応する駐車位置105を有している。また、当該最上層階103の駐車位置105に停車されている複数の車両107も、象徴的かつ例示的に示されている。明示的には示されていないが、さらなる車両107がさらなる階103の対応する駐車位置に停車されていてもよい。
【0057】
駐車場101は、エレベータ設備109を含む。このエレベータ設備109は、特に、1つの階からさらなる階まで車両を運搬するように構成されている。
【0058】
さらに、制御装置111が設けられている。この制御装置111は、車両を遠隔制御でスタート位置から目標位置まで移送するために、及び/又は、少なくとも部分的に自律して走行する車両に、スタート位置から目標位置までの少なくとも部分的に自律した走行の際に支援を行うために構成されている。ここでは、2つの位置は、駐車場101の異なる階103に局限される。
【0059】
この制御装置111は、車両を、移送の間に、エレベータ設備109に遠隔制御及び/又は支援を介して誘導するように、及び/又は、エレベータ設備109から遠隔制御及び/又は支援を介して誘導するように構成されている。それによって、車両は、スタート位置の階から目標位置の階まで好ましい方法で到達することができる。
【0060】
目標位置は、例えば、最上層階103の駐車位置105であってもよい。スタート位置は、例えば、(明示的に示されていない)1階の受け取り位置である。それによって、例えば、制御装置111は、車両を1階から最上層階103まで遠隔制御することができる。特に、スタート位置は、最上層階103の駐車位置105であってもよい。この場合、目標位置は、駐車場101の1階の受け取り位置である。
【0061】
制御装置111は、ワイヤレス通信インターフェース113を含む。それによって、制御装置111は、その通信インターフェース113を介してワイヤレス通信ネットワークを用いて、車両と通信することができる。特に、制御装置111は、車両の遠隔制御の目的で、通信ネットワークを介して車両に制御命令を送信することができる。
【0062】
制御装置111は、空間的に分散されて駐車場101内に配置された複数のそのようなワイヤレス通信インターフェース113を含み得る。それによって、十分な無線カバーが好ましい方法によって可能になる。
【0063】
制御装置111は、図1においては、駐車場101の外部に示されているにもかかわらず、特に、制御装置111は、駐車場内に配置されていてもよいことが想定される。
【0064】
それゆえ、図1は、複数階建ての駐車場101と、制御装置111とを含むパーキングシステム115を示す。
【0065】
符号117は、駐車場101の最上層階103に象徴的に示された矢印を示す。これらの矢印117は、それらの駐車位置105までの車両107の例示的な走行経路を象徴的に示すか又は特徴付けるべきものである。
【0066】
図2は、駐車場101の簡単な断面図を示す。明確化の理由から、ここでは、駐車位置105及び車両107は示されていない。同様にエレベータ設備109も、明確化の理由から示されていない。
【0067】
図3は、車両301を示す。
【0068】
車両301は、制御装置303を含んでおり、この制御装置303は、車両301を、スタート位置から目標位置まで少なくとも部分自律型、特に完全自律型で移送するように構成されており、上記2つの位置は、複数階建ての駐車場に含まれており、上記2つの位置は、駐車場の異なる階に局限されており、制御装置303は、車両を、移送の間に、駐車場のエレベータ設備に誘導するように、及び/又は、駐車場の前記エレベータ設備から誘導するように構成されており、それによって、車両301は、スタート位置の階から目標位置の階まで到達可能である。
【0069】
車両301の制御装置303は、例えば、通信インターフェースを含むことができる。特に、この通信インターフェースはワイヤレス通信インターフェースである。それによって、例えば車両301は、図1のパーキングシステム115の制御装置111と通信することが可能になる。
【0070】
車両301は、一実施形態によれば、1つ以上の周辺環境センサを含む。この1つ以上の周辺環境センサは、例えば次の周辺環境センサ、即ち、レーダーセンサ、ビデオセンサ、レーザーセンサ、ライダーセンサ、及び、超音波センサを含む。
【0071】
車両301は、例えば、エレベータ設備109を用いた運搬を自律的に要求するように構成されていてもよい。即ち、これは、特に、制御装置303が、制御装置111と自律的に通信し、かつ当該制御装置111からエレベータ設備109を用いた運搬を要求するために構成されていることを意味する。この要求は、例えば、エレベータ設備109がいつまでに運搬のための準備を整えるべきかに関する時間情報を含み得る。この時間情報を求めるために、例えば、車両は、自身の現在の位置からエレベータ設備109まで行くのにどのくらいの時間が必要かを推定することができる。
【0072】
図4は、車両をスタート位置から目標位置まで移送するための方法のフローチャートを示し、上記2つの位置は、複数階建ての駐車場に含まれており、上記2つの位置は、駐車場の異なる階に局限されている。
【0073】
この車両は、ステップ401に従って、そのスタート位置からエレベータ設備まで走行する。このことは、特に自律的に、支援されて誘導されるか又は遠隔制御で行われる。ステップ403においては、車両はエレベータ設備に乗り込む。即ち、これは、例えば、車両がエレベータボックス内に入車するか、又は、エレベータ設備の運搬台に乗り込むことを意味する。
【0074】
その後、ステップ405においては、エレベータ設備が、車両を、スタート位置の階から目標位置の階まで運搬する。
【0075】
ステップ407においては、車両はエレベータ設備から出車する。このことは、特に自律的に、アシストされて誘導されるか又は遠隔制御で行われる。
【0076】
その後、ステップ409においては、車両は、エレベータ設備からその目標位置まで走行し、このことも特に遠隔制御で、支援されて誘導されるか又は自律的に行われる。
【0077】
即ち、要約すると、2つの位置が駐車場の異なる階に存在する場合に、車両を、スタート位置から目標位置まで到達できるようにするために、慣用的にはリフトとも称されるエレベータ設備がAVP車両のために使用される。
【0078】
即ち、このことは、特に、AVP車両が、ドロップゾーンとも称され得るその引き渡し位置から、好ましくは当該ドロップゾーンの非常に近傍にあるエレベータ設備まで直接誘導されることを意味する。このエレベータ設備は、AVP車両を、対応するフロアへ、即ち、対応する階(例えば地下、最上層階)に運搬する。車両が対応する階に到着した後は、車両は、エレベータ設備から駐車位置まで走行する。この駐車位置からドロップゾーンまでの戻り経路は、類似した状況である。
【0079】
一実施形態によれば、このプロセス、即ち、ドロップゾーンから駐車位置までの走行と、駐車位置からドロップゾーンまでの戻りの走行とは、エレベータ設備を用いた運搬を含み、駐車場マネージメントシステムを用いて制御される。
【0080】
本発明による利点は、特に、AVP走行モードが、混合モードから容易に分離できる点にある。このことは、特に、2つの位置のうちの少なくとも1つ、好ましくは両方の位置が、マニュアル誘導された車両及び/又は人に対して、閉鎖された領域の内部に局限されている。それによって、AVP過程は、はるかに容易になり、損害及び傷害は低減することができる。
図1
図2
図3
図4