【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、独立請求項の各態様を用いて解決される。本発明の好ましい構成は、各従属請求項の態様である。
【0008】
一態様によれば、車両をスタート位置から目標位置まで移送するための方法が提供され、前記2つの位置は、複数階建ての駐車場に含まれ、前記2つの位置は、駐車場の異なる階に局限され、前記車両は、移送の間に、スタート位置の階から目標位置の階に到達するために、駐車場のエレベータ設備を使用し、前記移送は、車両の遠隔制御及び/又は車両の少なくとも部分自律型の走行を含む。
【0009】
さらなる態様によれば、車両が提供され、該車両は、当該車両を、スタート位置から目標位置まで少なくとも部分自律型で移送するように構成された制御装置を含んでおり、前記2つの位置は、複数階建ての駐車場に含まれており、前記2つの位置は、駐車場の異なる階に局限されており、前記制御装置は、車両を、移送の間に、駐車場のエレベータ設備に誘導するように、及び/又は、駐車場のエレベータ設備から誘導するように構成されており、それによって、車両は、スタート位置の階から目標位置の階まで到達可能である。
【0010】
さらに1つの態様によれば、エレベータ設備を備えた複数階建ての駐車場と、制御装置とを含む車両用のパーキングシステムが提供され、該制御装置は、車両を、遠隔制御でスタート位置から目標位置まで移送するように、及び/又は、少なくとも部分的に自律して走行する車両に、当該車両のスタート位置から目標位置までの少なくとも部分的に自律した走行の際に支援を行うように構成されており、前記2つの位置は、駐車場に含まれており、前記2つの位置は、駐車場の異なる階に局限されており、前記制御装置は、車両を、移送の間に、駐車場のエレベータ設備に遠隔制御及び/又は支援を介して誘導するように、及び/又は、駐車場のエレベータ設備から遠隔制御及び/又は支援を介して誘導するように構成されており、それによって、車両は、スタート位置の階から目標位置の階まで到達可能である。
【0011】
さらなる態様によれば、コンピュータプログラムが提供され、このコンピュータプログラムは、当該コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、本発明に係る方法を実施するためのプログラムコードを含む。
【0012】
つまり、本発明は、特に及びとりわけ、次のような構想を含んでいる。即ち、AVP過程(AVPとは、自動バレーパーキングの略であり、自動化された又は完全に自動化されたパーキング過程を指す)の枠内で、車両がスタート位置から目標位置まで到達できるようにするために、駐車場のエレベータ設備を使用するという構想である。これにより、特に、これらの2つの位置が駐車場の異なる階に局限されている場合に、車両を、スタート位置から目標位置まで効率的に移送することができるようになるという技術的利点が得られる。
【0013】
駐車場の階には、特に、1階、地下1階、地下2階以下の階及び/又は地上2階以上の階、特に最下層階、特に最上層階が含まれる。
【0014】
スタート位置は、例えば引き渡し位置であり、目標位置は、例えば駐車位置である。
【0015】
引き渡し位置は、本発明の趣旨においては、車両の運転者が、自身の車両を、遠隔制御された駐車過程のために、及び/又は、少なくとも部分自律型の駐車過程のために、停車することのできる位置である。
【0016】
駐車位置は、本発明の趣旨においては、そこに車両を駐車すべき位置である。
【0017】
即ち、この車両は、例えば引き渡し位置から駐車位置まで移送される。
【0018】
スタート位置は、例えば駐車位置であり、目標位置は、例えば受け取り位置である。即ち、この車両は、駐車位置から受け取り位置まで移送される。
【0019】
受け取り位置は、本発明の趣旨においては、駐車過程の終了後にそこで車両を受け取るべき位置である。
【0020】
一実施形態によれば、引き渡し位置は、受け取り位置と同じか又は受け取り位置と異なる。
【0021】
一実施形態においては、車両は、引き渡し場所から駐車位置まで移送され、駐車過程の終了後に、受け取り位置まで、特に引き渡し位置まで戻されるように移送される。
【0022】
駐車場は、本発明の趣旨においては、駐車エリアとも称され、車両のために停車し得るエリアとして用いられる。それゆえ、駐車場は、特に、複数の駐車升(私有地の駐車場の場合)又は複数の駐車ブース(公有地の駐車場の場合)を含む関連エリアを形成する。この駐車場は、一実施形態によれば、パーキングビルとして構成されていてもよい。特にこの駐車場は、パーキングガレージとして構成される。
【0023】
自律型とは、本発明の趣旨においては、特に、車両が自力で、即ち、運転者の介入なしで、操縦/運転/移動することを意味する。即ち、この車両は、運転者にこれに係る車両の制御の必要性を生じさせることなく自力で駐車場を走行する。即ち、これは、特に、制御装置が、車両を自律的に走行させること(以下では、単に自律型走行とも称する)を意味する。誘導は、特に、車両の横方向誘導及び/又は長手方向誘導を含む。即ち、自律型走行の場合、運転者は必ずしも車両内にいる必要はない。従って、制御装置は、特に、車両の横方向誘導及び/又は長手方向誘導を制御するように構成されている。
【0024】
部分自律型とは、本発明の趣旨においては、特に、車両が、自身の自律型走行の際に支援又はアシストされることを意味する。このことは、特に、パーキングシステムの制御装置を用いて行われる。例えばアシストとは、パーキングシステムの制御装置が、当該駐車場のデジタルマップを、通信ネットワークを介して車両に送信することを意味する。それによって、この車両は、当該デジタルマップに基づいて、駐車場を自律的に走行可能になる。
【0025】
例えば、アシストとは、パーキングシステムの制御装置が、スタート位置及び/又は目標位置を、通信ネットワークを介して車両に送信することを意味する。
【0026】
例えば、アシストとは、パーキングシステムの制御装置が、当該駐車場に存在しているさらに別の車両の位置データ及び/又は速度データを、通信ネットワークを介して車両に送信することを意味する。それによって、車両の制御装置は、このさらなる車両を、当該駐車場での自身の自律型走行の際に考慮できるようになる。
【0027】
例えば、アシストとは、パーキングシステムの制御装置が、スタート位置から目標位置までの走行すべき区間の少なくとも一部の目標軌道を、特にスタート位置から目標位置までの走行すべき全区間の目標軌道を、通信ネットワークを介して車両に送信することを意味する。それによって、車両の制御装置は、車両の実際の軌道を、目標軌道に制御できるようになる。
【0028】
アシストとは、特に、駐車場での自身の走行の際の車両の外部からの支援を意味する。それゆえ、そのようなアシストされた走行は、部分自律型走行とも称する。
【0029】
それゆえ、「部分的に自律した」又は「部分自律型」との表現は、「自律型」(即ち、外部からの支援なし)を含む。
【0030】
一実施形態によれば、駐車位置は、駐車場の最上層階に局限される。
【0031】
別の実施形態においては、駐車位置は、駐車場の最下層階に局限される。
【0032】
一実施形態によれば、引き渡し位置は、駐車場の1階に局限される。
【0033】
別の実施形態においては、受け取り位置は、駐車場の1階に局限される。
【0034】
別の実施形態によれば、エレベータ設備における車両の待機時間を短縮するために、エレベータ設備の動作は、移送の間の車両の動作に依存して制御されることが想定される。
【0035】
それによって、特に、エレベータ設備における車両の待機時間が短縮可能になる技術的利点が得られる。特に、この短縮は、最小化を含む。
【0036】
さらに別の実施形態によれば、車両は、移送の間に、エレベータ設備を用いた運搬を自律的に要求することが想定される。ここでの要求とは、特に、車両が、エレベータ設備への自身の到着の際に、エレベータ設備のボックスか又は運搬台に直接乗り込むことができるようにするために、当該ボックス又は運搬台を、スタート位置の階まで移動することを意味する。例えば、車両の制御装置は、移送の間に、エレベータ設備の運搬を要求するように構成されている。
【0037】
それによって、特に、エレベータ設備における車両の待機時間が短縮できる、特に最小化できる技術的利点が得られる。
【0038】
一実施形態においては、車両は、エレベータ設備を用いてスタート位置の階から目標位置の階まで運搬されるために、自身でエレベータ設備を(例えば自身の制御装置を用いて)制御することが想定される。即ち、車両の制御装置は、例えば、車両がスタート位置の階から目標位置の階まで運搬されるように、エレベータ設備を制御するように構成されている。
【0039】
一実施形態においては、エレベータ設備は、車両を、当該エレベータ設備を用いてスタート位置の階から目標位置の階まで運搬するために、車両外部の制御装置を用いて、例えばパーキングシステムの制御装置を用いて制御されることが想定される。即ち、車両外部の制御装置は、好ましくは、車両を、当該エレベータ設備を用いてスタート位置の階から目標位置の階まで運搬するために、エレベータ設備を制御するように構成されている。
【0040】
一実施形態においては、車両は、移送の間に、エレベータ設備を用いた運搬を自律的に要求し、この場合、エレベータ設備は、車両を、当該エレベータ設備を用いてスタート位置の階から目標位置の階まで運搬するために、車両外部の制御装置を用いて、例えばパーキングシステムの制御装置を用いて制御されることが想定される。
【0041】
別の実施形態によれば、2つの位置のうちの少なくとも1つ(好ましくは2つの位置)は、マニュアル誘導される車両及び/又は人に対して、閉鎖された領域の内部に局限されることが想定される。
【0042】
それによって、特に、マニュアル誘導される車両及び/又は人と、AVP車両(即ち、遠隔制御された車両及び/又は少なくとも部分自律型で走行する車両)との混合モード又は混在モードが、所定の領域において、回避できる技術的利点が得られる。それによって、特に、人に対する安全性を高めることができる。特に、AVP車両と、マニュアル誘導される車両との間の衝突リスクが最小化できる。
【0043】
一実施形態においては、2つの位置のうちの少なくとも1つ(好ましくは2つの位置)は、マニュアル誘導される車両及び/又は人に対して、許可された領域の内部に局限されることが想定される。それによって、好ましい方法で混合モードが許可され、このことは、本発明による構想のより大きな受け皿をもたらすことができる。さらにそれによって、駐車場は、マニュアル誘導される車両もAVP車両も使用することができ、このことは、駐車場の効率的な使用をもたらすことができる。即ち、許可された領域とは、特に、人及び/又はマニュアル誘導される車両に対して開放された領域又は自由な領域である。
【0044】
一実施形態によれば、車両は、本発明に係る方法を実行又は実施するように形成又は構成されていることが想定される。
【0045】
別の実施形態においては、パーキングシステムは、本発明に係る方法を実行又は実施するように形成又は構成されていることが想定される。
【0046】
一実施形態によれば、パーキングシステムは、車両と、特に制御装置と通信するように構成された通信インターフェースを含む。このことは、特に通信ネットワークを介して行われる。
【0047】
別の実施形態においては、車両は、通信インターフェースを含む。この通信インターフェースは、特に、パーキングシステムと、特にパーキングシステムの制御装置と通信するように構成されている。このことは、特に通信ネットワークを介して行われる。
【0048】
通信ネットワークは、特にWLANネットワーク及び/又は移動無線ネットワークを含む。
【0049】
あるいは、一実施形態によれば、通信は、通信ネットワークを介して暗号化される。
【0050】
パーキングシステムは、一実施形態によれば、駐車場管理システムを含む。この駐車場管理システムは、特に駐車場マネージメントシステムとも称され得る。
【0051】
駐車場が、パーキングビルを含む場合、駐車場管理システムは、パーキングビル管理システム、特にパーキングビルマネージメントシステムとも称され得る。
【0052】
車両及びパーキングシステムの実施形態は、対応する方法の実施形態から類似的にもたらされ、その逆もまた類似的にもたらされる。従って、車両及びパーキングシステムの技術的機能は、対応する方法の技術的機能からも類似的にもたらされ、その逆もまた類似的にもたらされる。
【0053】
以下においては、本発明を、好ましい実施例に基づいて、より詳細に説明する。