(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6538904
(24)【登録日】2019年6月14日
(45)【発行日】2019年7月3日
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/08 20120101AFI20190625BHJP
【FI】
G06Q30/08
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-24458(P2018-24458)
(22)【出願日】2018年2月14日
【審査請求日】2018年3月6日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイト掲載日:平成29年11月14日 ウェブサイトアドレス:“https://auctions.yahoo.co.jp/special/html/exhibit_agency/”
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100174986
【弁理士】
【氏名又は名称】林 康旨
(72)【発明者】
【氏名】萱畑 洋平
【審査官】
上田 威
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−115215(JP,A)
【文献】
国際公開第03/098510(WO,A1)
【文献】
特開2001−312621(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して行われる利用者間の商取引を管理する商取引管理部と、
前記商取引に参加する利用者の情報である利用者情報を管理し、利用者について本人確認が行われた場合、本人確認済を示す情報を、前記利用者情報における前記本人確認が行われた利用者のレコードに登録する利用者情報管理部と、を備え、
前記商取引管理部は、
前記利用者のうち前記商取引に出品しようとする出品者から出品作業代行の依頼を受け付けた場合、前記利用者情報における前記出品者のレコードに前記本人確認済を示す情報が登録されているか否かを判定し、登録されている場合に、前記出品者について本人確認を要求することなく前記出品作業代行のための処理を行い、
前記出品作業代行を依頼した出品者の識別情報を所定の変換規則で変換した変換済識別情報を、出品代行のための作業を行う作業者の端末装置に通知し、
前記作業者の端末装置に対して前記変換済識別情報の入力が行われたことを条件として、前記出品作業代行による商取引を開始する、
管理装置。
【請求項2】
前記商取引管理部は、前記出品作業代行による出品を管理する場合、前記出品作業代行を依頼した出品者の識別情報を使用して商取引を管理する、
請求項1記載の管理装置。
【請求項3】
前記商取引管理部は、前記出品作業代行により出品された商品またはサービスを表示する画面を利用者の端末装置に提供する場合、前記出品作業代行を依頼した出品者の識別情報を含めて前記利用者の端末装置に提供する、
請求項2記載の管理装置。
【請求項4】
前記商取引管理部は、前記出品作業代行により出品された商品またはサービスを表示する画面を利用者の端末装置に提供する場合、出品作業代行中を示す情報を含めて前記利用者の端末装置に提供する、
請求項3記載の管理装置。
【請求項5】
前記商取引管理部は、
前記作業者の端末装置において入力された変換済識別情報に対して、前記所定の変換規則の逆変換を行って得られる前記出品作業代行を依頼した出品者の識別情報を、前記出品作業代行により出品された商品またはサービスを表示する画面に含めて前記利用者の端末装置に提供する、
請求項3または4記載の管理装置。
【請求項6】
前記商取引管理部は、前記出品作業代行により出品された商品またはサービスが落札された場合、出品手数料と代行手数料を合わせて収受するための処理を行う、
請求項1から5のうちいずれか1項記載の管理装置。
【請求項7】
前記商取引管理部は、前記出品作業代行により出品された商品またはサービスが落札された場合、落札額から出品手数料と代行手数料を差し引いた額が前記出品者に振り込まれるように決済サーバに指示する、
請求項4記載の管理装置。
【請求項8】
前記商取引管理部は、前記出品作業代行を依頼した出品者から出品内容の変更を受け付けた場合、前記出品作業代行を依頼せずに出品した出品者から出品内容の変更を受け付けた場合に比して、変更可能な内容を制限する、
請求項1から7のうちいずれか1項記載の管理装置。
【請求項9】
前記商取引管理部は、前記出品作業代行による出品の出品情報に対して、出品作業代行フラグを設定して記憶部に記憶させ、前記出品作業代行フラグを参照して商取引の一部の内容の更新を管理する、
請求項1から8のうちいずれか1項記載の管理装置。
【請求項10】
ネットワークを介して行われる利用者間の商取引を管理する商取引管理部と、
前記商取引に参加する利用者の情報である利用者情報を管理し、利用者について本人確認が行われた場合、本人確認済を示す情報を、前記利用者情報における前記本人確認が行われた利用者のレコードに登録する利用者情報管理部と、を備え、
前記商取引管理部は、
前記利用者のうち前記商取引に出品しようとする出品者から出品作業代行の依頼を受け付けた場合、前記利用者情報における前記出品者のレコードに前記本人確認済を示す情報が登録されているか否かを判定し、登録されている場合に、前記出品者について本人確認を要求することなく前記出品作業代行のための処理を行い、
前記出品作業代行を依頼した出品者から出品内容の変更を受け付けた場合、前記出品作業代行を依頼せずに出品した出品者から出品内容の変更を受け付けた場合に比して、変更可能な内容を制限する、
管理装置。
【請求項11】
コンピュータが、
ネットワークを介して行われる利用者間の商取引を管理し、
前記商取引に参加する利用者の情報である利用者情報を管理し、
利用者について本人確認が行われた場合、本人確認済を示す情報を、前記利用者情報における前記本人確認が行われた利用者のレコードに登録し、
前記利用者のうち前記商取引に出品しようとする出品者から出品作業代行の依頼を受け付けた場合、前記利用者情報における前記出品者のレコードに前記本人確認済を示す情報が登録されているか否かを判定し、登録されている場合に、前記出品者について本人確認を要求することなく前記出品作業代行のための処理を行い、
前記出品作業代行を依頼した出品者の識別情報を所定の変換規則で変換した変換済識別情報を、出品代行のための作業を行う作業者の端末装置に通知し、
前記作業者の端末装置に対して前記変換済識別情報の入力が行われたことを条件として、前記出品作業代行による商取引を開始する、
管理方法。
【請求項12】
コンピュータが、
ネットワークを介して行われる利用者間の商取引を管理し、
前記商取引に参加する利用者の情報である利用者情報を管理し、
利用者について本人確認が行われた場合、本人確認済を示す情報を、前記利用者情報における前記本人確認が行われた利用者のレコードに登録し、
前記利用者のうち前記商取引に出品しようとする出品者から出品作業代行の依頼を受け付けた場合、前記利用者情報における前記出品者のレコードに前記本人確認済を示す情報が登録されているか否かを判定し、登録されている場合に、前記出品者について本人確認を要求することなく前記出品作業代行のための処理を行い、
前記出品作業代行を依頼した出品者から出品内容の変更を受け付けた場合、前記出品作業代行を依頼せずに出品した出品者から出品内容の変更を受け付けた場合に比して、変更可能な内容を制限する、
管理方法。
【請求項13】
コンピュータに、
ネットワークを介して行われる利用者間の商取引を管理させ、
前記商取引に参加する利用者の情報である利用者情報を管理させ、
利用者について本人確認が行われた場合、本人確認済を示す情報を、前記利用者情報における前記本人確認が行われた利用者のレコードに登録させ、
前記利用者のうち前記商取引に出品しようとする出品者から出品作業代行の依頼を受け付けた場合、前記利用者情報における前記出品者のレコードに前記本人確認済を示す情報が登録されているか否かを判定し、登録されている場合に、前記出品者について本人確認を要求することなく前記出品作業代行のための処理を行わせ、
前記出品作業代行を依頼した出品者の識別情報を所定の変換規則で変換した変換済識別情報を、出品代行のための作業を行う作業者の端末装置に通知し、
前記作業者の端末装置に対して前記変換済識別情報の入力が行われたことを条件として、前記出品作業代行による商取引を開始させる、
プログラム。
【請求項14】
コンピュータに、
ネットワークを介して行われる利用者間の商取引を管理させ、
前記商取引に参加する利用者の情報である利用者情報を管理させ、
利用者について本人確認が行われた場合、本人確認済を示す情報を、前記利用者情報における前記本人確認が行われた利用者のレコードに登録させ、
前記利用者のうち前記商取引に出品しようとする出品者から出品作業代行の依頼を受け付けた場合、前記利用者情報における前記出品者のレコードに前記本人確認済を示す情報が登録されているか否かを判定し、登録されている場合に、前記出品者について本人確認を要求することなく前記出品作業代行のための処理を行わせ、
前記出品作業代行を依頼した出品者から出品内容の変更を受け付けた場合、前記出品作業代行を依頼せずに出品した出品者から出品内容の変更を受け付けた場合に比して、変更可能な内容を制限させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークを介して行われるオークション(競売)において、出品を代行するサービスが提供されている。これに関連し、出品者がオークション代行業者に依頼品を依頼する手段と、依頼した品物の出品状況を閲覧または確認する手段と、出品中における出品金額の変更及び修正依頼を伝達する手段と、落札された後の、落札者との取引が成立するまでの進捗状況を確認する手段と、取引成立時に依頼手数料と受取手数料の支払明細を確認する手段と、取引不成立時の処置などを確認及び出品者に指示ができる手段と、不良品などによる瑕疵についての状況及び瑕疵負担額などを確認する手段と、出品者の顧客データベース(氏名、生年月日、年齢、性別、連絡先、住所、身分証明書、口座番号、メールアドレス、ポイント、メールマガジン購読など)へのアクセス及び編集を行える手段を備えたインターネットオークション代行依頼システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−115215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のオークションの出品代行サービスでは、出品代行依頼の度に厳格な出品者の本人確認が必要であり、出品者は煩わしさを覚える場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、利便性を向上させることができる管理装置、管理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、ネットワークを介して行われる利用者間の商取引を管理する商取引管理部と、前記商取引に参加する利用者の情報である利用者情報を管理する利用者情報管理部と、を備え、前記商取引管理部は、前記利用者のうち前記商取引に出品しようとする出品者から出品作業代行の依頼を受け付けた場合、前記利用者情報を参照し、前記出品者について過去に行われた本人確認の結果を援用する、管理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】オークション管理装置100の構成および使用環境の一例を示す図である。
【
図2】利用者DB172の内容の一例を示す図である。
【
図3】商品等DB174の内容の一例を示す図である。
【
図4】転置インデックス176の内容の一例を示す図である。
【
図5】オークション管理部110により提供されるオークション画面IM1、IM2、およびIM3の一例を示す図である。
【
図6】オークション管理部110により提供されるオークション画面IM2、IM4、およびIM5の一例を示す図である。
【
図7】出品作業代行の流れを模式的に示す図である。
【
図8】オークション管理部110により提供されるオークション画面IM6の一例を示す図である。
【
図9】オークション管理部110により提供されるオークション画面IM7の一例を示す図である。
【
図10】オークション管理部110により実行される全体的な処理のうち出品に係る処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】出品後の出品内容の変更に関してオークション管理部110により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】商品等の落札時にオークション管理部110により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の管理装置、管理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。管理装置は、一以上のプロセッサにより実現される。管理装置は、ネットワークを介して行われるオークションやフリーマーケット等の利用者間の商取引を管理する装置である。以下の説明では、管理装置はオークションを管理する装置であるものとし、「オークション管理装置」と称して説明するが、管理装置は、オークションとフリーマーケットの双方を管理する装置であってもよく、専らフリーマーケットを管理する装置であってもよい。オークション管理装置は、ブラウザやアプリケーションプログラムによって再生されるオークションサイトを端末装置に提供する。オークション管理装置は、オークションサイトに対してなされた商品またはサービス(以下、商品等)の出品作業代行依頼に応じて、通常の出品であればオークションの出品者が行う作業を、代行者が代行するための処理を行う。この際に、オークション管理装置は、利用者情報を参照し、出品者について過去に行われた本人確認の結果を援用する。これによって、オークション管理装置は、出品者にとっての利便性を向上させることができる。
【0010】
[全体構成]
図1は、オークション管理装置100の構成および使用環境の一例を示す図である。この使用環境において、オークション管理装置100は、一以上の端末装置10および認証サーバ200と、ネットワークNWを介して通信を行う。端末装置10、オークション管理装置100、および認証サーバ200は、ネットワークNWに接続するためのインターフェースを備える。ネットワークNWは、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)などを含む。
【0011】
[端末装置]
端末装置10は、オークションの出品者や入札者(これから出品または入札しようとするユーザも含む)によって使用される。端末装置10は、例えば、スマートフォンなどの携帯電話、パーソナルコンピュータ、タブレット端末などである。端末装置10では、アプリケーションプログラムやブラウザなどのUA(User Agent)が起動し、オークション管理装置100に対して画像の要求、クエリの送信、その他の処理を行う。
【0012】
出品者の使用する端末装置10からは、出品する商品等に関するデータがオークション管理装置100に送信される。入札者の使用する端末装置10からは、入札者が興味のある商品を検索するためのクエリ、入札する旨の意思を示す情報、入札額などがオークション管理装置100に送信される。また、出品者、入札者共に、オークションを利用する際にはユーザIDとパスワードによるログインが要求される。
【0013】
[オークション管理装置]
オークション管理装置100は、例えば、オークション管理部(オークションマスタ;「商取引管理部」の一例)110と、利用者データ管理部(「利用者情報管理部」の一例)120と、商品等データ管理部130と、検索実行部140と、ランキング処理部150と、記憶部170とを備える。記憶部170には、利用者DB(データベース)172、商品等DB174、転置インデックス176などの情報が格納される。利用者DB172は、利用者情報の一例である。記憶部170以外の構成要素は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0014】
オークション管理部110は、端末装置10に対してネットオークションサービスを提供する。オークション管理部110は、利用者がログインしようとすると、利用者の入力したユーザIDおよびパスワードを認証サーバ200に送信する。認証サーバ200は、内部に保持している認証用情報を参照し、ユーザIDおよびパスワードが正しいか否かを判定し、正しい場合に、ログイン許可情報をオークション管理装置100に送信する。これによって、利用者のログインが完了する。
【0015】
利用者データ管理部120は、利用者DB172を使用して、利用者のログイン状況、その他の情報を管理する。
図2は、利用者DB172の内容の一例を示す図である。利用者DB172は、例えば、ユーザIDに対して、ログイン状態、オークション出品状態、オークション入札状態、本人確認済フラグなどが対応付けられた情報である。本人確認済フラグとは、ユーザIDにより示される利用者について、オークションの初回利用時に要求される本人確認が済んでいることを示す情報である。
【0016】
また、オークション管理部110は、オークションに関する種々の情報を、ソースデータとして商品等データ管理部130に提供する。ソースデータには、出品者から提供されたデータの他、オークションの進捗に関するデータなどが含まれる。ソースデータには、出品された商品の識別情報であるドキュメントIDが付与されている。ドキュメントIDは、オークションIDとしても使用されてもよいし、先に発行されたオークションIDがドキュメントIDとして使用されてもよい。また、オークション管理部110は、入札者の端末装置10から受信したクエリを用いた検索を、検索実行部140に依頼する。
【0017】
商品等データ管理部130は、ソースデータを適宜加工して商品等DB174に登録する。
図3は、商品等DB174の内容の一例を示す図である。商品等DB174には、例えば、商品等の識別情報であるドキュメントIDに対して、カテゴリ、タイトル、詳細説明、画像URL(Uniform Resource Locator)、価格、入札数、お気に入り登録数、出品作業代行フラグなどが対応付けられた情報である。
【0018】
カテゴリは、階層的に分類される商品等のカテゴリである。タイトルは、例えば、商品等の紹介ページに表示されるテキスト情報であって、紹介ページの上部など目立つ位置に表示されるテキスト情報である。詳細説明は、商品等の紹介ページに表示されるテキスト情報であって、タイトルとは異なる位置に表示されるテキスト情報である。タイトルおよび詳細説明は、例えば、出品者によって入力される。
【0019】
画像URLは、商品等の画像を参照するためのURL(参照情報)である。価格は、現時点での最高入札額である。未入札である場合、出品者により設定された最低入札額が価格の項目に格納される。入札数は、商品に入札した入札者の数である。お気に入り登録数は、その商品等のオークションページをお気に入りに登録しているユーザの数である。出品作業代行フラグは、出品作業代行によって出品されたことを示す情報である。
【0020】
また、商品等データ管理部130は、検索実行部140による検索を高速化するために、転置インデックス176を生成する。
図4は、転置インデックス176の内容の一例を示す図である。転置インデックス176は、クエリとなり得る単語に対して、ドキュメントIDが対応付けられた情報である。商品等データ管理部130は、その単語或いは類似する単語をタイトルに含む商品等、或いは、画像からその単語に該当すると推定される商品等のドキュメントIDを、転置インデックス176に登録する。類似する単語の判定には、テキストを分散表現化したベクトルが使用されてよい。
【0021】
検索実行部140は、転置インデックス176を用いて、入札者の端末装置10から依頼された検索を実行する。例えば、入札者の端末装置10からクエリ「テレビ」について検索を依頼された場合、検索実行部140は、転置インデックス176からドキュメントID=001、005、…を取得する。そして、検索実行部140は、ドキュメントID=001、005、…である商品等の情報を商品等DB174から抽出する。
【0022】
ランキング処理部150は、検索実行部140により抽出された商品に対して、所定の基準によって順位付けを行うと共に、上位のk個の商品を選択する(kは任意の自然数)。そして、選択したk個の商品の情報を、順位付けの情報と共にオークション管理部110に提供する。オークション管理部110は、ランキング処理部150から取得した情報に基づいて検索結果画面を表示するための情報を入札者の端末装置10に送信する。ランキング処理部150による順位付けの手法としては、種々のものが採用され得る。例えば、ランキング処理部150は、入札数が多い商品に高いスコアを付与してよい。また、ランキング処理部150は、お気に入り登録数が多い商品に高いスコアを付与してよい。また、ランキング処理部150は、価格が安い商品に高いスコアを付与してよい。
【0023】
[出品作業代行のための処理について]
(画面遷移例)
以下、本実施形態による出品作業代行のための処理について説明する。
図5は、オークション管理部110により提供されるオークション画面IM1、IM2、およびIM3の一例を示す図である。オークション画面IM1は、オークションサイトのポータル画面に近い上位階層の画面である。オークション画面IM1には、例えば、クエリを入力し、検索を指示するための検索入力欄A1、商品等を出品するための画面への遷移を指示するための出品ボタンB1−1、出品作業代行を依頼するための出品作業代行ボタンB1−2などが設定されている。なお、出品作業代行ボタンB1−2は、必ずしもオークション画面IM1に設けられている必要は無く、出品ボタンB1−1を操作した場合に遷移する画面などに設けられてもよい。
【0024】
出品ボタンB1−1が操作されると、本人確認を出品者に依頼するためのオークション画面IM2に遷移する。オークション画面IM2には、本人確認の方法を説明し、出品者に選択させるための本人確認方法選択領域A2が設定される。利用者データ管理部120は、オンラインまたはオフラインによって本人確認が完了すると、利用者DB172における、対象となる出品者(利用者)のユーザIDに対応する本人確認済フラグを「済」に変更する。オークション管理部110は、本人確認済フラグを参照し、「済」になっている出品者についてはオークション画面IM2の提供をスキップする。モバイル確認とは、予めユーザIDの発行時などに登録され、或いは本人確認時に入力された利用者のキャリアメールのアドレスにURLを含む電子メールを送信し、そのURLを利用者が操作することで完了する態様で行われる、オンラインでの本人確認である。コピー送付とは、免許証等のコピーを郵送する態様で行われる、オフラインでの本人確認である。この場合、利用者データ管理部120は、本人確認を行った作業者の入力に応じて、本人確認済フラグを「済」に変更する。
【0025】
本人確認が済んでいる状態でオークション画面IM1の出品ボタンB1−1が操作され、或いは出品ボタンB1−1が操作された後にオンラインで本人確認が完了すると、オークション画面IM3に遷移する。オークション画面IM3には、商品等のタイトルを入力するためのタイトル入力領域A3−1、商品等の詳細説明を入力するための詳細説明入力領域A3−2が設けられる他、商品等の画像を登録したり、オークション条件を入力するための各種インターフェースが設けられる。
【0026】
図6は、オークション管理部110により提供されるオークション画面IM2、IM4、およびIM5の一例を示す図である。オークション画面IM1において出品作業代行ボタンB1−2が操作された場合も、オークション画面IM2に遷移する。但し、オークション管理部110は、本人確認済フラグを参照し、「済」になっている出品者についてはオークション画面IM2の提供をスキップする。
【0027】
本人確認が済んでいる状態でオークション画面IM1の出品作業代行ボタンB1−2が操作され、或いは出品作業代行ボタンB1−2が操作された後にオンラインで本人確認が完了すると、オークション画面IM4に遷移する。オークション画面IM4には、出品者が希望する最低価格、出品する商品等の種類、送付条件、住所(過去の入力内容を援用可)等を入力するための条件入力領域A4、入力された条件で出品作業代行を依頼するための依頼ボタンB4などが設定される。送付条件には、例えば、集荷、段ボール返送などが設定されている。送付条件のうち、集荷とは、集配業者が出品者の指定する場所まで荷物を取りに行くことを指定するものである。返送とは、オークション管理会社まで荷物を返送することを指定するものである。
【0028】
いずれの場合でも、例えば、オークション管理会社から出品者に対して、管理IDなどが印刷された伝票と段ボールなどの梱包材が送付され、出品者は商品等を梱包して伝票を付与した状態で集配業者に渡し、或いは送付する。そうでない場合については後述する。
【0029】
依頼ボタンB4が操作されると、オークション画面IM5に遷移する。オークション画面IM5には、オークション管理部110によって発行された管理IDなどが表示される。管理IDは、一回の出品作業代行依頼に対して発行される識別情報であり、オークション管理部110は、オークション画面IM4に対して入力された情報と管理IDとを対応付けて記憶部170に保持しておく。
【0030】
(出品作業代行の流れ)
図7は、出品作業代行の流れを模式的に示す図である。まず、(1)出品者Exが、端末装置10を操作して出品作業代行依頼をオークション管理装置100に送信する。(2)オークション管理装置100を運営するオークション管理会社は、上記のような伝票と段ボールなどの梱包材を出品者Exに送付する。(3)出品者Exは、商品を梱包材に梱包し、伝票と共にオークション管理会社に返信する。(4)オークション管理装置100は、商品の返信確認が管理IDと共に入力されたのを契機として、仮IDを発行し、出品者のユーザIDを所定の変換規則で変換した変換済ユーザIDを、作業者Opの端末装置100−1に出力する。更に、オークション管理装置100は、伝票に印刷されていた管理IDに対応する情報(最低価格など)を記憶部170から読み出し、作業者Opの端末装置100−1に出力する。(5)作業者Opは、仮IDと変換済ユーザIDを入力し、更に、最低価格などを入力し、オークションを開始させる。このとき、オークション管理部110によってオークションIDが発行される。(6)オークション管理装置100は、プッシュ通知機能を用いて、或いは電子メールによって出品者Exの端末装置にオークションIDを通知する。
【0031】
(出品作業代行の受付画面)
図8は、オークション管理部110により提供されるオークション画面IM6の一例を示す図である。オークション画面IM6は、出品作業代行の受付画面である。本図に示す画面に遷移する前に、作業者Opは、仮IDでログインを済ませている。オークション画面IM6には、商品等のタイトルを入力するためのタイトル入力領域A6−1、商品等の詳細説明を入力するための詳細説明入力領域A6−2が設けられる他、商品等の画像を登録したり、オークション条件を入力するための各種インターフェース、変換済IDを入力するための変換済ID入力欄A6−3が設定される。
【0032】
(出品作業代行によるオークション画面)
図9は、オークション管理部110により提供されるオークション画面IM7の一例を示す図である。オークション画面IM7は、例えば、
図5に示すオークション画面IM1などで特定の商品等が選択された場合に表示される。オークション画面IM7には、商品等の画像が表示される領域A7−1、オークションID等の諸情報が表示される領域A7−2、現在価格が表示され、入札ボタンが設定された領域A7−3、出品者情報等が表示される領域A7−4等が含まれる。領域A7−4の出品者表示欄A7−4−1に表示される出品者は、代行出品を依頼した出品者(
図7における出品者Ex)のユーザIDであり、出品作業代行により出品された商品等であることが領域A7−4−2に表示される。オークション管理部110は、
図8のオークション画面IM6の変換済ID入力欄A6−3に入力された変換済IDを逆変換し、出品作業代行の依頼者のユーザIDに戻し、出品者表示欄A7−4−1に表示させる。これによって、作業者Opが出品作業代行の依頼者のユーザIDを知ることなく処理を進めることができるため、利用者のプライバシー保護を強化することができる。また、入札者は、領域A7−4−2の表示によって、出品作業代行によって出品された商品等であることを認識することができる。
【0033】
(処理フロー)
図10は、オークション管理部110により実行される全体的な処理のうち出品に係る処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0034】
まず、オークション管理部110は、出品者から出品作業代行依頼を受けたか否かを判定する(S200)。出品作業代行依頼を受けた場合、オークション管理部110は、利用者DB172を参照し、出品作業代行依頼をした出品者の本人確認が済んでいるか否かを判定する(S202)。本人確認が済んでいない場合、オークション管理部110は、出品者に本人確認を要求する(S204)。本人確認の詳細については前述の通りである。
【0035】
本人確認が済んでいる場合、オークション管理部110は、出品作業代行依頼の受付画面(例えば
図6のオークション画面IM4)を提供し(S206)、依頼内容が入力されると、仮IDを発行し、出品者のユーザIDをID変換して、仮IDと変換済IDを作業者(
図7の作業者Opの端末装置100−1に通知する(S208、S210)。
【0036】
S200において出品作業代行依頼を受けていないと判定された場合、オークション管理部110は、出品者(ここでは出品作業代行依頼に係る作業者Opを含む)から出品依頼を受けたか否かを判定する(S212)。出品依頼を受けていない場合、本フローチャートの1ルーチンの処理が終了する。
【0037】
出品依頼を受け付けた場合、オークション管理部110は、出品作業代行による出品依頼であるか否かを判定する(S214)。オークション管理部110は、例えば、仮IDのリストを記憶部170に保持しており、リストを参照して代行による出品作業代行依頼による出品依頼であるか否かを判定する。或いは、オークション管理部110は、
図5のオークション画面IM1のB1−1が操作された後に遷移する画面(不図示)においてなされた選択操作に基づいて、代行による出品依頼であるか否かを判定してもよい。
【0038】
出品作業代行による出品依頼でない場合、オークション管理部110は、利用者DB172を参照し、出品者の本人確認が済んでいるか否かを判定する(S216)。本人確認が済んでいない場合、オークション管理部110は、出品者に本人確認を要求する(S204)。本人確認が済んでいる場合、オークション管理部110は、通常の出品受付画面(例えば
図5のオークション画面IM3)を出品者に提供する(S218)。
【0039】
S220において出品作業代行による出品依頼であると判定した場合、オークション管理部110は、出品作業代行用の出品受付画面(例えば
図8のオークション画面IM6)を出品者(作業者Op)に提供する(S220)。前述のように、作業者Opは、変換済IDを入力する。オークション管理部110は、作業者Opにより入力された変換済IDを逆変換して出品作業代行の依頼者のユーザIDに戻し、出品作業代行の依頼者を出品者として扱ってオークションを開始させる。具体的に、オークション管理部110は、出品作業代行の依頼者を出品者として、商品等データ管理部130に、商品等DB174における当該オークションのレコード(出品情報)を生成させ、出品作業代行フラグに1を設定させる。
【0040】
図11は、出品後の出品内容の変更に関してオークション管理部110により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、オークション管理部110は、出品内容の変更依頼を受け付けたか否かを判定する(S300)。出品内容の変更依頼を受け付けていない場合は本フローチャートの1ルーチンの処理が終了される。
【0041】
出品内容の変更依頼を受け付けた場合、オークション管理部110は、出品作業代行による商品等に関する依頼であるか否かを判定する(S302)。出品作業代行による商品等に関する依頼でない場合、オークション管理部110は、出品内容の変更を受け付ける(S304)。一方、出品作業代行による商品等に関する依頼である場合、オークション管理部110は、出品内容の変更を制限する(S306)。出品内容の変更を制限するとは、例えば、商品に付されるコメントや画像の変更は受け付けるが、決済方法の変更は受け付けないといったこと、或いは出品内容の変更を原則として受け付けないことを意味する。これによって、出品作業代行の現場が混乱するのを抑制することができる。
【0042】
図12は、商品等の落札時にオークション管理部110により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、オークション管理部110は、商品等の落札が決定した否かを判定する(S400)。落札が決定していない場合は本フローチャートの1ルーチンの処理が終了される。落札が決定した場合、オークション管理部110は、出品作業代行による商品等が落札されたか否かを判定する(S402)。オークション管理部110は、商品等DB174における当該オークションのレコードの出品作業代行フラグを参照し、S402の判定を行う。出品作業代行による商品等が落札されたのではなく、通常出品による商品等が落札された場合、オークション管理部110は、出品者の評価を受け付ける画面を作成して落札者に提供し(S404)、落札額に基づいて出品手数料の決済を、決済サーバ(不図示)に依頼する(S406)。
【0043】
一方、出品作業代行による商品等が落札された場合、オークション管理部110は、出品者の評価を受け付ける画面を提供せず、出品手数料と代行手数料を合わせて、決済を決済サーバに依頼する(S408)。すなわち、オークション管理部110は、出品手数料と代行手数料を合わせて収受するための処理を行う。より具体的に、オークション管理部110は、落札額から出品手数料と代行手数料を差し引いた額が出品者に振り込まれるように決済サーバに依頼する。これによって、出品者が、出品手数料と代行手数料を別々に支払わなければならないという煩わしさを解消することができる。なお、オークション管理部110は、出品作業代行者の評価という形で、出品者の評価を受け付ける画面を提供してもよい。
【0044】
また、出品作業代行による商品等が落札された場合、オークション管理部110は、出品者(出品作業代行を依頼した利用者)のユーザIDでは、落札者への連絡や、取引を進める手続きを行えないようにし、落札後の進捗のみ参照できるようにする。
【0045】
[まとめ]
ネットワークを介して行われるオークションにおいて、出品者は、落札者と連絡をとり、商品等を発送する等の作業を行う必要があった。出品者にとって、見ず知らずの落札者と連絡をとること自体が躊躇われるものであるのに加えて、出品の度に本人確認が必要となるのが煩わしいため、出品の意図を示した(出品依頼を行った)にも拘わらず、出品完了まで作業を行わない利用者が一定割合で存在している。
【0046】
これに対し、実施形態のオークション管理装置100によれば、本人確認が行われると利用者DB172の本人確認済フラグに「済」の情報を設定しておき、以降は、既に行われた本人確認の結果を援用して処理を進めるため、出品者にとっての利便性を向上させ、ひいてはネットワークを介して行われる経済活動を活発にすることができる。もとより、出品作業代行サービスを提供することによって、出品者が手を煩わせることなく取引しやすくなるという効果を奏することができる。
【0047】
[変形例]
上記の説明では、オークション管理会社から出品者に対して、管理IDなどが印刷された伝票が送付されるものとしたが、これに代えて、オークション管理会社から出品者に対して、管理IDなどがエンコードされたコード情報(QRコード(登録商標)やバーコードなど)を表示するための電子メールやプッシュ通知などが送付されるようにしてもよい。また、出品作業代行を依頼した出品者の端末装置10に表示されたコード情報を、当該出品者のスマートフォンなどで読み取るようにしてもよい。この場合、出品者が、スマートフォンなどにコード情報を表示させ、集荷業者のPOS端末がコード情報を読み込むことで、管理IDやオークション管理会社の住所などが集荷業者に伝わるようにすることができる。この場合、集荷業者のPOS端末が住所を印刷したシールなどを作成可能であり、シールが荷物に貼付されることでオークション管理会社に配達されるようにしてもよい。また、集荷業者に対して集荷日時、集荷先情報、および管理IDが通知され、集荷業者がこれらの情報を認識した上で出品者の所望の場所に集荷に訪れ、荷物を回収し、管理IDの情報を添えてオークション管理会社に届けるようにしてもよい。
【0048】
また、出品作業代行の作業者Opに仮IDを発行するものとして説明したが、これに代えて、作業者Opは、固定的な特権IDで作業をするようにしてもよい。
【0049】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0050】
10 端末装置
100 オークション管理装置
110 オークション管理部
120 利用者データ管理部
130 商品等データ管理部
140 検索実行部
150 ランキング処理部
170 記憶部
172 利用者DB
174 商品等DB
176 転置インデックス
【要約】
【課題】利便性を向上させることができる管理装置、管理方法、およびプログラムを提供すること。
【解決手段】ネットワークを介して行われる利用者間の商取引を管理する商取引管理部と、前記商取引に参加する利用者の情報である利用者情報を管理する利用者情報管理部と、を備え、前記商取引管理部は、前記利用者のうち前記商取引に出品しようとする出品者から出品作業代行の依頼を受け付けた場合、前記利用者情報を参照し、前記出品者について過去に行われた本人確認の結果を援用する、管理装置。
【選択図】
図10