(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の第1電池モジュール、及び、前記複数の第1電池モジュールに関する情報であるモジュール情報を検出するとともにそれぞれが第1監視識別情報を有する複数の第1監視部を含む第1電池系統と、
複数の第2電池モジュール、及び、前記複数の第2電池モジュールに関する情報であるモジュール情報を検出するとともにそれぞれが第2監視識別情報を有する複数の第2監視部を含む第2電池系統と、
電池管理部と、
を備え、
前記電池管理部は、
前記第1監視識別情報と前記モジュール情報とを含む第1下位通信フレームを前記第1監視部から受信し、
前記第2監視識別情報と前記モジュール情報とを含む第2下位通信フレームを前記第2監視部から受信し、
前記第1電池系統及び前記第2電池系統のそれぞれに付与された系統識別情報と前記第1監視識別情報及び前記第2監視識別情報とに基づいて前記複数の第1監視部及び前記複数の第2監視部のそれぞれに付与した個別識別情報と、前記個別識別情報に対応する前記第1監視部または前記第2監視部が検出した前記モジュール情報とを含み、前記第1下位通信フレーム及び前記第2下位通信フレームよりもデータ量の多い上位通信フレームを、前記電池管理部の上位装置に送信する
蓄電池装置。
前記電池管理部は、予め定められた規則に沿って配列された複数のモジュール情報と、前記複数のモジュール情報のいずれかに対応する前記個別識別情報を1つ含む前記上位通信フレームを前記上位装置に送信する
請求項1に記載の蓄電池装置。
複数の第1電池モジュール、及び、前記複数の第1電池モジュールに関する情報であるモジュール情報を検出するとともにそれぞれが第1監視識別情報を有する複数の第1監視部を含む第1電池系統の前記第1監視部から前記モジュール情報及び前記第1監視識別情報を含む第1下位通信フレームを取得して、
複数の第2電池モジュール、及び、前記複数の第2電池モジュールに関する情報であるモジュール情報を検出するとともにそれぞれが第2監視識別情報を有する複数の第2監視部を含む第2電池系統の前記第2監視部から前記モジュール情報及び前記第2監視識別情報を含む第2下位通信フレームを取得して、
前記第1電池系統及び前記第2電池系統のそれぞれに付与された系統識別情報を取得して、
前記系統識別情報と前記第1監視識別情報及び前記第2監視識別情報とに基づいて前記複数の第1監視部及び前記複数の第2監視部のそれぞれに個別識別情報を付与して、
前記個別識別情報と、前記個別識別情報に対応する前記第1監視部または前記第2監視部が検出した前記モジュール情報とを含み、前記第1下位通信フレーム及び前記第2下位通信フレームよりもデータ量の多い上位通信フレームを、前記第1電池系統及び前記第2電池系統の上位装置に送信する
蓄電池装置の制御方法。
複数の第1電池モジュール及び前記複数の第1電池モジュールに関する情報であるモジュール情報を検出するとともに第1監視識別情報を有する複数の第1監視部を含む第1電池系統の前記第1監視部から前記モジュール情報及び前記第1監視識別情報を含む第1下位通信フレームを取得して、複数の第2電池モジュール及び前記複数の第2電池モジュールに関する情報であるモジュール情報を検出するとともに第2監視識別情報を有する複数の第2監視部を含む第2電池系統の前記第2監視部から前記モジュール情報及び前記第2監視識別情報含む第2下位通信フレームを取得して、前記第1電池系統及び前記第2電池系統のそれぞれに付与された系統識別情報を取得する取得部と、
前記系統識別情報と前記第1監視識別情報及び前記第2監視識別情報とに基づいて前記複数の第1監視部及び前記複数の第2監視部のそれぞれに付与した個別識別情報と、前記個別識別情報に対応する前記第1監視部または前記第2監視部が検出した前記モジュール情報とを含み、前記第1下位通信フレーム及び前記第2下位通信フレームよりもデータ量の多い上位通信フレームを、前記第1電池系統及び前記第2電池系統の上位装置に送信する処理部と、
してコンピュータを機能させるプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の例示的な実施形態や変形例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、同様の構成要素には共通の符号が付されるとともに、重複する説明が部分的に省略される。実施形態や変形例に含まれる部分は、他の実施形態や変形例の対応する部分と置き換えて構成されることができる。また、実施形態や変形例に含まれる部分の構成や位置等は、特に言及しない限りは、他の実施形態や変形例と同様である。
【0009】
<実施形態>
図1は、実施形態の蓄電池システム10の全体構成図である。蓄電池システム10は、変圧器等を介して、外部の商用電源等の電力系統に接続されて、電力系統に電力を放電するとともに、電力系統から供給された電力を充電する。
図1に示すように、蓄電池システム10は、電力変換部(PCS:Power Conditioning System)12と、電池端子盤14と、組電池ユニット16を有する1または複数(例えば、16個)の蓄電池装置18とを備える。
【0010】
電力変換部12は、外部の電力系統に接続されている。電力変換部12は、蓄電池装置18から供給された直流電力を、電力系統に合わせた周波数及び電圧の交流電力に変換して、電力系統に放電する。電力変換部12は、電力系統から供給された交流電力を、蓄電池装置18が充電可能な電圧の直流電力に変換して、蓄電池装置18に供給する。電力系統から供給される交流電力の一例は、電圧が6.6kVであり、周波数が50Hzである。電力変換部12は、第1通信規格に沿った制御通信線L1に接続されている。第1通信規格の一例は、ISO15765を拡張したKWP2000 on Ethernet(登録商標)である。電力変換部12は、無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power System)20を有する。無停電電源装置20は、制御電源線L2に接続されている。無停電電源装置20は、外部の電力系統からの電力供給が停止した状態でも、一定の期間、蓄電池装置18に電力を供給する。
【0011】
電池端子盤14は、1または複数のスイッチ回路22と、マスター制御装置24とを有する。
【0012】
スイッチ回路22の個数は、蓄電池装置18の個数と同じである。各スイッチ回路22は、いずれかの蓄電池装置18に対応付けて設けられている。各スイッチ回路22は、正極側スイッチング部材SWp及び負極側スイッチング部材SWnを有する。スイッチング部材SWp、SWnは、例えば、手動で開閉操作される。正極側スイッチング部材SWpは、1個の蓄電池装置18に含まれる全ての組電池ユニット16の正極側端子Tpと、電力変換部12とを接続または遮断する。負極側スイッチング部材SWnは、1個の蓄電池装置18に含まれる全ての組電池ユニット16の負極側端子Tnと、電力変換部12とを接続または遮断する。組電池ユニット16の正極側端子Tp及び負極側端子Tnについては、後述する。一方のスイッチング部材SWpと、他方のスイッチング部材SWnとの間の電圧は、例えば、490Vから778V程度になるように設定されている。
【0013】
マスター制御装置24は、例えば、外部と通信を行うための送受信器と、プログラムを実行するマイクロプロセッサと、記憶装置とを有するコンピュータである。マスター制御装置24は、組電池ユニット16の状態を監視して、制御する。マスター制御装置24は、電力変換部12に接続された制御通信線L1及び無停電電源装置20に接続された制御電源線L2に接続されている。マスター制御装置24は、制御通信線L1を介して、電力変換部12と制御情報を第1通信規格によって送受信する。マスター制御装置24は、制御電源線L2を介して、停電時等に無停電電源装置20から供給される電力を蓄電池装置18へ供給する。
【0014】
蓄電池装置18は、直流電源装置26と、ゲートウエイ装置28と、1または複数の組電池ユニット16とを有する。
【0015】
直流電源装置26は、制御電源線L2を介して、マスター制御装置24及び無停電電源装置20と接続されている。直流電源装置26には、制御電源線L2を介して、停電時等に無停電電源装置20からマスター制御装置24に供給された、例えば100Vの交流電力が供給される。直流電源装置26は、例えば、12Vの直流電力を組電池ユニット16に供給する。
【0016】
ゲートウエイ装置28は、制御通信線L1を介して、マスター制御装置24と双方向通信可能に接続されている。ゲートウエイ装置28は、第1通信規格によって、マスター制御装置24と通信する。ゲートウエイ装置28は、例えば、マスター制御装置24と、制御情報を送受信する。ゲートウエイ装置28は、第1通信規格によって、組電池ユニット16と双方向通信可能に接続されている。ゲートウエイ装置28は、後述する組電池ユニット16の電池系統30a、30b及び電池管理装置44の上位装置の一例である。例えば、ゲートウエイ装置28は、組電池ユニット16から受信した電圧及び温度等に関するモジュール情報MD及び電流に関する情報と、制御情報等に基づいて、電池系統30a、30b及び電池管理装置44を制御する。
【0017】
組電池ユニット16は、複数(例えば、2個)の電池系統30a、30bと、サービスディスコネクト32と、電流センサ34と、負極側遮断器36と、正極側遮断器38と、プリチャージ遮断器40と、プリチャージ抵抗42と、電池管理装置(BMU:Battery Management Unit)44とを有する。
【0018】
電池系統30aは、複数(例えば、4個)の電池モジュール46anと、複数のセル監視部(CMU:Cell Monitoring Unit)48anとを含む。nは正の整数であり、本実施形態では、n=1、2、3、4とする。
【0019】
複数の電池モジュール46anは、セルモジュールともいう。複数の電池モジュール46anは、直列接続されている。各電池モジュール46anは、例えば、24個のリチウムイオン電池(20Ah−2.4V)等の充放電可能な二次電池を有する。24個のうち2個のリチウムイオン電池が並列接続され、並列接続された2個のリチウムイオン電池で構成された12組が直列接続されている。
図1において、電池系統30aの左側が負極側であり、電池系統30aの右側が正極側である。
【0020】
セル監視部48anの個数は、電池モジュール46anの個数と同じである。各セル監視部48anは、電池モジュール46anのいずれかに対応付けて設けられている。セル監視部48anは、電池管理装置44と通信する送受信部と、プログラムを実行するマイクロプロセッサと、プログラム及びモジュール情報等の情報を記憶する記憶部とを含むコンピュータである。セル監視部48anは、電池モジュール46anに関する情報の一例である、電池モジュール46anの電圧及び温度の情報を含むモジュール情報MDを検出して、電池モジュール46anを監視する。各セル監視部48anは、記憶部に記憶された、セル監視部48anを識別するための情報である第1監視識別情報ID_M1n(n=1、2、・・)を有する。セル監視部48anは、自己の第1監視識別情報ID_M1nとともに、モジュール情報MDを電池管理装置44へ送信する。
【0021】
電池系統30bは、電池系統30aと並列に接続されている。電池系統30bは、複数(例えば、4個)の電池モジュール46bnと、複数のセル監視部48bnとを含む。電池系統30bは、電池系統30aと同様の構成である。
【0022】
各セル監視部48bnは、第2監視識別情報ID_M2nを有する。セル監視部48bnは、電池モジュール46bnに関する情報の一例である、電池モジュール46bnの電圧及び温度の情報を含むモジュール情報MDを検出して、電池モジュール46bnを監視する。各セル監視部48bnは、セル監視部48bnを識別するための情報である第2監視識別情報ID_M2nを有する。各セル監視部48bnは、自己の第2監視識別情報ID_M2nとともに、モジュール情報MDを電池管理装置44へ送信する。
【0023】
ここで、セル監視部48an、48bnは、電池モジュール46an、46bnと一対一の関係である。従って、セル監視部48an、48bnの監視識別情報ID_M1n、ID_M2nは、電池モジュール46an、46bnを識別することができる識別情報でもある。第2監視識別情報ID_M2nの少なくとも一部は、第1監視識別情報ID_M1nの少なくとも一部と重複、即ち、同じ値を有する場合がある。本実施形態では、nが同じ第1監視識別情報ID_M1n、及び、第2監視識別情報ID_M2nは、同じ識別情報が付与されているとする。
【0024】
以下の説明において、電池系統30a、30b、電池モジュール46an、46bn、セル監視部48an、48bnを区別する必要がない場合、それぞれを電池系統30、電池モジュール46、セル監視部48と表記する。また、第1監視識別情報ID_M1n及び第2監視識別情報ID_M2nをいずれのセル監視部48の監視識別情報か区別する必要がない場合、監視識別情報ID_Mと表記する。
【0025】
サービスディスコネクト32は、電池系統30の負極側に直列接続されている。サービスディスコネクト32は、スイッチ及びヒューズを有する。サービスディスコネクト32は、例えば、何れかの電池モジュール46が保守等のための脱着時に、ユーザが手動で電池系統30と外部との接続を遮断する。サービスディスコネクト32は、電池端子盤14及び電力変換部12のいずれかがヒューズを含む場合には、ヒューズを内蔵していなくてもよい。サービスディスコネクト32は、挿抜状態及びヒューズの状態を、後述する電池管理装置44へ通知するための配線がされている。
【0026】
電流センサ34は、電池系統30の正極側に直列接続されている。電流センサ34は、検出した電流値を電池管理装置44へ送信する。
【0027】
負極側遮断器36、正極側遮断器38、及び、プリチャージ遮断器40は、例えば、コイル等を有し、電力が供給されることによって接続状態と遮断状態とに切り替わるコンタクタである。尚、負極側遮断器36、正極側遮断器38、及び、プリチャージ遮断器40は、リレー、ブレーカー(例えば、ヒューズフリーブレーカー)であってもよい。
【0028】
負極側遮断器36は、サービスディスコネクト32と、組電池ユニット16の負極側端子Tnとの間に接続されている。負極側遮断器36は、サービスディスコネクト32を介して電池系統30の負極側と接続されている。負極側遮断器36は、負極側端子Tnを介して、負極側スイッチング部材SWnに接続されている。負極側遮断器36は、電池系統30の負極側と負極側スイッチング部材SWnとの接続(または、投入)と遮断(または、開放)とを切り替える。
【0029】
正極側遮断器38は、電流センサ34と、組電池ユニット16の正極側端子Tpとの間に接続されている。正極側遮断器38は、電流センサ34を介して、電池系統30の正極側と接続されている。正極側遮断器38は、正極側端子Tpを介して、正極側スイッチング部材SWpに接続されている。正極側遮断器38は、電池系統30の正極側と正極側スイッチング部材SWpとの接続(または、投入)と遮断(または、開放)とを切り替える。
【0030】
プリチャージ遮断器40は、電流センサ34と、プリチャージ抵抗42を介して、組電池ユニット16の正極側端子Tpとの間に接続されている。プリチャージ遮断器40は、組電池ユニット16の正極側で、正極側遮断器38と並列接続されている。プリチャージ遮断器40は、電流センサ34を介して、電池系統30の正極側と接続されている。プリチャージ遮断器40は、プリチャージ抵抗42及び正極側端子Tpを介して、正極側スイッチング部材SWpに接続されている。プリチャージ遮断器40は、電池系統30の正極側と正極側スイッチング部材SWpとの接続(または、投入)と遮断(または、開放)とを切り替える。
【0031】
プリチャージ抵抗42は、プリチャージ遮断器40と、組電池ユニット16の正極側端子Tpとの間に接続されている。即ち、プリチャージ抵抗42は、プリチャージ遮断器40と直列接続されている。プリチャージ抵抗42は、電力変換部12のインバータのコンデンサ等を充電するために、起動時に流れる電流を低減して、起動時の過大な電流を低減する。
【0032】
電池管理装置44は、直流電力を受電可能に、直流電源装置26と電源線L3によって接続されている。電池管理装置44は、直流電源装置26から受電した直流電力を供給可能に、電源線L3を介して、電池系統30aの各セル監視部48an、電池系統30bの各セル監視部48bn、電流センサ34、負極側遮断器36、正極側遮断器38、及び、プリチャージ遮断器40と接続されている。例えば、電池管理装置44は、負極側遮断器36、正極側遮断器38、及び、プリチャージ遮断器40に電力を供給して、遮断器36、38、40の接続と遮断を制御する。
【0033】
電池管理装置44は、通信線L4を介して、ゲートウエイ装置28と情報を送受信可能に接続されている。電池管理装置44は、第1通信規格による第1通信フレーム90によって、ゲートウエイ装置28と通信する。第1通信フレーム90は、上位通信フレームの一例である。電池管理装置44は、通信線L4を介して、電池系統30aの各セル監視部48an、電池系統30bの各セル監視部48bn、サービスディスコネクト32、電流センサ34と情報を送受信可能に接続されている。電池管理装置44は、第1通信規格と異なる第2通信規格の第2通信フレーム92により、セル監視部48、サービスディスコネクト32、電流センサ34と通信する。第2通信規格の一例は、ISO15765/14230のKWP2000 on CAN(Controller Area Network)規格である。第1通信フレーム90のデータ量は、第2通信フレーム92のデータ量よりも大きい。例えば、電池管理装置44は、電池系統30aの各セル監視部48an、及び、電池系統30bの各セル監視部48bnから、第1監視識別情報ID_M1n、第2監視識別情報ID_M2n及びモジュール情報MDを受信する。
【0034】
電池管理装置44は、コネクタ45a、45bを含む。コネクタ45a、45bは、電池系統30aの各セル監視部48anとモジュール情報MDを送受信するための通信線L4、及び、電池系統30bの各セル監視部48bnとモジュール情報MDを送受信するための通信線L4とが別々に接続される。コネクタ45a、45bは、それぞれ系統識別情報ID_Sm(m=1、2)を有する。例えば、コネクタ45aは、系統識別情報ID_S1を有する。コネクタ45bは、系統識別情報ID_S1と異なる系統識別情報ID_S2を有する。一のコネクタ45は、一の電池系統30と接続される。従って、コネクタ45a、45bに付与された系統識別情報ID_S1、ID_S2は、電池系統30a、30bに付与された電池系統30a、30bを識別する情報でもある。電池管理装置44は、電池系統30a、30bが接続されたコネクタ45a、45bの系統識別情報ID_S1、ID_S2に基づくゲートウエイ機能により、電池系統30a、30bを識別する。以下の説明において、コネクタ45a、45bを区別する必要がない場合、コネクタ45と表記する。系統識別情報ID_S1、ID_S2を区別する必要がない場合、系統識別情報ID_Sと表記する。
【0035】
電池管理装置44は、例えば、プログラムを実行するマイクロプロセッサ等の演算部50と、プログラム及び制御情報等を記憶する記憶部52とを更に含むコンピュータである。
【0036】
演算部50は、ゲートウエイ装置28等の上位装置と通信インターフェース等を介して通信する。演算部50は、通信線L4及びコネクタ45を介して、セル監視部48と通信する。記憶部52は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を含む。演算部50は、記憶部52に記憶されたプログラム及びパラメータ等の情報を読み込むことによって、取得部54及び処理部56として機能する。演算部50は、例えば、個別識別情報ID_Pの生成処理用のプログラム、及び、通信フレーム90、92の送受信処理用のプログラムを読み込む。尚、取得部54及び処理部56の一部または全ては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の回路でハードウエアとして構成してもよい。
【0037】
取得部54は、ゲートウエイ装置28から制御情報を取得する。取得部54は、電流センサ34に直流電力を供給するとともに、電流センサ34が計測した電流情報を取得する。取得部54は、サービスディスコネクト32から、サービスディスコネクト32の挿抜状態及びヒューズの状態等の情報を取得する。
【0038】
取得部54は、セル監視部48から電池モジュール46の電圧情報及び温度情報を含むモジュール情報MDを、監視識別情報ID_Mとともに取得する。取得部54は、モジュール情報MD及び監視識別情報ID_Mを含む第2通信フレーム92を、第1セル監視部48aから取得する。当該第2通信フレーム92が、第1下位通信フレームの一例である。取得部54は、モジュール情報MD及び監視識別情報ID_Mを含む第2通信フレーム92を、第2セル監視部48bから取得する。当該第2通信フレーム92が、第2下位通信フレームの一例である。尚、取得部54は、モジュール情報MDとは別に監視識別情報ID_Mのみを第1セル監視部48a及び第2セル監視部48bから取得してもよい。更に、取得部54は、モジュール情報MD及び監視識別情報ID_Mを取得したコネクタ45の系統識別情報ID_Sを取得する。
【0039】
処理部56は、取得部54が取得した情報に基づいて、組電池ユニット16を制御する。
【0040】
具体的には、処理部56は、取得部54がゲートウエイ装置28から受信した制御情報等に基づいて、直流電力を供給または停止して、負極側遮断器36、正極側遮断器38、及び、プリチャージ遮断器40の投入状態と開放状態とを制御する。
【0041】
処理部56は、セル監視部48及び電流センサ34から受信した電圧情報、温度情報及び電流情報に基づいて、電池系統30等を異常と判定すると、負極側遮断器36、正極側遮断器38、及び、プリチャージ遮断器40を開放状態に切り替える。これにより、処理部56は、電池系統30を外部と接続または遮断する。
【0042】
処理部56は、監視識別情報ID_M及び当該監視識別情報ID_Mを受信したコネクタ45の系統識別情報ID_Sに基づいて、各セル監視部48のそれぞれに異なる(即ち、重複しない)個別識別情報ID_Pを生成して付与する。処理部56は、個別識別情報ID_Pを、第1監視識別情報ID_M1nまたは第2監視識別情報ID_M2n及び系統識別情報ID_Sに対応付けた個別識別情報テーブル94を記憶部52へ格納する。処理部56は、個別識別情報テーブル94によって、個別識別情報ID_Pを管理する。処理部56は、取得部54から監視識別情報ID_M及びモジュール情報MDを含む第2通信フレーム92を受信すると、第1通信規格の通信フォーマットに沿って、個別識別情報ID_P及び当該個別識別情報ID_Pに対応する第1セル監視部48aまたは第2セル監視部48bが検出したモジュール情報MDを含む第1通信フレーム90に変換して、ゲートウエイ装置28に送信する。
【0043】
処理部56は、生成した個別識別情報ID_Pに関連付けたモジュール情報MDをゲートウエイ装置28に送信する。ここで、第1監視識別情報ID_M1nと第2監視識別情報ID_M2nは重複しており、異なる電池モジュール46のモジュール情報MDに同じ監視識別情報ID_Mが関連付けられている。しかし、処理部56は、監視識別情報ID_M及び系統識別情報ID_Sに対応付けられた各電池モジュール46に固有の個別識別情報ID_Pをモジュール情報MDに付与することにより、各モジュール情報MDがいずれの電池モジュール46に関する情報かを識別可能にしている。
【0044】
次に、蓄電池システム10の動作を説明する。蓄電池システム10では、ゲートウエイ装置28から受信した制御情報に基づいて、電池管理装置44が、遮断器36、38、40を制御して、電池系統30を外部と接続または遮断する。更に、遮断器36、38、40が接続された状態で、スイッチ回路22が接続されると、電池系統30が電力変換部12と接続される。電力変換部12は、電池系統30から受電した電力を変換して、外部へ供給する。また、蓄電池システム10では、電力変換部12は、接続状態の遮断器36、38、40及びスイッチ回路22を介して接続された電池系統30へ充電用の電力として、外部から受電した電力を変換して供給する。
【0045】
図2は、演算部50が実行する個別識別情報ID_Pの生成処理のフローチャートである。演算部50は、記憶部52に記憶された個別識別情報ID_Pの生成処理のプログラムを読み込むことによって、当該フローチャートを開始する。個別識別情報ID_Pの生成処理は、蓄電池装置18の制御方法の一例である。
【0046】
図2に示すように、取得部54は、監視識別情報ID_Mをセル監視部48から取得して、処理部56へ出力する(S500)。尚、取得部54は、ステップS500において、監視識別情報ID_Mのみならず、監視識別情報ID_M及びモジュール情報MDを含む第2通信フレーム92をセル監視部48から受信することにより、監視識別情報ID_Mを取得してもよい。取得部54は、監視識別情報ID_Mを受信したコネクタ45から系統識別情報ID_Sを取得して、処理部56へ出力する(S502)。
【0047】
処理部56は、監視識別情報ID_M及び系統識別情報ID_Sに基づいて、予め定められた規則により、重複のない互いに異なる個別識別情報ID_Pを生成する(S504)。処理部56は、監視識別情報ID_M及び系統識別情報ID_Sに対応付けて個別識別情報ID_Pを記憶部52に格納する(S506)。取得部54が、全ての監視識別情報ID_Mを取得するまで(S508:No)、ステップS500以降を繰り返す。取得部54が全ての監視識別情報ID_Mを取得すると(S508:Yes)、演算部50は個別識別情報ID_Pの生成処理を終了する。
【0048】
図3は、演算部50が生成した個別識別情報ID_Pを含む個別識別情報テーブル94の一例である。
図3に示すように、演算部50の処理部56は、各個別識別情報ID_Pを、セル監視部48の監視識別情報ID_M及びコネクタ45の系統識別情報ID_Sに対応付けた個別識別情報テーブル94を記憶部52に記憶させる。例えば、処理部56は、系統識別情報ID_Sの値をM桁目の値とし、監視識別情報ID_Mの値をM−1桁目以下の値とした個別識別情報ID_Pを生成する。処理部56は、
図3に示す例では、電池系統30aの各セル監視部48a(及び各電池モジュール46a)には、個別識別情報ID_Pとして、“101”から“104”までの番号を付与する。また、処理部56は、
図3に示す例では、電池系統30bの各セル監視部48b(及び各電池モジュール46b)には、個別識別情報ID_Pとして、“201”から“204”までの番号を付与する。尚、処理部56は、系統識別情報ID_S及び監視識別情報ID_Mを取得し順にナンバリングした値を個別識別情報ID_Pとして生成してもよい。これにより、処理部56は、系統識別情報ID_S及び重複のある監視識別情報ID_Mに基づいて、1つの電池モジュール46及びセル監視部48を特定できる個別識別情報ID_Pを個別識別情報テーブル94から抽出できる。
【0049】
図4は、演算部50が実行する通信フレーム90、92の送受信処理のフローチャートである。演算部50は、記憶部52に記憶された通信フレーム90、92の送受信処理のプログラムを読み込むことによって、当該フローチャートを開始する。尚、処理部56は、ゲートウエイ装置28から送信要求を受信した場合に、通信フレーム90、92の送受信処理を読み込んで実行してもよい。また、演算部50は、個別識別情報ID_Pの生成処理と続けて、通信フレーム90、92の送受信処理を実行してもよい。
【0050】
図4に示すように、取得部54は、セル監視部48及び電池モジュール46の監視識別情報ID_M及びモジュール情報MDを含む第2通信フレーム92を、いずれかの電池系統30に含まれる一部または全てのセル監視部48から取得して、処理部56へ出力する(S520)。
図5は、セル監視部48が演算部50へ送信する第2通信フレーム92の一例である。例えば、
図5に示すように、第2通信フレーム92は、CAN通信の規格に沿ったフレーム構造であり、11bitの監視識別情報ID_Mと、8バイトのモジュール情報MDと、エラーを訂正するためのエラー訂正符号ECC(Error-Correcting Code)とが順に配列された構造を有する。
【0051】
図4に戻って、取得部54は、第2通信フレーム92を取得したコネクタ45から系統識別情報ID_Sを取得して、処理部56へ出力する(S522)。処理部56は、取得した監視識別情報ID_M及び系統識別情報ID_Sに対応する個別識別情報ID_Pを、個別識別情報テーブル94から抽出して取得する(S524)。
【0052】
処理部56は、個別識別情報ID_P及びモジュール情報MDを含む第1通信フレーム90を生成する(S526)。
図6は、演算部50がゲートウエイ装置28へ送信する第1通信フレーム90の一例である。例えば、
図6に示すように、処理部56は、42バイトのヘッダ部HDと、最大1472バイトのデータ部DTと、エラー検出用のエラー検出符号CRC(Cyclic Redundancy Check)とが順に配列された第1通信規格の第1通信フレーム90を生成する。
【0053】
処理部56は、第1通信フレーム90の生成において、宛先(即ち、ゲートウエイ装置28)のMAC(Media Access Control)アドレス、送信元(即ち、電池管理装置44)のMACアドレス、宛先のIP(Internet Protocol)アドレス、送信元のIPアドレス、フレームタイプを示すタイプ等を含むヘッダ部HDを生成する。
【0054】
図7は、第1通信フレーム90に含まれるデータ部DTのデータ構造を示す図である。
図7に示すように、処理部56は、第1通信フレーム90の生成において、個別識別情報ID_P及びモジュール情報MDを含む組が複数配列された構造のデータ部DTを生成する。換言すれば、処理部56は、複数の個別識別情報ID_Pと、複数の個別識別情報ID_Pと対応付けられた複数のモジュール情報MDとを含むデータ部DTを生成する。例えば、処理部56は、1つの電池系統30に含まれる全てのセル監視部48及び電池モジュール46の個別識別情報ID_P及びモジュール情報MDを含むデータ部DTを生成する。
【0055】
図4に戻って、処理部56は、生成した第1通信フレーム90をゲートウエイ装置28へ送信する(S528)。
【0056】
上述したように、蓄電池装置18では、電池管理装置44が監視識別情報ID_M及び系統識別情報ID_Sに基づいて、複数のセル監視部48(及び電池モジュール46)のそれぞれに異なる個別識別情報ID_Pを付与する。これにより、蓄電池装置18は、セル監視部48及び電池モジュール46の個数が増加しても、セル監視部48及び電池モジュール46を識別する確度を向上させることができる。
【0057】
蓄電池装置18では、電池管理装置44が、セル監視部48及び電池モジュール46の個数が増加しても識別することができる個別識別情報ID_Pを生成している。これにより、電池管理装置44は、個別識別情報ID_Pとモジュール情報MDとを対応付けて、ゲートウエイ装置28等の上位装置へ送信することにより、上位装置はいずれの電池モジュール46のモジュール情報MDかを高い確度で特定できる。この結果、電池管理装置44が複数の電池モジュール46のモジュール情報MDを一度に送信しても、上位装置は当該モジュール情報MDがいずれの電池モジュール46の情報かを特定できる。従って、電池管理装置44は、一度に送信するモジュール情報MDの個数を増加させることができ、例えば、1つの電池系統30に含まれる全てのモジュール情報MDを一度に上位装置へ送信できる。
【0058】
<変形例>
図8は、変形例による第1通信フレーム90のデータ部DTのデータ構造を示す図である。
図8に示すように、処理部56は、1つの個別識別情報ID_Pと、個別識別情報ID_Pの後に続く複数のモジュール情報MDとを配列した構造を有するデータ部DTを生成してもよい。処理部56は、データ部DTに含まれる個別識別情報ID_Pを、複数のモジュール情報MDのいずれかに対応する個別識別情報ID_Pを適用する。例えば、処理部56は、当該個別識別情報ID_Pとして、先頭のモジュール情報MDに対応する個別識別情報ID_Pを適用してもよい。
【0059】
処理部56は、複数のモジュール情報MDを予め定められた規則に沿って配列する。具体的には、処理部56は、予め定められた規則に沿って、データ部DTに含まれる個別識別情報ID_Pに続く個別識別情報ID_Pのセル監視部48のモジュール情報MDを連続させたデータ部DTを生成する。例えば、処理部56は、
図3に示す監視識別情報ID_Mが“01”であり、系統識別情報ID_Sが“1”である個別識別情報ID_P(=101)と、当該個別識別情報ID_Pのモジュール情報MDをデータ部DTの先頭に配置する。処理部56は、当該モジュール情報MDの後に、個別識別情報ID_Pに連続する個別識別情報ID_P(即ち、“102”から“104”)のモジュール情報MDを配列する。これにより、第1通信フレーム90を受信したゲートウエイ装置28は、1個の個別識別情報ID_Pによって、各モジュール情報MDがいずれの電池モジュール46のモジュール情報MDかを特定できる。また、処理部56は、個別識別情報ID_Pを1個とすることにより、第1通信フレーム90のデータ量を低減することができる。
【0060】
上述した実施形態の各構成の配置、接続関係、個数、情報、及び、機能等は適宜変更してよい。また、各処理のステップの順序は適宜変更してよい。
【0061】
例えば、上述の実施形態では、モジュール情報MDが、電池モジュール46の電圧情報及び温度情報を含むとしたが、他の電池モジュール46に関する情報を含んでもよい。
【0062】
上述の実施形態では、処理部56が、セル監視部48から受信した第2通信フレーム92を第1通信フレーム90に変換してゲートウエイ装置28に送信する例を示したが、第1通信フレーム90を第2通信フレーム92に変換して送受信してもよい。例えば、処理部56は、ゲートウエイ装置28から受信した制御情報等を含む第1通信フレーム90を、第2通信フレーム92に変換してセル監視部48に送信してもよい。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。