特許第6538987号(P6538987)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6538987メモリレス、コモンモード、低感度および低プリングVCO
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6538987
(24)【登録日】2019年6月14日
(45)【発行日】2019年7月3日
(54)【発明の名称】メモリレス、コモンモード、低感度および低プリングVCO
(51)【国際特許分類】
   H03B 5/12 20060101AFI20190625BHJP
   H03B 5/08 20060101ALI20190625BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20190625BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20190625BHJP
【FI】
   H03B5/12 B
   H03B5/08 A
   H01L27/04 V
【請求項の数】7
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-535889(P2018-535889)
(86)(22)【出願日】2017年1月5日
(65)【公表番号】特表2019-503144(P2019-503144A)
(43)【公表日】2019年1月31日
(86)【国際出願番号】US2017012296
(87)【国際公開番号】WO2017120307
(87)【国際公開日】20170713
【審査請求日】2018年8月8日
(31)【優先権主張番号】14/989,566
(32)【優先日】2016年1月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2016/012370
(32)【優先日】2016年1月6日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519006872
【氏名又は名称】エイブイエックス・アンテナ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100119781
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】アラム,ファーボッド
【審査官】 橋本 和志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−237463(JP,A)
【文献】 特開2008−244557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03B 5/12
H01L 21/822
H01L 27/04
H03B 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧制御発振器(VCO)であって、
能動デバイスであって、前記能動デバイスは、ドレインとゲートとバルクとを有するn形トランジスタおよびドレインとゲートとバルクとを有するp形トランジスタをさらに含み、前記n形トランジスタと前記p形トランジスタとが共通ソースを共有し、
前記能動デバイスは、n形トランジスタの前記ゲートとp形トランジスタの前記ゲートとの間に結合された第1のキャパシタと、前記n形トランジスタの前記ドレインとp形トランジスタの前記ドレインとの間に結合された第2のキャパシタと、n形トランジスタの前記バルクとp形トランジスタの前記バルクとの間に結合された第3のキャパシタとをさらに含む、能動デバイスと、
共通ゲート増幅器を形成するために前記共通ソースに結合された同調ブロックと、
前記VCOの全体的な容量を変更するために前記能動デバイスに結合された少なくとも1つの同調要素であって、前記VCOが、メモリレス(memory less)であり、偶数高調波信号を捕捉する、少なくとも1つの同調要素と
を備える、電圧制御発振器(VCO)。
【請求項2】
前記第1のキャパシタ、前記第2のキャパシタおよび前記第3のキャパシタの各々が、可変キャパシタ、抵抗器と直列に結合されたキャパシタ、抵抗器と並列に結合されたキャパシタ、インダクタと直列に結合されたキャパシタ、インダクタと並列に結合されたキャパシタのいずれかを備える、請求項1に記載のVCO。
【請求項3】
前記少なくとも同調要素が、2つの入力と1つの出力とを備える、インダクタ、キャパシタ、抵抗器、およびトランスフォーマのいずれかを含む、請求項1に記載のVCO。
【請求項4】
差動電圧制御発振器(VCO)であって、
第1の能動デバイスおよび第2の能動デバイスであって、前記第1の能動デバイスおよび前記第2の能動デバイスの各々は、ドレインとゲートとバルクとを有するn形トランジスタおよびドレインとゲートとバルクとを有するp形トランジスタをさらに含み、前記n形トランジスタと前記p形トランジスタとが共通ソースを共有し、前記第1の能動デバイスおよび前記第2の能動デバイスの各々は、n形トランジスタの前記ゲートとp形トランジスタの前記ゲートとの間に結合された第1のキャパシタと、前記n形トランジスタの前記ドレインとp形トランジスタの前記ドレインとの間に結合された第2のキャパシタと、n形トランジスタの前記バルクとp形トランジスタの前記バルクとの間に結合された第3のキャパシタとをさらに含む、第1の能動デバイスおよび第2の能動デバイスと
第1の能動デバイスの前記n形トランジスタの前記バルクから第2の能動デバイスの共有ソースまでの間に結合された、第4のキャパシタと、
第1の能動デバイスのp形トランジスタのバルクから第2の能動デバイスの共通ソースまでの間に結合された、第5のキャパシタと、
第2の能動デバイスのn形トランジスタの前記バルクから第1の能動デバイスの共有ソースまでの間に結合された、第6のキャパシタと、
第2の能動デバイスのp形トランジスタの前記バルクから第1の能動デバイスの共有ソースまでの間に結合された、第7のキャパシタと、
共通ゲート増幅器を形成するために前記共通ソースに結合された同調ブロックと、
前記第1の能動デバイスの前記n形トランジスタの前記ドレインと前記第2の能動デバイスの前記n形トランジスタの前記ドレインとの間に結合された、少なくとも1つの第1の同調デバイスと、
前記第1の能動デバイスの前記n形トランジスタおよび前記p形トランジスタの前記ソースと前記第2の能動デバイスの前記n形トランジスタおよび前記p形トランジスタの前記ソースとの間に結合された、少なくとも1つの第2の同調デバイスと、
前記第1の能動デバイスの前記p形トランジスタの前記ドレインと前記第2の能動デバイスの前記p形トランジスタの前記ドレインとの間に結合された、少なくとも1つの第3の同調デバイスであって、前記差動VCOが、メモリレスであり、偶数高調波信号を捕捉する、少なくとも1つの第3の同調デバイスと
を備える、差動電圧制御発振器(VCO)。
【請求項5】
前記第1のキャパシタ、前記第2のキャパシタおよび前記第3のキャパシタの各々が、可変キャパシタ、抵抗器と直列に結合されたキャパシタ、抵抗器と並列に結合されたキャパシタ、インダクタと直列に結合されたキャパシタ、インダクタと並列に結合されたキャパシタのいずれかを備える、請求項4に記載の差動VCO。
【請求項6】
第1の同調デバイス、第2の同調デバイスおよび第3の同調デバイスの各々が、2つの入力と1つ出力とを備える、インダクタ、キャパシタ、抵抗器、およびトランスフォーマのいずれかを含む、請求項4に記載の差動VCO。
【請求項7】
前記第1の同調デバイスおよび前記第2の同調デバイスが、前記VCOの粗同調のために利用され、前記第2の同調デバイスが、前記VCOの微同調のために利用される、請求項4に記載の差動VCO。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2015年6月19日出願の「ACTIVE DEVICE WHICH HAS A HIGH BREAKDOWN VOLTAGE,IS MEMORY−LESS,TRAPS EVEN HARMONIC SIGNALS AND CIRCUITS USED THEREWITH(高い破壊電圧を有し、メモリレスであり、偶数高調波信号を捕捉する能動デバイスと、それとともに使用される回路)」という名称の米国特許出願第14/745,261号の一部継続出願であり、2015年1月6日出願の「VERY LOW PHASE NOISE,MEMORYLESS COMMON−MODE INSENSITIVE,AND LOW PULLING VCO WITH CAPACITOR BANKS AS TUNING(同調としてキャパシタバンクを用いた、超低位相雑音、メモリレス、コモンモード、低感度および低プリングVCO)」という名称の米国仮特許出願第62/100,397号の米国特許法第119条(e)項に基づく利益を主張し、これらの両方は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本発明は、一般にワイヤレスデバイスに関し、より詳細には、そのようなデバイスにおいて利用される電圧制御発振器に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]ワイヤレス製品が、モバイル(たとえば、ハンドセットのためのセルラーおよびWi−Fi)または非モバイル(たとえば、アクセスポイントおよびルータのためのWi−Fi)などの様々な環境において利用される。電圧制御発振器またはVCOは、それの発振周波数が電圧入力によって制御される電子発振器である。印加された入力電圧が、瞬時発振周波数を決定する。したがって、入力を制御するために印加される信号を変調することが、周波数変調(FM)または位相変調(PM)を生じ得る。VCOはまた、位相ロックループの一部であり得る。VCOは、そのような製品中の増幅器において、そこから受信または送信される信号を増幅するために、利用され得る。ワイヤレス製品の市場が発展するにつれて、より高い効率および線形性に対するより多くの需要とともに、モバイルおよび非モバイルネットワークにわたるより多くの帯域幅およびより多くのデータのニーズが一層増加している。したがって、これらのネットワークを介したそのようなデータの通信は、ますます困難になっている。たとえば、ネットワークが発展するにつれて帯域幅が上がるにつれて、同時に、信号コンスタレーションは、WiFi適用のための802.11ax規格のようにより高密度になる。その結果、VCOの帯域内および帯域外雑音が極めて重要になる。VCOプリングも主要な問題である。この事例は、組込みのための高出力増幅器の存在において、より重要である。さらに、従来のVCOアーキテクチャは、コアVCOの出力をセンタリングしてからコアに続くインバータチェーンを駆動するために、バッファに依存する。このバッファは、大きい電力を消費し、雑音および妨害問題の別の発生源である。
【0004】
[0004]VCO同調範囲が、別の問題である。VCO同調範囲は、キャパシタバンクおよびそれの寄生要素の雑音により制限される。
[0005]本発明によるデバイスおよび回路が、そのようなニーズに対処する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明の一実施例は、例えば、メモリレス、コモンモード、低感度および低プリングVCOに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]電圧制御発振器(VCO)とそれとともに利用される回路とが、開示される。第1の態様では、VCOは能動デバイスを含む。VCOは能動デバイスを備え、能動デバイスは、ドレインとゲートとバルクとを有するn形トランジスタおよびドレインとゲートとバルクとを有するp形トランジスタをさらに含む。n形トランジスタとp形トランジスタとは共通ソースを共有する。
【0007】
[0007]能動デバイスは、n形トランジスタのゲートとp形トランジスタのゲートとの間に結合された第1のキャパシタと、n形トランジスタのドレインとp形トランジスタのドレインとの間に結合された第2のキャパシタと、n形トランジスタのバルクとp形トランジスタのバルクとの間に結合された第3のキャパシタとをさらに含む。
【0008】
[0008]差動電圧制御発振器(VCO)も開示される。差動VCOは、第1の能動デバイスおよび第2の能動デバイスを含む。第1の能動デバイスおよび第2の能動デバイスの各々は、ドレインとゲートとバルクとを有するn形トランジスタをさらに含む。第1の能動デバイスおよび第2の能動デバイスの各々は、ドレインとゲートとバルクとを有するp形トランジスタをも含む。n形トランジスタとp形トランジスタとは共通ソースを共有する。第1の能動デバイスおよび第2の能動デバイスの各々は、n形トランジスタのゲートとp形トランジスタのゲートとの間に結合された第1のキャパシタをも含む。第1の能動デバイスおよび第2の能動デバイスの各々は、n形トランジスタのドレインとp形トランジスタのドレインとの間に結合された第2のキャパシタをも含む。第1の能動デバイスおよび第2の能動デバイスの各々は、n形トランジスタのバルクとp形トランジスタのバルクとの間に結合された第3のキャパシタをさらに含む。差動VCOは、第1の能動デバイスのn形トランジスタのバルクから第2の能動デバイスの共有ソースまでの間に結合された、第4のキャパシタをも含む。差動VCOは、第1の能動デバイスのp形トランジスタのバルクから第2の能動デバイスのシャードソースまでの間に結合された、第5のキャパシタをも含む。タイル差動VCOは、第2の能動デバイスのバルクn形トランジスタから第1の能動デバイスの共有ソースまでの間に結合された、第6のキャパシタをも含む。差動VCOは、第2の能動デバイスのp形トランジスタのバルクから第1の能動デバイスの共有ソースまでの間に結合された、第7のキャパシタをも含む。差動VCOは、共通ゲート増幅器を形成するために共通ソースに結合された同調ブロックをも含む。差動VCOは、第1の能動デバイスのn形トランジスタのドレインと第2の能動デバイスのn形トランジスタのドレインとの間に結合された、少なくとも1つの第1の同調デバイスをも含む。差動VCOは、第1の能動デバイスのn形トランジスタおよびp形トランジスタのソースと第2の能動デバイスのn形トランジスタおよびp形トランジスタのソースとの間に結合された、少なくとも1つの第2の同調デバイスをも含む。最後に、差動VCOは、第1の能動デバイスのp形トランジスタのドレインと第2の第1の能動デバイスのp形トランジスタのドレインとの間に結合された、少なくとも1つの第3の同調デバイスを含み、差動VCOは、高い破壊電圧を有し、メモリレスであり、超低近遠位相雑音(close in and far phase noise)であり、電源および接地妨害に対して超低感度、したがって低プリングであり、偶数高調波信号を捕捉する。
【0009】
[0009]VCOは、共通ゲート増幅器を形成するために共通ソースに結合された同調ブロックと、VCOの全体的な容量を変更するために能動デバイスに結合された少なくとも1つの同調要素とを含む。VCOは、高い破壊電圧を有し、メモリレスであり、超低近遠位相雑音であり、電源および接地妨害に対して超低感度、したがって低プリングであり、偶数高調波信号を捕捉する。
【0010】
[0010]VCOは、n形デバイスおよびp形デバイスがそれぞれ、総電源電圧の一部分を受けるので、高い破壊電圧を有し、n形ゲートとp形ゲートとの間に結合されたゲート容量およびn形のバルクとp形のバルクとを結合するバルクキャパシタが、デバイスの重要なノードに結合されたコモンモード信号を捕捉するので、メモリレスであり、偶数高調波信号を捕捉する。また、n形とp形とのこの組合せは、AB級またはB級またはC級動作中に生成された偶数信号と奇数信号とを区別する。
【0011】
[0011]本発明によるシステムおよび方法が、電圧制御発振器(VCO)適用例について、増加された利得および正のフィードバックを取得するためにトランスフォーマと組み合わせられ得る増幅器回路を与える。得られたデバイスは、電源に関してセンタリングされた各共通ソースから出力信号がとられ得るので、バッファまたはメモリを必要とせず、したがって、従来のVCOよりも、サイズが小さく、少ない電力を使用する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】[0012]本発明による、電圧制御発振器内で利用される能動デバイスの概略図である。
図1B】[0013]図1Aに示された能動デバイスのブロック図である。
図1C】[0014]本発明による、電圧制御発振器内で利用される差動能動デバイスの概略図である。
図1D】[0015]本発明による、電圧制御発振器内で利用される容量性同調要素を含む差動能動デバイスの概略図である。
図1E】[0016]図1Dに示された差動能動デバイスのブロック図である。
図2】[0017]図2Aは、本発明による、同調ブロックの第1の実施形態である。[0018]図28は、本発明による、同調ブロックの第2の実施形態である。[0019]図2Cは、本発明による、同調ブロックの第3の実施形態である。
図3】[0020]図3Aは、本発明による、共通ゲート増幅器のブロック図である。[0021]図38は、本発明による、組合せ共通ゲートおよび共通ソース増幅器のブロック図である。
図4A】[0022]本発明による、差動共通ゲート増幅器の第1の実施形態のブロック図である。
図4B】[0023]本発明による、差動共通ゲート増幅器の第2の実施形態のブロック図である。
図4C】[0024]本発明による、差動組合せ共通ゲートおよび共通ソース増幅器の実施形態のブロック図である。
図4D】[0025]本発明による、シングルエンド電圧制御発振器(VCO)の実施形態のブロック図である。
図4E】[0026]本発明による、共通ゲート、共通ソースの形態で配置された差動VCOの実施形態のブロック図である。
図4F】[0027]本発明による、CG−CSのカスケードVCOの実施形態のブロック図である。
図4G】[0028]本発明による、共通ゲートの形態で配置された差動VCOの実施形態のブロック図である。
図4H】[0029]本発明による、CGのカスケードVCOの実施形態のブロック図である。
図4I】[0030]CGおよびCG−CS組合せのカスケードVCOの実施形態のブロック図である。
図5】[0031]本発明による、結合された誘導性差動同調ブロックに結合された2つの差動共通ゲート能動デバイスの図である。
図6】[0032]本発明による、結合された誘導性差動同調ブロックに結合された3つの共通ゲート差動能動デバイスの図である。
図7】[0033]本発明による、誘導性差動同調ブロックに結合された4つの差動共通ゲート能動デバイスの図である。
図8】[0034]本発明による、VCOにおけるループの前にドレイン電流が追加されるところを示す図である。
図9】[0035]本発明による、VCOにおけるループの後にドレイン電流が追加されるところを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0036]本発明は、一般にワイヤレスデバイスに関し、より詳細には、そのようなデバイスにおいて利用される電圧制御発振器に関する。以下の説明は、当業者が本発明を製作および使用することを可能にするために提示され、特許出願およびそれの要件のコンテキストにおいて与えられる。好ましい実施形態への様々な変更および本明細書で説明される一般原理および特徴は、当業者には容易に明らかであろう。したがって、本発明は、示される実施形態に限定されるものではなく、本明細書で説明される原理および特徴に合致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0014】
[0037]図1Aは、本発明による、電圧制御発振器内で利用される能動デバイス100の概略図である。能動デバイスおよび増幅器回路内での能動デバイスの使用は、本出願の譲受人によって所有される、2015年6月19日出願のACTIVE DEVICE WHICH HAS A HIGH BREAKDOWN VOLTAGE,IS MEMORY−LESS,TRAPS EVEN HARMONIC SIGNALS AND CIRCUITS USED THEREWITH(高い破壊電圧を有し、メモリレスであり、偶数高調波信号を捕捉する能動デバイスと、それとともに使用される回路)という名称の同時係属中の米国出願において詳細に説明されている。能動デバイス100は、ゲート(gn)とドレイン(dn)とバルク(bn)とを含むn形トランジスタ102およびゲート(gp)とドレイン(dp)とバルク(bp)とを含むp形トランジスタ104を含む。n形トランジスタ102とp形トランジスタ104とは(1つまたは複数の)共通ソースを共有する。能動デバイス100は、gnとgpとの間に結合された第1のキャパシタ106と、dnとdpとの間に結合された第2のキャパシタ108と、bnとbpとの間に結合された第3のキャパシタ110とを含む。能動デバイス100は、AB級増幅器などのいくつかの増幅器とともに利用されるとき、4つの端末(ゲート、ドレイン、バルクおよびソース)による高い破壊電圧を有し、メモリレスであり、偶数高調波信号を捕捉する。
【0015】
[0038]図1Bは、図1Aに示された能動デバイス100のブロック図である。n形トランジスタ102は、NPNバイポーラ、またはGaAsからの任意の他の能動要素であり得る。p形トランジスタ104は、PNPバイポーラ、またはGaAsからの任意の他の能動相補であり得る。n形トランジスタ102は、カスケードNMOS回路によってさらに保護され得る。p形トランジスタ104は、カスケードPMOS回路によってさらに保護され得るキャパシタ106は可変キャパシタであり得、それは、直列抵抗器およびまたは直列インダクタを有することができ、すべてが可変である。キャパシタ106はさらに、任意の直列要素をもつN個のキャパシタに分割され得る。キャパシタ108は可変キャパシタであり得、それは、直列抵抗器およびまたは直列インダクタを有することができ、すべてが可変である。キャパシタ108はさらに、任意の直列要素をもつN個のキャパシタに分割され得る。キャパシタ110は可変キャパシタであり得、それは、直列抵抗器およびまたは直列インダクタを有することができ、すべてが可変である。キャパシタ110はさらに、任意の直列要素をもつN個のキャパシタに分割され得る。
【0016】
[0039]より多くのキャパシタが、dnからgnまでに、dnからgpまでに、dpからgpまでに、dpからgnまでに結合され得る(寄生または非寄生)。これらのキャパシタは可変であり、およびあるいは、インダクタ、抵抗器、トランスフォーマなどの直列受動または能動要素を有することがある。ノードgpは、バイアスネットワークに接続することができる。このバイアスネットワークは、抵抗器、キャパシタ、インダクタ、トランスフォーマ、およびそれらの任意の組合せなど、任意の受動を含むことができる。バイアスは、任意の能動要素をも含むことができる。
【0017】
[0040]n形およびp形の両方またはいずれか一方のためにカスケードトランジスタを使用する場合、キャパシタ110と同様にカスケードn形のドレインをカスケードp形のドレインに接続するために、追加のキャパシタが必要とされ得る。また、カスケードn形のバルクをカスケードp形のバルクに結合するキャパシタは、キャパシタ108と同様であり得る。さらに、キャパシタが、キャパシタ106と同様に、カスケードn形のゲートからカスケードp形のゲートまでに接続され得る。
【0018】
[0041]図1Cは、本発明による、電圧制御発振器内で利用される差動能動デバイス150の概略図である。差動能動デバイス150は、差動様式で結合された第1の能動デバイス100および第2の能動デバイス100を含む。差動能動デバイスは、それぞれのトランジスタ102およびトランジスタ104のバルクからソースまでに結合された、両方の能動デバイス100中のキャパシタ190およびキャパシタ192を含む。キャパシタ190および192は、共通ゲート能動デバイス150の高い周波数における線形性、安定性および自己利得を改善する。n形デバイスの共通ゲートをp形デバイスの共通ゲートに接続するキャパシタ106は、VCOプリングおよびメモリ効果に関係する問題を改善するためであるように、電源、接地および(AB級、B級、C級...モードを入力するVCOまたは増幅器によって)自己生成された偶数高調波からコモンモード信号を捕捉することができる。
【0019】
[0042]n形デバイスのバルクをp形デバイスのバルクに接続するキャパシタ108は、VCOまたは増幅器のAB級、B級、C級...アクションによって生成された偶数高調波のための経路を与える。また、バルクノードに対して電源または接地雑音からのフィルタ処理を行い、VCOプリングまたはメモリ効果に関係する問題を改善する。
【0020】
[0043]図1Dは、本発明による、電圧制御発振器内で利用される容量性同調要素194a、194bおよび196を含む差動能動デバイス151の概略図である。差動能動デバイス151は、図1Cの差動能動デバイスと同様に含む。同調要素194aおよび194bは、能動デバイス100のドレイン間に結合され、デバイス151の粗同調調整を行う。同調要素196は、能動デバイス100のソース間に結合され、デバイス151の微同調調整を行う。同調要素194a、194bおよび196は、デバイス151の(図示されないが、場合によっては明らかである、寄生キャパシタンスを含む)実効キャパシタンスを変化させるために利用される。これは、VCO構造全体の中心周波数を変更することができる。同調要素194aは可変キャパシタであり得、それは、直列抵抗器およびまたは直列インダクタを有することができ、すべてが可変である。同調要素194aはさらに、任意の直列要素をもつN個のキャパシタに分割され得る。同調要素194bは可変キャパシタであり得、それは、直列抵抗器およびまたは直列インダクタを有することができ、すべてが可変である。同調要素194bはさらに、任意の直列要素をもつN個のキャパシタに分割され得る。キャパシタ110は可変キャパシタであり得、それは、直列抵抗器およびまたは直列インダクタを有することができ、すべてが可変である。キャパシタ110はさらに、任意の直列要素をもつN個のキャパシタに分割され得る。
【0021】
[0044]図1Eは、図1Dに示された差動能動デバイスのブロック図である。図1Aと同様に、能動デバイスの各々では、n形トランジスタ102は、NPNバイポーラ、またはGaAsからの任意の他の能動要素であり得る。p形トランジスタ104は、PNPバイポーラ、またはGaAsからの任意の他の能動相補であり得る。n形トランジスタ102は、カスケードNMOSまたはNPN回路によってさらに保護され得る。p形トランジスタ104は、カスケードPMOSまたはPNP回路によってさらに保護され得る。キャパシタ106は可変キャパシタであり得、それは、直列抵抗器およびまたは直列インダクタを有することができ、すべてが可変である。キャパシタ106はさらに、任意の直列要素をもつN個のキャパシタに分割され得る。キャパシタ108は可変キャパシタであり得、それは、直列抵抗器およびまたは直列インダクタを有することができ、すべてが可変である。キャパシタ108はさらに、任意の直列要素をもつN個のキャパシタに分割され得る。キャパシタ110は可変キャパシタであり得、それは、直列抵抗器およびまたは直列インダクタを有することができ、すべてが可変である。キャパシタ110はさらに、任意の直列要素をもつN個のキャパシタに分割され得る。
【0022】
[0045]より多くのキャパシタが、dnからgnまでに、dnからgpまでに、dpからgpまでに、dpからgnまでに結合され得る(寄生または非寄生)。これらのキャパシタは可変であり、およびあるいは、インダクタ、抵抗器、トランスフォーマなどの直列受動または能動要素を有することがある。ノードgpは、バイアスネットワークに接続することができる。このバイアスネットワークは、抵抗器、キャパシタ、インダクタ、トランスフォーマ、およびそれらの任意の組合せなど、任意の受動を含むことができる。バイアスは、任意の能動要素をも含むことができる。
【0023】
[0046]n形およびp形の両方またはいずれか一方のためにカスケードトランジスタを使用する場合、キャパシタ110と同様にカスケードn形のドレインをカスケードp形のドレインに接続するために、追加のキャパシタが必要とされ得る。また、カスケードn形のバルクをカスケードp形のバルクに結合するキャパシタは、キャパシタ108と同様であり得る。さらに、キャパシタが、キャパシタ106と同様に、カスケードn形のゲートからカスケードp形のゲートまでに接続され得る。
【0024】
[0047]図1A中の能動デバイス100あるいは図1Cおよび図1Dの差動能動デバイス150または差動能動デバイス151がそれぞれ、AB級またはB級またはC級またはD級あるいはA級を除く任意の他の級で駆動される場合、能動デバイス151は、dnノードおよびdpノードを通って流れる偶数および奇数高調波出力電流を生成する。能動デバイス151は、主要な信号または第3高調波などの奇数高調波の場合、ノードdnおよびノードdpにおいて同様の方向の電流フローを生成することによって、偶数高調波と奇数高調波とを区別することができる。しかしながら、能動デバイス100は、第2、第4、第5などの偶数高調波の場合、ノードdnおよびノードdpにおいて反対方向の電流を生成することになる。また、キャパシタ110、108および106によって生じるフィルタ処理アクションが、dnノードおよびdpノードを通って流れる偶数高調波の大きさに影響を及ぼすことになる。
【0025】
[0048]図2Aは、本発明による、同調ブロック200の第1の実施形態である。シングルエンド同調ブロック200は、2つの入力、dnおよびdpと、1つの出力、sと、電圧供給(vdd)と、接地(gnd)とを含む。電流の形態での入力信号が、それぞれl_in_nおよびl_in_pとして、ノードdnおよびノードdpに与えられ得る。いずれかに限定されないが、受動的な、インダクタ、キャパシタ、抵抗器およびトランスフォーマのすべてまたは数個の組合せを含むことができる同調ブロック200は、以下の条件、すなわちl_s>l_in_n+l_in_pである場合、l_in_nおよびl_in_pを受信し、ノードSにおける出力電流、l_sを与える機能を有する。同調ブロック200は、電力にかかわらず線形出力信号を与えるために利用される。同調ブロック200と能動デバイス100の組合せが、共通ゲート増幅器を形成する。
【0026】
[0049]図3Aは、本発明による、シングルエンド共通ゲート増幅器のブロック図である。共通ゲート増幅器は、同調ブロック200に結合された能動デバイス100を備える。この実施形態では、同調ブロック200からの電流l_sが、能動デバイス100のソース接続、Sに与えられる。デバイス100の共通ゲートアクションにより、電流l_sは、分かれることになり、それの部分は出力電流l_out_nとしてdnに向けられ、他の部分は出力電流l_out_pとしてdpに向けられる。能動デバイス100のゲートgnおよびゲートgpは、バイアスラインに結合される。(信号が、gnおよびgpに印加されない)。バルクノードbnおよびバルクノードbpも、それらのそれぞれのバイアスラインに結合される。
【0027】
[0050]能動デバイス100がAB級、B級、C級、D級およびF級モード下で動作している場合、他の偶数および奇数高調波電流が、能動デバイス100の内部に生じる。これらの電流は、dnおよびdpのほうへ向けられる。AM(振幅変調された)電流および第2高調波などの偶数高調波の場合、dnを通る電流フローの方向とdpを通る電流フローの方向は、反対である。しかしながら、主要な信号電流および第3高調波など、奇数高調波の場合、dnを通る出力電流の方向とdpを通る出力電流の方向は、同じである。
【0028】
[0051]図28は、本発明による、同調ブロック200’の第2の実施形態である。シングルエンド同調ブロック200’は、2つの入力、dnおよびdpと、3つの出力、s、gnおよびgpとを含む。シングルエンド同調ブロック200’は、電源(vdd)と、接地(gnd)とを有する。電流の形態での入力信号が、l_in_nとl_in_pとをそれぞれ用いてノードdnとノードdpとに挿入される。いずれかに限定されないが、受動的な、インダクタ、キャパシタ、抵抗器およびトランスフォーマのすべてまたは数個の組合せを含むことができる同調ブロック200’は、以下の条件、すなわち、l_s>l_in_n+l_in_pである場合、l_in_nおよびl_in_pを受信し、ノードSにおける出力電流、l_sを与える機能を有する。出力gpおよびgnは、能動デバイス100のgnノードおよびgpノードを駆動することになる電圧である。図38に示されているように、同調ブロック200’を能動デバイス100と組み合わせることが、共通ゲート/共通ソース増幅器アクションを形成する。
【0029】
[0052]さらに、同調ブロック200’は、ゲート情報gnおよびgpのみを送り、Sノードにおける情報を送らないことがある。この場合、Sノードは、接地されるか、あるいは抵抗器、キャパシタ、インダクタ、トランスフォーマなどの受動デバイス、または能動デバイス、またはすべてに結合され得る。同調ブロック200’と能動デバイス100との組合せは、この特定の場合に、共通ソース増幅器を形成する。
【0030】
[0053]図38は、本発明による、シングルエンド形式での組合せ共通ゲートおよび共通ソース増幅器のブロック図である。共通ゲートおよび共通ソース増幅器は、同調ブロック200’に結合された能動デバイス100を備える。この実施形態では、同調ブロック200’からの電流l_sは、能動デバイス100のソース接続、Sに与えられる。ノードsに入る電流のためのデバイスの共通ゲートアクションにより、電流l_sは、分かれることになり、それの部分は出力電流l_out_nとしてdnに向けられ、他の部分は出力電流l_out_pとしてdpに向けられる。能動デバイス100のゲートgnおよびゲートgpは、バイアスラインに結合され、ならびに同調ブロックの出力ノードgnおよびgpによって駆動される。バルクノードbnおよびバルクノードbpも、それらのそれぞれのバイアスラインに結合される。ノードgnおよびノードgpはさらに、主要な信号から絶縁されるそれらのそれぞれのバイアスに接続され得る。
【0031】
[0054]図4Aは、本発明による、差動共通ゲート増幅器400の第1の実施形態のブロック図である。増幅器400は、第1の能動デバイス151および第2の能動デバイス151に結合された差動同調ブロック200を備える。差動同調ブロック200は、4つの入力、dn_in+、dp_in+およびdn_in−、dp_in−と、2つの出力、s S+およびs−とを備える。電源(vdd)および接地(gnd)が与えられる。電流の形態での入力信号が、l_in_n+、l_in_p−およびl_in_n−およびl_in_p−として、それぞれノードdn_in+、ノードdp_in+およびノードdn_in−、ノードdp_in−に挿入される。いずれかに限定されないが、受動的な、インダクタ、キャパシタ、抵抗器およびトランスフォーマのすべてまたは数個の組合せを含むことができる同調ブロック200は、以下の条件、すなわちl_s+>(l_in_n+)+(l_in_p+)およびl_s−>(l_in_n−)+(l_in_p−)である場合、l_in_n+、l_in_p+およびl_in_n−、l_in_p−を受信し、それらをそれぞれ、ノードS+およびノードS−における出力電流l_s+およびl_s−として処理する機能を有する。
【0032】
[0055]この実施形態では、同調ブロック200からの電流l_sが、能動デバイス+151のソース接続、Sに与えられる。デバイス151+の共通ゲートアクションにより、電流l_sは、分かれることになり、それの部分は出力電流l_out_nとしてdnに向けられ、他の部分は出力電流l_out_pとしてdpに向けられる。能動デバイスのゲートgnおよびゲートgpは、バイアスラインに結合される。(信号が、gnおよびgpに印加されない)。バルクノードbnおよびバルクノードbpも、それらのそれぞれのバイアスラインに結合される。
【0033】
[0056]同様に、この実施形態では、同調ブロック200からの電流l_sが、能動デバイス151−のソース接続、Sに与えられる。デバイス151−の共通ゲートアクションにより、電流l_sは、分かれることになり、それの部分は出力電流l_out_nとしてdnに向けられ、他の部分は出力電流l_out_pとしてdpに向けられる。能動デバイスのゲートgnおよびゲートgpは、バイアスラインに結合される。(信号が、gnおよびgpに印加されない)。バルクノードbnおよびバルクノードbpも、それらのそれぞれのバイアスラインに結合される。
【0034】
[0057]任意の数のキャパシタまたは可変キャパシタが、同調ブロック200の入力の+ノードと−ノードとの間に結合され得る。同様に、任意の数のキャパシタまたは可変キャパシタが、能動デバイス+151および能動デバイス−151の入力および出力までの入力、出力、ゲート、バルクの+ノードと−ノードとの間に接続することができる。たとえば、相互キャパシタまたは可変キャパシタが、dn+とdn−との間、dp+とdp−との間、dn−とdp+との間、dn+とdp−との間、およびまたはそれらの任意の組合せに結合され得る。また、これらのキャパシタまたは可変キャパシタは、本発明に影響を及ぼさずまたは本発明を改変しない、直列抵抗器または直列インダクタンスまたは並列抵抗器または並列インダクタを含むことができる。
【0035】
[0058]図48は、本発明による、差動共通ゲート増幅器の第2の実施形態のブロック図である。増幅器400は、第1の能動デバイス151および第2の能動デバイス151に結合された差動同調ブロック200を備える。差動同調ブロック200は、4つの入力、dn_in+、dp_in+およびdn_in−、dp_in−と、2つの出力、s S+およびs−とを備える。電源(vdd)および接地(gnd)が与えられる。電流の形態での入力信号が、l_in_n+、l_in_p−およびl_in_n−およびl_in_p−として、それぞれノードdn_in+、ノードdp_in+およびノードdn_in−、ノードdp_in−に挿入される。左側にある電源vdd、および右側にgnd。いずれかに限定されないが、受動的な、インダクタ、キャパシタ、抵抗器およびトランスフォーマのすべてまたは数個の組合せを含むことができる同調ブロック200は、以下の条件、すなわちl_s+>(l_in_n+)+(l_in_p+)およびl_s−>(l_in_n−)+(l_in_p−)である場合、l_in_n+、l_in_p+およびl_in_n−、l_in_p−を受信し、それらをそれぞれ、ノードS+およびノードS−における出力電流l_s+およびl_s−として処理する機能を有する。
【0036】
[0059]この実施形態では、同調ブロック200からの電流l_sが、能動デバイス+151のソース接続、Sに与えられる。デバイス151+の共通ゲートアクションにより、電流l_sは、分かれることになり、それの部分は出力電流l_out_nとしてdnに向けられ、他の部分は出力電流l_out_pとしてdpに向けられる。能動デバイスのゲートgnおよびゲートgpは、+側と−側との間に仮想接地を形成するバイアスラインに結合される(信号差動信号が、gnおよびgpに印加されない)。バルクノードbnおよびバルクノードbpも、それらのそれぞれのバイアスラインに結合される。
【0037】
[0060]同様に、この実施形態では、同調ブロック200からの電流l_sが、能動デバイス151−のソース接続、Sに与えられる。デバイス151−の共通ゲートアクションにより、電流l_sは、分かれることになり、それの部分は出力電流l_out_nとしてdnに向けられ、他の部分は出力電流l_out_pとしてdpに向けられるゲートgn−は、仮想接地を形成するためにゲートgn+に結合され、それらは共通バイアス電圧、vbias_nを共有する。同様に、gp−とgp+とは、仮想接地を形成するために互いに結合され、それらは共通バイアス電圧、bias_pを共有する。バルクノードbn−およびバルクノードbp−も、それらのそれぞれのバイアスラインに結合される。
【0038】
[0061]任意の数のキャパシタまたは可変キャパシタが、同調ブロック200の入力および出力の+ノードと−ノードとの間に結合され得る。同様に、任意の数のキャパシタまたは可変キャパシタが、能動デバイス+151および能動デバイス−151の入力および出力、ゲート、バルクおよびソースの+ノードと−ノードとの間に接続することができる。たとえば、相互キャパシタまたは可変キャパシタが、dn+とdn−との間、dp+とdp−との間、dn−とdp+との間、dn+とdp−との間、またはそれらの任意の組合せに結合され得る。また、これらのキャパシタまたは可変キャパシタは、本発明に影響を及ぼさずまたは本発明を改変しない、直列抵抗器または直列インダクタンスまたは並列抵抗器または並列インダクタを含むことができる。
【0039】
[0062]図4Cは、本発明による、差動組合せ共通ゲートおよび共通ソース増幅器の実施形態のブロック図である。増幅器400は、第1の能動デバイス151および第2の能動デバイス151に結合された差動同調ブロック200を備える。差動同調ブロック200は、4つの入力、n+、p+およびn−、d−と、6つの出力、S+、s−、gn+、gn−、gp+、gp−とを備える。また、ノードdn+、dn−、dp+およびdp−に給電している能動デバイスの必要とされるバイアシングのために、電源vddおよびgndが与えられる。
【0040】
[0063]入力信号が電流の形態であり、l_in_n+、l_in_p−およびl_in_n−およびl_in_p−として、それぞれノードn+、ノードp+およびノードn−、ノードp−に与えられる。いずれかに限定されないが、インダクタ、キャパシタ、抵抗器およびトランスフォーマなどの受動デバイスのすべてまたはいくつかの組合せを含むことができる同調ブロック200は、以下の条件、すなわちl_s+>(l_in_n+)+(l_in_p+)およびl_s−>(l_in_n−)+(l_in_p−)である場合、l_in_n+、l_in_p+およびl_in_n−、l_in_p−を受信し、それらをそれぞれ、ノードS+およびノードS−における出力電流l_s+およびl_s−として処理する機能を有する。
【0041】
[0064]同調ブロック200の他の4つの出力ノードは、差動共通ゲート−共通ソース増幅器を形成するために、それぞれ、能動デバイス+151および能動デバイス−151の正のn形およびp形ゲートおよび負のn形およびp形ゲートに接続する。
【0042】
[0065]電流l_s+が、能動デバイス+151ソース接続、Sに与えられる。このデバイスの共通ゲートアクションにより、電流l_s+は、分かれることになり、それの部分は出力電流l_out_n+としてdn+に向けられ、他の部分は出力電流l_out_p+としてdp+に向けられる。能動デバイス151のゲートgn+およびゲートgp−は、バイアスラインに結合される。(信号が、gn+およびgp+に印加されない)。バルクノードbn+およびバルクノードbp+も、それらのそれぞれのバイアスラインに結合される。
【0043】
[0066]同様に、電流l_s−が、能動デバイス−151のソース接続、Sに入っている。能動デバイス−151の共通ゲートアクションにより、電流l_s−は、分かれることになり、それの部分は出力電流l_out_n−としてdn−に向けられ、他の部分は出力電流l_out_p−としてdp−に向けられる。
【0044】
[0067]任意の数のキャパシタまたは可変キャパシタが、同調ブロック200の入力および出力、ゲートおよびバルクおよびソースの+ノードと−ノードとの間に結合され得る。同様に、任意の数のキャパシタまたは可変キャパシタは、能動デバイス+151および能動デバイス−151の入力および出力の+ノードと−ノードとの間に接続することができる。たとえば、相互キャパシタまたは可変キャパシタは、dn+とdn−との間、dp+とdp−との間、dn−とdp+との間、dn+とdp−との間およびそれらの任意の組合せで接続することができる。また、これらのキャパシタまたは可変キャパシタは、本発明に影響を及ぼさずまたは本発明を改変しない、直列抵抗器または直列インダクタンスまたは並列抵抗器または並列インダクタを含むことができる。
【0045】
[0068]図40は、本発明による、シングルエンド電圧制御発振器(VCO)400の実施形態のブロック図である。図示のように、能動デバイス100は、ソースを介して直接、およびドレインを介してフィードバック関係で同調ブロック200に結合される。
【0046】
[0069]図4Eは、本発明による、差動VCO400’の実施形態のブロック図である。図示のように、能動デバイス151は、ソースおよびゲートを介して直接、およびドレインを介してフィードバック関係で同調ブロック200に結合される。
【0047】
[0070]図4Fは、本発明による、カスケードVCO400”の実施形態のブロック図である。図4Fは、共通ソース同調および能動デバイスのカスケードを示す。しかしながら、本発明による、共通ゲートまたは共通ゲート、共通ソースまたはさらに共通ソースの混合および整合が、実装され得る。
【0048】
[0071]図4Gは、本発明による、差動VCO410の実施形態のブロック図である。図示のように、能動デバイス151は、ソースを介して直接、およびドレインを介してフィードバック関係で同調ブロック200に結合される。有効なループフィードバックは、発振を保証するために正符号を有する。
【0049】
[0072]図4Hは、本発明による、カスケードVCO410’の実施形態のブロック図である。図4Hは、共通ゲート同調および能動デバイスのカスケードを示す。しかしながら、本発明による、共通ゲートまたは共通ゲート、共通ソースまたはさらに共通ソースの混合および整合が、実装され得る。点線は、これらのブロックのうちの多くが存在し得ることを意味する。
【0050】
[0073]図4Iは、本発明による、カスケードVCO420の実施形態のブロック図である。図4Iは、共通ゲート同調および能動デバイスを用いた、共通ゲート同調および能動デバイスのカスケードを示す。点線は、共通ゲート能動および同調デバイス、または共通ゲート、共通ソース能動および同調デバイスの多くの組合せがあり得ることを意味する。
【0051】
[0074]図5は、本発明による、VCO500を形成するために誘導性同調ブロックに結合された2つの差動能動デバイスの図である。図5は、共通ゲート増幅器と組み合わせて受動インダクタンスを使用して、1よりも大きく、2の利得に近づく利得をもつ正のフィードバックループをどのように達成すべきかを示す。インダクタのクラスタ200が互いに結合される。これは、ソース電流が、同調ブロック機能を用いて指定された各ドレイン電流よりも多いという条件を満たす。図示されていないが、図5の場合、同極性ソースは一緒に接続することができ、ならびに同極性dnまたはdpは、機能を改変することなしに、互いに接続することができる。たとえば、各能動デバイス151のS+は一緒に接続することができる。または、各能動デバイスのS−は一緒に接続することができる。
【0052】
[0075]図6は、本発明による、VCO600を形成するために誘導性同調ブロックに結合された3つの差動能動デバイスの図である。図6は、共通ゲート増幅器と組み合わせて受動インダクタンスを使用して、1よりも大きく、3の利得に近づく利得をもつ正のフィードバックループをどのように達成すべきかを示す。インダクタのクラスタ200が互いに結合される。これは、ソース電流が、同調ブロック機能を用いて指定された各ドレイン電流よりも多いという条件を満たす。図示されていないが、図6の場合、同極性ソースは一緒に接続することができ、ならびに同極性dnまたはdpは、機能を改変することなしに、互いに接続することができる。たとえば、各能動デバイス151のS+は、一緒に接続することができる。または、各能動デバイスのS−は一緒に接続することができる。
【0053】
[0076]図7は、本発明による、誘導性同調ブロックに結合された4つの差動能動デバイスの図である。図7は、利得は、この正のフィードバックによって、1よりも多く、4の利得に近づく利得であり得ることを示す。点線楕円内のグループ化されたすべてのインダクタが、互いに結合される。各能動デバイスの同極性ソースノードは、本発明を改変することなしに、一緒に接続され得る。また、各能動デバイスの同極性dnノードとdpノードとは、本発明を改変することなしに、一緒に接続され得る。
【0054】
[0077]図8は、本発明による、VCO800におけるループの前に2つの能動デバイスのドレイン電流が追加されるところを示す図である。そのように行う際に、2つデバイスのドレイン電流が最初に追加され、ドレインは、正のフィードバック様式でソースに結合される。同様に、各差動能動デバイスから他の差動能動デバイスへのすべてのまたは数個の同様の極性ソースノードが、本発明を改変することなしに、一緒に接続することができる。
【0055】
[0078]図9は、本発明による、VCO900におけるループの前にドレイン電流が追加されるところを示す図である。そのように行う際に、ドレイン電流が最初に追加され、3つのドレインは、正のフィードバック様式でソースに結合される。同様に、各差動能動デバイスから他の差動能動デバイスまでのすべてのまたは数個の同様の極性ソースノードが、本発明を改変することなしに、一緒に接続することができる。
【0056】
[0079]本発明によるシステムおよび方法が、電圧制御発振器(VCO)適用例について、増加された利得と正のフィードバックとを取得するためにトランスフォーマと組み合わせられ得る増幅器回路を与える。得られたデバイスは、バッファまたはメモリを必要とせず、したがって、従来のVCOよりもサイズが小さく、より少ない電力を使用する。
【0057】
[0080]本発明は、図示された実施形態に従って説明されたが、当業者は、実施形態に対する変形態があり得、それらの変形態は本発明の趣旨および範囲内にあることを容易に認識されよう。したがって、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、多くの変更が当業者によって行われ得る。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図5
図6
図7
図8
図9