【課題を解決するための手段】
【0016】
(第一の発明)
第一の発明は、
利用実績データの収集が可能な共有車両を用いた車両共有サービスを利用するユーザに対するレコメンド情報を送信するレコメンド情報管理サーバに係る。
すなわち、 ユーザの
運転免許証データを含む属性情報を蓄積するユーザデータベースと、 ユーザからの予約申し込みデータを蓄積する予約データベースと、
前記の利用実績データを蓄積する利用実績データベースと、
前記のユーザデータベースに蓄積された運転免許証データに基づいた免許証の取得日、および前記の利用実績データベースに蓄積された利用実績データに基づく事故トラブル履歴の有無を用いてユーザが熟練者か非熟練者かに区別する熟練判断手段と、 前記の利用実績データベース、前記のユーザデータベース
、前記の予約データベースにおける各ユーザに係る各種データ
、および前記の熟練判断手段による区別を用いてレコメンド情報を作成するレコメンド作成装置と、 そのレコメンド作成装置によって作成されたレコメンド情報を予約申し込みデータに係るユーザに係る携帯情報端末へ送信するレコメンド送信手段と、を備えたレコメンド情報管理サーバである。
【0017】
(用語説明)
「車両共有サービス」とは、カーシェアリングを管理運営するサービス、およびカーレンタルサービスの両方を指すものとする。サービス車両の利用を希望するユーザは、カーシェアリングの場合には、予め会員登録をした会員ユーザとなる。
「サービス対象車両」とは、カーシェアリングであれば「シェアカー」、カーレンタルサービスであれば「レンタルされる車両(レンタカー)」を指すものとする。
「利用実績データ」とは、サービス対象車両を利用中における急減速、急加速、急ハンドルの回数などの車両の走行データ、所定の場所(たとえばある駐車場)におけるハンドルの切り返し回数、などである。
なお、レコメンド情報の作成に用いる利用実績データとしては、各ユーザに紐付けられた利用実績データのみならず、他のユーザによる実績データを活用することもできる。たとえば、所定の駐車場でのハンドル切り返し回数について全ユーザの平均値が他の駐車場よりも高い場合には、駐車が比較的難しい、という客観的なデータとして利用実績データを蓄積しておくことができる。
「ユーザに係る携帯情報端末」とは、無線によるデータ通信が可能な携帯電話、スマートフォン、タブレット型パソコン、ノートパソコン、持ち運び可能なカーナビゲーション装置などである。
【0018】
「レコメンド作成装置」は、たとえば、ユーザの属性情報から運転免許証を取得してからの期間を算出して用いる。
「レコメンド情報」とは、積極的なお薦め情報と、消極的なお薦め情報(あなたにはお薦めできないといった情報)とに大別される。ユーザへ送信するレコメンド情報は、積極的なお薦め情報だけでもよいし、消極的なお薦め情報を含んでもよいし、消極的なお薦め情報だけでもよい。たとえば、運転初心者や長年ペーパードライバーであった会員に対して、運転が比較的容易な利用パターン(車両貸出場所・返却場所、経由地、運転コース等)を紹介する情報、自己の住所に近い車両貸出場所の情報、消極的なお薦め情報としてのお薦めできない車種や、急ハンドルの頻度が多いユーザにはお薦めしないドライブコース、などである。
「レコメンド情報」には、電子クーポンを含む場合もある。電子クーポンとは、たとえば駐車料金の割引や無償化、商品など提供、サービスの付加、車両共有サービスの利用料金の割引、経済的価値のあるポイントの付与など、あるいはそれらとの割引との組合せなどである。
【0019】
(作用)
まず、ユーザの属性情報をユーザデータベースが蓄積する。
ユーザからの予約申し込みデータは、予約データベースが蓄積する。更に、ユーザによる車両共有サービスを利用した実績に関する利用実績データを、利用実績データベースが蓄積する。
その利用実績データベース、前記のユーザデータベース、および前記の予約データベースにおける各ユーザに係る各種データを用いて、レコメンド作成装置がレコメンド情報を作成する。
そのレコメンド作成装置によって作成されたレコメンド情報は、レコメンド送信手段が予約申し込みデータに係るユーザに係る携帯情報端末へ送信する。
【0020】
レコメンド情報は、たとえば、ユーザにとっては、運転熟練度に適した車両共有サービスを利用できる。
また、車両共有サービスにおいて車両を管理運営する者は、車両の損傷の未然防止、メンテナンスに係る費用や手間の軽減が期待できる。
【0021】
(第一の発明のバリエーション1)
第一の発明は、以下のように形成すると、より好ましい。
すなわち、 前記の車両共有サービスに係る共有車両には、ユーザに対するタイムリーな情報提供
が可能な多機能カーナビゲーション装置を搭載することとし、 前記のレコメンド送信手段は、前記の多機能カーナビゲーション装置に対してレコメンド情報を送信可能とするのである。
【0022】
(作用)
ユーザに対するタイムリーな情報提供およびユーザによる車両の利用状況の収集が可能な通信装置を備えた多機能カーナビゲーション装置が搭載されている。その多機能カーナビゲーション装置に対し、前記のレコメンド送信手段は、前記のレコメンド情報(たとえば、運転熟練度が低い場合に運転しやすい道や駐車しやすい駐車場の場所など)を提供する。 すると、ユーザは、多機能カーナビゲーション装置の操作、または自動的なナビゲーションに基づいた運転をすることができる。
【0023】
(第一の発明のバリエーション2)
第一の発明は、以下のように形成することも可能である。
すなわち、前記の車両共有サービスに係る共有車両には
、ユーザに係る携帯情報端末と接続してその携帯情報端末との通信が可能な車載機を備え
ることとし、 前記のレコメンド送信手段は、
前記のレコメンド情報を前記の携帯情報端末へ出力させることする
のである。
【0024】
(作用)
共有車両に乗車したユーザは、自らに係る携帯情報端末を、共有車両に備え付けられている車載機へ接続する。
その車載機には、レコメンド情報送信手段からレコメンド情報が送信されてくるので、そのレコメンド情報を携帯情報端末にて出力する。
ユーザは、普段から持ち歩いているであろう携帯情報端末にレコメンド情報を出力させることができるので、新たにその操作を覚える必要が無い、などのメリットがある。
【0025】
(第一の発明のバリエーション3)
第一の発明は、以下のように形成することも可能である。
すなわち、
前記のレコメンド情報には、ユーザに対してお奨めしない旨の消極的なレコメンド情報を含むこととするのである。
【0026】
「ユーザによる車両の利用状況」とは、たとえば、所定の場所に到達してからエンジンを切るまでの時間という情報である。この情報は、駐車すべき場所に到達してから駐車が完了するまでの時間であると推測できる。そして、この時間が平均よりも長ければ、運転熟練度が高くないユーザによる運転である、と推察することができることとなる。
「所定頻度で」とは、たとえば、1分ごとといった定期的に取得する場合や、所定エリアにおいては数秒おき、などとして間隔を狭めたり、広げたりする場合などを含む。
【0027】
(作用)
多機能カーナビゲーション装置は、ユーザによる車両の利用状況を所定頻度で収集して利用実績データベースへ送信する。レコメンド作成装置は、利用実績データベースに収集された新たな利用状況を用いて新たなレコメンド情報を作成する。
前記のレコメンド送信手段は、前記のレコメンド作成装置が作成した新たなレコメンド情報を前記の多機能カーナビゲーション装置に対して送信する。
【0028】
たとえば、車両の利用状況を収集してそれを分析した結果としてユーザが運転に不慣れであると予想できた場合、運転しやすい道、駐車しやすい駐車場などをレコメンド情報として作成し、多機能カーナビゲーション装置に対して送信する。
これによって、ユーザにとっては、運転熟練度に適した車両共有サービスを利用できる。
また、車両共有サービスにおいて車両を管理運営する者は、車両の損傷の未然防止、メンテナンスに係る費用や手間の軽減が期待できる。
【0029】
なお、運転初心者であるユーザが、運転が比較的容易な利用パターンをいくつか利用した場合、その利用実績についても、利用実績データベースへ送信され、蓄積される。その結果、そのユーザの運転熟練度属性情報が自動的に更新され、レコメンドされる利用パターンも更新される。
【0030】
(第二の発明)
第二の発明は、車両共有サービスを利用するユーザに対するレコメンド情報を送信するレコメンド情報管理サーバを制御するためのコンピュータプログラムに係る。
前記のレコメンド情報管理サーバには、ユーザの
運転免許証データを含む属性情報を蓄積するユーザデータベースと、 ユーザからの予約申し込みデータを蓄積する予約データベースと、
前記の利用実績データを蓄積する利用実績データベースと、を備えている。
前記のコンピュータプログラムは、
前記のユーザデータベースに蓄積された運転免許証データに基づいた免許証の取得日、および前記の利用実績データベースに蓄積された利用実績データに基づく事故トラブル履歴の有無を用いてユーザが熟練者か非熟練者かに区別する熟練判断手順と、 前記の利用実績データベース、前記のユーザデータベース
、前記の予約データベースにおける各ユーザに係る各種データ
、および前記の熟練判断手順による区別を用いてレコメンド情報を作成するレコメンド作成手順と、 そのレコメンド作成手順にて作成したレコメンド情報を予約申し込みデータに係るユーザに係る携帯情報端末へ送信するレコメンド送信手順と、をレコメンド情報管理サーバに実行させる。
【0031】
(第二の発明のバリエーション1)
第二の発明は、以下のように形成しても良い。
すなわち、前記の車両共有サービスに係る共有車両には、ユーザに対するタイムリーな情報提供
が可能な多機能カーナビゲーション装置を搭載することとし、 前記のレコメンド作成手順にて作成したレコメンド情報を前記の多機能カーナビゲーション装置に対して送信するカーナビ送信手順を、レコメンド情報管理サーバに実行させることとしてもよい。
【0032】
(第二の発明のバリエーション2)
第二の発明は、以下のように形成することも可能である。
すなわち、前記の車両共有サービスに係る共有車両には
、ユーザに係る携帯情報端末と接続してその携帯情報端末との通信が可能な車載機を備え
ることとし、 前記のレコメンド送信手順は、
前記のレコメンド情報を送信するとともに、前記の携帯情報端末へ出力させることとする。
【0033】
(第二の発明のバリエーション3)
第二の発明における上述のバリエーション1およびバリエーション2は、以下のように形成しても良い。
すなわち、
前記のレコメンド情報には、ユーザに対してお奨めしない旨の消極的なレコメンド情報を含むこととしてもよい。
【0034】
第二の発明に係るコンピュータプログラムを、記録媒体へ記憶させて提供することもできる。
ここで、「記録媒体」とは、それ自身では空間を占有し得ないプログラムを担持することができる媒体である。例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−R、CD−RW、MO(光磁気ディスク)、DVD−R、DVD−RW、フラッシュメモリなどである。
また、この発明に係るプログラムを格納したコンピュータから、通信回線を通じて他の端末手段へ伝送することも可能である。