(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6539411
(24)【登録日】2019年6月14日
(45)【発行日】2019年7月3日
(54)【発明の名称】磁気特性を有するねじ式容器−閉栓システム
(51)【国際特許分類】
B65D 51/32 20060101AFI20190625BHJP
A45D 34/04 20060101ALI20190625BHJP
【FI】
B65D51/32 100
A45D34/04 515
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-515645(P2018-515645)
(86)(22)【出願日】2016年8月30日
(65)【公表番号】特表2018-534213(P2018-534213A)
(43)【公表日】2018年11月22日
(86)【国際出願番号】US2016049385
(87)【国際公開番号】WO2017053027
(87)【国際公開日】20170330
【審査請求日】2018年5月9日
(31)【優先権主張番号】14/865,040
(32)【優先日】2015年9月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513161449
【氏名又は名称】イーエルシー マネージメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャコブ,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ブイクス,エルベ
【審査官】
宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭59−101913(JP,U)
【文献】
実開昭63−177256(JP,U)
【文献】
米国特許第06382450(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0182005(US,A1)
【文献】
特表2007−520249(JP,A)
【文献】
特開2004−173946(JP,A)
【文献】
特開2003−221048(JP,A)
【文献】
実開昭59−043348(JP,U)
【文献】
実開平01−130955(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0093173(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0294813(US,A1)
【文献】
特開2010−269850(JP,A)
【文献】
特開2001−061547(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 35/44−35/54
B65D 39/00−55/16
A45D 34/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(10)と閉栓部(11)とを備えるねじ式容器及び閉栓システムであって、
前記容器(10)は、第1の部分組立品を有しており、
前記第1の部分組立品は、
内部に製品を充填可能であり、ねじ山(1h)付きねじ込み式ネック(1g)を有するリザーバ(1)と、
閉じた下部(4b)、及び前記リザーバを配設するための開口した上部(4a)を有する容器外側シェル(4)と、
前記容器外側シェル(4)の上部付近に設けられた1つ又は複数の磁気素子(9)とを有しており、
前記閉栓部(11)は、第2及び第3の部分組立品を有しており、
前記第2の部分組立品は、
開口した遠位端(15b)及び閉じた近位端(15c)を有する外側キャップ(15)と、
前記外側キャップ(15)の前記開口した遠位端(15b)付近に設けられた1つ又は複数の磁気素子(19)とを有しており、
前記第3の部分組立品は、
前記外側キャップ(15)内に収容され、上面(12e)及び下端(12f)を有するねじ込み式内側キャップ(12)と、
前記内側キャップ(12)の内表面から垂下している棒(13)と、
前記棒の端部において支持されている塗布面(14)とを有しており、
前記ねじ込み式内側キャップ(12)と前記外側キャップ(15)は、回転中は互いに動かないが、前記内側キャップは、前記外側キャップ(15)内で相対的に低い位置と相対的に高い位置の間で上下に摺動可能であり、
前記内側キャップ(12)と前記外側キャップ(15)の間に、前記内側キャップを前記外側キャップに対して下方に付勢するためのばね(20)が設けられており、
前記ねじ込み式内側キャップ(12)が前記ねじ込み式ネック(1g)に対して完全に回転させられると、前記容器外側シェル(4)の上部付近に設けられた前記1つ又は複数の磁気素子(9)と前記外側キャップ(15)の前記開口した遠位端(15b)付近に設けられた前記1つ又は複数の磁気素子(19)の間の磁力が、前記ばね(20)の付勢に打ち勝つのに十分な大きさとなり、それにより前記外側キャップ(15)が前記容器外側シェル(4)に接触するまで下方に付勢される、ねじ式容器及び閉栓システム。
【請求項2】
前記ねじ込み式ネック(1g)は、ショルダー(1a)の上部から立ち上がっており、
前記ショルダー(1a)は、前記ショルダーの上部から立ち上がる1つ又は複数の容器ストッパー(1f)を有しており、
前記ネック(1g)の前記ねじ山(1h)の端部は、前記容器ストッパー(1f)のうちの1つに沿って急に下向きに曲げられている請求項1に記載のねじ式容器及び閉栓システム。
【請求項3】
前記内側キャップ(12)の前記下端(12f)に、少なくとも1つの固定突起(12b)、及び少なくとも1つの協働する閉栓部ストッパー(12c)が取り付けられており、前記閉栓部(11)が前記容器(10)にねじ込まれるにつれて、前記固定突起(12b)は前記容器ストッパー(1f)の上を通り過ぎて、前記容器ストッパーは前記固定突起と前記閉栓部ストッパー(12c)の間で静止するようになる請求項2に記載のねじ式容器及び閉栓システム。
【請求項4】
前記リザーバ(1)の前記ネック(1g)内に設けられたワイパー(5)を更に備え、前記ワイパーは上部開口部(5e)を有し、前記上部開口部は、該上部開口部の下にある斜面(5g)と該上部開口部の上にあるシールリップ(5a)に囲まれている請求項3に記載のねじ式容器及び閉栓システム。
【請求項5】
前記棒(13)の上部は、円錐部(13g)として外側に広がっており、前記棒(13)が前記リザーバ(1)内に位置しているとき、前記円錐部(13g)は前記斜面(5g)に接触する請求項4に記載のねじ式容器及び閉栓システム。
【請求項6】
前記斜面(5g)及び前記シールリップ(5a)は、ショアー硬さが50未満の熱可塑性エラストマーから成形されている請求項4に記載のねじ式容器及び閉栓システム。
【請求項7】
前記1つ又は複数の磁気素子(9)は、前記容器外側シェルの前記上部(4a)付近において、前記容器外側シェル(4)内に設けられたカラー(6)内に収容されている請求項1に記載のねじ式容器及び閉栓システム。
【請求項8】
前記第2の部分組立品は、前記外側キャップ(15)に対して動かないように、前記外側キャップ(15)内に収容された中空円筒部(18)を更に備える請求項1に記載のねじ式容器及び閉栓システム。
【請求項9】
前記1つ又は複数の磁気素子(19)は、前記外側キャップの前記開口した遠位端(15b)付近において、前記外側キャップ(15)内に設けられたキャップインサート(16)内に収容されている請求項8に記載のねじ式容器及び閉栓システム。
【請求項10】
前記第3の部分組立品は、前記内側キャップ(12)の前記上面から立ち上がるピストン(17)を更に有しており、前記ピストン(17)は、前記中空円筒部(18)内で上下に摺動可能であり、前記ばね(20)は、その一端が前記内側キャップ(12)の前記上面(12e)を押圧し、他端が前記円筒部(18)を押圧した状態で前記ピストンを覆うように設けられている請求項9に記載のねじ式容器及び閉栓システム。
【請求項11】
前記1つ又は複数の磁気素子(9)は、永久磁化を有している請求項1に記載のねじ式容器及び閉栓システム。
【請求項12】
前記1つ又は複数の磁気素子(19)は、永久磁化を有している請求項1に記載のねじ式容器及び閉栓システム。
【請求項13】
前記1つ又は複数の磁気素子は、磁性等級が少なくともN20であるネオジウム−鉄−ボロン(NdFeB)磁石である請求項11に記載のねじ式容器及び閉栓システム。
【請求項14】
前記1つ又は複数の磁気素子は、磁性等級が少なくともN20であるネオジウム−鉄−ボロン(NdFeB)磁石である請求項12に記載のねじ式容器及び閉栓システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ねじ式容器−閉栓システムに関し、閉栓部が容器に取り付けられる間及び容器から取り外される間、閉栓部が容器に対して回転するシステムに関する。より詳細には、本発明は、閉栓部を容器に正確に登録する(register)ことができ、これら2つの部品間のいかなる隙間をもなくすことができる容器−閉栓システムに関する。
【背景技術】
【0002】
容器−閉栓システムにおいて、閉栓部が容器に取り付けられる間及び容器から取り外される間、閉栓部が容器に対して回されるものがよく知られている。これらの例として、相補型ねじ山を有する容器と閉栓部がある。閉栓部と容器は、相対的に回転することにより互いに引き寄せられる。通常は、閉栓部の一部が容器の一部に達したときに、回転が止まり、閉栓部が完全に容器に取り付けられた状態になる。好ましくは、この時点で、閉栓部は容器に対して効果的な流体密封シールを形成していると同時に、閉栓部と容器の間には識別できる隙間は存在しない。しかし、これを達成することは常に容易ではなく、閉栓部が完全に容器に取り付けられたときに、閉栓部と容器の間に隙間がある場合が多い。この隙間は、パッケージの美的外観を損ねてしまう。この状況は、容器と閉栓部を正確に相互に並べなければならない場合により深刻となる。例えば、容器と閉栓部の断面が円形でない(例えば、正方形の)場合、パッケージが滑らかで流れるような形状を有するために、組み立て後のパッケージの断面が容器から閉栓部に亘って連続的になるように、容器と閉栓部を正確に登録しなければならない。更には、閉栓部が容器にねじ込まれて完全に容器に取り付けられた時点に達すると、通常は音が発生しないため、ユーザの興味をひくことがない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の主な目的は、ねじ込み式閉栓システムにおける閉栓部と容器の間の隙間をなくすことである。
【0004】
他の目的は、パッケージが密封されたときに、容器と閉栓部を互いに正確に登録する方法を提供することである。
【0005】
本発明の更なる他の目的は、消費者に贅沢な経験をもたらすことにより、面白みのない回転式閉栓部を過去のものにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題は、本明細書に記載の容器(10)及び閉栓部(11)により達成される。閉栓部は、ねじ込み式内側キャップ(12)と、内側キャップから垂下し、塗布面(14)を支持している棒(13)と、内側キャップに対して軸方向に移動可能な外側キャップ(15)と、1つ又は複数の磁気素子(19)とを有している。容器(10)は、専用ショルダー(1a)と、専用ねじ山プロファイルを有するネック(1g)と、閉栓部の1つ又は複数の磁気素子(19)を引き寄せる傾向がある、1つ又は複数の磁気素子(9)を収容している外側シェル(4)とを有している。
【0007】
閉栓部(11)は、内側キャップが硬質ストッパーに達し、閉栓部の磁気素子が容器の磁気素子と一列に並ぶまで、通常通りに容器(10)にねじ込まれる。この時点で、閉栓部(11)の外側キャップ(15)は、容器の外側シェル(4)に対して接触するまで引き寄せられているため、目障りな隙間はない。また、このような接触により、回転式閉栓部に通常連想される、音がならないことによる退屈感をなくすと共に、贅沢な触覚を伴い、満足感と安心感を与える金属「クリック」音(カチッという音)が生成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る磁気特性を有するねじ式閉栓システムの横断立面図である。
【
図2A】本発明に係る容器(10)の斜視図である。
【
図2B】本発明に係る容器(10)の分解組立図である。
【
図3A】容器ストッパー(1f)、及び容器(10)の下向きに曲がっているねじ山を示す図である。
【
図3B】容器ストッパー(1f)、及び容器(10)の下向きに曲がっているねじ山を示す図である。
【
図4A】容器外側シェル(4)内に設けられている容器(10)のリザーバ(1)とショルダー(1a)を示す。
【
図4B】容器外側シェル(4)内に設けられている容器(10)のリザーバ(1)とショルダー(1a)を示す。
【
図5】本発明に係るカラー(6)の下部の斜視図である。
【
図6A】本発明に係る閉栓部(11)の斜視図である。
【
図6B】本発明に係る閉栓部(11)の分解組立図である。
【
図7】本発明に係る閉栓部(11)の断面図である。
【
図8】閉栓部(11)の外側キャップ(15)の一実施形態の破断図である。
【
図9】本発明に係るキャップインサート(16)の斜視図である。
【
図10】内側キャップ(12)の拡大図であり、固定突起(12b)及び閉栓部ストッパー(12c)を示す図である。
【
図11】閉栓部(11)の中空円筒部(18)を示す図である。
【
図12A】リザーバ(1)が有するストッパー(1f)のうちの1つと、内側キャップ(12)が有する1つの固定突起(12b)及び1つの閉栓部ストッパー(12c)の間の係合を示す図である。
【
図12B】リザーバ(1)が有するストッパー(1f)のうちの1つと、内側キャップ(12)が有する1つの固定突起(12b)及び1つの閉栓部ストッパー(12c)の間の係合を示す図である。
【
図12C】リザーバ(1)が有するストッパー(1f)のうちの1つと、内側キャップ(12)が有する1つの固定突起(12b)及び1つの閉栓部ストッパー(12c)の間の係合を示す図である。
【
図13】カラー(6)の磁気素子(9)とキャップインサート(16)の磁気素子(19)が一列に並んだ状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において、「磁気素子」という用語は、永久磁化を有する材料、又は磁化を得ることができる材料(すなわち、強磁性材料)を意味する。
【0010】
図1は、本発明の好ましい実施形態を示す。図から分かる通り、リザーバ(1)、容器外側シェル(4)、及びカラー(6)は、一体となって移動する。これら3つの部品は、第1の部分組立品(subassembly)を構成している。外側キャップ(15)、キャップインサート(16)、及び中空円筒部(18)もまた、一体となって移動する。これら3つの部品は、第2の部分組立品を構成している。内側キャップ(12)、棒(13)、塗布面(14)、及びピストン(17)もまた、一体となって移動する。これら3つの部品は、第3の部分組立品を構成している。
【0011】
容器
図2A及び
図2Bを参照すると、本発明に係る容器(10)の一実施形態は、リザーバ(1)、外側シェル(4)、及び1つ又は複数の磁気素子(9)を収容しているカラー(6)を有している。
【0012】
リザーバ
リザーバ(1)には、製品、例えば、マスカラ等のパーソナルケア製品、又は実質的にいかなる種類の製品をも充填することができる。図示のリザーバの断面は均一の高さを有しており、概略正方形であるが、その他の形状であってもよい。リザーバの遠位端(1b)は閉じているが、近位端(1c)は、リザーバ内の製品へのアクセスを可能とするために開口している。ワイパー(5)は、棒状塗布具のパッケージの場合と概して同様に、通常はリザーバの近位開口部内に配置されている。
【0013】
図3A及び
図3Bを参照すると、リザーバ(1)は、その近位端(1c)付近に専用ショルダー(1a)が設けられている。リザーバのショルダーは、要素(1d)、(1e)、及び(1f)を有している。(1d)は、横寸法(場合によっては、幅又は半径)がリザーバの横寸法よりも大きいショルダーの幅広部分を示す。(1e)は、横寸法がリザーバの横寸法よりも小さい幅狭部分を示す。(1f)は、ショルダーの上部から(すなわち、幅狭部分(1e)の上部から)立ち上がっている容器ストッパーを示す。容器ストッパーは複数設けてもよく、その場合はショルダーの周りに間隔をおいて設けられる。例えば、図示のように、2つの容器ストッパーを180°離して配置してもよい。また、ショルダー(1a)の上部からは、リザーバ(1)のねじ込み式ネック(1g)も立ち上がっている。ネックのねじ山(1h)は、その端部(1i)において、容器ストッパー(1f)のうちの1つに沿って急に下向きに曲げられていることを除いては、典型的なねじ山である。リザーバ、ショルダー、及びネックは、好ましくは1つの一体成型部品として形成されている。
【0014】
外側シェル及びカラー
図2Bを参照すると、容器(10)のリザーバ(1)及びショルダー(1a)は、リザーバの断面と類似の又は異なる断面を有していてもよい容器外側シェル(4)内に嵌まるように設計されている。容器外側シェルは、閉じた下部(4b)及び開口した上部(4a)を有している。
図4Aを参照すると、ショルダー(1a)の幅広部分(1d)の下部は、容器外側シェルの第1の出っ張り(4c)上に位置している。ショルダー(1a)の幅広部分(1d)の上部は、容器外側シェル(4)の上部(4a)の下に位置しており、これにより、1つ又は複数の磁気素子(9)が設けられる空間が形成されている。これらの磁気素子は、容器外側シェル(4)の上部(4a)付近に設けられる。本明細書において、いずれの磁気素子もが特定の構成(feature)の付近(near)にあると言うときは、磁気素子の一部がその構成から2センチメートル以内、より好ましくは1センチメートル以内、最も好ましくは0.5センチメートル以内にあることを意味している。
【0015】
任意で、しかし好ましくは、1つ又は複数の磁気素子(9)は、容器外側シェルの上部(4a)付近において、容器外側シェル(4)内に設けられているカラー(6)内に収容されている。例えば、カラーは、ショルダー(1a)及び外側シェル(4)により形成されている空間内に設けてもよい。カラーは、ショルダーの幅広部分(1d)の上、且つ容器外側シェル(4)の第2の出っ張り(4d)の上に位置している。
図5に、カラーを(反転した状態で)示す。カラーを容器外側シェル内に固定するために、超音波溶接リブ(6a)が設けられている。或いは、カラーを容器外側シェル(4)に固定するために、スナップ留め具又は接着材を用いてもよい。カラーは、外側シェルの上部に仕上がり外観を与えると共に、その空間(6b)内に1つ又は複数の磁気素子(9)を収容するために設けられている。
図2B及び
図4Bでは、2つの磁気素子が、カラー(6)の2つの角にある空間(6b)内に設けられている。
図2Aは、完全に組み立てられた容器(10)を示す。
図2Aでは見えないが、磁気素子(9)は、容器外側シェル(4)の上部(4a)付近における、カラーの表面の真下に設けられている。磁気素子の真上にあるカラーの厚みは、磁場が減衰されすぎて用いることができなくなるほどの大きな厚みであってはならない。本発明者らは、実験により、空間(6b)の上のカラーの厚みは0.3mmを越えてはならないことを発見した。この厚みは、本明細書に記載の磁石と共に良好な結果を示す。これらの箇所におけるカラーの厚みが0.3mmよりも大きい場合は、完成後のパッケージは、本明細書に記載の好ましい磁石と共に機能することができないかもしれない。
【0016】
閉栓部
図6A及び
図6Bを参照すると、本発明に係る閉栓部(11)の一実施形態は、ねじ込み式内側キャップ(12)と、内側キャップから垂下し、その遠位端において塗布面(14)を支持することができる棒(13)とを有している。閉栓部(11)は更に、内側キャップに対して回転していないときでも、内側キャップに対して軸方向に移動可能な外側キャップ(15)と、1つ又は複数の磁気素子(19)を収容しているキャップインサート(16)とを有している。
【0017】
外側キャップ
外側キャップ(15)は柄として機能し、通常ユーザが手で快適に握るのに十分な大きさを有している。棒状塗布具用の柄は、通常は円筒形であるが、いかなる形状であってもよい。図では、均一な断面を有している概略正方形の外側キャップが示されている。通常、外側キャップの特徴的な寸法(例えば、直径又は対角線)は、約10〜約30mmである。外側キャップ(15)の長さは、通常約20mm〜約50mmであるが、それより長い柄も知られている。
【0018】
図6B及び
図7に示すように、エンドキャップを一体成型すること、又は、外側キャップ(15)に組み付けることができる別部品としてのエンドキャップ(15e)を設けることにより、外側キャップの遠位端(15b)は開口されており、近位端(15c)は閉じられている。
図8は、外側キャップの破断図を示している。外側キャップはその内側に、外側キャップの上半分に設けられている1つ又は複数のチャネル(15d)と、外側キャップの開口した遠位端(15b)付近に設けられている1つ又は複数の戻り止め(15a)を有している。これらの任意の構成を以下に説明する。
【0019】
図7を参照すると、外側キャップ(15)は、内側キャップ(12)、キャップインサート(16)、及び中空円筒部(18)を収容している。キャップインサート及び円筒部は任意であるが、好ましくは設けた方がよい。キャップインサート及び円筒部を設けた場合、これらは外側キャップに対して動かない。また、内側キャップと外側キャップも、回転中は互いに対して動かない。しかし、内側キャップと外側キャップは、互いに対して上下に移動可能である。
【0020】
内側キャップ
内側キャップ(12)は、容器(10)とシール係合を形成し、棒(13)及び塗布面(14)を支持している閉栓部(11)の部品である。
図10を参照すると、内側キャップ(12)の内側には、ねじ込み式ネック(1g)のねじ山(1h)とシール係合をなして機能するように設計されたねじ山(12a)が設けられている。内側キャップ(12)の下端(12f)には、容器ストッパー(1f)と係合するように設計された少なくとも1つの固定突起(12b)及び少なくとも1つの協働する閉栓部ストッパー(12c)が取り付けられている。ねじ山及び固定突起は、内側キャップ(12)の容器(10)に対する回転運動を規定する。
【0021】
上記の通り、内側キャップ(12)と外側キャップ(15)は、互いに対して上下に摺動可能である。好ましい実施形態では、内側キャップ(12)の外表面には、1つ又は複数の隆起支柱(12d)が設けられている。図示の実施形態では、4つの隆起支柱が、内側キャップ(12)の周りに等間隔で設けられている。隆起支柱(12d)は横方向に拘束されているが、外側キャップ(15)内では上下に摺動可能である。例えば、下記の任意のキャップインサート(16)を設けた場合、隆起支柱(12d)はキャップインサートのスロット(16d)に挿入されるが、それにより隆起支柱の横方向の移動を防ぐことができる。しかし、隆起支柱は、キャップインサート(16)のスロット(16d)内で上下に摺動可能である。その結果、内側キャップ(12)は、外側キャップ(15)内において相対的に低い位置と相対的に高い位置の間で摺動可能になる。或いは、外側キャップが内側キャップ上において相対的に低い位置と相対的に高い位置の間で摺動可能であると言うこともできる。内側キャップと外側キャップ間の垂直方向の移動の上限を規定するために、外側キャップの内側にストッパーを設けてもよい。
【0022】
ばね、円筒部、ピストン、及びキャップインサート
内側キャップ(12)の外側キャップ(15)に対する移動は、ばね(20)によって起こる。ばねは、内側キャップの上面(12e)とエンドキャップ(15e)の内表面の間に設けられており、内側キャップを外側キャップに対して下方に摺動させる。すると、閉栓部(11)が容器(10)にねじ込まれたとき、磁力によって外側キャップを内側キャップに対して、及び容器(10)に対して下方に付勢することができる。この場合、外側キャップの下方への移動は、外側キャップ(15)の下部(15b)が容器外側シェル(4)の上部(4a)に接触したときに終わる。
【0023】
外側キャップ(15)内には任意で円筒部(18)が収容されているが、これは外側キャップに対して動かない。
図11に、本発明に係る円筒部を示す。円筒部は、外側キャップの上半分に位置しており、外側キャップ(15)の1つ又は複数のチャネル(15d)内にある1つ又は複数の隆起支柱(18d)を有している。円筒部の隆起支柱と、外側キャップのチャネルは、これら2つの部品間の移動をなくすのに役立つ。円筒部を設けた場合、ばね(20)の上端が円筒部(18)の下部を押圧し、この力は外側キャップ(15)に伝達される。
【0024】
内側キャップの上面(12e)からは、任意の、しかし好ましいピストン(17)が立ち上がっている。ピストンを設けた場合、ばね(20)を安定させるために、該ばねをピストンを覆うように配置してもよい。また、円筒部(18)を、その上端と下端(18a、18b)で開口した中空状にすることにより、ピストン(17)が円筒部の下端に入って円筒部内で上下に摺動できるようにしてもよい(
図7を参照)。ピストンは、内側キャップ(12)を外側キャップ(15)に対して移動させるために、中空円筒部(18)と協働する。好ましい実施形態では、内側キャップ(12)、棒(13)、及びピストン(17)は、1部品として一体成型されている。
【0025】
図9に、任意の、しかし好ましいキャップインサート(16)を示す。キャップインサートは、外側キャップ(15)の開口した遠位端(すなわち、下部15b)付近に設けられている。例えば、
図7において、インサート(16)の下部は外側キャップ(15)の下部と同一平面にある。キャップインサートは、接着材、摩擦嵌合、ビーズ、及び溝等の適宜の手段により、外側キャップ内に固定されている。キャップインサートは、外側キャップに対して動かない。図示の実施形態では、キャップインサートの1つ又は複数のボス(16a)が外側キャップの1つ又は複数の戻り止め(15a)に保持されているため、インサート(16)は外側キャップ(15)に対して固定されており、これら2つの部品は1つの部材として動く。キャップインサートの主な目的は、1つ又は複数の磁気素子(19)を外側キャップの遠位端(15b)付近に配置することである。例えば、
図6Bでは、2つの磁気素子(19)が、キャップインサート(16)の2つの角にある2つの空間(16b)内に設けられている。キャップインサートが外側キャップ内に固定されている場合、磁気素子(19)は外側キャップの遠位端付近に配置される。3つ以上の磁気素子を設けるために、3つ以上の空間(16b)を設けてもよい。或いは、磁気素子(19)が他の何らかの手段により固定される場合、キャップインサートは不要であるかもしれない。例えば、1つ又は複数の磁気素子(19)は、外側キャップの1つ又は複数の内表面に取り付けることにより、外側キャップ(15)の遠位端付近に配置してもよい。
【0026】
キャップインサート(16)は更に、キャップインサートの上部において開口している1つ又は複数の垂直スロット(16d)を有していてもよい。スロットの底面は、(16c)で示されている。図示の実施形態では、4つの垂直スロットが、キャップインサート(16)の周りに等間隔で設けられている。上記の通り、スロットは、外側キャップ(15)内での内側キャップ(12)の移動を安定させるのを助けるが、これは、内側キャップの隆起支柱(12d)がキャップインサートのスロット(16d)に挿入され、それにより隆起支柱の横方向の移動を防ぐことができるためである。
【0027】
キャップインサート(16)、ピストン(17)、及び円筒部(18)を全て設けた(好ましい)場合、ばね(20)を、その一端が内側キャップ(12)の上面(12e)を押圧し、その他端が円筒部(18)を押圧した状態でピストンを覆うように設け、ピストンが下方及び円筒部の外に向けて押し出されるようにする。円筒部は外側キャップ(15)に固定されており、ピストンは内側キャップ(12)に固定されているため、ばねが、内側キャップを外側キャップ(15)に対して下方に摺動させる。内側キャップの隆起支柱(12d)がキャップインサート(16)のスロット(16d)の底面(16c)に接触したときに、外側キャップの最大上方移動距離に達する。この状態は、閉栓部(11)が緩んでいるとき又は容器(10)にねじ込まれていないときに得られる。しかし、閉栓部が容器にねじ込まれると、2組の磁気素子(9、19)間の磁力がばね(20)の付勢に打ち勝ち、外側キャップを容器に対して下方に移動させることが可能になる。この場合、外側キャップの下方への移動は、外側キャップ(15)の下部(15b)が容器外側シェル(4)の上部(4a)に接触したときに終わる。
【0028】
ワイパー、棒、及び塗布面
図4Bを参照すると、リザーバ(1)のネック(1g)内には、ネックのランディング領域(1l)上に置かれているワイパー(5)のフランジ(5f)を除く部分が、通常通りに設けられている。ワイパーは、上部開口部(5e)、及び直径を有する下部開口部(5d)を有している。ワイパーは、塗布面(14)に対して製品を均等に分配し、塗布面がワイパーを通して引き出されると塗布面から余分な製品を除去する。ワイパーは、ワイパーの外壁(5b)とネック(1g)の内壁の間の摩擦によってネック内に保持されている。更なる保持のために、ワイパーは、ネックの溝(1k)に設けられているビーズ(5c)を有していてもよい。
【0029】
以上、本発明のいくつかの実施形態に適しているかもしれない従来のワイパーの特徴を説明してきたが、リザーバ(1)の気密シールを保証しなければならない場合は、以下に説明するように専用ワイパーを用いることが好ましい。本発明に係る専用ワイパーにおいて、上部開口部(5e)は、上部開口部の真下にある斜面(5g)に囲まれている。更には、上部開口部の真上にあるフランジに、シールリップ(5a)を設けてもよい。本発明のいくつかの実施形態では、シールリップは、ワイパーの上部開口部(5e)を取り囲む平らな蓋として形成されている。しかし、図示のように、シールリップは隆起ビーズとして形成されている。斜面(5g)とシールリップ(5a)は、効果的な気密シールを形成するために専用塗布棒(13)と相互に作用する。好ましくは、斜面(5g)とシールリップ(5a)は、ショアー硬さが約50未満のポリウレタン又はポリエステル等の比較的可撓性の熱可塑性エラストマーから成形される。この可撓性により、斜面とシールリップのシールゾーンにおける気密性が高められる。また、下部開口部(5d)も、比較的可撓性の熱可塑性エラストマーから成形されることが好ましい。これは、成形ブラシは通常、ワイピングの間に成形剛毛が破損してしまうことを防ぐために、可撓性材料から成形されたワイパー孔を必要とするためである。
図4Aは、1回の射出成形により形成された1部品であるワイパー(5)を示す。一方、ワイパー材料の可撓性がより低ければ、ワイパーの保持力が高まる。
図4Bは、2回に亘る射出成形により形成されたワイパーを示す。これによれば、ワイパーの上部及び下部のそれぞれが、望まれれば、それぞれ異なる可撓性及び硬さを有することが可能となる。
【0030】
本発明を好ましい専用ワイパーと共に実施する場合、専用棒(13)の使用も必要になる。
図7を参照すると、棒は、内側キャップ(12)の内表面から垂下している。棒の下部は、引き伸ばされた円筒形ロッド(13d)として形成されている。棒の上部は、円錐部(13g)として外側に広がっている。円錐部の角度は、ワイパー(5)の斜面(5g)よりも急角度である。しかし、棒(13)がリザーバ(1)内に位置したとき、円錐部(13g)は斜面(5g)に接触するため、斜面は円錐部の角度にほぼ一致するように撓み、斜面の周りの360°においてシール係合が得られる。棒(13)の円錐部(5g)と斜面(5g)の間の良好な接触を確実に得るために、円錐部の直径は、棒の円錐部がワイパー(5)の斜面と接触する高さにおいて、斜面の直径よりも僅かに大きくなければならない。通常、円錐部(13g)と斜面(5g)は互いに約0.1mm〜0.25mm、好ましくは約0.15mmの干渉部分を有している。この干渉部分は、漏れに対する効果的なシールを提供する。ここで言う「効果的なシール」とは、商業目的のための十分な気密性及び水密性を有することを意味する。
【0031】
ロッド(13d)の直径は、ワイパーの下部開口部(5d)の直径よりも僅かに大きいことが好ましい。これは、ワイパーによってロッドから余分な製品が拭い落とされ、棒がリザーバ(1)内に収容されたときに更なるシールを形成することを確実にする。棒(13)のロッド(13d)の端部には、塗布面(14)が支持されている。塗布面は、リザーバ(1)から製品をすくい取ること、及びそれをユーザの肌又は毛に移すことが可能である。塗布面は、ワイパーシステム付きの棒状塗布具上で用いられることが知られているいかなる塗布ヘッドであってもよい。これらの例としては、マスカラ用の毛ブラシ(
図1に示すようなブラシ)、マニキュア液用の繊維ブラシ(
図6Aに示すようなブラシ)、並びにクリーム、化粧水、及び美容液用の鹿の足型(doe foot)の塗布具が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
【0032】
磁気素子
上記の通り、容器(10)内には1つ又は複数の磁気素子(9)が収容されており、外側キャップ(15)内には1つ又は複数の磁気素子(19)が収容されている。容器又は外側キャップのうち少なくとも一方における磁気素子は、永久的な(または少なくとも長期の)磁化を有していなければならない。永久的に磁化されている部品は、円筒断面又は矩形断面を有する簡素な棒磁石であってもよい。容器又は外側キャップのうちいずれか一方における磁気素子が永久的に磁化されていない場合、それらの磁気素子は永久磁石によって引き寄せられる材料(例えば、強磁性材料)からなっていなければならない。適宜の強磁性材料の例としては、鉄、ニッケル、コバルト、及び鋼等の強磁性金属を含有する合金が挙げられる。容器と外側キャップの両方の磁気素子が永久磁化されている場合、容器(11)内の磁極は外側キャップ(15)内の同じ磁極とはできるだけ離して置かなければならない。これは、外側キャップの容器に対する磁力を最大限に高めるためである。また、最大の効果を得るためには、場合によっては磁気素子(9、19)の各々を、その磁極が容器(10)又は外側キャップ(15)の軸方向に並ぶように配置しなければならない。
【0033】
磁気素子(9、19)間の隔離が減少するにつれて(すなわち、閉栓部が容器にねじ込まれている間)、磁気素子(9)の磁気素子(19)に対する結合された引力は、ばね(20)の伸長力に打ち勝つことができなければならない。好ましい磁石としては、直径1mm、高さ7mm、磁性等級N45の円筒型ネオジウム鉄ボロン(NdFeB)磁石が挙げられる。また、それよりも低い磁性等級、例えば少なくともN20、少なくともN25、又は少なくともN30の磁石も有用であるかもしれない。
【0034】
磁気特性を有するねじ式閉栓システムの機能
図12A〜
図12Cは、リザーバ(1)が有するストッパー(1f)のうちの1つと、内側キャップ(12)が有する1つの固定突起(12b)及び1つの閉栓部ストッパー(12c)の間の係合の拡大図を示す。閉栓部(11)が容器(10)にねじ込まれるにつれて、固定突起(12b)は容器ストッパーに接近する。内側キャップ(12)のねじ山(12a)と容器(10)のねじ山(1h)の間には、固定突起(12b)が上昇して容器ストッパーの上を通り過ぎるための十分な遊びがある。しかし、閉栓部ストッパー(12c)は容器ストッパーの上を通り過ぎることができないため、容器ストッパーは、固定突起と閉栓部ストッパーの間で静止するようになる(
図12Cを参照)。この時点で、内側キャップ(12)は、容器のねじ込み式ネック(1g)に対して完全に回されている。好ましくは、この時点で、閉栓部(10)は容器(11)に対して効果的なシールを形成している。例えば、閉栓部がこれ以上下方に回転できなくなると、棒(13)の円錐部(13g)とワイパーの斜面(5g)の間では、既に上記のようにシール接触が起こっている。
【0035】
閉栓部(11)がこれ以上下方に回転できなくなった時点において、閉栓部の外側キャップ(15)と容器(10)の外側シェル(4)の間には、これら2つの部品を互いに離す方向に付勢するばね(20)により、認識できる目障りな隙間があるかもしれない。しかし、リザーバ(1)のストッパー(1f)及び内側キャップ(12)のストッパー(12c)は、閉栓部(11)がこれ以上下方に回転できなくなるとカラー(6)の磁気素子(9)がキャップインサート(16)の磁気素子(19)と一列に並ぶように配置されている(
図13を参照)。これら2組の磁気素子間の距離は、磁気引力がばね付勢に打ち勝つのに十分なほどであるため、外側キャップ(15)は、外側シェル(4)に対して接触して隙間がなくなるまで下方に引き寄せられる。
【0036】
外側キャップ(15)と外側シェル(4)の間の接触力は、聞き取れるクリック音を生成し、贅沢感と共に満足感と安心感を与える金属「クリック」音を生成するのに十分な大きさである。外側キャップ(15)の下方への移動は、ユーザではなく磁気により引き起こされるが、これによりユーザはマジックにかかったような贅沢な感覚を味わうことができる。好ましい実施形態では、外側キャップと外側シェルの間の接触は、閉栓部(11)の下方への回転が止まった後にのみ起こる。もしこれが閉栓部の回転中に起こったとすると、消費者は、リザーバが適切に密封されていなくても適切に密封されていると思い込んでしまうか、楽しい経験をすることができないかもしれない。よって、2組の磁気素子(9、19)の磁力は、リザーバのストッパー(1f)及び内側キャップのストッパー(12c)が上記のように互いに係合したときのみ、ばね(20)の反発力に打ち勝つことができることが好ましい。磁気素子(9、19)の数及び磁気強度は、それに応じて調整してもよい。例えば、
図6bに示すキャップインサート(16)において、磁気素子(19)用の対向する角には2つの空間(16b)があるが、これにより磁気素子(19)は、
図5における2つの空間(6b)を占有している2つの磁気素子(9)と一列に並ぶことになる。外側キャップ(15)は内側キャップ(16)とは独立して下方に摺動可能であるため、本閉栓システムによれば、パッケージが閉じられた構成のときに容器(10)と閉栓部(11)の間に隙間がないことが保証される。更には、磁気素子(9、19)を一列に並べるためにストッパー(1f)及び(12c)を用いることにより、閉栓部(11)を容器(10)に正確に登録することが可能となる。よって、図中では、容器と閉栓部は正方形の断面を有している。通常、閉栓部と容器のどちらか一方の部品が他方に対して流れ込むような形状になるように閉栓部を容器に登録することは難しいかもしれない。しかし、ストッパー(1f、12c)により、これを容易に行うことが可能となる。
【0037】
リザーバは通常通りに開けられる。ユーザは、単に閉栓部(11)を容器(10)から回して外す。反時計回りに回転させるには、ユーザは、磁気素子(9、19)間の磁気引力に打ち勝つのに必要な力を加えなければならないが、これは難しくはない。2組の磁気素子が更に互いに遠ざかるにつれて、磁力は弱くなる。すると、ばね(20)は、内側キャップ(12)が外側キャップ(15)内の低い位置に到達するまで、外側キャップを内側キャップに対して上方に押圧する。