【文献】
木浦幹雄,他3名,Webjig:ユーザ行動とユーザ画面の関連付けによる動的Webサイト利用者の行動可視化システムの開発および評価,情報処理学会論文誌 論文誌ジャーナル Vol.51 No.1 [CD−ROM],日本,社団法人情報処理学会,2010年 1月15日,第51巻,第1号,p.204-215
【文献】
木浦幹雄,Webjig:Webユーザビリティ評価支援システム,コンピュータソフトウェア VOL.28 NO.4,日本,一般社団法人日本ソフトウェア科学会,2011年10月25日,第28巻,第4号,p.11-16
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、閲覧行動情報を取得した時点からWebページの内容が更新された場合、閲覧行動情報を取得した時点のWebページに基づくヒートマップと、更新された現時点のWebページとに食い違いが生じ、適正なヒートマップ解析が不可能となる。
【0008】
そのため、Webページのうち、ユーザの操作入力によって表示内容を更新するタイプのWebページ(以下、動的Webページと称する。)、即ち、更新が前提となる動的Webページ上に、適正なヒートマップを付加することは極めて困難である。動的Webページは、例えば、ショッピングカート機能を利用した商品販売ページである。
【0009】
なお、動的Webページの更新が行われる毎に、動的Webページに係る全てのWebページデータ(HTMLファイル、画像ファイル等)を保存していく方法が考えられるが、この方法では、データ量が膨大となり、極めて効率が悪いという問題がある。
【0010】
したがって、本発明は、動的Webページに対して適正なヒートマップ解析を効率良く行うことができる解析サーバ装置
、解析プログラム
、及びヒートマップ解析システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の解析サーバ装置は、前記課題を解決するために以下の構成を備えている。
【0012】
(1)Webサーバ装置とWebサーバ装置からWebページを受信して表示する
第一情報端末装置とにネットワークを介して接続する解析サーバ装置において、
Webページのうち、
第一情報端末装置の
第一ユーザの操作入力によって表示内容を更新する動的Webページのマークアップ言語ファイルと、
動的Webページごとに予め設定された識別子と、第一情報端末装置で表示される動的Webページに対する
第一ユーザの閲覧行動を示す閲覧行動情報とを、
第一情報端末装置において表示されるWebページが動的Webページでなくなるまで、第一情報端末装置から受信する
通信手段と、
通信手段で受信したマークアップ言語ファイルと
、閲覧行動情報と
、識別子とを対応付けて保存する保存手段と、
保存手段に保存されているマークアップ言語ファイルに基づいて動的Webページを復元する復元手段と、
保存手段に保存されている閲覧行動情報に基づいて、復元手段により復元した動的Webページ上に、閲覧行動を可視化したヒートマップを生成するヒートマップ解析を実行する解析手段と、
を備える解析サーバ装置。
【0013】
この構成では、
通信手段が動的Webページのマークアップ言語ファイルと閲覧行動情報とを
第一情報端末装置から受信し、保存手段が動的Webページのマークアップ言語ファイルと閲覧行動情報とを対応付けて保存している。そして、復元手段が、保存手段に保存されているマークアップ言語ファイルに基づいて動的Webページを復元している。
【0014】
そのため、この構成では、保存手段に保存されている閲覧行動情報に基づくヒートマップと、復元手段が復元した動的Webページとに食い違いが生じない。よって、ヒートマップ解析を、動的Webページに対して適正に行うことができる。
【0015】
また、解析サーバ装置は、データ量の大きい画像ファイルを保存せず、データ量の小さいマークアップ言語ファイルを保存するため、データ量も少なく済む。画像ファイルは、静止画像ファイル及び動画像ファイルを含む。
【0016】
したがって、本実施形態の解析サーバ装置によれば、動的Webページに対して適正なヒートマップ解析を効率良く行うことができる。
【0017】
(2)
通信手段は、
解析手段によるヒートマップ解析が可能な動的Webページの一覧を示す選択ページを、ネットワークを介して接続される第二情報端末装置に送信し、
選択ページから第二情報端末装置の第二ユーザによって選択された動的Webページを特定するURLと識別子とを第二情報端末装置から受信し、
第二ユーザによって選択された動的Webページを特定するURLと識別子に対応する保存手段に保存されているマークアップ言語ファイルに基づいて、Webサーバ装置から画像ファイルを受信し、
復元手段は、
URLと識別子に対応する保存手段に保存されているマークアップ言語ファイルと
通信手段で受信された画像ファイルとに基づいて、
第二ユーザによって選択された動的Webページを復元する、ことが好ましい。
【0018】
また、本発明の解析プログラムは、課題を解決するために以下の構成を備えている。
【0019】
(3)
第一情報端末装置がWebサーバ装置から受信して表示するWebページのうち、
第一情報端末装置の
第一ユーザの操作入力によって表示内容を更新する動的Webページのマークアップ言語ファイル
と、動的Webページごとに予め設定された識別子とを、
第一情報端末装置において表示されるWebページが動的Webページでなくなるまで、ネットワークを介して
第一情報端末装置から受信する言語ファイル受信ステップと、
第一情報端末装置で表示される動的Webページに対する
第一ユーザの閲覧行動を示す閲覧行動情報を、
第一情報端末装置において表示されるWebページが動的Webページでなくなるまで、ネットワークを介して
第一情報端末装置から受信する閲覧行動受信ステップと、
言語ファイル受信ステップ及び閲覧行動受信ステップで受信したマークアップ言語ファイルと
、識別子と、閲覧行動情報とを対応付けて保存する保存ステップと、
保存ステップで保存したマークアップ言語ファイルに基づいて動的Webページを復元する復元ステップと、
保存ステップで保存した閲覧行動情報に基づいて、復元ステップで復元した動的Webページ上に、閲覧行動を可視化したヒートマップを生成するヒートマップ解析を実行する解析ステップと、
をコンピュータに実行させる解析プログラム。
【0020】
この構成における解析プログラムは、上記(1)の解析サーバ装置に実装されるプログラムである。
これにより、上記(1)と同様の効果を奏する。
また、本発明のヒートマップ解析システムは、課題を解決するために以下の構成を備えている。
(4)Webサーバ装置と、Webサーバ装置からWebページを受信して表示する第一情報端末装置と、Webサーバ装置と第一情報端末装置とにネットワークを介して接続する解析サーバ装置と、から構成されたヒートマップ解析システムにおいて、
第一情報端末装置は、
Webページのうち、現在表示されているWebページからの移動先のWebページが、第一ユーザの操作入力によって表示内容を更新する動的Webページであるか判定し、
移動先のWebページが動的Webページであると判定した場合に、Webサーバ装置に対して、移動先の動的Webページの送信要求を行い、
Webページのうち、動的Webページのマークアップ言語ファイルと、動的Webページごとに予め設定された識別子と、第一情報端末装置で表示される動的Webページに対する第一ユーザの閲覧行動を示す閲覧行動情報とを、解析サーバ装置に送信し、
解析サーバ装置は、
動的Webページのマークアップ言語ファイルと、識別子と、閲覧行動情報とを、第一情報端末装置において表示されるWebページが動的Webページでなくなるまで、第一情報端末装置から受信する通信手段と、
通信手段で受信したマークアップ言語ファイルと、閲覧行動情報と、識別子とを対応付けて保存する保存手段と、
保存手段に保存されているマークアップ言語ファイルに基づいて動的Webページを復元する復元手段と、
保存手段に保存されている閲覧行動情報に基づいて、復元手段により復元した動的Webページ上に、閲覧行動を可視化したヒートマップを生成するヒートマップ解析を実行する解析手段と、を備える、
ヒートマップ解析システム。
この構成におけるヒートマップ解析システムは、上記(1)の解析サーバ装置に実装されるシステムである。
これにより、上記(1)と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、動的Webページに対して適正なヒートマップ解析を効率良く行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る解析サーバ装置30を備えるヒートマップ解析システム100の構成を示したシステム構成図である。ヒートマップ解析システム100は、ユーザ端末装置10
(第一情報端末装置)と、Webサーバ装置20と、解析サーバ装置30と、管理者端末装置40
(第二情報端末装置)と、を備える。
【0025】
ユーザ端末装置10は、一般ユーザU
(第一ユーザ)がWebページの閲覧に用いる情報端末装置である。このユーザUは、Webページの閲覧者である。
【0026】
Webサーバ装置20は、ユーザ端末装置10からの要求に応じて、Webページの表示を指示するWebページデータを要求元のユーザ端末装置10に送信する。
【0027】
解析サーバ装置30は、ユーザ端末装置10を用いて一般ユーザUがWebページを閲覧する際にユーザ端末装置10から送信される閲覧行動情報に基づいて、ヒートマップを用いたアクセス解析(以下、ヒートマップ解析と称する。)を行う。閲覧行動情報は、一般ユーザUの閲覧行動を示す情報である。
【0028】
ここで、ヒートマップとは、可視化グラフの一種であり、任意のWebページにおけるユーザの閲覧行動を示す図形や色などの表示をWebページ上に付加(可視化)したものである。
【0029】
管理者端末装置40は、Webサーバ装置20の管理者Y
(第二ユーザ)がヒートマップ解析の結果を解析サーバ装置30から受信し表示させるために用いる端末装置である。
【0030】
なお、本実施形態では、Webサーバ装置20及び管理者端末装置40は、同一企業によって所有されていることとする。そして、管理者YがWebサーバ装置20及び管理者端末装置40を管理していることとする。
【0031】
ユーザ端末装置10と、Webサーバ装置20と、解析サーバ装置30と、管理者端末装置40とは、ネットワークNを介して接続されている。ユーザ端末装置10と、Webサーバ装置20と、解析サーバ装置30と、管理者端末装置40とは、それぞれ、ネットワークNを介して互いにデータ通信可能である。ネットワークNは、例えばインターネット、移動体通信網である。
【0032】
なお、
図1においては、ユーザ端末装置10が1台しか示されていないが、この台数はWebサーバ装置20から提供されるWebページを閲覧する一般ユーザの数に応じて任意に変動する。
【0033】
また、
図1においてはWebサーバ装置20、解析サーバ装置30及び管理者端末装置40は1台ずつしか示されていないが、これらの数も任意に変更可能である。
【0034】
ユーザ端末装置10及び管理者端末装置40は、ネットワークNを介して他の通信機器との間でデータ通信が可能で、Webページの閲覧を行うブラウザ機能を備える一般的な端末装置である。
【0035】
ユーザ端末装置10および管理者端末装置40は、例えばノートPC(Personal Computer)である。ただし、ユーザ端末装置10および管理者端末装置40は、デスクトップPC、スマートフォン等のいずれの形態であってもよい。また、ユーザ端末装置10および管理者端末装置40は、ユーザ等の操作者から操作入力を受け付ける操作部(キーボード、マウス、タッチパネル等)を備える。
【0036】
Webサーバ装置20は一般的なWebサーバ装置であり、Webサイトを構成する複数のWebページの各々の表示を指示するWebページデータを予め保存している。
【0037】
Webページデータは、マークアップ言語の一種であるHTML(HyperText Markup Language)で記述されたHTMLファイルと、静止画像や動画像を表す画像ファイルとで構成されている。
【0038】
なお、本実施形態のWebページデータは、HTMLで記述されたHTMLファイル及び画像ファイルで構成されているが、これに限るものではない。実施の際は、他のマークアップ言語で記述されたマークアップ言語ファイル及び画像ファイルで構成されていてもよい。
【0039】
各Webページに配置されるコンテンツは、例えば、テキスト、静止画像、動画像の少なくともいずれか1つから構成される。Webページに配置される各コンテンツのサイズ及び配置位置等は、HTMLファイルによって定義されている。
【0040】
Webサーバ装置20は、任意のユーザ端末装置10からURL(Uniform Resource Locator)等により特定されるWebページデータの送信要求に応じて、Webページデータを要求元のユーザ端末装置10に送信する。
【0041】
ただし、Webサーバ装置20からユーザ端末装置10に送信されるWebページデータには、ユーザによるWebページの閲覧行動を示す閲覧行動情報とそのWebページのHTMLファイルとをユーザ端末装置10から解析サーバ装置30に送信させる指示が含まれている。
【0042】
この指示は、例えばJavaScript(登録商標)などの一般的なブラウザにより解釈可能なプログラム言語により記述され、例えばWebページデータのヘッダ内やタグ内に直接含められていてもよいし、外部ファイルとして記述されたスクリプトがヘッダ内のスクリプトに従い読み出されることにより間接的にWebページデータに含められる構成が採用されてもよい。
【0043】
ヒートマップ解析システム100を利用するWebページの管理者Yは、予め解析サーバ装置30の管理者(ヒートマップ解析システム100の運営事業者)から各Webページデータに含めるべきスクリプトを取得し、そのスクリプトを自社のWebページデータに埋め込んだ後にWebサーバ装置20にアップロードする。
【0044】
これにより、解析サーバ装置30は、Webページの閲覧行動を示す閲覧行動情報とそのWebページのHTMLファイルとを任意のユーザ端末装置10から受信可能となる。
【0045】
次に、解析サーバ装置30の構成について以下詳述する。
【0046】
図2は、
図1に示す解析サーバ装置30の構成を示したブロック図である。解析サーバ装置30は、記憶部31と、通信部32と、RAM33と、制御部34と、を備えている。
【0047】
なお、通信部32が本発明の
通信手段に相当する。また、記憶部31が本発明の保存手段に相当する。また、制御部34が本発明の復元手段と解析手段とに相当する。
【0048】
通信部32は、例えばネットワークインタフェースカード(Network Interface Card)で構成される。通信部32は、インターネットに接続されている。通信部32は、ユーザ端末装置10から送信されてくるHTMLファイルと閲覧行動情報とを受信する。
【0049】
記憶部31は、例えばハードディスクで構成される。記憶部31は、オペレーティングシステムを記憶する。オペレーティングシステムには、本発明にかかる解析プログラムPがインストールされている。また、記憶部31は、通信部32で受信したHTMLファイルと閲覧行動情報とを対応付けて保存する。
【0050】
制御部34は、例えばCPUで構成される。制御部34は、記憶部31に保存されている解析プログラムPをRAM33上に展開し、解析プログラムPに基づいて、後述の
図3や
図6に示す処理を実行する。
【0051】
制御部34は、通信部32がヒートマップ解析の結果の送信要求を受信すると、記憶部31に保存されているHTMLファイルに基づいてWebサーバ装置20から構成ファイル群を受信し、Webページを復元する。構成ファイル群は、例えば画像ファイルやスタイルシートファイル等を含む。画像ファイルは、静止画像ファイル及び動画像ファイルを含む。スタイルシートファイルは、例えばCSS(Cascading Style Sheet)ファイルである。Webページには、例えば、動的Webページと静的Webページとがある。
【0052】
ここで、動的Webページとは、ユーザの操作入力によって表示内容を更新するタイプのWebページのことである。動的Webページは、例えば、ショッピングカート機能を利用した商品販売ページである。静的Webページとは、ユーザ端末装置10のユーザの操作入力によって表示内容を更新しないタイプのWebページである。
【0053】
制御部34は、記憶部31に保存されている閲覧行動情報に基づいて、復元したWebページに対して、ヒートマップ解析を行う。制御部34は、管理者端末装置40に対しヒートマップ解析の結果を送信するよう通信部32に指示する。
【0054】
解析サーバ装置30がユーザ端末装置10から受信して保存する閲覧行動情報は、例えば表示開始データ、流入元データ、ユーザ識別データ、操作ログデータ、操作ログデータ、表示終了データ及び流出先データである。
【0055】
表示開始データは、対象のWebページが開かれたことを示す。
【0056】
流入元データは、開かれたWebページの閲覧を促したWebページやそのWebページにおいて閲覧者が入力した検索キーワード、クリック等した広告等を識別する。例えば、リファラ情報として取得される。
【0057】
ユーザ識別データは、閲覧者を識別する。例えば、Cookie情報や端末固有IDなどとして取得される。
【0058】
操作ログデータは、商品購入決定ボタンのクリック等など、閲覧者が特定のアクションを行ったことを示す。また、Webページ内において画面をスクロールする操作や、特定のオブジェクトもしくは領域をマウスオーバーする操作、Webページ内の文字を選択する操作なども操作ログデータが示す閲覧行動である。
【0059】
表示終了データは、他のWebページに移動、またはブラウザの終了等により、対象のWebページが閉じられたことを示す。
【0060】
流出先データは、対象のWebページが閲覧を促した先のWebページや対象のWebページにおいてクリック等されたボタン等を識別する。例えば、移動先のWebページに関するリファラ情報として取得される。また、ブラウザが閉じられた、他のWebサイトに移動した、といった場合、流出先データは離脱を示すデータとなる。
【0061】
以下に、ヒートマップ解析システム100の動作を説明する。
図3は、
図1に示すヒートマップ解析システム100の動作を模式的に示したフローチャートである。
図4は、ユーザ端末装置10のディスプレイに表示される動的Webページの一例を示す図である。
図5は、
図2に示す記憶部31に保存されるHTMLファイル及び閲覧行動情報の保存形式の一例を示す図である。
【0062】
なお、以下の説明において、ヒートマップ解析の対象となるWebサーバ装置20のWebサイトをWebサイトXとし、WebサイトXにアクセスしてWebページの閲覧を行うユーザをユーザUとする。ユーザUは、WebサイトXで予め会員登録を行っていることとする。
【0063】
また、ユーザUがログイン後に閲覧するWebページをWebページpとする。Webページpは、
図4(A)に示す動的Webページであり、商品注文ページとする。
【0064】
次に、ユーザUがWebページpにおいて商品の注文を決め、次に進んだWebページをWebページqとする。Webページqは、
図4(B)に示す動的Webページであり、注文確定ページとする。
【0065】
まず、ユーザUがWebサイトXにおいて1つの商品の購入を決め、ログインページへ移動するための操作入力をユーザ端末装置10に行うと、ユーザ端末装置10からWebサーバ装置20に対し、ログインページのURLが送信される(S1)。ここで、URLの送信は、すなわちログインページの送信要求である。なお、実際にはURLはネットワークNに対し送出され、ネットワークN内に配置されたDNS(Domain Name System)サーバ群によりWebサーバ装置20宛であることが特定され、Webサーバ装置20に送信される。以下の説明においても同様である。
【0066】
ログインページの送信要求に応じて、Webサーバ装置20は、URLで特定されるログインページのWebページデータをユーザ端末装置10に送信する(S2)。
【0067】
ユーザ端末装置10はブラウザにより受信したWebページデータを解釈し、ログインページをディスプレイに表示する(S3)。
【0068】
ユーザUがログイン画面においてIDとパスワードを入力すると、ユーザ端末装置10はIDとパスワードをWebサーバ装置20に送信する(S4)。
【0069】
Webサーバ装置20は、受信したIDとパスワードに基づいて認証を行う(S5)。
【0070】
Webサーバ装置20は、認証をクリアしたと判定すれば、動的Webページ(本実施形態ではWebページp)のWebページデータをユーザ端末装置10に送信する(S6)。
【0071】
ユーザ端末装置10はブラウザにより受信したWebページデータを解釈し、動的Webページ(本実施形態では動的Webページp)をディスプレイに表示する(S7)。これにより、例えば、
図4(A)に示す、ショッピングカート機能を利用した商品販売ページが表示される。
【0072】
ユーザ端末装置10は、動的Webページの表示の際、動的WebページのWebページデータに含まれるスクリプトに従い、表示開始データ、流入元データおよびユーザ識別データを送信する(S8)。解析サーバ装置30は、ユーザ端末装置10から受信した表示開始データなどの閲覧行動に関する閲覧行動情報を順次、RAM33に記憶する。
【0073】
ユーザUは開いた動的Webページにおいて、例えばオススメ商品の注文ボタンRをクリックして商品を追加したり、注文確定画面に進むための注文確認ボタンKをクリックしたりといった閲覧に伴う操作入力を行う(S9)。本実施形態では、ユーザUが動的Webページpにおいて1つの商品の注文を決め、注文確認ボタンKをクリックすることとする。これにより、ユーザUは、注文確定画面である動的Webページqへ進むこととする。
【0074】
ユーザ端末装置10は動的WebページのWebページデータに含まれるスクリプトに従い、それらの操作を示す操作ログデータを生成し、順次、解析サーバ装置30に送信する(S10)。解析サーバ装置30は、ユーザ端末装置10から受信した操作ログデータを閲覧行動情報として順次、RAM33に記憶する。
【0075】
さらに、ユーザ端末装置10は、動的WebページのHTMLファイルを、解析サーバ装置30に送信する(S11)。例えば、ユーザ端末装置10は、
図5に示す動的WebページpのHTMLファイルAを、解析サーバ装置30に送信する。解析サーバ装置30は、受信した動的WebページpのHTMLファイルAをRAM33に記憶する。
【0076】
現在表示されている動的Webページ(例えば動的Webページp)の閲覧の終了に伴い、ユーザ端末装置10は表示終了データおよび流出先データを解析サーバ装置30に送信する(S12)。これらの表示終了データおよび流出先データもまた、解析サーバ装置30において閲覧行動情報としてRAM33に記憶される。
【0077】
そして、ユーザ端末装置10は、移動先のWebページが動的Webページであるか判定する(S13)。移動先のWebページが動的Webページで無ければ、ユーザ端末装置10は、本処理を終了する。
【0078】
一方、移動先のWebページが動的Webページであれば、ユーザ端末装置10は、Webサーバ装置20に対し次の動的Webページの送信要求を行う(S14)。Webサーバ装置20は、次の動的Webページの送信要求を受信すると(S15)、S6に戻り、処理を継続する。すなわち、Webサーバ装置20は、次の動的Webページ(本実施形態では動的Webページq)のWebページデータをユーザ端末装置10に送信する(S6)。
【0079】
S14の後、ユーザ端末装置10は、S7に戻り、S13において移動先のWebページが動的Webページで無くなるまでS7〜S14の処理を繰り返す。
【0080】
例えば、ユーザ端末装置10は、
図4(B)に示す動的Webページqにおける操作ログデータ等の閲覧行動情報を順次、解析サーバ装置30に送信する(S8、S10、S12)。解析サーバ装置30は、ユーザ端末装置10から受信した閲覧行動情報を順次、RAM33に記憶する。
【0081】
また、例えば、ユーザ端末装置10は、
図5に示す動的WebページqのHTMLファイルBを、解析サーバ装置30に送信する(S11)。解析サーバ装置30は、受信した動的WebページqのHTMLファイルBをRAM33に記憶する。
【0082】
そして、解析サーバ装置30は、受信した閲覧行動情報(流出先データ等)から動的Webページの閲覧が終了したと判定すると(S16)、
図5に示すように、受信した閲覧行動情報と、受信した動的WebページのHTMLファイルとを対応付けて記憶部31に保存する(S17)。
【0083】
ここで、
図5に示すように、
図4(A)に示す表示内容に係るHTMLファイルAと、
図4(B)に示す表示内容に係るHTMLファイルBとは、URLが同一である。そのため、解析サーバ装置30は、識別子によってHTMLファイルAとHTMLファイルBとを区別して記憶部31に保存する。
図5において、識別子「chuumon」は、注文画面に対応し、識別子「kakutei」は、注文確定画面に対応している。識別子は、WebページpやWebページqへの埋め込みタグにより予め設定しておく。解析サーバ装置30は、識別子をHTMLファイルとともにユーザ端末装置10から受信する。
【0084】
なお、任意のユーザによりWebサイトXのいずれかのWebページが閲覧されるたびに、そのWebページに関しS1〜S17の動作が繰り返される。
【0085】
また、S17における記憶部31へのHTMLファイルの保存の頻度は、例えば1日1回とすることが好ましい。また、解析サーバ装置30は、今回受信したHTMLファイルが、記憶部31に既に保存されているHTMLファイルと同じである場合、今回受信したHTMLファイルを記憶部31に保存しないことが好ましい。この場合、解析サーバ装置30は、今回受信した閲覧行動情報を、記憶部31に既に保存されているHTMLファイルに対応付けて記憶部31に保存する。
【0086】
また、複数のHTMLファイルが保存され、記憶部31のデータ量が多くなった場合、解析サーバ装置30は、複数のHTMLファイルを圧縮することが好ましい。これにより、解析サーバ装置30は記憶部31のデータ量を削減できる。
【0087】
次に、解析サーバ装置30は、例えばWebサーバの機能も備え、Webサイトの管理者は管理者端末装置40のブラウザを用いて解析サーバ装置30により提供されるヒートマップ解析結果をいつでも閲覧することができる。
【0088】
以下に、WebサイトXの管理者Yがヒートマップ解析結果を閲覧する際に行われるヒートマップ解析システム100の動作を説明する。なお、解析サーバ装置30により提供されるヒートマップ解析に係るWebサイトをWebサイトZとし、管理者Yは、WebサイトZで予め会員登録を行っていることとする。
【0089】
図6は、
図1に示すヒートマップ解析システム100の動作を模式的に示したフローチャートである。
図7は、
図1に示す管理者端末装置40のディスプレイにおいて表示される選択ページの一例を示す図である。
図8は、
図1に示す管理者端末装置40のディスプレイにおいて表示されるヒートマップ解析結果の一例を示す図である。
【0090】
なお、
図8(A)に示す表示内容は、
図4(A)に示す表示内容に対応し、
図8(B)に示す表示内容は、
図4(B)に示す表示内容に対応している。
【0091】
管理者Yが管理者端末装置40のブラウザに指定されたURLを入力するなどの所定の操作を行うと、管理者端末装置40は解析サーバ装置30に対しそのURLを送信する(S101)。このURLの送信は、ログインページの送信要求である。
【0092】
ログインページの送信要求に応じて、解析サーバ装置30はURLで特定されるログインページのWebページデータを管理者端末装置40に送信する(S102)。
【0093】
管理者端末装置40はブラウザにより受信したWebページデータを解釈し、ログインページをディスプレイに表示する(S103)。
【0094】
管理者Yがログインページにおいて自社のWebサイトXのドメイン名とパスワードを入力すると、管理者端末装置40はドメイン名とパスワードを解析サーバ装置30に送信する(S104)。例えば管理者Yは、ドメイン名「gq.com」とパスワードを入力する。
【0095】
解析サーバ装置30は、受信したドメイン名とパスワードに基づいて認証を行う(S105)。
【0096】
解析サーバ装置30は、認証をクリアしたと判定すれば、ヒートマップ解析が可能なWebページの一覧を示す選択ページのWebページデータを管理者端末装置40に送信する(S106)。
【0097】
管理者端末装置40はブラウザにより受信したWebページデータを解釈し、選択ページをディスプレイに表示する(S107)。例えば、選択ページは、管理者Yが入力したドメイン名「gq.com」を含むURL「gq.com/abc.html」とカートの数との一覧を示す(
図7参照)。
図7において、注文画面は、識別子「chuumon」に対応し、注文確定画面は、識別子「kakutei」に対応している。
【0098】
管理者Yが選択ページにおいて1つのWebページを選択すると、管理者端末装置40は、選択されたWebページのURLと識別子を解析サーバ装置30に送信する(S108)。
【0099】
管理者端末装置40から送信されたURLと識別子を受信すると、解析サーバ装置30は、URLと識別子に対応するHTMLファイルに基づいて構成ファイル群の送信をWebサーバ装置20に対して要求する(S109)。
【0100】
ここで、構成ファイル群は、例えば画像ファイルやスタイルシートファイル等を含む。画像ファイルは、静止画像ファイル及び動画像ファイルを含む。スタイルシートファイルは、例えばCSS(Cascading Style Sheet)ファイルである。
【0101】
例えば、管理者Yが
図7に示す選択ページにおいてURL「gq.com/abc.html」と注文画面(識別子「chuumon」)とを選択すると、解析サーバ装置30は、
図5に示すHTMLファイルAに基づいて構成ファイル群の送信をWebサーバ装置20に対して要求する。また、管理者Yが選択ページにおいてURL「gq.com/abc.html」と注文確定画面(識別子「kakutei」)とを選択すると、解析サーバ装置30は、
図5に示すHTMLファイルBに基づいて構成ファイル群の送信をWebサーバ装置20に対して要求する。
【0102】
構成ファイル群の送信要求を受信すると、Webサーバ装置20は、HTMLファイルに対応する構成ファイル群を解析サーバ装置30に送信する(S110)。なお、Webサーバ装置20は、過去に使用した構成ファイル群を削除せず、一定期間(例えば数月間)保存していることとする。
【0103】
解析サーバ装置30は、URLと識別子に対応するHTMLファイルと、Webサーバ装置20から受信した構成ファイル群(画像ファイルやスタイルシートファイル等)とに基づいて動的Webページを復元する(S111)。
【0104】
そして、解析サーバ装置30は、URLと識別子に対応する閲覧行動情報(
図5参照)に基づいて、復元した動的Webページ上にヒートマップを付加したヒートマップページを生成する(S112)。
【0105】
S112において、制御部34は例えば、過去1ヶ月間において各閲覧者によりクリック等された回数の合計を、動的Webページ上の座標にプロットしていくことによりヒートマップページを生成する。
【0106】
解析サーバ装置30は、生成したヒートマップページのWebページデータを管理者端末装置40に送信する(S113)。
【0107】
管理者端末装置40は、受信したヒートマップページのWebページデータを解釈して、
図8に示すようなヒートマップページをディスプレイに表示する(S114)。
【0108】
これにより、管理者Yは動的Webページのどのオブジェクトが頻繁にクリック等されているか、という情報を直感的に得ることができる。
【0109】
以上の構成では、解析サーバ装置30の通信部32が動的WebページのHTMLファイルと閲覧行動情報とをユーザ端末装置10から受信し、記憶部31が動的WebページのHTMLファイルと閲覧行動情報とを対応付けて保存している。そして、解析サーバ装置30の制御部34が、記憶部31に保存されているHTMLファイルに基づいて動的Webページを復元している。
【0110】
そのため、この構成では、記憶部31に保存されている閲覧行動情報に基づくヒートマップと、制御部34が復元した動的Webページとに食い違いが生じない。よって、動的Webページに対して適正なヒートマップ解析が可能となる。
【0111】
また、解析サーバ装置30は、データ量の大きい画像ファイルを記憶部31に保存せず、データ量の小さいHTMLファイルを記憶部31に保存するため、データ量も少なく済む。
【0112】
したがって、本実施形態の解析サーバ装置30及び解析プログラムPによれば、動的Webページに対して適正なヒートマップ解析を効率良く行うことができる。
【0113】
なお、本実施形態では、解析サーバ装置30は、動的Webページを復元し、この動的Webページに対してヒートマップ解析を行っているが、これに限るものではない。実施の際は、動的Webページだけに限らず、静的Webページを復元し、この静的Webページに対してヒートマップ解析を行ってもよい。
【0114】
最後に、前記各実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。