(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
カードの挿入口が形成される側を手前側とし、その反対側を奥側とすると、前記挿入口から挿入された前記カードが搬送されるカード搬送路と、前記挿入口の奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることで前記カードを検知するカード挿入検知機構と、前記カード挿入検知機構よりも奥側に配置され前記カード搬送路で前記カードを搬送する搬送ローラと、前記搬送ローラの回転を検知するための回転検知機構と、前記搬送ローラよりも奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることで前記カードを検知するカード検知機構とを備え、上位装置に搭載されて使用されるカードリーダの制御方法であって、
前記カード挿入検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後に、前記回転検知機構による前記搬送ローラの回転が検知されていないにもかかわらず、前記カード検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わると、スキミング装置が前記挿入口から挿入されたことを知らせるアラーム信号を前記上位装置の制御部に送信することを特徴とするカードリーダの制御方法。
カードの挿入口が形成される側を手前側とし、その反対側を奥側とすると、前記挿入口の奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることで前記カードを検知するカード挿入検知機構と、前記カード挿入検知機構よりも奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることで前記カードを検知する第1のカード検知機構と、前記第1のカード検知機構よりも奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることで前記カードを検知する第2のカード検知機構とを備え、上位装置に搭載されて使用されるカードリーダの制御方法であって、
前記カード挿入検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後、前記カード挿入検知機構がオン状態からオフ状態に切り替わる前に、前記第1のカード検知機構がオフ状態であるにもかかわらず、前記第2のカード検知機構がオン状態になると、スキミング装置が前記挿入口から挿入されたことを知らせるアラーム信号を前記上位装置の制御部に送信することを特徴とするカードリーダの制御方法。
カードに形成されるICチップの外部接続端子に接触する複数のIC接点バネを有するIC接点ブロックと、前記IC接点バネが前記外部接続端子に接触可能な接触可能位置と前記IC接点バネが前記外部接続端子に接触しないように退避する退避位置との間で前記IC接点ブロックを移動させる移動機構とを備え、上位装置に搭載されて使用されるカードリーダの制御方法であって、
前記カードの挿入口への前記カードの挿入許可指令が前記上位装置の制御部から入力されたときに、前記退避位置にある前記IC接点ブロックを前記接触可能位置に移動させて前記IC接点バネに電流を供給するとともに、複数の前記IC接点バネの間の短絡が検知されると、スキミング装置が前記カードリーダの内部に取り付けられていることを知らせるアラーム信号を前記上位装置の制御部に送信することを特徴とするカードリーダの制御方法。
上位装置に搭載されて使用されるカードリーダであって、カードの挿入口が形成される側を手前側とし、その反対側を奥側とすると、前記挿入口から挿入された前記カードが搬送されるカード搬送路と、前記カード搬送路で前記カードを搬送するカード搬送機構と、前記挿入口の奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることで前記カードを検知するカード挿入検知機構と、前記カード挿入検知機構よりも奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることで前記カードを検知するカード検知機構とを備え、前記カードリーダでの前記カードの処理時に前記カード搬送機構によって奥側まで搬送された前記カードの手前端は、前記カード検知機構よりも手前側に配置されているカードリーダの制御方法であって、
前記カードリーダへの前記カードの取込動作時に、前記カード挿入検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後、前記カード検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わり、その後、前記カード挿入検知機構がオン状態からオフ状態に切り替わった後に、前記カード検知機構がオフ状態に切り替わると、前記カード搬送機構に手前側への搬送動作を行わせるとともに、その後、前記カード挿入検知機構のオフ状態が維持されると、スキミング装置が前記挿入口から挿入されたことを知らせるアラーム信号を前記上位装置の制御部に送信することを特徴とするカードリーダの制御方法。
上位装置に搭載されて使用されるカードリーダであって、カードの挿入口が形成される側を手前側とし、その反対側を奥側とすると、前記挿入口から挿入された前記カードが搬送されるカード搬送路と、前記カード搬送路で前記カードを搬送するカード搬送機構と、前記挿入口の奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることで前記カードに形成されるICチップの外部接続端子を検知する金属検知機構と、前記金属検知機構よりも奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることで前記カードを検知するカード検知機構とを備え、前記カードリーダでの前記カードの処理時に前記カード搬送機構によって奥側まで搬送された前記カードの手前端は、前記カード検知機構よりも手前側に配置されているカードリーダの制御方法であって、
前記カードリーダへの前記カードの取込動作時に、前記外部接続端子が形成された正規の前記カードが前記挿入口に挿入されたときの態様と異なる態様で前記金属検知機構がオンオフし、かつ、前記カード検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後に、前記カード検知機構がオフ状態に切り替わると、スキミング装置が前記挿入口から挿入されたことを知らせるアラーム信号を前記上位装置の制御部に送信することを特徴とするカードリーダの制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
犯罪者によるスキミングの手口は年々巧妙化しており、カードリーダの内部に、カードの磁気データを読み取るためのスキミング用磁気ヘッド等のスキミング用の装置(以下、「スキミング装置」とする。)が取り付けられるといった事態が生じている。特許文献1に記載のカードリーダでは、カード挿入部の前面側に取り付けられたスキミング装置を金属センサによって検知することは可能であるが、カードリーダの内部に取り付けられたスキミング装置を金属センサによって検知することはできない。そのため、このカードリーダでは、カードリーダの内部にスキミング装置が取り付けられると、スキミング装置による磁気データの読取を阻止することはできない。また、このカードリーダでは、カードリーダの内部にスキミング装置が取り付けられるのを阻止することはできない。
【0006】
そこで、本発明の課題は、特定形状のスキミング装置がカードリーダの内部に取り付けられるのを阻止することが可能なカードリーダおよびカードリーダの制御方法を提供することにある。また、本発明の課題は、導電性材料で形成された特定形状のスキミング装置が万が一、カードリーダの内部に取り付けられても、スキミング装置による磁気データの読取を阻止することが可能なカードリーダおよびカードリーダの制御方法を提供することにある。さらに、本発明の課題は、金属で形成された特定形状のスキミング装置がカードリーダの内部に取り付けられるのを阻止することが可能なカードリーダおよびカードリーダの制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明のカードリーダは、上位装置に搭載されて使用されるカードリーダにおいて、カードの挿入口が形成される側を手前側とし、その反対側を奥側とすると、挿入口から挿入されたカードが搬送されるカード搬送路と、挿入口の奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることでカードを検知するカード挿入検知機構と、カード挿入検知機構よりも奥側に配置されカード搬送路でカードを搬送する搬送ローラと、搬送ローラの回転を検知するための回転検知機構と、搬送ローラよりも奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることでカードを検知するカード検知機構とを備え、カードリーダの制御部は、カード挿入検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後に、回転検知機構による搬送ローラの回転が検知されていないにもかかわらず、カード検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わると、スキミング装置が挿入口から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位装置の制御部に送信することを特徴とする。
【0008】
また、上記の課題を解決するため、本発明のカードリーダの制御方法は、カードの挿入口が形成される側を手前側とし、その反対側を奥側とすると、挿入口から挿入されたカードが搬送されるカード搬送路と、挿入口の奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることでカードを検知するカード挿入検知機構と、カード挿入検知機構よりも奥側に配置されカード搬送路でカードを搬送する搬送ローラと、搬送ローラの回転を検知するための回転検知機構と、搬送ローラよりも奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることでカードを検知するカード検知機構とを備え、上位装置に搭載されて使用されるカードリーダの制御方法であって、カード挿入検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後に、回転検知機構による搬送ローラの回転が検知されていないにもかかわらず、カード検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わると、スキミング装置が挿入口から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位装置の制御部に送信することを特徴とする。
【0009】
本発明では、カード挿入検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後に、回転検知機構による搬送ローラの回転が検知されていないにもかかわらず、カード検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わると、スキミング装置が挿入口から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位装置の制御部に送信している。そのため、本発明では、アラーム信号を受信した上位装置の制御部が所定の処理を実行することで、特定形状のスキミング装置がカードリーダの内部に取り付けられるのを阻止することが可能になる。
【0010】
すなわち、正規のカードが挿入口から挿入される場合には、カード挿入検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わってから、カード検知機構よりも手前側に配置される搬送ローラにカードの奥側端が接触し搬送ローラが回転して回転検知機構で搬送ローラの回転が検知された後に、カード検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わる。これに対して、特定形状のスキミング装置が挿入口から挿入されると、カード挿入検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後に、このスキミング装置が搬送ローラに接触することなく、カード検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わる場合が生じうる。
【0011】
そのため、本発明のように、カード挿入検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後に、回転検知機構による搬送ローラの回転が検知されていないにもかかわらず、カード検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わったときに、スキミング装置が挿入口から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位装置の制御部に送信することで、また、アラーム信号を受信した上位装置の制御部が所定の処理を実行することで、特定形状のスキミング装置がカードリーダの内部に取り付けられるのを阻止することが可能になる。
【0012】
さらに、上記の課題を解決するため、本発明のカードリーダは、上位装置に搭載されて使用されるカードリーダにおいて、カードの挿入口が形成される側を手前側とし、その反対側を奥側とすると、挿入口の奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることでカードを検知するカード挿入検知機構と、カード挿入検知機構よりも奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることでカードを検知する第1のカード検知機構と、第1のカード検知機構よりも奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることでカードを検知する第2のカード検知機構とを備え、カードリーダの制御部は、カード挿入検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後、カード挿入検知機構がオン状態からオフ状態に切り替わる前に、第1のカード検知機構がオフ状態であるにもかかわらず、第2のカード検知機構がオン状態になると、スキミング装置が挿入口から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位装置の制御部に送信することを特徴とする。
【0013】
また、上記の課題を解決するため、本発明のカードリーダの制御方法は、カードの挿入口が形成される側を手前側とし、その反対側を奥側とすると、挿入口の奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることでカードを検知するカード挿入検知機構と、カード挿入検知機構よりも奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることでカードを検知する第1のカード検知機構と、第1のカード検知機構よりも奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることでカードを検知する第2のカード検知機構とを備え、上位装置に搭載されて使用されるカードリーダの制御方法であって、カード挿入検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後、カード挿入検知機構がオン状態からオフ状態に切り替わる前に、第1のカード検知機構がオフ状態であるにもかかわらず、第2のカード検知機構がオン状態になると、スキミング装置が挿入口から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位装置の制御部に送信することを特徴とする。
【0014】
本発明では、カード挿入検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後、カード挿入検知機構がオン状態からオフ状態に切り替わる前に、第1のカード検知機構がオフ状態であるにもかかわらず、第2のカード検知機構がオン状態になると、スキミング装置が挿入口から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位装置の制御部に送信している。そのため、本発明では、アラーム信号を受信した上位装置の制御部が所定の処理を実行することで、特定形状のスキミング装置がカードリーダの内部に取り付けられるのを阻止することが可能になる。
【0015】
すなわち、正規のカードが挿入口から挿入される場合には、カード挿入検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後、カード挿入検知機構がオン状態からオフ状態に切り替わる前に、第2のカード検知機構よりも手前側に配置される第1のカード検知機構がオフ状態であるにもかかわらず、第2のカード検知機構がオン状態になることはない。これに対して、特定形状のスキミング装置が挿入口から挿入されると、カード挿入検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後、カード挿入検知機構がオン状態からオフ状態に切り替わる前に、第1のカード検知機構がオフ状態であるにもかかわらず、第2のカード検知機構がオン状態になる場合が生じうる。
【0016】
そのため、本発明のように、カード挿入検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後、カード挿入検知機構がオン状態からオフ状態に切り替わる前に、第1のカード検知機構がオフ状態であるにもかかわらず、第2のカード検知機構がオン状態になったときに、スキミング装置が挿入口から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位装置の制御部に送信することで、また、アラーム信号を受信した上位装置の制御部が所定の処理を実行することで、特定形状のスキミング装置がカードリーダの内部に取り付けられるのを阻止することが可能になる。
【0017】
さらにまた、上記の課題を解決するため、本発明のカードリーダは、上位装置に搭載されて使用されるカードリーダにおいて、カードに形成されるICチップの外部接続端子に接触する複数のIC接点バネを有するIC接点ブロックと、IC接点バネが外部接続端子に接触可能な接触可能位置とIC接点バネが外部接続端子に接触しないように退避する退避位置との間でIC接点ブロックを移動させる移動機構とを備え、カードリーダの制御部は、カードの挿入口へのカードの挿入許可指令が上位装置の制御部から入力されたときに、退避位置にあるIC接点ブロックを接触可能位置に移動させてIC接点バネに電流を供給するとともに、複数のIC接点バネの間の短絡が検知されると、スキミング装置がカードリーダの内部に取り付けられていることを知らせるアラーム信号を上位装置の制御部に送信することを特徴とする。
【0018】
また、上記の課題を解決するため、本発明のカードリーダの制御方法は、カードに形成されるICチップの外部接続端子に接触する複数のIC接点バネを有するIC接点ブロックと、IC接点バネが外部接続端子に接触可能な接触可能位置とIC接点バネが外部接続端子に接触しないように退避する退避位置との間でIC接点ブロックを移動させる移動機構とを備え、上位装置に搭載されて使用されるカードリーダの制御方法であって、カードの挿入口へのカードの挿入許可指令が上位装置の制御部から入力されたときに、退避位置にあるIC接点ブロックを接触可能位置に移動させてIC接点バネに電流を供給するとともに、複数のIC接点バネの間の短絡が検知されると、スキミング装置がカードリーダの内部に取り付けられていることを知らせるアラーム信号を上位装置の制御部に送信することを特徴とする。
【0019】
本発明では、カードの挿入口へのカードの挿入許可指令が上位装置の制御部から入力されたときに、退避位置にあるIC接点ブロックを接触可能位置に移動させてIC接点バネに電流を供給するとともに、複数のIC接点バネの間の短絡が検知されると、スキミング装置がカードリーダの内部に取り付けられていることを知らせるアラーム信号を上位装置の制御部に送信している。そのため、本発明では、アラーム信号を受信した上位装置の制御部が所定の処理を実行することで、導電性材料で形成された特定形状のスキミング装置が万が一、カードリーダの内部に取り付けられても、スキミング装置による磁気データの読取を阻止することが可能になる。
【0020】
すなわち、導電性材料で形成された特定形状のスキミング装置がカードリーダの内部に取り付けられていない場合には、カードの挿入口へのカードの挿入許可指令が上位装置の制御部から入力されたときに、退避位置にあるIC接点ブロックを接触可能位置に移動させてIC接点バネに電流を供給しても、複数のIC接点バネの間の短絡が検知されることはない。これに対して、導電性材料で形成された特定形状のスキミング装置がカードリーダの内部に取り付けられていると、カードの挿入口へのカードの挿入許可指令が上位装置の制御部から入力されたときに、退避位置にあるIC接点ブロックを接触可能位置に移動させてIC接点バネに電流を供給すると、複数のIC接点バネの間の短絡が検知される場合が生じうる。
【0021】
そのため、本発明のように、カードの挿入口へのカードの挿入許可指令が上位装置の制御部から入力されたときに、退避位置にあるIC接点ブロックを接触可能位置に移動させてIC接点バネに電流を供給するとともに、複数のIC接点バネの間の短絡が検知される場合に、スキミング装置がカードリーダの内部に取り付けられていることを知らせるアラーム信号を上位装置の制御部に送信することで、また、アラーム信号を受信した上位装置の制御部が所定の処理を実行することで、導電性材料で形成された特定形状のスキミング装置が万が一、カードリーダの内部に取り付けられても、スキミング装置による磁気データの読取を阻止することが可能になる。
【0022】
さらに、上記の課題を解決するため、本発明のカードリーダは、上位装置に搭載されて使用されるカードリーダにおいて、カードの挿入口が形成される側を手前側とし、その反対側を奥側とすると、挿入口から挿入されたカードが搬送されるカード搬送路と、カード搬送路でカードを搬送するカード搬送機構と、挿入口の奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることでカードを検知するカード挿入検知機構と、カード挿入検知機構よりも奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることでカードを検知するカード検知機構とを備え、カードリーダでのカードの処理時にカード搬送機構によって奥側まで搬送されたカードの手前端は、カード検知機構よりも手前側に配置されており、カードリーダの制御部は、カードリーダへのカードの取込動作時に、カード挿入検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後、カード検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わり、その後、カード挿入検知機構がオン状態からオフ状態に切り替わった後に、カード検知機構がオフ状態に切り替わると、カード搬送機構に手前側への搬送動作を行わせるとともに、その後、カード挿入検知機構のオフ状態が維持されると、スキミング装置が挿入口から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位装置の制御部に送信することを特徴とする。
【0023】
また、上記の課題を解決するため、本発明のカードリーダの制御方法は、上位装置に搭載されて使用されるカードリーダであって、カードの挿入口が形成される側を手前側とし、その反対側を奥側とすると、挿入口から挿入されたカードが搬送されるカード搬送路と、カード搬送路でカードを搬送するカード搬送機構と、挿入口の奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることでカードを検知するカード挿入検知機構と、カード挿入検知機構よりも奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることでカードを検知するカード検知機構とを備え、カードリーダでのカードの処理時にカード搬送機構によって奥側まで搬送されたカードの手前端は、カード検知機構よりも手前側に配置されているカードリーダの制御方法であって、カードリーダへのカードの取込動作時に、カード挿入検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後、カード検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わり、その後、カード挿入検知機構がオン状態からオフ状態に切り替わった後に、カード検知機構がオフ状態に切り替わると、カード搬送機構に手前側への搬送動作を行わせるとともに、その後、カード挿入検知機構のオフ状態が維持されると、スキミング装置が挿入口から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位装置の制御部に送信することを特徴とする。
【0024】
本発明では、カードリーダへのカードの取込動作時に、カード挿入検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後、カード検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わり、その後、カード挿入検知機構がオン状態からオフ状態に切り替わった後に、カード検知機構がオフ状態に切り替わると、カード搬送機構に手前側への搬送動作を行わせるとともに、その後、カード挿入検知機構のオフ状態が維持されると、スキミング装置が挿入口から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位装置の制御部に送信している。そのため、本発明では、アラーム信号を受信した上位装置の制御部が所定の処理を実行することで、特定形状のスキミング装置がカードリーダの内部に取り付けられるのを阻止することが可能になる。
【0025】
すなわち、本発明では、カードリーダでのカードの処理時にカード搬送機構によって奥側まで搬送されたカードの手前端は、カード検知機構よりも手前側に配置されているため、正規のカードが挿入口から挿入される場合には、カードリーダへのカードの取込動作時に、カード挿入検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後、カード検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わり、その後、カード挿入検知機構がオン状態からオフ状態に切り替わった後に、カード検知機構がオフ状態に切り替わることはない。これに対して、特定形状のスキミング装置が挿入口から挿入されると、カードリーダへのカードの取込動作時に、カード挿入検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後、カード検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わり、その後、カード挿入検知機構がオン状態からオフ状態に切り替わった後に、カード検知機構がオフ状態に切り替わる場合が生じうる。また、この場合に、カード搬送機構に手前側への搬送動作を行わせても、特定形状のスキミング装置が搬送されず、カード挿入検知機構のオフ状態が維持される場合が生じうる。
【0026】
そのため、本発明のように、カードリーダへのカードの取込動作時に、カード挿入検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後、カード検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わり、その後、カード挿入検知機構がオン状態からオフ状態に切り替わった後に、カード検知機構がオフ状態に切り替わったときに、カード搬送機構に手前側への搬送動作を行わせるとともに、その後、カード挿入検知機構のオフ状態が維持されたときに、スキミング装置が挿入口から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位装置の制御部に送信することで、また、アラーム信号を受信した上位装置の制御部が所定の処理を実行することで、特定形状のスキミング装置がカードリーダの内部に取り付けられるのを阻止することが可能になる。
【0027】
なお、たとえば、カード検知機構で検知できない箇所を一部分に有する特殊なカードが挿入口から挿入されると、カードリーダへのカードの取込動作時に、カード挿入検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後、カード検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わり、その後、カード挿入検知機構がオン状態からオフ状態に切り替わった後に、カード検知機構がオフ状態に切り替わる場合がある。ただし、この場合には、カード搬送機構に手前側への搬送動作を行わせれば、カードは手前側に搬送されて、カード挿入検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わる。そのため、本発明では、上述の特殊なカードが挿入口から挿入されたのか、それとも、特定形状のスキミング装置が挿入口から挿入されたのかを切り分けることが可能になる。
【0028】
さらにまた、上記の課題を解決するため、本発明のカードリーダは、上位装置に搭載されて使用されるカードリーダにおいて、カードの挿入口が形成される側を手前側とし、その反対側を奥側とすると、挿入口から挿入されたカードが搬送されるカード搬送路と、カード搬送路でカードを搬送するカード搬送機構と、挿入口の奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることでカードに形成されるICチップの外部接続端子を検知する金属検知機構と、金属検知機構よりも奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることでカードを検知するカード検知機構とを備え、カードリーダでのカードの処理時にカード搬送機構によって奥側まで搬送されたカードの手前端は、カード検知機構よりも手前側に配置されており、カードリーダの制御部は、カードリーダへのカードの取込動作時に、外部接続端子が形成された正規のカードが挿入口に挿入されたときの態様と異なる態様で金属検知機構がオンオフし、かつ、カード検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後に、カード検知機構がオフ状態に切り替わると、スキミング装置が挿入口から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位装置の制御部に送信することを特徴とする。
【0029】
また、上記の課題を解決するため、本発明のカードリーダの制御方法は、上位装置に搭載されて使用されるカードリーダであって、カードの挿入口が形成される側を手前側とし、その反対側を奥側とすると、挿入口から挿入されたカードが搬送されるカード搬送路と、カード搬送路でカードを搬送するカード搬送機構と、挿入口の奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることでカードに形成されるICチップの外部接続端子を検知する金属検知機構と、金属検知機構よりも奥側に配置されオフ状態からオン状態に切り替わることでカードを検知するカード検知機構とを備え、カードリーダでのカードの処理時にカード搬送機構によって奥側まで搬送されたカードの手前端は、カード検知機構よりも手前側に配置されているカードリーダの制御方法であって、カードリーダへのカードの取込動作時に、外部接続端子が形成された正規のカードが挿入口に挿入されたときの態様と異なる態様で金属検知機構がオンオフし、かつ、カード検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後に、カード検知機構がオフ状態に切り替わると、スキミング装置が挿入口から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位装置の制御部に送信することを特徴とする。
【0030】
本発明では、カードリーダへのカードの取込動作時に、外部接続端子が形成された正規のカードが挿入口に挿入されたときの態様と異なる態様で金属検知機構がオンオフし、かつ、カード検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後に、カード検知機構がオフ状態に切り替わると、スキミング装置が挿入口から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位装置の制御部に送信している。そのため、本発明では、アラーム信号を受信した上位装置の制御部が所定の処理を実行することで、金属で形成された特定形状のスキミング装置がカードリーダの内部に取り付けられるのを阻止することが可能になる。
【0031】
すなわち、本発明では、カードリーダでのカードの処理時にカード搬送機構によって奥側まで搬送されたカードの手前端は、カード検知機構よりも手前側に配置されているため、正規のカードが挿入口から挿入される場合には、カードリーダへのカードの取込動作時に、カード検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後に、カード検知機構がオフ状態に切り替わることはない。これに対して、金属で形成された特定形状のスキミング装置が挿入口から挿入されると、カードリーダへのカードの取込動作時に、外部接続端子が形成された正規のカードが挿入口に挿入されたときの態様と異なる態様で金属検知機構がオンオフするとともに、カード検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後に、カード検知機構がオフ状態に切り替わる場合が生じうる。
【0032】
そのため、本発明のように、カードリーダへのカードの取込動作時に、外部接続端子が形成された正規のカードが挿入口に挿入されたときの態様と異なる態様で金属検知機構がオンオフし、かつ、カード検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後に、カード検知機構がオフ状態に切り替わったときに、スキミング装置が挿入口から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位装置の制御部に送信することで、また、アラーム信号を受信した上位装置の制御部が所定の処理を実行することで、金属で形成された特定形状のスキミング装置がカードリーダの内部に取り付けられるのを阻止することが可能になる。
【0033】
なお、たとえば、カード検知機構で検知できない箇所を一部分に有する特殊なカードが挿入口から挿入されると、カードリーダへのカードの取込動作時に、カード検知機構がオフ状態からオン状態に切り替わった後に、カード検知機構がオフ状態に切り替わる場合がある。ただし、この場合には、上述の特殊なカードにおいて、正規のカードと同じ位置に外部接続端子が形成されていれば、正規のカードが挿入口に挿入されたときの態様と同じ態様で金属検知機構がオンオフする。そのため、本発明では、正規のカードと同じ位置に外部接続端子が形成された特殊なカードが挿入口から挿入されたのか、それとも、金属で形成された特定形状のスキミング装置が挿入口から挿入されたのかを切り分けることが可能になる。
【発明の効果】
【0034】
以上のように、本発明では、特定形状のスキミング装置がカードリーダの内部に取り付けられるのを阻止することが可能になる。また、本発明では、導電性材料で形成された特定形状のスキミング装置が万が一、カードリーダの内部に取り付けられても、スキミング装置による磁気データの読取を阻止することが可能になる。さらに、本発明では、金属で形成された特定形状のスキミング装置がカードリーダの内部に取り付けられるのを阻止することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0037】
(カードリーダの構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるカードリーダ1の構成を説明するための平面図である。
図2は、
図1に示すカード挿入検知機構14の構成を説明するための正面図である。
図3は、
図1に示すカード検知機構15、16および搬送ローラ26の構成を説明するための側面図である。
図4は、
図1に示すカードリーダ1が搭載される上位装置3およびカードリーダ1のブロック図である。
【0038】
本形態のカードリーダ1は、カード2に記録された磁気データの読取やカード2への磁気データの記録を行うための装置であり、ATM(Automated Teller Machine)等の上位装置3に搭載されて使用される。カードリーダ1は、カード2が挿入される挿入口4が形成されるカード挿入部5と、本体部6とを備えている。カードリーダ1の内部には、挿入口4から挿入されたカード2が搬送されるカード搬送路7が形成されており、カードリーダ1は、カード搬送路7でカード2を搬送するカード搬送機構8(
図3参照)を備えている。
【0039】
本形態では、
図1等に示すX方向でカード2が搬送される。また、カード2は、
図1等のX1方向に挿入され、X2方向に排出される。すなわち、X1方向は、挿入口4へのカード2の挿入方向であり、X2方向は、挿入口4からのカード2の排出方向である。また、X方向に直交する
図1等のZ方向は、挿入口4に挿入されたカード2の厚さ方向であり、X方向とZ方向とに直交する
図1等のY方向は、カード2の幅方向である。以下の説明では、X方向を前後方向とし、Y方向を左右方向とし、Z方向を上下方向とする。また、前後方向のうちの、挿入口4が形成される側(X2方向側)を「手前」側とし、その反対側(X1方向側)を「奥(後ろ)」側とする。また、上下方向のうちの、一方側(Z1方向側)を「上」側とし、その反対側(Z2方向側)を「下」側とする。
【0040】
カード2は、厚さが0.7〜0.8mm程度の長方形状の塩化ビニール製のカードである。また、本形態のカード2は、国際規格(ISO/IEC7811)やJIS規格(JISX6302)に準拠した磁気ストライプ付きの接触式ICカードである。
図1(A)に示すように、カード2の裏面(下面)には、磁気データが記録される磁気ストライプ2aが形成されている。また、カード2には、ICチップが内蔵されており、カード2のおもて面(上面)には、ICチップの外部接続端子2bが形成されている。磁気ストライプ2aおよび外部接続端子2bは、国際規格やJIS規格で規定された所定の位置に形成されている。
【0041】
カードリーダ1は、磁気ストライプ2aに記録された磁気データの読取および磁気ストライプ2aへの磁気データの記録の少なくともいずれか一方を行う磁気ヘッド10(
図4参照)と、カード2の外部接続端子2bに接触する複数のIC接点バネ11を有するIC接点ブロック12とを備えている。また、カードリーダ1は、カード搬送路7を閉鎖するためのシャッタ部材13と、挿入口4にカード2が挿入されたことを検知するためのカード挿入検知機構14と、カード搬送路7においてカード2の有無を検知するためのカード検知機構15、16と、カードリーダ1を制御する制御部17とを備えている。制御部17は、上位装置3の制御部である上位制御部18に接続されている。
【0042】
カード挿入部5は、本体部6の前端に繋がっている。カード搬送路7は、
図3に示すように、カード搬送路7の上面を構成する上ガイド部材19と、カード搬送路7の下面を構成する下ガイド部材20とを備えている。上ガイド部材19および下ガイド部材20は、絶縁性を有する樹脂材料で形成されている。磁気ヘッド10およびIC接点ブロック12は、本体部6の内部に配置されている。磁気ヘッド10は、磁気ヘッド10のギャップ部がカード搬送路7に下側から臨むように配置されている。IC接点ブロック12は、磁気ヘッド10よりも手前側に配置されている。また、IC接点ブロック12は、上側からカード搬送路7に臨むように配置されている。磁気ヘッド10は、制御部17に電気的に接続されている。
【0043】
IC接点ブロック12には、IC接点バネ11が外部接続端子2bに接触可能な接触可能位置と、IC接点バネ11が外部接続端子2bに接触しないように退避する(具体的には、上側へ退避する)退避位置との間でIC接点ブロック12を移動させる移動機構21(
図4参照)が連結されている。移動機構21は、ソレノイド等の駆動源と、駆動源の動力をIC接点ブロック12に伝達するリンク機構等の動力伝達機構とを備えている。移動機構21は、制御部17に接続されている。具体的には、移動機構21の駆動源が制御部17に電気的に接続されている。また、IC接点バネ11は、制御部17に電気的に接続されており、制御部17は、IC接点バネ11に電流を供給する。
【0044】
カード挿入検知機構14は、挿入口4の奥側に配置されており、挿入口4に挿入されたカード2を検知する。本形態のカード挿入検知機構14は、挿入口4に挿入されたカード2の幅(左右方向の幅)を検知することで、挿入口4にカード2が挿入されたことを検知する幅検知機構である。このカード挿入検知機構14は、
図2に示すように、左右方向の両側のそれぞれに配置される2個のレバー部材22と、2個のセンサ23とを備えている。カード挿入検知機構14は、カード挿入部5の前端側部分に配置されている。また、カード挿入検知機構14は、制御部17に電気的に接続されている。具体的には、2個のセンサ23が制御部17に電気的に接続されている。センサ23は、互いに対向するように配置される発光部と受光部とを有する透過型の光学式センサである。このセンサ23は、発光部と受光部とが前後方向で対向するようにカード搬送路7の上側に配置されている。なお、
図1では、センサ23の図示を省略している。
【0045】
レバー部材22は、前後方向から見たときの形状が略L形状となるように形成されており、左右方向におけるカード搬送路7の両端側のそれぞれに配置されるカード接触部22aと、カード接触部22aの上端から左右方向の内側へ伸びる遮光部22bとから構成されている。このレバー部材22は、カード接触部22aと遮光部22bとの境界部分を回動の中心にするとともに前後方向を回動の軸方向とする回動が可能となるように、カード挿入部5のフレームに回動可能に保持されている。遮光部22bは、カード搬送路7の上側に配置されている。また、レバー部材22は、カード接触部22aの下端側がカード搬送路7の中に配置されるように、図示を省略するバネ部材によって付勢されている。
【0046】
挿入口4にカード2が挿入される前の待機時には、
図2の実線で示すように、カード接触部22aの下端側がカード搬送路7の中に配置されており、2個の遮光部22bのそれぞれは、センサ23の発光部と受光部との間を遮っている。このときには、カード挿入検知機構14は、オフ状態になっている。この状態で、短手方向の幅が所定の幅となっているカード2が挿入口4に挿入されると、
図2の二点鎖線で示すように、カード2の左右の両端が2個のカード接触部22aの下端側のそれぞれに接触して、センサ23の発光部と受光部との間から2個の遮光部22bのそれぞれが外れるまで、2本のレバー部材22が回動する。2個のセンサ23の発光部と受光部との間から2個の遮光部22bのそれぞれが外れると、カード挿入検知機構14は、オン状態になる。
【0047】
一方、挿入口4に挿入されたカード2の幅が所定の幅よりも狭くなっており、2個のセンサ23のうちの少なくともいずれか一方のセンサ23の発光部と受光部との間から遮光部22bが外れない場合には、カード挿入検知機構14は、オフ状態のままである。このように、カード挿入検知機構14は、挿入口4に挿入されたカード2の左右方向の幅が所定の幅である場合にオフ状態からオン状態に切り替わることで、カード2を検知する。なお、挿入口4にカード2が挿入される前の待機時に、2個の遮光部22bのそれぞれがセンサ23の発光部と受光部との間から外れていることで、カード挿入検知機構14がオフ状態になっていても良い。この場合には、所定の幅のカード2が挿入口4に挿入されて、センサ23の発光部と受光部との間が2個の遮光部22bのそれぞれに遮られると、カード挿入検知機構14がオン状態になる。
【0048】
シャッタ部材13は、カード挿入部5と本体部6との境界部分、または、カード挿入部5の奥端側部分に配置されている。シャッタ部材13には、シャッタ駆動機構24(
図4参照)が連結されている。シャッタ駆動機構24は、ソレノイド等の駆動源と、駆動源の動力をシャッタ部材13に伝達するリンク機構等の動力伝達機構とを備えている。シャッタ駆動機構24は、制御部17に接続されている。具体的には、シャッタ駆動機構24の駆動源が制御部17に電気的に接続されている。
【0049】
シャッタ部材13は、カード搬送路7を閉鎖する閉鎖位置(
図3の二点鎖線で示す位置)とカード搬送路7から退避してカード搬送路7を開放する開放位置(
図3の実線で示す位置)との間で移動可能となっている。本形態では、カード挿入検知機構14がオフ状態のときに、シャッタ部材13は、閉鎖位置に配置されており、カード挿入検知機構14がオン状態になると、閉鎖位置から開放位置へ移動する。すなわち、シャッタ部材13は、カード挿入検知機構14がオフ状態からオン状態に切り替わると、閉鎖位置から開放位置へ移動する。
【0050】
カード検知機構15、16は、本体部6の内部に配置されている。すなわち、カード検知機構15、16は、カード挿入検知機構14よりも奥側に配置されている。また、カード検知機構15とカード検知機構16とは、前後方向にずれた状態で配置されている。本形態では、カード検知機構15よりも奥側にカード検知機構16が配置されている。カード検知機構15、16は、制御部17に電気的に接続されている。また、カード検知機構15、16は、互いに対向するように配置される発光部15a、16aと受光部15b、16bとを有する透過型の光学式センサである。
図3に示すように、発光部15aと受光部15bとは、上下方向でカード搬送路7を挟んだ状態で配置され、発光部16aと受光部16bとは、上下方向でカード搬送路7を挟んだ状態で配置されている。
【0051】
発光部15a、16aと受光部15b、16bとの間にカード2がない場合には、受光部15b、16bは、発光部15a、16aからの光を受光している。このときには、カード検知機構15、16は、オフ状態になっている。この状態で、発光部15a、16aと受光部15b、16bとの間にカード2が入ると、発光部15a、16aから受光部15b、16bに向かう光が遮られて、カード検知機構15、16がオン状態になる。このように、カード検知機構15、16は、オフ状態からオン状態に切り替わることでカード2を検知する。本形態のカード検知機構15は、第1のカード検知機構であり、カード検知機構16は、第2のカード検知機構である。
【0052】
なお、カード検知機構15、16は、反射型の光学式センサであっても良い。この場合には、カード検知機構15、16の発光部からの光を受光部が受光していない場合に、カード検知機構15、16がオフ状態になり、カード検知機構15、16の発光部から射出されカード2で反射された光を受光部が受光すると、カード挿入検知機構14がオン状態になる。
【0053】
カード搬送機構8は、カード2に接触してカード搬送路7でカード2を搬送する搬送ローラ26と、搬送ローラ26を駆動するモータ28(
図4参照)と、モータ28の動力を搬送ローラ26に伝達する動力伝達機構(図示省略)とを備えている。搬送ローラ26は、本体部6の内部に配置されている。すなわち、搬送ローラ26は、カード挿入検知機構14よりも奥側に配置されている。また、搬送ローラ26は、カード検知機構15、16よりも手前側に配置されている。
【0054】
図3に示すように、搬送ローラ26には、パッドローラ29が対向配置されている。搬送ローラ26とパッドローラ29とは上下方向で対向している。また、パッドローラ29は、搬送ローラ26に向かって付勢されており、カード2は、搬送ローラ26とパッドローラ29との間に挟まれた状態で搬送される。なお、カード搬送機構8は、搬送ローラ26およびパッドローラ29に加えて、搬送ローラ26よりも奥側に配置されるいくつかの搬送ローラおよびパッドローラ(図示省略)を備えている。
【0055】
モータ28には、モータ28の回転を検知するためのエンコーダ30が取り付けられている。本形態では、モータ28が停止している状態でも、搬送ローラ26を回転させることが可能になっており、モータ28が停止している状態で搬送ローラ26が回転すると、エンコーダ30でモータ28の回転が検知される。すなわち、モータ28が停止している状態で搬送ローラ26が回転すると、エンコーダ30で搬送ローラ26の回転が検知される。モータ28およびエンコーダ30は、制御部17に電気的に接続されている。本形態のエンコーダ30は、搬送ローラ26の回転を検知するための回転検知機構である。
【0056】
(カードリーダの制御方法)
図5は、
図1に示すカードリーダ1の内部に取り付けられると想定されるスキミング装置50とカードリーダ1の各構成との配置関係を説明するための平面図である。
図6は、
図1に示すカードリーダ1でのカード2の取込動作時の制御方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図7は、
図1に示すカードリーダ1でのカード2の取込動作前の制御方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【0057】
本形態のカードリーダ1の内部には、たとえば、
図5に示すスキミング装置50が取り付けられると想定される。スキミング装置50は、長方形の平板状に形成されている。また、スキミング装置50は、導電性を有する導電性材料で形成されている。具体的には、スキミング装置50は、金属で形成されている。スキミング装置50には、搬送ローラ26との接触を回避するための切欠き部50aが形成されている。また、スキミング装置50には、カードリーダ1の内部にスキミング装置50が取り付けられたときに、発光部15a、16aから受光部15b、16bへ向かう光が遮られないように、貫通孔50bが形成されている(
図5(C)参照)。
【0058】
制御部17は、カードリーダ1の内部にスキミング装置50が取り付けられないように、カード2の取込時に、以下のようにカードリーダ1を制御する。すなわち、上位装置3で所定の操作が行われて、上位制御部18から制御部17に、挿入口4へのカード2の挿入許可指令が入力されると、
図6に示すように、制御部17は、まず、カード挿入検知機構14がオフ状態からオン状態に切り替わったのか否かを判断する(ステップS1)。ステップS1において、カード挿入検知機構14がオフ状態のままである場合には、制御部17は、カード2の取込動作を取り消すための取込動作取消指令が上位制御部18から制御部17に入力されたのか否かを判断する(ステップS2)。すなわち、制御部17は、カード2の取込動作を取り消すための所定の操作が上位装置3で行われたのか否かを判断する。
【0059】
ステップS2において、上位制御部18から制御部17に取込動作取消指令が入力されると、カードリーダ1のカード2の取込動作が終了する。一方、ステップS2において、上位制御部18から制御部17に取込動作取消指令が入力されない場合には、ステップS1へ戻る。また、ステップS1において、カード挿入検知機構14がオフ状態からオン状態に切り替わると、シャッタ部材13が閉鎖位置から開放位置へ移動する(ステップS3)。その後、制御部17は、エンコーダ30が搬送ローラ26の回転を検知したのか否かを判断する(ステップS4)。
【0060】
ステップS4において、搬送ローラ26の回転が検知されていない場合には、制御部17は、カード検知機構15がオフ状態からオン状態に切り替わったのか否かを判断する(ステップS5)。ステップS5において、カード検知機構15がオフ状態のままである場合には、制御部17は、上位制御部18から制御部17にカード2の取込動作を取り消すための取込動作取消指令が入力されたのか否かを判断する(ステップS6)。ステップS6において、上位制御部18から制御部17に取込動作取消指令が入力されると、カードリーダ1のカード2の取込動作が終了する。一方、ステップS6において、上位制御部18から制御部17に取込動作取消指令が入力されない場合には、ステップS4へ戻る。
【0061】
図1(B)および
図3に示すように、挿入口4から挿入されたカード2の奥端が搬送ローラ26に接触した後、さらに、カード2が挿入されると、搬送ローラ26がカード2に押されて回転するため、ステップS4において、エンコーダ30が搬送ローラ26の回転を検知する。そのため、ステップS4において、搬送ローラ26の回転が検知されると、モータ28が起動して、カード搬送機構8によるカード2の搬送動作が開始される(ステップS7)。すなわち、ステップS7では、カード搬送機構8によって、カードリーダ1の奥側へカード2が搬送され始める。
【0062】
また、ステップS4において、搬送ローラ26の回転が検知されず、かつ、ステップS5において、カード検知機構15がオフ状態からオン状態に切り替わる場合(すなわち、エンコーダ30が搬送ローラ26の回転を検知していないにもかかわらず、カード検知機構15がオフ状態からオン状態に切り替わる場合)には、
図5(A)に示すように、スキミング装置50の奥端がカード検知機構15に到達する位置まで、スキミング装置50が挿入口4から挿入されていると推定される。
【0063】
これに対して、正規のカード2が挿入口4に挿入される場合には、カード検知機構15よりも手前側に配置される搬送ローラ26にカード2の奥端が接触して搬送ローラ26が回転し、エンコーダ30で搬送ローラ26の回転が検知された後に、カード検知機構15がオフ状態からオン状態に切り替わる。すなわち、正規のカード2が挿入口4に挿入される場合には、エンコーダ30が搬送ローラ26の回転を検知していないにもかかわらず、カード検知機構15がオフ状態からオン状態に切り替わることはない。
【0064】
そこで、ステップS5において、カード検知機構15がオフ状態からオン状態に切り替わると、制御部17は、カード2の取込動作を停止して(ステップS8)、スキミング装置50が挿入口4から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位制御部18に送信する(ステップS9)。具体的には、制御部17は、ステップS9において、スキミング装置50が挿入口4から挿入されたことを知らせるためのエラー度合の高いアラーム信号を上位制御部18に送信する。アラーム信号が上位制御部18に送信されると、カードリーダ1のカード2の取込動作が終了する。また、アラーム信号が入力された上位制御部18は、スキミング装置50がカードリーダ1の内部に取り付けられるのを阻止するために、上位装置3の動作を停止する等の所定の処理を実行する。
【0065】
また、ステップS7において、モータ28が起動して、カード搬送機構8によるカード2の搬送動作が開始されると、制御部17は、カード挿入検知機構14がオン状態からオフ状態に切り替わったのか否かを判断する(ステップS10)。ステップS10において、カード挿入検知機構14がオン状態からオフ状態に切り替わると、以後のカード2の取込動作が継続される。一方、ステップS10において、カード挿入検知機構14がオン状態のままである場合には、制御部17は、カード検知機構15がオフ状態であり、かつ、カード検知機構16がオン状態であるのか否かを判断する(ステップS11)。
【0066】
カード搬送機構8によるカード2の搬送動作が開始された後、カード検知機構15、16の両方がオン状態である場合には、
図1(C)に示すように、カード2の手前端は、カード挿入検知機構14を通過していないが、カード2の奥端がカード検知機構16まで到達していると推定される。また、カード搬送機構8によるカード2の搬送動作が開始された後、カード検知機構15、16の両方がオフ状態である場合には、カード2の奥端がカード検知機構15まで到達していないと推定され、カード検知機構15がオン状態であり、かつ、カード検知機構16がオフ状態である場合には、カード2の奥端がカード検知機構15とカード検知機構16との間まで到達していると推定される。そのため、ステップS11で“No”となる場合には、ステップS10へ戻る。
【0067】
一方、ステップS11において、カード検知機構15がオフ状態であり、かつ、カード検知機構16がオン状態である場合(すなわち、カード検知機構15がオフ状態であるにもかかわらず、カード検知機構16がオン状態になる場合)には、
図5(B)に示すように、スキミング装置50の奥端がカード検知機構16に到達するとともに、スキミング装置50の、貫通孔50bが形成された部分がカード検知機構15に到達する位置まで、スキミング装置50が挿入口4から挿入されていると推定される。これに対して、正規のカード2が挿入口4に挿入される場合には、カード挿入検知機構14がオン状態からオフ状態に切り替わる前に、カード検知機構15がオフ状態であるにもかかわらず、カード検知機構16がオン状態になることはない。
【0068】
そこで、ステップS11で“Yes”となる場合には、ステップS8へ進んで、制御部17は、カード2の取込動作を停止する。具体的には、ステップS11を経た後のステップS8では、制御部17は、モータ28を停止する。また、その後、ステップS9へ進んで、スキミング装置50が挿入口4から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位制御部18に送信する。なお、ステップS11で“Yes”となる場合には、スキミング装置50が挿入口4から挿入されているにもかからわらず、何らかの原因で、ステップS4において搬送ローラ26の回転が検知されたと推定される。
【0069】
このように、本形態では、カード挿入検知機構14がオフ状態からオン状態に切り替わった後に、エンコーダ30による搬送ローラ26の回転が検知されていないにもかかわらず、カード検知機構15がオフ状態からオン状態に切り替わると、スキミング装置50が挿入口4から挿入されたことを知らせるアラーム信号が上位制御部18に送信される。また、本形態では、カード挿入検知機構14がオフ状態からオン状態に切り替わった後、カード挿入検知機構14がオン状態からオフ状態に切り替わる前に、カード検知機構15がオフ状態であるにもかかわらず、カード検知機構16がオン状態になると、スキミング装置50が挿入口4から挿入されたことを知らせるアラーム信号が上位制御部18に送信される。
【0070】
また、万が一、カードリーダ1の内部にスキミング装置50が取り付けられてしまった場合であっても、制御部17は、スキミング装置50による磁気データの読取を阻止するために、以下のようにカードリーダ1を制御する。すなわち、上位装置3で所定の操作が行われて、上位制御部18から制御部17に、挿入口4へのカード2の挿入許可指令が入力されると、
図7に示すように、制御部17は、退避位置にあるIC接点ブロック12を接触可能位置に移動させる(ステップS21)。その後、制御部17は、IC接点バネ11に電流を供給して(ステップS22)、複数のIC接点バネ11の間で短絡が検知されているのか否か(すなわち、過電流が検知されているのか否か)を判断する(ステップS23)。
【0071】
カードリーダ1の内部に何も配置されていない状態で、IC接点ブロック12を接触可能位置に移動させると、複数のIC接点バネ11は、絶縁性を有する樹脂材料で形成された下ガイド部材20に接触する。そのため、カードリーダ1の内部に何も配置されていない状態で、IC接点ブロック12を接触可能位置に移動させてIC接点バネ11に電流を供給しても、複数のIC接点バネ11の間で短絡が検知されることはない。
【0072】
これに対して、本形態では、カードリーダ1の内部にスキミング装置50が取り付けられている状態で、IC接点ブロック12を接触可能位置に移動させると、金属で形成されたスキミング装置50に複数のIC接点バネ11が接触する(
図5(C)参照)。そのため、カードリーダ1の内部にスキミング装置50が取り付けられている状態で、IC接点ブロック12を接触可能位置に移動させてIC接点バネ11に電流を供給すると、複数のIC接点バネ11の間で短絡が検知される。すなわち、IC接点ブロック12を接触可能位置に移動させた状態でIC接点バネ11に電流を供給したときに、複数のIC接点バネ11の間で短絡が検知される場合には、カードリーダ1の内部にスキミング装置50が取り付けられていると推定される。
【0073】
そこで、ステップS23において、複数のIC接点バネ11の間で短絡が検知されない場合には、以後のカード2の取込動作が継続される。具体的には、上述のステップS1へ進む。一方で、ステップS23において、複数のIC接点バネ11の間で短絡が検知されると、制御部17は、スキミング装置50がカードリーダ1の内部に取り付けられていることを知らせるアラーム信号を上位制御部18に送信する(ステップS24)。具体的には、制御部17は、ステップS24において、スキミング装置50がカードリーダ1の内部に取り付けられていることを知らせるためのエラー度合の高いアラーム信号を上位制御部18に送信する。アラーム信号が上位制御部18に送信されると、カードリーダ1のカード2の取込動作が終了する。また、アラーム信号が入力された上位制御部18は、スキミング装置50による磁気データの読取を阻止するために、上位装置3の動作を停止する等の所定の処理を実行する。
【0074】
このように、本形態では、挿入口4へのカード2の挿入許可指令が上位制御部18から入力されたときに、退避位置にあるIC接点ブロック12を接触可能位置に移動させてIC接点バネ11に電流を供給するとともに、複数のIC接点バネ11の間の短絡が検知されると、スキミング装置50がカードリーダ1の内部に取り付けられていることを知らせるアラーム信号が上位制御部18に送信される。
【0075】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、カード挿入検知機構14がオフ状態からオン状態に切り替わった後に、エンコーダ30による搬送ローラ26の回転が検知されていないにもかかわらず、カード検知機構15がオフ状態からオン状態に切り替わると、制御部17は、スキミング装置50が挿入口4から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位制御部18に送信している。また、本形態では、カード挿入検知機構14がオフ状態からオン状態に切り替わった後、カード挿入検知機構14がオン状態からオフ状態に切り替わる前に、カード検知機構15がオフ状態であるにもかかわらず、カード検知機構16がオン状態になると、制御部17は、スキミング装置50が挿入口4から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位制御部18に送信している。
【0076】
すなわち、本形態では、上述のように、スキミング装置50が挿入口4から挿入されていると推定される場合に、制御部17は、スキミング装置50が挿入口4から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位制御部18に送信している。また、本形態では、このアラーム信号が上位制御部18に送信されると、カードリーダ1のカード2の取込動作が終了し、アラーム信号が入力された上位制御部18は、スキミング装置50がカードリーダ1の内部に取り付けられるのを阻止するために、上位装置3の動作を停止する等の所定の処理を実行している。したがって、本形態では、
図5に示すような特定形状をしたスキミング装置50がカードリーダ1の内部に取り付けられるのを阻止することが可能になる。
【0077】
本形態では、挿入口4へのカード2の挿入許可指令が上位制御部18から入力されたときに、退避位置にあるIC接点ブロック12を接触可能位置に移動させてIC接点バネ11に電流を供給するとともに、複数のIC接点バネ11の間の短絡が検知されると、制御部17は、スキミング装置50がカードリーダ1の内部に取り付けられていることを知らせるアラーム信号を上位制御部18に送信している。すなわち、本形態では、上述のように、カードリーダ1の内部にスキミング装置50が取り付けられていると推定される場合に、制御部17は、スキミング装置50がカードリーダ1の内部に取り付けられていることを知らせるアラーム信号を上位制御部18に送信している。
【0078】
また、本形態では、このアラーム信号が上位制御部18に送信されると、カードリーダ1のカード2の取込動作が終了し、アラーム信号が入力された上位制御部18は、スキミング装置50による磁気データの読取を阻止するために、上位装置3の動作を停止する等の所定の処理を実行している。したがって、本形態では、導電性材料で形成された特定形状のスキミング装置50が万が一、カードリーダ1の内部に取り付けられても、スキミング装置50による磁気データの読取を阻止することが可能になる。
【0079】
なお、本形態では、既存のハードウエア構成を有するカードリーダ1のソフトウエアを変更することで、スキミング装置50がカードリーダ1の内部に取り付けられるのを阻止することが可能になり、また、スキミング装置50が万が一、カードリーダ1の内部に取り付けられても、スキミング装置50による磁気データの読取を阻止することが可能になる。すなわち、本形態では、カードリーダ1のハードウエア構成を変更しなくても、スキミング対策を行うことが可能になり、その結果、カードリーダ1において比較的容易にスキミング対策を行うことが可能になる。
【0080】
(カードリーダおよびカードリーダの制御方法の変形例1)
図8(A)は、本発明の他の実施の形態にかかるカードリーダ1の構成を説明するための平面図であり、
図8(B)、(C)は、
図8(A)に示すカードリーダ1の内部に取り付けられると想定されるスキミング装置60とカードリーダ1の各構成との配置関係を説明するための平面図である。
図9は、
図8(A)に示すカードリーダ1でのカード2の取込動作時の制御方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【0081】
図8(A)に示すように、カードリーダ1でのカード2の処理時にカード搬送機構8によって奥側まで搬送されたカード2の手前端がカード検知機構15よりも手前側に配置されている場合(より具体的には、カードリーダ1でのカード2の処理時に最も奥側まで搬送されたカード2の手前端がカード検知機構15よりも手前側に配置されている場合)には、制御部17は、カードリーダ1の内部にスキミング装置60が取り付けられないように、カード2の取込時に、以下のようにカードリーダ1を制御しても良い。
【0082】
なお、この変形例のカードリーダ1は、カード検知機構16を備えていない。また、このカードリーダ1の内部に取り付けられると想定されるスキミング装置60には、スキミング装置50と同様に、搬送ローラ26との接触を回避するための切欠き部60aが形成されるとともに、カードリーダ1の内部にスキミング装置60が取り付けられたときに、発光部15aから受光部15bへ向かう光が遮られないように、貫通孔60bが形成されている(
図8(C)参照)。また、このスキミング装置60では、貫通孔60bの奥端とスキミング装置60の手前端との距離L1が、前後方向におけるカード挿入検知機構14とカード検知機構15との距離L2よりも短くなっている。
【0083】
図9に示すように、上位装置3で所定の操作が行われて、上位制御部18から制御部17に、挿入口4へのカード2の挿入許可指令が入力され、カード挿入検知機構14がオフ状態からオン状態に切り替わると(ステップS31)、シャッタ部材13が閉鎖位置から開放位置へ移動する(ステップS32)。その後、カード検知機構15がオフ状態からオン状態に切り替わり(ステップS33)、カード挿入検知機構14がオン状態からオフ状態に切り替わる(ステップS34)。その後、制御部17は、カード検知機構15がオン状態からオフ状態に切り替わったのか否かを判断する(ステップS35)。
【0084】
この変形例では、カードリーダ1でのカード2の処理時に最も奥側まで搬送されたカード2の手前端はカード検知機構15よりも手前側に配置されているため、正規のカード2が挿入口4から挿入される場合には、カードリーダ1へのカード2の取込動作時に、オフ状態からオン状態に切り替わったカード検知機構15が再び、オフ状態に切り替わることはない。これに対して、スキミング装置60が挿入口4から挿入されると、
図8(B)、(C)に示すように、カードリーダ1への取込動作時に、オフ状態からオン状態に切り替わったカード検知機構15が再び、オフ状態に切り替わる。また、挿入口4から挿入されたカード2の一部に、たとえば、透明な部分がある場合には、カードリーダ1への取込動作時に、オフ状態からオン状態に切り替わったカード検知機構15が再び、オフ状態に切り替わることがある。
【0085】
そこで、ステップS35において、カード検知機構15がオン状態のままである場合には、カード2の取込動作が継続され(ステップS36)、制御部17は、カード2がカードリーダ1の奥側まで取り込まれたのか否かを判断する(ステップS37)。ステップS37において、カード2がカードリーダ1の奥側まで取り込まれている場合には、そのまま、カード2の取込動作が完了し、ステップS37において、カード2がカードリーダ1の奥側まで取り込まれていない場合には、ステップS35に戻る。
【0086】
また、ステップS35において、カード検知機構15がオン状態からオフ状態に切り替わると、制御部17は、カード2の取込動作を停止して、カード2の排出処理を行う(ステップS38)。すなわち、ステップS38において、制御部17は、カード2の取込動作を停止して、カード搬送機構8に手前側への搬送動作を行わせる。その後、制御部17は、カード挿入検知機構14がオフ状態からオン状態に切り替わったのか否かを判断する(ステップS39)。
【0087】
上述のように、たとえば、カード2の一部に透明な部分があるために、ステップS35において、カード検知機構15がオフ状態に切り替わる場合には、ステップS38において、カード2の排出処理を行うと、カード搬送機構8によってカード2が手前側へ搬送されて、カード挿入検知機構14がオフ状態からオン状態に切り替わる。また、カード挿入検知機構14がオフ状態からオン状態に切り替わった状態では、挿入口4からカード2を引き抜くことが可能になる。したがって、ステップS39において、カード挿入検知機構14がオフ状態からオン状態に切り替わると、カード2の取込動作が終了する。また、挿入口4からカード2が引き抜かれると、たとえば、上位装置3を引き続き使用することが可能になる。
【0088】
一方、ステップS39において、カード挿入検知機構14がオフ状態のままである場合には、
図8(C)に示すように、スキミング装置60がカードリーダ1の内部まで挿入されており、ステップS38において、カード2の排出処理を行っても、カード搬送機構8によってスキミング装置60を手前側に搬送できないため、カード挿入検知機構14がオフ状態からオン状態に切り替わらないと推定される。
【0089】
したがって、ステップS39において、カード挿入検知機構14がオフ状態のままである場合には、制御部17は、スキミング装置60が挿入口4から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位制御部18に送信する(ステップS40)。アラーム信号が上位制御部18に送信されると、カードリーダ1のカード2の取込動作が終了する。また、アラーム信号が入力された上位制御部18は、スキミング装置60がカードリーダ1の内部に取り付けられるのを阻止するために、上位装置3の動作を停止する等の所定の処理を実行する。
【0090】
このように、この変形例では、カードリーダ1へのカード2の取込動作時に、カード挿入検知機構14がオフ状態からオン状態に切り替わった後、カード検知機構15がオフ状態からオン状態に切り替わり、その後、カード挿入検知機構14がオン状態からオフ状態に切り替わった後に、カード検知機構15がオフ状態に切り替わると、カード搬送機構8に手前側への搬送動作を行わせるとともに、その後、カード挿入検知機構14のオフ状態が維持されると、スキミング装置60が挿入口4から挿入されたことを知らせるアラーム信号が上位制御部18に送信されている。また、アラーム信号が入力された上位制御部18は、スキミング装置60がカードリーダ1の内部に取り付けられるのを阻止するために、上位装置3の動作を停止する等の所定の処理を実行する。したがって、この変形例では、特定形状をしたスキミング装置60がカードリーダ1の内部に取り付けられるのを阻止することが可能になる。
【0091】
(カードリーダおよびカードリーダの制御方法の変形例2)
図8(A)に示すように、カードリーダ1でのカード2の処理時にカード搬送機構8によって奥側まで搬送されたカード2の手前端がカード検知機構15よりも手前側に配置されている場合であって、オフ状態からオン状態に切り替わることでカード2の外部接続端子2bを検知する金属検知機構33をカードリーダ1が備えている場合には、制御部17は、カードリーダ1の内部にスキミング装置60が取り付けられないように、カード2の取込時に、以下のようにカードリーダ1を制御しても良い。
【0092】
なお、金属検知機構33は、
図8(A)の二点鎖線で示すように、カード挿入部5の内部に配置されており、挿入口4の奥側に配置されている。すなわち、カード検知機構15は、金属検知機構33よりも奥側に配置されている。また、金属検知機構33は、励磁用コイルと、検出用コイルと、磁性材料で形成され励磁用コイルおよび検出用コイルが巻回されるコアとを備えている。
【0093】
この変形例では、外部接続端子2bが形成された正規のカード2が挿入口4に挿入されたときの態様と異なる態様で金属検知機構33がオンオフし、かつ、カード検知機構15がオフ状態からオン状態に切り替わった後に、カード検知機構15がオフ状態に切り替わると、制御部17は、スキミング装置60が挿入口4から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位制御部18に送信する。すなわち、外部接続端子2bが形成された正規のカード2が挿入口4に挿入されたときには起こり得ない検知結果が金属検知機構33およびカード検知機構15で得られた場合に、スキミング装置60がカードリーダ1の内部まで挿入されたと推定して、制御部17は、スキミング装置60が挿入口4から挿入されたことを知らせるアラーム信号を上位制御部18に送信する。
【0094】
また、アラーム信号が入力された上位制御部18は、スキミング装置60がカードリーダ1の内部に取り付けられるのを阻止するために、上位装置3の動作を停止する等の所定の処理を実行する。そのため、この変形例では、金属で形成された特定形状のスキミング装置60がカードリーダ1の内部に取り付けられるのを阻止することが可能になる。
【0095】
なお、この変形例では、たとえば、一部に透明な部分があるカード2が挿入口4に挿入されると、カード検知機構15がオフ状態からオン状態に切り替わった後に、カード検知機構15がオフ状態に切り替わる場合が生じうる。ただし、この場合には、正規のカード2と同じ位置に外部接続端子2bが形成された特殊なカード2であれば、正規のカード2が挿入口4に挿入されたときの態様と同じ態様で金属検知機構33がオンオフする。そのため、正規のカード2と同じ位置に外部接続端子2bが形成された特殊なカード2が挿入口4に挿入されたのか、それとも、金属で形成された特定形状のスキミング装置60が挿入口4に挿入されたのかを切り分けることが可能になる。
【0096】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0097】
上述した形態において、ステップS3の後、そのまま、ステップS7へ進んでも良い。また、上述した形態において、ステップS7の後、そのまま、以後のカード2の取込動作が継続されても良い。これらの場合であっても、
図5に示すような特定形状をしたスキミング装置50がカードリーダ1の内部に取り付けられるのを阻止することが可能になる。
【0098】
上述した形態では、カード挿入検知機構14は、挿入口4に挿入されたカード2の幅を検知することで、挿入口4にカード2が挿入されたことを検知する幅検知機構であるが、カード挿入検知機構14は、挿入口4に挿入されたカード2の奥側の端面を検知することで、挿入口4にカード2が挿入されたことを検知する検知機構であっても良いし、挿入口4に挿入されたカード2の磁気ストライプ2aを検知することで、挿入口4にカード2が挿入されたことを検知する検知機構であっても良い。また、上述した形態では、カード検知機構15、16は、光学式センサであるが、カード検知機構15、16は、光学式センサ以外の検知機構であっても良い。
【0099】
上述した形態では、モータ28の回転を検知するためのエンコーダ30によって搬送ローラ26の回転が検知されているが、搬送ローラ26の回転を検知するための回転検知機構が別途設けられても良い。また、上述した形態では、カード2は、厚さが0.7〜0.8mm程度の塩化ビニール製のカードであるが、カード2は、厚さが0.18〜0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードであっても良いし、所定の厚さの紙カード等であっても良い。また、上述した形態では、カードリーダ1は、カード搬送機構8を備えるカード搬送式のカードリーダであるが、カードリーダ1は、ユーザが手動でカード2を移動させながら、磁気データの読取や記録を行う手動式のカードリーダであっても良い。