(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6539613
(24)【登録日】2019年6月14日
(45)【発行日】2019年7月3日
(54)【発明の名称】芝刈り機
(51)【国際特許分類】
A01D 34/53 20060101AFI20190625BHJP
【FI】
A01D34/53
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-77217(P2016-77217)
(22)【出願日】2016年4月7日
(65)【公開番号】特開2017-184677(P2017-184677A)
(43)【公開日】2017年10月12日
【審査請求日】2018年1月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】399074927
【氏名又は名称】株式会社大進
(74)【代理人】
【識別番号】100103654
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100165755
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 典彦
(72)【発明者】
【氏名】脇坂 善哲
【審査官】
中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭51−057546(JP,A)
【文献】
実開昭50−071447(JP,U)
【文献】
特開平09−252622(JP,A)
【文献】
実公昭33−009553(JP,Y1)
【文献】
実開昭58−135229(JP,U)
【文献】
独国特許出願公開第03543332(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/42 − 34/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の螺旋刃を備え本体フレームの水平方向に取り付けられる回転刃と、該回転刃の螺旋刃の先端である切り刃に押圧させるように、回転刃と平行に固定刃を配置し、固定刃と回転刃の間で刈り取りを行う芝刈り機において、
複数の螺旋刃を回転軸の同心軸上の等間隔に配置し、該螺旋刃の両端に回転軸の中心から一定寸法であって螺旋刃の切り刃までの寸法に等しい外周面を備えた弧状の延長部を形成し、該延長部を次位の螺旋刃に接合して螺旋刃の切り刃と延長部の外周面を面一に形成し、
螺旋刃の両端に形成する延長部は、両端位置から次位の螺旋刃の内方に向けて延長し、次位の螺旋刃の外方端よりも内方位置に接合したことを特徴とする芝刈り機。
【請求項2】
固定刃は、回転刃と平行に配置した支持軸に沿った平板部と、該平板部の両端に垂直壁を備えた支持板の平板部に固定し、前記支持板の垂直壁に前記支持軸の両端を軸支し、前記支持板の垂直壁に外側方に向けて形成した連結板を、本体フレーム側壁に穿設した窓孔から本体フレームの外側方に突出させるとともに、本体フレームの外側面に窓孔の上方に上固定板と下固定板を突出させ、前記連結板と下固定板及び上固定板にそれぞれ貫通孔を穿設し、連結板の貫通孔と下固定板の貫通孔及び上固定板の貫通孔を貫通させて吊り下げ杆を装着し、該吊り下げ杆の下端に上方への抜け止め部と上端に大径部を形成し、下固定板の貫通孔は吊り下げ杆の軸部が通過する小径孔に、上固定板の貫通孔は吊り下げ杆の大径部が通過する大径孔とし、下固定板と吊り下げ杆の大径部の間にコイルバネを配置し、該コイルバネの弾性によって固定刃を常時回転刃に押圧させることを特徴とする請求項1記載の芝刈り機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水平方向に取り付けられた回転刃と、回転刃の切れ刃に押圧するように配置した固定刃によって刈取を行う芝刈り機に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
芝刈り機には、複数の螺旋刃を備えた回転刃を本体フレームに水平方向に配置し、螺旋刃の先端である回転刃の切り刃の回転軌跡に、当接するように固定刃を配置し、回転刃と固定刃によって刈取を行う芝刈り機が知られている。この種芝刈り機においては、特許文献1に開示されるように、回転刃の切れ刃と固定刃の切れ刃のクリアランスを刈取に適した状態にバネで維持するように調節するのが普通である。このとき、固定刃が回転刃の回転軌跡内に突出しないようにして噛み込みを防止する。すなわち、微小なクリアランスに調整する。
【0003】
回転刃の切り刃と固定刃のクリアランスに、被切断物が入り込んでしまうと良好な切断状態を実現することができない。したがって、回転刃の切り刃と固定刃は常時当接していること、あるいは押圧状態にあるのが切断機能の上では好ましい。しかしながら、固定刃が回転刃に対して押圧状態にあると、固定刃の当接位置が次位の螺旋刃との当接状態に移動するときに、固定刃が螺旋刃に噛み込んでしまう可能性があった。
特許文献2及び3には回転刃の一端に円板状の噛み込み防止板を配置し、この噛み込み防止板に固定刃を当接させることによって、固定刃が回転刃の回転軌跡内に入り込んで、固定刃が回転刃に噛み込むのを防止する思想が開示されている。
【0004】
回転刃の一端部で固定刃を支持することによって、固定刃の噛み込みを防止する従来の技術では、噛み込み防止板の反対側で固定刃が噛み込むのを完全に防止することができない。特に、芝の切断を完全なものとするため、強い力で押圧させようとする場合は噛み込みの危険性が大きくなるとともに、固定刃の端部の同じ位置が常時当接しているため、固定刃が部分的に大きく磨滅する可能性がある。特許文献3では、バネの弾性力の分力による、弱い力で固定刃を回転刃に押圧させることによって、安定した切断状況を実現する思想が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−13380号公報
【特許文献2】実用新案登録第3030764号公報
【特許文献3】特開2007−166987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献3に開示されるように、バネの分力によって固定刃を常時回転刃に押圧し、回転刃の一端部に配置した噛み込み防止板によって噛み込みを防止しようとするもであっても、固定刃の噛み込みを完全に防止するのは困難であるとともに、噛み込み防止板と固定刃の当接位置が同じ位置であるため、その部分が磨滅し易いことに変わりがない。また、押圧力が弱いと芝などの切断力に劣る欠点がある。
上記欠点に鑑み、本発明は、固定刃と回転刃の噛み込みをより確実に防止するとともに、回転刃と固定刃を比較的大きな力で押圧させることによって良好な切断力、例えば固い草の切断を容易に行うことができる、芝刈り機を実現することを目的とするものである。また、固定刃の部分的な磨滅を回避し、安定した切断状態を維持することができる構造を実現することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記、目的を達成する請求項1に記載の本発明に係る芝刈り機は、複数の螺旋刃3、3を備え、本体フレーム1の水平方向に取り付けられる回転刃2と、該回転刃2の螺旋刃3の先端である切り刃3aに押圧させるように、回転刃2と平行に固定刃6を配置し、固定刃6と回転刃2の間で刈り取りを行う。
複数の螺旋刃3、3は、回転軸4の同心軸上の等間隔に配置し、この螺旋刃3、3の両端に回転軸の中心から一定寸法であって螺旋刃3の切り刃3aまでの寸法に等しい外周面5aを備えた弧状の延長部5を形成する。この延長部5は、次位の螺旋刃3に接合して螺旋刃3の切り刃3aと延長部5の外周面5aを面一に形成する。
【0008】
そして螺旋刃の延長部5の形状について、螺旋刃3の両端に形成する延長部5は、螺旋刃3の両端位置から次位の螺旋刃の内方に向けて延長し、次位の螺旋刃の外方端よりも内方位置に接合することである。
【0009】
請求項
2記載の発明は、固定刃6の支持構造に関するものである。固定刃6は、回転刃2と平行に配置した支持軸7に沿った平板部8aと該平板部8aの両端に垂直壁8bを備えた支持板8の平板部8aに固定し、前記支持板8の垂直壁8bに前記支持軸7の両端を軸支させ、前記支持板8の垂直壁8bに外側方に向けて形成した連結板9を本体フレーム1側壁に穿設した窓孔10から本体フレーム1の外側方に突出させるとともに、本体フレーム1の外側面には、窓孔10の上方に上固定板11と下固定板12を突出させる。
前記連結板9と下固定板12及び上固定板11にそれぞれ貫通孔を穿設し、連結板9の貫通孔13と下固定板12の貫通孔15及び上固定板11の貫通孔14を貫通させて吊り下げ杆16を装着する。吊り下げ杆16の下端に上方への抜け止め部17と上端に大径部18を形成し、下固定板12の貫通孔15は吊り下げ杆16の軸部が通過する小径孔に、上固定板11の貫通孔14は吊り下げ杆16の大径部18が通過する大径孔とする。この状態で、下固定板12と吊り下げ杆16の大径部18の間にコイルバネ19を配置し、該コイルバネ19の弾性によって固定刃6を常時回転刃2に押圧させるものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の本発明芝刈り機によれば、固定刃6の両端部は常に螺旋刃3の延長部5、5に当接する、すなわち安定よく支持され、ガタツキなどがなく固定刃6の螺旋刃3に対する噛み込みを効果的に防止することができる。また、固定刃6は、常時回転刃に押圧され、両端部が延長部5によって支持されることによって、螺旋刃3と固定刃6の押圧状態が安定し、一定の切断状態(条件)を維持することができる。すなわち、延長部5の外周面と螺旋刃3の切り刃3aが面一であることによって、固定刃6が回転刃2に押圧されるものであっても、連続的に固定刃6と回転刃2が当接し、固定刃6の部分的な磨滅の可能性が少なく、安定した切断状態を維持することができる。
【0011】
そして、固定刃6と、回転刃2の延長部5との当接位置が常時移動するため、固定刃6の部分的な磨滅を少なくすることができる。また、延長部5と固定刃6の当接位置が移動することによって、この部分での芝の切断作用が生じる。特に、回転刃2の回転速度に対して固定刃6の幅方向の移動が少ない状態で切断することになるため、強い切断力を実現することができる。したがって回転刃の両側に切り残しを生じにくいものとすることができる。
【0012】
請求項
2記載の発明によれば、固定刃6をコイルバネ19の力で常時回転刃2に押圧させることができ、より安定した切断状態を実現することができる。また、固定刃6を引き上げて回転刃2に押圧する吊り下げ杆16は、上固定板11の貫通孔14と下固定板12の貫通孔15を貫通した状態で、固定刃6を支持している支持板8の連結板9を引き上げるため、固定刃6が振れることなく安定的に作動させることができる。また、コイルバネ19の比較的強い力で固定刃6を作用させることができる。すなわち、本発明は、固定刃6を強い力で螺旋刃3の切り刃3aに押圧しても噛み込むことなく、良好な切断状態を実現することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態を示す芝刈り機の平面図、
【
図3】
図3は、
図1に示す芝刈り機の固定刃の構造を示す側面図、
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る芝刈り機の実施形態を添付の図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る芝刈り機の平面図、
図2は側面図、
図3は固定刃の構造である。
【0015】
図示実施形態の芝刈り機は、左右の側板1a、1aの前方部分を連結部材1bで、連結して本体フレーム1を構成している。本体フレーム1の側板1a、1a間には、複数の螺旋刃3、3、図示実施形態では5枚の螺旋刃を備えた回転刃2を水平方向に取り付けるとともに、螺旋刃3の先端である切り刃3aの回転軌跡に接するように回転刃2と平行に固定刃6を配置している。この芝刈り機は、本体フレーム1を移動させることによって回転刃2を回転させ、回転刃2を構成している螺旋刃3先端の切り刃3aと、固定刃6先端の切り刃6aのせん断作用によって芝の刈取を行なう。
【0016】
本体フレーム1の側板1aには、前半部の外側面に車輪20、20を軸支するとともに、本体フレーム1の側板1a、1aの後端部に架設するようにガイドローラ21を配置し、車輪20とガイドローラ21を接地させて、本体フレーム1を移動させることによって回転刃2を回転させている。すなわち、図示していないが、本体フレーム1の外側面に配置する車輪20の内部に内歯歯車を形成し、回転刃2の回転軸4の先端に装着したピニオンを、前記内歯歯車に噛合させることによって、車輪20の回転に連動して回転刃2を回転させるようにしている。
【0017】
回転刃2を形成する螺旋刃3の先端である切り刃3aの回転軌跡に接する位置に配置する固定刃6は、回転刃2と平行に配置するものであるが、回転刃2に向けて押圧することができるようにしている。
すなわち、固定刃6は支持板8に固定している。支持板8は、本体フレーム1の幅方向に延びる平面部8aと、その両端を折曲した垂直壁8bとで構成し、平面部8aに固定刃6を固定し垂直壁8bを支持軸7によって本体フレーム1に軸支させている。支持軸7によって軸支させた支持板8を前方に回動させることによって、支持板8に固定している固定刃6の前端、すなわち切り刃6aを回転刃2の螺旋刃3の切り刃3aに押圧することができる。
【0018】
支持板8には、
図3から理解されるように、外方に向けて連結板9、9を突出形成している。すなわち、支持板8の平面部8aの両端に位置する垂直壁8bの上縁前方部分に外方に向けて、連結板9を折曲形成し、この連結板9を本体フレーム1の側板1aに穿設した窓孔10から外方に突出させている。
連結板9を外方に突出させる窓孔10の直上位置には、本体フレーム1の側板1aに、上下一対の上固定板11と下固定板12を外方に向けて突出させている。図示実施形態においては、断面略コ字状とした部材を側板1aに溶着し、コ字状部材の上辺を上固定板11、下辺を下固定板12としている。勿論、上固定板11と下固定板12は分離されたものであってもよい。
【0019】
前記、上固定板11、下固定板12及び連結板9には、上下一直線上にそれぞれ貫通孔14、15、13を穿設し、これら貫通孔を貫通させて吊り下げ杆16を設置している。吊り下げ杆16は、軸部16aの上端に大径部18を形成し、下端に抜け止め部17を装着することができるものとしている。吊り下げ杆16として、例えば六角穴付きボルトを利用する。
吊り下げ杆16を貫通させる連結板9の貫通孔13、下固定板12の貫通孔15は、吊り下げ杆16の軸部16aが、大きな隙間がない状態で遊貫通する孔径、例えば軸部16aの直径よりも1mm程度大きな直径の貫通孔とする。特に、下固定板の貫通孔15の大きさは、軸部16aにコイルバネ19を装着したときに、軸部16aが通過し、コイルバネ19が通過せずに支持される大きさとする。一方、上固定板11の貫通孔14は、大径部18、図示実施形態においては六角穴ボルトの頭部が通過する大径の孔とする。
【0020】
固定刃6を固定した支持板8を本体フレーム1に装着するには、吊り下げ杆16の軸部16aにコイルバネ19挿入し、コイルバネ19を大径部18に支受させた状態で、吊り下げ杆16を上固定板11の貫通孔14と、下固定板12の貫通孔15及び連結板9の貫通孔13を貫通させて装着し、軸部16aの先端に抜け止め部17、具体的にはナットを固定する。
抜け止め部17によって支持板8の連結板9を支受する吊り下げ杆16は、下固定板12と大径部18の間に挿入したコイルバネ19によって上方に付勢される。すなわち、支持板8はコイルバネ19の弾性によって常時上方に引き上げられ、回転刃2に押圧される。
このとき、吊り下げ杆16は、貫通孔13,14,15を貫通しているため、安定的に保持され、コイルバネ19に無理な力が作用することがない。特に、図示実施形態のように、上固定板11と下固定板12が断面略コ字状に形成されていると、コイルバネ19自体が、外部から保護されることになる。
【0021】
車輪20の回転と連動して回転をする回転刃2は、
図5、
図6に示すように、回転軸4の軸方向に等間隔で三カ所に配置した円板状の取付け板22、22に、螺旋刃3、3を円周上の等間隔(図示例では72度ごと)に固定している。螺旋刃3は、図示実施形態においては5枚とし、螺旋刃3の両端間で72度のねじれとなるようにし、回転刃2と平行に配置した固定刃6が、常に螺旋刃3の一カ所に接触し、接触抵抗にばらつきがなく安定した回転状態を維持するように配慮している。
螺旋刃3の両端部は、回転軸4の中心から一定寸法(径方向)であって螺旋刃3の切り刃3aまでの寸法に等しい外周面5aを備えた弧状の延長部5を次位の螺旋刃に向けて形成する。この延長部5は次位の螺旋刃3に接合し、螺旋刃3の切り刃3aと延長部5の外周面5aを面一に形成する。
【0022】
上記構成とすることによって、固定刃6は常に螺旋刃3の両端に形成された延長部5の外周面5aに当接して摺動することになる。すなわち、固定刃6の両端部は延長部5によって支持され、回転刃2の直径の中心方向に移動する可能性、すなわち、噛み込む可能性がない。そのため、固定刃6をコイルバネ19の比較的強い力で押圧し続けても噛み込むことがなく、被切断物の切断を確実なものとすることができる効果がある。図示実施形態においては、常に螺旋刃3のいずれかの部分が、固定刃6の切り刃6aに当接して切断作用に寄与しているため、切削抵抗が安定するとともに切り残しの可能性が少ない。
切断作用を行う固定刃6と回転刃2の接触位置は、常時一カ所に限定される必要はなく、螺旋刃の螺旋角度や回転刃の軸方向寸法によって常時複数位置で切断が行われるようにすることもできる。
【0023】
螺旋刃3の両端部に形成する延長部5の延長方向は、回転軸4と直交する方向であってもよい。この場合、延長部5は螺旋刃3の両端部において円環状に現れて、噛み込み防止板として機能し、螺旋刃3の両端位置で固定刃6が支持されることになる。延長部5の外周面5aが固定刃6の同じ位置に、薄い厚みである細幅状態で接触し続けると、固定刃の接触部分に磨滅を生じる可能性があるが、図示実施形態のように延長部5が内方に向けて延長したものであると、固定刃6と延長部5との当接位置が変化する。これにより、固定刃6の部分的な磨滅を軽減することができる。
【0024】
延長部5は、回転軸4に対して直交する方向であってもよいが、図示実施形態のように、螺旋刃3の両端に形成する延長部5は、両端位置から次位の螺旋刃の内方に向けて延長し、次位の螺旋刃の外方端よりも内方位置に接合するのが好ましい。すなわち、螺旋刃の一端から内方に向けた傾斜で、次位の螺旋刃に向けて延長部を形成する場合、次位の螺旋刃には一端よりも内側に接合されることになる。延長部が一端よりも内側に接合された螺旋刃の一端からは、
図5、
図6から理解されるように、さらに次位置の螺旋刃に向けて延長部を形成する。
【0025】
図5や
図6に示す実施形態では、回転刃2の螺旋刃3が常に固定刃6に接触する。そして、固定刃6と延長部5の接触位置が、回転軸4の軸方向に変化する。したがって、固定刃6に対して部分的な磨滅を発生する可能性が少なくなり、固定刃6を回転刃2に強く押圧するものであっても、円滑に回転させることができる。また、固定刃に対する回転刃の延長部の接触位置が軸方向に移動することは、部分的ではあるが被切断物の切断に寄与する。この接触位置の軸方向の移動は少ない距離であるため、強い切断力を発揮し、回転刃の一端に移動させられた腰の強い草などを切断することができる。
【0026】
その他、図において23はガイドローラ21の支持アームであって、先端部分にガイドローラ21の支持軸24を支持し、摘み25を引いて支持アームを回動させることによって回転刃2と固定刃6による切断位置の高さを変化させ、芝の刈り取りの高さを調節することができるものである。
【符号の説明】
【0027】
1…本体フレーム、 1a…側板、 1b…連結部材、 2…回転刃、 3…螺旋刃、 3a…切り刃、 4…回転軸、 5…延長部、 5a…外周面、 6…固定刃、 6a…切り刃、 7…支持軸、 8…支持板、 8a…平面部、 8b…垂直壁、 9…連結板、 10…窓孔、 11…上固定板、 12…下固定板、 13、14、15…貫通孔、 16…吊り下げ杆、 17…抜け止め部、 18…大径部、 19…コイルバネ、 20…車輪、 21…ガイドローラ、 22…取付け板、 23…支持アーム、 24…支持軸、 25…摘み。