(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記送信制御部は、予め設定された発信元端末から前記着信部が前記設定時間内に受けた前記設定回数の前記電話着信の最後の着信に対して応答操作が行われなかったことを条件として、前記通信端末の状態を示す状態情報と前記案内情報とを前記発信元端末に送信する、
請求項1に記載の通信端末。
前記送信制御部は、予め設定された発信元端末から前記着信部が設定時間内に受けた設定回数の前記電話着信に対して連続して応答操作が行われなかったことを条件として、前記通信端末の状態を示す状態情報と前記案内情報とを前記発信元端末に送信する、
請求項1に記載の通信端末。
前記送信制御部は、予め設定された発信元端末から前記着信部が設定時間内に受けた設定回数の前記電話着信の最後の着信に対して応答操作が行われてから所定の時間以内に切断操作が行われたことを条件として、前記通信端末の状態を示す状態情報と前記案内情報とを前記発信元端末に送信する、
請求項1に記載の通信端末。
前記作成部は、前記位置検出部が検出した位置が、予め設定された鳴動禁止領域に含まれる場合、前記通信端末を鳴動する機能の操作方法を含まない前記案内情報を作成する、
請求項8に記載の通信端末。
前記送信制御部は、前記着信部が受けた前記電話着信に対して所定の閾値時間が経過するまでの間に応答されない状態で切断された不在着信が前記設定回数発生したことを条件として前記状態情報と前記案内情報とを送信する、
請求項1から11のいずれか一項に記載の通信端末。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
子供に携帯端末を持たせている場合に、親が子供に電話をかけたにもかかわらず応答がないと、親は心配になる。例えば、子供が携帯端末をマナーモードに設定しているために親からの着信があったことに気付かない場合であっても、親は、子供が事故に遭遇したのではないかと懸念する。このような場合に、親が子供の携帯端末を遠隔操作してマナーモードを解除できれば、親が子供の携帯端末に電話をかけることにより着信音を鳴動させることができる。
【0005】
しかしながら、携帯端末の利用者は、携帯端末を用いて他の携帯端末を遠隔操作する機能があることを認識していない場合がある。また、携帯端末の利用者が、他の携帯端末を遠隔操作する機能があることを認識している場合であっても、遠隔操作の方法を認識していないことは多い。その結果、遠隔操作を利用するのに好適な機会であるにもかかわらず、遠隔操作が行われない場合があるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、遠隔操作をしやすい通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様の通信端末は、電話通信網に接続可能な通信端末である。この通信端末は、前記電話通信網を介して電話着信を受ける着信部と、前記通信端末の操作方法を案内する案内情報を作成する作成部と、予め設定された発信元端末から前記着信部が所定の設定時間内に受けた所定の設定回数の前記電話着信の後に、前記通信端末の状態を示す状態情報と前記案内情報とを前記発信元端末に送信する送信制御部と、を有する。
【0008】
前記送信制御部は、予め設定された発信元端末から前記着信部が前記設定時間内に受けた前記設定回数の前記電話着信の最後の着信に対して応答操作が行われなかったことを条件として、前記通信端末の状態を示す状態情報と前記案内情報とを前記発信元端末に送信してもよい。
【0009】
前記送信制御部は、予め設定された発信元端末から前記着信部が設定時間内に受けた設定回数の前記電話着信に対して連続して応答操作が行われなかったことを条件として、前記通信端末の状態を示す状態情報と前記案内情報とを前記発信元端末に送信してもよい。
【0010】
前記送信制御部は、予め設定された発信元端末から前記着信部が設定時間内に受けた設定回数の前記電話着信の最後の着信に対して応答操作が行われてから所定の時間以内に切断操作が行われたことを条件として、前記通信端末の状態を示す状態情報と前記案内情報とを前記発信元端末に送信する送信制御部と、を有してもよい。
【0011】
前記送信制御部は、前記通信端末の状態に対応する前記案内情報を前記発信元端末に送信してもよい。
【0012】
前記作成部は、それぞれ異なる複数の操作方法に対応する複数の前記案内情報を作成し、前記送信制御部は、前記複数の案内情報を前記発信元端末に送信してもよい。また、前記作成部は、前記通信端末の状態に基づいて前記複数の案内情報から選択した案内情報を含むメッセージを作成してもよい。前記作成部は、前記複数の案内情報が前記通信端末の状態に基づく順番に並んだメッセージを作成してもよい。
【0013】
前記通信端末は、前記通信端末の位置を検出する位置検出部をさらに有し、前記送信制御部は、前記位置検出部が検出した位置に基づく情報を含む前記状態情報を送信してもよい。前記作成部は、前記位置検出部が検出した位置が、予め設定された鳴動禁止領域に含まれる場合、前記通信端末を鳴動する機能の操作方法を含まない前記案内情報を作成してもよい。
【0014】
前記通信端末は、時刻を出力する時計部をさらに有し、前記作成部は、前記時計部が出力した時刻が、予め設定された鳴動禁止期間に含まれる場合、前記通信端末を鳴動する機能の操作方法を含まない前記案内情報を作成してもよい。
【0015】
前記作成部は、テキストを含む前記案内情報を作成し、前記送信制御部は、テキストを含む前記案内情報を、ショートメッセージサービスを利用して前記発信元端末に送信してもよい。
【0016】
前記送信制御部は、前記着信部が受けた前記電話着信に対して所定の閾値時間が経過するまでの間に応答されない状態で切断された不在着信が前記設定回数発生したことを条件として前記状態情報と前記案内情報とを送信してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様のプログラムは、電話通信網に接続可能な通信端末が有するプロセッサを、前記電話通信網を介して電話着信を受ける着信部、前記通信端末の操作方法を案内する案内情報を作成する作成部、及び予め設定された発信元端末から前記着信部が所定の設定時間内に受けた所定の設定回数の前記電話着信の後に、前記通信端末の状態を示す状態情報と前記案内情報とを前記発信元端末に送信する送信制御部、として機能させる。
【0018】
本発明の第3の態様の通信方法は、電話通信網に接続可能な通信端末が有するコンピュータが実行する、前記電話通信網を介して電話着信を受けるステップと、前記通信端末の操作方法を案内する案内情報を作成するステップと、予め設定された発信元端末から所定の設定時間内に受けた所定の設定回数の前記電話着信の後に、前記通信端末の状態を示す状態情報と前記案内情報とを前記発信元端末に送信するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、通信端末の遠隔操作をしやすくなるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1通信端末1の概要]
図1は、第1通信端末1が使用されるシステムの概要を説明するための図である。第1通信端末1及び第2通信端末2は、携帯電話網Nの基地局3に接続可能な携帯端末である。本実施の形態において、第1通信端末1は、第2通信端末2により遠隔操作される対象となる通信端末であり、例えば子供が使用する携帯端末である。第2通信端末2は、第1通信端末1を遠隔操作する権限があるユーザが使用する通信端末であり、例えば第1通信端末1を使用する子供の親の携帯端末である。
【0022】
図2は、第1通信端末1及び第2通信端末2の動作の概要を説明するための図である。第1通信端末1は、予め登録された第2通信端末2から所定の設定時間内に受けた所定の回数の電話着信に対して応答操作が行われなかったことを条件として、第1通信端末1の状態を示す状態情報と案内情報とを発信元端末(
図2における第2通信端末2)に送信する。所定の設定時間は、第1通信端末1の設計時に設定された時間であってもよく、ユーザにより設定された時間であってもよい。所定の設定時間は、第1通信端末1のユーザが正常な状態であれば、何度か着信を繰り返すうちに着信に応答できると考えられる時間であり、例えば10分である。所定の設定回数も同様に、第1通信端末1の設計時に設定された回数であってもよく、ユーザにより設定された回数であってもよい。所定の設定回数は、例えば、緊急性が高い場合にユーザが繰り返して発信する回数である。
【0023】
所定の設定時間の開始タイミングは、例えば、前回応答操作が行われた後に、予め登録された第2通信端末2から電話着信を受けたタイミングである。所定の設定時間の開始タイミングは、事前に設定されたタイミング等の任意のタイミングであってもよい。
【0024】
第1通信端末1の状態を示す状態情報は、例えば第1通信端末1の機能の設定状態を示す情報、位置検出部16が検出した位置に基づく情報(例えば緯度・経度情報又は施設の名称)、及び第1通信端末1が故障しているかどうかを示す情報である。案内情報は、第1通信端末1の操作方法を案内する情報であり、例えば、
図2における「お子様の端末の位置を確認する場合は1を押してください」、「大音量でアラームを鳴らす場合は2を押してください」、「マナーモードを解除する場合は3を押してください」、及び「メッセージを残す場合は4を押して、発信音の後にご用件をお話しください」という文字列である。
【0025】
第2通信端末2のユーザが、10分間に3回にわたって第1通信端末1に対して発信したにもかかわらず、第1通信端末1のユーザが応答しなかったとする。第1通信端末1は、次に第2通信端末2から電話着信を受けると、例えば、第1通信端末1がマナーモードに設定されているという状態を示す状態情報、及び第1通信端末1を遠隔操作するための操作方法を示す案内情報を含む音声メッセージを第2通信端末2に送信する。
【0026】
図2に示す例の場合、第1通信端末1は、案内情報として、第1通信端末1の位置を確認するための操作方法、大音量でアラームを鳴らすための操作方法、マナーモードを解除するための操作方法、及びメッセージを残す場合の操作方法を示す音声メッセージを第2通信端末2に送信する。第1通信端末1は、第1通信端末1の状態に適した案内情報を作成し、作成した案内情報を第2通信端末2に送信する。このようにすることで、第2通信端末2のユーザは、第1通信端末1の状態に適した操作を行う方法を認識することができるので、第2通信端末2のユーザが適切な遠隔操作を容易に行うことが可能になる。
【0027】
[第1通信端末1の構成]
図3は、第1通信端末1の構成を示す図である。第1通信端末1は、通信部11と、ディスプレイ12と、呼出部13と、操作部14と、時計部15と、位置検出部16と、記憶部17と、制御部18とを有する。第2通信端末2も第1通信端末1と同様の構成を有しているが、第2通信端末2は、第1通信端末1と異なり、第2通信端末2の状態を示す情報、及び案内情報を他の携帯端末に送信する機能を有していなくてもよい。
【0028】
通信部11は、携帯電話網Nの基地局3との間で無線通信をするための通信インターフェースである。通信部11は、基地局3から受信した無線信号を復調し、復調後のデータを受信制御部181に入力する。また、通信部11は、送信制御部183から入力されたデータを変調して無線信号を生成し、生成した無線信号を基地局3に送信する。
【0029】
ディスプレイ12は、制御部18の制御に基づいて各種の情報を表示する。ディスプレイ12は、例えば液晶ディスプレイである。呼出部13は、制御部18の制御に基づいて音を出力するスピーカー、及び第1通信端末1を振動させるバイブレータを有する。操作部14は、ユーザの操作を受け付けるデバイスであり、例えばディスプレイ12に重ねて設けられたタッチパネルである。
【0030】
時計部15は、日時及び時刻を示す時刻情報を生成する時計IC(Integrated Circuit)を有する。時計部15は、作成部182の要求に応じて、生成した時刻情報を作成部182に通知する。
【0031】
位置検出部16は、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信する受信機を有しており、GPS衛星から受信した情報に基づいて、第1通信端末1の位置を示す緯度・経度情報を含む位置情報を生成する。位置検出部16は、生成した位置情報を作成部182に通知する。
【0032】
記憶部17は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有する。記憶部17は、制御部18が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部17は、第1通信端末1の状態を示す状態情報、及び他の携帯端末に送信する案内情報等の各種の情報を記憶している。
【0033】
図4は、記憶部17が記憶している状態情報データベースの例を示す図である。
図4に示す状態情報データベースにおいては、状態ごとに割り当てられた状態識別番号と状態情報とが関連付けられている。状態情報は、制御部18により逐次更新されており、制御部18は、案内情報を通知するためのアプリケーションを実行する際に記憶部17に記憶された状態情報を読み出すことにより、記憶部17の最新の状態を特定することができる。
【0034】
図5は、記憶部17が記憶している案内情報データベースの例を示す図である。案内情報データベースにおいては、案内情報を送信可能な状態を示す状態識別番号と、案内情報とが関連付けられている。制御部18は、
図4に示した状態情報を特定した後に案内情報データベースを参照することにより、状態情報が示す状態において送信するべき案内情報を特定することができる。なお、案内情報データベースは、案内情報が採用された実績や機械学習によって更新可能に構成されていてもよい。
【0035】
制御部18は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、記憶部17に記憶されたプログラムを実行することにより、受信制御部181、作成部182及び送信制御部183として機能する。
【0036】
受信制御部181は、通信部11から受信したデータを受信する。受信制御部181は、例えば、携帯電話網Nの基地局3から送信された着信メッセージを受信することにより、携帯電話網Nを介して電話着信を受ける着信部として機能する。受信制御部181は、着信があった場合に、着信があったことをディスプレイ12に表示する。また、受信制御部181は、第1通信端末1がマナーモードに設定されていない場合、呼出部13が有するスピーカーを鳴動させる。受信制御部181は、第1通信端末1がマナーモードに設定されている場合、呼出部13が有するバイブレータを振動させる。
【0037】
作成部182は、第1通信端末1の操作方法を案内する案内情報を作成する。本実施の形態における作成部182は、音声を含む案内情報を作成する。具体的には、作成部182は、第2通信端末2のユーザに案内する情報を含むテキストを変換した音声データにより構成される案内情報を作成する。
【0038】
作成部182は、例えば、それぞれ異なる複数の操作方法に対応する複数の案内情報を作成する。複数の操作方法は、第2通信端末2のユーザが第1通信端末1のユーザの状況を確認するために用いられる機能の操作方法を含んでおり、例えばアラームを鳴動するための操作方法、位置情報を取得するための操作方法、及びスピーカーホンモードを起動するための操作方法である。
【0039】
作成部182は、第1通信端末1の所定の機能の設定状態に対応する案内情報を作成してもよい。例えば、作成部182は、第1通信端末1のマナーモード機能が設定されている場合、マナーモードを解除する操作方法を示す案内情報を作成する。
【0040】
作成部182は、例えば、
図4に示した状態情報データベース、及び
図5に示した案内情報データベースを参照することにより、通信端末の状態に基づいて複数の案内情報から選択した案内情報を含むメッセージを作成する。作成部182は、例えば第1通信端末1がマナーモードに設定されている場合、予め記憶部17に記憶された各種の案内情報から
図2に示した4つの案内情報を選択し、選択した案内情報を含むメッセージを作成する。
【0041】
メッセージは、例えば
図2に示した「お子様の端末の位置を確認する場合は1を押してください」という第1案内情報、「大音量でアラームを鳴らす場合は2を押してください」という第2案内情報、「マナーモードを解除する場合は3を押してください」という第3案内情報、及び「メッセージを残す場合は4を押して、発信音の後にご用件をお話しください」という第4案内情報により構成される文字列である。
【0042】
作成部182は、複数の案内情報が第1通信端末1の状態に基づく順番に並んだメッセージを作成してもよい。作成部182は、例えば第1通信端末1の状態において第2通信端末2のユーザが操作したいと考える確率が高い案内情報が、第2通信端末2のユーザが操作したいと考える確率が低い案内情報よりも先に配置されたメッセージを作成する。
【0043】
図2に示す例では、第1通信端末1がマナーモードに設定されている場合、第1通信端末1のユーザの親は、第1通信端末1のユーザである子供がどこにいるかを確認したいと考える確率が高いという想定に基づいて、「お子様の端末の位置を確認する場合は1を押してください」という第1案内情報が最初に配置されている。一方、親はメッセージを残す必要があると考える確率は低いという想定に基づいて、「メッセージを残す場合は4を押して、発信音の後にご用件をお話しください」という第4案内情報が最後に配置されている。なお、確率の高低は、過去に複数の第2通信端末2の複数のユーザが案内情報に基づいて行った操作実績の統計や機械学習の結果に基づいて決定された基準であってもよい。そして、操作実績の統計や機械学習の結果は随時更新可能であり、作成部182は、第1通信端末1の記憶部17又は外部データベースを参照して操作実績の統計や機械学習の結果を取得してもよい。
【0044】
作成部182は、各種の条件に基づいて、作成する案内情報の内容を決定してもよい。例えば、作成部182は、位置検出部16が検出した位置が、予め設定された鳴動禁止領域に含まれる場合、第1通信端末1を鳴動する機能の操作方法を含まない案内情報を作成する。鳴動禁止領域は、第1通信端末1の鳴動が禁止されている領域である。第1通信端末1のユーザが子供である場合、例えば学校の校舎の領域が鳴動禁止領域に設定される。第1通信端末1が鳴動禁止領域に含まれる場合に作成部182が第1通信端末1を鳴動する機能の操作方法を含まない案内情報を作成することで、第1通信端末1を鳴動させることが好ましくない場所に第1通信端末1が存在する間に第2通信端末2のユーザの操作により第1通信端末1が鳴動することを防止できる。
【0045】
なお、鳴動禁止領域は、時間帯ごとに設定されていてもよい。例えば、授業が行われる時間帯においては学校が鳴動禁止領域に設定され、授業が行われる時間帯以外の時間帯においては学校が鳴動禁止領域に設定されないようにしてもよい。このようにすることで、例えば、第1通信端末1のユーザが放課後遅くまで学校に残っている場合に、第2通信端末2のユーザが第1通信端末1を鳴動させることで第1通信端末1のユーザに連絡を取ることが可能になる。
【0046】
作成部182は、時計部15から通知された時刻情報に基づいて案内情報の内容を決定してもよい。例えば、作成部182は、時計部15が出力した時刻が、予め設定された鳴動禁止期間に含まれる場合、第1通信端末1を鳴動する機能の操作方法を含まない案内情報を作成する。鳴動禁止期間は、第1通信端末1の鳴動が禁止されている時間帯である。第1通信端末1のユーザが子供である場合、例えば学校の授業が行われる時間帯が鳴動禁止期間に設定される。第1通信端末1が鳴動禁止領域に含まれる場合に作成部182が第1通信端末1を鳴動する機能の操作方法を含まない案内情報を作成することで、第1通信端末1を鳴動させることが好ましくない時間帯に第2通信端末2のユーザの操作により第1通信端末1が鳴動することを防止できる。
【0047】
送信制御部183は、状態情報及び案内情報を送信するタイミングを制御する。送信制御部183は、予め設定された発信元端末としての第2通信端末2から受信制御部181が所定の設定時間内に受けた所定の設定回数の電話着信の後に、第1通信端末1の状態を示す状態情報と案内情報とを第2通信端末2に送信する。
【0048】
送信制御部183は、前回応答操作が行われた後に受信制御部181が予め登録された第2通信端末2から最初の電話着信を受けてから設定時間内に第2通信端末2から受けた設定回数の電話着信の最後の着信に対して応答操作が行われなかったことを条件として、第1通信端末1の状態を示す状態情報と案内情報とを第2通信端末2に送信してもよい。送信制御部183は、例えば、予め設定された第2通信端末2から設定時間の3分間に設定回数である10回の電話着信があった時点で、状態情報及び案内情報を第2通信端末2に送信する。また、送信制御部183は、第2通信端末2から受信制御部181が所定の設定時間内に受けた所定の設定回数の電話着信に対して連続して応答操作が行われなかったことを条件として、第1通信端末1の状態を示す状態情報と、作成部182が作成した案内情報とを第2通信端末2に送信してもよい。
【0049】
また、送信制御部183は、受信制御部181が設定時間内に第2通信端末2から受けた設定回数の電話着信の最後の着信に対して応答操作が行われてから所定の時間以内に切断操作が行われたことを条件として、第1通信端末1の状態を示す状態情報と案内情報とを第2通信端末2に送信してもよい。例えば、送信制御部183は、応答操作が行われてから通話したと考えられない時間(例えば3秒)以内に切断操作が行われた場合に、状態情報及び案内情報を送信する。
【0050】
このようにすることで、第1通信端末1が、電話着信に対して応答操作が行われてから数秒以内に切断する操作が所定の回数にわたって連続して行われた場合(すなわち、いわゆるワン切り操作が行われた場合)のように、第1通信端末1のユーザ以外の第三者が第1通信端末1を操作している可能性がある場合に、第2通信端末2のユーザが第1通信端末1の遠隔操作を容易に行うことができるようになる。例えば、送信制御部183は、第1通信端末1で切断操作が行われても切断せず、マイクに入力された音を第2通信端末2に送信するモードにするための案内情報を送信する。
【0051】
送信制御部183は、受信制御部181が第2通信端末2から受けた電話着信に対して所定の閾値時間が経過するまでの間に応答されない状態で切断された不在着信が所定の設定時間内に所定の設定回数発生したことを条件として案内情報を送信してもよい。所定の閾値時間は、例えば通話する意図を持った発信者が発信後に待機する平均時間であり、15秒である。また、送信制御部183は、留守番電話モードになっている状態で受信制御部181が第2通信端末2から受けた所定の回数の電話着信に対して留守録応答が開始したことを条件として、第2通信端末2の状態を示す情報と案内情報とを送信してもよい。この場合、送信制御部183は、留守番電話用のメッセージの代わりに案内情報を送信する。このようにすることで、第2通信端末2のユーザが何度も繰り返して第1通信端末1に発信した場合に、第2通信端末2のユーザに状態情報及び案内情報を通知することができる。
【0052】
送信制御部183は、例えば、作成部182が第1通信端末1の状態に基づいて作成した一以上の案内情報を第2通信端末2に送信する。具体的には、第1通信端末1がマナーモードに設定されている場合、
図2に示したように、送信制御部183は、第1通信端末1がマナーモードに設定されていることを示す「お子さまが電話に出られません。お子さまの端末はマナーモードに設定されています」という状態情報、及び第1通信端末1の操作方法を示す複数の案内情報を第2通信端末2に送信する。
【0053】
また、位置検出部16が検出した位置が、予め設定された鳴動禁止領域に含まれている場合、送信制御部183は、第1通信端末1を鳴動する機能の操作方法を含まない案内情報を送信する。同様に、時計部15から通知された時刻が鳴動禁止時間帯に含まれている場合、送信制御部183は、鳴動を許可するための操作方法を除く案内情報を第2通信端末2に送信する。
【0054】
送信制御部183が音声を含む案内情報を送信している間に、発信元端末としての第2通信端末2が第1通信端末1との間の通信状態を切断した後に、受信制御部181が新たな電話着信を同一の発信元端末である第2通信端末2から受けた場合、送信制御部183は、直前に送信した案内情報と異なる案内情報を送信してもよい。例えば、送信制御部183は、1回目に第2通信端末2に送信するメッセージにおいて、第1通信端末1の位置情報を示す案内情報を第2通信端末2に送信している間に、第2通信端末2のユーザが第1通信端末1との通信状態を切ったとする。そして、所定の設定時間(例えば1分)が経過する前に、第1通信端末1の受信制御部181が再び第2通信端末2から電話着信を受けたとする。
【0055】
この場合、第2通信端末2のユーザに再び位置情報を示す案内情報を送信しても、第2通信端末2のユーザにとって有用でない可能性が高いと考えられる。そこで、送信制御部183は、位置情報以外の情報を含む案内情報(例えば、マナーモードの解除方法を含む案内情報)を第2通信端末2に送信することで、第2通信端末2のユーザの満足度を高めることができる。
【0056】
また、案内情報を送信中に第2通信端末2が第1通信端末1との間の通信状態を切断した後に、受信制御部181が再び電話着信を受けた場合、送信制御部183は、第1通信端末1の状態を確認し、確認した結果に基づく案内情報を送信してもよい。例えば、送信制御部183は、再び電話着信を受けた時点における通信端末の状態が、直前に案内情報を送信した時と同一の状態である場合、送信した案内情報と同一の案内情報を送信する。送信制御部183は、再び電話着信を受けた時点における通信端末の状態が、直前に案内情報を送信した時と同一の状態でない場合、変化後の状態に適した案内情報を第2通信端末2に送信する。このようにすることで、第2通信端末2のユーザは、第1通信端末1の状態に適した案内情報を聞くことができるとともに、第2通信端末2のユーザが間違って通信状態を切断した場合に、聞いていた案内情報を再び聞くことができる。
【0057】
[通信シーケンス]
図6は、第1通信端末1と第2通信端末2との間の通信シーケンスを示す図である。まず、第2通信端末2のユーザが第1通信端末1への発信操作を行ったとする(S11)。第2通信端末2は、基地局3に対して発信先の電話番号(本例においては第1通信端末1の電話番号)を含む発信メッセージを送信する。基地局3は、発信メッセージを受信すると、第1通信端末1に対して、発信元の電話番号(本例においては第2通信端末2の電話番号)を含む着信メッセージを送信する。
【0058】
第1通信端末1は、着信メッセージを受信すると、着信処理を実行する(S12)。例えば、第1通信端末1は、マナーモードに設定されていない通常状態においては、呼出部13が有するスピーカーを鳴動するとともに、着信があったことをディスプレイ12に表示する。第1通信端末1は、マナーモードに設定されている場合、呼出部13が有するバイブレータを振動させることにより着信があったことをユーザに通知する。
【0059】
続いて、第1通信端末1は、案内情報を第2通信端末2に送信する条件が満たされているか否かを判定する。具体的には、第1通信端末1は、予め電話番号等のように第2通信端末2を特定するための情報が登録されている第2通信端末2から所定の設定時間内に所定の設定回数の着信があったと判定した場合、案内情報を送信する必要があると判定し、基地局3に対して応答メッセージを送信する(S13)。基地局3が応答メッセージを受信すると、第1通信端末1と第2通信端末2との間の通話路が確立する。通話路が確立すると、第1通信端末1は、案内情報を作成し(S14)、作成した案内情報を第2通信端末2に送信する。
【0060】
[第1通信端末1の動作フローチャート]
図7は、第1通信端末1の動作フローチャートである。
図7のフローチャートは、第1通信端末1に第2通信端末2からの着信があった時点から開始している。
【0061】
受信制御部181は、基地局3から、予め第1通信端末1に登録された第2通信端末2から着信通知を受けると(S21)、記憶部17に記憶されている着信回数に1を加算する(S22)。着信回数は、例えば、第2通信端末2からの着信(前回応答操作が行われた後の最初の着信など)から所定の設定時間内に着信した回数であり、受信制御部181により記憶部17に記憶された変数である。受信制御部181は、ステップS22において1を加算した後の設定時間内の着信回数が閾値に達しているか否かを確認する(S23)。受信制御部181は、着信回数が閾値であると判定した場合(S23においてYES)、基地局3に応答メッセージを送信することにより自動応答する(S24)。
【0062】
続いて、作成部182は、記憶部17に記憶されている状態情報データベースを参照して、第1通信端末1の状態を特定する(S25)。作成部182は、案内情報データベースを参照して、特定した第1通信端末1の状態に対応する案内情報を選択し、選択した案内情報を含むメッセージを作成する(S26)。作成部182は、作成したメッセージを送信制御部183に入力する。送信制御部183は、作成部182から入力されたメッセージを第2通信端末2に送信する(S27)。その後、送信制御部183は、記憶部17に記憶されている着信回数を初期化する(S28)。制御部18は、電源をオフにする操作が行われたかどうかを監視し(S29)、電源をオフにする操作が行われていない場合、S21に処理を戻す。
【0063】
ステップS23において、受信制御部181は、着信回数が閾値未満であると判定した場合(S23においてNO)、ユーザによる応答操作が行われたか否かを監視する(S30)。受信制御部181は、ユーザによる応答操作を検出した場合(S30においてYES)、基地局3に応答メッセージを送信して、ユーザが通話を開始できる状態にする(S31)。受信制御部181は、ステップS30において応答操作が行われることなく発信元端末が切断した場合、ステップS29に進む。
【0064】
なお、ステップS29において電源オフとされた場合であっても、着信回数は記憶部17において保持されていてもよい。また、受信制御部181は、ステップS28において初期化せず、ステップS23において、着信回数が閾値より大きくなっている場合に、常にステップS24に進んで自動応答をするようにしてもよい。また、受信制御部181は、ステップS28において自動的に初期化せず、ユーザの操作に基づいて初期化を実行してもよい。
【0065】
[変形例1]
図8は、第1通信端末1の動作フローチャートの変形例である。
図8のフローチャートにおいては、案内情報を送信すると判定するための条件が
図7のフローチャートと異なっている。
【0066】
受信制御部181は、基地局3から着信があったことの通知を受けると(S41)、着信があってから所定の時間以内に第1通信端末1のユーザが応答をしなかった着信(不在着信)の回数である非応答回数が閾値に達しているか否かを確認する(S42)。受信制御部181は、非応答回数が閾値であると判定した場合(S42においてYES)、基地局3に応答メッセージを送信することにより自動応答する(S43)。
【0067】
続いて、作成部182は、記憶部17に記憶されている状態情報データベースを参照して、第1通信端末1の状態を特定する(S44)。作成部182は、案内情報データベースを参照して、特定した第1通信端末1の状態に対応する案内情報を選択し、選択した案内情報を含むメッセージを作成し(S45)、作成したメッセージを送信制御部183に入力する。送信制御部183は、作成部182から入力されたメッセージを第2通信端末2に送信する(S46)。その後、送信制御部183は、記憶部17に記憶されている非応答回数を初期化する(S47)。制御部18は、電源をオフにする操作が行われたかどうかを監視し(S48)、電源をオフにする操作が行われていない場合、S41に処理を戻す。
【0068】
ステップS42において、受信制御部181は、非応答回数が閾値未満であると判定した場合、ユーザによる応答操作が行われたか否かを監視する(S49)。受信制御部181は、ユーザによる応答操作を検出した場合(S49においてYES)、基地局3に応答メッセージを送信して、ユーザが通話を開始できる状態にする(S50)。受信制御部181は、応答メッセージを送信すると、記憶部17に記憶されている非応答回数を初期化してから(S47)、ステップS48に進む。
【0069】
ステップS49において、受信制御部181は、所定の設定時間内にユーザによる応答操作を検出しない場合(S49においてNO)、記憶部17に記憶されている非応答回数に1を加算してから(S51)、ステップS48に進む。
【0070】
[変形例2]
上記の説明においては、第1通信端末1が送信する案内情報は、音声データにより構成されていたが、第1通信端末1は音声以外の案内情報を送信してもよい。例えば、第1通信端末1は、テキストを含む案内情報を、ショートメッセージサービスを利用して発信元端末に送信してもよい。この場合、作成部182は、
図2に示した案内情報を含むメッセージを音声形式で作成する代わりに、テキストデータにより構成されるメッセージを作成する。そして、送信制御部183は、テキストデータをショートメッセージとして第2通信端末2に送信する。
【0071】
以上説明したように、第1通信端末1の送信制御部183は、第1通信端末1に設定された発信元端末から受信制御部181が所定の設定時間内に受けた所定の回数の電話着信の後に、第1通信端末1の状態を示す状態情報と案内情報とを発信元端末に送信する。第1通信端末1がこのような構成を有することにより、第1通信端末1のユーザの状況を知りたいユーザ(例えば第2通信端末2のユーザ)が、第1通信端末1のユーザの状況を把握するために適した第1通信端末1の操作方法を把握しやすくなる。
【0072】
また、送信制御部183は、予め設定された第2通信端末2から受信制御部181が設定時間内に受けた設定回数の電話着信の最後の着信に対して応答操作が行われなかったことを条件として、第1通信端末1の状態を示す状態情報と案内情報とを第2通信端末2に送信してもよい。このようにすることで、第2通信端末2のユーザが第1通信端末1のユーザと会話ができず、第1通信端末1の操作を行いたいと感じた場合に、第2通信端末2のユーザが第1通信端末1を操作することが可能になる。
【0073】
また、送信制御部183は、予め設定された第2通信端末2から受信制御部181が設定時間内に受けた設定回数の電話着信に対して連続して応答操作が行われたかったことを条件として、第1通信端末1の状態を示す状態情報と案内情報とを第2通信端末2に送信してもよい。このようにすることで、第1通信端末1のユーザが連続して応答せず、第2通信端末2のユーザが第1通信端末1のユーザと会話ができない状態が継続し、第1通信端末1の操作を行いたいと感じた場合に、第2通信端末2のユーザが第1通信端末1を操作することが可能になる。
【0074】
また、送信制御部183は、第1通信端末1の状態に対応する案内情報を第2通信端末2に送信する。このようにすることで、第2通信端末2のユーザは、第1通信端末1の状態に適した操作方法を認識することが可能になる。
【0075】
また、受信制御部181は、それぞれ異なる複数の操作方法に対応する複数の案内情報を作成する。このようにすることで、第1通信端末1が、遠隔操作が可能な機能を複数有している場合に、第2通信端末2のユーザが、複数の機能のそれぞれの操作方法を容易に認識することが可能になる。
【0076】
また、受信制御部181は、第1通信端末1の状態に基づいて複数の案内情報から選択した案内情報を含むメッセージを作成してもよい。このようにすることで、受信制御部181は、案内情報を送信する必要が生じた時点で案内情報を作成するのではなく、予め記憶部17に記憶された案内情報を利用することができるので、送信制御部183が速やかに案内情報を送信することができる。
【0077】
さらに、受信制御部181は、複数の案内情報を含むメッセージを作成する際に、第1通信端末1の状態に基づく順番に並んだメッセージを作成する。このようにすることで、第2通信端末2のユーザが、第1通信端末1の状態に適した操作を実行しやすくなる。
【0078】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。