特許第6539727号(P6539727)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本テキサス・インスツルメンツ合同会社の特許一覧
特許6539727分配機能タイバーを有するギャングクリップ
<>
  • 特許6539727-分配機能タイバーを有するギャングクリップ 図000002
  • 特許6539727-分配機能タイバーを有するギャングクリップ 図000003
  • 特許6539727-分配機能タイバーを有するギャングクリップ 図000004
  • 特許6539727-分配機能タイバーを有するギャングクリップ 図000005
  • 特許6539727-分配機能タイバーを有するギャングクリップ 図000006
  • 特許6539727-分配機能タイバーを有するギャングクリップ 図000007
  • 特許6539727-分配機能タイバーを有するギャングクリップ 図000008
  • 特許6539727-分配機能タイバーを有するギャングクリップ 図000009
  • 特許6539727-分配機能タイバーを有するギャングクリップ 図000010
  • 特許6539727-分配機能タイバーを有するギャングクリップ 図000011
  • 特許6539727-分配機能タイバーを有するギャングクリップ 図000012
  • 特許6539727-分配機能タイバーを有するギャングクリップ 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6539727
(24)【登録日】2019年6月14日
(45)【発行日】2019年7月3日
(54)【発明の名称】分配機能タイバーを有するギャングクリップ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20190625BHJP
【FI】
   H01L21/60 321E
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-512870(P2017-512870)
(86)(22)【出願日】2015年5月15日
(65)【公表番号】特表2017-516321(P2017-516321A)
(43)【公表日】2017年6月15日
(86)【国際出願番号】US2015031036
(87)【国際公開番号】WO2015175913
(87)【国際公開日】20151119
【審査請求日】2018年4月25日
(31)【優先権主張番号】14/278,094
(32)【優先日】2014年5月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390020248
【氏名又は名称】日本テキサス・インスツルメンツ合同会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【上記1名の代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】ラミル アルフォンソ ヴィルアン
(72)【発明者】
【氏名】ロクサナ バウゾン サムソン
(72)【発明者】
【氏名】ジェフェリー デ グズマン エスケホ
(72)【発明者】
【氏名】ラミセス ジュリアン サンチェス
【審査官】 小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0248521(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0294936(US,A1)
【文献】 特開2010−056291(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/039658(WO,A1)
【文献】 特表2014−511027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H01L 23/48
H01L 23/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ギャングクリップであって、
平坦エリアと、或る角度で前記平坦エリアから離れて湾曲するリッジとを含む金属性クリップと、
前記平坦エリアから延在する複数のタイバーであって、前記タイバーの端部が共通の方位でアラインされる、前記複数のタイバーと、
を含み、
前記ギャングクリップの少なくとも1つの表面が、はんだ取り付けに適した冶金学的構成を有し、
前記リッジが、少なくとも1つの視点から前記複数のタイバーの少なくとも2つの内側にある、ギャングクリップ。
【請求項2】
ギャングクリップであって、
平坦エリアと、或る角度で前記平坦エリアから離れて湾曲するリッジとを含む金属性クリップと、
前記平坦エリアから延在する複数のタイバーであって、前記タイバーの端部が共通の方位でアラインされる、前記複数のタイバーと、
を含み、
前記金属が、銅とアルミニウムと銀とを含む群から選択され、半導体デバイスに適した電気的及び熱的伝導性を有し、
前記リッジが、少なくとも1つの視点から前記複数のタイバーの少なくとも2つの内側にある、ギャングクリップ。
【請求項3】
ギャングクリップのマトリックスであって、
平坦エリアと、リッジと、前記平坦エリアから延在する複数のタイバーとを有する複数のギャングクリップであって、前記タイバーの端部が、共通の方向にアラインされ、クリップの延長されたチェーンを形成するように単方向にマージされる、前記複数のギャングクリップと、
互いに平行に配列される複数のチェーンであって、隣接するチェーンの間にタイバーがなく、前記複数のチェーンが、前記チェーンに垂直のレールに両端で連結されるチェーン端部を有し、安定フレームとして前記レールを有するクリップのマトリックスを形成する、前記複数のチェーンと、
を含み、
前記リッジが、少なくとも1つの視点から前記複数のタイバーの少なくとも2つの内側にある、マトリックス。
【請求項4】
請求項3に記載のギャングクリップのマトリックスであって、
前記安定フレームを含む前記マトリックスが、スタンピングされ、金属の単一のシートで形成される、マトリックス。
【請求項5】
請求項4に記載のギャングクリップのマトリックスであって、
前記単一のシートが、銅とアルミニウムと銀とを含む金属の群から選択される、マトリックス。
【請求項6】
パッケージングされた電力供給システムであって、
複数のリードとパッドとを有する金属性QFNリードフレームと、
前記パッド上に垂直に取り付けられる第1のFETチップと、
前記第1のFETチップ上に垂直に取り付けられる平坦エリアと、前記複数のリードから第1のリードに連結されるリッジとを有する、第1のギャングクリップと、
前記第1のギャングクリップ上に垂直に取り付けられる第2のFETチップと、
前記第2のFETチップ上に垂直に取り付けられる平坦エリアと、前記複数のリードから第2のリードに連結されるリッジとを有する第2のギャングクリップであって、垂直に取り付けられた電力供給システムを完成させる、前記第2のギャングクリップと、
前記電力供給システムを封止するパッケージ化合物であって、前記封止されたパッケージが、リードの鋸切断された切断部を除き露出された金属のない側壁を有する、前記パッケージ化合物と、
を含み、
前記第1のギャングクリップのリッジが、少なくとも1つの視点から複数のタイバーの少なくとも2つの内側にある、パッケージングされた電力供給システム。
【請求項7】
請求項6に記載のパッケージングされた電力供給システムであって、
前記封止されたパッケージが、六面体として形付けられる、パッケージングされた電力供給システム。
【請求項8】
請求項6に記載のパッケージングされた電力供給システムであって、
前記切断されたリードが、前記封止することの後に前記リードフレームをトリミングするシンギュレーションプロセスによりつくられる、パッケージングされた電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概して、半導体デバイス及びプロセスに関し、更に特定して言えば、ウエハレベル半導体デバイス製造プロセスにおいて用いられるギャングクリップの構造に関連する。
【背景技術】
【0002】
電力供給システム及びDC/DCコンバータなどの半導体デバイスの性能は、寄生抵抗及びインダクタンスの大きさに、ある程度依存する。これらの寄生パラメータの値を低減するため、多くの半導体デバイスでは、薄いボンディングワイヤを用いるそれらの従来の接続を、厚い金属クリップを用いる接続により置き換えてきている。これは、薄く長いボンディングワイヤが(その長さ及び抵抗に起因して)著しい寄生インピーダンス及びインダクタンスをパワー回路に導入する一方で、金属クリップは低い寄生インピーダンス及びインダクタンスのみを提供するためである。例えば、最近導入された半導体電力供給システムにおいて、クリップが多くの接続配線に取って代わっている。クリップは、その機能のため、典型的に、角度のついたリッジ(ridge)を備えた平坦コネクタとして成形される、幅広く厚い金属性ピースとしてつくられる。クリップは、電気抵抗が低く熱伝導性が高いため、寄生インダクタンスを著しく低減しているが、増大された熱放散を提供する。
【0003】
半導体電力供給システムのアッセンブリプロセスを簡略化し、製造コストを低く維持するため、ウエハレベル製造フローにおけるバッチプロセスとしてクリップの適用が有利に実施される。バッチプロセスを参照すると、このプロセスに適したクリップはギャングクリップと呼ばれることがある。利用可能な製造のバッチプロセスでは、アレイ形式で提供されるクリップが、外側フレームにより共に保たれる。そのフレームの内側では、アレイの各クリップが、タイレールの個別の矩形内に位置し、タイバーによりレールに対して正確な位置で保持される。各クリップは、そのタイレールを、最も近い隣接クリップと共有する。外側フレーム内の配列されたクリップのネットワークは、金属の単一シートから製造される。クリップがそれらのそれぞれのタイレール矩形内のタイバーにより固定されるので、クリップは、構築中システムのアッセンブリフローにおいて半導体チップに正確にアセンブルされ得る。レールは、封止プロセス後にソーイングにより取り除かれる。
【0004】
例えば、従来の電力供給システム(DC/DCコンバータなど)の製造は、下記アッセンブリ工程において、一般化され、類似の方式で進み得る。始まりとして、リードフレームが、金属のシートからスタンピング又はエッチングされる。リードフレームユニットは、規則的なロー及びコラムに配列される。各リードフレームユニットは、パッド、及び矩形にレイアウトされたタイレールにより適所に保持された複数のピンを有する。隣接するユニットはタイレールを共有し、タイレールは、封止プロセス後にソーイングにより取り除かれる。各パッドは、2つの半導体FET(MOS電界効果トランジスタ)チップ及び2つの接続クリップを含んで、垂直にスタックされるべき電力供給システムの基として機能する。
【0005】
金属性クリップが、概して、FET端子に接するための平坦エリアと、平坦エリアに対して或る角度で、コンタクトパッド又はリードフレームリードに達するためのリッジとを含むように整形される。図1に示すような電力供給システムの例において、2つのFET101及び102の垂直スタックは、2つの別個の形状のクリップを必要とする。底部(第1の)クリップは110と示され、頂部(第2の)クリップは120と示される。各形状のクリップは、金属のシートからギャングクリップとしてスタンピングされ、そのため、クリップ110及び120は規則的なロー及びコラムに配列される。各クリップは、それぞれ、タイバー111及び121により適所に保持され、これらは、それぞれ、タイレール112及び122の個別の矩形に固定される。これらのタイレールは、クリップを局地化された固定位置に正確に保持する機能を有する。第1のクリップ110のタイレール112、及び第2のクリップ120のタイレール122は、リードフレーム130のタイレール132と同じ幾何学的寸法を有する。
【0006】
クリップアレイの一例を、頂部クリップ120のための図2において示す。各クリップ120は、x方向のタイレール122aと、122aに垂直のy方向のタイレール122bとでつくられる、矩形の安定性フレームにより囲まれる。クリップ120は、タイバー121a(タイレール122aのx方向)及びタイバー121b(タイレール122bのy方向)により、適所に保持され安定性フレームに関連して安定化される。類似の幾何学的レイアウトが底部クリップ110に有効であり、そのため、底部クリップ110のタイレール112a及び112b、及び頂部クリップ120のタイレール122a及び122bが、適合した幾何学的寸法を有する。また、両方のタイレール132がリードフレーム130のタイレールに適合する。
【0007】
図1を参照すると、各基板上に電力供給システムをアセンブルするために、第1のFETチップ101が、アレイシートのリードフレームのパッド131に取り付けられる。また、集積回路ドライバ及び制御チップ103が、第1のFETチップ101に近接して各パッドに取り付けられ得る。その後、第1のクリップ110の平坦エリアを第1のFETチップに垂直に、及び第1のクリップ110のリッジ110aをそれぞれの基板ピンに取り付けるために、第1のギャングクリップを備えたシートがアラインされる。第1のクリップのタイレール112a及び112bは、タイレールの基板と正確にアラインされる。
【0008】
次に、第2のFETチップ102が、第1のクリップ110に垂直に取り付けられる。第2のクリップ120の平坦エリアを第2のFETチップに垂直に、及び第2のクリップ120のリッジ120aをそれぞれの基板ピンに取り付けるために、第2のギャングクリップを備えたシートがアラインされる。第2のクリップのタイレール122a及び122bは、底部クリップのタイレール及び基板のタイレールと正確にアラインされる。図1は、第1の(底部)クリップのタイレール112a、112b、第2の(頂部)クリップのタイレール122a、122b、及びリードフレームのタイレール132のアライメントを図示する。図3は、スタックされ、アラインされた金属性タイレール112a、122a、及び132を明らかにした、完成したアッセンブリのX線側面図を示す。これらのタイレール3つ全てが、シンギュレーションプロセスの間に切断される必要がある。
【0009】
次の処理工程において、FETチップ及びクリップの垂直スタックのアレイが、モールディング化合物などのパッケージング材料160に封止される。寸法及び厚みに関して縮小された製品アウトラインを要求する市場圧力に起因して、第2のクリップ及びそのタイバー及びタイレールの頂部の上の封止材料の厚み161は薄く保たれる必要がある。
【0010】
アセンブルされたアレイを個別のパッケージングされたシステムにシンギュレートするために、回転鋸140及び141が、プラスチックパッケージ化合物を介して、及び基板、第1のクリップ、及び第2のクリップの3つのアラインされたタイレールのレベルに沿って、切断するように用いられる。このシンギュレーション工程は、鋸及びそれらの切断方向によって、図1の例において示されている。切断方向は矢印150及び151で示される。このソーイング工程は、システムのパッケージ側壁をつくる。
【0011】
鋸140のソーイングプロセスによりつくられる、パッケージングされたシステムの側壁が図4において図示される。この図は、シンギュレーションオペレーションの間に鋸が切り離さなくてはならなかった、パッケージング材料160及び切断されたタイバーの3つのレベルを介した断面を明らかにしている。頂部の切断部はタイバー121bに属し、これらは、現在は取り除かれたタイレール122aにクリップ120を接続していた。中間の切断部はタイバー111bに属し、これらは、現在は取り除かれたタイレール112aにクリップ110を接続していた。底部の切断部は幾つかのリード及びリードフレーム130のタイバー131bに属し、これらは、現在は取り除かれたリードフレームレール132にリード及びパッド131を接続していた。
【発明の概要】
【0012】
記載される例において、ギャングクリップが、クリップの延長されたチェーンを形成するように単方向にマージされたタイバーのそれぞれの端部を有する。チェーンは、互いに平行に配列され、隣接するチェーン間にタイバーはない。チェーンは、安定フレームとしてレールを有するクリップのマトリックスを形成するようにチェーンに垂直のレールに両端で結びつけられたチェーン端部を有する。少なくとも一つのギャングクリップが、平坦エリア、リッジ、及び平坦エリアから延在するタイバーを有する。タイバーの端部は、共通方向にアラインされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】垂直にスタックされたギャングクリップの2つのレベルを備えた従来の電力供給システムのストリップを示し、各レベル内のクリップは、x及びy方向でタイレールにタイバーにより安定化され、タイレールのレベルは、タイレールをアラインすることにより垂直にアラインされる(従来技術)。
【0014】
図2】例示のクリップアレイの上面図を図示する(従来技術)。
【0015】
図3】電力供給システムにおいて用いられるクリップの従来のスタック及びアラインされたタイレールの側面図を示す(従来技術)。
【0016】
図4】シンギュレーションの切断プロセス後の従来のパッケージ側壁の図を示す(従来技術)。
【0017】
図5】y方向タイバーのないx方向ローにおけるギャングクリップとして設計されるクリップの斜視図を示す。
【0018】
図6図5のクリップの側面図を示す。
【0019】
図7】y方向に安定化フレームを備えた、x方向ローにおけるギャングクリップのストリップの上面図を示す。
【0020】
図8】x方向のみにタイバーを有するギャングクリップを備えて構成される、例示の垂直にスタックされた電力供給システムのストリップの斜視図を図示する。
【0021】
図9】垂直にアラインされた第1のギャングクリップの平行のローを備えた電力供給システムのためのリードフレームストリップの上面図を示し、第1のクリップがx方向のみにタイバーを有する。
【0022】
図10】垂直にアラインされた第1及び第2のギャングクリップの平行のローを備えた電力供給システムのためのリードフレームストリップの上面図を示し、第1及び第2のクリップがx方向のみにタイバーを有する。
【0023】
図11】システムにおいて用いられるリードフレームのためのみにタイレールを備えるスタックされた電力供給システムの側面図を示す。
【0024】
図12】シンギュレーションのソーイングプロセス後のパッケージ側壁の図を示し、システムにおいて用いられるリードフレームのためのみの切断されたタイバーを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
金属性リードフレーム上に垂直にアセンブルされる電力供給システムのソーイングオペレーションは、パッケージングされたシステムの著しい歩留まり損失を引き起こしていた。歩留まり損失の欠陥分析により、主たる要因として、パッケージ化合物のチッピング及び下にある金属の露出が明らかとなった。チップアウトされる(chipped-out)パッケージ化合物の源は、主として、システムの頂部クリップの頂部上にあるモールディング材料の薄い層からであることが分かった。チップアウトされたパッケージ材料162の位置の幾つかの例が図4において示される。
【0026】
パッケージチッピングの根本的原因は、第1のクリップのタイレール112a、112b、第2のクリップのタイレール122a、122b、及びリードフレームのレール132間の静的に乱されたアライメントだった。この乱れは、トランスファモールディングプロセスの間の金属スウィープから生じる。モールドキャビティに入るモールディング化合物の進行は、タイバーのアライメントに影響を与える。乱されたアライメントの結果、シンギュレーション工程の回転鋸は、僅かにミスアラインされたタイレールを介して切断する必要があり、パッケージ化合物がチップアウトされる。
【0027】
アライメント及びチッピングの問題は、タイレールを完全になくすこと、及び従来のタイレールの機能を、従来とは異なって結合されるタイバーとシンギュレーション工程の間取り除かれる一時的マスターフレームとに分配することによって、如何なるアライメントシフトをも回避するための手法を用いて解決される。
【0028】
新しい配置において、クリップはまだ、平坦エリア及び角度のついたリッジを有し、金属の単一シートからアレイがスタンピングされる。ギャングクリップとして、クリップは、互いに平行に進むローにアラインされる。或るローに沿って、クリップは、そのローのラインに実質的に向けられるタイバーにより互いに結合される。しかし、隣り合うローはタイバーにより接続されておらず、それにより、如何なるタイレールもなくなる。代わりに、ローの安定性は、各ロー端部をマスターフレームに結合することにより確保され、マスターフレームは、ローに垂直に進み、封止材料に組み込まれない。そのため、マスターフレームは、シンギュレーションプロセスにおいて容易にトリミングされ得る。その結果、シンギュレーション工程の回転鋸は、切断されるべきタイレールを有さず、シンギュレーションプロセスが簡略化される。鋸は、それらがリードフレームタイバーを介して切断するまで、パッケージ材料を介してのみ切断している。技術的利点の一つは、パッケージ材料のチップアウトされたピースがないことである。
【0029】
更なる技術的利点は、鋸が切断するべき金属がずっと少ないため、クリップ金属シートのこの新たな設計が鋸歯の磨耗及び摩滅を低減する点である。また、ソーイングオペレーションの速度が増大され得るため、シンギュレーション工程のための時間が低減され得る。
【0030】
図5は、タイレールの安定化フレームを必要とすることなくギャングクリップとして設計される、概して500で示す例示の金属性クリップを図示する。この説明の目的のため、クリップ及びギャングクリップという用語は、パワートランジスタモジュールの実施された導電性相互接続を指し、これらは、パワートランジスタの他のユニットを含む半導体ウエハからパワートランジスタがシンギュレートされた後、パワートランジスタに取り付けられる。クリップは片部材として提供され得、ギャングチップは概して、接続バーにより共に保持されるネットワークのユニットとして提供され、これは、シンギュレーションの際にトリミングされる。本願において更に成されるように、タイレールという用語が、シンギュレーションプロセスにおいて(ソーイングなどにより)取り除かれる金属性接続に適用され、タイバーという用語が、シンギュレーションプロセスにおいて切断され得るが普及している金属性接続に適用される。
【0031】
クリップ500のための好ましい金属は、約0.1〜0.3mmの厚み範囲の、より好ましくは約0.125又は0.25mmの、銅である。銅は、半導体デバイス及び特にパワートランジスタに適した、高い電気的及び熱的伝導率を有することが知られている。代替の金属には、アルミニウム及び鉄ニッケル合金が含まれる。クリップ500の少なくとも一つの表面及び好ましくは両面は、はんだ付け可能であるべき冶金学的前処理を有する。好ましい手法に、錫の層の、又は、ニッケル、パラジウム、及び(幾つかのデバイスでは)金の層の連続するシーケンスの堆積が含まれる。
【0032】
図5が示すように、例示のクリップ500は、延長された平坦エリア510、及びリッジ510aを含む。平坦エリア510は、MOSFET(電界効果トランジスタ)の端子に接するような寸法とされる。リッジ510aは、エリア510の平面において継続しないが、エリア510に関連して或る角度で継続する。この角度は、リードフレームのリードへなど、基板の端子へのコンタクトを確立するように設計され、これは、垂直にスタックされた半導体電力供給システムのための基板として用いられる。図5の例において、この角度は、外力による滑らかな湾曲から生じる。他のクリップにおいて、この角度は、エッチングによりつくられる急な段におけるオフセットから生じる。図6の側面図は、平坦なエリア510から離れるリッジ510aの強い湾曲を示す。
【0033】
図5は、例示のクリップ500が、平坦エリア510から延在するタイバー530を有することを図示する。例示のクリップ500は4つのタイバー530を有する。他の実施例が、延長されたエリア510の各端部に少なくとも一つのタイバーを有し得る。タイバーは、短い部分530aの後、全てのタイバー530の端部530bが、本願においてx方向と称される或る共通方向にアラインされるように設計される。好ましくは、これらの端部は互いに平行である。例示される好ましい実施例において、タイバーは、平坦エリア510と同じ平面にある。図6は、平坦エリア510の平面におけるタイバー部分530bのこのような継続を図示する。しかし、他の実施例において、タイバーは平坦エリアの平面からオフセットされてもよい。
【0034】
図7を参照すると、図7は、クリップが、好ましくはクリップの輪郭及び形状を得るために金属の単一シートからスタンピング又はエッチングされるので、クリップ500がストリップフォームで用いられることが好ましいことを示す。図7の例において、マトリックス700が、ギャングクリップの複数のロー(又はチェーン)701を有するように図示されている。図7は3つのチェーン701を示す。しかし、マトリックスは一層多くのチェーンを含んでいてもよい。クリップのチェーンは、x方向に線形に及び好ましくは平行に配列され、各チェーンが複数のクリップを含む。図7において、チェーン701は、より大きな複数のチェーンのうちの3つのクリップを示す。チェーンのクリップは、タイバーのそれぞれの端部530bが、延長されたタイバー730を及びそのためクリップの延長されたチェーンを形成するために単一方向(x方向)にマージされるように、アラインされる。チェーンには、一つのチェーンを隣接するチェーンと接続し得る交差結合するタイバー、即ちy方向のタイバー、がないことに留意されたい。
【0035】
上述のように、複数のチェーン701は、好ましくはx方向に互いに平行に配列され、隣接するチェーン間のy方向のタイバーはない。また、複数のチェーンの端部730aは、チェーン701に垂直のレール740に結びつけられる。レール740はy方向にある。この様にして、クリップのマトリックス700は、安定化フレームとしてレール740を含む。フレームは、銅、アルミニウム、又は銀などの金属の単一シートから、スタンピングされ、クリップのマトリックスを備えて形成される。従って、フレームは、半導体システムのアッセンブリの間、各クリップの必要とされる安定性及び精密さを確保するためにマスターフレームとして機能する。アッセンブリ工程の間のその安定化ジョブが完了した後、マスターフレームのレール740は、シンギュレーション工程の間に取り除かれる。
【0036】
簡略化した解決策の技術的利点は、一実施例を考慮することから明らかとなり、この例において、図7に示すようなギャングクリップの例示のマトリックスが、コンバータ又はレギュレータなどの電子デバイス、特に、DC/DCコンバータなどの半導体電力供給システム、のストリップを製造することに適用される。これらの機能を達成するために用いられるアクティブ電子的構成要素は、MOS電界効果トランジスタ(MOSFET)、GaN、GaAs、及び他のIII−V及びII−IV材料に基づくトランジスタ、SiC、及びバイポーラトランジスタのように多様化され得る。垂直にスタックされてパッケージングされたコンバータの例示のシステムの結果のストリップ800を図8に図示する。ストリップは、最終的にソーイングにより個別のシステムにシンギュレートされる。
【0037】
明確にするため透明の材料の封止860内に示す、コンバータの例示のストリップ800が、複数の個別のユニットを含む基板のストリップ上に構築される。基板ストリップは、テープを用いる金属性リードフレームストリップ又はラミネートストリップであり得る。各基板が、半導体チップ又はチップのスタックを(好ましくは、はんだ付けにより)アセンブルするためのパッドを有する。各基板は更に、金属性リード及び金属コンタクトパッドなどの複数の端子を有する。図8の例示の実施例において、基板はリードフレームである。図8の透明な封止を介して見ることのできる、各ユニットのリードフレーム830が、クワッドフラットノーリード(QFN)及びスモールアウトラインノーリード(SON)タイプのモジュールに適している。リード837は、リードフレームの一つ又は複数の側部上にほぼ均一に分布され得る。図8の例示のデバイスにおいて、リード837はパッド831の2つの側部上にあり、他のパッド側部はリードがないまま残る。
【0038】
リードフレームは、銅又は銅合金でつくられることが好ましいが、代替の金属選択肢は、アルミニウム、鉄ニッケル合金、及びKovar(商標)を含む。リードフレームの両方の表面は、めっきされた錫の層による又はニッケル、パラジウム、及び金のめっきされた層のシーケンスによるなど、はんだ取り付けを促進するように準備され得る。また、少なくとも一つの表面は、銀のめっきされた層などにより、熱伝導率を促進するように堆積される金属層を有し得る。図8に示す例示の実施例のためのリードフレーム金属の好ましい厚みは0.2mmであるが、他の実施例が、一層薄い又は一層厚い(例えば、0.3mm)リードフレーム金属を用い得る。低コスト及びバッチ処理の観点から、シート金属で開始すること、及びタイレール832の矩形フレームにより相互接続されるユニットのストリップとしてリードフレームをスタンピング又はエッチングすることが好ましい。隣接するユニットはタイレールを共有する。ユニットは、封止プロセス後、タイレール832を(好ましくは、ソーイングにより)トリミングすることによりシンギュレートされ、これによりコンバータのパッケージがつくられる。切断部がリード837とレール832との間の金属性接続を切断する箇所において、これらの切断部は、シンギュレーションプロセスによりつくられるパッケージ側壁で見ることができる。
【0039】
図8において、各パッドは、2つの半導体FET(MOS電界効果トランジスタ)チップ及び2つの接続クリップを含む、垂直にスタックされるべき電力供給システムの基として機能する。半導体電力供給システムのアッセンブリプロセスを簡略化するため、及び製造コストを低く保つため、クリップは、ウエハレベル製造フローにおけるバッチプロセスとして適用される。クリップはx方向の平行のローとして提供され、これらの平行のローは、図7において説明したように、マスターフレーム740により安定化される。配列されたクリップのグリッドを備えたマスターフレームが、金属の単一シートから(スタンピング又はエッチングにより)製造される。ローのクリップは、隣接するクリップにタイバーによって固定される。しかし、平行のチェーンのクリップへのy方向に交差接続はない。クリップは、構築中システムのアッセンブリフローの間、クリップが半導体チップに正確にアセンブルされ得るように、正確な安定した位置を有する。
【0040】
コンバータのアッセンブリフローにおいて、第1のFETチップ801の端子が、リードフレームアレイのそれぞれのパッド831に取り付けられる。また、集積回路ドライバ及び制御チップ803が、第1のFETチップ801に近接して各パッドに取り付けられ得る。その後、第1のクリップの平坦エリア810を第1のFETチップ101の反対の端子に垂直に、及び第1のクリップのリッジ810aを基板ピンに取り付けるために、第1のギャングクリップを備えたシートがアラインされる。図5に関連して述べたように、金属性クリップが、概して、FET端子に接するための平坦エリアと、平坦エリアに対して或る角度で、コンタクトパッド又は基板リードに接するためのリッジとを含むように整形される。
【0041】
例示として、図9は、リードフレームサイトの上の第1のクリップを示す(第1のFETチップは図示していない)。クリップのチェーンの相互接続されたクリップエリア810がそれぞれのリードフレームパッドとアラインすること、及びタイバー811の位置がリードフレームタイレール832とアラインされないことに留意されたい。第1のクリップのリッジ810aは、それぞれのリードリードフレームに取り付けられる。ギャングクリップとして、第1のクリップは、互いに平行に進むローにおいてx方向にアラインされる。或るローに沿って、クリップは、実質的にそのローのラインに向けられるタイバー811によって互いに結合される。しかし、隣り合うローはタイバーにより接続されておらず、それにより、第1のクリップのための如何なるタイレールもなくなる。代わりに、ローの安定性は、各ロー端部をマスターフレームに結合することにより確保され、マスターフレームは、ローに垂直に進み、封止材料(図7参照)に組み込まれない。そのため、マスターフレームは、シンギュレーションプロセスにおいて容易にトリミングされ得る。
【0042】
図8の実施例の継続するアッセンブリフローにおいて、第2のFETチップ802はその後、第1のクリップの平坦エリア810に端子で垂直に取り付けられる。その後、第2のクリップの平坦エリア820を第2のFETチップ802の反対の端子に垂直に、及び第2のクリップのリッジ820aを基板ピンに取り付けるために、第2のギャングクリップを備えたシートがアラインされる。図8における電力供給システムの例示の実施例において、2つの異なるFETチップ801及び802の垂直スタックは、2つの個別の形状のクリップを必要とする。例示として、図10は、第1のクリップ及びリードフレームサイトの上の第2のクリップを示す(第1及び第2のFETチップは図示していない)。第2のクリップのチェーンの相互接続されたクリップエリア820が、それぞれの第1のクリップエリア810(及びリードフレームパッド)とアラインすること、及びタイバー821の位置がリードフレームタイレール832とアラインされないことに留意されたい。第2のクリップのリッジ820aは、リードフレームのそれぞれのリードに取り付けられる。ギャングクリップとして、第2のクリップは、互いに平行に進むローにおいてx方向にアラインされる。或るローに沿って、クリップは、実質的にそのロー(x方向)のラインに向けられるタイバー821によって互いに結合される。しかし、隣り合うローはy方向のタイバーにより接続されておらず、それにより、第2のクリップのための如何なるタイレールもなくなる。代わりに、ローの安定性は、各ロー端部をマスターフレームに結合することにより確保され、マスターフレームは、ローに垂直に進み、封止材料(図7参照)に組み込まれない。そのため、マスターフレームは、シンギュレーションプロセスにおいて容易にトリミングされ得る。
【0043】
図11は、チップ及びクリップのアセンブルされたスタックの仮想X線図を図示する。図は、x方向又はy方向で得られ得る。いずれの場合でも、クリップがタイレールを有さないので、シンギュレーションプロセスの間に切断される必要がある、基板(リードフレーム)のタイレールのみがある。
【0044】
次の処理工程において、FETチップ及びクリップの垂直スタックのアレイは、モールディング化合物などのパッケージング材料860に封止される。寸法及び厚みに関して縮小された製品を求める市場圧力のため、第2のクリップの頂部の上の封止材料の厚み861は、技術が可能とする限り薄く保たれ得る。
【0045】
コンバータのアセンブルされたアレイを備えた図8のストリップを、個別のパッケージングされたシステムにシンギュレートするため、基板タイレールの方向に沿って、プラスチックパッケージ化合物を介して及び基板(リードフレーム)のタイレール832を介して切断するように回転鋸840が用いられる。これらの切断の方向は、図8の例において矢印850及び851で示される。
【0046】
ソーイングプロセスによりつくられる、パッケージングされたシステムの側壁の図が図12において図示される。この図は、シンギュレーションオペレーションにおいてリードフレームタイレール832の除去の間、単一タイバーとして鋸が切断しなくてはならなった、パッケージング材料860、及びリード837の切断されたタイバー837aを介する断面を明らかにする。従って、(例示の実施例に従ったコンバータを図示する)図12を(従来のコンバータを図示する)図4と比較することで、パッケージング材料860の頂部表面近辺に金属部品がないことが分かる。従って、シンギュレーションオペレーションは、ミスアラインされたタイバーを克服する必要がなく、切断された金属と薄いプラスチック材料との間の如何なる応力も起こさない。これらはいずれも、従来の製造においてプラスチックチップアウト及び望ましくない/不要な露出された金属の原因である。
【0047】
例示の実施例は、電界効果トランジスタに、及び適切なパワートランジスタ、バイポーラトランジスタ、絶縁されたゲートトランジスタ、サイリスタ、及びその他にも適用する。別の例として、好ましくははんだ付けにより、第2のクリップがヒートシンクに接続され得るように第2のクリップの頂部表面を封止されないまま残すことによって、スタックされたコンバータの高電流能力は更に高められ、効率が更に拡張され得る。この構成において、六面体形状のモジュールが、その熱を両方の大きな表面からヒートシンクに放散し得る。
【0048】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に変形が成され得、他の実施例が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12