特許第6539819号(P6539819)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 丸一株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6539819-遠隔操作式排水栓装置 図000002
  • 特許6539819-遠隔操作式排水栓装置 図000003
  • 特許6539819-遠隔操作式排水栓装置 図000004
  • 特許6539819-遠隔操作式排水栓装置 図000005
  • 特許6539819-遠隔操作式排水栓装置 図000006
  • 特許6539819-遠隔操作式排水栓装置 図000007
  • 特許6539819-遠隔操作式排水栓装置 図000008
  • 特許6539819-遠隔操作式排水栓装置 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6539819
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】遠隔操作式排水栓装置
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/22 20060101AFI20190628BHJP
   E03C 1/23 20060101ALI20190628BHJP
   A47K 1/14 20060101ALI20190628BHJP
【FI】
   E03C1/22 C
   E03C1/23 Z
   A47K1/14 B
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-243398(P2014-243398)
(22)【出願日】2014年12月1日
(65)【公開番号】特開2016-104945(P2016-104945A)
(43)【公開日】2016年6月9日
【審査請求日】2017年11月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000157212
【氏名又は名称】丸一株式会社
(72)【発明者】
【氏名】平井 良典
【審査官】 下井 功介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−311196(JP,A)
【文献】 特開平07−229187(JP,A)
【文献】 実開平06−076466(JP,U)
【文献】 実開昭59−006724(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/12〜 1/33
A47K 1/00〜 1/14
F16K 31/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
槽体に開口した排水口と、
排水口の閉口時に弁部材と当接して排水口を水密的に閉口する当接面と、
上下動により排水口を開閉する弁部材と、
該弁部材を動力により上下動させる作動部と、
作動部の動作を制御して、弁部材による排水口の開閉を操作する操作部と、からなる遠隔操作式排水栓装置において、
弁部材が上昇して排水口を開口した状態から、操作部に閉口を行う操作を行い、弁部材を降下させて排水口を閉口する際に、
弁部材の状態を検出する検出機構を備え、
作動部が、弁部材が当接面に当接して排水口を閉口したことを、検出機構が検出するまでは弁部材の降下を継続し、
検出機構が排水口を閉口した状態を検出した時に弁部材の降下を停止してその状態を維持するように構成し
弁部材を降下させ排水口を閉口する際に、検出機構によって弁部材が当接面と当接する圧力を測定し、検出機構によって測定された圧力が、
排水口を水密的に閉口するために必要な値として設定した値を超えたときに弁部材が排水口を閉口した状態として判断し、弁部材の降下を停止してその状態を維持するように構成したことを特徴とする、遠隔操作式排水栓装置。
【請求項2】
槽体に開口した排水口と、
排水口の閉口時に弁部材と当接して排水口を水密的に閉口する当接面と、
上下動により排水口を開閉する弁部材と、
該弁部材を動力により上下動させる作動部と、
作動部の動作を制御して、弁部材による排水口の開閉を操作する操作部と、からなる遠隔操作式排水栓装置において、
弁部材が上昇して排水口を開口した状態から、操作部に閉口を行う操作を行い、弁部材を降下させて排水口を閉口する際に、
弁部材の状態を検出する検出機構を備え、
作動部が、弁部材が当接面に当接して排水口を閉口したことを、検出機構が検出するまでは弁部材の降下を継続し、
検出機構が排水口を閉口した状態を検出した時に弁部材の降下を停止してその状態を維持するように構成し
事前に排水口の閉口時に弁部材と当接面とが当接する面積を測定しておき、
弁部材を降下させ排水口を閉口する際に、弁部材を降下させる応力を測定し、
事前に測定した弁部材と当接面とが当接する面積と、測定された弁部材を降下させる応力とから、弁部材と当接面とが当接する圧力を演算し、
上記演算された弁部材と当接面とが当接する圧力が、排水口を水密的に閉口するために必要な値として設定した値を超えたときに弁部材が排水口を閉口した状態として判断し、弁部材の降下を停止してその状態を維持するように構成したことを特徴とする、遠隔操作式排水栓装置。
【請求項3】
上記遠隔操作式排水栓装置において、
排水口を閉口状態から開口する際は、弁部材を閉口状態より事前に設定した任意の高さ幅だけ上昇させることで、排水口の開口を行うことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の遠隔操作式排水栓装置。
【請求項4】
上記遠隔操作式排水栓装置において、
排水口の開口時の弁部材に、通常の使用において生じる荷重を超える荷重が加えられた場合に、弁部材を降下させて遠隔操作式排水栓装置の破損を防ぐショックアブソーバーを備え、
該ショックアブソーバーによる弁部材の降下可能な高さ幅が、
少なくとも上記弁部材を閉口状態から開口状態とするために任意に設定した、弁部材の上昇の高さ幅以上であることを特徴とする、請求項3に記載の遠隔操作式排水栓装置。
【請求項5】
上記遠隔操作式排水栓装置において、
施工完了時、作動部が、槽体の下面に対して定まった高さ幅で取り付けられていることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔操作式排水栓装置に関し、更に詳しくは、施工時に弁部材の取り付け位置の高さ調整が不要で、且つ排水口の閉口時に漏水の発生を確実に防ぐ遠隔操作式排水栓装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、浴槽や洗面器等の槽体の内部に生じた排水を処理するため、槽体の底面等に排水口を設け、この排水口から排水配管を介し下水側に排水を排出する排水装置が広く知られている。また、浴槽等槽体内に水を溜める場合に、弁部材を利用して排水口を閉口する方法があるが、この弁部材による開口また閉口を、弁部材や排水口から離間した位置、例えば槽体の開口周縁に設けた操作部への操作によって行う遠隔操作式排水栓装置が知られている。以下に、遠隔操作式排水栓装置の従来例を説明する。
特許文献1に記載の従来の遠隔操作式の排水装置は、槽体の一種である浴槽に接続される排水栓装置であって、以下に記載する、排水口本体、弁部材、レリースワイヤ、支持部材、エルボ部材、操作部、ガイド管、等の部材より構成される。
浴槽は上方が開口した箱体であって、その底面に、排水口本体を取り付けるための取付孔を備えてなる。
排水口本体は略円筒形状を成す部材であって、その上端部分外周側には、側面方向に突出するフランジ部を設けると共に、フランジ部の下方であって、本体部分の外側面には雄ネジを螺刻してなり、またその内部には排水口を形成する。排水口の上端の周縁には当接面が形成されてなる。また排水口本体の内周面には、後述する支持部材が嵌合するための突起部が構成されてなる。
弁部材は、上記排水口内に配置されて、排水口の上端を閉口する部材であって、略円盤状にして、排水口本体の当接面に当接することで排水口を閉口する弁体部と、弁体部の中央に備えられた、レリースワイヤの弁軸部と嵌合する嵌合部と、から構成される。
レリースワイヤは、側面方向に可撓性を、軸方向に剛性を有した中空の管体であるアウターチューブと、該アウターチューブ内に摺動自在に配置される、側面方向に可撓性を、軸方向に剛性を有したインナーワイヤと、インナーワイヤの一方の端部に備えられた、先端が弁部材の嵌合部と嵌合する弁軸部と、インナーワイヤをアウターチューブに対して操作部側(弁軸部とは反対の側)に付勢する戻りスプリング側から構成され、弁軸部を有する側のアウターチューブ端部は支持部材に、他端は操作部に、それぞれ接続される。
支持部材は、上記レリースワイヤ端部が接続固定されると共に、排水口本体内部に着脱自在に嵌合固定される部材であって、この部材を介して、排水口の内部にレリースワイヤ端部を位置決め固定することができる。
エルボ部材は、上方と側面とに他の配管との接続用の開口を備えた排水部材であって、上方の開口には排水口本体の雄ネジと螺合する雌ネジを備え、側面には他の排水用の管体を接続するための排出口を備えてなる。また、側面に上記レリースワイヤを挿通するための挿通口を備えてなる。
操作部は、排水口の開閉を操作する部材であって、浴槽の上縁近傍に配置されてなり、ボタン部と、該ボタン部への押し込み操作毎に、接続されたレリースワイヤのインナーワイヤをアウターチューブに対して排水口側に突出した状態で固定/固定を解除、を繰り返す、スラストロック機構を備えてなる。尚、スラストロック機構による固定が解除されると、インナーワイヤは戻りスプリングの作用によってボタン部側に移動する。
ガイド管は、側面方向に可撓性を、軸方向に剛性を有した管体であって、一端は操作部に、他端は挿通口に、それぞれ接続され、操作部に挿通されたレリースワイヤを、エルボ部材迄ガイドするように機能する。
上記した各部材から構成される遠隔操作式排水栓装置は、以下のようにして、槽体である浴槽に施工される。
まず、エルボ部材の排出口に、接着などの方法で、下流側の配管を接続固定しておく。
次に、浴槽の取付孔に排水口本体を挿通し、排水口本体のフランジ部下面を、取付孔周縁の上面に当接させる。更にエルボ部材の雌ネジを、排水口本体の雄ネジに螺合させ、フランジ部下面とエルボ部材上面とで取付孔周縁を挟持させて排水口本体を浴槽に固定させる。
次に、浴槽の上縁近傍に操作部を取り付け、更に操作部と、エルボ部材の挿通口とに、ガイド管を接続する。
次に、操作部側からレリースワイヤを挿通し、操作部、ガイド管、挿通口を介してエルボ管内にレリースワイヤの先端部分、即ち弁軸部を配置させる。
次に、排水口から治具などを使い、弁軸部を排水口の上方に引き上げ、レリースワイヤ先端部分を支持部材に接続固定した上で、排水口内に支持部材を嵌合固定する。
更に、弁軸部の先端に、弁部材の嵌合部を嵌合させて、遠隔操作式排水栓装置の施工が完了する。
上記のように構成した遠隔操作式排水栓装置を使用する場合、まず遠隔操作式排水栓装置を排水口に対して降下した状態とし、排水口本体の当接面が弁体部と当接することで、排水口が弁部材に覆われて閉口された状態とする。この時操作部のスラストロック機構は固定を解除した状態となっている。
この状態から操作部のボタン部に押し操作を加え、インナーワイヤを弁部材側に前進させた状態でスラストロック機構にて固定させると、インナーワイヤの弁部材側の端部、即ち弁軸部が突出し、弁軸部と、弁軸部に嵌合している弁部材とが上昇した状態で固定される。このように弁部材が上昇するため、当接面と弁体部が離間して排水口が開口する。
浴槽内に排水が溜まっていた場合、排水口が開口したことで、排水が排水口内部からエルボ部材を介して排出口より下水側に排出される。
この状態から操作部に操作を加え、スラストロック機構の固定を解除し、インナーワイヤを操作部側に後退させると、インナーワイヤによる弁軸部の押し上げが終了し、弁部材と共に降下する。これによって弁体部が当接面に再び当接して弁部材が排水口を覆い、排水口が閉口する。
以下、上記動作を繰り返すことで、操作部への操作により遠隔操作にて排水口を開閉することができる。
また、上記特許文献1以外の遠隔操作式の排水装置として、特許文献2に記載の遠隔操作式排水栓装置等が知られている。
【0003】
特許文献1に記載の遠隔操作式の排水装置では、インナーワイヤを前進させて遠隔操作用弁部材を押し上げる動作の動力は、操作部を押し込む排水装置の使用者の人力によるもので、人力によって、インナーワイヤを介し遠隔操作用弁部材を押し上げ、排水口を開口しているが、特許文献2に記載の遠隔操作式の排水装置では、インナーワイヤを前進動作させる動力として、電気によって動作するステッピングモーターを採用してなる。排水口を開口させる際は、ステッピングモーターの動力によってインナーワイヤを前進させてその先端が弁軸の下端を直接押し上げることで遠隔操作用弁部材を押し上げて排水口を開口させると共に、排水口を閉口させる際は、ステッピングモーターの動力によってインナーワイヤを後退させてその先端が弁軸の下端から離間して弁軸の支持を解除することで遠隔操作用弁部材を降下させて排水口を閉口させるように構成している。尚、排水口の開口状態、閉口状態は、モーターに通電を行って作動部を作動させない限り変化することは無く、排水口の開口又は閉口の状態を維持するために通電を行う必要は無い。このように構成することで、排水口の開閉操作に使用者の人力が不要となり、老人や身体障害者等、力の弱い人などでも容易に排水口の開閉作業が可能な構造としている。
【特許文献1】特開2002−88853号公報
【特許文献2】特開2001−311196号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように構成した、従来の遠隔操作式排水栓装置には、以下のような問題点があった。
1.上記遠隔操作式排水栓装置においては、排水口の開閉を、インナーワイヤの進後に応じて弁部材を上下動させることによって行っている。しかし、弁部材が降下した際に、当接面に弁部材を当接させるためには、各部材の高さ位置を設計段階において管理する必要があり、設計が不適切だと、弁部材を降下させても、弁部材と当接面が当接する前に降下の下限に達してしまい、弁部材と当接面が当接せず、排水口が閉口できなくなる場合がある。弁部材を開口させるために上昇させる場合も同様で、設計が不適切であると、弁部材を上昇させる際に充分に上昇させることができず、弁体と当接面との離間の幅が狭く、排水性能が著しく悪くなる場合がある。
また、上記のように各部材の高さ位置を設計段階において管理する必要があるため、ある製品の部材を、高さ幅が異なる他の製品の同じ部材に転用することができない場合がある、という問題がある。例えば特許文献1の遠隔操作式排水栓装置において、排水口本体の全高を5ミリメートル薄くし、それに合わせて排水口内部の突起部の高さ位置も当接面に対して5ミリメートル分幅狭にした排水口本体を新しく製造した場合、従来の弁部材や支持部材をそのまま使用すると、突起部の高さ位置を当接面に対して5ミリメートル分幅狭にしたため、排水口の閉口時、弁部材と当接面が適切に当接せず、隙間を生じ、漏水が生じる場合がある。このため、排水口本体の高さ幅の変更に合わせて、支持部材又は弁部材の形状を変更した製品を新たに作成しなければならない。
このように、部材の高さ幅を変化させた場合、製品ごとに専用の部材を作成し直す必要があった。
2.当接面に弁体部が当接しても、弁体部と当接面の当接の圧力が弱いと、当接箇所から漏水が発生する場合がある。弁体部と当接面の当接の圧力を増す方法としては、弁部材の重量を増すことや、インナーワイヤに戻りスプリング等の弾性素材を備えて、弁軸部に下方に向かう付勢を行う、等があるが、当接部分の面積や弁軸部の傾きなど状態等によって当接の圧力は変化するため、必ずしも安定して当接箇所からの漏水の発生を防止することができるとは限らなかった。
本発明は上記問題点に鑑み発明されたものであって、遠隔操作式排水栓装置において、槽体の厚みや遠隔操作式排水栓装置の各部材の高さ寸法に影響なく、排水口を開閉することができ、また、排水口を閉口した際の止水も、単に弁部材を降下させただけの場合以上に確実に行うことを可能とする、遠隔操作式排水栓装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の本発明は、槽体に開口した排水口と、排水口の閉口時に弁部材と当接して排水口を水密的に閉口する当接面と、上下動により排水口を開閉する弁部材と、該弁部材を動力により上下動させる作動部と、作動部の動作を制御して、弁部材による排水口の開閉を操作する操作部と、からなる遠隔操作式排水栓装置において、弁部材が上昇して排水口を開口した状態から、操作部に閉口を行う操作を行い、弁部材を降下させて排水口を閉口する際に、弁部材の状態を検出する検出機構を備え、作動部が、弁部材が当接面に当接して排水口を閉口したことを、検出機構が検出するまでは弁部材の降下を継続し、検出機構が排水口を閉口した状態を検出した時に弁部材の降下を停止してその状態を維持するように構成し、弁部材を降下させ排水口を閉口する際に、検出機構によって弁部材が当接面と当接する圧力を測定し、検出機構によって測定された圧力が、
排水口を水密的に閉口するために必要な値として設定した値を超えたときに弁部材が排水口を閉口した状態として判断し、弁部材の降下を停止してその状態を維持するように構成したことを特徴とする、遠隔操作式排水栓装置である。
尚、ここでいう「当接面」とは、槽体底面上の、排水口を閉口するために弁部材と水密的に当接する面部分を指し示すものであって、例えば平坦面など特定の構成を備えなければ弁部材と当接しても当接面に該当しない、ということは無い。
【0006】
請求項2に記載の本発明は、槽体に開口した排水口と、排水口の閉口時に弁部材と当接して排水口を水密的に閉口する当接面と、上下動により排水口を開閉する弁部材と、該弁部材を動力により上下動させる作動部と、作動部の動作を制御して、弁部材による排水口の開閉を操作する操作部と、からなる遠隔操作式排水栓装置において、弁部材が上昇して排水口を開口した状態から、操作部に閉口を行う操作を行い、弁部材を降下させて排水口を閉口する際に、弁部材の状態を検出する検出機構を備え、作動部が、弁部材が当接面に当接して排水口を閉口したことを、検出機構が検出するまでは弁部材の降下を継続し、検出機構が排水口を閉口した状態を検出した時に弁部材の降下を停止してその状態を維持するように構成し、事前に排水口の閉口時に弁部材と当接面とが当接する面積を測定しておき、弁部材を降下させ排水口を閉口する際に、弁部材を降下させる応力を測定し、事前に測定した弁部材と当接面とが当接する面積と、測定された弁部材を降下させる応力とから、弁部材と当接面とが当接する圧力を演算し、上記演算された弁部材と当接面とが当接する圧力が、排水口を水密的に閉口するために必要な値として設定した値を超えたときに弁部材が排水口を閉口した状態として判断し、弁部材の降下を停止してその状態を維持するように構成したことを特徴とする、遠隔操作式排水栓装置である。
【0007】
請求項3に記載の本発明は、上記遠隔操作式排水栓装置において、排水口を閉口状態から開口する際は、弁部材を閉口状態より事前に設定した任意の高さ幅だけ上昇させることで、排水口の開口を行うことを特徴とする、段落0005又は0006に記載の遠隔操作式排水栓装置である。
【0008】
請求項4に記載の本発明は、上記遠隔操作式排水栓装置において、排水口の開口時の弁部材に、通常の使用において生じる荷重を超える荷重が加えられた場合に、弁部材を降下させて遠隔操作式排水栓装置の破損を防ぐショックアブソーバーを備え、該ショックアブソーバーによる弁部材の降下可能な高さ幅が、少なくとも上記弁部材を閉口状態から開口状態とするために任意に設定した、弁部材の上昇の高さ幅以上であることを特徴とする、段落0007に記載の遠隔操作式排水栓装置である。
【0009】
請求項5に記載の本発明は、上記遠隔操作式排水栓装置において、施工完了時、作動部が、槽体の下面に対して定まった高さ幅で取り付けられていることを特徴とする、段落0005乃至段落0008のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の本発明では、遠隔操作式排水栓装置において、
弁部材を動力により上下動させる作動部と、排水口の閉口時に弁部材が当接面に当接した状態を検出する検出機構を備え、作動部が、弁部材が当接面に当接して排水口を閉口したことを、検出機構が検出するまでは弁部材の降下を継続し、検出機構が排水口を閉口した状態を検出した時に弁部材の降下を停止してその状態を維持するように構成したことで、弁部材の降下の幅に関係なく、常に確実に弁部材が当接面に当接した状態にて排水口を閉口することができるようになった。また、排水口の閉口の完了は、「弁部材が当接面に当接し、排水口を閉口したことを検知すること」によって行われ、「弁部材の高さ位置」や「弁部材の昇降の幅」は、排水口の閉口の完了の確認には何ら影響を生じない。このため、高さ方向の寸法が変化した部材を使用しても、何ら支障なく使用することができる。
請求項3に記載の本発明では、排水口を開口する際の具体的な手順を明確にすることができた。本発明では、排水口の開閉を、作動部に対する高さ位置で判断する構成ではないため、このような「閉口時に対する相対的な高さ」で開口状態を管理する方法が好適である。
請求項4に記載の本発明では、遠隔操作式排水栓装置の破損を防止するショックアブソーバーの構成を明確にすることができた。本発明では、排水口の開口時における、弁部材の作動部に対する高さ位置を管理する構成ではないため、このような「閉口時に対する開口時の弁部材の高さ幅」を基準にショックアブソーバーを設計すると好適である。
請求項1、請求項2に記載の本発明では、検出機構が排水口を閉口した状態を検出する方法の具体例を示すことができた。特にこの請求項1、請求項2に記載の構成では、部材と当接面との当接の圧力を検出することで排水口の閉口を判断する構成であり、単に弁部材と当接面とが「当接」したことのみを持って「排水口を閉口」したと判断する構成ではないため、排水口の閉口時に漏水を確実に防止することができる。詳述すると、弁部材と当接面とが当接した状態であっても、弁部材と当接面との当接の圧力が低いと、槽体内の排水が漏水する場合がある。つまり、「弁部材と当接面とが当接」しただけでは、「漏水などが生じないように排水口を閉口」したとするには不十分な場合がある。これに対し、請求項1、請求項2に記載の本発明では、「弁部材と当接面とが当接」した上で、更に「弁部材と当接面との当接の圧力が、排水口を水密的に閉口するために必要な圧力を超えている」状態をもって「排水口を閉口」した状態とすることで、確実に「漏水などが生じない」構成とした、ということができる。
また、本発明は、作動部と当接面との高さ位置の関係が、排水口の開閉に影響する従来例と異なり、作動部と当接面との高さ位置の関係が厚みの異なる槽体に取り付ける等して変化しても、排水口の開閉に何ら問題が生じない。このため、請求項5に記載した、施工完了時、作動部が、槽体の下面に対して定まった高さ幅で取り付けた場合、つまり槽体の厚み等によって当接面と作動部の高さ位置の関係が変化する場合でも、好適に使用することができる。



【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第一実施例の遠隔操作式排水栓装置の閉口状態を示す参考図である。
図2】第一実施例の遠隔操作式排水栓装置の開口状態を示す、排水口近傍の参考図である。
図3】第一実施例の遠隔操作式排水栓装置の部材構成を示す参考図である。
図4】第一実施例の遠隔操作式排水栓装置の、ショックアブソーバーが機能した状態を示す、排水口近傍の参考図である。
図5】第二実施例の遠隔操作式排水栓装置の閉口状態を示す参考図である。
図6】第二実施例の遠隔操作式排水栓装置の開口状態を示す、排水口近傍の参考図である。
図7】第二実施例の遠隔操作式排水栓装置の部材構成を示す参考図である。
図8】第二実施例の遠隔操作式排水栓装置の、ショックアブソーバーが機能した状態を示す、排水口近傍の参考図である。
【実施例】
【0013】
以下に、本発明の第一実施例について、図面を参照しつつ説明する。
図1乃至図4に示した、本発明の第一実施例の遠隔操作式排水栓装置は、以下に記載する、槽体としての浴槽Bに施工される排水栓装置であって、以下に記載する、排水口本体6、弁部材3、作動部4、エルボ部材7、操作部5、等の部材より構成される。
浴槽Bは上方が開口した箱体であって、その底面に、排水口本体6を取り付けるための取付孔を備えてなる。
排水口本体6は略円筒形状を成す部材であって、その上端部分外周側には、側面方向に突出するフランジ部6aを設けると共に、フランジ部6aの下方であって本体部分の外側面には、雄ネジを螺刻してなり、その内部には排水口1を形成する。排水口1の上端の周縁には当接面2が形成されてなる。
弁部材3は、上記排水口1内に配置されて、排水口1の上端を閉口する部材であって、略円盤状にして、排水口本体6の排水口1を覆うことで排水口1を閉口する弁体部3aと、排水口1の閉口時に当接面2と水密的に当接する止水部材3bと、弁体部3aの下面中央に備えられた、回転ロックによって作動部4の弁軸部8と嵌合する嵌合部3cと、から構成される。尚、嵌合部3cには弁軸部8に設けられた第一の端子8aに接続される第一の接点3dが備えられてなる。
また、止水部材3bには当接面2との当接の圧力を検知する圧力センサーSが備えられ、施工完了時弁軸部8に嵌合部3cが嵌合した状態で、排水口1の閉口動作時の弁軸部8と止水部材3bの当接面2との間で生じている当接の圧力を検出し、データとして操作部5側に出力する。圧力センサーSを作動させるための通電と、圧力センサーSが検知した当接面2と止水部材3bとの当接の圧力のデータの送信は、弁部材3の嵌合部3cの第一の接点3dと、弁軸部8の第一の端子8aとの接続箇所を介して行われる。
作動部4は、エルボ部材7の収納部7cに収納されてエルボ部材7に接続固定される部材であって、ステッピングモーターと呼ばれる、回転数を制御できるモーターと、該モーターの回転によって昇降動作する弁軸部8と、エルボ部材7の第二の端子7aに接続される第二の接点4aと、から構成されてなる。
弁軸部8は二本の円筒形状の部材を上下に組み合わせて構成されてなり、バネ部材を利用したショックアブソーバーが組み込まれている。このショックアブソーバーは、浴槽B満水時の水圧による加重に対しては作動することは無いが、それ以上の荷重、具体的には人が踏むなどの部材の破損が生じる程度の荷重が生じた場合、上方の円筒部分が、下方の円筒部分内に収納されることで、排水口1開口時の弁部材3の上昇幅以上の降下幅、本実施例では15ミリメートル程度下降可能なように構成されている。モーターを作動させるための通電と、弁部材3から送られた圧力データの送信には、作動部4の第二の接点4aと、エルボ部材7の第二の端子7aとの接続箇所を介して行われる。
また、上記作動部4は、排水口1からエルボ部材7内に挿入し、作動部4の第二の接点4aと、エルボ部材7の第二の端子7aとを接続した上で、エルボ部材7に着脱自在に接続固定することができる。
エルボ部材7は、上方と側面とに他の配管との接続用の開口を備えた排水部材であって、上方の開口には排水口本体6の雄ネジと螺合する雌ネジを備え、側面には他の排水用の管体を接続するための排出口7bを備えてなる。また、底面部分には、排水口1からの作業によって作動部4を着脱自在に収納固定することが可能な収納部7cを備えてなる。尚、該収納部7cには作動部4に設けられた第二の端子7aに接続される第二の接点4aが備えられてなり、該第二の接点4aに接続された配線から、モーターを作動させるための通電と、弁部材3から送られた圧力データの操作部5への送信等が行われる。
操作部5は、浴槽Bの上縁近傍に配置されて、排水口1の開閉を操作する部材である。本実施例の操作部5は、コンセント等を利用して家庭用電源から電力の供給を受け、作動部4や圧力センサーS等に適宜通電を行うと共に、作動部4や圧力センサーS等の各部材を適宜動作させるための制御基板を備えてなる。
また、操作部5はタッチパネルを備えてなり、このタッチパネルに特定の操作を行うことで、排水口1の開閉及び後述する動作2を指示することができるように構成されてなる。タッチパネル部分は操作部5が取り付けられている浴槽Bの上縁近傍の面に段差なく面一となるように取り付けられ、また排水口1の開閉の状態を、発光の色調にて表示するように構成されてなる。
また、操作部5に備えられた制御基板からの通電の制御/データ送信などの制御によって、作動部4は少なくとも以下の4つの動作を行うことができる。
動作1.通電を止めることで、浴槽B内の水量、排水の流れなどにほぼ影響を受けることなく弁軸部8を現在の高さ位置で維持する。本実施例では、作動部4に組み込まれたギアの作用により、弁軸部8に対して応力を加えて弁軸部8を進退させることは、少なくとも浴槽Bや浴室の通常使用で生じる応力の範囲では不可能となっている。このため、通電を停止し、モーターを止めるだけで、弁部材3に加えられた応力・圧力等を維持することができる。
動作2.弁軸部8を最大の高さ位置まで突出させる。
動作3.圧力センサーSより得られた、弁部材3と当接面2との当接箇所の圧力の数値が、事前に設定された、止水完了とされる数値に達するまで、弁軸部8を降下させる。
動作4.排水口1の閉口時に、現在の高さ位置より、排水口1を開口させ好適に排水を行うのに必要な高さ幅だけ弁軸部8を現状より上昇させる。具体的には、この実施例では、動作4を指示された場合、弁軸部8が10ミリメートル上昇する。
これらの動作は、操作部5に事前に設定された操作を行うことで、操作に対応した動作を行う。
【0014】
上記した各部材から構成された遠隔操作式の排水装置は、以下のようにして、槽体である浴槽Bに施工される。尚、特に詳述しないが、各部材の接続箇所や、一部電子機器等は、漏水等を生じないように、接着剤やパッキングなどを用いて水密的に接着/接続される。
まず、工場において、エルボ部材7の雄ネジを備えた開口から作動部4を挿入し、エルボ部材7の収納部7cに、作動部4を、作動部4の第二の接点4aと、エルボ部材7の第二の端子7aとが接続した上で接続固定する。
この状態にて各部材を施工現場に搬入する。
次に、エルボ部材7の排出口7bに、接着などの方法で、下流側の配管を接続固定した上で、浴槽Bの取付孔に排水口本体6を挿通し、排水口本体6のフランジ部6a下面を、取付孔周縁の上面に当接させる。
更にエルボ部材7の雌ネジを、排水口本体6の雄ネジに螺合させ、フランジ部6a下面とエルボ部材7上面とで取付孔周縁を挟持させて排水口本体6を浴槽Bに固定させる。
尚、エルボ部材7の高さ方向の取り付け位置は、上記のようにエルボ部材7を浴槽Bの底面下面に当接して取り付けられることで、浴槽Bの底面下面に対して定まった高さ位置に取り付けられることとなる。そして、作動部4は、該エルボ部材7に対して高さ方向を含め定まった位置に取り付けられてなるから、施工完了時、作動部4は槽体である浴槽Bの底面の下面に対して定まった高さ位置(高さ幅)で取り付けられていることとなる。一方、浴槽Bなど槽体の厚みは槽体ごとに異なるため、槽体の底面の上面側に対して定まった高さ位置となる当接面2から作動部4までの高さ幅は、槽体毎の槽体の厚みの違いによって異なることとなる。
次に、浴槽Bの上縁近傍に操作部5を取り付け、操作部5とエルボ部材7の第二の端子7aの間を配線にて接続する。これにより、操作部5から作動部4に通電が可能となり、また弁部材3から操作部5に弁部材3からの圧力データの送信や、操作部5から作動部4の動作の制御を行うためのデジタル化されたデータを送信するなど、圧力データや操作用データの送受信を行うことができる。
更に、弁部材3の嵌合部3cの第一の接点3dと、弁軸部8の第一の端子8aとが接続するようにして、弁軸部8に弁部材3の嵌合部3cを嵌合させ、本実施例の遠隔操作式排水栓装置の施工が完了する。
尚、この弁部材3と弁軸部8との嵌合接続の際に、弁軸部8が排水口1から充分に突出しておらず、嵌合接続の作業が困難な場合には、操作部5に操作を加え、段落0013の動作2の動作を行い、弁軸部8を排水口1に対して充分に突出させることで、嵌合接続が可能となる。
以上のようにして、本実施例の遠隔操作式の排水装置の施工が完了する。
【0015】
以下に、上記第一実施例の遠隔操作式排水栓装置の動作について説明する。
上記第一実施例の遠隔操作式排水栓装置を使用する場合、図1に示したように、まず操作部5に操作を加えて排水口1を閉口した状態とする。
この状態より操作部5に排水口1の開口を指示する操作を行うと、作動部4は、排水口1を閉口して静止した状態より、10ミリメートル分、弁軸部8を上昇させるようにモーターを作動させる。
前述のように、作動部4に組み込まれているモーターは、ステッピングモーターと呼ばれる、回転数を制御できるモーターであるため、事前にモーター1回転あたりの弁軸部8の昇降高さを入力し、演算させることで、排水口1を閉口した静止状態から弁軸部8を過不足なく10ミリメートル分上昇させ、図2に示した状態とし、その状態を維持して再度静止させることができる(弁部材3が当接面2から離間していることは、弁部材3の圧力センサーSが当接の圧力が失われ、検知しなくなることで確認することができる)。また、本実施例では、作動部4に組み込まれたギアの作用により、モーター等に通電を行わなくとも、弁軸部8及び弁軸部8と嵌合する弁部材3は作動が停止した状態、この場合であれは弁軸部8が上昇した状態を維持することができる。
このようにして弁部材3が上昇し、当接面2と止水部材3bが離間することで、排水口1を開口することができる。浴槽B内に排水(風呂水)が溜まっていた場合、排水口1から、排水口本体6内部、エルボ部材7内部を介し、排出口7bより下水側の配管に排出することができる。
この状態より操作部5に排水口1の閉口を指示する操作を行うと、作動部4は、弁軸部8と弁軸部8に嵌合している弁部材3を降下させる。弁軸部8が充分に降下し、弁部材3の止水部材3bと、排水口本体6の当接面2とが当接すると、圧力センサーSが止水部材3bと当接面2の当接の圧力を検知する。止水部材3bと当接面2とが当接しても、圧力センサーSが検出する両者の当接の圧力が事前に設定された、水密性を確保するための値に達するまでは、弁軸部8が降下を継続し、当然に止水部材3bと当接面2との当接の圧力も上昇を続ける。圧力センサーSが検知した値が、事前に設定した、水密性を確保するための値を超えると、作動部4はモーターへの通電を終了させる。排水口1の開口時と同様に、作動部4に組み込まれたギアの作用により、モーター等に通電を行わなくとも、弁軸部8及び弁軸部8と嵌合する弁部材3は作動が停止した状態を維持する。この場合であれば、止水部材3bと当接面2との当接の圧力が、事前に設定した、水密性を確保するための値を超えた上で、弁部材3が排水口1を閉口した状態を維持することができる。
このように、単に「排水口1が弁部材3によって閉口した」というだけではなく、「止水部材3bと当接面2との当接の圧力が、事前に設定した、水密性を確保するための値を超えた上で排水口1が弁部材3によって閉口した」ことによって、弁部材3と当接面2との当接の圧力が不足して弁部材3と当接面2との間から漏水が発生することなく、確実に漏水の発生を防止することができる。
また、本実施例では、排水口1の閉口には、当接面2から作動部4までの高さ幅に関係無く、弁部材3と当接面2との当接の状態を検知機構である圧力センサーSにより検知する構成であるため、段落0014に記載したように、当接面2から作動部4までの高さ幅が浴槽Bごとに異なる構成であっても、何ら支障なく排水口1の開閉を行うことができる。
以後、上記操作を繰りかえすことで、遠隔操作により、排水口1を自在に開閉することができる。
【0016】
上記第一実施例の遠隔操作式排水栓装置において、排水口1が開口した状態、即ち弁軸部8と弁部材3とが上昇した状態の時に、浴槽Bの使用者が誤って弁部材3を踏むなどして弁軸部8等に通常の使用を超える応力が作用した場合、弁軸部8のショックアブソーバーが作用し、作動部4が動作することのないまま、弁軸部8が縮小し、一時的に図4に示したように、弁部材3が排水口本体6の当接面2に当接する位置まで弁部材3が降下して、弁軸部8及び弁部材3が破損することを防止する。
ショックアブソーバーの縮小幅は15ミリメートルであり、排水口1を開口させるための弁軸部8の上昇幅である10ミリメートルを超えているため、確実に弁部材3が排水口本体6の当接面2に当接する位置まで弁部材3が降下させることができ、部材の破損を防止することができる。
【0017】
上記遠隔操作式排水栓装置において、作動部4に何らかの故障が発生した場合、弁軸部8から弁部材3を外した上で、排水口1から作動部4とエルボ部材7の接続固定を解除し、排水口1から故障した作動部4を取り出し、更に新しい作動部4を改めて排水口1からエルボ部材7内部に挿通し、作動部4の第二の接点4aと、エルボ部材7の第二の端子7aとが接続した上で接続固定する。更に、弁部材3の嵌合部3cの第一の接点3dと、弁軸部8の第一の端子8aとが接続するようにして、弁軸部8に弁部材3の嵌合部3cを嵌合させて、遠隔操作式排水栓装置に発生した故障を修理することができる。
【0018】
上記第一実施例の遠隔操作式排水栓装置は、前述のように、排水口1の閉口時には圧力センサーSの検出した値を基準として閉口を行い、排水口1の開口時には、排水口1の閉口時の状態を基準として弁部材3を上昇させる高さ幅を判断するため、作動部4を、当接面2を有する部材以外(本実施例では、当接面2を有する排水口本体6ではなくエルボ部材7)に配置し、当接面2と作動部4との高さ位置の関係が、浴槽毎に異なる浴槽Bの取付孔の周縁の厚みによって、浴槽毎に変化しても、何ら調整など行う必要無く、支障なく排水口1の開閉操作を行うことができる。
【0019】
次に、本発明の第二実施例について、図面を参照しつつ説明する。
図5乃至図8に示した、本発明の第二実施例の遠隔操作式排水栓装置は、以下に記載する、槽体としての浴槽Bに施工される排水栓装置であって、以下に記載する、弁部材3、作動部4、エルボ部材7、操作部5、等の部材より構成される。
浴槽Bは上方が開口した箱体であって、その底面に、浴槽B内部の排水を行う為の排水口1を備え、また排水口1近傍であって底面裏側(下側)に、エルボ部材7を取り付けるための、底面視排水口1に同心円を成す円形形状の、下面が平坦な台座部9を備えてなる。
該台座部9には、排水口1の周縁から下方に向かって円筒状の円筒部9aが垂下されてなり、また浴槽B底面裏側(下側)に四か所、ビスを利用して後述するエルボ部材7を取り付け固定するためのビス穴を設けてなる。また、排水口1の上端周縁には当接面2が形成されてなる。
弁部材3は、上記排水口1内に配置されて、排水口1の上端を閉口する部材であって、略円盤状にして、排水口本体6の排水口1を覆うことで排水口1を閉口する弁体部3aと、排水口1の閉口時に当接面2と水密的に当接する止水部材3bと、弁体部3aの下面中央に備えられた、回転ロックによって作動部4の弁軸部8と嵌合する嵌合部3cと、から構成される。
作動部4は、エルボ部材7の収納部7cに収納されてエルボ部材7に接続固定される部材であって、ステッピングモーターと呼ばれる、回転数を制御できるモーターと、該モーターの回転によって昇降動作する弁軸部8と、エルボ部材7の第二の端子7aに接続される第二の接点4aと、から構成されてなる。
弁軸部8は、二本の円筒形状の部材を上下に組み合わせて構成されてなり、バネ部材を利用したショックアブソーバーが組み込まれている。このショックアブソーバーは、浴槽B満水時の水圧による加重に対しては作動することは無いが、それ以上の荷重、具体的には人が踏むなどの部材の破損が生じる程度の荷重が生じた場合、上方の円筒部分が、下方の円筒部分内に収納されることで、排水口1開口時の弁部材3の上昇幅以上の降下幅、本実施例では15ミリメートル程度下降可能なように構成されている。
作動部4のモーターを作動させるための通電には、作動部4の第二の接点4aと、エルボ部材7の第二の端子7aとの接続箇所を介して行われる。
また、上記作動部4は、排水口1からエルボ部材7内に挿入し、作動部4の第二の接点4aと、エルボ部材7の第二の端子7aとを接続した上で、エルボ部材7に着脱自在に接続固定することができる。
更に作動部4は、弁軸部8の降下時、即ち排水口1の閉口時に、弁軸部8を降下させる際の応力を検出する応力センサーを備えてなる。
エルボ部材7は、上方と側面とに他の配管との接続用の開口を備えた排水部材であって、上方の開口周縁には、外方向に突出するフランジ部6aを、側面には他の排水用の管体を接続するための排出口7bを、それぞれ備えてなる。フランジ部6aは台座部のビス穴に対応にした位置に貫通孔が設けられてなり、また上方の開口の内径は、台座部の円筒部の外径とほぼ合致し、円筒部を、エルボ部材7の上方の開口に挿通して位置決めのガイド構造、及び施工時の水密性を確保するための当たり面として利用することができる。
また、エルボ部材7の底面部分には、排水口1からの作業によって作動部4を着脱自在に収納固定することが可能な収納部7cを備えてなる。尚、該収納部7cには作動部4に設けられた第二の端子7aに接続される第二の接点4aが備えられてなり、該第二の接点4aに接続された配線から、操作部5に、モーターを作動させるための通電と、弁軸部8に作用している応力の値の送信等が行われる。
操作部5は、排水口1の開閉を操作する部材であって、浴槽Bの上縁近傍に配置されて、排水口1の開閉を操作する部材である。本実施例の操作部5は、コンセント等を利用して家庭用電源から電力の供給を受け、作動部4や応力センサー等に適宜通電を行うと共に、作動部4や応力センサー等の各部材を適宜動作させるための制御基板を備えてなる。
また、操作部5はタッチパネルを備えてなり、このタッチパネルに特定の操作を行うことで、排水口1の開閉及び後述する動作2を指示することができるように構成されてなる。タッチパネル部分は操作部5が取り付けられている浴槽Bの上縁近傍の面に段差なく面一となるように取り付けられ、また排水口1の開閉の状態を、発光の色調にて表示するように構成されてなる。
操作部5に備えられた制御基板からの通電の制御/データ送信などの制御によって、作動部4は少なくとも以下の4つの動作を行うことができる。
動作1.通電を止めることで、浴槽B内の水量、排水の流れなどにほぼ影響を受けることなく弁軸部8を現在の高さ位置で維持する。本実施例では、作動部4に組み込まれたギアの作用により、弁軸部8に対して応力を加えて弁軸部8を進退させることは、少なくとも浴槽Bや浴室の通常使用でかかる応力の範囲では不可能となっている。このため、通電を停止し、モーターを止めるだけで、弁部材3に加えられた応力・圧力等を維持することができる。
動作2.弁軸部8を最大の高さ位置まで突出させる。
動作3.応力センサーより得られた、弁軸部8に作用している応力と、事前に計測し、数値入力されている弁部材3の止水部材3bと当接面2との当接箇所の面積から、弁部材3の止水部材3bと当接面2との当接箇所の圧力の値を演算し、その圧力の数値が、事前に設定された、止水完了とされる圧力の数値に達するまで、弁軸部8を降下させる。尚、ここでいう「圧力の値を演算」とは、演算の過程で弁部材3の止水部材3bと当接面2との当接箇所の圧力の値を必ず具体的に導き出す必要は無く、間接的に止水部材3bと当接面2との当接箇所の圧力の数値が、事前に設定された、止水完了とされる圧力の数値に達し、又は超えたことを確認することができれば要件を満たすものである。例えば、「事前に設定した、弁部材3の止水部材3bと当接面2との当接箇所の止水完了とされる圧力の値」と「事前に計測した弁部材3の止水部材3bと当接面2との当接箇所の面積」の積の値、つまり「止水完了に必要な弁軸部8に作用する応力の値」を、「応力センサーより得られた、弁軸部8に作用している応力の値」と比較することで、弁部材3の止水部材3bと当接面2との当接箇所の圧力の数値を直接演算すること無く、間接的に弁部材3と当接面2との当接の圧力が、事前に設定された、止水完了とされる圧力の数値に達しているか否かを確認することができる。
動作4.排水口1の閉口時に、現在の高さ位置より、排水口1を開口させ好適に排水を行うのに必要な高さ幅だけ弁軸部8を現状より上昇させる。具体的には、この実施例では、動作4を指示された場合、弁軸部8が10ミリメートル上昇する。
これらの動作は、操作部5に事前に設定された操作を行うことで、操作に対応した動作を行う。
【0020】
上記した各部材から構成された遠隔操作式の排水装置は、以下のようにして、槽体である浴槽Bに施工される。尚、特に詳述しないが、各部材の接続箇所や、一部電子機器等は、漏水等を生じないように、接着剤やパッキングなどを用いて水密的に接着/接続される。
まず、工場において、エルボ部材7の雄ネジを備えた開口から作動部4を挿入し、エルボ部材7の収納部7cに、作動部4を、作動部4の第二の接点4aと、エルボ部材7の第二の端子7aとが接続した上で接続固定する。
この状態にて各部材を施工現場に搬入する。
次に、エルボ部材7の排出口7bに、接着などの方法で、下流側の配管を接続固定した上で、浴槽Bの台座部9の円筒部9aを、エルボ部材7の上方の開口に挿通させ、エルボ部材7のフランジ部6a上面と、円筒部9aの周縁であって浴槽B底面の台座部9のと下面を当接させた上で、フランジ部6a材の貫通孔を介し、ビスをビス穴に螺合させて、エルボ部材7を浴槽Bの底面下方に接続固定する。
尚、エルボ部材7の高さ方向の取り付け位置は、上記のようにエルボ部材7が浴槽Bの底面下面に当接して取り付けられることで、浴槽Bの底面下面に対して定まった高さ位置に取り付けられることとなる。そして、作動部4は、該エルボ部材7に対して高さ方向を含め定まった位置に取り付けられてなるから、本実施例の遠隔操作式排水栓装置では、施工完了時、作動部4は槽体である浴槽Bの底面の下面に対して定まった高さ位置(高さ幅)で取り付けられていることとなる。一方、浴槽Bなど槽体の厚みは槽体ごとに異なるため、槽体の底面の上面側に対して定まった高さ位置となる当接面2から作動部4までの高さ幅は、槽体毎の槽体の厚みの違いによって異なることとなる。
次に、浴槽Bの上縁近傍に操作部5を取り付け、操作部5とエルボ部材7の第二の端子7aの間を配線にて接続する。これにより、操作部5から作動部4に通電が可能となり、また弁部材3から操作部5に弁部材3からの応力データの送信や、操作部5から作動部4の動作の制御を行うためのデジタル化されたデータを送信するなど、応力データや操作用データの送受信を行うことができる。
更に、弁軸部8に弁部材3の嵌合部3cを嵌合させ、本実施例の遠隔操作式排水栓装置の施工が完了する。
尚、この弁部材3と弁軸部8との嵌合接続の際に、弁軸部8が排水口1から充分に突出しておらず、嵌合接続の作業が困難な場合には、操作部5に操作を加え、段落0020の動作2の動作を行い、弁軸部8を排水口1に対して充分に突出させることで、嵌合接続が可能となる。
以上のようにして、本実施例の遠隔操作式の排水装置の施工が完了する。
【0021】
以下に、上記第二実施例の遠隔操作式排水栓装置の動作について説明する。
上記第一実施例の遠隔操作式排水栓装置を使用する場合、図5に示したように、まず操作部5に操作を加えて排水口1を閉口した状態とする。
この状態より操作部5に排水口1の開口を指示する操作を行うと、作動部4は、排水口1を閉塞して静止した状態より、10ミリメートル分、弁軸部8を上昇させるようにモーターを作動させる。前述のように、作動部4に組み込まれているモーターは、ステッピングモーターと呼ばれる、回転数を制御できるモーターであるため、事前にモーター一回転あたりの弁軸部8の昇降高さを入力し、演算させることで、排水口1を閉口した静止状態から弁軸部8を過不足なく10ミリメートル分上昇させて、図6に示した状態とし、その状態を維持して再度静止させることができる。また、本実施例では、作動部4に組み込まれたギアの作用により、モーター等に通電を行わなくとも、弁軸部8及び弁軸部8と嵌合する弁部材3は作動が停止した状態、この場合であれは弁軸部8が上昇した状態を維持することができる。
このようにして弁部材3が上昇し、当接面2と止水部材3bが離間することで、排水口1を開口することができる。浴槽B内に排水(風呂水)が溜まっていた場合、排水口1から、エルボ部材7内部を介し、排出口7bより下水側の配管に排出することができる。
この状態より操作部5に排水口1の閉口を指示する操作を行うと、作動部4は、弁軸部8と弁軸部8に嵌合している弁部材3を降下させる。弁軸部8が充分に降下し、弁部材3の止水部材3bと、排水口本体6の当接面2とが当接すると、弁軸部8に作用している応力を検出する応力センサーが弁軸部8に作用している応力を検知する。止水部材3bと当接面2とが当接した状態で、更に弁軸部8を降下させる方向に応力を作用させると、降下しようとする弁軸部8に応力が作用し、応力センサーが検知する、弁軸部8に作用する応力の値が上昇する。
この応力の値と、止水部材3bと当接面2とが当接している面積の値に基づいて演算される、止水部材3bと当接面2との当接の圧力が、事前に設定された、水密性を確保するための値に達するまでは、弁軸部8が降下を継続し、当然に弁軸部8に作用する応力も上昇を続ける。応力センサーが検知し、演算した、止水部材3bと当接面2との当接の圧力の値が、事前に設定した、水密性を確保するための値を超えると、作動部4はモーターへの通電を終了させる。排水口1の開口時と同様に、作動部4に組み込まれたギアの作用により、モーター等に通電を行わなくとも、弁軸部8及び弁軸部8と嵌合する弁部材3は作動が停止した状態を維持する。この場合であれば、止水部材3bと当接面2との当接の圧力が、事前に設定した、水密性を確保するための値を超えた上で、弁部材3が排水口1を閉口した状態を維持することができる。
このように、単に「排水口1が弁部材3によって閉口した」というだけではなく、「応力センサーからの弁軸部8に作用している応力の値と、止水部材3bと当接面2との当接する面の面積から演算される、止水部材3bと当接面2との当接の圧力が、事前に設定した、水密性を確保するための値を超えた上で排水口1が弁部材3によって閉口した」ことによって、弁部材3と当接面2との当接の圧力が不足して弁部材3と当接面2との間から漏水が発生することなく、確実に漏水の発生を防止することができる。
また、本実施例では、当接面2から作動部4までの高さ幅に関係無く、弁部材3と当接面2との当接の状態を検知機構である応力センサーにより検知する構成であるため、段落0020に記載したように、当接面2から作動部4までの高さ幅が浴槽Bごとに異なる構成であっても、何ら支障なく排水口1の開閉を行うことができる。
以後、上記操作を繰りかえすことで、遠隔操作により、排水口1を自在に開閉することができる。
【0022】
上記第二実施例の遠隔操作式排水栓装置は、排水口1が開口した状態で浴槽Bの使用者が誤って弁部材3を踏むなどした場合でも、段落00016に記載した第一実施例の遠隔操作式排水栓装置の場合と同様に、ショックアブソーバーが機能し、図8に示したように弁軸部8が縮小して、弁軸部8及び弁部材3が破損することを防止する。
また、上記第二実施例の遠隔操作式排水栓装置は、作動部4何らかの故障が発生した場合でも、段落00017に記載した第一実施例の遠隔操作式排水栓装置の場合と同様に、排水口1からの作業のみで、作動部4を交換することができ、支障なく故障を修理することができる。
【0023】
上記第二実施例の遠隔操作式排水栓装置は、前述のように、排水口1の閉口時には応力センサーの検出した値を基準として閉口を行い、排水口1の開口時には、排水口1の閉口時の状態を基準として弁部材3を上昇させる高さ幅を判断するため、作動部4を、当接面2を有する部材以外(本実施例では、当接面2を有する浴槽Bではなくエルボ部材7)に配置し、当接面2と作動部4との高さ位置の関係が、浴槽毎に異なる浴槽Bの取付孔の周縁の厚みによって、浴槽毎に変化しても、何ら調整など行う必要無く、支障なく排水口1の開閉操作を行うことができる。
【0024】
本発明の実施例は以上のようであるが本発明は上記実施例に限定される物ではなく、主旨を変更しない範囲において自由に変更が可能である。
例えば、上記第一実施例、第二実施例は、いずれも槽体として浴槽Bを採用してなるが、本発明は上記実施例に限定されるものでは無く、槽体を洗面台の洗面ボウル、流し台のシンク等、どのような槽体に用いても構わない。
また、上記第一実施例、第二実施例では、検出機構として、弁部材3と当接面2の当接の圧力を直接的又は間接的に検出して排水口1の開閉を判断しているが、本発明は上記実施例に限定されるものでは無く、弁部材3が上昇して排水口1を開口した状態から、操作部5に閉口を行う操作を行い、弁部材3を降下させて排水口1を閉口する際に、弁部材3が当接面2に当接した状態を検出する機構であれば、どのような検出機構を用いても良い。
他の方法としては、弁軸部8の移動を検知する動作センサーを備えておき、作動部4のモーターが、あらかじめ「止水部材3bと当接面2の当接の面積と、止水部材3bと当接面2の当接箇所の水密性を確保するために必要な当接の圧力から求められる、止水部材3bと当接面2とが水密的に当接するために必要な応力」で降下するように調整し、排水口1の閉塞時、弁軸部8等の降下が、弁部材3が当接面2に当接して降下不可能(この時、止水部材3bと当接面2の当接の圧力は、当接箇所の水密性を確保するために必要な当接の圧力に達している)となり、静止したことを動作センサーが検出することで、弁部材3が排水口1を水密的に閉口したと判断するように構成しても良い。
他にも、単純に当接面2と弁部材3の一方に接触センサーを備えて弁部材3が当接面2に当接した状態を検出する構造や、当接面2と弁部材3の一方に磁石、他方に磁力検知センサーを用い、弁部材3が当接面2に当接した際に磁力検知センサーが磁力を検知することで、弁部材3が当接面2に当接した状態を検出する構造等によっても本発明を実施することができる。但し上記接触センサーや磁石と磁力検知センサーを用いた場合では、第一実施例や第二実施例のような弁部材3と当接面2の当接の圧力を直接的又は間接的に検出して排水口1の開閉を判断する構成に比べて、弁部材3と当接面2の当接の圧力が不足し、漏水が発生する場合があり、ある程度漏水の発生が許容される排水機器に採用する等の対応が必要になる場合がある。
また、上記実施例では、作動部4を、当接面2を備えた部材以外の部材、つまり槽体の厚みによって当接面2と作動部4の高さ位置の関係が変化する部材であるエルボ部材7に備えて構成してなるが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許文献1に記載の支持部材に作動部4を備えるようにして、当接面2を備えた部材と作動部4を備えた部材を同じ部材として構成し、槽体の厚みに関係なく当接面2と作動部4が常に同じ高さ位置の関係になるようにしても構わない。但し、排水口1内に支持部材や作動部4等の部材を配置した場合には、それらの部材が障害物となって清掃性や排水性能が悪化するため、第一実施例、第二実施例の遠隔操作式排水栓装置のように、作動部4を備えた部材を、槽体の厚みによって高さ位置の関係が変化する、当接面2を備えた部材とは別の部材として、排水口1内に不要な部材を配置しない構成とした方が、排水栓装置の清掃性や排水性能を向上させることができる。
【符号の説明】
【0025】
1 排水口 2 当接面
3 弁部材 3a 弁体部
3b 止水部材 3c 嵌合部
3d 第一の接点 4 作動部
4a 第二の接点 5 操作部
6 排水口本体 6a フランジ部
7 エルボ部材 7a 第二の端子
7b 排出口 7c 収納部
8 弁軸部 8a 第一の端子
9 台座部 9a 円筒部
B 浴槽 S 圧力センサー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8