(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明に係る遊技場用分煙装置の好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
【0008】
[第一実施形態]
まず、本発明の第一実施形態に係る遊技場用分煙装置(以下、分煙装置という。)について、
図1〜
図3を参照して説明する。
これらの図に示すように、本実施形態の分煙装置は、隣り合う遊技機100の間に取付けた分煙ボード3と、この分煙ボード3の上部に、周辺の空気を吸い込んで所定の方向に排出する吸気部1と、を設けている。
【0009】
分煙ボード3は、
図1,
図2に示すように、アクリルなどのプラスチックやガラス等の1枚の矩形状の板材からなり、隣り合う遊技機100を仕切るパーテーションとして、ボード取付部110に取り付けられている。
分煙ボード3を遊技機100と遊技機100の間に取り付けることで、遊技機100ごとに独立した遊技空間が形成され、遊技者が遊技中に喫煙しているタバコの煙を、その遊技者の遊技空間内に滞留させることができる。
これにより、遊技者のタバコの煙が、少なくとも、隣接する遊技機100の遊技空間に流れることを防ぐことができる。
なお、「タバコの煙」には、遊技者が吐き出す呼出煙やタバコの点火部から発生する副流煙が含まれる。
【0010】
吸気部1は、周辺の空気を吸い込んで所定方向に排出する吸排気手段であり、分煙ボード3の上部に設けられている(
図1〜
図3参照)。
吸気部1は、具体的には、軸方向に沿って気流を発生させる軸流ファン50と、軸流ファン50を回転駆動させる図示しないモーター(駆動機構)を備えている。
例えば、所定の駆動電流に基づいてモーターを駆動させると、図示しない駆動軸が一定方向に回動し、この駆動軸に取り付けられている軸流ファン50が駆動軸を中心に一定方向に回転する。
この軸流ファン50の回転によって、軸方向の一方(以下、後方とする。)から空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気が軸方向の他方(以下、前方とする。)に向かって流れる気流が発生する。
なお、本実施形態の吸気部1は、軸流ファン50とモーターとが一体となったファンモーターを用いている(
図3参照)。
【0011】
吸気部1は、
図3に示すように、筒状のケース20の内部に上記駆動機構等が収められており、具体的には、駆動軸の後方が下方を向くようにして(すなわち、駆動軸の前方が上方を向くようにして)、軸流ファン50が取り付けられている。
これにより、軸流ファン50の回転によって、軸流ファン50の下方から空気が吸い込まれ、軸流ファン50の上方に排出される。
なお、本実施形態の吸気部1は、3基のファンモーターを備えているが、1基あるいは2基、又は4基以上を備える構成であってもよい。
【0012】
ケース20は、プラスチックなどの樹脂によって形成された半筒状のケース上部21及びケース下部22と、半球状のケース端部23とが組み合わされて構成される。具体的には、ケース上部21とケース下部22を上下に重ね合わせ、これにより形成された中空円筒の筐体の一方(遊技者側)の端部開口をケース端部23により塞ぐことで、ケース20を組み立てることができる。また、組み立てられた状態のケース20を、ケース上部21、ケース下部22及びケース端部23に分解することもできる(
図3参照)。
ケース上部21は、曲面が上側を向く態様で用いられ、当該曲面の弧に沿って帯状に開口された排気口5が長手方向に亘り複数施されている。
ケース下部22は、曲面が下側を向く態様で用いられ、当該曲面の中心部を逆凹状に凹ませたレール部30が設けられている。
【0013】
レール部30は、レール幅を分煙ボード3の厚みとほぼ同じサイズにしており、これによって、ケース20を分煙ボード3の上部に嵌合させて取り付けることができるようにしている。
ケース下部22には、レール部30の両側に、曲面の弧に沿って帯状に開口された吸気口4が長手方向に亘り複数設けられている。
ケース20は、ケース下部22を図示しないネジなどの固定手段によりボード取付部110に固定することができ、また、ケース下部22のレール部30と分煙ボード3とを嵌合させた状態で上記固定手段により固定することができる。
また、図示は省略するが、レール部30のレール幅を一定の範囲で可変可能としつつ、分煙ボード3を嵌合させた状態で、バネなどの付勢力によって分煙ボード3を保持する固定手段を用いることもできる。
このようにすると、ケース20を、ネジなどを用いずに、分煙ボード3にそのまま固定することができる。
吸気部1は、このようにケース20を固定したり、固定手段を解くことによって容易に着脱することができる。
【0014】
以上のような本発明の第一実施形態に係る分煙装置によれば、分煙ボード3の上部に設けた吸気部1の軸流ファン50が、吸気口4の周辺に漂うタバコの煙を当該吸気口4から吸い込み、排気口5から上方へ排出することができる。
これにより、分煙ボード3の上部において、タバコの煙が分煙ボード3に沿って下方から上方へ向かう気流を生じさせることができる。
このため、分煙ボード3の上部近傍に滞留するタバコの煙も、吸気部1が吸い込んで上方へ排出させることができる。
したがって、本実施形態の分煙装置によれば、遊技者が喫煙したタバコの煙を分煙ボード3により隣の遊技者の遊技空間に流れにくくするだけでなく、分煙ボード3に遮られることで当該分煙ボード3の近傍に漂うタバコの煙を効率よく遊技空間の外部に排出させることができる。
このようにすると、例えば、遊技場の天井等、遊技機100の上方に換気手段を設けている場合は、吸気部1から排出されたタバコの煙を効率よく換気することができ、遊技場における快適な空気調和が可能となる。
【0015】
また、本実施形態の分煙装置は、吸気部1を分煙ボード3に着脱可能に取り付けることができるため、施工性及び保守性に優れた効果を奏する。
【0016】
さらに、本実施形態の分煙装置は、演出手段として機能させることもできる。
例えば、
図1に示すように、分煙ボード3のボード取付部110側の側部断面に複数のLED120(エッジライト)を設け、分煙ボード3を構成する透明板材の表面等に模様や情報を示す凹凸加工等を施す。
このようにすることで、LED120を発光させたときに、分煙ボード3内を伝播したLED光が加工部分で反射、拡散等し、模様等(
図1の「BIG」参照)が浮かび上がるように発光表示させることができる。
【0017】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る分煙装置について、
図4〜
図6を参照して説明する。
これらの図に示すように、本実施形態の分煙装置は、第一実施形態と同様に、隣り合う遊技機100の間に取付けた分煙ボード3と、この分煙ボード3の上部に、周辺の空気を吸い込んで上方に排出する吸気部1と、を設けている。
ただし、
図4〜
図6に示すように、本実施形態の分煙装置は、上記構成に加え、分煙ボード3の下部に、周辺の空気を吸い込んで上方に排出する送風部2を設けている。
このため、以下、送風部2の構成、並びに吸気部1及び送風部2を備えた本実施形態の分煙装置の特徴について説明する。
【0018】
送風部2は、分煙ボード3の下部に設けられた吸排気手段であり、吸気部1と同様、軸流ファン50と、この軸流ファン50を回転させるためのモーターを備えている。なお、本実施形態の送風部2は、軸流ファン50とモーターとが一体となったファンモーターを用いている(
図6参照)。
軸流ファン50は、
図6に示すように、筒状のケース20の内部に、駆動軸の後方が下方になるように取り付けられている。
これにより、軸流ファン50の回転によって、軸流ファン50の下方から吸い込んだ空気が軸流ファン50の上方に排出される。
【0019】
ケース20は、第一実施形態と同様、半筒状のケース上部21及びケース下部22と、半球状のケース端部23とによって、組立て及び分解可能に構成されている。
ケース下部22は、曲面が下側を向く態様で用いられ、当該曲面の弧に沿って帯状に開口された吸気口4が長手方向に亘って複数施されている。
ケース上部21は、曲面が上側を向く態様で用いられ、当該曲面の中心部を凹状に凹ませたレール部30を設けている。
レール部30は、レール幅を分煙ボード3の厚みとほぼ同じサイズにしており、これによって、ケース20を、分煙ボード3の下部に嵌合させて取り付けることができるようにしている。
ケース上部21には、レール部30の両側に、曲面の弧に沿って帯状に開口された吸気口4が長手方向に亘り複数施されている。
ケース20は、ケース上部21を図示しないネジなどの固定手段によりボード取付部110に固定することができ、また、ケース上部21のレール部30と分煙ボード3とを嵌合させた状態で上記固定手段により固定することができる。
また、図示は省略するが、レール部30のレール幅を一定の範囲で可変可能としつつ、分煙ボード3を嵌合させた状態で、バネなどの付勢力によって分煙ボード3を保持する固定手段を用いることもできる。
送風部2は、このようにケース20を固定したり、固定手段を解くことによって容易に着脱することができる。
【0020】
このように、吸気部1と送風部2とを備えた本実施形態の分煙装置は、以下のような動作を行う。
まず、分煙ボード3の下部に設けられた送風部2が、軸流ファン50の回転によって、分煙ボード3の近傍を含む吸気口4の周辺に漂うタバコの煙を当該吸気口4から吸い込み、排気口5から上方へ排出する。
これにより、分煙ボード3の下部において、タバコの煙が分煙ボード3に沿って下方から上方へ向かう第一の気流が生じる。
また、分煙ボード3の上部に設けられた吸気部1が、軸流ファン50の回転によって、吸気口4の周辺に漂うタバコの煙を吸い込み、排気口5から上方へ排出する。
これにより、分煙ボード3の上部において、タバコの煙が分煙ボード3に沿って下方から上方へ向かう第二の気流が生じる。
このようにすると、送風部2による第一の気流により上昇させたタバコの煙を、吸気部1による第二の気流に乗せて吸気部1まで上昇させることができる。
このため、吸気部1は、当該吸気部1の吸気口4の周辺に漂うタバコの煙を吸い込むだけでなく、送風部2が吸い込んだ当該送風部2の吸気口4の周辺に漂うタバコの煙を吸い込んで、これらを排気口5から排出させることができる。
したがって、本発明の第二実施形態に係る分煙装置によれば、遊技空間内に漂うタバコの煙を、より多く吸い込ませ、遊技空間外に排出させることができる。
【0021】
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態に係る分煙装置について、
図7〜
図9を参照して説明する。
これらの図に示すように、本実施形態の分煙装置は、第二実施形態と同様、隣り合う遊技機100の間に取付けた分煙ボード3の上部及び下部に、周辺の空気を吸い込んで上方に排出する吸気部1及び送風部2を設けている。
ただし、本実施形態の分煙装置は、吸気部1や送風部2の形状等が、前述した実施形態とは異なる。
このため、以下、送風部2及び吸気部1の構成について説明する。
【0022】
送風部2は、
図8や
図9に示すように、軸流ファン50と、この軸流ファン50を回転させるためのモーターとを備え、これらが、先細のケース20の内部に取り付けられている。
具体的には、モーターと軸流ファン50とが一体となったファンモーターが、軸方向の後方がボード取付部110側を向くように(軸方向の前方が遊技者側を向くように)して、ケース20の内部に取り付けられている。
【0023】
ケース20は、ボード取付部110に取り付けられるケース基部24と、先細のケース本体25を組み合わせて形成される。
送風部2のケース20は、上部中心部を凹状に凹ませたレール部30を設けている。
レール部30は、レール幅を分煙ボード3の厚みとほぼ同じサイズにしており、これによって、ケース20を、分煙ボード3の下部に嵌合させて取り付けることができるようにしている。
また、送風部2のケース本体25の上部には、レール部30の縁部に沿って複数の細幅のスリットが排気口5として施されている。
これにより、ケース20を、分煙ボード3の下部とレール部30とを嵌合させて取り付けたときに、排気口5が、分煙ボード3から厚み方向にややはみ出しつつ、当該分煙ボード3の表面及び裏面に沿う方向(上方)を向くようにしている。
また、送風部2のケース本体25には、側部に複数の円状の開口が吸気口4として施されている。
なお、ケース20は、ケース基部24を図示しないネジなどの固定手段によりボード取付部110に固定することができ、また、ケース本体25のレール部30と分煙ボード3とを嵌合させた状態で上記固定手段により固定することができる。
また、図示は省略するが、レール部30のレール幅を一定の範囲で可変可能としつつ、分煙ボード3を嵌合させた状態で、バネなどの付勢力によって分煙ボード3を保持する固定手段を用いることもできる。
送風部2は、このようにケース20を固定したり、固定手段を解くことによって容易に着脱することができる。
【0024】
吸気部1は、
図8や
図9に示すように、遠心ファン51と、この遠心ファン51を回転させるためのモーターとを備える。
遠心ファン51は、吸気方向と排気方向がほぼ直角の吸排気手段であり、本実施形態の吸気部1は、遠心ファン51とモーターが一体となったシロッコファンが用いられている。
遠心ファン51は、前述した送風部2のケース20とほぼ同じ形状のケース20の内部に取り付けられている。
具体的には、遠心ファン51を、吸気方向がケース本体25側を向き、排気方向が上方を向くようにして、ケース基部24に取り付けている。
【0025】
吸気部1のケース20のケース本体25には、下部に当たるレール部30の縁部に沿って複数の細幅のスリットが吸気口4として施されている。
これにより、ケース20を、分煙ボード3の上部とレール部30とを嵌合させて取り付けたときに、吸気口4が、分煙ボード3から厚み方向にややはみ出しつつ、当該分煙ボード3の表面及び裏面に沿う方向(下方)を向くようにしている。
なお、吸気部1のケース20は、送風部2のケース20と同様の固定方法により分煙ボード3に固定することができる。
ケース20の上部のボード取付部110側には、排気口5を設けている。具体的には、ケース基部24とケース本体25とを組み合わせることにより、ケース20の内部と連通した角筒状の排気口5が形成される。
このため、遠心ファン51を駆動させると、ケース20の内部において、ケース本体25からケース基部24へ向かって空気が流れる気流が生じ、この気流によって、吸気部1の吸気口4の周辺の空気が吸い込まれてケース20の内部に流入する。
ケース20の内部に流入した空気は、前記気流とともに、遠心ファン51まで運ばれ、排気口5から上方へ排出される。
【0026】
このような構成の分煙装置によれば、以下の動作が行われる。
まず、分煙ボード3の下部に設けられた送風部2が、軸流ファン50の回転によって、分煙ボード3の近傍を含む吸気口4の周辺に漂うタバコの煙を当該吸気口4から吸い込み、排気口5から上方へ排出する。
これにより、分煙ボード3の下部において、タバコの煙が分煙ボード3に沿って下方から上方へ向かう第一の気流が生じる。
また、分煙ボード3の上部に設けられた吸気部1が、遠心ファン51の回転によって、吸気口4の周辺に漂うタバコの煙を吸い込み、排気口5から上方へ排出する。
これにより、分煙ボード3の上部において、タバコの煙が分煙ボード3に沿って下方から上方へ向かう第二の気流が生じる。
このようにすると、送風部2による第一の気流により上昇させたタバコの煙を、吸気部1による第二の気流に乗せて吸気部1まで上昇させることができる。
このため、吸気部1は、当該吸気部1の吸気口4の周辺に漂うタバコの煙を吸い込むだけでなく、送風部2が吸い込んだ当該送風部2の吸気口4の周辺に漂うタバコの煙を吸い込んで、これらを排気口5から排出させることができる。
したがって、本発明の第三実施形態に係る分煙装置によれば、遊技空間内に漂うタバコの煙を、より多く吸い込ませ、遊技空間外に排出させることができる。
【0027】
また、本実施形態の分煙装置は、吸気部1及び送風部2の駆動機構をケース基部24に取付け、吸気部1の排気口5をケース基部24側に設けるようにしている。
つまり、分煙ボード3の根元近くに機構を集約させることで、遊技者側の部分を簡素化するようにしている。
これにより、本実施形態のようにケース20を細くしたり、又は、短くすることができ、吸気部1や送風部2が、遊技者にとって邪魔になりにくくすることができる。
【0028】
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態に係る分煙装置について、
図10〜
図12を参照して説明する。
これらの図に示すように、本実施形態の分煙装置は、第二実施形態と同様に、隣り合う遊技機100の間に取付けた分煙ボード3と、分煙ボード3の上部及び下部に、周辺の空気を吸い込んで上方に排出する吸気部1及び送風部2及びを設けている。また、吸気部1及び送風部2には、第二実施形態と同様に軸流ファン50が設けられている。
ただし、本実施形態の分煙装置は、分煙ボード3が2枚の板材32からなり、板材32と板材32の間に空間Gを有する点で、第二実施形態とは異なる。
このため、以下、分煙ボード3及びこの分煙ボード3を備えた分煙装置の特徴について説明する。
【0029】
図11,
図12に示すように、本実施形態の分煙ボード3は、互いに平行する2枚の板材32によって形成され、板材32と板材32が所定の間隔を空けて形成されることで空間Gを有する。
この分煙ボード3の上部には、ボード断面の形状に対応した吸気部1が取り付けられている。
吸気部1は、具体的には、ケース20の下部が凸状に突出しており、この突出した部分がボード断面と同幅で、かつ、長手方向に沿って複数の開口が設けられている。送風部2のケース20も同様の形状である。
【0030】
このような構成からなる本実施形態の分煙装置によれば、以下の動作が行われる。
まず、分煙ボード3の下部に設けられた送風部2が、軸流ファン50の回転によって、吸気口4の周辺に漂うタバコの煙を当該吸気口4から吸い込み、排気口5から上方へ排出する。
これにより、分煙ボード3の下部において、タバコの煙が空間G内を下方から上方へ向かう第一の気流が生じる。
また、分煙ボード3の上部に設けられた吸気部1が、軸流ファン50の回転によって、吸気口4からタバコの煙を吸い込み、排気口5から上方へ排出する。
これにより、分煙ボード3の上部において、タバコの煙が空間G内を下方から上方へ向かう第二の気流が生じる。
そうすると、空間G内において、送風部2による第一の気流と、吸気部1による第二の気流とが相乗し、空間G内の全体に亘って下方から上方へ向かう強い気流を生じさせることができる。
【0031】
ここで、
図10,
図11に示すように、分煙ボード3を形成する各板材に32には、それぞれ複数の円状の貫通孔31が施されている。
これにより、分煙ボード3の近傍に滞留するタバコの煙が上記気流に引き込まれて貫通孔31から吸い込まれ、上記気流とともに空間G内を上昇する。
そして、空間Gを上昇して吸気部1に到達したタバコの煙は、吸気口4から吸い込まれ、排気口5から上方へ排出される。
このため、本実施形態の分煙装置によれば、送風部2が吸い込んだタバコの煙だけでなく、分煙ボード3の近傍に滞留するタバコの煙を遊技空間外に排出することができる。
【0032】
また、本実施形態の分煙ボード3は、一方の板材32の貫通孔31と、他方の板材32の貫通孔31とが互いに重ならないように互い違いに配置している。
これにより、一方の板材32の貫通孔31から吸い込まれたタバコの煙が、空間Gをそのまま通過して、対向する他方の板材32の貫通孔31から漏れ出しにくく、タバコの煙を無駄なく排出させることができる。
なお、各板材32の貫通孔31を、このように互い違いに配置せず、一部又は全部が重なるようにすることもできる。
この場合でも、空間G内を上昇する気流によって、分煙ボード3の近傍に滞留するタバコの煙を貫通孔31から吸い込ませることができ、吸い込んだタバコの煙を上記気流とともに上昇させて吸気部1により排出させることができる。
【0033】
また、分煙ボード3は、互いに平行する3枚以上の板材32により形成することもできる。
例えば、3枚の板材32により形成された分煙ボード3によれば、一方の外側の板材32の貫通孔31から吸い込まれたタバコの煙が、当該一方の外側の板材32と中央の板材32との間の空間Gを上昇し、他方の外側の板材32の貫通孔31から吸い込まれたタバコの煙が、当該他方の外側の板材32と中央の板材32との間の空間Gを上昇し、これらが吸気部1により吸い込まれて上方へ排出される。
この場合、中央の板材32には、貫通孔31を施さないようにすることが好ましい。
このようにすると、一方の板材32の貫通孔31から吸い込まれたタバコの煙が中央の板材32を通過することがないため、他方の板材32の貫通孔31から漏れ出ることを防ぐことができる。
また、このようにすると、一方の板材32の貫通孔31と、他方の板材32の貫通孔31とを互い違いに配置せずとも、タバコの煙が貫通孔31から漏れ出ることを防ぐことができる。
【0034】
また、
図12に示すように、本実施形態の吸気部1は、円筒状のケース本体25とケース端部23により、組立て及び分解可能に構成される。送風部2も同様の構成である。
このため、本実施形態の分煙装置によれば、吸気部1及び送風部2を分煙ボード3に着脱可能に取り付けることができる。
【0035】
[第五実施形態]
次に、本発明の第五実施形態に係る分煙装置について、
図13〜
図15を参照して説明する。
本実施形態の分煙装置は、第三実施形態の特徴と第四実施形態の特徴とを組み合わせた分煙装置である。
【0036】
これらの図に示すように、本実施形態の分煙装置は、第四実施形態の特徴的な構成として、二枚の板材32により内部に空間Gを有する分煙ボード3を備えている。
また、本実施形態の分煙装置は、第三実施形態の特徴的な構成として、先細のケース20からなる吸気部1を備えている。
このような構成の分煙装置によれば、分煙ボード3の上部に設けた吸気部1が吸気口4から空気を吸い込み、分煙ボード3の内部の空間Gに下方から上方へ向かう気流を生じさせる。
これにより、分煙ボード3の近傍に滞留するタバコの煙が貫通孔31から吸い込まれて前記気流とともに上昇し、吸気部1の吸気口4から吸い込まれ、排気口5から上方へ排出される。
【0037】
また、本実施形態の分煙装置は、吸気部1の駆動機構や排気口5をボード取付部11側に集約し、遊技者側の構造を簡素化した先細のケース20を採用するようにしている。
これにより、吸気部1を、遊技者にとって邪魔になりにくくすることができる。
以上のように、本実施形態の分煙装置によれば、第四実施形態と第三実施形態のそれぞれの特徴的な構成を備えることで、それぞれの効果をともに奏することができる。
【0038】
なお、本実施形態の分煙装置は、第三実施形態と第四実施形態を組み合わせた例について説明したが、第一〜第四実施形態の構成を任意に組み合わせることができる。
例えば、吸気部1のみ(第一実施形態)又は吸気部1と送風部2を設ける(第二〜第四実施形態)構成、分煙ボード3が複数の板材32からなり空間Gを備える構成(第四実施形態)、駆動機構や排気口5をボード取付部110側に設ける構成(第三実施形態)のうち、いずれの構成をどのように組み合わせても本発明の分煙装置を構成することができる。
【0039】
[アタッチメント]
ところで、分煙ボード3は、
図1〜
図15に示すように、吸気部1や送風部2を水平な状態で取り付ける必要がため、上辺や下辺が水平な形状の板材32を用いて形成されている。
ただし、上辺や下辺が水平でない板材であっても、以下に説明するアタッチメントtを取り付けることで分煙ボード3として機能させることができる。
以下、このアタッチメントtについて説明する。
【0040】
アタッチメントtは、ゴムやプラスチック(樹脂)によって形成され、
図16(i)の正面図に示すように、正面の幅が吸気部1や送風部2のケース20の長さとほぼ同じサイズに形成されている。
また、
図16(i)の断面図に示すように、アタッチメントtは、上部にケース20のレール部30のレール幅と同じ幅の凸部を備え、下部に板材32の厚みとほぼ同じ幅で、かつ一定の深さを有する凹部を備える。
これにより、凸部は、吸気部1や送風部2のケース20と嵌合可能であり、凸部は、板材32を挟み込むようにして嵌合することができる。
【0041】
このため、例えば、
図16(ii)に示すように、上辺が斜行する板材32に対しても、アタッチメントtの凹部を面で嵌合させることができる。
すなわち、板材32の上部の広い領域(図中の斜線で示す部分)がアタッチメントtの凹部の内部面により保持される。
そして、アタッチメントtを、水平にした状態で、この領域をネジなどの固定手段により固定する。
そうすると、水平に固定されたアタッチメントtに対し、その上部の凸部にケース20を取り付けることができ、これにより、吸気部1や送風部2を水平な状態で安定的に固定することができる。
このように、アタッチメントtによれば、様々な形状の板材32を本発明の分煙装置の分煙ボード3に汎用的に用いることができる。
例えば、遊技場の既設の分煙ボードや既製品として流通している様々な形状の板材を、本発明の分煙装置の分煙ボード3に用いることができる。
【0042】
以上説明したように、本発明の遊技場用分煙装置によれば、隣り合う遊技機100の間に取付けられた板状の分煙ボード3と、この分煙ボード3の上部に、周辺の空気を吸い込んで所定の方向に排出する吸気部1と、を設けるようにしている。
これにより、遊技空間内に漂うタバコの煙を遊技空間外に効果的に排出させることができる。
このため、遊技者の喫煙によるタバコの煙に対する分煙効果を高めることができる。
【0043】
一方、特許文献1に開示されているような従来の分煙方法においては、単に隣り合う遊技機100の間にパーテーションを取り付けているだけであるため、分煙の効果を高めることができない問題があった。
【0044】
本発明の遊技場用分煙装置によれば、従来の分煙方法が改善すべきこのような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0045】
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る遊技場用分煙装置は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、
図17に示すように、遊技機100の上方に所定の送風装置を設け、中央から左右に流れる気流を発生させることができる。
このようにすると、遊技空間の中ほどに滞留するタバコの煙を吸気部1の周辺に流し、これを吸気部1によって吸い込ませて上方へ排出させることができる。
これにより、分煙効果をより一層高めることができる。
また、隣接する分煙ボード3と分煙ボード3との間をロールスクリーン等により仕切ることによって、遊技空間をより独立した空間にすることができる。
このようにすると、遊技者の後方が仕切られるため、遊技者の後方からのタバコの煙の流出を防ぐことができる。
また、上記送風装置と組み合わせることで、遊技空間の全体に対流を生じさせつつ、遊技空間全体に滞留するタバコの煙を吸気部1により直接、又は、送風部2を介して吸気部1により上方へ排出させることができる。
また、吸気部1や送風部2にLED120などの照明装置を備え、分煙ボード3に対し装飾光を照射する構成であってもよい。このようにすると、第一実施形態と同様に、遊技機100の遊技状態に応じてLED120の点灯制御を行う演出表示を行うことができる。
また、吸気部1や送風部2に、図示しない液晶ディスプレイや有機ELなどの表示手段を設け、遊技情報を表示させることもできる。