(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、図面は、説明をより明確にするために模式的に表されている。このため、実際の態様と各部の幅、厚さ、形状等が異なる場合があるが、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明を適宜省略する場合がある。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る薄膜トランジスタ10の一例を概略的に示す断面図である。薄膜トランジスタ10は、例えばn型のトップゲート型の薄膜トランジスタである。
【0010】
例えばガラス、樹脂等の絶縁材料からなる絶縁基板11上に、酸化物半導体層(以下、半導体層とも称す)12が形成されている。半導体層12は、ソース/ドレイン領域12a、12bと、ソース領域12aとドレイン領域12bとの間に設けられたチャネル領域12cとを含んでいる。
【0011】
半導体層12は、例えば酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)等の酸化物半導体により形成されている。尚、半導体層12を形成する材料は、例えばインジウム(In)、ガリウム(Ga)、スズ(Sn)の少なくとも1つを含んでいればよく、例えば酸化インジウムガリウム(IGO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛スズ(ZnSnO)、酸化亜鉛(ZnO)等の酸化物半導体でもよい。
【0012】
半導体層12のチャネル領域12c上には、例えば酸化シリコン(SiO)ゲート絶縁膜13が形成されている。ゲート絶縁膜13上には、ゲート電極14が形成されている。
【0013】
絶縁基板11上には、ソース領域/ドレイン領域12a、12b、ゲート絶縁膜13、ゲート電極14を覆う第1保護膜15が形成されている。第1保護膜15は、例えば酸化アルミニウム(Al
2O
3)等の金属酸化物からなる絶縁材料により形成されている。第1保護膜15は、酸化アルミニウムの他、例えば酸化チタン、酸化エルビウム等により形成されてもよい。第1保護膜15は、薄膜トランジスタ10のチャネル領域12cが、水分及び水素を接触されることを抑制する。第1保護膜15の厚さは、例えば5乃至30nmである。
【0014】
第1保護膜15上には、例えば酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)等のシリコンを含む絶縁材料からなる第2保護膜16が形成されている。第2保護膜16は、後述するように、ソース/ドレイン電極が埋め込まれるコンタクトホールが形成される際に、第3の保護膜17のエッチングストッパとして機能する。第2保護膜16の厚さは、例えば50乃至300nmである。尚、第2保護膜16の厚さは、エッチングストッパとして機能すれば、上記の数値に限定されず、適宜に変更することが可能である。
【0015】
第2保護膜16上には、第3保護膜17が形成されている。第3保護膜17は、例えば酸化アルミニウム(Al
2O
3)により形成されている。第3保護膜17は、酸化アルミニウムの他、例えば酸化チタン、酸化エルビウム等により形成されてもよい。第3保護膜17は、薄膜トランジスタ10のチャネル領域12cが、水分及び水素と接触されることを抑制する。第3保護膜17の厚さは、第1保護膜15より厚く、例えば30乃至100nmである。
【0016】
第3保護膜17上には、層間絶縁膜18が形成されている。層間絶縁膜18は、例えばポリイミド、アクリル等の有機絶縁材料からなる。
【0017】
第1保護膜乃至第3保護膜15乃至17内には、ソース/ドレイン領域12a、12bの少なくとも一部を露出するコンタクトホール20a、20bが形成されている。層間絶縁膜18内には、コンタクトホール20a、20bに対応して、これらコンタクトホール20a、20bの径よりも大きい径を有するコンタクトホール18a、18bが形成されている。層間絶縁膜18上に設けられたソース/ドレイン電極19a、19bは、コンタクトホール18a、18b、及び20a、20b内にも埋め込まれ、ソース/ドレイン領域12a、12bと接続されている。
【0018】
次に、
図2乃至3を参照して、薄膜トランジスタ10の製造方法について説明する。
【0019】
図2(A)に示すように、例えばスパッタ法を用いて、絶縁基板11上に例えばインジウム(In)、ガリウム(Ga)、スズ(Sn)の少なくとも1つを含む酸化物半導体層12dが形成される。次いで、リソグラフィ処理の後、エッチングにより島状の半導体層12が形成される。
【0020】
次いで、
図2(B)に示すように、絶縁基板11上に、例えば化学的気相成長法(CVD法)を用いて、半導体層12を覆うシリコン酸化膜13aが形成される。次いで、シリコン酸化膜13a上に、例えばスパッタ法を用いて、金属膜14aが形成される。金属膜14aは、例えばチタン、アルミニウム、及び窒化モリブデンの層構造により形成される。金属膜14aは、その他、アルミニウム(Al)の合金、銅(Cu)、銅(Cu)の合金等により形成されてもよい。
【0021】
次いで、
図2(C)に示すように、金属膜14a上に、半導体層12のほぼ中央と対応してパターニングされたレジスト膜R1が形成される。次いで、レジスト膜R1をマスクとして、例えばCl
2、BCl
3系のガスを用いたドライエッチング、リン酸−硝酸−塩酸系のエッチャントを用いたウェットエッチング処理が行われ、ゲート電極14が形成される。次いで、例えばCF
4/O
2、SF
6/O
2系のガスを用いたドライエッチングによりシリコン酸化膜13aがエッチングされ、ゲート絶縁膜13が形成される。
【0022】
このとき、ゲート電極14及びゲート絶縁膜13が形成されない領域では、半導体層12がオーバーエッチされる。半導体層12のうちオーバーエッチされた領域では、酸素欠損が生成され、低抵抗化されたソース/ドレイン領域12a、12bが形成される。また、半導体層12のうちオーバーエッチされない領域、すなわちゲート絶縁膜13に覆われた領域は、高抵抗が維持されたチャネル領域12cが形成される。
【0023】
次いで、
図3(A)に示すように、例えばスパッタ法を用いて、絶縁基板11上の全面に、例えば酸化アルミニウムからなる第1保護膜15が形成される。半導体層12のソース/ドレイン領域12a、12b、ゲート絶縁膜13の壁面(側面)、ゲート電極14は、第1保護膜15により覆われる。第1保護膜15の厚さは、例えば10nmである。ここで、前述ゲート絶縁膜13のドライエッチングの際のオーバーエッチにより低抵抗化されたソース/ドレイン領域12a、12bの抵抗は不安定であり、熱等により容易に抵抗変化が生じるが、第1保護膜15として酸化アルミニウムを成膜することにより、低抵抗状態を安定化させる効果を有する。
【0024】
次いで、
図3(B)に示すように、例えばCVD法を用いて、第1保護膜15上に、例えば酸化シリコンからなる第2保護膜16が形成される。第2保護膜16の厚さは、例えば100nmである。
【0025】
次いで、
図3(C)に示すように、例えばスパッタ法を用いて、第2保護膜16上に、例えば酸化アルミニウムからなる第3保護膜17が形成される。第3保護膜17は、第1保護膜15より厚い膜厚を有する。第3保護膜17の厚さは、例えば、50nmである。
【0026】
次いで、
図4(A)に示すように、第3保護膜17上に、レジスト膜R2が形成される。レジスト膜R2は、フォトリソグラフィ処理により、ソース/ドレイン領域12a、12bと対応して第3保護膜17を露出する開口部R2a、R2bを有している。
【0027】
次いで、
図4(B)に示すように、レジスト膜R2をマスクとして、例えばCl
2系のガスを用いたドライエッチングにより、第3保護膜17がエッチングされる。次いで、CF
4系のガスを用いたドライエッチングにより、第2保護膜16がエッチングされる。これにより、第3保護膜17及び第2保護膜16内に、第1保護膜15を露出するコンタクトホール20a、20bが形成される。
【0028】
次いで、
図5(A)に示すように、レジスト膜R2を除去した後、第3保護膜上に感光性を有する有機絶縁材料からなる層間絶縁膜18が形成される。次いで、リソグラフィ処理により、層間絶縁膜18内に、コンタクトホール20a、20bと対応して、コンタクトホール20a、20bの穴径よりも大きい穴径を有するコンタクトホール18a、18bが形成される。
【0029】
次いで、
図5(B)に示すように、例えばスパッタ法により、層間絶縁膜18上に、例えばモリブデン、アルミニウム、窒化モリブデンの積層構造からなる金属膜19cが形成され、コンタクトホール18a、18b、20a、20bが埋め込まれる。次いで、リソグラフィ処理の後、リン酸−硝酸−塩酸系のエッチャントを用いたウェットエッチングをすることにより、
図1に示すソースドレイン電極19a、19bが形成され、薄膜トランジスタ10が形成される。
【0030】
本実施形態によれば、半導体層12、ゲート絶縁膜13、及びゲート電極14は、第1乃至第3保護膜15、16、17により覆われ、しかも、第3保護膜17は、第1保護膜15より十分に厚い。このため、チャネル領域12cへ水分及び水素が侵入することを抑制することができる。また、仮に、第1保護膜15にクラック等の欠陥が生じた場合であっても、第3保護膜17が設けられていることにより、チャネル領域12cへの水分及び水素の侵入を抑制することができる。したがって、チャネル領域12cのキャリア密度変化を抑制でき、薄膜トランジスタの特性を安定化することができる。
【0031】
また第1、第3保護膜15、17は、例えば酸化アルミニウムにより形成され、第1保護膜15と第3保護膜17との間に設けられた第2保護膜16は、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン等のシリコンを含む絶縁材料により形成されている。このため、第2保護膜16上に第3保護膜17を形成する場合、第3保護膜17のステップカバレッジを向上することができる。しかも、第1保護膜15と第3保護膜17との間に設けられた第2保護膜16は、エッチングストッパとして機能するため、第2保護膜16上に形成される第3保護膜17の加工が容易になる。
【0033】
例えば、第1乃至第3保護膜15乃至17の3層構造ではなく、第1保護膜15のみの単層構造とし、且つ膜厚を厚く例えば50nm形成することにより、低抵抗化されたソース/ドレイン領域12a、12bの抵抗を安定化しつつ、チャネル領域12cのキャリア密度変化を抑制できる、とも考えられるが、一般的に酸化アルミニウムは安定な酸化物でありドライエッチングレートが低く、第1保護膜15の膜厚を厚くした場合、ドライエッチング時のオーバーエッチ時間が長くなってしまう。結果コンタクトホール20a、20b部、第1保護膜15の下層のソース/ドレイン領域12a、12bへのダメージが大きくなり、最悪の場合、前記ソース/ドレイン領域の膜が消失してしまい、トランジスタの特性不良が発生する。一方、本発明の3層構造では、第2保護膜16が、第3保護膜17をドライエッチングする際のエッチングストッパとして機能し得るため、第3保護膜17の膜厚を厚くすることが可能となる。
【0034】
結果、第1保護膜15を厚くする必要性がなく薄く形成することが可能となり、エッチングに要する時間を短くすることができる。したがって、第1保護膜15をエッチングする際、第1保護膜15の下層に設けられたソース/ドレイン領域12a、12bへのダメージを低減することが可能となる。
【0035】
さらに、酸化アルミニウムからなる第1保護膜15を半導体層12上に設けていることで、第2保護膜16が形成される際に例えばシラン(SiH
4)等の原料ガスに含まれる水素がチャネル領域12cへ拡散することを抑制することができる。一方、酸化アルミニウムからなる第1保護膜15が形成される際、原料ガスに水素は含まれないため、チャネル領域12cのキャリア密度は変化されにくい。したがって、半導体層12上に酸化アルミニウムからなる第1保護膜15を設けることにより、薄膜トランジスタの信頼性を向上することができる。
【0036】
また、第1保護膜15は、酸化アルミニウムをスパッタリングすることにより形成されている。例えばスパッタ法で成膜されたアルミニウムの膜を熱処理することによって形成された酸化アルミニウムを第1保護膜15として用いる場合、熱処理によるソース/ドレイン領域12a、12bの抵抗値の増加や、チャネル領域12cからの酸素引き抜きによるキャリア密度変化を生じる。一方、本実施形態の第1保護膜15は、第1保護膜15を成膜する際に熱を印加する必要がなく、且つ酸化物である酸化アルミニウムを成膜するため、チャネル領域12cからの酸素引き抜きを抑制することが可能である。
【0037】
したがって、本実施形態によれば、薄膜トランジスタの特性を安定化することができ、信頼性を向上するとともに、製造が容易となり、歩留りを向上することができる。
【0038】
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態に係る薄膜トランジスタ10aを概略的に示す断面図である。第2の実施形態は、バックゲート型の薄膜トランジスタを示す。
【0039】
ゲート電極14は、絶縁基板11上に形成されている。ゲート絶縁膜13は、ゲート電極14を覆うとともに、絶縁基板11上にも形成されている。半導体層12は、ゲート絶縁膜13上に形成されている。半導体層12上のゲート電極14と対応する領域、すなわちチャネル領域12c上には、例えば酸化シリコンからなるチャネル保護膜21が形成されている。
【0040】
第1乃至第3保護膜15乃至17は、半導体層12及びチャネル保護膜21上に形成されている。第2保護膜16は、第1保護膜15上に形成されている。第3保護膜17は、第2保護膜16上に形成されている。第1乃至第3保護膜15乃至17の材質及び膜厚は、第1の実施形態と同様である。その他の構成も、第1の実施形態と同様である。
【0041】
第2の実施形態によれば、第1保護膜15は、半導体層12及びチャネル保護膜21のみを覆っている。一方、トップゲート型の薄膜トランジスタの場合、第1保護膜15は、半導体層12、ゲート絶縁膜13、ゲート電極14を覆う。したがって、第1の実施形態と比較して、第1保護膜15が覆う段部の高さが小さいため、第1乃至第3保護膜15乃至17のステップカバレッジを向上できる。
【0042】
尚、上記第1、第2の実施形態では、薄膜トランジスタを構成する半導体層12の上方に、第1乃至第3保護膜15、16、17の3層の保護膜が形成されている場合を例として説明したが、保護膜は、少なくとも3層設けられていればよい。例えば、第3保護膜17上に第4保護膜が設けられていてもよく、第4保護膜上に第5保護膜が設けられていてもよい。第3保護膜17上にさらなる保護膜が設けられる場合、第2保護膜16を構成する材料は、上記の例に限定されない。すなわち、第3保護膜17上にさらなる保護膜が設けられる場合、第2保護膜16は、例えば酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化エルビウム等により形成されてもよい。
【0043】
(適用例)
図7は、第1、第2の実施形態に係る薄膜トランジスタ10、10aが適用される表示装置1の一例を概略的に示す回路図である。表示装置1は、例えば有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子を有するアクティブマトリクス型の表示装置である。尚、本実施形態は、有機EL表示装置を示しているが、表示装置1は、例えば液晶層を有する液晶表示装置等の他の表示装置であってもよい。
【0044】
表示装置1は、表示部2と、表示部2の周辺に設けられた駆動部を有している。駆動部は、第1走査線駆動回路3、第2走査線駆動回路4、データ線駆動回路5、制御回路6、電源回路7を含んでいる。第1走査線駆動回路3と第2走査線駆動回路4は、例えば表示部2の行方向両側近傍に配置され、データ線駆動回路5、制御回路6、電源回路7は、表示部2の列方向の片側近傍に配置されている。第1走査線駆動回路3、第2走査線駆動回路4、データ線駆動回路5は、少なくとも一部が、表示装置1を構成する図示せぬパネル上に形成される。
【0045】
表示部2は、行列状に配置された複数の画素PXにより構成されている。表示部には、これらの画素PXに対応して、行方向に配置された複数の第1走査線WL(WL1〜WLm)及び複数の第2走査線RL(RL1〜RLm)、行方向と交わる列方向に配置された複数のデータ線DL(DL1〜DLn)などが設けられている。ここで、m、nは正の整数である。
【0046】
第1、第2の実施形態に係る薄膜トランジスタ10、10aは、これら画素PXに含まれるスイッチング素子、及び駆動部に含まれる各種回路に適用される。
【0047】
各第1走査線WLは、表示部2の外部に延出され、第1走査線駆動回路3と電気的に接続されている。各第2走査線RLは、表示部2の外部に延出され、第2走査線駆動回路4と電気的に接続されている。各データ線DLは、表示部2の外部に延出され、データ線駆動回路5と電気的に接続されている。
【0048】
第1走査線駆動回路3は、各第1走査線WLに対して、書き込み走査信号WSを順次供給する。これにより、行方向に配置された複数の画素PXが順次選択される。
【0049】
第2走査線駆動回路4は、第1走査線駆動回路3により供給される書き込み走査信号WSと同期して、第2走査線RLに駆動走査信号AZを供給する。これにより、画素PXの発光動作及び消光動作が制御される。
【0050】
データ線駆動回路5は、データ線DLに対して、例えば信号電圧Vsigと、基準電圧Vofsとを選択的に供給する。信号電圧Vsigは、映像信号の輝度に応じた信号の電圧である。基準電圧Vofsは、信号電圧の基準となる電圧であり、例えば黒レベルを示す信号の電圧に相当する。基準電圧Vofsは、後述する有機EL素子を駆動する駆動トランジスタの閾値電圧のばらつきを補正するためにも用いられる。
【0051】
制御回路6は、外部信号源から供給される外部信号に基づいて、表示部2に画像を表示するために必要な各種信号を生成する。制御回路6は、生成した各種信号を、第1走査線駆動回路3、第2走査線駆動回路4、データ線駆動回路5にそれぞれ出力するとともに、第1走査線駆動回路3、第2走査線駆動回路4、データ線駆動回路5が互いに同期して動作するように制御する。
【0052】
図8は、画素PXの一例を概略的に示す回路図である。
【0053】
画素PXは、書き込みトランジスタTr1、駆動トランジスタTr2、リセットトランジスタTr3、容量素子Cs、発光素子ELを備えている。書き込みトランジスタTr1、駆動トランジスタTr2、リセットトランジスタTr3は、第1、第2の実施形態に係る薄膜トランジスタ10、10aである。
【0054】
書き込みトランジスタTr1は、ゲート電極が第1走査線WLに接続され、ソース/ドレイン電極の一方がデータ線DLに接続され、他方が容量素子Csの第1の電極と駆動トランジスタTr2のゲート電極とに接続されている。
【0055】
駆動トランジスタTr2のソース/ドレイン電極の一方は、電源電圧Vccが供給される配線に接続され、他方は、発光素子ELのアノード電極、容量素子Csの第2の電極、及びリセットトランジスタTr3のソース/ドレイン電極の一方に接続されている。発光素子ELのカソード電極には、カソード電圧Vcathが供給されている。
【0056】
リセットトランジスタTr3のゲート電極は、第2走査線RLに接続され、ソース/ドレイン電極の他方は、固定電圧Viniが供給される配線に接続されている。
【0057】
上記構成の画素PXにおいて、書き込みトランジスタTr1は、第1走査線WLに書き込み走査信号WSが供給された場合、導通状態となる。導通状態において、書き込みトランジスタTr1は、データ線DLを介して供給される信号電圧Vsigまたは基準電圧Vofsを、駆動トランジスタTr2のゲート電極に供給する。容量素子Csは、信号電圧Vsigまたは基準電圧Vofsを保持する。駆動トランジスタTr2は、容量素子Csに保持された電圧が閾値電圧を超えると導通し、容量素子Csに保持された電圧に基づく電流を発光素子ELに供給する。発光素子ELは、駆動トランジスタTr2から供給される電流に対応した輝度で発光する。
【0058】
リセットトランジスタTr3は、第2走査線RLに駆動走査信号AZが供給された場合、導通状態となる。導通状態において、リセットトランジスタTr3は、固定電圧Viniを、駆動トランジスタTr2のソース電極及び発光素子ELのアノード電極に供給し、これらの電極の電圧を固定電圧Viniにリセット(初期化)する。ここで、発光素子ELの閾値電圧をVthとした場合、閾値電圧Vthとカソード電圧Vcath、及び固定電圧Viniの関係は、次式で表される。
【0059】
Vini<Vth+Vcath
上記構成の表示装置1に第1、第2の実施形態に係る薄膜トランジスタ10、10aを適用することにより、表示装置の特性が安定化され、信頼性が向上され、歩留りが向上される。
【0060】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。