特許第6539980号(P6539980)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6539980面発光型半導体レーザ素子および面発光型半導体レーザ素子の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6539980
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】面発光型半導体レーザ素子および面発光型半導体レーザ素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/183 20060101AFI20190628BHJP
   H01S 5/42 20060101ALI20190628BHJP
【FI】
   H01S5/183
   H01S5/42
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-215421(P2014-215421)
(22)【出願日】2014年10月22日
(65)【公開番号】特開2016-82199(P2016-82199A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年9月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】早川 純一朗
(72)【発明者】
【氏名】粂井 正也
(72)【発明者】
【氏名】村上 朱実
(72)【発明者】
【氏名】近藤 崇
(72)【発明者】
【氏名】武田 一隆
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 淳
【審査官】 皆藤 彰吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−173513(JP,A)
【文献】 特開2009−054855(JP,A)
【文献】 特開2010−267946(JP,A)
【文献】 特開2011−114155(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0231682(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00−5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
個片化された基板と、
前記基板上に形成された第1導電型の第1の半導体多層膜、活性領域、および前記第1の半導体多層膜とともに共振器を構成する第2導電型の第2の半導体多層膜を含む半導体層と、
前記半導体層に設けられた第1の溝によってメサ状に形成された発光部と、
前記基板の外周と前記第1の溝との間を通り、前記外周の全周に沿って形成された第2の溝と、
前記第2の溝の表面に形成された酸化防止部と、
を備えた面発光型半導体レーザ素子。
【請求項2】
前記酸化防止部は、前記第2の溝の内部に形成された絶縁膜である
請求項1に記載の面発光型半導体レーザ素子。
【請求項3】
前記絶縁膜は前記発光部の側面から前記外周まで形成された絶縁膜の一部である
請求項2に記載の面発光型半導体レーザ素子。
【請求項4】
前記絶縁膜の少なくとも一部が前記発光部と前記第2の溝との間で切断されている
請求項3に記載の面発光型半導体レーザ素子。
【請求項5】
前記発光部と前記第2の溝との間に配置されるとともに、前記発光部と接続された電極パッドをさらに備えた
請求項3または請求項4に記載の面発光型半導体レーザ素子。
【請求項6】
前記酸化防止部は、前記第2の溝の内部に形成された金属膜、酸化膜、半導体層、およびイオン注入領域のいずれか1つである
請求項1に記載の面発光型半導体レーザ素子。
【請求項7】
前記第2の溝が前記基板まで到達している
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の面発光型半導体レーザ素子。
【請求項8】
個片化された基板と、
前記基板上に形成された第1導電型の第1の半導体多層膜、活性領域、および前記第1の半導体多層膜とともに共振器を構成する第2導電型の第2の半導体多層膜を含む半導体層と、
前記半導体層に設けられた第1の溝によってメサ状に形成された発光部と、
前記基板の外周と前記第1の溝との間に形成された第2の溝と、
前記第2の溝の表面に形成された酸化防止部と、を備え、
前記酸化防止部は、前記第2の溝の内部に形成された絶縁膜であり、前記絶縁膜の少なくとも一部が前記発光部と前記第2の溝との間で切断されている
面発光型半導体レーザ素子。
【請求項9】
個片化された基板と、
前記基板上に形成された第1導電型の第1の半導体多層膜、活性領域、および前記第1の半導体多層膜とともに共振器を構成する第2導電型の第2の半導体多層膜を含む半導体層と、
前記半導体層に設けられた発光部と、
前記発光部と接続された電極パッドと、
前記基板の外周と前記電極パッドとの間を通り、前記外周の全周に沿って形成された溝と、
前記溝の表面に形成された酸化防止部と、
を備えた面発光型半導体レーザ素子。
【請求項10】
基板上に形成された第1導電型の第1の半導体多層膜、活性領域、および前記第1の半導体多層膜とともに共振器を構成する第2導電型の第2の半導体多層膜を含む半導体層に、第1の溝によってメサ状の発光部を形成する工程と、
前記基板の分割予定領域と前記第1の溝との間を通り、前記分割予定領域の全周に沿って第2の溝を形成する工程と、
前記第2の溝により露出した表面に酸化防止処理を施す工程と、
を含む面発光型半導体レーザ素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面発光型半導体レーザ素子および面発光型半導体レーザ素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、半導体基板の表面上に、異なる屈折率の半導体膜を交互に積層することにより形成される下部反射鏡と、半導体膜からなる活性層と、半導体膜からなる電流狭窄層と、異なる屈折率の半導体膜を交互に積層することにより形成される上部反射鏡とをエピタキシャル成長により形成する半導体層形成工程と、半導体層形成工程により形成された半導体膜の一部をエッチングすることにより、メサ構造を形成するメサ構造形成工程と、半導体層形成工程により形成された半導体膜を半導体基板の表面までエッチングすることにより素子分離溝を形成する素子分離溝形成工程と、素子分離溝の壁面に、絶縁体からなる絶縁体保護膜を形成する絶縁体保護膜形成工程と、絶縁体保護膜上に金属材料からなる金属保護膜を形成する金属膜形成工程と、を有することを特徴とする面発光型レーザの製造方法が開示されている。
【0003】
特許文献2には、基板上に、少なくとも第1導電型の第1の半導体多層膜、活性領域、第1の半導体多層膜とともに共振器を構成する第2導電型の第2の半導体多層膜、及びコンタクト層を含む半導体層が積層され、レーザ光を出射する発光部とパッド形成領域とが半導体層に形成された溝によって分離された面発光型半導体レーザ装置であって、パッド形成領域の外縁に、半導体層をエッチングし基板に至る深さを有する外周溝が形成され、外周溝によって露出されたパッド形成領域の側面およびパッド形成領域の表面が絶縁膜によって覆われ、絶縁膜は、外周溝の底面において基板を露出させるようにパターニングされている、面発光型半導体レーザ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−114227号公報
【特許文献2】特許第4946041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、個片化された面発光型半導体レーザ素子の側面に酸化防止構造を設けなくとも、半導体層側面からの酸化の進行が阻止される面発光型半導体レーザ素子および面発光型半導体レーザ素子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の面発光型半導体レーザ素子は、個片化された基板と、前記基板上に形成された第1導電型の第1の半導体多層膜、活性領域、および前記第1の半導体多層膜とともに共振器を構成する第2導電型の第2の半導体多層膜を含む半導体層と、前記半導体層に設けられた第1の溝によってメサ状に形成された発光部と、前記基板の外周と前記第1の溝との間を通り、前記外周の全周に沿って形成された第2の溝と、前記第2の溝の表面に形成された酸化防止部と、を備えたものである。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記酸化防止部は、前記第2の溝の内部に形成された絶縁膜であるものである。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記絶縁膜は前記発光部の側面から前記外周まで形成された絶縁膜の一部であるものである。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記絶縁膜の少なくとも一部が前記発光部と前記第2の溝との間で切断されているものである。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載の発明において、前記発光部と前記第2の溝との間に配置されるとともに、前記発部と接続された電極パッドをさらに備えたものである。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記酸化防止部は、前記第2の溝の内部に形成された金属膜、酸化膜、半導体層、およびイオン注入領域のいずれか1つであるものである。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の発明において、前記第2の溝が前記基板まで到達しているものである。
【0013】
上記の目的を達成するために、請求項8に記載の面発光型半導体レーザ素子は、個片化された基板と、前記基板上に形成された第1導電型の第1の半導体多層膜、活性領域、および前記第1の半導体多層膜とともに共振器を構成する第2導電型の第2の半導体多層膜を含む半導体層と、前記半導体層に設けられた第1の溝によってメサ状に形成された発光部と、前記基板の外周と前記第1の溝との間に形成された第2の溝と、前記第2の溝の表面に形成された酸化防止部と、を備え、前記酸化防止部は、前記第2の溝の内部に形成された絶縁膜であり、前記絶縁膜の少なくとも一部が前記発光部と前記第2の溝との間で切断されているものである。
【0014】
上記の目的を達成するために、請求項9に記載の面発光型半導体レーザ素子は、個片化された基板と、前記基板上に形成された第1導電型の第1の半導体多層膜、活性領域、および前記第1の半導体多層膜とともに共振器を構成する第2導電型の第2の半導体多層膜を含む半導体層と、前記半導体層に設けられた発光部と、前記発光部と接続された電極パッドと、前記基板の外周と前記電極パッドとの間を通り、前記外周の全周に沿って形成された溝と、前記溝の表面に形成された酸化防止部と、を備えたものである。
また、上記の目的を達成するために、請求項10に記載の面発光型半導体レーザ装置の製造方法は、基板上に形成された第1導電型の第1の半導体多層膜、活性領域、および前記第1の半導体多層膜とともに共振器を構成する第2導電型の第2の半導体多層膜を含む半導体層に、第1の溝によってメサ状の発光部を形成する工程と、前記基板の分割予定領域と前記第1の溝との間を通り、前記分割予定領域の全周に沿って第2の溝を形成する工程と、前記第2の溝により露出した表面に酸化防止処理を施す工程と、を含むものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1、請求項9および請求項10に記載の発明によれば、面発光型半導体レーザ素子および面発光型半導体レーザ素子の製造方法において、面発光型半導体レーザ素子の側面に酸化防止構造を設けなくとも、側面からの半導体層の酸化の進行が阻止される、という効果が得られる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、絶縁膜以外の手段で酸化防止処理を施す場合と比較して、酸化防止処理がより簡易に施される、という効果が得られる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、発光部の側面から外周まで形成された絶縁膜の一部以外に酸化防止のための絶縁膜を設ける場合と比較して、絶縁膜が兼用化され、製造工程の煩雑化が回避される、という効果が得られる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、絶縁膜が発光部と酸化防止構造との間で連続している場合と比較して、半導体層の側面が酸化されることによる障害が、発光部等に波及することがさらに抑制される、という効果が得られる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、電極パッドが発光部と溝との間以外に配置される場合と比較して、電極の取出しがより容易になる、という効果が得られる。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、酸化防止部が絶縁膜の場合と比較して、酸化防止処理の方法が、多様な方法の中から対象とする面発光型半導体レーザ素子に合わせて選択される、という効果が得られる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、溝が基板まで到達させないで形成されたものである場合と比較して、より確実に発光部等の酸化が防止される、という効果が得られる。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、溝が外周の一部に沿って形成された場合と比較して、より確実に発光部等の酸化が防止される、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1実施の形態に係る面発光型半導体レーザ素子の構成の一例を示す縦断面図である。
図2】第1の実施の形態に係る面発光型半導体レーザ素子の酸化防止構造とダイシング領域との関係を説明する図である。
図3】第1の実施の形態に係る面発光型半導体レーザアレイのウエハを示す平面図である。
図4】実施の形態に係る面発光型半導体レーザ素子の製造方法の一例を示す縦断面図の一部である。
図5】実施の形態に係る面発光型半導体レーザ素子の製造方法の一例を示す縦断面図の一部である。
図6】実施の形態に係る面発光型半導体レーザ素子の製造方法の一例を示す縦断面図の一部である。
図7】実施の形態に係る面発光型半導体レーザ素子の製造方法の一例を示す縦断面図の一部である。
図8】第2の実施の形態に係る面発光型半導体レーザ素子の構成の一例を示す縦断面図である。
図9】従来技術に係る面発光型半導体レーザ素子の構成を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【0025】
[第1の実施の形態]
図1は、本実施の形態に係る面発光型半導体レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)素子10の構成の一例を示す縦断面図である。なお、本実施の形態では、n型GaAs基板を用いたGaAs系の面発光型半導体レーザ素子を例示して説明するが、これに限られず、InGaAsP系や、AlGaInP系、InGaN/GaN系材料等を用いた面発光型半導体レーザ素子に適用した形態としてもよい。また、基板はn型に限られず、p型を用いてもよい。その場合には、以下の説明において、n型とp型を逆に読み替えればよい。
【0026】
図1に示すように、本実施の形態に係るVCSEL素子10は、ポストP、パッド形成領域PA、酸化防止構造60、および酸化犠牲領域62を含んで構成されている。ポストPはメサ状に形成された発光部であり、パッド形成領域PAは電極パッド42を形成するための領域である。また、酸化防止構造60は、VCSEL素子10の側面および内部が酸化されることを防止するための構造である。酸化犠牲領域62は側面の酸化を許容するとともに、酸化防止構造60と協働して該酸化がVCSEL素子10の内部に進行するのを阻止するための層である。
【0027】
図1に示すように、VCSEL素子10のポストP、パッド形成領域PA、および酸化犠牲領域62は、共通に形成された各半導体層を有している。すなわち、VCSEL素子10は、n型GaAs基板12上に形成されたn型GaAsバッファ層14、下部DBR(Distributed Bragg Reflector)16、活性領域24、AlAs層32、上部DBR26、およびP型GaAsコンタクト層28含んで構成されている。下部DBR16と活性領域24との界面、および上部DBR26と活性領域24との界面によって共振器が構成されている。
【0028】
メサ構造を含む半導体層の周囲は絶縁膜としてのシリコン酸窒化膜(SiON膜)34が着膜されており、該シリコン酸窒化膜34を介してP型電極36が設けられている。P型電極36はP型GaAsコンタクト層28に接続され、P型GaAsコンタクト層28との間でオーミック性接触を形成している。P型電極36は、たとえば、Ti(チタン)/Au(金)の積層膜を着膜して形成される。なお、シリコン酸窒化膜は絶縁膜の材料の一例であり、他の材料、たとえばシリコン窒化膜(SiN)等を用いてもよい。
【0029】
一方、n型GaAs基板12の上記半導体層が形成された面とは反対側の面には、n型電極30が設けられている。n型電極30は、一例として、AuGe(金とゲルマニウムとの合金)/Auの積層膜を着膜して形成される。
【0030】
また、パッド形成領域PAおよび酸化犠牲領域62におけるP型GaAsコンタクト層28とシリコン酸窒化膜34との間には、シリコン窒化膜40が設けられている。さらに、P型GaAsコンタクト層28上には、光の出射面を保護する出射保護膜38が設けられている。
【0031】
本実施の形態に係るn型GaAs基板12には、一例としてSi(シリコン)がドープされたGaAs基板を用いている。
【0032】
n型GaAs基板12上に形成された、一例としてSiがドープされたGaAsによって構成されるn型GaAsバッファ層14は、サーマルクリーニング後、基板表面の結晶性を良好にするために設けられる。
【0033】
n型GaAsバッファ層14上に形成されたn型の下部DBR16は、VCSEL素子10の発振波長をλ、媒質(半導体層)の屈折率をnとした場合に、膜厚がそれぞれ0.25λ/nとされかつ屈折率の互いに異なる2つの半導体層を交互に繰り返し積層して構成される多層膜反射鏡である。具体的には、下部DBR16は、SiがドープされたAl0.9Ga0.1Asによるn型の低屈折率層と、SiがドープされたAl0.3Ga0.7Asによるn型の高屈折率層と、を交互に繰り返し積層することにより構成されている。なお、本実施の形態に係る面発光型半導体レーザ素子10では、発振波長λを、一例として780nmとしている。
【0034】
本実施の形態に係る活性領域24は、下部スペーサ層、量子井戸活性層、および上部スペーサ層を、n型GaAs基板12側からこの順に積層して構成されている。本実施の形態に係る量子井戸活性層は、4層のAl0.3Ga0.7Asからなる障壁層と、その間に設けられた3層のAl0.11Ga0.89Asからなる量子井戸層と、で構成されている。下部スペーサ層、上部スペーサ層は、各々量子井戸活性層と下部DBR16、上部DBR26との間に配置されることにより、共振器の長さを調整する機能とともに、キャリアを閉じ込めるためのクラッド層としての機能も有している。
【0035】
活性領域24上に設けられたp型のAlAs層32は電流狭窄層であり、電流注入領域32aおよび選択酸化領域32bを含んで構成されている。p型電極36からn型電極30に向かって流れる電流は、電流注入領域32aによって絞られる。
【0036】
AlAs層32上に形成された上部DBR26は、膜厚がそれぞれ0.25λ/nとされかつ屈折率の互いに異なる2つの半導体層を交互に繰り返し積層して構成される多層膜反射鏡である。具体的には、上部DBR26は、C(カーボン)がドープされたAl0.9Ga0.1Asによるp型の低屈折率層と、CがドープされたAl0.3Ga0.7Asによるp型の高屈折率層と、を交互に繰り返し積層することにより構成されている。
【0037】
ところで、上記のようなVCSEL素子は、基板に垂直な方向にレーザ出力を取り出せ、さらに2次元集積によるアレイ化が容易であることなどから、光通信用光源や、電子機器用の光源、たとえば電子写真システムの書き込み用光源や、インクの乾燥用光源、あるいは機械加工用光源として利用されている。
【0038】
VCSEL素子は、半導体基板(n型GaAs基板12)上に設けられた一対の分布ブラッグ反射器(下部DBR16および上部DBR26)、一対の分布ブラッグ反射器の間に設けられた活性層(量子井戸活性層)、および共振器スペーサ層(下部スペーサ層および上部スペーサ層)を備えて構成されている。そして、分布ブラッグ反射器の両側に設けられた電極(p型電極36およびn型電極30)により活性層へ電流を注入し、基板面に対して垂直にレーザ発振を生じさせ、素子の上部(p型GaAsコンタクト層28の面側)から発振した光を出射させる構成となっている。
【0039】
また、低閾値電流化と、横モードの制御からAlを組成に含む半導体層を酸化して形成される酸化狭窄層(AlAs層32)を備えている。この酸化狭窄層は、エピタキシャル成長(以下、「エピ成長」という場合がある)した半導体層をメサ状にエッチング加工してポストPを形成し、該ポストPの側面に対して意図的な酸化処理を行うことで形成される。
【0040】
上記のように形成されたVCSEL素子をダイシングにより分離し個片化すると、半導体層の側面が露出し、そのままの状態では外気に曝されることになる。そのため、露出した半導層体側面から意図しない酸化が進行し、半導体層の経時劣化が生じて、絶縁膜の膜剥がれや金属配線の断線が発生する場合がある。この現象は、高温、高湿下において特に顕著に発生する。
【0041】
図9は、上記現象について、従来技術に係るVCSEL素子100を例示して説明するための図である。VCSEL素子100は、本実施の形態に係るVCSEL素子10における酸化防止構造60、酸化犠牲領域62を有していない。その他の構成はVCSEL素子10と同様であるので、同様の構成には同じ符号を付している。
【0042】
図9に示すように、VCSEL素子100では、ポストPに直接繋がっている層に意図しない酸化領域OXが形成されている。図9では、下部DBR16が酸化された場合を例示しているが、当該酸化は下部DBR16のみならず、他の半導体層、たとえば上部DBR26あるいは活性領域24等でも発生し得る。
【0043】
上記のような現象に対応するため、ダイシング領域(分割予定領域)に溝を形成し、溝により露出した表面を絶縁膜で覆う酸化防止構造が知られている。この酸化防止構造では、酸化防止構造を形成した後、該溝に沿ってダイシングする。そのためこの酸化防止構造では、ダイシングのための溝の幅よりも酸化防止構造の溝の幅を広く形成する必要がある。その結果、酸化防止構造の溝を形成するためのエッチングの長時間化、該長時間のエッチングに伴うレジストの厚さの増加、酸化防止構造の溝を形成した後のフォトリソ工程における広い幅の酸化防止構造の溝に溜まったレジストの除去の困難化等の、製造工程における煩雑化が発生する。
【0044】
そこで、本発明では、ダイシング領域の内側に溝を形成し、該溝の表面に酸化防止処理を施す酸化防止構造を採用した。つまり、図1に示すように、本実施の形態に係る酸化防止構造60は、ダイシング後の端面である端面ESに沿い、かつ端面ESよりも内側に形成されている。そして、酸化防止構造60は、一例として、半導体層の表面からn型GaAs基板12に達する酸化防止溝T2、および該酸化防止溝T2内に形成されたシリコン酸窒化膜34を含んで構成されている。なお、本実施の形態に係る酸化防止溝T2は、ポストPおよびパッド形成領域PAを含むVCSEL素子10を取り囲んで形成された外周溝となっている。
【0045】
このため、VCSEL素子10の半導体層の主として側面は、シリコン酸窒化膜34によって保護され、半導体層の酸化が抑制される。また、酸化防止構造60によれば、ダイシング領域とは無関係に酸化防止構造60の酸化防止溝T2を形成することができるので、VCSEL素子10の製造工程における煩雑化が抑制される。
【0046】
図2を参照して、本実施の形態に係るVCSEL素子10の作用について、より詳細に説明する。図2は、ウエハ状態での製造工程が完了し、ダイシングした直後の状態のVCSEL素子10を、隣接するVCSEL素子10’ともに示した図であり、図2(a)はその縦断面図、図2(b)は平面図を示している。
【0047】
図2に示すように、VCSEL素子10の酸化防止構造60は、ダイシング領域70に沿い、かつダイシング領域70より内側に設けられている。そして、酸化防止構造の溝幅Waはダイシング領域幅Wdよりも細く形成されている。ここで、酸化防止構造の溝幅Waは一例として約10μm、ダイシング領域幅Wdは一例として30〜50μmである。
また、酸化犠牲領域62の幅は、一例として5〜10μmである。
【0048】
図2(a)では、VCSEL素子10の下部DBR16が酸化され、酸化領域OXが形成されている。このように、ダイシング後の端面ESは酸化される可能性がある。しかしながら、端面ESが酸化されても、VCSEL素子10のポストP、あるいはパッド形成領域PAはシリコン酸窒化膜34で保護されているため、酸化領域OXがポストP、あるいはパッド形成領域PAまで進行することが抑制される。つまり、VCSEL素子10における酸化は酸化犠牲領域62で食い止められ、特に発光部であるポストPまで到達することが抑制される。
【0049】
図3は、後述するVCSEL素子の製造工程が完了た後のウエハWAFの平面図を示している。図3は、本実施の形態に係るVCSEL素子10をアレイ状に配置したVCSELアレイ10aの形態を例示して示している。
【0050】
VCSELアレイ10aは、アレイ状に配置されたVCSEL素子10、パッド形成領域PAに設けられ、各々のVCSEL素子10と配線44によって接続された電極パッド42aを含んで構成されている。なお、図3では、4×8=32個のVCSEL素子10を配置した形態を例示しているが、これに限られず、VCSEL素子10の数は用途等に応じて必要な数だけ配置してよい。また、各VCSEL素子10には、配線44によって電極パッド42aが各々接続されるが、図3では、そのうちの1つのVCSEL素子10と配線44により接続された電極パッド42aを示している。
【0051】
図3に示すように、ウエハWAF上の各VCSELアレイ10aは、ダイシング領域(分割予定領域)70によって区切られ、ダイシング領域70の両側には、酸化犠牲領域62および酸化防止構造60が配置されている。なお、図3では、酸化防止構造60が、ダイシング領域70に沿う矩形の4辺の方向に設けられた形態を例示しているが、これに限られず、VCSEL素子10の構造等を考慮し、ダイシング領域70に沿う矩形の少なくとも1辺の方向に設ければよい。
【0052】
つぎに、図4ないし図8を参照して、本実施の形態に係る面発光型半導体レーザ素子10の製造方法の一例について説明するが、図4ないし図8はエピ成長後のウエハWAFに対する製造工程なので、まず、図3(a)に示すエピ成長完了までのウエハWAFの製造方法について説明する。
【0053】
図4(a)に示すように、まず、有機金属気相成長(MOCVD)法等により、n型GaAs基板12上に、キャリア濃度約2×1018cm−3、膜厚500nm程度のn型GaAsバッファ層14を積層する。
【0054】
つぎに、n型GaAsバッファ層14上に、各々の膜厚が媒質内波長λ/nの1/4とされた、Al0.3Ga0.7As層とAl0.9Ga0.1As層とを交互に37.5周期積層してn型の下部DBR16を形成する。この際、Al0.3Ga0.7As層のキャリア濃度およびAl0.9Ga0.1As層のキャリア濃度は、各々約2×1018cm−3とし、下部DBR16の総膜厚は約4μmとする。
【0055】
つぎに、下部DBR16上に、ノンドープのAl0.6Ga0.4As層による下部スぺーサ層と、ノンドープの量子井戸活性層と、ノンドープのAl0.6Ga0.4As層による上部スぺーサ層と、で構成される活性領域24を形成する。量子井戸活性層は、Al0.3Ga0.7As層による4層の障壁層、および各障壁層の間に設けられたAl0.111Ga0.89Asによる3層の量子井戸層で構成されている。この際、Al0.3Ga0.7Asによる障壁層の膜厚は各々約5nmとし、Al0.111Ga0.89Asによる量子井戸層の膜厚は各々約9nmとし、活性領域24全体の膜厚は媒質内波長λ/nとする。
【0056】
つぎに、上部スペーサ層上にp型のAlAs層32を形成し、AlAs層32上に、各々の膜厚が媒質内波長λ/nの1/4とされた、Al0.3Ga0.7As層とAl0.9Ga0.1As層とを交互に25周期積層してp型の上部DBR26を形成する。この際、Al0.3Ga0.7As層のキャリア濃度およびAl0.9Ga0.1As層のキャリア濃度は、各々約2×1018cm−3とし、上部DBR26の総膜厚は約3μmとする。上部DBR26上には、キャリア濃度が約1×1019cm−3で、膜厚が10nm程度のp型GaAsコンタクト層28を形成する。
【0057】
本製造方法においては、原料には、一例として、トリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム、アルシンを用い、ドーパントには、一例として、n型用にジシラン、p型用にカーボンテトラブロマイドを用いる。また、成長時の基板温度は700℃程度とし、減圧下で、原料を順次変化させ、連続して成長を行う。なお、下部DBRおよび上部DBRの電気抵抗を下げるために、下部DBRの中および上部DBRの中の層界面に、Al組成を段階的に変化させた膜厚が20nm程度の組成傾斜領域を設ける場合もある。
【0058】
つぎに、エピ成長以降の本実施の形態に係るVCSEL素子10の製造方法について説明する。
【0059】
まず、エピ成長の完了したウエハWAFのP型GaAsコンタクト層28上に電極材料を成膜した後、該材料をたとえばフォトリソグラフィによるマスクを用いてエッチングし、図4(b)に示すように、P型電極36を取り出すためのコンタクトメタル(CM)を形成する。コンタクトメタルCMは、一例として、Ti(チタン)/Au(金)の積層膜を用いて形成される。
【0060】
つぎに、ウエハWAF面上に出射保護膜となる材料を成膜した後、該材料をたとえばフォトリソグラフィによるマスクを用いてエッチングし、図4(c)に示すように、出射保護膜38を形成する。出射保護膜の材料としては、一例として、SiN膜を用いる。
【0061】
つぎに、ウエハWAF面上にマスク材を形成した後、該マスク材をたとえばフォトリソグラフィによりエッチングし、図5(a)に示すように、ポストPを形成するためのマスクを形成する。該マスクの材料としては、一例として、シリコン窒化膜を用い、図5(a)では、該マスクをシリコン窒化膜40として示している。該マスクには、ポストPをエッチングして形成するためのスリットS1が形成される。
【0062】
つぎに、ウエハWAFをエッチングして溝T1を掘り、図5(b)に示すように、メサ状のポストPを形成する。溝T1により分離されたポストP以外の部分はパッド形成領域PAとなる。
【0063】
つぎに、ウエハWAFに酸化処理を施してAlAs層32を側面から酸化し、図5(c)に示すように、ポストP内に酸化狭窄層を形成する。酸化狭窄層は、電流注入領域32aおよび選択酸化領域32bを含んで構成されている。選択酸化領域32bが上記酸化処理により酸化された領域であり、酸化されないで残された領域が電流注入領域32aである。電流注入領域32aは、円形または円形に近い形状をなしており、この電流注入領域32aにより、VCSEL素子10のp型電極36とn型電極30との間を流れる電流が絞られ、たとえばVCSEL素子10の発振における横モードが制御される。
【0064】
つぎに、たとえばフォトリソグラフィによるマスクを用いてエッチングし、図6(a)に示すように、酸化防止溝T2を形成する。本実施の形態では、上記における溝T1の形成と、この酸化防止溝T2の形成を別々のエッチングで行う形態を例示して説明するが、これに限られず、1回のエッチングで溝T1および酸化防止溝T2の双方を形成する形態としてもよい。本実施の形態に係る酸化防止溝T2の幅は、後述のダイシングスリットS2の幅より狭く形成される。
【0065】
つぎに、図6(b)に示すように、ウエハWAF全面にシリコン酸窒化膜34による絶縁膜を成膜する。この工程において、半導体層の側面が絶縁膜で覆われた、本実施の形態に係る酸化防止構造60が形成される。
【0066】
つぎに、上記のシリコン酸窒化膜34を、たとえばフォトリソグラフィによるマスクを用いてエッチングし、図6(c)に示すように、コンタクトホールCHおよびダイシングスリットS2を形成する。コンタクトホールCHは、コンタクトメタルCMと後述のp型電極36とを接続するための開孔であり、ダイシングスリットS2は、後述のダイシング領域70を形成するための開孔である。ダイシングスリットS2の領域では、保護膜、すなわちシリコン窒化膜40、シリコン酸窒化膜34が除去されている。
【0067】
つぎに、ウエハWAF面上に電極材料を成膜した後、該電極材料をたとえばフォトリソグラフィによるマスクを用いてエッチングし、図7(a)に示すように、p型電極36および電極パッド42を形成する。p型電極36および電極パッド42は、一例として、Ti(チタン)/Au(金)の積層膜を用いて形成する。本工程により、p型電極36が先述したコンタクトメタルCMと接続される。
【0068】
つぎに、図7(b)に示すように、ウエハWAFの裏面に電極材料を成膜し、n型電極30を形成する。n型電極30は、一例として、AuGe/Auの積層膜を着膜して形成される。
【0069】
つぎに、図7(c)に示すように、ダイシング領域70においてダイシングし、VCSEL素子10を分離して個片化する。以上の工程により、VCSEL素子10が製造される。本実施の形態では、VCSEL素子10の製造方法を例示して説明したが、VCSELアレイ10aも以上の工程によって製造される。
【0070】
[第2の実施の形態]
図8を参照して、本実施の形態に係るVCSEL素子10bについて説明する。本実施の形態に係るVCSEL素子10bは、上記のVCSEL素子10において、酸化防止スリットS3を設けた形態である。
【0071】
上記実施の形態に係るVCSEL素子10のように、発光部であるポストPに対して酸化防止構造60を設けた場合でも、たとえば、半導体層の一部が酸化されることにより、絶縁膜(たとえば、シリコン酸窒化膜34)が剥がれたり、この絶縁膜剥がれに付随して発生する金属配線(たとえば、電極パッド42)に断線が発生したりする場合もあり得る。
【0072】
図8(a)は、一例として、酸化犠牲領域62の下部DBR16に相当する部分が酸化され、酸化領域OXが発生することに生じたシリコン酸窒化膜34の剥がれを、障害OBとして図示している。この障害OBがパッド形成領域PA方向に進行することにより、パッド形成領域PAの(あるいはポストPの)電極パッド42やシリコン酸窒化膜34の剥がれを発生させる場合がある。本実施の形態は、このような現象に対応した形態である。
【0073】
図8(b)に本実施の形態に係るVCSEL素子10bを示す。図8(b)に示すように、VCSEL10bは、パッド形成領域PAと酸化防止構造60との間で絶縁膜を切断する酸化防止スリットS3を備えている。この酸化防止スリットS3により、障害OBが発生したとしても、当該障害OBとパッド形成領域PA(あるいはポストP)が分離される。したがって、障害OBが発生したとしても、当該障害OBによりパッド形成領域PA(あるいはポストP)に二次的な障害が波及することが抑制される。
【0074】
ここで、上記の酸化防止スリットS3は、独立したエッチング工程により設けてもよいが、図6(c)に示す、コンタクトホールCHおよびダイシングスリットS2を形成するエッチング工程において同時に形成してもよい。この場合、エッチング工程が兼用されるので、製造工程を増やさずにすむ。
【0075】
また、酸化防止スリットS3は、酸化防止構造60に沿ってVCSEL素子10b(ポストP、パッド形成領域PA)を取り囲んで形成してもよいし、対象とする酸化防止箇所等を考慮して部分的に形成してもよい。
【0076】
なお、上記各実施の形態では、酸化防止溝T2に絶縁膜(上記各実施の形態では、シリコン酸窒化膜34)を形成した酸化防止構造60を例示して説明したが、これに限られない。絶縁膜を形成する代わりに、たとえば、金属膜や酸化膜を形成して半導体層を覆ってもよいし、予め定められた原子のイオンを注入してもよいし、また他の半導体層を再成長させてもよい。
【0077】
また、上記各実施の形態では、酸化防止溝T2をn型GaAs基板12まで到達させて形成する形態を例示して説明したが、これに限られない。酸化防止の対象等を考慮し、酸化防止溝T2を、たとえば上部DBR26まで到達させて形成してもよいし、AlAs層(酸化狭窄層)32まで到達させて形成してもよい。
【符号の説明】
【0078】
10、10b、10’ VCSEL素子
10a VCSELアレイ
12 n型GaAs基板
14 n型GaAsバッファ層
16 下部DBR
24 活性領域
26 上部DBR
28 p型GaAsコンタクト層
30 n型電極
32 AlAs層
32a 電流注入領域
32b 選択酸化領域
34 シリコン酸窒化膜(SiON膜)
36 p型電極
38 出射保護膜
40 シリコン窒化膜(SiN膜)
42、42a 電極パッド
44 配線
60 酸化防止構造
62 酸化犠牲領域
70 ダイシング領域
CH コンタクトホール
CM コンタクトメタル
ES 端面
OB 障害
OX 酸化領域
P ポスト
PA パッド形成領域
S1 スリット
S2 ダイシングスリット
S3 酸化防止スリット
T1 溝
T2 酸化防止溝
WAF ウエハ
Wa 酸化防止構造の溝幅
Wd ダイシング領域幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9