【実施例1】
【0020】
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2は実施例1の可視像形成装置の拡大説明図である。
図1において、画像形成装置の一例としての複写機Uは、操作部UI、画像読取装置の一例としてのスキャナ部U1、媒体供給装置の一例としてのフィーダ部U2、画像記録装置の一例としての作像部U3、および媒体処理装置U4を有している。
【0021】
(操作部UIの説明)
操作部UIは、複写開始や複写枚数の設定などに用いられる入力ボタンUIaを有する。また、前記操作部UIは、前記入力ボタンUIaにより入力された内容や、複写機Uの状態が表示される表示部UIbを有する。
【0022】
(スキャナ部U1の説明)
図1において、スキャナ部U1は、原稿を読み取り、読み取った赤R、緑G、青Bの画像情報を、黒K、イエローY、マゼンタM、シアンCの画像情報に変換して一時的に記憶し、前記画像情報を、予め設定された時期に、潜像形成用の画像情報として、作像部U3の潜像形成装置の駆動回路Dに出力する。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒Kのみの画像情報が潜像形成装置の駆動回路Dに入力される。
【0023】
(フィーダ部U2の説明)
図1において、フィーダ部U2は、媒体の収容容器の一例としての給紙トレイTR1,TR2,TR3,TR4を有している。また、フィーダ部U2は、前記各給紙トレイTR1〜TR4に収容された媒体の一例としての記録用紙Sを取り出して、作像部U3に搬送する媒体供給路SH1等を有している。
【0024】
(作像部U3及び媒体処理装置U4の説明)
図1、
図2において、作像部U3では、潜像形成装置の駆動回路Dが、スキャナ部U1から入力された画像情報などに基づいて、駆動信号を各色の潜像形成装置ROSy〜ROSkに出力する。各潜像形成装置ROSy〜ROSkの下方には、像保持体の一例としての感光体Py〜Pkや、帯電器CRy〜CRkなどが配置されている。感光体Py〜Pkの表面には潜像形成装置ROSy〜ROSkにより静電潜像が形成され、現像装置Gy〜Gkにより可視像の一例としてのトナー像に現像される。なお、現像装置Gy〜Gkには、現像剤補給装置U3bに装着されたトナーカートリッジKy〜Kkから現像剤が補給される。感光体Py〜Pk表面上のトナー像は、1次転写器T1y〜T1kにより、中間転写体の一例としての中間転写ベルトB上に1次転写領域Q3y〜Q3kで転写される。1次転写後の感光体Py〜Pkは、清掃器CLy〜CLkにより清掃される。
【0025】
前記潜像形成装置ROSy〜ROSkの下方には、中間転写装置BMが支持されている。中間転写装置BMは、中間転写部材の一例であって、像保持体の一例としての中間転写ベルトBと、駆動部材の一例としての駆動ロールRd、張架部材の一例としてのテンションロールRt、片寄り防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としてのアイドラロール(フリーロール)Rf、2次転写の対向部材の一例としてのバックアップロールT2aとを有する。中間転写ベルトBは、矢印Ya方向に回転移動可能に支持されている。バックアップロールT2aの下方には、2次転写ユニットUtが配置されている。前記2次転写ユニットUtは、2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bを有する。2次転写ロールT2bは、中間転写ベルトBと接触して2次転写領域Q4を形成する。また、バックアップロールT2aには、給電部材T2cが接触している。前記給電部材T2cには、トナーの帯電極性と同極性の2次転写電圧が印加される。
【0026】
中間転写装置BMの下方には、フィーダ部U2からの記録用紙Sが搬送される搬送路SH2が配置されている。搬送路SH2では、搬送部材の一例としての搬送ロールRaにより、記録用紙Sが、搬送時期の調節部材の一例としてのレジロールRrに搬送される。レジロールRrは、中間転写ベルトB上のトナー像が2次転写領域Q4に搬送される時期に合わせて、記録用紙Sを2次転写領域Q4に搬送する。
中間転写ベルトB上のトナー像は、2次転写領域Q4を通過する際に、2次転写器T2により記録用紙Sに転写される。なお、2次転写後の中間転写ベルトBは、中間転写体のベルトクリーナCLBにより清掃される。トナー像が転写された記録用紙Sは、搬送部材の一例としての媒体搬送ベルトBHに送られ、定着装置Fに搬送される。定着装置Fでは、トナー像が転写された記録用紙Sが、加熱部材Fhと加圧部材Fpとが接触する領域である定着領域Q5を通過して定着される。
【0027】
トナー像が定着された記録用紙Sは、排出される場合には、搬送路SH3から媒体処理装置U4の搬送路SH5に搬送される。媒体処理装置U4には、反りの補正部材U4aが配置されており、記録用紙Sの反り、いわゆる、カールが補正され、排出部材Rhにより排出トレイTH1に排出される。また、2面目に画像が記録される場合には、トナー像が定着された記録用紙Sは、搬送路SH3から、反転路SH4,SH7、循環路SH6に搬送され、表裏が逆転されて、媒体供給路SH1を通って2次転写領域Q4に再送される。なお、搬送先の切り替えは、切り替え部材GT1〜GT3で行なわれる。前記符号SH1〜SH7で示された要素により用紙搬送路SHが構成されている。また、前記符号SH,Ra,Rr,Rh,SGr,SG1,SG2,BH、GT1〜GT3で示された要素により、実施例1の用紙搬送装置SUが構成されている。
【0028】
(センサの説明)
図3は実施例1の検知部材の説明図である。
図4は中間転写ベルトと検知部材との位置関係の説明図である。
図2、
図3において、中間転写ベルトBの回転方向に対して、Kの感光体Pkの下流側には、検知部材の一例としてのベルトセンサ1が配置されている。
図4において、実施例1のベルトセンサ1は、中間転写ベルトBの幅方向の端部に対応して配置されている。なお、ベルトセンサ1は、中間転写ベルトBの表面に支持された基準部材の一例としてのシール2を検知する。シール2は、Y,M,C,Kの色を重ねる基準のためのものであり、画像が形成される画像領域L1やベルトクリーナCLBで清掃されるクリーニング領域L2よりも、ベルト幅方向で外側に配置されている。なお、シール2は、ベルトクリーナCLBの幅方向の端部に配置されている図示しない回収現像剤の漏出防止用のフィルム部材に擦られることで清掃される。
【0029】
また、実施例1のベルトセンサ1は、アイドラロールRfに巻き付き始めた中間転写ベルトBの表面に対向して配置されている。アイドラロールRfに巻き付いていない場所では、中間転写ベルトBの回転時に、バタつきが発生すると、ベルトセンサ1と中間転写ベルトBとの間隔が変動して、シール2の検知結果が不安定になる。これに対して、実施例1では、アイドラロールRfに巻き付き始めた中間転写ベルトBをベルトセンサ1が検知しており、中間転写ベルトBのバタつきの影響が低減され、シール2の検知結果が安定しやすい。
ベルトセンサ1は、支持部材の一例としてのフレーム1aに支持されている。フレーム1aは、中間転写ベルトBの回転方向の上流側に向けて延びている。
【0030】
フレーム1aの上流端部1bには、付着抑制部材
(突出部材に相当)の一例としてのネジ3が支持されている。ネジ3の下端は、フレーム1aの上流端部1bに対して、中間転写ベルトBの表面に向けて突出している。ネジ3の下端部は、角が尖ったエッジ部3aを有する。また、実施例1のネジ3は、金属製のねじにより構成されており、板金製のフレーム1aを介して、電気的に接地、すなわち、アースされている。
また、
図4において、実施例1のネジ3は、中間転写ベルトBの幅方向に対して、ベル
トセンサ1の位置を挟んで両側に一対配置されている。
なお、実施例1では、ネジ3のエッジ部3aと中間転写ベルトBとの距離は、ベルトセ
ンサ1と中間転写ベルトBとの距離よりも、短く設定されている。一例として、ベルトセ
ンサ1の下端と中間転写ベルトBとの距離が5.6mmに設定され、ネジ3の下端と中間
転写ベルトBとの距離が4.5mmに設定されている。
【0031】
前記構成を備えた実施例1の複写機Uでは、ベルトセンサ1がシール2を検知して、中間転写ベルトBに転写されるY,M,C,Kの画像の重ねる位置の基準が導出される。ここで、中間転写ベルトBに1次転写されたトナーの中に、トナーの劣化や個体差で、付着力の弱いトナーが含まれることがある。付着力の弱いトナーは、中間転写ベルトBから飛散することがある。ここで、付着抑制部材を設けていない構成では、飛散したトナーが、ベルトセンサ1に付着することがある。トナーがベルトセンサ1に付着すると、ベルトセンサの検知精度が悪化する問題がある。特に、ベルトセンサ1は、ベルトクリーナCLBのクリーニング領域L2よりも外側に配置されている。クリーニング領域L2の外側の領域に、画像領域L1から飛散したトナーが付着しても、清掃がされない。よって、クリーニング領域L2の外側に付着したトナーは経時的に蓄積されていく。また、経時的に、劣化等で、トナーの付着力も低下して、飛散しやすくなっていく。よって、ベルトセンサ1の配置されている位置では、飛散するトナーが多くなりやすい。よって、ベルトセンサ1がトナーで汚れやすい。
【0032】
これに対して、実施例1では、ベルトセンサ1の上流側に、付着抑制部材の一例としてのネジ3が配置されている。飛散したトナーは、中間転写ベルトBの回転時の気流に乗って、上流側からベルトセンサ1に向けて流れようとする。このトナーは、ネジ3に向かって電気的に引き付けられる。よって、ベルトセンサ1よりも上流側のネジ3が、トナーを引き付けて、ベルトセンサ1に向かうトナーが減少する。よって、ベルトセンサ1がトナーで汚れることが低減される。なお、本発明者による実験の結果、ネジ3およびネジ3の上流側のフレーム1aの表面にトナーがベルト状に付着し、ベルトセンサ1の汚れが軽減されることが確認された。よって、実施例1のネジ3としては、例えれば、積極的にトナーを捕獲するのではなく、トナーを引き寄せて流れを逸らせる程度の機能で十分である。
ここで、実施例1では、従来技術のように、シャッタを動かしたり、気流を発生させたり、物体を振動させるといった構成が必要ない。よって、従来技術に比べて、構成が簡素化され、費用も削減される。
【0033】
特に、実施例1では、ネジ3はアースされている。よって、正常帯電のトナーだけでなく、正常な帯電極性とは逆極性に帯電した異常帯電のトナーも電気的にネジ3に引き付けられやすい。
また、実施例1では、ネジ3が尖ったエッジ部3aを有している。よって、エッジ部を有しない場合に比べて、エッジ部3aに電界が集中しやすく、トナーが引き付けられやすい。
【0034】
さらに、実施例1では、ネジ3は、ベルトセンサ1を挟んで両側に配置されている。よって、中間転写ベルトBの幅方向に対して、浮遊するトナーの流れを、ベルトセンサ1からズレた両側に誘導しやすい。よって、ベルトセンサ1の位置には、トナーが流入しにくく、汚れが軽減されやすい。また、片側にのみネジ3が配置される場合では、現像剤を引き付け切れない場合があるが、これに比べて、実施例1では、ベルトセンサ1の両側にネジ3が配置されており、より幅方向におけるベルトセンサ1と異なる位置に現像剤を引き付けやすくなる。
また、実施例1では、ネジ3は、ベルトセンサ1よりも中間転写ベルトBとの距離が短く設定されている。よって、中間転写ベルトBとの距離が広い場合に比べて、よりトナーを引き付けやすくなっている。
【0035】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H07)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としての複写機Uによる構成を例示したが、これに限定されず、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、多色現像の画像形成装置に限定されず、単色、いわゆるモノクロの画像形成装置により構成することも可能であり、いわゆるタンデム式の画像形成装置に限定されず、ロータリ式等の画像形成装置にも適用可能である。
【0036】
(H02)前記実施例において、付着抑制部材の一例としてエッジ部3aを有するネジ3の構成を例示したが、これに限定されない。例えば、複数の尖端部を有する鋸歯状や櫛歯状の形状とすることも可能である。また、下端が尖った形状とすることが望ましいが、下端よりも少し上方の位置に尖った形状を設けることも可能である。また、ベルト幅方向の広さも、ネジ3のように点の配置ではなく、ベルト幅方向に延びる板状の構成とすることも可能である。
(H03)前記実施例において、付着抑制部材をアースする構成を例示したが、これに限定されない。トナーを引き寄せる極性の電圧を印加することも可能である。
【0037】
(H04)前記実施例において、シール2を検知するベルトセンサ1を例示したが、これに限定されない。例えば、中間転写ベルトBの表面に形成された現像剤の濃度や位置を検知するセンサ、表面の電位を検知するセンサ、中間転写ベルトBの回転位置を検知するセンサ等、任意のセンサに適用可能である。これに伴って、ベルトセンサ1の幅方向の位置も適宜変更可能である。
前記中間転写ベルトBの回転位置を検知するセンサは、中間転写ベルトBに1枚〜数枚貼り付けられたシールを読み取ることで中間転写ベルトBの回転位置を検知可能である。なお、この回転位置を検知するセンサは、最上流のY色の感光体Pyよりも上流側に配置することが望ましく、感光体Pyよりも上流側に配置されたアイドラロールRfに対向して配置することがさらに望ましい。なお、回転位置を検知するセンサは、最下流のK色の感光体Pyと2次転写領域Q4との間に配置することも可能である。
【0038】
また、ベルトセンサ1や現像剤の濃度や位置を検知するセンサ、表面電位を検知するセンサは、1次転写後、2次転写前の間に配置することが望ましい。特に、ベルトセンサ1だけでなく、濃度や位置を検知するセンサや表面電位を検知するセンサも、アイドラロールRfに対向して配置することがさらに望ましい。
(H05)前記実施例において、ベルト幅方向に対して、ネジ3をベルトセンサ1を挟んで両側に一対配置する構成が望ましいが、これに限定されない。片側一方とすることも可能である。特に、片側一方とする場合には、ベルトセンサ1に対して幅方向の内側よりも外側のほうが好ましい。すなわち、ネジ3から中間転写ベルトBに現像剤が落下した場合でも、内側よりも外側のほうが、画質に与える影響が少なくなる。なお、好ましくはないが、ネジ3の位置をベルトセンサ1と幅方向で重なる位置とすることも可能である。
【0039】
(H06)前記実施例において、ネジ3と中間転写ベルトBとの距離が、ベルトセンサ1と中間転写ベルトBとの距離よりも短くすることが望ましいが、同一または長くすることも可能である。
(H07)前記実施例において、ネジ3を金属材料で構成することを例示したが、これに限定されない。例えば、樹脂製のネジを使用することも可能である。