特許第6540156号(P6540156)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6540156
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】制御装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20190628BHJP
   G06F 13/24 20060101ALI20190628BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20190628BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20190628BHJP
【FI】
   H04N1/00 127Z
   G06F13/24 310B
   H04N1/00 C
   G03G21/00 370
   B41J29/38 Z
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-67400(P2015-67400)
(22)【出願日】2015年3月27日
(65)【公開番号】特開2016-187157(P2016-187157A)
(43)【公開日】2016年10月27日
【審査請求日】2018年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【弁理士】
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】水戸部 保明
【審査官】 野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−041205(JP,A)
【文献】 特開2009−141526(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
G03G 21/00
G06F 13/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の第2の機器が接続され、前記第2の機器から出力される割込情報を記憶する第2の割込情報記憶部、前記第2の割込情報記憶部に割込情報が記憶されることに基づいて割込信号を送信するとともに前記第2の割込情報記憶部に記憶された割込情報を読み出して送信する第2の割込制御部を備えた第2の従制御部と、
1つ以上の第1の機器が接続され、前記第1の機器から出力される第1の割込情報及び前記第2の従制御部から送信される第2の割込情報を記憶する第1の割込情報記憶部、第2の従制御部から受信した割込信号を送信するとともに前記第1の割込情報記憶部に記憶された割込情報を読み出して送信する第1の割込制御部を備えた第1の従制御部と、
前記第1及び第2の従制御部を制御する主制御部と、
前記主制御部と前記第1の従制御部とを接続する全二重方式のシリアルバスと、
前記第1の従制御部と前記第2の従制御部とを接続する全二重方式のシリアル又はパラレルバスと、
前記第2の従制御部から前記第1の従制御部に前記割込信号を送信する単方向の伝送路と、
を備えた制御装置。
【請求項2】
前記第2の従制御部は、前記割込情報を前記シリアル又はパラレルバスを介して前記第1の従制御部に送信する請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第1の従制御部は、第2の従制御部から受信した割込信号を前記シリアルバスを介して前記主制御部に送信する請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記主制御部は、第1の従制御部から割込信号を受信すると、前記第1の割込情報記憶部に記憶された第1又は第2の割込情報を読み出す請求項1乃至3のいずれかに記載の制御装置。
【請求項5】
画像情報に基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置として請求項1乃至4のいずれかに記載の制御装置を用いた画像形成装置。
【請求項6】
原稿の画像を読み取る画像読取部と、
前記画像読取部で読み取られた画像情報に基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像読取部及び前記画像形成部を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置として請求項1乃至4のいずれかに記載の制御装置を用いた画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成部は、前記制御装置に接続され、
前記画像読取部は、前記制御装置を介して前記画像形成部に接続されている請求項6に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、制御装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、制御装置に関する技術としては、例えば、特許文献1に開示されたものが既に提案されている。
【0003】
特許文献1は、少なくとも1つの機器が接続され、機器の駆動を制御するデータ及び機器の状態を示すデータの各々が記憶される第1記憶部、及び第1記憶部に記憶された各データを読出して送信する読出送信手段を備えた機器制御部と、中央処理装置、第2記憶部、及び機器制御部から送信されたデータを第2記憶部に書込む書込手段を備えた主制御部と、主制御部と機器制御部とを接続する全二重方式のシリアルバスと、を有し、読出送信手段及び書込手段は、中央処理装置の動作の基準となるシステムタイマのカウント周期以下の周期で、第1記憶部に記憶された各データが読出されて送信され第2記憶部に書込まれるように動作する制御装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−003377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、主制御部に二次接続された従制御部からの割込情報を、主制御部に一次接続された従制御部を介して主制御部に送信する場合に比較して、二次接続された従制御部からの割込情報の同時処理(リアルタイム)性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、1つ以上の第2の機器が接続され、前記第2の機器から出力される割込情報を記憶する第2の割込情報記憶部、前記第2の割込情報記憶部に割込情報が記憶されることに基づいて割込信号を送信するとともに前記第2の割込情報記憶部に記憶された割込情報を読み出して送信する第2の割込制御部を備えた第2の従制御部と、
1つ以上の第1の機器が接続され、前記第1の機器から出力される第1の割込情報及び前記第2の従制御部から送信される第2の割込情報を記憶する第1の割込情報記憶部、第2の従制御部から受信した割込信号を送信するとともに前記第1の割込情報記憶部に記憶された割込情報を読み出して送信する第1の割込制御部を備えた第1の従制御部と、
前記第1及び第2の従制御部を制御する主制御部と、
前記主制御部と前記第1の従制御部とを接続する全二重方式のシリアルバスと、
前記第1の従制御部と前記第2の従制御部とを接続する全二重方式のシリアル又はパラレルバスと、
前記第2の従制御部から前記第1の従制御部に前記割込信号を送信する単方向の伝送路と、
を備えた制御装置である。
【0007】
請求項2に記載された発明は、前記第2の従制御部は、前記割込情報を前記シリアル又はパラレルバスを介して前記第1の従制御部に送信する請求項1に記載の制御装置である。
【0008】
請求項3に記載された発明は、前記第1の従制御部は、第2の従制御部から受信した割込信号を前記シリアルバスを介して前記主制御部に送信する請求項1又は2に記載の制御装置である。
【0009】
請求項4に記載された発明は、前記主制御部は、第1の従制御部から割込信号を受信すると、前記第1の割込情報記憶部に記憶された第1又は第2の割込情報を読み出す請求項1乃至3のいずれかに記載の制御装置である。
【0010】
請求項5に記載された発明は、画像情報に基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置として請求項1乃至4のいずれかに記載の制御装置を用いた画像形成装置である。
【0011】
請求項6に記載された発明は、原稿の画像を読み取る画像読取部と、
前記画像読取部で読み取られた画像情報に基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像読取部及び前記画像形成部を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置として請求項1乃至4のいずれかに記載の制御装置を用いた画像形成装置である。
【0012】
請求項7に記載された発明は、前記画像形成部は、前記制御装置に接続され、
前記画像読取部は、前記制御装置を介して前記画像形成部に接続されている請求項6に記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載された発明によれば、主制御部に二次接続された従制御部からの割込情報を、主制御部に一次接続された従制御部を介して主制御部に送信する場合に比較して、二次接続された従制御部からの割込情報の同時処理(リアルタイム)性を向上させることができる。
【0014】
請求項2に記載された発明によれば、割込情報を専用の伝送路を介して送信する場合に比較して、専用の伝送路を減少させることができる。
【0015】
請求項3に記載された発明によれば、割込情報を専用の伝送路を介して送信する場合に比較して、専用の伝送路を減少させることができる。
【0016】
請求項4に記載された発明によれば、主制御部が割込信号に基づいて第1の割込情報記憶部に記憶された第1又は第2の割込情報を読み出すように構成しない場合に比較して、第1又は第2の割込情報を早期に取得することが可能となる。
【0017】
請求項5に記載された発明によれば、制御装置として請求項1乃至4のいずれかに記載の制御装置を用いない場合に比較して、二次接続された従制御部からの割込情報の同時処理(リアルタイム)性を向上させることができる。
【0018】
請求項6に記載された発明によれば、制御装置として請求項1乃至4のいずれかに記載の制御装置を用いない場合に比較して、二次接続された従制御部からの割込情報の同時処理(リアルタイム)性を向上させることができる。
【0019】
請求項7に記載された発明によれば、請求項6に記載の画像形成装置を用いない場合に比較して、画像形成部及び画像読取部からの割込情報の同時処理(リアルタイム)性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】この発明の実施の形態1に係る制御装置を適用した画像形成装置を示すブロック図である。
図2】この発明の実施の形態1に係る制御装置を示すブロック図である。
図3】主制御部のデータ送受信部を示すブロック図である。
図4】第1の機器制御部のデータ送受信部を示すブロック図である。
図5】第2の機器制御部のデータ送受信部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
[実施の形態1]
図1はこの発明の実施の形態1に係る制御装置を適用した画像形成装置の全体の概要を示すブロック図である。
【0023】
<画像形成装置の全体の構成>
実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えばカラー複写機として構成されたものである。画像形成装置1は、図1に示されるように、大別して、原稿の画像を読み取る画像読取装置3と、画像読取装置3により読み取られた原稿の画像データや外部のパーソナルコンピュータ等のホスト装置から送られてくる画像データに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成手段の一例としての画像形成部2と、画像読取装置3及び画像形成部2を制御する制御装置4とを備えている。
【0024】
画像形成部2は、感光体ドラムや現像装置、用紙搬送装置、二次転写装置、定着装置などを駆動する少なくとも1つ以上の駆動モータからなる第1の外部デバイスE(機器)21、あるいは記録媒体の一例としての記録用紙を検知する少なくとも1つ以上の用紙センサからなる第1の外部デバイスF(機器)22などの少なくとも1つ以上の第1の外部機器を有している。なお、画像形成部2は、感光体ドラム等を用いた電子写真法により画像を形成するものに限らず、インクジェット方式等の他の方式によって画像を形成するものであっても良い。
【0025】
また、画像読取装置3は、原稿を送り出す送出ロールや捌きロール、原稿を原稿読取位置へ搬送する複数の搬送ロール、原稿を排出する排出ロールから構成される原稿搬送機構を駆動する駆動モータからなる第2の外部デバイスA(機器)31、画像読取素子やミラーを搭載したキャリッジ(移動体)を駆動する駆動モータからなる第2の外部デバイスB(機器)32、原稿の画像を読み取る画像読取素子からなる第2の外部デバイスC(機器)33、原稿の主走査方向や副走査方向のサイズを検知するサイズ検知センサからなる第2の外部デバイスD(機器)34などの少なくとも1つ以上の第2の外部機器を有している。
【0026】
制御装置4は、画像読取装置3で実行される原稿の画像を読み取る読取動作、及び画像形成部2で実行される記録媒体に画像を形成する画像形成動作などを制御する。
【0027】
制御装置4は、図1に示されるように、画像形成部2を制御する第1の従制御部の一例としての第1の機器制御部41と、画像読取装置3を制御する第2の従制御部の一例としての第2の機器制御部42と、第1及び第2の機器制御部41,42の双方を制御する主制御部40とを備える。主制御部40と第1の機器制御部41とは、全二重方式のシリアルバス43を介して接続されている。シリアルバス43は、図2に示されるように、主制御部40からみた場合に送信用となる信号線Tx、及び受信用となる信号線Rxを備えた全二重の伝送路である。また、第1の機器制御部41と第2の機器制御部42は、全二重方式のシリアルバス44(又はパラレルバス)を介して接続されている。この実施の形態では、第1の機器制御部41と第2の機器制御部42とを全二重方式のシリアルバス44により接続している。さらに、制御装置4は、第1の機器制御部41から第2の機器制御部42に後述する割込情報を送信する単方向の伝送路としての信号線45を別途備えている。このように、第1の機器制御部41は、シリアルバス43を介して主制御部40と一次的に接続(以下、「一次接続」という。)されている。一方、第2の機器制御部42は、主制御部40に一次接続された第1の機器制御部41とシリアルバス44を介して接続されており、主制御部40と二次的に接続(以下、「二次接続」という。)されている。
【0028】
主制御部40は、図2に示されるように、制御手段の一例としてのメインCPU(Central Processing Unit)46と、データ送受信部47とを備えている。メインCPU46は、プログラムに基づいて図示しないRAM(Random Access Memory)等に記憶されたデータを参照しつつ画像形成部2及び画像読取装置3を統括的に制御する。なお、メインCPU46が実行するプログラムは、HDD(hard disk drive)、フレキシブルディスクやDVD(Digital Versatile Disc)ディスク、光磁気ディスクやUSB(Universal Serial Bus)メモリ(不図示)等の図示しないROM(Read Only Memory)に予め記憶されたものであってもよいし、不図示の通信IFを介して接続された他の装置から送信されて事後的にROMに記憶されるものであってもよい。
【0029】
メインCPU46は、CPUバス48を介してデータ送受信部47と接続されている。CPUバス48は、複数の信号線を備えたパラレルバスである。
【0030】
データ送受信部47は、メインCPU46からCPUバス48を介して第1及び第2の機器制御部41,42に送信するパラレル信号からなる制御情報を受け取ると、制御信号を予め定められた規則に基づいてパケット化し、各パケットをシリアル信号に変換してシリアルバス43を介して第1の機器制御部41に送信する。また、データ送受信部47は、第1及び第2の機器制御部41,42からシリアルバス43,44を介してシリアル形式のパケットを受信すると、当該受信したパケットをパラレル形式のパケットに変換し、パラレル形式のパケットを復号化(デコード)して、パケットに含まれるデータを取り出す。
【0031】
データ送受信部47は、図3に示されるように、CPUバスインタフェース50、コントローラ51、パケット生成回路52、バッファ53、パラレルシリアル変換回路54、シリアルパラレル変換回路55、バッファ56、パケットデコード回路57を備えている。
【0032】
CPUバスインタフェース50は、パラレスバスからなるCPUバス48を介してメインCPU46と通信するための通信インタフェースである。コントローラ51は、データ送受信部47を構成するCPUバスインタフェース50、コントローラ51、パケット生成回路52、バッファ53、パラレルシリアル変換回路54、シリアルパラレル変換回路55、バッファ56、パケットデコード回路57と接続され、プロトコル制御やこれら各構成要素の動作タイミング等を制御することで、データ送受信部47全体を制御するものである。
【0033】
パケット生成回路52は、メインCPU46から送信される制御信号に基づいて所要の規則に従いパケットを生成する。バッファ53は、パケット生成回路52で生成されたパケットを一時的に記憶する。パラレルシリアル変換回路54は、バッファ53に一時的に記憶されたパラレル形式のパケットをシリアル形式のパケットに変換して、シリアルバス43を介して第1の機器制御部41に送信する。ここで、第1の機器制御部41に送信されるパケットは、第1の機器制御部41を介して第2の機器制御部42に送信されるパケットをも含むものである。
【0034】
一方、シリアルパラレル変換回路55は、第1の機器制御部41からシリアルバス43を介して受信したシリアル形式のパケットをパラレル形式のパケットに変換する。ここで、第1の機器制御部41から受信されるパケットは、第2の機器制御部42から送信されたパケット(情報)をも含むものである。バッファ56は、シリアルパラレル変換回路55で変換されたパラレル形式のパケットを一時的に記憶する。パケットデコード回路57は、バッファ56に一時的に記憶されたパラレル形式のパケットを復号化(デコード)して、当該パケットに含まれるデータ(含む割込情報)を取り出す。パケットデコード回路57から出力されるデータは、CPUバスインタフェース50に送られる。
【0035】
第1の機器制御部41は、図2に示されるように、データ送受信部60と、割込制御部61と、外部デバイスコントローラ62と、第1の記憶部の一例としての複数の割込情報格納バッファ63a〜63cとを備えている。
【0036】
データ送受信部60は、主制御部40からシリアルバス43を介してシリアル形式のパケットを受信すると、受信したパケットをパラレル形式のパケットに変換し、パラレル形式のパケットをデコードして、パケットに含まれるデータを取り出す。また、データ送受信部60は、主制御部40及び第2の機器制御部42に送信する情報(パラレル信号)をパケット化し、各パケットをシリアル信号に変換してシリアルバス43を介して主制御部40に送信するとともに、シリアルバス44を介して第2の機器制御部42に送信する。さらに、データ送受信部60は、第2の機器制御部42からシリアルバス44を介してシリアル形式のパケットを受信すると、当該受信したパケットをパラレル形式のパケットに変換し、パラレル形式のパケットを復号化(デコード)して、パケットに含まれるデータを取り出す。
【0037】
割込制御部61は、第2の機器制御部42から信号線45を介して入力される割込信号を受信し、当該割込信号に基づいて割込処理を制御する。
【0038】
割込情報格納バッファ63は、画像形成部2の外部デバイス21,22から出力される第1の割込情報及び第2の機器制御部42から送信される第2の割込情報を一時的に記憶する第1の記憶部を構成する。割込情報格納バッファ63は、第2の機器制御部42から送信される第2の割込情報を記憶する第2の機器制御部用の割込情報格納バッファ63aと、画像形成部2の外部デバイス21,22から出力される第1の割込情報を記憶する第1の機器制御部用の割込情報格納バッファ63b,63cとを有している。第1の機器制御部用の割込情報格納バッファ63b,63cは、第1の機器制御部41に接続された外部デバイス21,22の数(図示例では2)だけ設けられている。なお、第1の記憶部としては、書き込み及び読み出し領域をアドレスにより指定するメモリからなるものを使用しても良い。
【0039】
外部デバイスコントローラ62は、画像形成装置1の画像形成部2を構成する外部デバイス21、22に個別に接続されている。外部デバイスコントローラ62は、図示しない入出力制御レジスタ群の出力レジスタに機器を制御するためのデータが書込まれると、そのデータに応じた駆動信号を当該出力レジスタに対応する機器に出力する。機器は出力された駆動信号に応じて駆動される。また、接続された機器から当該機器の状態を示す信号が入力されると、その信号に応じたデータを当該機器の状態を示すデータ用の入力レジスタに書込む。また、外部デバイスコントローラ62は、接続された外部デバイス21,22から割込み状態を示す信号が入力されると、その割込み状態を示す信号に応じたデータ(割込情報)を割込情報格納バッファ63b,63cに書込む。機器の状態を示すデータは、例えば、機器がセンサである場合には、センサの検出結果を示すデータであってもよいし、機器がモータである場合には、モータの回転状態を示すデータであってもよい。
【0040】
また、割込制御部61は、第2の機器制御部42から信号線45を介して入力される割込信号を受信すると、第2の機器制御部42に接続された外部デバイス31〜34の割込み状態を示す信号に応じたデータ(割込情報)を割込情報格納バッファ63aに書込む。割込み状態を示す情報としては、例えば、用紙検知センサが記録用紙の通過を予め定められた時間内に検出しなかったジャムに関する情報や、センサ自体の故障に関する情報などである。なお、割込み状態を示す情報は、シリアルバス44を介して受信される。
【0041】
データ送受信部60は、図4に示されるように、コントローラ65、主制御部40から制御信号を受信するためのシリアルパラレル変換回路66、バッファ67、パケットデコード回路68、第2の機器制御部42へ制御信号を送信するためのパケット生成回路69、バッファ70、パラレルシリアル変換回路71、第2の機器制御部42からデータを受信するためのシリアルパラレル変換回路72、バッファ73、パケットデコード回路74、主制御部40ヘデータを送信するためのパケット生成回路75、バッファ76及びパラレルシリアル変換回路77を備えている。
【0042】
コントローラ65は、各構成要素と接続され、プロトコル制御や各構成要素の動作タイミング等を制御することで、データ送受信部60の全体を制御する。
【0043】
シリアルパラレル変換回路66は、主制御部40からシリアルバス43を介して受信したシリアル形式のパケットをパラレル形式のパケットに変換する。バッファ67は、シリアルパラレル変換回路66で変換されたパラレル形式のパケットを一時的に記憶する。パケットデコード回路68は、バッファ67に一時的に記憶されたパラレル形式のパケットを復号化(デコード)して、パケットに含まれるデータを取り出す。
【0044】
パケット生成回路69は、第2の機器制御部42へ送信するためのパケットを生成する。バッファ70は、パケット生成回路69で生成されたパケットを一時的に記憶する。パラレルシリアル変換回路71は、バッファ70に一時的に記憶されたシリアル形式のパケットをパラレル形式のパケットに変換して、シリアルバス44を介して第2の機器制御部42に送信する。
【0045】
シリアルパラレル変換回路72は、第2の機器制御部42からシリアルバス43を介して受信したシリアル形式のパケットをパラレル形式のパケットに変換する。バッファ73は、シリアルパラレル変換回路72で変換されたパラレル形式のパケットを一時的に記憶する。パケットデコード回路74は、バッファ73に一時的に記憶されたパラレル形式のパケットを復号化(デコード)して、パケットに含まれるデータを取り出す。
【0046】
また、パケット生成回路75は、主制御部40へ送信するためのパケットを生成する。バッファ76は、パケット生成回路75で生成されたパケットを一時的に記憶する。パラレルシリアル変換回路77は、バッファ76に一時的に記憶されたパラレル形式のパケットをシリアル形式のパケットに変換して、シリアルバス43を介して主制御部40に送信する。
【0047】
また、割込情報格納バッファ63aに記憶される割込の発生を示すデータは、第2の機器制御部42からシリアルバス44を介して送信されたものである。この第2の機器制御部42から送信された割込の発生を示すデータは、第1の機器制御部41内で生成された割込の発生を示すデータと同様に、パラレルシリアル変換回路77でシリアル形式のパケットに変換されて、主制御部40へ送信される。
【0048】
<第2の機器制御部の構成>
第2の機器制御部42は、図2に示されるように、データ送受信部80と、割込制御部81と、外部デバイスコントローラ82と、複数の割込情報格納バッファ83a〜83dとを備えている。
【0049】
データ送受信部80は、第1の機器制御部41からシリアルバス44を介してシリアル形式のパケットを受信すると、受信したパケットをパラレル形式のパケットに変換し、パラレル形式のパケットをデコードして、パケットに含まれるデータを取り出す。また、データ送受信部80は、第1の機器制御部41に送信する情報(パラレル信号)をパケット化し、各パケットをシリアル信号に変換してシリアルバス44を介して第1の機器制御部41に送信する。
【0050】
割込制御部81は、外部デバイスコントローラ82を介して割込の発生を示すデータが割込情報格納バッファ83a〜83dのいずれか1つ以上に書き込まれたことを検知すると、割込信号を生成して専用の信号線45を介して第1の機器制御部41に送信する。
【0051】
割込情報格納バッファ83a〜83dは、画像読取装置3の外部デバイス31〜34から出力される外部デバイス31〜34の割込み状態を示すデータを一時的に記憶する第2の割込情報記憶部として機能する。情報格納バッファ83a〜83dは、第2の機器制御部42に接続された外部デバイス31〜34に対応した数だけ設けられている。
【0052】
外部デバイスコントローラ82は、画像形成装置1の画像読取装置3を構成する外部デバイス31〜34に個別に接続されている。外部デバイスコントローラ82は、図示しない入出力制御レジスタ群の出力レジスタに外部デバイス31〜34を制御するためのデータが書込まれると、そのデータに応じた駆動信号を当該出力レジスタに対応する外部デバイス31〜34に出力する。外部デバイス31〜34は出力された駆動信号に応じて駆動される。また、接続された外部デバイス31〜34から当該機器の状態を示す信号が入力されると、その信号に応じたデータを当該機器の状態を示すデータ用の入力レジスタに書込む。状態を示すデータは、例えば、機器がセンサである場合には、センサの検出結果を示すデータであってもよいし、機器がモータである場合には、モータの回転状態を示すデータであってもよい。
【0053】
また、第2の割込制御部81は、複数の割込情報格納バッファ63a〜63cに割込の発生を示すデータが書込まれると、割込信号を生成させる。生成された割込信号は、第2の割込制御部81によって信号線45を介して第1の機器制御部41に送信される。なお、第2の割込制御部81は、複数の割込情報格納バッファ63a〜63cに割込の発生を示すデータが書込まれたことを検知して割込信号を生成させるものではなく、外部デバイスコントローラ82が割込情報格納バッファ63a〜63cに割込の発生を示すデータを書込む信号(ライト信号)に基づいて(ライト信号と同時に)割込信号を生成させるものであっても良い。
【0054】
データ送受信部80は、図5に示されるように、コントローラ84、シリアルパラレル変換回路85、バッファ86、パケットデコード回路87、パケット生成回路88、バッファ89及びパラレルシリアル変換回路90を備えている。
【0055】
コントローラ84は、各構成要素と接続され、プロトコル制御や各構成要素の動作タイミング等を制御することで、データ送受信部80の全体を制御する。
【0056】
シリアルパラレル変換回路85は、第1の機器制御部41からシリアルバス44を介して受信したシリアル形式のパケットをパラレル形式のパケットに変換する。バッファ86は、シリアルパラレル変換回路85で変換されたパラレル形式のパケットを一時的に記憶する。パケットデコード回路87は、バッファ86に一時的に記憶されたパラレル形式のパケットを復号化(デコード)して、パケットに含まれるデータを取り出す。
【0057】
また、パケット生成回路88は、第1の機器制御部41へ送信するためのパケットを生成する。バッファ89は、パケット生成回路88で生成されたパケットを一時的に記憶する。パラレルシリアル変換回路90は、バッファ89に一時的に記憶されたシリアル形式のパケットをパラレル形式のパケットに変換して、シリアルバス44を介して第1の機器制御部41に送信する。
【0058】
割込情報格納バッファ83a〜83dに記憶される割込の発生を示すデータは、パラレルシリアル変換回路90でシリアル形式のパケットに変換されて、第1の機器制御部41へ送信される。
【0059】
なお、データ送受信部47、データ送受信部60、データ送受信部80、外部デバイスコントローラ61、外部デバイスコントローラ82の各々は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアにより構成される。
【0060】
<制御装置の作用>
この実施の形態1に係る制御装置4は、次のようにして、画像形成装置1の画像形成部2及び画像読取装置3からの割込みを示すデータを制御する。
【0061】
第2の機器制御部42は、図2に示されるように、第2の機器制御部42に接続されている第2の外部デバイス31〜34の何れかから割込みを示すデータが割込情報格納バッファ83a〜83dに書き込まれたことを外部デバイスコントローラ82が検知すると、外部デバイスコントローラ82は、その旨を示す信号を第2の割込制御部81に送信する。すると、第2の割込制御部81は、第2の割込信号を生成し、専用の信号線45を介して割込信号を第1の機器制御部41の第1の割込制御部61に送信する。なお、割込信号としては、外部デバイスコントローラ82が第2の割込制御部81に送信する割込みを示すデータが割込情報格納バッファ83a〜83dに書き込まれたことを示す信号そのものを用いても良い。
【0062】
第2の割込信号を受信すると、第1の機器制御部41に設けられた第1の割込制御部61は、データ送受信部60によって割込信号に対応したパケットを主制御部40へ送信する。
【0063】
その際、データ送受信部60は、図4に示されるように、パケット生成回路75により割込信号に対応したパケット信号を生成し、当該パケット信号をバッファ回路76に一時的に記憶するとともに、パラレルシリアル回路77によりシリアル信号に変換してシリアルバス43を介して割込信号に対応したパケットを主制御部40へ送信する。
【0064】
このとき、第1の機器制御部41の割込制御部61は、図2に示されるように、割込信号に対応したパケットを第2の機器制御部42から受信すると同時に、データ送受信部60を介して第2の機器制御部42に割込情報格納バッファ63a〜63cのいずれかに書き込まれた割り込みを示すデータを読み出す(リードする)ためのパケット(リード制御信号)を送信する。
【0065】
その際、データ送受信部60は、第1の割込制御部61からの指令を受けて、図4に示されるように、パケット生成回路69により第2の機器制御部42の割込情報格納バッファ63a〜63cに書き込まれた割り込みを示すデータを読み出すためのパケットを生成し、当該パケットをバッファ70に一時的に記憶するとともに、パラレルシリアル回路71によりシリアル信号に変換してシリアルバス44を介して読み出すためのパケット(リード制御信号)を第2の機器制御部42へ送信する。
【0066】
第2の機器制御部42のデータ送受信部80は、図5に示されるように、パケット(リード制御信号)を受信すると、当該リード制御信号をデコードして対応する割込情報格納バッファ63a〜63cから割り込みを示すデータを読み出して、シリアルバス44を介して第1の機器制御部41に送信する。
【0067】
第1の機器制御部41のデータ送受信部60は、図2に示されるように、第1の機器制御部41からシリアルバス44を介して送信された割り込みを示すデータを受信すると、当該第1の機器制御部41から送信された割り込みを示すデータを第2の機器制御部用の割込情報格納バッファ63aに格納する。
【0068】
一方、主制御部40は、図2に示されるように、第1の機器制御部41から割込信号を示すパケットを受信すると、当該パケットの内容をデコードして、第1の機器制御部41に設けられた第2の機器制御部用の割込情報格納バッファ63aに格納された割り込みを示すデータに対応した割込みパケットを受け取り、割込みパケットの内容を処理解析する。そして、主制御部40のメインCPU46は、解析された割込みパケットの内容に基づいて第1の機器制御部41を介して第2の機器制御部42の割込み状態を解消するように制御する。
【0069】
このように、上記実施の形態では、第2の機器制御部42に接続された外部機器31〜34において割込み状態が発生した場合であっても、第2の機器制御部42から専用の信号線45を介して送信される割込信号が主制御部40に送信され、主制御部40によって第1の機器制御部41に設けられた割込情報格納バッファ63に格納された割込みを示すデータを読み取りに行くまでの間に、第2の機器制御部42から送信された割込み状態を示すデータが第1の機器制御部41に設けられた第2の機器制御部用の割込情報格納バッファ63aに格納される。
【0070】
そのため、主制御部40は、当該主制御部40に第1の機器制御部41を介して二次的に第2の機器制御部42からの割込みを示すデータであっても、第2の機器制御部42から割込信号が専用の信号線45を介して直ちに第1の機器制御部41に送信されるため、第1の機器制御部41は、当該第1の機器制御部41に直接接続された外部デバイス21,22に生じた割込み状態と殆ど時間差を生じることなく読み出して対応することができ、同時処理(リアルタイム)性が向上される。
【0071】
更に説明すると、従来は、主制御部40に第1の機器制御部41を接続し、当該第1の機器制御部41に第2の機器制御部42を接続(二次接続)した場合、第2の機器制御部42で発生した割込み状態を、まず、第2の機器制御部42から第1の機器制御部41にパケットで送信し、第1の機器制御部41がパケットの内容を解析して、第2の機器制御部42で発生した割込み状態を示すパケットを作成して主制御部40に送信し、主制御部40がパケットの内容を解析することで、第2の機器制御部42で割込み状態が発生したことを判断する必要があった。
【0072】
これに対して、本実施の形態の場合には、第2の機器制御部42で発生した割込み状態を、専用の信号線45を介して第1の機器制御部41に送信し、第1の機器制御部41が直ちに第2の機器制御部42で割込み状態が発生したことを検知して対応することが可能となる。このとき、第1の機器制御部41の割込制御部61は、割込信号を主制御部40に送信すると同時に、第2の機器制御部42から割込状態を示すデータを読み出して当該第1の機器制御部41に設けられた第2の機器制御部用の割込情報格納バッファ63aに格納する。そのため、第1の機器制御部41は、主制御部40からの指令により第2の機器制御部用の割込情報格納バッファ63aに格納された割込状態を示すデータを読み出すにあたり、第1の機器制御部41の他の割込情報格納バッファ63b,63cに格納された割込状態を示すデータを読み出す動作との間に実質的に時間差が生じることがない。
【0073】
なお、前記実施の形態では、主制御部に対して第1の機器制御部41を介して第2の機器制御部42を接続した場合について説明したが、第2の機器制御部42を介して更に第3の機器制御部を接続するように構成しても良い。この場合には、第2の機器制御部42が第1の機器制御部と同様に後段の第3の機器制御部からの割込情報を記憶する記憶部を備えるように構成すれば良い。
【符号の説明】
【0074】
1…画像形成装置
2…画像形成部
3…画像読取装置
4…制御装置
41…主制御部
41…第1の機器制御部
42…第2の機器制御部
45…専用の信号線
図1
図2
図3
図4
図5