(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
乗場に至る経路上またはその近傍に配置された情報取得装置で取得された利用者情報に基づいて割当依頼生成装置で生成された割当依頼情報に係る呼びを複数台のエレベータのいずれかの号機に割り当てるエレベータの群管理制御装置であって、
前記割当依頼生成装置は、前記情報取得装置で利用者情報が取得されたときに、当該利用者情報に基づいて、利用者が複数の利用者で構成されるグループに属すると判断した場合、当該利用者が属するグループを示すグループ識別情報を含む割当依頼情報を当該群管理制御装置に出力するように構成されており、
当該群管理制御装置は、前記割当依頼情報に基づく呼びを前記複数台のエレベータのいずれかの号機に割り当てる制御部を備え、
前記制御部は、
前記割当依頼生成装置から、前記グループ識別情報を含む割当依頼情報を受信したときは、当該割当依頼情報を受信する前の所定時間内に今回受信した割当依頼情報に含まれたグループ識別情報と同一のグループ識別情報を含む割当依頼情報を前記割当依頼生成装置から取得しているか否かを判断し、
取得していないと判断しかつ所定の割当条件を満たす場合、今回受信した割当依頼情報に係る第1の呼びと、受信後前記所定時間が経過するまでの間に受信した割当依頼情報であって、今回受信した割当依頼情報に含まれたグループ識別情報と同一のグループ識別情報が含まれた割当依頼情報に係る第2の呼びとを、同一の号機に割り当て、
前記割当依頼生成装置は、前記情報取得装置で利用者情報が取得されたときに、当該利用者情報に基づいて、利用者が複数の利用者で構成されるグループに属すると判断した場合、前記グループ識別情報と、グループを構成する利用者数を示す情報とを含む割当依頼情報を当該群管理制御装置に出力するように構成されており、
前記制御部は、
前記第1の呼びを受信したときに、グループを構成する利用者数分の呼びを割り当て可能な号機が存在するか否かを判断し、
割り当て可能な号機が存在する場合、当該割り当て可能な号機の中から一の号機を、前記グループを構成する利用者数分の呼びを割り当てるためのグループ割当候補号機として設定し、
前記所定時間が経過するまでの間に受信した前記第2の呼びに対して前記グループ割当候補号機を割当号機として割り当て、
前記情報取得装置は、
特定領域の内部に進入する利用者が所持する識別媒体から利用者情報を取得する第1情報取得部と、
前記特定領域から外部に退出する利用者が所持する識別媒体から利用者情報を取得する第2情報取得部と、を有し、
前記割当依頼生成装置は、
前記第1情報取得部で前記利用者情報を取得したときに、前記情報取得装置から受信した割当依頼情報に基づいて利用者が利用者グループに属するか否かを判断するとともに、
前記第1情報取得部と前記第2情報取得部とのいずれで利用者情報を取得したか否かを判断し、
(a)グループに属しかつ前記第1情報取得部で利用者情報が取得されたと判断した場合、当該利用者情報が示す利用者が入室していることを示す情報を登録し、
及び/または(b)グループに属しかつ前記第2情報取得部で利用者情報が取得されたと判断した場合、当該利用者情報が示す利用者が入室していないことを示す情報を登録し、
前記割当依頼生成装置は、
前記グループを構成する前記利用者数として、前記入室していることを示す情報及び/または入室していないことを示す情報に基づいて求めた利用者数を設定する、
エレベータの群管理制御装置。
複数台のエレベータと、乗場に至る経路上またはその近傍に配置された情報取得装置で取得された利用者情報に基づいて割当依頼生成装置で生成された割当依頼情報に係る呼びを前記複数台のエレベータのいずれかの号機に割り当てるエレベータの群管理制御装置と、を有するエレベータシステムであって、
前記割当依頼生成装置は、前記情報取得装置で利用者情報が取得されたときに、当該利用者情報に基づいて、利用者が複数の利用者で構成されるグループに属すると判断した場合、当該利用者が属するグループを示すグループ識別情報を含む割当依頼情報を当該群管理制御装置に出力するように構成されており、
当該群管理制御装置は、前記割当依頼情報に基づく呼びを前記複数台のエレベータのいずれかの号機に割り当てる制御部を備え、
前記制御部は、
前記割当依頼生成装置から、前記グループ識別情報を含む割当依頼情報を受信したときは、当該割当依頼情報を受信する前の所定時間内に今回受信した割当依頼情報に含まれたグループ識別情報と同一のグループ識別情報を含む割当依頼情報を前記割当依頼生成装置から取得しているか否かを判断し、
取得していないと判断しかつ所定の割当条件を満たす場合、今回受信した割当依頼情報に係る第1の呼びと、受信後前記所定時間が経過するまでの間に受信した割当依頼情報であって、今回受信した割当依頼情報に含まれたグループ識別情報と同一のグループ識別情報が含まれた割当依頼情報に係る第2の呼びとを、同一の号機に割り当て、
前記割当依頼生成装置は、前記情報取得装置で利用者情報が取得されたときに、当該利用者情報に基づいて、利用者が複数の利用者で構成されるグループに属すると判断した場合、前記グループ識別情報と、グループを構成する利用者数を示す情報とを含む割当依頼情報を当該群管理制御装置に出力するように構成されており、
前記制御部は、
前記第1の呼びを受信したときに、グループを構成する利用者数分の呼びを割り当て可能な号機が存在するか否かを判断し、
割り当て可能な号機が存在する場合、当該割り当て可能な号機の中から一の号機を、前記グループを構成する利用者数分の呼びを割り当てるためのグループ割当候補号機として設定し、
前記所定時間が経過するまでの間に受信した前記第2の呼びに対して前記グループ割当候補号機を割当号機として割り当て、
前記情報取得装置は、
特定領域の内部に進入する利用者が所持する識別媒体から利用者情報を取得する第1情報取得部と、
前記特定領域から外部に退出する利用者が所持する識別媒体から利用者情報を取得する第2情報取得部と、を有し、
前記割当依頼生成装置は、
前記第1情報取得部で前記利用者情報を取得したときに、前記情報取得装置から受信した割当依頼情報に基づいて利用者が利用者グループに属するか否かを判断するとともに、
前記第1情報取得部と前記第2情報取得部とのいずれで利用者情報を取得したか否かを判断し、
(a)グループに属しかつ前記第1情報取得部で利用者情報が取得されたと判断した場合、当該利用者情報が示す利用者が入室していることを示す情報を登録し、
及び/または(b)グループに属しかつ前記第2情報取得部で利用者情報が取得されたと判断した場合、当該利用者情報が示す利用者が入室していないことを示す情報を登録し、
前記割当依頼生成装置は、
前記グループを構成する前記利用者数として、前記入室していることを示す情報及び/または入室していないことを示す情報に基づいて求めた利用者数を設定する、
エレベータシステム。
乗場に至る経路上またはその近傍に配置された情報取得装置と、前記情報取得装置で取得された利用者情報に基づいて割当依頼情報を生成する割当依頼生成装置と、前記割当依頼生成装置で生成された割当依頼情報に係る呼びを複数台のエレベータのいずれかの号機に割り当てるエレベータの群管理制御装置と、を有するエレベータの群管理システムであって、
前記割当依頼生成装置は、前記情報取得装置で利用者情報が取得されたときに、当該利用者情報に基づいて、利用者が複数の利用者で構成されるグループに属すると判断した場合、当該利用者が属するグループを示すグループ識別情報を含む割当依頼情報を当該群管理制御装置に出力するように構成されており、
当該群管理制御装置は、前記割当依頼情報に基づく呼びを前記複数台のエレベータのいずれかの号機に割り当てる制御部を備え、
前記制御部は、
前記割当依頼生成装置から、前記グループ識別情報を含む割当依頼情報を受信したときは、当該割当依頼情報を受信する前の所定時間内に今回受信した割当依頼情報に含まれたグループ識別情報と同一のグループ識別情報を含む割当依頼情報を前記割当依頼生成装置から取得しているか否かを判断し、
取得していないと判断しかつ所定の割当条件を満たす場合、今回受信した割当依頼情報に係る第1の呼びと、受信後前記所定時間が経過するまでの間に受信した割当依頼情報であって、今回受信した割当依頼情報に含まれたグループ識別情報と同一のグループ識別情報が含まれた割当依頼情報に係る第2の呼びとを、同一の号機に割り当て、
前記割当依頼生成装置は、前記情報取得装置で利用者情報が取得されたときに、当該利用者情報に基づいて、利用者が複数の利用者で構成されるグループに属すると判断した場合、前記グループ識別情報と、グループを構成する利用者数を示す情報とを含む割当依頼情報を当該群管理制御装置に出力するように構成されており、
前記制御部は、
前記第1の呼びを受信したときに、グループを構成する利用者数分の呼びを割り当て可能な号機が存在するか否かを判断し、
割り当て可能な号機が存在する場合、当該割り当て可能な号機の中から一の号機を、前記グループを構成する利用者数分の呼びを割り当てるためのグループ割当候補号機として設定し、
前記所定時間が経過するまでの間に受信した前記第2の呼びに対して前記グループ割当候補号機を割当号機として割り当て、
前記情報取得装置は、
特定領域の内部に進入する利用者が所持する識別媒体から利用者情報を取得する第1情報取得部と、
前記特定領域から外部に退出する利用者が所持する識別媒体から利用者情報を取得する第2情報取得部と、を有し、
前記割当依頼生成装置は、
前記第1情報取得部で前記利用者情報を取得したときに、前記情報取得装置から受信した割当依頼情報に基づいて利用者が利用者グループに属するか否かを判断するとともに、
前記第1情報取得部と前記第2情報取得部とのいずれで利用者情報を取得したか否かを判断し、
(a)グループに属しかつ前記第1情報取得部で利用者情報が取得されたと判断した場合、当該利用者情報が示す利用者が入室していることを示す情報を登録し、
及び/または(b)グループに属しかつ前記第2情報取得部で利用者情報が取得されたと判断した場合、当該利用者情報が示す利用者が入室していないことを示す情報を登録し、
前記割当依頼生成装置は、
前記グループを構成する前記利用者数として、前記入室していることを示す情報及び/または入室していないことを示す情報に基づいて求めた利用者数を設定する、
エレベータの群管理システム。
複数台のエレベータと、乗場に至る経路上またはその近傍に配置された情報取得装置と、前記情報取得装置で取得された利用者情報に基づいて割当依頼情報を生成する割当依頼生成装置と、前記割当依頼生成装置で生成された割当依頼情報に係る呼びを前記複数台のエレベータのいずれかの号機に割り当てるエレベータの群管理制御装置とを有するエレベータシステムであって、
前記割当依頼生成装置は、前記情報取得装置で利用者情報が取得されたときに、当該利用者情報に基づいて、利用者が複数の利用者で構成されるグループに属すると判断した場合、当該利用者が属するグループを示すグループ識別情報を含む割当依頼情報を当該群管理制御装置に出力するように構成されており、
当該群管理制御装置は、前記割当依頼情報に基づく呼びを前記複数台のエレベータのいずれかの号機に割り当てる制御部を備え、
前記制御部は、
前記割当依頼生成装置から、前記グループ識別情報を含む割当依頼情報を受信したときは、当該割当依頼情報を受信する前の所定時間内に今回受信した割当依頼情報に含まれたグループ識別情報と同一のグループ識別情報を含む割当依頼情報を前記割当依頼生成装置から取得しているか否かを判断し、
取得していないと判断しかつ所定の割当条件を満たす場合、今回受信した割当依頼情報に係る第1の呼びと、受信後前記所定時間が経過するまでの間に受信した割当依頼情報であって、今回受信した割当依頼情報に含まれたグループ識別情報と同一のグループ識別情報が含まれた割当依頼情報に係る第2の呼びとを、同一の号機に割り当て、
前記割当依頼生成装置は、前記情報取得装置で利用者情報が取得されたときに、当該利用者情報に基づいて、利用者が複数の利用者で構成されるグループに属すると判断した場合、前記グループ識別情報と、グループを構成する利用者数を示す情報とを含む割当依頼情報を当該群管理制御装置に出力するように構成されており、
前記制御部は、
前記第1の呼びを受信したときに、グループを構成する利用者数分の呼びを割り当て可能な号機が存在するか否かを判断し、
割り当て可能な号機が存在する場合、当該割り当て可能な号機の中から一の号機を、前記グループを構成する利用者数分の呼びを割り当てるためのグループ割当候補号機として設定し、
前記所定時間が経過するまでの間に受信した前記第2の呼びに対して前記グループ割当候補号機を割当号機として割り当て、
前記情報取得装置は、
特定領域の内部に進入する利用者が所持する識別媒体から利用者情報を取得する第1情報取得部と、
前記特定領域から外部に退出する利用者が所持する識別媒体から利用者情報を取得する第2情報取得部と、を有し、
前記割当依頼生成装置は、
前記第1情報取得部で前記利用者情報を取得したときに、前記情報取得装置から受信した割当依頼情報に基づいて利用者が利用者グループに属するか否かを判断するとともに、
前記第1情報取得部と前記第2情報取得部とのいずれで利用者情報を取得したか否かを判断し、
(a)グループに属しかつ前記第1情報取得部で利用者情報が取得されたと判断した場合、当該利用者情報が示す利用者が入室していることを示す情報を登録し、
及び/または(b)グループに属しかつ前記第2情報取得部で利用者情報が取得されたと判断した場合、当該利用者情報が示す利用者が入室していないことを示す情報を登録し、
前記割当依頼生成装置は、
前記グループを構成する前記利用者数として、前記入室していることを示す情報及び/または入室していないことを示す情報に基づいて求めた利用者数を設定する、
エレベータシステム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態に係るエレベータの群管理システムについて、図面を参照して説明する。
【0014】
(実施形態1)
1.構成
1−1.エレベータシステムの概要
本実施形態に係るエレベータシステムの概要について説明する。
図1は、実施形態1に係るエレベータシステムが適用されるビル(建物)の特定階における配置を示す概略図である。ここで、特定階とは例えば当該ビルの外部につながるロビー階である。ビルの利用者は特定階を経由して他の階に移動することとなる。
【0015】
本実施形態に係るエレベータシステムは、複数台のエレベータ(以下適宜「号機」という)60A〜60Fと、群管理システムとを含む。エレベータの群管理システムは、エレベータ(A号機〜F号機。以下適宜「号機」という)60A〜60Fの走行および運行を統合的に制御する。本実施形態では、一例としてA号機からF号機の6台のエレベータ60A〜60Fが設けられている。各エレベータ60A〜60Fの乗車用開口がエレベータホール(エレベータ乗場)側に設けられており、利用者はエレベータホールからエレベータ60A〜60Fに乗車する。なお、複数台のエレベータ60A〜60Fは互いに同一の構成を有する。そのため、構成等の説明において区別する必要がない場合、適宜、各エレベータを「エレベータ60」という。
【0016】
本実施形態では、ビルのロビー階等の特定階において、複数台のセキュリティゲート20A〜20Cがエントランス(エントランスホール)とエレベータホール(エレベータ乗場)との間に設置されているものとする。なお、複数台のセキュリティゲート20A〜20Cは互いに同一の構成を有する。そのため、構成等の説明において区別する必要がない場合、適宜、各セキュリティゲートを「セキュリティゲート20」という。利用者は、エントランス側からいずれかのセキュリティゲート20を通過してエレベータホールに進入する。
【0017】
ここで、ビル(建物)において、セキュリティゲート20A〜20Cよりもエレベータホール側の領域を、以後適宜「特定領域」という場合がある。特定領域は、ビル(建物)において、エントランス側からセキュリティゲート20A〜20Cを通過しないと、入れない領域である。そのため、特定領域には、エレベータホールだけでなく、各エレベータ60のかご内のスペースや、エレベータ60を利用して移動可能な各階床のスペース等を含んでもよい。
【0018】
また、特定階に、行先階登録装置30Aがエレベータホール(エレベータ乗場)に至る経路の近傍に設置されているものとする。なお、セキュリティゲート20が設けられていない特定階以外の各階には、行先階登録装置30B〜30Zが設けられている(
図2参照)。複数台の行先階登録装置30A〜30Zは互いに同一の構成を有する。そのため、構成等の説明において区別する必要がない場合、適宜、各行先階登録装置を「行先階登録装置30」という。
【0019】
本実施形態に係るエレベータの群管理システムでは、利用者がエレベータ60のかごに乗車する前にセキュリティゲート20や行先階登録装置30を利用して行先階を予め登録する行先階登録方式が採用されている。そして、群管理システムは、このようにして予め登録された行先階についての呼び(行先階呼び)を、複数台のエレベータ60のいずれかの号機に割り当てて、割り当てた号機を示す情報を利用者に報知し、利用者は割り当てられた号機に乗車するように構成されている。具体的な制御については、後述する。なお、特定階の行先階登録装置30Aは、エレベータホール内に進入した利用者が、指定されたエレベータ60に乗り遅れたとき、あるいはIDカードに登録されていないフロアに移動するときなどに、任意の行先階を登録可能とするために設けられている。
【0020】
1−2.エレベータの群管理システムの構成
1−2−1.概要
本実施形態に係るエレベータの群管理システムの構成を説明する。
図2は、実施形態1に係るエレベータの群管理システムの構成を示すブロック図である。本実施形態に係るエレベータの群管理システムは、群管理制御装置10と、複数台の行先階登録装置30A〜30Zと、複数台のエレベータ制御装置40A〜40Fと、ゲート表示器70とを有する。ゲート表示器70は、セキュリティゲート20に設けられている。
【0021】
エレベータの群管理システムは、セキュリティサーバ100との間で通信を行いながら、各号機に対する新規の行先階呼びの割当制御を行う。各装置間は、情報伝送可能なネットワークNWを介して接続されている。ネットワークNWは、例えばEthernet(登録商標)等のLAN(Local Area Network)により構成され、各装置間での各種の情報の送受信は、TCP/IP等の各種のプロトコルにしたがって行われる。ネットワークNW上に接続されている前述の各装置は、装置間において、各装置が有する入出力インタフェースにより、TCP/IP等の各種のプロトコルにしたがった通信による信号伝送(情報伝送)が可能である。なお、群管理システムを構成する各装置間は、他の信号形式のネットワークや、専用の信号網を介して接続されてもよい。
【0022】
各エレベータ(各号機)60A〜60Fは、かご、巻上機(モータ)、釣合おもり等を有する。
【0023】
1−2−2.群管理制御装置
群管理制御装置10は、セキュリティゲート20においてIDカードから読み取られた利用者ID(利用者情報)に対応する行先階、または行先階登録装置30において入力された行先階を、複数台のエレベータ60A〜60Fのうちのいずれかのエレベータ(号機)に割り当てる制御を行う。
【0024】
図3は、実施形態1における群管理制御装置10の電気的構成を示すブロック図である。
【0025】
群管理制御装置10は、コンピュータを利用して構成され、制御部11と、記憶部12と、入出力インタフェース13とを備える。
【0026】
記憶部12は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施形態の群管理制御装置10の各種機能を実現するためのプログラムを含む。記憶部12は、データとして、例えばグループ割当DBを格納している。グループ割当DBの構成については後述する。
【0027】
制御部11は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部11は、記憶部12から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、群管理制御装置10における後述する各種の機能を実現する。
【0028】
入出力インタフェース13は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース13は、群管理制御装置10と、セキュリティサーバ100、セキュリティゲート20のゲート表示器70、行先階登録装置30(30A〜30Z)、及びエレベータ制御装置40(40A〜40F)との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース13は、制御部11から出力される信号を所定の形式の信号に変換してセキュリティサーバ100、セキュリティゲート20のゲート表示器70、行先階登録装置30、及びエレベータ制御装置40に出力する。また、入出力インタフェース13は、セキュリティサーバ100、セキュリティゲート20のゲート表示器70、行先階登録装置30、及びエレベータ制御装置40から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部11に出力する。
【0029】
1−2−3.行先階登録装置
図4は、実施形態1における行先階登録装置30の電気的構成を示すブロック図である。行先階登録装置30は、利用者が行先階の登録を行うための装置である。行先階登録装置30は、制御部31と、記憶部32と、入出力インタフェース33と、表示部34と、操作部35とを備える。
【0030】
記憶部32は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施形態の行先階登録装置30の各種機能を実現するためのプログラムを含む。記憶部32には、データとして、例えば、行先階登録装置30の装置識別情報(以下適宜「デバイスID」という)が格納されている。
【0031】
制御部31は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部31は、記憶部32から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、行先階登録装置30における後述する各種の機能を実現する。
【0032】
入出力インタフェース33は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース33は、行先階登録装置30と群管理制御装置10との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース33は、制御部31から出力された信号を所定の形式の信号に変換して群管理制御装置10に出力する。また、入出力インタフェース33は、群管理制御装置10から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部31に出力する。
【0033】
操作部35は、利用者が行先階を入力するためのインタフェースである。操作部35は、操作部35の操作内容に対応する信号を制御部31に出力する。
【0034】
表示部34は、制御部31から出力される表示信号に基づく表示を行う。
【0035】
表示部34及び操作部35は、例えば液晶ディスプレイパネルや有機ELディスプレイパネルを利用したタッチパネル式表示装置により一体的に構成されている。なお、表示部34と操作部35とは、異なる部品を利用して別々に構成されてもよい。
【0036】
図5は、実施形態1に係るエレベータの群管理システムにおける行先階登録装置30の表示部34の表示例を示す図である。本例では、階数を指定するためのテンキーが表示されている。
図5では、9階が指定され、A号機が割り当てられたことが示されている。なお、行先階登録装置30は、操作部35に対して行先階の入力操作が行われると、入力された行先階を表示し、その後、群管理制御装置10から当該行先階登録装置30に対応する割当号機情報を受信すると、割当号機情報を、表示中の行先階に対応付けて
図5に示すように表示する。
【0037】
1−2−4.エレベータ制御装置
エレベータ制御装置40A〜40Fは、群管理制御装置10からの制御信号にしたがって、対応するエレベータ60A〜60Fの巻上機(モータ)等の動作を制御することにより、各エレベータ60A〜60Fのかごの上昇、下降、停止等を制御する。また、エレベータ制御装置40A〜40Fはそれぞれ、対応するエレベータ60A〜60Fのかごの位置、走行方向、ドアの開閉状態、荷重等を含むかご状態を検知して、検知したかご状態を示す情報を含むかご状態信号を群管理制御装置10に出力する。なお、複数台のエレベータ制御装置40A〜40Fは互いに同一の構成を有する。そのため、構成等の説明において区別する必要がない場合、適宜、各エレベータ制御装置を「エレベータ制御装置40」という。
【0038】
図6は、実施形態1におけるエレベータ制御装置の電気的構成を示すブロック図である。各エレベータ制御装置40(エレベータ制御装置40A〜40F)は、制御部41と、記憶部42と、入出力インタフェース43と、を備える。
【0039】
記憶部42は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施形態のエレベータ制御装置40の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
【0040】
制御部41は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部41は、記憶部42から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、エレベータ制御装置40における後述する各種の機能を実現する。
【0041】
入出力インタフェース43は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース43は、エレベータ制御装置40と群管理制御装置10との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース43は、制御部41から出力された信号を所定の形式の信号に変換して群管理制御装置10に出力する。また、入出力インタフェース43は、群管理制御装置10から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部41に出力する。
【0042】
1−2−5.セキュリティゲート
セキュリティゲート20は、特定領域内への利用者の進入を許可または規制するための装置である。セキュリティゲート20は、ビルのセキュリティ設備として設けられている。セキュリティゲート20は、正規なIDカードを所持する利用者についてのみ特定領域への進入を許可する。
【0043】
図7は、実施形態1におけるセキュリティゲート20の第1の例の外観を示す斜視図である。なお、
図7は、
図1における最も左側のセキュリティゲート20A(20)の例を示している。セキュリティゲート20は、ゲート本体20aと、第1センサ26と、第2センサ27と、入口側カードリーダ25と、出口側カードリーダ29と、ゲート表示器70と、ゲートフラッパ28とを備える。
【0044】
ゲート本体20aの外面には、上記の第1センサ26と、第2センサ27と、入口側カードリーダ25と、出口側カードリーダ29と、ゲート表示器70とが取り付けられている。ゲート本体20aは、後述する制御部21等を収納する筐体である。ゲート本体20aは、それぞれ利用者の進入方向に沿うように配置されている。ゲート本体20aは、隣接するセキュリティゲート20のゲート本体に対して所定距離離間させて並列に設置される(
図1参照)。ゲート本体20aの側方には、利用者が通過可能な通路PAが形成されている。
【0045】
入口側カードリーダ25は、セキュリティゲート本体20aの上面の入口20i側に配置されている。セキュリティゲート本体20aの上面の入口側とは、セキュリティゲート本体20aの上面において特定領域から遠い側である。入口側カードリーダ25は、セキュリティゲート20の通路PAに入口側から進入する利用者が所持するIDカードに記録された利用者IDを読み取るためのカードリーダである。入口側カードリーダ25は、例えば電磁誘導方式の非接触型カードリーダで構成される。なお、入口側カードリーダ25は、接触型カードリーダで構成されてもよい。入口側カードリーダ25は、情報読取部の一例である。
【0046】
入口側カードリーダ25は、制御部、記憶部、入出力インタフェース、リーダ本体等を備え、制御部が、記憶部に記憶されたプログラムに基づいて種々のデータ等に対して演算処理を行うことにより、カードリーダ25における各種の機能を実現する。記憶部には、データとして、例えば、当該カードリーダ25のデバイスIDが格納されている。
【0047】
出口側カードリーダ29は、セキュリティゲート本体20aの上面の出口20e側に配置されている。セキュリティゲート本体20aの上面の出口側とは、セキュリティゲート本体20aの上面において特定領域に近い側である。出口側カードリーダ29は、セキュリティゲート20の通路に出口側から進入する利用者が所持するIDカードに記録された利用者IDを読み取るためのカードリーダである。出口側カードリーダ29としては、上述した入口側カードリーダ25と同様の構成のものを利用できる。なお、記憶部には、データとして、例えば、当該カードリーダ29のデバイスIDが格納されている。
【0048】
ゲート表示器70は、割当号機情報を表示する。ゲート表示器70の詳細な構成については後述する。
【0049】
第1センサ26は、セキュリティゲート20の通路PAの入口20i側における利用者の移動を検知する。第1センサ26及び第2センサ27は、利用者の移動を検知すると、検知信号を出力する。
【0050】
第2センサ27は、セキュリティゲート20の通路PAの出口20e側における利用者の移動を検知する。第1センサ26及び第2センサ27は、利用者の移動を検知すると、検知信号を出力する。
【0051】
ゲートフラッパ28は、開閉自在の扉である。ゲートフラッパ28は、開いた状態において、利用者がセキュリティゲート20を通過することを可能とする。ゲートフラッパ28は、閉じた状態において、利用者がセキュリティゲート20を通過することを妨げる。
【0052】
図8は、実施形態1におけるセキュリティゲート20の電気的構成を示すブロック図である。セキュリティゲート20は、上述の構成要素に加えてさらに、制御部21と、記憶部22と、入出力インタフェース23とを備える。
【0053】
記憶部22は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施形態におけるセキュリティゲート20の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
【0054】
制御部21は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部21は、記憶部22に格納されたプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、セキュリティゲート20における後述する各種の機能を実現する。
【0055】
制御部21は、第1センサ26及び第2センサ27からの検知信号、及びセキュリティサーバ100からのゲートOPEN信号、ゲートCLOSE信号等に基づいて、ゲートフラッパ28を開閉する。
【0056】
入口側カードリーダ25及び出口側カードリーダ29は、IDカードに記録された利用者IDを読み取ると、読み取った利用者IDと、入口側カードリーダ25または出口側カードリーダ29のデバイスIDとを、セキュリティサーバ100に送信する。
【0057】
入出力インタフェース23は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース23は、セキュリティゲート20とセキュリティサーバ100との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース23は、制御部21、入口側カードリーダ25、及び出口側カードリーダ29から出力された信号を所定の形式の信号に変換してセキュリティサーバ100に出力する。また、入出力インタフェース23は、セキュリティサーバ100から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部21に出力する。
【0058】
1−2−6.ゲート表示器
ゲート表示器70は、セキュリティゲート20に設置され、群管理制御装置10が割り当てた号機を利用者へ案内するための表示器である。このゲート表示器70はセキュリティゲート20に設置されるが、システムとしてはエレベータの群管理システムの一部である。ゲート表示器70は、当該ゲート表示器70が設けられたセキュリティゲート20を入口20i側から出口20e側に通過する利用者(本利用者が提示したIDカードに対応する利用者ID)に割り当てられたエレベータを示す割当号機情報を表示する。
【0059】
図9は、実施形態1におけるゲート表示器70の電気的構成を示すブロック図である。ゲート表示器70は、群管理制御装置10から受信した情報に基づく表示制御が可能なように、コンピュータを利用して構成されている。ゲート表示器70は、
図9に示すように、制御部71と、記憶部72と、入出力インタフェース73と、表示部74とを備える。
【0060】
記憶部72は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施形態のゲート表示器70の後述する各種機能を実現するためのプログラムを含む。
【0061】
制御部71は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部71は、記憶部72から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、ゲート表示器70における後述する各種の機能を実現する。
【0062】
入出力インタフェース73は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース73は、ゲート表示器70と群管理制御装置10との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース73は、制御部71から出力された信号を所定の形式の信号に変換して群管理制御装置10に出力する。また、入出力インタフェース73は、群管理制御装置10から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部71に出力する。
【0063】
表示部74は、例えば液晶ディスプレイパネルや有機ELディスプレイパネルを利用して構成されている。
【0064】
図10は、実施形態1に係るエレベータの群管理システムにおけるゲート表示器70の表示例を示す図である。本例では、ゲート表示器70は、A号機が割り当てられたことを示している。
【0065】
1−2−7.セキュリティサーバ
セキュリティサーバ100は、セキュリティゲート20のカードリーダ25で読み取られた利用者IDに基づく認証を行い、認証結果に基づいてゲートOPEN信号あるいはゲートCLOSE信号をセキュリティゲート20の制御部21に送信する。また、セキュリティサーバ100は、利用者ID等に基づいて割当依頼情報(行先階情報、出発階情報、及びデバイスID等)を生成し、群管理制御装置10に出力する。また、後述するように、利用者IDに対応する利用者がグループに属する場合、セキュリティサーバ100は、さらにグループ番号及び非入室者数を、割当依頼情報に含めて、群管理制御装置10に出力する。
【0066】
図11は、実施形態1におけるセキュリティサーバ100の電気的構成を示すブロック図である。セキュリティサーバ100は、コンピュータを利用して構成され、制御部101と、記憶部102と、入出力インタフェース103と、を備える。
【0067】
記憶部102は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施形態のセキュリティサーバ100の後述する各種機能を実現するためのプログラムを含む。記憶部102は、データとして、利用者データベース(以下「利用者DB」という)を格納している。利用者DBの構成については後述する。
【0068】
また、記憶部102は、データとして、セキュリティゲート20の設置階を示す設置階情報を記憶している。設置階情報は、セキュリティゲート20を通過した利用者の出発階情報として利用される。なお、セキュリティゲート20が複数の階に設置されている場合、記憶部102に、例えば、カードリーダ25のデバイスIDと、設置階情報とを対応付けて記録した設置階情報テーブルを格納しておいてもよい。この場合、セキュリティゲート20の入口側カードリーダ25または出口側カードリーダ29からデバイスIDを受信したときに、設置階情報テーブルから、セキュリティゲート20の入口側カードリーダ25のデバイスIDに対応する設置階情報を取得し、取得した設置階情報を出発階情報として利用すればよい。
【0069】
制御部101は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部101は、記憶部102から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、セキュリティサーバ100における後述する各種の機能を実現する。
【0070】
入出力インタフェース103は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース103は、セキュリティサーバ100と、群管理制御装置10、及びセキュリティゲート20(入口側カードリーダ25、出口側カードリーダ29、及び制御部21)との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース103は、制御部101から出力された信号を所定の形式の信号に変換して群管理制御装置10、及びセキュリティゲート20(入口側カードリーダ25、出口側カードリーダ29、及び制御部21)に出力する。また、入出力インタフェース103は、群管理制御装置10、及びセキュリティゲート20(入口側カードリーダ25、出口側カードリーダ29、及び制御部21)から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部101に出力する。
【0071】
図12Aは、実施形態1におけるセキュリティサーバ100の記憶部102に格納されている利用者DBの構成を示す図である。利用者DBは、IDカードの利用者IDと、行先階(行先階情報)と、グループ番号と、入室フラグとを対応付けて記録している。
【0072】
グループ番号は、利用者IDに係る利用者が属するグループの番号である。利用者DBにおいて、利用者IDに対応付けてグループ番号として“1”以上の整数値が記録されていることは、当該利用者IDに係る利用者が、当該グループ番号のグループに属する利用者として登録されていること(以下適宜「グループ登録」という)を示す。一方、利用者IDに対応付けてグループ番号として“0”が記録されていることは、当該利用者IDに係る利用者が、いずれのグループにもグループ登録されていないことを示す。
【0073】
入室フラグは、利用者IDに係る利用者が、現在、ビルの特定領域内に存在しているか否かを示すフラグである。利用者IDに対応付けて入室フラグとして”ON“が記録されていることは、当該利用者IDに係る利用者が、現在、ビルの特定領域内に存在していることを示す。一方、利用者IDに対応付けて入室フラグとして”OFF“が記録されていることは、当該利用者IDに係る利用者が、現在、ビルの特定領域内に存在していないことを示す。
【0074】
図12Aに示す例では、利用者ID“00001”に対応付けて行先階情報として“10階”が記録されている。利用者ID“00002”に対応付けて行先階情報として“8階”が記録されている。利用者ID“00003”に対応付けて行先階情報として“15階”が記録されている。それ以外の利用者IDについても、対応する行先階が同様に記録されている。また、利用者ID“00003”、“00004”、“00006”、“00007”に対応付けて、それぞれ、グループ番号として“1”が記録されている。これは、利用者ID“00003”、“00004”、“00006”、“00007”に対応する利用者が、グループ番号“1”のグループに属する利用者として登録されていることを示す。また、利用者ID“00002”、“00005”に対応付けて、それぞれ、グループ番号として“2”が記録されている。これは、利用者ID“00002”、“00005”に対応する利用者が、グループ番号“2”のグループに属する利用者として登録されていることを示す。一方、利用者ID“00001”、“00002”、“00005”、“00008”に対応付けて、それぞれ、グループ番号として“0”が記録されている。これは、利用者ID“00001”、“00002”、“00005”、“00008”に対応する利用者は、いずれのグループにもグループ登録されていないことを示す。また、全ての利用者IDに対応させて、それぞれ、入室フラグとして”OFF“が記録されている。これは、全ての利用者IDに対応する利用者が、現在、ビルの特定領域内に存在していないことを示す。
【0075】
図12Bは、実施形態1におけるセキュリティサーバ100の記憶部102に格納されている利用者DBの構成を示す図である。
図12Bでは、利用者ID“00005”、“00007”に対応付けて、それぞれ、入室フラグとして”ON“が記録されている。これは、利用者ID“00005”、“00007”に対応する利用者が、ビルの特定領域内に存在していることを示す。つまり、
図12Aと比較すると、利用者ID“00005”、“00007”に対応する利用者が、ビルの特定領域内に進入したことがわかる。
【0076】
なお、利用者DBへのグループ登録は、例えば、ビル管理者のコンピュータや、利用者のコンピュータあるいはスマートフォン等から、通信回線等を介してセキュリティサーバ100にアクセスして行うことが可能なように構成されている。通信回線等を介したデータベースへの登録のための構成は、種々の公知の方法を利用することができる。
【0077】
2.動作
2−1.概要
図2を参照しながら、セキュリティゲート20のゲートフラッパ28の開閉動作、及び群管理システムによる号機割当制御について時系列的に説明する。
【0078】
2−1−1.セキュリティゲートのゲートフラッパの開閉
まず、セキュリティゲート20のゲートフラッパ28の開閉動作について時系列的に説明する。利用者が、IDカードを入口側カードリーダ25に接触させあるいは近接させながらセキュリティゲート20(20A〜20C)に進入すると、入口側カードリーダ25によりIDカードから利用者IDが読み取られ、入口側カードリーダ25からセキュリティサーバ100にID情報(利用者ID、入口側カードリーダ25のデバイスID)が送信される。受信したID情報に含まれる利用者IDが正規なものである場合、セキュリティサーバ100は、ゲートOPEN信号を、当該デバイスIDの入口側カードリーダ25に対応するセキュリティゲート20の制御部21に送信する。この場合、制御部21は、ゲートフラッパ28を開状態で維持する。これにより、利用者は、セキュリティゲート20を通過することができる。
【0079】
一方、IDカードが非正規なものである場合、セキュリティサーバ100は、ゲートCLOSE信号を、当該デバイスIDの入口側カードリーダ25に対応するセキュリティゲート20の制御部21に送信する。この場合、制御部21は、ゲートフラッパ28を閉状態とする。そのため、非正規なIDカードを提示した利用者は、セキュリティゲート20を通過することができない。
【0080】
また、ゲートOPEN信号をセキュリティサーバ100から受信していない状態で、第1センサ26からの信号を受信した場合、当該セキュリティゲート20の制御部21は、ゲートフラッパ28を閉状態に制御する。IDカードを有していない非正規の利用者がセキュリティサーバ100を通過しようとしている可能性があり、これを阻止するためである。
【0081】
このように、正規なIDカードを有する利用者はエレベータホール内に進入することができるが、IDカードを有していない利用者や非正規なIDカードを有する利用者はエレベータホール内に進入できない。よって、ビル内のセキュリティが確保される。
【0082】
2−1−2.エレベータの号機割当制御
セキュリティサーバ100は、セキュリティゲート20の入口側カードリーダ25から受信したID情報(利用者ID、デバイスID)に含まれる利用者IDが正規なものである場合、利用者IDに対応するグループ番号を参照して、当該利用者IDに係る利用者がグループに属しているか否かを判断する。そして、入口側カードリーダ25から受信した利用者IDに係る利用者がグループに属していない場合、セキュリティサーバ100は、利用者DBから、当該利用者IDに対応する行先階情報を読み込む。そして、前記の行先階情報と、出発階情報と、セキュリティゲート20のデバイスIDとを、割当依頼情報として、群管理制御装置10に送信する。出発階情報としては、前述のように、入口側カードリーダ25のデバイスIDに対応する設置階情報を利用する。
【0083】
一方、当該利用者がグループに属している場合、セキュリティサーバ100は、利用者DBから、当該利用者IDに対応する行先階情報を読み込む。また、セキュリティサーバ100は、利用者DBを参照して、当該利用者IDに対応するグループ番号と同一のグループ番号を有する全ての利用者IDの入室フラグを参照して、現在入室状態にない利用者の人数(非入室者数)を求める。そして、利用者IDに対応する前記の行先階情報と、出発階情報と、送信元の入口側カードリーダ25が設置されているセキュリティゲート20のデバイスIDと、グループ番号と、非入室者数とを、割当依頼情報として、群管理制御装置10に送信する。出発階情報としては、前述のように、入口側カードリーダ25のデバイスIDに対応する設置階情報を利用する。
【0084】
群管理制御装置10は、グループについての割当依頼情報(行先階情報、出発階情報、デバイスID、グループ番号、非入室者数)を受信すると、受信した割当依頼情報に基づいてグループに属する利用者が同一の号機に乗車可能なように割当号機を決定する。そして、群管理制御装置10は、決定した割当号機を示す割当号機情報を、受信したデバイスIDが示すセキュリティゲート20のゲート表示器70に送信する。
【0085】
また、群管理制御装置10は、通常の割当依頼情報(行先階情報、出発階情報、デバイスID)を受信すると、受信した割当依頼情報に基づいて割当号機を決定する。そして、群管理制御装置10は、決定した割当号機を示す割当号機情報を、受信したデバイスIDが示すセキュリティゲート20のゲート表示器70に送信する。
【0086】
ゲート表示器70は、群管理制御装置10から割当号機情報を受信すると、割当号機情報を表示する。
【0087】
2−1−3.行先階登録装置でユーザによる行先階の入力操作があったときの号機割当制御
利用者が割当号機に乗り遅れた場合、あるいはIDカードに対応させて登録されている行先階以外の階に行く必要がある場合、利用者は、行先階登録装置30により行先階を指定することができる。この場合の群管理システムによる号機割当制御について時系列的に説明する。
【0088】
行先階登録装置30は、操作部35に対して、ユーザによる行先階の入力操作があった場合、入力された行先階を示す行先階情報と、出発階情報と、当該行先階登録装置30のデバイスIDとを、割当依頼情報として、群管理制御装置10に送信する。なお、行先階登録装置30は、自装置の設置階情報を記憶しており、出発階情報に係る出発階として、記憶している自装置の設置階情報に係る設置階を設定する。
【0089】
群管理制御装置10は、割当依頼情報(行先階情報、出発階情報、デバイスID)を受信すると、受信した割当依頼情報に含まれる行先階情報及び出発階情報に基づいて割当号機を決定する。そして、群管理制御装置10は、決定した割当号機を示す割当号機情報を、受信したデバイスIDが示す行先階登録装置30に送信する。
【0090】
行先階登録装置30は、群管理制御装置10から割当号機情報を受信すると、割当号機情報を表示する。
【0091】
2−2.具体的動作
2−2−1.セキュリティサーバの具体的動作
群管理システムの具体的動作について説明する。まず、セキュリティゲート20を利用者が通過したときに行われるセキュリティサーバ100による処理について説明する。
図13は、実施形態1に係るセキュリティサーバ100の動作を示すフローチャートである。
【0092】
入口側カードリーダ25及び出口側カードリーダ29(以下、適宜両者をまとめて「カードリーダ25、29」という)は、IDカードから利用者IDを読み取った場合、読み取った利用者IDと、当該カードリーダ25または29のデバイスIDとを、ID情報として、セキュリティサーバ100に送信する。
【0093】
セキュリティサーバ100(制御部101)は、複数台のカードリーダ25、29のいずれかから、ID情報(利用者ID、デバイスID)を受信したか否かを判断する(S11)。
【0094】
ID情報(利用者ID、デバイスID)を受信していない場合(S11でNO)、セキュリティサーバ100(制御部101)は、本ステップS11の判断を再度実行する。
【0095】
複数台のカードリーダ25、29のいずれかから、ID情報(利用者ID、デバイスID)を受信した場合(S11でYES)、セキュリティサーバ100は、当該セキュリティゲートの入口側カードリーダ25からID情報を受信したのか否かを判断する(S12)。セキュリティサーバ100は、例えば、各カードリーダのデバイスIDと、各カードリーダが入口側カードリーダ25であるか出口側カードリーダ29であるかを示すカードリーダ識別情報とをテーブル等により対応付けて記憶しており、ID情報を受信したときに、受信したデバイスIDに対応するカードリーダ識別情報を取得し、取得したデバイスIDのカードリーダ識別情報に基づいて、入口側カードリーダ25であるか出口側カードリーダ29であるかを判断する。
【0096】
入口側カードリーダ25からID情報を受信した場合(S12でYES)、セキュリティサーバ100は、受信したID情報に含まれる利用者IDが正規なものか否かの認証を行う(S13)。例えば、セキュリティサーバ100の制御部101は、記憶部102に記憶されている利用者DBを参照して、受信したID情報に含まれる利用者IDが、利用者DBの利用者IDとして登録されているか等の判断を行う。
【0097】
利用者IDが正規であると判断した場合(S13でYES)、つまり認証が成功した場合、セキュリティサーバ100の制御部101は、受信した利用者IDがグループに属する利用者IDであるか否かを判断する(S14)。具体的に、セキュリティサーバ100の制御部101は、利用者DBにおいて、受信した利用者IDに対応付けてグループ番号が登録されているか否かにより判断する。
【0098】
グループに属する利用者IDでない場合(S14でNO)、セキュリティサーバ100の制御部101は、記憶部102に記憶されている利用者DBを参照して利用者IDに対応する行先階情報を取得する(S15)。
【0099】
セキュリティサーバ100の制御部101は、取得した行先階情報と、出発階情報と、受信したID情報の送信元の入口側カードリーダ25が配置されたセキュリティゲート20のデバイスIDとを、割当依頼情報として、群管理制御装置10に送信する(S16)。出発階情報としては、前述のように、入口側カードリーダ25のデバイスIDに対応する設置階情報を利用する。
【0100】
グループに属するIDである場合(S14でYES)、セキュリティサーバ100の制御部101は、当該利用者IDに対応するグループ番号を利用者DBから取得する(S17)。
【0101】
セキュリティサーバ100の制御部101は、取得したグループ番号のグループに属する利用者のうち、特定領域内に存在していない利用者の数(以下、「非入室者数」という)を求める(S18)。例えば、セキュリティサーバ100の制御部101は、利用者DBを利用して、取得したグループ番号と同一のグループ番号が対応付けられた利用者IDのうち、今回受信した利用者ID以外で入室フラグが”OFF“である利用者IDの数をカウントする。入室フラグの更新処理については後述する。
【0102】
セキュリティサーバ100の制御部101は、記憶部102に記憶されている利用者DBを参照して利用者IDに対応する行先階情報を取得する(S19)。
【0103】
セキュリティサーバ100の制御部101は、取得した行先階情報と、出発階情報と、受信したID情報の送信元の入口側カードリーダ25が配置されたセキュリティゲート20のデバイスIDと、グループ番号と、非入室者数とを、割当依頼情報として、群管理制御装置10に送信する(S20)。出発階情報としては、前述のように、入口側カードリーダ25のデバイスIDに対応する設置階情報を利用する。
【0104】
セキュリティサーバ100の制御部101は、セキュリティゲート20に、ゲートOPEN信号を送信する(S21)。ゲートOPEN信号を受信すると、セキュリティゲート20の制御部21は、ゲートフラッパ28を開いた状態に制御し、利用者がセキュリティゲート20を通過することを可能とする。
【0105】
セキュリティサーバ100の制御部101は、利用者DBの当該利用者IDに対応する入室フラグを、当該利用者IDに対応する利用者が特定領域内に存在していることを示す”ON“に設定する(S22)。
【0106】
一方、上記ステップS13で、利用者IDが正規でないと判断した場合(S13でNO)、すなわち認証が成立しなかった場合、セキュリティサーバ100の制御部101は、セキュリティゲート20に、ゲートCLOSE信号を送信する(S23)。ゲートCLOSE信号を受信すると、セキュリティゲート20の制御部21は、ゲートフラッパ28を閉じた状態に制御し、利用者がセキュリティゲート20を通過することを規制する。
【0107】
また、上記ステップS12で、入口側カードリーダ25からID情報を受信したのではないと判断した場合(S13でNO)、つまり、出口側カードリーダ29からID情報を受信した場合、セキュリティサーバ100の制御部101は、セキュリティゲート20に、ゲートOPEN信号を送信する(S24)。ゲートOPEN信号を受信すると、セキュリティゲート20の制御部21は、ゲートフラッパ28を開いた状態に制御し、利用者がセキュリティゲート20を通過することを可能とする。
【0108】
セキュリティサーバ100の制御部101は、利用者DBの当該利用者IDに対応する入室フラグを、当該利用者IDに対応する利用者が特定領域内に存在していないことを示す”OFF“に設定する(S25)。
【0109】
2−2−2.群管理制御装置の具体的動作
群管理制御装置10による割当号機の決定処理について説明する。
図14は、実施形態1に係る群管理制御装置10の動作を示すフローチャートである。
【0110】
群管理制御装置10は、セキュリティサーバ100から割当依頼情報を受信したか否かを判断する(S31)。
【0111】
受信していない場合(S31でNO)、群管理制御装置10は、ステップS31の処理を再度実行する。
【0112】
受信した場合(S31でYES)、群管理制御装置10は、割当依頼情報にグループ番号が含まれているか否かを判断する(S32)。
【0113】
グループ番号が含まれていない場合(S32でNO)、群管理制御装置10は、通常の割当て方法により、グループでなく利用者個別に割当号機の決定を行う(S36)。
【0114】
グループ番号が含まれている場合(S32でYES)、群管理制御装置10は、グループ割当DBに、当該グループ番号についてのグループ割当情報が登録されているか否かを判断する(S33)。ここで、グループ割当情報は、後述するように登録されてから所定時間Tが経過したときに消去されるようになっている。そのため、当該グループ番号についてのグループ割当情報が登録されてから所定時間Tが経過していない場合に、当該判断がYESとなる。
【0115】
図15は、実施形態1における群管理制御装置10の記憶部12に格納されているグループ割当DBの構成を示す図である。グループ割当DBは、複数人からなる利用者のグループ毎に、グループ割当情報を格納する。グループ割当情報は、グループを構成する最初の利用者が通過したときにグループ割当DBに登録され、所定時間Cの間保持され、所定時間Cが経過したときに削除される。グループ割当DBは、グループ番号と、グループ割当号機と、ゲート通過時刻とを対応付けて記録する。
【0116】
グループ番号は、複数の利用者からなるグループの識別番号である。
【0117】
グループ割当号機は、グループ番号が示すグループに属する利用者のうち最初の利用者の通過時に、グループの利用者用に割り当てられた割当号機である。最初の利用者とは、所定時間C以上当該グループに属する利用者の通過がなかった後、当該グループにおいて最初に通過した利用者である。
【0118】
ゲート通過時刻は、グループに属する利用者のうち最初の利用者がセキュリティゲート20を通過した時刻である。
【0119】
図15に示す例では、グループ番号“1”に対応付けてグループ割当号機として“A”が記録され、ゲート通過時刻として15h55m15sが記録されている。また、グループ番号“2”に対応付けてグループ割当号機として“C”が記録され、ゲート通過時刻として15h55m20sが記録されている。
【0120】
図14のフローチャートに戻り、グループ割当DBに当該グループ番号についてのグループ割当情報が登録されている場合(S33でYES)、群管理制御装置10は、グループ割当DBにおいて当該グループ番号に対応付けて記録されている、当該グループ用のグループ割当号機を、割当号機として設定する(S34)。
【0121】
グループ割当DBに当該グループ番号についてのグループ割当情報が登録されていない場合(S33でNO)、群管理制御装置10は、後述する割当方法によりグループに対する割当号機の決定を行う(S35)。
【0122】
上記ステップS34、S35、S36のうちのいずれかのステップで割当号機を決定すると、群管理制御装置10は、決定した割当号機を示す割当号機情報を、受信したデバイスIDに対応するセキュリティゲート20のゲート表示器70に送信する(S37)。
【0123】
2−2−2−1.グループでなく個別に割当号機を決定する場合の割当号機決定動作
次に、上記のステップS36におけるグループでなく個別に割当号機を決定する場合の決定動作について具体的に説明する。
図16Aは、実施形態1に係る群管理制御装置10におけるグループに対する割当号機の決定動作を示すフローチャートである。
【0124】
群管理制御装置10は、かご番号iとして1を設定する(S41A)。なお、かごと号機は1対1で対応するのでかご番号iは号機の番号でもある。本実施形態では、6台のエレベータ60A〜60Fが設けられているので、iは1〜6である。
【0125】
群管理制御装置10は、今回受信した割当依頼情報が示す出発階から行先階までの1つの呼びをi号機に割り当てた場合、積み残し及び/または満員通過が発生するか否かを判断する(S42A)。積み残し及び/または満員通過が発生するか否かの判断は、種々の公知の方法を利用可能であるが、例えば以下のように行うことができる。すなわち、新規呼びを各号機に対して順次仮割当して、各号機が各階床を出発するときや到着するときの各号機のかご内の人数を、これまでに受信した呼びのうちサービスが完了していない呼びに対応する人数を積算すること等により求める。そして、この求めた人数が、かごの定員等に基づいて設定された所定の人数を超過するか否かを判断すること等により、積み残し及び/または満員通過が発生するか否かの判断を行うことができる。
【0126】
積み残し及び/または満員通過が発生しない場合(S42AでNO)、群管理制御装置10は、i号機を割当候補号機として追加する(S43A)。
【0127】
一方、積み残し及び/または満員通過が発生する場合(S42AでYES)、群管理制御装置10は、i号機を割当候補号機として追加しない(S44A)。
【0128】
i号機を割当候補号機として設定し(S43A)、あるいは設定しない(S44A)ことを決定すると、群管理制御装置10は、かご番号iとして現在のiに1を加算した値を設定する(S45A)。
【0129】
群管理制御装置10は、かご番号iがエレベータ60の台数よりも大きな値か否かを判断する(S46A)。つまり、群管理制御装置10は、全てのエレベータ60(号機)について、S42A〜S44Aまでの処理が完了したか否かを判断する。
【0130】
全てのエレベータ60(号機)についての処理が完了していない場合(S46AでNOの場合)、群管理制御装置10は、次の号機についてS42A〜S44Aに関する処理を実行する。
【0131】
全てのエレベータ60(号機)について処理が完了した場合(S46AでYESの場合)、群管理制御装置10は、割当候補号機が存在するか否かを判断する(S47A)。
【0132】
割当候補号機が存在しない場合(S47AでNO)、群管理制御装置10は、全号機の中から所定のルールにしたがって最適な号機を選択して、今回受信した割当依頼情報に係る呼びに割り当てる(割当号機を決定する)(S52A)。
【0133】
割当候補号機が存在する場合(S47AでYES)、群管理制御装置10は、割当候補号機の中から所定のルールにしたがって最適な号機を選択して、今回受信した割当依頼情報に係る呼びに割り当てる(割当号機を決定する)(S48A)。
【0134】
ステップS52A、S48Aにおける割当号機の選択は例えば以下のように行われる。例えば、群管理制御装置10は、まず、各エレベータの運行情報に基づいて、行先階呼びに係る行先階を割り当てるべきエレベータ(割当号機)を選択するための評価値を、エレベータ(号機)毎に算出する。ここで、各エレベータの運行情報は、例えば、各エレベータのかご状態(かごの位置、走行方向、ドアの開閉状態、荷重等を含む)、予測される待ち時間(割当号機が出発階に到着するまでの時間)、予測されるサービス完了時間(割当号機が行先階に到着するまでの時間)、かごの予定される停止回数(サービス完了までの間に予定されるエレベータの停止回数)などを示す情報を含む。上記評価値の算出後、群管理制御装置10は、エレベータ60A〜60Fのうちから例えば最も高い評価値を有するエレベータを選択し、行先階を、選択したエレベータに割り当てる。なお、群管理制御装置10は、この方法以外に、一般的に知られている他の方法を用いて行先階をいずれかのエレベータに割り当ててもよい。
【0135】
2−2−2−2.グループに対して割当号機を決定する場合の割当号機決定動作
次に、上記のステップS35におけるグループに対する割当号機の決定動作について具体的に説明する。
図16Bは、実施形態1に係る群管理制御装置10におけるグループに対する割当号機の決定動作を示すフローチャートである。なお、S41B〜S52Bでは、S42Bを除き、
図16AのS41A〜S52Aと同じ処理が行われるため、
図16Aとの相違点を中心に説明する。
【0136】
群管理制御装置10は、かご番号iとして1を設定すると(S41B)、今回受信した割当依頼情報が示す出発階から行先階までの呼びを、非入室者数分、i号機に割り当てた場合に、積み残し及び/または満員通過が発生するか否かを判断する(S42B)。
【0137】
積み残し及び/または満員通過が発生しない場合(S42BでNO)、群管理制御装置10は、i号機を割当候補号機として追加し(S43B)、一方、積み残し及び/または満員通過が発生する場合(S42BでYES)、群管理制御装置10は、i号機を割当候補号機として追加せずに(S44B)、かご番号iとして現在のiに1を加算した値を設定する(S45B)。
【0138】
そして、ステップS45B〜S48B、S52Bでは、グループ割当でなく個別の割当てを行った場合と同様の処理が行われる。
【0139】
群管理制御装置10は、ステップS48Bで割当候補号機から最適な割当号機を決定すると、現在時刻をゲート通過時刻として設定する(S49B)。
【0140】
群管理制御装置10は、ステップS48Bで決定した割当号機を、今回セキュリティゲート20を通過した利用者が属するグループに割り当てるグループ割当号機として設定する(S50B)。
【0141】
群管理制御装置10は、ステップS49Bで設定したゲート通過時刻、及びステップS50Bで設定したグループ割当号機名を、今回セキュリティゲート20を通過した利用者が属するグループのグループ番号と対応付けてグループ割当DBに登録する(S51B)。
【0142】
ここで、ステップS48Bにおいて、最初の利用者の進入時に、グループに対して割当候補号機から最適な割当号機を決定した場合、さらに、群管理制御装置10は、上記の非入室者数分の呼びが同時に発生したものとして、残りの非入室者数分の呼びに対して割当を確定する。また、以後の他の新規呼び(当該グループ以外の新規呼び)に対するステップS42A及びS42Bの判断において、上記の非入室者数分の呼びを割当済であるものとして、積み残しや満員通過に関する判断を行う。これにより、あるグループの最初の利用者が通過してから当該グループの残りの利用者が所定時間C以内に群管理制御装置10を通過した場合には、当該グループの残りの非入室者に対して最初の利用者と同じ号機を確実に割り当てることができる。なお、残りの非入室者数分の呼びに対して割当を確定しなくても、グループ割当号機の乗車率が極端に高くなければ、残りの非入室者を同一の号機に割り当てることができる可能性が高い。
【0143】
なお、上記のように非入室者数分の呼びに対する割当を確定した場合でも、非入室者数分の利用者が所定時間C以内に通過しない場合がある。この場合、群管理制御装置10は、通過しなかった利用者数分の呼びを取り消し、前記ステップS42A及びS42Bにおいては、通過しなかった利用者数分を減算して、以後の新規呼びを割当てた場合における積み残しや満員通過の発生に関する判断を行ってもよい。これにより、乗車しない非入室者数の分、他の呼びを当該号機に割り当てることが可能となる。
【0144】
2−2−2−3.グループ割当DBの更新動作
群管理制御装置10によるグループ割当DBの更新動作について説明する。
図17は、実施形態1に係る群管理制御装置のグループ割当DBの更新動作を示すフローチャートである。
【0145】
群管理制御装置10は、グループ割当DBにグループ割当情報(グループ番号、グループ割当号機、ゲート通過時刻)が登録されているか否かを判断する(S61)。
【0146】
グループ割当情報が登録されていない場合(S61でNO)、群管理制御装置10は、時間T秒をカウントした後(時間T秒が経過した後)(S66)、再度ステップS61の処理を実行する。時間Tは、グループ割当DBの更新周期であり、例えば0.5秒である。なお、時間Tは、0.5秒よりも短くてもよい。
【0147】
グループ割当情報が登録されている場合(S61でYES)、群管理制御装置10は、1つのグループのグループ割当情報に含まれるゲート通過時刻を取得する(S62)。
【0148】
群管理制御装置10は、現在時刻が、ゲート通過時刻に所定時間Cを加算した時刻よりも大きいか否か、つまりゲート通過時刻に所定時間Cを加算した時刻を過ぎているか否かを判断する(S63)。所定時間Cは、グループを構成する所定人数の利用者が一般的な歩行速度でセキュリティゲートを通過可能な時間よりも若干長い時間であり、例えば10秒に設定される。所定人数は、例えば5人である。なお、所定時間Cは、10秒よりも長くても短くてもよいが、短か過ぎるとグループを構成する利用者が所定時間C内に通過できず、グループとしての割当ができない可能性がある。
【0149】
現在時刻が、ゲート通過時刻に所定時間Cを加算した時刻を過ぎている場合(S63でYES)、群管理制御装置10は、今回取得したゲート通過時刻に対応するグループ割当情報(グループ番号、グループ割当号機、ゲート通過時刻)を消去する(S64)。
【0150】
現在時刻が、ゲート通過時刻に所定時間Cを加算した時刻を過ぎていない場合(S63でNO)、あるいはステップS64でグループ割当情報を消去した場合、群管理制御装置10は、グループ割当DBに登録されている全てのグループ割当情報について、ステップS63の判断処理が完了したか否かを判断する(S65)。
【0151】
全てのグループ割当情報についての判断処理が完了していない場合(S65でNO)、群管理制御装置10は、上記ステップS62〜S64の処理を再度実行する。
【0152】
全てのグループ割当情報についての上記の処理が完了した場合(S65でYES)、群管理制御装置10は、上記ステップS66で時間T秒が経過するのを待った後、ステップS61以後の処理を再度実行する。
【0153】
2−2−2−4.群管理制御装置のグループに対する割当動作の具体例
群管理制御装置10のグループに対する割当動作の具体例について説明する。
図18は、実施形態1に係る群管理制御装置10のグループに対する割当動作の説明図である。
【0154】
図18(a)は、8人の利用者P1〜P8が、セキュリティゲート20を入口20i側から出口20e側にそれぞれのIDカードをかざしながら通過した例を示している。そのうち、4人の利用者P1、P3、P6、P8は、同一グループに属する全ての利用者であり、特定領域内にいないものとする。この場合において、グループの最初の利用者P1がセキュリティゲート20を通過すると、セキュリティサーバ100において、入室フラグに基づいて、非入室者数が4人と算出され、非入室者数とゲート通過時刻を含む割当依頼情報が群管理制御装置10に送信される。そして、群管理制御装置10において、ゲート通過時刻が割当DBに記録されるとともに、ゲート通過時刻からの経過時間のカウントが開始する。そして、群管理制御装置10において、非入室者数分、本例では4人分の利用者P1、P3、P6、P8を割当て可能な号機が存在すると判断した場合、当該号機がグループ割当号機として設定される。そして、
図18(a)のように、同一グループに属する全ての利用者がゲート通過時刻から所定時間C内に群管理制御装置10を通過した場合、4人の利用者P1、P3、P6、P8の全てに対して、当該グループ割当号機が割り当てられる。これにより、4人の利用者P1、P3、P6、P8は、同一の号機に乗車することが可能となる。
【0155】
一方、
図18(b)のように、4人の同一グループの利用者P1、P3、P6、P8のうち、3人の利用者P1、P3、P6のみがゲート通過時刻から所定時間C内にセキュリティゲート20を通過した場合、群管理制御装置10において、3人の利用者P1、P3、P6に対して同一のグループ割当号機が割り当てられる。これにより、3人の利用者P1、P3、P6は、同一の号機に乗車することが可能となる。なお、利用者P8については、同一の号機が割り当てられないこととなるが、所定時間Cを長くすると、利用者P8が乗遅れないように出発時間を遅らせる必要が生じ、エレベータ群における輸送効率の低下を招く可能性がある。そのため、所定時間Cは上記のように例えば10秒程度とすることが好ましい。
【0156】
また、
図18(c)のように、4人の同一グループの利用者P1、P3、P6、P8のうち、1人の利用者P8は既に特定領域内に存在している場合、グループの最初の利用者P1がセキュリティゲート20を通過すると、セキュリティサーバ100において、入室フラグに基づいて、非入室者数が3人と算出され、非入室者数とゲート通過時刻を含む割当依頼情報が群管理制御装置10に送信される。そして、群管理制御装置10において、ゲート通過時刻が割当DBに記録されるとともに、ゲート通過時刻からの経過時間のカウントが開始する。そして、非入室者数分、本例では3人分の利用者P1、P3、P6を割当て可能な号機が存在すると判断した場合、当該号機がグループ割当号機として設定される。そして、
図18(c)のように、同一グループに属する全ての利用者がゲート通過時刻から所定時間C内に群管理制御装置10を通過した場合、3人の利用者P1、P3、P6の全てに対して、当該グループ割当号機が割り当てられる。これにより、3人の利用者P1、P3、P6は、同一の号機に乗車することが可能となる。このように、
図18(c)の例では、既に特定領域に存在している利用者P8に対して割当が行われないため、余分な割当が行われず、当該号機に他の利用者を割り当てることが可能となる。よって、グループ割当を行いつつも、輸送効率への影響はほとんど生じない。
【0157】
2−3.本実施形態のグループ割当の利用例
利用者は、オフィスビル内のテナントや企業等での勤務者、あるいはマンションの居住者、さらにはオフィルビルやマンションへの来客であってもよい。この場合、来客と案内者を、一つのグループの利用者として一時的に登録するようにしてもよい。例えば、来客用として、グループ登録したIDカードを一時的に作成し、セキュリティゲート通過前にこのIDカードを案内者が来客に配布するようにしてもよい。このようにすることにより、案内者と来客が同一の号機に乗車することが可能となる。この場合、来客が帰った後、IDカードを回収して、グループ登録を抹消する。
【0158】
(実施形態2)
実施形態1では、グループを構成する利用者のうち非入室者数分の呼びを割当て可能なエレベータが存在しない場合、グループとしての割当ては行わない。しかし、非入室者数分の全ての呼びを割り当てられない場合でも、割当て可能な人数分だけグループとして割当ててもよい。以下において、その具体例について説明する。
【0159】
図19は、実施形態2に係る群管理制御装置10の動作を示すフローチャートである。
【0160】
ステップS71〜S73、S77では、実施形態1の
図14のフローチャートのステップS31〜S33、S36と同様の処理が行われる。
【0161】
ステップS73において、登録されていると判断した場合(S73でYES)、群管理制御装置10は、後述する割当方法によりグループに対する割当号機の決定を行う(S76)。
【0162】
一方、ステップS73において、登録されていないと判断した場合(S73でNO)、群管理制御装置10は、グループ割当DBに当該グループ用に登録されているグループ割当号機に割り当てたとき、積み残し及び/または満員通過が発生するか否かを判断する(S74)。後述するが、本実施形態では、1つのグループの非入室者数分の呼びを割り当てられない場合でも、割当て可能人数分だけグループとして割当てを行う。これを達成するため、当該グループに関する利用者ID毎に、グループ割当号機に割り当て可能か否か、つまり積み残し及び/または満員通過が発生しないか否かを、グループを構成する利用者の通過毎に判断する。
【0163】
積み残し及び/または満員通過が発生する場合(S74でYES)、前記ステップS76で、後述する割当方法によりグループに対するグループ割当号機の決定を行う。
【0164】
積み残し及び/または満員通過が発生しない場合(S74でNO)、群管理制御装置10は、グループ割当DBにおいて当該グループ番号に対応付けて記録されている、当該グループ用のグループ割当号機を、割当号機として設定する(S75)。
【0165】
上記ステップS75、S76、S77のうちのいずれかのステップで割当号機を決定すると、群管理制御装置10は、決定した割当号機を示す割当号機情報を、受信したデバイスIDに対応するセキュリティゲート20のゲート表示器70に送信する(S78)。
【0166】
次に、上記のステップS76におけるグループに対する割当号機の決定動作について具体的に説明する。
図20は、実施形態2に係る群管理制御装置10におけるグループに対する割当号機の決定動作を示すフローチャートである。本フローチャートでは、実施形態1の
図15のフローチャートによる処理と類似の処理が行われる。そのため、相違点を中心として説明する。
【0167】
群管理制御装置10は、割当不可能人数pとして0を設定する(S81)。割当不可能人数pとは、グループを構成する非入室者数分の利用者をグループとして割当を行う際に、割当てが不可能な人数である。
【0168】
群管理制御装置10は、かご番号iとして1を設定する(S82)。なお、かごと号機は1対1で対応するのでかご番号iは号機の番号でもある。本実施形態では、6台のエレベータ60A〜60Fが設けられているので、iは1〜6である。
【0169】
群管理制御装置10は、今回受信した割当依頼情報が示す出発階から行先階までの呼びを、非入室者数から割当不可能人数pを減算した人数分、i号機に割り当てた場合、積み残し及び/または満員通過が発生するか否かを判断する(S83)。
【0170】
積み残し及び/または満員通過が発生しない場合(S83でNO)、群管理制御装置10は、i号機を割当候補号機として追加する(S84)。一方、積み残し及び/または満員通過が発生する場合(S83でYES)、群管理制御装置10は、i号機を割当候補号機として追加しない(S85)。
【0171】
その後のステップS86〜S92では、実施形態1のステップS45〜S51と同様の処理が行われる。
【0172】
ここで、ステップS88において割当候補号機が存在しないと判断された場合(S88でNO)、本実施形態において、群管理制御装置10は、割当不可能人数pに1を加算し(S93)、非入室者数から割当不可能人数pを減算した人数が1よりも大きいか否かを判断する(S94)。
【0173】
非入室者数から割当不可能人数pを減算した人数が1よりも大きい場合(S94でYES)、群管理制御装置10は、ステップS82に戻り、以後の処理を実行する。つまり、群管理制御装置10は、非入室者数から割当不可能人数pを減算した人数に基づいて、各号機について、積み残し及び/または満員通過が発生するか否かの判断を行う(S83)。そして、その判断結果に応じて、群管理制御装置10は、i号機を割当候補号機として追加するか否かを決定する(S84またはS85)。割当候補号機が存在する場合(S88でYES)、グループ割当に関するステップS89〜S92の処理を行う。
【0174】
非入室者数から割当不可能人数pを減算した人数が1よりも大きくない場合(S94でNO)、群管理制御装置10は、全号機の中から所定のルールにしたがって最適な号機を選択して、今回受信した割当依頼情報に係る呼びに割り当てる(割当号機を決定する)(S95)。
【0175】
上記のような構成の本実施形態によれば、非入室者の全人数分の呼びを割り当てられない場合において、割当て可能人数分だけでもグループとして割当てを行うことができる。
【0176】
(実施形態についてのまとめ)
(1)実施形態1、2に係るエレベータの群管理制御装置10は、乗場に至る経路上またはその近傍に配置されたセキュリティゲート20(情報取得装置)で取得された利用者ID(利用者情報)に基づいてセキュリティサーバ100(割当依頼生成装置)で生成された割当依頼情報に係る呼びを複数台のエレベータ60のいずれかの号機に割り当てる。
セキュリティサーバ100(割当依頼生成装置)は、セキュリティゲート20(情報取得装置)で利用者ID(利用者情報)が取得されたときに、当該利用者ID(利用者情報)に基づいて、利用者が複数の利用者で構成されるグループに属すると判断した場合、当該利用者が属するグループを示すグループ番号(グループ識別情報)を含む割当依頼情報を当該群管理制御装置10に出力するように構成されている。
当該群管理制御装置10は、割当依頼情報に基づく呼びを複数台のエレベータ60のいずれかの号機に割り当てる制御部11を備える。
制御部11は、
セキュリティサーバ100(割当依頼生成装置)から、グループ番号(グループ識別情報)を含む割当依頼情報を受信したときは、当該割当依頼情報を受信する前の所定時間C内に今回受信した割当依頼情報に含まれるグループ番号(グループ識別情報)と同一のグループ番号(グループ識別情報)を含む割当依頼情報をセキュリティサーバ100(割当依頼生成装置)から取得しているか否かを判断し、
取得していないと判断しかつ所定の割当条件を満たす場合、今回受信した割当依頼情報に係る第1の呼びと、受信後所定時間Cが経過するまでの間に受信した割当依頼情報であって、今回受信した割当依頼情報に含まれるグループ番号(グループ識別情報)と同一のグループ番号(グループ識別情報)が含まれた割当依頼情報に係る第2の呼びとを、同一の号機に割り当てる。
【0177】
これにより、セキュリティゲート20(情報取得装置)で取得された利用者ID(利用者情報)に基づいて、複数の利用者をグループとして同一の号機に割り当てることが可能となる。
【0178】
(2)実施形態1、2に係るエレベータの群管理制御装置10において、
セキュリティサーバ100(割当依頼生成装置)は、利用者ID(利用者情報)を取得したときに、当該利用者ID(利用者情報)に基づいて、利用者が複数の利用者で構成されるグループに属すると判断した場合、グループ番号(グループ識別情報)と、グループを構成する利用者数を示す情報とを含む割当依頼情報を当該群管理制御装置10に出力するように構成されている。
制御部11は、
第1の呼びを受信したときに、グループを構成する利用者数分の呼びを割り当て可能な号機が存在するか否かを判断し、
割り当て可能な号機が存在する場合、当該割り当て可能な号機の中から一の号機を、グループを構成する利用者数分の呼びを割り当てるためのグループ割当候補号機として設定し、
所定時間Cが経過するまでの間に受信した第2の呼びに対してグループ割当候補号機を割当号機として割り当てる。
【0179】
これにより、グループを構成する利用者に同一の号機を割り当てることができる。
【0180】
(3)実施形態2に係るエレベータの群管理制御装置10において、
制御部11は、
グループを構成する利用者数分の呼びを割り当て可能な号機が存在しない場合、所定の条件を満たす一の号機を、前記グループを構成する利用者のうち割当可能な利用者数分の呼びを割り当てるためのグループ割当候補号機として設定し、
所定時間Cが経過するまでの間に受信した第2の呼びのうち割当可能な利用者数分の呼びに対してグループ割当候補号機を割当号機として割り当てる。
【0181】
これにより、グループを構成する利用者のうち割当可能な利用者数分について同一の号機を割り当てることができる。
【0182】
(4)実施形態1、2に係るエレベータの群管理制御装置10において、
セキュリティゲート20(情報取得装置)は、
特定領域の内部に進入する利用者が所持するIDカード(識別媒体)から利用者ID(利用者情報)を取得する入口側カードリーダ25(第1情報取得部)と、
特定領域から外部に退出する利用者が所持するIDカード(識別媒体)から利用者ID(利用者情報)を取得する出口側カードリーダ29(第2情報取得部)と、を有する。
セキュリティサーバ100(割当依頼生成装置)は、
入口側カードリーダ25(第1情報取得部)で利用者ID(利用者情報)を取得したときに、セキュリティゲート20(情報取得装置)から受信した割当依頼情報に基づいて利用者が利用者グループに属するか否かを判断するとともに、
入口側カードリーダ25(第1情報取得部)と出口側カードリーダ29(第2情報取得部)とのいずれで利用者ID(利用者情報)を取得したか否かを判断し、
(a)グループに属しかつ入口側カードリーダ25(第1情報取得部)で利用者ID(利用者情報)が取得されたと判断した場合、当該利用者ID(利用者情報)が示す利用者が入室していることを示す情報(入室フラグON)を登録し、
及び/または(b)グループに属しかつ出口側カードリーダ29(第2情報取得部)で利用者ID(利用者情報)が取得されたと判断した場合、当該利用者ID(利用者情報)が示す利用者が入室していないことを示す情報(入室フラグOFF)を登録する。
セキュリティサーバ100(割当依頼生成装置)は、
グループを構成する利用者数として、入室していることを示す情報及び/または入室していないことを示す情報に基づいて求めた利用者数を設定する。
【0183】
これにより、入室していることを示す情報及び/または入室していないことを示す情報に基づいて求めた利用者数(非入室者数)が、グループを構成する利用者数として設定される。つまり、現状に応じた利用者数(非入室者数)がグループを構成する利用者数として設定される。そのため、グループ割当てが行われた号機に、乗車することが想定されない利用者をグループ割当てすることがない。したがって、その分、他の利用者をグループ割当てが行われた号機に割り当てることが可能となる。つまり、輸送効率に配慮しつつ、グループ割当てを行うことができる。
【0184】
(5)実施形態1、2に係るエレベータシステムは、
複数台のエレベータ60と、乗場に至る経路上またはその近傍に配置されたセキュリティゲート20(情報取得装置)で取得された利用者ID(利用者情報)に基づいてセキュリティサーバ100(割当依頼生成装置)で生成された割当依頼情報に係る呼びを複数台のエレベータ60のいずれかの号機に割り当てるエレベータの群管理制御装置10と、を有する。
セキュリティサーバ100(割当依頼生成装置)は、セキュリティゲート20(情報取得装置)で利用者ID(利用者情報)が取得されたときに、当該利用者ID(利用者情報)に基づいて、利用者が複数の利用者で構成されるグループに属すると判断した場合、当該利用者が属するグループを示すグループ番号(グループ識別情報)を含む割当依頼情報を当該群管理制御装置10に出力するように構成されている。
当該群管理制御装置10は、割当依頼情報に基づく呼びを複数台のエレベータ60のいずれかの号機に割り当てる制御部11を備える。
制御部11は、
セキュリティサーバ100(割当依頼生成装置)から、グループ番号(グループ識別情報)を含む割当依頼情報を受信したときは、当該割当依頼情報を受信する前の所定時間C内に今回受信した割当依頼情報に含まれるグループ番号(グループ識別情報)と同一のグループ番号(グループ識別情報)を含む割当依頼情報をセキュリティサーバ100(割当依頼生成装置)から取得しているか否かを判断し、
取得していないと判断しかつ所定の割当条件を満たす場合、今回受信した割当依頼情報に係る第1の呼びと、受信後所定時間Cが経過するまでの間に受信した割当依頼情報であって、今回受信した割当依頼情報に含まれるグループ番号(グループ識別情報)と同一のグループ番号(グループ識別情報)が含まれた割当依頼情報に係る第2の呼びとを、同一の号機に割り当てる。
【0185】
これにより、複数台のエレベータ60と、エレベータの群管理制御装置10とを有するエレベータシステムにおいて上記の効果が得られる。
【0186】
(6)実施形態1、2に係るエレベータの群管理システムは、
乗場に至る経路上またはその近傍に配置されたセキュリティゲート20(情報取得装置)と、セキュリティゲート20(情報取得装置)で取得された利用者ID(利用者情報)に基づいて割当依頼情報を生成するセキュリティサーバ100(割当依頼生成装置)と、セキュリティサーバ100(割当依頼生成装置)で生成された割当依頼情報に係る呼びを複数台のエレベータ60のいずれかの号機に割り当てるエレベータの群管理制御装置10と、を有する。
セキュリティサーバ100(割当依頼生成装置)は、セキュリティゲート20(情報取得装置)で利用者ID(利用者情報)が取得されたときに、当該利用者ID(利用者情報)に基づいて、利用者が複数の利用者で構成されるグループに属すると判断した場合、当該利用者が属するグループを示すグループ番号(グループ識別情報)を含む割当依頼情報を当該群管理制御装置10に出力するように構成されている。
当該群管理制御装置10は、割当依頼情報に基づく呼びを複数台のエレベータ60のいずれかの号機に割り当てる制御部11を備える。
制御部11は、
セキュリティサーバ100(割当依頼生成装置)から、グループ番号(グループ識別情報)を含む割当依頼情報を受信したときは、当該割当依頼情報を受信する前の所定時間C内に今回受信した割当依頼情報に含まれるグループ番号(グループ識別情報)と同一のグループ番号(グループ識別情報)を含む割当依頼情報をセキュリティサーバ100(割当依頼生成装置)から取得しているか否かを判断し、
取得していないと判断しかつ所定の割当条件を満たす場合、今回受信した割当依頼情報に係る第1の呼びと、受信後所定時間Cが経過するまでの間に受信した割当依頼情報であって、今回受信した割当依頼情報に含まれるグループ番号(グループ識別情報)と同一のグループ番号(グループ識別情報)が含まれた割当依頼情報に係る第2の呼びとを、同一の号機に割り当てる。
【0187】
これにより、セキュリティゲート20(情報取得装置)と、セキュリティサーバ100(割当依頼生成装置)と、エレベータの群管理制御装置10とを有するエレベータの群管理システムにおいて上記の効果が得られる。
【0188】
(7)実施形態1、2に係るエレベータシステムは、
複数台のエレベータ60と、乗場に至る経路上またはその近傍に配置されたセキュリティゲート20(情報取得装置)と、セキュリティゲート20(情報取得装置)で取得された利用者ID(利用者情報)に基づいて割当依頼情報を生成するセキュリティサーバ100(割当依頼生成装置)と、セキュリティサーバ100(割当依頼生成装置)で生成された割当依頼情報に係る呼びを複数台のエレベータ60のいずれかの号機に割り当てるエレベータの群管理制御装置10とを有する。
セキュリティサーバ100(割当依頼生成装置)は、セキュリティゲート20(情報取得装置)で利用者ID(利用者情報)が取得されたときに、当該利用者ID(利用者情報)に基づいて、利用者が複数の利用者で構成されるグループに属すると判断した場合、当該利用者が属するグループを示すグループ番号(グループ識別情報)を含む割当依頼情報を当該群管理制御装置10に出力するように構成されている。
当該群管理制御装置10は、割当依頼情報に基づく呼びを複数台のエレベータ60のいずれかの号機に割り当てる制御部11を備える。
制御部11は、
セキュリティサーバ100(割当依頼生成装置)から、グループ番号(グループ識別情報)を含む割当依頼情報を受信したときは、当該割当依頼情報を受信する前の所定時間C内に今回受信した割当依頼情報に含まれるグループ番号(グループ識別情報)と同一のグループ番号(グループ識別情報)を含む割当依頼情報をセキュリティサーバ100(割当依頼生成装置)から取得しているか否かを判断し、
取得していないと判断しかつ所定の割当条件を満たす場合、今回受信した割当依頼情報に係る第1の呼びと、受信後所定時間Cが経過するまでの間に受信した割当依頼情報であって、今回受信した割当依頼情報に含まれるグループ番号(グループ識別情報)と同一のグループ番号(グループ識別情報)が含まれた割当依頼情報に係る第2の呼びとを、同一の号機に割り当てる。
【0189】
これにより、複数台のエレベータ60と、セキュリティゲート20(情報取得装置)と、セキュリティサーバ100(割当依頼生成装置)と、エレベータの群管理制御装置10とを有するエレベータシステムにおいて上記の効果が得られる。
【0190】
(その他の実施形態)
前記各実施形態では、グループ割当を行う際に、非入室者数を求め、非入室者数分の呼びを号機に割り当てる。しかし、非入室者数分でなく、グループに属する利用者として登録されている全ての利用者数分の呼びを号機に割り当ててもよい。この場合、既にビル内にいる入室者の分まで割り当てることとなるが、非入室者数をカウントする必要がなく、セキュリティサーバ100の構成を簡素化できる。
【0191】
前記各実施形態のフローチャートのS42A、S42B及びS83では、グループを構成する利用者の行先階が同一階である場合を説明した。しかし、グループを構成する利用者の行先階は異なってもよい。この場合、S42A、S42B及びS83において、非入室の各利用者の各行先階毎に満員通過及び積み残しの判断を行い、各行先階についての判断の結果、これらの行先階の全てについて満員通過及び積み残しが発生しない号機をグループ割当号機として設定すればよい。
【0192】
前記各実施形態では、本発明の第1及び第2情報取得部として、カードリーダ25、29を例示した。しかし、第1及び第2情報取得部は、カードリーダに限らず、例えばNFC(近距離通信)リーダであってもよい。また、利用者IDを記憶する媒体は、IDカード(ICカード)に限らず、例えば、NFC通信に対応するスマートフォンなどのモバイル端末であってもよい。
【0193】
さらに、第1及び第2情報取得部は、指紋を読み取り可能な指紋読み取り装置や、ICタグと通信可能なICタグリーダであってもよい。
【0194】
前記各実施形態では、制御部11、21、31、41、71、101は、CPU、MPU等を利用して構成され、記憶部12、22、32、42、72、102から読み出したプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、各種の機能を実現している。つまり、各制御部11、21、31、41、71、101は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現されている。しかし、各制御部11、21、31、41、71、101は、例えば、ハードウェア(電子回路)のみ、FPGA、ASIC等を利用して構成してもよい。
【0195】
前記各実施形態では、ネットワークNWはEthernet(登録商標)であり、入出力インタフェース13、23、24、33、43、73、103はLANアダプタ等を利用して構成されている。しかし、ネットワークNWは、例えばIEEE規格に準拠した無線LANであり、入出力インタフェース13、23、24、33、43、73、103は無線LANアダプタ等を利用して構成されてもよい。
【0196】
前記各実施形態では、
図8を参照して説明したように、カードリーダ25、29は入出力インタフェース23に接続されている。しかし、カードリーダ25、29は制御部21に接続されてもよい。この場合、カードリーダ25、29で読み取られた利用者IDは、制御部21及び入出力インタフェース23を介して、セキュリティサーバ100に送信すればよい。また、カードリーダ25、29のデバイスIDについても、カードリーダ25、29からでなく制御部21及び入出力インタフェース23を介して、セキュリティサーバ100に送信すればよい。