(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6541102
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】内燃機関用点火コイル
(51)【国際特許分類】
H01F 38/12 20060101AFI20190628BHJP
H01F 27/32 20060101ALI20190628BHJP
F02P 15/00 20060101ALI20190628BHJP
【FI】
H01F38/12 J
H01F27/32 170
F02P15/00 303B
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-27758(P2015-27758)
(22)【出願日】2015年2月16日
(65)【公開番号】特開2016-152267(P2016-152267A)
(43)【公開日】2016年8月22日
【審査請求日】2018年1月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000109093
【氏名又は名称】ダイヤモンド電機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山根 伸也
(72)【発明者】
【氏名】稲村 卓思
(72)【発明者】
【氏名】山田 修司
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大輔
(72)【発明者】
【氏名】山村 慎太郎
【審査官】
右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−207289(JP,A)
【文献】
特開2014−212221(JP,A)
【文献】
特開2011−003812(JP,A)
【文献】
特開2014−212223(JP,A)
【文献】
特開平07−169622(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 38/12
F02P 15/00
H01F 27/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次巻線が巻回された二次コイルと、
前記二次コイルの外層に積層され前記二次巻線の周囲を第1の絶縁樹脂で被覆する高圧側絶縁構造と、
前記高圧側絶縁構造の外層に積層され第2の絶縁樹脂で被覆する外周絶縁構造と、から構成され、
前記二次コイルの巻線筒側面方向には、前記高圧側構造と前記外周絶縁構造とが直接接触する境界面が前記二次コイルの巻線筒側面方向を完全に包囲するように形成されていることを特徴とする内燃機関用点火コイル。
【請求項2】
前記高圧側絶縁構造は、前記二次巻線の出力端に電気的に接続された高圧端子の一部部位を被覆し、当該高圧端子の他の部位を露出させ、前記二次コイル及び前記高圧端子を一体構造とさせていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火コイル。
【請求項3】
前記高圧側絶縁構造は、前記二次コイルを伴ってトランス回路を形成する電磁的部品を被覆していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関用点火コイル。
【請求項4】
前記高圧側絶縁構造は、前記電磁的部品を搭載させる鍔部と、前記高圧端子の露出箇所を収容し当該高圧端子に連通する連通孔を備えた筒状体とが、前記第2の絶縁樹脂によって一体的に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関用点火コイル。
【請求項5】
前記高圧側絶縁構造は、エポキシ樹脂から成ることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関用点火コイル。
【請求項6】
二次巻線が巻回された二次コイルと、
前記二次巻線の出力端に電気的に接続された高圧端子と、
前記二次コイルの外層に積層され前記二次巻線の周囲を第1の絶縁樹脂で被覆するものであって前記高圧端子の一部部位を被覆させた状態で当該高圧端子の他の部位を露出させた高圧側絶縁構造と、
前記二次コイルを伴ってトランス回路を形成する電磁的部品と、
前記電磁的部品を搭載させる鍔部が形成された構造であって前記高圧側絶縁構造へ装着される部品搭載樹脂構造と、
前記高圧側絶縁構造の外層に積層され第2の絶縁樹脂で前記電磁的部品を被覆する外周絶縁構造と、から構成され、
前記部品搭載樹脂構造は、第3の絶縁樹脂から成り、前記高圧端子から前記鍔部へ搭載された前記電磁的部品へ至る経路を遮断するよう、当該第3の絶縁樹脂が前記高圧側絶縁構造へ付着し、
前記第1の絶縁樹脂はエポキシ樹脂又はシリコン系樹脂とされ、前記第2の絶縁樹脂はPA6又はPA66とされ、前記第3の絶縁樹脂はPBT,PPE,又は,PPSとされることを特徴とする内燃機関用点火コイル。
【請求項7】
前記部品搭載樹脂構造は、前記高圧端子の露出箇所を収容し当該高圧端子に連通する連通孔を備えた筒状体が、前記第3の絶縁樹脂によって一体的に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関用点火コイル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関用点火コイルに関し、特に、内燃機関用点火コイルの絶縁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等に用いられる内燃機関では、プラグホールの各々に点火コイルを配備させた直接点火方式が採用されている。かかる点火コイルは、入力電圧を昇圧させるトランス回路部と、この回路から点火プラグへ高電圧を中継する高圧タワー部とから成り、全体としてスティック状の形態を呈している。この高圧タワー部はプラグホールへ挿入され、点火コイル全体がエンジンに装着される。
【0003】
例えば、特許文献1に係る技術では、二次コイル周辺を被覆する高圧部含浸体(高圧側絶縁構造)と、当該高圧部含浸体の周囲を被覆する非高圧部含浸体(外周絶縁構造)と、によってトランス回路周囲の絶縁構造体が形成されている。かかる絶縁構造体は、先ず、二次コイルを収容させた第1のケース体を形成し、其の空間へエポキシ樹脂を含浸・熱硬化させることで、高圧部含浸体が形成される。その後、この高圧部含浸体の周囲に残りのトランス回路を装着し、これを囲うように第2のケース体を形成し、其の空間へエポキシ樹脂を含浸・熱硬化させることで非高圧部含浸体が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−207289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1によれば、エポキシ樹脂の熱硬化工程が採用されているので、オーバーモールド法による樹脂成形工程と比較して、その工程完了時間が長期化するとの問題が生じる。かかる問題を回避するため、高圧部含浸体と非高圧部含浸体の各々についてオーバーモールド法を採用することも考えられる。ところが、かかる製造方法を採用した場合、これによる点火コイルは、双方の含浸体(樹脂構造体)の間に境界層が形成され、この境界層がリーク電流を通過させる温床となる。特に、双方の含浸体(樹脂構造体)が互いに異なる樹脂材で製作されている場合、その隣接箇所が連続する境界層でのリーク電流の問題が生じ易くなる。
【0006】
本発明は上記課題に鑑み、モールド工程の時間を短縮化させ且つリーク電流の問題を抑制させ得る内燃機関用点火コイルの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明では次のような内燃機関用点火コイルの構成とする。即ち、二次巻線が巻回された二次コイルと、前記二次コイルの外層に積層され前記二次巻線の周囲を第1の絶縁樹脂で被覆する高圧側絶縁構造と、前記高圧側絶縁構造の外層に積層され第2の絶縁樹脂で被覆する外周絶縁構造と、から構成され、前記二次コイルの巻線筒側面方向には、前記高圧側構造と前記外周絶縁構造とが直接接触する境界面
が前記二次コイルの巻線筒側面方向を完全に包囲するように形成されていることとする。
【0008】
好ましくは、前記高圧側絶縁構造は、前記二次巻線の出力端に電気的に接続された高圧端子の一部部位を被覆し、当該高圧端子の他の部位を露出させ、前記二次コイル及び前記高圧端子を一体構造とさせていることとする。
【0009】
好ましくは、前記高圧側絶縁構造は、前記二次コイルを伴ってトランス回路を形成する電磁的部品を被覆していることとする。
【0010】
好ましくは、前記高圧側絶縁構造は、前記電磁的部品を搭載させる鍔部と、前記高圧端子の露出箇所を収容し当該高圧端子に連通する連通孔を備えた筒状体とが、前記第2の絶縁樹脂によって一体的に形成されていることとする。より好ましくは、前記高圧側絶縁構造は、エポキシ樹脂から成ることとする。
【0011】
また、本発明では次のような内燃機関用点火コイルの構成としても良い。即ち、二次巻線が巻回された二次コイルと、前記二次巻線の出力端に電気的に接続された高圧端子と、前記二次コイルの外層に積層され前記二次巻線の周囲を第1の絶縁樹脂で被覆するものであって前記高圧端子の一部部位を被覆させた状態で当該高圧端子の他の部位を露出させた高圧側絶縁構造と、前記二次コイルを伴ってトランス回路を形成する電磁的部品と、前記電磁的部品を搭載させる鍔部が形成された構造であって前記高圧側絶縁構造へ装着される部品搭載樹脂構造と、前記高圧側絶縁構造の外層に積層され第2の絶縁樹脂で前記電磁的部品を被覆する外周絶縁構造と、から構成され、前記部品搭載樹脂構造は、第3の絶縁樹脂から成り、前記高圧端子から前記鍔部へ搭載された前記電磁的部品へ至る経路を遮断するよう、当該第3の絶縁樹脂が前記高圧側絶縁構造へ付着し
、前記第1の絶縁樹脂はエポキシ樹脂又はシリコン系樹脂とされ、前記第2の絶縁樹脂はPA6又はPA66とされ、前記第3の絶縁樹脂はPBT,PPE,又は,PPSとされることとする。
【0012】
好ましくは、前記部品搭載樹脂構造は、前記高圧端子の露出箇所を収容し当該高圧端子に連通する連通孔を備えた筒状体が、前記第3の絶縁樹脂によって一体的に形成されていることとする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る内燃機関用点火コイルによると、少なくとも高圧側絶縁構造がオーバーモールド法によって製造されるので、樹脂成形に係る工程が全体として短縮される。
【0015】
また、樹脂構造の隣接箇所を密着性の高いものとさせ得る場合、当該隣接箇所によって成る境界層が高圧端子の外周領域を囲繞する形態で高圧側絶縁構造の外表面に形成される。これによると、高圧端子から電磁部品へ至る該外表面上の経路は、境界層と必ず交差することとなり、此処へリーク電流を通過させることから免れる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施の形態に係る二次コイルの組立工程を説明する図。
【
図2】実施の形態に係る二次コイルの樹脂形成工程を説明する図。
【
図3】実施の形態に係る点火コイルの製造工程のうち含浸工程を説明する図。
【
図4】実施の形態に係る低圧部品組立工程を説明する図。
【
図5】実施の形態に係る外周絶縁構造を説明する図。
【
図6】実施の形態に係る外周絶縁構造の含浸工程を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る実施の形態につき図面を参照して具体的に説明する。
図1では、本実施の形態に係る二次コイルの組立工程が示されている。当該製造工程は、先ず、二次ボビン110が準備され、これに導線が巻回され二次コイル111が形成される。また、二次ボビン110の所定箇所には中継端子112が設けられる。この中継端子112の一端には二次コイル111の出力端が接続され、其の他端には高圧端子113が電気的に接続される。即ち、二次コイル111の巻線内側に急峻な磁界変化が生じた場合、当該二次コイル111は、これによって誘起電圧を発生させ、これを高圧端子113から後段導通部(点火プラグ等)へ出力させる。
【0018】
かかる工程の後、二次コイル111の周辺領域に高圧側絶縁構造114を形成させる(
図2参照)。この樹脂形成工程は、第1の絶縁樹脂が用いられ、この樹脂が二次コイルの外層に積層され、これにより、二次巻線の周囲が第1の絶縁樹脂によって被覆されることとなる。二次コイルは、励起動作に伴って高電圧を生成させるところ、この高圧側絶縁構造114によって其の周囲への電気的リークが妨げられる。
【0019】
本実施の形態に係る二次コイル被覆体120は、高圧側絶縁構造114によって、高圧端子113の全体のうちの一部部位(一端側)が被覆され、同高圧端子113の全体のうちの他の部位(他端側)が二次コイル被覆体120から露出する。従って、二次コイル被覆体120は、高圧端子113を把持した一体構造である。このように、本実施の形態では、高電圧を発生する部位が一つの樹脂構造によって一体化され、製造工程上の取扱いも容易化されている。
【0020】
本実施の形態では、第1の絶縁樹脂がエポキシ樹脂又はシリコン系樹脂とされる。第1の絶縁樹脂は、所謂オーバーモールド製法によって形成される。この製法は、
図3に示す如く、二次ボビンの巻線アセンブリが金型内にセットされ(
図3(a)参照)、これが完了すると、金型とアセンブリ体との間に形成された隙間を埋めるように第1の絶縁樹脂が流し込まれる(
図3(b)参照)。そして、第1の絶縁樹脂は、余剰分が排出口Eから排出され、金型内の隙間を完全に埋めた状態で冷却されて先の高圧側絶縁構造114が形成される(
図3(c)参照)。
【0021】
図4に示す如く、次の工程では、部品搭載樹脂構造150に高圧側絶縁構造114が装着される。部品搭載絶縁構造150は、鍔部151,筒状体152,及び,収容穴(図示なし)が、第3の絶縁樹脂によって一体的に形成されたものである。当該第3の絶縁樹脂は、PBT,PPE,又は,PPSといった熱可塑性樹脂が用いられる。
【0022】
図示の如く、鍔部151は、トランスを形成する電磁的部品が、上方の平坦面151a,151bに配備される。この電磁部品とは、例えば、外周鉄芯132及び133,I字鉄芯(図示なし),これに同軸的に配置される一次コイル(図示なし)等を指し、二次コイルを伴ってトランスを形成する。本実施の形態では、平坦面151bの一部領域に、イグナイタ137等の制御部品も搭載される。
【0023】
筒状体152は、其の端部から内部へ至る連通路が形成されている。また、平坦面に形成された収容穴は(図示なし)、二次コイル被覆体120の高圧端子周辺の部位が嵌挿され、当該二次コイル被覆体120の一部を露出させた状態にて固定させる。このとき、高圧端子113は、連通路の端部に臨むよう配置され、当該連通路を介して部品搭載樹脂構造150の外部へ連絡可能とされる。このように、本実施の形態では、部品搭載樹脂構造150に様々な構成が一体的に設けられ、部品点数の簡素化及び組立工程の簡素化が図られる。
【0024】
また、本実施の形態では、二次コイル被覆体120が部品搭載樹脂構造150へ装着されるので、双方の接触部位が高圧端子の周囲を閉じるように形成される。そうすると、高圧端子から一次鉄芯(電磁部品)への経路が其の接触面で遮断され、リーク電流の発生を防止できる。例えば、絶縁樹脂を接触させる場合、PA6等とPBTとの関係よりも、PA6等とエポキシ樹脂等との関係の方が境界面での剥離を抑制できる。このように、本実施の形態では、絶縁構造樹脂について、境界剥離を生じさせない好ましい組合せが選択されている。
【0025】
先に作られた中間体構造は、これまでの工程が完了すると、外周絶縁構造160の形成工程へと供され、
図5のような最終的な樹脂構造体が形成される。かかる外周絶縁構造160は、コネクタ部位161,フランジ部位162,天上部位163,及び,側方部位164が、第2の絶縁樹脂で一体的に形成される。本実施の形態では、第2の絶縁樹脂がPA6又はPA66とされているが、特許請求の範囲における「第2の絶縁樹脂」はこれに限定されるものではない。
【0026】
外周絶縁構造160は、
図6(a)に示す如く、中間体構造(二次コイル被覆体,部品搭載樹脂構造,イグナイタ等)と金属ブッシュとが金型内に配置され、此処では、ゲートG,キャビティ内の隙間,排出口Eが適宜に与えられる。そして、金型内の中間体構造は、ゲートGから溶融された第2の絶縁樹脂が供給され、キャビティ内の隙間に樹脂が行き亘る。その後、キャビティ周辺を冷却することで、第2の絶縁樹脂で中間体構造を被覆した外周絶縁構造が形成される(
図5参照)。
【0027】
本実施の形態の場合、
図6(a)に示す如く、部品搭載樹脂構造150の下方部は、外周絶縁構造160から露出しているため、高圧端子113の一部部位(他の部位)が樹脂構造の外方へ連通可能な経路が与えられる。従って、これが点火コイルとしてエンジンへ装着された際、スプリング等を介して高電端子と点火プラグが電気的に接続され、高電圧の供給が可能とされる。
【0028】
上述の如く、本実施の形態では、ケース樹脂等へエポキシ樹脂を充填させて熱硬化させる工程は採られず、その代り、絶縁構造についてオーバーモールド法が採用される。このため、樹脂構造成形に係る工程時間は、全体として短縮される。
【0029】
また、本実施の形態では、絶縁樹脂の積層構造が、中心部側に高圧側絶縁構造114が設けられ、その外層(巻線筒側面方向)に外周絶縁構造160が積層される(
図6(b)参照)。このため、この双方の絶縁構造が直接接触する境界面Siは、二次コイルの巻線筒側面方向を包囲するように形成される。即ち、本実施の形態に係る二次コイル被覆体120は、二次コイルからのリーク経路が形成され難い状態で、高圧側絶縁構造150の外層へ更なる絶縁層が被覆されていることを意味する。
【0030】
特に、本実施の形態に係る部品搭載樹脂構造150によると、高圧端子113から電磁的部品へ至る経路を遮断するよう第3の絶縁樹脂と第2の絶縁樹脂との接触部位(付着部位)が機能するので、その付着部位を横切るようなリーク電流の経路が形成されることはない。
【0031】
尚、本実施の形態では、3ピースの絶縁構造によって点火コイルを形成しているが、特許請求の範囲に記載される発明は、これに限定されるものではない。例えば、高圧側絶縁樹脂構造114と部品搭載樹脂構造150とを一体構造とさせた新たな高圧側絶縁構造としても良い。即ち、かかる高圧側絶縁構造は、二次コイルを被覆し、高圧端子を把持し、更に、鍔部等の構造をも具備するものである。
【0032】
かかる構造によれば、上述した第1の絶縁樹脂と第3の絶縁樹脂とが一体物として形成(高圧側一体樹脂構造)されるので、先に説明した接触部位がそもそも無くなり、より効果的にリーク電流の発生防止に寄与することとなる。また、異なる種の絶縁樹脂を隣接させる部位が形成されるも、この場合の高圧側の電磁的部品は、高圧側一体樹脂構造によって包囲されるので、此処からリーク電流が漏れることも無い。更に、高圧側一体樹脂構造は、これがエポキシ樹脂とされることで、外周絶縁構造160であるPA6等の密着性も維持され得て、強度も保障され構造的に好ましい状態を保つことが可能とされる。
【符号の説明】
【0033】
100 内燃機関用点火コイル, 110 二次スプール, 111 二次コイル, 112 中継端子, 113 高圧端子, 114 高圧側絶縁構造, 120 高圧部構造体, 122〜123 閉磁路鉄芯, 124 中心鉄芯, 125 一次コイル, 126 コネクタ構造体, 114 外周絶縁樹脂。