【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ・株式会社大日ハンソーが、株式会社フリーベアコーポレーションに、平成27年7月31日に平見剛氏及び弥武誠氏が発明したバケットコンベヤ装置を販売した。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来から、粉状体、粒状体又は粉粒体のバラ荷を下から上へ搬送するには、
図17に示したように、二以上のプーリ又はスプロケット(以下、プーリ等520)にかけたベルト又はチェーン(以下、ベルト等530)を動力部(以下、ベルト等動力部)(不図示)により循環させて、ベルト等530に取付けたバケット510に供給口550から供給した搬送物を積載し下から上へ搬送し、排出口560から排出して次工程搬送装置600に送り出す従来のバケットコンベヤ装置500が知られている。バケットエレベータとも呼ばれる。
【0003】
具体的な搬送物には、小麦粉などの粉状体から、塩、土砂、砕石、穀物、その他の農産物、工業原料、機械部品又は電気電子部品など幅広い粒径を含む粒状体のバラ荷がある。
バラ荷(散荷)とは、包装などをしていない、ばらのままの荷物をいう(広辞苑第六版より引用)。
【0004】
バケットコンベヤ装置は、搬送物の特徴により供給排出方法が異なるが、特に排出方法の違いによって遠心排出型、誘導排出型又は完全排出型に分類される。
【0005】
遠心排出型バケットコンベヤ装置を
図17に示した。遠心排出型は、付着性の少ないバラ荷を搬送の対象とする。搬送物の排出は、上部に配設された排出口に遠心力を利用して投げ出すことによって行われる。このため、バケットの走行速度は、前記3つの型のうちでは高速に分類される。速度を利用して投げ出すため、バケットの間隔を広く取る必要がある。供給は、バケットの軌道上の下端に設けられた一時貯蔵部に投入された搬送物をすくい上げることによって行われるものが多い。搬送物の取り扱いが荒く傷が生じる可能性が高い。また、騒音も大きい。
【0006】
誘導排出型は、微粉、塊又は壊れやすいバラ荷を搬送の対象とする。搬送物の排出は、先行するバケット背面外側をシュートとして滑降させ排出口に誘導して送り出す。壊れやすい搬送物を扱うため、バケットの走行速度は、前記3つの型のうちでは中速に分類される。先行するバケット背面外側をシュートとして利用するため、バケットの間隔を極めて狭く設定する必要がある。搬送距離が長いとバケットの数が多くなる。搬送物を積載させたバケットを循環させるためにはベルト等に掛かる負荷が大きく、また、ベルト等動力部は大きなトルクが必要となる。バケット間隔を均等にする必要があるが、ベルト等の結合部分においては、バケット間隔の調整が難しい。また、シュートとなるバケット背面外側は平坦で、かつ、常に角度が変化しているため排出進行方向から外れてバケット側面方向に落下する搬送物も多いため、バケット側面には搬送物の落下を防ぐガイドが必要となる。供給はすくい上げる方法によると、バケットの間隔が狭いためバケットを満たすことができない場合も多く、搬送効率が低下する。したがって、供給用シュートなどでバケットの開口部に搬送物を誘導する場合もある。
【0007】
完全排出型は、吸湿性又は油等により付着性又は粘着性(以下、付着性等)を有するバラ荷を搬送の対象とする。搬送物の排出は、スナッププーリなどを用いてベルト等の軌道をバケット開口部が鉛直下方に向くように設けて搬送物を排出口に落下させて行われる。付着性等を有する搬送物を扱うため、すくい上げによる供給においてはベルト等に掛かる負荷が大きい。したがって、バケットの走行速度は、前記3つの型のうちでは低速に分類される。軌道が他の型と比較して複雑、また、付着性等を有する搬送物を確実に排出するためにバケット開口部を継続して鉛直下方に向ける時間の確保も速度を上げることが困難な理由である。供給は、遠心排出型と同様にすくい上げることによって行われる場合が多い。
【0008】
しかしながら、前述のように従来の各々の型には課題を有する。これらを解決するために以下の先行発明がなされ開示されている。
【0009】
特許文献1では、誘導排出型バケットコンベア装置のバケットが上端で回動して搬送物を放擲するとき、その放擲した搬送物の一部が前のバケットの底板上に載ったまま次工程に中継する供給樋に誘導されず下降する欠陥があったものを底板の形状と供給樋の取付位置を改良することで解決を図っている。具体的には、先行するバケットの底板は、その裏面が上端で回動して放擲する後続バケットの放擲土の誘導案内板を兼ねるように反転したとき前下がりに傾斜させ、かつ、次工程に中継する供給樋は前記底板上の土が供給樋に流下しきるように上端回動部より所定の高さだけ下方の位置に取付ける構成としたものである。
【0010】
特許文献2では、前記した従来の3つの型とは異なるが、排出方向に傾斜した搬送物受け止め片と同一傾斜面をなす搖動シュートから構成されていることを特徴とするエレベータコンベヤ装置が開示されている。本発明は、バケットに代わる支持腕で上部に搬送した搬送物を一旦搬送物受け止め片に預けた後、待機位置にあった搖動シュートが搬送物受け止め片下端に同一傾斜面をなして接近して停止し搬送物を排出方向に誘導するものである。投げる又は落下させることなく次工程までの中継を行うことができるため、搬送物に傷が生じる問題の解決を図っている。
【0011】
特許文献3では、バケットコンベヤ装置と平板状のバケットから落下された搬送物を次工程に中継する固定シュートとの間の隙間部に、前記バケットの動きに応動して該隙間部を閉塞する可動シュートを設けて搬送物の隙間部からの落下防止を図ったバケットコンベヤ装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来のバケットコンベヤ装置において、穀物を搬送物とする場合にも遠心排出型が採用されることが多い。この場合、搬送効率は高いが搬送物は傷がつきやすく装置の摩耗も激しい問題があった。粉塵も舞いやすく装置故障の原因となる。また、騒音も激しい。
これを誘導排出型に置き換えた場合、搬送物の傷は減少させることができるが、バケットのピッチを詰めて数を増やす必要が生じるため搬送重量が増し、ベルト等動力部は大きなトルクが必要となる問題が生じる。速度は遠心排出型より減少させる必要があるが、遅くなり過ぎると先行するバケットとベルト等の間に搬送物が挟持されたままバケットコンベヤ装置下部へ戻る問題が生じる。
完全排出型に置き換えた場合には、バケット開口部が鉛直下方を向かせるようにベルト等の軌道を配設する必要があり、高価かつ排出部が大型となる。速度は、誘導排出型より減少させる必要があり搬送物の傷は減少させることができるが、搬送効率が落ちる問題が生じる。
【0014】
特許文献1は、供給をすくい上げて行うためバケットのピッチをやや広く取ったことで生じる搬送物のバケットコンベヤ装置下部への戻りの問題の解決を図っている。二段のシュートを構成して搬送物の下部への戻りを減少させる構造としているが、一段目のシュートであるバケット背面から二段目の固定シュートに確実に乗り換えるためにはバケットからの排出速度を速める必要があり、搬送物に傷が生じる問題が解決されない。
【0015】
特許文献2は、搬送物受け止め片と同一傾斜面をなす搖動シュートが接触寸前まで接近して、ゆっくり丁寧に搬送物を排出させるため、搬送物に傷がつきにくい。しかしながら、排出時に運搬物の進行方向を180度転換させるために搬送速度を速めることが困難である。また、搖動シュートがバケットに代わる支持腕と接触することで応動して搖動するため、動作を続けていると摩耗によって生じた粉が不純物として混入する問題が生じる可能性がある。
【0016】
特許文献3は、すくい上げた搬送物が下部へ戻ることによって搬送効率が下がる又は傷が生じる問題の解決を図るものであるが、特許文献2と同様にバケットと可動シュートが接触し摩耗によって生じた粉末が不純物として混入する問題が生じる可能性がある。
【0017】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、排出効率と搬送物の傷み防止を両立させたバケットコンベヤ装置の提供を主目的とする。さらには、装置の摩耗を減らし、摩耗による不純物混入の問題解決を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するため、本発明のバケットコンベヤ装置は、バラ荷である搬送物を下部供給位置でバケットに投入し、上部排出位置まで搬送した後排出するバケットコンベヤ装置において、前記投入されたバケットから排出された前記搬送物を中継して排出する搬送物受部と、前記搬送物受部を移動させる搬送物受部動力部と、制御部と、を備え、前記搬送物受部動力部が、前記バケットが排出開始位置に到達するまでに、先行するバケットに接触させずに待機位置から前記排出開始位置に近接した搬送物受取位置に前記搬送物受部を進出させ、かつ、前記バケットが前記搬送物受取位置にある前記搬送物受部に接触する前に、前記搬送物受取位置から前記待機位置に向かって前記搬送物受部を退避開始させるものであること、前記制御部が、前記バケットコンベヤ装置におけるいずれかのバケットの位置に基づいて排出開始位置に最も近い排出前バケット又は前記排出前バケットに先行するバケットの位置を直接的又は間接的に検知する検出手段、前記進出或いは退避までの所要時間を予め設定しておく時間管理手段、又は、前記検出手段と前記時間管理手段とを組み合わせた複合手段、によって前記搬送物受部動力部を制御するものであること、を特徴とする。
【0019】
本発明のバケットコンベヤ装置は、 前記バケットコンベヤ装置に前記検出手段を備えた場合、前記検出手段が、前記排出前バケットの前記排出開始位置への接近又は到達を直接的又は間接的に検知する進出開始時検出手段、又は、前記排出前バケットに先行する排出中もしくは排出後のバケットの前記搬送物受取位置への接近を直接的又は間接的に検知する退避開始時検出手段、のいずれか一方又は両方を有し、前記制御部が、前記進出開始時検出手段により前記排出前バケットの前記排出開始位置への接近又は到達を検知した場合、前記搬送物受取位置に向かって前記搬送物受部の進出を開始させる制御、又は、前記退避開始時検出手段により前記排出中もしくは排出後のバケットの前記搬送物受取位置への接近を検知した場合、前記搬送物受部への接触前に前記待機位置に向かって前記搬送物受部の退避を開始させる制御、のいずれか一方又は両方の制御を行い、前記検出手段が前記進出開始時検出手段のみの場合には、前記退避までの所要時間を予め設定しておく前記時間管理手段を組み合わせた複合手段により制御を行い、前記検出手段が前記退避開始時検出手段のみの場合には、前記進出までの所要時間を予め設定しておく前記時間管理手段を組み合わせた複合手段により制御を行うこと、を特徴とする。
【0020】
本発明のバケットコンベヤ装置は、前記制御部が、前記搬送物受取位置に前記搬送物受部を進出させた後から前記待機位置に前記搬送物受部の退避を開始させるまでの間に排出中のバケットを一旦停止又は急激に減速させて該バケット中の搬送物の排出を促進させた後通常の走行速度に回復させる制御を行うこと、を特徴とする。
【0021】
本発明のバケットコンベヤ装置は、前記搬送物受部が、少なくとも前記バケット開口部以上の幅を有する底板と、排出方向に沿って前記底板両端から立設させた側板と、バケットコンベヤ装置のベルト等の回転軸方向に並行して固定された回転軸と、一方端が前記底板又は前記側板に固定され、他方端が前記回転軸に取り付けられた支持腕と、を備え、前記搬送物受部動力部が、前記搬送物受部に取付けられて、前記回転軸回りに前記搬送物受取位置と前記待機位置との間前記搬送物受部を搖動させるものであること、を特徴とする。
【0022】
本発明のバケットコンベヤ装置は、前記搬送物受部が、少なくとも前記バケット開口部以上の幅を有する底板と、搬送方向に沿って前記底板両端から立設させた側板と、前記搬送物受取位置と前記待機位置を結ぶ直線上を滑動する滑動部材を備えて固定された滑動装置と、前記滑動部材と結合する連結具と、を備え、前記搬送物受部動力部が、前記滑動装置に取付けられて、前記搬送物受取位置と前記待機位置との間前記搬送物受部を往復移動させるものであること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明のバケットコンベヤ装置によれば、搬送物を積載したバケットが排出開始位置に到達するまでに、排出が終わった先行バケットに接触することなく待機位置から前記排出開始位置に近接した搬送物受取位置に搬送物受部を進出させて搬送物を受け取るので、搬送物を投げ出す必要がなく、遠心排出型で生じていた搬送物の傷みを防止するとともにバケットコンベヤ装置の摩耗を減少させる効果を奏する。
【0024】
誘導排出型と比較すると、搬送物受部が先行するバケット背面外側のシュートの役割を担うため、バケットのピッチを狭めて均等に調整する必要がない。また、搬送物受部の形状が搬送物を誘導するために最適な形状に形成されているので、搬送物のバケットコンベヤ装置下部への戻りを減らすことができる。さらに、先行するバケット背面外側のシュートに安定して載せるためのベルト等の走行速度の調整を必要としない。すなわち、バケットコンベヤ装置本体の調整が容易かつ簡便にできる効果を奏する。
バケット間のピッチを広く設定することができるため、供給は、すくい上げる方法又はシュート並びにホッパによる方法のいずれの方法も採用が可能である。バケットの数を減らすことにより、ベルト等走行のための動力は小さなトルクで済む。誘導排出型に比べて負荷が小さい分だけ小さなトルクで速度を速くすることが可能で搬送効率を上げることができる。
【0025】
本発明のバケットコンベヤ装置によれば、排出前バケットの前記排出開始位置への接近又は到達を直接的又は間接的に検知する進出開始時検出手段、又は、排出中もしくは排出後のバケットの搬送物受取位置への接近を直接的又は間接的に検知する退避開始時検出手段を有するため、前記搬送物受部の前記搬送物受取位置への移動及び待機位置への退避のタイミングを最適に設定することが可能である効果を奏する。搬送物の特徴によりバケットの走行速度を変更した場合であっても搬送物受部の移動タイミングに関する調整の必要がない。前記搬送物受部がバケットコンベヤ装置の走行部と接触しない限界のタイミングを容易に設定でき、接触による摩耗及び摩耗によって生じた粉末が不純物として混入することを防止できる効果を奏する。
【0026】
本発明のバケットコンベヤ装置によれば、排出中バケットを一旦停止又は急激に減速させて該バケット中の搬送物の排出を促進させるため、バラ荷を一塊に近い状態でバケットから排出して、排出開始から完了までの時間を短縮できる効果を奏する。排出中バケットから搬送物が排出する初速を速くことができベルト等の走行速度を速くすることなく遠心力を活用できる。また、完全排出型を採用することなく、付着性等を有するバラ荷を強制的に排出することが可能である。
【0027】
本発明のバケットコンベヤ装置によれば、回転軸回りに搬送物受取位置と待機位置との間、ブランコのごとく搬送物受部を動力によって搖動させるものであるため、進退させる構造が簡単であり、排出部が占有する体積を小さくすることができる。また、搖動の軌道によれば、バケットを回避するための距離を最短にすることができ、短時間で搬送物受取位置と待機位置との間を移動できる。
【0028】
本発明のバケットコンベヤ装置によれば、搬送物受取位置と待機位置との間前記搬送物受部を直線的に往復移動させるために、次工程との中継距離が長い場合には排出方向に適宜長さを伸長させた搬送物受部を用意するだけで対応することができる効果を奏する。
また、バケットの形状が前面と背面との間の寸法が長く待機位置を相当後方に設定する必要があって、搖動によっては対応できない場合にも効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明に係るバケットコンベヤ装置1を実施するための形態について、図を参照しつつ説明する。
【0031】
図1は、本発明に係るバケットコンベヤ装置1排出部を示す斜視図である。
バケットコンベヤ装置1本体の形態は、
図17に示した従来のバケットコンベヤ装置500本体を使用することが可能である。本発明に係るバケットコンベヤ装置1は、
図17に示した従来のバケットコンベヤ装置500本体の上部排出位置UEP及び排出口560の部分に
図1に示す搬送物受部a110を有している。
【0032】
本発明に係るバケットコンベヤ装置1は、バラ荷である搬送物を下部供給位置DSPでバケット10に投入し、上部排出位置UEPまで搬送した後排出するバケットコンベヤ装置1において、積載済みのバケット10から排出された搬送物を中継して排出する搬送物受部a110と、ベルト等30を走行させるベルト等動力部70(
図1には不図示)とは別に搬送物受部a110を進出かつ退避させる搬送物受部動力部200と、バケットコンベヤ装置1本体を制御するとともに搬送物受部a110の動きを司る制御部40と、を備える。搬送物受部a110は、搬送物を中継した後に次工程搬送装置300に送り出す。
【0033】
図2は、搬送物受部a110を示す斜視図である。
搬送物受部a110は、少なくともバケット10開口部OP以上の幅を有する底板112と、排出方向に沿って底板112両端から立設させた側板114と、バケットコンベヤ装置1本体のベルト等30の回転軸AR方向に並行して固定された固定部材118に内蔵された回転軸(不図示。
図2において回転軸の軸線を示した。)と、一方端が側板114に固定され他方端が前記回転軸と結合された支持腕116と、を備える。
【0034】
底板112の側板114を有さない対向する両端は、
図1に示すようにバケット10背面BKの開口端の長さ以上の長さに設定して両側板114の間にバケット10開口部OPが収まるように形成されることが好ましい。
【0035】
側板114は、排出中バケット14の開口部OP寄りの側面SDの一部を覆うことが可能なように底板112のバケットコンベヤ装置1本体側端からベルト等30に沿ってバケット10の走行逆方向へバケット10の高さ程度の幅を有して伸長させている。排出中の搬送物がベルト等30の外側に逸れて落下することを減少できる。また、側板114がベルト面に沿う部分については側板114裾部分を搬送物受部a110外側に折り曲げて所定の幅を持ってベルト等30と沿うように形成される。粒子の小さい搬送物が側板114の下から外側へ出ることを防止することができる。両側板114のバケットコンベヤ装置1本体側端は、ベルト等30の走行方向の中心線から離れる方向に「ハ」の字状に折り曲げられ搬送物を受け取る間口を広げている(
図7を併せて参照)。上記形状に側板114を形成することで、ベルトに沿う形状との相乗効果により排出中の搬送物がベルト等30の外側に逸れて落下することを大幅に減少できる。特にベルト上で跳ねやすい見掛け比重が軽い搬送物に対して有効に働く。
【0036】
回転軸は、
図2では図示されておらず、回転軸線PLの方向に固定部材118内部に内蔵されている。固定部材118をバケットコンベヤ装置基材80等に固定させることによって、搬送物受部a110はバケットコンベヤ装置1本体に取付けられる。
支持腕116は、一方端を側板114に固定し、他方端を前記回転軸に取り付ける。前記回転軸は、バケットコンベヤ装置1のベルト等30の回転軸AR方向に並行して回転自在に取り付けられるため、搬送物受部a110はベルト等30に対し、接近又は離隔する方向に搖動する。
図2では、支持腕116は、搬送物受部a110の両側板114に固定しているが、片方の側板114のみに固定してもよい。また、支持腕116は底板112に固定してもよい。
また、搬送物受部a110は、バケット10、プーリ等20及びベルト等30との相対位置に変化がなければ、バケットコンベヤ装置1本体への固定に限定されるものではない。
【0037】
図1では、搬送物受部動力部200の一例としてエアシリンダ200を例示している。エアシリンダ200のアクチュエータは弾性部材119を介して搬送物受部a110と結合される。
図1では、支持腕116に取付けられている。弾性部材119を介することにより、万が一制御上のずれにより搬送物受取位置RPにある搬送物受部a110の底板112とバケット10開口部OPの縁が接触する場合に、走行するバケット10の押し付ける力により底板112のバケットコンベヤ装置1本体側端が待機位置SP側に押し戻されて衝突を回避する。
エアシリンダ200は一例であって、ソレノイド駆動のアクチュエータでもよい。また、モータで固定部材118内部に内蔵された回転軸を回転させて搬送物受部a110を搖動させてもよい。
【0038】
図3は、バケット10を示す斜視図である。
バケット10は、排出が容易となるように開口部OPが広く最深部に向かって徐々に狭くなるように形成される。ベルト等30には背面BKをネジ等によって固定する(
図17参照)。両側面SDの開口端は、曲線に形成される。具体的には、開口部OPを鉛直上方向にした場合、背面BKから前面FRに向かって緩やかな下り傾斜の曲線に形成される。これにより、上記バケット10と搬送物受部a110底板112のバケットコンベヤ装置1本体側端が接触した場合に、バケット10側面SD開口端が底板112を摺りながら移動して搬送物受部a110を押し戻すことができ、接触による互いのダメージを最小限に抑えることができる。
【0039】
図4は、搬送物受部a110を待機位置SPに退避させた状態を示す斜視図である。
一方、
図1は、搬送物受部a110を搬送物受取位置RPに進出させた図である。
次工程搬送装置300は、バケット10と干渉するバケット10の走行軌道上まで進出させた状態に設置することができないため、多くは遠心力によって搬送物を投げて次工程搬送装置300に積載することになる。
そこで、本発明では、バケット10と干渉することなくバケット10の軌道上に搬送物受部a110を進出させて、搬送物を受け取り、次工程搬送装置300に送り出すものである。
最初、
図4に示すようにエアによりアクチュエータを引き付け保持し待機位置SPに搬送物受部a110を静止させておく。排出が終わった先行バケット16が通過し、搬送物を積載した排出前バケット12が排出を開始する前に搬送物を効率よく受取可能なベルト等30に近接する搬送物受取位置RPに、エアによりアクチュエータを押し出して保持し搬送物受部a110を進出させて停止させる。排出中バケット14から搬送物の排出が終わったら、該バケット(排出が終わった時点で先行バケット16となる。)が搬送物受部a110と接触する前にエアによりアクチュエータを引き付け保持し待機位置SPに搬送物受部a110を退避させる。
バケット10との接触を回避して搬送物受部a110を進出及び退避させる具体的な動作は後述する。
【0040】
図5は、本発明に係るバケットコンベヤ装置1のブロック図である。
バケットコンベヤ装置1は、制御部40によってベルト等30の走行及び搬送物受部100の動作が制御される。
【0041】
ベルト等動力部70は、バケット10が取付けられたベルト等30を走行駆動させるための動力を提供する。動力は、モータや内燃機関などが用いられる。単にバケット10を一定速度で循環させる場合には、単純に回転のみを行う内燃機関やモータでよい。速度、加速度又はトルクなどの制御を行う場合には、サーボモータ、ステッピングモータ、パルスモータ又はトルクモータなどが使用されることが好ましい。特に、搬送物受取位置RPに搬送物受部100を進出させた後から待機位置SPに搬送物受部100の退避を開始させるまでの間に排出中バケット14を一旦停止又は急激に減速させて該バケット中の搬送物の排出を促進させた後通常の走行速度に回復させる制御を行う場合に必要とされる。排出中バケット14を急激に加減速させることによって、粘着性の高い搬送物は排出中バケット14内面から引き剥がされて、残留物が発生することを防止する。また、大きさや形状が一定しない搬送物を排出させる際には排出時間がばらつくことがあるが、排出中バケット14を急激に加減速させることによって一塊の状態にして短時間に排出することができる。搬送物を受け取る時間が制限される本発明に係るバケットコンベヤ装置1においては排出中バケット14から搬送物を排出する時間を制御することは非常に重要である。
【0042】
搬送物受部動力部200は、搬送物受部100の進退を行うための動力である。
図1、
図2及び
図4に示した搖動型の搬送物受部a110の場合にはエアシリンダ200による駆動が簡便で好ましい。直線移動型の搬送物受部b120の場合には、モータ駆動によることも可能である(
図9乃至
図11)。さらには、多軸型又は多関節型のロボット装置により駆動させることにより曲線的に搬送物受部100を動作させることも可能となる(
図12及び
図13)。
【0043】
制御部40は、搬送物受部100の進退のタイミングを計るために排出前バケット12、排出中バケット14又は先行バケット16の位置を把握する必要がある。これには、センサなどの検出手段を用いる。センサは、赤外線センサ、近接センサ又は光センサなどバケットの通過又は有無が検出可能なセンサであればよい。また、カメラで映像を撮影し画像解析によりバケットの通過又は有無を検出してもよい。
図5においては、進出開始時検出手段としてのセンサa50及び退避開始時検出手段としてのセンサb60の二のセンサを使用して前記バケットの位置検出を行う例を示した。しかし、この数に限定されるものではない。例えば、一のセンサを使用して排出が終了した先行バケット16が搬送物受部100と干渉しない位置にまで通過したことを検出し、搬送物受取位置RPに搬送物受部100を進出させ、予め設定された搬送物受部100の進出から排出の終わった先行バケット16が搬送物受部100に接触する直前までの時間に基づいて、搬送物受部100を退避させるセンサによる検出手段と時間管理手段の両方を使用して制御することも可能である。また、先行バケット16と搬送物受部100が互いに干渉しない位置関係を確認した上でバケットコンベヤ装置1を起動させて、その後バケット10と搬送物受部100とが同期して運転を継続する時間管理手段のみによって制御することも可能である。
【0044】
図6から
図8までは、センサの検出手段を使用して具体的に先行バケット16との接触を回避して搬送物受部100を進出及び退避させる動作を示したものである。
図6は、搬送物受部100を搬送物受取位置RPに進出させた状態を示す斜視図である。一点鎖線はセンサの検出状態を示している(以下、同じ。)。
図7は、排出中バケット14が搬送物の排出を行っている状態を示す斜視図である(搬送物は不図示)。
図8は、搬送物受部100を待機位置SPに退避させた状態を示す斜視図である。
図6から
図8までは、バケットコンベヤ装置1の排出部をセンサa50及びセンサb60と対面する斜め上方向から見た図である(例えば、
図1においてはX方向の矢視図である。)。搬送物受部100は底板102と側板104のみを示し、手前のバケットコンベヤ装置基材80は省略した。
【0045】
図6から
図8では、バケットコンベヤ装置基材80にセンサa50及びセンサb60をバケット10の検出手段として取り付けて固定される。センサは、バケット10、搬送物受部100、プーリ等20及びベルト等30との相対位置に変化がなければ、バケットコンベヤ装置基材80への固定に限定されるものではない。また、両センサを片側に取付けたが、対面して取り付けてもよい。
センサa50は、バケットコンベヤ装置1排出部において、排出開始位置EPに近づく排出前バケット12の開口部OP側の側面SD端を(
図6から
図8においては図上方向から下方向に)検出することによって、搬送物受部100が搬送物受取位置RPに進出するタイミングを検知する例を示したものである。
搬送物を積載した排出前バケット12がセンサa50の検出範囲に入り検知されれば、センサa50から制御部40に信号が入力される。信号は、デジタルの電気信号でON信号又はOFF信号のいずれを入力して検知してもよい。制御部40は、搬送物受部動力部200に搬送物受部100を進出させる信号を送信し、搬送物受部動力部200を駆動して搬送物受取位置RPに搬送物受部100を進出させる。
【0046】
排出開始位置EPと搬送物受取位置RPとの間には所定の距離を有する。前記二位置の距離が短い方が確実に搬送物を受け取ることができる。バケット10の開口部OPと搬送物受部100の距離が短いからである。しかし、排出には搬送物の種類や状態に応じた時間が必要である。排出中バケット14が排出を終えるのを搬送物受部100は該バケットの軌道上に進出した状態で待たなければならないからである。したがって、前記二位置の間には予め定められた相当の距離が必要となる。上記を考慮すると排出に掛かる時間は短時間である方が好ましい。この場合に、搬送物受取位置RPに搬送物受部100を進出させた後から待機位置SPに搬送物受部100の退避を開始させるまでの間に排出中バケット14を一旦停止又は急激に減速させて該バケット中の搬送物の排出を促進させた後通常の走行速度に回復させる制御が有効に働く。
【0047】
図6では、排出前バケット12が排出開始位置EPに到達する前に搬送物受部100が進出するようにセンサa50が設定される。これは、積載の状態によっては排出開始のタイミングが早まることも想定され可能な限り早い時期に搬送物受取位置RPで排出を待ち受けていることが望ましいからである。その際には、先行バケット16が搬送物受部100と干渉しない位置にまで通過した後に排出前バケット12を検出するようにセンサa50を配設することに注意しなければならない。これは、先行バケット16と最も排出開始位置EPに近い排出前バケット12との間隔を予め計測しておくことによって決定できる。
一方で、搬送物受部100は、先行バケット16が搬送物受部100と干渉しない位置にまで通過した場合にはいつでも搬送物受取位置RPに進出が可能である。したがって、先行バケット16が搬送物受部100と干渉しない位置にまで通過したことを検出するセンサを取付けて、搬送部受部を搬送物受取位置RPに進出させてもよい。
【0048】
センサb60は、バケットコンベヤ装置1排出部において、搬送物受取位置RPにある搬送物受部100に接近する先行バケット16の底部BT側の側面SD端を検出することによって、搬送物受部100が待機位置SPに退避するタイミングを検知するものである。具体的な検出方法については、
図8の説明において行う。
【0049】
図7は、
図6の状態から搬送物受部100方向へ排出中バケット14が移動し搬送物の排出中である状態を示すが、搬送物は図示していない。
搬送物受部100は、制御部40によって搬送物受取位置RPに停止させている。
排出中バケット14から排出された搬送物は、排出中バケット14の方向に突出し先端が「八」の字に形成され間口が広げられた側板104に囲まれたベルト等30の上を通過して搬送物受部100へと誘導される。
図中、搬送物受部100の右側に次工程搬送装置300が設置されるが、
図7においては図示していない。
【0050】
図8では、先行バケット16が、センサb60によって検知され、搬送物受部100を退避させる状態を示した。
センサb60は、搬送物受取位置RPにある搬送物受部100に接近する先行バケット16を検出することによって、搬送物受部100が待機位置SPに退避するタイミングを検知するものである。
本発明に係る実施の形態では、排出中バケット14が
図7の状態から搬送物受取位置RP方向へ移動し、センサb60で一旦バケット側面SDが検出された後に排出が終わり先行バケット16となったバケット底部BT側の側面SD端がセンサb60の検出範囲を脱した時点の信号を以て、制御部40によって搬送物受部100が退避すべきタイミングと判断し、搬送物受部動力部200に搬送物受部100を待機位置SPに退避させる信号を送信する。該信号を以て搬送物受部動力部200を駆動して待機位置SPに搬送物受部100を退避させる。
これは、搬送物受部100の側板104が排出前バケット12方向に突出し排出中バケット14の側部を覆うため、センサb60は搬送物受取位置RPの相当手前しか検出することができず、排出中バケット14の開口部OPの通過の検出では排出が終わっていない可能性があるためである。
【0051】
しかしながら、上記のバケットの検出方法は一例であって、側板104によって排出中バケット14側面SDを覆わない場合、又は、バケットコンベヤ装置1の排出部上又は下方向に向けて検出範囲を設定しセンサa50及びセンサb60を取付けてバケットの前面FR又は背面BKを検出する場合(不図示)には、バケットの開口部OP側の端の検出を以て、排出が終わったことを検出してもよい。
一例として、バケットの側面SD、前面FR又は背面BKを走行方向に並行する軸線(排出部付近においては側面から見たプーリ等520の接線方向であり、頂点部においては水平方向に伸長する。)に対して直交方向から検出する方法を示したが、必ずしも走行方向に並行する軸線に対して直交する方向である必要はない。バケットコンベヤ装置1の排出部においてバケット走行方向に並行する軸線方向に検出範囲を設定しセンサa50及びセンサb60を取付けてもよいし、別角度を成す状態で検出を行ってもよい。
検出位置は、バケット10の位置が正確に検出できれば、バケット10の開口部OP側の端又は底部BT側の端であってもよいし、それ以外の位置にマーカを付してこれを検出してもよい
また、ベルト等530に取付けられた複数のバケット10の相対位置は変わらないため、排出前バケット12又は排出中バケット14あるいは排出が終わった先行バケット16以外のバケットを検出することによっても、上記と同じ作用及び効果を得ることが可能である。
【0052】
再度、最も排出開始位置EPに近い排出前バケット12をセンサa50が検出した後に、搬送物受部100を
図6に示した搬送物受取位置RPに進出させて、その後は退避そして進出の動作を繰り返す。
【実施例1】
【0053】
図9は、本発明に係るバケットコンベヤ装置1排出部の第一実施例を示す斜視図である。
搬送物受取位置RPと待機位置SPを結ぶ直線上を滑動する滑動部材126を備えて固定された滑動装置と、搬送物受部b120と滑動部材126とを結合する連結具127とを搬送物受部b120に備え、搬送物受部動力部200が、滑動装置に取付けられて、搬送物受取位置RPと待機位置SPとの間搬送物受部b120を往復移動させるものである。
図9では、搬送物受取位置RPに進出した状態を示している。搬送物受取位置RPは
図6に示した位置に相当する。
次工程搬送装置300の供給部の形状によりバケットコンベヤ装置1に接近させることができない場合に有効である。
本実施例においては、滑動装置としてエア駆動のスライドテーブル125を使用した。スライドテーブル125には搬送物受部動力部200が内蔵されている。スライドテーブル125本体をバケットコンベヤ装置基材80に固定し滑動部材126はエアにより伸縮自在とする。
滑動装置は、単軸駆動のロボット装置でもよい。
【0054】
図10は、第一実施例における搬送物受部b120を示す斜視図である。滑動装置は省略した。搬送物受部b120は、少なくとも前記バケット開口部OP以上の幅を有する底板122と、搬送方向に沿って底板122両端から立設させた側板124と、搬送物受取位置RPと待機位置SPを結ぶ直線上を滑動する滑動部材126を備えて固定された滑動装置と、前記滑動部材126と結合する連結具127とを備え、底板122及び側板124の長さを搬送物受部a110と比較して排出方向に伸長させた。
図10で示した搬送物受部b120の連結具127は、
図2で示した搖動型の搬送物受部a110の支持腕116を利用するものとした。この場合、搖動型とは異なり支持腕は固定されており回転軸を有さない。連結具127は、例示した支持腕を有し上側より支持するものに限らず、滑動装置を搬送物受部の横側に配設し滑動部材と側板とを連結するものとしてもよいし、又は、滑動装置を搬送物受部の下側に配設し滑動部材と底板とを裏側から連結するものとしてもよい。
【0055】
図11は、第一実施例において、搬送物受部b120を待機位置SPに退避させた状態を示す斜視図である。
待機位置SPは、搬送物受取位置RPのバケットコンベヤ装置1から直線的に離れた場所にある。
図11では、滑動部材126の滑動方向がバケットコンベヤ装置1から離れるにしたがって下方に傾斜する方向にスライドテーブル125を固定し、滑動方向に並行した底板122を備えた搬送物受部b120を連結させて進退させる例を示した。
また、滑動部材126の滑動方向が水平となる方向にスライドテーブル125を固定し、搬送物受部b120底板122をバケットコンベヤ装置1から離れるにしたがって下方に傾斜させた状態に備えた搬送物受部b120を連結させて進退させてもよい。
すなわち、搬送物が底板122上を重力に従って滑降可能なように搬送物受部b120の取り付けがされている必要がある。
【0056】
搬送物受部b120を搬送物受取位置RPに進出させて、その後は退避そして進出の動作を繰り返し、排出の中継を行う。
【実施例2】
【0057】
図12は、本発明に係るバケットコンベヤ装置1排出部の第二実施例において、搬送物受部100を搬送物受取位置RPに進出させた状態を示す斜視図である。
図13は、第二実施例において、排出中バケット14の走行とともに搬送物受取位置RPを移動させる搬送物受部100を示す斜視図である。
図12及び
図13は、バケットコンベヤ装置1の排出部をセンサa50及びセンサb60と対面する斜め上方向から見た図である(
図6と同じ方向からの図である。)。搬送物受部100は底板102と側板104のみを示し、手前のバケットコンベヤ装置基材80は省略した。
上記の実施例までは、搬送物受部100が行う搬送物受取位置RPと待機位置SPとの間の移動を一軸駆動によって制御されるものを示した。
本実施例では、複数軸駆動による制御によって排出中バケット14の走行と連動して搬送物受部100が搬送物受取位置RPを変え、排出が終わった後に待機位置SPに退避する曲線的な動作を行う搬送物受部100を示した。
【0058】
最も排出開始位置EPに近い排出前バケット12をセンサa50が検知した後に、搬送物受部100を搬送物受取位置RPに進出させる(
図12)。その後、制御部40によりベルト等動力部70の例えばモータの回転数と同期させ同じ速度で搬送物受部100を排出中バケット14の軌道と同じ軌道上を排出中バケット14と同方向に移動させる(
図13)。
搬送物受部100を曲線に移動させるためには、X−Y平面を移動可能な駆動軸を有する二軸駆動のロボット装置を用いて鉛直方向に動作平面を配設することにより実現できる。また、三軸以上の多軸駆動のロボット装置又は多関節型ロボット装置を採用すればより複雑な動作に対応可能である。
【0059】
排出中バケット14が搬送物の排出を終えたことをセンサb60が検知した後、搬送物受部100が先行バケット16と干渉しない待機位置SPまでバケットコンベア装置1から離れて退避させる。待機位置SPは、次に進出する搬送物受取位置RPに最短かつ先行バケット16及びその他の物に干渉しない位置であることが好ましい。
再度、最も排出開始位置EPに近い排出前バケット12をセンサa50が検出した後に、搬送物受部100を
図12に示した搬送物受取位置RPに進出させて、その後は移動から退避そして進出の動作を繰り返す。
【0060】
本実施例を採用して、誘導排出型のバケットコンベヤ装置に適用することによって大きな効果を得ることができる。誘導排出型では、搬送物を排出中に排出シュートとして利用する先行バケットの背面外側の角度が変化し、同時に排出シュートの先端の位置も変化する。本実施例においては、搬送物受部の曲線移動が可能であるため、搬送物受部のバケットコンベヤ装置本体側の先端を排出シュートの先端に追従させて移動させることができる。
【実施例3】
【0061】
図14は、搬送物受部a110の底板112の他の実施例を示す斜視図である。
底板112において排出方向に対して直交する中心軸線に沿って、底板112を下向きの「V」字状に窪ませた形状に形成する。これにより、搬送物受部a110を通過中の搬送物の速度を緩めることができる。また、搖動型の搬送物受部a110を採用する場合には待機位置SPに退避した際に底板112のバケットコンベヤ装置1本体側を略水平又は排出方向に下向きに傾斜させて、搬送物が逆走することを防止する。
他方、底板112において排出方向に対して並行を成す中心軸線に沿って、底板112を下向きの「V」字状に窪ませた形状に形成する(不図示)。これにより、搬送物受部を通過中の搬送物を中央部に集めることができ、搬送物が経路外側へ飛び出すことを防止することができる。搬送物受部の排出方向の長さが短く排出角度が急な場合に有効である。
【実施例4】
【0062】
図15は、搬送物受部c130の側板134に衝撃緩衝部材156を貼付した実施例を示す斜視図である。
衝撃緩衝部材156を側板134に貼付することにより、搬送物受部c130を通過する搬送物が側板134に衝突して、搬送物受部c130の外側へ飛び出すことを防止することができる。搬送物を傷つけることも併せて防止することができる。
【実施例5】
【0063】
図16は、蓋部158を備えた搬送物受部d140の実施例を示す斜視図である。
搬送部受部の両側板144上端を架け渡す蓋部158を備えることにより、確実に搬送物を排出経路に誘導することができる。特に、見掛け比重が軽い粉状体が搬送物である場合であって、粉状体のサイズ、排出中バケット14の傾角又は速度等の条件により、排出の際に周囲への飛散が避けられない状況に対して極めて有効である。また、両側板144に架け渡した蓋部158の排出中バケット14側の端を上方に折り曲げて間口を広げることにより効果を増大させることができる。