(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、非限定的な実施による、ハイダイナミックレンジ(HDR)プロジェクタのためのリレーレンズシステム101を含むシステム100を示す。システム100は、HDRプロジェクタの一部分を含むことができる。例えば、システム100は、一つ以上の第1光変調器103−1と、一つ以上の第2光変調器103−2と、光源(不図示)からの光107を一つ以上の第1光変調器103−1へ方向づけ、一つ以上の第1光変調器103−1から反射された光109をリレーレンズシステム101へ方向づけるためのプリズム105−1と、リレーレンズシステム101から出てきた光111を一つ以上の第2光変調器103−2へ方向づけ、一つ以上の第2光変調器103−2から反射された光113をHDRプロジェクタの投影光学系(不図示)へ方向づけるためのプリズム105−2と、をさらに含む。
図1は、光107、109の光線が一つ以上の光変調器103−1と相互作用し、光111の光線が一つ以上の第2光変調器103−2と相互作用する様子をさらに示す。
【0024】
一つ以上の光変調器103−1、103−2は以下において、集合的には、光変調器103、および総称的には、光変調器103と互換的に呼ぶことになる。プリズム105−1、105−2は以下において、集合的には、プリズム105、および総称的には、プリズム105と互換的に呼ぶことになる。
【0025】
光変調器103の各々は、位相変調器、光変調器、反射型光変調器、透過型光変調器、リキッド・クリスタル・オン・シリコン(LCOS(登録商標))デバイス、液晶ディスプレイ(LCD)デバイス、およびデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)のうちの一つ以上を含むことができる。さらに、プリズム105の各々はウェッジプリズムを含むことができ、プリズム105−1、105−2の各セットは、光を、光変調器103へ、ならびにリレーレンズシステム101または投影光学系のいずれかへ方向づけるように互いに対して配置される2つのウェッジプリズムを含むことができる。一部の実施では、プリズム105−1、105−2は互いに対してほぼ対称である。さらに、図示している実施では、システム100は、システム100の空気/ガラス界面を減少させるために、各一つ以上の第1光変調器103−1とプリズム105−1との間の直角プリズム106−1と、各一つ以上の第2光変調器103−2とプリズム105−2との間の直角プリズム106−2とを含む。換言すれば、システム100は、以下のものに限定するわけではないが、一つ以上の第1光変調器103−1におけるプリズム105−1、直角プリズム106−1、および一つ以上の第2光変調器103−2におけるプリズム105−2、直角プリズム106−2を含む、複数のプリズム要素で各々構成する2つのプリズムアセンブリを含む。ただし、プリズム105、106の構成は一般に非限定的であり、その他のプリズム、および光変調器のその他の構成も本実施の範囲内である。さらに、一部の実施では、各それぞれの光変調器103は、グループそれらの関連プリズムアセンブリとして調整することができる。
【0026】
一つ以上の第1光変調器103−1は、一つずつが赤色、緑色および青色光の各々のための3つの光変調器を含むことができ、光107は赤色、緑色および青色光成分を含むことができ、それゆえ、プリズム105−1は、光107のそれぞれの赤色、緑色および青色成分を、対応する第1光変調器103−1へ方向づけることができる。
【0027】
一つ以上の第1光変調器103−1は、第1の解像度
で像を形成するために、プロセッサ(不図示)、および同様のものによって制御する。それゆえ、一つ以上の第1光変調器103−1から反射された光109は、プリズム105−1によってリレーレンズシステム101へ方向づける、第1の解像度
の像を含む。以下において説明するように、リレーレンズシステム101は、その中に入ってきた光109に球面収差を導入する。リレーレンズシステム101から出てきた光111は、プリズム105−2が光111のそれぞれの赤色、緑色および青色成分を、対応する第2光変調器103−2へ方向づけることにより、一つ以上の第2光変調器103−2から反射される。
【0028】
一つ以上の第2光変調器103−2は、一つ以上の第1光変調器103−1において形成された
像の第1の解像度よりも大きい第2の解像度
で像を形成するように、プロセッサおよび同様のものによって制御する。実際に、一つ以上の第2光変調器103−2は、投影光学系によって投影する
像を形成する。
【0029】
それゆえ、光111は、それを必要とする一つ以上の第2光変調器103−2の区域(例えば
像のより明るい区域)へ方向づけ、それを必要としない一つ以上の第2光変調器103−2の区域(例えば
像のより暗い区域)から遠ざかるように方向づける。この結果、投影するべき
像の暗い区域に対応する、一つ以上の第2光変調器103−2形成した
像の区域は、照明しない、およびより明るい区域よりも少ない光で照明する、あるいはそのいずれかであるので、投影光学系によって投影する
像にハイダイナミックレンジをもたらす。さらに、このような構成は、高い局所的コントラスト比および高い大域的なコントラスト比の両方をもたらすこともできる。
【0030】
例えば、いくつかの非限定的実施では、一つ以上の第1光変調器103−1において形成する
像は、一つ以上の第2光変調器103−2において形成するより高い解像度の
像のハーフトーンバージョンを含むことができ、リレーレンズシステム101は、光111に球面収差を導入することによって、画素からの光をより大きな区域上に広げ、一つ以上の光変調器103−2のカバレッジを確実にし、整合の問題を軽減し、HDRプロジェクタの所望のハイダイナミックレンジ、および非常に高いコントラスト比の提供を助ける。
【0031】
例えば、特定の非限定的実施では、一つ以上の第1空間変調器103−1は、2K−DMDを含むことができ、一つ以上の第2空間変調器は、より高い解像度の4K−DMDを含むことができる。各DMD上には同様の
像を形成することができるが、4K−DMD
像は、2K−DMD
像よりも高い解像度を有することになる。しかし、他の実施では、各光変調器103は、同様の解像度の同様の光変調器を含むことができ、プロセッサ(不図示)が一つ以上の第1空間光変調器103−1を、一つ以上の第2空間光変調器103−2における
像よりも低い解像度の
像を形成するように制御することができる。しかし、システム100におけるコストを節減するために、より低い解像度の光変調器を一つ以上の第1光変調器103−1のために用いることができる。
【0032】
リレーレンズシステム101は、一般的に、光109の
像の画素を略正方形状から略
ガウシアン形状(approximate Gaussian shape)に変換するように構成する。実際に、このような
ガウシアン形状は、一般的に、システム100に最適なハイダイナミックレンジを提供し、システム100のより良好な予測可能性をさらにもたらす。
【0033】
そのため、リレーレンズシステム101は、光入力121、光出力123、光109を光入力121から光出力123へリレーするように構成した一つ以上のレンズ125−1、125−2、125−3、125−4、125−5、125−6、および一つ以上のレンズ125−1、125−2、125−3、125−4、125−5、125−6を通ってリレーされている光109に
所定の開口数を提供するように構成した開口絞り127を含む。一つ以上のレンズ125−1、125−2、125−3、125−4、125−5、125−6は以下において、集合的には、レンズ125、および総称的には、レンズ125と呼ぶことになる。以下において詳細に説明するように、
所定の開口数と一つ以上のレンズ125との組み合わせは、光入力121と光出力123との間において、リレーレンズシステム101を通ってリレーされている光に球面収差を導入し、球面収差の横収差図(レイ・ファン・プロット(ray fan plot))における以下のもの:極大および極小、ならびに、横収差図の導関数が0になる点、のうちの一つ以上を抑制するように構成する。
【0034】
図示している実施では、リレーレンズシステム101は、任意追加の反射器129および/または奇数個の反射器129をさらに含む。反射器(単数または複数)129は、以下のものに限定するわけではないが、折り曲げミラー、プリズム、ドーブプリズム、および同様のものを含むことができる。反射器129は以下においてより詳細に説明する。
【0035】
図示している実施では、リレーレンズシステム101は、一般的に、リレーレンズシステム101の光軸に沿って設置することができる、少なくとも1枚の補償板131をさらに含む。図示しているように、補償板131は、光出力123の後に設置され、光出力123から出てきた光111を受光する。ただし、補償板131は、光入力121の前、および/またはプリズム105のうちの2つの間に設置することができる。補償板131は以下においてより詳細に説明する。
【0036】
リレーレンズシステム101には6つのレンズ125を図示しているが、リレーレンズシステム101には6つより多いレンズおよび6つより少ないレンズを用いることができることを理解されたい。実際に、一部の実施では、リレーレンズシステム101は一つのレンズを含むことができる。さらに、レンズ125のうちの少なくとも一つは球面レンズを含むが、レンズ125うちの他のものは非球面状であり得る。さらに、レンズ125は、以下のものに限定するわけではないが、凸レンズ、凹レンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズ、負メニスカスレンズ、正メニスカスレンズ、および同様のものを含む。
【0037】
開口絞り127は、レンズ125のうちの2つの間に設置することができる。さらに、レンズ125は、一般的にリレーレンズシステム101の光軸に沿って同心であり、開口絞り127はレンズ125と同心である。
【0038】
一般的に、開口絞り127とレンズ125との組み合わせは、リレーレンズシステム101を通って伝達される光109に球面収差が導入されるように、および具体的には、および、球面収差の横収差図における以下のもの:極大および極小、ならびに横収差図の導関数が0になる点、のうちの一つ以上を抑制するように選定する。具体的には、開口絞り127の開口は、以下においてさらに詳細に説明するように、
所定のレンズ125に対する開口絞り127の
所定の位置において、球面収差の少なくとも一部を導入し、3次球面収差、5次球面収差、および7次球面収差のうちの一つ以上よりも大きな光の収差をフィルタリングして除去する直径を含む。
【0039】
これらの概念を説明するために、次に、
図2に注目する。
図2は、レンズ125の異なる半径方向瞳座標(radial pupil coordinates)hにおいて球面レンズ125と相互作用する光109の光線201−1、201−2、201−3を示す半径方向瞳座標hは、各光線201がレンズ125に入る際の、レンズ125の中心からの各光線201の半径方向距離と呼ぶこともできる)。以下において、光線201−1、201−2、201−3は、集合的には、光線201、および総称的には、光線201と互換的に呼ぶことになる。同様に図示しているのはレンズ125の光軸202である。光軸202は、レンズ125の中心およびレンズ125の焦点203を通過する線を含み、レンズ125の中心からの垂直および/または半径方向距離ならびに/あるいは焦点203からの垂直および/または半径方向距離を示すための視覚補助として提供している。一般的に、光軸202はリレーレンズシステム101の光軸と一致する。
【0040】
光線201は、レンズ125と相互作用し、理想的には、各光線201はレンズ125の焦点203に向かって集束されることになる。しかし、レンズ125の外縁に向かい光線201がレンズ125と相互作用するにつれ、球面収差が導入される。例えば、光線201−2、201−3と比べてレンズ125の中心により近い光線201−1は、光線201−2、201−3よりも焦点203の近くに方向づけられる。このようなずれは、各光線201が、例えば、焦点203を通過し、かつレンズ125に平行な平面205を貫き、焦点203のそばを通る際の、焦点203からの各光線201の垂直および/または半径方向のずれならびに/あるいは横方向変位ΔYを判定することによって、特徴付けることができる。それゆえ、平面205は単に、焦点203からの垂直および/または半径方向距離を示すための視覚補助として提供しており、縁を下にして図示している(すなわち、ページに向いている)。さらに、各光線201の経路は単に、傾向を表現することを意図しており、レンズ125の球面収差の正確な表現であることを意図してはいない。
【0041】
一般的に、球面収差は、レンズ125等の、種々の光学デバイスにおいて観察される光学効果であり、光線201がレンズ125とその外縁の近くで相互作用する場合には、レンズ125とレンズ125の中心のより近くで相互作用する光線201と比べて、光線201の屈折が増大するために生じる光学効果である。換言すれば、球面収差は、レンズ125の理想的作用からのレンズ125のずれを意味する。一般的には、球面収差は、生成される
像、例えば光111の
像の欠陥をもたらす。
【0042】
一般的に、球面レンズは、球面の半径に等しいレンズ125の半径(すなわち、レンズ125の表面は球面の一部を含む)をレンズ材料の屈折率で割った場所においてのみ、アプラナティックポイント(aplanatic point)(すなわち、光109に球面収差が生じない点)を有する。一部の実施では、レンズ125は、約1.5の屈折率の指標を有することができ、これは、球面収差を回避する場合には、レンズ125の面積の約43%(直径の67%)のみを一般的に用いることを暗に示している。しかし、本実施では、光109に球面収差を導入する開口絞り127の直径を意図的に選定する。換言すれば、アプラナティックポイントよりも大きいレンズ125の半径(および/または直径)を含む開口絞り127の半径(および/または直径)を選定する。
【0043】
例えば、光109の光線201のずれΔYは、一般的に次式のように半径方向瞳座標hに関連する:
【0044】
ΔY∝a
3h
3+a
5h
5+a
7h
7...+a
nh
n+... 式(1)
【0045】
式(1)において、「n」は奇数の整数であり、a
3、a
5、a
7、a
n等の各々は、
所定の球面レンズについて求め、および/または
所定の球面レンズを特徴付けるために用いることができる定数である。さらに、項a
3h
3は3次球面収差と呼ぶことができ、項a
5h
5は5次球面収差と呼ぶことができ、項a
7h
7は7次球面収差と呼ぶことができ、以下同様である。式(1)は、7次球面収差よりも高い球面収差項を含むことを理解されたい。
【0046】
項a
1hは、レンズ125の焦点をぼかす際の理想的な振る舞いを表すので、項a
1hは示していない。すなわち、理想的には、レンズは線形的に焦点がぼける。
【0047】
さらに、式(1)は一般的に、対称光学系における光軸の周りの球面収差を記述する。非対称光学系(例えば、レンズ125がリレーレンズシステム101の光軸から偏心し得るであろう)では、偶数次数項が式(1)に発生し得る。
【0048】
一般的に、a
3,a
5,a
7,...a
nの各々はおおむね、半径方向瞳座標hが
所定の値を超えるまで、例えば半径方向瞳座標hがアプラナティックポイントよりも大きくなるまでは、3次、5次および7次球面収差は小さいような値のものである。換言すれば、3次、5次、および7次球面収差のうちの一つ以上がレンズ125の球面収差を支配するレンズ125の直径が存在する。
【0049】
これは、
図3に示す通りの、レンズ125について半径方向瞳座標hの関数としてプロットした横方向変位ΔYの曲線301を示す横収差図において表すことができる。曲線301は単に、球面収差における傾向を表すことを意図しており、レンズ125の横収差図の正確な表現であることを意図してはいない。
【0050】
曲線301は直線でないことは明らかであるが、「0」の半径方向瞳座標の近くでは、曲線301は直線に見え得る。換言すれば、直径Aとして表されるアプラナティックポイント未満では、曲線301は直線に見える。ただし、この見掛けの直線性は、半径方向瞳座標hの小さい値についての式(1)の振る舞いの反映であり、実際の線形関数を反映するものではない。しかし、アプラナティックポイントよりも上では、曲線301は直線に見えず、それゆえ、球面収差がレンズ125において生じてくる。明確化のために言うと、球面収差は半径方向瞳座標hの全ての値において生じるが、(例えばアプラナティックポイント未満の)hの小さな値については、球面収差は小さく、および/または無視できる。さらに、レンズ125の直径Hにおいては、曲線301に方向の変化が生じる:具体的には、極大、極小および横収差図の導関数が0になる点を含まない変曲が生じることが明らかである。方向の変化は、どちらかと言えば、曲線301の勾配の絶対値は、直径Hの近傍において、増加していることを暗に示す。言い換えれば、曲線301によって表されているように、アプラナティックポイント前後、および、より大きい(および/または)アプラナティックポイントを(図示のように)越えた半径方向瞳座標、のうちの一つ以上において、横収差図の勾配の絶対値は増加する。
【0051】
この勾配の変化は、以下のように元の式(1)に関連付けることができる:
所定の開口数と一つ以上のレンズとの組み合わせは、極大および極小、ならびに横収差図の導関数が0になる点のうちの一つ以上を抑制するために、3次球面収差、5次球面収差および7次球面収差のバランスをとるように構成する。それゆえ、直径Hよりも大きい開口数および/またはFストップ(F−stop)を開口絞り127のために選定する。空気の場合には、一部の実施では、
図3上に示すように、F/4のFストップがこのような開口数に対応することができる。しかし、他の開口数および/または他のFストップも本実施の範囲内である。例えば、約F/2〜約F/8の範囲のFストップは本実施の範囲内である。
【0052】
換言すれば、リレーレンズシステムでは、開口絞り127の開口数は、開口絞り127の直径がアプラナティックポイントおよび/またはアプラナティック直径よりも大きくなるように選定する。
【0053】
さらに、球面収差の横収差図は本質的に非線形であるため、球面収差を導入する条件と、球面収差の横収差図における以下のもの:極大および極小、ならびに横収差図の導関数が0になる点、のうちの一つ以上を抑制する条件との組み合わせによって、横収差図の勾配の絶対値の増加を伴う非線形曲線が確実になる。さらに、極大、極小、および横収差図の導関数が0になる点を抑制することによって、横収差図の勾配の絶対値の増加が確実になる。
【0054】
リレーレンズシステム101を通って伝達される光に対する1次球面収差よりも大きな球面収差の効果をさらに説明するために、次に、
図4Aに注目する。
図4Aは、401、402、403、404によって表される、一つ以上のレンズ125の異なるモデルの4つの横収差図を示す。各横収差図は、リレーレンズシステム101の異なる設計を表しており、各設計は、異なる球面収差を有する。
図4Aにおける各横収差図は、光出力123においてモデル化しており、および/またはリレーレンズシステム101を通って伝達される光に導入される総球面収差を表している。
図4Aでは、光107はおおむね一様であると仮定している。
図4Aは、リレーレンズシステム101の画素広がり関数(pixel spread function、PxSF)に対する曲線401、402、403、404の各それぞれの横収差図の効果を示す曲線411、412、413、414をさらに示す。各曲線411、412、413、413は、相対位置(x軸)、例えば、少なくとも一つの第1光変調器103−1によって生成した
像の画素位置、の関数としてプロットした相対強度(y軸)として提供する。PxSFは、リレーレンズシステム101が光109の
像の正方形(および/または長方形)画素をどのように成形し、および/またはこれらを変化させるのかを示す。換言すれば、PxSFは、リレーレンズシステム101が、光入力121受光した光109を、光出力123から出てくる光111にどのように変化させるのかを示す。PxSFは、リレーレンズシステム101に入ってくる画素は、くっきりした縁部を有する正方形であると仮定し、画素がリレーレンズシステム101から出る際の画素に対するリレーレンズシステム101の
所定の設計の効果をモデル化すること、および/またはこれを測定することによって、求めることができる。それゆえ、曲線401、402、403、404の各々は、リレーレンズシステム101の全体の横収差図(すなわち、全てのレンズ125、および開口絞り127の、それらを通過する光に対する累積効果)を表し、曲線411、412、413、414の各々は、リレーレンズシステム101の全体のPxSF(すなわち全てのレンズ125、および開口絞り127の、それらを通過する光に対する累積効果)を表す。
【0055】
曲線401は直線であり、リレーレンズシステム101に球面収差が生じていない理想的な状況を表す。それゆえ、曲線401は、リレーレンズシステム101は単に画素の焦点をはずし、および/または画素をぼかすだけであることを暗に示す。リレーレンズシステム101のPxSFに対する、このように焦点をはずすことの効果は、曲線411に見ることができる。曲線411では、PxSFに多くのリップルが生じている。このようなリップルは望ましくなく、最少の一つの第2光変調器103−2によって生成する最終
像に対するそれらの効果をモデル化することは困難になり、および/またはそれらは、少なくとも一つの第2光変調器103−2によって生成する最終
像に望ましくない歪みを生じさせる。
【0056】
曲線402は、リレーレンズシステム101の3次球面収差を含み、それゆえ、
所定の開口数と一つ以上のレンズ125との組み合わせは、光入力121と光出力123との間において光および/または画素に3次球面収差を導入するように構成することを仮定している。リレーレンズシステム101のPxSFに対する、3次球面収差を導入することの効果は、曲線412に見ることができる。曲線412では、PxSFにリップルは生じないが、PxSFは、小さな半値幅を有する大きなピークを含む。
【0057】
しかし、システム100における所望のハイダイナミックレンジのためには、リレーレンズシステム101の球面収差は、その中を通って伝達される光の画素の形状を、光入力121における略正方形状から、光出力123における略
ガウシアン形状(approximate Gaussian shape)、光出力123における
擬似ガウシアン形状(pseudo−Gaussian shape)、および光出力123における、
広い中央領域、および光111の複数の画素
にわたる裾(tail)を有する形状、のうちの一つ以上に変化させるべきであることが
決定される。
【0058】
例えば、一部の実施では、光109の1画素(例えば、少なくとも一つの第1光変調器103−1を用いて形成した
像の1画素)は、少なくとも一つの第2光変調器103−2上の約4〜約20画素のサイズの上に広げることができる(ただし、このような寸法は特に限定的なものと見なすべきではない)。こうした画素の広がりは、以下において
図4Bを参照してより詳細に説明する。それゆえ、曲線412は非常に狭いピークによって支配されているので、それはシステム100の一部の実施のためには理想的でないおそれがある。しかし、他の実施、例えば高輝度の実施、のためには、曲線412によって表されるPxSFを用いることで所望のハイダイナミックレンジをもたらすことができる。
【0059】
それゆえ、次に、曲線403に注目する。曲線403は、リレーレンズシステム101の3次球面収差、5次球面収差、および7次球面収差の組み合わせを含み、それゆえ、
所定の開口数と一つ以上のレンズ125との組み合わせは、光入力121と光出力123との間において光および/または画素に3次球面収差、5次球面収差、および7次球面収差の組み合わせを導入するように構成し、3次、5次および7次の各々は、曲線403を作り出すようにバランスをとっていることを仮定している。このようにバランスをとることは、レンズ125の各々の種類、曲率半径、厚さ、および材料のうちの少なくとも一つ、一つ以上のレンズ125の位置、開口絞り127の位置、ならびに開口絞り127の直径のサイズのうちの一つ以上を選定および/または調整することによって、行うことができる。このような選定および/または調整は、システム100およびリレーレンズシステム101のうちの一つ以上の光学モデル、ならびに/あるいはシステム100および/またはリレーレンズシステム101を組み立て、および/または配備した時点のいずれかで行うことができる。さらに、式(1)におけるa
3、a
5、およびa
7の正確な値を算出する必要はなく、むしろ、所望の横収差図、および/または所望の画素の広がりを達成するまで、レンズ125の各々の種類、曲率半径、厚さ、および材料のうちの少なくとも一つ、一つ以上のレンズ125の位置、開口絞り127の位置、ならびに開口絞り127の直径のサイズを選定および/または調整することができる。
【0060】
さらに、3次球面収差、5次球面収差および7次球面収差は、曲線403におけるように、極大、極小、および/または横収差図の導関数が0になる点を抑制するように、「バランスをとる(balanced)」。対照的に、以下において説明する、「バランスをとっていない(unbalanced)」3次球面収差、5次球面収差および7次球面収差の効果の一例のための曲線404を参照されたい。
【0061】
リレーレンズシステム101のPxSFに対する、3次、5次および7次球面収差を導入し、これらのバランスをとることの効果は、曲線413に見ることができる。曲線413では、PxSFにリップルは生じず、かつPxSFは、広い半値全幅を有する大きなピークを含む。換言すれば、曲線413は、光出力123に
おいて、広い中央領域、および、光の複数の画素
にわたる、、および/または少なくとも一つの第2光変調器103−2の複数の画素
にわたる、
滑らかに低下する裾、を有する形状を含む。
【0062】
次に、極大、極小および/または横収差図の導関数が0になる点を含む曲線404に注目する。このような極大、極小、および同様のものは、リレーレンズシステム101のPxSFに有害な効果を与える。具体的には、曲線404は、極大、極小、および/または横収差図の導関数が0になる点を抑制するように3次、5次および7次球面収差の「バランスをとって」いないときに、生じる。このような極大、極小、および/または横収差図の導関数が0になる点は、リレーシステム101に、なおさらに高次の球面収差、例えば、7次球面収差よりも大きな球面収差次数、が生じるときにも生じ得る。
【0063】
リレーレンズシステム101のPxSFに対する、このようにバランスをとっていないこと、および/または7次球面収差よりも大きな球面収差次数を導入することの効果は、曲線414に見ることができる。曲線414では、PxSFにリップルが生じ、PxSFは、複雑でリップルのあるベースの上に、狭い半値幅を有する大きなピークを含む。このようなリップルは望ましくなく、最少の一つの第2光変調器103−2によって生成する最終
像に対するそれらの効果をモデル化することは困難になり、および/またはそれらは、少なくとも一つの第2光変調器103−2によって生成する最終
像に望ましくない歪みを生じさせる。さらに、リップルが大きいほど、それらのモデル化は難しくなり得、および/またはそれらが最終
像に生じさせる歪みは大きくなる。
【0064】
それゆえ、一部の実施では、開口絞り127の
所定の開口数と一つ以上のレンズ125との組み合わせは、3次、5次および7次球面収差のバランスをとり、ならびに/あるいは球面収差における7次球面収差を超える球面収差次数を抑制するように、例えば9次およびそれを超える球面収差を抑制するように構成する。これらの実施では、開口絞り127の開口は、
所定のレンズ125に対する開口絞り127の
所定の位置において、球面収差のうちの少なくとも一部を導入し、3次、5次および7次球面収差のバランスをとること、ならびに3次球面収差、5次球面収差および7次球面収差のうちの一つ以上よりも大きい光の収差をフィルタリングして除去すること、のうちの一つ以上に寄与する直径を含む。言い換えれば、開口絞り127の開口の直径は、リレーレンズシステム101の横収差図における、極大、極小、および/または横収差図の導関数が0になる点を抑制および/または消去するように、選定する。
【0065】
このような抑制はPxSFにおけるリップルを完全には消去しない場合もあるが、抑制は、横収差図、およびリレーレンズシステム101を通って伝達される光の双方に対する効果を最小限に抑えることになる。
【0066】
それゆえ、一般的には、リレーレンズシステム101は、それを通って伝達される光に、うまく制御した球面収差を導入するように構成する。具体的には、リレーレンズシステム101は、関連横収差図における、極大、極小、および横収差図の導関数が0になる点も抑制し、その結果、PxSFにおけるリップルも抑制するように構成する。
【0067】
一部の実施では、リレーシステム101は、PxSFにおいて滑らかに低下する裾を提供
するように、
および/またはPxSFを、それが、
光出力123において、ガウシアン、
擬似ガウシアン、
ならびに、広い中央領域、および、光の複数の画素
にわたる裾を有する形状
、のうちの一つ以上となるべく制御するように、構成する。一部の実施では、滑らかに低下する裾は、5次球面収差および7次球面収差の組み合わせを含むことによって達成することができ、3次球面収差は、PxSFの中央部を広く平坦にするために含まれる。これを達成するために、横収差図は、勾配の絶対値の増加を伴うが、PxSFにおけるリップルを回避するために、極大、極小、および横収差図の導関数が0になる点を排除した、中央領域(例えばアプラナティック領域を含む中央領域)の外側の領域を含む。
【0068】
しかし、はるかにより高いFナンバー(F/#)の光学系を用いる諸実施では、3次球面収差を用い、5次球面収差を抑制することで、所望のハイダイナミックレンジをもたらすこともできる。しかし、これは、他の効果、こうした回折効果、効率性効果、およびエタンデュ効果、をシステム100に与え得る。要するに、レンズ125の各々の種類、曲率半径、厚さ、および材料のうちの少なくとも一つ、レンズ125および開口絞り127の位置は、開口絞りの
所定の開口に基づき、開口の種々の効果のバランスをとり、ハイダイナミックレンジを達成するように調整することができる。
【0069】
一部の実施では、所望のハイダイナミックレンジをもたらすPxSFおよび/または球面収差は、上方境界関数および下方境界関数に関して定義することができる。例えば、次に、
図4Bに注目する。
図4Bは、リレーレンズシステム101のPxSF上の下方境界を含む曲線421、リレーレンズシステム101のPxSF上の上方境界を含む曲線423、およびそれらの平均を含む曲線425を示す。曲線421、423、425は、少なくとも一つの第1光変調器103−1によって生成した
像の
所定の画素からの距離(x軸)の関数としての相対強度(y軸)としてプロットしている。さらに、曲線421−423、425の各々は、略
ガウシアン形状、
擬似ガウシアン形状、ならびに広い中央領域、および
複数の画素にわたる裾を有する形状
、のうちの一つ以上である。
【0070】
上方境界および下方境界の各々は、モデル化、シミュレーション、経験、実験的に、システム100の境界条件、および同様のもののうちのもう一つに基づき、定義することができる。例えば、図示しているように、PxSFによって成形する画素からの光は、最小で、+/−5画素に及び(すなわち、曲線423によって表される上方境界)、最大で約+/−10画素に及ぶことになる(すなわち曲線421によって表される下方境界)。ただし、他の実施では、例えば、高いFナンバーの光学系を用いる実施では、上方境界および下方境界を表す他の曲線を定義し得る。
【0071】
特定の非限定的実施では、リレーレンズシステム101によって導入される球面収差は、光の画素の形状を、光入力121における略正方形状から、上方境界および下方境界を有する次式に規定される関数に変化させる。
【0072】
r<Nに対し、LB(r)=0.9×(1/2 + 1/2 cos(πr/N)) 式(2)
【0073】
r≧Nに対し、LB(r)=0 式(3)
【0074】
UB(r)=1.1exp(−(r/N)
2) 式(4)
【0075】
ここで、UBは前記上方境界、LBは前記下方境界であり、rは画素の中心からの距離、Nは前記光入力に入ってくる光のディザパターンの画素寸法である。例えば、5×5画素のディザパターンの実施においてN=5が用いられる。しかし、他の実施では、他のサイズのディザパターンが使用され得、それゆえ、Nに対し他の値が用いられ得る。さらに、
図4Bに関して、下方境界曲線421は、式(2)および式(3)によって表すことができ、上方境界曲線423は、式(4)によって表すことができる。
【0076】
しかし、一部の実施では、関数は、(例えば)曲線421、423、および式(2)、(3)、(4)のうちの一つ以上によって定義されるように、上方境界および下方境界のうちの一つ以上の
所定のパーセンテージ以内にあることができる。例えば、
所定のパーセンテージは約10%であり得る。換言すれば、PxSFは、曲線421、423の、高い方または低い方のいずれかの、
所定のパーセンテージ以内にあることができ、システム101のハイダイナミックレンジを達成することができる。一部の実施では、
所定のパーセンテージは約10%であり得る。
【0077】
さらに、曲線421、423
(例えば略「ガウシアン」)の形状を特徴付けるためには特定の関数を用いることができるが、曲線421、423は、以下の条件:形状の半値全幅は、複数の画素のうちの少なくとも約+/−4個に
わたることができ、裾は、複数の画素のうちの少なくとも+/−10個に
わたることができること、および形状の半値全幅は、複数の画素のうちの約+/−3〜約+/−10個に
わたることができ、裾は、複数の画素のうちの約+/−5〜約+/−30個に
わたることができること、のうちの一つ以上をほぼ満たすものとして一般的に特徴付けることができる。
【0078】
次に、
図5に注目する。
図5は、システム100の特定の非限定的実施の諸態様を示し、具体的には、第1光変調器103−1および第2光変調器103−2のそれぞれの一部を示す。
図5では、第1光変調器103−1は、2K−DMDを含み、対応する第2光変調器103−2は、4K−DMDを含む。
図5には、
図4A、4Bに関して説明した概念をさらに例示している。
【0079】
第1光変調器103−1における画素501は、ほぼ正方形であり、そのため、第1光変調器103−1から反射された光の画素は、曲線503に示される通りの正方形および/または矩形形状を有する。しかし、反射された光がリレーレンズシステム101(すなわち
図5の「リレー経路」)を通って伝達され、反射された光に(例えば、曲線403の横収差図における)
所定の球面収差を取り入れた後には、反射された光の画素は、曲線413と同様の曲線505に変化する。さらに、伝達された光の各画素は、画素507によって示すように、画素501の区域よりも大きい第2光変調器の区域の上に広がる。画素507は、第2光変調器103−2を照明する伝達された光の画素であり、第2光変調器103−2の画素ではない。しかし、画素507は、第1光変調器103−1上の画素501に対応する第2光変調器103−2の画素上におおむね中心を有するが、第2光変調器103−2の、例えば、+/−4画素〜+/−30画素の範囲内の、いくつかの画素の上に広がる。
【0080】
そのため、第1光変調器103−1は、より低い解像度のバージョン
の像を生成する「予備変調器(pre−modulator)」と呼ぶこともでき、第2光変調器103−2は、
投影される、より低い解像度のバージョンの
ぼかしたバージョンの像によって照明
される、より高い解像度のバージョン
の像を生成する「主変調器(prime−modulator)」と呼ぶことができる。
【0081】
さらに、特定の非限定的な成功試作機は、約13.68μmの画素ピッチを有する1.2インチ 2K−DMDを予備変調器として用い、7.56μmの画素ピッチを有する1.4インチ 4K−DMDを主変調器として用いる。成功試作機のリレーレンズシステムは、約137μmにわたる予備変調器からの画素を、主変調器上における274μmへ(予備変調器の画素ピッチに対して+/−約5画素から+/−約10画素へ、および/または主変調器の画素ピッチに対して+/−約9画素から+/−約36画素へ)広げる。
【0082】
上述の画素の広がりは、光109の画素毎に生じ、少なくとも一つの第2光変調器103−2を照明するために用いる光111を生成することをさらに理解されたい。上述の画素の広がりは、光109のカラー画素毎に生じることもなおさらに理解されたい。
【0083】
次に、システム100およびリレーレンズシステム101のさらなる態様を説明している
図1に再び注目する。
【0084】
上述したように、少なくとも一つのレンズ125は、球面レンズを含む。球面レンズは開口絞り127の前または後に設置することができる。実際に、レンズ125の各々の種類、曲率半径、厚さ、および材料のうちの少なくとも一つ、各レンズ125の位置、各レンズ125の数、ならびに開口絞り127の位置およびサイズは、モデル化、シミュレーション、経験、実験的に、システム100の境界条件、および同様のもののうちの一つ以上によって決定することができる。
【0085】
さらに、一部の実施では、光109の
像を、一つ以上の第2光変調器103−2と整合するように整合させる、および/または回転させるために、反射器129を用いることができる。例えば、特定の非限定的実施では、各光変調器103は、矩形状であり、幾何学的制約のゆえに、もしリレーレンズシステム101が反射器129を含んでいなければ、光109および光111の矩形
像は、一つ以上の第2光変調器103−2に対して90°をなすであろうように配置され得る。Michael Perkins、Duane Scott DewaldおよびNathan Wainwrightへの、「ハイダイナミックレンジのための二段階光変調(Two−stage Light Modulation for High Dynamic Range)」と題され、2013年11月4日に出願番号第14/070,627号をもって出願された、システム100についてさらに詳細に説明している同時係属出願に記載されているように、このような幾何学的制約は、(対称形、略対称形および/または非対称形であり得る)プリズム105における二重プリズム構造の使用によって生じる。
【0086】
いずれの場合でも、この90°の不整合を修正するために、反射器129は、光111の
像が一つ以上の第2光変調器103−2と整合するように、光109の
像に90°の回転を生じさせることができる。換言すれば、それゆえ、反射器129は、光入力121から受光した光109を光出力123に向けてリレーするように構成することができる。
図1は、一つの反射器129のみを図示しているが、他の実施では、リレーレンズシステム101は、一つを超える反射器129を含むことができ、具体的には、90°の不整合を修正するためには、奇数個の反射器を含むことができる。奇数個の反射器129は、一つの反射器129と同じ効果を有することになる。それゆえ、リレーシステム101は、光入力121から受光した光を光出力123に向けてリレーするように構成する奇数個の反射器129をさらに含むことができる。
【0087】
さらに、反射器129は、一つ以上のレンズ125のうちの特定の2つの間にあるように図示しているが、リレーレンズシステム101が、それを通って伝達される光に上述の球面収差を別様に導入するかぎり、奇数個の反射器129は、一つ以上のレンズ125のうちの任意の2つのレンズの間に設置することができる。実際に、リレーレンズシステム101が、一つを超える反射器129を含む場合には、隣接するレンズ125の異なる対の間に異なる反射器129を設置することができる。代替的に、リレーレンズシステム101の外部に奇数個の反射器129を設置することができ、光がリレーレンズシステム101に入る前、または光がリレーレンズシステム101から出た後に、
像に90°の回転を生じさせることができる。
【0088】
一部の実施では、一つ以上のレンズ125は、光を光入力121から光出力123へと拡大するようにさらに構成することができる。ここで、拡大率は、1より大きいか、1より小さいか、または約1であることができる。それゆえ、一つ以上の光変調器103−1が一つ以上の光変調器103−2と同様である実施では、一つ以上のレンズ125の拡大率は1:1であることができる。しかし、一つ以上の光変調器103−1が一つ以上の第2光変調器103−2と異なる、ならびに/あるいはそれらよりも小さい、および/または大きい実施では、一つ以上のレンズ125の拡大率は、1:1と異なることができる。換言すれば、これらの実施では、一つ以上のレンズ125は光109の
像を光111のより大きな
像またはより小さな
像に拡大することができる。
【0089】
リレーレンズシステム101で拡大が行われるいくつかの実施では、台形歪み(keystone distortion)とシャインプルーフの原理(Scheimpflug principle)との間のトレードオフがあり得る。このような実施では、リレーレンズシステム101は、台形歪みを低減するために、バイテレセントリック性(bi−telecentric)であり得る。さらに、一つ以上の第2光変調器103−2および/またはプリズム105−2に対する位置調整は、シャインプルーフの原理によって生じる集束の問題を低減することができ、例えば、一つ以上の第2光変調器103−2を光111の
像の平面とよりうまく整合させる。
【0090】
光入力121は、一つ以上のレンズ125の最初のレンズ125−1を含むことができることを理解されたい。さらに、光出力123は、一つ以上のレンズ125の最後のレンズ125−6を含むことができる。さらに、光リレーレンズシステム101は、箱および同様のものの中に収容するように図示しているが、リレーレンズシステム101に対してこのような要件があるわけではない。例えば、レンズ125の各々、開口絞り127、および反射器129は、好適なそれぞれの保持具および/または装着装置を用いてシステムに装着することができる。
【0091】
一部の実施では、リレーレンズシステム101はバイテレセントリックである。さらに、リレーレンズシステム101のための所望のテレセントリック性を得るために、光入力121がテレセントリックであることができ、それゆえ、光入力121は、無限遠に入射瞳を有するテレセントリックレンズを含むことができる。同様に、光出力123がテレセントリックであることができ、それゆえ光出力123は、無限遠に射出瞳を有するテレセントリックレンズを含むことができる。光入力121および光出力123がどちらもテレセントリックである実施では、リレーレンズシステム101は、バイテレセントリックとなる。
【0092】
しかし、このようなバイテレセントリック性は、リレーレンズシステム101の外部のシステム100の構成要素にさらに依存し得る。例えば、リレーレンズシステム101に入ってくる光109がテレセントリックであることができ、これはリレーレンズシステム101の前のシステム100の光学系の機能とすることができる。
【0093】
これまでは、開口絞り127の開口はおおむね円形であることを仮定していたが、他の実施では、光入力121に入ってくる光109の非等方的(anisotropic)な開口数を修正するために、開口絞り127の開口は、楕円形および非対称のうちの一つ以上であり得る。開口絞り127のこのような非対称性は、プリズム105−1から受光した光109の固有の非等方的な開口数を補償することができる。
【0094】
例えば、次に、特定の非限定的実施におけるシステム100の構成要素を示す
図6に注目する。
図6は、上述した通りの、第1光変調器103−1、ならびに関連プリズムアセンブリ(プリズム105−1および直角プリズム106を含む)を示す。
図6は、入力光107、およびリレーレンズシステム101から出てくる光111をさらに示す。光入力121および光出力123は、レンズ(例えばテレセントリックレンズ)として示しており、レンズ125および反射器129も示している。開口絞り127は、レンズ125のうちの2つの間にあるようにさらに示している。開口絞り127においては参照用にX−Y座標系601を示している。さらに、システム100、および/またはシステム100を通ってリレーされる光の光軸603を示している。座標系は、光軸603と垂直である(例えば、光軸603は「Z」方向を表す)ことは明らかである。
【0095】
いずれの場合でも、図示しているプリズムアセンブリは、リレーレンズシステム101を通って伝達される光に非等方的な開口数を生じさせ得る。例えば、図示しているように、X方向の開口数は、Y方向の開口数よりも
所定のパーセンテージ大きくなり得る。この歪みを修正するために、開口絞り127の開口は、X方向においては、Y方向よりもほぼ同じ
所定のパーセンテージ小さくすることができ、リレーレンズシステム101から出てくる光111の等方的かつ/または対称的な開口数を作り出す。一部の実施では、
所定のパーセンテージは約10%であり得る。
【0096】
図6は、開口絞り127の2つの別形:リレーレンズシステム101に入ってくる光が等方的かつ/または対称形の開口数を有する場合の開口絞り127のために用いることができる、円形開口を有する開口絞り127a、ならびにリレーレンズシステム101に入ってくる光が非等方的な開口数を有する場合の開口絞り127のために用いることができる、楕円形かつ/または非対称形の開口を有する開口絞り127bの詳細も示す。ただし、例えば、光入力121に入ってくる光のその他の種類の非等方性を修正するための、その他の開口の形状も本実施の範囲内である。
【0097】
さらに、開口絞り127は、開口絞りが、アイリス、キャッツアイ、開口絞り127の開口のサイズを手動で調整するように構成する装置(不図示)、ならびに開口絞り127の開口のサイズを調整するように構成するモータおよびステッピングモータ(不図示)のうちの一つ以上、のうちの一つ以上を含むこと、のうちの一つ以上を含むことができる。換言すれば、開口絞り127の開口のサイズは、手動か、またはモータを用いるかのどちらかで調整可能であり得る。開口絞り127の開口のサイズに対するこのような調整は、リレーシステム101のPxSFをチューニングするために用いることができる。
【0098】
図1をさらに参照すると、リレーレンズシステム101が補償板131を含む実施では、補償板131は、光111の
像の他の種類の収差、例えば、投影する
像に不必要な収差をもたらし得る非点収差(astigmatism)およびコマ収差(coma)を補償するように構成することができる。例えば、補償板131は、ウェッジプリズム105−1、105−2と同様の収差を有する傾斜した平行板を含むことができる。それゆえ、補償板131は、補償板131の厚さ、傾斜角、および/または傾斜方向等のパラメータを調整することによって、プリズムの不必要な収差を相殺する用いることができる。
【0099】
実際に、なおさらなる実施では、一つ以上のレンズ125および開口絞り127のうちの少なくとも一つは、焦点、ズーム、および光の画素(例えばPxSF)の形状のうちの一つ以上を調整するように構成する。例えば、一つ以上のレンズ125のうちの少なくとも一つの位置を調整することによって、焦点、ズーム、および光111の画素の形状のうちの一つ以上が調整可能となるように、一つ以上のレンズ125のうちの少なくとも一つの位置は、リレーレンズシステム101の光軸に沿って調整可能であり得る。例えば、リレーレンズシステム101の光軸は、それに沿って光109、111がリレーレンズシステム101を通って進む軸を含む。それゆえ、例えば、一つ以上のレンズ125のうちの一つ以上は、保持具に装着することができ、保持具は、今度は、リレーレンズシステム101の軌道に装着され、そのため、レンズ125のうちの一つ以上は軌道に沿ってリレーレンズシステム101の光軸の方向に動かすことができる。
【0100】
一部の実施では、一つ以上のレンズ125のうちの少なくとも一つの位置は、手動で調整可能である。他の実施では、リレーレンズシステム101は、一つ以上のレンズ125のうちの少なくとも一つの位置を、例えば、リレーレンズシステム101の光軸および/または上述の軌道に沿って、調整するためのモータおよびステッピングモータ(不図示)のうちの少なくとも一つをさらに含むことができる。それゆえ、これらの実施では、モータおよび/またはステッピングモータは、保持具を動かすように構成され、保持具は、今度は、一つ以上のレンズ125のうちの一つ以上を保持する。一部の実施では、一つ以上のレンズ125のうちの少なくとも2つは、手動および/または好適なモータを用いることのいずれかで、グループとして調整可能であり得る。
【0101】
それゆえ、図示してはいないが、リレーレンズシステム101は、一つ以上のレンズ125のうちの少なくとも一つの位置を手動で調整するように構成した第1の装置、一つ以上のレンズ125のうちの少なくとも2つの位置をグループとして調整するように構成した第2の装置、ならびに一つ以上のレンズ125のうちの一つ以上の位置を調整するように構成したモータおよびステッピングモータのうちの少なくとも一つ、のうちの一つ以上をさらに含むことができる。
【0102】
例えば、開口絞り127および一つ以上の光変調器103−2の双方の上の光109、111の焦点、ならびにそれゆえ同様に、投影する光113の焦点を調整するために、レンズ125−1を光軸に沿って移動させることができる。
【0103】
さらに、一つ以上のレンズ125のうちの少なくとも2つは、グループとして調整可能であり得る。例えば、一つ以上のレンズ125の少なくとも第1のサブセットは、焦点を調整するためにグループとして調整可能であることができ、一つ以上のレンズ125の少なくとも第2のサブセットは、ズームを調整するためにグループとして調整可能であることができ、一つ以上のレンズ125の少なくとも第3のサブセットは、画素広がり関数の形状を調整するためにグループとして調整可能であり得る。
【0104】
一部の実施では、レンズ125−5、125−6は、リレーレンズシステム101、および/またはシステム100におけるズームを調整するために、グループとして、光軸に沿って調整可能であり得る。
【0105】
同様に、レンズ125−3、125−4は、画素広がり関数の形状を調整するために、グループとして、光軸に沿って調整可能であり得る。例えば、開口絞り127はレンズ125−4とレンズ125−5との間に設置されているので、レンズ125−3、125−4の位置は、例えば、光が開口絞り127に衝突する角度を変化させることによって、および/または開口絞り127に衝突する光の空間分布を変化させることによって、開口絞り127を通って伝達される光のPxSFの形状に影響を与えることができる。
【0106】
なおさらなる実施では、上述したように、開口絞り127は、アイリス、キャッツアイ、および同様のもののうちの一つ以上を含むことができ、それにより、開口絞り127の開口のサイズは調整可能となることができる。それゆえ、開口サイズを調整することができるので、PxSFの形状も調整することができる。例えば、上述したように、球面レンズの直径に対する、開口絞り127の開口の直径はPxSFに影響を与える。それゆえ、直径は、所望のPxSFを達成するまで調整することができる。
【0107】
上述したように、補償板131は、非点収差および/またはコマ収差を調整するために用いることができる。一部の実施では、補償板131は、非点収差および/またはコマ収差を調整するために、傾斜軸の周りに回転するように構成することができる。他の実施では、補償板131は、その厚さを調整するように構成することができる、および/またはシステム100は、異なる厚さの補償板が補償板131に取って代わることができるように、モジュール式であり得る。
【0108】
なお、さらなる実施では、システム100は、その他の収差を調整するように構成することができる。例えば、一つ以上の光変調器103−2は、関連プリズムアセンブリとともに、
像平面傾斜を調整するために、グループとして、対角軸、縦軸、および/または横軸の周りに回転させることができる。同様に、一つ以上の光変調器103は、軸上色収差を調整するために、システム100の光軸に沿って移動させることができる。
【0109】
一部の実施では、例えば、システム100を準備する時に、システム100の種々の構成要素に対する調整を1度行うことができ、それらの種々の位置を固定する。他の実施では、例えば、種々の構成要素は経年化し、それらの特性は変化するため、および/またはそれらの位置はシステム100(例えばHDRプロジェクタ)の動きによって移動するため、システム100の種々の構成要素に対する調整は、システム100を準備した後、および/またはシステム100を配備した後に行うことができる。
【0110】
いずれの場合でも、本書に開示されているのは、HDRプロジェクタにおいて第1光変調器から第2光変調器へ伝達される光に球面収差を導入するリレーレンズシステムであって、第1光変調器は、第1の解像度の
像を提供するように制御し、第2光変調器は、より高い解像度の同様の
像を提供するように制御する、リレーレンズシステムである。第1の解像度の
像は、投影する
像にハイダイナミックレンジを生み出すように光を方向づけるべく、第2光変調器を照明するために用いる。リレーレンズシステムの開口絞りの
所定の開口数とリレーレンズシステムの一つ以上のレンズとの組み合わせは、光入力と光出力との間において光に球面収差を導入し、球面収差の横収差図における以下のもの:極大および極小、ならびに横収差図の導関数が0になる点、のうちの一つ以上を抑制するように構成する。これは結果として、伝達されたより低い解像度の
像の画素を、おおむね正方形(および/または長方形)から、おおむね、光出力における
、広い中央領域、および
光の複数の画素にわたる裾を有する形状に変化させることになる。この形状は、システムをシミュレートする際の良好な予測可能性を提供するように決められており、画素が単にぼかされる(例えば、それらは、投影する
像に他の収差をもたらす、リップル、および同様のものを含む)場合と比べて、第2光変調器を照明する光のより良好な制御をさらに可能にする。これは、システムの一つ以上のレンズのアプラナティックポイントよりも大きな直径を有する開口を有する開口絞りを用いることによって達成することができる。開口絞りは、極大、極小、および/またはリレーレンズシステムの横収差図の導関数が0になる点を生じさせ、および/またはシステムの画素広がり関数にリップルをもたらす球面収差の次数を抑制するようにさらに構成することができる。
【0111】
さらに、一部の実施では、システムおよび/またはリレーレンズシステムの種々の構成要素の位置は、不必要な収差(すなわち、投影する
像に視覚的な乱れを生みだす収差)を補償するために、例えば種々の構成要素をシステムの光軸および/またはリレーレンズシステムの光軸に対して動かして、調整可能であり得る。このような調整は、ズーム、焦点、画素広がり関数、非点収差、コマ収差、
像平面傾斜、軸上色収差および/または横色収差、ならびに同様のもののうちの一つ以上を変化させるために用いることができる。調整は、以下のものに限定するわけではないが、リレーレンズシステムのレンズを光軸に沿って移動させること、補償板の傾斜および/または厚さを変化させること、光変調器をその関連プリズムアセンブリとともに回転させること、光変調器を光軸に沿って移動させること、および開口絞りの開口のサイズを変化させること、を含み得る。調整は、手動で、ならびに/あるいはモータおよび/またはステッピングモータの助けを借りて遂行することができる。さらに、このような調整は、システムを準備する時に行うことができ、および/またはシステムを準備した後に調整することができる。
【0112】
当業者は、さらに多くの代替的実施および変更があり得ること、および上記の例は一つ以上の実施の例示にすぎないことを理解するであろう。したがって、範囲は本書に添付の請求項によってのみ限定されるべきである。