(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1ボンベの重量を検出する第1荷重センサを備え、前記第1警報装置は、前記第1荷重センサによって検出される前記第1ボンベの重量が一定の基準より軽くなったときに警報を発する、請求項3に記載のガス供給装置。
前記第2ボンベの重量を検出する第2荷重センサを備え、前記第2警報装置は、前記第2荷重センサによって検出される前記第2ボンベの重量が一定の基準より軽くなったときに警報を発する、請求項4に記載のガス供給装置。
【背景技術】
【0002】
ガスを必要とする現場で用いられるガス供給装置は、十分な量のガスを確保するために、複数のボンベが接続されている場合がある。各ボンベからの接続部に減圧器が配置されており、各ボンベの圧力は一旦何らかの圧力にまで低下させた後、使用されている。また、特に医療現場では、ガスの供給が途絶すると重大な事態を引き起こす可能性があるので、各ボンベからのガスが合流する部分では、逆止弁を経由して合流する形を採用することにより、圧力が最も高い供給元からの流れを自動的に選択して消費する仕組みとなっている。したがって、1つのボンベの圧力が低下して使用に耐えなくなった場合であっても自動的に他のボンベから引き続きガスの供給を行なうことができるようになっている。
【0003】
ただし、複数のボンベのうちいずれかの特定のボンベに収容されているガスを優先的に消費したい場合がある。たとえば一般的に、いずれかのボンベを交換したばかりであるときには、交換した直後のボンベよりも他のボンベのガスを優先的に消費することが望まれる。
【0004】
そのような場合には、各ボンベに対応して設けられた減圧器の設定値を変更することによって、所望のボンベからのガスが最も高い圧力となるようにすれば、当該ボンベからのガスが優先的に消費されるようにすることができる。
【0005】
そのような切換器の一例が、「医療ガス保安管理技術者 継続講習会テキスト」(平成24年改訂発行、編集・発行者 財団法人医療機器センター)第166〜169頁(非特許文献1)に記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
(構成)
図1を参照して、本発明に基づく実施の形態1におけるガス供給装置について説明する。
【0013】
本実施の形態におけるガス供給装置101は、第1ボンベ31を受け入れる第1ボンベ接続部11と、第2ボンベ32を受け入れる第2ボンベ接続部12と、第1ボンベ接続部11から得られるガスを第1圧力にまで減圧する第1減圧器13と、第2ボンベ接続部12から得られるガスを前記第1圧力より低い第2圧力にまで減圧する第2減圧器14と、第1減圧器13から流入するガスの流出先を、外部からの操作によって第1経路81と第2経路82とに切り換え可能な切換弁10と、第2経路82の途中において、流れるガスの圧力を前記第2圧力より低い第3圧力にまで減圧する第3減圧器15と、第1経路81から得られるガスと第3減圧器15を経て第2経路82から流入するガスとを合流させる第1合流部17と、第1合流部17から流入するガスを第1逆止弁21を経て第2合流部22に導く第3経路83と、第2減圧器14から流入するガスを第2逆止弁22を経て第2合流部18に合流させる第4経路84と、第2合流部18から流入するガスを前記第3圧力より低い第4圧力にまで減圧する第4減圧器16と、第4減圧器16から得られるガスを外部に送り出すガス出口9とを備える。
【0014】
第1圧力から第4圧力をそれぞれP1,P2,P3,P4とすると、P1>P2>P3>P4の関係にある。たとえばP1=0.75MPaである。たとえばP2=0.6MPaである。たとえばP3=0.5MPaである。たとえばP4=0.38MPaである。第4圧力は、使用時の圧力として規格などで定められた値とすることが考えられる。
【0015】
第1ボンベ31および第2ボンベ32は、ガス供給装置101に接続または装着されるものであるが、ガス供給装置101の一部ではない。
【0016】
(動作)
説明の便宜のために、第1ボンベ31のガス圧力をPXとし、第2ボンベ32のガス圧力をPYとする。第1ボンベ31の新品の状態では、PX>P1である。第2ボンベ32の新品の状態では、PY>P2である。各ボンベのガスの残存量が減っていくと、PX,PYは低下する。ガスの種類によって、緩やかに低下するものもあれば、途中のいずれかの段階で急激に低下するものもありうる。
【0017】
(第1ボンベのガスを優先して使用したい場合)
第2ボンベ32のガスより第1ボンベ31のガスを優先して使用したい場合、あらかじめ切換弁10を操作して、第1経路81および第2経路82のうち第1経路81を選択するように設定しておけばよい。このように設定されている場合、第1ボンベ31のガスは、第1減圧器13で圧力PXから第1圧力P1へと減圧され、圧力P1のまま第1経路81を通って第1合流部17に至り、さらに第1逆止弁21に至る。一方、第2ボンベ32のガスは、第2減圧器14で圧力PYから第2圧力P2へと減圧され、圧力P2のまま第4経路84を通って第2逆止弁22に至る。第1逆止弁21の上流側にある第1圧力P1の方が第2逆止弁22の上流側にある第2圧力P2より大きいので、第2合流部18には、第1ボンベ31からのガスが第1圧力P1で流入し、第2ボンベ32からのガスは流入しない。このガスはその後、第4減圧器16によって第4圧力P4にまで減圧される。ガス出口9からは第4圧力P4のガスを取り出すことができる。この状態で、第1ボンベ31のガスが消費され続ける。
【0018】
第1ボンベ31の残存量の減少により圧力PXが低下してP2<PX<P1となった場合には、以下のようになる。PX<P1であるので、第1ボンベ31からのガスは第1減圧器13では減圧されずそのままの圧力PXで第1逆止弁21に至る。PX>P2であるので、第2合流部18に対しては、第1ボンベ31からのガスが圧力PXで流入し、第2ボンベ32からのガスは流入しない。このガスはその後、第4減圧器16によって第4圧力P4にまで減圧される。ガス出口9からは第4圧力P4のガスを取り出すことができる。この状態で、第1ボンベ31のガスが引き続き消費され続ける。
【0019】
第1ボンベ31の残存量のさらなる減少により、PX<P2となった場合には、以下のようになる。PX<P2であるので、第2合流部18に対しては、第1ボンベ31からのガスは流入しなくなり、代わりに第2ボンベ32からのガスが第2圧力P2で流入し始める。このガスはその後、第4減圧器16によって第4圧力P4にまで減圧される。ガス出口9からは第4圧力P4のガスを取り出すことができる。この後、第2ボンベ32のガスが消費され続ける。
【0020】
第2ボンベ32の残存量の減少により圧力PYが低下してPY<P2となった場合には、以下のようになる。PY<P2であるので、第2ボンベ32からのガスは第2減圧器14では減圧されずそのままの圧力PYで第2逆止弁22に至る。第1逆止弁21の上流側では圧力PXとなっており、第2逆止弁22の上流側では圧力PYとなっているので、第1逆止弁21および第2逆止弁22の働きによりPXおよびPYのうち高い方のガスが自動的に選択され、第2合流部18に流入する。以下、圧力PXおよびPYの両方が第4圧力P4未満に低下してしまうまで、第1ボンベ31および第2ボンベ32のガスが消費され続ける。
【0021】
(第2ボンベのガスを優先して使用したい場合)
第1ボンベ31のガスより第2ボンベ32のガスを優先して使用したい場合、あらかじめ切換弁10を操作して、第1経路81および第2経路82のうち第2経路82を選択するように設定しておけばよい。このように設定されている場合、第1ボンベ31のガスは、第1減圧器13で圧力PXから第1圧力P1へと減圧され、圧力P1のまま第2経路82へと流入する。第2経路82の途中には第3減圧器15があり、P1>P3であるので、圧力はP1からP3へと減圧される。このガスは圧力P3で第1合流部17に至り、さらに第1逆止弁21に至る。一方、第2ボンベ32のガスは、第2減圧器14で圧力PYから第2圧力P2へと減圧され、圧力P2のまま第4経路84を通って第2逆止弁22に至る。第2逆止弁22の上流側にある第2圧力P2の方が第1逆止弁21の上流側にある第1圧力P3より大きいので、第2合流部18には、第2ボンベ32からのガスが第2圧力P2で流入し、第1ボンベ31からのガスは流入しない。このガスはその後、第4減圧器16によって第4圧力P4にまで減圧される。ガス出口9からは第4圧力P4のガスを取り出すことができる。この状態で、第2ボンベ32のガスが消費され続ける。
【0022】
第2ボンベ32の残存量の減少により圧力PYが低下してP3<PY<P2となった場合には、以下のようになる。PY<P2であるので、第2ボンベ32からのガスは第2減圧器14では減圧されずそのままの圧力PYで第2逆止弁22に至る。PY>P3であるので、第2合流部18に対しては、第2ボンベ32からのガスが圧力PYで流入し、第1ボンベ31からのガスは流入しない。このガスはその後、第4減圧器16によって第4圧力P4にまで減圧される。ガス出口9からは第4圧力P4のガスを取り出すことができる。この状態で、第2ボンベ32のガスが引き続き消費され続ける。
【0023】
第2ボンベ32の残存量のさらなる減少により、PY<P3となった場合には、以下のようになる。PY<P3であるので、第2合流部18に対しては、第2ボンベ32からのガスは流入しなくなり、代わりに第1ボンベ31からのガスが第3圧力P3で流入し始める。このガスはその後、第4減圧器16によって第4圧力P4にまで減圧される。ガス出口9からは第4圧力P4のガスを取り出すことができる。この後、第1ボンベ31のガスが消費され続ける。
【0024】
第1ボンベ31の残存量の減少により圧力PXが低下してPX<P3となった場合には、以下のようになる。PX<P3<P1であるので、第1ボンベ31からのガスは第1減圧器のみならず第3減圧器15においても減圧されずそのままの圧力PXで第1逆止弁21に至る。第1逆止弁21の上流側では圧力PXとなっており、第2逆止弁22の上流側では圧力PYとなっているので、第1逆止弁21および第2逆止弁22の働きによりPXおよびPYのうち高い方のガスが自動的に選択され、第2合流部18に流入する。以下、圧力PXおよびPYの両方が第4圧力P4未満に低下してしまうまで、第1ボンベ31および第2ボンベ32のガスが消費され続ける。
【0025】
(作用・効果)
本実施の形態によれば、切換弁10の操作によって2通りの経路のうちのいずれを選択しておくかによって、2つのボンベのいずれを優先して使用するかを決定することができる。最初に優先使用したいボンベを選択しておけば、ガスの使用に伴ってボンベからのガス圧力が低下していくにつれて、選択されていたボンベから選択されていなかった方のボンベへの供給元の切替えは自動的に行なわれる。
【0026】
本実施の形態では、ボンベの選択は、減圧器の設定値の調整ではなく、ガスの流れる経路の選択によって行なうことができるので、ユーザが操作すべき対象は減圧器の調整ネジなどではなく、切換弁のスイッチである。したがって、強い力を必要とすることなく、容易に操作することができる。よって、本実施の形態におけるガス供給装置では、複数のボンベのうちいずれのボンベのガスを優先的に消費すべきかを容易に選択することができる。
【0027】
なお、ここでは説明の都合上、第1ボンベ31の圧力および第2ボンベ32の圧力の両方が第4圧力P4未満に低下してしまう段階まで説明したが、現実的には、安全のため、より早い段階でガス使用作業を終了させることが好ましい。あるいは、ガス使用作業をさらに長時間継続する必要がある場合には、適当なタイミングでいずれかのボンベを交換することが望ましい。
【0028】
(実施の形態2)
(構成)
図2を参照して、本発明に基づく実施の形態2におけるガス供給装置について説明する。本実施の形態におけるガス供給装置102は、基本的な構成に関しては実施の形態1で説明したガス供給装置101と同様であるが、以下の点で異なる。
【0029】
本実施の形態におけるガス供給装置102は、第4減圧器16とガス出口9との間に圧力計8を備える。
【0030】
(作用・効果)
本実施の形態においても、実施の形態1で説明した効果を得ることができる。さらに本実施の形態におけるガス供給装置102は、最後の減圧を行なう第4減圧器16より下流側かつガス出口9より上流側の位置に圧力計8を備えているので、ガス出口9から現在取り出すことができるガスの圧力を明確に把握することができる。したがって、ユーザは安心してガスを使用することができる。
【0031】
(実施の形態3)
(構成)
図3を参照して、本発明に基づく実施の形態3におけるガス供給装置について説明する。本実施の形態におけるガス供給装置103は、基本的な構成に関しては実施の形態1で説明したガス供給装置101と同様であるが、以下の点で異なる。
【0032】
本実施の形態におけるガス供給装置103は、第1減圧器13と切換弁10との間に配置された第1圧力スイッチ23と、第1圧力スイッチ23によって検出される圧力が一定の基準より低いときには警報を発する第1警報装置25とを備える。
【0033】
(作用・効果)
第1警報装置25が警報を発するための「一定の基準」は、第2圧力P2よりやや高い圧力とすることが好ましい。このように設定されていれば、第1ボンベ31からのガスの圧力が低下して第2圧力P2に近づいてきたときに、第1警報装置25が警報を発することができ、この警報によってユーザは第1ボンベ31を交換すべきであることを知ることができるからである。
【0034】
本実施の形態によれば、第1ボンベ31を交換すべき時期をユーザが的確に把握することができる。第1ボンベ31を交換のために取り外したときには、第1逆止弁21および第2逆止弁22の働きにより第2ボンベ32からのガスが引き続き第2合流部18へと流入し続けるので、ガス出口9から外部へのガスの供給が途絶えることはない。
【0035】
なお、本実施の形態におけるガス供給装置103は、第4経路84の途中に配置された第2圧力スイッチ24と、第2圧力スイッチ24によって検出される圧力が一定の基準より低いときには警報を発する第2警報装置26とを備えることが好ましい。
【0036】
この際、第2警報装置26が警報を発するための「一定の基準」は、第3圧力P3よりやや高い圧力とすることが好ましい。このように設定されていれば、第2ボンベ32からのガスの圧力が低下して第3圧力P3に近づいてきたときに、第2警報装置26が警報を発することができ、この警報によってユーザは第2ボンベ32を交換すべきであることを知ることができるからである。
【0037】
図3に示したガス供給装置103のように、第1圧力スイッチ23と、第1警報装置25と、第2圧力スイッチ24と、第2警報装置26とを全て備えることが好ましい。この構成となっていれば、いずれのボンベを優先して使用している際にも各ボンベの交換のタイミングを警報によって知ることができるからである。
【0038】
ここでいう「警報」とは、音、光、あるいはその両方によってユーザに知らせるものであることが好ましい。
図3に示したように、第1警報装置25は第1警報ランプ25aを備えることが好ましい。第2警報装置26は第2警報ランプ26aを備えることが好ましい。警報装置は、ランプ以外の手段でユーザに視覚的に知らせるものであってもよい。警報装置は、電気信号、デジタル情報、電波、振動などでユーザに知らせるものであってもよい。
【0039】
(実施の形態4)
(構成)
図4を参照して、本発明に基づく実施の形態4におけるガス供給装置について説明する。本実施の形態におけるガス供給装置104は、基本的な構成に関しては実施の形態3で説明したガス供給装置103と同様であるが、以下の点で異なる。
【0040】
本実施の形態におけるガス供給装置104は、第1ボンベ31の重量を検出する第1荷重センサ28を備え、第1警報装置25は、第1荷重センサ28によって検出される第1ボンベ31の重量が一定の基準より軽くなったときに警報を発する。
【0041】
(作用・効果)
本実施の形態では、第1ボンベ31の残量が減っていることを検出するに当たって、第1圧力スイッチ23によって検出される圧力のみならず、第1荷重センサ28によって検出される第1ボンベ31の重量も監視しているので、第1ボンベ31の残量がある程度以上減っている場合にはより確実に検出することができる。
【0042】
第1圧力スイッチ23による検出をせず、第1荷重センサ28による検出のみによって第1ボンベ31の重量も監視する構成であってもよいが、第1圧力スイッチ23と第1荷重センサ28との両方を併用することによって第1ボンベ31の残量を監視することがより好ましい。
【0043】
なお、
図4に示したように、本実施の形態におけるガス供給装置104は、第2ボンベ32の重量を検出する第2荷重センサ29を備え、第2警報装置26は、第2荷重センサ29によって検出される第2ボンベ32の重量が一定の基準より軽くなったときに警報を発することが好ましい。第2ボンベ32の残量の監視についても、第1ボンベ31の残量の監視と同様のことがいえる。すなわち、第2圧力スイッチ24による検出をせず、第2荷重センサ29による検出のみによって第2ボンベ32の重量も監視する構成であってもよいが、第2圧力スイッチ24と第2荷重センサ29との両方を併用することによって第2ボンベ32の残量を監視することがより好ましい。
【0044】
なお、これまでに説明してきた複数の実施の形態に共通していえることであるが、第1ボンベ31および第2ボンベ32は、いずれも医療用ガスのボンベであることが好ましい。医療用ガスとしては、たとえば、酸素、二酸化炭素、笑気などが挙げられる。第1ボンベ31および第2ボンベ32は、液体状態でボンベに収容されて作業現場で使用されるものであることが好ましい。ボンベに収容されているガスが液体状態である場合には、ガス使用に伴ってボンベの残量が減っていく過程でのガスの圧力の低下速度が一定ではない。ボンベ内の液体状態のガスがなくなった時点で圧力が急激に下がり始める傾向にある。それゆえに、ボンベの優先順位の指定や交換すべき時期の把握が重要であり、上記各実施の形態で説明した効果による恩恵が顕著なものとなる。たとえば二酸化炭素、笑気の場合は、液体状態でボンベに収容されて作業現場で使用されるものであるので、第1ボンベ31および第2ボンベ32が二酸化炭素または笑気のボンベである場合には、上記各実施の形態で説明した効果による恩恵が顕著なものとなる。
【0045】
(実施の形態5)
(構成)
図5〜
図7を参照して、本発明に基づく実施の形態5におけるガス供給装置について説明する。本実施の形態におけるガス供給装置105の正面図、側面図、平面図を
図5〜
図7にそれぞれ示す。本実施の形態におけるガス供給装置105は、基本的な構成に関しては実施の形態3で説明したガス供給装置103と同様であるが、以下の点で異なる。
【0046】
本実施の形態におけるガス供給装置105は、第1ボンベおよび第2ボンベを保持するボンベ保持部1と、ボンベ保持部1およびガス出口9を一体的に移動させることができるキャスター2とを備える。
【0047】
図5に示すように、前側には前板3が配置されていることにより、ボンベは正面からは見えないようになっている。前板3の上側に斜め上を向く平坦な部分として表示部5が設けられている。表示部5には、圧力計8、第1警報ランプ25a、第2警報ランプ26aが配置されている。前板3には、切換スイッチ6およびガス出口9が配置されている。切換スイッチ6は、切換弁10に含まれる。切換スイッチ6は、切換弁10を操作するためのスイッチである。第1警報ランプ25aは第1警報装置25に含まれる。第2警報ランプ26aは第2警報装置26に含まれる。たとえば、各警報装置による警報が発せられたときには、各警報ランプが点滅して音が発せられる。第1警報ランプ25aおよび第2警報ランプ26aはそれぞれ解除ボタンを兼ねていてもよい。第1警報ランプ25aおよび第2警報ランプ26aが解除ボタンを兼ねている場合、解除ボタンとして押された後は点灯状態となる仕組みであってもよい。第1警報ランプ25aおよび第2警報ランプ26aは、たとえば、警報が発せられる前の通常運転時に、常時点灯状態となるものであってもよい。通常運転時にこのように常時点灯させることにより、警報装置が正常に機能していることをユーザに示すことができる。
【0048】
図6および
図7に示すように、ガス供給装置105は装置本体27を備える。装置本体27は、ガス供給装置105の全体の中で前寄りの位置を占めるように配置されている。表示部5、切換スイッチ6およびガス出口9は、装置本体27に設けられている。
【0049】
図6および
図7では、ボンベを装着していない状態のガス供給装置105を示している。第1ボンベ接続部11および第2ボンベ接続部12はガス管19によって装置本体27に接続されている。ガス管19は柔軟なものであり、ボンベを装着していない状態では、実際には、第1ボンベ接続部11および第2ボンベ接続部12は装置本体27の上部から垂れ下がることとなる。しかし、
図6および
図7では、説明の便宜のため、第1ボンベ接続部11および第2ボンベ接続部12はボンベを装着した場合の位置に表示している。
【0050】
図6および
図7に示すように、2本のボンベは上側および側方から見えるようにボンベ保持部1に装着される。ボンベ保持部1を挟むように左右にフレーム4が配置されており、ボンベを保護している。装置本体27から後方に向かって電源ケーブル7が延びている。
【0051】
キャスター2は、この例では下面の四隅に設けられており、ガス供給装置105の全体はキャスター2によって円滑に移動させることができる。
【0052】
(作用・効果)
本実施の形態では、ボンベ保持部1およびガス出口9を一体的に移動させることができるキャスター2を備えるので、使用時にユーザが容易に移動させることができる。したがって、可搬性に優れたガス供給装置とすることができる。
【0053】
ここでは、1台のガス供給装置105の下面の4ヶ所のキャスター2が設けられていたが、キャスター2を設ける箇所の数は4以外であってもよい。
図5では、1つのキャスター2が2つの車輪を含むように表示されているが、これはあくまで一例であって、キャスター2の構造はこれに限らない。
【0054】
本実施の形態で示したガス供給装置105の外観は、あくまで一例であり、これに限る趣旨ではない。
【0055】
なお、これまでに説明してきた複数の実施の形態に共通していえることであるが、ガス出口9は、いわゆるガス別特定がされたコネクタを備えることが好ましい。言い換えれば、ガス出口9は、ガスの種類に対応した形状を有するコネクタを備えることが好ましい。ここでいう「ガスの種類に対応した形状」とは、ガスの種類と1対1で対応するように予め定められた形状である。「ガスの種類に対応した形状」は、異なる種類のガスのためのコネクタ同士はたとえ接続しようとしても幾何学的に接続できず、同じ種類のガスのためのコネクタ同士である場合のみ接続できるように配慮された形状である。この構成を採用することにより、ガスの使用現場において接続ミスを防止することができる。
【0056】
上記各実施の形態で示したガス供給装置は、医療ガス用の供給装置として使用することが想定されるが、医療ガス以外のガスに用いることも可能である。上記各実施の形態で示したガス供給装置は、医療現場で用いられることに適しているが、医療現場以外で使用されてもよい。
【0057】
なお、上記実施の形態のうち複数を適宜組み合わせて採用してもよい。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。