特許第6541514号(P6541514)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6541514
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】受皿付きポンプ容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/34 20060101AFI20190628BHJP
【FI】
   B65D47/34 200
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-171541(P2015-171541)
(22)【出願日】2015年8月31日
(65)【公開番号】特開2017-47929(P2017-47929A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2018年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100076598
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 一豊
(74)【代理人】
【識別番号】100165607
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 一成
(74)【代理人】
【識別番号】100196690
【弁理士】
【氏名又は名称】森合 透
(72)【発明者】
【氏名】石塚 徹也
【審査官】 佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−116423(JP,A)
【文献】 特開2002−186519(JP,A)
【文献】 実開平07−020112(JP,U)
【文献】 特開2012−030864(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/122584(WO,A1)
【文献】 実開平03−066677(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0018455(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/34
B65D 83/00
A45D 34/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状に形成された容器本体(2)と、前記容器本体(2)に装着されて該容器本体(2)の開口を覆う隔壁部材(3)と、内容物が吐出される吐出孔(41b)を有し且つ前記吐出孔(41b)から吐出された内容物を受ける受皿面(41a,51a)を一体として又は別部材として備えるとともに昇降自在に設けられた受皿本体(41)と、前記隔壁部材(3)に設けられて前記受皿本体(41)を付勢する付勢部材(15)と、前記受皿本体(41)が下降したとき、前記容器本体(2)の収容空間(7)内に収容されている内容物を吸引して前記吐出孔(41b)を介して外部に導くポンプ機構(A)と、有する受皿付きポンプ容器であって、
前記受皿面(41a)上にシート部材(30)を配置すると共に、前記受皿面(41a)の表面と前記シート部材(30)の外周端(31)とが接触する部分、内容物を前記吐出孔(41b)から前記受皿面(41a)の表面上に吐出させる吐出口(48)を有し、
前記受皿本体(41)の軸心(O)側に固定部(46)を設け、肉薄円形状に形成したシート部材(30)の中心部側を前記固定部(46)の上面に固定して固定端側とすると共に、自由端側となる前記シート部材(30)の外周端(31)を湾曲凹面状に形成された前記受皿面(41a)の表面に接するように配置したことを特徴とする受皿付きポンプ容器。
【請求項2】
円盤状の保持部(51)の下面に垂下設された支柱部(52)を吐出孔(41b)に挿入して保持部材(50)を構成し、前記保持部(51)の下面を肉薄円形状に形成したシート部材(30)の内周端(33)を固定する固定部(46)とした請求項記載の受皿付きポンプ容器。
【請求項3】
有底筒状に形成された容器本体(2)と、前記容器本体(2)に装着されて該容器本体(2)の開口を覆う隔壁部材(3)と、内容物が吐出される吐出孔(41b)を有し且つ前記吐出孔(41b)から吐出された内容物を受ける受皿面(41a,51a)を一体として又は別部材として備えるとともに昇降自在に設けられた受皿本体(41)と、前記隔壁部材(3)に設けられて前記受皿本体(41)を付勢する付勢部材(15)と、前記受皿本体(41)が下降したときに、前記容器本体(2)の収容空間(7)内に収容されている内容物を吸引して前記吐出孔(41b)を介して外部に導くポンプ機構(A)と、有する受皿付きポンプ容器であって、
前記受皿面(41a)上にシート部材(30)を配置すると共に、前記受皿面(41a)の表面と前記シート部材(30)の内周端(33)とが接触する部分に、内容物を前記吐出孔(41b)から前記受皿面(41a)の表面上に吐出させる吐出口(48)を有し、
前記受皿本体(41)の外周端に固定部(46)を設け、肉薄リング状に形成したシート部材(30)の外周端(31)を前記固定部(46)の上面に固定して固定端側とすると共に、自由端側となる前記シート部材(30)の内周端(33)を受皿面(41a)の表面に接するように配置し、
大径円盤状の上面に設けられた受皿面(51a)及び該受皿面(51a)の外周側に形成された溝部(55)を有する保持部(51)と、該保持部(51)の下面に垂下設された支柱部(52)とを備えて保持部材(50)を構成し、前記シート部材(30)を前記溝部(55)と対向配置すると共に前記シート部材(30)の内周端(33)を溝部(55)の内周端(55a)よりも軸心(O)側の位置で受皿面(51a)の表面に接するように配置したことを特徴とする受皿付きポンプ容器。
【請求項4】
吐出口(48)が受皿面(41a、51a)上にリング状に形成される請求項1乃至のいずれか一項に記載の受皿付きポンプ容器。
【請求項5】
容器本体(2)の内部に昇降可能に設けられ、隔壁部材(3)との間に内容物の収容空間(7)を区画形成する中皿(6)を有する請求項1乃至のいずれか一項に記載の受皿付きポンプ容器。
【請求項6】
ポンプ機構(A)が、隔壁部材(3)の上面に設けられ、内側部分が流入孔(11c)に連なるシリンダ(10)と、内側に流入室(13)を区画形成するとともに該流入室(13)を外部に連通させる流入孔(11c)を備えた有底円筒状に形成され、前記シリンダ(10)の内側に昇降自在に収容されて前記隔壁部材(3)との間に前記流入孔(11c)に連なる加圧室(12)を区画形成するピストンガイド(11)と、前記隔壁部材(3)に装着され、前記流入孔(11c)を覆って前記加圧室(12)から前記収容空間(7)に向けた内容物の流れを阻止するとともに前記収容空間(7)から前記加圧室(12)に向けた内容物の流れを許容する逆止弁(20)と、前記シリンダ(10)の内面に摺動可能に前記ピストンガイド(11)に装着され、該ピストンガイド(11)が下降すると前記流入孔(11c)を開き、前記ピストンガイド(11)が上昇すると前記流入孔(11c)を閉じるピストン(21)と、を有する請求項1乃至のいずれか一項に記載の受皿付きポンプ容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体に収容された内容物を受皿部材の受皿面に吐出する受皿付きポンプ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばリキットファンデーションやクレンジングクリーム等の比較的粘度の高い内容物を収容する容器としては、吐出された内容物をスポンジ等にとって使用し易いことから、受皿部材を押し下げ操作することにより容器本体に収容された内容物を受皿部材に開口する吐出孔から当該受皿部材に向けて吐出させることができる受皿付きポンプ容器が多く用いられている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4112163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の受皿付きポンプ容器は、吐出孔が常に受皿部材に開口し、オーバーキャップが閉じられることで閉塞される構成となっているので、吐出孔から空気が流入し易いものであった。そのため、例えば空気に触れることによって固化し易い内容物を収容した際に、内容物が吐出孔を塞ぎ吐出不良を生じるおそれがあり、また、空気に触れることで効能が薄れる内容物を収容すると当該内容物の劣化を生じるおそれがあるなどの問題点があった。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、吐出孔からの空気の流入を確実に防止して内容物を空気に触れさせることなく収容することができる受皿付きポンプ容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の受皿付きポンプ容器は、有底筒状に形成された容器本体と、容器本体に装着されて容器本体の開口を覆う隔壁部材と、内容物が吐出される吐出孔を有し且つ吐出孔から吐出された内容物を受ける受皿面を一体として又は別部材として備えるとともに昇降自在に設けられた受皿本体と、隔壁部材に設けられて受皿本体を付勢する付勢部材と、受皿本体が下降したときに容器本体の収容空間内に収容されている内容物を吸引して吐出孔を介して外部に導くポンプ機構と、有する受皿付きポンプ容器であって、受皿面上にシート部材を配置すると共に、受皿面の表面とシート部材の外周端とが接触する部分を、内容物を吐出孔から受皿面の表面上に吐出させる吐出口を有し、
受皿本体の軸心側に固定部を設け、肉薄円形状に形成したシート部材の中心部側を固定部の上面に固定して固定端側とすると共に、自由端側となるシート部材の外周端を湾曲凹面状に形成された受皿面の表面に接するように配置したことを特徴とする、と云うものである。
【0008】
また本発明の受皿付きポンプ容器は、上記構成において、円盤状の保持部の下面に垂下設された支柱部を吐出孔に挿入して保持部材を構成し、保持部の下面を肉薄円形状に形成したシート部材の内周端を固定する固定部としたものが好ましい。
【0009】
本発明の別の受皿付きポンプ容器は、有底筒状に形成された容器本体と、容器本体に装着されて容器本体の開口を覆う隔壁部材と、内容物が吐出される吐出孔を有し且つ吐出孔から吐出された内容物を受ける受皿面を一体として又は別部材として備えるとともに昇降自在に設けられた受皿本体と、隔壁部材に設けられて受皿本体を付勢する付勢部材と、受皿本体が下降したときに容器本体の収容空間内に収容されている内容物を吸引して吐出孔を介して外部に導くポンプ機構と、有する受皿付きポンプ容器であって、受皿面上にシート部材を配置すると共に、受皿面の表面とシート部材の外周端とが接触する部分を、内容物を吐出孔から受皿面の表面上に吐出させる吐出口を有し、
受皿本体の外周端に固定部を設け、肉薄リング状に形成したシート部材の外周端を固定部の上面に固定して固定端側とすると共に、自由端側となるシート部材の内周端を受皿面の表面に接するように配置し
大径円盤状の上面に設けられた受皿面及び受皿面の外周側に形成された溝部を有する保持部と、保持部の下面に垂下設された支柱部とを備えて保持部材を構成し、シート部材を溝部と対向配置すると共にシート部材の内周端を溝部の内周端よりも軸心側の位置で受皿面の表面に接するように配置したことを特徴とする、と云うものである。
【0010】
また本発明の受皿付きポンプ容器は、上記構成において、大径円盤状の上面に設けられた受皿面及び受皿面の外周側に形成された溝部を有する保持部と、保持部の下面に垂下設された支柱部とを備えて保持部材を構成し、シート部材を溝部と対向配置すると共にシート部材の内周端を溝部の内周端よりも軸心側の位置で受皿面の表面に接するものが好ましい。
【0011】
本発明の別の構成は、上記いずれかに記載の受皿付きポンプ容器において、吐出口が受皿面上にリング状に形成されるものが好ましい。
【0012】
また本発明の別の構成は、上記いずれかに記載の受皿付きポンプ容器において、容器本体の内部に昇降可能に設けられ、隔壁部材との間に内容物の収容空間を区画形成する中皿を有するものが好ましい。
【0013】
さらに本発明の別の構成は、上記いずれかに記載の受皿付きポンプ容器において、ポンプ機構が、隔壁部材の上面に設けられ、内側部分が流入孔に連なるシリンダと、内側に流入室を区画形成するとともに流入室を外部に連通させる流入孔を備えた有底円筒状に形成され、シリンダの内側に昇降自在に収容されて隔壁部材との間に流入孔に連なる加圧室を区画形成するピストンガイドと、隔壁部材に装着され、流入孔を覆って加圧室から収容空間に向けた内容物の流れを阻止するとともに収容空間から加圧室に向けた内容物の流れを許容する逆止弁と、シリンダの内面に摺動可能にピストンガイドに装着され、ピストンガイドが下降すると流入孔を開き、ピストンガイドが上昇すると流入孔を閉じるピストンと、を有するものが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、不使用時には吐出口がシール本体によって確実に閉塞されるので、吐出口からの空気の流入を確実に防止して、内容物を空気に触れさせることなく収容することができる。したがって、例えば空気に触れることによって固化し易い内容物や、空気に触れることで効能が薄れる内容物などを、吐出不良や内容物の劣化を生じさせることなく収容することができる。このように、本発明によれば、吐出口からの空気の流入を確実に防止して内容物を空気に触れさせることなく収容することができる受皿付きポンプ容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施の形態である受皿付きポンプ容器の半断面図である。
図2図1に示す受皿付きポンプ容器の要部を拡大して示す断面図である。
図3図2に示す受皿付きポンプ容器の受皿部材を押し下げた状態を示す断面図である。
図4図2又は図3に示す受皿付きポンプ容器においてキャップを外した状態を示す平面図である。
図5】本発明の第2の実施の形態としての受皿付きポンプ容器の要部を拡大して示す断面図である。
図6図5の変形例を示す受皿付きポンプ容器の拡大断面図である。
図7】本発明の第3の実施の形態としての受皿付きポンプ容器の要部を拡大して示す断面図である。
図8図7に示す受皿付きポンプ容器においてキャップを外した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明をより詳細に例示説明する。
【0017】
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態である受皿付きポンプ容器1は容器本体2を備えている。容器本体2は、底部2aと、底部2aの外周縁から上方に延びる筒状の側壁部2bとを備えた有底筒状に形成され、その上端が開口している。図示する場合では、容器本体2は樹脂材料により有底円筒状のジャー(広口瓶)形状に形成されている。なお、容器本体2は樹脂製に限らず、ガラス製や金属製とすることもできる。容器本体2の底部2aには、外気取り込み用の通気孔2cが設けられている。
【0018】
容器本体2には、例えば樹脂製とされる隔壁部材3が装着され、容器本体2の開口はこの隔壁部材3によって覆われている。図2に示すように、隔壁部材3は略円板状の隔壁本体3aと、隔壁本体3aの外周縁から上方に延びる円筒状の装着筒部3bとを有し、装着筒部3bから突出する段部3cが容器本体2の側壁部2bの上端に当接して容器本体2に装着されている。なお、段部3cと側壁部2bの上端との間には内容物の漏れ出しを防止する環状シール4を装着するのが好ましい。装着筒部3bの上端側は固定部材5のU字状部5aに嵌合固定されており、固定部材5が雌ねじ部5bにおいて容器本体2の側壁部2bに設けられた雄ねじ部2dにねじ結合することにより、隔壁部材3は容器本体2に固定されている。
【0019】
隔壁本体3aの軸心Oには、この隔壁本体3aを表裏(上下)に貫通するように内容物の流出孔3dが設けられている。
【0020】
図1に示すように、容器本体2の内部には、例えば樹脂製とされる中皿6が設けられている。中皿6は外形略円盤状に形成されており、その外周縁には容器本体2の側壁部2bの内周面に全周に亘って当接するシール部6aが一体に設けられている。中皿6はシール部6aが側壁部2bの内周面に対して摺動することで容器本体2の内部で上下方向に移動自在つまり昇降可能となっている。容器本体2の内部の隔壁部材3と中皿6との間に区画形成される部分は収容空間7となっており、容器本体2はこの収容空間7に内容物を収容するようになっている。この収容空間7は、中皿6が昇降することにより、その容積が増減される。
【0021】
容器本体2の収容空間7に収容される内容物は、例えばクレンジングクリーム等のクリーム状の化粧料やゲル状の化粧料など、比較的粘度の高い内容物とするのが好ましい。
【0022】
図2に示すように、隔壁部材3の上面にはシリンダ10が設けられている。シリンダ10は円筒状に形成され、円形に形成された流出孔3dと同軸に配置されて当該流出孔3dを囲っている。つまり、シリンダ10の内側部分の空間は流出孔3dに連なっている。なお、図示する場合では、シリンダ10は隔壁部材3と一体に形成されているが、シリンダ10を隔壁部材3とは別体に形成されて隔壁部材3に固定される構成とすることもできる。
【0023】
シリンダ10の内側には、例えば樹脂製とされるピストンガイド11が昇降自在に収容されている。このピストンガイド11はシリンダ10と協働して容器本体2の収容空間7から内容物を吸引して外部に導くためのポンプ機構Aとして機能する。図2に示すように、ピストンガイド11は円板状の加圧壁部11aと、加圧壁部11aの外周縁から少し径方向内側の部分から上方に向けて延びる側壁部11bとを備えた有底円筒状に形成されている。このようなピストンガイド11がシリンダ10に配置されることにより、ピストンガイド11の加圧壁部11aと隔壁部材3の隔壁本体3aとの間には、流出孔3dに連なる加圧室12が区画形成されている。
【0024】
ピストンガイド11の内側は、当該ピストンガイド11により区画形成された流入室13となっている。また、ピストンガイド11の側壁部11bには、流入室13を加圧室12に連通させる流入孔11cが設けられている。
【0025】
ピストンガイド11の上部には有頂円筒形状からなる樹脂製の受皿部材40が設けられている。図2に示すように、受皿部材40の上面には中心部側から周縁部に向かうほど徐々に浅くなる湾曲凹面状の受皿面41aを有する受皿本体41を備えており、この受皿本体41の中央の上面には凸円形状からなる固定部46が突設されている。図4に示すように、固定部46の表面には例えば十字状の流出溝47が形成されており、この流出溝47の中心には受皿本体41を垂直方向に貫通する吐出孔41bが穿設されている。
また受皿本体41の下面には、係合部44とピストンガイド11の上端に嵌合固定される支持壁45とが同心円状に形成され、外周縁は下方に向けて突出する環状係止部43が夫々一体に形成されている。
【0026】
受皿本体41の下面と隔壁本体3aの上面との間には付勢部材15が設けられている。本実施の形態においては、付勢部材15は圧縮コイルばねとなっており、付勢部材15の弾性力は受皿本体41を介してピストンガイド11に伝達されるようになっている。つまり、受皿本体41は、付勢部材15により上方に向けて付勢されている。隔壁本体3aの上面にはシリンダ10よりも外周側に当該シリンダ10と同軸に円筒状の支持筒部16が一体に設けられ、付勢部材15の下端側はこの支持筒部16の外側に装着されて当該支持筒部16により径方向位置が規定されている。また付勢部材15の上端側は受皿本体41の環状係止部43により径方向位置が規定されている。
【0027】
なお、図示する場合では、付勢部材15を、ピストンガイド11に固定された受皿部材40の受皿本体41と隔壁本体3aとの間に設けるようにしているが、ピストンガイド11を上方に向けて付勢することができれば、例えば隔壁本体3aとピストンガイド11との間に設け、ピストンガイド11に固定された他の部材と隔壁本体3aとの間に設け、あるいはピストンガイド11と隔壁部材3に支持される他の部材との間に設けるなど、種々の構成を採用することができる。また、付勢部材15は圧縮コイルばねに限らず、隔壁部材3とピストンガイド11との間に設けられてピストンガイド11を上方に付勢することができるものであれば、板ばねやゴム等の弾性体など種々の構成のものを用いることができる。
【0028】
隔壁部材3には流出孔3dを開閉する逆止弁20が装着されている。この逆止弁20は樹脂製となっており、図2に示すように、シリンダ10の内面に嵌合固定される環状の基部20aと、この基部20aに弾性変形可能な複数の連結片20bを介して連結される円板状の弁体20cとを備えている。例えば、逆止弁20は、3本のクランク状の連結片20bによって弁体20cが基部20aに連結された3点弁に構成することができる。通常状態(内容物を吐出させる吐出動作が行われていない状態)においては、逆止弁20は、弁体20cが隔壁本体3aの上面側から流出孔3dを覆って当該流出孔3dを閉塞し、加圧室12から収容空間7に向けた内容物の流れを阻止している。一方、逆止弁20は、収容空間7から加圧室12に向けた内容物の流れに対しては、連結片20bの変形により弁体20cが隔壁本体3aの上面に対して上方に移動して流出孔3dを開き、当該内容物の流れを許容する。
【0029】
ピストンガイド11にはピストン21が装着されている。このピストン21はシリンダ10の内面に対して摺動可能となっており、ピストンガイド11により案内されて、ピストンガイド11が下降すると流入孔11cを開き、ピストンガイド11が上昇すると流入孔11cを閉じるように作動する。より具体的には、図2に示すように、ピストン21は弾性体により断面H形状のシール体に形成されており、その外周側においてシリンダ10の内面に摺接するとともに、ピストンガイド11の加圧壁部11aと支持壁45の下端との間でピストンガイド11に対して上下方向に移動自在となっている。そして、ピストンガイド11が下降すると、ピストン21は加圧壁部11aも下方に移動することによりピストン21と離間して流入孔11cを開き、当該流入孔11cを介して流入室13を加圧室12に連通させる。一方、ピストンガイド11が上昇すると、ピストン21が加圧壁部11aに当接して流入孔11cを閉じ、流入室13と加圧室12との間の連通を遮断する。なお、符号22はシリンダ10と支持筒部16との間に嵌合固定されてピストン21の上側の移動ストローク端を規制する規制部材である。
【0030】
受皿部材40の固定部46の表面にはシート部材30が固定されている。シート部材30は、肉薄円形状からなるフィルムシートなどで形成されており、このシート部材30の中央部の下面と固定部46の表面とが固定されている。ただし、シート部材30と流出溝47とは未固定の状態が維持されている。このようなシート部材30の固定部46表面への固定は、例えば超音波やレーザーを用いた溶着固定、ヒートシールによる熱溶着固定、あるいはホットメルト接着剤やその他の接着剤による接着固定など公知の手段を用いることが可能である。
【0031】
図4に示すように、シート部材30は固定部46よりも大きな径寸法を有している。図2及び図3に示すように、シート部材30の中心部側は固定部46の表面に固定された固定端の状態にあり、外周端31側は片持ち支持された自由端の状態にあって湾曲凹面状の受皿面41aに対してリング状に接することが可能となっている。すなわち、受皿本体41の湾曲凹面状の受皿面41aとシート部材30の外周端31とがリング状に対向する部分が受皿付きポンプ容器1の吐出口48を構成しており、シート部材30の外周端31が受皿面41aに接することにより、リング状の吐出口48が閉塞される仕組みとなっている。なお、またシート部材30の下面と受皿面41aとの間には湾曲凹面形状に倣う隙間Sが形成され、この隙間Sと中央の吐出孔41bとは流出溝47を介して連通している。
【0032】
受皿本体41の外周縁には下方に向けて延びる円筒状のガイド壁42が一体に設けられている。ガイド壁42の外周面は固定部材5のU字状部5aの内周面に摺接可能となっており、受皿部材40はU字状部5aの内周面に沿って上下方向に移動自在つまり昇降自在となっている。なお、ガイド壁42の下端には径方向外側に向けて突出する係止突起42aが一体に設けられ、この係止突起42aが固定部材5のU字状部5aの下端に係合することにより受皿部材40の抜け出しが防止されるようになっている。
【0033】
図2に示すように、受皿本体41の下面に設けられた支持壁45と係合部44との間にピストンガイド11の上端が係合している。このような構成により、受皿部材40の受皿本体41を下方に向けて押し下げ操作することで、受皿本体41を図2に示す上昇位置から図3に示す下降位置まで移動させることができる。このとき、受皿本体41に加えられる押し下げ力がピストンガイド11に伝達されことになる。
【0034】
図1に示すように、容器本体2には受皿部材40及びシート部材30を覆うキャップCを取り付けることができる。このキャップCは、例えばU字状部5aの外周面にアンダーカット係合することにより容器本体2に着脱自在に取り付けられる構成とすることができるが、ねじ結合等の他の手段によって容器本体2に着脱自在に装着される構成とすることもできる。
【0035】
このような構成の受皿付きポンプ容器1では、受皿部材40が上昇位置にある通常状態から、受皿本体41を下方に押し下げ操作してポンプ機構Aを作動させることにより、すなわちピストンガイド11を作動させ、当該ピストンガイド11、シリンダ10及びピストン21によるポンプ機構Aの動作により、容器本体2の収容空間7に収容されている内容物を受皿本体41の受皿面41aに吐出させることができる。
【0036】
まず、受皿本体41が使用者等によって押し下げ操作されると、その押し下げ力が受皿本体41に作用するが、受皿本体41は付勢部材15の弾性力に抗して図1図2に示す上昇位置から図3に示す下降位置にまで押し下げられる。このとき、ピストンガイド11が受皿本体41とともに下降してポンプ機構Aの動作が開始される。
【0037】
すなわち、上昇位置にある通常状態では逆止弁20は閉状態となっているので、ピストンガイド11が下降してポンプ機構Aの動作が開始されると、加圧室12の内部がピストンガイド11によって加圧されるとともにピストンガイド11に装着されたピストン21が上方に移動して流入孔11cが開かれる。そして、さらにピストンガイド11が下降すると、加圧室12の内部の加圧された内容物が流入孔11cからピストンガイド11の内側の流入室13に供給され、吐出孔41bから受皿面41aに向けて吐出される。吐出孔41bから吐出した内容物Lは、固定部46に設けられた流出溝47を通ってシート部材30と受皿面41aとの間の隙間Sに達し、さらに隙間S内を内周側から外周側に移動し、シート部材30の外周端を上方に押し上げてリング状の吐出口48から受皿面41aの上に吐出される。この際には内容物Lを吐出口48の周囲にリング状に吐出させることができる。
【0038】
受皿面41aにリング状に吐出された内容物Lは、例えば直接手ですくい取って使用することもできるし、スポンジやパフ等(以下、スポンジ等という)で拭い取って使用することもできる。なお、内容物Lをスポンジ等で拭い取る場合には、スポンジ等を受皿面41aに向けて押し付けることで受皿本体41を押し下げ操作することにより、リング状の吐出口48から吐出された内容物を容易且つ均一にスポンジ等に付着させて内容物の取り出しを容易に行うことができる。
【0039】
受皿本体41の押し下げ操作が解除されると、付勢部材15の弾性力によりピストンガイド11が図1に示す初期の上昇位置に向けて上方に移動する。このとき、ピストン21により流入孔11cが閉じられた状態でピストンガイド11が上昇することになるので、加圧室12が負圧となって逆止弁20が開かれ、容器本体2の収容空間7に収容されている内容物が流出孔3dから加圧室12内に向けて流出して加圧室12に供給される。また、収容空間7から内容物が流出するのに伴って中皿6が容器本体2の内部で上昇し、収容空間7は常に内容物により満たされた伏態に維持される。このとき、中皿6が移動した分だけ、通気孔2cから容器本体2の中皿6の下方側部分に外気が導入される。したがって、内容物を吐出しても、容器本体2の収容空間7に空気が流入することがなく、常に、受皿本体41の押し下げ操作によってピストンガイド11を効率良くポンプ機構Aを動作させて内容物を効率良く吐出させることができる。
【0040】
また内容物の吐出操作が終了すると、吐出口48はシート部材30によって閉塞された状態とされる。このように、本発明の受皿付きポンプ容器1では、通常状態においては、吐出口48をシート部材30によって確実に閉塞した状態としておき、内容物を吐出するために受皿本体41が押し下げ操作されたときに吐出口48が開放させるようにしたので、不使用時に吐出口48から空気が流入することを防止して、内容物を空気に触れさせることなく収容することができる。これにより、例えば空気に触れることによって固化し易い内容物や、空気に触れることで効能が薄れる内容物などを、吐出不良や内容物の劣化を生じさせることなく、この受皿付きポンプ容器1に収容することができる。
【0041】
図5は本発明の第2の実施の形態としての受皿付きポンプ容器の要部を拡大して示す断面図、図6図5の変形例を示す受皿付きポンプ容器の拡大断面図である。なお、図5図6においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号を付してある。
【0042】
第2の実施の形態に示す受皿付きポンプ容器1が、上述の第1の実施の形態に示す受皿付きポンプ容器1と異なる点は、主にシート部材30を固定する機構にあり、その他の構成及び効果は上記第1の実施の形態同様であるため、以下においては主に第1の実施の形態と異なる点について説明する。
【0043】
図5に示すように、第2の実施の形態に示す受皿付きポンプ容器1では、受皿部材40の上面中央の位置に、上記第1の実施の形態において設けられている固定部46が設けられておらず、その代わりに保持部材50が設けられている。
保持部材50は上部に円盤状からなる保持部51を有し、この保持部51の下面中央に支柱部52が垂下設されている。保持部51の下面で且つ支柱部52の基端の周囲には、外周方向に突出する複数の凸部53が放射状に配置されており、支柱部52の下端には外径方向に膨らむ膨出部54が形成されている。
【0044】
他方、受皿部材40の中央に穿設された吐出孔41bの上部及び下部の内径は大径の寸法で形成され、中間部の内径は上部及び下部よりも小径の寸法で形成されている。最も細く形成された中間部の吐出孔41bの内周面には、吐出孔41b内に挿入された支柱部52の外周面に当接して径方向の位置を規定する複数の規定当接部41cが放射状に突設されている。また最も大径の寸法で形成された上部側の吐出孔41bの内周面には、支柱部52の凸部53下端に当接して保持部材50を支持する段差状の複数の当接支持部41dが放射状に形成されている。
また大径の寸法で形成された吐出孔41bの下部には保持部51の膨出部54が挿入されており、吐出孔41b内からの保持部51の抜け止め防止が図られている。
【0045】
そして、周方向に並ぶ規定当接部41cと支柱部52の外周面と囲まれる部分形成される空間及び凸部53と規定当接部41cとの間に形成される空間は、ともに内容物の通過が可能な流通路として機能するようになっている。図5では1つの流通路のみが示されるが、規定当接部41cと支柱部52の間及び凸部53と規定当接部41cとの間には複数の流通路が設けられている。つまり、内容物は、吐出孔41bと支柱部52とが対向する部分に周方向に形成される複数の流通路を介して流入室13から吐出孔41bの外部に吐出されるようになっている。
【0046】
図5に示すように、第2の実施の形態では、シート部材30が保持部51の下面に固定されている。このシート部材30も肉薄円形状であるが、中央に形成された挿通孔32内に保持部材50の支柱部52を挿入させ、挿通孔32の周囲の内周端33を保持部51の下面に密着させた状態で固定されている。したがって、この実施の形態では、保持部51の下面がシート部材30を固定する固定部46として機能している。なお、シート部材30の固定方法は上記第1の実施の形態同様である。シート部材30の外周端31側は、上記同様に片持ち支持された自由端状態にあって、湾曲凹面状の受皿面41aに対しリング状に接することが可能となっている。
なお、図5に示すように、シート部材30が保持部51から離脱することを防止すべく、保持部51と対向する受皿面41a上に凸部49を環状に形成し、あるいはドット状の凸部49を周方向に間欠的に形成する構成としても良い。
【0047】
次に、図6に示す変形例では、保持部材50が円盤状の保持部51と、その下面に垂下設された支柱部52と、支柱部52の下端に放射状に突設された膨出部54とを有して構成されている。また受皿部材40の中央には吐出孔41bが穿設されている。吐出孔41bの内周面には流通路を形成する複数の縦溝41eが周方向に間欠的に形成されている。また吐出孔41bの上面には固定部46が形成されており、固定部46にも縦溝41eに連続する流出溝(流通路)47が放射状に形成されている。図6では、流通路として1つの縦溝41e及び流出溝47のみが示されているが、吐出孔41bの内周面及び固定部46の表面には流通路を構成する複数の縦溝41e及び流出溝47が設けられている。
【0048】
シート部材30は、上記同様に内周端33が保持部51の下面と固定部46との間に固定されている。シート部材30の固定方法は、上記同様に接着剤や熱溶着等の手段で固定しても良い。あるいは、図6に一点鎖線で示すように、当初円柱形状であった支柱部52の上端を吐出孔41bの下方側から挿通した後に、吐出孔41bの上方に突出した支柱部52の上端を加熱しながら扁平状に押し潰すことにより円盤状の保持部51とすることができるが、この際にシート部材30の内周端33を保持部51の下面と固定部46の上面との間に挟み込んで固定することもできる。シート部材30の外周端31側は、上記同様に片持ち支持された自由端状態にあって、湾曲凹面状の受皿面41aに対しリング状に接することが可能となっている。
【0049】
図5に示す第2の実施の形態及び図6に示す変形例においても、第1の実施の形態同様に受皿本体41を下方に押し下げ操作することにより、ピストンガイド11が作動し、当該ピストンガイド11、シリンダ10及びピストン21によるポンプ機構の動作により、容器本体2の収容空間7に収容されている内容物を吐出孔41bの流通路を介して受皿面41aに向けて吐出させることができる。吐出孔41bから吐出した内容物Lは、シート部材30と受皿面41aとの間の隙間Sに達し、さらに隙間S内を内周側から外周側に移動するため、上記同様にシート部材30の外周端を上方に押し上げてリング状の吐出口48から受皿面41a上にリング状に吐出させることが可能である。
【0050】
図7は本発明の第3の実施の形態としての受皿付きポンプ容器の要部を拡大して示す断面図、図8図7に示す受皿付きポンプ容器においてキャップを外した状態を示す平面図である。
【0051】
図7及び図8に示す本発明の第3の実施の形態としての受皿付きポンプ容器が、上記第1又は第2の実施の形態に示した受皿付きポンプ容器と異なる点は、主として受皿面41aを受皿部材40とは別部材に形成する構成及びシート部材30の構成等にあり、その他の構成及び効果は上記第1又は第2の実施の形態と同様であるため、以下においては主に上記第1又は第2の実施の形態と異なる点について説明する。
【0052】
第3の実施の形態としての受皿付きポンプ容器1では、保持部材50を構成する保持部51が外径寸法の大きな円盤として形成されており、この保持部51の表面が受皿面51aとされている。受皿面51aには、外周端から内周方向に延びる溝部55が形成されている。この溝部55は例えば肉薄部をリング状に形成した構成でも良いし、径方向に延びる横溝を周方向に複数配置した構成であっても良い。
【0053】
また受皿部材40の受皿本体41には水平面からなり、保持部材50の受皿面51aを収容する凹部41Aが形成されており、凹部41Aのさらに外周側には固定部46が設けられている。凹部41Aの上面と受皿面51aの下面との間には隙間S1が形成され、受皿面51aの外縁端と凹部41Aの内周面との間にも隙間S2が設けられている。
【0054】
図8に示すように、シート部材30は所定の幅寸法を有する肉薄リング状のフィルムシートで形成されている。そして、シート部材30の外周端31側は上記同様の手段により固定部46の表面に固定され、内周端33側は溝部55の内周端55aよりも軸心O側の位置で受皿面51aの表面に接している。すなわち、第3の実施の形態では、受皿面51aの表面とシート部材30の内周端33とがリング状に対向する部分が受皿付きポンプ容器1の吐出口48を構成しており、シート部材30の内周端33が受皿面51aの表面に接することにより、リング状の吐出口48が閉塞される仕組みとなっている。なお、シート部材30の内周端33以外の下面は受皿面51aの溝部55の底面と空間を介して対向している。
【0055】
図7に示す構成では、保持部材50を下方に押し下げ操作すると受皿本体41が一緒に下降するため、ピストンガイド11が作動し、当該ピストンガイド11、シリンダ10及びピストン21によるポンプ機構の動作により、容器本体2の収容空間7に収容されている内容物を吐出孔41bの流通路を介して凹部41Aに向けて吐出させることができる。吐出孔41bから吐出した内容物Lは、凹部41Aの上面と受皿面51aの下面との間の隙間S1内を内周側から外周側に向かって移動し、さらに受皿面51aの外縁端と凹部41Aの内周面との間の隙間S2を介して受皿面51aの上面に達する。受皿面51aの上面に達した内容物は、受皿面51aの外周端から溝部55の内部に侵入し、溝部55内を外周側から内周側に向かって下面側とは逆方向に移動し、溝部55の内周端55aの位置でシート部材30を持ち上げ、リング状の吐出口48から受皿面51aの表面に吐出される。そして、この際にも内容物Lを吐出口48の周囲にリング状に吐出させることが可能である。
【0056】
以上、実施の形態に沿って本発明の構成とその作用効果について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に従う範囲で種々の変更が可能である。
【0057】
例えば、上記実施の形態においては、シート部材30として、フィルムシートを示して説明したが、これに限らず、ゴム製のシート材なども使用することができる。
【0058】
また上記実施の形態においては、円形状又はリング状のシート部材30を示して説明したが、これに限らず、シート部材30が受皿面と密着しながら接触することによって、吐出口を閉塞することができる形状であれば、種々の形状とすることもできる。
【0059】
さらに上記実施の形態においては、容器本体2内に中皿6を有する場合を示して説明したが、これに限らず、中皿6を用いずに、容器本体2を内容物を収容する内層体を外層体の内部に収容した2層構造に形成し、内容物の吐出時に、底部2aに設けた通気孔から外層体と内層体との間に外気を取り入れて内層体のみを収縮させるようにした二重容器や積層剥離容器を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の受皿付きポンプ容器は、吐出口からの空気の流入を確実に防止でき、内容物を空気に触れさせることなく収容することができる、受皿付きポンプ容器として広い分野での適用を可能とすることができる。
【符号の説明】
【0061】
1 : 受皿付きポンプ容器
2 : 容器本体
2a : 底部
2b : 側壁部
2c : 通気孔
2d : 雄ねじ部
3 : 隔壁部材
3a : 隔壁本体
3b : 装着筒部
3c : 段部
3d : 流出孔
4 : 環状シール
5 : 固定部材
5a : U字状部
5b : 雌ねじ部
6 : 中皿
6a : シール部
7 : 収容空間
10 : シリンダ
11 : ピストンガイド
11a : 加圧壁部
11b : 側壁部
11c : 流入孔
12 : 加圧室
13 : 流入室
15 : 付勢部材
16 : 支持筒部
20 : 逆止弁
20a : 基部
20b : 連結片
20c : 円板状の弁体
21 : ピストン
22 : 規制部材
30 : シート部材
31 : 外周端
32 : 挿通孔
33 : 内周端
40 : 受皿部材
41 : 受皿本体
41A : 凹部
41a : 受皿面
41b : 吐出孔
41c : 規定当接部
41d : 当接支持部
41e : 縦溝(流通路)
42 : ガイド壁
42a : 係止突起
43 : 環状係止部
44 : 係合部
45 : 支持壁
46 : 固定部
47 : 流出溝(流通路)
48 : 吐出口
49 : 凸部
50 : 保持部材
51 : 保持部
51a : 受皿面
52 : 支柱部
53 : 凸部
54 : 膨出部
55 : 溝部
55a : 溝部の内周端
A : ポンプ機構
C : キャップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8