特許第6541561号(P6541561)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6541561
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】生物処理装置の変換方法および更新方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 3/12 20060101AFI20190628BHJP
   C02F 1/44 20060101ALI20190628BHJP
   B01D 65/02 20060101ALI20190628BHJP
【FI】
   C02F3/12 B
   C02F3/12 M
   C02F3/12 S
   C02F1/44 C
   B01D65/02 520
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-239002(P2015-239002)
(22)【出願日】2015年12月8日
(65)【公開番号】特開2017-104780(P2017-104780A)
(43)【公開日】2017年6月15日
【審査請求日】2018年6月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢次 壮一郎
(72)【発明者】
【氏名】石川 公博
(72)【発明者】
【氏名】岡島 康信
【審査官】 富永 正史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−000585(JP,A)
【文献】 特開2013−000664(JP,A)
【文献】 特開2003−117578(JP,A)
【文献】 特開2005−081273(JP,A)
【文献】 特開平11−169672(JP,A)
【文献】 特開平09−131517(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/002427(WO,A1)
【文献】 特開2008−246357(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0129492(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 3/00− 3/34
B01D 61/00−71/82
C02F 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理液を生物処理する生物処理装置を別方式の生物処理装置に変換するための生物処理装置の変換方法であって、
並列する複数の生物処理系列の少なくとも一つの所定の生物処理系列に、浮上手段を備えて被処理液中に浮かんだ状態で固液分離可能な浮上式の浸漬型膜分離装置を投入して、所定の生物処理系列を、浮上式の浸漬型膜分離装置を使用した生物処理系列として運転する第1工程と、
浮上式の浸漬型膜分離装置が投入されていない他の生物処理系列に貯留される被処理液を系列外に排出し、被処理液を排出した他の生物処理系列に改造を施した後、他の生物処理系列に被処理液を供給して、他の生物処理系列を別方式の生物処理系列として運転する第2工程と、
上記第1工程において浮上式の浸漬型膜分離装置を投入した所定の生物処理系列から浮上式の浸漬型膜分離装置を系列外へ取り出す第3工程と、
を有することを特徴とする生物処理装置の変換方法。
【請求項2】
第3工程の後に、所定の生物処理系列に貯留されている被処理液を系列外に排出し、所定の生物処理系列に改造を施した後、所定の生物処理系列に被処理液を供給して、所定の生物処理系列を別方式の生物処理系列として運転する第4工程を有することを特徴とする請求項1記載の生物処理装置の変換方法。
【請求項3】
別方式の生物処理系列は浸漬型膜分離装置を使用した生物処理系列であることを特徴とする請求項1に記載の生物処理装置の変換方法。
【請求項4】
別方式の生物処理系列は浸漬型膜分離装置を使用した生物処理系列であることを特徴とする請求項2に記載の生物処理装置の変換方法。
【請求項5】
浮上式の浸漬型膜分離装置は浮上手段が着脱自在であり、
第1工程において投入した浮上式の浸漬型膜分離装置を系列外へ取り出し、
取り出した浮上式の浸漬型膜分離装置から浮上手段を取り外し、
第2工程において、改造を施した後の他の生物処理系列に、上記浮上手段を取り外した浸漬型膜分離装置を設置することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の生物処理装置の変換方法。
【請求項6】
浮上式の浸漬型膜分離装置は浮上手段が着脱自在であり、
第3工程において系列外へ取り出した浮上式の浸漬型膜分離装置から浮上手段を取り外し、
第4工程において、改造を施した後の所定の生物処理系列に、上記浮上手段を取り外した浸漬型膜分離装置を設置することを特徴とする請求項4に記載の生物処理装置の変換方法。
【請求項7】
第1工程において、所定の生物処理系列の既設の散気装置からの散気によって浮上式の浸漬型膜分離装置の膜面を洗浄しながら、所定の生物処理系列を、浮上式の浸漬型膜分離装置を使用した生物処理系列として運転することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の生物処理装置の変換方法。
【請求項8】
浮上式の浸漬型膜分離装置に備えられた浮上手段は、内部に気体を貯留する貯留部を有するとともに、下面に開口部を有し、
下方から供給される気体が浮上手段の開口部を通じて貯留部に貯留されることにより、浮上手段が浮力を保持し、浮上式の浸漬型膜分離装置が被処理液中に浮かぶことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の生物処理装置の変換方法。
【請求項9】
被処理液を生物処理する生物処理装置を更新するための生物処理装置の更新方法であって、
並列する複数の生物処理系列の少なくとも一つの所定の生物処理系列に、浮上手段を備えて被処理液中に浮かんだ状態で固液分離可能な浮上式の浸漬型膜分離装置を投入して、所定の生物処理系列を、浮上式の浸漬型膜分離装置を使用した生物処理系列として運転する第1工程と、
浮上式の浸漬型膜分離装置が投入されていない他の生物処理系列に貯留される被処理液を系列外に排出し、被処理液を排出した他の生物処理系列を更新した後、他の生物処理系列に被処理液を供給して、他の生物処理系列を運転する第2工程と、
上記第1工程において浮上式の浸漬型膜分離装置を投入した所定の生物処理系列から浮上式の浸漬型膜分離装置を系列外へ取り出す第3工程と、
を有することを特徴とする生物処理装置の更新方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理液を生物処理する生物処理装置を別方式の生物処理装置に変換するための生物処理装置の変換方法、および、被処理液を生物処理する生物処理装置を更新するための生物処理装置の更新方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下水等の有機性排水の処理を行う活性汚泥法では、図20に示すように、被処理水100を好気槽101内の複数の生物処理系列101a,101bにおいて散気し、その後、最終沈殿池102において活性汚泥を沈降し、処理水と活性汚泥とを分離し、処理水を最終沈殿池102から外部に放流している。
【0003】
尚、上記のような生物処理装置103については例えば下記特許文献1に記載されている。
ここで、上記のような生物処理装置103を、図21に示すように、浸漬型膜分離装置を用いた別方式の生物処理装置106に変換する場合、好気槽101の隣に、膜分離用の槽104を新たに増設し、膜分離用の槽104内に複数の浸漬型膜分離装置105を設置し、被処理水100を好気槽101内で曝気し、その後、膜分離用の槽104において、浸漬型膜分離装置105で固液分離し、浸漬型膜分離装置105で濾過された処理水107を外部に放流する。そして、順次、好気槽101の各生物処理系列101a,101b毎に系列内の被処理水100を排出して別方式の生物処理装置106に変換していく。
【0004】
尚、このようにして浸漬型膜分離装置105を用いた別方式の生物処理装置106に変換した後、最終沈殿池102は不要になるので、最終沈殿池102を撤去する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−108688
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記の従来形式では、既設の好気槽101の隣に膜分離用の槽104を新たに増設するため、膜分離用の槽104を増設するための広いスペースを確保する必要があるといった問題がある。
【0007】
本発明は、広いスペースを確保しなくても、生物処理装置を別方式の生物処理装置に変換することが可能な生物処理装置の変換方法および生物処理装置の更新方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本第1発明は、被処理液を生物処理する生物処理装置を別方式の生物処理装置に変換するための生物処理装置の変換方法であって、
並列する複数の生物処理系列の少なくとも一つの所定の生物処理系列に、浮上手段を備えて被処理液中に浮かんだ状態で固液分離可能な浮上式の浸漬型膜分離装置を投入して、所定の生物処理系列を、浮上式の浸漬型膜分離装置を使用した生物処理系列として運転する第1工程と、
浮上式の浸漬型膜分離装置が投入されていない他の生物処理系列に貯留される被処理液を系列外に排出し、被処理液を排出した他の生物処理系列に改造を施した後、他の生物処理系列に被処理液を供給して、他の生物処理系列を別方式の生物処理系列として運転する第2工程と、
上記第1工程において浮上式の浸漬型膜分離装置を投入した所定の生物処理系列から浮上式の浸漬型膜分離装置を系列外へ取り出す第3工程と、
を有するものである。
【0009】
これによると、複数の生物処理系列を有する既設の生物処理槽の隣に、別方式の生物処理系列を有する生物処理槽を新たに増設する必要はないため、広いスペースを確保しなくても、生物処理装置を別方式の生物処理装置に変換することができる。
【0010】
本第2発明における生物処理装置の変換方法は、第3工程の後に、所定の生物処理系列に貯留されている被処理液を系列外に排出し、所定の生物処理系列に改造を施した後、所定の生物処理系列に被処理液を供給して、所定の生物処理系列を別方式の生物処理系列として運転する第4工程を有するものである。
【0011】
本第3並びに第4発明における生物処理装置の変換方法は、別方式の生物処理系列は浸漬型膜分離装置を使用した生物処理系列である。
これによると、複数の生物処理系列を有する既設の生物処理槽の隣に、浸漬型膜分離装置を使用した別方式の生物処理系列を有する生物処理槽を新たに増設する必要はないため、広いスペースを確保しなくても、生物処理装置を、浸漬型膜分離装置を使用した別方式の生物処理装置に変換することができる。
【0012】
本第発明における生物処理装置の変換方法は、浮上式の浸漬型膜分離装置は浮上手段が着脱自在であり、
第1工程において投入した浮上式の浸漬型膜分離装置を系列外へ取り出し、
取り出した浮上式の浸漬型膜分離装置から浮上手段を取り外し、
第2工程において、改造を施した後の他の生物処理系列に、上記浮上手段を取り外した浸漬型膜分離装置を設置するものである。
【0013】
これによると、第1工程において使用した浮上式の浸漬型膜分離装置を、浮上手段を取り外した後、第2工程において浸漬型膜分離装置として再度使用しているため、コストダウンを図ることができる。
【0014】
本第発明における生物処理装置の変換方法は、浮上式の浸漬型膜分離装置は浮上手段が着脱自在であり、
第3工程において系列外へ取り出した浮上式の浸漬型膜分離装置から浮上手段を取り外し、
第4工程において、改造を施した後の所定の生物処理系列に、上記浮上手段を取り外した浸漬型膜分離装置を設置するものである。
【0015】
これによると、第3工程において使用した浮上式の浸漬型膜分離装置を、浮上手段を取り外した後、第4工程において浸漬型膜分離装置として再度使用しているため、コストダウンを図ることができる。
【0016】
本第発明における生物処理装置の変換方法は、第1工程において、所定の生物処理系列の既設の散気装置からの散気によって浮上式の浸漬型膜分離装置の膜面を洗浄しながら、所定の生物処理系列を、浮上式の浸漬型膜分離装置を使用した生物処理系列として運転するものである。
【0017】
これによると、散気装置からの散気によって浮上式の浸漬型膜分離装置の膜面を洗浄するため、浮上式の浸漬型膜分離装置の濾過効率を良好に保つことができる。また、所定の生物処理系列の既設の散気装置を有効利用することができる。
【0018】
本第発明における生物処理装置の変換方法は、浮上式の浸漬型膜分離装置に備えられた浮上手段は、内部に気体を貯留する貯留部を有するとともに、下面に開口部を有し、
下方から供給される気体が浮上手段の開口部を通じて貯留部に貯留されることにより、浮上手段が浮力を保持し、浮上式の浸漬型膜分離装置が被処理液中に浮かぶものである。
【0019】
これによると、下方から供給される気体が、被処理液中を上昇し、浮上手段の開口部を通じて貯留部に貯留される。このような気体の上昇により上向流が発生するが、浮上手段は下面に開口部を有しているため、気体および上向流の大部分は、浮上手段の下面に直接当ることはなく、開口部に面した水面で気泡が放出された後、側方又は下方へ向きを変えて流れる。これにより、浮上式の浸漬型膜分離装置の揺動を抑制することができる。
本第発明は、被処理液を生物処理する生物処理装置を更新するための生物処理装置の更新方法であって、
並列する複数の生物処理系列の少なくとも一つの所定の生物処理系列に、浮上手段を備えて被処理液中に浮かんだ状態で固液分離可能な浮上式の浸漬型膜分離装置を投入して、所定の生物処理系列を、浮上式の浸漬型膜分離装置を使用した生物処理系列として運転する第1工程と、
浮上式の浸漬型膜分離装置が投入されていない他の生物処理系列に貯留される被処理液を系列外に排出し、被処理液を排出した他の生物処理系列を更新した後、他の生物処理系列に被処理液を供給して、他の生物処理系列を運転する第2工程と、
上記第1工程において浮上式の浸漬型膜分離装置を投入した所定の生物処理系列から浮上式の浸漬型膜分離装置を系列外へ取り出す第3工程と、
を有するものである。
【0020】
これによると、複数の生物処理系列を有する既設の生物処理槽の隣に、別方式の生物処理系列を有する生物処理槽を新たに増設する必要はないため、広いスペースを確保しなくても、生物処理装置を更新することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように本発明によると、複数の生物処理系列を有する既設の生物処理槽の隣に、別方式の生物処理系列を有する生物処理槽を新たに増設する必要はないため、広いスペースを確保しなくても、生物処理装置を別方式の生物処理装置に変換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1の実施の形態における既設の生物処理装置の図である。
図2】同、既設の生物処理装置を別方式の生物処理装置に変換する際に使用する浮上式の浸漬型膜分離装置の断面図である。
図3】同、既設の生物処理装置を別方式の生物処理装置に変換する生物処理装置の変換方法を説明する図であって、第1工程を示す。
図4】同、生物処理装置の変換方法を説明する図であって、第2工程を示す。
図5】同、浮上式の浸漬型膜分離装置から浮上手段を取り外した図である。
図6】同、生物処理装置の変換方法を説明する図であって、第2工程を示す。
図7】同、生物処理装置の変換方法を説明する図であって、第3工程を示す。
図8】同、生物処理装置の変換方法を説明する図であって、第4工程を示す。
図9】本発明の第2の実施の形態における生物処理装置の変換方法を説明する図であって、第1工程を示す。
図10】同、生物処理装置の変換方法を説明する図であって、第2工程を示す。
図11】同、生物処理装置の変換方法を説明する図であって、第2工程を示す。
図12】同、生物処理装置の変換方法を説明する図であって、第3工程を示す。
図13】同、生物処理装置の変換方法を説明する図であって、第4工程を示す。
図14】同、生物処理装置の変換方法を説明する図であって、第4工程を示す。
図15】本発明の第3の実施の形態における既設の生物処理装置を更新するための生物処理装置の更新方法を説明する図であって、第1工程を示す。
図16】同、生物処理装置の更新方法を説明する図であって、第2工程を示す。
図17】同、生物処理装置の更新方法を説明する図であって、第2工程を示す。
図18】同、生物処理装置の更新方法を説明する図であって、第3工程を示す。
図19】同、生物処理装置の更新方法を説明する図であって、第4工程を示す。
図20】従来の生物処理装置の図である。
図21】従来、既設の生物処理装置を別方式の生物処理装置に変換する生物処理装置の変換方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、図1に示すように、1は下水等の被処理水2を標準活性汚泥法により生物処理する既設の生物処理装置である。生物処理装置1は好気槽3と最終沈殿池4とを有している。好気槽3内は、仕切壁5によって、並列する複数の生物処理系列6,7,8に仕切られている。各生物処理系列6,7,8はそれぞれ、好気槽3内の底部に、散気装置10を有している。
【0024】
また、図2に示すように、20は浮上式の浸漬型膜分離装置である。浮上式の浸漬型膜分離装置20は、被処理水2中に浸漬された状態で被処理水2を固液分離する膜分離ユニット22と、膜分離ユニット22に浮力を付与して膜分離ユニット22を被処理水2中に浮かせる浮上手段23(フロート)とを有している。
【0025】
膜分離ユニット22は、内部に複数の膜エレメント24を有し、下部に散気装置25を有している。尚、膜エレメント24は、平板状の濾板(図示省略)と、濾板の両面に装着された濾過膜(図示省略)を有している。また、膜分離ユニット22には、膜エレメント24の濾過膜を透過した処理水が集められる集水管26が備えられている。
【0026】
浮上手段23は、内部に空気(気体の一例)を貯留する貯留部27を有するとともに、下面に開口部28を有しており、散気装置25から放出される気泡29を、開口部28を通じて貯留部27に貯留することで、浮力を得る。尚、浮上手段23は樹脂製であるが、浮力が確保できれば金属製等であってもよい。
浮上手段23は、複数の連結部材30を介して、膜分離ユニット22に着脱自在に連結されている。
【0027】
浸漬型膜分離装置を使用していない上記既設の生物処理装置1(図1参照)を、浸漬型膜分離装置を使用した別方式の生物処理装置35(図8参照)に変換(改造)するための生物処理装置の変換方法(改造方法)について、以下に説明する。
【0028】
上記変換方法は以下のような第1〜第4工程を有している。
(1)第1工程
図1に示すように、各生物処理系列6,7,8において、散気装置10で好気槽3内の被処理水2に対して散気を行い、最終沈殿池4において活性汚泥を沈降して、処理水と活性汚泥とを分離している状態で、先ず、図3に示すように、第1生物処理系列6(所定の生物処理系列の一例)に複数の浮上式の浸漬型膜分離装置20を投入し、仮設の配管や膜濾過に必要な周辺設備を配置して、第1生物処理系列6を、浮上式の浸漬型膜分離装置20を使用した生物処理系列として運転する。
【0029】
これにより、図2に示すように、各浮上式の浸漬型膜分離装置20の膜分離ユニット22は、第1生物処理系列6の被処理水2中に浮いた状態で、活性汚泥により生物処理された被処理水2を固液分離する。この際、膜エレメント24で濾過された処理水31は、集水管26に集められ、連通管34を経て処理水配管33に流入し、第1生物処理系列6から好気槽3の外部へ取り出された後、放流される。尚、処理水配管33は、浮上式の浸漬型膜分離装置20を第1生物処理系列6に投入する際、好気槽3に設置される。
【0030】
また、浮上式の浸漬型膜分離装置20に備えられた散気装置25による散気を行うことで、散気装置25から放出された気泡29が、被処理水2中を上昇し、浮上手段23の開口部28を通じて貯留部27に貯留される。このような気泡29の上昇により上向流32が発生するが、浮上手段23は下面に開口部28を有しているため、気泡29および上向流32の大部分は、浮上手段23の下面に直接当ることはなく、開口部28に面した水面2aで気泡29が放出された後、側方又は下方へ向きを変えて流れる。これにより、浮上式の浸漬型膜分離装置20の揺動を抑制することができる。
【0031】
また、互いに隣接する浮上式の浸漬型膜分離装置20同士は連結装置(図示省略)により連結されており、各浮上式の浸漬型膜分離装置20の揺動を抑制している。
(2)第2工程
次に、第2および第3生物処理系列7,8(浮上式の浸漬型膜分離装置20が投入されていない他の生物処理系列の一例)に貯留される被処理水2を好気槽3の外部(系列外)に排出し、第2および第3生物処理系列7,8を空にする。
【0032】
尚、一般に、浸漬型膜分離装置を使った活性汚泥処理は、膜分離活性汚泥処理(MBR)と呼ばれ、活性汚泥濃度を高くして処理できるため、単位容積当りの処理水量を他の処理方法よりも多くすることができ、これにより、第2および第3生物処理系列7,8を空にしても、第1生物処理系列6において好気槽3全体の処理能力を維持することができる。
【0033】
その後、第2および第3生物処理系列7,8に以下のような改造を施す。
浸漬型膜分離装置を稼働させるための配管工事を行う。浸漬型膜分離装置の散気装置に空気を供給するブロワ装置や浸漬型膜分離装置の膜エレメントに吸引圧を負荷する自吸式吸引ポンプ等を設置する。ブロワ装置やポンプに電力を供給する電力供給装置を設置する。さらに、第2および第3生物処理系列7,8の既設の散気装置10のレイアウトを変更し、又は、既設の散気装置10の更新を行う。浸漬型膜分離装置を被処理水2の水面下に沈めて槽底部に設置する際に用いられるガイドパイプ37(図4参照)等を据え付ける。
【0034】
上記のような改造を第2および第3生物処理系列7,8に施した後、これら第2および第3生物処理系列7,8に被処理水2を供給する。
その後、第1生物処理系列6の複数の浮上式の浸漬型膜分離装置20のうちの一部の浮上式の浸漬型膜分離装置20を好気槽3の外に取り出し、取り出した浮上式の浸漬型膜分離装置20から浮上手段23を取り外し、図4図5に示すように、浮上手段23を備えていない複数の膜分離ユニット22(すなわち浸漬型膜分離装置に相当)を、被処理水2
の水面下に沈めて、第2および第3生物処理系列7,8の槽底部に設置する。
【0035】
この際、膜分離ユニット22はガイドパイプ37に案内されて被処理水2の水面下に設置される。
その後、第2および第3生物処理系列7,8を、浸漬型膜分離装置(すなわち上記膜分離ユニット22)を使用した別方式の生物処理系列として運転する。
【0036】
尚、これら一連の作業は、浸漬型膜分離装置(すなわち上記膜分離ユニット22)の設置工程までに十分な準備を経て実施されるため、第2および第3生物処理系列7,8の改造を短時間で完了させることができ、生物処理に与える影響が軽微になる。
【0037】
これにより、図6に示すように、膜分離ユニット22は、第2および第3生物処理系列7,8に設置された状態で、被処理水2を固液分離する。この際、膜エレメント24で濾過された処理水31は、集水管26に集められ、連通管34を経て処理水配管33に流入し、第2および第3生物処理系列7,8から好気槽3の外部へ取り出され後、放流される。
【0038】
また、図4示すように膜分離ユニット22に備えられた散気装置25による散気を行うことで、気泡29の上昇により上向流32が発生し、これら気泡29および上向流32によって膜エレメント24の表面が洗浄される。
(3)第3工程
次に、第1生物処理系列6に残っている浮上式の浸漬型膜分離装置20を、第1生物処理系列6から取り出す。このとき、取り出した浮上式の浸漬型膜分離装置20を、図7に示すように、一旦、第2生物処理系列7(又は第3生物処理系列8)に移し、第2生物処理系列7において、浮上式の浸漬型膜分離装置20(図2参照)と浸漬型膜分離装置(すなわち図4に示した上記膜分離ユニット22)とを運転して固液分離を行うとともに、第3生物処理系列8において、浸漬型膜分離装置(すなわち上記膜分離ユニット22)を運転して固液分離を行う。
(4)第4工程
その後、第1生物処理系列6の被処理水2を好気槽3の外部(系列外)に排出し、第1生物処理系列6を空にする。次に、第1生物処理系列6に以下のような改造を施す。
【0039】
浸漬型膜分離装置を稼働させるための配管工事を行う。浸漬型膜分離装置の散気装置に空気を供給するブロワ装置や浸漬型膜分離装置の膜エレメントに吸引圧を負荷する自吸式吸引ポンプ等を設置する。ブロワ装置やポンプに電力を供給する電力供給装置を設置する。さらに、第1生物処理系列6の既設の散気装置10のレイアウトを変更し、又は、既設の散気装置10の更新を行う。浸漬型膜分離装置を被処理水2の水面下に沈めて槽底部に設置する際に用いられるガイドパイプ37(図4参照)等を据え付ける。
【0040】
上記のような改造を第1生物処理系列6に施した後、第1生物処理系列6に被処理水2を供給する。
その後、上記第3工程(図7参照)において第1生物処理系列6から第2生物処理系列7に移した浮上式の浸漬型膜分離装置20から浮上手段23を取り外し、図8に示すように、浮上手段23を備えていない複数の膜分離ユニット22(すなわち浸漬型膜分離装置に相当)を、被処理水2の水面下に沈めて、第1生物処理系列6の槽底部に設置する。
【0041】
この際、膜分離ユニット22はガイドパイプ37(図4参照)に案内されて被処理水2の水面下に設置される。
その後、第1生物処理系列6を、浸漬型膜分離装置(すなわち上記膜分離ユニット22)を使用した別方式の生物処理系列として運転する。
【0042】
尚、これら一連の作業は、浸漬型膜分離装置(すなわち上記膜分離ユニット22)の据付工程までに十分な準備を経て実施されるため、第1生物処理系列6の改造を短時間で完了させることができ、生物処理に与える影響が軽微になる。
【0043】
これにより、膜分離ユニット22は、第1生物処理系列6に設置された状態で、被処理水2を固液分離する。
また、第4工程において、最終沈殿池4は不要となるため、最終沈殿池4を撤去することができる。上記第1〜第4工程により、浸漬型膜分離装置を使用していない既設の生物処理装置1(図1参照)を、浸漬型膜分離装置(すなわち図4に示した膜分離ユニット22)を使用した別方式の生物処理装置35(図8参照)に変換することができる。
【0044】
これによると、浸漬型膜分離装置を使用していない第1〜第3生物処理系列6〜8を有する既設の好気槽3の隣に、浸漬型膜分離装置を使用した別方式の生物処理系列を有する生物処理槽を新たに増設する必要はないため、広いスペースを確保しなくても、浸漬型膜分離装置を使用していない既設の生物処理装置1を、浸漬型膜分離装置を使用した別方式の生物処理装置35に変換することができる。
【0045】
また、第1工程において使用した浮上式の浸漬型膜分離装置20(図2参照)から浮上手段23を取り外した膜分離ユニット22(図4参照)を、第2工程において浸漬型膜分離装置として再度使用しているため、コストダウンを図ることができる。
【0046】
また、第3工程において使用した浮上式の浸漬型膜分離装置20から浮上手段23を取り外した膜分離ユニット22を、第4工程において浸漬型膜分離装置として再度使用しているため、コストダウンを図ることができる。
【0047】
尚、上記第1の実施の形態の第1工程において、第1生物処理系列6の既設の散気装置10からの散気によって浮上式の浸漬型膜分離装置20の膜エレメント24の表面を洗浄しながら、第1生物処理系列6を、浮上式の浸漬型膜分離装置20を使用した生物処理系列として運転してもよい。これによると、浮上式の浸漬型膜分離装置20の濾過効率を良好に保つことができる。また、好気槽3の既設の散気装置10を有効利用できるとともに、浸漬型膜分離装置20の散気装置25の散気量を抑えることができる。
【0048】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、標準活性汚泥法により被処理水2を生物処理する既設の生物処理装置1(図1参照)を、膜分離を用いた循環式硝化脱窒法により被処理水2を生物処理する別方式の生物処理装置50(図14参照)に変換するための生物処理装置の変換方法について、以下に説明する。
【0049】
上記変換方法は以下のような第1〜第4工程を有している。
(1)第1工程
図1に示すように、各生物処理系列6,7,8において、散気装置10で処理槽3内の被処理水2に対して散気を行い、最終沈殿池4において活性汚泥を沈降して、処理水と活性汚泥とを分離している状態で、先ず、図9に示すように、第1生物処理系列6(所定の生物処理系列の一例)に複数の浮上式の浸漬型膜分離装置20を投入し、仮設の配管や膜濾過に必要な周辺設備を配置して、第1生物処理系列6を、浮上式の浸漬型膜分離装置20を使用した生物処理系列として運転する。
【0050】
これにより、図2に示すように、各浮上式の浸漬型膜分離装置20の膜分離ユニット22は、第1生物処理系列6の被処理水2中に浮いた状態で、被処理水2を固液分離する。この際、膜エレメント24で濾過された処理水31は、集水管26に集められ、連通管34を経て処理水配管33に流入し、第1生物処理系列6から好気槽3の外部へ取り出された後、放流される。
(2)第2工程
次に、図10に示すように、第2および第3生物処理系列7,8(浮上式の浸漬型膜分離装置20が投入されていない他の生物処理系列の一例)に貯留される被処理水2を処理槽3の外部(系列外)に排出し、第2および第3生物処理系列7,8を空にする。その後、第2および第3生物処理系列7,8に以下のような改造を施す。
【0051】
すなわち、図11に示すように、第2および第3生物処理系列7,8に、無酸素槽51と好気槽52とを設ける。無酸素槽51と好気槽52とは連通しており、無酸素槽51内には、既設の散気装置10を撤去した後に、撹拌装置を設ける。また、好気槽52内には、既設の散気装置10を撤去した後に、新たに散気装置53を設けるとともに、浸漬型膜分離装置を被処理水2の水面下に沈めて槽底部に設置する際に用いられるガイドパイプ37(図4参照)等を据え付け、配管工事を完了させる。
【0052】
上記のような改造を第2および第3生物処理系列7,8に施した後、これら第2および第3生物処理系列7,8に被処理水2を供給して、第2および第3生物処理系列7,8を、循環式硝化脱窒法を用いた別方式の生物処理系列として運転する。
(3)第3工程
上記のように第2および第3生物処理系列7,8を、循環式硝化脱窒法を用いた別方式の生物処理系列として運転しながら、図12に示すように、第1生物処理系列6の複数の浮上式の浸漬型膜分離装置20を取り出して第2および第3生物処理系列7,8の各好気槽52内に移す。このとき、一部の浮上式の浸漬型膜分離装置20から浮上手段23を取り外し、浮上手段23を備えていない浸漬型膜分離装置(すなわち膜分離ユニット22)を被処理水2の水面下に沈めて好気槽52の底部に設置し、残りの浮上式の浸漬型膜分離装置20を好気槽52内に投入し、第2および第3生物処理系列7,8を、膜分離を用いた循環式硝化脱窒法の生物処理系列として運転する。
(4)第4工程
その後、第1生物処理系列6の被処理水2を外部(系列外)に排出して、第1生物処理系列6を空にし、第1生物処理系列6に以下のような改造を施す。
すなわち、図13に示すように、第1生物処理系列6に、無酸素槽51と好気槽52とを設ける。無酸素槽51と好気槽52とは連通しており、無酸素槽51内には、既設の散気装置10を撤去した後に、撹拌装置を設ける。また、好気槽52内には、既設の散気装置10を撤去した後に、新たに散気装置53を設けるとともに、浸漬型膜分離装置を被処理水2の水面下に沈めて槽底部に設置する際に用いられるガイドパイプ37(図4参照)等を据え付け、配管工事を完了させる。
【0053】
上記のような改造を第1生物処理系列6に施した後、第1生物処理系列6に被処理水2を供給し、第2および第3生物処理系列7,8の好気槽52内に投入された浮上式の浸漬型膜分離装置20を外部へ取り出して浮上手段23を取り外し、図14に示すように、浮上手段23を備えていない浸漬型膜分離装置(すなわち膜分離ユニット22)を第1生物処理系列6の好気槽52内の被処理水2の水面下に沈めて槽底部に設置し、第1生物処理系列6を、膜分離を用いた循環式硝化脱窒法の生物処理系列として運転する。
上記第1〜第4工程によって、標準活性汚泥法により被処理水2を生物処理する既設の生物処理装置1(図1参照)を、膜分離を用いた循環式硝化脱窒法により被処理水2を生物処理する別方式の生物処理装置50(図14参照)に変換することができる。
【0054】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、標準活性汚泥法により被処理水2を生物処理する既設の生物処理装置1(図1参照)を更新するための生物処理装置の更新方法について、以下に説明する。
【0055】
上記更新方法は以下のような第1〜第4工程を有している。
(1)第1工程
図1に示すように、各生物処理系列6,7,8において、各散気装置10で好気槽3内の被処理水2に対して散気を行い、最終沈殿池4において活性汚泥を沈降して、処理水と活性汚泥とを分離している状態で、先ず、図15に示すように、第1生物処理系列6(所定の生物処理系列の一例)に複数の浮上式の浸漬型膜分離装置20を投入し、仮設の配管や膜濾過に必要な周辺設備を配置して、第1生物処理系列6を、浮上式の浸漬型膜分離装置20を使用した生物処理系列として運転する。
【0056】
これにより、図2に示すように、各浮上式の浸漬型膜分離装置20の膜分離ユニット22は、第1生物処理系列6の被処理水2中に浮いた状態で、被処理水2を固液分離する。この際、膜エレメント24で濾過された処理水31は、集水管26に集められ、連通管34を経て処理水配管33に流入し、第1生物処理系列6から好気槽3の外部へ取り出された後、放流される。
(2)第2工程
次に、図16に示すように、第2および第3生物処理系列7,8(浮上式の浸漬型膜分離装置20が投入されていない他の生物処理系列の一例)に貯留される被処理水2を好気槽3の外部(系列外)に排出し、第2および第3生物処理系列7,8を空にする。その後、第2および第3生物処理系列7,8を更新する。尚、更新の内容としては、図17に示すように、第2および第3生物処理系列7,8の既設の散気装置10を新しいものと取り換えたり、散気装置10を増設する。
【0057】
上記のように第2および第3生物処理系列7,8を更新した後、これら第2および第3生物処理系列7,8に被処理水2を供給し、第2および第3生物処理系列7,8の散気装置10から散気を行って、第2および第3生物処理系列7,8を運転する。
(3)第3工程
上記のように第2および第3生物処理系列7,8を運転しながら、図18に示すように、第1生物処理系列6の浮上式の浸漬型膜分離装置20を取り出して外部へ撤去する。
(4)第4工程
その後、第1生物処理系列6の被処理水2を好気槽3の外部(系列外)に排出して、第1生物処理系列6を空にし、第1生物処理系列6を更新する。尚、更新の内容としては、図19に示すように、第1生物処理系列6の散気装置10を新しいものと取り換えたり、散気装置10を増設する。
【0058】
上記のように第1生物処理系列6を更新した後、第1生物処理系列6に被処理水2を供給し、第1生物処理系列6の散気装置10から散気を行って、第1生物処理系列6を運転する。
上記第1〜第4工程によって、標準活性汚泥法により被処理水2を生物処理する既設の生物処理装置1を更新することができる。
【0059】
上記第3の実施の形態における更新の内容は、散気装置10の取り換えや増設に限定されるものではなく、撹拌装置や水中ポンプ等の機器や配管の取り換えおよび増設や、土木水槽の更新等も含む。
【0060】
上記各実施の形態では、好気槽3内に3つの生物処理系列6〜8を設けているが、2つ又は4つ以上設けてもよい。
上記各実施の形態では、第1工程において、浮上式の浸漬型膜分離装置20を第1生物処理系列6に投入しているが、第2生物処理系列7又は第3生物処理系列8に投入してもよい。また、浮上式の浸漬型膜分離装置20を第1〜第3生物処理系列6〜8のいずれか1つに投入しているが、いずれか2つの生物処理系列に投入してもよい。
【0061】
上記各実施の形態では、図2に示すように、浮上式の浸漬型膜分離装置20の浮上手段23は貯留部27に空気(気体)を貯留することで浮力を得ているが、嵩比重の小さいそれ自体に浮力のある樹脂製の浮上手段であってもよく、さらには、可撓性シートを袋状に形成した中に気体を充填して浮力を得る浮上手段であってもよい。
【0062】
上記各実施の形態に記載の変換(改造)前後の生物処理装置1,35,50および更新前後の生物処理装置1は、生物処理方式の一例であって、これらに限定されるものではなく、一般的に知られた他の生物処理方式においても適応可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 生物処理装置
2 被処理水(被処理液)
6〜8 第1〜第3生物処理系列
10 散気装置
20 浮上式の浸漬型膜分離装置
22 膜分離ユニット(浮上手段を取り外した浸漬型膜分離装置)
23 浮上手段
27 貯留部
28 開口部
29 気泡(気体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図18
図19
図20
図21