特許第6541564号(P6541564)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6541564
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20190628BHJP
【FI】
   H02M7/48 Z
【請求項の数】5
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-247315(P2015-247315)
(22)【出願日】2015年12月18日
(65)【公開番号】特開2017-112789(P2017-112789A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2018年7月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】特許業務法人 共立
(72)【発明者】
【氏名】西口 佳孝
(72)【発明者】
【氏名】木田 喜啓
(72)【発明者】
【氏名】塩見 和敏
【審査官】 佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−19568(JP,A)
【文献】 特開2013−66371(JP,A)
【文献】 特開2015−84636(JP,A)
【文献】 特開平11−8968(JP,A)
【文献】 特開2012−143116(JP,A)
【文献】 特開平7−298641(JP,A)
【文献】 特開平8−33346(JP,A)
【文献】 特開平11−275871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
H02M 1/00
H02M 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイオードが並列接続された高電位側スイッチング素子(100a、110a、120a、130a、140a、150a)と、ダイオードが並列接続され、前記高電位側スイッチング素子に直列接続される低電位側スイッチング素子(100b、110b、120b、130b、140b、150b)と、直列接続された前記高電位側スイッチング素子及び前記低電位側スイッチング素子に並列接続されるコンデンサ(101、111、121、131、141、151)とを有し、前記高電位側スイッチング素子と前記低電位側スイッチング素子が相補的にスイッチングするスイッチング回路(10〜15)を複数並列接続して構成され、
少なくともいずれかの前記スイッチング回路の共振周波数が他の前記スイッチング回路の共振周波数と異なるように、前記高電位側スイッチング素子、前記低電位側スイッチング素子及び前記コンデンサを接続する配線のインダクタンス、前記コンデンサの静電容量及び前記コンデンサの寄生インダクタンスの少なくともいずれかが調整されている電力変換装置。
【請求項2】
前記高電位側スイッチング素子、前記低電位側スイッチング素子及び前記コンデンサを接続する配線のインダクタンスの調整は、前記高電位側スイッチング素子、前記低電位側スイッチング素子及び前記コンデンサを接続する配線の長さを調整することによって行われている請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記コンデンサの寄生インダクタンスの調整は、前記コンデンサのリード線の長さを調整することによって行われている請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記コンデンサは、複数の副コンデンサ(102、103、112、113、122、123、132、133、142、143、152、153)を接続して構成され、
前記コンデンサの静電容量の調整は、前記副コンデンサの合成静電容量を調整することによって行われている請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記コンデンサは、複数の副コンデンサを接続して構成され、
前記コンデンサの寄生インダクタンスの調整は、前記副コンデンサのリード線の長さを調整することによって行われている請求項1に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイオードが並列接続された高電位側スイッチング素子と、ダイオードが並列接続され、高電位側スイッチング素子に直列接続される低電位側スイッチング素子とを有するスイッチング回路を複数並列接続して構成される電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ダイオードが並列接続された高電位側スイッチング素子と、ダイオードが並列接続され、高電位側スイッチング素子に直列接続される低電位側スイッチング素子とを有するスイッチング回路を複数並列接続して構成される電力変換装置として、例えば以下に示す特許文献1に開示されているモータ駆動装置がある。
【0003】
このモータ駆動装置は、ダイオードが並列接続された高電位側スイッチング素子と、ダイオードが並列接続され、高電位側スイッチング素子に直列接続される低電位側スイッチング素子とを有するスイッチング回路を3つ並列接続して構成されている。
【0004】
高電位側スイッチング素子及び低電位側スイッチング素子は、ダイオードが並列接続されたIGBTである。高電位側スイッチング素子のエミッタは、低電位側スイッチング素子のコレクタに接続されている。高電位側スイッチング素子のコレクタは直流電源の正極端に、低電位側スイッチング素子にエミッタは直流電源の負極端にそれぞれ接続されている。高電位側スイッチング素子と低電位側スイッチング素子の直列接続点は、3相モータに接続されている。
【0005】
モータ駆動装置は、スイッチング回路を構成する高電位側スイッチング素子と低電位側スイッチング素子を所定のタイミングで相補的にスイッチングすることで、直流電源から供給される直流を3相交流に変換してモータに供給する。
【0006】
高電位側スイッチング素子がオン状態になると、低電位側スイッチング素子がオフ状態になる。一方、高電位側スイッチング素子がオフ状態になると、低電位側スイッチング素子がオン状態になる。
【0007】
高電位側スイッチング素子がオン状態、低電位側スイッチング素子がオフ状態になると、オン状態になった高電位側スイッチング素子のオン抵抗、オフ状態になった低電位側スイッチング素子の寄生容量とこの低電位側スイッチング素子に並列接続されたダイオードの接合容量の合成容量、スイッチング回路の配線のインダクタンスによって共振回路が構成される。高電位側スイッチング素子がターンオンした際、この共振回路で共振が起こり、オフ状態である低電位側スイッチング素子のエミッタ−コレクタ間に共振周波数成分をピークとするリンギングを有するサージ電圧が加わる。それに伴って、共振周波数成分をピークとするノイズが発生する。
【0008】
モータ駆動装置は、3つのスイッチング回路を並列接続して構成されている。そのため、それぞれ独立した複数の共振回路が構成されることになる。共振回路の共振周波数が全て同一であった場合、その共振周波数成分をピークとするノイズレベルが大きくなってしまう。
【0009】
しかし、モータ駆動装置は、コンデンサがダイオードに並列接続されている。コンデンサは、共振回路の共振周波数がそれぞれ異なるように、静電容量が調整されている。そのため、リンギングがピークとなる周波数成分が分散される。その結果、リンギングに伴って発生するノイズの周波数成分が分散され、ノイズレベルを抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2012−019568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述したモータ駆動装置では、リンギングに伴うノイズレベルを抑えるため、スイッチング回路によって構成される共振回路の共振周波数がそれぞれ異なるように、コンデンサの静電容量を調整しなければならない。つまり、スイッチング回路毎に、静電容量の異なるコンデンサを高電位側スイッチング素子及び低電位側スイッチング素子のダイオードにそれぞれ並列接続しなければならない。そのため、モータ駆動装置を構成する部品点数が増加してしまう。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、部品点数を抑えながら、リンギングに伴って発生するノズルレベルを抑えることができる電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、ダイオードが並列接続された高電位側スイッチング素子と、ダイオードが並列接続され、高電位側スイッチング素子に直列接続される低電位側スイッチング素子と、直列接続された高電位側スイッチング素子及び低電位側スイッチング素子に並列接続されるコンデンサとを有し、高電位側スイッチング素子と低電位側スイッチング素子が相補的にスイッチングするスイッチング回路を複数並列接続して構成され、少なくともいずれかのスイッチング回路の共振周波数が他のスイッチング回路の共振周波数と異なるように、高電位側スイッチング素子、低電位側スイッチング素子及びコンデンサを接続する配線のインダクタンス、コンデンサの静電容量及びコンデンサの寄生インダクタンスの少なくともいずれかが調整されている。
【0014】
この構成によれば、複数のスイッチング回路は、直列接続された高電位側スイッチング素子及び低電位側スイッチング素子に並列接続されるコンデンサをそれぞれ有している。そして、少なくともいずれかのスイッチング回路の共振周波数が他のスイッチング回路の共振周波数と異なるように、高電位側スイッチング素子、低電位側スイッチング素子及びコンデンサを接続する配線のインダクタンス、コンデンサの静電容量及びコンデンサの寄生インダクタンスの少なくともいずれかが調整されている。そのため、特定の周波数成分にノイズレベルのピークが集中し、その周波数成分のノイズレベルが大きくなってしまうような事態を抑えることができる。しかも、従来のように、高電位側スイッチング素子及び低電位側スイッチング素子に並列接続されたダイオードにさらにコンデンサを並列接続し、共振周波数が異なるようにコンデンサの静電容量を調整する場合に比べ、部品点数を抑えることができる。従って、部品点数を抑えながら、リンギングに伴って発生するノイズレベルを抑えることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、高電位側スイッチング素子、低電位側スイッチング素子及びコンデンサを接続する配線のインダクタンスの調整は、高電位側スイッチング素子、低電位側スイッチング素子及びコンデンサを接続する配線の長さを調整することによって行われている。この構成によれば、高電位側スイッチング素子、低電位側スイッチング素子及びコンデンサを接続する配線のインダクタンスを確実に調整することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、コンデンサの寄生インダクタンスの調整は、コンデンサのリード線の長さを調整することによって行われている。この構成によれば、コンデンサの寄生インダクタンスを確実に調整することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、コンデンサは、複数の副コンデンサを接続して構成され、コンデンサの静電容量の調整は、副コンデンサの静電容量を調整することによって行われている。この構成によれば、コンデンサの寄生インダクタンスを確実に調整することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、コンデンサは、複数の副コンデンサを接続して構成され、コンデンサの寄生インダクタンスの調整は、副コンデンサのリード線の長さを調整することによって行われている。この構成によれば、コンデンサの寄生インダクタンスを確実に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態における電力変換装置の回路図である。
図2】パワーモジュール及びコンデンサが接続されたバスバーアセンブリの正面図である。
図3】パワーモジュール及びコンデンサが接続されたバスバーアセンブリの側面図である。
図4】パワーモジュール及びコンデンサが接続されたバスバーアセンブリの下面図である。
図5】スイッチング回路の等価回路の回路図である。
図6図5に示すスイッチング回路に加わるサージ電圧の波形図である。
図7図5に示すスイッチング回路におけるノイズの周波数分析図である。
図8】共振回路の共振周波数が全て同一であった場合における電力変換装置のノイズの周波数分析図である。
図9】第1実施形態における電力変換装置のノイズの周波数分析図である。
図10】第2実施形態における電力変換装置のパワーモジュール及びコンデンサが接続されたバスバーアセンブリの正面図である。
図11】第2実施形態における電力変換装置のパワーモジュール及びコンデンサが接続されたバスバーアセンブリの側面図である。
図12】第2実施形態における電力変換装置のパワーモジュール及びコンデンサが接続されたバスバーアセンブリの下面図である。
図13】第3実施形態における電力変換装置のパワーモジュール及びコンデンサが接続されたバスバーアセンブリの正面図である。
図14】第3実施形態における電力変換装置のパワーモジュール及びコンデンサが接続されたバスバーアセンブリの側面図である。
図15】第3実施形態における電力変換装置のパワーモジュール及びコンデンサが接続されたバスバーアセンブリの下面図である。
図16】第4実施形態における電力変換装置の回路図である。
図17】第4実施形態における電力変換装置のパワーモジュール及びコンデンサが接続されたバスバーアセンブリの正面図である。
図18】第4実施形態における電力変換装置のパワーモジュール及びコンデンサが接続されたバスバーアセンブリの側面図である。
図19】第4実施形態における電力変換装置のパワーモジュール及びコンデンサが接続されたバスバーアセンブリの下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
【0021】
(第1実施形態)
図1に示す電力変換装置1は、バッテリB1から供給される直流を3相交流に変換してモータM1に供給する装置である。ここで、モータM1は、3相巻線m10、m11を有し、3相交流を供給されることでトルクを発生する機器である。電力変換装置1は、スイッチング回路10〜15を備えている。
【0022】
スイッチング回路10〜12は、後述する高電位側FET100a、110a、120aと低電位側FET100b、110b、120bを所定のタイミングで相補的にスイッチングすることで、バッテリB1から供給される直流を3相交流に変換して3相巻線m10に供給する回路である。スイッチング回路10〜12は、パワーモジュール100、110、120と、コンデンサ101、111、121とを備えている。
【0023】
パワーモジュール100、110、120は、高電位側FET100a、110a、120aと、低電位側FET100b、110b、120bと、ダイオード100c、110c、120cとを備えた半導体素子である。
【0024】
高電位側FET100a、110a、120aは、バッテリB1の正極端に接続される高電位側スイッチング素子である。高電位側FET100a、110a、120aには、ダイオード100c、110c、120cがそれぞれ並列接続されている。高電位側FET100a、110a、120aのドレインにダイオード100c、110c、120cのカソードが、ソースにダイオード100c、110c、120cのアノードがそれぞれ接続されている。
【0025】
低電位側FET100b、110b、120bは、バッテリB1の負極端に接続される低電位側スイッチング素子である。低電位側FET100b、110b、120bには、ダイオード100c、110c、120cがそれぞれ並列接続されている。低電位側FET100b、110b、120bのドレインにダイオード100c、110c、120cのカソードが、ソースにダイオード100c、110c、120cのアノードがそれぞれ接続されている。
【0026】
高電位側FET100a、110a、120aと低電位側FET100b、110b、120bは、それぞれ直列接続されている。高電位側FET100a、110a、120aのソースが、低電位側FET100b、110b、120bのドレインにそれぞれ接続されている。高電位側FET100a、110a、120aと低電位側FET100b、110b、120bの直列接続点は、3相巻線m10にそれぞれ接続されている。
【0027】
コンデンサ101、111、121は、直列接続された高電位側FET100a及び低電位側FET100b、高電位側FET110a及び低電位側FET110b、及び、高電位側FET120a及び低電位側FET120bに供給される直流を平滑化する素子である。電解コンデンサである。コンデンサ101、111、121は、直列接続された高電位側FET100a及び低電位側FET100b、高電位側FET110a及び低電位側FET110b、及び、高電位側FET120a及び低電位側FET120bにそれぞれ並列接続されている。コンデンサ101、111、121の一端が高電位側FET100a、110a、120aのドレインに、他端が低電位側FET100b、110b、120bのソースにそれぞれ接続されている。
【0028】
スイッチング回路13〜15は、後述する高電位側FET130a、140a、150aと低電位側FET130b、140b、150bを所定のタイミングで相補的にスイッチングすることで、バッテリB1から供給される直流を3相交流に変換して3相巻線m11に供給する回路である。スイッチング回路13〜15は、パワーモジュール130、140、150と、コンデンサ131、141、151とを備えている。
【0029】
パワーモジュール130、130、150は、高電位側FET130a、140a、150aと、低電位側FET130b、140b、150bと、ダイオード130c、140c、150cとを備えた半導体素子である。
【0030】
高電位側FET130a、140a、150aは、バッテリB1の正極端に接続される高電位側スイッチング素子である。高電位側FET130a、140a、150aには、ダイオード130c、140c、150cがそれぞれ並列接続されている。高電位側FET130a、140a、150aのドレインにダイオード130c、140c、150cのカソードが、ソースにダイオード130c、140c、150cのアノードがそれぞれ接続されている。
【0031】
低電位側FET130b、140b、150bは、バッテリB1の負極端に接続される低電位側スイッチング素子である。低電位側FET130b、140b、150bには、ダイオード130c、140c、150cがそれぞれ並列接続されている。低電位側FET130b、140b、150bのドレインにダイオード130c、140c、150cのカソードが、ソースにダイオード130c、140c、150cのアノードがそれぞれ接続されている。
【0032】
高電位側FET130a、140a、150aと低電位側FET130b、140b、150bは、それぞれ直列接続されている。高電位側FET130a、140a、150aのソースが、低電位側FET130b、140b、150bのドレインにそれぞれ接続されている。高電位側FET130a、140a、150aと低電位側FET130b、140b、150bの直列接続点は、3相巻線m11にそれぞれ接続されている。
【0033】
コンデンサ131、141、151は、直列接続された高電位側FET130a及び低電位側FET130b、高電位側FET140a及び低電位側FET140b、及び、高電位側FET150a及び低電位側FET150bに供給される直流を平滑化する素子である。電解コンデンサである。コンデンサ131、141、151は、直列接続された高電位側FET130a及び低電位側FET130b、高電位側FET140a及び低電位側FET140b、及び、高電位側FET150a及び低電位側FET150bにそれぞれ並列接続されている。コンデンサ131、141、151の一端が高電位側FET130a、140a、150aのドレインに、他端が低電位側FET130b、140b、150bのソースにそれぞれ接続されている。
【0034】
スイッチング回路10〜15は、並列接続され、バッテリB1に接続されている。高電位側FET100a、110a、120a、130a、140aのドレインが共通接続されバッテリB1の正極端に、低電位側FET100b、110b、120b、130b、140bのソースが共通接続されバッテリB1の負極端にそれぞれ接続されている。
【0035】
図2図4に示すように、電力変換装置1は、バスバーアセンブリ16を備えている。バスバーアセンブリ16は、スイッチング回路10〜15を配線するための部品の集合体である。バスバーアセンブリ16は、バスバー160、161を備えている。
【0036】
バスバー160は、パワーモジュール100、110、120、130、140、150をバッテリB1の正極端に接続するとともに、コンデンサ101、111、121、131、141、151の一端をパワーモジュール100、110、120、130、140、150にそれぞれ接続する金属からなる部材である。図1に示す高電位側FET100a、110a、120a、130a、140a、150aのドレインをバッテリB1の正極端に接続するとともに、コンデンサ101、111、121、131、141、151の一端を高電位側FET100a、110a、120a、130a、140a、150aのドレインにそれぞれ接続する部材である。図2図4に示すように、バスバー160は、本体部160aと、端子部160b〜160mとを備えている。
【0037】
本体部160aは、配線を介してバッテリB1の正極端に接続される板状の部位である。
【0038】
端子部160b〜160gは、本体部160aの側面から板厚方向の同一方向に突出し、パワーモジュール100、110、120、130、140、150がそれぞれ接続される棒状の部位である。図1に示す高電位側FET100a、110a、120a、130a、140a、150aのドレインが接続される部位である。図2に示すように、端子部160b〜160gは、同一の長さに設定されている。
【0039】
端子部160h〜160mは、本体部160aの側面から端子部160b〜160gの突出方向と同一方向に突出し、コンデンサ101、111、121、131、141、151の一端が接続される棒状の部位である。端子部160h〜160mは、同一の長さに設定されている。
【0040】
図2図4に示すバスバー161は、パワーモジュール100、110、120、130、140、150をバッテリB1の負極端に接続するとともに、コンデンサ101、111、121、131、141、151の他端をパワーモジュール100、110、120、130、140、150にそれぞれ接続する金属からなる部材である。図1に示す低電位側FET100b、110b、120b、130b、140b、150bのソースをバッテリB1の正極端に接続するとともに、コンデンサ101、111、121、131、141、151の他端を低電位側FET100b、110b、120b、130b、140b、150bのソースにそれぞれ接続する部材である。図2図4に示すように、バスバー161は、本体部161aと、端子部161b〜161mとを備えている。
【0041】
本体部161aは、配線を介してバッテリB1の負極端に接続される板状の部位である。
【0042】
端子部161b〜161gは、本体部161aの側面から端子部160b〜160gの突出方向と同一方向に突出し、パワーモジュール100、110、120、130、140、150がそれぞれ接続される棒状の部位である。図1に示す低電位側FET100b、110b、120b、130b、140b、150bのソースが接続される部位である。図2に示すように、端子部161b〜161gは、同一の長さに設定されている。
【0043】
端子部161h〜161mは、本体部161aの側面から端子部160b〜160gの突出方向と同一方向に突出し、コンデンサ101、111、121、131、141、151の他端が接続される棒状の部位である。端子部161h〜161mは、同一の長さに設定されている。
【0044】
図2図4に示すように、バスバー160、161は、本体部160a、161aを所定の間隔を設けて板厚方向に対向させた状態で、端子部160b〜160m、161b〜161mが露出するように、樹脂によって一体的に固定されている。
【0045】
高電位側FET100a、110a、120a、130a、140a、150aのドレインに接続されたパワーモジュール100、110、120、130、140、150の端子100d、110d、120d、130d、140d、150d、及び、低電位側FET100b、110b、120b、130b、140b、150bのソースに接続されたパワーモジュール100、110、120、130、140、150の端子100e、110e、120e、130e、140e、150eは、同一の長さに設定されている。端子100d、110d、120d、130d、140d、150d及び端子100e、110e、120e、130e、140e、150eの先端部は、端子部160b〜160g及び端子部161b〜161gの先端部にそれぞれ接続されている。
【0046】
コンデンサ101、111、121、131、141、151のリード線101a、111a、121a、131a、141a、151a及びリード線101b、111b、121b、131b、141b、151bは、同一の長さに設定されている。リード線101a、111a、121a、131a、141a、151a及びリード線101b、111b、121b、131b、141b、151bの先端部は、端子部160h〜160m及び端子部161h〜161mの先端部にそれぞれ接続されている。
【0047】
図1に示す電力変換装置1は、スイッチング回路10〜15を構成する高電位側FET100a、110a、120a、130a、140a、150aと低電位側FET100b、110b、120b、130b、140b、150bを所定のタイミングで相補的にスイッチングすることで、バッテリB1から供給される直流を3相交流に変換して3相巻線m11、m11に供給する。
【0048】
例えば、スイッチング回路10において、高電位側FET100aがオン状態になると、低電位側FET100bがオフ状態になる。一方、高電位側FET100aがオフ状態になると、低電位側FET100bがオン状態になる。
【0049】
高電位側FET100aがオン状態、低電位側FET100bがオフ状態になると、図5に示すように、オン状態になった高電位側FET100aのオン抵抗R1、オフ状態になった低電位側FET100bの寄生容量と低電位側FET100bに並列接続されたダイオード100cの接合容量の合成容量C1、スイッチング回路10の配線のインダクタンスL1、コンデンサ101の静電容量C2、寄生インダクタンスL2及び抵抗R2によって共振回路が構成される。高電位側FET100aがターンオンした際、この共振回路で共振が起こり、オフ状態である低電位側FET100bのソース−ドレイン間に、図6に示すように、共振周波数成分をピークとするリンギングを有するサージ電圧が加わる。それに伴って、図7に示すように、共振周波数成分をピークとするノイズが発生する。高電位側FET100aがオフ状態、低電位側FET100bがオン状態になっても、同様に共振回路が構成され、共振周波数成分をピークとするノイズが発生する。
【0050】
図1に示すように、電力変換装置1は、スイッチング回路10〜15を並列接続して構成されている。そのため、それぞれ独立した複数の共振回路が構成されることになる。共振回路の共振周波数が全て同一であった場合、図8に示すように、その共振周波数成分をピークとするノイズレベルが大きくなってしまう。
【0051】
しかし、図1図4に示すコンデンサ101、111、121、131、141、151は、スイッチング回路10〜15の共振周波数がそれぞれ異なるように、静電容量が調整されている。それぞれ異なる静電容量に設定されている。そのため、図9に示すように、ノイズレベルがピークとなる周波数成分f1〜f6が分散される。その結果、特定の周波数成分にノイズレベルのピークが集中し、その周波数成分のノイズレベルが大きくなってしまうような事態を抑えることができる。
【0052】
次に、図1を参照して第1実施形態における電力変換装置の動作について説明する。
【0053】
図1に示すスイッチング回路10〜12は、高電位側FET100a、110a、120aと低電位側FET100b、110b、120bを所定のタイミングで相補的にスイッチングすることで、バッテリB1から供給される直流を3相交流に変換して3相巻線m10に供給する。スイッチング回路13〜15は、高電位側FET130a、140a、150aと低電位側FET130b、140b、150bを所定のタイミングで相補的にスイッチングすることで、バッテリB1から供給される直流を3相交流に変換して3相巻線m11に供給する。モータM1は、3相巻線m10、m11に3相交流を供給されることでトルクを発生する。
【0054】
スイッチング回路10〜15を構成するFETがスイッチングすることで、共振周波数成分をピークとするリンギングを有するサージ電圧が発生する。それに伴って、共振周波数成分をピークとするノイズが発生する。しかし、コンデンサ101、111、121、131、141、151は、スイッチング回路10〜15の共振周波数がそれぞれ異なるように静電容量が調整されている。そのため、ノイズレベルがピークとなる周波数成分が分散される。その結果、特定の周波数成分にノイズレベルのピークが集中し、その周波数成分のノイズレベルが大きくなってしまうような事態を抑えることができる。
【0055】
次に、第1実施形態の電力変換装置の効果について説明する。
【0056】
第1実施形態によれば、スイッチング回路10〜15は、直列接続された高電位側FET100a及び低電位側FET100b、高電位側FET110a及び低電位側FET110b、高電位側FET120a及び低電位側FET120b、高電位側FET130a及び低電位側FET130b、高電位側FET140a及び低電位側FET140b及び高電位側FET150a及び低電位側FET150bに並列接続されるコンデンサ101、111、121、131、141、151を有している。そして、スイッチング回路10〜15の共振周波数がそれぞれ異なるように、コンデンサ101、111、121、131、141、151の静電容量が調整されている。そのため、特定の周波数成分にノイズレベルのピークが集中し、その周波数成分のノイズレベルが大きくなってしまうような事態を抑えることができる。しかも、従来のように、高電位側スイッチング素子及び低電位側スイッチング素子に並列接続されたダイオードにさらにコンデンサを並列接続し、共振周波数が異なるようにコンデンサの静電容量を調整する場合に比べ、部品点数を抑えることができる。従って、部品点数を抑えながら、リンギングに伴って発生するノイズレベルを抑えることができる。
【0057】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の電力変換装置について説明する。第2実施形態の電力変換装置は、第1実施形態の電力変換装置がコンデンサの静電容量を調整することで共振周波数を変えていたのに対して、配線のインダクタンスを調整することで共振周波数を変えるようにしたものである。
【0058】
コンデンサ及びコンデンサを配線するための端子部以外は、第1実施形態と同一である。そのため、コンデンサ及びコンデンサを配線するための端子部以外は、第1実施形態と同一の符号を付し説明を省略する。コンデンサは、第1実施形態と静電容量が異なるだけである。コンデンサを配線する端子部は、第1実施形態と長さが異なるだけである。そのため、コンデンサ及びコンデンサを配線する端子部には、第1実施形態と同一の符号を付すものとする。まず、図10図12を参照して第2実施形態の電力変換装置におけるコンデンサの静電容量及びコンデンサを配線するための端子部の構成について説明する。
【0059】
図10図12に示すコンデンサ101、111、121、131、141、151は、同一の静電容量に設定されている。
【0060】
バスバー160、161の端子部160h〜160m、161h〜161mは、スイッチング回路10〜15の共振周波数がそれぞれ異なるようにインダクタンスが調整されている。端子部160h〜160mは、端子部160hより端子部160iの方が、端子部160iより端子部160jの方が、端子部160jより端子部160kの方が、端子部160kより端子部160lの方が、端子部160lより端子部160mの方が長くなるように設定されている。端子部161h〜161mは、端子部161hより端子部161iの方が、端子部161iより端子部161jの方が、端子部161jより端子部161kの方が、端子部161kより端子部161lの方が、端子部161lより端子部161mの方が長くなるように設定されている。つまり、バスバー160、161の端子部160h〜160m、161h〜161mの長さを調整することによってインダクタンスが調整されている。そのため、第1実施形態の場合と同様に、ノイズレベルがピークとなる周波数成分が分散される。その結果、特定の周波数成分にノイズレベルのピークが集中し、その周波数成分のノイズレベルが大きくなってしまうような事態を抑えることができる。
【0061】
モータに対する電力供給動作は第1実施形態と同一であるため説明を省略する。次に、第2実施形態の電力変換装置の効果について説明する。
【0062】
第2実施形態によれば、スイッチング回路10〜15の共振周波数がそれぞれ異なるように、バスバー160、161のインダクタンスが調整されている。つまり、スイッチング回路10〜15の共振周波数がそれぞれ異なるように、高電位側スイッチング素子、低電位側スイッチング素子及びコンデンサを接続する配線のインダクタンスが調整されている。そのため、特定の周波数成分にノイズレベルのピークが集中し、その周波数成分のノイズレベルが大きくなってしまうような事態を抑えることができる。しかも、従来のように、高電位側スイッチング素子及び低電位側スイッチング素子に並列接続されたダイオードにさらにコンデンサを並列接続し、共振周波数が異なるようにコンデンサの静電容量を調整する場合に比べ、部品点数を抑えることができる。従って、部品点数を抑えながら、リンギングに伴って発生するノイズレベルを抑えることができる。
【0063】
第2実施形態によれば、高電位側スイッチング素子、低電位側スイッチング素子及びコンデンサを接続する配線のインダクタンスの調整は、端子部160h〜160m、161h〜161mの長さを調整することによって行われている。そのため、高電位側スイッチング素子、低電位側スイッチング素子及びコンデンサを接続する配線のインダクタンスを確実に調整することができる。
【0064】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の電力変換装置について説明する。第3実施形態の電力変換装置は、第1実施形態の電力変換装置がコンデンサの静電容量を調整することで共振周波数を変えていたのに対して、コンデンサの寄生インダクタンスを調整することで共振周波数を変えるようにしたものである。
【0065】
コンデンサ以外は、第1実施形態と同一である。そのため、コンデンサ以外は、第1実施形態と同一の符号を付し説明を省略する。コンデンサは、第1実施形態と静電容量及びリード線の長さが異なるだけである。そのため、コンデンサ及びリード線には、第1実施形態と同一の符号を付すものとする。まず、図13図15を参照して第3実施形態の電力変換装置におけるコンデンサの静電容量及びリード線の構成について説明する。
【0066】
図13図15に示すコンデンサ101、111、121、131、141、151は、同一の静電容量に設定されている。
【0067】
コンデンサ101、111、121、131、141、151のリード線101a、111a、121a、131a、141a、151a、101b、111b、121b、131b、141b、151bは、スイッチング回路10〜15の共振周波数がそれぞれ異なるようにインダクタンスが調整されている。
【0068】
リード線101a、111a、121a、131a、141a、151aは、リード線101aよりリード線111aの方が、リード線111aよりリード線121aの方が、リード線121aよりリード線131aの方が、リード線131aよりリード線141aの方が、リード線141aよりリード線151aの方が長くなるように設定されている。リード線101b、111b、121b、131b、141b、151bは、リード線101bよりリード線111bの方が、リード線111bよりリード線121bの方が、リード線121bよりリード線131bの方が、リード線131bよりリード線141bの方が、リード線141bよりリード線151bの方が長くなるように設定されている。つまり、コンデンサ101、111、121、131、141、151のリード線101a、111a、121a、131a、141a、151a、101b、111b、121b、131b、141b、151bの長さを調整することによってインダクタンスが調整されている。そのため、第1実施形態の場合と同様に、ノイズレベルがピークとなる周波数成分が分散される。その結果、特定の周波数成分にノイズレベルのピークが集中し、その周波数成分のノイズレベルが大きくなってしまうような事態を抑えることができる。
【0069】
モータに対する電力供給動作は第1実施形態と同一であるため説明を省略する。次に、第3実施形態の電力変換装置の効果について説明する。
【0070】
第3実施形態によれば、スイッチング回路10〜15の共振周波数がそれぞれ異なるように、リード線101a、111a、121a、131a、141a、151a、101b、111b、121b、131b、141b、151bのインダクタンスが調整されている。つまり、スイッチング回路10〜15の共振周波数がそれぞれ異なるように、コンデンサ101、111、121、131、141、151の寄生インダクタンスが調整されている。そのため、特定の周波数成分にノイズレベルのピークが集中し、その周波数成分のノイズレベルが大きくなってしまうような事態を抑えることができる。しかも、従来のように、高電位側スイッチング素子及び低電位側スイッチング素子に並列接続されたダイオードにさらにコンデンサを並列接続し、共振周波数が異なるようにコンデンサの静電容量を調整する場合に比べ、部品点数を抑えることができる。従って、部品点数を抑えながら、リンギングに伴って発生するノイズレベルを抑えることができる。
【0071】
第3実施形態によれば、コンデンサ101、111、121、131、141、151の寄生インダクタンスの調整は、リード線101a、111a、121a、131a、141a、151a、101b、111b、121b、131b、141b、151bの長さを調整することによって行われている。そのため、コンデンサ101、111、121、131、141、151の寄生インダクタンスを確実に調整することができる。
【0072】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態の電力変換装置について説明する。第4実施形態の電力変換装置は、第1実施形態の電力変換装置が直列接続された高電位側FET及び低電位側FETに並列接続されるコンデンサが1つのコンデンサで構成されているのに対して、このコンデンサを2つの副コンデンサで構成するようにしたものである。
【0073】
コンデンサが2つの副コンデンサで構成されること、及び、副コンデンサを配線するための端子部以外は、第1実施形態と同一である。そのため、副コンデンサ及び副コンデンサを配線するための端子部以外は、第1実施形態と同一の符号を付し説明を省略する。まず、図16図19を参照して第4実施形態の電力変換装置におけるコンデンサの構成について説明する。
【0074】
図16に示すように、コンデンサ101、111、121、131、141、151は、副コンデンサ102、103、副コンデンサ112、113、副コンデンサ122、123、副コンデンサ132、133、副コンデンサ142、143及び副コンデンサ152、153を並列接続して構成されている。
【0075】
副コンデンサ102、112、132、142、152は、高電位側FET100a及び低電位側FET100b、高電位側FET110a及び低電位側FET110b、高電位側FET120a及び低電位側FET120b、高電位側FET130a及び低電位側FET130b、高電位側FET140a及び低電位側FET140b及び高電位側FET150a及び低電位側FET150bに供給される直流を平滑化する素子である。電解コンデンサである。副コンデンサ103、113、133、143、153は、ノイズを除去する素子である。セラミックコンデンサである。
【0076】
図17図19に示すように、端子部160n〜160sは、本体部160aの側面から端子部160b〜160gの突出方向と同一方向に突出し、副コンデンサ102、112、122、132、142、152の一端が接続される棒状の部位である。端子部160n〜160sは、同一の長さに設定されている。
【0077】
端子部160t〜160yは、本体部160aの側面から端子部160b〜160gの突出方向と同一方向に突出し、副コンデンサ103、113、123、133、143、153の一端が接続される棒状の部位である。端子部160t〜160yは、同一の長さに設定されている。
【0078】
端子部161n〜161sは、本体部161aの側面から端子部160b〜160gの突出方向と同一方向に突出し、副コンデンサ102、112、122、132、142、152の他端が接続される棒状の部位である。端子部161n〜161sは、同一の長さに設定されている。
【0079】
端子部161t〜161yは、本体部161aの側面から端子部160b〜160gの突出方向と同一方向に突出し、副コンデンサ103、113、123、133、143、153の他端が接続される棒状の部位である。端子部161t〜161yは、同一の長さに設定されている。
【0080】
副コンデンサ102、112、122、132、142、152のリード線102a、112a、122a、132a、142a、152a及びリード線102b、112b、122b、132b、142b、152bは、同一の長さに設定されている。リード線102a、112a、122a、132a、142a、152a及びリード線102b、112b、122b、132b、142b、152bの先端部は、端子部160n〜160s及び端子部161n〜161sの先端部にそれぞれ接続されている。
【0081】
副コンデンサ103、113、123、133、143、153のリード線103a、113a、123a、133a、143a、153a及びリード線103b、113b、123b、133b、143b、153bは、同一の長さに設定されている。リード線103a、113a、123a、133a、143a、153a及びリード線103b、113b、123b、133b、143b、153bの先端部は、端子部160t〜160y及び端子部161t〜161yの先端部にそれぞれ接続されている。
【0082】
コンデンサ101、111、121、131、141、151は、スイッチング回路10〜15の共振周波数がそれぞれ異なるように、静電容量が調整されている。スイッチング回路10〜15の共振周波数がそれぞれ異なるように、並列接続された副コンデンサ102、103、副コンデンサ112、113、副コンデンサ122、123、副コンデンサ132、133、副コンデンサ142、143及び副コンデンサ152、153の合成静電容量が調整されている。それぞれ異なる合成静電容量に設定されている。そのため、第1実施形態の場合と同様に、ノイズレベルがピークとなる周波数成分が分散される。その結果、特定の周波数成分にノイズレベルのピークが集中し、その周波数成分のノイズレベルが大きくなってしまうような事態を抑えることができる。
【0083】
モータに対する電力供給動作は第1実施形態と同一であるため説明を省略する。次に、第4実施形態の電力変換装置の効果について説明する。
【0084】
第4実施形態によれば、コンデンサ101、111、121、131、141、151は、副コンデンサ102、103、副コンデンサ112、113、副コンデンサ122、123、副コンデンサ132、133、副コンデンサ142、143及び副コンデンサ152、153を並列接続して構成されている。そして、スイッチング回路10〜15の共振周波数がそれぞれ異なるように、コンデンサ101、111、121、131、141、151の静電容量が調整されている。そのため、部品点数を抑えながら、リンギングに伴って発生するノイズレベルを抑えることができる。
【0085】
第4実施形態によれば、コンデンサ101、111、121、131、141、151の静電容量の調整は、並列接続された副コンデンサ102、103、副コンデンサ112、113、副コンデンサ122、123、副コンデンサ132、133、副コンデンサ142、143及び副コンデンサ152、153の合成静電容量を調整することによって行われている。そのため、コンデンサ101、111、121、131、141、151の静電容量を確実に調整することができる。コンデンサの静電容量は、副コンデンサの合成静電容量によって決まる。そのため、副コンデンサの静電容量の組合せを変えることで、コンデンサの静電容量を細かく調整することができる。
【0086】
なお、第4実施形態では、コンデンサが2つの副コンデンサを並列接続して構成されている例を挙げているが、これに限られるものではない。コンデンサを構成する副コンデンサの数は3つ以上でもよい。また、副コンデンサの接続の仕方は、直列接続でもよいし、直列接続と並列接続を組合せてもよい。
【0087】
第4実施形態では、スイッチング回路の共振周波数が異なるように、副コンデンサの合成静電容量を調整することによってコンデンサの静電容量を調整する例を挙げているが、これに限られるものではない。第3実施形態のようにして、スイッチング回路の共振周波数が異なるように、副コンデンサのリード線の長さを調整することによってコンデンサの寄生インダクタンスを調整するようにしてもよい。副コンデンサのリード線の長さを調整することによってコンデンサの寄生インダクタンスを確実に調整することができる。そのため、スイッチング回路の共振周波数を異なるようにすることができる。
【0088】
なお、第1〜第4実施形態では、電力変換装置が6つのスイッチング回路を並列接続して構成される例を挙げているが、これに限られるものではない。電力変換装置は、複数のスイッチング回路を並列接続して構成されていればよい。
【0089】
第1〜第4実施形態では、スイッチング回路の共振周波数が全て異なるように調整されている例を挙げているが、これに限られるものではない。少なくともいずれかのスイッチング回路の共振周波数が他のスイッチング回路の共振周波数と異なる調整されていればよい。特定の周波数成分にノイズレベルのピークが集中してしまうような事態を抑えることができる。そのため、ノイズレベルを抑えることができる。
【0090】
第1及び第4実施形態では、スイッチング回路の共振周波数が異なるように、コンデンサの静電容量が調整され、第2実施形態では、スイッチング回路の共振周波数が異なるように、配線のインダクタンスが調整され、第3実施形態では、スイッチング回路の共振周波数が異なるように、コンデンサの寄生インダクタンスが調整されている例を挙げているが、これに限られるものではない。スイッチング回路の共振周波数が異なるように、配線のインダクタンス、コンデンサの静電容量及びコンデンサの寄生インダクタンスの少なくともいずれかが調整されていればよい。
【符号の説明】
【0091】
1・・・電力変換装置、10〜15・・・スイッチング回路、100a、110a、120a、130a、140a、150a・・・高電位側FET、100b、110b、120b、130b、140b、150b・・・低電位側FET、100c、110c、120c、130c、140c、150c・・・ダイオード、101、111、121、131、141、151・・・コンデンサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19