【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日 平成27年10月5日 ウェブサイトのアドレス http://www.its−mo.com 〔刊行物等〕 ウェブサイトの掲載日 平成27年10月5日 ウェブサイトのアドレス http://www.zenrin−datacom.net/newsrelease/pdf/20151005_01.pdf 〔刊行物等〕 ウェブサイトの掲載日 平成27年12月17日 ウェブサイトのアドレス http://www.its−mo.com 〔刊行物等〕 ウェブサイトの掲載日 平成27年12月17日 ウェブサイトのアドレス http://www.zenrin−datacom.net/newsrelease/pdf/20151217_01.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
A.第1実施形態:
A1.全体構成:
図1は、本発明の第1実施形態である地図表示システムのハードウェア構成を示す図である。第1実施形態の地図表示システムは、地図サーバ150と、時刻表サーバ170と、携帯電話200と、を含む。
【0017】
携帯電話200は、GPSユニット201と、表示パネル202と、音声出力部203と、振動機構204と、通信部205と、入力部206と、時計部209と、主制御部210と、通話制御部220とを有している。
【0018】
GPSユニット201は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信するためのアンテナを含むユニットである。GPSのアンテナが受信する電波に基づいて、GPSユニット201は、携帯電話200の現在位置を表す位置情報を生成することができる。また、GPSユニット201は、衛星からの電波に基づいて、現在時刻を表す時刻情報を生成することができる。
【0019】
表示パネル202は、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。表示パネル202は、表示している画像に応じてパネルの一部に接触されることによりユーザからの指示を受けとることができるタッチパネル206aを備えている。具体的には、表示パネル202は、液晶ディスプレイの上に透明のタッチパネル206aが重ねられて構成される。ユーザは、たとえば、表示パネル202の表面を指で押したり、表示パネル202の表面に接触した状態で指を動かすことにより、画像の表示を制御するための操作を行うことができる。なお、本明細書において、「画像」とは、狭義の画像のほか、文字、記号等を含む概念である。
【0020】
音声出力部203は、スピーカを含む装置であって、経路案内などのユーザへのメッセージやメロディなどを音声で出力できる装置である。振動機構204は、所定のパターンの振動でユーザの注意を促すことができる装置である。
【0021】
入力部206は、上記タッチパネル206aと、ハードウェアとしてのカーソルキー206bを含む。ユーザは、タッチパネル206aだけでなく、カーソルキー206bの周辺部を押してカーソルを移動させ、カーソルキー206bの中央部を押してONの操作を行うことによっても、携帯電話200に情報を入力することができる。
【0022】
通信部205は、インターネットINTを介して地図サーバ150および時刻表サーバ170と通信を行い、情報を送受信することができる。時計部209は、主制御部210からの要求に応じて、現在時刻を表す現在時刻情報を出力する。主制御部210は、たとえば、GPSユニット201から現在時刻を取得できない場合には、時計部209から現在時刻を取得することができる。
【0023】
主制御部210は、携帯電話200の各部を制御するための制御ユニットである。主制御部210は、入力部206を介して携帯電話200に入力された情報に基づいて、携帯電話200の各部を制御することができる。主制御部210は、それらの制御に使用されるCPU211、RAM212、ROM213を備えている。
【0024】
より具体的には、主制御部210は、CPU211でアプリケーションソフトウェアを実行することによって携帯電話200の各部を制御する。主制御部210は、たとえば、GPSユニット201が生成した位置情報を含む所定の形式のデータを、通信部205を介して地図サーバ150に送信することができる。そして、主制御部210は、地図サーバ150から地図データを入手して、その地図データが表す地図を表示パネル202に表示することができる。
【0025】
地図サーバ150は、通信部152と、制御部154と、記憶部155とを有している。地図サーバ150は、通信部152を使用して、インターネットINTを介して携帯電話200や時刻表サーバ170と通信を行うことができる。記憶部155は、地図データベース156、および表示駅データベース159を格納している。制御部154は、地図サーバ150の各部を制御する。
【0026】
地図データベース156は、携帯電話200において表示パネル202に地図画像を表示するために携帯電話200に送信される地図画像データを格納している。地図データベース156は、様々な縮尺の地図画像データを、縮尺および位置の情報と対応付けて格納している。制御部154は、携帯電話200から受け取った地点、縮尺等を表すデータに基づいて、携帯電話200が要求する領域の地図画像であって、予め定められた大きさの地図画像を表す地図画像データを特定し、通信部152を介して携帯電話200に送信する。
【0027】
表示駅データベース159は、様々な鉄道会社、バス会社、船会社などの様々な路線とそれらの路線の駅について、地図の縮尺ごとに、(i)その縮尺の乗換地図において路線や駅を表す表示を表示すべきか否かを表すデータ、(ii)表示すべき路線や駅の地図上の位置、および(iii)表示すべき駅や路線を表す画像データを、格納している。ある縮尺の乗換地図の地図データが生成される際、表示駅データベース159が参照されて、乗換地図において表示されるべき路線および駅が選択され、それらを表す画像データおよび地図上のそれらの表示位置の情報が取得される。乗換地図については、後に説明する。
【0028】
ある縮尺の地図においては、特急が停車する駅を表す表示は表示され、特急が停車しない駅を表す表示は表示されないことがある。より小さい縮尺の地図(広い領域が表示される地図)においては、急行が停車する駅を表す表示は表示され、急行が停車しない駅を表す表示は表示されないことがある。
【0029】
表示駅データベース159において、地図上で駅の表示を表示すべき駅は、ユーザが各駅の位置関係を地図上で把握しやすいように、縮尺に応じてすべての駅の中からあらかじめ選択されている。このように地図上において表示すべき駅を定めることにより、ユーザが各駅の位置関係を地図上で把握しやすい乗換地図を表示することができる。
【0030】
表示駅データベース159において、地図上で路線の表示を表示すべき路線は、ユーザが各路線および駅の位置関係を地図上で把握しやすいように、縮尺に応じてすべての路線の中からあらかじめ選択されている。このように表示すべき路線を定めることにより、ユーザが各駅の位置関係および接続関係を地図上で把握しやすい乗換地図を表示することができる。
【0031】
時刻表サーバ170は、通信部172と、制御部174と、記憶部175とを有している。時刻表サーバ170は、通信部172を使用して、インターネットINTを介して地図サーバ150と通信を行うことができる。記憶部175は、時刻表データベース176を格納している。制御部174は、時刻表サーバ170の各部を制御する。
【0032】
時刻表データベース176は、様々な鉄道会社、バス会社、船会社などの様々な路線の時刻表のデータを格納している。制御部174は、携帯電話200および地図サーバ150から受け取ったデータに基づいて、時刻表データベース176を参照し、特定の駅の特定の時刻近傍の車両の発車時刻の情報、ならびにその車両の停車駅、およびその停車駅の停車時刻および発車時刻の情報を含むデータを作成し、地図サーバ150および携帯電話200に送信することができる。なお、本明細書において交通手段としての「車両」には、自動車、列車のほか、船舶、航空機を含む。また、「発車時刻」には、駅におけるバスや列車の出発時刻のほか、船舶や航空機の出発時刻を含む。
【0033】
A2.地図を表示する処理:
図2および
図3は、携帯電話200の表示パネル202に地図を表示するために、携帯電話200と、地図サーバ150と、時刻表サーバ170と、において行われる処理を示すフローチャートである。
図2および
図3に示される地図表示方法によって、表示パネル202に地図が表示される。
図2および
図3によって表示パネル202に表示される地図は、地図上に路線と駅とが表示される「乗換地図」である。乗換地図において表示される路線には、通常の地図には表示されない地下鉄の路線やバスの路線を含む。
【0034】
なお、「乗換地図」の一種であって、ユーザが指定した到着駅にユーザが指定した到着時刻までに到着するための各駅における発車時刻を表示している地図を、本明細書において「帰還地図」とも呼ぶ。また、記載を簡潔にするために、ユーザが指定した到着駅にユーザが指定した到着時刻までに到着するためのある駅における発車時刻を、単に「発車時刻」と表記することがある。
【0035】
ステップS210cにおいて、ユーザは、まず、入力部206を操作して、携帯電話200に対して、地図を表示すべき旨の要求を行う。具体的には、ユーザは、タッチパネル206aを操作して、携帯電話200上で動いている地図表示用アプリケーションソフトウェアに、たとえば、現在位置を中心とする乗換地図を表示すべき旨の指示を行う。また、すでに乗換地図以外の地図(たとえば、地下鉄やバスの路線が表示されない通常の地図)を表示パネル202に表示している状態において、表示している地図と同じ範囲を乗換地図で表示すべき旨の指示を、地図表示用アプリケーションソフトウェアに対して行うこともできる。
【0036】
携帯電話200の主制御部210は、ユーザから入力された情報に基づいて、表示すべき地図の中心地点を決定し、乗換地図を生成すべき旨の指示とともに、通信部205を介して、中心地点の情報を地図サーバ150に送信する。
【0037】
また、携帯電話200の主制御部210は、表示すべき地図の縮尺の情報も、地図サーバ150に送信する。中心地点と縮尺の情報を地図サーバ150に送信する際に、携帯電話200の表示パネル202に地図を表示していない場合には、主制御部210は、あらかじめ定められた縮尺の情報を、地図サーバ150に送信する。一方、すでに乗換地図以外の地図を表示パネル202に表示している状態において、表示している地図と同じ範囲を乗換地図で表示すべき旨の指示を、ユーザが携帯電話200に行った場合には、主制御部210は、表示している地図の中心地点と縮尺を、地図サーバ150に送信する。
【0038】
ステップS110cにおいて、地図サーバ150の制御部154は、通信部152を介して、携帯電話200から送信された情報を受信する。そして、地図サーバ150の制御部154は、携帯電話200から受信した情報に基づいて、地図データベース156と表示駅データベース159とを参照して、指定された中心地点と縮尺とを有し、携帯電話200の表示パネル202の画面サイズに対応している乗換地図のデータを生成する。なお、携帯電話200の表示パネル202の画面サイズに関する情報は、あらかじめ登録しておいてもよいし、ステップS210cで携帯電話200から受信してもよい。
【0039】
より具体的には、制御部154は、携帯電話200から受信した中心地点および縮尺の情報と、画面サイズと、に基づいて、表示すべき地図の範囲を決定し、その範囲を有する地図画像のデータを地図データベース156から取得する。また、制御部154は、携帯電話200から受信した縮尺の情報に基づいて、表示駅データベース159を参照して、乗換地図において表示すべき路線と駅とを決定し、それらを表す画像データを表示駅データベース159から取得する。
【0040】
そして、制御部154は、地図画像と、駅や路線を表す画像とを重畳して、乗換地図のデータを生成する。なお、この時点で生成される「乗換地図」は、後述する各駅における発車時刻などの表示を含まない。その後、地図サーバ150の制御部154は、通信部152を介して、携帯電話200に乗換地図を表す地図データを送信する。
【0041】
ステップS220cにおいて、携帯電話200の主制御部210は、通信部205を介して、乗換地図を表す地図データを受信し、乗換地図を表示パネル202に表示する。
【0042】
図4は、
図2のステップS220cにおいて携帯電話200の表示パネル202に表示される乗換地図の一例M0aを示す図である。この乗換地図においては、
図4に示すように、地下鉄を含む複数の路線とそれらの路線に含まれる駅との情報が、地図データに含まれる他の情報よりも優先的に重畳表示される。このため、利用者は、表示パネル202に表示された乗換地図を参照することで、表示パネル202に表示された所定のエリアにおける地下鉄を含む路線とその路線に含まれる駅とを地図上で容易に把握することができる。
【0043】
図4に示された乗換地
図M0aにおいて、十字の印でユーザからの情報によって特定された地点PPが示されている。また、乗換地図の表示には、ピンボタンD01、現在地ボタンD02、および拡縮ボタンScが、含まれる。これらのボタンの表示は、携帯電話200の主制御部210によって、地図サーバ150から受け取った乗換地図上に重畳される。
【0044】
乗換地図が表示されている状態において、ピンボタンD01が押され、その後、地図上の一点が指定された場合には、その指定点にピンが表示される。地図がスクロールされた場合には、ピンは、地図上で指定された地点とともに移動する。このような処理により、ユーザは、地図上に目印を残しつつ、訪問地を決定することができる。
【0045】
乗換地図が表示されている状態において、現在地ボタンD02が押された場合には、地図上の現在位置に対応する地点に矢印状の印(D02のアイコン参照)が表示される。なお、表示されている乗換地図の範囲内に現在位置が含まれない場合には、乗換地図の表示範囲は、現在位置を含む範囲に移動する。また、現実の現在位置が移動した場合には、現在位置を表す印は、地図上で現在位置に合致する位置に移動する。このような処理により、ユーザは、現在位置を考慮しつつ、訪問地を決定することができる。
【0046】
乗換地図には、拡縮ボタンScの表示が含まれている。拡縮ボタンScは、表示されている地図の縮尺を変更するためのボタンである。タッチパネル206aを介して、拡縮ボタンScのうち「+」のボタンが押されると、より狭い範囲が拡大されて表された地図が表示される。拡縮ボタンScのうち「−」のボタンが押されると、より広い範囲が表された地図が表示される。また、ユーザは、地図上の一点を指示し、動かすことにより、地図をスクロールさせることができる。
【0047】
図2のステップS220cにおいて、ユーザが、タッチパネル206aを操作して、地図の拡縮やスクロールを指示した場合や、現在地ボタンD02が押されたことに伴って地図のスクロールが必要となる場合には、再度、地図の中心地点の情報や縮尺の情報が、携帯電話200から地図サーバ150に送信される(
図2の「S1c」参照)。そして、地図サーバ150において、再度、乗換地図の地図データが生成され(ステップS110c)、携帯電話200に送信される。
【0048】
ステップS230cにおいて、ユーザは、タッチパネル206aを操作して、乗換地図上で到着駅を指定する。具体的には、携帯電話200の主制御部210は、ユーザによって指定された乗換地図上の地点に最も近い駅を到着駅に決定する。このような処理を行うことにより、ユーザは、正確に地図上の駅の地点を指定しなくとも、到着駅を指定することができる。また、ユーザは、たとえば、地図上で、宿泊先のホテルを指定することにより、ホテルの最寄りの駅を、到着駅として指定することができる。
【0049】
図5は、ステップS220cにおいて表示されている地図上に、ユーザが到着駅として指定したい駅が表示されていない場合の、到着駅の指定方法を示す図である。そのような場合には、ユーザは、地
図M0aの上側に表示されている入力窓Wi(
図4において図示を省略)に到着駅の駅名を入力し、検索ボタンSBを押す。すると、携帯電話200の主制御部210は、地図サーバ150に入力された駅名を送信して、地図サーバ150から、駅の候補の駅名のリストを受信する。このリストにおいては、各駅名は、それぞれの駅が存在する県の名前と対応づけられている。携帯電話200の主制御部210は、候補のリストを表示パネル202に表示する。ユーザは、そのリストの中から目的とする駅を選択して、到着駅を指定する。
【0050】
また、
図2のステップS230cにおいて、ユーザは、携帯電話200の表示パネル202に表示されている自宅ボタンHBを押すことにより、あらかじめ登録されている自宅の最寄り駅を、到着駅として指定することができる。
【0051】
図2のステップS235cにおいて、主制御部210は、到着駅に到着する時刻を入力する領域である時刻入力部を、表示パネル202上に表示する(図示省略)。時刻入力部の表示は、たとえば、24個の時間の候補(0時〜23時)の表示と、60個の分の候補(00分〜59分)とをそれぞれ回転させて選択し、確定ボタンで確定させる方式の表示とすることができる。ユーザは、それらの表示を介して、到着駅に到着すべき時刻を入力することができる。また、時刻入力部は、「終電検索」ボタンを有する。ユーザは、「終電検索」ボタンを押すことにより、到着駅に到着しうる最終の交通手段を検索すべき旨の指示を入力することができる。携帯電話200の主制御部210は、通信部205を介して、到着駅の情報と到着時刻の情報を地図サーバ150に送信する。なお、「終電検索」ボタンが押された場合には、携帯電話200の主制御部210は、到着時刻としての午前2時の情報を地図サーバ150に送信する。
【0052】
ステップS120cにおいて、地図サーバ150の制御部154は、携帯電話200から送信された到着駅と到着時刻の情報を、通信部152を介して受信する。制御部154は、乗換地図の中心地点を中心とする所定範囲に含まれる駅の中から、表示駅データベース159を参照して、駅を抽出する。以下、ステップS120cの処理で抽出された駅を「抽出駅」とも表記する。そして、制御部154は、抽出した各駅における、到着駅に到着時刻までに到着するための車両のうち最後のものの発車時刻を、時刻表サーバ170に問い合わせる。より具体的には、地図サーバ150の制御部154は、到着駅の情報と、到着時刻の情報と、抽出駅の情報とともに、抽出した駅における発車時刻を問い合わせる。
【0053】
ステップS120cで抽出される駅を定める「所定範囲」は、乗換地図の表示範囲よりも広い。「所定範囲」は、たとえば、乗換地図の中心地点を中心とし、乗換地図の表示範囲に対して縦横とも9倍の大きさを有する範囲とすることができる。このように、発車時刻が問い合わせられる駅を、所定範囲に限定することにより、発車時刻の決定に要する負荷を低減し、処理時間を短縮することができる。また、所定範囲を、乗換地図の表示範囲を中心とする範囲に設定することにより、ユーザがスクロールによって携帯電話200の表示パネル202に表示する可能性が高い駅について、発車時刻を計算することができる。
【0054】
ステップS305cにおいて、時刻表サーバ170の制御部174は、地図サーバ150から送信された到着駅の情報と、到着時刻の情報と、抽出駅の情報とを、通信部172を介して受信する。制御部174は、到着駅の情報と、到着時刻の情報と、抽出駅の情報とに基づいて、時刻表データベース176を参照し、到着駅に到着時刻までに到着する車両のうち最後のものの発車時刻を、各抽出駅について、決定する。そして、制御部174は、通信部172を介して、地図サーバ150に、各抽出駅における発車時刻のデータを送信する。
【0055】
ステップS130cにおいて、地図サーバ150の制御部154は、ステップS110cで生成した乗換地図の表示範囲に基づいて、表示駅データベース159を参照して、到着駅に到着時刻までに到着するための発車時刻が計算された抽出駅のうち、携帯電話200の表示パネル202で表示する乗換地図において発車時刻を表示すべき駅を、決定する。
【0056】
ステップS140cにおいて、地図サーバ150の制御部154は、ステップS110cで作成されている乗換地図の上に、ステップS130cで選択された駅の表示と、それらの駅における発車時刻を示す表示と、を表示するための発車時刻データを生成する。そして、制御部154は、通信部152を介して、発車時刻データを携帯電話200に送信する。
【0057】
ステップS240cにおいて、携帯電話200の主制御部210は、通信部205を介して、発車時刻データを受信し、表示パネル202に表示している乗換地図(
図4参照)の上に、ステップS130cで抽出された駅の表示と、それらの各駅についての到着駅に到着時刻までに到着するために利用すべき車両の発車時刻を示す表示と、を重畳して表示する。そのように、ユーザが指定した到着駅にユーザが指定した到着時刻までに到着するための各駅における発車時刻を表示している地図を、本明細書において「帰還地図」とも呼ぶ。
【0058】
図6は、
図2のステップS240cにおいて携帯電話200の表示パネル202に表示される帰還地図の一例M1cを示す図である。
図6は、
図2のステップS235cにおいて、「終電検索」ボタンが押された場合に表示される帰還地図の例M1cを示す。
図6の帰還地
図M1cにおいて、たとえば、電車の正面図が表された二つのマーク、ならびに「神田」という文字の表示Dx10が、
図2のステップS130cで選択された駅の表示として、表示される。「1:01」という発車時刻の表示を含む表示De10が、駅を表す表示Dx10と対応づけて表示される。また、電車の正面図が表された二つのマーク、ならびに「東京」という文字の表示Dx20が、
図2のステップS130cで選択された駅の表示として、表示される。「1:03」という発車時刻の表示を含む表示De20が、駅を表す表示Dx20と対応づけて表示される。そして、電車の正面図が表された二つのマーク、ならびに「有楽町」という文字の表示Dx30が、
図2のステップS130cで選択された駅の表示として、表示される。「1:05」という発車時刻の表示を含む表示De30が、駅を表す表示Dx30と対応づけて表示される。
【0059】
同様に、帰還地
図M1c内の表示Dx42,Dx44,Dx46は、
図2のステップS130cで選択された駅の表示である。表示De42,De44,De46は、それらの駅に対応づけられた発車時刻の表示である。
【0060】
各駅の発車時刻の表示De10,De20,De30,De42,De44,De46は、いずれも白地に黒い文字で表示されている。なお、
図6の帰還地図は、現在時刻から各駅における発車時刻までの時間が十分長い場合の表示態様を示している。
【0061】
このような処理を行うことにより、ユーザは、到着駅(ここでは品川)に到着時刻までに到着するための各駅における交通手段の発車時刻を考慮しつつ、訪問すべき地点を選択し、また、訪問経路および訪問順序を決定することができる。
【0062】
図2のステップS240cにおいて、ユーザが、タッチパネル206aを操作して、乗換地図のスクロールを指示した場合には、再度、地図の中心地点の情報や縮尺の情報が、携帯電話200から地図サーバ150に送信される(
図2の「S2c」参照)。そして、ステップS130cにおいて、地図サーバ150が、再度、乗換地図の地図データを生成し、乗換地図の地図データに基づいて、発車時刻を表示すべき駅を決定する。そして、ステップS140c以下の処理が行われる。
【0063】
ステップS120cにおいて、携帯電話200の表示パネル202で表示されている乗換地図の範囲を超える範囲(ここでは、縦横とも9倍の矩形の範囲)について、各駅からの発車時刻が計算されている。このため、その範囲内で地図のスクロールが行われた場合には、各駅からの発車時刻を計算することなく、迅速に、帰還地図の生成および表示を行うことができる。
【0064】
なお、
図2において図示を省略したが、ステップS240cにおいて、ステップS120cで発車時刻を計算した駅の範囲を超えるスクロールが行われた場合や、乗換地図の拡縮が指示された場合には、処理は、ステップS240cからステップS120cに移行し、再度、ステップS120c以下の処理が行われる。
【0065】
図7は、
図2のステップS240cにおいて携帯電話200の表示パネル202に表示される帰還地図の一例M2cを示す図である。
図2のステップS240cにおいては、表示パネル202に表示しているある駅について、時計部209(
図1参照)から取得される現在時刻からその駅の発車時刻までの時間が、しきい値(ここでは10分)を下回った場合には、その駅の発車時刻の表示は、現在時刻からその駅の発車時刻までの時間がしきい値よりも大きい駅よりも強調して表示される。より具体的には、発車時刻は、赤地に白い文字で表示される。このような態様とすることにより、ユーザは、各駅について、その駅から交通手段を利用する場合には、その駅に急いで向かう必要があることを知ることができる。
【0066】
そして、表示パネル202に表示しているある駅について、その駅の発車時刻が時計部209から取得される現在時刻よりも前である場合、すなわち、現在時刻がその駅の発車時刻を経過した場合には、現在時刻からその駅の発車時刻までの時間がしきい値よりも大きい駅よりも強調して、発車時刻が経過し、その結果、利用できる交通手段がなくなった旨が、表示される。より具体的には、黒地に白い文字で「本日終了」と表示される(
図7の表示De11,De43,De45,De47参照)。すなわち、白地や赤地で表示される表示に比べて明度の低い黒の地色を使用して、「本日終了」の文字が表示される。このような態様とすることにより、ユーザは、その駅から交通手段を利用してその日のうちに到着駅に到着できないことを知ることができる。このため、その日のうちに到着駅に到着するために、これから向かう駅を変更するなど、他の方法を検討することができる。また、白地や赤地の表示の方が目につきやすいため、ユーザの意識をまだ発車時刻が来ていない駅の表示に向けることができる。
【0067】
このようなステップS240cにおける帰還地図の表示の更新は、所定時間(ここでは3分)ごとに繰り返し行われる。ただし、帰還地図において表示される更新ボタンBRを押すことにより、ユーザは、ただちに帰還地図の表示を更新させて、現在時刻に応じた表示を行わせることができる。このような態様とすることにより、ユーザは、帰還地図の更新サイクルに拘束されずに、現在時刻に応じた帰還地図を表示させて、内容を確認することができる。したがって、携帯電話200の主制御部210において、「現在時刻として取得された時刻」は、実際には過去に取得された過去の時刻であってもよい。
【0068】
図3のステップS250cにおいて、帰還地図(
図7参照)を見たユーザは、帰還地図内に表示された駅の中から対象駅を決定し、タッチパネル206aを操作して、帰還地図上で対象駅を指定する。対象駅の指定方法は、到着駅の指定方法と同様である。
【0069】
ステップS265cにおいて、携帯電話200の主制御部210は、通信部205を介して、対象駅の情報を地図サーバ150に送信し、対象駅から到着駅に向かう交通手段の乗換スケジュールを問い合わせる。
【0070】
ステップS150cにおいて、地図サーバ150の制御部154は、通信部152を介して、携帯電話200から送信された対象駅の情報を受信する。そして、地図サーバ150の制御部154は、通信部152を介して、時刻表サーバ170に、対象駅の情報と、ステップS120c(
図2参照)で受け取っている到着駅の情報および到着駅に到着する時刻の情報とを、送信する。そして、制御部154は、対象駅を出発する車両の発車時刻、その車両の路線名、到着駅における到着時刻を含む乗換スケジュールを、時刻表サーバ170に、問い合わせる。
【0071】
ステップS310cにおいて、時刻表サーバ170の制御部174は、対象駅の情報と、到着駅の情報と、到着駅に到着する時刻の情報と、に基づいて、時刻表データベース176を参照し、乗換スケジュールを決定する。乗換スケジュールには、対象駅を出発する車両の発車時刻、対象駅を出発する車両の路線名、および到着駅における到着時刻が含まれる。そして、制御部174は、通信部172を介して、地図サーバ150に、乗換スケジュールのデータを送信する。
【0072】
ステップS160cにおいて、地図サーバ150の制御部154は、乗換スケジュールに含まれる、対象駅と、対象駅を出発する車両の発車時刻と、対象駅を出発する車両の路線と、を含む表示であって、対象駅の表示と対応づけて表示されるべき表示を含む乗換スケジュールの表示用データを生成する。生成されるスケジュール表示用データは、同時に、詳細な乗換スケジュールの提示を指示するための「詳細」ボタンの表示を含む。制御部154は、通信部152を介して、生成したスケジュール表示用データを、携帯電話200に送信する。
【0073】
ステップS270cにおいて、携帯電話200の主制御部210は、通信部205を介して、スケジュール表示用データを受信する。そして、携帯電話200の主制御部210は、スケジュール表示用データに基づいて、対象駅と、対象駅を出発する車両の発車時刻と、対象駅を出発する車両の路線と、を含む表示が、対象駅の表示と対応づけて表示された帰還地図を、表示パネル202に表示する。
【0074】
図8は、ステップS270cにおいて携帯電話200の表示パネル202に表示される帰還地図の一例M3cを示す図である。
図8の帰還地
図M3cにおいて、乗換スケジュールを含む表示De210は、対象駅を表す「東京」という表示と、対象駅を出発する車両の発車時刻である「01時03分」という表示と、対象駅を出発する車両の路線である「JR山手線外回り」という表示と、を含む。さらに、表示De210は、詳細な乗換スケジュールを示すことを指示するための「詳細」ボタンBSを含む。
【0075】
このような処理を行うことにより、ユーザは、地図全体をながめて各駅における発車時刻に基づいて訪問地を検討しつつ(
図6および
図7参照)、到着駅への帰還経路の出発点の候補として選択した対象駅については、出発時間および利用する路線を知ることができる(
図8参照)。
【0076】
図9は、ステップS270cにおいて、「詳細」ボタンBSが押された場合に、携帯電話200の表示パネル202表示される出力結果を示す図である。
図3のステップS270cにおいて、「詳細」ボタンBS(
図8参照)が押された場合には、
図2および
図3の処理を終了し、処理は、乗換案内処理に移行する。乗換案内処理においては、時刻表サーバ170の時刻表データベース176に基づいて、対象駅を出発する車両の発車時刻、到着駅における車両の到着時刻、乗換駅、乗換駅を出発する車両の発車時刻、各駅における車両の到着ホームの番号などが、携帯電話200の表示パネル202表示される。乗換案内処理の詳細な説明は省略する。
【0077】
このような処理を行うことにより、ユーザは、地図全体をながめて各駅における発車時刻に基づいて訪問地を検討しつつ(
図6参照)、到着駅への帰還経路の出発点の候補として選択した対象駅については、出発時間および利用する路線を知ることができる(
図8および
図9参照)。
【0078】
一方、
図3のステップS250cにおいて、ユーザが対象駅として指定した駅が、その発車時刻がすでに経過した駅(たとえば、
図7における神田)である場合には、携帯電話200の主制御部210は、ステップS265cにおいて、通信部205を介して、対象駅の情報を地図サーバ150に送信し、翌日、最初に到着駅に到着する交通手段の乗換スケジュールを問い合わせる。
【0079】
ステップS150cにおいて、地図サーバ150の制御部154は、携帯電話200から送信された対象駅の情報を受信する。そして、地図サーバ150の制御部154は、時刻表サーバ170に、対象駅の情報と、ステップS120c(
図2参照)で受け取っている到着駅の情報とを、送信する。そして、制御部154は、翌日、対象駅を出発し、最初に到着駅に到着する車両の発車時刻、その車両の路線名、到着駅における到着時刻を含む乗換スケジュールを、時刻表サーバ170に、問い合わせる。
【0080】
ステップS310cにおいて、時刻表サーバ170の制御部174は、対象駅の情報と、到着駅の情報と、到着駅に到着する時刻の情報と、に基づいて、時刻表データベース176を参照し、乗換スケジュールを決定する。乗換スケジュールには、対象駅を出発する車両の発車時刻、対象駅を出発する車両の路線名、および到着駅における到着時刻が含まれる。そして、制御部174は、通信部172を介して、地図サーバ150に、乗換スケジュールのデータを送信する。
【0081】
ステップS160cにおいて、地図サーバ150の制御部154は、乗換スケジュールに含まれる、対象駅と、対象駅を出発する車両の発車時刻と、を含む表示であって、対象駅の表示と対応づけて表示されるべき表示を含む乗換スケジュールの表示用データを生成する。生成されるスケジュール表示用データは、同時に、対象駅からの路線の利用によっては当日中には到着駅には到着し得ない旨の表示としての「本日は終了しました」という表示と、「タクシーを呼ぶ」ボタン、「ホテルを探す」ボタン、「漫画喫茶を探す」ボタン、「ファミレスを探す」ボタンを含む。制御部154は、通信部152を介して、生成したスケジュール表示用データを、携帯電話200に送信する。
【0082】
ステップS270cにおいて、携帯電話200の主制御部210は、通信部205を介して、スケジュール表示用データを受信する。そして、携帯電話200の主制御部210は、スケジュール表示用データに基づいて、対象駅と、対象駅を出発する車両の発車時刻と、「本日は終了しました」という表示と、を含む表示が、対象駅の表示と対応づけて表示された帰還地図を、表示パネル202に表示する。
【0083】
図10は、ステップS270cにおいて携帯電話200の表示パネル202に表示される帰還地図の一例M4cを示す図である。
図10の帰還地
図M4cにおいて、乗換スケジュールを含む表示De110は、対象駅を表す「神田」という表示と、対象駅からの路線の利用によっては当日中には到着駅には到着し得ない旨の表示としての「本日は終了しました」という表示と、対象駅を出発する車両であって翌日最初に到着駅に到着するための車両の発車時刻である「始発は4:46です」という表示と、を含む。
【0084】
このような処理を行うことにより、到着駅への帰還経路の出発点の候補として選択した対象駅について、翌日の始発の出発時間を知ることができる(
図10参照)。
【0085】
帰還地
図M4cにおいて、表示De210は、「タクシーを呼ぶ」ボタン、「ホテルを探す」ボタン、「漫画喫茶を探す」ボタン、「ファミレスを探す」ボタンを含む。「タクシーを呼ぶ」ボタンが押された場合には、携帯電話200の主制御部210は、インターネットを介して、タクシーを呼ぶためのサービスに接続し、そのサービスを提供するための画面を表示パネル202に表示する。「ホテルを探す」ボタンが押された場合には、携帯電話200の主制御部210は、インターネットを介して、当日宿泊できるホテルを探すためのサービスに接続し、そのサービスを提供するための画面を表示パネル202に表示する。
【0086】
「漫画喫茶を探す」ボタンが押された場合には、携帯電話200の主制御部210は、インターネットを介して、漫画喫茶を探すためのサービスに接続し、そのサービスを提供するための画面を表示パネル202に表示する。「ファミレスを探す」ボタンが押された場合には、携帯電話200の主制御部210は、インターネットを介して、24時間営業のファミリーレストランを探すためのサービスに接続し、そのサービスを提供するための画面を表示パネル202に表示する。
【0087】
このような処理を行うことにより、ユーザは、始発までの時間を過ごすために利用しうるサービスを簡単に探すことができる。
【0088】
本実施形態における入力部206が、「入力部」に相当する。表示パネル202が「出力部」に相当する。地図サーバ150および時刻表サーバ170と様々なデータのやり取りを行って、表示パネル202の表示に関する様々な機能を実現する主制御部210が、「制御部」に相当する。
【0089】
本実施形態における表示Dx10,Dx20,Dx30,Dx42,Dx44,Dx46が、「第1種の表示」に相当する。表示De10,De20,De30,De42,De44,De46が、「第2種の表示」に相当する。
【0090】
B.変形例:
B1.変形例1:
上記実施形態においては、
図2のステップS210cにおいて、ユーザは、現在位置を中心とする乗換地図を表示すべき旨の指示を携帯電話200に行う例や、すでに表示している地図と同じ範囲を乗換地図で表示すべき旨の指示を携帯電話200に行う例について説明した。しかし、ユーザは、地図表示用アプリケーションソフトウェアに、乗換地図を表示すべき旨の指示を入力する際に、施設名またはその施設の電話番号もしくは住所を入力することにより、その施設を中心とする乗換地図を表示すべき旨の指示を行うこともできる。すなわち、ユーザは、中心位置を特定することができる情報の入力とともに、地図の表示を指示すればよい。
【0091】
B2.変形例2:
上記実施形態においては、自宅の最寄り駅があらかじめ登録されている。しかし、職場の最寄り駅や宿泊先の駅など、他の駅もあらかじめ登録できる態様とすることもできる。そのような態様においては、登録内容(職場、宿泊先など)に応じたボタンを、乗換地図とともに携帯電話200の表示パネル202に表示し、それらのボタンを押すことにより、到着駅の入力ができるように構成することが好ましい(
図2のS230c参照)。このような態様とすることにより、ユーザは、よく使用する駅を簡単な手続で到着駅として指定することができる。
【0092】
たとえば、自宅最寄駅を登録した場合は、自宅アイコンを携帯電話200の表示パネル202上に表示する。そして、表示パネル202上に表示された自宅アイコンがユーザにより選択された場合に、自宅最寄駅を到着駅とし、乗換地図上に表示された各駅に対し、自宅最寄駅に到着時刻までに到着するための発車時刻の情報と、路線の情報と、を表示する。また、会社最寄駅を登録した場合は、会社アイコンを携帯電話200の表示パネル202上に表示する。そして、表示パネル202上に表示された会社アイコンがユーザにより選択された場合に、会社最寄駅を到着駅とし、乗換地図上に表示された各駅に対し、会社最寄駅に到着時刻までに到着するための発車時刻の情報と、路線の情報と、を表示する。これにより、携帯電話200に予め登録した駅を基に、乗換地図上に表示された各駅に対し、発車時刻の情報と、路線の情報と、を表示するようにすることができる。
【0093】
B3.変形例3:
上記実施形態においては、到着駅は、ユーザによって指定された地点の最寄りの駅、またはユーザが検索して得られたリストからユーザが指定する駅である。しかし、到着駅や対象駅の指定は、他の方法で行うこともできる。たとえば、ユーザに路線を指定させ、その路線の駅のリストを携帯電話200の表示パネル202に表示して、そのリスト中からユーザに駅を選択させる態様とすることもできる。
【0094】
また、ユーザが、地図表示用アプリケーションソフトウェアに、施設名またはその施設の電話番号もしくは住所を入力することにより、到着駅や対象駅の入力を行うこともできる。そのような態様においては、施設名またはその施設の電話番号もしくは住所によって特定される地点の最寄りの駅が、到着駅や対象駅とされる。
【0095】
B4.変形例4:
上記実施形態においては、ユーザが入力した情報に基づいて発車時刻を含まない乗換地図が表示された後、ユーザは、乗換地図上で到着駅および到着時刻を指定する(
図2のS220c,S230c,S235c参照)。そして、その指定した到着駅に到着時刻までに到着するための発車時刻を含む帰還地図を表示している(
図2のS240c参照)。しかし、発車時刻を含まない乗換地図を事前に表示せずに、最初から発車時刻を含む帰還地図が生成され表示される態様とすることもできる。この場合、携帯電話200の主制御部210は、到着駅が携帯電話200において予め決定されているか否かを判断し、到着駅が予め決定されている場合には、その予め決定されている到着駅の情報を、通信部205を介して地図サーバ150に送信する(
図2のステップS235c参照)。
【0096】
到着駅が携帯電話200において予め決定されている場合としては、例えば、以下の例が挙げられる。GPSユニット201の機能が有効に設定されており、GPSユニット201により現在位置情報を取得した場合に、その現在位置情報の地点に最も近い駅を到着駅に決定する。また、ユーザが携帯電話200を操作して自宅最寄駅、会社最寄駅等の出発駅を予めユーザIDに対応付けて登録しておき、その出発駅を到着駅として使用する設定がされている場合に、その出発駅を到着駅に決定する。このようにして、乗換地図上での到着駅を予め決定することができる。
【0097】
一方、到着駅が予め決定されていない場合は、表示パネル202上に乗換地図を表示するとともに(
図2のステップS220c)、ユーザに到着駅の入力を促す表示を表示パネル202上に表示する。以下の処理は
図2のステップS230c以下と同じである。
【0098】
B5.変形例5:
上記実施形態においては、発車時刻が計算される駅を定める「所定範囲」(
図2のステップS120c参照)は、表示している乗換地図の中心地点を中心とし、その地図の範囲に対して縦横とも9倍の大きさを有する範囲である。しかし、発車時刻が計算される駅を定める「所定範囲」は、表示している地図の範囲に対して縦横ともN倍(Nは2以上の整数)の大きさを有する矩形の範囲や、表示している地図の中心地点を中心とする所定の大きさの半径を有する円形状の範囲など、他の範囲とすることもできる。
【0099】
B6.変形例6:
上記第1実施形態においては、縮尺に応じてあらかじめ定められた表示すべき駅の情報を格納する表示駅データベース159と、出力部としての携帯電話200の表示パネル202に表示している地図の縮尺と、に基づいて決定された駅について、駅を表す画像と、発車時刻と、が表示される(
図1および
図2のステップS130c参照)。しかし、駅を表す画像と、発車時刻と、が表示される駅は、他の方法で決定されることもできる。
【0100】
たとえば、各駅の表示の優先度を格納する優先度データベース159a(
図1参照)を備え、優先度データベース159aに基づいて、優先度の高いものから選択された、あらかじめ定められた数(たとえば、1つの乗換地図において7個)以下の数の駅について、駅を表す画像と、発車時刻と、を表示する態様としてもよい。
【0101】
表示範囲内のすべての駅について、駅を表す表示や、発車時刻の表示が地図上に表示されると、地図の大部分がそれらの表示で隠されてしまい、各駅の地図上の位置が把握できなくなってしまう可能性がある。しかし、上記の態様とすれば、そのような事態を防止することができる。なお、「あらかじめ定められた数」は、5個、8個など任意の数とすることができ、出力部の地図を表示する部分の大きさおよび描画密度に応じて定めることができる。
【0102】
また、乗換地図の範囲に含まれるすべての駅について、駅を表す画像と、発車時刻と、を表示する態様としてもよい。
【0103】
B7.変形例7:
なお、乗換地図においては、特急が停車する駅について、急行が停車する駅よりも優先的に、前記第1種の表示を表示し、急行が停車する駅について、特急も急行も停車しない駅よりも優先的に、前記第1種の表示を表示する態様とすることもできる。
【0104】
このような態様とすれば、表示範囲内のすべての駅について、駅を表す画像が表示されることにより、特急が停車する大きい駅の地図上の位置が、特急が停車しない駅の画像のために把握できなくなってしまったり、急行が停車する駅の地図上の位置が、特急も急行も停車しない小さい駅の画像のために把握できなくなってしまったりする事態を防止することができる。
【0105】
B8.変形例8:
図6〜
図8および
図10に示した帰還地
図M1c〜M4cの表示画面の例では、表示範囲に、互いに乗り入れをしない複数の路線が存在する。そして、それらの路線は分岐しない。
図6〜
図8および
図10に示した帰還地
図M1c〜M4cにおいては、それらの路線の駅について駅の表示Dx10,Dx20,Dx30,Dx42,Dx44,Dx46、発車時刻の表示De10,De20,De30,De42,De44,De46が表示されている。しかし、帰還地図(乗換地図)に含まれる範囲に分岐する路線が存在する場合には、
図2のステップS240cにおいて、分岐の各枝について、それらの路線に含まれる駅の表示、ならびに発車時刻の表示がなされる。なお、「分岐する路線の各枝」は、基準となる駅(到着駅)から遠ざかる方向に延びつつ路線が分岐している場合、分岐から先に伸びる各枝を意味する。このような処理を行うことにより、ユーザは、地図上の様々な地点を訪問地の候補として検討することができる。
【0106】
B9.変形例9:
上記実施形態においては、地図サーバ150において、地図上に表示される各種のボタンSc,D01,D02を含む地図の地図データが生成される。しかし、地図上に表示される1以上のボタンは、地図サーバ150で生成される地図のデータには含まれず、携帯電話200において、地図上に重畳されてもよい。
【0107】
B10.変形例10:
上記実施形態においては、地図サーバ150の制御部154は、ステップS140cにおいて、発車時刻データを生成し、携帯電話200に送信している。そして、携帯電話200の主制御部210は、ステップS240cにおいて、表示パネル202に表示した
図4に示す乗換地図上に発車時刻データを重畳した帰還地図を表示するようにしている。しかし、以下のような態様とすることも可能である。すなわち、地図サーバ150の制御部154は、ステップS140cにおいて、ステップS110cで作成されている乗換地図の上に、ステップS130cで選択された駅の表示と、それらの駅についての発車時刻とを示す表示と、を表示した帰還地図の地図データを生成し、携帯電話200に送信する。そして、携帯電話200の主制御部210は、ステップS240cにおいて、地図サーバ150から受信した地図データを基に、
図6に示す帰還地図を表示パネル202に表示する。
【0108】
同様に、対象駅と、対象駅を出発する車両の発車時刻と、対象駅を出発する車両の路線と、を含む表示(
図8のDe210参照)についても、上記実施形態の様に、地図サーバ150においてスケジュール表示用データを生成して、携帯電話200がスケジュール表示用データに基づいて、上記表示を行う態様(
図3のS160c,S270c参照)以外に、以下のような態様とすることもできる。すなわち、地図サーバ150の制御部154は、ステップS160cにおいて、上記処理で作成されている発車時刻の表示を含む帰還地図の上に、対象駅と、対象駅を出発する車両の発車時刻と、対象駅を出発する車両の路線と、を含む表示を表示した新たな帰還地図の地図データを生成し、携帯電話200に送信する。そして、携帯電話200の主制御部210は、ステップS270cにおいて、地図サーバ150から受信した地図データを基に、
図8に示す帰還地図を表示パネル202に表示する。
【0109】
B11.変形例11:
上記実施形態においては、地図サーバ150は、地図データベース156から取得した地図画像に対し、表示駅データベース159から取得した路線や駅を表す画像を重畳して、乗換地図のデータを作成している。しかし、他の方法で乗換地図を表示することもできる。地図データベース156が保持している地図データは、地図上に表示すべき対象(河や湖、道路、信号、建物、路線、駅など)について、表示の優先度または優先順位を保持している。そして、優先度(優先順位)の高い対象は、優先度が低い対象が地図上に表示されていない状態であっても、地図上に表示され得る。すなわち、地図上には、所定の基準に対して高い優先度を有する対象物が表示され、低い優先度を有する対象物は表示されない。そのような態様において、地図サーバ150は、地図データベース156から取得した地図画像に含まれる路線や駅の情報の表示優先順位を高め、地図画像上にその路線や駅の情報を重畳した乗換地図のデータを作成するようにしても良い。これにより、
図4に示すように、路線や駅の情報が重畳された乗換地図を携帯電話200の表示パネル202に表示することができる。
【0110】
B12.変形例12:
上記実施形態においては、現在時刻として取得された時刻より発車時刻が前である駅については、すなわち、現在時刻が発車時刻を経過した駅については、発車時刻を表示しない。しかし、現在時刻として取得された時刻より発車時刻が後である駅であっても、発車時刻からの経過時間が基準時間未満である駅については、発車時刻を表示し、その経過時間が基準時間を超えている場合に、発車時刻を表示しない態様とすることもできる。そのような態様とすれば、ユーザは、どの程度、早く行動すればその駅の発車時刻に間に合ったかを知ることができる。
【0111】
B13.変形例13:
上記実施形態においては、現在時刻からその駅の発車時刻までの時間が、しきい値(一例として10分)を下回った場合には、その駅の発車時刻の表示は、現在時刻からその駅の発車時刻までの時間がしきい値よりも大きい駅よりも強調して表示される。しかし、各駅の発車時刻の表示は、他の態様で表示することもできる。
【0112】
たとえば、値が異なるしきい値を2種類以上(たとえば、2種類または3種類)設定し、現在時刻からその駅の発車時刻までの時間が、各しきい値を下回るたびにより強調した表示を行う態様とすることもできる。たとえば、まず、発車時刻の表示を白地で表示し、現在時刻からその駅の発車時刻までの時間が第1のしきい値を下回ったときに、発車時刻の表示を黄色地で表示する。そして、発車時刻までの時間が第1のしきい値より小さい第2のしきい値を下回ったときに、発車時刻の表示を赤地で表示する。このような態様とすれば、現在時刻の経過に応じて、ユーザはどの駅の近傍にいるべきかを容易に判断することができる。
【0113】
B14.変形例14:
上記実施形態においては、
図6に示すように、携帯電話200の表示パネル202表示される各駅について、所定の到着駅に所定の到着時刻までに到着しうる最後の発車時刻を表示する。しかし、出力部としての表示パネル202表示される各駅について、所定の到着駅に所定の到着時刻までに到着しうる複数の発車時刻を表示するようにしても良い。例えば、携帯電話200の表示パネル202表示される各駅について、
図9に示すような複数の発車時刻の情報を取得し、その取得した情報を基に、携帯電話200の表示パネル202表示される各駅について、所定の到着駅に所定の到着時刻までに到着しうる複数の発車時刻を表示するようにしても良い。この場合であっても、ユーザは、所定の到着駅に所定の到着時刻までに到着するための各駅における交通手段の複数の発車時刻を考慮しつつ、訪問すべき地点を選択し、また、訪問経路および訪問順序を決定することができる。なお、その際、所定の到着駅に所定の到着時刻までに到着しうる最後の発車時刻を表示せず、所定の到着駅に所定の到着時刻までに到着しうる他の発車時刻を表示する態様とすることもできる。
【0114】
B15.変形例15:
上記実施形態においては、
図2のステップS235cにおいて、「終電検索」ボタンが押された場合を想定して、
図7、
図8、
図10の説明をした。しかし、
図2のステップS235cにおいて、到着時刻が指定された場合には、他の態様の表示を行うこともできる。すなわち、
図7、
図8、
図10の「本日終了」の表示De11,De45,De47に代えて、現在時刻として取得された時刻より発車時刻が後である駅の発車時刻の表示よりも明度の低い色を使用して、発車時刻が経過したことを表す表示、たとえば、「発車済み」等の表示をすることもできる。また、現在時刻として取得された時刻より発車時刻が後である駅の発車時刻の表示よりも明度の低い色を使用して、発車時刻を表示することもできる。
【0115】
また、上記実施形態においては、発車時刻が経過した旨の表示には、発車時刻の表示よりも明度の低い黒の地色を使用して、文字が表示される。しかし、発車時刻が経過した旨の表示を、発車時刻の表示と同じ明度で表示することもでき、さらに、発車時刻の表示よりも明度の高い色で表示することもできる。
【0116】
B16.変形例16:
上記実施形態においては、鉄道およびその駅を例に本発明についての説明をした。しかし、本発明は、バス路線や定期運行船、航空機などの鉄道以外の交通手段にも適用することができる。すなわち、あらかじめ定められた地点(鉄道の駅、バスの停留所、港、空港など)の間を、あらかじめ定められた時刻表に沿って移動する様々な場合について、本発明は適用することができる。
【0117】
B17.変形例17:
サーバ150の地図データベース156内に格納されている画像データとしての地図画像データは、ラスタデータとして保持されていてもよいし、ベクトルデータとして保持されていてもよい。ユーザが携帯する端末装置としての携帯電話200に送信される地図画像データも、ラスタデータであってもよいし、ベクトルデータであってもよい。さらに、地図データベース156内の地図画像データと、端末装置に送信される地図画像データは、いずれか一方をベクトルデータとし、他方をラスタデータとすることもできる。
【0118】
B18.変形例18:
上記実施形態では、GPSを利用する態様について説明したが、現在位置の情報の生成は、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、Galile oなどのGPS以外の他の衛星測位システム(Satellite Navigation System)、言い換えれば、世界的航法衛星システム(GNSS:Global Navigation System)によってもよい。また、たとえば、移動端末における位置情報の生成は、携帯電話の基地局のみに基づいて、行ってもよい。そのような態様においては、移動端末は、世界的航法衛星システムの受信装置を備えない態様とすることができる。さらに、移動端末において位置情報を生成する構成要素は、複数の方式、たとえば、衛星測位システムを利用した方式と、携帯電話の基地局を利用する方式を併用する態様とすることもできる。
【0119】
すなわち、移動端末において位置情報を生成する構成要素は、現在位置の情報を特定できるものであれば、どのような原理に基づくもの、どのような機関が運営するシステムを利用するものであってもよい。
【0120】
B19.変形例19:
上記実施形態においては、地図表示システムは、その構成要素として、地図サーバ150と、時刻表サーバ170と、携帯電話200と、を含む。しかし、ユーザが携帯し、GPSユニットを備える携帯端末に、地図サーバ150や時刻表サーバ170など、他の構成要素の機能を備える態様とすることもできる。また、地図サーバ150と時刻表サーバ170とは、同じサーバであってもよい。上記実施形態において携帯電話200として例示した携帯端末は、いわゆるフィーチャーフォンやスマートフォンであってもよく、電話機能を備えない機器としての、PDA(Personal Data Assistant)や、他のコンピュータなどとすることもできる。すなわち、携帯端末は、ユーザが携帯でき、現在位置を特定することができる装置であればよい。
【0121】
すなわち、地図表示装置としての地図表示システムは、その各構成要素が一つの筐体内に収納されている一つの装置であってもよい。また、地図表示システムは、その構成要素が、互いにデータ通信回線で結ばれている2以上の装置として構成されるものとすることもできる。経路データを生成する機能、特定領域を選択する機能などの各機能については、各装置に1以上の任意の機能を割り当てることができる。そして、各機能は、それぞれ一つの装置で実現されてもよく、2以上の装置が協働して実現してもよい。なお、2以上の構成要素が通信回線で結ばれている態様においては、ユーザに対して情報を出力する出力部は、ユーザに携帯されるものであることが好ましい。
【0122】
B20.変形例20:
上記実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、アプリケーションソフトウェアの機能の一部を制御回路が実行するようにすることもできる。
【0123】
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、磁気ディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。ホストコンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からホストコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがホストコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをホストコンピュータが直接実行するようにしてもよい。
【0124】
この明細書において、ホストコンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなホストコンピュータに、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0125】
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【0126】
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。