【実施例】
【0114】
以下の実施例は、純粋に例示的であることが意図され、いかなる様式でも限定的であると考えられるべきではない。用いる数値(例えば、量、温度など)に関して正確さを保証するよう努力してきたが、幾分の実験誤差および偏りが含まれるであろう。特に記載がないかぎり、温度は摂氏度である。試薬はSigma-Aldrich、Alfa Aesar、またはTCIなどの商業的供給業者から購入し、特に記載がないかぎり、それ以上精製せずに用いた。
【0115】
特に記載がないかぎり、以下に示す反応は窒素もしくはアルゴンの陽圧下で、または無水溶媒中、乾燥チューブを用いて実施し;反応フラスコには基質および試薬をシリンジから導入するためのゴム栓を取り付け;ガラス器具は乾燥器で乾燥および/または熱乾燥した。
【0116】
特に記載がないかぎり、カラムクロマトグラフィ精製は、シリカゲルカラムを有するBiotageシステム(製造者:Dyax Corporation)もしくはシリカSepPakカートリッジ(Waters)で行うか、またはTeledyne Isco Combiflash精製システムであらかじめ充填されたシリカゲルカートリッジを用いて行った。
【0117】
1H NMRスペクトルはVarian機器で400MHzで操作して記録した。
1H NMRスペクトルは溶媒としてCDCl
3、CD
2Cl
2、CD
3OD、D
2O、d
6-DMSO、d
6-アセトンまたは(CD
3)
2COおよび参照標準としてテトラメチルシラン(0.00ppm)または残留溶媒(CDCl
3:7.25ppm;CD
3OD:3.31ppm;D
2O:4.79ppm;d
6-DMSO:2.50ppm;d
6-アセトン:2.05;(CD3)2CO:2.05)を用いて得た。ピーク多重度を報告する場合、以下の略語を用いる:s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、qn(五重線)、sx(六重線)、m(多重線)、br(幅広)、dd(二重線の二重線)、dt(三重線の二重線)。カップリング定数を示す場合、ヘルツ(Hz)で報告する。試薬以外のすべての化合物名はChemdrawバージョン12.0で作成した。
【0118】
以下の実施例において、以下の略語を用いる。
AcOH 酢酸
Aq 水性
食塩水 塩化ナトリウム飽和水溶液
CH
2Cl
2 ジクロロメタン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
Dppf 1,1''-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
DBU 1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン
DIEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4-N,N-ジメチルアミノピリジン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
Et
2Oまたはエーテル ジエチルエーテル
G グラム
hまたはhr 時間
HATU 2-(1H-7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートメタンアミニウム
HCl 塩酸
HPLC 高性能液体クロマトグラフィ
IPA 2-プロパノール
i-PrOH イソプロピルアルコール
Mg ミリグラム
mL ミリリットル
Mmol ミリモル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
Min 分
msまたはMS マススペクトル
Na
2SO
4 硫酸ナトリウム
Rt 保持時間
Rtまたはrt 室温
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィ
μL マイクロリットル
【0119】
以下の実施例において、以下の略語を用いる。
【0120】
実施例1:化合物1〜19の合成
化合物1:2,3,5,10-テトラヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-6(1H)-オン
【0121】
段階1:2-ブロモ-3-((3-オキソシクロヘキサ-1-エン-1-イル)アミノ)安息香酸メチル
3-アミノ-2-ブロモ安息香酸メチル(2.39g、10.0mmol)およびシクロヘキサン-1,3-ジオン(1.12g、10.0mmol)を10mLの酢酸に窒素下、25℃で溶解した。混合物を80℃で8時間撹拌した。得られた固体をシリカゲルのクロマトグラフィカラム(ヘキサン/酢酸エチルで溶出)で精製して、2.46g(76%)の2-ブロモ-3-((3-オキソシクロヘキサ-1-エン-1-イル)アミノ)安息香酸メチルを黄褐色泡状物で得た。
【0122】
段階2:4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-5-カルボン酸メチル
アセトニトリル(10mL)中の2-ブロモ-3-(3-オキソシクロヘキサ-1-エニルアミノ)安息香酸メチル(0.97g、3.0mmol)、酢酸パラジウム(0.14g、0.6mmol)、トリ-o-トリルホスフィン(0.73g、2.4mmol)、およびトリエチルアミン(0.38g、3.6mmol)の混合物を、窒素を流した密封管中、100℃で20時間加熱した。冷却した反応混合物をDCM(3×50mL)および水(10mL)で希釈した。有機層を分離し、水で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、濃縮した。残った残渣をシリカゲルのクロマトグラフィにかけ、ヘキサン中0〜100%EtOAcの勾配で溶出して、表題化合物(0.61g、84%)を得た。
【0123】
段階3:2,3,5,10-テトラヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-6(1H)-オン
メタノール(4mL)中の化合物4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-5-カルボン酸メチル(73mg、0.3mmol)、酢酸(0.15mL、2.6mmol)、およびヒドラジン水和物(0.86mL、1.5mmol)の溶液を加熱還流した。8時間後、固体を熱ろ過により回収し、水、EtOAc、およびジクロロメタンで洗浄して、目的化合物(42mg、62%)を得た。
【0124】
以下の実施例、化合物2から19を、化合物1についての手順に従い、当業者には理解されうる適切な条件下で、対応する置換または無置換3-アミノ-2-ブロモ安息香酸メチルおよび環式1,3-ジオンを用いて調製した。
【0125】
実施例2:化合物20〜21の合成
化合物20
8-オキソ-3,4,8,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-2(1H)-カルボン酸ベンジル
【0126】
段階1:3-((2-ブロモ-3-(メトキシカルボニル)フェニル)アミノ)-5-オキソ-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボン酸ベンジル
3-アミノ-2-ブロモ安息香酸メチル(0.25g、1.1mmol)および3,5-ジオキソピペリジン-1-カルボン酸ベンジル(0.13g、0.55mmol)を10mLの酢酸に窒素下、25℃で溶解した。混合物を70℃で8時間撹拌した。得られた固体をシリカゲルのクロマトグラフィカラム(ヘキサン/酢酸エチルで溶出)で精製して、0.13g(51%)の3-((2-ブロモ-3-(メトキシカルボニル)フェニル)アミノ)-5-オキソ-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボン酸ベンジルを黄褐色泡状物で得た。
【0127】
段階2:4-オキソ-3,4-ジヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-2,5(9H)-ジカルボン酸2-ベンジル5-メチル
アセトニトリル(2mL)中の3-((2-ブロモ-3-(メトキシカルボニル)フェニル)アミノ)-5-オキソ-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボン酸ベンジル(0.13g、0.28mmol)、酢酸パラジウム(0.013g、0.06mmol)、トリ-o-トリルホスフィン(0.72g、0.19mmol)、およびトリエチルアミン(0.36g、0.36mmol)の混合物を窒素を流した密封管中、100℃で9時間加熱した。冷却した反応混合物をDCM(3×50mL)および水(10mL)で希釈した。有機層を分離し、水で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、濃縮した。残った残渣をシリカゲルのクロマトグラフィにかけ、ヘキサン中0〜100%EtOAcの勾配で溶出して、表題化合物(0.076g、72%)を得た。
【0128】
段階3:8-オキソ-3,4,8,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-2(1H)-カルボン酸ベンジル
メタノール(4mL)中の化合物4-オキソ-3,4-ジヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-2,5(9H)-ジカルボン酸2-ベンジル5-メチル(70mg、0.18mmol)、酢酸(0.15mL、2.6mmol)、およびヒドラジン水和物(0.86mL、1.5mmol)の溶液を加熱還流した。8時間後、固体を熱ろ過により回収し、水、EtOAc、およびジクロロメタンで洗浄して、目的化合物(61mg、94%)を得た。
【0129】
化合物21
6-フルオロ-8-オキソ-3,4,8,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-2(1H)-カルボン酸ベンジル
化合物21を、2-ブロモ-5-フルオロ-3-アミノ安息香酸メチルおよび3,5-ジオキソピペリジン-1-カルボン酸ベンジルから、化合物20についての手順に従い、当業者には理解される適切な条件下で調製した。
【0130】
実施例3:化合物22〜25の合成
化合物22:
10-メチル-2,3,5,10-テトラヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-6(1H)-オン
【0131】
段階1:9-メチル-4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-5-カルボン酸メチル
THF(5ml)中の4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-5-カルボン酸メチル(0.27g、1mmol)の溶液に、N
2下、0℃でカリウムt-ブトキシド(0.12g、1.05mmol)を加えた。反応混合物を30分間撹拌した後、ヨウ化メチル(0.76g、5.0mmol)を加えた。3時間後、反応混合物を濃縮して残渣を得、EtOAc(40ml)と1N HCl(5ml)との間で分配した。層を振盪し、分離した。有機層を1N HCl(2×80ml)および食塩水(2×10ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、濃縮して、固体(0.46g)を得た。固体をそれ以上精製せずに次の段階で用いた。
【0132】
段階2:10-メチル-2,3,5,10-テトラヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-6(1H)-オン
所望の生成物を化合物1の段階3に類似の手順を用いて調製した。
【0133】
化合物23:2,2,10-トリメチル-2,3,5,10-テトラヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-6(1H)-オン
化合物23を、2,2-ジメチル-4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-5-カルボン酸メチルおよびヨウ化メチルから、化合物22についての手順に従い、当業者には理解される適切な条件下で調製した。
【0134】
化合物24:10-ベンジル-2,3,5,10-テトラヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-6(1H)-オン
化合物24を、2,2-ジメチル-4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-5-カルボン酸メチルおよび塩化ベンジルから、化合物22についての手順に従い、当業者には理解される適切な条件下で調製した。
【0135】
化合物25:2,2,5,10-テトラメチル-2,3,5,10-テトラヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-6(1H)-オン
所望の生成物を実施例22の段階1に類似の手順を用いて調製した。続いて、2,2-ジメチル-2,3,5,10-テトラヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-6(1H)-オン(0.02g、0.08mmol)をDMF(2ml)中でNaH(2.4mg、0.1mmol)およびヨウ化メチル(0.06g、0.4mmol)と反応させて、所望の生成物(20mg、95%)を黄色固体で得た。
【0136】
実施例4:化合物26の合成
化合物26:8-フルオロ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-1,6(5H,10H)-ジオン
無水ジオキサン(25mL)中のカルバマート、8-フルオロ-2,2-ジメチル-2,3,5,10-テトラヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-6(1H)-オン(0.5g、1.8mmol)の溶液に、SeO
2(0.32g、2.7mmol)を加えた。混合物を40時間還流し、セライトを通してろ過した。固体材料をEt
2Oで十分に洗浄した。ろ液を濃縮し、残渣をクロマトグラフィにかけて、生成物(200mg、38%)を固体で得た。
【0137】
実施例5:化合物27の合成
化合物27:8-フルオロ-1-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-2,3,5,10-テトラヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-6(1H)-オン
10mLのMeOH中の8-フルオロ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-1,6(5H,10H)-ジオン(50mg、0.18mmol)の溶液に、NaBH
4(0.18mmol)を0℃で加えた。混合物をさらに30分間撹拌した。溶液を氷水に加え、EtOAc(5mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、H
2O(5mL×3)および食塩水(5mL×3)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、ろ過した。ろ液を濃縮し、残渣をクロマトグラフィにかけて粗生成物を得、これを次いで調製用HPLCで精製して、生成物(5mg)を黄色固体で得た。
【0138】
実施例6:化合物28〜39の合成
化合物28:10-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-2,2-ジメチル-2,3,5,10-テトラヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-6(1H)-オン
2,2-ジメチル-2,3,5,10-テトラヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-6(1H)-オン(94mg、0.37mmol)およびDMF(10mL)の冷却溶液(0℃)に、K
2CO
3(205mg、1.48mmol)をゆっくり加え、次いでN,N-ジメチルアミノ-2-クロロエタン(53mg、0.37mmol)を加えた。得られた溶液を70℃で4時間撹拌した。溶液を冷却し、水を加えた(10mL)。混合物を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。有機層を合わせ、Na
2SO
4で乾燥し、ろ過した。ろ液を濃縮し、残渣をクロマトグラフィにかけて、生成物(90mg、75%)を黄色固体で得た。
【0139】
化合物29から39を、化合物28についての手順に従い、当業者には理解される適切な条件下で、対応する出発原料を用いて調製した。
【0140】
実施例7:化合物40の合成
化合物40:10-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-8-フルオロ-2,2-ジメチル-2,3,5,10-テトラヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-6(1H)-オン
化合物40を、8-フルオロ-2,2-ジメチル-2,3,5,10-テトラヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-6(1H)-オンおよびN,N-ジメチルアミノ-2-クロロエタンから、化合物28についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0141】
実施例8:化合物41の合成
化合物41:2,2-ジメチル-10-(オキシラン-2-イルメチル)-2,3,5,10-テトラヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-6(1H)-オン
化合物41を、2,2-ジメチル-2,3,5,10-テトラヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-6(1H)-オンおよび2-(クロロメチル)オキシランから、化合物28についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0142】
実施例9:化合物42の合成
化合物42:2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
メタノール10mL中の化合物20(34mg、0.1mmol)および炭素担持パラジウム(10%)(10mg)の混合物を、水素風船下、室温で5時間撹拌した。次いで、混合物をセライトのパッドを通してろ過した。触媒ケークをメタノールで洗浄した。ろ液を濃縮した。得られた残渣をHPLCで精製して、目的生成物をギ酸塩(白色固体)で得た(13mg、50%)。
【0143】
実施例10:化合物43の合成
化合物43:6-フルオロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
化合物43を、化合物21および炭素担持パラジウム(10%)から、化合物42についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0144】
実施例11:化合物44の合成
化合物44:
2-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
【0145】
段階1:2-メチル-4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-5-カルボン酸メチル
4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-5-カルボン酸メチル(0.04g、0.016mmol)およびNaCNBH
3(2.4mg、0.04mmol)を丸底フラスコに加え、次いでこれらをMeOH(2mL)に溶解し、0.5mLの27%ホルムアルデヒド水溶液で処理した。この混合物を2時間撹拌し、その後、2N HCl(2mL)を加え、続いて15分間撹拌した。混合物に濃NaOH水溶液を加えてpH=11とし、塩化メチレン(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、濃縮した。粗生成物をそれ以上精製せずに次の段階で用いた。
【0146】
段階2:2-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
化合物44を、2-メチル-4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-5-カルボン酸メチルおよびヒドラジン水和物から、化合物1についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0147】
実施例12:化合物45の合成
化合物45:2-イソプロピル-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
化合物45を、4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-5-カルボン酸メチルおよびアセトンから、化合物44についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0148】
実施例13:化合物46の合成
化合物46:6-フルオロ-2-イソプロピル-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
化合物46を、7-フルオロ-4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-5-カルボン酸メチルおよびアセトンから、化合物44についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0149】
実施例14:化合物47の合成
化合物47:2-(シクロプロパンカルボニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
【0150】
段階1:2-(シクロプロパンカルボニル)-4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-5-カルボン酸メチル
CH
2Cl
2(10mL)中の4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-5-カルボン酸メチル(0.21g、0.82mmol)および塩化シクロプロパンカルボニル(0.074mL、0.82mmol)の溶液に、DIPEA(0.143mL)を0℃で加え、混合物を-5℃で1.0時間撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させて粗生成物を得、これを調製用TLCで精製して、表題化合物(170mg)を得た。MS (ESI) m/e [M+1]
+ 313。
【0151】
段階2:2-(シクロプロパンカルボニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
化合物47を、2-(シクロプロパンカルボニル)-4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-5-カルボン酸メチルおよびヒドラジン水和物から、化合物1についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0152】
実施例15:化合物48の合成
化合物48:2-(シクロプロパンカルボニル)-4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
化合物48を、2-(シクロプロパンカルボニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オンおよびN,N-ジメチルアミノ-2-クロロエタンから、化合物28についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0153】
実施例16:化合物49の合成
化合物49:2-(シクロプロパンカルボニル)-6-フルオロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
化合物49を、7-フルオロ-4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-5-カルボン酸メチルおよび塩化シクロプロパンカルボニルから、化合物47についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0154】
実施例17:化合物50の合成
化合物50:2-(シクロプロパンカルボニル)-4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-6-フルオロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
化合物50を、2-(シクロプロパンカルボニル)-6-フルオロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オンおよびN,N-ジメチルアミノ-2-クロロエタンから、化合物28についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0155】
実施例18:化合物51の合成
化合物51:2-ピバロイル-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
化合物51を、4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-5-カルボン酸メチルおよび塩化ピバロイルから、化合物47についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0156】
実施例19:化合物52の合成
化合物52:6-フルオロ-2-ピバロイル-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
化合物52を、7-フルオロ-4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-5-カルボン酸メチルおよび塩化ピバロイルから、化合物47についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0157】
実施例20:化合物53の合成
化合物53:2-シクロヘキシル-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
化合物53を、4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-5-カルボン酸メチルおよびシクロヘキサノンから、化合物44についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0158】
実施例21:化合物54の合成
化合物54:2-(3,3-ジメチルブチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
化合物54を、2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オンおよび3,3-ジメチルブタナールから、化合物44についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0159】
実施例22:化合物55の合成
化合物55:6-フルオロ-2-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
化合物55を、2-ブロモ-5-フルオロ-3-アミノ安息香酸メチルおよび3,5-ジオキソピペリジン-1-カルボン酸ベンジルから、化合物44についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0160】
実施例23:化合物56の合成
化合物56:2-プロピル-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
化合物56を、4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-5-カルボン酸メチルおよびプロピオンアルデヒドから、化合物44についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0161】
実施例24:化合物57の合成
化合物57:6-フルオロ-2-プロピル-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
化合物57を、2-ブロモ-5-フルオロ-3-アミノ安息香酸メチルおよび3,5-ジオキソピペリジン-1-カルボン酸ベンジルから、化合物44についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0162】
実施例25:化合物58の合成
化合物58:2-エチル-6-フルオロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
化合物58を、2-ブロモ-5-フルオロ-3-アミノ安息香酸メチルおよび3,5-ジオキソピペリジン-1-カルボン酸ベンジルから、化合物44についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0163】
実施例26:化合物59の合成
化合物59:2-ブチル-6-フルオロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
化合物59を、2-ブロモ-5-フルオロ-3-アミノ安息香酸メチルおよび3,5-ジオキソピペリジン-1-カルボン酸ベンジルから、化合物44についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0164】
実施例27:化合物60合成
化合物60:
2-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
【0165】
段階1:2-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-5-カルボン酸メチル
4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-5-カルボン酸メチル(183mg、0.75mol)をDMF(20ml)に溶解し、2-クロロ-N,N-ジメチルエタンアミン塩酸塩(107mg、0.75mmol)、およびK
2CO
3(207mg、1.5mmol)を続いて加えた。反応混合物を50℃で出発原料が消失するまで撹拌した。次いで、反応混合物をCH
2Cl
2(15ml)で希釈し、水で3回洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥した。溶媒のほとんどを蒸発させ、粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィカラム(CH
2Cl
2/MeOH/NH
3・H
2Oで溶出)で精製して、0.09gの2-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-5-カルボン酸メチルを得た。MS (ESI) m/e [M+1]
+ 316。
【0166】
段階2:2-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
化合物60を、2-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-5-カルボン酸メチルおよびヒドラジン水和物から、化合物1についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0167】
実施例28:化合物61の合成
化合物61:2-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-6-フルオロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
化合物61を、2-ブロモ-5-フルオロ-3-アミノ安息香酸メチルおよび3,5-ジオキソピペリジン-1-カルボン酸ベンジルから、化合物60についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0168】
実施例29:化合物62の合成
化合物62:
2-(2-アミノ-2-メチルプロパノイル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
【0169】
段階1:2-(2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-2-メチルプロパノイル)-4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-5-カルボン酸メチル
DMF(2ml)中のHATU(86mg)の溶液を、4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-5-カルボン酸メチル(36mg)、2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-2-メチルプロパン酸(21mg)、ジイソプロピルエチルアミン(58)およびDMF(8ml)の混合物に加え、得られた混合物を周囲温度で16時間撹拌した。DMFを蒸発させて、2-(2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-2-メチルプロパノイル)-4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-5-カルボン酸メチルを得、これをそれ以上精製せずに次の段階で用いた。
【0170】
段階2:(2-メチル-1-オキソ-1-(8-オキソ-8,9-ジヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-2(1H,3H,4H)-イル)プロパン-2-イル)カルバミン酸ベンジル
目的生成物を、2-(2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-2-メチルプロパノイル)-4-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-5-カルボン酸エステルおよびヒドラジン水和物から、化合物1についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0171】
段階3:2-(2-アミノ-2-メチルプロパノイル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
化合物62を、(2-メチル-1-オキソ-1-(8-オキソ-8,9-ジヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-2(1H,3H,4H)-イル)プロパン-2-イル)カルバミン酸ベンジルおよびPd/C(10%)から、化合物42についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0172】
実施例30:化合物63の合成
化合物63:(S)-(1-オキソ-1-(8-オキソ-8,9-ジヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-2(1H,3H,4H)-イル)-3-フェニルプロパン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル
化合物63を、2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オンおよび(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-フェニルプロパン酸から、化合物62についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0173】
実施例31:化合物64の合成
化合物64:(S)-2-(2-アミノ-3-フェニルプロパノイル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
化合物64を、化合物63および塩化水素から、化合物62についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0174】
実施例32:化合物65の合成
化合物65:2-(2-アミノ-2-メチルプロパノイル)-6-フルオロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-2,4,9,10-テトラアザシクロヘプタ[def]フルオレン-8(1H)-オン
化合物65を、2-ブロモ-5-フルオロ-3-アミノ安息香酸メチルおよび3,5-ジオキソピペリジン-1-カルボン酸ベンジルから、化合物62についてのものと類似の手順に従い調製した。
【0175】
実施例33:化合物66の合成
化合物66:5,10-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2,2-ジメチル-2,3,5,10-テトラヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-6(1H)-オン
無水DMF(8mL)中の2,2-ジメチル-2,3,5,10-テトラヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-6(1H)-オン(100mg、0.39mmol)の溶液に、NaH(47mg、1.95mmol)を氷浴下で加えた。反応混合物を0℃で40分間撹拌した。2-(2-ブロモエトキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン(194mg、1.17mmol)を混合物に0℃で加え、反応混合物を室温で6時間撹拌した。次いで、水(100mL)を混合物に加え、DCM(50mL×3)およびEA(50mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥した。有機相を濃縮して粗生成物を得た。次いで、粗生成物をMeOH(15mL)に溶解し、p-TSA・H
2O(100mg、0.52mmol)を溶液に加え、混合物を室温で16時間撹拌した。水(150mL)を混合物に加え、EA(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO
3水溶液および食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。残渣を調製用TLC(DCM/MeOH=10/1)で精製して、40mg(30%)の5,10-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2,2-ジメチル-2,3,5,10-テトラヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-6(1H)-オンを黄色固体で得た。
【0176】
実施例34:化合物67の合成
化合物67:10-(2-ヒドロキシエチル)-2,2-ジメチル-2,3,5,10-テトラヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-6(1H)-オン
無水DMF(8mL)中の2,2-ジメチル-2,3,5,10-テトラヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-6(1H)-オン(100mg、0.39mmol)の溶液に、2-(2-ブロモエトキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン(194mg、1.17mmol)を加えた。K
2CO
3(215mg、1.6mmol)を加え、混合物を70℃で11.5時間加熱した。次いで、水(100mL)を混合物に加え、これを次いでEA(50mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮して、粗製黄色油状物を得た。次いで、MeOH(15mL)と、続いてp-TSA・H
2O(100mg、0.52mmol)を残渣に加え、混合物を室温で1時間撹拌した。水(100mL)を混合物に加え、EA(50mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、飽和NaHCO
3水溶液および食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィカラム(ヘキサン/酢酸エチルで溶出)で精製して、80mg(収率69%)の10-(2-ヒドロキシエチル)-2,2-ジメチル-2,3,5,10-テトラヒドロ-[1,2]ジアゼピノ[3,4,5,6-def]カルバゾール-6(1H)-オンを黄色固体で得た。
【0177】
実施例35:化合物68の合成
化合物68:
(R)-10a-メチル-7,8,9,10,10a,11-ヘキサヒドロ-5,6,7a,11-テトラアザシクロヘプタ[def]シクロペンタ[a]フルオレン-4(5H)-オン
【0178】
段階1:(R)-2-(1-(ベンジルオキシカルボニル)-2-メチルピロリジン-2-イル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル
トルエン54mL中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.72g、1.5mmol)およびCuI(0.29g、1.5mmol)の懸濁液に、3-アミノ-2-ブロモ安息香酸メチル(2.3g、10mmol)、(R)-2-エチニル-2-メチルピロリジン-1-カルボン酸ベンジル(3.0g、12mmol)、およびTEA(7mL、50mmol)を加えた。混合物を窒素雰囲気下、100℃で18時間撹拌した。冷却後、水(20mL)を加えた。混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出し、合わせた有機層を食塩水(20mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥した。混合物をろ過し、ろ液を蒸発乾固した。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィで、溶出液としてCH
2Cl
2を用いて精製し、2.31gの(R)-2-((2-アミノ-6-(メトキシカルボニル)フェニル)エチニル)-2-メチルピロリジン-1-カルボン酸ベンジルを得た。
【0179】
エタノール(20mL)中の(R)-2-((2-アミノ-6-(メトキシカルボニル)フェニル)エチニル)-2-メチルピロリジン-1-カルボン酸ベンジル(1.1g、2.8mmol)およびジブロモエタン(5.21g、2.8mmol)の溶液を還流し、これに亜鉛粉末(1.43g、22mmol)を一度に加えた。8時間還流した後、反応混合物をろ過し、ろ液を3mLまで濃縮し、これを水(15mL)に加えた。反応混合物をEA(20mL×3)で抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、蒸発させて、淡褐色油状物を得、これをシリカゲルでヘキサン:酢酸エチル(5:1)溶出してのクロマトグラフィにかけ、(R)-2-(1-(ベンジルオキシカルボニル)-2-メチルピロリジン-2-イル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(307mg、0.78mmol)を得た。
【0180】
段階2:(R)-2-(2-メチルピロリジン-2-イル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル
(R)-2-(1-(ベンジルオキシカルボニル)-2-メチルピロリジン-2-イル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(307mg、0.78mol)、メタノール(10mL)、および10%炭素担持パラジウム(50mg)の混合物を撹拌し、これを室温で風船圧の水素により処理した。2時間後、混合物をセライトを通してろ過し、ろ液を濃縮して、(R)-2-(2-メチルピロリジン-2-イル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(190mg、94%)を得た。
【0181】
段階3:(R)-2-(1-(2-メトキシ-2-オキソエチル)-2-メチルピロリジン-2-イル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル
(R)-2-(2-メチルピロリジン-2-イル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(190mg、0.74mmol)をCH
3CN(25ml)およびブロモ酢酸メチル(250mg、1.6mmol)に溶解した。次いで、DIPEA(350mg、2.7mmol)を加えた。反応混合物を室温で約20時間撹拌した。次いで、反応混合物をCH
2Cl
2(15ml)で希釈し、水で3回洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮して、146mgの(R)-2-(1-(2-メトキシ-2-オキソエチル)-2-メチルピロリジン-2-イル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルを得た。
【0182】
段階4:(R)-11b-メチル-6-オキソ-2,3,5,6,11,11b-ヘキサヒドロ-1H-インドリジノ[8,7-b]インドール-7-カルボン酸メチル
25mLフラスコ中、(R)-2-(1-(2-メトキシ-2-オキソエチル)-2-メチルピロリジン-2-イル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(146mg、0.44mmol)を無水MeSO
3H(10mL)で処理した。フラスコに還流冷却器を取り付け、60℃で1時間加熱した。次いで、反応混合物を氷浴中で冷却し、蒸留水(2.0mL)で希釈した。溶液のpHを、飽和NaHCO
3水溶液の添加によりpH約10まで高めた。次いで、反応混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出し、有機抽出物を食塩水(1×20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(20から60%EtOAc/ヘキサン)で精製して、(R)-11b-メチル-6-オキソ-2,3,5,6,11,11b-ヘキサヒドロ-1H-インドリジノ[8,7-b]インドール-7-カルボン酸メチル(58mg 44%)を得た。MS (ESI) m/e [M+1]
+ 299.0。
【0183】
段階5:(R)-10a-メチル-7,8,9,10,10a,11-ヘキサヒドロ-5,6,7a,11-テトラアザシクロヘプタ[def]シクロペンタ[a]フルオレン-4(5H)-オン
メタノール(10mL)中の化合物(R)-11b-メチル-6-オキソ-2,3,5,6,11,11b-ヘキサヒドロ-1H-インドリジノ[8,7-b]インドール-7-カルボン酸メチル(58mg、0.19mmol)、酢酸(0.4mL)、およびヒドラジン水和物(0.2mL)の溶液を加熱還流した。7時間後、反応混合物を冷却し、水(5mL)を加えた。混合物をEtOAc(3×5mL)で抽出し、合わせた有機層を食塩水(10mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥した。混合物をろ過し、蒸発乾固し、残渣を調製用TLCで、溶出液としてCH
2Cl
2を用いて精製し、40mgの(R)-10a-メチル-7,8,9,10,10a,11-ヘキサヒドロ-5,6,7a,11-テトラアザシクロヘプタ[def]シクロペンタ[a]フルオレン-4(5H)-オンを得た。
【0184】
実施例36:化合物69の合成
化合物69:
(R)-2-フルオロ-10a-メチル-7,8,9,10,10a,11-ヘキサヒドロ-5,6,7a,11-テトラアザシクロヘプタ[def]シクロペンタ[a]フルオレン-4(5H)-オン
【0185】
段階1:2-ブロモ-5-フルオロ-3-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)安息香酸メチル
DCM(250mL)中の3-アミノ-2-ブロモ-5-フルオロ安息香酸メチル(25.0g、100mmol)およびK
2CO
3(42.0g、302mmol)の溶液に、無水2,2,2-トリフルオロ酢酸(249.0g、1.197mol)を、窒素雰囲気下、5〜10℃で加えた。混合物を25℃で終夜撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、H
2O(200mL×2)および飽和NaHCO
3水溶液(200mL×2)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、濃縮して、34.0g(98%)の2-ブロモ-5-フルオロ-3-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)安息香酸メチルを白色固体で得た。
【0186】
段階2:(R)-2-((4-フルオロ-2-(メトキシカルボニル)-6-(2,2,2トリフルオロアセトアミド)フェニル)エチニル)-2-メチルピロリジン-1-カルボン酸ベンジル
DMF(200mL)中の2-ブロモ-5-フルオロ-3-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)安息香酸メチル(27.52g、80mmol)、(PPh
3)
2PdCl
2(2.8g、4mmol)、(R)-2-エチニル-2-メチルピロリジン-1-カルボン酸ベンジル(19.44g、80mmol)、ヨウ化銅(I)(764mg、4mmol)およびテトラメチルグアニジン(27.6g、240mmol)の混合物を窒素保護システムを用いて80℃で16時間加熱した。冷却した反応混合物をEA(3×200mL)および水(800mL)で希釈した。有機層を分離し、水(2×200mL)で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、濃縮した。残った残渣をシリカゲルのクロマトグラフィにかけ、ヘキサン中0〜30%EtOAcの勾配で溶出して、生成物(R)-2-((4-フルオロ-2-(メトキシカルボニル)-6-(2,2,2トリフルオロアセトアミド)フェニル)エチニル)-2-メチルピロリジン-1-カルボン酸ベンジル(21g、53%)を白色固体で得た。
【0187】
段階3:(R)-6-フルオロ-2-(2-メチル-1-(2,2,2-トリフルオロアセチル)ピロリジン-2-イル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル
トルエン中の(R)-2-((4-フルオロ-2-(メトキシカルボニル)-6-(2,2,2トリフルオロアセトアミド)フェニル)エチニル)-2-メチルピロリジン-1-カルボン酸ベンジル(5.0g、10mmol)の溶液に、臭化亜鉛(II)(11.25g、50mmol)を室温で加えた。反応混合物を窒素保護システムを用いて80℃で15時間加熱した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をDCM(500mL)および水(800mL)で処理した。有機層を分離し、水(2×200mL)で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、濃縮した。残った残渣をシリカゲルのクロマトグラフィにかけ、ヘキサン中0〜50%EtOAcの勾配で溶出して、生成物(R)-6-フルオロ-2-(2-メチル-1-(2,2,2-トリフルオロアセチル)ピロリジン-2-イル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(1.9g、51%)を黄色固体で得た。
【0188】
段階4:(R)-6-フルオロ-2-(2-メチルピロリジン-2-イル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル
MeOH中の(R)-6-フルオロ-2-(2-メチル-1-(2,2,2-トリフルオロアセチル)ピロリジン-2-イル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(1.0g、1.9mmol)の溶液に、NaBH
4(706mg、11.4mmol)を室温で加えた。反応混合物を窒素保護システムを用いて4時間還流した。溶媒を減圧下で除去した。残渣をDCM(200mL)に溶解し、これを水(200mL)および食塩水(200mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮して、所望の生成物を黄色油状物で得た。(R)-6-フルオロ-2-(2-メチルピロリジン-2-イル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(727mg、98%)。
【0189】
段階5:(R)-6-フルオロ-2-(1-(2-メトキシ-2-オキソエチル)-2-メチルピロリジン-2-イル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル
(R)-6-フルオロ-2-(2-メチルピロリジン-2-イル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(1.0、1.27mol)、CH
3CN(50ml)およびブロモ酢酸メチル(0.58g、3.82mmol)の混合物を撹拌し、これにDIPEA(0.82g、6.35mmol)を加えた。反応混合物を室温で約20時間撹拌した。次いで、反応混合物をCH
2Cl
2(15ml)で希釈し、水で3回洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮して、0.85gの(R)-6-フルオロ-2-(1-(2-メトキシ-2-オキソエチル)-2-メチルピロリジン-2-イル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルを得た。
【0190】
段階6:(R)-9-フルオロ-11b-メチル-6-オキソ-2,3,5,6,11,11b-ヘキサヒドロ-1H-インドリジノ[8,7-b]インドール-7-カルボン酸メチル
25mLフラスコ中、(R)-6-フルオロ-2-(1-(2-メトキシ-2-オキソエチル)-2-メチルピロリジン-2-イル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(100mg)を無水MeSO
3H(6mL)で処理した。フラスコに還流冷却器を取り付け、60℃で1時間加熱した。次いで、反応混合物を氷浴中で冷却し、蒸留水(6.0mL)で希釈した。溶液のpHを、飽和NaHCO
3水溶液の添加によりpH約10まで高めた。次いで、反応混合物をEtOAc(3×5mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、食塩水(1×5mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣を調製用TLCで精製して、(R)-9-フルオロ-11b-メチル-6-オキソ-2,3,5,6,11,11b-ヘキサヒドロ-1H-インドリジノ[8,7-b]インドール-7-カルボン酸メチル(30mg)を得た。
【0191】
段階7:(R)-2-フルオロ-10a-メチル-7,8,9,10,10a,11-ヘキサヒドロ-5,6,7a,11-テトラアザシクロヘプタ[def]シクロペンタ[a]フルオレン-4(5H)-オン
メタノール(30mL)中の化合物(R)-9-フルオロ-11b-メチル-6-オキソ-2,3,5,6,11,11b-ヘキサヒドロ-1H-インドリジノ[8,7-b]インドール-7-カルボン酸メチル(90mg)、酢酸(0.54g)、およびヒドラジン水和物(0.28g)の溶液を加熱還流した。5時間後、反応混合物を冷却し、水(5mL)を加えた。混合物をEtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(10mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥した。混合物をろ過し、ろ液を蒸発乾固し、残渣を調製用TLCで、溶出液としてCH
2Cl
2を用いて精製し、80mgの(R)-2-フルオロ-10a-メチル-7,8,9,10,10a,11-ヘキサヒドロ-5,6,7a,11-テトラアザシクロヘプタ[def]シクロペンタ[a]フルオレン-4(5H)-オンを得た。
【0192】
生物学的活性
PARP-1酵素アッセイ
PARP-1酵素アッセイを、HT F Homogeneous PARP Inhibition Assay Kit(Trevigen)から改変した方法を用いて実施した。8.8nM PARP-1を異なる濃度の化合物と共に、100mM Tris-HCl pH8.0、100mM NaCl、20mM MgCl
2、および1%DMSOを含む緩衝液中、室温で30分間予備インキュベートした。自己ポリADPリボシル化反応を、500nM NADおよび20ng/ul活性化DNA(Sigma)の添加によって開始し、室温で40分間インキュベートした。残ったNADを、1%エタノール、0.30U/mlアルコール脱水素酵素、25uMレサズリン、および0.25U/mlジアホラーゼを含むサイクリングアッセイ溶液と共に室温で50分間インキュベートすることによって検出した。NADの濃度は励起540nm/発光590nmの蛍光シグナルと比例する。IC
50を、漸増濃度の化合物存在下での残存酵素活性(NAD減少率)に基づいて算出した。
【0193】
PARP-2およびPARP-3酵素アッセイ
PARP-2およびPARP-3酵素アッセイを、市販のPARP-2/PARP-3 Chemiluminescent Assay Kit(BPS Biosciences)およびキットに添付のプロトコルを用いて実施した。簡単に言うと、まずヒストンを高結合プレート中でコーティングし、PARP-2またはPARP-3、および漸増濃度の化合物と共に0.5時間インキュベートした。次いで、ビオチン化NADおよび活性化DNAをウェルに加えた。ビオチン化ポリADPリボシル化生成物を、ストレプトアビジン-HRPおよびケミルミネッセンスを生じるHRP基質を加えることによって測定した。IC
50を、漸増濃度の化合物存在下での残存酵素活性に基づいて算出した。
【0194】
タンキラーゼ-2酵素アッセイ
タンキラーゼ-2酵素アッセイを、市販のTankyrase-2 Chemiluminescent Assay Kit(BPS Biosciences)およびキットに添付のプロトコルを用いて実施した。まず、GST融合タンキラーゼ-2(バキュロウイルスから発現および精製した組換えタンパク質)をGSH予備コーティングプレート上にコーティングし、漸増濃度の化合物と共に0.5時間インキュベートした。次いで、ビオチン化NADをウェルに加えた。ビオチン化自己ポリADPリボシル化生成物を、ストレプトアビジン-HRPおよびケミルミネッセンスを生じるHRP基質を加えることによって測定した。IC
50を、漸増濃度の化合物存在下での残存酵素活性に基づいて算出した。
【0195】
ポリADPリボシル化アッセイ
HeLa細胞を、底が透明で壁が黒色の96穴プレートに、培地(10%FBS、0.1mg/mLペニシリン-ストレプトマイシン、および2mM L-グルタミンを含むDMEM 100μL)中5000細胞/ウェルの初期濃度で播種した。プレートを5%CO
2雰囲気下、37℃で4時間インキュベートし、次いで化合物を、0.1%DMSO/培地中0.01nM〜10μMにわたる最終濃度範囲の8つの点の連続希釈で加えた。次いで、プレートを5%CO
2中、37℃で18時間インキュベートした。次いで、PBS中H
2O
2溶液(最終濃度200μM)60μLの添加により、DNA損傷を誘発した。陰性対照として、H
2O
2未処理の細胞を用いた。プレートを37℃で5分間維持した。次いで、プレートを反転させて培地をゆっくり除去し、氷冷MeOH(100μL/ウェル)を加えて細胞を固定し、-20℃で20分間維持した。プレートを反転させて固定液を除去し、PBS(120μL)で10回洗浄した後、検出緩衝液(50μL/ウェル、PBS、トゥイーン(0.1%)、およびBSA(1mg/mL)を含む)を一次PAR mAb(Alexis ALX-804-220、1:2000)、二次抗マウスAlexa Fluor 488抗体(MolecularProbes A11029、1:2000)、および核色素DAPI(Molecular Probes D3571、150nM)と共に加えた。暗所、4℃で終夜インキュベートし、溶液を除去し、PBS(120μL)で6回洗浄した後、プレートをArrayScan VTI(ThermoFisher)で読み取った。PARポリマーのモニタリングは、XF100_485_20、曝露時間0.05秒でのAlexa488の検出により行い、核の同定は、XF100_386_23、曝露時間0.01秒でのDAPIトラッキングにより行った。細胞の全強度の平均を、DAPI標識した核の総数における核の全強度の平均を測定することによって算出した。EC50を、漸増濃度のPARPi存在下での残存酵素活性に基づいて判定した。
【0196】
本明細書において開示する化合物1〜69を試験し、これらはナノモル以下から10マイクロモルの範囲のIC
50で、PARP-1、PARP-2、PARP-3、およびタンキラーゼ-2などのPARPを阻害することが判明した。
【0197】
IC50およびEC50(nM)