特許第6541882号(P6541882)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6541882
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】エラ除去が容易なカニの殻除去装置
(51)【国際特許分類】
   A22C 29/02 20060101AFI20190628BHJP
   B65G 15/12 20060101ALI20190628BHJP
   B65G 43/00 20060101ALI20190628BHJP
【FI】
   A22C29/02
   B65G15/12
   B65G43/00 D
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-525327(P2018-525327)
(86)(22)【出願日】2015年10月23日
(65)【公表番号】特表2018-530346(P2018-530346A)
(43)【公表日】2018年10月18日
(86)【国際出願番号】KR2015011293
(87)【国際公開番号】WO2017030235
(87)【国際公開日】20170223
【審査請求日】2018年1月26日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0117553
(32)【優先日】2015年8月20日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518031365
【氏名又は名称】イム ヨンホ
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(74)【代理人】
【識別番号】100194984
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 圭太
(72)【発明者】
【氏名】イム ヨンホ
【審査官】 久島 弘太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭50−019977(JP,A)
【文献】 特開昭62−294029(JP,A)
【文献】 特開平05−042500(JP,A)
【文献】 特開平11−155476(JP,A)
【文献】 特開2006−034154(JP,A)
【文献】 特開平07−016047(JP,A)
【文献】 実開平01−155782(JP,U)
【文献】 特公昭44−000357(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A22C 29/02
B65G 15/12
B65G 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
甲羅が底向きに載置された状態でカニを移送する移送部(10)と;
前記移送部(10)上に移送されるカニの甲羅を除去する殻除去部(20);および
前記殻除去部(20)の後方の両側に位置して甲羅が除去されて露出するカニのエラを、高圧水を噴射して除去する噴射ノズル部(30);を含んで構成され
前記噴射ノズル部(30)によって両側から噴射する高圧水が互いに干渉しないように、両側の噴射ノズル部(30)の間を分離して区画する遮蔽プレート(40)がさらに含まれる
ことを特徴とする、エラ除去が容易なカニの殻除去装置。
【請求項2】
前記遮蔽プレート(40)は、
移送部(10)の中央部に長さ方向に沿って開放された領域に設置されるものの、前記長さ方向に沿って水平面上に配置される上部プレート(41)と、前記上部プレート(41)の長さ方向の中心線に沿って下部側に垂直に配置される下部プレート(42)とを含んでなる
ことを特徴とする、請求項1に記載のエラ除去が容易なカニの殻除去装置。
【請求項3】
前記噴射ノズル部(30)は、
前記エラの付着部位に高圧水を噴射する複数個の噴射ノズル(31)と、前記複数個の噴射ノズル(31)と連結されて水を供給する移送管(32)と、一定の収容空間が形成される水貯蔵タンク(33)と、前記水貯蔵タンク(33)から水が供給されてこれを移送管(32)に移送させる高圧ポンプ(34)とを含んでなる
ことを特徴とする、請求項1に記載のエラ除去が容易なカニの殻除去装置。
【請求項4】
前記噴射ノズル(31)から噴射した高圧水を下部側に落下するように案内する収集ホッパー(35)がさらに含まれ、前記収集ホッパー(35)は、上部と下部とがそれぞれ開放されて、上部側には噴射した高圧水が流入し、下部側には前記水貯蔵タンク(33)が配置されて、噴射した高圧水が循環するように構成される
ことを特徴とする、請求項3に記載のエラ除去が容易なカニの殻除去装置。
【請求項5】
前記水貯蔵タンク(33)は、収集ホッパー(35)から供給される高圧水に含まれたエラを含む異物を収集するためのフィルタプレート(33a)をさらに含む
ことを特徴とする、請求項4に記載のエラ除去が容易なカニの殻除去装置。
【請求項6】
前記移送部(10)は、
モーターによって駆動する第1コンベヤー(11)と第2コンベヤー(12)とを、一定の間隔をあけて並べて設置して同じ方向と速度で駆動するようにし、第1コンベヤー(11)と第2コンベヤー(12)との間に形成された空間部の一側端部と他側端部には、モーターによって駆動する第3コンベヤー(13)と第4コンベヤー(14)とを、第1コンベヤー(11)、第2コンベヤー(12)と同じ方向と速度で駆動するように設置する
ことを特徴とする、請求項1に記載のエラ除去が容易なカニの殻除去装置。
【請求項7】
第1コンベヤー(11)と第2コンベヤー(12)の上部にそれぞれ設置され、モーターによって第1コンベヤー(11)および第2コンベヤー(12)と同じ速度と方向に駆動する一対の加圧支持コンベヤー(15)がさらに含まれる
ことを特徴とする、請求項6に記載のエラ除去が容易なカニの殻除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエラ除去が容易なカニの殻除去装置に関するものであって、さらに詳細には、ふんどしと甲羅が除去されたカニに高圧水の噴射を通じてエラを迅速かつ容易に除去することによって、エラ除去に必要な手作業の工数を減らし、作業の不良率および作業時に発生するカニ肉の損失を減少させる、エラ除去が容易なカニの殻除去装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
世界中に4,500種余り、韓国に183種が生息していると知られているカニは、脚が10本であるため、節足動物の甲殻綱のうち十脚目に分類される。10本の脚は、機能的に一対の鉗脚と四対の歩脚とに分かれる。カニはその種類と同じぐらい生息環境と外見の特性が多様である。カニは底を這って歩きながら底に落ちる海洋生物の死骸を処理する食性を有しており、海の掃除屋とも呼ばれる。
【0003】
このようなカニは、三面が海である韓国の主な水産資源の一つであり、そのまま蒸して食べたり、熱いお湯でゆでて胴や脚の肉をむして食べたり、醤油などを利用して熟成させて食べたりもするが、特有のしょっぱくて香ばしい味のため、その需要が大きく増えるに伴い、カニ肉や各種冷凍食品などの多様な形態にも加工されて販売されているのが実情である。
【0004】
ところで、カニを多様な種類の加工食品に加工するためには、カニの硬い殻の中にある、味が異なる肉を部位別に選別しなければならないが、このためにはまず、カニを部位別に分離する作業が先行されなければならない。
【0005】
したがって、従来には作業者が切断のための包丁で、作業台の上で一つ一つ手作業でカニを胴と一般の脚、鉗脚別に切断して選別することによって、多くの労働力が必要であっただけでなく、硬いカニの殻を作業者が刃を利用して手作業で切断する過程でカニの殻や包丁によって負傷する場合も頻繁に起こる問題点があった。
【0006】
併せて、手作業による不便さを改善するために、韓国公開特許第1997−0032404号には、カニを自動で加工することができる加工装置が提案されている。
【0007】
しかし、このようなカニ加工装置は、単にふんどしや甲羅を除去し切断するだけであって、カニの加工において最も作業工数の大きいカニのエラ除去部分においては多くの問題が発生した。
【0008】
前記韓国公開特許第1997−0032404号では、エラ除去のために甲羅を除去する除去軸の後端に回転ブラシを設置してエラを除去していたが、回転ブラシの位置が過度に低い場合、エラは完全に除去できるものの、胴のカニ肉部分がほとんど損失する問題が発生し、回転ブラシの位置が過度に高い場合、損失するカニ肉は減少させ得るものの、エラがまともに除去されず、後続工程において粉砕されたエラ部分を作業者が一つ一つ選別する作業を別途に遂行しなければならない不便さが発生する。
【0009】
これは、エラのカニ肉と胴との接着部位が、ドーム形態の胴において最も低い縁部位に形成されており、回転ブラシの位置調整を通じての作業の最適化に本質的な限界があるためである。
【0010】
併せて、カニの種類が多様であり、カニの形態や大きさがそれぞれ異なるため、多様なカニの全てに使用可能な回転ブラシの位置設定は不可能である。
【0011】
したがって、現在作業している実情は、韓国内や海外を問わず、殻除去工程や胴の切断または脚部分の分離切断工程は自動化装置を利用して遂行しているが、エラ除去工程はカニ肉の損失の憂慮およびエラ除去の高い作業不良率に伴って、作業者が手作業で除去している。
【0012】
したがって、多量のカニの加工を比較的短い時間内に行わなければならない作業環境上、多くの人員が殻除去工程で殻が除去されたカニのエラを手作業で除去することによって、人員の確保が難しく、人件費が高くなった実情を勘案する時、生産原価の増加と歩留まりの低下が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】韓国公開特許第1997−0032404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は前記の問題点を解決するために案出されたものであって、殻が除去されたカニの後端に、エラの付着部位に高圧水を噴射する噴射ノズルを両側にそれぞれ複数個配置し、噴射した高圧水の集水と他側への噴射を防止するための遮蔽プレートを設置することによって、エラ除去効率を大幅に向上し、作業工数および作業人員を大幅に減少させ得る、エラ除去が容易なカニの殻除去装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は前記の目的を達成するために、下記のような特徴を有する。
【0016】
本発明は、甲羅が底向きに載置された状態でカニを移送する移送部と;前記移送部上に移送されるカニの甲羅を除去する殻除去部;および前記殻除去部の後方の両側に位置して甲羅が除去されて露出するカニのエラを、高圧水を噴射して除去する噴射ノズル部;を含んで構成される。
【0017】
ここで、前記噴射ノズル部によって両側から噴射する高圧水が互いに干渉しないように、両側の噴射ノズル部の間を分離して区画する遮蔽プレートがさらに含まれ、前記遮蔽プレートは移送部の中央部に長さ方向に沿って開放された領域に設置されるものの、前記長さ方向に沿って水平面上に配置される上部プレートと、前記上部プレートの長さ方向の中心線に沿って下部側に垂直に配置される下部プレートを含んで構成される。
【0018】
また、前記噴射ノズル部は、前記エラの付着部位に高圧水を噴射する複数個の噴射ノズルと、前記複数個の噴射ノズルと連結されて水を供給する移送管と、一定の収容空間が形成される水貯蔵タンクと、前記水貯蔵タンクから水が供給されて、これを移送管に移送させる高圧ポンプを含んで構成される。
【0019】
併せて、前記噴射ノズルから噴射した高圧水を下部側に落下するように案内する収集ホッパーがさらに含まれ、前記収集ホッパーは上部と下部がそれぞれ開放されて、上部側には噴射した高圧水が流入し、下部側には前記水貯蔵タンクが配置されて噴射した高圧水が循環するように構成され、前記水貯蔵タンクは収集ホッパーから供給を受ける高圧水に含まれたエラを含む異物を収集するためのフィルタプレートがさらに含まれる。
【0020】
また、前記移送部は、モーターによって駆動する第1コンベヤーと第2コンベヤーを一定の間隔をあけて並んで設置して同じ方向と速度で駆動するようにし、第1コンベヤーと第2コンベヤーとの間に形成された空間部の一側端部と他側端部には、モーターによって駆動する第3コンベヤーと第4コンベヤーを第1コンベヤー、第2コンベヤーと同じ方向と速度で駆動するように設置し、第1コンベヤーと第2コンベヤーの上部にそれぞれ設置され、モーターによって第1コンベヤーおよび第2コンベヤーと同じ速度と方向に駆動する一対の加圧支持コンベヤーがさらに含まれる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、高圧水を噴射する噴射ノズルを通じてエラ除去の不良率を根本的に防止し、これによって発生するカニ肉の損失量を大幅に減少させる効果がある。
【0022】
併せて、後続工程からなる別途の洗浄工程をエラ除去工程に代替することができるため、さらなる設置費用と作業時間を短縮する効果がある。
【0023】
また、エラ除去の自動化と別途の後続エラ選別工程を除去することによって、これに必要な作業工数を省いて人員確保の困難を除去し、生産原価を低減させ得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施例に係るカニの殻除去装置を示した斜視図である。
図2】本発明の一実施例に係るカニの殻除去装置の側面図である。
図3】本発明の一実施例に係るカニの殻除去装置の平面図である。
図4図1のA−A´断面図である。
図5図1のB−B´断面図である。
図6】本発明の一実施例に係る噴射ノズル部側を下部から見た底面斜視図である。
図7】本発明の一実施例に係る噴射ノズル部、殻除去部および遮蔽プレートの配置関係を簡略に図示した図面である。
図8】本発明の他の実施例に係る噴射ノズル部の構成を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施例を、添付図面を参照して詳細に説明する。参考として、本発明の説明において、参照する図面に図示された構成要素の大きさ、線の厚さなどは、理解の便宜上、多少誇張して表現され得る。また、本発明の説明に用いられる用語は、本発明での機能を考慮して定義したものであるため、使用者、運用者の意図、慣例などによって変わり得る。したがって、この用語に対する定義は本明細書の全般にわたった内容に基づいて行われるべきである。
【0026】
図1図7は、本発明の一実施例に係るカニの殻除去装置を示した図面である。
【0027】
図面を参照すると、本発明の一実施例に係るカニの殻除去装置100は、大きく移送部10、殻除去部20、噴射ノズル部30および遮蔽プレート40で構成される。
【0028】
ここで移送部10は、甲羅が底向きに載置された状態でカニを移送するように備えられるが、このような移送部10は、最先端部でカニが載置された後、後端部に移送する過程で殻除去部20および噴射ノズル部30を経ながら殻の除去とエラの除去が遂行されるようにする。
【0029】
このような移送部10は、図1図4に図示された通り、モーターMにより駆動する第1コンベヤー11と第2コンベヤー12を一定の間隔で並べて設置して、同じ方向と速度で駆動するようにする。このような第1コンベヤー11と第2コンベヤー12は、カニの両側の脚部分が置かれるところであって、移送部10の最先端部から後端部まで繋がるように構成される。
【0030】
併せて、第1コンベヤー11と第2コンベヤー12との間に形成された空間部の一側端部と他側端部には、モーターによって駆動する第3コンベヤー13と第4コンベヤー14を設置するようになるが、このような第3コンベヤー13は、最先端部に置かれるカニの胴体部分が置かれる位置であって、殻除去部20の前端部までカニの胴の部分の移送を担当する。
【0031】
併せて、前記第4コンベヤー14は、両脚部分がそれぞれ分離された状態で流入するカニを後端部まで案内するものであるが、このような第3コンベヤー13および第4コンベヤー14は、第1コンベヤー11および第2コンベヤー12と同じ速度で移動させるために、第1コンベヤー11および第2コンベヤー12を駆動させる駆動軸から回転力の伝達を受けて駆動が行われるようにすることが好ましい。
【0032】
一方、前記第1コンベヤー11と第2コンベヤー12の上部には、加圧支持コンベヤー15がそれぞれ設置されるのであるが、このような加圧支持コンベヤー15はカニの両側の脚部分を加圧して殻除去過程やエラ除去過程においてカニの脚部分が動かないように備えられる。
【0033】
併せて、前記加圧支持コンベヤー15上には、そのテンションを一定以上に維持するために、テンションローラ16が多数個離隔して備えられ得る。
【0034】
もちろん、このような加圧支持コンベヤー15も前記第1コンベヤー11および第2コンベヤー12と同じ速度で移動しなければならないので、第1コンベヤー11を駆動する駆動軸から回転力の伝達を受けるように構成することは言うまでもない。
【0035】
一方、前記殻除去部20は、前記移送部10上に移送されるカニの甲羅およびふんどしを除去するためにカニの移動経路上に配置されるものであるが、このような殻除去部20は、裏返された状態で移動するカニの腹部分を除去するためのふんどし除去カッター21がカニの移動経路上の中心位置に設置され、ふんどし除去カッター21の下部側に一定の間隔に離隔してカニの甲羅を除去するための甲羅除去カッター22が設置される。
【0036】
このようなふんどし除去カッター21と甲羅除去カッター22は、それぞれカニの胴厚よりも離隔間隔が小さく設置されて、ふんどし除去カッター21がカニの腹部分を加圧する間、甲羅が甲羅除去カッター22により容易に除去されるように構成される。
【0037】
一方、前記噴射ノズル部30は、前記殻除去部20の後方の両側に位置して、甲羅が除去されて露出するカニのエラを、高圧水を噴射して除去するように備えられるが、このような前記噴射ノズル部30は、エラの付着部位に高圧水を噴射する複数個の噴射ノズル31と、前記複数個の噴射ノズル31と連結されて水を供給する移送管32を含んで構成される。
【0038】
ここで前記噴射ノズル31は、殻除去部20の後方の下部の両側に複数個が離隔して配置されて、裏返された状態のカニの胴の部分に付着したエラを高圧水の噴射により分離させる。
【0039】
好ましい高圧水の噴射方向のために、前記噴射ノズル31は、殻除去部20の後方の下部側で互いに対向するように設置されるものの、上方に傾斜して設置されて略20°〜50°の角度で上方に噴射するようにする。
【0040】
これは、カニのエラ付着部位を最も効率的に高圧水を通じて打撃することができ、カニの胴肉が高圧水によって損失しないようにするためである。
【0041】
併せて、前記噴射ノズル部30によって両側から噴射する高圧水が互いに干渉しないように、両側の噴射ノズル部30の間を分離して区画する遮蔽プレート40が設置されるのであるが、このような遮蔽プレート40は第3コンベヤー13と第4コンベヤー14との間の開放領域で、ふんどし除去カッター21の後方側に長さ方向に沿って設置される。
【0042】
また、遮蔽プレート40は、長さ方向に沿って水平面上に配置される上部プレート41と、前記上部プレート41の長さ方向の中心線に沿って下部側に垂直に配置される下部プレート42とから構成され、噴射した高圧水が前記上、下部プレート(41、42)によって反射して下部に落下するようにする。
【0043】
遮蔽プレート40が構成されない場合、一側の噴射ノズル31から噴射した高圧水が他側の高圧水と干渉して高圧水の噴射効率が低下することはもちろん、他側のカニの胴肉を打撃して胴肉の損失を発生させるようになる。
【0044】
したがって、胴肉の損失を減少させるために、遮蔽プレート40は両側の噴射ノズル31の間を遮蔽するようにしなければならない。
【0045】
併せて、図5に図示された通り、前記遮蔽プレート40の上部プレート41はカニの胴(B)の上部に位置して、高圧水の噴射時にカニの胴(B)が打撃によって上部に揺れることによって、カニの位置が変動することを防止する。
【0046】
したがって、前記上部プレート41の高さはカニの胴(B)の厚さを考慮して適切に形成しなければならない。
【0047】
また、前記噴射ノズル31は移送管32を介して噴射する高圧水の供給を受け、移送管32の一側に高圧ポンプを配置して高圧噴射が行われるようにする。
【0048】
図8は、本発明の他の実施例に係る噴射ノズル部の構成を示した図面である。
図面を参照すると、本実施例に係る噴射ノズル部30は、噴射した高圧水を再び収集して再噴射する循環構造で構成される。
【0049】
このために、本実施例に係る噴射ノズル部30は、前述した実施例のように、高圧水を噴射する複数個の噴射ノズル31と、前記複数個の噴射ノズル31と連結されて水を供給する移送管32が備えられ、その他に一定の収容空間が形成される水貯蔵タンク33と、前記水貯蔵タンク33から水が供給されて、これを移送管32に移送させる高圧ポンプ34を含んで構成される。
【0050】
併せて、前記噴射ノズル31から噴射した高圧水が下部側に落下するように案内し、上部と下部とがそれぞれ開放して形成される収集ホッパー35が設置されて、上部側には噴射した高圧水が流入し、下部側には流入して落下する高圧水をその下部側に配置される水貯蔵タンク33に伝達するようにする。
【0051】
一方、前記水貯蔵タンク33には、収集ホッパー35から供給される高圧水に含まれたエラを含む異物を収集するためのフィルタプレート33aが設置されることが好ましい。
【0052】
以上、本発明の具体的な実施例を説明したが、本発明はこの明細書に開示された実施例および添付された図面によって限定されず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で当業者によって多様に変形され得る。
【符号の説明】
【0053】
10: 移送部
11: 第1コンベヤー
12: 第2コンベヤー
13: 第3コンベヤー
14: 第4コンベヤー
15: 加圧支持コンベヤー
16: テンションローラ
20: 殻除去部
21: ふんどし除去カッター
22: 甲羅除去カッター
30: 噴射ノズル部
31: 噴射ノズル
32: 移送管
33: 水貯蔵タンク
33a:フィルタプレート
34: 高圧ポンプ
35: 収集ホッパー
40: 遮蔽プレート
41: 上部プレート
42: 下部プレート
100: カニの殻除去装置
P: 支持フレーム
M: モーター
B: 胴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8