特許第6542212号(P6542212)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6542212ブロモドメイン阻害剤としての新規キナゾリノン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6542212
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】ブロモドメイン阻害剤としての新規キナゾリノン
(51)【国際特許分類】
   C07D 239/91 20060101AFI20190628BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20190628BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20190628BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20190628BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20190628BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20190628BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20190628BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20190628BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 5/14 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 7/04 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 7/06 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 13/10 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 15/16 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 19/06 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 21/04 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 27/04 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 27/16 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20190628BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20190628BHJP
【FI】
   C07D239/91
   C07D401/12CSP
   C07D401/14
   C07D403/12
   C07D405/12
   C07D471/04 117Z
   A61K31/519
   A61K31/5377
   A61K45/00
   A61P1/02
   A61P1/04
   A61P1/16
   A61P1/18
   A61P3/04
   A61P3/06
   A61P3/10
   A61P5/14
   A61P7/04
   A61P7/06
   A61P9/00
   A61P9/10
   A61P11/00
   A61P13/10
   A61P13/12
   A61P15/16
   A61P17/00
   A61P17/06
   A61P19/02
   A61P19/06
   A61P21/00
   A61P21/04
   A61P25/00
   A61P25/08
   A61P25/14
   A61P25/16
   A61P25/18
   A61P25/28
   A61P27/02
   A61P27/04
   A61P27/16
   A61P29/00
   A61P29/00 101
   A61P31/04
   A61P31/12
   A61P31/18
   A61P35/00
   A61P35/02
   A61P37/06
   A61P37/08
【請求項の数】33
【全頁数】149
(21)【出願番号】特願2016-530632(P2016-530632)
(86)(22)【出願日】2014年7月30日
(65)【公表番号】特表2016-527263(P2016-527263A)
(43)【公表日】2016年9月8日
(86)【国際出願番号】IB2014002510
(87)【国際公開番号】WO2015015318
(87)【国際公開日】20150205
【審査請求日】2017年7月27日
(31)【優先権主張番号】61/860,403
(32)【優先日】2013年7月31日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517202663
【氏名又は名称】ゼニス・エピジェネティクス・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Zenith Epigenetics Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・フレデリック・クイン
(72)【発明者】
【氏名】ウラジミール・フレブニコフ
【審査官】 阿久津 江梨子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−520867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 239/91
A61K 31/519
A61K 31/5377
A61K 45/00
A61P 1/02
A61P 1/04
A61P 1/16
A61P 1/18
A61P 3/04
A61P 3/06
A61P 3/10
A61P 5/14
A61P 7/04
A61P 7/06
A61P 9/00
A61P 9/10
A61P 11/00
A61P 13/10
A61P 13/12
A61P 15/16
A61P 17/00
A61P 17/06
A61P 19/02
A61P 19/06
A61P 21/00
A61P 21/04
A61P 25/00
A61P 25/08
A61P 25/14
A61P 25/16
A61P 25/18
A61P 25/28
A61P 27/02
A61P 27/04
A61P 27/16
A61P 29/00
A61P 31/04
A61P 31/12
A61P 31/18
A61P 35/00
A61P 35/02
A61P 37/06
A61P 37/08
C07D 401/12
C07D 401/14
C07D 403/12
C07D 405/12
C07D 471/04
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
[式中、
はN及びCRから選択され;
はN及びCRから選択され;
はN及びCRから選択され;
はN及びCRから選択され;
XはN及びCHから選択され;
Yは、−S(O)−、−NH−、−NHCH−、−NHCHCH−及び−NHCHCHCH−から選択され、
ここで、Yが−NH−、−NHCH−、−NHCHCH−または−NHCHCHCH−である場合、該窒素がB環と結合し、また、1つ以上の水素が、アルキル(C−C)、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアミノにより置換されていてもよく;
、R、R及びRは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アリールオキシ、アリール、ヒドロキシル及びハロゲンから独立して選択され;
ここで、各アルキルおよびアルコキシは、ヒドロキシル、アミノまたはハロゲンにより置換されていてもよく、
ここで、各アリールおよびアリールオキシは、ハロゲン、アルコキシまたはアミノにより置換されていてもよく;
はアミノ、ならびに5員及び6員の炭素環及びヘテロ環から選択され、これらはハロゲン、アミノ、尿素、エステル、カルバメート、アミド、アルキル(C−C)、アルコキシ(C−C)またはアリールにより随意に置換されていてもよく;
は、水素、アルコキシ、アルキル、ハロゲン、アミノアルキル及びチオアルキルから選択され;
は、水素、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、アミノアルキル及びハロゲンから選択される]
で示される化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【請求項2】
式Ia:
【化2】
[式中、
XはN及びCHから選択され;
Yは、−S(O)−、−NH−、−NHCH−、−NHCHCH−及び−NHCHCHCH−から選択され、
ここで、Yが−NH−、−NHCH−、−NHCHCH−または−NHCHCHCH−である場合、該窒素がB環と結合し、また、1つ以上の水素が、アルキル(C−C)、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアミノにより置換されていてもよく;
及びRは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アリールオキシ、アリール、ヒドロキシル及びハロゲンから独立して選択され;
ここで、各アルキルおよびアルコキシは、ヒドロキシル、アミノまたはハロゲンにより置換されていてもよく、
ここで、各アリールおよびアリールオキシは、ハロゲン、アルコキシまたはアミノにより置換されていてもよく、
は、アミノ、ならびに
【化3】
(式中、Raは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、−C(O)Me、−C(O)Pr、−C(O)iPr、ベンジル、−C(O)CF、−C(O)−tBu、−C(O)NHiPr、−C(O)NMe、−C(O)NHEt、−C(O)NH−、−C(O)CH(OH)CH、−C(O)C(O)OMe、−CF、−CHCHOH、−CHCHアミノ及び−CHCHC(Me)OHから選択される)
から選択される5員及び6員の炭素環及びヘテロ環から選択され;
ここで、該5員及び6員の炭素環及びヘテロ環は、ハロゲン、アミノ、アミド、アルキル(C−C)またはアルコキシ(C−C)により置換されていてもよく;
は、水素、アルコキシ、アルキル、ハロゲン、アミノアルキル及びチオアルキルから選択され;
は、水素、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、アミノアルキル及びハロゲンから選択される]
で示される化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物である、請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【請求項3】
及びRがそれぞれ独立してアルコキシ基である、請求項2に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【請求項4】
及びRがそれぞれメトキシである、請求項3に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【請求項5】
がメトキシであり、Rがアミノである、請求項2に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【請求項6】
Yが、−NH−、−NHCH−、−NHCHCH−及び−NHCHCHCH−から選択され、ここで、該窒素がB環と結合し、1つ以上の水素が、F、MeまたはClにより置換されていてもよい、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【請求項7】
Yが−NH−である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【請求項8】
XがNである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【請求項9】
が、−NHRa、ならびに
【化4】
(式中、Raは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、−C(O)Me、−C(O)Pr、−C(O)iPr、ベンジル、−C(O)CF、−C(O)−tBu、−C(O)NHiPr、−C(O)NMe、−C(O)NHEt、−C(O)NH、−C(O)CH(OH)CH、−C(O)C(O)OMe、−CF、−CHCHOH、−CHCHアミノ及び−CHCHC(Me)OHから選択される)
から選択される5員及び6員の炭素環及びヘテロ環から選択され、
ここで、該5員及び6員の炭素環及びヘテロ環は、ハロゲン、アミノ、アミド、アルキル(C−C)またはアルコキシ(C−C)により置換されていてもよい、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【請求項10】
が、水素、メチル及びメトキシから選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【請求項11】
が、式II:
【化5】
(式中、
Dは、O、N及びSから独立して選択され;
Eは、O及びNから選択され;
は水素及びアルキルから選択され、
ここで、DがNである場合のみRは存在し;
及びR10は、水素、アルキル及びシクロアルキルから独立して選択され、
ここで、EがOである場合、R及びR10のうち1つのみが存在し;または
及びR10を接続して、1つ以上のヘテロ原子を含有するヘテロ環を形成することができ;
nは1、2及び3から選択される)
によって示される基である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【請求項12】
が、
【化6】
から選択される、請求項11に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【請求項13】
及びRがそれぞれアルコキシであり;
Yが、−NH−、−NHCH−、−NHCHCH−、及び−NHCHCHCH−から選択され、ここで、該窒素がB環と結合し;
が、−NHRa、ならびに5員及び6員の炭素環及びヘテロ環から選択され、ここで、前記5員及び6員の炭素環及びヘテロ環は、
【化7】
(式中、Raは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、−C(O)Me、−C(O)Pr、−C(O)iPr、ベンジル、−C(O)CF、−C(O)−tBu、−C(O)NHiPr、−C(O)NMe、−C(O)NHEt、−C(O)NH−、−C(O)CH(OH)CH、−C(O)C(O)OMe、−CF、−CHCHOH、−CHCHアミノ及び−CHCHC(Me)OHから選択される)
から選択され;
が、水素、メチル及びアルコキシから選択され、ここで、前記アルコキシが、ヒドロキシルまたはアミノにより置換されていてもよい、
請求項2に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【請求項14】
がアルコキシであり;
がアミノであり;
Yが、−NH−、−NHCH−、−NHCHCH−、及び−NHCHCHCH−から選択され、ここで、該窒素がB環と結合し;
が、−NHRa、ならびに5員及び6員の炭素環及びヘテロ環から選択され、ここで、前記5員及び6員の炭素環及びヘテロ環は、
【化8】
(式中、Raは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、−C(O)Me、−C(O)Pr、−C(O)iPr、ベンジル、−C(O)CF、−C(O)−tBu、−C(O)NHiPr、−C(O)NMe、−C(O)NHEt、−C(O)NH、−C(O)CH(OH)CH、−C(O)C(O)OMe、−CF、−CHCHOH、−CHCHアミノ及び−CHCHC(Me)OHから選択される)
から選択され;
が、水素、メチル及びアルコキシから選択され、ここで、前記アルコキシがヒドロキシルまたはアミノにより置換されていてもよい、
請求項2に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【請求項15】
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((1−メチルピロリジン−3−イル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−(メチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−(((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−(((1−メチルピロリジン−3−イル)メチル)アミノ)フェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((2−(イソプロピルアミノ)エチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−(ピペリジン−1−イル)エチル)アミノ)−フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((3−モルホリノプロピル)アミノ)−フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−モルホリノエチル)アミノ)フェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((3−(ピロリジン−1−イル)プロピル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−(((1−イソプロピルピロリジン−3−イル)メチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−(((1−イソプロピルピロリジン−2−イル)メチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((1−イソブチリルピペリジン−4−イル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((3−(イソプロピルアミノ)プロピル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((2−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)エチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−[4−メトキシ−2−(1−メチルピペリジン−4−イルスルフィニル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−(ピペラジン−1−イル)エチル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル)アミノ)フェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−5−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−[3−(ピペラジン−1−イル)プロピルアミノ]フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((4,4−ジメチルシクロヘキシル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−5−メトキシピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((trans−4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)シクロヘキシル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−イソブチリルピペリジン−4−イル)アミノ)−5−メトキシピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(4−クロロ−2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(4−クロロ−2−((1−イソブチリルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((1−ベンジルピペリジン−4−イル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(−((1−イソブチリルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−アセチルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
N−(cis−4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−5−メトキシピリジン−3−イル)アミノ)シクロヘキシル)イソブチルアミド;
2−(2−((1−アセチルピペリジン−4−イル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(5−メトキシ−3−((1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(3−(((1−メチルピロリジン−3−イル)メチル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン;
4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N,N−ジメチルピペリジン−1−カルボキサミド;
2−(3−((3−(イソプロピルアミノ)プロピル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(3−((1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン;
cis−4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−5−メトキシピリジン−3−イル)アミノ)−N−イソプロピルシクロヘキサン−1−カルボキサミド;
5,7−ジメトキシ−2−(3−((1−(2,2,2−トリフルオロアセチル)ピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン;
4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N−イソプロピルピペリジン−1−カルボキサミド;
5,7−ジメトキシ−2−(3−((1−ピバロイルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(3−((2−モルホリノエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−5−(2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)エトキシ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド;
4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N−エチルピペリジン−1−カルボキサミド;
cis−4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N,N−ジメチルシクロヘキサン−1−カルボキサミド;
4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキサミド;
メチル−2−(4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)−2−オキソアセテート;
N−(2−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)エチル)イソブチルアミド;
N−(3−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)プロピル)イソブチルアミド;
2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−(2−ヒドロキシプロパノイル)ピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシ−7−((4−メトキシベンジル)アミノ)キナゾリン−4(3H)−オン;
2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−(1−イソプロピルピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル]−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
cis−4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N−イソプロピルシクロヘキサン−1−カルボキサミド;
2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−(1−イソブチロイルピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル]−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
7−アミノ−2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−{3−(1−イソプロピルピペリジン−4−イルアミノ)−5−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]ピリジン−2−イル}−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−{5−[2−(イソプロピルアミノ)エトキシ]−3−(1−イソプロピルピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル}−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)ピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;及び
7−(エチルアミノ)−2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
から選択される化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項17】
BETタンパク質機能の阻害に用いるための医薬であって、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物を含む、医薬。
【請求項18】
BETタンパク質に関連する疾患または病態の治療に用いるための医薬であって、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物を含む、医薬。
【請求項19】
(a)BETタンパク質に関連する自己免疫性障害または炎症性障害;
(b)ApoA1の転写及びタンパク質発現のアップレギュレーションから利益を得る疾患または障害;
(c)代謝疾患または障害;
(d)ウイルスに関連する癌;及び/または
(e)HIV感染症
の治療に用いるための医薬であって、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物を含む、医薬。
【請求項20】
(a)前記自己免疫性障害または炎症性障害が、急性散在性脳脊髄炎、無ガンマグロブリン血症、アレルギー性疾患、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患、自己免疫性心筋炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性血小板減少性紫斑病、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、キャッスルマン病、セリアック病、チャーグ−ストラウス症候群、クローン病、コーガン症候群、ドライアイ症候群、本態性混合型クリオグロブリン血症、皮膚筋炎、デビック病、脳炎、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、巨細胞性動脈炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、多発血管性肉芽腫症(ウェゲナー肉芽腫症)、グレーブス病、ギラン−バレー症候群、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ−シェーンライン紫斑病、特発性肺線維症、IgA腎症、封入体筋炎、1型糖尿病、間質性膀胱炎、川崎病、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、狼瘡(SLE)、顕微鏡的多発血管炎、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、視神経炎、天疱瘡、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、原発性胆汁性肝硬変、乾癬、乾癬性関節炎、壊疽性膿皮症、再発性多発性軟骨炎、関節リウマチ、サルコイドーシス、硬皮症、シェーグレン症候群、高安動脈炎、横断性脊髄炎、潰瘍性大腸炎、ぶどう膜炎及び白斑から選択され;
(b)前記のApoA1の転写及びタンパク質発現のアップレギュレーションから利益を得る疾患または障害が、心血管性疾患、脂質異常症、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、メタボリックシンドローム及びアルツハイマー病から選択され;
(c)前記代謝疾患または障害が、肥満関連炎症、2型糖尿病及びインスリン抵抗性から選択され;及び/または
(d)前記ウイルスが、エプスタインバーウイルス(EBV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、カポジ肉腫関連ウイルス(KSHV)、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、メルケル細胞ポリオーマウイルス及びヒトサイトメガロウイルス(CMV)から選択される、
請求項19に記載の医薬。
【請求項21】
IL−6及び/またはIL−17の異常調節によって特徴づけられる急性または慢性の非自己免疫性炎症性障害の治療に用いるための医薬であって、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物を含む、医薬。
【請求項22】
前記急性または慢性の非自己免疫性炎症性障害が、副鼻腔炎、肺炎、骨髄炎、胃炎、腸炎、歯肉炎、虫垂炎、過敏性大腸症候群、組織移植片拒絶、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、敗血性ショック、骨関節炎、急性痛風、急性肺傷害、急性腎不全、熱傷、ヘルクスハイマー反応、及びウイルス感染に関連するSIRSから選択される、請求項21に記載の医薬。
【請求項23】
関節リウマチ(RA)または多発性硬化症(MS)の治療に用いるための医薬であって、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物を含む、医薬。
【請求項24】
癌の治療に用いるための医薬であって、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物を含む、医薬。
【請求項25】
前記癌が、慢性リンパ球性白血病、多発性骨髄腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫、活性化未分化大細胞リンパ腫、神経芽細胞腫、原発性神経外胚葉性腫瘍、横紋筋肉腫、前立腺癌、乳癌、NUT正中線癌(NMC)、急性骨髄白血病(AML)、急性Bリンパ芽球性白血病(B−ALL)、B細胞リンパ腫、メラノーマ、混合系統白血病、前骨髄性白血病(PML)、非ホジキンリンパ腫、神経芽細胞腫、髄芽細胞腫、肺癌(NSCLC、SCLC)、及び結腸癌から選択される、請求項24に記載の医薬。
【請求項26】
前記癌が、
(a)BET阻害に感受性のあるmycファミリー癌タンパク質の過剰発現、転座、増幅または再構成に関連する癌;
(b)BETタンパク質の過剰発現、転座、増幅または再構成に関連する癌;
(c)癌遺伝子を調節するのにpTEFb(Cdk9/サイクリンT)及びBETタンパク質に依存する癌;
(d)BET応答性遺伝子CDK6、Bcl2、TYRO3、MYB及びhTERTのアップレギュレーションに関連する癌;及び/または
(e)BET阻害の効果に感受性のある癌
である、請求項24に記載の医薬。
【請求項27】
(a)前記癌が、急性Bリンパ性白血病、バーキットリンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、多発性骨髄腫、原発性プラズマ細胞性白血病、変則的なカルチノイド肺癌、膀胱癌、乳癌、子宮癌、結腸癌、胃癌、神経膠芽腫、肝細胞癌、大型細胞神経内分泌腫瘍、髄芽細胞腫、結節型黒色腫、表在拡大型黒色腫、神経芽細胞腫、食道扁平上皮癌、骨肉腫、卵巣癌、前立腺癌、腎明細胞癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫及び小細胞肺癌から選択され;
(b)前記のBETタンパク質の過剰発現、転座、増幅または再構成に関連する癌が、NUT正中線癌、B細胞リンパ腫、非小細胞肺癌、食道癌、頭頸部扁平上皮癌及び結腸癌から選択され;
(c)前記の癌遺伝子を調節するのにpTEFb(Cdk9/サイクリンT)及びBETタンパク質に依存する癌が、慢性リンパ球性白血病及び多発性骨髄腫、濾胞性リンパ腫、胚中心表現型を備えたびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫及び活性化未分化大細胞リンパ腫、神経芽細胞腫及び原発性神経外胚葉性腫瘍、横紋筋肉腫、前立腺癌、ならびに乳癌から選択され;
(d)前記のBET応答性遺伝子CDK6、Bcl2、TYRO3、MYB及びhTERTのアップレギュレーションに関連する癌が、膵臓癌、乳癌、結腸癌、神経膠芽腫、腺様嚢胞癌、T細胞前リンパ球性白血病、悪性神経膠腫、膀胱癌、髄芽細胞腫、甲状腺癌、黒色腫、多発性骨髄腫、バレット腺癌、肝臓癌、前立腺癌、前骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、小細胞肺癌及び腎癌から選択され;及び/または
(e)前記のBET阻害の効果に感受性のある癌が、NUT正中線癌(NMV)、急性骨髄白血病(AML)、急性Bリンパ芽球性白血病(B−ALL)、バーキットリンパ腫、B細胞リンパ腫、黒色腫、混合系統白血病、多発性骨髄腫、前骨髄性白血病(PML)、非ホジキンリンパ腫、神経芽細胞腫、髄芽細胞腫、肺癌(NSCLC、SCLC)及び結腸癌から選択される
請求項26に記載の医薬。
【請求項28】
前記化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物が、他の治療法、化学療法剤または抗増殖剤と組み合わせて投与される、請求項24に記載の医薬。
【請求項29】
前記治療剤が、ABT−737、アザシチジン(ビダーザ)、AZD1152(バラセルチブ(Barasertib))、AZD2281(オラパリブ)、AZD6244(セルメチニブ)、BEZ235、硫酸ブレオマイシン、ボルテゾミブ(ベルケイド)、ブスルファン(ミレラン)、カンプトセシン、シスプラチン、シクロフォスファミド(クラフェン(Clafen))、CYT387、サイトシンアラビノサイド(アラC)、ダカルバジン、DAPT(GSI−IX)、デシタビン、デキサメタゾン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エトポシド、エベロリムス(RAD001)、フラボピリドール(アルボシジブ)、ガネテスピブ(STA−9090)、ゲフィチニブ(イレッサ)、イダルビシン、イフォスファミド(ミトキサナ(Mitoxana))、IFNa2a(ロフェロンA)、メルファラン(アルケラン)、メタゾラストン(テモゾロマイド)、メトホルミン、ミトキサントロン(ノバントロン)、パクリタキセル、フェンホルミン、PKC412(ミドスタウリン)、PLX4032(ベムラフェニブ)、ポマリドミド(CC−4047)、プレドニゾン(デルタゾーン)、ラパマイシン、レブラミド(レナリドミド)、ルキソリチニブ(INCB018424)、ソラフェニブ(ネクサバール)、SU11248(スニチニブ)、SU11274、ビンブラスチン、ビンクリスチン(オンコビン)、ビノレルビン(ナベルビン)、ヴォリノスタット(SAHA)及びWP1130(デグラシン(Degrasyn))から選択される、請求項28に記載の医薬。
【請求項30】
良性軟組織腫瘍、骨腫瘍、脳脊髄腫瘍、眼瞼眼窩腫瘍、肉芽腫、脂肪腫、髄膜腫、多発性内分泌腺腫、鼻ポリープ、下垂体部腫瘍、プロラクチン産生腫瘍、偽脳腫瘍、脂漏性角化症、胃ポリープ、甲状腺結節、膵嚢胞性腫瘍、血管腫、声帯結節、ポリープ及び嚢胞、キャッスルマン病、慢性毛巣病、皮膚線維腫、毛嚢胞、化膿性肉芽腫、若年性ポリポーシス症候群、特発性肺線維症、腎線維症、術後狭窄、ケロイド形成、硬皮症ならびに心筋線維化からなる群から選択される良性の増殖性または線維性の障害の治療に用いるための医薬であって、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物を含む、医薬。
【請求項31】
神経学的疾患または障害の治療に用いるための医薬であって、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物を含む、医薬。
【請求項32】
前記神経学的疾患または障害が、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、双極性障害、統合失調症、ルビンシュタイン−テイビ症候群及びてんかんから選択される、請求項31に記載の医薬。
【請求項33】
男性避妊に用いるための医薬であって、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物を含む、医薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2013年7月31日に出願された米国仮特許出願第61/860,403号の優先権を主張し、その全体は参照することにより本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、新規の化合物、かかる化合物を含有する医薬組成物、ならびにブロモドメイン及び余剰末端ドメイン(bromodomain and extra terminal domain)(BET)タンパク質に関連する疾患及び病態の防止及び治療におけるそれらの使用を提供する。
【背景技術】
【0003】
ヒストンの翻訳後修飾(PTM)は、真核細胞における遺伝子発現調節及びクロマチン構成に関与する。特定のリジン残基でのヒストンアセチル化は、ヒストンアセチル化酵素(HAT)及び脱アセチル化酵素(HDAC)によって調節されるPTMである。非特許文献1。HDAC及びHATの小分子阻害剤は癌治療法として研究されている。非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5。ヒストンアセチル化は、ブロモドメイン経由でアセチル化リジンへ直接結合するタンパク質複合体の動員によって、遺伝子発現を制御する。非特許文献6。かかる1つのファミリーであるブロモドメイン及び余剰末端ドメイン(BET)タンパク質はBrd2、Brd3、Brd4及びBrdTを含み、非特許文献7中で概説されるように、その各々はアセチル化リジンへ独立して結合するできる2つのブロモドメインをタンデムで含有する。
ブロモドメイン阻害経由のBETタンパク質相互作用による妨害は、多くの場合、細胞周期制御、炎症性サイトカイン発現、ウイルス性転写、造血分化、インスリン転写及び脂質生成の調節異常によって特徴づけられる疾患に関連する転写プログラムの修飾をもたらす。非特許文献8。BET阻害剤は、全身性炎症または組織炎症、感染または低酸素への炎症反応、細胞の活性化及び増殖、脂質代謝、線維化に関連する疾患または病態の治療、ならびにウイルス感染の防止及び治療に有用であると考えられている。非特許文献9。
【0004】
多くの場合慢性であり衰弱性である自己免疫疾患は免疫応答の調節異常の結果であり、それによって、体は自身の細胞、組織及び器官を攻撃する。IL−1β、TNF−α、L−6、MCP−1及びIL−17が含まれる炎症誘発性サイトカインは、自己免疫疾患において過剰発現される。IL−17発現は、Th17細胞として公知のT細胞サブセットを定義し、それは部分的にIL−6によって分化し、多くの自己免疫疾患の病因性帰結を引き起こす。したがって、IL−6/Th17軸は自己免疫疾患治療法において重要な新薬開発の可能性のある標的を表わす。非特許文献10。BET阻害剤は抗炎症性及び免疫修飾特性を有することが予想される。非特許文献11;非特許文献12。BET阻害剤はインビトロで抗炎症作用の幅広いスペクトルを有することが示され、それらには、活性化された免疫細胞においてIL−1β、MCP−1、TNF−α及びIL−6等、炎症誘発性サイトカインの発現を減少させる能力が含まれる。非特許文献13;非特許文献14;非特許文献15。これらの抗炎症作用のメカニズムは、NF−κB調節性炎症誘発性サイトカインのBrd4共活性化のBET阻害剤による崩壊及び/またはサイトカインプロモーター(IL−6が含まれる)からのBETタンパク質の置換に関与し得る。非特許文献16;非特許文献17;非特許文献18。加えて、Brd4はT細胞系譜の分化に関与するので、BET阻害剤はT細胞分化の特異的プログラムによって特徴づけられる炎症性障害において有用であり得る。非特許文献19。
【0005】
BET阻害の抗炎症性及び免疫修飾性の効果はインビボでも確認されている。BET阻害剤は、マウスにおけるエンドトキシンまたは細菌性敗血症により誘導される死亡及び盲腸結紮穿刺により誘導される死亡を防止し、敗血症及び急性炎症性障害におけるBET阻害剤の有用性を示唆した。非特許文献20。BET阻害剤は、部分的にNF−κBとBrd4の相互作用の阻害を介して、HIV関連腎症のための動物モデルである、HIV−1遺伝子導入マウスにおいて炎症及び腎臓損傷を改善させることが示されている。非特許文献21。自己免疫疾患におけるBET阻害の有用性は多発性硬化症のマウスモデルにおいて実証され、そこでBET阻害は、部分的にIL−6及びIL−17の阻害を介して、疾患の臨床的徴候の停止をもたらした。非特許文献22。これらの結果は類似するマウスモデルにおいて支持され、そこでBET阻害剤による治療は、自己免疫誘発性のTh1及びTh17サブセットへのインビトロでのT細胞分化を阻害し、炎症誘発性のTh1細胞による疾患誘導をさらに無効にすることが示された。非特許文献23。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】A.Peserico and C.Simone,「Physical and functional HAT/HDAC interplay regulates protein acetylation balance,」J Biomed Biotechnol 2011:371832(2011)
【非特許文献2】I.Hoshino and H.Matsubara,「Recent advances in histone deacetylase targeted cancer therapy」Surg Today 40(9):809−15(2010)
【非特許文献3】S.Vernarecci et al.,「Tuning acetylated chromatin with HAT inhibitors:a novel tool for therapy」Epigenetics 5(2):105−11(2010)
【非特許文献4】K.Bandyopadhyay et al.,「Spermidinyl−CoA−based HAT inhibitors block DNA repair and provide cancer−specific chemo− and radiosensitization,」Cell Cycle 8(17):2779−88(2009)
【非特許文献5】M.Arif et al.,「Protein lysine acetylation in cellular function and its role in cancer manifestation,」Biochim Biophys Acta 1799(10−12):702−16(2010)
【非特許文献6】R.Sanchez and M.Zhou,「The role of human bromodomains in chromatin biology and gene transcription,」Curr Opin Drug Discov Devel 12(5):659−65(2009)
【非特許文献7】S.Wu and C.Chiang,「The double bromodomain−containing chromatin adaptor Brd4 and transcriptional regulation,」J Biol Chem 282(18):13141−5(2007)
【非特許文献8】A.Belkina and G.Denis,「BET domain co−regulators in obesity,inflammation and cancer,」Nat Rev Cancer 12(7):465−77(2012)
【非特許文献9】R.Prinjha et al.,「Place your BETs:the therapeutic potential of bromodomains,」Trends Pharmacol Sci 33(3):146−53(2012)
【非特許文献10】A.Kimura and T.Kishimoto,「IL−6:regulator of Treg/Th17 balance,」Eur J Immunol 40(7):1830−5(2010)
【非特許文献11】A.Belkina and G.Denis,Nat Rev Cancer 12(7):465−77(2012)
【非特許文献12】R.Prinjha et al.,Trends Pharmacol Sci 33(3):146−53(2012)
【非特許文献13】O.Mirguet et al.,「From ApoA1 upregulation to BET family bromodomain inhibition:discovery of I−BET151,」Bioorg Med Chem Lett 22(8):2963−7(2012)
【非特許文献14】E.Nicodeme et al.,「Suppression of inflammation by a synthetic histone mimic,」Nature 468(7327):1119−23(2010)
【非特許文献15】J.Seal et al.,「Identification of a novel series of BET family bromodomain inhibitors:binding mode and profile of I−BET151(GSK1210151A),」Bioorg Med Chem Lett 22(8):2968−72(2012)
【非特許文献16】E.Nicodeme et al.,Nature 468(7327):1119−23(2010)
【非特許文献17】G.Zhang et al.,「Down−regulation of NF−kappaB Transcriptional Activity in HIVassociated Kidney Disease by BRD4 Inhibition,」J Biol Chem,287(34):8840−51(2012)
【非特許文献18】M.Zhou et al.,「Bromodomain protein Brd4 regulates human immunodeficiency virus transcription through phosphorylation of CDK9 at threonine 29,」J Virol 83(2):1036−44(2009)
【非特許文献19】W.Zhang et al.,「Bromodomain−Containing−Protein 4(BRD4)Regulates RNA Polymerase II Serine 2 Phosphorylation in Human CD4+ T Cells,」J Biol Chem(2012)
【非特許文献20】E.Nicodeme et al.,Nature 468(7327):1119−23(2010)
【非特許文献21】G.Zhang,et al.,J Biol Chem 287(34):8840−51(2012)
【非特許文献22】R.Jahagirdar et al.,「An Orally Bioavailable Small Molecule RVX−297 Significantly Decreases Disease in a Mouse Model of Multiple Sclerosis,」World Congress of Inflammation Paris,France(2011)
【非特許文献23】H.Bandukwala et al.,「Selective inhibition of CD4+ T−cell cytokine production and autoimmunity by BET protein and c−Myc inhibitors,」Proc Natl Acad Sci USA 109(36):14532−7(2012)
【発明の概要】
【0007】
BET阻害剤は多様な慢性自己免疫性炎症性病態の治療において有用であり得る。したがって、本発明の一態様は、本発明の1つまたは複数の化合物またはそれらの化合物の1つ以上を含む医薬組成物の投与によって自己免疫性疾患及び/または炎症性疾患を治療するための化合物、組成物及び方法を提供する。本発明の化合物及び方法を使用して治療することができる、自己免疫性及び炎症性の疾患、障害及び症候群の例には、骨盤内炎症性疾患、尿道炎、皮膚の日焼け、副鼻腔炎、肺炎、脳炎、髄膜炎、心筋炎、腎炎(G.Zhang et al.,J Biol Chem 287(34):8840−51(2012))、骨髄炎、筋炎、肝炎、胃炎、腸炎、皮膚炎、歯肉炎、虫垂炎、膵臓炎、胆嚢炎、無ガンマグロブリン血症、乾癬、アレルギー、クローン病、過敏性大腸症候群、潰瘍性大腸炎(R.Prinjha et al.,Trends Pharmacol Sci 33(3):146−53(2012))、シェーグレン症候群、組織移植片拒絶、移植された臓器の超急性拒絶、喘息、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、多腺性自己免疫疾患(多腺性自己免疫症候群としても公知)、自己免疫性脱毛、悪性貧血、糸球体腎炎、皮膚筋炎、多発性硬化症(H.Bandukwala et al.,Proc Natl Acad Sci USA 109(36):14532−7(2012))、硬皮症、脈管炎、自己免疫性の溶血及び血小板減少の状態、グッドパスチャー症候群、アテローム性動脈硬化症、アジソン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、I型糖尿病(A.Belkina and G.Denis,Nat Rev Cancer 12(7):465−77(2012))、敗血性ショック(G.Zhang et al J Biol Chem 287(34):8840−51(2012))、全身性エリテマトーデス(SLE)(R.Prinjha et al,Trends Pharmacol Sci 33(3):146−53(2012))、関節リウマチ(G.Denis「Bromodomain coactivators in cancer,obesity,type 2 diabetes,and inflammation」、Discov Med 10(55):489−99(2010))、乾癬性関節炎、若年性関節炎、骨関節炎、慢性特発性血小板減少性紫斑病、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、アトピー性皮膚炎、変形性関節疾患、白斑、自己免疫性下垂体機能低下、ギラン−バレー症候群、ベーチェット病、ぶどう膜炎、ドライアイ疾患、硬皮症、菌状息肉腫及びグレーブス病が含まれるが、これらに限定されない
【0008】
BET阻害剤は様々な急性炎症性病態の治療において有用であり得る。したがって、本発明の一態様は、急性痛風、巨細胞性動脈炎、腎炎(ループス腎炎が含まれる)、器官関与による脈管炎(糸球体腎炎等)、脈管炎(巨細胞性動脈炎が含まれる)、ウェゲナー肉芽腫症、結節性多発動脈炎、ベーチェット病、川崎病及び高安動脈炎が含まれるが、これらに限定されない、炎症性病態の治療ための化合物、組成物及び方法を提供する。
【0009】
BET阻害剤は、細菌、ウイルス、菌類、寄生生物及びそれらの毒素による感染への炎症反応を含む、疾患または病態(敗血症、敗血症症候群、敗血性ショック(E.Nicodeme et al.,Nature 468(7327):1119−23(2010))、全身性炎症反応症候群(SIRS)、多臓器機能不全症候群、毒素性ショック症候群、急性肺傷害、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、急性腎不全、劇症肝炎、熱傷、手術後症候群、サルコイドーシス、ヘルクスハイマー反応、脳炎、骨髄炎、髄膜炎、マラリア、及びウイルス感染(インフルエンザ、帯状疱疹、単純疱疹及びコロナウイルス等)に関連するSIRS等であるが、これらに限定されない)の防止及び治療において有用であり得る。A.Belkina and G.Denis,Nat Rev Cancer 12(7):465−77(2012)。したがって、本発明の一態様は、本明細書において記述される細菌、ウイルス、菌類、寄生生物、及びそれらの毒素による感染へのこれらの炎症反応を治療するための化合物、組成物及び方法を提供する。
【0010】
癌は細胞増殖の調節異常によって引き起こされる疾患群である。治療法アプローチは、細胞分裂の阻害によってまたは癌の細胞分化もしくは細胞死の誘導によって癌細胞の数を減少させることを目指すが、より有効な治療剤のための重要な未解決の医学的必要性が今もなおある。癌細胞は、細胞増殖及び代謝を変更する遺伝的変化及びエピジェネテイックな変化を蓄積し、細胞増殖を促進し、プログラム細胞死またはアポトーシスへの耐性を増加させる。これらの変化のうちのいくつかには、腫瘍抑制遺伝子の不活性化、癌遺伝子の活性化、及びクロマチン構造の調節の修飾(ヒストンPTMの脱調節を含む)が含まれる。J.Watson「Curing「incurable」cancer,」Cancer Discov 1(6):477−80(2011);R.Morin et al.,「Frequent mutation of histone−modifying genes in non−Hodgkin lymphoma」Nature 476(7360):298−303(2011).
【0011】
本発明の一態様は、BETタンパク質の異常な転座または過剰発現に起因する癌が含まれるが、これらに限定されないヒト癌の治療ための化合物、組成物及び方法を提供する(例えばNUT正中線癌(midline carcinoma)(NMC)(C.French「NUT midline carcinoma,」Cancer Genet Cytogenet 203(1):16−20(2010)及びB細胞リンパ腫(R.Greenwald et al.,「E mu−BRD2 transgenic mice develop B−cell lymphoma and leukemia,」Blood103(4):1475−84(2004))。NMC腫瘍細胞の増殖は、ニュートリン1遺伝子へのBrd4またはBrd3遺伝子の転座によって駆動される。P.Filippakopoulos et al.,「Selective inhibition of BET bromodomains,」Nature 468(7327):1067−73(2010)。BET阻害は、まれであるが致死型の癌であるNMCのマウス異種移植モデルにおいて強力な抗腫瘍活性を実証した。本開示は、c−myc、MYCN及びL−mycが含まれる癌タンパク質のmycファミリーのメンバーに依存する癌が含まれるが、これらに限定されない、ヒト癌を治療する方法を提供する。M.Vita and M.Henriksson,「The Myc oncoprotein as a therapeutic target for human cancer,」Semin Cancer Biol 16(4):318−30(2006)。これらの癌には、バーキットリンパ腫、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫及び侵攻性ヒト髄芽細胞腫が含まれる。M.Vita and M.Henriksson,Semin Cancer Biol 16(4):318−30(2006)。c−mycが過剰発現される癌は、BETタンパク質阻害に特に影響を受けやすいだろう。c−mycの活性化を有する腫瘍のBET阻害剤による治療が、c−myc転写の不活性化を介して腫瘍退縮をもたらすことが示されている。M.Dawson et al.,Inhibition of BET recruitment to chromatin as an effective treatment for MLL−fusion leukaemia.Nature,2011.478(7370):p.529−33;J.Delmore et al.,「BET bromodomain inhibition as a therapeutic strategy to target c−Myc,」Cell 146(6):904−17(2010);J.Mertz et al.,「Targeting MYC dependence in cancer by inhibiting BET bromodomains,」Proc Natl Acad Sci USA 108(40):16669−74(2011);C.Ott et al.,「BET bromodomain inhibition targets both c−Myc and IL7R in highrisk acute lymphoblastic leukemia,」Blood 120(14):2843−52(2012);J.Zuber et al.,「RNAi screen identifies Brd4 as a therapeutic target in acute myeloid leukaemia,」Nature 478(7370):524−8(2011)。
【0012】
本発明の実施形態は、癌遺伝子を調節するのにBETタンパク質及びpTEFb(Cdk9/CyclinT))に依存するヒト癌(S.Wang.and P.Fischer,「Cyclin−dependent kinase 9:a key transcriptional regulator and potential drug target in oncology,virology and cardiology,」Trends Pharmacol Sci 29(6):302−13(2008))、ならびにBcl2、サイクリン依存性キナーゼ6(CDK6)(M.Dawson et al.,Nature 478(7370):529−33(2011))、またはヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT))の阻害によるアポトーシスまたは老化の誘導によって治療できる癌を治療する方法を含む。J.Delmore et al.,Cell 146(6):904−17(2010);M.Ruden and N.Puri,「Novel anticancer therapeutics targeting telomerase,」Cancer Treat Rev(2012)。
【0013】
BET阻害剤は、副腎癌、腺房細胞癌、聴神経腫、末端性黒子性黒色腫、先端汗腺腫、急性好酸球性白血病、急性赤白血病、急性リンパ性白血病、急性巨核芽球性白血病、急性単球性白血病、急性骨髄白血病(M.Dawson et al.,Nature 478(7370):529−33(2011);J.Mertz,et al.,Proc Natl Acad Sci USA 108(40):16669−74(2011);J.Zuber et al.,Nature 478(7370):524−8(2011))、腺癌、腺様嚢胞癌、腺腫、腺様歯原性腫瘍、腺扁平上皮癌、脂肪組織新生物、副腎皮質癌、成人T細胞白血病/リンパ腫、侵攻性NK細胞白血病、AIDS関連リンパ腫、胞巣状横紋筋肉腫、胞巣状軟部肉腫、エナメル上皮線維腫、未分化大細胞リンパ腫、未分化の甲状腺癌、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、血管筋脂肪腫、血管肉腫、星状細胞腫、非定型奇形腫様ラブドイド腫瘍、B細胞急性リンパ性白血病(C.Ott et al.,Blood120(14):2843−52(2012))、B細胞慢性リンパ球性白血病、B細胞前リンパ球性白血病、B細胞リンパ腫(R.Greenwald et al.,Blood 103(4):1475−84(2004))、基底細胞癌、胆道癌、膀胱癌、芽細胞腫、骨癌、ブレンナー腫瘍、褐色腫、バーキットリンパ腫(J.Mertz et al.,Proc Natl Acad Sci USA 108(40):16669−74(2011))、乳癌、脳腫瘍、癌腫、上皮内癌、癌肉腫、軟骨腫瘍、セメント腫、骨髄性肉腫、軟骨腫、脊索腫、絨毛腫、脈絡叢乳頭腫、腎臓の明細胞肉腫、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞性リンパ腫、子宮頸癌、結腸直腸癌、デゴス病、線維形成性小円形細胞腫瘍、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、胚芽異形成性神経上皮腫瘍、未分化胚細胞腫、胎生期腫瘍、内分泌腺新生物、内胚葉洞腫瘍、腸症関連T細胞リンパ腫、食道癌、封入奇形胎児、線維腫、線維肉腫、濾胞性リンパ腫、濾胞性甲状腺癌、節神経腫、消化管癌、生殖細胞腫瘍、妊娠性絨毛癌、巨細胞線維芽腫、骨の巨細胞腫、神経膠腫、多形神経膠芽腫、神経膠腫、大脳神経膠腫症、グルカゴン産生腫瘍、性腺芽腫、顆粒膜細胞腫、半陰陽性卵巣腫瘍、胆嚢癌、胃癌、毛様細胞性白血病、血管芽細胞腫、頭頸部癌、血管周囲細胞腫、血液悪性腫瘍、肝芽腫、肝脾T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、浸潤性小葉癌、腸癌、腎臓癌、喉頭癌、悪性黒子、致死性の正中線癌、白血病、ライディッヒ細胞腫瘍、脂肪肉腫、肺癌、リンパ管腫、リンパ管肉腫、リンパ上皮腫、リンパ腫、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病(Mertz,J.A.,et al.,Proc Natl Acad Sci USA 108(40):16669−74(2011))、慢性リンパ球性白血病、肝臓癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、MALTリンパ腫、悪性線維性組織球腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、悪性トリトン腫瘍、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、マスト細胞白血病、縦隔の生殖細胞腫瘍、乳房髄様癌、甲状腺髄様癌、髄芽細胞腫、メラノーマ(M.Segura et al.,「BRD4 is a novel therapeutic target in melanoma,」Cancer Research 72(8):Supplement 1(2012))、髄膜腫、メルケル細胞癌、中皮腫、転移性尿路上皮癌、ミュラー管混合腫瘍、混合系統白血病(M.Dawson et al.,Nature 478(7370):529−33(2011))、粘液性腫瘍、多発性骨髄腫(J.Delmore et al.,Cell 146(6):904−17(2010))、筋組織新生物、菌状息肉腫、粘液性脂肪肉腫、粘液腫、粘液肉腫、鼻咽頭癌、神経鞘腫、神経芽細胞腫、神経線維腫、神経腫、結節型黒色腫、NUT正中線癌(P.Filippakopoulos et al.,Nature 468(7327):1067−73(2010))、眼癌、乏突起星細胞腫、乏突起膠腫、膨大細胞腫、視神経鞘髄膜腫、視神経腫瘍、口腔癌、骨肉腫、卵巣癌、パンコースト腫瘍、甲状腺乳頭癌、傍神経節腫、松果体芽細胞腫、松果体細胞腫、下垂体細胞腫、下垂体腺腫、下垂体部腫瘍、形質細胞腫、多胚腫、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、原発性腹膜癌、前立腺癌、膵臓癌、咽頭癌、腹膜偽粘液腫、腎細胞癌、腎髄様癌、網膜芽細胞腫、横紋筋腫、横紋筋肉腫、リヒター症候群への形質転換、直腸癌、肉腫、神経鞘腫症、精上皮腫、セルトリ細胞腫瘍、性索性腺間質腫瘍、印環細胞癌、皮膚癌、小円形青色細胞腫瘍、小細胞癌、軟部組織肉腫、ソマトスタチン産生腫瘍、煤煙性いぼ、脊髄腫瘍、脾性辺縁帯リンパ腫、扁平上皮癌、滑膜肉腫、セザリー病、小腸癌、扁平上皮癌、胃癌、睾丸癌、卵胞膜腫、甲状腺癌、移行上皮癌、喉頭癌、尿膜管癌、泌尿生殖器癌、尿路上皮癌、ぶどう膜メラノーマ、子宮癌、いぼ状がん、視経路神経膠腫、外陰癌、膣癌、ワルデンストレームマクログロブリン血症、ワルチン腫瘍、及びウィルムス腫瘍が含まれるが、これらに限定されない癌の治療において有用であり得る。したがって、本発明の一態様は、かかる癌の治療ための化合物、組成物及び方法を提供する。
【0014】
BET阻害剤は良性の増殖性及び線維性の障害の治療において有用であり得、それらには、良性軟組織腫瘍、骨腫瘍、脳脊髄腫瘍、眼瞼眼窩腫瘍、肉芽腫、脂肪腫、髄膜腫、多発性内分泌腺腫、鼻ポリープ、下垂体部腫瘍、プロラクチン産生腫瘍、偽脳腫瘍、脂漏性角化症、胃ポリープ、甲状腺結節、膵嚢胞性腫瘍、血管腫、声帯結節、ポリープ及び嚢胞、キャッスルマン病、慢性毛巣病、皮膚線維腫、毛嚢胞、化膿性肉芽腫、若年性ポリポーシス症候群、特発性肺線維症、腎線維症、術後狭窄、ケロイド形成、硬皮症ならびに心筋線維化が含まれる。X.Tang et al.,「Assessment of Brd4 Inhibition in Idiopathic Pulmonary Fibrosis Lung Fibroblasts and in Vivo Models of Lung Fibrosis,」Am J Pathology印刷中(2013)。したがって、本発明の一態様は、かかる良性の増殖性及び線維性の障害の治療ための化合物、組成物及び方法を提供する。
【0015】
心血管性疾患(CVD)は米国における死亡率及び罹患率の主要原因である。V.Roger et al.,「Heart disease and stroke statistics−−2012 update:a report from the American Heart Association,」Circulation 125(1):e2−e220(2012).CVDの根本原因であるアテローム性動脈硬化症は、脂質異常症及び炎症によって特徴づけられる多因子性疾患である。BET阻害剤は、前述の抗炎症作用に加えて、HDLの主な構成要素であるApoA−Iの転写を増加させる能力があるので、アテローム性動脈硬化症及び関連する病態において有効であると予想される。O.Mirguet et al.,Bioorg Med Chem Lett 22(8):2963−7(2012);C.Chung et al.,「Discovery and characterization of small molecule inhibitors of the BET family bromodomains,」J Med Chem 54(11):3827−38(2011)。したがって、本発明の一態様は、アテローム性動脈硬化症が含まれるが、これに限定されない心血管性疾患の治療ための化合物、組成物及び方法を提供する。
【0016】
ApoA−Iのアップレギュレーションはアテローム性動脈硬化症及びCVDの治療において有用な戦略であると考えられる。E.Degoma and D.Rader,「Novel HDL−directed pharmacotherapeutic strategies,」Nat Rev Cardiol 8(5):266−77(2011)。BET阻害剤はApoA−Iの転写及びタンパク質発現を増加させることが示されている。O.Mirguet et al.,Bioorg Med Chem Lett 22(8):2963−7(2012);C.Chung et al.,J Med Chem 54(11):3827−38(2011)。BET阻害剤がBETタンパク質へ直接結合し、ApoA−1プロモーターでのアセチル化ヒストンへのBETタンパク質の結合を阻害することも示されており、ApoA−1プロモーター上にBETタンパク質抑制複合体が存在し、それはBET阻害剤によって機能的に破壊することができることが示唆された。BET阻害剤は、ApoA−I及びHDLの調節経由の脂質代謝の異常(高コレステロール血症、脂質異常症、アテローム性動脈硬化症(E.Degoma and D.Rader,Nat Rev Cardiol 8(5):266−77(2011))及びアルツハイマー病ならびに他の神経学的障害等)の治療において有用であり得るということである。D.Elliott et al.,「Apolipoproteins in the brain:implications for neurological and psychiatric disorders,」Clin Lipidol 51(4):555−573 2010)。したがって、本発明の一態様は、ApoA−1のアップレギュレーションによって心臓血管疾患を治療するための化合物、組成物及び方法を提供する。
【0017】
BET阻害剤は、虚血再灌流傷害に関連する病態(心筋梗塞、卒中、急性冠症候群(R.Prinjha et al.Trends Pharmacol Sci 33(3):146−53(2012))、腎再灌流傷害、臓器移植、冠動脈バイパス術、心肺バイパス手法、高血圧症、肺塞栓症、腎塞栓症、肝塞栓症、胃腸塞栓症、または末梢肢塞栓症等であるが、これらに限定されない)の防止及び治療において有用であり得る。したがって、本発明の一態様は、虚血再灌流傷害に関連する本明細書において記述される病態の防止及び治療のための化合物、組成物及び方法を提供する。
【0018】
肥満関連炎症は、II型糖尿病、インスリン抵抗性及び他の代謝障害の特徴である。A.Belkina and G.Denis,Nat Rev Cancer 12(7):465−77(2012);G.Denis Discov Med 10(55):489−99(2010)。BET阻害剤が炎症を阻害する能力に一致して、マウスにおけるBrd2の遺伝子破壊は炎症を除去し、肥満誘導性のインスリン抵抗性から動物を保護する。F.Wang et al.,「Brd2 disruption in mice causes severe obesity without Type 2 diabetes,」Biochem J 425(1):71−83(2010)。Brd2はPPARγと相互作用し、PPARγの転写機能を妨害することが示されている。インビトロのBrd2のノックダウンは、PPARγ調節性ネットワーク(脂質生成を制御するものが含まれる)の転写を促進する。G.Denis et al.,「An emerging role for bromodomain−containing proteins in chromatin regulation and transcriptional control of adipogenesis,」FEBS Lett 584(15):3260−8(2010)。加えて、Brd2は膵β細胞において高度に発現され、増殖及びインスリン転写を調節する。F.Wang et al.,Biochem J 425(1):71−83(2010)。これらのことから、炎症及び代謝に対するBET阻害剤の組み合わせ効果はインスリン抵抗性を減少させ、前糖尿病の患者及びII型糖尿病の患者に加えて、他の代謝性合併症に罹患した患者の治療において有用であり得る。A.Belkina and G.Denis Nat Rev Cancer 12(7):465−77(2012)。したがって、本発明の一態様は、肥満関連炎症、II型糖尿病及びインスリン抵抗性が含まれるがこれらに限定されない、代謝障害の治療及び防止のための化合物、組成物及び方法を提供する。
【0019】
宿主にコードされたBETタンパク質は、ウイルスプロモーターの転写の活性化及び抑制のために重要であることが示されている。Brd4はヒト乳頭腫ウイルス(HPV)のE2タンパク質と相互作用して、E2標的遺伝子のE2媒介性転写を可能にする。D.Gagnon et al.,「Proteasomal degradation of the papillomavirus E2 protein is inhibited by overexpression of bromodomain−containing protein 4,」J Virol 83(9):4127−39(2009)。同様に、Brd2、Brd3及びBrd4はすべて、潜伏核抗原1(LANA1)(カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)によってコードされる)へ結合し、KSHV感染細胞のLANA1依存性増殖を促進する。J.You et al.,「Kaposi’s sarcoma−associated herpesvirus latency−associated nuclear antigen interacts with bromodomain protein Brd4 on host mitotic chromosomes,」J Virol 80(18):8909−19(2006)。BET阻害剤は、エプスタインバーウイルス(EBV)ウイルス性Cプロモーターへの転写伸長複合体pTEFbのBrd4媒介性動員を阻害することが示され、EBV関連悪性腫瘍についての治療的価値を示唆する。R.Palermo et al.,「RNA polymerase II stalling promotes nucleosome occlusion and pTEFb recruitment to drive immortalization by Epstein−Barr virus,」PLoS Pathog 7(10):e1002334(2011)。さらに、BET阻害剤は、潜伏T細胞感染及び潜伏単球感染のモデルにおいてHIVを再活性化し、相補的抗レトロウイルス療法によって可能性のあるウイルス根絶を可能にする。J.Zhu et al.,「Reactivation of Latent HIV−1 by Inhibition of BRD4,」Cell Rep(2012);C.Banerjee et al.,「BET bromodomain inhibition as a novel strategy for reactivation of HIV−1,」J Leukoc Biol(2012);K.Bartholomeeusen et al.,「BET bromodomain inhibition activates transcription via a transient release of P−TEFb from 7SK snRNP,」J Biol Chem(2012);Z.Li et al.,「The BET bromodomain inhibitor JQ1 activates HIV latency through antagonizing Brd4 inhibition of Tat−transactivation,」Nucleic Acids Res(2012)。
【0020】
BET阻害剤は、ヒトパピローマウイルス、ヘルペスウイルス、エプスタインバーウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(A.Belkina and G.Denis,Nat Rev Cancer 12(7):465−77(2012))、アデノウイルス、ポックスウイルス、B型肝炎ウイルス及びC型肝炎ウイルスが含まれるが、これらに限定されない、エピソームベースのDNAウイルスの防止及び治療において有用であり得る。したがって、本発明は、本明細書において記述されるエピソームベースのDNAウイルス感染の治療及び防止のための化合物、組成物及び方法も提供する。
【0021】
いくつかの中枢神経系(CNS)疾患は、エピジェネティックプロセスにおける障害によって特徴づけられる。Brd2ハプロ不全は神経欠損及びてんかんに結びつけられている。L.Velisek et al.,「GABAergic neuron deficit as an idiopathic generalized epilepsy mechanism:the role of BRD2 haploinsufficiency in juvenile myoclonic epilepsy,」PLoS One 6(8):e23656(2011)。様々なブロモドメイン含有タンパク質中のSNPも統合失調症及び双極性障害が含まれる精神障害に結びつけられている。R.Prinjha et al.,Trends Pharmacol Sci 33(3):146−53(2012)。加えて、ApoA−Iとアルツハイマー病及び他の神経学的障害との間の示唆される関係性の増加を考慮して、BET阻害剤がApoA−I転写を増加させる能力から、BET阻害剤はアルツハイマー病治療法において有用であり得る。D.Elliott et al.,Clin Lipidol 51(4):555−573(2010)。したがって、本発明の一態様は、かかるCNS疾患及び障害の治療のための化合物、組成物及び方法を提供する。
【0022】
BRDTは、精子形成の間のクロマチンのリモデルのために必須のBETタンパク質ファミリーの精巣特異的メンバーである。J.Gaucher et al.,「Bromodomain−dependent stage−specific male genome programming by Brdt,」 EMBO J 31(19):3809−20(2012);E.Shang et al.,「The first bromodomain of Brdt,a testis−specific member of the BET sub−family of double−bromodomain−containing proteins,is essential for male germ cell differentiation,」Development 134(19):3507−15(2007)。BRDTの遺伝子枯渇、またはBET阻害剤によるアセチル化ヒストンとBRDTの相互作用の阻害は、マウスにおいて避妊効果をもたらし、小分子BET阻害剤を使用した場合可逆的であった。M.Matzuk et al.,「Small−Molecule Inhibition of BRDT for Male Contraception,」Cell 150(4):673−684(2012);B.Berkovits et al.,「The testis−specific double bromodomain−containing protein BRDT forms a complex with multiple spliceosome components and is required for mRNA splicing and 3’−UTR truncation in round spermatids,」Nucleic Acids Res 40(15):7162−75(2012)。これらのデータは、男性用避妊への新規で有効なアプローチとしてBET阻害剤の可能性のある有用性を示唆する。したがって、本発明の別の態様は、男性用避妊のための化合物、組成物及び方法を提供する。
【0023】
単球走化性タンパク質−1(MCP−1、CCL2)は心血管性疾患で重要な役割を果たす。J.Niu and P.Kolattukudy,「Role of MCP−1 in cardiovascular disease:molecular mechanisms and clinical implications,」Clin Sci(Lond)117(3):95−109(2009)。MCP−1は、その走化性活性によって、動脈管腔から内皮下空間への単球の動員を調節し、ここで単球はマクロファージ泡沫細胞へと発生し、アテローム斑へと発生し得る脂肪線条の形成を開始する。J.Dawson et al.,「Targeting monocyte chemoattractant protein−1 signalling in disease,」Expert Opin Ther Targets 7(1):35−48(2003)。アテローム性動脈硬化症の発症におけるMCP−1(及びその同族受容体CCR2)の重要な役割は、高脂血症バックグラウンド上で様々なトランスジェニックマウス及びノックアウトマウスのモデルにおいて調べられている。L.Boring et al.,「Decreased lesion formation in CCR2−/− mice reveals a role for chemokines in the initiation of atherosclerosis,」Nature 394(6696):894−7(1998);J.Gosling et al.,「MCP−1 deficiency reduces susceptibility to atherosclerosis in mice that overexpress human apolipoprotein B,」J Clin Invest 103(6):773−8(1999);L.Gu et al.,「Absence of monocyte chemoattractant protein−1 reduces atherosclerosis in low density lipoprotein receptor−deficient mice,」Mol Cell 2(2):275−81(1998);R.Aiello et al.,「Monocyte chemoattractant protein−1 accelerates atherosclerosis in apolipoprotein E−deficient mice,」Arterioscler Thromb Vasc Biol 19(6):1518−25(1999)。これらの報告は、MCP−1シグナリングの停止が動脈壁へのマクロファージ浸潤の減少及びアテローム性動脈硬化症発生の減少をもたらすことを実証する。
【0024】
ヒトにおいてMCP−1と心血管性疾患との間の関連性は十分に確立されている。J.Niu and P.Kolattukudy,Clin Sci(Lond)117(3):95−109(2009)。MCP−1及びその受容体は、ヒトアテローム斑中の、内皮細胞、平滑筋細胞及び浸潤単球/マクロファージによって過剰発現される。N.Nelken et al.,「Monocyte chemoattractant protein−1 in human atheromatous plaques,」J Clin Invest 88(4):1121−7(1991)。さらに、MCP−1の血中循環レベルの上昇は、大部分の心血管系リスク因子、冠動脈アテローム性動脈硬化量の測定値及び冠性心疾患(CHD)の発病率に正に相関する。R.Deoet al.,「Association among plasma levels of monocyte chemoattractant protein−1,traditional cardiovascular risk factors,and subclinical atherosclerosis,」J Am Coll Cardiol 44(9):1812−8(2004)。MCP−1の最高レベルを呈するCHD患者は急性冠不全症候群(ACS)に罹患する患者である。J.de Lemos et al.,「Association between plasma levels of monocyte chemoattractant protein−1 and long−term clinical outcomes in patients with acute coronary syndromes,」Circulation 107(5):690−5(2003)。MCP−1は、根底にあるCHDに関連する炎症で役割を果たすことに加えて、プラーク破裂、虚血性/再灌流傷害、再狭窄及び心臓移植拒絶に関与することが示されている。J.Niu and P.Kolattukudy,Clin Sci(Lond)117(3):95−109(2009)。
【0025】
MCP−1は、関節リウマチ(RA)及び多発性硬化症(MS)が含まれる自己免疫疾患に関連する組織炎症も促進する。MCP−1は、RAにおいて関節の中へのマクロファージ及びリンパ細胞の浸潤で役割を果たし、RA患者の滑液中で過剰発現される。A.Koch et al.,「Enhanced production of monocyte chemoattractant protein−1 in rheumatoid arthritis,」J Clin Invest 90(3):772−9(1992)。RAの動物モデルにおけるMCP−1及びMCP−1シグナリングの遮断から、RAに関連するマクロファージ蓄積及び炎症性サイトカイン発現へのMCP−1の重要性も示された。C.Brodmerkel et al.,「Discovery and pharmacological characterization of a novel rodent−active CCR2 antagonist,INCB3344,」J Immunol 175(8):5370−8(2005);H.Bruhl et al.,「Dual role of CCR2 during initiation and progression of collagen−induced arthritis:evidence for regulatory activity of CCR2+T cells, 」J Immunol 172(2):890−8(2004);J. Gong et al., 「An antagonist of monocyte chemoattractant protein 1(MCP−1)inhibits arthritis in the MRL−lpr mouse model, 」J Exp Med 186(1):131−7(1997):65.J.Gong et al.,「Post−onset inhibition of murine arthritis using combined chemokine antagonist therapy,」Rheumatology(Oxford 43(1):39−42(2004)。
【0026】
脳、脳脊髄液(CSF)及び血液中のMCP−1の過剰発現も、ヒトにおける慢性及び急性のMSに関連していた。D.Mahad and R.Ransohoff,「The role of MCP−1(CCL2)and CCR2 in multiple sclerosis and experimental autoimmune encephalomyelitis(EAE),」Semin Immunol 15(1):23−32(2003)。MCP−1は疾患進行の間に脳中の多様な細胞タイプによって過剰発現され、MSに関連した組織損傷を媒介するマクロファージ及びリンパ細胞の浸潤に寄与する。実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)マウスモデル(ヒトMSに類似するモデル)におけるMCP−1またはCCR2の遺伝子枯渇は、主としてCNSへのマクロファージ浸潤が減少するので、疾患への耐性をもたらす。B.Fife et al.,「CC chemokine receptor 2 is critical for induction of experimental autoimmune encephalomyelitis,」J Exp Med 192(6):899−905(2000);D.Huang et al.,「Absence of monocyte chemoattractant protein 1 in mice leads to decreased local macrophage recruitment and antigen−specific T helper cell type 1 immune response in experimental autoimmune encephalomyelitis,」J Exp Med 193(6):713−26(2001)。
【0027】
前臨床データから、MCP−1及びCCR2の低分子阻害剤及び高分子阻害剤は炎症性徴候及び自己免疫性徴候の治療剤としての可能性を有することが示唆された。したがって、本発明の一態様は、MCP−1及びCCR2に関連する心血管病態、炎症性病態及び自己免疫性病態の治療のための化合物、組成物及び方法を提供する。
【0028】
したがって、本発明は、ブロモドメインへの結合によるBETタンパク質機能の阻害のために有用な化合物、それらの化合物のうちの1つ以上を含む医薬組成物、ならびに癌、自己免疫性疾患、及び心血管性疾患が含まれるが、これらに限定されない、疾患及び病態の治療及び防止におけるこれらの化合物または組成物の使用を提供する。
【0029】
本発明の第1の態様は、式Iの化合物、及び治療法上効果的な量のそれらの化合物を、それを必要とする哺乳類(例えばヒト)へ投与する方法を含み、
それらの化合物は、
【化1】
またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物であり、
式中、
はN及びCRから選択され;
はN及びCRから選択され;
はN及びCRから選択され;
はN及びCRから選択され;
XはN及びCHから選択され;
Yは、−S(O)−、−C(O)−、−NH−、−NHCH−、−NHCHCH−及び−NHCHCHCH−から選択され、B環へ窒素が結合され、1つまたは複数の水素は、アルキル(C−C)、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアミノにより随意に置換することができ;
、R、R及びRは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ(例えばアミノアルキル等)、アリールオキシ、アリール、ヒドロキシル及びハロゲンから独立して選択され;
、R、R及びRから選択される2つの隣接する置換基は、5員環または6員環で接続して、二環式炭素環または二環式ヘテロ環を形成し得;
は、アミノ、5員及び6員の炭素環ならびにヘテロ環から選択され;
は、水素、アルコキシ、アルキル、ハロゲン、アミノアルキル及びチオアルキルから選択され;
は、水素、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、アミノアルキル及びハロゲンから選択される。
【0030】
本発明の別の態様は、式Iaの化合物、及び治療法上効果的な量のそれらの化合物を、それを必要とする哺乳類(例えばヒト)へ投与する方法を含み、
それらの化合物は、
【化2】
またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物であり、
式中、
XはN及びCHから選択され;
Yは、−S(O)−、−C(O)−、−NH−、−NHCH−、−NHCHCH−及び−NHCHCHCH−から選択され、B環へ窒素が結合され、1つまたは複数の水素は、アルキル(C−C)、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアミノにより随意に置換することができ;
及びRは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ(例えばアミノアルキル等)、アリールオキシ、アリール、ヒドロキシル及びハロゲンから独立して選択され;
は、アミノ、アミノアルキル、ハロゲン、アミノ、アミド、アルキル(C−C)またはアルコキシ(C−C)により随意に置換された5員及び6員の炭素環ならびにヘテロ環から選択され、例えば構造
【化3】
であり、式中、Raは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、−C(O)Me、−C(O)Pr、−C(O)iPr、ベンジル、−C(O)CF、−C(O)−tBu、−C(O)NHiPr、−C(O)NMe、−C(O)NHEt、−C(O)NH、−C(O)CH(OH)CH、−C(O)C(O)OMe、−CF、−CHCHOH、−CHCHアミノ及び−CHCHC(Me)OHから選択され;
は、水素、アルコキシ、アルキル、ハロゲン、アミノアルキル及びチオアルキルから選択され;
は、水素、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、アミノアルキル及びハロゲンから選択される。
【0031】
本発明の他の態様において、式Iもしくは式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩及び1つもしくは複数の薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む、医薬組成物が提供される。
【0032】
本発明のさらに別の態様において、特にブロモドメイン阻害剤が指示される疾患または病態の治療において、治療法で使用される式Iもしくは式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0033】
本発明のさらに別の態様において、ブロモドメイン阻害剤が指示される疾患または病態の治療のための医薬品の製造において、式Iもしくは式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0034】
定義
本明細書において使用される時、以下の単語、表現及び記号は、一般的には、それらが使用される文脈が特別に指示する程度を除いて、以下に説明されるような意味を有すると意図される。以下の略語及び用語は示される意味を全体にわたって有する。
【0035】
本明細書において使用される時、「心血管性疾患」は、BET阻害によって媒介される心臓及び循環系の疾患、障害及び病態を指す。コレステロール関連障害または脂質関連障害が含まれる例示的な心血管性疾患には、急性冠不全症候群、狭心症、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、アテローム性頸動脈硬化症、脳血管疾患、脳梗塞、鬱血性心不全、先天性心疾患、冠性心疾患、冠動脈疾患、冠動脈プラーク安定化、脂質異常症、異常リポタンパク血症、内皮機能不全、家族性高コレステロール血症、家族性複合型高脂血症、低αリポタンパク血症、高トリグリセリド血、高βリポタンパク血症、高コレステロール血症、高血圧症、高脂血症、間欠性跛行、虚血、虚血再灌流傷害、虚血心疾患、心虚血、メタボリックシンドローム、多発脳梗塞性認知症、心筋梗塞、肥満、末梢血管疾患、再灌流傷害、再狭窄、アテローム性腎動脈硬化症、リューマチ性心疾患、卒中、血栓疾患、一過性脳虚血発作、ならびにアルツハイマー病、肥満、糖尿病、シンドロームX、インポテンス、多発性硬化症、パーキンソン病及び炎症性疾患に関連するリポタンパク質異常が含まれるが、これらに限定されない。
【0036】
本明細書において使用される時、「炎症性疾患」は、BET阻害によって媒介される疾患、障害及び病態を指す。例示的な炎症性疾患には、関節炎、喘息、皮膚炎、乾癬、嚢胞性線維症、移植後の後期及び慢性の固形臓器拒絶、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、炎症性腸疾患、自己免疫性糖尿病、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性血管症、眼炎症、ぶどう膜炎、鼻炎、虚血再灌流傷害、血管形成術後再狭窄、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、糸球体腎炎、グレーブス病、消化管アレルギー、結膜炎、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、狭心症及び小動脈疾患が含まれるが、これらに限定されない。
【0037】
本明細書において使用される時、「癌」は、BET阻害によって媒介される疾患、障害及び病態を指す。例示的な癌には、慢性リンパ球性白血病及び多発性骨髄腫、濾胞性リンパ腫、胚中心表現型を備えたびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫及び活性化未分化大細胞リンパ腫、神経芽細胞腫及び原発性神経外胚葉性腫瘍、横紋筋肉腫、前立腺癌、乳癌、NMC(NUT正中線癌)、急性骨髄白血病(AML)、急性Bリンパ芽球性白血病(B−ALL)、バーキットリンパ腫、B細胞リンパ腫、メラノーマ、混合系統白血病、多発性骨髄腫、前骨髄性白血病(PML)、非ホジキンリンパ腫、神経芽細胞腫、髄芽細胞腫、肺癌(NSCLC、SCLC)、及び結腸癌が含まれるが、これらに限定されない。
【0038】
「対象」は、治療、観察または実験の対象であったかまたはそうであるだろう動物(哺乳類等)を指す。本明細書において記述される方法は、ヒト治療法及び獣医学的適用の両方に有用であり得る。一実施形態において、対象はヒトである。
【0039】
本明細書において使用される時、「治療」または「治療すること」は、疾患もしくは障害または少なくとも1つのその識別可能な症状の寛解を指す。別の実施形態において、「治療」または「治療すること」は、少なくとも1つの測定可能な物理的パラメータ(患者によって必ずしも識別可能でない)の寛解を指す。さらに別の実施形態において、「治療」または「治療すること」は、疾患または障害の進行を、物理的に(例えば識別可能な症状の安定化)もしくは生理的に(例えば物理的パラメータの安定化)のどちらか、または両方で阻害することを指す。さらに別の実施形態において、「治療」または「治療すること」は疾患または障害の開始を遅延させることを指す。例えば、コレステロール障害の治療は血中コレステロールレベルの減少を含み得る。
【0040】
本明細書において使用される時、「防止」または「防止すること」は、既定の疾患または障害を獲得するリスクの低減を指す。
【0041】
2つの文字または記号の間にないダッシュ(「−」)は、置換基の結合点を指示するために使用される。例えば、−CONHは炭素原子を介して結合される。
【0042】
「随意の」または「随意に」によって、続いて記述される事象または状況が起こるかまたは起こらなくてもよく、そしてその記述は、事象または状況が起こる場合及びそれらが起こらない場合を含むことが意味される。例えば、「随意に置換されたアリール」は、及び以下に定義されるような「アリール」「置換されたアリール」の両方を包含する。1つまたは複数の置換基を含有する任意の基に関して、かかる基が立体的に実践的でない、合成的に非実現可能、及び/またはもともと不安定であるような、任意の置換または置換パターンを導入するようには意図されないことは、当業者によって理解されるだろう。
【0043】
本明細書において使用される時、「水和物」という用語は、化学量論的な量または非化学量論的な量のいずれかの結晶構造へと組み込まれた水を備えた結晶形状を指す。
【0044】
「アルケニル」という用語は、本明細書において使用される時、本明細書において(C−C)アルケニルと称される2〜8炭素原子の直鎖基または分岐基等の、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する不飽和直鎖炭化水素または不飽和分岐炭化水素を指す。例示的なアルケニル基には、ビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル、2−エチルヘキセニル、2−プロピル−2−ブテニル、及び4−(2−メチル−3−ブテン)−ペンテニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0045】
「アルコキシ」という用語は、本明細書において使用される時、酸素へ結合されたアルキル基(−O−アルキル−)を指す。「アルコキシ」基には、酸素へ結合されたアルケニル基(「アルケニルオキシ」)または酸素へ結合されたアルキニル基(「アルキニルオキシ」)の基も含まれる。例示的なアルコキシ基には、1〜8炭素原子のアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を備えた基(本明細書において(C−C)アルコキシと称される)が含まれるが、これらに限定されない。例示的なアルコキシ基には、メトキシ及びエトキシが含まれるが、これらに限定されない。
【0046】
「アルキル」という用語は、本明細書において使用される時、飽和直鎖炭化水素または飽和分岐炭化水素、たとえば本明細書において(C−C)アルキルと称される1〜8炭素原子の直鎖基または分岐基等を指す。例示的なアルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−3−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、及びオクチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0047】
「アルキニル」という用語は、本明細書において使用される時、本明細書において(C−C)アルキニルと称される2〜8炭素原子の直鎖基または分岐基等の、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する不飽和直鎖炭化水素または不飽和分岐炭化水素を指す。例示的なアルキニル基には、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、メチルプロピニル、4−メチル−1−ブチニル、4−プロピル−2−ペンチニル及び4−ブチル−2−ヘキシニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0048】
「アミド」という用語は、本明細書において使用される時、式−NRC(O)(R)−または−C(O)NRを指し、式中、R、R及びRは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及び水素から各々独立して選択される。アミドは、炭素、窒素、RまたはRを介して別の基へ結合することができる。アミドは環式でもあり得、例えばR及びRを連結して3〜8員環(5員環または6員環等)を形成することができる。「アミド」という用語は、スルホンアミド、尿素、ウレイド、カルバメート、カルバミン酸及びそれらの環式形式等の基を包含する。「アミド」という用語は、カルボキシ基へ結合されたアミド基(例えば−アミド−COOHまたは塩(−アミド−COONa等))、カルボキシ基へ結合されたアミノ基(例えば−アミノ−COOHまたは塩(−アミノ−COONa等))も包含する。
【0049】
「アミン」または「アミノ」という用語は、本明細書において使用される時、式−NRまたは−N(R)R−を指し、式中、R及びRは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、カルバメート、シクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロ環及び水素から独立して選択される。アミノは窒素を介して親分子基へ結合することができる。アミノは環式でもあり得、例えばR及びRの任意の2つをともにまたはNにより連結して3〜12員環(例えばモルホリノまたはピペリジニル)を形成することができる。アミノという用語には、任意のアミノ基の対応する第四級アンモニウム塩も含まれる。例示的なアミノ基にはアルキルアミノ基が含まれ、式中、RまたはRのうちの少なくとも1つはアルキル基である。いくつかの実施形態において、各々のRd及びReは、ヒドロキシル、ハロゲン、アルコキシ、エステルまたはアミノにより随意に置換することができる。
【0050】
「アリール」という用語は、本明細書において使用される時、単炭素環式、二炭素環式、または他の多炭素環式の芳香環系を指す。アリール基は、アリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルから選択される1つまたは複数の環へ随意に縮合することができる。この本開示のアリール基は、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミノ、アリール、アリールアルキル、カルバメート、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、ケトン、ニトロ、ホスフェート、スルフィド、スルフィニル、スルホン酸、スルホンアミド及びチオケトンから選択される基により置換することができる。例示的なアリール基には、フェニル、トリル、アントラセニル、フルオレニル、インデニル、アズレニル及びナフチルに加えて、ベンゾ縮合炭素環部分(5,6,7,8−テトラヒドロナフチル等)が含まれるが、これらに限定されない。例示的なアリール基には単環式芳香環系も含まれ、6つの炭素原子を含む環は「(C)アリール」と本明細書において称されるが、これらに限定されない。
【0051】
「アリールアルキル」という用語は、本明細書において使用される時、少なくとも1つのアリール置換基を有するアルキル基(例えば−アリール−アルキル−)を指す。例示的なアリールアルキル基には単環式芳香環系を有するアリールアルキルが含まれ、6つの炭素原子を含む環は「(C)アリールアルキル」と本明細書において称されるが、これらに限定されない。
【0052】
「カルバメート」という用語は、本明細書において使用される時、式−ROC(O)N(R)−、−ROC(O)N(R)R−、または−OC(O)NRを指し、式中、R、R及びRは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及び水素から各々独立して選択される。例示的なカルバメートには、アリールカルバメートまたはヘテロアリールカルバメート(例えば、式中、R、R及びRのうちの少なくとも1つは、アリールまたはヘテロアリール(ピリジン、ピリダジン、ピリミジン及びピラジン等)から独立して選択される)が含まれるが、これらに限定されない。
【0053】
「炭素環」という用語は、本明細書において使用される時、アリール基またはシクロアルキル基を指す。
【0054】
「カルボキシ」という用語は、本明細書において使用される時、−COOHまたはその対応するカルボン酸塩(例えば−COONa)を指す。カルボキシという用語には、「カルボキシカルボニル」、例えばカルボニル基へ結合されたカルボキシ基(例えば−C(O)−COOHまたは塩(−C(O)−COONa等))も含まれる。
【0055】
「シアノ」という用語は、本明細書において使用される時、−CNを指す。
【0056】
「シクロアルコキシ」という用語は、本明細書において使用される時、酸素へ結合されたシクロアルキル基を指す。
【0057】
「シクロアルキル」という用語は、本明細書において使用される時、シクロアルカンに由来する3〜12炭素または3〜8炭素(本明細書において「(C−C)シクロアルキル」と称される)の飽和または不飽和の環式、二環式、または架橋二環式の炭化水素基を指す。例示的なシクロアルキル基には、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロペンタン及びシクロペンテンが含まれるが、これらに限定されない。シクロアルキル基は、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミノ、アリール、アリールアルキル、カルバメート、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、ケトン、ニトロ、ホスフェート、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルホン酸、スルホンアミド及びチオケトンにより置換することができる。シクロアルキル基は、飽和または不飽和の他のシクロアルキル基、アリール基またはヘテロシクリル基へ縮合することができる。
【0058】
「ジカルボン酸」という用語は、本明細書において使用される時、少なくとも2つのカルボン酸基を含有する基(飽和及び不飽和の炭化水素ジカルボン酸及びその塩等)を指す。例示的なジカルボン酸にはアルキルジカルボン酸が含まれる。ジカルボン酸は、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミノ、アリール、アリールアルキル、カルバメート、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、水素、ヒドロキシル、ケトン、ニトロ、ホスフェート、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルホン酸、スルホンアミド及びチオケトンにより置換することができる。ジカルボン酸には、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マレイン酸、フタル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、マロン酸、フマル酸、(+)/(−)リンゴ酸、(+)/(−)酒石酸、イソフタル酸及びテレフタル酸が含まれるが、これらに限定されない。ジカルボン酸には、無水物、イミド、ヒドラジド(例えばコハク酸無水物及びスクシンイミド)等、そのカルボン酸誘導体がさらに含まれる。
【0059】
「エステル」という用語は、構造−C(O)O−、−C(O)O−R−、−RC(O)O−R−または−RC(O)O−を指し、式中、Oは水素に結合されず、R及びRは、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミノ、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、エーテル、ハロアルキル、ヘテロアリール及びヘテロシクリルから独立して選択することができる。Rは水素原子であり得るが、Rは水素原子であり得ない。エステルは環式であり得、例えば炭素原子及びR、酸素原子及びR、またはR及びRを連結して3〜12員環を形成することができる。例示的なエステルには、アルキルエステル(式中、RjまたはRkのうちの少なくとも1つはアルキルである)が含まれ、それらは−O−C(O)−アルキル、−C(O)−O−アルキル−、及び−アルキル−C(O)−O−アルキル−等であるが、これらに限定されない。例示的なエステルには、アリールエステルまたはヘテロアリールエステル(例えば、式中、RjまたはRkのうちの少なくとも1つはヘテロアリール基(ピリジン、ピリダジン、ピリミジン及びピラジン等)である)も含まれ、それらはニコチン酸エステル等である。例示的なエステルには、構造−RC(O)O−(式中、酸素は親分子へ結合される)を有する逆エステルも含まれる。例示的な逆エステルには、コハク酸塩、D−アルギニン酸塩(argininate)、L−アルギニン酸塩、L−リシン酸塩(lysinate)及びD−リシン酸塩が含まれる。エステルにはカルボン酸無水物及び酸ハロゲン化物も含まれる。
【0060】
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、本明細書において使用される時、F、Cl、BrまたはIを指す。
【0061】
「ハロアルキル」という用語は、本明細書において使用される時、1つまたは複数のハロゲン原子により置換されたアルキル基を指す。「ハロアルキル」は、1つまたは複数のハロゲン原子により置換されたアルケニル基またはアルキニル基も包含する。
【0062】
「ヘテロアリール」という用語は、本明細書において使用される時、1つまたは複数のヘテロ原子、例えば1〜3のヘテロ原子(窒素、酸素及び硫黄等)を含有する、単環式、二環式、または他の多環式の芳香環系を指す。ヘテロアリールは、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミノ、アリール、アリールアルキル、カルバメート、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、ケトン、ニトロ、ホスフェート、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルホン酸、スルホンアミド及びチオケトンを含む1つまたは複数の置換基により置換することができる。ヘテロアリールは非芳香環へも縮合することができる。ヘテロアリール基の例示的な例には、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラジル、トリアジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、(1,2,3)−トリアゾリル及び(1,2,4)−トリアゾリル、ピラジニル、ピリミジリル(pyrimidilyl)、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、フリル、フェニル、イソオキサゾリルならびにオキサゾリルが含まれるが、これらに限定されない。例示的なヘテロアリール基には単環式芳香環が含まれ、2〜5の炭素原子及び1〜3ヘテロ原子を含む環は「(C−C)ヘテロアリール」と本明細書において称されるが、これらに限定されない。
【0063】
「ヘテロ環」、「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環の」という用語は、本明細書において使用される時、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1、2または3つのヘテロ原子を含有する、飽和または不飽和の3員環、4員環、5員環、6員環または7員環を指す。ヘテロ環は芳香族(ヘテロアリール)または非芳香族であり得る。ヘテロ環は、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミノ、アリール、アリールアルキル、カルバメート、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、ケトン、ニトロ、ホスフェート、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルホン酸、スルホンアミド及びチオケトンを含む1つまたは複数の置換基により置換することができる。ヘテロ環には二環式、三環式及び四環式の基も含まれ、その中で上述の任意のヘテロ環は、アリール、シクロアルキル及びヘテロ環から独立して選択される1または2つの環へ縮合される。例示的なヘテロ環には、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンズオキサゾリル、ビオチニル、シンノリニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロインドリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジチアゾリル、フリル、ホモピペリジニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インドリル、イソキノリル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリジニル、イソオキサゾリル、モルホリニル、オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリミジル、ピロリジニル、ピロリジン−2−オニル、ピロリニル、ピロリル、キノリニル、キノキサロイル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロキノリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、チアゾリル、チエニル、チオモルホリニル、チオピラニル及びトリアゾリルが含まれる。
【0064】
「ヒドロキシ」及び「ヒドロキシル」という用語は、本明細書において使用される時、−OHを指す。
【0065】
「ヒドロキシアルキル」という用語は、本明細書において使用される時、アルキル基へ結合されたヒドロキシを指す。
【0066】
「ヒドロキシアリール」という用語は、本明細書において使用される時、アリール基へ結合されたヒドロキシを指す。
【0067】
「ケトン」という用語は、本明細書において使用される時、構造−C(O)−Rn(アセチル、−C(O)CH等)または−R−C(O)−R−を指す。ケトンはRまたはRを介して別の基へ結合することができる。RもしくはRは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリルもしくはアリールであり得るか、またはRもしくはRを連結して3〜12員環を形成することができる。
【0068】
「モノエステル」という用語は、本明細書において使用される時、カルボン酸のうちの1つがエステルとして官能化され、他のカルボン酸がカルボン酸の遊離カルボン酸または塩である、ジカルボン酸の類似体を指す。モノエステルの例には、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、蓚酸及びマレイン酸のモノエステルが含まれるが、これらに限定されない。
【0069】
「フェニル」という用語は、本明細書において使用される時、6員炭素環式芳香環を指す。フェニル基はシクロヘキサン環またはシクロペンタン環へも縮合することができる。フェニルは、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミノ、アリール、アリールアルキル、カルバメート、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、ケトン、ホスフェート、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルホン酸、スルホンアミド及びチオケトンを含む1つまたは複数の置換基により置換することができる。
【0070】
「チオアルキル」という用語は、本明細書において使用される時、硫黄へ結合されたアルキル基(−S−アルキル−)を指す。
【0071】
「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「アルコキシ」、「アミノ」及び「アミド」基は、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミノ、アリール、アリールアルキル、カルバメート、カルボニル、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、ケトン、ホスフェート、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルホン酸、スルホンアミド、チオケトン、ウレイド及びNから選択される少なくとも1つの基により、随意に、置換または中断または分岐することができる。置換基は分岐して、置換または非置換のヘテロ環またはシクロアルキルを形成することができる。
【0072】
本明細書において使用される時、随意に置換された置換基上の適切な置換は、本開示の化合物またはそれらを調製するのに有用な中間体の合成有用性または医薬有用性を無効にしない基を指す。適切な置換の例には、C1−8アルキル、アルケニルまたはアルキニル;C1−6アリール、C2−5ヘテロアリール;C37シクロアルキル;C1−8アルコキシ;Cアリールオキシ;−CN;−OH;オキソ;ハロ、カルボキシ;アミノ(−NH(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)、−NH((C)アリール)、または−N((C)アリール)等);ホルミル;ケトン(−CO(C1−8アルキル)、−CO(Cアリール)エステル等(−CO(C1−8アルキル)及び−CO(Cアリール)等)が含まれるが、これらに限定されない。当業者は、本開示の化合物の安定性ならびに薬理学的活性及び合成活性に基づく適切な置換を容易に選択することができる。
【0073】
「薬学的に許容される担体」という用語は、本明細書において使用される時、医薬投与と適合性がある任意の及びすべての溶媒、分散媒質、コーティング、等張剤及び吸収遅延剤ならびに同種のものを指す。薬学的に活性のある物質のためのかかる媒質及び薬剤の使用は、当技術分野において周知である。組成物は、補足機能、追加機能、または促進された治療機能を提供する他の活性化合物も含有することができる。
【0074】
「薬学的に許容される組成物」という用語は、本明細書において使用される時、1つまたは複数の薬学的に許容される担体と共に製剤化された本明細書において開示されるような少なくとも1つの化合物を含む組成物を指す。
【0075】
「薬学的に許容されるプロドラッグ」という用語は、本明細書において使用される時、不必要な毒性、刺激、アレルギー反応なしにヒト及び下等動物の組織と接触させる使用について妥当な医学的判断の範囲内で好適であり、合理的なベネフィット/リスク比と釣り合い、それらの意図された使用に効果的である、本開示の化合物のそれらのプロドラッグに加えて、可能な場合には本開示の化合物の双性イオン形状を表わす。Higuchi et al.,「Prodrugs as Novel Delivery Systems,」ACS Symposium Series,Vol.14、及びRoche,E.B.,ed.Bioreversible Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987(その両方は参照により本明細書に援用される)中で、考察が提供される。
【0076】
「薬学的に許容される塩(複数可)」という用語は、本組成物中で使用される化合物中に存在することができる、酸性基または塩基性基の塩を指す。天然で塩基性である本組成物中に含まれる化合物は、様々な無機酸及び有機酸と共に多様な塩を形成することができる。かかる塩基性化合物の薬学的に許容される酸付加塩の調製に使用することができる酸は、非毒性酸付加塩(すなわち薬理学的に許容される陰イオンを含有する塩)を形成するものであり、これらには、硫酸塩、クエン酸塩、マテート(matate)、酢酸塩、蓚酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酸性酒石酸塩、アスコビル酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩(glucaronate)、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩及びパモ酸塩(すなわち1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトアート))が含まれるが、これらに限定されない。アミノ部分を含む本組成物中に含まれる化合物は、上記の酸に加えて、様々なアミノ酸と共に薬学的に許容される塩を形成することができる。天然で酸性である本組成物中に含まれる化合物は、様々な薬理学的に許容される陽イオンにより塩基塩を形成することができる。かかる塩の例には、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、ならびに特にカルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、カリウム塩及び鉄塩が含まれる。
【0077】
本開示の化合物は1つまたは複数の不斉中心及び/または二重結合を含有しており、したがって、立体異性体(幾何異性体、エナンチオマーまたはジアステレオマー等)として存在することができる。「立体異性体」という用語は、本明細書において使用される時、すべての幾何異性体、エナンチオマーまたはジアステレオマーからなる。これらの化合物は、立体生成性炭素原子の周囲の置換基の立体配置に依存する記号「R」または「S」によって示すことができる。本開示は、これらの化合物の様々な立体異性体およびその混合物を包含する。立体異性体にはエナンチオマー及びジアステレオマーが含まれる。エナンチオマーまたはジアステレオマーの混合物は命名法において「(±)」と表記することができるが、当業者は構造がキラル中心を暗に示し得ることを認識するだろう。
【0078】
本開示の化合物の個々の立体異性体は、不斉中心もしくは立体中心を含有する商業的に入手可能な出発材料から合成的に、またはラセミ混合物を調製し、続いて当業者に周知の分割法を行うことによって、調製することができる。これらの分割法は、(1)キラル補助基へのエナンチオマーの混合物の付加、再結晶もしくはクロマトグラフィーによる生じたジアステレオマーの混合物の分離、及び補助剤からの光学的に純粋な生成物の遊離、(2)光学活性な分割剤を使用する塩形成、または(3)キラルクロマトグラフィーカラム上での光学的エナンチオマーの混合物の直接的な分離、によって例示される。立体異性混合物は、キラル相ガスクロマトグラフィー、キラル相高速液体クロマトグラフィー、キラル塩複合体としての化合物の結晶化、またはキラル溶媒中での化合物の結晶化等の周知の方法によってもそれらの構成要素の立体異性体へと分割することができる。立体異性体は、周知の不斉合成方法によって、立体異性体的に純粋な中間体、試薬及び触媒から得ることもできる。
【0079】
幾何異性体は、本開示の化合物中にも存在し得る。本開示は、炭素−炭素二重結合の周囲の置換基のアレンジまたは炭素環の周囲の置換基のアレンジからもたらされる様々な幾何異性体及びその混合物を包含する。炭素−炭素二重結合の周囲の置換基は、「Z」または「E」立体配置であるとして表記され、そこで「Z」及び「E」という用語はIUPAC基準に従って使用される。特別の定めのない限り、二重結合を示す構造はE及びZの両方の異性体を包含する。
【0080】
炭素−炭素二重結合の周囲の置換基はあるいは「シス」または「トランス」と称することができ、そこで「シス」は二重結合の同じ側面上の置換基を表わし、「トランス」は二重結合の互いに反対の側面上の置換基を表わす。炭素環の周囲の置換基のアレンジは「シス」または「トランス」として表記される。「シス」という用語は環の平面の同じ側面上の置換基を表わし、「トランス」という用語は環の平面の互いに反対の側面上の置換基を表わす。環の平面の同じ側面及び互いに反対の側面の両方上に置換基が配置される化合物の混合物は、「シス/トランス」と表記される。
【0081】
本明細書において開示される化合物は互変異性体として存在することができ、両方の互変異性形状は、たとえ1つの互変体の構造だけが示されても、本開示の範囲によって包含されることが意図される。
【発明を実施するための形態】
【0082】
特定の態様において、本発明は、式Iに記載の化合物
【化4】
またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物に関し、
式中、
はN及びCRから選択され;
はN及びCRから選択され;
はN及びCRから選択され;
はN及びCRから選択され;
XはN及びCHから選択され;
Yは、−S(O)−、−C(O)−、−NH−、−NHCH−、−NHCHCH−及び−NHCHCHCH−から選択され、B環へ窒素が結合され、1つまたは複数の水素は、アルキル(C−C)、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアミノにより任意で置換することができ;
、R、R及びRは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ(例えばアミノアルキル等)、アリールオキシ、アリール、ヒドロキシル及びハロゲンから独立して選択され;
、R、R及びRから選択される2つの隣接する置換基は、5員環または6員環で接続して、二環式炭素環または二環式ヘテロ環を形成し;
はアミノならびに5員及び6員の炭素環及びヘテロ環から選択され;
は、水素、アルコキシ、アルキル、ハロゲン、アミノアルキル及びチオアルキルから選択され;
は、水素、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、アミノアルキル及びハロゲンから選択される。
【0083】
本発明の別の態様は、式Iaに記載の化合物
【化5】
またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物に関し、
式中、
XはN及びCHから選択され;
Yは、−S(O)−、−C(O)−、−NH−、−NHCH−、−NHCHCH−及び−NHCHCHCH−から選択され、B環へ窒素が結合され、1つまたは複数の水素は、アルキル(C−C)、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアミノにより任意で置換することができ;
及びRは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ(例えばアミノアルキル等)、アリールオキシ、アリール、ヒドロキシル及びハロゲンから独立して選択され;
は、アミノ、アミノアルキル、ハロゲン、アミノ、アミド、アルキル(C−C)またはアルコキシ(C−C)により随意に置換された5員及び6員の炭素環ならびにヘテロ環から選択され、例えば構造
【化6】
であり、式中、Raは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、−C(O)Me、−C(O)Pr、−C(O)iPr、ベンジル、−C(O)CF、−C(O)−tBu、−C(O)NHiPr、−C(O)NMe、−C(O)NHEt、−C(O)NH、−C(O)CH(OH)CH、−C(O)C(O)OMe、−CF、−CHCHOH、−CHCHアミノ及び−CHCHC(Me)OHから選択され;
は、水素、アルコキシ、アルキル、ハロゲン、アミノアルキル及びチオアルキルから選択され;
は、水素、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、アミノアルキル及びハロゲンから選択される。
【0084】
式Iの化合物のいくつかの実施形態において、R、R、R及びRの各々は、存在するならば、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ及びハロゲンから独立して選択される。
【0085】
式Iaの化合物のいくつかの実施形態において、R及びRの各々は、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ及びハロゲンから独立して選択される。
【0086】
式Iの化合物のいくつかの実施形態において、R、R、R及びRの各々は、存在するならば、水素、アルキル及びアルコキシから独立して選択され、その各々はヒドロキシル、アミノまたはハロゲンにより随意に置換することができる。
【0087】
式Iaの化合物のいくつかの実施形態において、R及びRの各々は、水素、アルキル及びアルコキシから独立して選択され、その各々はヒドロキシル、アミノまたはハロゲンにより随意に置換することができる。
【0088】
式Iの化合物のいくつかの実施形態において、R、R、R及びRの各々は、存在するならば、アリール及びアリールオキシから独立して選択され、その各々はハロゲン、アルコキシまたはアミノにより随意に置換することができる。
【0089】
式Iaの化合物のいくつかの実施形態において、R及びRの各々は、アリール及びアリールオキシから独立して選択され、その各々はハロゲン、アルコキシまたはアミノにより随意に置換することができる。
【0090】
式Iの化合物のある特定の実施形態において、WはCRであり、WはCRであり、R及びRは各々独立してアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ及びプロポキシ)である。
【0091】
式Iaの化合物のある特定の実施形態において、R及びRの各々は独立してアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ及びプロポキシ)である。
【0092】
式Iの化合物の他の実施形態において、WはCRであり、WはCRであり、WはCRであり、WはCRであり、R及びRはそれぞれアルコキシであり、R及びRはそれぞれ水素である。
【0093】
式Iの化合物の他の実施形態において、WはCRであり、WはCRであり、WはNであり、WはCRであり、R及びRはそれぞれアルコキシであり、Rは水素である。
【0094】
式Iの化合物の他の実施形態において、WはCRであり、WはCRであり、WはCRであり、WはCRであり、R及びRはそれぞれメトキシであり、R及びRはそれぞれ水素である。
【0095】
式Iaの化合物の他の実施形態において、R及びRはそれぞれメトキシである。
【0096】
式Iの化合物の他の実施形態において、WはCRであり、WはCRであり、WはCRであり、WはCRであり、Rはメトキシであり、Rはアミノまたはアミノアルキルであり、R及びRはそれぞれ水素である。
【0097】
式Iaの化合物の他の実施形態において、Rはメトキシであり、Rはアミノまたはアミノアルキルである。
【0098】
式Iまたは式Iaの化合物のいくつかの実施形態において、Rはアミノアルキルである。
【0099】
式Iまたは式Iaの化合物のいくつかの実施形態において、Yは、−NH−、−NHCH−、−NHCHCH−及び−NHCHCHCH−から選択され、B環へ窒素が結合され、1つまたは複数の水素は、F、Me、OMe及びClにより任意で置換することができる。
【0100】
式Iまたは式Iaの化合物のある特定の実施形態において、Yは−NH−である。
【0101】
式Iまたは式Iaの化合物のある特定の実施形態において、XはNである。
【0102】
式Iまたは式Iaの化合物のある特定の実施形態において、XはCHである。
【0103】
式Iまたは式Iaの化合物のいくつかの実施形態において、Rは、アミノ、アミノアルキル、ならびにハロゲン、アミノ、尿素、エステル、カルバメート、アミド、アルキル(C−C);アルコキシ(C−C)、及びアリールにより随意に置換された5員及び6員の炭素環及びヘテロ環から選択される。
【0104】
式Iまたは式Iaの化合物のいくつかの実施形態において、Rは、−NHRa、ならびにハロゲン、アミノ、尿素、エステル、カルバメート、アミド、アルキル(C−C)、アルコキシ(C−C)またはアリールにより随意に置換された5員及び6員の炭素環及びヘテロ環から選択され、例えば構造
【化7】
であり、式中、Raは、水素、アルキル、アルケニル、アリール、−C(O)アルキル(C−C)、−C(O)アミノ、−C(O)Oアルキル(C−C)及びベンジルから選択される。
【0105】
式Iまたは式Iaの化合物のいくつかの実施形態において、Rは、−NHRa、ならびにハロゲン、アミノ、アミド、アルキル(C−C)またはアルコキシ(C−C)により随意に置換された5員及び6員の炭素環ならびにヘテロ環から選択され、例えば構造
【化8】
であり、式中、Raは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、−C(O)Me、−C(O)Pr、−C(O)iPr、ベンジル、−C(O)CF、−C(O)−tBu、−C(O)NHiPr、−C(O)NMe、−C(O)NHEt、−C(O)NH、−C(O)CH(OH)CH、−C(O)C(O)OMe、−CF、−CHCHOH、−CHCHアミノ及び−CHCHC(Me)OHから選択される。
【0106】
式Iまたは式Iaの化合物のいくつかの実施形態において、Rは水素、アルキル、アルコキシ、アミノアルキル及びチオアルキルから選択され、その各々はハロゲン、アミノ、ヒドロキシルまたはアルコキシにより随意に置換することができる。
【0107】
式Iまたは式Iaの化合物のいくつかの実施形態において、Rは、水素、メチル、メトキシ、エトキシ及びヒドロキシルまたはアミノにより随意に置換されたアルコキシから選択される。
【0108】
式Iまたは式Iaの化合物のいくつかの実施形態において、Rは水素、メチル及びメトキシから選択される。
【0109】
式Iまたは式Iaの化合物の選択された実施形態において、Rは、式IIによって表わされる基
【化9】
から選択され、
式中、
D及びEは、O、N及びSから独立して選択され;
は水素及びアルキルから選択され、DがNである場合のみRは存在し;
及びR10は、水素、アルキル及びシクロアルキルから独立して選択され、EがOまたはSであるならばR及びR10のうちの1つのみが存在し;
及びR10を接続して、1つまたは複数のヘテロ原子を含有する炭素環またはヘテロ環を形成することができ;及び
nは1、2及び3から選択される。
【0110】
式Iまたは式Iaの化合物のいくつかの実施形態において、DはOであり、EはNであり;
nは1であり;及び
及びR10は、水素、アルキル及び炭素環から独立して選択される。
【0111】
式Iまたは式Iaの化合物のある特定の実施形態において、Rは、
【化10】
から選択される。
【0112】
式Iまたは式Iaの化合物のいくつかの実施形態において、Rは、水素、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル及び−OCFから選択される。
【0113】
式Iの化合物のいくつかの実施形態において、
はCRであり;
はCRであり;
はCRであり;
はCRであり;
及びRはそれぞれアルコキシであり;
各々のR及びRはそれぞれ水素であり;
Yは、−NH−、−NHCH−、−NHCHCH−、及び−NHCHCHCH−から選択され、B環へ窒素が結合され;
は、−NHRa及び5員または6員の炭素環またはヘテロ環から選択され、それらは
【化11】
から選択され、式中、Raは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、−C(O)Me、−C(O)Pr、−C(O)iPr、ベンジル、−C(O)CF、−C(O)−tBu、−C(O)NHiPr、−C(O)NMe、−C(O)NHEt、−C(O)NH、−C(O)CH(OH)CH、−C(O)C(O)OMe、−CF、−CHCHOH、−CHCHアミノ及び−CHCHC(Me)OHから選択され;及び
は、水素、メチル、メトキシ、エトキシ及びヒドロキシルまたはアミノにより随意に置換されたアルコキシから選択される。
【0114】
式Iaの化合物のいくつかの実施形態において、
各々のR及びRはアルコキシであり;
Yは、−NH−、−NHCH−、−NHCHCH−、及び−NHCHCHCH−から選択され、B環へ窒素が結合され;
は、−NHRa及び5員または6員の炭素環またはヘテロ環から選択され、それらは
【化12】
から選択され、式中、Raは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、−C(O)Me、−C(O)Pr、−C(O)iPr、ベンジル、−C(O)CF、−C(O)−tBu、−C(O)NHiPr、−C(O)NMe、−C(O)NHEt、−C(O)NH、−C(O)CH(OH)CH、−C(O)C(O)OMe、−CF、−CHCHOH、−CHCHアミノ及び−CHCHC(Me)OHから選択され;及び
、水素、メチル、メトキシ、エトキシ及びヒドロキシルまたはアミノにより随意に置換されたアルコキシから選択される。
【0115】
式Iの化合物のいくつかの実施形態において、
はCRであり;
はCRであり;
はCRであり;
はCRであり;
はアルコキシであり;
はアミノまたはアミノアルキルであり;
各々のR及びRは水素であり;
Yは、−NH−、−NHCH−、−NHCHCH−、及び−NHCHCHCH−から選択され、B環へ窒素が結合され;
は、−NHRa及び5員または6員の炭素環またはヘテロ環から選択され、それらは
【化13】
から選択され、式中、Raは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、−C(O)Me、−C(O)Pr、−C(O)iPr、ベンジル、−C(O)CF、−C(O)−tBu、−C(O)NHiPr、−C(O)NMe、−C(O)NHEt、−C(O)NH、−C(O)CH(OH)CH、−C(O)C(O)OMe、−CF、−CHCHOH、−CHCHアミノ及び−CHCHC(Me)OHから選択され;
、水素、メチル、メトキシ、エトキシ及びヒドロキシルまたはアミノにより随意に置換されたアルコキシから選択される。
【0116】
式Iaの化合物のいくつかの実施形態において、
はアルコキシであり;
はアミノまたはアミノアルキルであり;
Yは、−NH−、−NHCH−、−NHCHCH−、及び−NHCHCHCH−から選択され、B環へ窒素が結合され;
は、−NHRa及び5員または6員の炭素環またはヘテロ環から選択され、それらは
【化14】
から選択され、式中、Raは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、−C(O)Me、−C(O)Pr、−C(O)iPr、ベンジル、−C(O)CF、−C(O)−tBu、−C(O)NHiPr、−C(O)NMe、−C(O)NHEt、−C(O)NH、−C(O)CH(OH)CH、−C(O)C(O)OMe、−CF、−CHCHOH、−CHCHアミノ及び−CHCHC(Me)OHから選択され;及び
は、水素、メチル、メトキシ、エトキシ及びヒドロキシルまたはアミノにより随意に置換されたアルコキシから選択される。
【0117】
いくつかの実施形態において、化合物は、
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((1−メチルピロリジン−3−イル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−(メチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−(((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−(((1−メチルピロリジン−3−イル)メチル)アミノ)フェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((2−(イソプロピルアミノ)エチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−(ピペリジン−1−イル)エチル)アミノ)−フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((3−モルホリノプロピル)アミノ)−フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−モルホリノエチル)アミノ)フェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((3−(ピロリジン−1−イル)プロピル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−(((1−イソプロピルピロリジン−3−イル)メチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−(((1−イソプロピルピロリジン−2−イル)メチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((1−イソブチリルピペリジン−4−イル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((3−(イソプロピルアミノ)プロピル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((3−(メチルピペラジン−1−イル)プロピル)アミノ)−フェニルキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((2−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)エチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−[4−メトキシ−2−(1−メチルピペリジン−4−イルスルフィニル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−(ピペラジン−1−イル)エチル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル)アミノ)フェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−5−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−[3−(ピペラジン−1−イル)プロピルアミノ]フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((4,4−ジメチルシクロヘキシル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−5−メトキシピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((trans−4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)シクロヘキシル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−イソブチリルピペリジン−4−イル)アミノ)−5−メトキシピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(4−クロロ−2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(4−クロロ−2−((1−イソブチリルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((1−ベンジルピペリジン−4−イル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(−((1−イソブチリルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−アセチルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
N−(cis−4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−5−メトキシピリジン−3−イル)アミノ)シクロヘキシル)イソブチルアミド;
2−(2−((1−アセチルピペリジン−4−イル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(5−メトキシ−3−((1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(3−(((1−メチルピロリジン−3−イル)メチル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン;
4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N,N−ジメチルピペリジン−1−カルボキサミド;
2−(3−((3−(イソプロピルアミノ)プロピル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(3−((1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン;
cis−4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−5−メトキシピリジン−3−イル)アミノ)−N−イソプロピルシクロヘキサン−1−カルボキサミド;
5,7−ジメトキシ−2−(3−((1−(2,2,2−トリフルオロアセチル)ピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン;
4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N−イソプロピルピペリジン−1−カルボキサミド;
5,7−ジメトキシ−2−(3−((1−ピバロイルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(3−((2−モルホリノエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−5−(2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)エトキシ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド;
4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N−エチルピペリジン−1−カルボキサミド;
cis−4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N,N−ジメチルシクロヘキサン−1−カルボキサミド;
4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキサミド;
メチル−2−(4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)−2−オキソアセテート;
N−(2−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)エチル)イソブチルアミド;
N−(3−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)プロピル)イソブチルアミド;
2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−(2−ヒドロキシプロパノイル)ピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシ−7−((4−メトキシベンジル)アミノ)キナゾリン−4(3H)−オン;
2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−(1−イソプロピルピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル]−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
cis−4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N−イソプロピルシクロヘキサン−1−カルボキサミド;
2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−(1−イソブチロイルピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル]−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
7−アミノ−2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−{3−(1−イソプロピルピペリジン−4−イルアミノ)−5−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]ピリジン−2−イル}−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−{5−[2−(イソプロピルアミノ)エトキシ]−3−(1−イソプロピルピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル}−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)ピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;及び
7−(エチルアミノ)−2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物から選択される。
【0118】
本発明の別の態様は、ブロモドメインへの結合によるBETタンパク質機能の阻害のための方法、ならびに治療法上効果的な量の式Iまたは式Iaの化合物を投与することを含む哺乳類(例えばヒト)における疾患及び病態の治療及び防止におけるそれらの使用を提供する。
【0119】
一実施形態において、BET阻害剤はインビトロでIL−6及びIL−17の転写に対する強力な効果があるので、式Iまたは式IaのBET阻害剤化合物は治療法として、IL−6及び/またはIL−17が疾患に関わる炎症性障害のために使用することができる。以下の自己免疫疾患は、IL−6及び/またはIL−17の顕著な役割があるので、式Iもしくは式Iaの化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物の投与によるBET阻害の治療使用に適する。急性散在性脳脊髄炎(T.Ishizu et al.,「CSF cytokine and chemokine profiles in acute disseminated encephalomyelitis,」J Neuroimmunol 175(1−2):52−8(2006))、無ガンマグロブリン血症(M.Gonzalez−Serrano,et al.,「Increased Pro−inflammatory Cytokine Production After Lipopolysaccharide Stimulation in Patients with X−linked Agammaglobulinemia,」J Clin Immunol 32(5):967−74(2012))、アレルギー性疾患(L.McKinley et al.,「TH17 cells mediate steroid−resistant airway inflammation and airway hyperresponsiveness in mice,」J Immunol 181(6):4089−97(2008))、強直性脊椎炎(A.Taylan et al.,「Evaluation of the T helper 17 axis in ankylosing spondylitis,」Rheumatol Int 32(8):2511−5(2012))、抗GBM/抗TBM腎炎(Y.Ito et al.,「Pathogenic significance of interleukin−6 in a patient with antiglomerular basement membrane antibody−induced glomerulonephritis 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【0120】
炎症誘発性サイトカイン(IL−6、MCP−1及びIL−17が含まれる)の発現の増加によって特徴づけられる急性及び慢性(非自己免疫性)炎症性疾患も、治療法のためのBET阻害に適するだろう。これらには、副鼻腔炎(D.Bradley and S.Kountakis,「Role of interleukins and transforming growth factor−beta in chronic rhinosinusitis and nasal polyposis,」Laryngoscope 115(4):684−6(2005))、肺炎(Besnard,A.G.,et al.,「Inflammasome−IL−1−Th17 response in allergic lung inflammation」J Mol Cell Biol 4(1):3−10(2012))、骨髄炎(T.Yoshii et al.,「Local levels of interleukin−1beta,−4,−6 and tumor necrosis factor alpha in an experimental model of murine osteomyelitis due to staphylococcus aureus,」Cytokine 19(2):59−65 2002)、胃炎(T.Bayraktaroglu et al.,「Serum levels of tumor necrosis factor−alpha,interleukin−6 and interleukin−8 are not increased in dyspeptic patients with Helicobacter pylori−associated gastritis,」Mediators Inflamm 13(1):25−8(2004))、腸炎(K.Mitsuyama et al.,「STAT3 activation via interleukin 6 trans−signalling contributes to ileitis in SAMP1/Yit mice,」Gut 55(9):1263−9.(2006))、歯肉炎(R.Johnson et al.,「Interleukin−11 and IL−17 and the pathogenesis of periodontal disease,」J Periodontol 75(1):37−43(2004))、虫垂炎(S.Latifi et al.,「Persistent elevation of serum interleukin−6 in intraabdominal sepsis identifies those with prolonged length of stay,」J Pediatr Surg 39(10):1548−52(2004))、過敏性大腸症候群(M.Ortiz−Lucas et al.,「Irritable bowel syndrome immune hypothesis.Part two:the role of cytokines,」Rev Esp Enferm Dig 102(12):711−7(2010))、組織移植片拒絶(L.Kappel et al.,「IL−17 contributes to CD4−mediated graft−versus−host disease,」Blood 113(4):945−52(2009))、慢性閉塞性肺疾患(COPD)(S.Traves and L.Donnelly,「Th17 cells in airway diseases,」Curr Mol Med 8(5):416−26(2008))、敗血性ショック(毒素性ショック症候群、SIRS、細菌性敗血症など)(E.Nicodeme et al.,Nature 468(7327):1119−23(2010))、骨関節炎(L.Chen et al.,「IL−17RA aptamer−mediated repression of IL−6 inhibits synovium inflammation in a murine model of osteoarthritis,」Osteoarthritis Cartilage 19(6):711−8(2011))、急性痛風(W.Urano et al.,「The inflammatory process in the mechanism of decreased serum uric acid concentrations during acute gouty arthritis,」J Rheumatol 29(9):1950−3(2002))、急性肺傷害(S.Traves and L.Donnelly,「Th17 cells in airway diseases,」Curr Mol Med 8(5):416−26(2008))、急性腎不全(E.Simmons et al.,「Plasma cytokine levels predict mortality in patients with acute renal failure,」Kidney Int 65(4):1357−65(2004))、熱傷(P.Paquet and G.Pierard,「Interleukin−6 and the skin,」Int Arch Allergy Immunol 109(4):308−17(1996))、ヘルクスハイマー反応(G.Kaplanski et al.,「Jarisch−Herxheimer reaction complicating the treatment of chronic Q fever endocarditis:elevated TNFalpha and IL−6 serum levels,」J Infect 37(1):83−4(1998))、及びウイルス感染に関連するSIRS(A.Belkinaand G.Denis,Nat Rev Cancer 12(7):465−77(2012))が含まれるが、これらに限定されない。したがって、本発明には、式Iまたは式Iaの化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩または水和物;それらの化合物のうちの1つまたは複数を含む医薬組成物;及びこれらの疾患の治療のためのそれらの化合物または組成物を使用する方法が含まれる。
【0121】
一実施形態において、式Iもしくは式IaのBET阻害剤化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物、またはそれらの化合物のうちの1つまたは複数を含む組成物は、関節リウマチ(RA)及び多発性硬化症(MS)の治療のために使用することができる。RA及びMSの前臨床モデルにおけるBET阻害剤の有用性についての強固な独自データが存在する。R.Jahagirdar et al.,「An Orally Bioavailable Small Molecule RVX−297 Significantly Decreases Disease in a Mouse Model of Multiple Sclerosis,」World Congress of Inflammation,Paris,France(2011)。RA及びMSの両方は、IL−6及びIL−17の炎症性経路の調節異常によって特徴づけられ(A.Kimura and T.Kishimoto,「IL−6:regulator of Treg/Th17 balance,」Eur J Immunol 40(7):1830−5(2010))、したがってBET阻害に特に感受性があるだろう。別の実施形態において、式Iまたは式IaのBET阻害剤化合物は敗血症及び関連する疾患の治療のために使用することができる。BET阻害は、出版されたデータ(E.Nicodeme et al.,Nature 468(7327):1119−23(2010))及び独自のデータ中の前臨床モデルにおいて、IL−6発現の阻害によって部分的に敗血症の発症を阻害することが示された。
【0122】
一実施形態において、式Iもしくは式IaのBET阻害剤化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物、またはそれらの化合物のうちの1つまたは複数を含む組成物は、癌の治療に使用することができる。過剰発現、転座、増幅または再構成されたc−mycまたは他のmycファミリー癌タンパク質(MYCN、L−myc)を有する癌は、BET阻害に特に感受性がある。J.Delmore et al.,Cell 146(6):904−17(2010);J.Mertz et al.,Proc Natl Acad Sci USA 108(40):16669−74(2011)。これらの癌には、急性Bリンパ性白血病、バーキットリンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、多発性骨髄腫、原発性プラズマ細胞性白血病、変則的なカルチノイド肺癌、膀胱癌、乳癌、子宮癌、結腸癌、胃癌、神経膠芽腫、肝細胞癌、大型細胞神経内分泌腫瘍、髄芽細胞腫、結節型黒色腫、表在拡大型黒色腫、神経芽細胞腫、食道扁平上皮癌、骨肉腫、卵巣癌、前立腺癌、腎明細胞癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫及び小細胞肺癌が含まれるが、これらに限定されない。M.Vita and M.Henriksson,Semin Cancer Biol 16(4):318−30(2006)。
【0123】
一実施形態において、式Iもしくは式IaのBET阻害剤化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物、またはそれらの化合物のうちの1つまたは複数を含む組成物は、BETタンパク質の異常な調節(過剰発現、転座など)に起因する癌の治療に使用することができる。これらには、NUT正中線癌(ニュートリン1遺伝子へのBrd3またはBrd4の転座)(C.French Cancer Genet Cytogenet 203(1):16−20(2010))、B細胞リンパ腫(Brd2過剰発現)(R.Greenwald et al.,Blood 103(4):1475−84(2004))、非小細胞肺癌(BrdT過剰発現)(C.Grunwald et al.,「Expression of multiple epigenetically regulated cancer/germline genes in nonsmall cell lung cancer,」Int J Cancer 118(10):2522−8(2006))、食道癌及び頭頸部扁平上皮癌(BrdT過剰発現)(M.Scanlan et al.,「Expression of cancer−testis antigens in lung cancer:definition of bromodomain testis−specific gene(BRDT)as a new CT gene,CT9,」Cancer Lett 150(2):55−64(2000))、ならびに結腸癌(Brd4)(R.Rodriguez et al.,「Aberrant epigenetic regulation of bromodomain BRD4 in human colon cancer,」J Mol Med(Berl)90(5):587−95(2012))が含まれるが、これらに限定されない。
【0124】
一実施形態において、BET阻害剤が細胞増殖に関与する遺伝子へのpTEFbのBrd依存性動員を減少させるので、式Iもしくは式IaのBET阻害剤化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物、またはそれらの化合物のうちの1つまたは複数を含む組成物は、癌遺伝子を調節するのにpTEFb(Cdk9/サイクリンT)タンパク質及びBETタンパク質に依存する癌の治療に使用することができる。これらの癌には、慢性リンパ球性白血病及び多発性骨髄腫(W.Tong et al.,「Phase I and pharmacologic study of SNS−032,a potent and selective Cdk2,7,and 9 inhibitor,in patients with advanced chronic lymphocytic leukemia and multiple myeloma,」J Clin Oncol 28(18):3015−22(2010))、濾胞性リンパ腫、胚中心表現型を備えたびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫及び活性化未分化大細胞リンパ腫(C.Bellan et al.,「CDK9/CYCLIN T1 expression during normal lymphoid differentiation and malignant transformation,」J Pathol 203(4):946−52(2004))、神経芽細胞腫及び原発性神経外胚葉性腫瘍(G.De Falco et al.,「Cdk9 regulates neural differentiation and its expression correlates with the differentiation grade of neuroblastoma and PNET tumors,」Cancer Biol Ther 4(3):277−81(2005))、横紋筋肉腫(C.Simone and A.Giordano,「Abrogation of signal−dependent activation of the cdk9/cyclin T2a complex in human RD rhabdomyosarcoma cells,」Cell Death Differ 14(1):192−5(2007))、前立腺癌(D.Lee et al.,「Androgen receptor interacts with the positive elongation factor P−TEFb and enhances the efficiency of transcriptional elongation,」J Biol Chem 276(13):9978−84(2001))、ならびに乳癌(K.Bartholomeeusen et al.,「BET bromodomain inhibition activates transcription via a transient release of P−TEFb from 7SK snRNP,」J Biol Chem(2012))が含まれるが、これらに限定されない。
【0125】
一実施形態において、式Iもしくは式IaのBET阻害剤化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物、またはそれらの化合物のうちの1つまたは複数を含む組成物は、BET応答性遺伝子(CDK6、Bcl2、TYRO3、MYB及びhTERT等)がアップレギュレートされる癌の治療に使用することができる。M.Dawson et al.,Nature 478(7370):529−33(2011);J.Delmore et al.,Cell 146(6):904−17(2010)。これらの癌には、膵臓癌、乳癌、結腸癌、神経膠芽腫、腺様嚢胞癌、T細胞前リンパ球性白血病、悪性神経膠腫、膀胱癌、髄芽細胞腫、甲状腺癌、黒色腫、多発性骨髄腫、バレット腺癌、肝臓癌、前立腺癌、前骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、小細胞肺癌及び腎癌が含まれるが、これらに限定されない。M.Ruden and N.Puri,「Novel anticancer therapeutics targeting telomerase,」Cancer Treat Rev(2012);P.Kelly and A.Strasser,「The role of Bcl−2 and its pro−survival relatives in tumourigenesis and cancer therapy」Cell Death Differ 18(9):1414−24(2011);T.Uchida et al.,「Antitumor effect of bcl−2 antisense phosphorothioate oligodeoxynucleotides on human renal−cell carcinoma cells in vitro and in mice,」Mol Urol 5(2):71−8(2001)。
【0126】
出版されたデータ及び独自のデータは、様々な癌における細胞増殖に対するBET阻害の直接的な効果を示した。一実施形態において、式Iもしくは式IaのBET阻害剤化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物、またはそれらの化合物のうちの1つまたは複数を含む組成物は、癌の治療に使用することができ、それについては、細胞増殖に対するBET阻害の直接的な効果を示す、出版されたデータならびにいくつかについてはインビトロ及び/またはインビボの独自のデータが存在する。これらの癌には、NMC(NUT正中線癌)、急性骨髄白血病(AML)、急性Bリンパ芽球性白血病(B−ALL)、バーキットリンパ腫、B細胞リンパ腫、黒色腫、混合系統白血病、多発性骨髄腫、前骨髄性白血病(PML)及び非ホジキンリンパ腫が含まれる。P.Filippakopoulos et al.,Nature 468(7327):1067−73(2010);M.Dawson et al.,Nature 478(7370):529−33(2011);Zuber,J.,et al.,「RNAi screen identifies Brd4 as a therapeutic target in acute myeloid leukaemia,」Nature 478(7370):524−8(2011);M.Segura,et al,Cancer Research.72(8):Supplement 1(2012)。本発明の化合物は、以下の癌(神経芽細胞腫、髄芽細胞腫、肺癌(NSCLC、SCLC)及び結腸癌)についてインビトロの細胞増殖に対する実証されたBET阻害効果を有する。
【0127】
一実施形態において、BET阻害剤と他の癌治療法との間の相乗効果または加法効果の可能性があるので、式Iもしくは式IaのBET阻害剤化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物、またはそれらの化合物のうちの1つまたは複数を含む組成物は、他の治療法、化学療法剤または抗増殖剤と組み合わせて、ヒト癌及び他の増殖性障害を治療することができる。癌治療においてBET阻害剤と組み合わせることができる治療剤のリストには、ABT−737、アザシチジン(ビダーザ)、AZD1152(バラセルチブ(Barasertib))、AZD2281(オラパリブ)、AZD6244(セルメチニブ)、BEZ235、硫酸ブレオマイシン、ボルテゾミブ(ベルケイド)、ブスルファン(ミレラン)、カンプトセシン、シスプラチン、シクロフォスファミド(クラフェン(Clafen))、CYT387、サイトシンアラビノサイド(アラC)、ダカルバジン、DAPT(GSI−IX)、デシタビン、デキサメタゾン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エトポシド、エベロリムス(RAD001)、フラボピリドール(アルボシジブ)、ガネテスピブ(STA−9090)、ゲフィチニブ(イレッサ)、イダルビシン、イフォスファミド(ミトキサナ(Mitoxana))、IFNa2a(ロフェロン A)、メルファラン(アルケラン)、メタゾラストン(テモゾロマイド)、メトホルミン、ミトキサントロン(ノバントロン)、パクリタキセル、フェンホルミン、PKC412(ミドスタウリン)、PLX4032(ベムラフェニブ)、ポマリドミド(CC−4047)、プレドニゾン(デルタゾーン)、ラパマイシン、レブラミド(レナリドミド)、ルキソリチニブ(INCB018424)、ソラフェニブ(ネクサバール)、SU11248(スニチニブ)、SU11274、ビンブラスチン、ビンクリスチン(オンコビン)、ビノレルビン(ナベルビン)、ヴォリノスタット(SAHA)及びWP1130(デグラシン(Degrasyn))が含まれるが、これらに限定されない。
【0128】
一実施形態において、式Iもしくは式IaのBET阻害剤化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物、またはそれらの化合物のうちの1つまたは複数を含む組成物は、良性の増殖性及び線維性の障害の治療に使用することができ、それらには、良性軟組織腫瘍、骨腫瘍、脳脊髄腫瘍、眼瞼眼窩腫瘍、肉芽腫、脂肪腫、髄膜腫、多発性内分泌腺腫、鼻ポリープ、下垂体部腫瘍、プロラクチン産生腫瘍、偽脳腫瘍、脂漏性角化症、胃ポリープ、甲状腺結節、膵嚢胞性腫瘍、血管腫、声帯結節、ポリープ及び嚢胞、キャッスルマン病、慢性毛巣病、皮膚線維腫、毛嚢胞、化膿性肉芽腫、若年性ポリポーシス症候群、特発性肺線維症、腎線維症、術後狭窄、ケロイド形成、硬皮症ならびに心筋線維化が含まれる。X.Tanget al.,Am J Pathology印刷中(2013)。
【0129】
一実施形態において、ApoA−1の転写及びタンパク質発現をアップレギュレートする能力があるので(O.Mirguet et al.,Bioorg Med Chem Lett 22(8):2963−7(2012);C.Chung et al.,J Med Chem 54(11):3827−38(2011))、式Iもしくは式IaのBET阻害剤化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物、またはそれらの化合物のうちの1つまたは複数を含む組成物は、心血管性疾患の治療に使用することができ、それらには、一般的には、脂質異常症、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症及びメタボリックシンドロームに関連するものが含まれる(A.Belkina and G.Denis,Nat Rev Cancer 12(7):465−77(2012);G.Denis Discov Med 10(55):489−99(2010))。別の実施形態において、式Iまたは式IaのBET阻害剤化合物は、ApoA−1における欠損によって特徴づけられる非心血管性疾患(アルツハイマー病が含まれる)の治療に使用することができる。D.Elliott et al.,Clin Lipidol 51(4):555−573(2010)。
【0130】
一実施形態において、式Iもしくは式IaのBET阻害剤化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物、またはそれらの化合物のうちの1つまたは複数を含む組成物は、インスリン抵抗性及びタ2型糖尿病を呈する患者に使用することができる。A.Belkina and G.Denis,Nat Rev Cancer 12(7):465−77(2012);G.Denis Discov Med 10(55):489−99(2010);F.Wang et al.,Biochem J 425(1):71−83(2010);G.Denis et al,FEBS Lett 584(15):3260−8(2010)。BET阻害の抗炎症作用は、糖尿病及び代謝疾患に関連する炎症の減少において追加の価値を有するだろう。K.Alexandraki et al.,“Inflammatory process in type 2 diabetes:The role of cytokines,”Ann N Y Acad Sci 1084:89−117(2006)。
【0131】
一実施形態において、ウイルスプロモーターをダウンレギュレートする能力があるので、式Iもしくは式IaのBET阻害剤化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物、またはそれらの化合物のうちの1つまたは複数を含む組成物は、ウイルスに関連する癌のために治療法として使用することができ、それらには、エプスタインバーウイルス(EBV)、肝炎ウイルス(HBV、HCV)、カポジ肉腫関連ウイルス(KSHV)、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、メルケル細胞ポリオーマウイルス及びヒトサイトメガロウイルス(CMV)が含まれる。D.Gagnon et al.,J Virol 83(9):4127−39(2009);J.You et al.,J Virol 80(18):8909−19(2006);R.Palermo et al.,“RNA polymerase II stalling promotes nucleosome occlusion and pTEFb recruitment to drive immortalization by Epstein−Barr virus,”PLoS Pathog 7(10):e1002334(2011);E.Poreba et al.,“Epigenetic mechanisms in virus−induced tumorigenesis,”Clin Epigenetics 2(2):233−47.2011。別の実施形態において、潜伏T細胞感染及び潜伏単球感染のモデルにおいてHIV−1を再活性化する能力があるので、HIV治療のための抗レトロウイルスの療法剤と組み合わせてBET阻害剤を使用することができるだろう。J.Zhu,et al.,Cell Rep(2012);C.Banerjee et al.,J Leukoc Biol(2012);K.Bartholomeeusen et al.,J Biol Chem(2012);Z.Li et al.,Nucleic Acids Res(2012)。
【0132】
一実施形態において、神経学的障害におけるエピジェネティックプロセス及びブロモドメイン含有タンパク質の役割があるので、式Iもしくは式IaのBET阻害剤化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物、またはそれらの化合物のうちの1つまたは複数を含む組成物は、疾患の治療に使用することができ、それらには、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、双極性障害、統合失調症、ルビンシュタイン−テイビ症候群及びてんかんが含まれるが、これらに限定されない。R.Prinjha et al.,Trends Pharmacol Sci 33(3):146−53(2012);S.Muller et al.,“Bromodomains as therapeutic targets,”Expert Rev Mol Med 13:e29(2011)。
【0133】
一実施形態において、精子細胞の発生に対するBRDTの枯渇または阻害の効果があるので、式Iもしくは式IaのBET阻害剤化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物、またはそれらの化合物のうちの1つまたは複数を含む組成物は、可逆的な男性用避妊剤として使用することができる。M.Matzuk et al.,「Small−Molecule Inhibition of BRDT for Male Contraception,」Cell 150(4):p.673−684(2012);B.Berkovits et al.,「The testis−specific double bromodomain−containing protein BRDT forms a complex with multiple spliceosome components and is required for mRNA splicing and 3’−UTR truncation in round spermatids,」Nucleic Acids Res 40(15):7162−75(2012)。
【0134】
医薬組成物
本開示の医薬組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体と共に製剤化された、式Iもしくは式Iaのうちの少なくとも1つの化合物、またはその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物を含む。これらの製剤には、経口、直腸、局所、頬腔及び非経口(例えば、皮下、筋肉内、皮内または静脈内)の投与に好適なものが含まれる。任意の与えられた事例における投与の最も適切な形状は、治療されている病態の程度及び重症度ならびに使用されている特定の化合物の性質に依存するだろう。
【0135】
経口投与に好適な製剤は、カプセル、カシェー、ロゼンジまたは錠剤等、各々は粉末または小粒として本開示の化合物の所定量を含有する不連続単位で、水性もしくは非水性の液体における溶液または懸濁物として、または水中油滴型エマルションもしくは油中水滴型エマルションとして提供することができる。指摘されるように、かかる製剤は、活性化合物としての本開示の少なくとも1つの化合物及び担体または賦形剤(1つまたは複数の副成分を構成し得る)を会合させる工程を含む、製薬の任意の適切な方法によって調製することができる。担体は、製剤の他の成分と適合性があり、レシピエントへ有害であってはならないという意味で許容されるべきである。担体は固体もしくは液体または両方であり得、本明細書において記述される少なくとも1つの化合物により、単位用量製剤(例えば少なくとも1つの活性化合物の重量で約0.05%〜約95%を含有し得る錠剤)中の活性化合物として製剤化することができる。他の薬理学的に活性のある物質(他の化合物が含まれる)も存在し得る。本開示の製剤は、構成要素の混合から本質的になる周知の任意の製薬技法によって調製することができる。
【0136】
固体組成物のための、慣習的な無毒な固体担体には、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、グルコース、ショ糖、炭酸マグネシウムの、及び同種のものが含まれる。薬理学的に投与可能な液体組成物は、例えば、本明細書において記載されるような本開示の少なくとも1つの活性化合物及び賦形剤(例えば水、食塩水、デキストロース水溶液、グリセロール、エタノール及び同種のもの等)中で随意の補助薬を例えば溶解または分散することによって調製して、それによって溶液または懸濁物を形成することができる。一般に、適切な製剤は、液体もしくは微細に割った固体担体または両方と、本開示の少なくとも1つの活性化合物を均一に密に混合すること、及び次いで必要であるならば生成物を成形することによって調製することができる。例えば、錠剤は、本開示の少なくとも1つの化合物(それは1つまたは複数の副成分と随意に組み合わせることができる)の粉末または顆粒を圧縮または成型することによって調製することができる。圧縮錠剤は、自由流動形状(粉末または顆粒等)の本開示の少なくとも1つの化合物(それは結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤及び/または界面活性剤/分散剤(複数可)と随意に混合することができる)を、適切な機械中で圧縮することによって調製することができる。成型錠剤は、本開示の少なくとも1つの化合物の粉末形状を不活性液体希釈剤により湿らせて、適切な機械中で成型することによって作製することができる。
【0137】
頬腔(舌下)投与に好適な製剤には、風味の付いた基剤(通常ショ糖及びアカシアゴムまたはトラガカントゴム)中で本開示の少なくとも1つの化合物を含むロゼンジ、及び不活性基剤(ゼラチン、グリセリンまたはショ糖及びアカシアゴム等)中で少なくとも1つの化合物を含むトローチが含まれる。
【0138】
非経口投与に好適な本開示の製剤は、式Iもしくは式Iaのうちの少なくとも1つの化合物、またはその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩及び水和物の滅菌済み水性調製物を含み、それは意図されたレシピエントの血液とほぼ等張である。これらの調製物は静脈内に投与されるが、投与は皮下注射、筋肉内注射または皮内注射によって成し遂げることができる。かかる調製物は、水と本明細書において記述された少なくとも1つの化合物を混合すること、及びもたらされた溶液を滅菌済みかつ血液と等張にすることによって好都合に調製することができる。本開示に記載の注射可能組成物は、約0.1〜約5%w/wの活性化合物を含有することができる。
【0139】
直腸投与に好適な製剤は単位用量坐薬として提供される。これらは、1つまたは複数の慣習的な固体担体(例えばカカオバター)と本明細書において記載されるような少なくとも1つの化合物を混合すること、及び次いでもたらされた混合物を成形することによって調製することができる。
【0140】
皮膚への局所適用に好適な製剤は、軟膏、クリーム、ローション、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾルまたは油の形状をとり得る。使用することができる担体及び賦形剤には、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコール及びその2つ以上の組み合わせが含まれる。活性化合物(すなわち式Iもしくは式Iaのうちの少なくとも1つの化合物、またはその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩及び水和物)は、一般的には約0.1%〜約15%w/w、例えば約0.5〜約2%の濃度の組成物で存在する。
【0141】
投与される活性化合物の量は、治療されている対象、対象の体重、投与の様式及び処方する医師の判定に依存し得る。例えば、投薬スケジュールは、約1μg〜約1000mgの認められた投薬量でカプセル化した化合物の毎日またはほぼ毎日の投与を含み得る。別の実施形態において、カプセル化した化合物の用量の断続的な投与(1月または1年のベースで等)を用いることができる。カプセル化は作用部位への接近を促進し、同時に活性成分の投与を可能にし、理論的には相乗効果をもたらす。標準的な投薬レジメンに従って、医師は容易に至適投薬量を決定し、投与を容易に修飾してかかる投薬量を達成することができるだろう。
【0142】
本明細書において開示される化合物または組成物の治療法上効果的な量は、化合物の治療効果性によって測定することができる。しかしながら、投薬量は、患者の要件、治療されている病態の重症度及び使用されている化合物に依存して変動し得る。一実施形態において、開示した化合物の治療法上効果的な量は、最大血漿濃度の確立に十分である。例えば動物試験に従って決定されるような予備的用量、及びヒト投与のための投薬量のスケーリングは、技術分野で許容される実務に従って遂行される。
【0143】
毒性及び治療効果性は、例えばLD50(集団の50%に致死の用量)及びED50(集団の50%において治療法上効果的な用量)の決定のための、細胞培養または実験動物において標準的な薬学的手順によって決定することができる。毒性と治療効果との間の用量比は治療指数であり、LD50/ED50比として表現することができる。大きな治療指数を示す組成物が好ましい。
【0144】
細胞培養アッセイまたは動物研究から得られたデータは、ヒトにおける使用のための投薬量の範囲の処方において使用することができる。1つの動物モデルにおいて達成された治療法上効果的な投薬量は、当技術分野において公知の変換係数を使用して、別の動物(ヒトが含まれる)における使用のために変換することができる(例えばFreireich et al.,Cancer Chemother.Reports 50(4):219−244(1966)、等価表面積投薬量係数のための表1を参照)。
【表1】
【0145】
かかる化合物の投薬量は、好ましくはほとんどまたはまったく毒性を持たないED50が含まれる血中循環濃度の範囲内にある。投薬量は、用いられる投薬形状及び利用される投与経路に応じてこの範囲内で変動し得る。一般的に、治療法上効果的な量は対象の年齢、病態及び性別に加えて、対象における医学的病態の重症度により変動し得る。投薬量は医師によって決定され、必要に応じて調整して観察された治療効果に合わせる。
【0146】
一実施形態において、式Iもしくは式Iaの化合物、またはその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物は、別の治療剤と組み合わせて投与される。他の治療剤は、本開示の化合物単独の投与と比較して加法的または相乗的な価値を提供することができる。治療剤は、例えばスタチン;PPARアゴニスト(例えばチアゾリジンジオンまたはフィブラート);ナイアシン、RVX、FXRまたはLXRアゴニスト;胆汁酸再吸収阻害剤;コレステロール吸収阻害剤;コレステロール合成阻害剤;コレステロールエステル輸送タンパク質(CETP)、イオン交換樹脂;抗酸化剤;アシルCoAコレステロールアシルトランスフェラーゼの阻害剤(ACAT阻害剤);チロホスチン(tyrophostine);スルホニル尿素ベースの薬品;ビグアニド;α−グルコシダーゼ阻害剤;アポリポタンパク質E調節因子;HMG−CoAリダクターゼ阻害剤、ミクロゾームトリグリセリド転移タンパク質;LDL低下薬;HDL上昇薬;HDL促進剤;アポリポタンパク質A−IVの調節因子及び/もしくはアポリポタンパク質遺伝子;または任意の心臓血管薬であり得る。
【0147】
別の実施形態において、式Iもしくは式Iaの化合物、またはその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物は、1つまたは複数の抗炎症剤と組み合わせて投与される。抗炎症剤には、免疫抑制剤、TNF阻害剤、コルチコステロイド、非ステロイド抗炎症薬(NSAID)、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)及び同種のものが含まれ得る。例示的な抗炎症剤には、例えば、プレドニゾン;メチルプレニゾロン(methylprenisolone)(Medrol(登録商標))、トリアムシノロン、メトトレキサート(Rheumatrex(登録商標)、Trexall(登録商標))、ヒドロキシクロロキン(Plaquenil(登録商標))、 スルファサルジン(sulfasalzine)(Azulfidine(登録商標))、レフルノミド(Arava(登録商標))、エタネルセプト(Enbrel(登録商標))、インフリキシマブ(Remicade(登録商標))、アダリムマブ(Humira(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、アバタセプト(Orencia(登録商標))、インターロイキン1、アナキンラ(Kineret(商標))、イブプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、ナプロキセン、アスピリン、アセトミノフェン(acetominophen)、インドメタシン、スリンダク、メロキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、ロルノキシカム、ケトロラク、エトドラク、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸、ジクロフェナク、オキサプロジン、アパゾン、ニメスリド、ナブメトン、テニダプ、エタネルセプト、トルメチン、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、ジフルニサル、サルサレート、オルサラジンまたはスルファサラジンが含まれる。
【実施例】
【0148】
実施例1:5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン
【化15】
N,N−ジメチルアセトアミド(100mL)中の2−フルオロ−4−メトキシベンズアルデヒド(5.0g、25.3mmol)及び2−アミノ−4,6−ジメトキシベンズアミド(3.9g、25.3mmol)の溶液へ、NaHSO(58.5%のSO含有量、6.8g、38.1mmol)、続いてp−トルエンスルホン酸一水和物(0.97g、5.1mmol)を添加した。もたらされた混合物を120℃で18時間加熱した。その後に、反応物を室温へ冷却し氷上に注いだ。沈殿させた固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、真空下で乾燥して、2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(4.8g、57%)をオフホワイト色固体として得た。H NMR (400 MHz, DMSO−d) δ 11.89 (br s, 1H), 7.71 (t, J = 8.6 Hz, 1H), 6.99 (dd, J = 12.9, 2.3 Hz, 1H), 6.92 (dd, J = 8.8, 2.5 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.55 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.86 (s, 6H); ESI MS m/z 331 [M + H]
【0149】
THF(25mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(1.0g、3mmol)及び1−メチルピペリジン−4−アミン(0.38g、3.3mmol)の懸濁物へ、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、6mL、6mmol)を添加した。反応混合物を撹拌しながら18時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、6mL、6mmol)の第2の小分けを添加し、還流を撹拌しながら追加で18時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、冷水(25mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。沈殿させた固体を濾過によって収集し乾燥した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1のジクロロメタン/メタノールから90:10のジクロロメタン/メタノールへ)によって精製して、5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.052g、4%)をオフホワイト色固体として得た。融点252〜253℃、H NMR (400 MHz, DMSO−d) δ 11.51 (br s, 1H), 9.50 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.83 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.58 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 6.51 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.16-6.26 (m, 2H), 3.89 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 3.48-3.61 (m, 1H), 2.55-2.66 (m, 2H), 2.24-2.37 (m, 2H), 2.20 (s, 3H), 1.93-2.02 (m, 2H), 1.52-1.66 (m, 2H); ESI MS m/z 425 [M + H]
【0150】
実施例2:5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン
【化16】
POCl(1.02g、6.66mmol)を、無水ピリジン(20mL)中の2−ホルミル−5−メトキシ安息香酸(1.0g、5.55mmol)の溶液へ0℃で添加し、30分間撹拌した。その後に、1−メチルピペラジン(0.556g、5.55mmol)を添加した。反応物を放置して室温へ暖め、16時間撹拌した。その後に、反応物を減圧下で濃縮し、水により希釈し、NaCO水溶液により塩基性にした。混合物を酢酸エチル(3×200mL)により抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO溶液、水、ブラインにより洗浄し、NaSOの上で乾燥し、濃縮して、4−メトキシ−2−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)ベンズアルデヒドを黄色固体(1.0g、68%)として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 9.86 (s, 1H), 7.82 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 6.95 (dd, J = 8.6, 1.95 Hz, 1H), 6.76 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.66-3.87 (m, 5H), 3.11-3.18 (m, 2H), 2.46 (br s, 2H), 2.16-2.28 (m, 5H).
【0151】
N,N−ジメチルアセトアミド(40mL)中の4−メトキシ−2−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)ベンズアルデヒド(1.0g、3.81mmol)及び2−アミノ−4,6−ジメトキシベンズアミド(0.748g、3.81mmol)の溶液へ、NaHSO(1.03g、5.72mmol)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(0.871g、4.58mmol)を添加した。反応物を120℃で16時間加熱した。その後に、混合物を室温へ冷却し、減圧下で濃縮し、水(100mL)により希釈し、NaCOにより塩基性にした。水を凍結乾燥によって除去し、残留物をジクロロメタン中の3%のメタノール(2×250mL)により抽出した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、97:3のジクロロメタン/メタノール)によって精製して、5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オンを淡黄色固体(0.140g、8%)として得た。融点215℃;H NMR (400 MHz, CDCl) δ 9.84 (br s, 1H), 7.91 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.04 (dd, J = 8.8, 2.5 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.45 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.90 (s, 3H), 3.88 (s, 3H), 3.80 (br s, 2H), 3.23 (br s, 2H), 2.43 (br s, 2H), 2.19 (s, 3H), 1.67 (br s, 2H); ESI MS m/z 439 [M + H]
【0152】
実施例3:2−(2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化17】
無水THF(20mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.660g、2mmol)の懸濁物へ、1−イソプロピルピペリジン−4−アミン(1.25mL、8mmol)及びリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、10mL、10mmol)を添加した。反応物を撹拌しながら48時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、6mL、6mmol)の第2の小分けを添加し、還流を撹拌しながら追加で6時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、冷水(3mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、97:3のジクロロメタン/メタノール、次いで97:3のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニア)によって精製して、2−(2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.267g、30%)をオフホワイト色固体として得た。融点248〜250℃;H NMR (400 MHz, DMSO−d) δ 11.49 (br s, 1H), 9.49 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.83 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.53-6.64 (m, 1H), 6.50 (s, 1H), 6.10-6.29 (m, 2H), 3.89 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.78 (s, 3H), 3.51 (br s, 1H), 2.63-2.76 (m, 3H), 2.42 (t, J = 9.2 Hz, 2H), 1.97 (br s, 2H), 1.47-1.63 (m, 2H), 0.97 (d, J = 6.25 Hz, 6H); ESI MS m/z 453 [M + H]
【0153】
実施例4:5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((1−メチルピロリジン−3−イル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン
【化18】
無水THF(25mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.660g、2mmol)の懸濁物へ、1−メチルピロリジン−3−アミンジヒドロクロライド(1.03g、6mmol)及びリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M溶液、18mL、18mmol)を添加した。反応物を撹拌しながら24時間加熱還流した。その後に、反応物を室温へ冷却し、冷水(5mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(30mL)中で溶解し、水(30mL)により希釈し、1時間撹拌した。沈殿させた固体を濾過によって収集し、水、次いでヘキサンにより洗浄し、風乾した。生成物を粉砕して(1:1、酢酸エチル/ヘキサン)、5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−(1−メチルピロリジン−3−イル)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.160g、20%)をオフホワイト色固体として得た。融点214〜215℃;H NMR (400 MHz, DMSO−d) δ 9.85 (br s, 1H), 7.88 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.53 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 6.49 (s, 1H), 6.20 (dd, J = 8.8, 2.15 Hz, 1H), 6.11 (s, 1H), 4.05 (br s, 1H), 3.89 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 2.69-2.82 (m, 2H), 2.55 (m, 1H), 2.33-2.41 (m, 2H), 2.32 (s, 3H), 1.59-1.68 (m, 1H); ESI MS m/z 411 [M + H]
【0154】
実施例5:5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−(メチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン
【化19】
無水THF(20mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.660g、2mmol)の懸濁物へ、N,1−ジメチルピペリジン−4−アミン(0.50g、8mmol)及びリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、6mL、6mmol)を添加した。反応物を撹拌しながら3時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、6mL、6mmol)の第2の小分けを添加し、還流を撹拌しながら追加で16時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、冷水(5mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、97:3のジクロロメタン/メタノール、次いで97:3のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニア)によって精製して、5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−(メチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.362g、41%)をオフホワイト色固体として得た。融点217〜218℃;H NMR (400 MHz, DMSO−d) δ 13.45 (s, 1H), 8.27 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.91 (dd, J = 9.0, 2.3 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 6.50 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.89 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.83 (s, 3H), 2.77-2.84 (m, 1H), 2.65-2.76 (m, 5H), 2.06 (s, 3H), 1.59-1.76 (m, 4H), 1.45-1.59 (m, 2H); ESI MS m/z 439 [M + H]
【0155】
実施例6:5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−(((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン
【化20】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、11.2mL、11.2mmol)を、無水THF(20mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.616g、1.86mmol)及び(1−メチルピペリジン−4−イル)メタンアミン(0.956g、7.46mmol)の撹拌された懸濁物へ徐々に添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら24時間加熱還流した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(15mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を水(25mL)中で懸濁し、次いで飽和NaHCO水溶液を添加して約8.5へpHを調整した。もたらされた懸濁物を室温で30分間撹拌し、沈殿させた固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、風乾した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニアから97:3のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニアへ)によって精製して、5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−(((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.180g、22%)を淡黄色固体として得た。融点264〜265℃;H NMR (400 MHz, DMSO−d) δ 11.47 (br s, 1H), 9.63 (br s, 1H), 7.88 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 6.48 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 6.13-6.24 (m, 2H), 3.89 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.08-3.14 (m, 2H), 2.80-2.87 (m, 2H), 2.15 (s, 3H), 1.85-1.95 (m, 2H), 1.74-1.81 (m, 2H), 1.65-1.73 (m, 1H), 1.43-1.54 (m, 2H); ESI MS m/z 439 [M + H]
【0156】
実施例7:5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−(((1−メチルピロリジン−3−イル)メチル)アミノ)フェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン
【化21】
THF(10mL、10mmol)中のリチウムヘキサメチルジシラザイドの1M溶液を、無水THF(20mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.826g、2.5mmol)及び1−メチル−3−アミノメチルピロリジン(0.571g、5mmol)の撹拌された懸濁物へ、単一の小分けで添加した。反応混合物を19時間撹拌及び加熱還流した。室温へ冷却後に、反応混合物を飽和NHCl水溶液(15mL)によりクエンチし、体積20mLまで減圧下で濃縮した。飽和NaHCO水溶液(350mL)の溶液を添加し、混合物をクロロホルム(4×30mL)により抽出した。合わせた抽出物をMgSOの上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、黄色固体を得た。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、95:5のクロロホルム/メタノール)、続いてクロロホルム/ヘキサンからの再結晶によって精製して、5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−(((1−メチルピロリジン−3−イル)メチル)アミノ)フェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン(0.367g、35%)を黄色固体として得た。融点233〜235℃;H NMR (400 MHz, CDCl) δ 9.65 (br s, 1H), 9.23 (br s, 1H), 7.56 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.41 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.30 (dd, J = 9.2, 2.4 Hz, 1H), 6.21 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.91 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.23-3.20 (m, 2H), 2.83-2.78 (m, 1H), 2.71-2.55 (m, 3H), 2.48-2.45 (m, 1H), 2.37 (s, 3H), 2.21-2.12 (m, 1H), 1.73-1.65 (m, 1H); ESI MS m/z 425 [M + H]
【0157】
実施例8:2−(2−((2−(イソプロピルアミノ)エチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化22】
無水THF(20mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.660g、2mmol)の懸濁物へ、N−イソプロピルエタン−1,2−ジアミン(1mL、8mmol)及びリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、6mL、6mmol)を添加した。反応物を撹拌しながら16時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、6mL、6mmol)の第2の小分けを添加し、還流を撹拌しながら追加で16時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl溶液(6mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を水(50mL)により処理し、もたらされた沈殿物を濾過によって収集し、水により洗浄し、乾燥し、酢酸エチルにより粉して、2−(2−((2−(イソプロピルアミノ)エチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.387g、47%)を黄色固体として得た。融点262〜264℃;H NMR (400 MHz, DMSO−d) δ 9.35 (t, J = 5.3 Hz, 1H), 7.83 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.89 (s, 1H), 6.44-6.55 (m, 1H), 6.20-6.37 (m, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.82 (s, 3H), 3.60 (br s, 2H), 3.23 (br s, 1H), 3.03-3.15 (m, 2H), 1.20 (d, J = 6.25 Hz, 6H); ESI MS m/z 413 [M + H]
【0158】
実施例9:5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン
【化23】
THF(50mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.66g、2mmol)及びテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン(0.3g、3mmol)の懸濁物へ、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、9mL、9mmol)を添加した。反応物を撹拌しながら18時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、9mL、9mmol)の第2の小分けを添加し、還流を撹拌しながら追加で18時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、冷水(25mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。沈殿させた固体を濾過によって収集し乾燥した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1のジクロロメタン/メタノールから90:10のジクロロメタン/メタノールへ)によって精製して、5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.12g、14%)を固体として得た。融点286〜287℃;H NMR (400 MHz, CDCl) δ 9.48 (br s, 1H), 9.36 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.56 (dd, J = 9.0, 2.7 Hz, 1H), 6.58 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 6.42 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.31 (dd, J = 8.8, 2.5 Hz, 1H), 6.25 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 4.05 (dt, J = 11.9, 4.0 Hz, 2H), 3.99 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.58 - 3.71 (m, 3H), 2.18 - 2.07 (m, 2H), 1.75 - 1.64 (m, 2H); ESI MS m/z 412 [M + H]
【0159】
実施例10:2−(2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化24】
N,N−ジメチルアセトアミド(20mL)中の2−アミノ−4,6−ジメトキシベンズアミド(3.160g、16.1mmol)及び2−フルオロベンズアルデヒド(2.0g、16.1mmol)の溶液へ、亜硫酸ナトリウム(58.5%SO含有量、4.29g、24.2mmol)、続いてp−トルエンスルホン酸一水化物(0.613g、3.2mmol)を添加した。もたらされた混合物を120℃で17時間加熱した。その後に、反応物を室温へ冷却し、減圧下で濃縮した。残留物を水(100mL)により希釈し、飽和NaHCO水溶液を添加して8へpHを調整した。もたらされた懸濁物を室温で30分間撹拌し、沈殿させた暗橙色固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、風乾した。生成物を酢酸エチルにより粉砕して、2−(2−フルオロフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(2.40g、50%)をオフホワイト色固体として得た。H NMR (400 MHz, DMSO−d) δ 12.09 (br s, 1H), 7.70-7.78 (m, 1H), 7.54-7.65 (m, 1H), 7.30-7.41 (m, 2H), 6.74 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.58 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.86 (s, 3H); ESI MS m/z 301 [M + H]
【0160】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、12mL、12mmol)を、無水THF(20mL)中の2−(2−フルオロフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.600g、2mmol)及び1−イソプロピルピペリジン−4−アミン(1.14g、8mmol)の撹拌された懸濁物へ徐々に添加した。反応物を撹拌しながら40時間加熱還流した。その後に、反応混合物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(5mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を水(20mL)により希釈し、もたらされた懸濁物を室温で30分間撹拌した。沈殿させた固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、風乾した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニアから97:3のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニアへ)によって精製して、2−(2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.230g、27%)を黄色固体として得た。融点267〜269℃;H NMR (400 MHz, CDCl) δ 9.53 (br s, 1H), 8.98 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.3 (m, 1H), 6.80 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.70 (m, 1H), 6.64 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.44 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.45-3.55 (m, 1H), 2.85-2.95 (m, 2H), 2.69-2.84 (m, 1H), 2.31-2.46 (m, 2H), 2.12-2.18 (m, 2H), 1.65-1.75 (m, 2H), 1.09 (d, J = 6.2 Hz, 6H); ESI MS m/z 423 [M + H]
【0161】
実施例11:5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン
【化25】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、6mL、6mmol)を、無水THF(20mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.660g、2mmol)及び2−(ピロリジン−1−イル)エタン−1−アミン(1.01mL、8mmol)の撹拌された懸濁物へ徐々に添加した。反応物を撹拌しながら16時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、6mL、6mmol)の第2の小分けを添加し、還流を撹拌しながら追加で16時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl溶液(6mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を水(50mL)により処理し、沈殿させた固体を濾過によって収集し、乾燥した。生成物を酢酸エチルにより粉砕して、5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.640g、75%)を黄色固体として得た。融点226〜228℃;H NMR (400 MHz, CDCl) δ 9.10 (br s, 1H), 7.51 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.67 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 6.40 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 6.30 (dd, J = 8.8, 2.15 Hz, 1H), 6.23 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.92 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.32-3.41 (m, 2H), 2.87 (t, J = 6.25 Hz, 2H), 2.63 (br s, 4H), 1.81 (br s, 4H); ESI MS m/z 425 [M + H]
【0162】
実施例12:5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−(ピペリジン−1−イル)エチル)アミノ)−フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン
【化26】
THF(50mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.50g、1.5mmol)及び2−(ピペリジン−1−イル)エタン−1−アミン(0.39g、3mmol)の懸濁物へ、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、4.5mL、4.5mmol)を添加した。反応混合物を撹拌しながら18時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、4.5mL、4.5mmol)の第2の小分けを添加し、還流を撹拌しながら追加で18時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、冷水(25mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。沈殿させた固体を濾過によって収集し乾燥した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1のジクロロメタン/メタノールから90:10のジクロロメタン/メタノールへ)によって精製して、5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−(ピペリジン−1−イル)エチル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.16g、24%)をオフホワイト色固体として得た。融点231〜232℃;H NMR (400 MHz, CDCl) δ 9.42 (br s, 1H), 8.87 (t, J = 4.5 Hz, 1H), 7.50 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.71 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.41 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.30 (dd, J = 8.6, 2.3 Hz, 1H), 6.23 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.92 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.28-3.39 (m, 2H), 2.71 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.48 (br s, 4H), 1.58 (quin, J = 5.6 Hz, 4H), 1.37-1.48 (m, 2H); ESI MS m/z 439 [M + H]
【0163】
実施例13:5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((3−モルホリノプロピル)アミノ)−フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン
【化27】
THF(50mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.50g、1.5mmol)及び3−モルホリノプロパン−1−アミン(0.39g、3mmol)の懸濁物へ、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、4.5mL、4.5mmol)を添加した。反応混合物を撹拌しながら18時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、4.5mL、4.5mmol)の第2の小分けを添加し、還流を撹拌しながら追加で18時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、冷水(25mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。沈殿させた固体を濾過によって収集し乾燥した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1のジクロロメタン/メタノールから90:10のジクロロメタン/メタノールへ)によって精製して、5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((3−モルホリノプロピル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.16g、24%)をオフホワイト色固体として得た。融点234〜235℃;H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.99 (br s, 1H), 8.93-8.97 (m, 1H), 7.41 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.42 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.30 (dd, J = 9.0, 2.3 Hz, 1H), 6.25 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.92 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.69-3.74 (m, 4H), 3.28-3.35 (m, 2H), 2.54 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.44-2.50 (m, 4H), 1.91-1.98 (m, 2H); ESI MS m/z 455 [M + H]
【0164】
実施例14:5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−モルホリノエチル)アミノ)フェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン
【化28】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、6mL、6mmol)を、無水THF(25mL)中の2−(2−フルロ(fluro)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−(4(3H)−オン(0.660g、2mmol)及び2−(モルホリン−4−イル)エタンアミン(0.780g、6mmol)の撹拌された懸濁物へ徐々に添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら3時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、6mL、6mmol)の第2の小分けを添加した。加熱還流を撹拌しながら16時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(5mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(20mL)中で溶解し、水(20mL)により希釈し、1時間撹拌した。沈殿させた固体を濾過によって収集し、水、次いでヘキサンにより洗浄し、風乾した。生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、90:10の酢酸エチル/メタノール)によって精製して、5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ((2−モルホリノエチル)アミノ)フェニルキナゾリン−4(3H)−オン(0.330g、38%)を黄色固体として得た。融点239〜240℃;H NMR (400 MHz, CDCl) δ 9.18 (br s, 1H), 8.87 (br s, 1H), 7.45 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.42 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 6.31 (dd, J = 9.0, 2.3 Hz, 1H), 6.23 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.99 (s, 3H), 3.91 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.69-3.76 (m, 4H), 3.30-3.38 (m, 2H), 2.76 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 2.51-2.59 (m, 4H); ESI MS m/z 441 [M + H]
【0165】
実施例15:5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((3−(ピロリジン−1−イル)プロピル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン
【化29】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、12mL、12mmol)を、無水THF(20mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.661g、2mmol)及び3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−アミン(1.030g、8mmol)の撹拌された懸濁物へ徐々に添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら24時間加熱還流した。その後に、反応物を室温へ冷却し、NHClの飽和水溶液(10mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(20mL)中で溶解し、水(20mL)により希釈し、1時間撹拌した。沈殿させた固体を濾過によって収集し、水、次いでヘキサンにより洗浄し、風乾した。生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニアから97:3のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニアへ)によって精製して、5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((3−(ピロリジン−1−イル)プロピル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.220g、25%)を黄色固体として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 9.33 (br s, 1H), 9.04 (br s, 1H), 7.49 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.41 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.29 (dd, J = 8. 8, 2.3 Hz, 1H), 6.23 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.92 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.31 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.62-2.68 (m, 2H), 2.48-2.56 (m, 4H), 1.99 (quin, J = 7.0 Hz, 2H), 1.75-1.80 (m, 4H); ESI MS m/z 439 [M + H]
【0166】
実施例16:2−(2−(((1−イソプロピルピロリジン−3−イル)メチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化30】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、6mL、6mmol)を、無水THF(20mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−(4(3H)−オン(0.660g、2mmol)及び(1−イソプロピルピロリジン−3−イル)メタンアミン(1.14g、8mmol)の撹拌された懸濁物へ徐々に添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら3時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、6mL、6mmol)の第2の小分けを添加した。加熱還流を撹拌しながら16時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(6mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を水(50mL)により希釈し、沈殿させた固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、乾燥した。もたらされた固体を酢酸エチルにより、次いで90:10のジエチルエーテル/メタノールにより粉砕し、真空下で乾燥して、2−(2−(((1−イソプロピルピロリジン−3−イル)メチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.347g、38%)を薄橙色固体として得た。融点228〜230℃;H NMR (400 MHz, CDCl) δ 9.50 (br s, 1H), 9.21 (br s, 1H), 7.53 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.59 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 6.40 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 6.30 (dd, J = 8.8, 2.5 Hz, 1H), 6.21 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.90 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.16-3.25 (m, 2H), 3.01 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 2.55-2.80 (m, 3H), 2.30-2.45 (m, 2H), 2.10-2.23 (m, 1H), 1.62-1.74 (m, 1H), 1.12 (d, J = 6.2 Hz, 6H); ESI MS m/z 453 [M + H]
【0167】
実施例17:2−(2−(((1−イソプロピルピロリジン−2−イル)メチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化31】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、12mL、12mmol)を、無水THF(20mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−(4(3H)−オン(0.660g、2mmol)及び(1−イソプロピルピロリジン−2−イル)メタンアミン(1.140g、8mmol)の撹拌された懸濁物へ徐々に添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら24時間加熱還流した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(10mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を水(20mL)により希釈し、もたらされた懸濁物を室温で30分間撹拌した。沈殿させた固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、乾燥した。生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニアから97:3のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニアへ)によって精製して、2−(2−(((1−イソプロピルピロリジン−2−イル)メチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.240g、27%)を黄色固体として得た。融点207〜209℃;H NMR (400 MHz, CDCl) δ 9.33 (br s, 1H), 9.20 (br s, 1H), 7.49 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 6.67 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.40 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.29 (dd, J=8.9, 2.3 Hz, 1H), 6.22 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.91 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.15-3.30 (m, 2H), 2.99-3.12 (m, 3H), 2.53-2.61 (m, 1H), 1.68-1.97 (m, 4H), 1.16 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.02 (d, J = 6.25 Hz, 3H); ESI MS m/z 453 [M + H]
【0168】
実施例18:2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化32】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、3.2mL、3.2mmol)を、無水THF(10mL)中の2−(3−フルオロピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.322g、1.07mmol)及び1−イソプロピルピペリジン−4−アミン(0.676mL、4.28mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら1時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、3.2mL、3.2mmol)の第2の小分けを添加した。加熱還流を撹拌しながら2時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(3mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を水(30mL)により希釈し、沈殿させた固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、乾燥した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、97:3のジクロロメタン/メタノール、次いで97:3のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニア)によって精製して、2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.145g、32%)を黄色固体として得た。融点170〜172℃;H NMR (400 MHz, CDCl) δ 10.92 (br s, 1H), 9.50 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.89 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 7.23 (dd, J = 8.6, 4.3 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.65 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.45 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.94 (s, 3H), 3.43-3.57 (m, 1H), 2.86-2.98 (m, 2H), 2.78 (sept, J = 6.5 Hz, 1H), 2.42 (t, J = 10.2 Hz, 2H), 2.09-2.21 (m, 2H), 1.61-1.83 (m, 2H), 1.10 (d, J = 6.6 Hz, 6H); ESI MS m/z 424 [M + H]
【0169】
実施例19:2−(2−((1−イソブチリルピペリジン−4−イル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化33】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、12.0mL、12.0mmol)を、無水THF(20mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−(4(3H)−オン(0.660g、2.0mmol)及び1−(4−アミノピペリジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン塩酸塩(1.240g、6.0mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら3時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、6.0mL、6.0mmol)の第2の小分けを添加した。加熱還流を撹拌しながら16時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(5.0mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を水(30mL)により希釈し、CHCl(2×30mL)により抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、90:10の酢酸エチル/メタノール)によって、続いて分取HPLCによって精製して、2−(2−((1−イソブチリルピペリジン−4−イル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.090g、9%)を黄色固体として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 9.35 (br s, 1H), 9.19 (br s, 1H), 7.50 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.54 (s, 1H), 6.42 (s, 1H), 6.32 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.25 (br s, 1H), 4.27 (br s, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.92 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.70 (br s, 1H), 3.23-3.43 (m, 2H), 2.84 (sept, J = 6.2 Hz 1H), 2.07-2.20 (m, 2H), 1.59-1.71 (m, 2H), 1.14 (d, J=6.2 Hz, 6H); ESI MS m/z 481 [M + H]
【0170】
実施例20:2−(2−((3−(イソプロピルアミノ)プロピル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化34】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、6mL、6mmol)を、無水THF(20mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.660g、2mmol)及びN−イソプロピルプロパン−1,3−ジアミン(1.35mL、8mmol))の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら3時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、6mL、6mmol)の第2の小分けを添加した。加熱還流を撹拌しながら16時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(6mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を水(50mL)により希釈し、沈殿させた固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、乾燥した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、97:3のジクロロメタン/メタノール、次いで97:3のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニア)によって精製して、2−(2−((3−(イソプロピルアミノ)プロピル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.171g、20%)を黄色固体として得た。融点208〜210℃;H NMR (400 MHz, DMSO−d) δ 7.83 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.16-6.24 (m, 2H), 3.89 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.50 (br s, 2H), 3.26 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.64-2.75 (m, 3H), 1.86-1.76 (m, 2H), 0.95 (d, J = 5.9 Hz, 6H); ESI MS m/z 427 [M + H]
【0171】
実施例21:5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((3−(メチルピペラジン−1−イル)プロピル)アミノ)−フェニルキナゾリン−4(3H)−オン
【化35】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、6.0mL、6.0mmol)を、無水THF(25mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−(4(3H)−オン(0.660g、2.0mmol)及び3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロパン−1−アミン(0.942g、6.0mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら3時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、6.0mL、6.0mmol)の第2の小分けを添加した。加熱還流を撹拌しながら16時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(5.0mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を水(30mL)及び酢酸エチル(10mL)により希釈し、1時間撹拌した。沈殿させた固体を濾過によって収集し、水、次いでヘキサンにより洗浄し、風乾した。物質を酢酸エチル(2×20mL)及びエーテル(2×20mL)により粉砕して、5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((3−(メチルピペラジン−1−イル)プロピル)アミノ)フェニルキナゾリン−4(3H)−オン(0.440g、47%)を淡黄色固体として得た。融点220〜222℃;H NMR (400 MHz, CDCl) δ 9.00 (br s, 1H), 7.51 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.41 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 6.29 (dd, J = 8.8, 1.9 Hz, 1H), 6.23 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.92 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.29 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 2.37-2.66 (m, 11H), 2.29 (s, 3H), 1.90-2.00 (m, 2H); ESI MS m/z 468 [M + H]
【0172】
実施例22:2−(2−((2−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)エチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化36】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、4mL、4mmol)を、無水THF(20mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.660g、2mmol)及び2−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)エタン−1−アミン(1.02g、6mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら3時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、4mL、4mmol)の第2の小分けを添加した。加熱還流を撹拌しながら16時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(6mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を水(50mL)により希釈し、沈殿させた固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、乾燥した。固体を酢酸エチルにより、続いて90:10のジエチルエーテル/メタノールにより粉砕し、真空下で乾燥して、2−(2−((2−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)エチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.776g、80%)をオフホワイト色固体として得た。融点227〜228℃;H NMR (400 MHz, DMSO−d) δ 11.44 (br s, 1H), 9.29 (t, J = 4.3 Hz, 1H), 7.80 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.51 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.15-6.26 (m, 2H), 3.88 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.33 (br s, 1H), 3.25 (q, J = 5.1 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 2.52-2.60 (m, 1H), 2.43 (br s, 8H), 0.90 (d, J = 6.6 Hz, 6H); ESI MS m/z 482 [M + H]
【0173】
実施例23:5,7−ジメトキシ−2−[4−メトキシ−2−(1−メチルピペリジン−4−イルスルフィニル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン
【化37】
2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(3.62g、11mmol)、1−メチルピペリジン−4−チオール(1.51g、11.5mmol)、KCO(3.04g、22mmol)及び無水DMSO(44mL)の混合物を、撹拌しながら90℃で20時間加熱した。その後に、反応物を室温へ冷却し、CHCl(150mL)により希釈し、水(3×100mL)及びブライン(100mL)により洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下で濃縮した。残留物をジエチルエーテル(3×30mL)により粉砕し、真空において乾燥して、5,7−ジメトキシ−2−[4−メトキシ−2−(1−メチルピペリジン−4−イルチオ)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン(4.59g、95%)をオフホワイト色固体として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 11.40 (br s, 1H), 7.82 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.87 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1H), 6.78 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.46 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 3.97 (s, 3H), 3.91 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 2.99-2.93 (m, 1H), 2.70-2.67 (m, 2H), 2.21 (s, 3H), 1.91-1.84 (m, 4H), 1.59-1.50 (m, 2H).
【0174】
水(7mL)中のNaIO(0.449g、2.1mmol)の溶液を、メタノール(20mL)中の5,7−ジメトキシ−2−[4−メトキシ−2−(1−メチルピペリジン−4−イルチオ)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン(0.883g、2mmol)の撹拌された懸濁物へ滴加した。添加が完了した後、反応物を室温で18時間撹拌した。その後に、反応物を水(80mL)により希釈し、沈殿させた固体を濾過によって収集し、水(4×30mL)により洗浄し、乾燥した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、95:5のクロロホルム/メタノール)によって精製して、5,7−ジメトキシ−2−[4−メトキシ−2−(1−メチルピペリジン−4−イルスルフィニル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン(0.312g、34%)を白色固体として得た。融点263〜265℃;H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.93 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.13 (dd, J = 8.4, 2.8 Hz, 1H), 6.65 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 3.99 (s, 3H), 3.97 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.48-3.40 (m, 1H), 3.06-2.93 (m, 2H), 2.24 (s, 3H), 2.21-1.87 (m, 5H), 1.36-1.33 (m, 1H); ESI MS m/z 458 [M + H]
【0175】
実施例24:5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−(ピペラジン−1−イル)エチル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン
【化38】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、6.0mL、6.0mmol)を、無水THF(25mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−(4(3H)−オン(0.660g、2.0mmol)及びtert−ブチル4−(2−アミノエチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.916g、4.0mmol)の撹拌された懸濁物へ徐々に添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら1時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、4.0mL、4.0mmol)の第2の小分けを添加した。加熱還流を撹拌しながら16時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(5.0mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を水(40mL)により希釈し、1時間撹拌した。沈殿させた固体を濾過によって収集し、水及びヘキサンにより洗浄し、風乾した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1の酢酸エチル/メタノール)によって精製して、tert−ブチル4−(2−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−5−メトキシフェニル)アミノ)エチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.440g、41%)をオフホワイト色固体として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 9.06 (br s, 1H), 8.82 (br s, 1H), 7.43 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.68 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.42 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.31 (dd, J = 8.8, 2.1 Hz, 1H), 6.22 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.99 (s, 3H), 3.89 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.44 (br s, 4H), 3.34 (q, J = 5.5 Hz, 2H), 2.76 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 2.49 (br s, 4H), 1.45 (s, 9H); ESI MS m/z 540 [M + H]
【0176】
トリフルオロ酢酸(5.0mL)を、CHCl(20mL)中のtert−ブチル4−(2−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−5−メトキシフェニル)アミノ)エチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.420g、0.78mmol)の懸濁物へ滴加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。その後に、反応物を減圧下で濃縮し、残留物を氷水(30mL)により希釈した。もたらされた混合物を固体NaHCOにより塩基性にし、CHCl(3×30mL)により抽出した。合わせた有機層を乾燥し、濃縮して、固形残留物を得て、それを粉砕して(3×20mL、50:50のヘキサン/ジエチルエーテル)、5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−(ピペラジン−1−イル)エチル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.230g、67%)をオフホワイト色固体として得た。融点210〜212℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.86-8.94 (m, 1H), 7.48 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.42 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.31 (dd, J = 8.8, 2.1 Hz, 1H), 6.22 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.99 (s, 3H), 3.91 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.34 (q, J = 5.9 Hz, 2H), 2.84-2.96 (m, 4H), 2.75 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.52 (br s, 4H); ESI MS m/z 440 [M + H]+.
【0177】
実施例25:5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル)アミノ)フェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン
【化39】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、4mL、4mmol)を、無水THF(20mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.660g、2mmol)及び2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−アミン(0.86g、6mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら3時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、4mL、4mmol)の第2の小分けを添加した。加熱還流を撹拌しながら16時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(6mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を水(50mL)により希釈し、沈殿させた固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、乾燥した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、96:4のジクロロメタン/メタノール、次いで96:4のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニア)によって精製して、5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−(4−methylpiperazin−1−イル)エチル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.310g、34%)を淡黄色固体として得た。融点230〜231℃;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.46 (br s, 1H), 9.26 (t, J = 4.3 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 6.51 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 6.14-6.27 (m, 2H), 3.89 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.26 (q, J = 5.1 Hz, 2H), 2.65 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 2.47 (br s, 4H), 2.32 (br s, 4H), 2.11 (s, 3H); ESI MS m/z 454 [M + H]+.
【0178】
実施例26:2−(2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−5−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化40】
無水トルエン(110mL)中の2−ブロモ−5−メトキシベンズアルデヒド(5.0g、23.3mmol)、プロパン−1,3−ジオール(2.13g、28.0mmol)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(0.10g、0.53mmol)の混合物を、Dean−Stark機器を使用して水を共沸除去しながら24時間加熱還流した。その後に、反応物を室温へ冷却し、5%のNaCO水溶液(50mL)により洗浄し、NaSOの上で乾燥し、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、95:5のヘキサン/酢酸エチルから80:20のヘキサン/酢酸エチルへ)によって精製して、2−(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)−1,3−ジオキサン(5.8g、91%)を濃厚な粘稠液として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.40 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.77 (dd, J = 8.8, 2.9 Hz, 1H), 5.72 (s, 1H), 4.27 (dd, J = 11.3, 4.7 Hz, 2H), 4.03 (t, J = 11.3 Hz, 2H), 3.81 (s, 3H), 2.18-2.32 (m, 1H), 1.44-1.48 (m, 1H).
【0179】
無水トルエン(50mL)中の2−(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)−1,3−ジオキサン(5.1g、18.7mmol)、1−イソプロピルピペリジン−4−アミン(3.45g、24.38mmol)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(0.746g、1.2mmol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.366g、0.4mmol)の混合物を、窒素により15分間パージした。ナトリウム−tert−ブトキシド(3.24g、33.7mmol)を添加し、混合物を間窒素により追加で5分パージした。反応混合物を110℃で18時間加熱し、次いで室温へ冷却し、酢酸エチル(100mL)により希釈し、濾過した。反応物を減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、90:10の酢酸エチル/メタノール)によって精製して、N−(2−(1,3−ジオキサン−2−イル)−4−メトキシフェニル)−1−イソプロピルピペリジン−4−アミン(4.5g、73%)を濃厚な粘稠液として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.90 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.79 (dd, J = 8.6, 2.7 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 5.41 (s, 1H), 4.54 (br s, 1H), 4.25 (dd, J = 11.1, 4.9 Hz, 2H), 3.91-4.02 (m, 2H), 3.74 (s, 3H), 3.31 (br s, 1H), 2.83 (d, J = 11.3 Hz, 2H), 2.74 (dt, J = 12.9, 6.4 Hz, 1H), 2.31 (t, J = 10.4 Hz, 2H), 2.13-2.26 (m, 1H), 2.09 (br s, 1H), 1.42-1.60 (m, 3H), 1.06 (d, J = 6.6 Hz, 6H); ESI MS m/z 335 [M + H]+.
【0180】
HCl(2.5M、15mL、37.5.0mmol)の溶液を、0℃へ冷却されたメタノール(15mL)中のN−(2−(1,3−ジオキサン−2−イル)−4−メトキシフェニル)−1−イソプロピルピペリジン−4−アミン(1.5g、4.5mmol)の強く撹拌された溶液へ徐々に添加した。もたらされた混合物を放置して室温へ暖め、2時間撹拌した。大部分のメタノールを減圧下で除去し、残留物を水(30mL)により希釈した。水性相のpHを、固体NaCOを使用しておよそ10へ調整した。混合物を酢酸エチル(2×50mL)により抽出した。合わせた有機層をブラインにより洗浄し、NaSOの上で乾燥し、減圧下で濃縮して、2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−5−メトキシベンズアルデヒドを濃厚な粘稠ゴム(0.820g、65%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.78 (s, 1H), 8.14 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.06 (dd, J = 9.2, 2.9 Hz, 1H), 7.0 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 6.69 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.44 (br s, 1H), 2.80-2.89 (m, 2H), 2.75 (br s, 1H), 2.35 (br s, 2H), 2.06 (br s, 2H), 1.62 (d, J = 9.4 Hz, 2H), 1.07 (d, J = 6.3 Hz, 6H); ESI MS m/z 277 [M + H]+.
【0181】
N,N−ジメチルアセトアミド(15mL)中の2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−5−メトキシベンズアルデヒド(0.8g、2.9mmol)、2−アミノ−4,6−ジメトキシベンズアミド(0.57g、2.9mmol)、亜硫酸ナトリウム(58.5%のSO含有量、0.773g、4.5mmol)及びpara−トルエンスルホン酸一水和物(0.228g、1.2mmol)の混合物を、120℃で20時間撹拌及び加熱した。その後に、反応混合物を室温へ冷却し、減圧下で濃縮した。残留物を水(20mL)により希釈し、pHをNaCO水溶液によりおよそ10に調整した。混合物をCHCl(3×40mL)により抽出し、合わせた有機層を減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1の酢酸エチル/メタノール中の7Nアンモニアから97:3の酢酸エチル/メタノール中の7Nアンモニアへ)、続いて分取HPLCによって精製して、2−(2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−5−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.043g、3%)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.53-8.63 (m, 1H), 8.20 (br s, 1H), 7.34 (br s, 1H), 6.95 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.60 (s, 1H), 6.53 (s, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.74 (s, 3H), 3.58-3.68 (m, 1H), 3.44 (br s, 1H), 2.73 (br s, 2H), 2.40 (br s, 2H), 1.93 (br s, 2H), 1.52 (br s, 2H), 0.95 (d, J = 5.5 Hz, 6H); ESI MS m/z 453 [M + H]+.
【0182】
実施例27:2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化41】
無水トルエン(100mL)中の3−ブロモベンズアルデヒド(10.0g、54.1mmol)、プロパン−1,3−ジオール(4.93g、64.9mmol)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(0.10g、0.53mmol)の混合物を、Dean−Stark機器を使用して水を共沸除去しながら24時間加熱還流した。その後に、反応物を室温へ冷却し、5%のNaCO水溶液(50mL)により洗浄し、NaSOの上で乾燥し、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、95:5のヘキサン/酢酸エチルから90:10のヘキサン/酢酸エチルへ)によって精製して、2−(3−ブロモフェニル)−1,3−ジオキサン(11.5g、87%)を薄茶色油として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.62-7.70 (m, 1H), 7.46 (ddd, J = 8.1, 2.05, 1.2 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.15-7.27 (m, 1H), 5.46 (s, 1H), 4.24-4.29 (m, 2H), 3.98 (t of d, J = 12.11, 2.74 Hz, 2H), 2.11-2.33 (m, 1H), 1.39-1.51 (m, 1H).
【0183】
無水トルエン(60mL)中の2−(3−ブロモフェニル)−1,3−ジオキサン(5.0g、20.6mmol)、1−イソプロピルピペリジン−4−アミン(3)(4.39g、30.9mmol)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(1.28g、2.06mmol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.94g、1.03mmol)の混合物を、窒素により15分間パージした。ナトリウム−tert−ブトキシド(3.95g、41.1mmol)を添加し、混合物を窒素により追加で5分パージした。反応混合物を110℃で4時間加熱し、次いで室温へ冷却し、酢酸エチル(100mL)により希釈し、濾過した。反応物を減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、98:2のジクロロメタン/メタノールから95:5のジクロロメタン/メタノールへ)によって精製して、N−(3−(1,3−ジオキサン−2−イル)フェニル)−1−イソプロピルピペリジン−4−アミン(4.43g、71%)をオフホワイト色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.12-7.16 (m, 1H), 6.76 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 6.56 (dd, J = 7.4, 1.95 Hz, 1H), 5.42 (s, 1H), 4.26 (dd, J = 11.1, 4.6 Hz, 2H), 3.96-4.05 (m, 2H), 3.52-3.54 (m, 1H), 3.24-3.37 (m, 1H), 2.82-2.85 (m, 2H), 2.65-2.79 (m, 1H), 2.13-2.34 (m, 3H), 2.03-2.08 (m, 2H), 1.33-1.52 (m, 3H), 1.05 (d, J = 6.6 Hz, 6H); ESI MS m/z 305 [M + H]+.
【0184】
HCl(2N、50mL、100mmol)の溶液を、0℃へ冷却されたメタノール(50mL)中のN−(3−(1,3−ジオキサン−2−イル)フェニル)−1−イソプロピルピペリジン−4−アミン(4.43g、14.6mmol)の強く撹拌された溶液へ徐々に添加した。もたらされた混合物を放置して室温へ暖め、17時間撹拌した。大部分のメタノールを減圧下で除去し、残留物を水(30mL)により希釈した。水性相のpHを、固体NaCOを使用しておよそ10へ調整した。混合物を酢酸エチル(2×150mL)により抽出した。合わせた有機層をブラインにより洗浄し、NaSOの上で乾燥し、減圧下で濃縮した。生成物を粉砕して(50:50、ジエチルエーテル/ヘキサン)、3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ベンズアルデヒド(0.90g、25%)をオフホワイト色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.92 (s, 1H), 7.30-7.39 (m, 1H), 7.21 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.05 (br s, 1H), 6.85-6.94 (m, 1H), 3.92-4.05 (m, 1H), 3.54-3.68 (m, 1H), 3.39-3.57 (m, 3H), 2.67-2.94 (m, 2H), 2.32-2.49 (m, 1H), 2.13-2.33 (m, 3H), 1.46 (d, J = 6.6 Hz, 6H); ESI MS m/z 247 [M + H]+.
【0185】
N,N−ジメチルアセトアミド(15mL)中の3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ベンズアルデヒド(0.450g、1.83mmol)、2−アミノ−4,6−ジメトキシベンズアミド(0.287g、1.46mmol)、亜硫酸ナトリウム(58.5%のSO含有量、0.487g、2.74mmol)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(0.174g、0.91mmol)の混合物を、120℃で17時間撹拌及び加熱した。その後に、反応混合物を室温へ冷却し、減圧下で濃縮した。水(50mL)を添加し、もたらされた懸濁物を室温で30分間撹拌した。沈殿させた固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、風乾した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1の酢酸エチル/メタノール中の7Nアンモニアから97:3の酢酸エチル/メタノール中の7Nアンモニアへ)によって精製して、2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.310g、50%)を白色固体として得た。融点239〜341℃;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.89 (br s, 1H), 7.24-7.36 (m, 2H), 7.09-7.23 (m, 1H), 6.76 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.53 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.70 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 3.89 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.26-3.37 (m, 1H), 2.65-2.81 (m, 3H), 2.20-2.29 (m, 2H), 1.75-1.94 (m, 2H), 1.28-1.41 (m, 2H), 0.98 (d, J = 6.6 Hz, 6H); ESI MS m/z 423 [M + H]+.
【0186】
実施例28:5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−[3−(ピペラジン−1−イル)プロピルアミノ]フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン
【化42】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、10.3mL、10.3mmol)を、無水THF(20mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.679g、2.06mmol)及び1−tert−ブトキシカルボニル−4−(3−アミノプロピル)ピペラジン(0.957g、3.93mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら24時間加熱還流した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(15mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。飽和NaHCO水溶液(50mL)の溶液を添加し、混合物をクロロホルム(4×30mL)により抽出した。合わせた有機層をMgSOの上で乾燥し、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、98:2のクロロホルム/メタノール)、続いてクロロホルム/ヘキサンからの再結晶によって精製して、5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−[3−(1−tert−ブトキシカルボニルピペラジン−4−イル)プロピルアミノ]フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.253g、22%)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.50 (br s, 1H), 9.04 (br s, 1H), 7.54 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.41 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.30 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1H), 6.23 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.92 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.44-3.42 (m, 4H), 3.33-3.29 (m, 2H), 2.56-2.53 (m, 2H), 2.41 (br s, 4H), 1.98-1.93 (m, 2H), 1.46 (s, 9H).
【0187】
クロロホルム(10mL)中の5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−[3−(1−tert−ブトキシカルボニルピペラジン−4−イル)プロピルアミノ]フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.253g、0.46mmol)の溶液を、0℃へ冷却されたメタノール(18mL)中のHCl(1.0g、27.4mmol)の溶液へ滴加した。添加が完了した後、反応物を放置して室温へ暖め、1時間撹拌した。その後に、反応物を減圧下で濃縮し、残留物をクロロホルム(4×30mL)により粉砕した。次いで生成物を飽和NaHCO水溶液(20mL)により中和し、クロロホルム(3×20mL)により抽出した。合わせた有機層をMgSOの上で乾燥し、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、90:10のクロロホルム/メタノール)によって精製して、5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−[3−(ピペラジン−1−イル)プロピルアミノ]フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.091g、44%)を黄色固体として得た。融点225〜228℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.52 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.41 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.30 (dd, J = 9.2, 2.0 Hz, 1H), 6.23 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 3.97 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.31-3.28 (m, 2H), 2.91-2.88 (m, 4H), 2.55-2.46 (m, 6H), 1.99-1.92 (m, 2H); ESI MS m/z 454 [M + H]+.
【0188】
実施例29:2−(2−((4,4−ジメチルシクロヘキシル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化43】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、6.0mL、6.0mmol)を、無水THF(20mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.661g、2mmol)及び4,4−ジメチルシクロヘキサン−1−アミン(0.509g、4mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら24時間加熱還流した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(5mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を水(50mL)により希釈し、もたらされた懸濁物を室温で30分間撹拌した。沈殿させた固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、風乾した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1のジクロロメタン/メタノール中から97:3のジクロロメタン/メタノールへ)、続いて分取HPLCによって精製して、2−(2−((4,4−ジメチルシクロヘキシル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.060g、7%)を淡黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.23 (br s, 1H), 9.15 (br s, 1H), 7.45 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.65 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.41 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.22-6.29 (m, 2H), 3.98 (s, 3H), 3.91 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.41-3.50 (m, 1H), 1.88-1.98 (m, 2H), 1.48-1.67 (m, 4H), 1.29-1.39 (m, 2H), 0.99 (s, 3H), 0.98 (s, 3H); ESI MS m/z 438 [M + H]+.
【0189】
実施例30:2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−5−メトキシピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化44】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、1.0mL、1.0mmol)を、無水THF(5mL)中の2−(3−フルオロ−5−メトキシピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.166g、0.50mmol)及び1−イソプロピルピペリジン−4−アミン(0.24mL、1.50mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら1時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、1.0mL、1.0mmol)の第2の小分けを添加し、還流を撹拌しながら追加で5時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(1mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、97:3のジクロロメタン/メタノール、次いで97:3のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニア)によって精製して、2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−5−メトキシピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.070g、31%)を黄色固体として得た。融点207〜208℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.71 (br s, 1H), 9.58 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.42 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.97 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.90 (s, 3H), 3.40-3.52 (m, 1H), 2.86-2.97 (m, 2H), 2.78 (sept, J = 6.6 Hz, 1H), 2.43 (t, J = 10.55 Hz, 2H), 2.10-2.20 (m, 2H), 1.68-1.83 (m, 2H), 1.10 (d, J = 6.6 Hz, 6H); ESI MS m/z 454 [M + H]+.
【0190】
実施例31:2−(2−((trans−4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)シクロヘキシル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化45】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、7.2mL、7.2mmol)を、無水THF(15mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.400g、1.20mmol)及び2−(trans−4−アミノシクロヘキシル)プロパン−2−オール(0.476g、3.03mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら21時間加熱還流した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(6mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を水(30mL)により希釈し、もたらされた懸濁物を室温で30分間撹拌した。沈殿させた固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、風乾した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1のジクロロメタン/メタノールから97:3のジクロロメタン/メタノールへ)、続いてクロロホルム/ヘキサンからの再結晶によって精製して、2−(2−((trans−4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)シクロヘキシル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.115g、20%)を淡黄色固体として得た。融点253℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.18 (br s, 1H), 9.14 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.58 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.41 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.22-6.30 (m, 2H), 3.98 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.25-3.33 (m, 1H), 2.29-2.37 (m, 2H), 1.93-1.99 (m, 2H), 1.24-1.46 (m, 6H), 1.23 (s, 6H); ESI MS m/z 468 [M + H]+.
【0191】
実施例32:2−(3−((1−イソブチリルピペリジン−4−イル)アミノ)−5−メトキシピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化46】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、2.4mL、2.4mmol)を、無水THF(5mL)中の2−(3−フルオロ−5−メトキシピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.155g、0.468mmol)及び1−(4−アミノピペリジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン塩酸塩(0.290g、1.40mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら1時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、0.9mL、0.9mmol)の第2の小分けを添加し、還流を撹拌しながら追加で5時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(1mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタンから98:2のジクロロメタン/メタノールへ)、続いてジエチルエーテルによる粉砕によって精製して、2−(3−((1−イソブチリルピペリジン−4−イル)アミノ)−5−メトキシピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.061g、27%)を淡黄色固体として得た。融点192〜193℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.69 (s, 1H), 9.69 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.54 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.50 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.43 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 4.23-4.34 (m, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.92 (s, 3H), 3.83-3.91 (m, 1H), 3.67-3.75 (m, 1H), 3.32-3.46 (m, 2H), 2.86 (sept, J = 6.6 Hz, 1H), 2.06-2.21 (m, 2H), 1.59-1.79 (m, 2H), 1.16 (d, J = 6.6 Hz, 6H); ESI MS m/z 482 [M + H]+.
【0192】
実施例33:2−(4−クロロ−2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化47】
N,N−ジメチルアセトアミド(50mL)中の2−アミノ−4,6−ジメトキシベンズアミド(3.30g、17.0mmol)及び4−クロロ−2−フルオロベンズアルデヒド(3.0g、18.9mmol)の溶液へ、NaHSO(58.5%のSO含有量、5.05g、28.4mmol)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(0.72g、3.8mmol)を添加した。もたらされた混合物を120℃で17時間加熱した。その後に、反応物を室温へ冷却し、減圧下で濃縮し、水(100mL)により希釈した。もたらされた懸濁物を室温で30分間撹拌し、沈殿させた黄色固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、風乾した。生成物を粉砕(90:10のジエチルエーテル/メタノール、100mL)によって精製して、2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(2.36g、43%)をオフホワイト色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.15 (s, 1H), 7.77-7.79 (m, 1H), 7.65 (dd, J = 10.2, 1.6 Hz, 1H), 7.45 (dd, J = 8.2, 1.6 Hz, 1H), 6.75 (d, J = 2.15 Hz, 1H), 6.59 (d, J = 2.15 Hz, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.86 (s, 3H); ESI MS m/z 335 [M + H]+.
【0193】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、12.0mL、12.0mmol)を、無水THF(20mL)中の2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.650g、1.94mmol)及び1−イソプロピルピペリジン−4−アミン(0.854g、6.0mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら6時間加熱還流した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(10mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を水(50mL)により希釈し、もたらされた懸濁物を室温で30分間撹拌した。沈殿させた固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、風乾した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニアから97:3のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニアへ)によって精製して、2−(4−クロロ−2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.200g、22%)を黄色固体として得た。融点265℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.99 (br s, 1H), 9.23 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.74 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.66 (dd, J = 8.6, 1.8 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 2.15 Hz, 1H), 6.45 (d, J = 2.15 Hz, 1H), 3.99 (s, 3H), 3.94 (s, 3H), 3.41-3.47 (m, 1H), 2.86-2.94 (m, 2H), 2.72-2.81 (m, 1H), 2.35-2.46 (m, 2H), 2.11-2.19 (m, 2H), 1.61-1.75 (m, 2H), 1.08 (d, J = 6.6 Hz, 6H); ESI MS m/z 457及び 459 [M + H]+.
【0194】
実施例34:2−(4−クロロ−2−((1−イソブチリルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化48】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、16.0mL、16.0mmol)を、無水THF(20mL)中の2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.660g、1.97mmol)及び1−(4−アミノピペリジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン塩酸塩(1.22g、5.92mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら6時間加熱還流した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(10mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を水(50mL)により希釈し、もたらされた懸濁物を室温で30分間撹拌した。沈殿させた固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、風乾した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1のジクロロメタン/メタノールから97:3のジクロロメタン/メタノールへ)によって精製して、2−(4−クロロ−2−((1−イソブチリルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.250g、26%)を黄色固体として得た。融点281〜283℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.70 (br s, 1H), 9.33 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.75 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 6.72 (dd, J = 8.2, 1.95 Hz, 1H), 6.56 (d, J = 2.15 Hz, 1H), 6.46 (d, J = 2.15 Hz, 1H), 4.28-4.36 (m, 1H), 3.99 (s, 3H), 3.95 (m, 3H), 3.82-3.95 (m, 1H), 3.65-3.77 (m, 1H), 3.22-3.42 (m, 2H), 2.81-2.89 (m, 1H), 2.11-2.19 (m, 2H), 1.54-1.67 (m, 2H), 1.15 (d, J = 6.7 Hz, 6H); ESI MS m/z 485及び 487 [M + H]+.
【0195】
実施例35:2−(2−((1−ベンジルピペリジン−4−イル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化49】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、18mL、18mmol)を、無水THF(100mL)中の2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(2.0g、6.0mmol)及び1−ベンジルピペリジン−4−アミン(2.28g、12.0mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら72時間加熱還流した。その後に、反応物を室温へ冷却し、氷冷水(100mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。もたらされた固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、乾燥した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1のジクロロメタン/メタノールから90:10のジクロロメタン/メタノールへ)によって精製して、2−(2−((1−ベンジルピペリジン−4−イル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.9g、30%)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.50 (s, 1H), 9.50 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 7.82 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.27-7.36 (m, 5H), 6.59 (s, 1H), 6.51 (s, 1H), 6.21 (br s, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.78 (s, 3H), 3.52-3.61 (m, 2H), 3.49 (s, 2H), 2.60-2.72 (m, 2H), 2.40 (br s, 2H), 1.93-2.05 (m, 2H), 1.51-1.66 (m, 2H); ESI MS m/z 501 [M + H]+.
【0196】
実施例36:2−(−((1−イソブチリルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化50】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、8mL、8mmol)を、無水THF(15mL)中の2−(3−フルオロピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.390g、1.30mmol)及び1−(4−アミノピペリジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オン(0.828g、4.0mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら1時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、4.0mL、4.0mmol)の第2の小分けを添加し、還流を撹拌しながら追加で18時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(3.0mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を水(30mL)により希釈し、ジクロロメタン(2×30mL)により抽出した。合わせた有機層をMgSOの上で乾燥し、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、90:10の酢酸エチル/メタノール)によって、続いて分取HPLCによって精製して、2−(−((1−イソブチリルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.095g、16%)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.92 (br s, 1H), 9.61 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.59 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.47 (s, 1H), 4.28-4.39 (m, 1H), 3.99 (s, 3H), 3.94 (s, 3H), 3.88 (br s, 1H), 3.75 (br s, 1H), 3.26-3.45 (m, 2H), 2.86 (sept, 6.6 Hz, 1H), 2.14 (br s, 2H), 1.58-1.77 (m, 2H), 1.16 (d, J = 6.6 Hz, 6H); ESI MS m/z 452 [M + H]+
【0197】
実施例37:2−(3−((1−アセチルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化51】
DMF(5.0mL)中の2−(3−フルオロピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.150g、0.5mmol)、1−(4−アミノピペリジン−1−イル)エタノン(0.142g、1.0mmol)及びKCO(0.207g、1.5mmol)の混合物を、撹拌しながら110℃へ48時間加熱した。その後に、反応混合物を室温へ冷却し、減圧下で濃縮した。残留物をCHCl(20mL)中で溶解し、水(10mL)、次いでブライン(10mL)により洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、90:10の酢酸エチル/メタノール)によって精製して、2−(3−((1−アセチルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.020g、10%)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.90 (br s, 1H), 9.59 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.87-7.98 (m, 1H), 7.20-7.32 (m, 1H), 7.11 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.57 (s, 1H), 6.46 (s, 1H), 4.26-4.36 (m, 1H), 3.99 (s, 3H), 3.94 (s, 3H), 3.68-3.86 (m, 2H), 3.23-3.46 (m, 2H), 2.07-2.20 (m, 5H), 1.58-1.74 (m, 2H); ESI MS m/z 424 [M + H]+.
【0198】
実施例38:N−(cis−4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−5−メトキシピリジン−3−イル)アミノ)シクロヘキシル)イソブチルアミド
【化52】
無水トルエン(100mL)中の5−ブロモ−2−クロロ−3−フルオロピリジン(8.90g、42.3mmol)の溶液を−78℃へ冷却した。n−ブチルリチウムの溶液(ヘキサン中で2.5M溶液、18.6mL、46.5mmol)を、15分間の期間にわたって滴加した。添加が完了した後、反応物を−78℃で、追加で5分間撹拌した。その後に、ホウ酸トリメチル(5.6mL、50.7mmol)を−78℃で5分間の期間にわたって滴加した。添加が完了した後、反応物を−78℃で、追加で15分間撹拌し、次いで放置して室温へ暖め、16時間撹拌した。反応混合物を0℃へ冷却し、NaOH水溶液(8M、60mL)、続いて過酸化水素(30wt%、40mL)を添加した。混合物は室温で2時間撹拌し、次いで0℃へ冷却し、清澄溶液が得られるまで、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を慎重に添加した(約40mL)。もたらされた混合物を1NのHClを使用してpH7へ中和し、酢酸エチル(2×200mL)により抽出した。合わせた有機層を水、次いでブラインにより洗浄し、乾燥し(NaSO)、減圧下で濃縮して、6−クロロ−5−フルオロピリジン−3−オール(5.61g、90%)を茶色固体として得た。1H NMR (DMSO-d6) δ 10.79 (s, 1H), 7.86 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.33 (dd, J = 10.2, 2.5 Hz, 1H).
【0199】
アセトン(300mL)中の6−クロロ−5−フルオロピリジン−3−オール(5.50g、37.2mmol)、ヨウ化メチル(4.64mL、74.5mmol)及び炭酸カリウム(10.3g、74.5mmol)の懸濁物を、撹拌しながら16時間加熱還流した。その後に、反応物を室温へ冷却し、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機相を分離し、水及びブラインにより洗浄し、NaSOの上で乾燥し、減圧下で濃縮して、2−クロロ−3−フルオロ−5−メトキシピリジン(5.05g、84%)を茶色油として得た。1H NMR (CDCl3) δ 7.94 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.07 (dd, J = 9.4, 2.7 Hz, 1H), 3.88 (s, 3H).
【0200】
メタノール(150mL)中の2−クロロ−3−フルオロ−5−メトキシピリジン(5.05g、31.2mmol)、トリエチルアミン(13.0mL、93.6mmol)及びPd(dppf)Cl(1.14g、1.56mmol)の溶液を、一酸化炭素により3回パージし次いで一酸化炭素雰囲気(200psi)下で、オートクレーブ中で撹拌しながら110℃で6時間加熱した。その後に、混合物を室温へ冷却し、セライトのパッドを介して濾過し、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、50:50の酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、メチル3−フルオロ−5−メトキシピコリネート(4.52g、78%)を白色固体として得た。1H NMR (CDCl3) δ 8.26 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.01 (dd, J = 11.7, 2.3 Hz, 1H), 3.99 (s, 3H), 3.94 (s, 3H); ESI MS m/z 186 [M + H]+.
【0201】
無水トルエン(30mL)及びTHF(25mL)の混合物中の3−フルオロ−5−メトキシピコリネート(2.00g、10.8mmol)の溶液を、−78℃へ冷却した。DIBAL−Hの溶液(トルエン中で1.0M、32.4mL、32.4mmol)を、30分間の期間にわたって−70℃で1滴ずつ添加し、もたらされた混合物を−70℃で30分間撹拌した。次いで反応物を2時間の期間にわたって放置して−5℃へ暖め、−5℃で、追加で1時間撹拌した。混合物を−70℃へ冷却し、イソプロパノール(10mL)、続いて水(10mL)を慎重に添加した。混合物を室温で16時間撹拌し、セライトのパッドを介して濾過した。固体をCHCl、次いで酢酸エチルにより洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮して、(3−フルオロ−5−メトキシピリジン−2−イル)メタノール(1.68g、99%)をオフホワイト色固体として得た。1H NMR (CDCl3) δ 8.11 (s, 1H), 6.98 (dd, J = 10.5, 2.3 Hz, 1H), 4.76 (d, J = 5.3 Hz, 2H), 3.88 (s, 3H), 3.61 (t, J = 5.3 Hz, 1H); ESI MS m/z 158 [M + H]+.
【0202】
DMSO(20mL)中の(3−フルオロ−5−メトキシピリジン−2−イル)メタノール(1.85g、11.8mmol)及びIBX(3.30g、11.8mmol)の溶液を、室温で2時間撹拌した。その後に、水(100mL)を添加し、沈殿させた固体を濾過によって収集した。固体を酢酸エチル(200mL)により洗浄し、濾液をブラインにより洗浄し、NaSOの上で乾燥し、減圧下で濃縮して、3−フルオロ−5−メトキシピコリンアルデヒド(1.66g、91%)を淡黄色固体として得た。1H NMR (CDCl3) δ 10.12 (s, 1H), 8.32 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.01 (dd, J = 11.7, 2.3 Hz, 1H), 3.97 (s, 3H).
【0203】
N,N−ジメチルアセトアミド(30mL)中の3−フルオロ−5−メトキシピコリンアルデヒド(1.57g、10.1mmol)、2−アミノ−4,6−ジメトキシベンズアミド(1.99g、10.1mmol)、NaHSO(58.5wt%、2.75g、15.2mmol)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(0.39g、2.02mmol)の溶液を、120℃で16時間撹拌した。その後に、反応物を室温へ冷却し、減圧下で濃縮した。水を添加し、沈殿させた固体を濾過によって収集し、水、次いでジエチルエーテルにより洗浄し、減圧下で乾燥した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、97:3のジクロロメタン/メタノール)、続いて粉砕(50:50のジエチルエーテル/酢酸エチル、50mL)によって精製して、2−(3−フルオロ−5−メトキシピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.51g、15%)を黄色固体として得た。1H NMR (CDCl3) δ 10.42 (br s, 1H), 8.22 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.12 (dd, J = 12.1, 2.3 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.50 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.99 (s, 3H), 3.97 (s, 3H), 3.94 (s, 3H); ESI MS m/z 332 [M + H]+.
【0204】
塩化イソブチリル(0.945g、8.87mmol)を、無水ジクロロメタン(20mL)中のtert−ブチル(cis−4−アミノシクロヘキシル)カルバメート(2.0g、9.33mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.41g、18.66mmol)の強く撹拌された溶液へ、0℃で滴加した。添加が完了した後、反応混合物を放置して室温へ暖め、17時間撹拌し、次いで酢酸エチル(300mL)により希釈した。有機相を0.5Mクエン酸溶液(50mL)、続いて飽和NaHCO溶液(50mL)及びブラインにより洗浄し、NaSOの上で乾燥し、減圧下で濃縮して、tert−ブチル(cis−4−イソブチルアミドシクロヘキシル)カルバメート(2.5g、98%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.30-5.45 (m, 1H), 4.48-4.60 (m, 1H), 3.83-3.94 (m, 1H), 3.56-3.69 (m, 1H), 2.23-2.39 (m, 1H), 1.68-1.82 (m, 4H), 1.46-1.62 (m, 4H), 1.45 (s, 9H), 1.15 (d, J = 7.0 Hz, 6H); ESI MS m/z 285 [M + H]+.
【0205】
濃HCl(37%、3.4mL、41mmol)を、メタノール(50mL)中のtert−ブチル(cis−4−イソブチルアミドシクロヘキシル)カルバメート(2.33g、8.19mmol)の撹拌された混合物へ、0℃で徐々に添加した。反応混合物を放置して室温へ暖め、17時間撹拌した。その後に、反応物を減圧下で濃縮して、N−(cis−4−アミノシクロヘキシル)イソブチルアミド塩酸塩(1.83g、>99%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.15 (br s, 3H), 7.57 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 3.63 (br s, 1H), 2.95-3.11 (m, 1H), 2.40-2.50 (m, 1H), 1.59-1.81 (m, 6H), 1.42-1.58 (m, 2H), 0.98 (d, J = 6.6 Hz, 6H).
【0206】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、12.1mL、12.1mmol)を、無水THF(20mL)中の2−(3−フルオロ−5−メトキシピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.402g、1.21mmol)及びN−(cis−4−アミノシクロヘキシル)イソブチルアミド塩酸塩(0.803g、3.64mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら5時間加熱還流した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(10mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を水(50mL)により希釈し、もたらされた懸濁物を室温で30分間撹拌した。沈殿させた固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、風乾した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1のジクロロメタン/メタノールから97:3のジクロロメタン/メタノールへ)によって精製して、N−(cis−4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−5−メトキシピリジン−3−イル)アミノ)シクロヘキシル)イソブチルアミド(0.160g、27%)を黄色固体として得た。融点285℃(分解);1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.56 (s, 1H), 9.72 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 6.55 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 3.89 (s, 6H), 3.78-3.86 (m, 4H), 3.62-3.74 (m, 1H), 2.28-2.42 (m, 1H), 1.83-1.93 (m, 2H), 1.71-1.81 (m, 4H), 1.51-1.66 (m, 2H), 0.97 (d, J = 6.6 Hz, 6H); ESI MS m/z 494 [M - H]-.
【0207】
実施例39:2−(2−((1−アセチルピペリジン−4−イル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化53】
THF(25mL)及びエタノール(25mL)中の2−(2−((1−ベンジルピペリジン−4−イル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(3.9g、mmol)及びPd/C(6g、10%Pd、湿潤)の混合物を、水素圧(50psi)下で、室温で18時間水素添加した。その後に、混合物を、セライトを介して濾過し、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1のジクロロメタン/メタノールから90:10のジクロロメタン/メタノールへ)によって精製して、5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−(ピペリジン−4−イルアミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.55g、17%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.57 (br s, 1H), 7.83 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.52 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.16-6.25 (m, 2H), 3.89 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.78 (s, 3H), 3.52-3.64 (m, 1H), 3.40-3.45 (m, 1H), 2.91-3.00 (m, 2H), 2.61-2.71 (m, 2H), 1.89-2.00 (m, 2H), 1.35-1.49 (m, 2H).
【0208】
無水酢酸(0.0248g)を、ジクロロメタン(25mL)中の5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−(ピペリジン−4−イルアミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.100g、0.24mmol)及びトリエチルアミン(0.243g、2.4mmol)の溶液へ、0℃で添加した。反応物を放置して室温へ暖め、次いで30分間撹拌した。その後に、反応物を減圧下で濃縮し、生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1のジクロロメタン/メタノールから90:10のジクロロメタン/メタノールへ)によって精製して、2−(2−((1−アセチルピペリジン−4−イル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.10g、92%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.51 (s, 1H), 9.50 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.83 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.47-6.56 (m, 2H), 6.30 (s, 1H), 6.18-6.26 (m, 1H), 3.94-4.06 (m, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.65-3.77 (m, 2H), 3.37-3.45 (m, 1H), 3.09-3.21 (m, 1H), 2.02 (s, 3H), 1.93-1.99 (m, 2H), 1.34-1.47 (m, 1H), 1.48-1.62 (m, 1H); ESI MS m/z 453 [M + H]+.
【0209】
実施例40:5,7−ジメトキシ−2−(5−メトキシ−3−((1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン
【化54】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、6.0mL、6.0mmol)を、無水THF(20mL)中の2−(3−フルオロ−5−メトキシピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.331g、1.0mmol)及び1−メチルピペリジン−4−アミン(0.343g、3.0mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら5時間加熱還流した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(10mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を水(40mL)により希釈し、もたらされた懸濁物を室温で20分間撹拌した。沈殿させた固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、風乾した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニアから98:2のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニアへ)、続いてメタノールによる粉砕によって精製して、5,7−ジメトキシ−2−(5−メトキシ−3−((1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.080g、19%)をオフホワイト色固体として得た。融点191〜193℃;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.55 (s, 1H), 9.55 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.65 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.76 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 2.15 Hz, 1H), 6.55 (d, J = 2.15 Hz, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.90 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.67-3.77 (m, 1H), 2.55-2.64 (m, 2H), 2.28-2.38 (m, 2H), 2.22 (s, 3H), 1.93-2.03 (m, 2H), 1.59-1.69 (m, 2H); ESI MS m/z 426 [M + H]+.
【0210】
実施例41:5,7−ジメトキシ−2−(3−(((1−メチルピロリジン−3−イル)メチル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン
【化55】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、5.6mL、5.6mmol)を、無水THF(20mL)中の2−(3−フルオロピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.420g、1.39mmol)及び(1−メチルピロリジン−3−イル)メタンアミン(0.478g、4.18mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら3時間加熱還流した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(5mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニアから97:3のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニアへ)によって精製して、5,7−ジメトキシ−2−(3−(((1−メチルピロリジン−3−イル)メチル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.160g、29%)を黄色固体として得た。融点157〜159℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.90 (br s, 1H), 9.43 (br s, 1H), 7.89-7.93 (m, 1H), 7.22-7.29 (m, 1H), 7.10 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.65 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 6.46 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.25-3.30 (m, 2H), 2.76-2.83 (m, 1H), 2.54-2.75 (m, 3H), 2.49 (dd, J = 8.8, 5.3 Hz, 1H), 2.39 (s, 3H), 2.12-2.23 (m, 1H), 1.65-1.75 (m, 1H); ESI MS m/z 396 [M + H]+.
【0211】
実施例42:4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N,N−ジメチルピペリジン−1−カルボキサミド
【化56】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、3.5mL、3.5mmol)を、無水THF(20mL)中の2−(3−フルオロピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.352g、1.17mmol)及び4−アミノ−N,N−ジメチルピペリジン−1−カルボキサミド(0.500g、2.92mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら6時間加熱還流した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(5mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を水(30mL)により希釈し、もたらされた懸濁物を室温で30分間撹拌した。沈殿させた固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、風乾した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1のジクロロメタン/メタノールから97:3のジクロロメタン/メタノールへ)によって精製して、4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N,N−ジメチルピペリジン−1−カルボキサミド(0.180g、34%)を黄色固体として得た。融点195〜197℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.91 (br s, 1H), 9.59 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.90-7.94 (m, 1H), 7.24-7.27 (m, 1H), 7.12 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.65 (d, J = 2.15 Hz, 1H), 6.46 (d, J = 2.15 Hz, 1H), 3.99 (s, 3H), 3.95 (s, 3H), 3.61-3.71 (m, 3H), 3.09-3.18 (m, 2H), 2.86 (s, 6H), 2.08-2.17 (m, 2H), 1.65-1.76 (m, 2H); ESI MS m/z 453 [M + H]+.
【0212】
実施例43:2−(3−((3−(イソプロピルアミノ)プロピル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化57】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、3.6mL、3.6mmol)を、無水THF(20mL)中の2−(3−フルオロピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.361g、1.20mmol)及びN−イソプロピルプロパン−1,3−ジアミン(0.50mL、3.60mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら2時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、1.2mL、1.2mmol)の第2の小分けを添加し、還流を撹拌しながら追加で2時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(3mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、97:3のジクロロメタン/メタノール、次いで97:3のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニア)によって精製して、2−(3−((3−(イソプロピルアミノ)プロピル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.229g、48%)を黄色固体として得た。融点121〜122℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.32 (t, J = 4.7 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 7.21-7.27 (m, 1H), 7.12 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.65 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.45 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.99 (s, 3H), 3.94 (s, 3H), 3.33-3.42 (m, 2H), 2.78-2.88 (m, 3H), 1.92-2.00 (m, 2H), 1.07 (d, J = 6.25 Hz, 6H); ESI MS m/z 398 [M + H]+.
【0213】
実施例44:5,7−ジメトキシ−2−(3−((1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン
【化58】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、4.0mL、4.0mmol)を、無水THF(15mL)中の2−(3−フルオロピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.350g、1.16mmol)及び1−メチルピペリジン−4−アミン(0.400g、3.5mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら1時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、3.0mL、3.0mmol)の第2の小分けを添加し、還流を撹拌しながら追加で18時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(3mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、97:3のジクロロメタン/メタノール、次いで97:3のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニア)によって精製して、5,7−ジメトキシ−2−(3−((1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.100g、22%)を黄色固体として得た。融点186〜188℃;1H NMR (CDCl3) δ 10.91 (br s, 1H), 9.55 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.89 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 7.19-7.27 (m, 1H), 7.11 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.65 (s, 1H), 6.46 (s, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.53 (br s, 1H), 2.83 (br s, 2H), 2.36 (s, 3H), 2.31 (br s, 2H), 2.08-2.18 (m, 2H), 1.70-1.82 (m, 2H); ESI MS m/z 396 [M + H]+.
【0214】
実施例45:cis−4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−5−メトキシピリジン−3−イル)アミノ)−N−イソプロピルシクロヘキサン−1−カルボキサミド
【化59】
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(2.10g、11.0mmol)を、DMF(30mL)中のcis−4[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロヘキサンカルボン酸(2.43g、10mmol)及びヒドロキシベンゾトリアゾール(1.44g、11.0mmol)の溶液へ添加し、反応物を室温で20分間撹拌した。その後に、イソプロピルアミン(4.2mL、50mmol)を添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。その後に、反応物を減圧下で濃縮し、残留物をCHCl(80mL)中で溶解した。有機相を飽和NaHCO水溶液(2×40mL)、次いでブライン(2×40mL))により洗浄し、乾燥し(NaSO)、減圧下で濃縮して、tert−ブチル−シス−(4−(イソプロピルカルバモイル)シクロヘキシル)カルバメート(1.9g、67%)をオフホワイト色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.29 (br s, 1H), 4.76 (br s, 1H), 4.08 (dq, J = 13.9, 6.7 Hz, 1H), 3.75 (br s, 1H), 2.04-2.14 (m, 1H), 1.72-1.81 (m, 2H), 1.65-1.72 (m, 4H), 1.54-1.65 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.14 (d, J = 6.3 Hz, 6H).
【0215】
濃HCl(4.0mL、40mmol))を、メタノール(30mL)中のtert−ブチル−シス−(4−(イソプロピルカルバモイル)シクロヘキシル)カルバメート(1.9g、6.7mmol)の溶液へ添加し、反応物を室温で18時間撹拌した。その後に、反応物を減圧下で濃縮して、cis−4−アミノ−N−イソプロピルシクロヘキサン−1−カルボキサミド塩酸塩(1.4g、95%)をオフホワイト色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.10 (br s, 3H), 7.62 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 3.80 (dq, J = 13.6, 6.7 Hz, 1H), 3.09 (br s, 1H), 2.11-2.27 (m, 1H), 1.78-1.92 (m, 2H), 1.58-1.77 (m, 4H), 1.40-1.52 (m, 2H), 1.01 (d, J = 6.6 Hz, 6H); ESI MS m/z 185 [M + H]+.
【0216】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、6.0mL、6.0mmol)を無水THF(15mL)中の2−(3−フルオロ−5−メトキシピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.400g、1.2mmol)及びcis−4−アミノ−N−イソプロピルシクロヘキサンカルボキサミド塩酸塩(1.10g、5.0mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら1時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、3.3mL、3.3mmol)の第2の小分けを添加し、還流を撹拌しながら追加で5時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(3mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、97:3のジクロロメタン/メタノール)によって、次いでメタノールによる粉砕によって精製して、cis−4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−5−メトキシピリジン−3−イル)アミノ)−N−イソプロピルシクロヘキサン−1−カルボキサミド(0.025g、4%)を淡黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.72 (br s, 1H), 9.82 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.63 (s, 1H), 6.89 (s, 1H), 6.49 (s, 1H), 6.42 (s, 1H), 5.22 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 3.99-4.12 (m, 1H), 3.96 (s, 6H), 3.90 (s, 3H), 3.84 (br s, 1H), 3.49 (d, J = 5.8 Hz, 1H), 2.14-2.24 (m, 1H), 1.92-2.09 (m, 4H), 1.81-1.91 (m, 2H), 1.64-1.78 (m, 2H), 1.08 (d, J = 6.6 Hz, 6H); ESI MS m/z 496 [M + H]+.
【0217】
実施例46:5,7−ジメトキシ−2−(3−((1−(2,2,2−トリフルオロアセチル)ピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン
【化60】
2−(3−フルオロピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(1.0g、3.3mmol)、1−ベンジルピペリジン−4−アミン(1.25g、6.6mmol)、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(13.2mL、13.2mmol)及びTHF(25mL)の懸濁物を、封管中で、70℃で3時間加熱した。この後に、反応物を室温へ冷却し、冷水(100mL)によりクエンチし、減圧下で濃縮した。沈殿させた固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、風乾した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタンから70:30のジクロロメタン/メタノールへ)によって精製して、2−(3−((1−ベンジルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.92g、60%)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.80 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 9.34-9.47 (m, 1H), 7.93 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 7.37-7.43 (m, 2H), 7.29-7.37 (m, 4H), 7.21-7.28 (m, 1H), 6.73 (s, 1H), 6.61 (s, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 3.59-3.73 (m, 1H), 3.51 (s, 2H), 2.61-2.77 (m, 2H), 2.26-2.40 (m, 2H), 1.88-2.08 (m, 2H), 1.56-1.72 (m, 2H); ESI MS m/z 472 [M + H]+.
【0218】
THF(20mL)及びエタノール(10mL)中の2−(3−((1−ベンジルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.7g、1.5mmol)及びPd/C(2.1g、10%Pd、湿潤)の混合物を、水素圧(50psi)下で、室温で18時間水素添加した。その後に、混合物を、セライトを介して濾過し、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタンから70:30のジクロロメタン/メタノールへ)によって精製して、5,7−ジメトキシ−2−(3−(ピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.20g、35%)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.43 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.92 (s, 1H), 7.38 (s, 2H), 6.66 (s, 1H), 6.60 (s, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 3.58-3.73 (m, 1H), 3.14-3.26 (m, 1H), 2.90-3.06 (m, 2H), 2.59-2.76 (m, 2H), 1.88-2.06 (m, 2H), 1.39-1.58 (m, 2H); ESI MS m/z 382.1 [M + H]+.
【0219】
トリフルオロ酢酸無水物(0.032g、0.15mmol)を、THF(15mL)中の5,7−ジメトキシ−2−(3−(ピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.070g、0.18mmol)及びトリエチルアミン(0.182g、1.8mmol)の溶液へ0℃で添加した。もたらされた混合物を放置して室温へ暖め、30分間撹拌した。その後に、混合物を減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタンから70:30のジクロロメタン/メタノールへ)によって精製して、5,7−ジメトキシ−2−(3−((1−(2,2,2−トリフルオロアセチル)ピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.032g、39%)を淡黄色固体として得た。融点218〜219℃;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.79 (br s, 1H), 9.40 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 7.33-7.54 (m, 2H), 6.70 (s, 1H), 6.57 (s, 1H), 4.04-4.20 (m, 1H), 3.89 (s, 3H), 3.77-3.87 (m, 3H), 3.44-3.57 (m, 2H), 3.08-3.25 (m, 2H), 2.03-2.19 (m, 2H), 1.54-1.75 (m, 2H); ESI MS m/z 478 [M + H]+.
【0220】
実施例47:4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N−イソプロピルピペリジン−1−カルボキサミド
【化61】
2−イソシアナトプロパン(0.016g、0.18mmol)を、THF(15mL)中の5,7−ジメトキシ−2−(3−(ピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.070g、0.18mmol)及びトリエチルアミン(0.182g、1.8mmol)の溶液へ0℃で添加した。もたらされた混合物を放置して室温へ暖め、30分間撹拌した。その後に、混合物を減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタンから70:30のジクロロメタン/メタノールへ)によって精製して、4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N−イソプロピルピペリジン−1−カルボキサミド(0.060g、71%)を淡黄色固体として得た。融点198〜199℃;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.77 (br s, 1H), 9.39 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.92 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.32-7.50 (m, 2H), 6.64 (s, 1H), 6.57 (s, 1H), 6.21 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 3.89 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.69-3.80 (m, 4H), 3.00-3.14 (m, 2H), 1.88-2.00 (m, 2H), 1.38-1.55 (m, 2H), 1.03 (d, J = 6.3 Hz, 6H); ESI MS m/z 467 [M + H]+.
【0221】
実施例48:5,7−ジメトキシ−2−(3−((1−ピバロイルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン
【化62】
塩化ピバロイル(0.016g、0.13mmol)を、THF(15mL)中の5,7−ジメトキシ−2−(3−(ピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.050g、0.13mmol)及びトリエチルアミン(0.131g、1.3mmol)の溶液へ0℃で添加した。反応物を放置して室温へ暖め、30分間撹拌した。その後に、混合物を減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタンから70:30のジクロロメタン/メタノールへ)によって精製して、5,7−ジメトキシ−2−(3−((1−ピバロイルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.044g、72%)を黄色固体として得た。融点209〜210℃;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.77 (br s, 1H), 9.43 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.92 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.35-7.48 (m, 2H), 6.64 (s, 1H), 6.57 (s, 1H), 3.95-4.07 (m, 2H), 3.88 (s, 3H), 3.84-3.87 (m, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.24-3.27 (m, 2H), 1.93-2.07 (m, 2H), 1.43-1.56 (m, 2H), 1.19 (s, 9H); ESI MS m/z 466 [M + H]+.
【0222】
実施例49:5,7−ジメトキシ−2−(3−((2−モルホリノエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン
【化63】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、5.0mL、5.0mmol)を、無水THF(15mL)中で、2−(3−フルオロピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.400g、1.33mmol)及び2−(モルホリン−4−イル)エタンアミン(0.520g、4.0mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら1時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、3.0mL、3.0mmol)の第2の小分けを添加し、還流を撹拌しながら追加で18時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(3mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、97:3のジクロロメタン/メタノール)、続いてクロロホルム/ヘキサンからの再結晶によって精製して、5,7−ジメトキシ−2−(3−((2−モルホリノエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.110g、20%)を黄色固体として得た。融点168〜170℃;1H NMR (CDCl3) δ 10.91 (br s, 1H), 9.38 (br s, 1H), 7.93 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 7.29 (br s, 1H), 7.10 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.75 (s, 1H), 6.44-6.51 (m, 1H), 4.00 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.74-3.80 (m, 4H), 3.40 (q, J = 5.6 Hz, 2H), 2.80 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.59 (br s, 4H); ESI MS m/z 412 [M + H]+.
【0223】
実施例50:2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−5−(2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)エトキシ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化64】
ブチルリチウム(ヘキサン中で1.6M、82mL、130mmol)を、−78℃へ冷却された無水トルエン(280mL)中の3−ブロモ−6−クロロ−5−フルオロピリジン(25.0g、119mmol)の懸濁物へ滴加した。添加が完了した後、反応物を10分間撹拌した。その後に、ホウ酸トリメチル(14.82g、143mmol)を、−78℃で温度を維持しながら滴加した。添加が完了した後、反応物を放置して室温へ暖め、撹拌を17時間継続した。その後に、反応物を−5℃へ再冷却し、8NのNaOH水溶液(18mL)、続いて30%過酸化水素(37.6g、1105mmol)により慎重に処理した。反応物を室温へ暖め、追加で2時間撹拌した。その後に、反応物を10℃へ再冷却し、飽和Na(60mL)により慎重にクエンチした。有機相を保存した。水性相を酢酸エチル(3×150mL)により抽出した。合わせた有機層を飽和NaCl(200mL)により洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。この生成物をヘキサン(3×100mL)により粉砕し、乾燥して、6−クロロ−5−フルオロピリジン−3−オール(14.2g、80%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.78 (br s, 1H), 7.86 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.32 (dd, J = 10.4, 2.4 Hz, 1H).
【0224】
無水DMF(120mL)中のKCO(19.8g、143mmol)、6−クロロ−5−フルオロピリジン−3−オール(14.1g、95mmol)及び2−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチルブロミド(25.1g、105mmol)の懸濁物を、室温で65時間撹拌した。その後に、反応混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、水(4×100mL)により洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下で濃縮して、5−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エトキシ)−2−クロロ−3−フルオロピリジン(26.3g、90%)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.94 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.11 (dd, J = 9.5, 2.6 Hz, 1H), 4.10 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.98 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 0.90 (s, 9H), 0.09 (s, 6H).
【0225】
メタノール(200mL)中の5−[2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エトキシ]−2−クロロ−3−フルオロピリジン(11.6g、38mmol)、Pd(dppf)Cl(1.39g、1.9mmol)及びトリエチルアミン(11.5g、114mmol)の混合物を、CO雰囲気(200psi)下に配置し、90℃で4時間撹拌しながら加熱した。その後に、反応物を室温へ冷却し、セライトのパッドを介して濾過し、減圧下で濃縮した。生成物をジエチルエーテル(600mL)中で懸濁し、シリカゲルのパッドを介して濾過し、減圧下で濃縮して、メチル5−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エトキシ)−3−フルオロピコリネート(11.6g、94%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.26 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.07 (dd, J = 11.7, 2.4 Hz, 1H), 4.17 (t, J =4.4 Hz, 2H), 4.00 (t, J =4.4 Hz, 2H), 3.99 (s, 3H), 0.89 (s, 9H), 0.09 (s, 6H).
【0226】
水素化ホウ素ナトリウム(7.57g、200mmol)を、10℃へ冷却されたエタノール(135mL)中のメチル5−[2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エトキシ]−3−フルオロピコリネート(16.47g、50mmol)の懸濁物へ少量ずつ添加し、15時間撹拌した。その後に、反応物を減圧下で濃縮し、残留物を酢酸エチル(300mL)中で溶解した。溶液を水(2×100mL)、飽和NaHCO(100mL)及び飽和NaCl(100mL)により洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下で濃縮して、(5−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エトキシ)−3−フルオロピリジン−2−イル)メタノール(14.91g、98%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.12 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.02 (dd, J = 11.2, 2.4 Hz, 1H), 4.77-4.75 (m, 2H), 4.10 (t, J =4.8 Hz, 2H), 3.98 (t, J =4.8 Hz, 2H), 3.57 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 0.90 (s, 9H), 0.10 (s, 6H).
【0227】
2−ヨードキシ安息香酸(18.0g、64mmol)を、DMSO(82mL)中の(5−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エトキシ)−3−フルオロピリジン−2−イル)メタノール(14.91g、50mmol)の溶液へ一度に添加し、室温で18時間撹拌した。その後に、反応物を水(500mL)により希釈した。沈殿させた固体を濾過によって収集し、水(2×200mL)により洗浄し、風乾した。固体をジエチルエーテル(3×200mL)により粉砕して、生成物を取り出した。合わせたエーテル抽出物を、飽和NaHCO(100mL)、飽和NaCl(100mL)により洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下で濃縮して、5−(2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エトキシ)−3−フルオロピコリンアルデヒド(11.36g、77%)を白色結晶固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.12 (s, 1H), 8.32 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.07 (dd, J = 11.8, 2.4 Hz, 1H), 4.20 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 4.02 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 0.90 (s, 9H), 0.09 (s, 6H).
【0228】
ニトロベンゼン(77mL)中の2−アミノ−4,6−ジメトキシベンズアミド(7.37g、37.9mmol)及び5−(2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エトキシ)−3−フルオロピコリンアルデヒド(11.36g、38mmol)の懸濁物を、撹拌しながら137℃へ24時間加熱した。その後に、反応物を室温へ冷却し、ヘキサン(600mL)により希釈した。黒っぽいタール様の沈殿物を分離し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、85:15のジクロロメタン/酢酸エチル)によって精製して、2−[5−(2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エトキシ)−3−フルオロピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(4.26g、24%)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.43 (s, 1H), 8.22 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.17 (dd, J = 12.4, 2.4 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 4.20 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 4.02 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.99 (s, 3H), 3.94 (s, 3H), 0.91 (s, 9H), 0.11 (s, 6H).
【0229】
トリエチルアミントリヒドロフルオリド(4.33g、26.9mmol)を、無水THF(85mL)中の2−[5−(2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エトキシ]−3−フルオロピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(4.26g、8.96mmol)の懸濁物へ一度に添加し、室温で14時間撹拌した。その後に、反応物を減圧下で濃縮し、固体をNaHCOの飽和水溶液(100mL)により処理した。沈殿させた固体を濾過によって収集し、水(3×100mL)、ジエチルエーテル(3×100mL)により洗浄し、乾燥して、2−3−フルオロ−5−(2−ヒドロキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(3.15g、97%)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.37 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 7.63 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 6.70 (s, 1H), 6.56 (s, 1H), 4.99 (t, J = 4.6 Hz, 1H), 4.18 (t, J = 4.6 Hz, 2H), 3.87 (s, 3H), 3.83 (s, 3H), 3.74 (q, J = 4.6 Hz, 2H).
【0230】
三臭化リン(4.72g、17.4mmol)を、無水DMF(66mL)中の2−(3−フルオロ−5−(2−ヒドロキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(3.15g、8.7mmol)の懸濁物へ一度に添加し、撹拌しながら60℃で1時間加熱した。その後に、反応物を室温へ冷却し、減圧下で濃縮した。固体をクロロホルム(130mL)中で溶解し、溶液を飽和NaHCO(220mL)により洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下で濃縮した。生成物をジエチルエーテル(3×30mL)により粉砕し、乾燥して、2−(3−フルオロ−5−(2−ブロモエトキシ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(3.41g、92%)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.40 (s, 1H), 8.24 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.15 (dd, J = 12.4, 2.4 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.50 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 4.44 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.99 (s, 3H), 3.94 (s, 3H), 3.71 (t, J = 5.6 Hz, 2H).
【0231】
1−イソプロピル−4−アミノピペリジン(0.711g、5mmol)を、無水DMSO(2mL)中の2−(3−フルオロ−5−(2−ブロモエトキシ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.212g、0.5mmol)の懸濁物へ一度に添加し、撹拌しながら80℃で17時間加熱した。その後に、反応物を室温へ冷却し、クロロホルム(15mL)により希釈し、飽和NaHCO(20mL)、水(2×15mL)により洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下で濃縮した。生成物を粉砕し(ジエチルエーテル、3×5mL)、乾燥して、2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−5−(2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)エトキシ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.252g、83%)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.57 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.50 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.41 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.16 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.97 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.44 (br s,1H), 3.07 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 2.91-2.70 (m, 6H), 2.54-2.40 (m, 3H), 2.21-2.13 (m, 4H), 1.96-1.93 (m, 2H), 1.78-1.74 (m, 3H), 1.45-1.37 (m, 2H), 1.10 (d, J = 6.4 Hz, 6H), 1.04 (d, J = 6.4 Hz, 6H); ESI MS m/z 608 [M + H]+.
【0232】
実施例51:2−(4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド
【化65】
N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.081g、0.39mmol)、続いて1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(0.053g、0.39mmol)を、DMF(15mL)中の2−(ジメチルアミノ)−2−オキソ酢酸(0.046g、0.39mmol)の溶液へ室温で添加した。反応物を1時間撹拌し、次いで5,7−ジメトキシ−2−(3−(ピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.050g、0.13mmol)を添加した。次いで反応物を室温で16時間撹拌し、減圧下で濃縮し、生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタンから70:30のジクロロメタン/メタノールへ)によって精製して、2−(4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド(0.015g、24%)を黄色固体として得た。融点261〜262℃;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.78 (br s, 1H), 9.41 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.95 (br s, 1H), 7.37-7.49 (m, 2H), 6.67 (s, 1H), 6.59 (s, 1H), 4.04-4.14 (m, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.43-3.52 (m, 2H), 3.15-3.24 (m, 2H), 2.91 (s, 3H), 2.86 (s, 3H), 2.00-2.12 (m, 2H), 1.48-1.65 (m, 2H); ESI MS m/z 479 [M - H]-.
【0233】
実施例52:4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N−エチルピペリジン−1−カルボキサミド
【化66】
エチルイソシアネート(0.016g、0.18mmol)を、THF(15mL)中の5,7−ジメトキシ−2−(3−(ピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.070g、0.18mmol)及びトリエチルアミン(0.182g、1.8mmol)の氷冷溶液へ添加した。反応物を放置して室温へ暖め、30分間撹拌した。その後に、反応物を減圧下で濃縮し、生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタンから70:30のジクロロメタン/メタノールへ)によって精製して、4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N−エチルピペリジン−1−カルボキサミド(0.060g、78%)を黄色固体として得た。融点151〜152℃;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.80 (br s, 1H), 9.42 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.95 (br s, 1H), 7.38-7.48 (m, 2H), 6.66 (s, 1H), 6.60 (s, 1H), 6.51-6.56 (m, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.73-3.82 (m, 3H), 3.00-3.16 (m, 4H), 1.91-2.02 (m, 2H), 1.43-1.57 (m, 2H), 1.01 (t, J = 7.2 Hz, 3H); ESI MS m/z 453 [M + H]+.
【0234】
実施例53:cis−4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N,N−ジメチルシクロヘキサン−1−カルボキサミド
【化67】
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(2.10g、11.0mmol)を、DMF(30mL)中のcis−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロヘキサンカルボン酸(2.43g、10mmol)及びヒドロキシベンゾトリアゾール(1.436g、11.0mmol)の溶液へ添加した。反応物を室温で20分間撹拌した。その後に、ジメチルアミン(THF中で2M溶液、25mL、50mmol)を添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。その後に、反応物を減圧下で濃縮し、残留物をクロロホルム(80mL)中で溶解した。有機層を飽和NaHCO(2×40mL)、飽和NaCl(2×40mL)により洗浄し、乾燥し(NaSO)、減圧下で濃縮して、tert−ブチル−シス−(4−(ジメチルカルバモイル)シクロヘキシル)カルバメート(2.2g、82%)をオフホワイト色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.82 (br s, 1H), 3.81 (br s, 1H), 3.04 (s, 3H), 2.94 (s, 3H), 2.52-2.63 (m, 1H), 1.74-1.86 (m, 2H), 1.64-1.77 (m, 2H), 1.51-1.64 (m, 4H), 1.44 (s, 9H).
【0235】
濃塩酸(4.0mL、40mmol)を、メタノール(30mL)中のtert−ブチル−シス−(4−(ジメチルカルバモイル)シクロヘキシル)カルバメート(2.2g、6.7mmol)の溶液へ添加し、室温で18時間撹拌した。この時の後に、反応物を減圧下で濃縮し、乾燥して、cis−4−アミノ−N,N−ジメチルシクロヘキサン−1−カルボキサミド塩酸塩(1.6g、95%)をオフホワイト色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.08 (br s, 3H), 3.18 (br s, 1H), 2.99 (s, 3H), 2.80 (s, 3H), 2.73 (br s, 1H), 1.76-1.87 (m, 2H), 1.71 (dd, J = 9.4, 4.3 Hz, 4H), 1.44-1.57 (m, 2H); ESI MS m/z 171 [M + H]+.
【0236】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、8.0mL、8.0mmol)を、無水THF(15mL)中の2−(3−フルオロピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.400g、1.33mmol)及びcis−4−アミノ−N,N−ジメチルシクロヘキサン−1−カルボキサミド塩酸塩(0.826g、4.0mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら1時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、4.0mL、4.0mmol)の第2の小分けを添加し、還流を撹拌しながら追加で15時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(3mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、97:3のクロロホルム/メタノール)、続いてクロロホルム/ヘキサンからの再結晶によって精製して、cis−4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N,N−ジメチルシクロヘキサン−1−カルボキサミド(0.075g、13%)を淡黄色固体として得た。融点276〜278℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.93 (br s, 1H), 9.80 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.87 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 7.22 (dd, J = 8.6, 3.9 Hz, 1H), 7.05-7.17 (m, 2H), 6.46 (s, 1H), 4.04 (s, 3H), 3.97 (s, 3H), 3.91 (br s, 1H), 3.08 (s, 3H), 2.92 (s, 3H), 2.60-2.72 (m, 1H), 1.96-2.18 (m, 4H), 1.65-1.83 (m, 4H); ESI MS m/z 452 [M + H]+.
【0237】
実施例54:4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキサミド
【化68】
トリメチルシリルイソシアネート(1.0mL)を、0℃へ冷却されたTHF(15mL)中の5,7−ジメトキシ−2−(3−(ピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.050g、0.13mmol)及びトリエチルアミン(1.0mL)の溶液へ添加した。反応物を放置して室温へ暖め、16時間撹拌した。その後に、反応物を減圧下で濃縮し、生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタンから70:30のジクロロメタン/メタノールへ)によって精製して、4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキサミド(0.025g、45%)を黄色固体として得た。融点265〜266℃;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.75 (br s, 1H), 9.39 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.92 (br s, 1H), 7.35-7.45 (m, 2H), 6.63 (s, 1H), 6.57 (s, 1H), 5.97 (br s, 2H), 3.89 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.67-3.80 (m, 3H), 3.03-3.16 (m, 2H), 1.87-2.01 (m, 2H), 1.40-1.54 (m, 2H); ESI MS m/z 425 [M + H]+.
【0238】
実施例55:メチル−2−(4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)−2−オキソアセテート
【化69】
メチル−2−クロロ−2−オキソアセテート(0.022g、0.183mmol)を、0℃へ冷却されたTHF(25mL)中の5,7−ジメトキシ−2−(3−(ピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.070g、0.183mmol)及びトリエチルアミン(0.182g、1.8mmol)の溶液へ添加した。反応物を放置して室温へ暖め、30分間撹拌した。その後に、反応物を減圧下で濃縮し、生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタンから70:30のジクロロメタン/メタノールへ)によって精製して、メチル−2−(4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)−2−オキソアセテート(0.044g、72%)を黄色固体として得た。融点165〜166℃;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.79 (s, 1H), 9.38 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.94 (dd, J = 3.9, 1,1 Hz 1H), 7.37-7.48 (m, 2H), 6.69 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 6.57 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 4.01-4.11 (m, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.51-3.62 (m, 1H), 3.14-3.25 (m, 2H), 1.99-2.11 (m, 2H), 1.48-1.66 (m, 2H); ESI MS m/z 466 [M - H]-.
【0239】
実施例56:N−(2−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)エチル)イソブチルアミド
【化70】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、10.0mL、10.0mmol)を、無水THF(20mL)中の2−(3−フルオロピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.300g、0.99mmol)及びN−(2−アミノエチル)イソブチルアミド塩酸塩(0.498g、2.99mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら17時間加熱還流した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(10mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を水(30mL)により希釈し、もたらされた懸濁物を室温で30分間撹拌した。沈殿させた固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、風乾した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、97:3のジクロロメタン/メタノール)、続いてクロロホルム/ヘキサンからの再結晶によって精製して、N−(2−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)エチル)イソブチルアミド(0.102g、25%)を黄色固体として得た。融点235〜237℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.80 (s, 1H), 9.34 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 7.84 (dd, J = 4.3, 1.2 Hz, 1H), 7.19-7.25 (m, 1H), 7.12-7.18 (m, 1H), 6.70 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.35 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.25 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.61-3.67 (m, 2H), 3.46-3.52 (m, 2H), 2.47 (sept, J = 6.7, 1H), 1.17 (d, J = 6.7 Hz, 6H); ESI MS m/z 412 [M + H]+.
【0240】
実施例57:N−(3−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)プロピル)イソブチルアミド
【化71】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、9.6mL、9.6mmol)を、無水THF(20mL)中の2−(3−フルオロピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.361g、1.20mmol)及びN−(3−アミノプロピル)イソブチルアミド(0.65g、3.60mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら1時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、2.4mL、2.4mmol)の第2の小分けを添加し、還流を撹拌しながら追加で2時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(5mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。残留物を水(30mL)により希釈し、もたらされた懸濁物を室温で30分間撹拌した。沈殿させた固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、風乾した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタンから97:3のジクロロメタン/メタノールへ)、続いて粉砕(90:10のジエチルエーテル/メタノール)によって精製して、N−(3−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)プロピル)イソブチルアミド(0.207g、40%)を黄色固体として得た。融点230〜231℃;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.76 (s, 1H), 9.38 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 7.93 (dd, J = 4.3, 1.2 Hz, 1H), 7.87 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 7.41 (dd, J = 8.6, 3.9 Hz, 1H), 7.33 (dd, J = 8., 1.2 Hz Hz, 1H), 7.10 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.57 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.28-3.36 (m, 2H), 3.25 (q, J = 6.6 Hz, 2H), 2.37 (sept, J = 6.6 Hz, 1H), 1.70-1.80 (m, 2H), 1.02 (d, J = 6.6 Hz, 6H); ESI MS m/z 426 [M + H]+.
【0241】
実施例58:2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン
【化72】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、2.0mL、2.0mmol)を、無水THF(10mL)中の2−(3−フルオロピリジン−2−イル)−5−メトキシピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン(0.103g、0.37mmol)及び1−イソプロピルピペリジン−4−アミン(0.142g、1.0mmol)の懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を封管中で、70℃で3時間加熱した。その後に、反応物を室温へ冷却し、氷冷水(50mL)により希釈し、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1のジクロロメタン/メタノールから90:10のジクロロメタン/メタノールへ)によって精製して、2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン(0.025g、17%)を黄色固体として得た。融点237〜238℃;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.32 (br s, 1H), 9.32 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 7.98 (br s, 1H), 7.45 (d, J = 2.3 Hz, 2H), 4.01 (s, 3H), 3.63-3.86 (m, 1H), 2.72-3.17 (m, 5H), 2.01-2.23 (m, 2H), 1.58-1.89 (m, 2H), 1.0 (d, J = 7.0 Hz, 6H); ESI MS m/z 395 [M + H]+.
【0242】
実施例59:2−(3−((1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化73】
エタノール(3mL)中の5,7−ジメトキシ−2−(3−(ピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.050g、0.13mmol)及び2,2−ジメチルオキシラン(0.047g、0.65mmol)の溶液を、マイクロ波放射を使用して、封管中で撹拌しながら140℃へ1.5時間加熱した。その後に、反応物を室温へ冷却し、減圧下で濃縮し、生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタンから70:30のジクロロメタン/メタノールへ)によって精製して、2−(3−((1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.029g、72%)を黄色固体として得た。融点220〜221℃;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.79 (s, 1H), 9.41 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.93 (dd, J = 3.7, 1.8 Hz, 1H), 7.35-7.42 (m, 2H), 6.72 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 1.95 Hz, 1H), 4.08 (s, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 3.59-3.69 (m, 1H), 2.76-2.86 (m, 2H), 2.53-2.57 (m, 2H), 2.24 (s, 2H), 1.91-2.01 (m, 2H), 1.56-1.67 (m, 2H), 1.10 (s, 6H); ESI MS m/z 454 [M + H]+.
【0243】
実施例60:2−(3−((1−(2−ヒドロキシプロパノイル)ピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化74】
N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.113g、0.55mmol)及び1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(0.074g、0.55mmol)を、DMF(15mL)中の2−ヒドロキシプロパン酸(0.058g、0.55mmol;水中で85%)の溶液へ室温で添加した。反応物を1時間撹拌し、次いで5,7−ジメトキシ−2−(3−(ピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.070g、0.18mmol)を添加した。反応物を室温で18時間撹拌した。その後に、反応物を減圧下で濃縮し、生成物を分取HPLCによって精製して、2−(3−((1−(2−ヒドロキシプロパノイル)ピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.010g、12%)を黄色固体として得た。融点290〜291℃;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.75 (s, 1H), 9.44 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.95-7.97 (m, 1H), 7.40-7.49 (m, 2H), 6.67 (s, 1H), 6.60 (d, 1H), 4.84-4.96 (m, 1H), 4.41-4.54 (m, 1H), 4.00-4.19 (m, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 3.38-3.44 (m, 1H), 3.05-3.26 (m, 2H), 1.96-2.13 (m, 2H), 1.44-1.70 (m, 2H), 1.20 (d, J=6.25 Hz, 3H); ESI MS m/z 452 [M - H]-.
【0244】
実施例61:2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシ−7−((4−メトキシベンジル)アミノ)キナゾリン−4(3H)−オン
【化75】
無水トルエン(120mL)中の3−ブロモピコリンアルデヒド(5.00g、27mmol)、エチレングリコール(6.0mL、108mmol)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(0.256g、1.35mmol)の溶液を、Dean−Stark機器を使用して水を共沸除去しながら16時間加熱還流した。その後に、反応物を室温へ冷却し、酢酸エチル(100mL)により希釈した。有機相を分離し、5%のNaCO水溶液(120mL)、飽和NaCl(100mL)により洗浄し、乾燥し(NaSO)、減圧下で濃縮して、3−ブロモ−2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)ピリジン(5.36g、87%)を茶色油として得た。1H NMR (CDCl3) δ 8.60 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 7.86-7.93 (m, 1H), 7.18 (dd, J = 8.2, 4.7 Hz, 1H), 6.31 (s, 1H), 4.26-4.34 (m, 2H), 4.08-4.15 (m, 2H).
【0245】
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.092g、0.10mmol)を、トルエン(10mL)中の3−ブロモ−2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)ピリジン(1.15g、5.00mmol)、1−イソプロピルピペリジン−4−アミン(1.03mL、6.50mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド(0.865g、9.00mmol)及び2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(0.187g、0.30mmol)の脱気された溶液へ添加した。混合物を再び脱気し、窒素下で撹拌しながら110℃で3時間加熱した。その後に、混合物を室温へ冷却し、セライトを介して濾過し、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、97:3のジクロロメタン/メタノール、次いで97:3のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニア)によって精製して、2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−N−(1−イソプロピルピペリジン−4−イル)ピリジン−3−アミン(1.342g、92%)を茶色油として得た。1H NMR (CDCl3) δ 7.89 (dd, J = 4.7, 1.2 Hz, 1H), 7.10 (dd, J = 8.4, 4.5 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 5.79 (s, 1H), 5.10 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 4.10-4.18 (m, 2H), 4.02-4.10 (m, 2H), 3.24-3.38 (m, 1H), 2.69-2.87 (m, 2H), 2.26-2.38 (m, 2H), 1.99-2.11 (m, 2H), 1.46-1.59 (m, 2H), 1.06 (d, J = 6.6 Hz, 6H).
【0246】
2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−N−(1−イソプロピルピペリジン−4−イル)ピリジン−3−アミン(1.32g、4.53mmol)及び2NのHCl水溶液(10mL)の溶液を、室温で16時間撹拌した。その後に、反応物を減圧下で濃縮し、乾燥して、3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピコリンアルデヒドジヒドロクロライド(4.53g)を得た。アルデヒドをN,N−ジメチルアセトアミド(20mL)中で溶解し、2−アミノ−4,6−ジフルオロベンズアミド(0.64g、3.70mmol)、続いてNaHSO(58.5wt%、1.01g、5.55mmol)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(0.14g、0.74mmol)を添加した。反応物を撹拌しながら130℃で16時間加熱した。その後に、混合物を室温へ冷却し、減圧下で濃縮し、水(100mL)により希釈した。もたらされた沈殿物を濾過によって収集し、水により洗浄し、乾燥した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、97:3のジクロロメタン/メタノール)によって精製して、5,7−ジフルオロ−2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.705g、48%)を黄色固体として得た。1H NMR (CDCl3) δ 11.16 (br s, 1H), 9.35 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.90 (dd, J = 4.3, 1.2 Hz, 1H), 7.23-7.31 (m, 1H), 7.05-7.19 (m, 2H), 6.80-6.93 (m, 1H), 3.47-3.58 (m, 1H), 2.84-2.94 (m, 2H), 2.74-2.84 (m, 1H), 2.35-2.48 (m, 2H), 2.08-2.20 (m, 2H), 1.67-1.79 (m, 2H), 1.09 (d, J = 6.6 Hz, 6H); ESI MS m/z 400 [M + H]+.
【0247】
メタノール中のナトリウムメトキシドの溶液(25重量%、2.3mL、10.6mmol)を、無水DMF(10mL)中の5,7−ジフルオロ−2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.703g、1.76mmol)の懸濁物へ添加した。反応物を窒素下で室温で16時間撹拌した。その後に、2NのHClを添加して反応物をクエンチし、反応物のpHを約2へ調整した。次いで反応物をNaCO水溶液により強い塩基性にした。もたらされた沈殿物を濾過によって収集し、水により洗浄し、乾燥した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、97:3のジクロロメタン/メタノール)によって精製して、7−フルオロ−2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.765g(>99%))を黄色固体として得た。1H NMR (DMSO-d6) δ 10.96 (br s, 1H), 9.28 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.93 (dd, J = 3.5, 2.0 Hz, 1H), 7.34-7.44 (m, 2H), 6.94-7.08 (m, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.52-3.65 (m, 1H), 2.68-2.79 (m, 3H), 2.33-2.45 (m, 2H), 1.93-2.03 (m, 2H), 1.53-1.67 (m, 2H), 0.99 (d, J = 6.3 Hz, 6H); ESI MS m/z 412 [M + H]+.
【0248】
DMSO(5mL)中の7−フルオロ−2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.412g、1.00mmol)及び4−メトキシベンジルアミン(0.78mL、6.00mmol)の懸濁物を、撹拌しながら100℃で24時間加熱した。その後に、反応物を室温へ冷却し、水(50mL)により希釈した。もたらされた沈殿物を濾過によって収集し、水により洗浄し、乾燥した。生成物をジエチルエーテルにより粉砕し、次いでフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、97:3のジクロロメタン/メタノール、次いで97:3のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニア)によって精製して、2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシ−7−((4−メトキシベンジル)アミノ)キナゾリン−4(3H)−オン(0.230g、43%)を黄色固体として得た。融点220〜222℃;1H NMR (DMSO-d6) δ 10.37 (br s, 1H), 9.52 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.84-7.93 (m, 1H), 7.30-7.43 (m, 4H), 7.26 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 6.87-6.99 (m, 2H), 6.31 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.22-6.29 (m, 1H), 4.32 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 3.77 (s, 3H), 3.73 (s, 3H), 3.53 (br.s, 1H), 2.68-2.80 (m, 3H), 2.32-2.42 (m, 2H), 1.92-2.03 (m, 2H), 1.43-1.57 (m, 2H), 0.99 (d, J = 6.6 Hz, 6H); ESI MS m/z 529 [M + H]+.
【0249】
実施例62:2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−(1−イソプロピルピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル]−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化76】
無水アセトニトリル(5mL)中の2−[5−(2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エトキシ]−3−フルオロピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.476g、1.0mmol)及び1−イソプロピル−4−アミノピペリジン(0.711g、5mmol)の溶液を、撹拌しながら26時間加熱還流した。その後に、反応物を室温へ冷却し、減圧下で濃縮した。固体をクロロホルム(25mL)により処理し、もたらされた混合物を濾過し、飽和NaHCO(15mL)により洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、95:5のジクロロメタン/メタノール)、続いてクロロホルム/ジエチルエーテルからの再結晶によって精製して、2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−(1−イソプロピルピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル]−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.292g、60%)を黄色固体として得た。融点231〜233℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.67 (br s, 1H), 9.56 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.59 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.50 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.42 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.19 (t, J = 4.4 Hz, 2H), 4.02 (t, J = 4.4 Hz, 2H), 3.97 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.40 (br s, 1H), 2.93-2.90 (m, 2H), 2.81-2.77 (m, 1H), 2.44-2.42 (m, 2H), 2.14-2.11 (m, 2H), 1.79-1.74 (m, 2H), 1.10 (d, J = 6.4 Hz, 6H); ESI MS m/z 484 [M + H]+.
【0250】
実施例63:cis−4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N−イソプロピルシクロヘキサン−1−カルボキサミド
【化77】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、10.0mL、10.0mmol)を、無水THF(15mL)中の2−(3−フルオロピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.500g、1.66mmol)及びcis−4−アミノ−N−(プロパン−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド塩酸塩(1.10g、5.0mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。添加が完了した後、反応物を撹拌しながら2時間加熱還流した。その後に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中で1M、5.0mL、5.0mmol)の第2の小分けを添加し、還流を撹拌しながら追加で18時間継続した。その後に、反応物を室温へ冷却し、飽和NHCl水溶液(3mL)により希釈し、減圧下で濃縮し、生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、98:2のジクロロメタン/メタノール)によって精製して、cis−4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N−イソプロピルシクロヘキサン−1−カルボキサミド(0.120g、16%)を淡黄色固体として得た。融点256〜257℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.93 (br s, 1H), 9.74 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.89 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 7.23 (dd, J = 8.6, 4.3 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.46 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.23 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 4.00-4.09 (m, 1H), 3.98 (s, 6H), 3.84-3.94 (m, 1H), 2.12-2.24 (m, 1H), 1.93-2.08 (m, 4H), 1.81-1.91 (m, 2H), 1.65-1.79 (m, 2H), 1.09 (d, J = 6.6 Hz, 6H); ESI MS m/z 464 [M - H]-.
【0251】
実施例64:2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−(1−イソブチロイルピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル]−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化78】
無水DMSO(10mL)中の2−[5−(2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エトキシ]−3−fluoroピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.476g、1.0mmol)、1−イソブチロイル−4−アミノピペリジン塩酸塩(1.034g、5.0mmol)及びKCO(1.11g、8.0mmol)の混合物を、撹拌しながら96℃へ26時間加熱した。その後に、反応物を室温へ冷却し、クロロホルム(100mL)により希釈し、水(5×10mL)により洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下で濃縮した。油状生成物を粉砕して(ジエチルエーテル(5×10mL))固形生成物を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、98:2のクロロホルム/メタノール)によって精製して、2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−(1−イソブチロイルピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル]−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.172g、34%)を黄色固体として得た。融点173〜176℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.66 (br s, 1H), 9.65 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 7.65 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.52 (s, 2H), 6.43 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 4.13-4.28 (m, 1H), 4.22-4.20 (m, 2H), 4.05-4.03 (m, 2H), 3.98 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.90-3.86 (m, 1H), 3.66-3.63 (m, 1H), 3.41-3.28 (m, 2H), 2.88-2.82 (m, 1H), 2.34 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 2.12 (br s, 2H), 1.72-1.58 (m, 2H), 1.16 (d, J = 7.2 Hz, 6H); ESI MS m/z 512 [M + H]+.
【0252】
実施例65:7−アミノ−2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化79】
ジクロロメタン(18mL)中の2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシ−7−((4−メトキシベンジル)アミノ)キナゾリン−4(3H)−オン(0.200g、0.37mmol)及びトリフルオロ酢酸(2mL)の溶液を、室温で48時間撹拌した。この後に、反応物を減圧下で濃縮し、水(20mL)により希釈し、飽和NaCOにより塩基性にした。沈殿させた固体を濾過によって収集し、水により洗浄し、乾燥した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、97:3のジクロロメタン/メタノール、次いで97:3のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニア)によって精製して、7−アミノ−2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.023g、15%)を黄色固体として得た。1H NMR (DMSO-d6) δ 10.72 (s, 1H), 8.74 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.99 (t, J = 2.7 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 2.7 Hz, 2H), 6.24 (s, 1H), 5.92 (br s, 2H), 4.41 (s, 1H), 3.72 (s, 3H), 3.40-3.52 (m, 1H), 2.62-2.77 (m, 2H), 2.57 (sept, J = 6.3 Hz 1H), 2.14-2.29 (m, 2H), 1.91-2.04 (m, 2H), 1.27-1.38 (m, 2H), 0.84 (d, J = 6.3 Hz, 6H); ESI MS m/z 409 [M + H]+.
【0253】
実施例66:2−{3−(1−イソプロピルピペリジン−4−イルアミノ)−5−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]ピリジン−2−イル}−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化80】
四臭化炭素(1.33g、4.0mmol)及びトリフェニルホスフィン(1.10g、4.2mmol)を、ジクロロメタン(60mL)中の2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−(1−イソプロピルピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル]−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.967g、2.0mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。反応物を室温で2時間撹拌した。その後に、反応物を減圧下で濃縮した。残留物を無水DMSO(10mL)中で懸濁し、ピロリジン(7.11g、100mmol)を添加した。反応混合物を撹拌しながら80℃で14時間加熱した。その後に、反応物を室温へ冷却し、クロロホルム(100mL)により希釈し、飽和NaHCO(20mL)、水(4×20mL)により洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、90:10のクロロホルム/メタノール)、続いて粉砕(ジエチルエーテル)によって精製して、2−{3−(1−イソプロピルピペリジン−4−イルアミノ)−5−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]ピリジン−2−イル}−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.520g、48%)を黄色固体として得た。融点166〜169℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.69 (br s, 1H), 9.57 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.54 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.41 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 4.21 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.97 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.45 (br s, 1H), 2.97-2.93 (m, 3H), 2.84-2.80 (m, 1H), 2.67 (br s, 4H), 2.46-2.44 (m, 2H), 2.17-2.15 (m, 2H), 1.86-1.77 (m, 6H), 1.12 (d, J = 6.4 Hz, 6H); ESI MS m/z 537 [M + H]+.
【0254】
実施例67:2−{5−[2−(イソプロピルアミノ)エトキシ]−3−(1−イソプロピルピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル}−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化81】
四臭化炭素(1.79g、5.4mmol)及びトリフェニルホスフィン(1.49g、5.7mmol)を、ジクロロメタン(80mL)中の2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−(1−イソプロピルピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル]−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(1.303g、2.7mmol)の撹拌された懸濁物へ添加した。反応物を室温で2時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。残留物を無水DMSO(10mL)中で懸濁し、イソプロピルアミン(7.98g、135mmol)を添加した。反応混合物を撹拌しながら60℃で18時間加熱した。その後に、反応物を室温へ冷却し、クロロホルム(100mL)により希釈し、飽和NaHCO(20mL)、水(4×20mL)により洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、90:10のクロロホルム/メタノール)、続いてクロロホルム/ジエチルエーテルからの再結晶によって精製して、2−{5−[2−(イソプロピルアミノ)エトキシ]−3−(1−イソプロピルピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル}−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.742g、52%)を黄色固体として得た。融点178〜181℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.58 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 6.51 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.42 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 4.17 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 3.97 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.45 (br s, 1H), 3.05 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 2.94-2.79 (m, 4H), 2.48-2.44 (m, 2H), 2.17-2.13 (m, 2H), 1.80-1.76 (m, 2H), 1.14-1.10 (m, 12H); ESI MS m/z 525 [M + H]+.
【0255】
実施例68:2−(3−((1−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)ピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化82】
無水アセトニトリル(80mL)中のtert−ブチルピペリジン−4−イルカルバマート(5.0g、25mmol)、エチル2−ブロモ−2−メチルプロパノアート(7.30g、37mmol)及び炭酸カリウム(8.60g、62mmol)の溶液を、17時間加熱還流した。その後に、反応物を室温へ冷却し、濾過し、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、80:20のヘキサン/酢酸エチルから60:40のヘキサン/酢酸エチルへ)によって精製して、エチル2−(4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ピペリジン−1−イル)−2−メチルプロパノアート(3.20g、41%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.40 (br s, 1H), 4.18 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 3.44 (br s, 1H), 2.84-2.92 (m, 2H), 2.27 (td, J = 11.5, 2.3 Hz, 2H), 1.87-1.96 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.34-1.49 (m, 2H), 1.30 (s, 6H), 1.24-1.29 (m, 3H); ESI MS m/z 315 [M + H]+.
【0256】
水素化ジイソブチルアルミニウム(トルエン中で1M、36mL、36mmol)の溶液を、無水ジクロロメタン(120mL)中のエチル2−(4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ピペリジン−1−イル)−2−メチルプロパノアート(2.80g、8.9mmol)の強く撹拌された溶液へ−78℃で徐々に添加した。反応物を−78℃で15分間撹拌し、次いで0℃へ暖め、追加で45分間撹拌した。この後に、反応物を飽和NHCl水溶液(40mL)の添加によってクエンチした。もたらされた混合物を酢酸エチル(150mL)及びクロロホルム(150mL)により希釈し、乾燥し(MgSO)、減圧下で濃縮し、真空において乾燥して、tert−ブチル(1−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)ピペリジン−4−イル)カルバメート(2.17g、89%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.46 (br s, 1H), 3.39-3.55 (m, 1H), 3.35 (s, 2H), 2.85-2.97 (m, 2H), 2.22-2.38 (m, 2H), 1.94-2.05 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.36-1.51 (m, 2H), 1.05 (s, 6H); ESI MS m/z 273 [M + H]+.
【0257】
濃HCl(3.3mL、39.8mmol)を、メタノール(50mL)中のtert−ブチル(1−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)ピペリジン−4−イル)カルバメート(2.17g、7.97mmol)の撹拌された溶液へ徐々に添加した。次いで反応混合物を室温で17時間撹拌した。その後に、反応物を減圧下で濃縮し、ジエチルエーテルにより粉砕し、乾燥して、2−(4−アミノピペリジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オールジヒドロクロライド(1.71g、87%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.64 (t, J = 9.0 Hz, 1H), 8.49 (br s, 3H), 5.78 (br s, 1H), 3.55 (s, 2H), 3.39-3.55 (m, 2H), 3.19-3.37 (m, 1H); 3.00-3.15 (m, 2H), 1.93-2.20 (m, 4H), 1.27 (s, 6H); ESI MS m/z 173 [M + H]+.
【0258】
無水DMF(15mL)中の2−(3−フルオロピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.300g、0.99mmol)、2−(4−アミノピペリジン−1−イル)−2−メチルプロパン−1−オールジヒドロクロライド(0.624g、2.54mmol)及び炭酸カリウム(1.38g、9.96mmol)の混合物を、100℃で40時間加熱した。その後に、反応物を室温へ冷却し、減圧下で濃縮した。水(50mL)を添加し、もたらされた懸濁物を室温で20分間撹拌した。沈殿させた固体を濾過によって収集し、風乾した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、99:1のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニアから97:3のジクロロメタン/メタノール中の7Nアンモニアへ)によって精製して、2−(3−((1−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)ピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.218g、48%)を黄色固体として得た。融点223〜225℃;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.78 (s, 1H), 9.37 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.92 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.30-7.44 (m, 2H), 6.71 (d, J = 2.15 Hz, 1H), 6.59 (d, J = 2.15 Hz, 1H), 4.23 (t, J = 4.7 Hz, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.60 (br s, 1H), 3.29 (d, J = 4.7 Hz, 2H), 2.79-2.90 (m, 2H), 2.46-2.57 (m, 2H), 1.92-2.03 (m, 2H), 1.52-1.66 (m, 2H), 0.97 (s, 6H); ESI MS m/z 454 [M + H]+.
【0259】
実施例69:7−(エチルアミノ)−2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシキナゾリン−4(3H)−オン
【化83】
エチルアミン(THF中で2.0M溶液、10mL、20.0mmol)を、DMSO(5mL)中の7−フルオロ−2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.284g、0.69mmol)の懸濁物へ添加した。反応物をマイクロ波条件下で撹拌しながら100℃で10時間加熱した。その後に、反応物を室温へ冷却し、減圧下で濃縮し、水(50mL)により希釈した。もたらされた沈殿物を濾過によって収集し、水により洗浄し、乾燥した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、97:3のクロロホルム/メタノール、次いで97:3のクロロホルム/メタノール中の7Nアンモニア)によって精製して、7−(エチルアミノ)−2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシキナゾリン−4(3H)−オン(0.106g、35%)を黄色固体として得た。融点219〜221℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.73 (s, 1H), 9.62 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.87 (dd, J = 3.9, 1.2 Hz, 1H), 7.20 (dd, J = 8.6, 4.3 Hz, 1H), 7.08 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.32 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.08 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.10-4.19 (m, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.41-3.56 (m, 1H), 3.23-3.36 (m, 2H), 2.85-2.97 (m, 2H), 2.71-2.84 (m, 1H), 2.38-2.47 (m, 2H), 2.07- 2.19 (m, 2H), 1.67-1.82 (m, 2H), 1.34 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.10 (d, J = 6.6 Hz, 6H); ESI MS m/z 437 [M + H]+.
【0260】
実施例70:テトラアセチル化ヒストンH4と個々のBETブロモドメインの結合の阻害
タンパク質をクローン化し、N末端に6×Hisタグを備えて過剰発現させ、次いでニッケル親和性クロマトグラフィー、続いてサイズ排除クロマトグラフィーによって精製した。簡潔には、大腸菌BL21(DE3)細胞を、N末端にニッケル親和性タグを付加した、Brd2、Brd3、Brd4からのブロモドメインをコードする組換え発現ベクターにより形質転換した。細胞培養物を振盪しながら37℃で適切な密度までインキュベーションし、IPTGにより一晩誘導した。溶解した細胞の上清を精製のためにNi−IDAカラム上にロードした。溶出されたタンパク質をプールし、濃縮し、サイズ排除クロマトグラフィーによってさらに精製した。モノマータンパク質を表わす画分をプールし、濃縮し、小分けにし、後続の実験における使用のために−80℃で凍結した。
【0261】
テトラアセチル化ヒストンH4とBETブロモドメインの結合は、時間分解−蛍光共鳴エネルギー転移(TR−FRET)法によって確認された。N末端にHisタグを付加したブロモドメイン(200nM)及びビオチン化テトラアセチル化ヒストンH4ペプチド(25〜50nM、Millipore)を、白色の96ウェルマイクロタイタープレート(Greiner)中で、ユウロピウムクリプテートで標識したストレプトアビジン(Cisbioカタログ番号610SAKLB)及びXL665で標識したモノクローナル抗His抗体(Cisbioカタログ番号61HISXLB)の存在下においてインキュベーションした。阻害アッセイのために、連続的に希釈した試験化合物を、0.2%のDMSOの最終的な濃度でこれらの反応物へ添加した。最終的な緩衝液濃度は、30mM HEPES(pH7.4)、30mM NaCl、0.3mM CHAPS、20mMリン酸塩(pH7.0)、320mM KF、0.08% BSAであった。室温で2時間のインキュベーション後に、FRETによる蛍光は、SynergyH4プレートリーダー(Biotek)によって665及び620nmで測定した。Brd4の第1のブロモドメインによる例示的な結果を以下に示す。結合阻害活性は、620nmと比較した665nmの蛍光の減少によって示された。IC50値は用量反応曲線から決定した。
【0262】
30μM未満のIC50値を有する化合物が、活性があると認められた。
【表2】
【0263】
実施例71:癌細胞株におけるc−myc発現の阻害
MV4−11細胞(2.5×10細胞)を試験化合物またはDMSO(0.1%)と共に96ウェルU底プレート中にプレーティングし、37℃で3時間インキュベーションした。次いで細胞を遠心分離によって採取し、溶解し、mRNA catcher plus kit(Invitrogen)を使用してmRNAを単離した。mRNAの逆転写ならびにc−myc及びシクロフィリンcDNAの二重鎖増幅を、RNA Ultrasense kit(Invitrogen)及びViiA7リアルタイムPCRマシン(Applied Biosystems)を使用して遂行した。IC50値は用量反応曲線から決定した。
【0264】
30μM未満のIC50値を有する化合物が、活性があると認められた。
【表3】
【0265】
実施例72:癌細胞株における細胞増殖の阻害
MV4−11細胞:指数関数的に増殖しているヒトAML MV−4−11(CRL−9591)細胞を1ウェルあたり5×10細胞を96ウェルプレートに播種し、30μMから0.2μMの範囲の試験化合物の2倍希釈により直ちに処理した。各々の濃度について三重のウェル、加えて、媒質のみ及び3つのDMSO対照ウェルを使用した。細胞及び化合物を5%COの37℃で72時間インキュベーションし、その後各々のウェルへ20μLのCellTiter Aqueous One Solution(Promega)を添加し、5%COの37℃で、追加で3〜4時間インキュベーションした。分光光度計において490nmで吸収を取得し、DMSO処理細胞と比較した増殖のパーセンテージをブランクウェルからの修正後に計算した。IC50はGraphPad Prismソフトウェアを使用して計算した。
【0266】
30μM未満のIC50値を有する化合物が、活性があると認められた。
【表4】
【0267】
実施例73:hIL−6 mRNA転写の阻害
この実施例において、組織培養細胞におけるhIL−6 mRNAの量を定量して、本開示の化合物により処理された場合のhIL−6の転写阻害を測定した。
【0268】
ヒト白血病単球リンパ腫細胞株(U937)を100μLのRPMI−1640(10%FBS及びペニシリン/ストレプトマイシンを含有する)中で96ウェルプレートにプレーティングし(1ウェルあたり3.2×10細胞)、対象となる化合物の添加の前に、60ng/mLのPMA(ホルボール−13−ミリステート−12−アセテート)中で、5%COの37℃で3日間マクロファージへと分化させた。細胞は、1μg/mLの大腸菌からのリポポリサッカライドによる刺激の前に試験化合物により1時間前処理した。細胞を採取する前に、細胞を37℃で3時間インキュベーションした。採取の時に、使用済み培地を細胞から除去し、細胞を200μLのPBSでリンスした。細胞溶解溶液(70μL)を各々のウェル中の細胞へ添加し、室温で5〜10分間インキュベーションして、完全な細胞溶解及び剥離を可能にした。次いで「mRNA Catcher PLUS plate」(Invitrogen)を使用して提供されたプロトコルに従って、mRNAを調製した。最後の洗浄後に、ウェルを乾燥させずに、可能な限り多くの洗浄バッファーを吸引した。次いで溶出バッファー(E3、70μL)を各々のウェルへ添加した。次いで溶出バッファーによりmRNA Catcher PLUS plateを68℃で5分間インキュベーションし、次いで直ちに氷上にプレートを配置することによって、mRNAを溶出した。
【0269】
次いで、単離された溶出mRNAを、Applied Biosystemsプライマー−プローブ混合物と共にUltra Sense Kitの構成要素を使用して、1工程の定量的リアルタイムPCR反応において使用した。内部対照に対してhIL−6についてのCt値を正規化して、リアルタイムPCRデータを分析し、その後対照と比較して、各々の未知のサンプルが何倍誘導されたかを決定した。
【0270】
30μM未満のIC50値を有する化合物が、活性があると認められた。
【表5】
【0271】
実施例74:IL−17 mRNA転写の阻害
この実施例において、ヒト末梢血単核細胞におけるhIL−17 mRNAの量を定量して、本発明の化合物により処理された場合のhIL−17の転写阻害を測定した。
【0272】
ヒト末梢血単核細胞を45μLのOpTimizer T細胞増殖培地(20ng/mlのIL−2及びペニシリン/ストレプトマイシンを含有する)中で96ウェルプレートにプレーティングした(1ウェルあたり2.0×10細胞)。細胞を試験化合物(2×濃度で45μL)により処理し、次いで細胞を37℃で1時間インキュベーションし、その後培地中に10μg/mlで10×ストックOKT3抗体を添加した。細胞を採取する前に、細胞を37℃で6時間インキュベーションした。採取の時に、細胞を遠心分離した(800rpm、5分間)。使用済み培地を除去し、細胞溶解溶液(70μL)を各々のウェル中の細胞へ添加し、室温で5〜10分間インキュベーションして、完全な細胞溶解及び剥離を可能にした。次いで「mRNA Catcher PLUS plate」(Invitrogen)を使用して提供されたプロトコルに従って、mRNAを調製した。最後の洗浄後に、ウェルを乾燥させずに、可能な限り多くの洗浄バッファーを吸引した。次いで溶出バッファー(E3、70μL)を各々のウェルへ添加した。次いで溶出バッファーによりmRNA Catcher PLUS plateを68℃で5分間インキュベーションし、次いで直ちに氷上にプレートを配置することによって、mRNAを溶出した。
【0273】
次いで、単離された溶出mRNAを、Applied Biosystemsプライマー−プローブ混合物と共にUltra Sense Kitの構成要素を使用して、1工程の定量的RT−PCR反応において使用した。内部対照に対してhIL−17についてのCt値を正規化して、リアルタイムPCRデータを分析し、その後対照と比較して、各々の未知のサンプルが何倍誘導されたかを決定した。
【0274】
30μM未満のIC50値を有する化合物が、活性があると認められた。
【表6】
【0275】
実施例75:hVCAM mRNA転写の阻害
この実施例において、組織培養細胞におけるhVCAM mRNAの量を定量して、本開示の化合物により処理された場合のhVCAMの転写阻害を測定した。
【0276】
ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を100μLのEGM培地中で96ウェルプレート(4.0×10細胞/ウェル)にプレーティングし、対象となる化合物の添加の前に24時間インキュベーションする。細胞は、腫瘍壊死因子−αによる刺激の前に試験化合物により1時間前処理する。細胞を採取する前に、細胞を追加で24時間インキュベーションする。採取の時に、使用済み培地をHUVECから除去し、200μLのPBSでリンスする。次いで細胞溶解溶液(70μL)を各々のウェル中の細胞へ添加し、室温で5〜10分間インキュベーションして、完全な細胞溶解及び剥離を可能にする。次いで「mRNA Catcher PLUS plate」(Invitrogen)を使用して提供されたプロトコルに従って、mRNAを調製する。最後の洗浄後に、ウェルを乾燥させずに、可能な限り多くの洗浄バッファーを吸引する。次いで溶出バッファー(E3、70μL)を各々のウェルへ添加する。次いで溶出バッファーによりmRNA Catcher PLUS plateを68℃で5分間インキュベーションし、次いで直ちに氷上にプレートを配置することによって、mRNAを溶出する。
【0277】
次いで、単離された溶出mRNAを、Applied Biosystemsプライマー−プローブ混合物と共にUltra Sense Kitの構成要素を使用して、1工程の定量的リアルタイムPCR反応において使用する。内部対照に対してhVCAMについてのCt値を正規化して、リアルタイムPCRデータを分析し、その後対照と比較して、各々の未知のサンプルが何倍誘導されたかを決定する。
【0278】
30μM未満のIC50値を有する化合物が、活性があると認められる。
【0279】
実施例76:hMCP−1 mRNA転写の阻害
この実施例において、ヒト末梢血単核細胞におけるhMCP−1 mRNAの量を定量して、本開示の化合物により処理された場合のhMCP−1の転写阻害を測定する。
【0280】
ヒト末梢血単核細胞を45μLのRPMI−1640(10%FBS及びペニシリン/ストレプトマイシンを含有する)中で96ウェルプレートにプレーティングする(1ウェルあたり1.0×10細胞)。細胞を試験化合物(2×濃度で45μL)により処理し、次いで細胞を37℃で3時間インキュベーションし、その後細胞を採取する。採取の時に、細胞をV底プレートへ移し、遠心分離する(800rpm、5分間)。使用済み培地を除去し、細胞溶解溶液(70μL)を各々のウェル中の細胞へ添加し、室温で5〜10分間インキュベーションして、完全な細胞溶解及び剥離を可能にする。次いで「mRNA Catcher PLUS plate」(Invitrogen)を使用して提供されたプロトコルに従って、mRNAを調製する。最後の洗浄後に、ウェルを乾燥させずに、可能な限り多くの洗浄バッファーを吸引する。次いで溶出バッファー(E3、70μL)を各々のウェルへ添加する。次いで溶出バッファーによりmRNA Catcher PLUS plateを68℃で5分間インキュベーションし、次いで直ちに氷上にプレートを配置することによって、mRNAを溶出した。
【0281】
次いで、そうして単離された溶出mRNAを、Applied Biosystemsプライマー−プローブ混合物と共にUltra Sense Kitの構成要素を使用して、1工程の定量的リアルタイムPCR反応において使用する。内部対照に対してhMCP−1についてのCt値を正規化して、リアルタイムPCRデータを分析し、その後対照と比較して、各々の未知のサンプルが何倍誘導されたかを決定する。
【0282】
30μM未満のIC50値を有する化合物が、活性があると認められる。
【0283】
実施例77:hApoA−1 mRNA転写の上方制御
この実施例において、組織培養細胞におけるApoA−I mRNAの量を定量して、本開示の化合物により処理された場合のApoA−Iの転写のアップレギュレーションを測定した。
【0284】
Huh7細胞(1ウェルあたり2.5×10)を、対象となる化合物の添加の24時間前に、1ウェルあたり100μL DMEM(ペニシリン/ストレプトマイシン及び10%FBSを補足したGibco DMEM)を使用して、96ウェルプレートにプレーティングした。48時間の処理後に、使用済み培地をHuh−7細胞から除去し、Abcamからの「LDH cytotoxicity assay Kit II」と共に氷上に(即時使用のため)、または−80℃に(将来の使用のため)配置した。プレート中の残りの細胞を100μLのPBSでリンスした。
【0285】
次いで85μLの細胞溶解溶液を各々のウェルへ添加し、室温で5〜10分間インキュベーションして、完全な細胞溶解及び剥離を可能にした。次いでLife Technologiesからの「mRNA Catcher PLUS plate」を使用して提供されたプロトコルに従って、mRNAを調製した。最後の洗浄後に、ウェルを乾燥させずに、可能な限り多くの洗浄バッファーを吸引した。次いで溶出バッファー(E3、80μL)を各々のウェルへ添加した。次いで溶出バッファーによりmRNA Catcher PLUS plateを68℃で5分間、次いで4℃で1分間インキュベーションすることによって、mRNAを溶出した。溶出されたmRNAを備えたキャッチャープレートを使用のために氷上で維持または−80℃で保存した。
【0286】
次いで、単離された溶出mRNAを、Life Technologiesプライマー−プローブ混合物と共にUltra Sense Kitの構成要素を使用して、1工程のリアルタイムPCR反応において使用した。Ct値を使用してリアルタイムPCRデータを分析して、対照と比較して(すなわち各々の独立したDMSO濃度についての対照と比較して)、各々の未知のサンプルが何倍誘導されたかを決定する。
【0287】
30μM未満のIC170値を有する化合物が、活性があると認められた。
【表7】
【0288】
実施例78:MV4−11細胞を使用する急性骨髄白血病異種移植モデルの無胸腺ヌードマウス系統におけるインビボ有効性
MV4−11細胞(ATCC)を標準的な細胞培養条件下で増殖させ、6〜7週齢の(NCr)nu/nu fisol系統のメスマウスの下部左側腹部側面に、100μLのPBS+100μLのマトリゲル中の5×10細胞/動物を注射する。MV4−11細胞注射後およそ18日目までに、平均約120mmの腫瘍体積((長さ×幅×高さ)/2)に基づいて、マウスを無作為化する。10mL/kg体重の用量体積のEA006製剤において、75mg/kgを1日2回及び120mg/kgを1日2回で、マウスに化合物を経口的に投薬する。腫瘍測定は電子マイクロキャリパーにより取得され、体重は投与期間から開始して隔日で測定する。平均腫瘍体積、パーセント腫瘍増殖阻害(TGI)及び体重の%変化を、ベヒクル対照動物に対して比較する。平均、統計的分析及び群間の比較を、エクセルにおいてスチューデントのt検定を使用して計算する。
【0289】
実施例79:標的係合の評価
MV4−11細胞(ATCC)を標準的な細胞培養条件下で増殖させ、6〜7週齢の(NCr)nu/nu fisol系統のメスマウスの下部左側腹部側面に、100μLのPBS+100μLのマトリゲル中の5×10細胞/動物を注射した。MV4−11細胞注射後およそ28日目までに、平均約500mmの腫瘍体積((長さ×幅×高さ)/2)に基づいて、マウスを無作為化する。10mL/kg体重の用量体積でEA006製剤の化合物をマウスに経口的に投薬し、投薬6時間後に、PDバイオマーカーとしてのBcl2及びc−myc遺伝子発現解析のために腫瘍を採取する。
【0290】
実施例80:マウス内毒素血症モデルアッセイにおけるインビボ有効性。
致死未満用量のエンドトキシン(大腸菌の細菌性リポポリサッカライド)を動物へ投与して全身性炎症反応を産生させ、それは分泌されたサイトカインの増加によってモニターされる。化合物を、75mg/kgの用量でT=4時間で化合物をC57/Bl6マウスへ経口的に投与して、0.5mg/kgの用量でT=0時間のリポポリサッカライド(LPS)による腹腔内の攻撃投与の3時間後に、IL−6及びIL−17及びMCP−1のサイトカインの阻害を評価する。
【0291】
実施例81:ラットのコラーゲン誘導関節炎におけるインビボ有効性
ラットのコラーゲン誘導関節炎は、多数の抗関節炎薬剤の前臨床試験のために広く使用される多発性関節炎の実験モデルである。コラーゲンの投与に続いて、このモデルでは、測定可能な多関節性炎症、パンヌス形成及び軽度から中等度の骨吸収と関連する顕著な軟骨破壊ならびに骨膜骨増殖が確立される。このモデルにおいて、コラーゲンを研究の1日目及び7日目にラットLewis系統のメスへ投与し、化合物を11日目から17日目に投薬する。疾患が確立された後に治療が与えられるモデルを使用する関節炎のラットにおいて、炎症(足膨潤が含まれる)、軟骨破壊及び骨吸収を阻害する可能性を査定するために、試験化合物を評価する。
【0292】
実施例82:MSの実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)モデルにおけるインビボ有効性
実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)は、ヒト多発性硬化症(MS)と、多くの臨床的特色及び組織病理学特色を共有するCNSのT細胞媒介性自己免疫疾患である。EAEはMSの最も一般に使用される動物モデルである。Th1及びTh17系譜の両方のT細胞がEAEを誘導することが示されている。サイトカインのIL−23、IL−6及びIL−17は、Th1及びTh17の分化に重要であるか、またはこれらのT細胞によって産生されるかのいずかであり、EAE発症において重要で非冗長的役割を果たす。したがって、これらのサイトカインの産生を標的とする薬は恐らくMSの治療における治療法上の可能性を有するだろう。
【0293】
式Iまたは式Iaの化合物をEAEマウスへ投与して抗炎症性の活性を査定する。このモデルにおいて、EAEは、メスのC57Bl/6マウスにおいてMOG35−55/CFA免疫付与及び百日咳毒素注射によって誘導される。
【0294】
実施例83:外部MOG刺激により刺激された脾細胞及びリンパ細胞の培養からのT細胞機能に対するエクスビボ効果
マウスはMOG/CFAにより免疫付与され、1日2回レジメンで11日間化合物により同時に治療される。鼠径リンパ節及び脾臓を採取し、72時間の外部MOG刺激による培養を設定する。これらの培養からの上清を、サイトメトリービーズアレイアッセイを使用して、TH1、Th2及びTh17サイトカインについて分析する。
【0295】
実施例84:MM1.s細胞を使用する、多発性骨髄腫異種移植モデルの無胸腺ヌードマウス系統におけるインビボ有効性
MM1.s細胞(ATCC)を標準的な細胞培養条件下で増殖させ、6〜7週齢の(NCr)nu/nu fisol系統のメスマウスの下部左側腹部側面に、100μLのPBS+100μLのマトリゲル中の10×10細胞/動物を注射する。MM1.s細胞注射後およそ21日目までに、平均約120mmの腫瘍体積((長さ×幅×高さ)/2)に基づいて、マウスを無作為化する。10mL/kg体重の用量体積のEA006製剤において、75mg/kgを1日2回で、マウスに化合物を経口的に投薬する。腫瘍測定は電子マイクロキャリパーにより取得され、体重は投与期間から開始して隔日で測定する。平均腫瘍体積、パーセント腫瘍増殖阻害(TGI)及び体重の%変化を、ベヒクル対照動物に対して比較する。平均、統計的分析及び群間の比較を、エクセルにおいてスチューデントのt検定を使用して計算する。
【0296】
本開示の他の実施形態は、本明細書の考慮及び本明細書において開示される本開示の実践及び下記の発明1〜92から当業者には明らかとなるだろう。明細書及び実施例は単に例示的なものとみなされ、本開示の真の範囲及び趣旨は以下の請求項によって示されることが意図される。
[発明1]
式Iに記載の化合物
【化84】
またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物であって、
式中、
はN及びCRから選択され;
はN及びCRから選択され;
はN及びCRから選択され;
はN及びCRから選択され;
XはN及びCHから選択され;
Yは、−S(O)−、−C(O)−、−NH−、−NHCH−、−NHCHCH−及び−NHCHCHCH−から選択され、B環へ窒素が結合され、1つまたは複数の水素は、アルキル(C−C)、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアミノにより任意で置換することができ;
、R、R及びRは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アリールオキシ、アミノアルキル、アリール、ヒドロキシル及びハロゲンから独立して選択され;
、R、R及びRから選択される2つの隣接する置換基は、5員環または6員環で接続して、二環式炭素環または二環式ヘテロ環を形成し;
はアミノならびに5員及び6員の炭素環及びヘテロ環から選択され;
は、水素、アルコキシ、アルキル、ハロゲン、アミノアルキル及びチオアルキルから選択され;
は、水素、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、アミノアルキル及びハロゲンから選択される、
化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物。
[発明2]
式Iaに記載の発明1に記載の化合物
【化85】
またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物であって、
式中、
XはN及びCHから選択され;
Yは、−S(O)−、−C(O)−、−NH−、−NHCH−、−NHCHCH−及び−NHCHCHCH−から選択され、B環へ窒素が結合され、1つまたは複数の水素は、アルキル(C−C)、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアミノにより任意で置換することができ;
及びRは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ(例えばアミノアルキル等)、アリールオキシ、アリール、ヒドロキシル及びハロゲンから独立して選択され;
は、アミノ、アミノアルキル、ハロゲン、アミノ、アミド、アルキル(C−C)またはアルコキシ(C−C)により随意に置換された5員及び6員の炭素環ならびにヘテロ環、例えば構造
【化86】
(式中、Raは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、−C(O)Me、−C(O)Pr、−C(O)iPr、ベンジル、−C(O)CF、−C(O)−tBu、−C(O)NHiPr、−C(O)NMe、−C(O)NHEt、−C(O)NH−、−C(O)CH(OH)CH、−C(O)C(O)OMe、−CF、−CHCHOH、−CHCHアミノ及び−CHCHC(Me)OHから選択される)から選択され;
は、水素、アルコキシ、アルキル、ハロゲン、アミノアルキル及びチオアルキルから選択され;
は、水素、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、アミノアルキル及びハロゲンから選択される、
化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物。
[発明3]
各々のR、R、R及びRが、存在するならば、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ及びハロゲンから独立して選択される、発明1に記載の化合物。
[発明4]
各々のR及びRが、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ及びハロゲンから独立して選択される、発明2に記載の化合物。
[発明5]
各々のR、R、R及びRが、存在するならば、水素、アルキル及びアルコキシから独立して選択され、その各々が、ヒドロキシル、アミノまたはハロゲンにより随意に置換することができる、発明1または3のいずれか一項に記載の化合物。
[発明6]
及びRの各々が、水素、アルキル及びアルコキシから独立して選択され、その各々が、ヒドロキシル、アミノまたはハロゲンにより随意に置換することができる、発明2または4のいずれか一項に記載の化合物。
[発明7]
、R、R及びRの各々が、存在するならば、アリール及びアリールオキシから独立して選択され、その各々が、ハロゲン、アルコキシ及びアミノにより随意に置換することができる、発明1、3または5のいずれか一項に記載の化合物。
[発明8]
及びRの各々が、アリール及びアリールオキシから独立して選択され、その各々が、ハロゲン、アルコキシまたはアミノにより随意に置換することができる、発明2に記載の化合物。
[発明9]
がCRであり;
がCRであり;
及びRがそれぞれアルコキシである、
発明1、3、5または7のいずれか一項に記載の化合物。
[発明10]
前記アルコキシ基が、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ及びプロポキシから選択される、発明1、3、5、7または9のいずれか一項に記載の化合物。
[発明11]
各々のR及びRが、独立してアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ及びプロポキシ)である、発明2に記載の化合物。
[発明12]
及びRがそれぞれメトキシである、発明11に記載の化合物。
[発明13]
がCRであり、WがCRであり、WがCRであり、WがCRであり、R及びRがそれぞれアルコキシであり、R及びRがそれぞれ水素である、発明1、3、5、7、9または10のいずれか一項に記載の化合物。
[発明14]
がCRであり、WがCRであり、WがCRであり、WがCRであり、R及びRがそれぞれメトキシであり、R及びRがそれぞれ水素である、発明1、3、5、7、9、10または13のいずれか一項に記載の化合物。
[発明15]
がCRであり、WがCRであり、WがCRであり、WがCRであり、Rがメトキシであり、Rがアミノまたはアミノアルキルであり、R及びRがそれぞれ水素である、発明1に記載の化合物。
[発明16]
がメトキシであり、Rがアミノまたはアミノアルキルである、発明2に記載の化合物。
[発明17]
がアミノアルキルである、発明1または2のいずれか一項に記載の化合物。
[発明18]
Yが、−NH−、−NHCH−、−NHCHCH−及び−NHCHCHCH−から選択され、B環へ窒素が結合され、1つまたは複数の水素が、F、Me、OMe及びClにより任意で置換することができる、発明1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
[発明19]
Yが−NH−である、発明1〜18のいずれか一項に記載の化合物。
[発明20]
XがNである、発明1〜19のいずれか一項に記載の化合物。
[発明21]
が、アミノ、ならびにハロゲン、アミノ、尿素、エステル、カルバメート、アミド、アルキル(C−C);アルコキシ(C−C)、及びアリールにより随意に置換された、5員及び6員の炭素環及びヘテロ環から選択される、発明1〜20のいずれか一項に記載の化合物。
[発明22]
が、−NHRa、ならびにハロゲン、アミノ、尿素、エステル、カルバメート、アミド、アルキル(C−C)、アルコキシ(C−C)またはアリールにより随意に置換された、5員及び6員の炭素環及びヘテロ環から選択され、それらが基
【化87】
(式中、Raは、水素、アルキル、アルケニル、アリール、−C(O)アルキル(C−C)、−C(O)アミノ、−C(O)Oアルキル(C−C)及びベンジルから選択される)
から選択される、発明1〜21のいずれか一項に記載の化合物。
[発明23]
が、−NHRa、ならびにハロゲン、アミノ、アミド、アルキル(C−C)またはアルコキシ(C−C)により随意に置換された、5員及び6員の炭素環ならびにヘテロ環から選択され、それらが基
【化88】
(式中、Raは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、−C(O)Me、−C(O)Pr、−C(O)iPr、ベンジル、−C(O)CF、−C(O)−tBu、−C(O)NHiPr、−C(O)NMe、−C(O)NHEt、−C(O)NH−、−C(O)CH(OH)CH、−C(O)C(O)OMe、−CF、−CHCHOH、−CHCHアミノ及び−CHCHC(Me)OHから選択される)
から選択される、発明1〜22のいずれか一項に記載の化合物。
[発明24]
が、水素、アルキル、アルコキシ、アミノアルキル及びチオアルキルから選択され、その各々が、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシルまたはアルコキシにより随意に置換することができる、発明1〜23のいずれか一項に記載の化合物。
[発明25]
が、水素、メチル、メトキシ、エトキシ、及びヒドロキシルまたはアミノにより随意に置換されたアルコキシから選択される、発明1〜24のいずれか一項に記載の化合物。
[発明26]
が、水素、メチル及びメトキシから選択される、発明1〜25のいずれか一項に記載の化合物。
[発明27]
が、式IIによって表わされる基
【化89】
(式中、
D及びEは、O、N及びSから独立して選択され;
は水素及びアルキルから選択され、DがNである場合のみRは存在し;
及びR10は、水素、アルキル及びシクロアルキルから独立して選択され、EがOまたはSであるならばR及びR10の1つのみが存在し;
及びR10を接続して、炭素環、または1つ以上のヘテロ原子を含有するヘテロ環を形成することができ;
nは1、2及び3から選択される)
から選択される、発明1〜23のいずれか一項に記載の化合物。
[発明28]
DがOであり、EがNであり;
nは1であり;
及びR10は、水素、アルキル及び炭素環から独立して選択される、
発明27に記載の化合物。
[発明29]
が、
【化90】
から選択される、発明27または発明28のいずれか一項に記載の化合物。
[発明30]
が、水素、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル及び−OCFから選択される、発明1〜29のいずれか一項に記載の化合物。
[発明31]
がCRであり;
がCRであり;
がCRであり;
がCRであり;
各々のR及びRがアルコキシであり;
各々のR及びRが水素であり;
Yが、−NH−、−NHCH−、−NHCHCH−、及び−NHCHCHCH−から選択され、B環へ窒素が結合され;
が、−NHRa及び5員または6員の炭素環またはヘテロ環から選択され、それらは
【化91】
(式中、Raは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、−C(O)Me、−C(O)Pr、−C(O)iPr、ベンジル、−C(O)CF、−C(O)−tBu、−C(O)NHiPr、−C(O)NMe、−C(O)NHEt、−C(O)NH−、−C(O)CH(OH)CH、−C(O)C(O)OMe、−CF、−CHCHOH、−CHCHアミノ及び−CHCHC(Me)OHから選択される)から選択され;
が、水素、メチル、メトキシ、エトキシ、及びヒドロキシルまたはアミノにより随意に置換されたアルコキシから選択される、
発明1に記載の化合物。
[発明32]
がCRであり;
がCRであり;
がCRであり;
がCRであり;
がアルコキシであり;
がアミノまたはアミノアルキルであり;
各々のR及びRが水素であり;
Yが、−NH−、−NHCH−、−NHCHCH−、及び−NHCHCHCH−から選択され、B環へ窒素が結合され;
が、−NHRa及び5員または6員の炭素環またはヘテロ環から選択され、それらは
【化92】
(式中、Raは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、−C(O)Me、−C(O)Pr、−C(O)iPr、ベンジル、−C(O)CF、−C(O)−tBu、−C(O)NHiPr、−C(O)NMe、−C(O)NHEt、−C(O)NH−、−C(O)CH(OH)CH、−C(O)C(O)OMe、−CF、−CHCHOH、−CHCHアミノ及び−CHCHC(Me)OHから選択される)から選択され;
が、水素、メチル、メトキシ、エトキシ、及びヒドロキシルまたはアミノにより随意に置換されたアルコキシから選択される、
発明1に記載の化合物。
[発明33]
がアルコキシであり;
がアミノまたはアミノアルキルであり;
Yが、−NH−、−NHCH−、−NHCHCH−、及び−NHCHCHCH−から選択され、B環へ窒素が結合され;
が、−NHRa及び5員または6員の炭素環またはヘテロ環から選択され、それらは
【化93】
(式中、Raは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、−C(O)Me、−C(O)Pr、−C(O)iPr、ベンジル、−C(O)CF、−C(O)−tBu、−C(O)NHiPr、−C(O)NMe、−C(O)NHEt、−C(O)NH−、−C(O)CH(OH)CH、−C(O)C(O)OMe、−CF、−CHCHOH、−CHCHアミノ及び−CHCHC(Me)OHから選択される)から選択され;
が、水素、メチル、メトキシ、エトキシ、及びヒドロキシルまたはアミノにより随意に置換されたアルコキシから選択される、
発明2に記載の化合物。
[発明34]
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((1−メチルピロリジン−3−イル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−(メチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−(((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−(((1−メチルピロリジン−3−イル)メチル)アミノ)フェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((2−(イソプロピルアミノ)エチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−(ピペリジン−1−イル)エチル)アミノ)−フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((3−モルホリノプロピル)アミノ)−フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−モルホリノエチル)アミノ)フェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((3−(ピロリジン−1−イル)プロピル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−(((1−イソプロピルピロリジン−3−イル)メチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−(((1−イソプロピルピロリジン−2−イル)メチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((1−イソブチリルピペリジン−4−イル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((3−(イソプロピルアミノ)プロピル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((3−(メチルピペラジン−1−イル)プロピル)アミノ)−フェニルキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((2−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)エチル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−[4−メトキシ−2−(1−メチルピペリジン−4−イルスルフィニル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−(ピペラジン−1−イル)エチル)アミノ)フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−((2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル)アミノ)フェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−5−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(4−メトキシ−2−[3−(ピペラジン−1−イル)プロピルアミノ]フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((4,4−ジメチルシクロヘキシル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−5−メトキシピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((trans−4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)シクロヘキシル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−イソブチリルピペリジン−4−イル)アミノ)−5−メトキシピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(4−クロロ−2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(4−クロロ−2−((1−イソブチリルピペリジン−4−イル)アミノ)フェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(2−((1−ベンジルピペリジン−4−イル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(−((1−イソブチリルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−アセチルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
N−(cis−4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−5−メトキシピリジン−3−イル)アミノ)シクロヘキシル)イソブチルアミド;
2−(2−((1−アセチルピペリジン−4−イル)アミノ)−4−メトキシフェニル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(5−メトキシ−3−((1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(3−(((1−メチルピロリジン−3−イル)メチル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン;
4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N,N−ジメチルピペリジン−1−カルボキサミド;
2−(3−((3−(イソプロピルアミノ)プロピル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(3−((1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン;
cis−4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)−5−メトキシピリジン−3−イル)アミノ)−N−イソプロピルシクロヘキサン−1−カルボキサミド;
5,7−ジメトキシ−2−(3−((1−(2,2,2−トリフルオロアセチル)ピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン;
4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N−イソプロピルピペリジン−1−カルボキサミド;
5,7−ジメトキシ−2−(3−((1−ピバロイルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン;
5,7−ジメトキシ−2−(3−((2−モルホリノエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)−5−(2−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)エトキシ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)−N,N−ジメチル−2−オキソアセトアミド;
4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N−エチルピペリジン−1−カルボキサミド;
cis−4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N,N−ジメチルシクロヘキサン−1−カルボキサミド;
4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキサミド;
メチル−2−(4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)−2−オキソアセテート;
N−(2−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)エチル)イソブチルアミド;
N−(3−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)プロピル)イソブチルアミド;
2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−(2−ヒドロキシプロパノイル)ピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシ−7−((4−メトキシベンジル)アミノ)キナゾリン−4(3H)−オン;
2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−(1−イソプロピルピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル]−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
cis−4−((2−(5,7−ジメトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)−N−イソプロピルシクロヘキサン−1−カルボキサミド;
2−[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−(1−イソブチロイルピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル]−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
7−アミノ−2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−{3−(1−イソプロピルピペリジン−4−イルアミノ)−5−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]ピリジン−2−イル}−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−{5−[2−(イソプロピルアミノ)エトキシ]−3−(1−イソプロピルピペリジン−4−イルアミノ)ピリジン−2−イル}−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
2−(3−((1−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)ピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
及び7−(エチルアミノ)−2−(3−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)アミノ)ピリジン−2−イル)−5−メトキシキナゾリン−4(3H)−オン;
から選択される化合物、
またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物。
[発明35]
発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは水和物、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
[発明36]
治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物を投与することを含む、BETタンパク質機能の阻害のための方法。
[発明37]
治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物を投与することを含む、BETタンパク質に関連する自己免疫性障害または炎症性障害を治療する方法。
[発明38]
前記自己免疫性障害または炎症性障害が、急性散在性脳脊髄炎、無ガンマグロブリン血症、アレルギー性疾患、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患、自己免疫性心筋炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性血小板減少性紫斑病、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、キャッスルマン病、セリアック病、チャーグ−ストラウス症候群、クローン病、コーガン症候群、ドライアイ症候群、本態性混合型クリオグロブリン血症、皮膚筋炎、デビック病、脳炎、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、巨細胞性動脈炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、多発血管性肉芽腫症(ウェゲナー肉芽腫症)、グレーブス病、ギラン−バレー症候群、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ−シェーンライン紫斑病、特発性肺線維症、IgA腎症、封入体筋炎、1型糖尿病、間質性膀胱炎、川崎病、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、狼瘡(SLE)、顕微鏡的多発血管炎、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、視神経炎、天疱瘡、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、原発性胆汁性肝硬変、乾癬、乾癬性関節炎、壊疽性膿皮症、再発性多発性軟骨炎、関節リウマチ、サルコイドーシス、硬皮症、シェーグレン症候群、高安動脈炎、横断性脊髄炎、潰瘍性大腸炎、ぶどう膜炎及び白斑から選択される、発明37に記載の方法。
[発明39]
治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物を投与することを含む、IL−6及び/またはIL−17の異常調節によって特徴づけられる急性または慢性の非自己免疫性炎症性障害を治療する方法。
[発明40]
前記急性または慢性の非自己免疫性炎症性障害が、副鼻腔炎、肺炎、骨髄炎、胃炎、腸炎、歯肉炎、虫垂炎、過敏性大腸症候群、組織移植片拒絶、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、敗血性ショック、骨関節炎、急性痛風、急性肺傷害、急性腎不全、熱傷、ヘルクスハイマー反応、及びウイルス感染に関連するSIRSから選択される、発明39に記載の方法。
[発明41]
前記急性または慢性の非自己免疫性炎症性障害が、関節リウマチ(RA)及び多発性硬化症(MS)から選択される、発明39に記載の方法。
[発明42]
治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物を投与することを含む、BET阻害に感受性のあるmycファミリー癌タンパク質の過剰発現、転座、増幅または再構成に関連する癌を治療する方法。
[発明43]
前記癌が、急性Bリンパ性白血病、バーキットリンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、多発性骨髄腫、原発性プラズマ細胞性白血病、変則的なカルチノイド肺癌、膀胱癌、乳癌、子宮癌、結腸癌、胃癌、神経膠芽腫、肝細胞癌、大型細胞神経内分泌腫瘍、髄芽細胞腫、結節型黒色腫、表在拡大型黒色腫、神経芽細胞腫、食道扁平上皮癌、骨肉腫、卵巣癌、前立腺癌、腎明細胞癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫及び小細胞肺癌から選択される、発明42に記載の方法。
[発明44]
治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物を投与することを含む、BETタンパク質の過剰発現、転座、増幅または再構成に関連する癌を治療する方法。
[発明45]
前記癌が、NUT正中線癌、B細胞リンパ腫、非小細胞肺癌、食道癌、頭頸部扁平上皮癌及び結腸癌から選択される、発明44に記載の方法。
[発明46]
治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物を投与することを含む、癌遺伝子を調節するのにpTEFb(Cdk9/サイクリンT)及びBETタンパク質に依存する癌を治療する方法。
[発明47]
前記癌が、慢性リンパ球性白血病及び多発性骨髄腫、濾胞性リンパ腫、胚中心表現型を備えたびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫及び活性化未分化大細胞リンパ腫、神経芽細胞腫及び原発性神経外胚葉性腫瘍、横紋筋肉腫、前立腺癌、ならびに乳癌から選択される、発明46に記載の方法。
[発明48]
治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物を投与することを含む、BET応答性遺伝子CDK6、Bcl2、TYRO3、MYB及びhTERTのアップレギュレーションに関連する癌を治療する方法。
[発明49]
前記癌が、膵臓癌、乳癌、結腸癌、神経膠芽腫、腺様嚢胞癌、T細胞前リンパ球性白血病、悪性神経膠腫、膀胱癌、髄芽細胞腫、甲状腺癌、黒色腫、多発性骨髄腫、バレット腺癌、肝臓癌、前立腺癌、前骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、小細胞肺癌及び腎癌から選択される、発明46のに記載方法。
[発明50]
治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物を投与することを含む、BET阻害の効果に感受性のある癌を治療する方法。
[発明51]
前記癌が。NUT正中線癌(NMV)、急性骨髄白血病(AML)、急性Bリンパ芽球性白血病(B−ALL)、バーキットリンパ腫、B細胞リンパ腫、黒色腫、混合系統白血病、多発性骨髄腫、前骨髄性白血病(PML)、非ホジキンリンパ腫、神経芽細胞腫、髄芽細胞腫、肺癌(NSCLC、SCLC)及び結腸癌から選択される、発明50に記載の方法。
[発明52]
発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物が、他の治療法、化学療法剤または抗増殖剤と組み合わせられる、発明42〜51のいずれか一項に記載の方法。
[発明53]
前記治療剤が、ABT−737、アザシチジン(ビダーザ)、AZD1152(バラセルチブ(Barasertib))、AZD2281(オラパリブ)、AZD6244(セルメチニブ)、BEZ235、硫酸ブレオマイシン、ボルテゾミブ(ベルケイド)、ブスルファン(ミレラン)、カンプトセシン、シスプラチン、シクロフォスファミド(クラフェン(Clafen))、CYT387、サイトシンアラビノサイド(アラC)、ダカルバジン、DAPT(GSI−IX)、デシタビン、デキサメタゾン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エトポシド、エベロリムス(RAD001)、フラボピリドール(アルボシジブ)、ガネテスピブ(STA−9090)、ゲフィチニブ(イレッサ)、イダルビシン、イフォスファミド(ミトキサナ(Mitoxana))、IFNa2a(ロフェロン A)、メルファラン(アルケラン)、メタゾラストン(テモゾロマイド)、メトホルミン、ミトキサントロン(ノバントロン)、パクリタキセル、フェンホルミン、PKC412(ミドスタウリン)、PLX4032(ベムラフェニブ)、ポマリドミド(CC−4047)、プレドニゾン(デルタゾーン)、ラパマイシン、レブラミド(レナリドミド)、ルキソリチニブ(INCB018424)、ソラフェニブ(ネクサバール)、SU11248(スニチニブ)、SU11274、ビンブラスチン、ビンクリスチン(オンコビン)、ビノレルビン(ナベルビン)、ヴォリノスタット(SAHA)及びWP1130(デグラシン(Degrasyn))から選択される、発明52に記載の方法。
[発明54]
治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物を投与することを含む、良性軟組織腫瘍、骨腫瘍、脳脊髄腫瘍、眼瞼眼窩腫瘍、肉芽腫、脂肪腫、髄膜腫、多発性内分泌腺腫、鼻ポリープ、下垂体部腫瘍、プロラクチン産生腫瘍、偽脳腫瘍、脂漏性角化症、胃ポリープ、甲状腺結節、膵嚢胞性腫瘍、血管腫、声帯結節、ポリープ及び嚢胞、キャッスルマン病、慢性毛巣病、皮膚線維腫、毛嚢胞、化膿性肉芽腫、若年性ポリポーシス症候群、特発性肺線維症、腎線維症、術後狭窄、ケロイド形成、硬皮症ならびに心筋線維化から選択される、良性の増殖性または線維性の障害を治療する方法。
[発明55]
治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物を投与することを含む、ApoAIの転写及びタンパク質発現のアップレギュレーションから利益を得る疾患または障害を治療する方法。
[発明56]
前記疾患が、心血管性疾患、脂質異常症、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、メタボリックシンドローム及びアルツハイマー病である、発明55に記載の方法。
[発明57]
治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物を投与することを含む、代謝疾患または代謝障害を治療する方法。
[発明58]
前記代謝障害が、肥満関連炎症、2型糖尿病及びインスリン抵抗性から選択される、発明57に記載の方法。
[発明59]
治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物を投与することを含む、ウイルスに関連する癌を治療する方法。
[発明60]
前記ウイルスが、エプスタインバーウイルス(EBV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、カポジ肉腫関連ウイルス(KSHV)、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、メルケル細胞ポリオーマウイルス及びヒトサイトメガロウイルス(CMV)から選択される、発明59に記載の方法。
[発明61]
治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物を、単独でまたは抗レトロウイルス治療法と組み合わせて、投与することを含む、HIV感染症を治療する方法。
[発明62]
治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物を投与することを含む、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、双極性障害、統合失調症、ルビンシュタイン−テイビ症候群及びてんかんから選択される疾患または障害を治療する方法。
[発明63]
治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物を投与することを含む、男性用避妊の方法。
[発明64]
発明36〜63のいずれか一項に記載の治療のための方法で使用される医薬品の製造のための、治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物の使用。
[発明65]
BETタンパク質機能の阻害によるBETに関連する疾患または病態の治療のための、治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物の使用。
[発明66]
BETタンパク質に関連する自己免疫性障害または炎症性障害を治療する方法における、治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物の使用。
[発明67]
前記自己免疫性障害または炎症性障害が、急性散在性脳脊髄炎、無ガンマグロブリン血症、アレルギー性疾患、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患、自己免疫性心筋炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性血小板減少性紫斑病、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、キャッスルマン病、セリアック病、チャーグ−ストラウス症候群、クローン病、コーガン症候群、ドライアイ症候群、本態性混合型クリオグロブリン血症、皮膚筋炎、デビック病、脳炎、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、巨細胞性動脈炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、多発血管性肉芽腫症(ウェゲナー肉芽腫症)、グレーブス病、ギラン−バレー症候群、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ−シェーンライン紫斑病、特発性肺線維症、IgA腎症、封入体筋炎、1型糖尿病、間質性膀胱炎、川崎病、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、狼瘡(SLE)、顕微鏡的多発血管炎、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、視神経炎、天疱瘡、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、原発性胆汁性肝硬変、乾癬、乾癬性関節炎、壊疽性膿皮症、再発性多発性軟骨炎、関節リウマチ、サルコイドーシス、硬皮症、シェーグレン症候群、高安動脈炎、横断性脊髄炎、潰瘍性大腸炎、ぶどう膜炎及び白斑から選択される、発明66に記載の使用。
[発明68]
IL−6及び/またはIL−17の異常調節によって特徴づけられる急性または慢性の非自己免疫性炎症性障害の治療のための、治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物の使用。
[発明69]
前記急性または慢性の非自己免疫性炎症性障害が、副鼻腔炎、肺炎、骨髄炎、胃炎、腸炎、歯肉炎、虫垂炎、過敏性大腸症候群、組織移植片拒絶、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、敗血性ショック、骨関節炎、急性痛風、急性肺傷害、急性腎不全、熱傷、ヘルクスハイマー反応、及びウイルス感染に関連するSIRSから選択される、発明68に記載の使用。
[発明70]
前記急性または慢性の非自己免疫性炎症性障害が、関節リウマチ(RA)及び多発性硬化症(MS)から選択される、発明68に記載の使用。
[発明71]
BET阻害に感受性のあるmycファミリー癌タンパク質の過剰発現、転座、増幅または再構成に関連する癌の治療のための、治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物の使用。
[発明72]
前記癌が、急性Bリンパ性白血病、バーキットリンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、多発性骨髄腫、原発性プラズマ細胞性白血病、変則的なカルチノイド肺癌、膀胱癌、乳癌、子宮癌、結腸癌、胃癌、神経膠芽腫、肝細胞癌、大型細胞神経内分泌腫瘍、髄芽細胞腫、結節型黒色腫、表在拡大型黒色腫、神経芽細胞腫、食道扁平上皮癌、骨肉腫、卵巣癌、前立腺癌、腎明細胞癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫及び小細胞肺癌から選択される、発明71に記載の使用。
[発明73]
BETタンパク質の過剰発現、転座、増幅または再構成に関連する癌の治療のための、治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物の使用。
[発明74]
前記癌が、NUT正中線癌、B細胞リンパ腫、非小細胞肺癌、食道癌、頭頸部扁平上皮癌及び結腸癌から選択される、発明73に記載の使用。
[発明75]
癌遺伝子を調節するのにpTEFb(Cdk9/サイクリンT)及びBETタンパク質に依存する癌の治療のための、発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物の治療法上効果的な量または発明35に記載の医薬組成物の使用。
[発明76]
前記癌が、慢性リンパ球性白血病及び多発性骨髄腫、濾胞性リンパ腫、胚中心表現型を備えたびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫及び活性化未分化大細胞リンパ腫、神経芽細胞腫及び原発性神経外胚葉性腫瘍、横紋筋肉腫、前立腺癌、ならびに乳癌から選択される、発明75に記載の使用。
[発明77]
BET応答性遺伝子CDK6、Bcl2、TYRO3、MYB及びhTERTのアップレギュレーションに関連する癌の治療のための、治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物の使用。
[発明78]
前記癌が、膵臓癌、乳癌、結腸癌、神経膠芽腫、腺様嚢胞癌、T細胞前リンパ球性白血病、悪性神経膠腫、膀胱癌、髄芽細胞腫、甲状腺癌、黒色腫、多発性骨髄腫、バレット腺癌、肝臓癌、前立腺癌、前骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、小細胞肺癌及び腎癌から選択される、発明77に記載の使用。
[発明79]
BET阻害の効果に感受性のある癌の治療のための、治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物の使用。
[発明80]
前記癌が、NUT正中線癌(NMV)、急性骨髄白血病(AML)、急性Bリンパ芽球性白血病(B−ALL)、バーキットリンパ腫、B細胞リンパ腫、黒色腫、混合系統白血病、多発性骨髄腫、前骨髄性白血病(PML)、非ホジキンリンパ腫、神経芽細胞腫、髄芽細胞腫、肺癌(NSCLC、SCLC)及び結腸癌から選択される、発明79に記載の使用。
[発明81]
発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物が、他の治療法、化学療法剤または抗増殖剤と組み合わせられる、発明65〜80のいずれか一項に記載の使用。
[発明82]
前記治療剤が、ABT−737、アザシチジン(ビダーザ)、AZD1152(バラセルチブ(Barasertib))、AZD2281(オラパリブ)、AZD6244(セルメチニブ)、BEZ235、硫酸ブレオマイシン、ボルテゾミブ(ベルケイド)、ブスルファン(ミレラン)、カンプトセシン、シスプラチン、シクロフォスファミド(クラフェン(Clafen))、CYT387、サイトシンアラビノサイド(アラC)、ダカルバジン、DAPT(GSI−IX)、デシタビン、デキサメタゾン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エトポシド、エベロリムス(RAD001)、フラボピリドール(アルボシジブ)、ガネテスピブ(STA−9090)、ゲフィチニブ(イレッサ)、イダルビシン、イフォスファミド(ミトキサナ(Mitoxana))、IFNa2a(ロフェロンA)、メルファラン(アルケラン)、メタゾラストン(テモゾロマイド)、メトホルミン、ミトキサントロン(ノバントロン)、パクリタキセル、フェンホルミン、PKC412(ミドスタウリン)、PLX4032(ベムラフェニブ)、ポマリドミド(CC−4047)、プレドニゾン(デルタゾーン)、ラパマイシン、レブラミド(レナリドミド)、ルキソリチニブ(INCB018424)、ソラフェニブ(ネクサバール)、SU11248(スニチニブ)、SU11274、ビンブラスチン、ビンクリスチン(オンコビン)、ビノレルビン(ナベルビン)、ヴォリノスタット(SAHA)及びWP1130(デグラシン(Degrasyn))から選択される、発明81に記載の使用。
[発明83]
良性軟組織腫瘍、骨腫瘍、脳脊髄腫瘍、眼瞼眼窩腫瘍、肉芽腫、脂肪腫、髄膜腫、多発性内分泌腺腫、鼻ポリープ、下垂体部腫瘍、プロラクチン産生腫瘍、偽脳腫瘍、脂漏性角化症、胃ポリープ、甲状腺結節、膵嚢胞性腫瘍、血管腫、声帯結節、ポリープ及び嚢胞、キャッスルマン病、慢性毛巣病、皮膚線維腫、毛嚢胞、化膿性肉芽腫、若年性ポリポーシス症候群、特発性肺線維症、腎線維症、術後狭窄、ケロイド形成、硬皮症ならびに心筋線維化からなる群から選択される、良性の増殖性または線維性の障害を治療するための、治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物の使用。
[発明84]
ApoA1の転写及びタンパク質発現のアップレギュレーションから利益を得る疾患または障害の治療のための、治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物の使用。
[発明85]
前記疾患が、心血管性疾患、脂質異常症、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、メタボリックシンドローム及びアルツハイマー病である、発明84に記載の使用。
[発明86]
代謝疾患または障害の治療のための、治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物の使用。
[発明87]
前記代謝障害が、肥満関連炎症、2型糖尿病及びインスリン抵抗性から選択される、発明86に記載の使用。
[発明88]
ウイルスに関連する癌の治療のための、治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物の使用。
[発明89]
前記ウイルスが、エプスタインバーウイルス(EBV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、カポジ肉腫関連ウイルス(KSHV)、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、メルケル細胞ポリオーマウイルス及びヒトサイトメガロウイルス(CMV)から選択される、発明88に記載の使用。
[発明90]
治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物の、単独のまたはHIV感染症の治療のための抗レトロウイルス治療法と組み合わせた使用。
[発明91]
アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、双極性障害、統合失調症、ルビンシュタイン−テイビ症候群及びてんかんから選択される疾患または障害の治療のための、治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物の使用。
[発明92]
男性用避妊のための、治療法上効果的な量の発明1〜34のいずれか一項に記載の化合物または発明35に記載の医薬組成物の使用。