特許第6542227号(P6542227)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6542227LED蛍光体パッケージ用の反射性はんだマスク層
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6542227
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】LED蛍光体パッケージ用の反射性はんだマスク層
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20190628BHJP
   H01L 33/60 20100101ALI20190628BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20190628BHJP
   H01L 23/02 20060101ALI20190628BHJP
【FI】
   H01L33/62
   H01L33/60
   H01L33/50
   H01L23/02 F
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-540036(P2016-540036)
(86)(22)【出願日】2014年11月26日
(65)【公表番号】特表2017-501578(P2017-501578A)
(43)【公表日】2017年1月12日
(86)【国際出願番号】IB2014066349
(87)【国際公開番号】WO2015092579
(87)【国際公開日】20150625
【審査請求日】2017年11月24日
(31)【優先権主張番号】61/917,421
(32)【優先日】2013年12月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517152128
【氏名又は名称】ルミレッズ ホールディング ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ロン,イーウェン
(72)【発明者】
【氏名】ディアナ,フレデリック ステファーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ジュ,ティン
(72)【発明者】
【氏名】グース,グレゴリー
【審査官】 百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−243846(JP,A)
【文献】 特開2012−227293(JP,A)
【文献】 特開2012−089357(JP,A)
【文献】 特表2008−505508(JP,A)
【文献】 特開2012−174808(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0328070(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/001686(WO,A1)
【文献】 特開2012−142540(JP,A)
【文献】 特開2013−135084(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
H01L 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの金属ボンドパッドが形成された発光ダイオード(LED)ダイと、
少なくとも1つの他の金属ボンドパッドを画成するパターン形成された金属層を有するマウント基板と、
前記マウント基板上に配置されたはんだマスク層であり、当該はんだマスク層は、前記少なくとも1つの他の金属ボンドパッドの少なくとも一部を露出させる少なくとも1つの開口を有し、且つ堆積される溶融はんだを前記少なくとも1つの開口に制限当該はんだマスク層は、ソルダーレジスト層と、該ソルダーレジスト層上に該ソルダーレジスト層と同じパターンで形成された、可視光の少なくとも90%を反射する反射材料層とを含む、はんだマスク層と、
前記LEDダイの前記少なくとも1つの金属ボンドパッドが、前記少なくとも1つの他の金属ボンドパッドにはんだ付けされ、且つ前記はんだマスク層が、前記LEDダイを取り囲んで光を反射するように、前記LEDダイの前記少なくとも1つの金属ボンドパッドと接触して前記はんだマスク層の前記少なくとも1つの開口内に配置されたはんだと、
を有する発光デバイス。
【請求項2】
前記LEDダイは、サブマウント上にマウントされたLED半導体層を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記はんだマスク層に取り付けられ、且つ、前記LEDダイの高さよりも高く延在して前記LEDダイを取り囲む反射性の内壁を有した、プリフォームされたリングと、
前記LEDダイと前記はんだマスク層の一部とを覆うように、前記リングを少なくとも部分的に充たす波長変換層であり、蛍光体を有する波長変換層と、
を更に有する請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記はんだマスク層に取り付けられ、且つ、前記LEDダイの高さよりも高く延在して前記LEDダイを取り囲む反射性の内壁を有した、プリフォームされたリングと、
前記LEDダイと前記はんだマスク層の一部とを覆うように、前記リングを少なくとも部分的に充たす波長変換層であり、量子ドットを有する波長変換層と、
を更に有する請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
反射性の前記リングは、前記波長変換層用の金型として機能する、請求項3に記載のデバイス。
【請求項6】
前記LEDダイから前記波長変換層を離隔させる、前記LEDダイを覆ったレンズ、を更に有する請求項3乃至5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記反射材料は白色塗料を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記反射材料は、バインダ内の反射粒子を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
当該デバイスは更に、付随する金属ボンドパッドを持つ複数の他のLEDダイを有し、
前記マウント基板上の前記パターン形成された金属層は、前記複数の他のLEDダイの前記金属ボンドパッドに対応する複数の金属ボンドパッドを画成し、
前記はんだマスク層は、前記複数の他のLEDダイの前記金属ボンドパッドに対応する前記マウント基板の前記複数の金属ボンドパッドの各々の少なくとも一部を露出させる複数の開口を有し、且つ
前記複数の他のLEDダイの前記金属ボンドパッドは、前記複数の他のLEDダイの前記金属ボンドパッドに対応する前記マウント基板の前記複数の金属ボンドパッドの前記露出された少なくとも一部に接合され、前記はんだマスク層が、前記複数の他のLEDダイの各々を取り囲む、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記パターン形成された金属層は、前記LEDダイと前記複数の他のLEDダイとを相互接続するとともに、前記はんだマスク層によって覆われている、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
発光構造を形成する方法であって、
複数の金属ボンドパッドを画成するパターン形成された金属層を有するマウント基板を用意し、
前記マウント基板にはんだマスク層を堆積し、該はんだマスク層は、前記複数の金属ボンドパッドの各々の少なくとも一部を露出させる複数の開口を有し、且つ堆積される溶融はんだを前記複数の開口に制限し、該はんだマスク層を堆積することは、マスクパターンを用いてソルダーレジスト層を形成し、それに続いて、前記マスクパターンを用いて前記ソルダーレジスト層上に、可視光の少なくとも90%を反射する反射材料層を形成することを含み、
前記はんだマスク層内の前記複数の開口を充たすように溶融はんだを与えることによって、結合される複数の発光ダイオード(LED)ダイの底部金属ボンドパッドを、前記マウント基板の前記複数の金属ボンドパッドの各々の前記露出された少なくとも一部に接合することで、前記はんだマスク層が前記複数のLEDダイの各々を取り囲んで光を反射するようにする、
ことを有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光体変換式発光ダイオード(phosphor-converted light emitting diode;pcLED)のパッケージに関し、特に、光取り出しを高めるパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
高輝度用途では、LEDダイのアレイを基板上にマウントすることが一般的であり、基板は、LEDダイ同士を相互接続するとともに電源への接続のためにアノード電極及びカソード電極につながる金属配線を有する。LEDダイがGaN系であって青色光を放出することが一般的であり、その場合、全てのLEDダイを覆って蛍光体(例えば、YAG蛍光体)が配設される。蛍光体を通して漏れる青色光と黄緑色の蛍光体光との組み合わせが白色光を作り出す。
【0003】
LEDダイからの一部の光、及び蛍光体からの一部の光は、下向きに放たれて基板によって部分的に吸収される。さらに、個々のLEDダイがまたサブマウント(典型的に、LEDダイよりも遥かに大きい)上にマウントされ、且つサブマウント電極が基板に接合される場合、サブマウント表面もLED光及び蛍光体光の一部を吸収する。このような基板及びサブマウントによる吸収は、モジュールの全体効率を低下させる。
【0004】
必要とされるのは、より多くの光がパッケージによって放出されることをもたらす蛍光体変換式LEDのパッケージング技術である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一例において、開始基板が、熱をシンクするためのアルミニウムを有する。基板の頂面を覆って、薄い誘電体層が形成され、誘電体層の上で、金属配線がパターン形成される。金属配線は、複数のLEDダイ用の小面積のはんだパッドと、それよりも大きい、モジュール用のアノード電極及びカソード電極(はんだパッドとも称する)と、LEDダイと電極との間の相互接続とを画成する。
【0006】
一実施形態において、スクリーン印刷を用いて、基板の上にはんだマスク(ソルダーレジスト)が堆積される。はんだマスクは、様々な電極及びLEDダイはんだパッドを露出させる開口を有する誘電体を配設する。この誘電体は、例えば、衝突する光の散乱及び反射をもたらすTiO、ZiO、VO、又はその他の好適な反射粒子を含んだバインダなど、高度に反射性の材料である。この反射材料は、約94%よりも高い反射率を有した、積分球で使用されるのと同じ白色塗料であってもよい。
【0007】
次に、露出されたはんだパッドに、LEDダイ電極がはんだ付けされる。はんだマスク開口は、LEDダイの周縁が反射材料と揃うかオーバーハングするかであるように十分に小さくすることができ、その結果、LEDダイからの下向きの光が反射材料によって反射されることになる。
【0008】
そして、LEDダイのアレイを取り囲むように、縦方向の壁を形成する反射リングが基板に取り付けられる。
【0009】
そして、LEDダイを封入して、LEDダイから放出された光を波長変換するように、リングの内側に蛍光体が堆積される(このリングが金型としても使用される)。蛍光体はまた、LEDダイから熱を奪うように作用する。一実施形態において、LEDダイは青色光を放ち、この青色光と蛍光体光との足し合わせが白色光を作り出す。
【0010】
LEDダイは、サブマウントを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。サブマウントは典型的に、ハンドリングを容易にし、機械的強度を追加し、且つ/或いは回路基板へのはんだ付けのために堅牢且つ単純な電極を提供するために使用される。このようなサブマウントが使用される場合、サブマウントは、LED半導体層からの下向きの光を妨害しないよう、できるだけ小さくされる。
【0011】
光取り出しを向上させるために、蛍光体の堆積に先立って、ドーム状のレンズがLEDダイを覆って成形されてもよい。
【0012】
反射性のはんだマスクは、更なる工程を追加しないにもかかわらず、LEDモジュールの効率を大いに向上させる。
【0013】
その他の実施形態も記載される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】従来技術のLEDダイの断面図である。
図2】最小面積サブマウント上にマウントされたLEDダイの断面図である。
図3】電極パターンを示すLEDダイ又はサブマウントの底面図である。
図4】誘電体層とパターン形成された金属層とを有するアルミニウム基板の上面図である。
図5】はんだパッドを露出させる反射性はんだマスクの堆積後の図4の基板を例示している。
図6】はんだパッドにLEDダイがはんだ付けされた後の図5の基板を例示している。
図7】オプションのレンズを有する2つのLEDを示す図5の基板の一部の、図5の直線7−7に沿った、拡大断面図である。
図8】LEDダイのアレイの周囲に反射リングが取り付けられた後の図6の基板の上面図である。
図9】リングが封入蛍光体ミクスチャで少なくとも部分的に充填されることを例示する図8の基板の一部の、図8の直線9−9に沿った、拡大断面図である。 同じ又は同様である要素には同じ参照符号を付している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、従来のLEDダイ12を例示している。これらの例ではフリップチップダイが示されるが、本発明は、縦型LEDダイ、横型LEDダイなどを含め、如何なるタイプのLEDダイにも適用可能である。
【0016】
LEDダイ12は、p層16に結合された底部アノード電極14と、導電体22によってn層20に結合された底部カソード電極18とを含んでおり、導電体22は、p層16及び活性層24内の、誘電体で覆われた、エッチングされた開口を充填している。電極構成は、もっと複雑であってもよく、LEDダイ12にわたるいっそう良好な電流スプレッディングのために分布された電極を含んでいてもよい。活性層24は、或るピーク波長を持つ光を生成する。一例において、ピーク波長は青色波長であり、層16、20及び24はGaN系である。
【0017】
層16、20及び24は、例えばサファイアなどの基板26の上にエピタキシャル成長される。他の例では、成長基板は、除去されて、接着剤により又はその他の技術により半導体層に取り付けられる透明支持基板によって置き換えられてもよい。他の例では、薄いLED半導体層のハンドリングがいっそう難しくなるが、支持基板は存在しない。
【0018】
図2に示すように、LEDダイ12は、場合により、ハンドリングの容易さのため、機械的支持のため、ヒートシンク作用のため、及び印刷回路基板上へのマウントのための電極構造を単純化するために、サブマウント28上にマウントされ得る。サブマウント28は、熱伝導体30と、底部電極32及び34と、底部電極32/34をLEDダイ電極14/18に接続するビア36及び37とを含んでいる。LEDダイ電極14/18をビア36/37に接続するために、サブマウント表面上の更なるパッド(図示せず)が使用される。典型的なサブマウントは、上述の機能を遂行するためにLEDダイ12よりも遥かに大きい。しかしながら、本発明の好適実施形態においては、サブマウントを使用するとき、サブマウント表面による光吸収を最小化するために、サブマウントを典型サイズよりも遥かに小さくすることが望ましい。一実施形態において、成長基板26は、LEDダイ12がサブマウント28上にマウントされた後に除去される。
【0019】
用語“LEDダイ”は、以下では、ベアチップ(例えば、図1)又はサブマウント上にマウントされたチップ(例えば、図2)の何れかを言う。
【0020】
図3は、LEDダイ12又はサブマウント28の何れかについての取り得る底部電極構成を例示している。
【0021】
以降の図においては、サブマウントは使用されないと仮定する。しかしながら、LEDダイ/サブマウントが、以降の図中のベアのLEDダイ12の代わりに用いられてもよい。
【0022】
図4は、LEDダイ12のアレイ用の基板40の上面図である。図7が、基板40の断面図を示している。基板40は、ヒートシンク作用のための、アルミニウム又は合金で形成された本体41を含み得る。基板40は、例えば矩形や円形など、如何なる形状を有していてもよい。基板40の長さ又は直径は、それが支持するLEDダイの個数に依存し、典型的に、1cmから4cmまでの範囲内である。基板40は典型的に、ハンドリングを単純化するとともに処理を速めるために、後に個片化のために切断される狭い接続部によって、基板のアレイに接続されている。
【0023】
電気絶縁のために、本体41を覆って非導電性の誘電体層42(図7)が形成される。
【0024】
アレイ内のLEDダイ12の各々のための小さいはんだパッド群44A、44B、44C、及び44Dを画成するように、及びアレイのアノード電極及びカソード電極のための大きめのはんだパッド46及び48を画成するように、例えば銅などの、パターン形成された金属層が誘電体層42の上に形成される。はんだパッド群44A−Dは、1つ以上のヒートシンク接続を含み得る。この金属層はまた、LEDダイ12と電極46及び48との間の相互接続50を形成する。この例では、4つのLEDダイ12が直列及び並列に接続されるのみである。他の実施形態において、所望の電気特性及び光束(フラックス)を達成するように、より多数又は少数のLEDダイ12が直列及び/又は並列に相互接続され得る。
【0025】
関係する従来技術のLEDモジュールに伴う1つの問題は、下向きに放たれるLED光のうちの有意な部分がマウント表面によって吸収されることである。基板による殆どの吸収は、各LEDダイ12の付近で発生する。何故なら、そこが、光が最も明るいところだからである。本発明は、このような吸収を最小化する。
【0026】
図5にて、はんだが設けられることになるところを除く全ての箇所で、基板40の上に、白色(拡散)塗料52がスクリーン印刷される。図7は、図5の直線7−7に沿った不連続な断面であり、塗料52を断面にて示している。スクリーンは、はんだパッド群44A、44B、44C、及び44Dの上への白色塗料52の堆積を阻止するようにパターン形成されたメッシュである。白色塗料52は、その後に硬化される粘性のある誘電体である。従って、白色塗料52は、従来のはんだマスクを置き換えるものであり、追加工程は必要ない。はんだマスクは、基板40の上に流れる溶融はんだなどの、堆積されるはんだを、マスクによって露出された領域に制限する。
【0027】
拡散白色塗料の例は、TiO、ZiO、VOの粒子又はその他の好適な反射散乱粒子を注入されたバインダ(例えばシリコーンなど)を含む。
【0028】
他の一実施形態において、白色塗料は、マスクとともに、噴射、スプレイ塗布、蒸着を用いたフォトリソグラフィプロセス、又はその他の技術によって設けられる。
【0029】
商業的に入手可能な白色塗料は、可視波長に関して94%反射よりも高く、時々、光測定のために積分球で使用されている。白色塗料52の材料は、熱伝導性であるべきである。好ましくは、白色塗料52の反射率は、可視光に関して少なくとも90%である。
【0030】
白色塗料52をはんだマスクとして適用することにより、反射材料がLEDダイ12のエッジまで、そして更にはLEDダイ12の下の電極間まで延在することが確保される。従って、白色塗料52は、追加されるプロセス工程なしで、基板の反射表面積を最大化し、塗布されるはんだを、はんだマスクによって露出された領域のみに制限し、また、金属配線に対する腐食バリアとして作用し、故に、発明プロセスに相乗効果が存在する。
【0031】
他の一実施形態において、基板40の十分な保護のため及びコストを低減するために従来のはんだマスク材料が望ましい場合に、従来のはんだマスク材料(例えば、非LED回路基板に使用される)が基板40上に直接塗布され、それに続いて、白色塗料52の堆積(同一のマスクパターンを用いる)が行われる。そのような場合、白色塗料52は、高強度の青色光又はUV光による劣化からはんだマスク材料を保護する。
【0032】
濡れのための様々なはんだパッドに、はんだ54(図7)が設けられる。はんだ54は、スクリーン印刷され、あるいははんだマスクを用いて塗布され、あるいはその他の従来手法にて設けられ得る。はんだ54は、はんだペーストとし得る。
【0033】
図6にて、加熱プロセスを用いて、基板のはんだパッドにLEDダイ12の電極(又はサブマウント電極)がはんだ付けされる。図示のように、白色塗料52とLEDダイ12のエッジとの間に隙間は存在しない。仮にLEDダイが縦型LEDダイである場合には、底部電極のみが基板のはんだパッドのうちの1つに直接はんだ付けされることになり、頂部電極は別の1つのはんだパッドにワイヤボンディングされることになる。仮にLEDダイが横型LEDダイである場合には、底部の熱パッドが基板のはんだパッドのうちの1つにはんだ付けされることになり、双方の頂部電極は関連付けられたはんだパッドにワイヤボンディングされることになる。実質的にあらゆるLEDダイにおいて、電気的且つ/或いは熱的なパッドとして機能する少なくとも1つの底部金属ボンドパッドが存在している。
【0034】
他の一実施形態において、はんだは使用されない。その代わりに、接合は、超音波溶接によるもの、伝導性接着剤(電気的且つ熱的伝導性)によるもの、又はその他の技術を用いるものとし得る。そのような場合、“はんだマスク”は、好ましい名称で呼ばれることになるが、なおも、LEDダイの底部金属ボンドパッドが接合されることになる基板40上の領域を画成するものであり、露出される領域は近似的にLEDダイのサイズとなる。
【0035】
図7は、横方向のLEDダイ12のうちの2つを横切って切断する図5の直線7−7に沿った、基板40の一部の圧縮・拡大した断面図である。LEDダイ電極をはんだパッド群44A及び44Dに接続するはんだ54が示されている。
【0036】
オプションで、向上された光取り出し及びLEDダイ12の保護のために、LEDダイ12の上にドーム状レンズ58が成形され得る。他の一実施形態において、LEDダイ12は、サブマウントあり又はなしで、はんだ付けに先立ってドーム状レンズに包囲され得る。
【0037】
図8にて、LEDダイ12のアレイを取り囲んで、反射リング60が基板40の表面に取り付けられる。リング60は、反射金属であってもよいし、反射層で被覆された材料であってもよい。リング60は、シリコーン又はエポキシで取り付けられ得る。
【0038】
図9は、横方向のLEDダイ12のうちの2つ及びリング60を横切って切断する図8の直線9−9に沿った、基板40の一部の圧縮・拡大した断面図であり、リング60の壁が、LEDダイ12の頂部より上まで延在して光を反射して混合する。
【0039】
これまた図9に示すように、粘性のある蛍光体ミクスチャ62が、金型として作用するリング60の内側に堆積されて硬化される。蛍光体ミクスチャ62は、シリコーンと蛍光体粒子との混合物とし得る。例えば、シリンジを用いることにより、スクリーン印刷により、プリフォームされた錠剤をリング内に位置付け、次いでそれが溶融されることによりなど、蛍光体ミクスチャ62を堆積するための数多くの手法が想定される。蛍光体ミクスチャ62は、追加の保護のためにLEDダイ12を封入する。
【0040】
青色光リークと蛍光体変換との所望の組み合わせを達成するために、蛍光体ミクスチャ62の厚さと蛍光体粒子密度とが制御される。蛍光体は、所望色の放出を達成するように、単一の蛍光体(例えば、YAG)であってもよいし、複数の蛍光体(例えば、YAG及び赤、又は緑及び赤、等々)の組み合わせであってもよい。
【0041】
好ましくは、高屈折率のGaNから低屈折率の空気まで全反射(total internal reflection;TIR)を最小化する伝送を提供するように、様々な層の屈折率が選定される。
【0042】
蛍光体ミクスチャ62の下の基板40の反射面が、下向きに放たれた全ての蛍光体光のうちの94%よりも多くを反射して戻す。
【0043】
如何なる数のLEDダイ12が基板40上にマウントされてもよく、リング60の直径は、それらLEDダイ12を取り囲むのに必要な直径であって、それに従って調節され得る。所望の光束を達成するために、如何なる数の結果基板40がシステムに接続されてもよい。一実施形態において、得られた構造は白色光を放つ。異なるLEDダイ及び蛍光体を選択することにより、その他の発光色も可能である。蛍光体ミクスチャ62の代わりに量子ドット材料が用いられてもよい。
【0044】
本発明を用いることにより、典型的に、10%よりも高い効率向上が達成される。
【0045】
本発明の特定の実施形態を図示して説明したが、当業者に明らかなように、より広い観点での本発明を逸脱することなく変形及び変更が為され得るのであり、故に、添付の請求項は、その範囲内に、本発明の真の精神及び範囲に入るそのような変形及び変更の全てを包含するものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9