(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6542280
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】自律型データ収集のためのネットワークシステム
(51)【国際特許分類】
B64F 5/40 20170101AFI20190628BHJP
B64D 47/00 20060101ALI20190628BHJP
B64D 11/00 20060101ALI20190628BHJP
B64D 25/00 20060101ALI20190628BHJP
G06Q 50/30 20120101ALI20190628BHJP
B65G 1/137 20060101ALN20190628BHJP
【FI】
B64F5/40
B64D47/00
B64D11/00
B64D25/00
G06Q50/30
!B65G1/137 Z
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-41839(P2017-41839)
(22)【出願日】2017年3月6日
(65)【公開番号】特開2017-159899(P2017-159899A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2018年5月22日
(31)【優先権主張番号】62/304,427
(32)【優先日】2016年3月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/427,131
(32)【優先日】2017年2月8日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517077810
【氏名又は名称】アストロニクス アドバンスド エレクトロニック システムズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー エー.ジュパー
【審査官】
伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】
特表2013−512824(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0078869(US,A1)
【文献】
特表2012−518305(JP,A)
【文献】
特開2011−022650(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0002278(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0251640(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0068171(US,A1)
【文献】
特開2006−293707(JP,A)
【文献】
特表2009−516830(JP,A)
【文献】
特開2005−104732(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 11/00
B64D 25/00
B64D 47/00
B64F 5/40
G06Q 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物上の複数の資産の状況を監視して報告するためのシステムであって、
1つの資産と通信するセンサであって、当該資産の状態を監視する効力のあるセンサと、
前記資産に貼られ、当該資産および前記センサと通信するRFIDタグであって、デジタル式に記憶された前記資産の特定のデータを含むRFIDタグと、
前記乗物に搭載され、複数のRFIDタグのそれぞれが少なくとも1つのRFIDリーダとの通信範囲内にあるように位置付けられた複数のRFIDリーダと、
情報を前記複数のRFIDリーダからデータ収集システムにデジタル式に伝送する効力のあるデータ配送システムであって、前記情報が前記資産の特定のデータとセンサによる資産の状態のデータの両方を含む、データ配送システムと、
前記データ収集システムと通信システムとの間に配置された安全なインターフェースと、
前記情報をフライト乗務員、地上要員、およびディスプレイのうちの1以上に伝送する効力のある前記通信システムと、を含む、システム。
【請求項2】
前記センサが、懐中電灯の充電、酸素ボンベ圧力、消火器圧力、および収納棚の容量からなる群から選択される状態を測定する効力があることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記センサが、前記収納棚の容量を測定し、前記ディスプレイが、前記乗物上に搭載される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記センサが、前記収納棚の容量を測定し、前記ディスプレイが、乗客の個人電子装置内に含まれる、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記センサは近接センサである、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記RFIDタグのうちの少なくとも1つが、アクティブタグである、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記アクティブタグが、エネルギー採取器に接続される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
エネルギー貯蔵システムを更に含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記エネルギー貯蔵システムが、再充電可能電池およびキャパシタからなる群から選択される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記資産は非常用器具である、請求項1乃至9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
前記非常用器具は、懐中電灯、酸素ボンベ、消火器のいずれかであり、前記センサは、電池の充電、酸素圧力、消火器圧力のそれぞれいずれかを測定する、請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願の相互参照
本特許出願は、2016年3月7日に出願され、「Network System for Autonomous Data Collection」と題された、米国仮特許出願第62/304,427号の出願日の利益を主張する非仮特許出願である。米国仮特許出願第62/304,427号の開示は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
無線識別(RFID:Radio−frequency−identification)は、電磁場を使用して、物体に取り付けられたタグを識別および追跡する。タグは、物体に取り付けられるラベルであり、物体に特有のデータを含む。タグは、通常、情報を記憶および処理するための集積回路と、電波信号を隣接するRFIDリーダから送受信するためのアンテナと、を含む。パッシブ(Passive)タグとアクティブ(Active)タグの両方が存在する。パッシブタグは、隣接するRFIDリーダの電波からエネルギーを収集する。アクティブタグは、局所電力を有し、最も近いRFIDリーダから、最大数百メートルまでの、かなりの距離において動作し得る。
【0003】
先行技術のRFIDタグシステムは、タグを作動させ、情報を集め、およびその情報をリーダから別個のシステムにダウンロードするために、典型的には手持ち式の、RFIDリーダを要求する。航空機に関する情報のチェックは、典型的には、航空機の整備/サービスの間と、フライト間の航空機のターンアラウンドの間に、定期的に行われる。RFIDタグは、現在、クリティカルなシステム、例えば、酸素ボンベ、救命胴衣、救命ボート、および有効期限を有する他の安全器具などを監視するために使用される。既存のシステムによってカバーされていない航空機の運航またはフライトを防ぐ航空機に対する多くの他のシステムおよび構成要素が存在する。
【0004】
Boomgaarden et al.による「Configuration and Monitoring System for an Aircraft Cabin Element、Fuselage and Aircraft Comprising Said System and Method of Monitoring an Aircraft」と題された米国特許出願公開第2014/0002278号(US2014/0002278A1)は、複数のRFID装置および少なくとも1つの中継器を利用して航空機客室要素の状況を監視するためのシステムを開示する。米国特許出願公開第2014/0002278号(US2014/0002278A1)の開示は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0005】
航空機の座席占有率を監視するためのセンサが、Jouper et al.に対する、「Apparatus and Method to Monitor the Occupancy of Seating」と題された米国特許第9,302,781号に開示される。航空機上の利用可能な収納棚の容量を監視するためのセンサが、Jouper et al.による、「Apparatus and Method to Monitoring the Occupied Volume within a Fixed or Variable Volume」と題された、米国特許出願公開第2015/0241209号(US2015/0241209A1)に開示される。米国特許第9,302,781号および米国特許出願公開第2015/0241209号(US2015/0241209A1)の両方は、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国仮特許出願第62/304,427号
【特許文献2】米国特許出願公開第2014/0002278号
【特許文献3】米国特許第9,302,781号
【特許文献4】米国特許出願公開第2015/0241209号
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本明細書に開示されるシステムの概要を例示する。
【
図2】航空機上で使用される掲示の正面図を例示する。
【
図3】
図2の掲示の背面図を例示し、パッシブRFIDチップおよびチップ内に埋め込まれたアンテナを有するタグを図示する。
【
図4】
図2の掲示の背面図を例示し、エネルギー採取を用いるアクティブタグを図示する。
【
図5】積込み棚容量センサとして使用するためのタグおよびサブシステムを例示する。
【
図6】エネルギー採取を用いる小型棚2重センサシステムを例示する。
【
図7】最大6個までのセンサを小型棚2重センサに追加するためのセンサボード拡張器を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
主に航空機を対象とした乗物内の資産を監視し、分類し、報告するためのシステムが開示される。本システムは、低重量および高信頼性が要求される場合に有利である。電力システムに接続してセンサに電力付与することが困難または不可能である場合、本システムは、特に適している。しかしながら、多くの既存のRFIDタグ読取システムは、RFIDタグと通信して、タグ上に記憶された情報にアクセスするために、手持ち式リーダの使用を要求する。航空機の場合では、システムの自律型動作が、航空機乗務員の仕事の負担を減らすこと、連続的なデータを提供すること、および/または客室システム健全性を報告するために情報を定期的にデータ収集システムに報告することが望ましい。
【0009】
システムは、一連のセンサまたはノード、複数のRFIDタグ、近接場または無線通信機、データ収集システム、データ収集のための航空機へのインターフェース、およびデータを離れた航空機収集センターに送信する方法を含む。データ収集はまた、航空機上のデータ収集システムに無線で接続される手持ち式装置、例えば、タブレットまたは携帯電話などを通して達成され得る。
【0010】
必要な掲示、必要な装置、非常器具、不要な器具および装置等から、二地点間ネットワーク、メッシュネットワーク、または他の適用可能なネットワークを通して、いくらかの情報源から、自律的に、情報を収集して、このデータを処理のために自動収集システムに報告することができるシステムの必要性が存在する。
【0011】
追加的な情報、例えば、積込み棚容量センサ、乗客存在確認センサ、シートベルトセンサ、温度センサ、振動センサ、周辺光センサ、空気圧力センサ、乗客の電力使用情報などがまた、照明、乗客の荷積み、乗客の電力使用等についての決定を行うことを助けるために収集され得る。
【0012】
センサは、パッシブ(RFID)、またはアクティブ(エネルギー採取型または動力付き)のいずれかであり得る。エネルギー採取センサは、別の場合では不可能である場所におけるセンサの配置を可能にする。これらのセンサは、表面実装された掲示、例えば、シートベルトおよび禁煙のために使用されるものなどの中にあり得る。エネルギーは、背面照明および掲示の周りの周辺光からのみならず、RFエネルギー採取アンテナを配置することによって採取され得る。エネルギー採取アンテナは、RF源、例えば、これらのシステムを装備した航空機内の無線アクセスポイント(WAP)などから、周辺のRFエネルギーを捕らえて変換する。各センサは、数十マイクロワットのエネルギーを採取して、定期的にセンサに電力付与して、要求されるときに情報を送信する。採取される同じ無線システムは、センサからの情報のためのデータ経路を提供する。
【0013】
非常器具上のセンサは、エネルギーを振動、太陽光、またはRFから採取して、クリティカルなデータ、例えば、最後の点検日、装置の健全性(懐中電灯の充電、酸素ボンベ圧力、消火器圧力)などを伝送することができる。
【0014】
図1は、システムの一実施形態の概要である。航空機への設置が意図されるが、他の設置が、開示および特許請求の範囲内にある。航空機に関する機密データを保護することが望ましく、それゆえ、安全な加入者識別を用いる閉じたネットワークが好ましい。システムのバックボーンは、無線アクセスポイント(WAP)10、RFIDリーダ12、安全なWAP14、RFIDパッシブタグ16、エネルギー採取20を用いるRFIDアクティブタグ18、無線データインターフェース24を用いる無線給電エネルギー採取タグ22、およびノード間のイーサネットインターコネクト26またはノード間の無線接続のいずれかのデータ配送システムである。
【0015】
システムのデータ分配およびWAP部分は、航空機上に前もってデプロイされている。本システムは、RFID装置16、18にアクセスするために1つ以上のRFIDリーダ12を追加して、手持ち式装置およびユーザ介入の必要性を無くす。RFIDリーダは、データの収集およびRFIDリーダまたはWAPに物理的に結合されていないシステムへの分配のためにWAPに通信可能に結合される。
【0016】
パッシブRFID16またはエネルギー採取20を用いるアクティブRFIDタグ18のいずれかが、追跡される器具または装置上に設置される。環境上のRFエネルギー採取、太陽光、振動、熱、または他の適切な採取可能エネルギー源のためのエネルギー採取20を用いる、無線タグ22または近接場作動式タグが、タグに電力付与するために使用される。タグは、追跡を要する任意の装置に取り付けられ得る。タグはまた、パラメータまたは活動の検知が有益であり得るセンサノードに取り付けられ得る。検知から恩恵を受けるパラメータは、温度、シートベルト状況、積込み棚使用量等を含む。
【0017】
必要なRFIDリーダの数は、航空機のサイズおよびレイアウトに従って変動する。RFIDリーダのための典型的な範囲は、全方向において5メートルである。この距離は、見通し線が遮られないときに、自由大気中において2倍になる。狭胴型の航空機の場合、RFIDリーダの例示的な数は4である。リーダは、典型的には、データの無線転送のためにWAPに隣接して航空機の頭頂部内に位置する。これらのRFIDリーダは、航空機の電力またはWAP上の補助ポートのいずれかから電力付与される。WAPは、RFIDデータをRFIDリーダから航空機上のサーバに転送する。RFIDリーダとWAPとの間の通信は、システムにおいて利用可能な限り、有線または無線のいずれかであり得る。無線ネットワークは、隠されたSSID(サービスセット識別子)を含む。全データは、センサからRFIDリーダに、リーダからWAPに暗号化され、次いで、隠された暗号化SSIDを通してサーバに転送される。
【0018】
図2、3、および4は、タグまたは掲示の設置例である。
【0019】
図2は、フライトの喫煙状況32およびシートベルトが装着される必要があるかどうか34を知らせるために航空機上で使用される例示的な掲示30である。物体に特有の識別情報を含むRFID在荷調べタグが、掲示30に埋め込まれる。これらの在荷調べタグと関連付けられた装置の存在確認は、離陸の前に規制機関によって要求される。例えば、狭胴型の航空機上には、ほぼ500個のかかるタグが存在し、それらは、関連付けられた装置が存在することを確実にするように定期的にチェックするためにユーザの介入を要求する。本明細書に開示されるシステムは、タグに存在について能動的に問い合わせて、装置の数および種類を特定の航空機のために構成されたデータベースと比較することによって、タグを監視する。タグの数および種類は、航空機のプラットフォームに特有であってもよいし、またはユーザに特有であってもよい。比較のためのデータベースは、範囲内で予想されるタグの種類および数の知識を必要とする。
【0020】
図3は、
図2の掲示30の背面図である。
図3は、掲示30内に埋め込まれたパッシブRFIDチップ16およびアンテナ36を有するタグの一例を示す。このタグの1つの利点は、低コストおよび実装の簡単さである。RFIDチップ16は、航空機全体にわたって使用されるRFIDリーダによって電力付与され、各RFIDチップ16は、その部品番号をホストシステムに報告し戻す。システムは、タグの数およびタグのIDの報告をデータベース内の数と比較する。次いで、このデータは、コックピットまたは地上整備員への伝送のために、航空機上のデータ収集システムを通して転送される。あるいは、そのデータは、後のダウンロードのために航空機上にデジタル式に記憶される。本在荷調べデータ収集システムは、WAPおよびRFIDリーダが航空機に問い合わせるたびに不足している掲示を識別する。システムは、データ収集および分析が自律的に完了され得るので、人の介入を排除する。
【0021】
1つの例示的な在荷調べプロセスは、以下のステップを伴う。
a)フライトの終わりに、在荷調べのための呼出しが存在する。この呼出しは、自動時計によってまたは乗務員によって開始され得る。
b)WAPは、エリア毎または一斉のいずれかで、RFID読取りを開始する。
c)パッシブRFIDの場合、リーダは、RFIDタグがエネルギーを採取し、起動し、識別コードを送信し、次いで、エネルギーの次のパルスを待って、プロセスを繰り返すのに十分な強度の電場を作り出す。
d)RFIDが、ゾーンで読み取られ、そのエリア内の既知の装置と比較される。
i)データベースに基づいて存在をチェックし、および
ii)日付のある物の日付が、依然として使用可能な範囲内にあるかを確認する。
e)データをリーダからWAPに送信する。
f)変化が無い場合に、変化が無いことについての単一のメッセージを送信する。
g)最も小さい読取りからの変化について、必要とされる場合、メッセージを送信する。これらの変化は、日付けのある物質、応答への失敗、および不足している物を含み得る。
h)次のフライト時期または命令された在荷調べチェックを待つ。
【0022】
図4は、一実施形態では太陽光発電を利用する、エネルギー採取を用いるアクティブタグの例である。太陽電池40は、乗物からの背面照明が、マイクロコントローラ42に電力付与するために採取され得る場所に、戦略的に掲示16上に配置される。加えて、太陽電池40は、掲示16を通過した周辺光を変換してもよい。背面照射される掲示は、半透過性材料、例えば、白色ポリエステルなどからできており、光が、照明状況の視感度のために後方から前方に通り抜けることを可能にする。半透過性材料は、採取のために太陽電池40まで通る両方向における光透過を可能にする。
【0023】
マイクロコントローラ42が機能する目的のために、太陽電池40、電力制御部44、およびエネルギー貯蔵部46をサイズ変更することに特別の注意が払われる。一実施形態では、マイクロコントローラ42は、タグが存在する場合にのみ監視してもよい。代替の実施形態では、マイクロコントローラ42は、タグが、例えば、接着の失敗の場合などのように、その場所から離されておらず、別の場所に不注意に動かされていないことを確実にするために、ドップラー効果および複数の無線アンテナ48の使用を通して、航空機内でその場所を三角測量してもよい。
【0024】
図5および6は、アクティブタグに結合されたセンサの例、例えば、積込み棚50の容量センサ52などを例示する。積込み棚50の容量センサ52のシステムにおいて、アクティブタグは、複数の近接センサ52と電気通信するマイクロコントローラ42を含む。各近接センサ52は、センサ52から収納棚50内の物54までの距離を監視する。この距離は、データバスを通してマイクロコントローラ42に伝送され、そのマイクロコントローラ42で、その距離が、荷積みの前に取られた空の棚の読取りと比較される。次いで、マイクロコントローラ42は、棚50内に残っている相対容量を計算する。RFIDリーダは、定期的に、アクティブタグから残っている容量について無線機45を通してマイクロコントローラ42に問い合わせて、この情報をフライト乗務員または地上要員に伝送する。無線機45は、センサからRFIDリーダまたは他の実施形態では直接的にWAPへの通信を可能にする。無線機45は、RFIDリーダ、WAP、または他の無線通信バスに適合する任意の適切な周波数帯域で双方向に送受信する。情報はまた、棚が閉じた状態または閉じていない状態のいずれかで、棚の中に物を積み込もうとしている乗客に見えるディスプレイに伝送され得る。
【0025】
マイクロコントローラ42は、エネルギー採取装置40がエネルギー貯蔵装置46に供給することによって電力付与され、容量センサ52を動作させて、自律型動作を可能にする。
【0026】
一例として、太陽電池40は、太陽電池40の電圧を貯蔵装置の充電電圧まで上げるように動作される電力変換機44に接続され、小型コイン電池、シリコン電池46、スーパーキャパシタ、または他の適切な貯蔵装置内へのエネルギーの貯蔵を可能にする。収納棚センサ52は、乗客の最初の荷積みの間にのみアクティブであるので、エネルギー採取器が、動作使用のためにエネルギーを貯蔵する機会は数時間存在する。典型的な荷積み時間は、典型的な2時間のフライト時間で、10〜30分の範囲内にある。動作時間内で、容量センサ52は、毎分1回またはそれくらいで、ネットワークシステムによって問い合わされる。マイクロコントローラ42は、それが平均して10〜20マイクロアンペアの電流を消費するスリープモードから起動し、N個のセンサ52のそれぞれと通信し、利用可能な容量を計算し、そのデータを問い合わせしているシステムに送信し、次いで、スリープ状態に戻る。測定および通信のための時間は、典型的には、10ミリ秒よりも少ない。この期間中、マイクロコントローラ42およびセンサ52は、約50ミリアンペアのピーク電流を要求する。これは、動作時間の間に1%よりも少なく、かつ全体的に0.1%よりも少ないという、極めて低いデューティーサイクルであり、システムが、例えば、RF、太陽光、または振動などの多くの利用可能な源からエネルギーを採取することを可能にする。
【0027】
図7は、
図6の主センサボードに取り付けるための追加的なセンサボードを例示する。最大6個までのセンサボードが、設計例に取り付けられてもよい。
【0028】
図8Aおよび8Bは、収納棚センサのための回路例の概略図を例示する。マイクロコントローラ57は、シリアル通信バス65を通して多くの距離センサ60からデータを収集するように動作する。距離センサとの順次通信の後、データは、マイクロコントローラの不揮発性メモリ内に収集される。そのデータは、収納装置が空であるときに取られた距離データと比較される。変化率は、容量の消費率として計算される。次いで、マイクロコントローラ57は、外部WAPまたはRFIDリーダが、この収納棚センサに、消費された容量を報告することを命令するときに、このデータを無線機に伝送する。マイクロコントローラは、WAPまたはRFIDリーダへの無線リンク上での提示のために、データを無線にセットする。太陽光パネル59は、周辺光からエネルギーを採取し、このエネルギーをスーパーキャパシタ61内に貯蔵する。スーパーキャパシタ61内に貯蔵されたエネルギーは、DC−DCコンバータ62によって、マイクロコントローラ57および無線機63により使用される3.0VDCまで昇圧される。マイクロコントローラ操作コードが、インターフェース58を通してロードされる。他のセンサ64への接続が、
図6においてセンサボードを追加するために使用され、測定可能なセンサの数を増やす。センサの数は、棚の容量の動作カバレッジを実現するために要求される数に限定される。細長い棚は、8個ものセンサまたはそれ以上を要求し得るが、より四角い棚は、4個のみを要求し得る。その他は、2個のセンサのみを要求してもよい。サポートされるセンサの数は、監視される収納空間の形状およびサイズによって決められる設計上の選択である。