(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記左右両側板の後縁には、収容したプリント基板の抜け落ちを防止するためのストッパーが設けられている、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のプリント基板用の収容容器。
前記各板に形成されている両縁の筒部同士において、一方の縁において筒部が存在している部分では、対向する他方の縁では筒部が欠落しており、一方の縁において筒部が欠落している部分では、対向する他方の縁では筒部が存在し、前記各板における対向する縁同士では筒部が互い違いに形成されている、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のプリント基板用の収容容器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の収容容器は、あくまで各壁が不可分一体的に接合されており、分解はできない。これでは、収容容器を使用しない間これを保管しておく場合に、大きな保管スペースを要する。特に、収容容器の内部空間(プリント基板の収容空間)は、収容容器の保管の際にはデッド空間となるので、空間の使用効率が極めて悪く、大きな保管スペースを確保するためにコストが嵩む。
【0006】
そこで、本発明は上記課題を解決するものであって、不使用時には分解して保管空間の省スペース化が可能なプリント基板用の収容容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのための手段として、本発明はプリント基板用の収容容器であって、底板と、天板と、左右両側板とを有する。前記左右両側板の内面には、奥行方向に延在する収容溝が上下複数段形成されている。前記各板を組み合わせると、少なくとも前面が開口した中空枠状に画成可能となっている。前記底板及び前記天板の左右両側縁には、それぞれ奥行方向に延在する中空筒状の筒部が設けられている。また、前記左右両側板の上下両縁には、それぞれ奥行方向に延在する中空筒状の筒部が設けられている。そのうえで、前記各板を組み合わせたとき、隣り合う板の前記筒部同士が奥行方向に一列に並んで筒部列を形成する。そして、この筒部列へ連結棒を挿通することで中空枠状に画成保持可能となっている。一方、不使用時には、前記連結棒を前記筒部列から抜き外すことで分解可能となっていることを特徴とする。
【0008】
このとき、前記各筒部を四角筒状とし、前記連結棒は四角柱状とすることが好ましい。
【0009】
前記筒部は、各板の前端から後端に亘る範囲のうち、一部が欠落した状態で設けて、該筒部の欠落した部分に隣り合う板の筒部が嵌まり込む相対位置関係としたうえで、前記各板を組み合わせると、隣り合う板の筒部同士で形成される筒部列が、奥行方向の前端から後端に亘って連続することが好ましい。
【0010】
前記底板と前記天板、及び左側板と前記右側板とを、それぞれ互いに同一形状にすることが好ましい。
【0011】
前記左右両側板の後縁には、収容したプリント基板の抜け落ちを防止するためのストッパーを設けることが好ましい。
【0012】
幅寸法の異なる前記底板及び前記天板に交換すれば、収容容器全体の幅寸法を容易に変更できる。
【0013】
前記各板に形成されている両縁の筒部同士において、一方の縁において筒部が存在している部分では、対向する他方の縁では筒部が欠落しており、一方の縁において筒部が欠落している部分では、対向する他方の縁では筒部が存在し、前記各板における対向する縁同士では筒部が互い違いに形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、収容容器を中空枠状(ボックス状)に画成する底板、天板、及び左右両側板が、それぞれ組み合わせ・分解可能となっている。したがって、プリント基板を収容するために使用する際は、各板をボックス状に組み立てて従来の収容容器と同様に使用することができる。一方、収容容器として使用せず所定の保管場所に保管する際は、各板を分解してから保管することができる。これにより、従来では中空空間がデッドスペースとなっていた問題を解消し、コンパクトに保管して省スペース化を図ることができる。
【0015】
収容容器の組み立て・分解は、筒部列に対して連結棒を抜き差しするだけでよいので、組み立て・分解を簡便に行うことができる。また、組み立て・分解するための構造として、各板に筒部を設けているだけであり、ボックス状に組み立てた状態では筒部列が四隅に存在しているだけなので、構造が複雑化することもない。
【0016】
各筒部や連結棒を四角筒状及び四角柱状としていれば、他の形状にした場合に比べて最も効率よく安定してボックス状態に保形できる。これにより、ボックス状態に組み立てた収容容器が幅方向に揺動して型崩れすることを防止することができる。例えば、各筒部や連結棒の断面形状を円形としていれば、応力集中する角が無いので、ボックス状態に組み立てた収容容器が幅方向に揺動して型崩れし易くなる。また、星形等の複雑な形状とすれば、製造性・強度・筒部への抜き差し容易性等に問題が生じる。
【0017】
各筒部を、各板の前端から後端に亘る範囲のうち一部が欠落した状態で設けたうえで、各板を組み合わせると隣り合う板の筒部同士が互いに嵌まり込んで、筒部列が奥行方向の前端から後端に亘って連続していれば、保形安定性が大きくなる。これにより、ボックス状態の型崩れをより的確に防止することができる。また、筒部列は連続しているので連結棒を安定して抜き差しすることができ、組み立て・分解の作業性が向上する。
【0018】
底板と天板、及び左側板と右側板とを同一形状にしていれば、底板と天板とを同種の板で兼用し、左側板と右側板とも同種の板で兼用することができる。したがって、部材(板)の種類を削減して製造コストを低減することができる。
【0019】
左右両側板の後縁にストッパーを設けていれば、収容したプリント基板が収容容器の後面から不用意に抜け落ちることを防止することができる。また、後面板を使用する必要が無いので、部品点数を減らすこともできる。しかも、ストッパーの存在により後面はある程度開口していてもよいので、後面側からプリント基板の出し入れ操作をすることも可能となる。
【0020】
従来のプリント基板用の収容容器は、分解不可能であった。そのため、幅寸法の異なる複数種のプリント基板を収容したい場合は、それぞれに対応した専用の収容容器を複数種使用する必要があるという問題があった。これに対し、本発明の収容容器は、使用する底板及び天板の幅寸法を変更するだけで、収容容器全体の幅寸法を容易に変更することができるので、汎用性が高い。
【0021】
各板単位でみて、各板における対向する縁同士では筒部が互い違いに形成されていれば、同種の板を向かい合わせた状態で重ねれば、互いの筒部同士が嵌合し合って最も厚みが小さくコンパクトにできるので、より効率的に保管時の省スペース化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明の代表的な実施形態について説明する。
図1に示すように、本発明の収容容器は、底板10と、天板20と、左右の側板30・40と、連結棒50とを有する。底板10、天板20、左右両側板30・40は、それぞれ組み合わせ・分離が可能となっており、必要に応じて
図2に示す組み立て状態と、
図5に示す分解状態とに使い分けることができる。
【0024】
この収容容器は、各種電子機器やOA機器等のほか、産業機械、乗り物、電化製品、センサなど、何らかの電子回路を必要とするあらゆる機器に組み込まれるプリント基板用として好適である。詳しくは、プリント基板には、種々の電子部品が設けられるほか、専用の電子回路がプリントされている。したがって、製造ラインでは複数のステップを経てプリント基板が製造される。このとき、各ステップを経たプリント基板は、次のステップへ移る前に一旦保管されたり、次のステップへ搬送する等ため、専用の収容容器へ収容する必要がある。本発明の収容容器は、このような場面での使用に適している。
【0025】
以下に、各板10・20・30・40について詳しく説明するが、説明の便宜上、各板10・20・30・40をボックス状に組み合わせる状態の
図1に示す向き、具体的には各板10・20・30・40の筒部15・25・35・45が内側に来る向きを基準として、上下・左右方向を示す。したがって、以下の説明にて使用する上下・左右方向はこれに限定されるものではなく、板の向きを変えて見れば、これらの方向も追従して異なることになる。
【0026】
底板10は、扁平な一枚板の一面の左右両側縁に、奥行方向に延在する中空筒状の筒部15L・15Rが設けられている。筒部15L・15Rは、底板10の側縁における前端から後端に亘る範囲のうち、一部が欠落した状態で設けられている。対向する左側縁と右側縁との関係で見ると、左側縁において筒部15Lが存在している部分では、対向する右側縁では筒部15Rが欠落している。逆に、左側縁において筒部15Lが欠落している部分では、対向する右側縁では筒部15Rが存在している。つまり、対向する左右の側縁同士では、筒部15Lと筒部15Rが互い違いに形成されている。
【0027】
具体的には、本実施形態では、左側縁の筒部15Lは、前端と後端寄り部位に設けられ、前端寄り部位と後端には設けられていない。これに対し右側縁の筒部15Rは、前端と後端寄り部位には設けられておらず、前端寄り部位と後端に設けられている。左側縁の筒部15Lの存在寸法と右側縁の筒部15Rの不存在寸法、及び左側縁の筒部15Lの不存在寸法と右側縁の筒部15Rの存在寸法とは、それぞれ同一寸法である。
【0028】
底板10の後縁には、後述する左右側板30・40の支持体34・44と接する支持ベース11が設けられている。
【0029】
天板20は、同じ方向で揃えると、底板10と同一形状となっている。したがって、底板10と天板20とは実際には同種の板であり、厳密には両者の区別は無い。換言すれば、1種類の板で底板10と天板20とに兼用でき、筒部15が上面にくる向きで使用すれば底板10となり、筒部25が下面にくる向きで使用すれば天板20となる。したがって、底板10と天板20とは、筒部15・25の相対位置関係は逆になる。
【0030】
具体的には、天板20は、扁平な一枚板の一面の左右両側縁に、奥行方向に延在する中空筒状の筒部25L・25Rが設けられている。筒部25L・25Rは、天板20の側縁における前端から後端に亘る範囲のうち、一部が欠落した状態で設けられている。対向する左側縁と右側縁との関係で見ると、左側縁において筒部25Lが存在している部分では、対向する右側縁では筒部25Rが欠落している。逆に、左側縁において筒部25Lが欠落している部分では、対向する右側縁では筒部25Rが存在している。つまり、対向する左右の側縁同士では、筒部25Lと筒部25Rが互い違いに形成されている。
【0031】
そのうえで本実施形態では、左側縁の筒部25Lは、前端と後端寄り部位には設けられておらず、前端寄り部位と後端に設けられている。これに対し右側縁の筒部25Rは、前端と後端寄り部位に設けられており、前端寄り部位と後端には設けられていない。左側縁の筒部25Lの存在寸法と右側縁の筒部25Rの不存在寸法、及び左側縁の筒部25Lの不存在寸法と右側縁の筒部25Rの存在寸法とは、それぞれ同一寸法である。当然、底板10の筒部15の存在寸法と天板20の筒部25の不存在寸法、及び底板10の筒部15の不存在寸法と天板20の筒部25の存在寸法とも、それぞれ同一寸法である。
【0032】
天板20の後縁にも、後述する左右側板30・40の支持体34・44と接する支持ベース21が設けられている。
【0033】
左側板30の内面には、奥行方向に延在する収容溝31が上下複数段形成されていると共に、上下両縁に、奥行方向に延在する筒部35U・35Bが設けられている。ベースとなる板は、内板30iと外板30oとを接合した二枚板からなる。
図4にも示されるように、内板30iに収容溝31が凹み形成されている。各収容溝31の前端部及び後端部は、プリント基板の出し入れ操作をし易くするため、僅かに幅広となっている。また、各収容溝31の間には、補強用の補強溝32も、奥行方向に延在して形成されている。外板30oは、中央部全体に亘って凹凸が設けられて、補強用のリブ形状が形成されている。後述のように、右側板40も同様の補強溝42とリブ形状を有し、これらの補強溝32・42と外板30o・40oのリブ形状によって、収容容器全体の強度が確保されている。内板30iと外板30oとは、周縁部分において接着又は融着により接合されている。
【0034】
筒部35U・35Bは、左側板30の上下両縁における前端から後端に亘る範囲のうち、一部が欠落した状態で設けられている。対向する上縁と下縁との関係で見ると、上縁において筒部35Uが存在している部分では、対向する下縁では筒部35Bが欠落している。逆に、上縁において筒部35Uが欠落している部分では、対向する下縁では筒部35Bが存在している。つまり、対向する上下の縁同士では、筒部35Uと筒部35Bが互い違いに形成されている。
【0035】
そのうえで本実施形態では、上縁の筒部35Uは、前端と後端寄り部位に設けられており、前端寄り部位と後端に設けられていない。これに対し下縁の筒部35Bは、前端と後端寄り部位には設けられておらず、前端寄り部位と後端に設けられている。上縁の筒部35Uの存在寸法と下縁の筒部35Bの不存在寸法、及び上縁の筒部35Uの不存在寸法と下縁の筒部35Bの存在寸法とは、それぞれ同一寸法である。また、左側板30の上縁の筒部35Uの存在寸法と天板20の左側縁の筒部25Lの不存在寸法、及び左側板30の上縁の筒部35Uの不存在寸法と天板20の左側縁の筒部25Lの存在寸法も、それぞれ同一寸法である。さらに、左側板30の下縁の筒部35Bの存在寸法と底板10の左側縁の筒部15Lの不存在寸法、及び左側板30の下縁の筒部35Bの不存在寸法と底板10の左側縁の筒部15Lの存在寸法も、それぞれ同一寸法である。
【0036】
左側板30の後縁中央部には、収容したプリント基板(図示せず)の抜け落ちを防止するためのストッパー33が設けられている。
【0037】
また、左側板30の後縁上下両端部には、支持体34が設けられている。支持体34は三角形状であり、底板10及び天板20の支持ベース11・21の高さと同じ寸法分上端及び下端から中央側位置に設けられている。これにより、各板10・20・30・40をボックス状に組み立てたとき、上下の支持体34の上面及び下面が、それぞれ天板20の支持ベース21及び底板10の支持ベース11と当接する。また、上下の支持体34は、収容したプリント基板(図示せず)の抜け落ちを防止するためのストッパーとしての機能も兼ねている。
【0038】
ストッパー33及び支持体34の内板30iからの突出量は、底板10及び天板20の幅寸法に対して十分に小さい。
【0039】
右側板40は、同じ方向で揃えると、左側板30と同一形状となっている。したがって、左側板30と右側板40とは実際には同種の板であり、厳密には両者の区別は無い。換言すれば、1種類の板で左側板30と右側板40とに兼用でき、筒部35が右面にくる向きで使用すれば左側板30となり、筒部45が左面にくる向きで使用すれば右側板40となる。したがって、左側板30と右側板40とは、筒部35・45の相対位置関係は逆になる。
【0040】
右側板40の内面にも、奥行方向に延在する収容溝41が上下複数段形成されていると共に、上下両縁に、奥行方向に延在する筒部45U・45Bが設けられている。ベースとなる板は、内板40iと外板40oとを接合した二枚板からなる。
図1,4に示すように、内板40iに収容溝41が凹み形成されている。各収容溝41の前端部及び後端部は、プリント基板の出し入れ操作をし易くするため、僅かに幅広となっている。また、各収容溝41の間には、補強用の補強溝42も、奥行方向に延在して形成されている。外板40oは、中央部全体に亘って凹凸が設けられて、補強用のリブ形状が形成されている。内板40iと外板40oとは、周縁部分において接着又は融着により接合されている。
【0041】
筒部45U・45Bは、右側板40の上下両縁における前端から後端に亘る範囲のうち、一部が欠落した状態で設けられている。対向する上縁と下縁との関係で見ると、上縁において筒部45Uが存在している部分では、対向する下縁では筒部45Bが欠落している。逆に、上縁において筒部45Uが欠落している部分では、対向する下縁では筒部45Bが存在している。つまり、対向する上下の縁同士では、筒部45Uと筒部45Bが互い違いに形成されている。
【0042】
そのうえで本実施形態では、上縁の筒部45Uは、前端と後端寄り部位には設けられておらず、前端寄り部位と後端に設けられている。これに対し下縁の筒部45Bは、前端と後端寄り部位に設けられており、前端寄り部位と後端には設けられていない。上縁の筒部45Uの存在寸法と下縁の筒部45Bの不存在寸法、及び上縁の筒部45Uの不存在寸法と下縁の筒部45Bの存在寸法とは、それぞれ同一寸法である。また、右側板40の上縁の筒部45Uの存在寸法と天板20の右側縁の筒部25Rの不存在寸法、及び右側板40の上縁の筒部45Uの不存在寸法と天板20の右側縁の筒部25Rの存在寸法も、それぞれ同一寸法である。さらに、右側板40の下縁の筒部45Bの存在寸法と底板10の右側縁の筒部15Rの不存在寸法、及び右側板40の下縁の筒部35Bの不存在寸法と底板10の右側縁の筒部15Rの存在寸法も、それぞれ同一寸法である。
【0043】
右側板40の後縁中央部にも、収容したプリント基板(図示せず)の抜け落ちを防止するためのストッパー43が設けられている。
【0044】
また、右側板40の後縁上下両端部にも、支持体44が設けられている。支持体44は三角形状であり、底板10及び天板20の支持ベース11・21の高さと同じ寸法分上端及び下端から中央側位置に設けられている。これにより、各板10・20・30・40をボックス状に組み立てたとき、上下の支持体44の上面及び下面が、それぞれ天板20の支持ベース21及び底板10の支持ベース11と当接する。また、上下の支持体44は、収容したプリント基板(図示せず)の抜け落ちを防止するためのストッパーとしての機能も兼ねている。
【0045】
ストッパー43及び支持体44の内板40iからの突出量は、底板10及び天板20の幅寸法に対して十分に小さい。
【0046】
各板10・20・30・40の筒部15・25・35・45は、それぞれ四角筒状である。各筒部15・25・35・45の外形寸法及び内径寸法は、それぞれ同じである。
【0047】
連結棒50は、各板10・20・30・40をそれぞれ組み合わせた際に形成される筒部列の数に対応した数だけ用意されている。具体的には、各板10・20・30・40をボックス状に組み立てた際、収容容器の四隅に筒部列が形成されるので、各筒部列に1本の連結棒50を挿通するため、連結棒50は四本使用される。
【0048】
連結棒50は、各筒部15・25・35・45ないし筒部列の内形と同じ形状に形成されている。具体的には、四角柱状に形成されている。連結棒50と筒部列の内形とが同一であることにより、連結棒50の抜き差し容易性、及び収容容器の保形性が良好となる。
【0049】
また、
図3によく示されるように、連結棒50の一端部又は両端部はテーパーカットされ、僅かに先細となっている。これにより、連結棒50の挿通操作性が向上する。各筒部列の長さと連結棒50の長さは、同じである。
【0050】
次に、収容容器の組み立て・分解方法について説明する。先ず、収容容器を組み立てるには、
図1に示すように、底板10の左側縁と左側板30の下縁とを、底板10の右側縁と右側板40の下縁とを、天板20の左側縁と左側板30の上縁とを、天板20の右側縁と右側板40の上縁とをそれぞれ組み合わせ、
図2に示す中空四角枠状のボックス状態にする。これにより、隣り合う各板10・20・30・40の筒部15・25・35・45同士が互いに嵌合しあって、収容容器の前端から後端に亘って一列に連続する筒部列が四隅に形成される。この状態において、形成された各筒部列へ連結棒50を挿通することで、ボックス状態が保形される。
【0051】
収容容器の右下角を例に挙げて詳しく説明すると、
図3に示すように、底板10と右側板40とを組み合わせると、底板10の筒部15Rの不存在部位に右側板40の筒部45Rが嵌まり込み、右側板40の筒部45Rの不存在部位に底板10の筒部15Rが嵌まり込んで、一連の筒部列を形成する。そして、この筒部列の前端又は後端から連結棒50を挿通すればよい。このとき、筒部列は奥行方向に連続して形成されているので、筒部列が非連続の場合と比べて連結棒50を円滑に挿通できる。
【0052】
各筒部列に連結棒50を挿通した状態では、各筒部列及び連結棒50の断面形状(正面視形状)が四角形なので、4つの角で応力が受け止められる。これにより、収容容器が幅方向に揺動して型崩れすることなく安定して保形される。また、左右の側板30・40の外面に形成されたリブ形状と、左右の側板30・40の内面に形成された複数の補強溝32・42とによって、収容容器全体の強度が確保される。
【0053】
また、ボックス状に組み立てた状態では、
図4に示すように、左右側板30・40の支持体34・44が、それぞれ底板10の支持ベース11及び天板20の支持ベース21と当接していることで、より保形性が向上する。このように各板10・20・30・40を組み立て保形することで、前面が開口した収容容器を得ることができる。
【0054】
そして、製造過程の各ステップにおいて、必要に応じてプリント基板を前面開口から対応する左右の収容溝31・41へ挿入し、収容容器にプリント基板を収容することができる。収容溝31・41は上下に複数段形成されているので、1つの収容容器内には複数のプリント基板を収容できる。収容したプリント基板は、一時的に保管したり、次ステップへ収容容器ごと運んで運搬することができる。このとき、収容容器の後面も比較的大きく開口しているが、左右のストッパー33・43及び支持体34・44の存在によって、プリント基板が後面開口から不用意に抜け落ちる心配はない。したがって、後面を塞ぐための後面板は不要である。
【0055】
収容容器からプリント基板を取り出す際は、前面開口から取り出せばよい。このとき、前面開口からプリント基板を掴んで取り出すこともできるし、後面開口からプリント基板を押し出すこともできる。
【0056】
収容容器を使用しない場合は、各筒部列の前端又は後端から連結棒50を抜き出せばよい。これにより収容容器が分解されて、コンパクトに保管することができる。分解した状態での保管の仕方は特に制限はなく、どのような状態で保管してもよいが、効率よくコンパクトに保管する一例を
図5に示す。
図5に示す状態では、底板10と天板20を向かい合わせた状態で重ねる。すると、両者10・20の筒部15・25の相対位置関係は互い違いにあるので、両筒部15・25も互いに嵌合する。これにより、底板10と天板20の二枚の板を、筒部15・25の大きさ分の厚みしかない一枚の板として保管することができる。左右の側板30・40は、支持体34・44を上方にしたうえで、互いの支持体34と支持体44が前方と後方の逆方向にある状態で重ね合わせれば、コンパクトに収まる。このとき、底板10と天板20の筒部15・25の大きさ、すなわち底板10と天板20とを重ねた一枚板の厚みが、支持体34・44の突出量より小さければ、底板10と天板20とからなる一枚板が支持体34と支持体44の間に収まる。これにより、各板10・20・30・40をコンパクトに保管することができ、効率よく省スペース化を図ることができる。複数セットを保管する場合は、上下に重ねていけばよい。連結棒50は、重ね合わせた各板10・20・30・40の隙間に入れて保管してもよいし、別の場所に纏めて保管することもできる。
【0057】
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、これに限られることは無く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。具体的には、各筒部15・25・35・45は、各板10・20・30・40の前端から後端に亘る範囲のうち一部が欠落した状態で設けられて、各板10・20・30・40を組み合わせたとき、隣り合う板の筒部同士が奥行方向に一列に並んだ筒部列を形成可能である限り、その形成位置、長さ、一縁当たりの形成個数等は特に限定されず、種々の変更が可能である。また、各板10・20・30・40における対向する縁の筒部同士の関係も、必ずしも互い違いの位置関係で設ける必要もない。
【0058】
例えば
図6に示すように、底板10及び天板20では、左右両側縁の筒部15・25を、奥行方向の中央部のみに設けることもできる。換言すれば、底板10及び天板20の左右両側縁の前端部及び後端部には、筒部15・25は形成されていない。一方、左右両側板30・40では、上下縁の筒部35・45を、奥行方向の前端部及び後端部に設け、中央部には設けない。この場合でも、各板10・20・30・40をボックス状に組み立てると、隣り合う板同士において一方の筒部が形成されていない部位に他方の筒部が互いに嵌まり込んで、前端から後端に亘る一連の筒部列が形成される。
【0059】
逆に、底板10及び天板20の筒部15・25を、それぞれ奥行方向の前端部及び後端部飲みに設け、左右側板30・40の筒部35・45を、それぞれ奥行方向中央部のみに設けることもできる。また、比較的短い筒部15・25・35・45を、所定間隔で複数個並設することもできる。筒部列は、必ずしも連続していなくてもよいし、収容容器の前端から後端にかけて形成されていなくてもよい。
【0060】
また、同じく
図6に示すように、左右両側板30・40のストッパー33・43は、上端から下端にかけて設けることもできる。この場合、支持体34・44は、ストッパー33・43の内面に設ければよい。この場合、支持体34・44はストッパーとしての機能はない。
【0061】
各筒部15・25・35・45及び連結棒50は、断面形状(正面視形状)を四角以外の形状にすることもできる。例えば、円形、楕円形、又は三角形や五角形以上の多角形にすることもできる。また、連結棒50を挿通することができる限り、各筒部15・25・35・45と連結棒50の断面形状が異なっていてもよいし、各筒部15・25・35・45の断面形状もそれぞれ異なっていてもよい。連結棒50の先端部も、必ずしもテーパーカットされていなくてもよい。
【0062】
底板10と天板20、及び左側板30と右側板40を同一形状にして1枚の板で2役を兼用する必要はなく、それぞれが異なる形状であってもよい。
【0063】
左右側板30・40のストッパー33・43や支持体34・44、並びに底板10及び天板20の支持ベース11・21も、必ずしも必要はない。
【0064】
なお、本発明の収容容器は分解可能なので、
図7に示すように、同じ左右側板30・40に対して、底板10及び天板20とは幅寸法の異なる底板10’及び天板20’に交換すれば、簡単に幅寸法の異なる収容容器を得ることができる。これにより、幅寸法の異なる種々のプリント基板用として専用の収容容器をわざわざ複数種用意する必要はなく、汎用性が高い。また、収容溝31・41の数や高さ寸法の異なる左右側板に変更すれば、簡単にプリント基板の収容個数を変更することもできる。