(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1応答性負荷群からなる第1ストリングは、グリッドの第1部分に接続され、第2応答性負荷群からなる第2ストリングは、前記グリッドの第2部分に接続され、前記第1及び第2部分は、ピンチポイントを介して接続される
請求項1〜6のいずれか1項に記載の配電制御システム。
前記ストリングは、ソース、貯蔵、及び応答性負荷を含むことによって、前記貯蔵は、前記ソースが前記負荷によって要求されるよりも多いエネルギーを作るとき、前記ソースからのエネルギーを貯蔵し、前記負荷が前記ソースによって供給され得るよりも多いエネルギーを要求するとき、エネルギーを前記負荷に送る、請求項1〜7のいずれか1項に記載の配電制御システム。
第1及び第2ストリングであって、それぞれの第1及び第2ストリングは、応答性負荷、ソース、及び貯蔵からなる別個のクラスタをもち、それぞれ第1及び第2コントローラを有する第1及び第2ストリングと、前記クラスタ間で電力要素を割り当てるより高いレベルの制御手段と、を備える
請求項1〜8のいずれか1項に記載の配電制御システム。
前記ストリングの前記ルータは、ストリングであることを伝えられると、均衡化ストリングを形成することができるかをルータの間で確認し、その旨を前記サーバにレポートする
請求項10又は12に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
ピーク需要の期間のあいだに送電される電力は、オフピーク電力よりも相当に費用がかかり得ることがよく知られている。
【0003】
所与の需要者が電力の異なる価格から利益を受けるためのさまざまなスキームが知られており、それらは「スマート」機器又は「スマートメーター」としばしば呼ばれる。例えば米国特許出願2007/0276547は、予測エネルギー供給及び需要に関する変数に基づいてエネルギー消費デバイスの制御をスケジューリングすることによって、及びローカルバッテリー蓄電及び有利なコスト条件に対応すると判断される期間のあいだにエネルギーを電力網に売る代替エネルギー源(例えば太陽電池)を提供することによって、エネルギーの供給及び需要の制御を最適化することを目的とする。世帯又は事業所の瞬時的エネルギーがモニタされ、グリッドからの需要を低減させるためにバッテリーが用いられる。太陽光発電は、以前の15分に基づいて、15分間隔で予測される。商用冷凍機のようなクリティカルではないエネルギー消費(「延期できる負荷」)は、一時的にオフにされ得る(冷凍機は、一度に2時間のあいだオフにされ得るのに対して、冷蔵機は、一度に15分しかオフにはされ得ず、4時間のうち3時間は動作しなければならないと記載されている)。15分予測は、実際の使用(需要)に依存してスケーリングされた、予測された天候に基づいて選択される、使用の予測パターンによって置き換えられてもよい。
【0004】
そのようなスキームは、ピーク時におけるグリッドからの需要を低減するのに貢献するが、それにもかかわらず、グリッド運用者の視点からはピークは感じられ、これらピークに対応する十分な容量を提供することは依然として費用がかかる。
【0005】
この問題に対する一つの解決法は、ウェールズのディノーウィグに設置されたもののような揚水エネルギー貯蔵施設である。この施設では、電気需要が低い期間に発電機によって供給される余剰エネルギーが、低い貯水池から高い貯水池へと水を汲み上げる。電気需要が高い期間において、汲み上げられた水は、高い貯水池から従来の水力発電タービンを介して低い貯水池へ流され、電力網への急な電気需要を補うことを補助するよう追加の電力を発生する。そのような施設の応答はかなり速い場合もあるものの、施設から相当離れた点において電圧及び周波数の仕様を維持するのに必ずしも十分に速いわけではない。またインフラストラクチャ及び環境への影響を考えると高価な解決法であり、エネルギーの点では比較的、非効率的である。
【0006】
風力及び太陽光のようなクリーンな形態の発電は、変化する突風又は雲による遮蔽のために、相当に急速であり得る間欠性という欠点を有する。これらのような要因は、グリッドの不安定性の原因になり得るが、この不安定性は、例えば、高価な又は非効率な形態のバックアップ発電を発電機に要求することによって、及び/又は電力需要者に推奨することによって、直接的及び間接的にエネルギーを浪費する。
【0007】
米国特許出願US2009/0200988及び米国特許第5,642,270号は、電気自動車バッテリーを集合させることによって中規模及び大規模の電力サービスの需要を満足させる改善を提案し、ピーク負荷又は停電の期間のあいだに、車両内の車両バッテリー及び関連するパワー電子機器がローカル電力のバックアップ電力を提供できる構成が記載されている。
【0008】
GB2472280Aのような試みは、入札市場に応答するために、任意の所与の時刻において国のグリッド制御ルームにその利用可能性を報告できる家庭用冷蔵庫、エアコン、食器洗い機等の「応答性負荷」にフォーカスを当てており、ここで入札市場では個別にそれらの機器が電力を消費する時間期間を一時的に選択する。
【0009】
供給された電力及び消費された電力が等しくないとき、供給システムは、加速し(例えば負荷の急激な低下があるとき)、発電機がより速く回転し、よって商用電源周波数が高くなり、又は減速し(例えば需要の急激な上昇があるとき)、商用電源周波数は低くなる。
【0010】
商用電源周波数の変化は、需要の変化と共に、供給(例えば太陽光発電電源)における急激な変化によって起こり得る。この理由又は他の理由(例えば送電グリッド中の局所的なピンチポイント)で、ローカルの発電能力を利用できないこともあり得る。グリッドへの電力供給のローカルでの能力に対してハードウェア的制約が課されなければならないこともある(US2007/0276547を参照)。
【0011】
商用電源の変動に応答するために、必要とされるときにはほぼ即座に(例えば数秒程度の速さから、約5分未満の範囲で)「調整用のリザーブ」が利用可能でなければならない。調速機を商用発電システムの中に組み込むことによって、個々のマクロ発電機の出力を増加又は減少させ、よって適宜、商用電源の調整リザーブを結合したり、分離したりすることによって分単位での負荷の変化に対応することもできる。これは、US2014/0018969に記載されており、これは、燃料電池バッテリー装置及びエネルギーポテンシャルシステム(揚水システムを含む)のような蓄電装置から電力をグリッドに供給することがいかに新たな問題を引き起こすかについても記載している。この文献は、グリッド運用者による制御のためのレポーティングインフラストラクチャを提案しており、発電源供給要素によるか、又は貯蔵源供給要素(バッテリー、燃料電池、圧縮空気、揚水等)によるかのいずれであっても、電力グリッドに利用可能な電力の管理のための「アクティブサプライクライアント」を提案しており、その目的は、蓄電装置が再生可能エネルギー源の安定化及び調整の働きをするような発電バランシングであるか、又はコスト、タイミング、価格、市場の状況等のような様々な要因に従う最適化である。
【0012】
これらの新たな問題は、中央化されたグリッド管理によっては対応できないが、それはなかんずく制御システム中のレイテンシー(特にクライアントサーバレポーティング及び制御構成中のレイテンシー)によるからである。さらなる問題は、変化は、制御されるべきインフラストラクチャそのものにおいて前触れなく起こり得ることである。例えば、冷蔵プラントのような応答性負荷は、予測可能な、又は予測不可能なやり方で、応答性負荷としてのその利用可能性を撤回し得て、それによって発電で求めていたバランスを崩し得る。同様の考えは、供給にも、蓄電にも当てはまる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1を参照して、システムが図示されるが、いくつかの個別のサイト10,11,及び12が示され、それぞれはエネルギールータ13,14及び15を有する。エネルギールータは、互いにIP接続20及び21によって接続され、サーバ25に接続される。他のサイトは、ルータ13,14及び15に接続されたルータに含まれ得る。サイト10,11及び12は、「均衡化ストリング」(balanced string)16を共同で形成する。均衡化ストリングの中には接続22によって接続された追加のサイトが存在してもよい。例として、サイト10は、ソーラーファームのような電源であり得て、サイト11は、熱負荷(暖房、エアコン、冷蔵、又は他の負荷)のような応答性負荷であり得て、サイト12は、以下に記載される蓄電サイトであり得る。
【0027】
ストリング30及びクラスタ31及び32のような、追加の均衡化ストリング及び他のクラスタがIPネットワーク26を介してサーバ25に接続されてもよい。クラスタ31及び32(これらも好ましくは均衡化ストリングである)は、サーバ25に、又は他のサーバ28及び29に接続され得る。サーバ25,28及び29は、管理ユーザインタフェース41の管理下で、制御プラットフォーム40を共同で形成する。これらサーバは、セキュアな内部IPネットワーク42を介してデータベースクラスタ43に接続する。このデータベースクラスタは、システム中の全ての利用可能なサイトについての広範な情報を、それらサイトのそれらのエネルギー要求及び能力についての詳細なパラメータと共に格納し、加えて、これらのサイトを互いに接続し、これらのサイトをクラスタ31及び32のような他のクラスタに接続するエネルギーグリッドの詳細についても格納する。例えば、このデータベースは、それぞれのアセットについての、(i)他の電力アセットに対する電力グリッド中でのその位相幾何学的位置、(ii)その電力需要又は送電能力、及び(iii)それら電力需要又は能力がどの程度、柔軟性をもつかを示すパラメータを格納する。このデータベースは、電力需要又は能力の時間特性及び柔軟性パラメータを格納してもよい。さらにデータベースは、実時間の需要又は能力を表す電力アセットによって報告されたパラメータ、及びそれら需要又は能力についての許容可能な変動を格納してもよい。
【0028】
例として、サイト10,11及び12及びクラスタ30に電力を供給するグリッド50は、なんらかの接続、変電所又はスイッチのかたちのピンチポイント51を有し得るが、このピンチポイントは、特定の定格仕様又は制限を有する。このような情報は、データベースクラスタ43中に格納される。
【0029】
クライアントインタフェース60は、クライアントユーザ61,62及び63がウェブサーバ64に(オプションとしてゲートウェイサーバ65に)アクセスするために設けられる。クライアントユーザインタフェース61〜63は、パブリックIPネットワークによってウェブサーバ64に接続する。
【0030】
運用中、サイト10は、電力を発生し、この電力をグリッド50に給電する。後述するように、サイト11は、電力を消費し、その電力をグリッド50から取り込み、サイト12は、グリッド50から電力を貯蔵し、電力をグリッド50に配電する。運用中、サイト10,11及び12はサーバ25の制御によって均衡化されることによって、これらのサイトは局所レベルで共同してピアツーピアベースのエネルギーのやり取りをし、電気システムが局所的に均衡し、それが実効的にはマイクログリッドのように働き、グリッド50への、又はグリッド50からのエネルギーの正味の流れがなく、又はグリッド50への、又はグリッド50からのエネルギーの定常的な正味の流れが維持され、そうでなければグリッド50中の急速応答発電所から供給される必要があるはずの変動を均衡化する。「エネルギーの定常的な正味の流れ」とは、ある上限、例えば50MW/分(これはオープンサイクルガスタービンOCGTが必要なレートである)を超えない、好ましくは8MW/分(石炭火力発電機又はOCGT又は他の応答性発電機を要する)を超えない変化レートを有するエネルギーの流れを意味する。サイト10,11及び12の要件及び能力を均衡化することによって、グリッド50に対する需要のランプレートは、基準のレベルに維持され、このレベルにおいては、原子力発電所のような長期のゆっくり変化する電源がエネルギーの定常的な正味の流れを維持できる。
【0031】
同様に、均衡化ストリング30は、サイトの3種類のうち2以上の混在した物を含む。つまり、電源、応答性負荷、及び蓄電である。よって均衡化ストリング30は、グリッド50からの需要(又はグリッド50への供給)の変化の制御されたレートを同様に維持する。これら別個の均衡化ストリングをピンチポイント51のそれぞれの側に維持することによって、この点における仕様は満足される。ピンチポイント51は、変電所又は給電線(すなわち変電所から変電所への、又は変電所から負荷へのケーブル)であり得る。ピンチポイントは、永続的でも一時的でもよい。例えば、故障は、特定の状況下の問題に過ぎない、送電線におけるなんらかの定格制限を示して報告され得る。この事実、故障の論理的位置、制限、及び状況がデータベース43中に格納され得る。
【0032】
コントローラ25は、パラメータをルータ13,14及び15に提供し、このパラメータは、これらのルータがそれぞれのサイトを制御することによって電力を供給又は消費するやり方(その詳細は後述される)に影響を与える。加えて、サーバ25は、下で詳述されるように、長期間変動に従ってサイトを均衡化ストリング16又は均衡化ストリング30に割り当てをし、又はサイトをそれらのそれぞれの均衡化ストリングから除去する。
【0033】
プラットフォーム40は、サーバ25,28及び29を制御することができ、これらサーバが今度は、それらのドメイン内のさまざまな均衡化ストリングに影響を与えることによって、例えばグリッドメンテナンス時におけるような、需要におけるピークの低減、又は供給及び需要の一時的な再分配のような、全体的な目的を達成する。サーバ25,28及び29は、データベースクラスタ43上のデータにアクセスできる。
【0034】
新しいサイトがプラットフォーム40から利益を享受しようとするなら、それらは管理ユーザインタフェース41によって追加され得る。それぞれのエネルギーアセット又は負荷の詳細がデータベースクラスタ43に入力され得る。データベースクラスタ43は、ピーク時及びオフピーク時のエネルギー価格のような任意の取引関連データも格納する。これらは、固定(年ごとに、又は月ごとに)であってもよく、又は変動(時間ごとに変化する)であってもよい。いずれの場合も、それらは、任意の所与のサイクルにおいて、サーバからルータへ送られるパラメータに影響を与える。変動価格決定の場合、価格決定の変化は、サーバからルータへのパラメータの新たなサイクルをトリガし得る。
【0035】
ここで
図2を参照して、ルータ13の実施形態の例が示される。これは、ルータ14又は15としての、又は均衡化ストリング/クラスタ30,31又は32のいずれにおける使用にも適する、汎用のアーキテクチャを有する。これは、汎用的に適用するよう提供されたいくつかの局面を有するが、これらの全てが任意の一つのサイトにおいて用いられるのではない。
【0036】
ルータ13は、プロセッサ101(例えばARMから入手可能なCortex A8
TMプロセッサ)を含む。ルータは、230VのACアダプタ103に接続される低電圧DC電源アダプタ102からDC電力を受け取る。プロセッサ101に接続されるのは、標準的なイーサネット通信を行うよう構成されるデュアルイーサネット物理レイヤ集積回路110である。これは、アイソレータ112を介してパワーオーバーイーサネット(PoE)コントローラ113に接続される第1ポート111を有する。PoEコントローラ113は、ポート114に接続された外部電気ケーブル115にデータと共に電力を通すよう構成される。これにより、ケーブル115はデータ接続及び電力の両方を外部デバイスに提供することができる。第2ポート121は、絶縁回路122を介して、公共IPネットワーク124に接続されている第2イーサネットポート123に接続される。絶縁回路132を介してプロセッサ101に接続されているのは、4つの電流計測入力136と3つの差動電圧計測入力137とを有する計測(metrology)入力回路135である。
【0037】
プロセッサ101は、RS485規格に従う通信ポート141と通信するためのトランシーバ140と、2つのUSBホストポート142とをさらに有する。ランダムアクセスメモリ150及びフラッシュメモリ151は、プロセッサ101を補助する。
【0038】
運用中、ルータ13は、公共IPネットワーク124のためにそれに割り当てられたIPアドレスを有する。このIPアドレスは、サーバ25へと通信され、又はサーバ25で提供される。イーサネットポート123(又はポート114)を通じてルータ13は、ハイレベル命令又はパラメータをサーバ25から受け取る。ハイレベルパラメータの例は以下の通り。
【0039】
{peak demand; t1; t2}
{peak demand; t3; t4}
{peak supply; t3; t4}
{voltage; t3}
{line frequency; priority A}
{line voltage; priority B}
{emergency; t4; t5}
{rate of change of power; t6; t7}
これらの例は以下の通り。
【0040】
<peak demand>は、時刻t1及びt2のあいだに、又は、時刻t3及びt4のあいだにグリッド50(クラスタ16又は他の施設のいずれか)が供給しなければならないと予想する、予想された電流(又は電流不足)レベルであり、前者は、現時点での需要であり、後者は、将来の需要であり得ることに注意。
【0041】
<peak supply>は、グリッド50が時刻t3及びt4のあいだに利用可能であると予想する、予想された過剰電流レベルである。
【0042】
<voltage>は、時刻t3における予想された電圧降下(又は時刻t3における予想された電圧上昇)である。
【0043】
<priority A>は、商用電源周波数(例えばある時刻群のあいだの)の維持に関連付けられるべき優先度値(例えば1から10)である。
【0044】
<priority B>は、商用電源電圧(例えば所与の時刻群のあいだの)の維持に関連付けられるべき優先度値(例えば1から10)である。
【0045】
<emergency>は、時刻t4及びt5のあいだの優先度の最高レベル又はオーバーライディング優先度を示し、ふつうは他の命令又はパラメータを伴う。
【0046】
<rate of change of power>は、時刻t6及びt7のあいだにおける、グリッド中の特定の点を通る電力フローの変化の最大レートを示す。
【0047】
サーバ25は、電力を引き出しのための、又は電力の引き出しを中止するための直接の命令を個別のサイト10,11及び12に必ずしも与えなくていなくてもよいが、サーバ25は、将来のある時刻においてプラットフォーム40が均衡化ストリング16にどのように振る舞ってほしいか、例えば、より少ない電力を引き出すことによって、又はより高い電圧を提供することによって、グリッドの需要を満たすことについて、又は将来の時刻における振る舞いを優先化することについて(例えば引き出されるべき電流、又は電流変化のレート、又は商用電源電圧を維持する必要、又は商用電源周波数を維持する必要について)、指示を均衡化ストリング16に与えていることは、特記してもよいだろう。
【0048】
ルータは、計測入力136及び137を通じて、電圧及び電流の現在のレベル、例えばサイト10によってグリッド50に供給されている、又はサイト11によって消費されている、又はサイト12によって供給又は吸収されている、現在の電圧及び電流を測定する。
【0049】
イーサネットケーブル115によってイーサネットポート114に接続されているのは、対象のサイトについてのローカルエリアネットワークである。このネットワーク上でプロセッサ101は、対象のサイトによる電力消費又は電力発生又は電力吸収を制御するためにローカルコマンドを送ることができる。
【0050】
運用中、ルータ13は、メモリ151に(又は他のどこかに)ローカル制御パラメータを格納する。これらは、多い場合も有り得て、サイトに依存して変化し得るが、例えば、最小温度又は最高温度を維持する必要、又はバックアップバッテリー電荷の最小レベルを維持する必要、又はサイトの動作に対して極めて重要であり、外部からの干渉がなされてはいけないなんらかの他のパラメータのような、サイトの重要な動作パラメータを含む。重要なパラメータと共に、ローカルパラメータは、好ましい(非重要な)パラメータを含んでもよい。例えば、より広いクリティカルな動作範囲の中に、好ましい動作範囲が存在してもよく、又は、クリティカルな動作範囲、及びそのクリティカルな範囲から限定された程度だけ、限定された期間のあいだ逸脱してもよいことを示す柔軟性パラメータが存在してもよい。メモリ151に(又は他のどこかに)格納されるものには、優先度パラメータ(例えばピーク及びオフピーク電力価格)もあり、これらは、プラットフォーム40からの任意の代替のパラメータがないときには、サイト10の動作を誘導又は決定する。よって、例えば、ローカルコントローラ(
図2には不図示)は、オフピーク時においてエネルギーを優先的に消費するよう、適応性負荷11を制御する。
【0051】
運用中、コントローラ101は、(i)サーバ25から受け取られているハイレベルパラメータと、(ii)メモリ151に格納されたローカルパラメータ及び計測回路135を通して測定された測定値との比較を実行する。計測回路135のローカル計測値と、サーバ25のハイレベル目的値との間のミスマッチ、及び/又はサーバ25によって提供される優先度と、メモリ151からのローカルパラメータとの間のミスマッチを識別する場合は、プロセッサ101は、イーサネット接続115上でコマンドを発行し、サーバ25からの全体的パラメータがより多く効くように制御され、ローカルパラメータによって決定されるようにサイトのローカルの利益がより少なく効くように制御されるやり方で、サイトのローカル制御をオーバーライドするよう振る舞う。例を以下に挙げる。
【0052】
図3をここで参照して、サイト11の例が示される。このサイトは、適応性負荷の例である。
図3の例においては、適応性負荷は、いくつかの大型冷蔵庫301〜304を備える冷蔵倉庫300であって、それぞれの冷蔵庫は、温度センサ305〜308を有し、それぞれの冷蔵庫は、制御入力310〜313を有する。温度センサは、それらの測定値をローカルエリアネットワーク321を介してローカルコントローラ320に供給する。ローカルコントローラ320は、同じローカルエリアネットワーク321を通して、冷蔵庫310〜313の入力を制御する。ローカルコントローラ320に結合されているのは、公共IPネットワーク26でサーバ25に結合しているルータ15である。
【0053】
サイト300の通常動作において、ローカルコントローラ320は、冷蔵庫301〜304の入力310〜313にコマンドを提供し、温度センサ305〜308によって測定される冷蔵庫のうちの任意のものの温度が5℃より上に上がるとき、冷蔵庫のコンプレッサを駆動する。温度が2℃に低下するとき、ローカルコントローラ320は、コンプレッサを停止し、冷蔵庫の温度が5℃まで上昇することを許し、5℃になると再びこのサイクルが始まる。ローカルコントローラ320は、冷蔵庫301〜304のそれぞれを独立に制御することによって、それらのうちのいずれも5℃より上に上昇しないようにするが、この温度(例えば)では、冷蔵庫群のうちの一つの内容物がだめになり得るからである。冷蔵庫が冷凍庫である場合、それらはより低い温度範囲、例えば−2℃〜−4℃を維持され得る。もしこれらのうちのいずれか一つの温度が上限よりも上昇する(又は所定の期間よりも長いあいだ上限よりも上に上昇する)なら、その内容物は破棄されなければならないことがあり得る。これはサイト11の最も基本的なローカル動作であり、これに基づいて変形がいくつか存在する。例えば、ローカルコントローラ320は、オフピーク(低コスト)電気の期間のあいだに冷蔵庫を優先的に駆動するタイミング命令を有し得る。オフピーク時は、典型的には午後10時から午前8:30(スコットランド)であり、又は午後11時から午前7時(ロンドン)であるが、時間は、供給者に依存して異なる。オフピークエネルギーは、例えば通常価格の半分に値段が付けられ得る。典型的には、ローカルコントローラ320は、オフピーク期間の開始及び終了時刻でプログラムされる。よって、ローカルコントローラ320は、温度がその上限に到達していなくとも、オフピーク期間のあいだコンプレッサを駆動するようプログラムされ得る。
【0054】
冷蔵プラントの代わりとしては、ローカルサイトは、スイミングプール又は空調の効いた倉庫のような、なんらかの応答性負荷であり得る。例えば市営スイミングプールの標準的な温度範囲は、28〜32℃であり得る。もしその温度が夜間/午前中に28℃まで下がることが許されるなら、温度を32℃に上げるために、追加のソーラーエネルギーが昼間期間にわたって用いられ得るが、これは、プールを熱エネルギー貯蔵として用いている。同様に、業務用冷蔵庫は、2〜5℃の動作範囲を有し得る。ソーラーピークの前に、その温度は5℃まで上昇することを許され、それからディスパッチ可能な負荷として振る舞い、2℃まで下げられることになろう。
【0055】
ローカルコントローラ320は、サイトの動作を制御して、(i)クリティカルなパラメータ内で動作を維持し、かつ(ii)オフピーク電力の使用を最適化するようなやり方でそれを行うが、ローカル制御プログラムは、ルータ15からの命令によって影響され、又はオーバーライドされ得るような、ローカル制御プログラムを有する。(冷蔵庫の場合では、温度の加減がクリティカルであるが、これは内容物が凍ることが許されないからであり、上限もまたクリティカルであるが、これは内容物が痛みやすいからであるが、冷凍庫の例では、上限がクリティカルであり、これは内容物が解けることが許されず、一方で下限はクリティカルではないことに注意されたい。)
ルータ15は、パラメータをサーバ25から受け取って、サイト300の動作に影響を与える。例えば、ルータ15は、電力供給者にとって重要であるが、ローカルコントローラ320にプログラムされた、サイトのユーザに重要である、予めプログラムされたパラメータと齟齬をきたさない、なんらかのより高い優先度を示す優先度パラメータをサーバ25から受け取り得る。優先度は、価格(すなわち電気の単価)と同等であり得て、又は価値(特にグリッドオペレータにとっての価値)と関連し得る。
【0056】
例として、通常の昼間のサイクルの中では、サイト300が電力を引き出さないことをグリッドオペレータが望むであろう特定のピーク期間が存在し得る。これは、ローカルコントローラ320に格納された価格構造又はタイミングパラメータに組み込まれておらず、ルータ15がコントローラ320に対して異なるやり方で動作するよう仕向けることが可能である。例えば、ルータが、将来に来つつあるピーク期間が存在することを知るようになった場合、ルータ15は、サイト300が、当該ピーク期間のあいだ電流を引き出さないように準備させることができる。ルータはこれを、ローカルコントローラ320に対して(又は直接にコマンドを送ることによって)冷蔵庫301〜304が動作温度をピークの前に低くするよう仕向けることによって、行う。これによって、ピーク時間のあいだ冷蔵庫のいずれもその上限には到達しないことが確保され、よって負荷300が全体としてピーク期間のあいだに電力を引き出さないことが確保される。この例は、負荷の予測準備と呼ぶことができる。この負荷は、単に現在の状況に応答するだけでなく、また単に、その機能を都合の良い時間に実行し、又は都合の悪い時間にそれを行うことを控える、スケジューリングされた負荷でもない。むしろこれは、負荷(実際、応答性負荷)が必要とされることを予測されるときに、それが電力を吸収/利用できる状態にあるように積極的に準備がなれている。
【0057】
ルータ15は、ローカルコントローラ320を完全にオーバーライドするためにオーソライズされ得る。例えば、グリッドオペレータがグリッド中のキー要素(例えば発電機)の壊滅的な故障を予期し、費用削減のメンテナンスを実行するためにその要素をシャットダウンする場合には、グリッドオペレータの利益は、ローカルユーザのそれらをオーバーライドする(両者の契約によって)ことになるかもしれず、その場合、ルータ15は、冷蔵庫301〜304のうちの1つ以上への電力供給を選択的に中止(例えば一つずつ)する命令を発行できる。これは、ルータ15へ最も高いレベルの優先度パラメータを発行するサーバ25によって達成され得て、ルータ15は、このパラメータを、冷蔵庫から電力を遮断するための義務として認識する。
【0058】
サイト300は、均衡化ストリング(例えばサイト10,11及び12)の一部であり得て、この場合、ルータ15は、公共IPネットワーク26上での近傍における他のサイトの他のルータ14及び13に接続される。ここで例えば、ルータ13がソーラーファームに接続され、このソーラーファームが、典型的には正午近くにピーク発電期間を有する状況を考えてみる。今度は、ルータ15は、コントローラ320をオーバーライドすることによってコントローラが、オフピーク期間ではなく正午の期間のあいだに優先的に電力を引き出すようにできる(オフピーク期間は、ローカルコントローラが応答するようプログラミングされている期間である)。同様に、ルータ15は、冷蔵庫301〜304の温度がソーラーエネルギーのピークに近づく期間において上昇することを許可でき、それによって予測的に負荷300が予期されたピークのあいだエネルギーを吸収できるよう準備する。
【0059】
代替として、ルータ15は、曇りの日であり、予期されたピークは、より低いレベルであろうことがサーバ25によって(又はルータ13によって)知らされ得る。この場合、ソーラーピーク時のあいだにルータ15に与えられる優先度パラメータは、より低い優先度であり得て、この場合、ルータ15は、ローカルコントローラ320のローカル優先度(例えば通常価格及びオフピーク価格)と、サーバ25又はルータ13によってそれに与えられている優先度とを比較して計算を行い、負荷300をソーラーピークのあいだに駆動するか、又は負荷300がグリッドオフピーク時の開始までローカル制御の下であり続けることを許すかどうかについての計算を行い得る。ルータ15は、ソーラー電力を使用して負荷を駆動する優先度がもはやなく、負荷がそのローカル制御320の下であり続けることを許す、より高い優先度を持つ、ソーラー電力の低下している期間のあいだの時間を計算し得る。
【0060】
図4を参照して、エネルギー貯蔵サイト12の例の詳細が示される。この例では、エネルギー貯蔵サイト12は、負荷400によって表される、例えば、クリティカルデータ記憶又は電話スイッチ又は交換としての一次機能を有する。負荷400は、グリッド50に接続されるが、連続的な24時間のバッテリーバックアップを要求する、そのようなクリティカル機能を有する。このバッテリーバックアップは、1つ以上のバッテリー410〜412によって供給される。通常の動作では、バッテリーは要求されない。コントローラ413は、電圧計又は電流計又は電力量計415及びグリッド50から分岐された商用AC電力430のソースに結合される整流器420に接続されるように設けられる。商用電力を240ボルトから適当なバッテリー電圧に降圧したり、バッテリー電圧を負荷400を駆動するために必要な電圧に昇圧したりする、降圧及び昇圧変圧器が存在してもよいが、これらの詳細は図示されない。
【0061】
またバッテリー又はバッテリー群410〜412には、グリッド50に接続されたAC出力を有する1つ以上のインバータ430〜432も接続されている。インバータ430〜432は、ルータ15の出力に接続されている。ルータ15の計測入力(136及び137)は、グリッド50又はAC入力430に接続されている。
【0062】
単一のバッテリーだけが存在する場合についての動作が最初に説明される。この場合、バッテリーは、例えば、単一の電話交換機を提供し得る。ローカルコントローラ413は、下限(C
l)より上にバッテリー電荷を維持するようプログラミングされる。バッテリーの技術に依存して、これは、コントローラ413がバッテリー電荷を単にときどき「継ぎ足し」するように要求するかもしれない。よってコントローラ413は、コントローラがヒステリシス制御ループで通常動作で動作をする、電荷又は電圧の限界を表す上限及び下限(例えばC
u及びC
l又はV
u及びV
l)をもつように設けられ得る。
【0063】
これらの制限の内側であっても、バッテリー410内には、他の目的に利用され得る、相当な電荷量が存在しているかもしれないことが確認されている。加えて、又は代替として、バッテリー410がより低いレベル(C
l2又はV
l2又)まで放電し、充電できるようにすることは、有用かもしれない。これはバッテリーの寿命を伸ばし得るからである。この目的で、エネルギールータ15は、ローカルコントローラ413をオーバーライドし、又はローカルコントローラ413に影響を与えることによって、バッテリー410をインバータ430を通してグリッド50へ放電する。ルータ15は、サーバ25によって優先度が(又は均衡化ストリング内の他のルータからの優先度が)与えられる時にこの放電を行う。コントローラ413は、グリッド50の要求が終わったとき、又はローカルコントローラのなんらかの他の優先度がオーバーライドするとき(例えばオフピーク電力期間の開始)に、バッテリー410を継ぎ足し充電できる。代替として、エネルギールータ15は、ルータ15によって管理される優先度がある時(例えばルータ12によってルータ15に示されるソーラーピークの期間のあいだ)には、優先度パラメータをコントローラ413に提供することによって、コントローラ413が整流器420をアクティベートし、電力をグリッドから引き込むようにさせることができる。代替として(不図示)、ルータ15は、整流器420に直接に接続されることによって、LAN414を通してルータ15によって直接に読み取られるメーター415の制限内で、これら整流器がバッテリー410へ電荷を送るよう指示することができる。
【0064】
ここで、サイト12が複数のバッテリーを有する場合の例を検討する。これは典型的なシナリオであるが、バッテリー技術は、ときどきそれぞれのバッテリーの完全な放電及び充電を要求し得るにもかかわらず、負荷は、AC電源430の故障の場合に備えて電荷を供給するために利用可能な、常に少なくとも1つの(典型的にはいくつかの)バッテリーを有していなければならないからである。
【0065】
このシナリオでは、コントローラ413は、巡回的に(例えば1日に一度、又は1週間に一度)、バッテリー410〜412のうちの一つに対して負荷400に放電するようにする。いったん放電すると、コントローラ413は、そのバッテリーをそのそれぞれの整流器420を通して充電する。このシナリオでは、コントローラ413ではなく、ルータ15によって決定される優先度のためにグリッド50に利用可能にルータ15によってなされ得る、追加のバッテリー蓄電容量が存在する。よって例えば、ルータ15は、いつバッテリーを放電し、いつそのバッテリーを充電するかについて、コントローラ413によってなされた選択に影響を与え、又はその選択をオーバーライドできる。よってエネルギールータ15は、優先度パラメータ(又は時間パラメータ又はそれら両方)をコントローラ413に提供できる。例として、ルータ15は、グリッド50上の需要の夕方のピークのあいだにバッテリー群のうちの1つの放電を優先させることができ、グリッド50からのソーラー供給の正午のピークのあいだにそのバッテリーの充電を優先させることができる。
【0066】
他の例として、この種のバッテリー蓄電は、特に高速応答できるエネルギー源である。エネルギールータは、グリッド内での位相が遅れる時間のあいだ、すなわち計測入力136及び137がグリッド周波数の低下を示す(需要の急な増加及び需要に追従する供給が不可能であることを示す)ときには、インバータを通したグリッドへのバッテリー群のうちの一つの放電を優先し得る。バッテリーは、グリッドへと急速に放電することで、グリッドへの供給の加速に対するこの即時の需要を満たすことができ、それによって位相(及び周波数)を維持し、かつそれによってガスタービン発電機のようなハイレート発電機を用いる必要をなくすことができる。
【0067】
グリッド50の需要に応答するこの能力は、サイト12が、均衡化ストリング16内の電力需要の変化レートを制限するために、サイト10及び11と共同で動作することを可能にし得る。これは特に貴重な特徴であるが、必要な応答性を有する高価な発電施設を提供するために、グリッドオペレータの需要に対してより広い影響を有するからである。
【0068】
ここで
図5を参照して、
図1のシステムのさまざまな要素上で実行される、いくつかのプロセスを図示するプロセスフロー図が示される。プラットフォーム40上で、グリッドオペレータプロセス500が実行される。このプロセスは、例えば、サーバ25上で実行され得て、ユーザインタフェース41から入力を受け取り、そのユーザインタフェースに情報を送る。またそれは、データベースクラスタ43からデータを受け取り、そのデータへのアップデートを供給し得る。プロセス500は、高レベルパラメータ510をプロセス511に提供する。プロセス511は、ルータ13,14及び15のうちのそれぞれの上で好ましくは実行される。プロセス511は、均衡化ストリング16を管理し、以下のサブプロセスを有するプロセスである。すなわちエネルギールータ13によって実行されるソースプロセス512、エネルギールータ14によって実行される負荷プロセス513、及びエネルギールータ15によって実行される貯蔵プロセス514である。
【0069】
同様に、グリッドオペレータプロセス500は、パラメータ520のもう一つのセットを均衡化ストリングプロセス521に提供し得て、このプロセスは、均衡化ストリング30(
図1に示される)のようなもう一つの均衡化ストリングのために実行されるプロセスである。均衡化ストリングプロセス521は、対応するサブプロセス、例えばサブプロセス522,523及び524を有する。
【0070】
上で説明されてきたように、プロセス511及び521は、理想的にはソース、負荷及び貯蔵プロセスの3つ全てを理想的には有するが、これらプロセスのうちの2つだけを有してもよく、実際には、複数のソース、複数の負荷及び/又は複数の貯蔵を有し、これらのそれぞれが対応するプロセスを有してもよい。ネットワーク中には、エネルギールータを有する他の制御されるアセットが存在してもよく(
図1に示されるものに限られず)、これらは対応するプロセス530を有するものとして図示される。プロセス530は、グリッドオペレータ500からパラメータ531を受け取る。示されるプロセスのうちのそれぞれは、データ又は命令515をより高いレベルのプロセスに戻し得る。
【0071】
運用中の例として、グリッドオペレータ500は、アドレス及びパラメータのセット510を均衡化ストリング511に提供する。アドレスのセットは、例えば、IPアドレス群のセットである。これらは、均衡化ストリングAのメンバーを定義する。これらは、ストリングのそれぞれのメンバーに、ストリングを構成する他のメンバーを知らせる。そのストリングについてのパラメータは、そのストリングについての高レベルの目標を定義する。パラメータの例は、{t1, t2, VA}であり得る。この例では、グリッド操作プロセス500は、均衡化ストリング511に対して、時刻t1及びt2のあいだにある優先度レベルが電力(すなわち電圧×電流)に与えられるべきであることを示す。これは例えば、均衡化ストリングが時刻t1及びt2のあいだにグリッドから引き出す電力の量についての、プロセス511に対する影響のレベルを示し得る。均衡化ストリング511は、これらパラメータ(又は導かれたパラメータ)を均衡化ストリング16内のさまざまなルータ13,14及び15に渡し、対応するプロセス512,513及び514は、協働し(下でさらに述べるように)、それらの動作の過程で、それらは時刻t1及びt2のあいだでグリッドから引き出されるそれらの最大電力について影響を受ける。この影響は、例えば、オペレータプロセス500からあるレベルの電力(例えばパラメータVAによって示されるように)より多くは引き出さないことにつながり得て、又はそのレベルを超えることにつながり得る。いずれの場合においても、グリッドオペレータプロセス500の希望を達成するための、又はこれらの希望を達成するのに失敗するための金銭的指示が存在し得る。
【0072】
均衡化ストリングプロセス511は、(i)時刻t1及びt2のあいだに所望の意図を達成できると予期するか、又はどの程度できると予期するか、及び、その後に(ii)時刻t1及びt2のあいだに所望の意図を達成できたか、又はどの程度達成できたかをグリッドオペレータプロセス515に報告してもよい。グリッドオペレータプロセス500は、これらの結果を記録し、ユーザに報告してもよい。
【0073】
同様に、均衡化ストリングプロセス521は、IPアドレスセットBによって定義され得て、パラメータ520と同じ又は他のセットが与えられ得る。与えられた例では、パラメータ520は、時刻t3及びt4のあいだに、均衡化ストリングプロセス521が、定格グリッド周波数の偏差Δf
1内にグリッド周波数を維持するよう試みるべきであり、この目標に優先度レベルP2を割り当てるべきであることを示す。均衡化ストリングプロセス521は、これらのパラメータ又は導かれたパラメータをソースプロセス522、負荷プロセス523及び貯蔵プロセス524に提供し、これらプロセスは、グリッド周波数を特定された時刻のあいだで特定された偏差内に維持するよう協働して試みる。この目標にどの程度、寄与できると予期されるか、及び寄与できるかは、均衡化ストリング521によってグリッドオペレータ500に逆に報告される。
【0074】
運用の過程において、グリッドオペレータプロセス500は、均衡化ストリングAが、グリッドオペレータプロセス500の目標を達成するためには不十分な応答性ソースアセット又は応答性負荷アセット又は利用可能な貯蔵容量しか有しないことを特定してもよい。例えば均衡化ストリングAは、需要(グリッドからの)又は供給(グリッドへの)の変化速度を与えられた閾値より下に維持することができないという意味で、均衡がとれていないかもしれない。均衡化ストリングAをさらに均衡がとれている状態にするためには、グリッドオペレータプロセス500は、追加のアセットを均衡化ストリングAに割り当てる必要がある。プロセスは、コマンド531をアセット530のうちの1つに発行することによってこれを行う。このコマンドは、例えば、制御されたアセット530内のルータに、ここでアセットが均衡化ストリング16の一部になったことを示す、IPアドレスのセットを含む。換言すれば、グループ530内のアセット(ソース、負荷又は貯蔵)には、そのグループの他のメンバー(プロセス512,513及び514を実行しているルータ13,14及び15)のIPアドレスのセット(IPアドレスセットC)が与えられる。この新しいアセット530がこれらIPアドレスを有するとき、このアセットは、そのグループ内の他のプロセスと直接に通信することができ、今やその均衡化ストリングの一部になっている。
【0075】
その後、同じアセット530は、均衡化ストリングAから割り当てを解除され得て、同じプロセスによって均衡化ストリングBに割り当てられ得る。このようにして、グリッドオペレータプロセス500は、電源又は他の機器のなんらの接続又は分離もなく、その制御下に均衡化ストリングのそれぞれにおいて均衡のレベルを維持することができる。
【0076】
この局面は、大きな優位性を有する。遠隔の点500から、グリッドオペレータは、それぞれのローカルクラスタが全体としてグリッドに対して限定された又は制御された需要を有するように、エネルギー負荷及びリソースのローカルクラスタを作ることが可能になる。これは今度は、グリッドオペレータが大きな量で、又は速い変化速度で、電力をその国の異なる部分へと振り分ける必要性を減らし得る。理想的なシナリオでは、均衡化ストリングのうちの一つは、ストリング内で発生された全てのエネルギーを貯蔵し、そのエネルギーを異なる時刻において消費できるという点で、完全に自律的である。理論的には、そのようなストリングは、全国にわたるグリッドの他の部分から分離されることも可能である。
【0077】
さらなる例として、アセットのストリングが接続されているグリッド中の特定の点を通る電力フローの変化の速度をゼロに(又は制限付きに)維持することも可能である。均衡化ストリングへの(又は均衡化ストリングからの)、グリッドの残りからの(グリッドの残りへの)一定で、定常状態で、又は平滑化された正味のエネルギーのフローは、しばしば優位性をもつ。これは、パラメータ{rate of change of power(電力の変化速度); t6, t7}を、配電ネットワークの関連する部分におけるアセット群のストリングに提供することによって達成され得る。計測値が特定された点において取られることによって、高レベルの目標が達成されつつあるかどうかを示す、ストリングへの又はサーバへのフィードバックを与えることができる。アセット群のストリングは、それら自身の中で、又はサーバを介してそれぞれの弾力性を通信し得て、特定された点を通して引き出される電力のそれら全体の変化速度をどのようにして制限するかについての合意に達し得る。
【0078】
この局面は、ステップを実行しているアセットを個別に(又は集合的に)関係させることによって、それらアセットがある状況下で、それら状況が起こりつつあるとき、及びそれら状況が起こったときに、応答可能な状態にあるように予め準備させる。
【0079】
具体的な例として、あるアセットは、その電力のピーク需要を早めることができ得て、一方で、他のアセットは、その電力のピーク需要を遅らせることができ得て、それによって全体的な電力需要を平滑化する(全体需要を最大値よりも下に維持する)ことができる。
【0080】
さらなる例として、計測されたサージ(電力又は需要における)に応答して、アセット群は、集合的にそれら電力需要を早めたり、又はそれら需要を遅らせたりし得る。アセット群は、与えられた大きさの需要に応答する最初のものであるべき、それらの中でネゴシエート(例えばプリネゴシエート)し得て、それによってそれらが過剰に応答せずに、需要のサージを鎮める(又はその逆)ことができる。換言すれば、それらは、もし配電ネットワーク中の所定の点における計測入力回路135によって(又はなんらかの他の計測ユニットによって)計測されたローカル状況が特定の応答を必要とするなら、サーバからの特定の高レベル要件をそれらがどのようにして集合的に充足するかをプリネゴシエートし得て、もしそれらの状況が起こったなら、プリネゴシエートされたやり方で動作する。
【0081】
応答性ソースの例は、同じエンドポイント(例えばホテルのような建物)において熱及び電力を発生する熱電併給(combined heat and power、CHP)エンジンである。典型的にはCHPエンジンは、ガス、水素、ディーゼル又は他の燃料で運転され、多少なりとも固定された比率(例えば60%の熱及び40%の電力)で熱及び電力を発生する。高レベルパラメータを受け取ると、応答性ソースは、将来の与えられた時刻において自分がより少ない量を発電(又はより多い量を発電)するような状態になるための準備をし得る。応答性ソースは、例えば、与えられた時刻よりも早く、より多くの電力を発生することによって、需要と比較した供給のピーク(つまり需要の低い期間)が予期される建物をウォームアップし得て、ピークが到達したときには、その発電レートを下げることができる。一方で、応答性ソースは、その電力のレートを落とし、建物がクールダウンすることを可能にし得るが、このとき、発電のレートを増し、ストリングに又はグリッドに電気を提供しつつ、増加された熱を用いて建物をより通常に近い温度に戻す準備ができる、供給の低い時期(つまり需要のピーク)を予期するようサーバに知らされた、将来のある時を予期している。
【0082】
図6〜8は、均衡化ストリングの割り当てを示し、特に中央サーバ25、ローカルサイト10,11,12及びそれらの関連するルータ13,14,15の間の通信を示す。
図6は、均衡化ストリング割り当てのプロセスを示すフロー図である。
図7及び8は、均衡化ストリング割り当てのプロセスにおいて、通常状態及び問題が起こった状態をそれぞれ図示する概略的タイムラインを示す
図6のステップ600において、均衡化ストリング割り当てのプロセスの新しいサイクルが時刻t
0で始まる。中央サーバは、ステータスレポートをローカルルータ(それぞれローカルサイト/電源、応答性負荷又は貯蔵のアセットに関連付けられ接続された)から受け取ることをリクエストし、それを始める。このステップは、
図7aの要素700として図示もされる。ローカルサイトからのステータスレポートは、その電力需要及び送電及び柔軟性能力のようなローカルサイトについてのアップロードされたデータを含む。好ましくは、ステータスレポートは、全てのノードから受け取られるが、全てのノードのサブセットから受け取られてもよい。ステータスレポートは、必ずしも同時に受け取られなくてもよく、ステータスレポートの受領は、t
0のあとに、不規則にずらされてもよい。
【0083】
ステップ610において、中央サーバは、高レベルの目標を達成するために、受け取られたステータスレポートに基づいて、ローカルサイトからストリング(均衡化されたもの、又はそうではないもの)を形成することについて判断を行う。これは要素702として図示もされる。例えば、それは、サイトA,B及びCでローカル均衡化ストリングXを形成するように決定し得る。この決定は、特定された期間、例えばt
1からt
2について、又は複数の期間、例えばt
1からt
2、及びt
3及びt
4について適用され得る。この決定は、ローカルリソース群の個々又はグループ群についての、利用可能性、需要、電力グリッド内での位相幾何学的位置、及び地理学的位置関係に依存し得る。例えば、中央サーバは、予期されたエネルギー需要に基づいて、均衡化ストリングを形成するようサイトD,E及びFに命令し得て、サイトG及びHについては、たとえそれらが地理的には近くても異なる電気ネットワークインフラストラクチャに属するという理由で均衡化ストリングを形成しないよう命令し得る。他の例として、中央サーバは、夜間であるという理由で、2つのソーラーファームにそれらの均衡化ストリングから離脱するよう命令し得る。
【0084】
ステップ620において、中央サーバは、それが行った決定に基づいて命令をローカルサイトの選択に関連付けられたローカルルータ群へと伝える。これは、要素704として図示もされる。この選択は、中央サーバに知られているローカルサイトのサブセット又は全てを含み得る。例えば、中央サーバは、サイトA,B及びCに関連付けられたルータに、これらサイトが均衡化ストリングXを形成するよう指示する命令を送り得る。
【0085】
選択されたローカルルータが命令を受け取った後、それらは、中央サーバとではなく、互いにローカルの(ピアツーピアの)通信を実行し(ステップ630)、なんらかの可能性がある問題を検出する。これは要素706として図示もされる。問題には、命令又はステータスレポートを含む、エラーがあるデータパッケージの表示が含まれ得て、これら命令又はステータスレポートは、ローカルルータ群で受け取られた命令群間の不整合、及び/又はローカルサイトの実際のステータス、中央サーバに以前に送られたステータスレポート、及び/又は中央サーバから受け取られた命令間の不整合につながり得る。例えば、中央サーバは、ステータスレポートの一部として以前にそのルータが送ったステータス情報と矛盾する命令をローカルルータに伝える。他の例として、ネットワークの問題又は他の故障のために中央サーバに以前に送られたステータスレポートにエラーがあり、その結果、そのレポートされたステータスと、その実際のステータスとの間に不一致をきたすことが判明する。第三の例として、ステータスレポートがローカルルータから送られなかったこと、又はそれが送られはしたが、中央サーバによって成功裏に受け取られていないことが判明する。
【0086】
ステップ640において、もしなんらの問題もローカルルータによって検出されなければ、プロセスは、ステップ660に移り、ここで選択されたローカルサイトに対応するルータ群は、それらが中央サーバによって送られた命令の目標を成し遂げることが可能であることを中央サーバに対して集合的にアクノリッジする。これは要素708として図示もされる。プロセスは、ステップ670に移り、ここで選択されたルータは、命令を実行する。例えば、ローカルサイトA,B及びCは、時刻t
1及びt
2のあいだに均衡化ローカルストリングXを形成する。これは710として図示される。
【0087】
時刻t
2において、ローカルルータ及びサイトは、中央サーバから既に伝えられた代替の命令に従ってもよい。例えば、個々のサイトは、均衡化ストリングに追加又は均衡化ストリングから除去されることによって、期間t
2〜t
3内において、期間t
1〜t
2内における均衡化ストリングとは異なる均衡化ストリングを形成する。そうでなければ、現在のサイクルは終了し、ステップ600でプロセスが再び開始し、中央サーバは、アップデートされたステータスレポートをローカルルータから受け取る。
【0088】
しかし、もしステップ640において問題が検出されるなら、関与するローカルルータは、ステップ650において少なくとも3つの選択肢のうちの1つを実行する決定を下し得る。1つの選択肢(ステップ652)は、例えば、もし問題が大きな影響をもつことがなさそうであるなら、検出された問題を無視することである。例えば、もし50のサイトのうちの1つのローカルサイトが誤ったステータスレポートに基づいて均衡化ストリングに参加できないなら、ルータは、既に受け取られた命令で続行することが許容できると判断し、その問題を次のサイクルで修正するだけにとどめてもよい。もう一つの例として、ローカルルータ群は、ピアツーピア通信を実行し、サイトAが実際には利用不可能であることが認識された後には、均衡化ストリングにサイトAを含めろという中央サーバの命令に従わないことに合意し、その代わりに、ノードAを除外して均衡化ストリングを形成し得る。
【0089】
ローカルルータのための代替の選択肢(ステップ654)は、ローカルで、すなわち中央サーバを巻き込むことなく、問題を解決することである。例えば、ローカルルータは、ピアツーピア通信を実行し、サイトAに関する以前のステータスレポートにエラーがあったが、ローカルルータ(サイトAのためのルータを含め)が必要な情報を全て有し、通信エラーは、サーバの目標を実行するのに非クリティカルであると結論付け得る。この選択肢(ステップ654)は、新しいサイクルを開始する必要なく、及び/又は新しいステータスレポートを要求及び受領し新しい判断を行うことなく、問題をローカルで解決することによって、時間を節約するという潜在的優位性を有する。そうでなければ、通信レイテンシーによって、新しい均衡化ストリングのタイムリーな形成は遅れるかもしれない。
【0090】
ローカルルータのための第三の選択肢(ステップ656)は、おそらくは問題についての通知と共に、現在のサイクルを中止し、均衡化ストリング割り当てプロセスの新しいサイクルを開始するリクエストを中央サーバに送ることである。この場合、プロセスは、直接にステップ600へと戻り、中央サーバは、ローカルサイトのローカルルータからのステータスレポートを再びリクエストし、受領する。
【0091】
アセットは、エラー以外の理由で均衡化ストリングを離脱し得ることに注意されたい。例えば、サーバの高レベルの目標を満足するよう要求されていないのでアセットが離脱することもあり得る。そのような場合、ストリング中の残りのアセット群は、当該余剰アセットなしで目標を満足できるそれらの能力を確認し、そうなれば、余剰アセットは、他のストリングに割り当てられて他の需要を満足すべく自由になる。
【0092】
上記第3の状況は、
図8のタイムラインに図示される。要素800〜806は、要素700〜706に対応する。要素708は、ローカルルータから中央サーバになされたリクエストを参照して新しいサイクルを開始する。この新しいサイクルは、いつもと同様に実現され、すなわち
図8の要素810〜818は、
図7の要素700〜708に対応する。
【0093】
中央サーバの観点からは、均衡化ストリング割り当ての1つより多いサイクルが進行中であり得ることに注意されたい。例えば、
図7に示されるように、中央サーバは、ローカルルータのうちの全て又は選ばれたものから追加のステータスレポートをリクエスト及び受領し得る(要素750)。中央サーバは、以前になされた決定に影響を与えるか、又は影響を与えない新しい決定を行い得る(要素752)。要素754,756及び758は、中央サーバがローカルサイト群及びルータ群の選ばれたものに命令を伝え、期間t’
1〜t’
2のあいだにローカルストリングBを形成する例を図示する。新しい命令は、以前に伝えられた命令が実現され完了した後の将来の時刻においてローカルストリングの形成に関連し得て、又は既に伝えられた命令をオーバーライドし得る。
【0094】
本開示の主題の革新的な局面は、ソース、貯蔵、及び応答性負荷から選択される少なくとも2つの異なる電力アセットを含む電力アセットのストリングを有する配電制御システムであって、前記電力アセットのそれぞれを制御し、前記ストリング内の他の電力アセットのコントローラとピアツーピアベースで通信するルータ、及び前記ストリング内の前記電力アセットのルータと通信し、前記アセットの前記ルータが互いに通信を開始できるようにするために、前記ストリングの他のアセットが何であるかと、前記アセットが互いの間で電力転送の時刻及び量をネゴシエートすることによって、協働して実現しようと試みるべき、サーバのレベルにおける高レベルの目標とをそれぞれのルータに伝えるサーバを備える配電制御システムにおいて実現され得る。好ましくは、配電制御システムは、前記サーバと通信するデータベースをさらに備え、前記データベースは、それぞれのアセットについて、他の電力アセットに対する電力グリッド内でのその位相幾何学的位置、その電力需要又は電力供給能力、及び前記電力需要又は電力供給能力がどの程度、柔軟性をもつかを示すパラメータを含む。好ましくは、前記電力需要又は電力供給能力及び柔軟性パラメータの時間特性が前記データベースに格納される。好ましくは、前記データベースは、前記電力アセットによってレポートされた、実時間需要又は電力供給能力及びそれら需要又は電力供給能力についての許容可能な変動を示すパラメータをさらに格納する。好ましくは、前記電力アセットのうちのあるアセットは、前記アセットをオンにしたり、オフにしたりすることによって所定の範囲内の前記ローカルアセットの動作を維持するローカルコントローラを有し、前記ローカルコントローラは、前記アセットの前記ルータに結合され、オンオフのタイミングを決定する命令を前記ルータから受け取る。
【0095】
配電制御システムのある実施形態において、第1電力アセット群からなる第1ストリングは、グリッドの第1部分に接続され、第2電力アセット群からなる第2ストリングは、前記グリッドの第2部分に接続され、前記第1及び第2部分は、ピンチポイントを介して接続される。配電制御システムの他の実施形態において、前記電力アセットは、ソース、貯蔵、及び応答性負荷を含むことによって、前記貯蔵は、前記ソースが前記負荷によって要求されるよりも多いエネルギーを作るとき、前記ソースからのエネルギーを貯蔵し、前記負荷が前記ソースによって供給され得るよりも多いエネルギーを要求するとき、エネルギーを前記負荷に送る。さらなる実施形態において、配電制御システムは、第1及び第2ストリングであって、それぞれの第1及び第2ストリングは、負荷、ソース、及び貯蔵からなる別個のクラスタをもち、それぞれ第1及び第2コントローラを有する第1及び第2ストリングと、前記クラスタ間で電力要素を割り当てるより高いレベルの制御手段と、を備える。
【0096】
本開示の主題の革新的な局面は、ソース、貯蔵、及び応答性負荷から選択される少なくとも2つの異なる電力アセットを含む電力アセットのストリングを有する配電システムの運用の方法であって、前記電力アセットのそれぞれを制御するローカルコントローラ、及び前記ローカルコントローラと通信するサーバを提供すること、前記サーバによって設定された目的を満たすよう試みる均衡化ストリングを形成すべき電力アセットのセットを前記サーバにおいて特定すること、前記均衡化ストリングの他のアセットを示すメッセージを前記サーバからそれぞれのコントローラに送ること、及び前記均衡化ストリング内の前記アセットのローカルコントローラ間で通信することによって、前記設定された目的を満たす電力転送の時刻及び量をローカルコントローラが互いの間でネゴシエートすることを含む運用の方法においても実現され得る。好ましくはこの方法において、アセットコントローラは、前記アセットの状態を前記サーバにレポートし、前記サーバは、アセットのアドホックストリング及び前記ストリングについての期間を計算し、前記期間のあいだストリングを共に形成することを前記ストリング内の前記アセットに伝える。好ましくは、前記ストリングの前記アセットコントローラは、アドホックストリングであることを伝えられると、前記サーバの高レベルの目標を満たすことができるかをコントローラ間で確認し、その旨を前記サーバにレポートする。好ましくは、前記サーバは、前記ストリングが前記サーバの前記高レベルの目標を満たすことができないと知らされたときは、目標の他のセット及び/又は目標の代替のセットを実現する別のアドホックストリングを計算する。
【0097】
本開示の主題の革新的な局面は、応答性ソース、貯蔵及び応答性負荷から選択される複数の電力アセットを備える電力アセットのストリングを有する配電制御システムにおいても実現され得て、応答性ソース、貯蔵及び応答性負荷のそれぞれは、グリッドに接続され、ローカルルータを有し、配電制御システムは、ローカルルータと通信するサーバと、グリッド中のピークアクティビティの時刻をサーバにおいて予期し、ピークアクティビティの未来の時刻を表すパラメータをローカルルータに提供する制御システムとを備え、それぞれのローカルルータは、制御システムからパラメータを受け取り、その関連付けられたアセットが将来のピークに積極的に準備するようにさせるように構成され、ローカルルータは、そのアセットが、負荷の場合は、その負荷がピークの時刻により多くのエネルギーを消費するか、又はより少ないエネルギーしか要求しないかの状態にあるよう準備し、貯蔵の場合は、グリッド中に電力を放出するか、又はピークの前にグリッドから蓄電することによって貯蔵アセットに準備をさせ、ソースの場合は、ピークの時刻により多くのエネルギー又はより少ないエネルギーを発生する状態にあるようにソースを準備させ、それによってアセット群は、予期された時刻においてストリングの外にあるグリッドのピークの影響を低減するよう協働する。好ましくはこのシステムでは、複数の電力アセット群は、互いの間でピアツーピアで通信し、ピークの時刻におけるそれらの集合的な振る舞いを修正する能力があることを集合的にサーバに確約する。好ましくは、それぞれのローカルルータは、貯蔵装置であり、かつ、需要の予期されたピークがある場合において、パラメータの受領に応答して、ピークの前に貯蔵装置に蓄電するよう構成される。好ましくは、それぞれのローカルルータは、貯蔵装置であり、かつ、供給の予期されたピークがある場合において、パラメータの受領に応答してピークの前に、少なくとも部分的に貯蔵装置を放電するよう構成される。好ましくは、それぞれのローカルルータは、応答性ソースであり、かつ、供給の予期されたピークがある場合において、パラメータの受領に応答して、ピークの前により多くの電力を作るようにソースに準備させ、それによってピークのあいだにはより少ない電力を作る状態にあるようにする。好ましくは、それぞれのローカルルータは、応答性ソースであり、かつ、需要の予期されたピークがある場合において、パラメータの受領に応答して、ピークの前により少ない電力を作るようソースに準備させ、それによってピークのあいだにはより多くの電力を作る状態にあるようにする。好ましくは、それぞれのローカルルータは、本体を加熱又は冷却するよう動作する負荷の場合であり、かつ、需要の予期されたピークがある場合において、パラメータの受領に応答して、ピークの前に本体を加熱又は冷却するよう負荷に準備させる。好ましくは、負荷は、負荷を温度範囲温度T1及びT2で動作させるよう制御するローカルコントローラを有し、ローカルルータは、制御システムからパラメータを受け取り、温度を温度範囲の一端へと追い込むことによって、将来のピークのために負荷にアクティブに準備させるよう構成される。好ましくはこのシステムでは、それぞれのローカルルータは、本体を加熱又は冷却するよう動作する負荷の場合であり、かつ、供給の予期されたピークがある場合において、パラメータの受領に応答して、ピークの前に、本体を加熱することを遅らせ又は本体を冷却することを遅らせるよう負荷に準備させる。好ましくは、負荷は、温度T1及びT2の間である臨界温度範囲内で、また好ましい温度T3及びT4の間である推奨温度範囲内で動作負荷を制御するローカルコントローラを有し、ローカルルータは、制御システムからパラメータを受け取り、温度が好ましい範囲の外へと逸脱することを許しつつ、一方で、臨界範囲内であることを維持することによって、将来のピークのために負荷にアクティブに準備させるよう構成される。配電制御システムのある実施形態において、アセットは、異なるタイプ(応答性ソース、貯蔵及び応答性負荷)であり、将来のピークの時刻で電力をやりとりし、それによってストリングの外のグリッドに対するピークの影響を低減する状態にあるよう準備する。
【0098】
本開示の主題の革新的な局面は、応答性ソース、貯蔵及び応答性負荷から選択される複数の電力アセットを備える電力アセットのストリングを有する配電制御システムにおいても実現され得て、応答性ソース、貯蔵及び応答性負荷のそれぞれは、グリッドに接続され、ローカルルータを有し、配電制御システムは、ローカルルータと通信するサーバを備え、複数の電力アセットは、互いの間でピアツーピアで通信し、グリッド中のイベントに応答してそれらの集合的な振る舞いを修正する能力があることを集合的にサーバに確約する。好ましくは、システムは、グリッドをモニタし、イベントをルータに伝える手段をさらに備える。好ましくは、システムは、イベントをサーバからルータに伝える手段をさらに備える。好ましくは、システムは、将来のある時刻におけるグリッド上の将来のイベントを予期し、その将来のイベントを表すパラメータをローカルルータに提供する制御システムをサーバにおいてさらに備える。好ましくは、このシステムでは、アセットは、ストリングの外におけるグリッド上のイベントの影響を低減するようその将来の時刻において協働する。好ましくは、このシステムでは、アセットのストリングは、互いのアセット間で、それら各々の柔軟性について通信し、電力変化の全体的な速度をどのように制限するかについての合意に達するよう構成される。好ましくは、このシステムは、グリッドで対策を取り、サーバのレベルでの高レベルの目標がアセット群によって集合的に達成されつつあるかを示すためのフィードバックを提供する手段をさらに備える。好ましくは、このシステムでは、アセット群は、どの順番でイベントに応答するかについて、それらの間でプリネゴシエートするよう構成される。
【0099】
実施形態及び例の上述の記述は、例示のために挙げられているに過ぎない。本発明のさまざまな局面及び実施形態は結合され得る。さまざまな局面及び実施形態は、他の局面及び実施形態にしたがって改変され得る。本発明の範囲は、実施形態の詳細によって限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲において規定されている。